エンパイアウォー②~その女武者は詠うのか
寛永三方ヶ原の戦いに勝利した猟兵達は、『第六天魔軍将図』を手に入れた。
この『第六天魔軍将図』に記された名前は8つ。
三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきた。
徳川幕府軍は、この国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍もあわせ幕府軍10万を招集。幕府の総力をあげて織田信長を撃破すべく『首塚の一族』を魔空安土城の防御を破らせるために動き出した。
だが、その道程は険しい。猟兵は、行軍する徳川幕府軍を信長軍の攻撃から守りつつ、行く手を阻む信長軍の魔軍将達を撃破せねばならない。
「江戸の背後を突くように、奥羽地方で大量の『水晶屍人』が発生し、奥羽諸藩が危機に陥っております」
月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)が沈鬱な表情で語り出した。
『水晶屍人』は、『魔軍将』の一人である陰陽師『安倍晴明』が屍に術をかけて造り出した、肩から奇妙な水晶を生やした動く屍だ。
水晶屍人は、戦闘能力自体は高くはないが、水晶屍人に噛まれた人間も新たな水晶屍人となる為、雪だるま式に数が増え続けている。
水晶屍人の軍勢は『安倍晴明』配下のオブリビオンが指揮しており、各地の砦や町、城を落としながら江戸に向かって南下している。
このまま水晶屍人の軍勢が江戸に迫れば、徳川幕府軍は全軍の2割以上の軍勢を江戸の防衛の為に残さなければならなくなる。
「皆様に向かって頂くのは、米沢藩の小野川……小野小町伝説の残る土地でござる」
この地に発生した水晶屍人の軍勢を率いているのは、美しい女武者のオブリビオンであるという。女武者が小野小町そのものというわけではなかろうが、何らかの因縁があるかもしれない。
「その女武者は、数百もの水晶屍人と共に進軍しております」
その軍勢の中に飛び込み、水晶屍人を蹴散らしつつ、指揮官である女武者を探し出し、撃破しなければならない。
「水晶屍人は個々は弱いですが、なにせ数が多うござる。いかに効率よく屍人を蹴散らし、女武者に迫るかが肝心になりましょう」
水晶屍人の軍勢を防ぐ、また強行突破する方法、女武者を素早く見つける方法を考えておいた方がよさそうだ。
「女武者さえ倒してしまえば、軍勢の後始末は、米沢藩の藩士達に任せられまする」
水晶屍人は、指揮官のオブリビオンさえ撃破できれば武士達でも駆除は可能だ。
ひととおりの説明が終わった後、鬼照は掌の上のグリモアを見つめて呟いた。
「やはり、女武者は小野小町に何らかの縁のある者のようでござる……和歌を詠むと、気を引くことが出来るやもしれませぬな……」
小鳥遊ちどり
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●このシナリオの目的
ボスの女武者を撃破する。
●プレイングに、無数の『水晶屍人』を防ぐ、あるいは強行突破する方法、無数の『水晶屍人』の中から素早く指揮官を見つける方法などを書いていただくと、プレイングボーナスがつく可能性があります。
●和歌を詠まれる場合、オリジナルでお願いします(著作権的に)
ではでは、以上よろしくお願い致します。
第1章 ボス戦
『女武者大将』
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POW : 「大将を死守せよ!」
戦闘用の、自身と同じ強さの【自らを護る近衛女武者衆】と【敵を迎え撃つ女鉄砲隊】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : 「騎馬隊!前へ!進め!」
【白馬に跨った女騎馬隊】の霊を召喚する。これは【薙刀を持っての騎馬突撃】や【距離を置いての馬上弓射】で攻撃する能力を持つ。
WIZ : 英霊達の加護と呪護
【かつて仕えた戦国大名の英霊】【自身が率いた兵士の霊】【合戦で討ち果たした敵兵の怨霊】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
イラスト:森乃ゴリラ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「鍋島・小百合子」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アトシュ・スカーレット
うーん…
大軍だなー……
広範囲で燃やしたいけど、水晶だからなー……
土属性で雪崩でも起こすか
味方に当たらないようにはするけど…それ以外は無視でいいね、うん
オレは無数の水晶屍人から軍や味方を防衛する方に回るね
防衛と言いつつ、攻撃してるけど、まぁいいか
地面に干渉して、津波というか、雪崩というか…まぁ、壁みたいなものを生み出して、呑み込んで道を作ろうかな?
「道は作るものでしょ?物理で作っておいたから、ささ、どうぞー」
「…まだまだ来るようなら、今度はなにしようかなー?次は雷で雨でも降らそうかなー?」
アドリブ、共闘大歓迎
月夜・玲
サムライエンパイアも遂に戦争か
ま、少しでも多くの兵を送る為にはちょっとは頑張らないと
けど、ゾンビパニックは勘弁だよね
数ばかりわらわらと……全く持って趣味の悪い事をする奴もいたもんだ
さて、じゃあ道を作ろうじゃないか
●戦闘
Key of Chaosを抜刀して【神器複製】を使用
47本の複製神器を広域に展開して水晶屍人を狩りとっていこう
敵の軍団からは距離を取って戦場の様子を確認
複製した剣を『念動力』で操り、水晶屍人の数を減らして敵オブリビオンを見つけやすくしよう
飛ばした複製剣で『2回攻撃』して屍人達を『なぎ払う』!
こうして屍人を減らしていけば、指揮官も見つけやすくなるかな?
●アドリブ等歓迎
黒鵺・瑞樹
和歌なんて雅な事はわからん。が、奥州の危機とあらば駆け付けない理由はないな。
錬成カミヤドリで水晶死人を蹴散らしながら強行突破。
大将って言うんなら、ただの有象無象とは動きは違うはず。
その差を【野生の勘】も使って探しだす。
俺自身は【存在感】を消し【目立たない】ように移動できれば幸いだな。
相手の攻撃には【第六感】【見切り】で回避、回避しきれないものはナイフで【武器受け】もしくは【盾受け】して【カウンター】をたたきこむ。
もし受けざるを得ない時は【オーラ防御】【激痛耐性】で耐える。
神計・紅牙
中途半端な反魂法を用いるなど世の理を歪める所業、捨て置けぬな。
というかやっぱり我、セイメイのやつ嫌い。どれ、邪魔をしてやるかのぅ
【破魔】の力を乗せたUC顕正の間を用いて屍人の穢れを落としてくれよう。
【地形の利用】をすれば奴らの頭上から面による【範囲攻撃】も出来るのではなかろうか。
ふむ、ここで一首、はかなくも 黄泉路を戻れど 散る定め 墓前にあげる線香もなし
今はせめて成仏させてやるのが慈悲というもの。
まあ愚かにもこちらを見た者がいればそやつが指揮官であろう
そちにかける慈悲はない。英霊であれ怨霊であれ我に任せておけば祓うなど容易き事
強化などさせぬ。疾くと往ぬがよい!
マルコ・トリガー
フーン、水晶屍人の群勢から1人だけを探し出せ、か
女武者の特徴は?赤備え?
なら、上から見てみようか
【2回攻撃】の牽制射撃をしながら【竜飛鳳舞】で高く跳んで空から群勢を見下ろそう
まあ、この方法だと敵から狙い撃ちされそうだから、一ヶ所に留まらずに素早く移動しなきゃね
場所がわかったら他の猟兵に伝えよう
ボクらは1人で戦ってるわけじゃないんだ
女武者に強行突破する猟兵がいるなら【援護射撃】でもしようか
屍人を【おびき寄せ】る事で女武者への道を切り開けないかな
騎馬隊には馬の【部位破壊】を狙ってみよう
戦闘の間は常に【竜飛鳳舞】で移動して高低差のある動きで敵を翻弄できたらいいよね
ま、雑魚散らしは任せてよ
アドリブ歓迎
「うーん……大軍だなー……」
アトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は、眼下を埋め尽くす水晶屍人の群に、溜息を吐いた。
「数ばかりわらわらと……全く持って趣味の悪い事をする奴もいたもんだ。ゾンビパニックは勘弁だよね」
頷いたのは月夜・玲(頂の探究者・f01605)。
猟兵たちは、軍勢が進軍してくる街道沿いの崖の上に潜んでいる。
「広範囲で燃やしたいけど、水晶だからなー……」
アトシュはこの場で使うに効果的な技を思案している。
「土属性で雪崩でも起こすか……味方に当たらないようにはするけど……それ以外は無視でいいね、うん」
米沢藩の侍たちにも、ボスである女武者を倒すまでは街道に降りず、周辺の山に隠れているように頼んである。山間部であるため、隠れる場所には事欠かない。雪崩を起こしても、彼らにも影響はあるまい。
「地面に干渉して、津波というか、雪崩というか……まぁ、壁みたいなものを生み出して、呑み込んで道を作ろうかな?」
「それなら私は、その道に斬り込んで、水晶屍人をバンバン狩りとっていくよ」
玲が自信ありげな笑みを浮かべて、愛剣【Key of Chaos】の柄を撫でた。
「ふうん、よさそうな手じゃないか」
作戦に加わってきたのは、マルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)だ。
「2人が場を攪乱して、水晶屍人を減らしてくれるなら、ボク上から見てみようか? この群勢から1人だけを探し出さなきゃならないんでしょ? ……女武者の特徴は? 赤備え?」
なるほど、攻め込まれれば女武者は、自らユーベルコードを使わざるを得なくなるし、さすれば上空からならばその位置の見当もつけやすくなるだろう。
「よし、先制攻撃は、それでいこう」
「自分たちで、道を作ろうじゃないか」
3人は、ニッと笑みを交わすと、それぞれの技を有効に使える場所へと散っていった。
まずユーベルコードを発動するのはアトシュである。アトシュはのろのろと進む軍勢に先回りするようにして前方に出て、
「原初の鼓動、我が手の内に!起源たる力にてこじ開けろ!」
【暴走術式・気候学式】を起動した。今回呼ぶのは雪崩。
真夏というのに急に辺りの温度が下がったかと思うと、軍勢の向かって右手の崖にいきなり大量の雪が現れた。
「道は作るものでしょ? 物理で作ってあげるから、ささ、どうぞー! まだまだ来るようなら、雷と雨もいけるからねー!」
楽しげに叫ぶアトシュの息が白い。
ギギィ……。
雪は軍勢の方に向けて軋み音を立てて流れ出した。そして。
ザザ……ザァ……!
一気に雪崩れ落ちた大量の雪が、水晶屍人の群を埋めた。知能のない水晶屍人は為す術もなく夏の雪崩に蹂躙されていく。
『反対の路肩に避けるのだ!』
指揮官の女武者らしき声が聞こえ、水晶屍人はのたのたと逃げ始めたが、時既に遅し。すでに雪崩は軍勢の右側を縦に削るように道を作っており、更にそこへ。
「さて、私の研究成果のお披露目だよ!」
ユーベルコード【神器複製】によって愛剣を47本にも増やした玲が、軽やかに斬り込んでいる。
「えーーいっ!」
念動力で操られた47本の剣は自由自在に動き回って、玲を守り、水晶屍人を情け容赦なく斬っていく。
「それっ、2回攻撃に、薙ぎ払い!」
技能をフル活用した鋭い刃に屠られていく水晶屍人は、なるほど事前に聞いていた通りあっけないほどもろい。驚異なのは数だけだ。
「こうして屍人を減らしていけば、指揮官も見つけやすくなるかな?」
と、玲が見上げた夏空には。
「壱、弐、参……!」
ユーベルコード【竜飛鳳舞】で空高く跳び上がったマルコの姿がある。なにしろこの場は山に挟まれた街道である、空中をレベル回まで蹴ってジャンプできるこの技を使えば、殆ど空を飛んでいるようなものである。
「うん、良い調子だね、軍勢の前の方は随分減ってきたカンジ」
マルコには、玲がアトシュの作った雪の道を使って、無数の水晶屍人の中に果敢に斬り込んで行っている様も見えていた――だが。
『騎馬隊! 前へ! 進め!』
勇ましげな女性の声が、山に挟まれた街道に反響したと思うと。
ドドドドド……!
突如、白馬に跨った女騎馬隊が現れた。弓や薙刀を持った騎馬隊は、猟兵たちが切り開いた道を、まっしぐらに玲に向けて突っ込んで行く。
「……くそっ」
マルコは急いでブラスターを構えると【部位破壊】と【2回攻撃】の技能を使い、先頭をいく騎馬の馬を狙い撃ちした。先頭の2頭の馬が転び、後続もそれに躓いて転んだり、立ち往生している。
玲なら、この隙に態勢を立て直すことができるはず、と考えながら、マルコは山腹へと着地して、またすぐに跳んだ。
騎馬隊が出現した位置や声から、ボスの女武者の居場所の見当はついた。
「多分、あのへん――いた!」
白く光る水晶の屍の中、赤備えがちらりと動いた。
「あそこだ!」
マルコはその赤に向けて、引き金を引いた。
「和歌なんて雅な事はわからん。が、奥州の危機とあらば駆け付けない理由はないな!」
空から撃ち込まれたマルコの銃撃を見て、出番だとばかりに敵軍勢に飛び込んでいったのは、黒鵺・瑞樹(辰星月影写す・f17491)。
そして同時に、神計・紅牙(天の御柱・f01140)は山肌を走り、女武者を最も近くで見下ろせる位置を目指していた。
「中途半端な反魂法を用いるなど世の理を歪める所業、捨て置けぬな。というかやっぱり我、セイメイのやつ嫌い。どれ、邪魔をしてやるかのぅ!」
瑞樹は、騎馬武者の攻撃を引き受けている玲の47本の剣と、頭上からのマルコの援護射撃に助けられ、もちろん彼もユーベルコード【錬成カミヤドリ】でめいっぱい武器を活用し、軍勢の奥へ奥へと斬り込んでいく。
女武者がいるのは、マルコの合図によれば軍勢の真ん中あたりだった。だが、斬っても斬っても水晶屍人が沸いてくる。
「俺は今、どのへんまで進んでいるのだろう?」
キリのない戦いに、位置や方向の感覚を失いそうになった――その時。
山腹から瑞樹の進軍を見守る一方、水晶屍人に囲まれてはいるが、ちらちらと見え隠れしている赤い鎧を観察していた紅牙は、
『古代の英霊達よ、我に守護と……』
女武者が祝詞のようなものを唱え始めるのを耳にした。おそらく次のユーベルコードを放ってくると見た紅牙は。
「させるか――はかなくも 黄泉路を戻れど 散る定め 墓前にあげる線香もなし!」
声を張り上げ、一首詠んだ。
街道を挟む山肌に反響したその歌に、赤い鎧の女武者は、祝詞を中断して、声の方を仰いだ。
その一瞬を、紅牙は逃さない。
「そちにかける慈悲はない。英霊であれ怨霊であれ我に任せておけば祓うなど容易き事、強化などさせぬ。疾くと往ぬがよい!」
すかさず放ったユーベルコードは【顕正の間】
「ここは今を生きる者の世ぞ、直ちに立ち去るがよい!」
巨大な五芒星が、女武者を中心に展開し、辺りを白く染め上げるほど目映く輝いた。
その光が消えると、女武者の周囲にいた水晶屍人たちが消え失せていた。五芒星に載せられた破魔の力が、死せる弱き存在を消し去ったのだ。
ただひとり、破魔の力でも倒しきれなかった女武者だけが、ぽっかりと空いた空間にとり残されている。
女武者はよろり、と足下をふらつかせ、薙刀を杖のように付いてすがりついた。消滅こそしなかったが、ここまでの攻撃で、それなりにダメージを受けていたようだ。
当然、五芒星の範囲から外れて生き残った水晶屍人たちが、主を護ろうと殺到してくる。しかし、そののったりとした動きよりも、断然速く駆け込んできたのは――瑞樹。
五芒星がもたらした混乱の中、技能を活かして最短距離を忍び寄っていたのだ。
「雑魚散らしは任せてよ、ボクらは1人で戦ってるわけじゃないんだ!」
当然、頭上からはマルコの援護射撃が降り注ぎ、背後では玲が必死に水晶屍人を押しとどめてくれている。
仲間が総掛かりで作ってくれたこのチャンス、活かさないわけにはいかない。
最後の力を振り絞り、女武者が薙刀を振り上げたが、それを瑞樹はナイフで躱しながら潜り抜け。
「――鋭!」
気合いを込めて突いた黒い刃は、鎧の隙間を的確に抉った。
その瞬間。
猟兵たちの脳内に、ひとつのビジョンが流し込まれた。
年老いても尚美しい女の笑顔が映る……装束は平安時代のようだ。その女を慕い、その女が詠む歌を心から慕うのは……この女武者なのか?
ビジョンが見えていたのはほんの一瞬。
女武者が地面に頽れたと同時に、水晶屍人の群は統率を失い、個々が無秩序に動き始めた。
ここからは、米沢藩の武士たちの仕事だ。山に潜んでいた武士たちを呼び寄せ、片っ端から始末させる。まずは山腹からの弓と鉄砲での一斉攻撃だ。
街道から退避した猟兵たちは、塵となって消えゆく女武者と、侍たちの容赦ない攻撃に破壊されていく水晶屍人の群の様を、最後まで見届けることはしなかった。
「今はせめて成仏させてやるのが慈悲というもの」
紅牙のそんな呟きを残し、猟兵たちは次の戦いの地へと向かう。
サムライエンパイアの決戦は、まだ始まったばかり。
大成功
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