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エンパイアウォー①~風魔忍法隕石落とし・禍鬼の弾

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「緊急事態発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は淡々と――しかし表情には微かな緊張を浮かべながら語りはじめた。
「サムライエンパイアのオブリビオン・フォーミュラ『織田信長』が、居城『魔空安土城』と共に姿を現しました」
 オブリビオン・フォーミュラ――世界にオブリビオンを流出させる能力を持つ、一つの世界にただ一人の特別なオブリビオン。それが、先の寛永三方ヶ原の戦いの戦いに続いて、ついに動き始めたというのだ。

 情報によれば現れた信長は、島原に築き上げた『魔空安土城』にて何らかの陰謀を――恐らく世界のカタストロフに繋がる「何か」を成就させようとしている。だが、これを阻止しようにも魔空安土城には強固な防護が張り巡らされ、猟兵の力でさえ突破は不可能。
「ですが江戸幕府将軍・徳川家光様にはこの防護を突破する秘策があるとのこと。これを成就させるために、幕府軍総勢十万の軍勢が秘策の要となる『首塚の一族』を連れて、魔空安土城へと進軍を開始しました」
 この「首塚の一族」と、最低でも1万の軍勢が島原に到着できれば、魔空安土城の防護を打ち破り、信長に決戦を挑むことが出来る。だが、そうはさせじと信長に仕える『魔軍将』たちも、幕府軍を壊滅させるべく様々な企てを行っている。
「そこでリムたち猟兵の使命は、幕府軍の前に立ちはだかる苦難を退け、彼らを魔空安土城まで送り届けることになります」
 これは猟兵と江戸幕府、全ての力を結集した総力戦。サムライエンパイアを未来を決める大決戦である。

「リムが予知した信長軍の攻撃は、魔軍将が一人、百面鬼『風魔小太郎』による大忍法――『風魔忍法隕石落とし』です」
 戦国の世の関東で暗躍していた風魔忍軍の棟梁であり、今は信長に仕えるオブリビオンとなった大忍者は、その恐るべき忍法によって集結しようとする江戸幕府軍を壊滅させようとしている。
「この忍法は、配下のオブリビオンを『隕石の弾丸』に変化させて、主要な街道や橋、宿場町、関所、砦、物資集積所に向けて落下させ、衝突の瞬間に自爆させる事で標的を完全に破壊する技です」
 単発でも恐るべき攻撃だが、自爆したオブリビオンはすぐに風魔小太郎の元に再び出現し、再度隕石の弾丸となる。つまり隕石の落下を阻止しない限り、同様の攻撃が何度でも繰り返し――それこそ、徳川幕府が滅びるまで続けられるのだ。

「予知によればこれから数発の隕石が、幕府軍の進路上にある宿場町のひとつに降り注ぎ、壊滅させます」
 宿場町は大勢の人々が暮らしているだけではなく、軍の補給・中継地点でもある。もしこれを阻止できなければ、人的・物的被害も、戦略に与える影響も多大なものとなる。
「皆様は隕石落としの標的となった宿場町に転移し、落下してくる隕石を迎撃してください。遠距離攻撃で迎撃する、近距離攻撃で受け止める、隕石の軌道を逸らす、住民や物資を避難させる――方法は何でも構いません。とにかく町への被害を防いでください」
 目標の破壊に失敗した隕石は、元のオブリビオンの姿に戻る。風魔小太郎によって隕石落としの弾に変えられたその正体は『禍鬼』と呼ばれる、血肉に飢えた冷徹非道の悪鬼である。
「彼らには一般人のような弱者を積極的に狙い襲うという習性もあり、放置するにはあまりに危険です。隕石落としを阻止した後は、速やかに彼らを撃破してください」
 隕石の阻止とオブリビオンの撃破、両方を成し遂げてこそ宿場町の無事は守られる。
 まだ信長はおろか配下の魔軍将すら姿を見せないこの序盤で、幕府軍の進軍を躓かせるわけにはいかない。
「隕石程度で猟兵は止められないということを、風魔小太郎に見せつけてきてください。リムは武運を祈っています」
 リミティアはグリモアを手のひらに浮かべ、戦場への道を開きながら告げる。
「『エンパイア・ウォー』開戦です」



 こんにちは、戌です。
 いよいよ始まりましたエンパイア・ウォー。信長軍vs江戸幕府、一大決戦の地へと向かう大行軍を阻もうとするニンジャの陰謀を、まずは阻止するのが今回の依頼です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 シナリオの流れはまず宿場町に落下する隕石を迎撃し、その後隕石から元の姿に戻ったオブリビオンと戦い撃破する、という流れになります。
 落下してくる隕石への対応と集団戦、両方を1つの章で行うことになるので、プレイングを書く際にはお気をつけください。

 世界を救う前にまずは町一つ救っていきましょう。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼』

POW   :    伽日良の鐵
【サソリのようにうねる尻尾(毒属性)】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    欲欲欲
【血肉を求める渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ   :    鳴神一閃
【全身から生じる紫色に光る霆(麻痺属性)】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:ヤマモハンペン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィヴィアン・ランナーウェイ
アドリブ・連携歓迎

さて、私は宿場町の皆様を避難させるとしましょうか。
●ダッシュで町内を駆け回り、人々へ避難を促します。

皆様、あの隕石は私達が対応します!
ですのでどうか今はお逃げくださいな!
命あっての物種ですわよ!
●威厳たっぷりに言い放ちます。

脚がすくんで動けない方がいれば●鼓舞しつつ、必要があれば背負って逃がしますわ!

避難が完了し、隕石がオブリビオンになったらUCを発動。
敵の背後を取り、槍で一突き!それでも倒れなければ剣でその首を飛ばします。
人々の生活を脅かすなど言語道断。
ここで朽ち果てなさい、オブリビオン!


黒城・魅夜
【ロープワーク】【範囲攻撃】【先制攻撃】【早業】を使い、周囲に鎖で編んだ網を展開。
力技で隕石を受け止めきるのではなく、【見切り】【第六感】で一瞬のタイミングを読んで方向をずらし、町と異なる方向へ受け流しましょう。

そして……ふふ、そうですか、私の血をお求めですか。
ならば差し上げましょう。
ですが、私のこの血、安くはないものと知りなさい。
――代価はあなたの命そのものです。

自らの身を斬り裂き血を噴き出させて霧と為し、相手を包み込みます。
渇望が満たされたことであなたの戦力自体も低下するのでしょう。
では、次はあなた自身の血肉を捧げてもらいましょう、
――体内からあなたを八つ裂きにするこの鎖によって。


フォーネリアス・スカーレット
 隕石を妨害すればいいんだな? ならば、
「サップーケイ……!」
 印を組んで囁けば鋼鉄襖と祝儀敷の畳の迷宮が出る。これならば広範囲をカバー出来るだろう。街より高い位置に出せば少なくとも街には落ちない。天井部分の強度は落とし、隕石を受け止めたまま迷宮に迷い込ませる。
 相手は空から落ちてくる、つまり落ちれば派手な音が出る。落ちてきた場所など丸判りだ。ついでにこちらの物音までかき消してくれるのだから闇討ちには丁度いい。
 やたらと広範囲に暴れるのが得意なようだが、視認していない相手に使える物か。迷宮に伏せ、落ちてきたオブリビオンを一体ずつ電磁居合斬りや楔打ちで仕留める。


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
なんだか話を聞いていたら大変みたい。
……せっかくのサムライエンパイアだし、観光ついでと思ったのだけど。
オブリビオンは勝手に出てくるものだと思っていたけど降ってくるものだったなんて。
撃ち落としたら……そう、ダメ。戻って動くと。なんて面倒な相手。
それなら落ちてもらってそこから対処しよう。宿場の人には説明しないと。
避難してもらう間もきっと降ってくるし、魅医は皆の事お願いね。

飛威と符雨はそれぞれ落ちてきたオブリビオンの相手を。
元の姿になったタイミングを見て動く前に攻撃。
余り時間をかけてられないし落ちてきたところに待ってるぐらいで。



「おい、なんだあれは?」
「鳥か? 流れ星か?」
「いや、こっちに向かってきてるぞ……!」
 東海道を行く幕府軍8万、その行軍を支える中継点の一つであるとある宿場町。その上空に突如として輝いた幾つもの隕石の襲来は、町人たちを震え上がらせるに十分であった。
 最初は小さな点のように見えたソレは、大気との摩擦で赤熱しながら、恐ろしいほどの速さで大きくなっていく。
 風魔忍軍が棟梁にして魔軍将が一人、百面鬼『風魔小太郎』による『風魔忍法隕石落とし』――その力は、常人が抗い得る規模を遥かに超えていた。

 ――されど、星の海で戦い、割れた星の中心で戦ったことすらある猟兵たちにとっては、今更隕石程度恐れるはずがない。

「皆様、あの隕石は私達が対応します! ですのでどうか今はお逃げくださいな!」
 呆然と空を見上げる町人たちに、ヴィヴィアン・ランナーウェイ(走れ悪役令嬢・f19488)が叫ぶ。
 自慢の俊足を活かして町中を駆け巡り、避難を促すのが彼女の役目。威厳たっぷりに言い放つことで、恐怖していた町人たちの心を鼓舞する。
「命あっての物種ですわよ!」
「あ、ああ、分かった!」
「頼んだぞ!」
 力強い令嬢の言葉に背中を押されるように、脚のすくんでいた町人たちは一斉に隕石の落下地点から離れた場所へ避難していく。江戸幕府より天下自在符を与えられし猟兵。その勇名もまた迅速な避難の役に立った。
「さあお婆さん、あなたもですわ!」
「だ、駄目なんじゃ、わしは足が悪くて……老い先短い命じゃ、放って置いておくれ……」
「そんな訳には参りません! さあ、わたくしの背中に!」
 ヴィヴィアンは避難の遅れていた老婆を励ましながら背負い、全速力で駆ける。
 誰一人として住人に犠牲は出させない。彼女の瞳には強い決意があった。

「なんだか話を聞いていたら大変みたい。……せっかくのサムライエンパイアだし、観光ついでと思ったのだけど」
 少し残念そうにぽつりと呟きながら、逃げる町人たちの避難誘導を手伝うのは神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)。
「オブリビオンは勝手に出てくるものだと思っていたけど降ってくるものだったなんて。撃ち落としたら……そう、ダメ。戻って動くと」
 風魔忍法隕石落としを完全に阻止するためには、まず隕石落下の被害を防いだ上で、元の姿に戻ったオブリビオンを残さず撃破する、二段構えの備えが必要となる。
「なんて面倒な相手」
 ぼやきたくもなるが、文句を言っても隕石は待ってはくれない。それなら落ちてもらってそこから対処しようと、宿場町の人々に作戦を説明しながら避難を促す。
「避難してもらう間もきっと降ってくるし、魅医は皆の事お願いね」
 癒しの力を持つ操り人形、戦術器「魅医」に後詰めを任せながら、空を見上げる。
 落下する隕石の群れは、もう宿場町のすぐ間近まで迫っていた。

「隕石を妨害すればいいんだな?」
 避難の進む宿場町で、直上の隕石を見据えるフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)は、ならばと印を組み、静かに囁く。
「サップーケイ……!」
 その瞬間、町の上空に出現したのは鋼鉄襖と祝儀敷の畳で出来た巨大な迷宮。ユーベルコードによって形成されたそれ自体を町を守る防壁として、隕石の被害を防ごうというのだ。
 後の戦闘のことも見据えて、天井部分の強度はあえて落としてある。落下する隕石は宿場町に着弾する前に迷宮によって受け止められ、凄まじい爆音を轟かせ爆発する。その衝撃と破壊の力が、地上の町にまで届くことはなかった。

 だが、いかにフォーネリアスの迷宮と言えども、宿場町の全域をカバーすることは難しい。幾つかの隕石は防御範囲から逸れ、そのまま町に落ちてしまうかに見えた。
「そうはさせません」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が操るのは、「悪夢」の中より取り出した108本の鎖。その全てを縦横にに編み上げて、隕石を受け止めるための網を展開する。
 狙いは力技で隕石を受け止めきることではない。彼女が狙うタイミングは一瞬。隕石が網に触れた瞬間、その軌道を僅かにずらし、本来落ちるはずだった場所とは別の方向へ受け流す。
 変えるのは、ほんの少しの角度で良かった。それだけで隕石は宿場町ではなく、鋼鉄襖と祝儀敷の畳の中へ落ちていく。
 降り注いだオブリビオンの隕石は、その全てが町に被害を与えることなく、迷宮内に誘導されたのであった。

「「グルルルルルル……ッ」」
 【殺風景】の迷宮で爆発した隕石は、爆風の中で本来の姿を現す。
 血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼。虐殺と蹂躙を望む冷徹非道なる悪鬼どもは、しかし自分たちの居る場所が予想とは異なることに困惑しているようだ。
 甚振れる弱者のいない迷宮を見回して、苛立ちの声を上げる者もいる。

 ――そんな禍鬼たちの前に姿を現したのは、魅夜。
 漆黒の衣を身に纏った楚々とした佇まいは、悪鬼の殺戮欲を掻き立てるのに十分。獲物を見つけた怪物どもは一斉に彼女に襲い掛かる。
「「「オオオオオオオッ!!!!!」」」
「……ふふ、そうですか、私の血をお求めですか。ならば差し上げましょう」
 乱暴に振り下ろされる棍棒や爪、尾針による攻撃を、魅夜はあえて避けなかった。
 引き裂かれた柔肌から、少女の紅い鮮血が迷宮に散る。渇望を満たされ高揚の雄叫びを上げる禍鬼に、されど彼女は妖しく微笑み。
「ですが、私のこの血、安くはないものと知りなさい――代価はあなたの命そのものです」
 舞い散る血を媒介に発動するのは【血に霞みし世界に祝福を捧げよ硝子の心臓】。流された血は一滴残らず紅い濃霧へと変わり、禍鬼どもの視界を覆い尽くした。

「ガァッ?」
「グググ……!」
 迷宮と濃霧の二段構えによって完全に自身の居場所を見失い、襖と畳の間を右往左往する禍鬼ども。もはや彼らは狩る側ではなく、狩られる側へと立場を変えていた。
 霧に紛れ、ゆらりと禍鬼の背後に忍び寄ったのは復讐の殺戮者。自らが作り上げた迷宮に伏せ、落ちてくるオブリビオンを待ち構えていたフォーネリアスは、反応の暇すら与えず手にした居合刀を一閃する。
「死ね」
 鞘内で電磁加速された刀による【電磁居合斬り】。
 紫電を纏った超速の斬撃が、悪鬼の首を刎ね飛ばす。
「ギッ!!」
 霧の中に敵がいる――そう気付いた残りの禍鬼どもが動き出す前に、次なる獲物へと肉迫し。今度は手甲に内蔵された電磁加速式小型パイルバンカーによる【楔打ち】を炸裂させる。
「ギェェェェェェッ!?」
 心臓を楔に撃ち抜かれ、断末魔の絶叫を上げる禍鬼。
 仕留めた獲物にはもはや一瞥もくれず、フォーネリアスの眼は次の敵を探す。
「やたらと広範囲に暴れるのが得意なようだが、視認していない相手に使える物か」
 深い霧の中で禍鬼どもが捉えられるのは、殺気に満ちた紅い眼光のみ。
 それは禍鬼などよりも更に恐るべき殺戮者の視線であった。

「ガァッ! ガァッ!」
「グルルルルゥッ!!」
 迷宮の主による一方的な殺戮を受ける禍鬼どもは咆哮で互いを呼び合って、とにかく各個撃破されることを避けようとする。
 だが、敵が何人いるかも分からない状況で、それは悪手だった。
 一箇所に集まった禍鬼に浴びせられたのは、無数の符と銃弾、そして斬撃の乱舞。
「「ギィィッ!?」」
 眞白が操る戦闘用人形、戦術器「飛威」並びに「符雨」。避難誘導を行う主と魅医とは別に待機させられていた彼女たちも、この迷宮内で敵を待ち構えていたのだ。
 符雨の展開する弾幕が敵の足を封じ、動きの止まった相手を飛威の振るう双刃が切り刻む。たとえ霧の中であっても、人形たちの連携に乱れはなかった。

「おーっほっほっほ! 私が、来ましたわ!!」
 追い詰められる禍鬼どもの背後より突如として響き渡ったのは、眩い光を纏ったヴィヴィアンの高笑い。
 悪役令嬢はいつでもどこでも現れる。無事に町人たちの避難を完了させた彼女は【悪役令嬢は光り輝く】によって瞬時に戦場へと駆けつけたのである。
 その身に纏う輝きは、彼女の魂の気高さが放つ光。血塗られた悪鬼にはあまりにも眩すぎる閃光に、禍鬼どもの目が眩む。その隙を突いてヴィヴィアンは駆けた。
「人々の生活を脅かすなど言語道断。ここで朽ち果てなさい、オブリビオン!」
 突き放たれたアリスランス・烈火の一撃は、狙い過たずに禍鬼の心臓を一突きで絶命させる。
 令嬢はそのまま足を止めることなく戦場を駆け抜け、烈火の槍と共振の革命剣で居並ぶ禍鬼どもを駆逐していった。

「ガ、ガァァ……」
 隕石の落下から僅か数分足らず。弾丸となっていた禍鬼どもは反撃に転じる暇も与えられないまま、猟兵たちに撃破されていた。
 最後に残ったボロボロの禍鬼に、血の濃霧の主たる魅夜が冷徹に告げる。
「では、次はあなた自身の血肉を捧げてもらいましょう」
 霧の領域を転移した鎖が、体内から標的を八つ裂きにする。
 迸る鮮血と断末魔。それを最期に、禍鬼の骸は霧の中に溶けるように消滅した。

 ――かくして宿場町を襲った隕石落としの第一陣を防いだ猟兵たち。
 だが、風魔忍法の恐るべき猛威は、未だ収まる気配を見せてはいなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

青葉・まどか
遂に織田軍との決戦が始まるね。

決戦に専念するためにも準備をしっかりやらないと。
その為にも橋や街道、宿場町に害を与える忍法隕石落としを邪魔するよ。

落ちてくる隕石を【スナイパー・誘導弾】を駆使した『射撃武器・魔改造』ビームキャノンで攻撃。

無事に命中して本性を表した『血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼』を討伐するよ。

隕石の時と同じように遠距離から【スナイパー・誘導弾】を駆使した『射撃武器・魔改造』ビームキャノンで攻撃。
「サムライエンパイアの世界でビームキャノンをぶっ放すのは自分でもどうかと思う」

仲間の猟兵の行動・攻撃には【援護射撃】

決戦の序盤で躓くわけにはいかないよね。


リズ・ルシーズ
アドリブ・連携歓迎だよ!

【SPD】

時間がないから、本気で行くよ!

【アラクノフォビア】を使って、鉄の蜘蛛の形態に換装するよ。8本の鉄の脚をしっかりと地面に指して、地上から光【属性攻撃】の砲撃で隕石を【スナイプ】だね。

次は鬼だね、アラクネ、恐怖を撒き散らせ!

そのエンパイアにはない異様な姿で【恐怖を与え】つつ、鉄の蜘蛛の巨体で体当たりの【気絶攻撃】だね。近くに味方がいれば【援護射撃】として蜘蛛の糸を吐き出し、鬼の動きを阻害して【時間稼ぎ】をするつもり。

兵を攻撃したいなら、まずはボクを倒してもらおうかな!

鉄の蜘蛛が紅い目を輝かせ、まるで威嚇するかのようにドスドスと鉄の脚で地面を穿つ


月宮・ユイ
アドリブ◎
*身に<呪詛>宿す

打ち落とさない限り無限に降る隕石攻撃ですか
威力と併せ災厄の如き見た目もまた問題ですね
直撃を許せば損失はもとより士気にも影響しますね
人、物、地…被害を出すことなく護らなければなりません

▼隕石
一発たりとも宿場町には着弾させません
撃ち落とします。
《機能強化》<第六感>含め知覚強化<情報収集・学習>
《捕食兵装》武装圧縮成形
杭:<早業>多数成形
隕石に照準、誘導・呪殺弾とし堕ちるまで連射

▼禍鬼
<念動:オーラに破魔の呪>込め纏い耐性・防御力強化
剣槍圧縮成形:接近戦仕掛ける
知覚情報基にした見切りや杭での牽制交え、
<早業>で移動・攻撃、回避・カウンター
<生命力吸収の呪>重ね喰らい尽す



「遂に織田軍との決戦が始まるね。決戦に専念するためにも準備をしっかりやらないと」
 そう呟きながら青葉・まどか(玄鳥・f06729)が見上げる視線の先にあるものは、天より飛来する隕石の群れ。風魔忍法隕石落とし、その第二陣が迫っていた。
 ここで宿場町への被害を防ぐために、彼女が構えるのは巨大なビームキャノン。最も近い隕石へと狙いを合わせ、チャージ完了と同時にトリガーを引く。
「決戦の序盤で躓くわけにはいかないよね」
 【射撃武器・魔改造】によって超強化されたビームの一閃は、驚くべき威力と命中精度で隕石の真芯を捉え、町に被害を及ぼすことなく爆散させた。

「打ち落とさない限り無限に降る隕石攻撃ですか。威力と併せ災厄の如き見た目もまた問題ですね」
 まどかのビーム狙撃に合わせて、多数の杭の形に圧縮形成された【捕食兵装】を展開するのは月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)。
「直撃を許せば損失はもとより士気にも影響しますね。人、物、地……被害を出すことなく護らなければなりません」
 己の危惧を現実のものとしないために、全力を尽くす。その身に宿した呪詛の力を杭に込めながら、第六感を含めた全知覚機能を強化。瞳に映る標的マーカーがロックオンした対象は、直上より迫る隕石。
「一発たりとも宿場町には着弾させません。撃ち落とします」
 連続射出された呪殺の杭は、まるで得物に喰らいつく牙のように隕石に突き刺さると、全体に亀裂を走らせ粉砕していった。

「時間がないから、本気で行くよ!」
 次々と飛来する隕石群に対抗するため、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)が発動するのは【アラクノフォビア】。
「『外部兵装召喚、種別指定多脚自立砲台、神経接続開始 』行くよ、アラクネ!」
 召喚された大蜘蛛型の兵器に騎乗し神経を繋ぎ、鉄の蜘蛛の形態に自らを換装。
 兵器と一体となったサイボーグの少女は8本の鉄の脚をしっかりと地面に刺して姿勢を安定させ、搭載されたニ門の砲台を上空へと向ける。
「いっけぇ!」
 放たれるは眩き閃光。高出力のレーザー狙撃に貫かれた隕石は、町に着弾する前に空中で爆発四散する。

 ビームに杭にレーザー。正確無比なる猟兵たちの対空狙撃網は、降り注ぐ隕石を宿場町へと寄せ付けない。
 高空で撃墜された隕石は元のオブリビオンに戻り、フラフラと地上に落着する。
「グギギギギ……」
 宿場町の破壊に失敗した禍鬼どもは、悔しげな唸り声を上げて棍棒を握り締める。
 かくなる上は自らの手で、一人でも多くのニンゲンを血祭りに上げるのみ。そうでもしなければ収まらない激しい殺戮衝動が、彼らの中で炎と渦巻いていた。

 ――だが、彼らが宿場町の住人を襲う前に、立ちはだかったのは鉄の大蜘蛛。
「次は鬼だね、アラクネ、恐怖を撒き散らせ!」
 騎手であるリズの命令に応えて、鉄の蜘蛛は紅い目を輝かせ、まるで威嚇するかのようにドスドスと鉄の脚で地面を穿ちながら接近する。
 その巨体に見合わぬ猛スピードに加え、エンパイアには存在しない高度な機械仕掛けの異様な姿は、ヒトならざる禍鬼どもにも動揺させるのに十分であった。
「グギャッ!?」
 進路上で思わず立ちすくんでしまった禍鬼が、疾走する鉄の蜘蛛に撥ね飛ばされる。この速度と質量の体当たりをモロに喰らえば、良くて失神、最悪即死だろう。

 鉄蜘蛛の突撃で敵陣をかき乱したリズに続くのはユイ。
 その手には剣と槍の形に形成された、新たな捕食兵装が握られている。
「一匹も逃しません」
 隕石の狙撃にも使用した杭を牽制に放ちつつ、禍鬼との距離を詰めて剣槍で斬り裂く。
「グゥゥゥガァァァァッ!!」
 傷を負い、怒りに震える禍鬼が放つは【鳴神一閃】。全身から生じる紫色に光る霆は、標的の肉体を焼くのみならず、感電させ動きを麻痺させる力もある。
 だが、あらかじめ念動力のオーラに破魔の呪を込め、悪鬼の攻撃に対する防御力と耐性を高めていたユイは、涼しい顔で雷撃の雨を受け流す。
 そして敵が次の行動に移るよりも速く、反撃の剣槍と杭を叩き込み。捕食兵装の刃に生命力を喰らい尽くされた禍鬼は、悲鳴を上げて塵に還る。

 猟兵相手に一対一では分が悪いと悟った禍鬼どもは、数の利を活かして敵を各個撃破せんと目論む。
「グゥゥゥ……!」
「ガァッ!」
「オオオッ!」
 一匹の禍鬼を屠った直後のユイの左右と背後から、同時に襲い掛かるは3匹の鬼。
 しかし鬼の尾針と棍棒が少女を捉えるよりも速く、彼方より放たれた閃光が鬼を射抜いた。
「やらせないよ」
 光線の主は戦場の後方にて狙撃姿勢を取ったまどか。隕石を撃ち抜いた時と同様の精密極まるビームキャノンによる狙撃と援護が、彼女の役割。
「サムライエンパイアの世界でビームキャノンをぶっ放すのは自分でもどうかと思う」
 とは言いながらもトリガーを引き絞る指先に遠慮はなく。そもそも前線では自立型多脚機動砲台を乗り回している仲間もいることだし、気にするほどでも無いだろう。
 全発必中の意気を込めて放たれる魔改造ビームキャノンの砲撃は、禍鬼どもの四肢や頭部を次々と撃ち抜いていく。

「グギギ……ッ!」
 遠距離からの狙撃によって連携すらままならなくなった禍鬼たち。
 とにかくあの厄介な光線を止めるべきだと、まどかの方に接近しようとする禍鬼は、リズの鉄蜘蛛が捕縛用の蜘蛛の糸を吐き出し、動きを封じる。
「兵を攻撃したいなら、まずはボクを倒してもらおうかな!」
 仲間にも、幕府軍にも、宿場町の人々にも。誰にも被害は出させない。
 血肉を求める悪鬼にそう宣言するのは、機械の体に優しい心を宿した少女。
「グガァ……!?」
 粘着性の糸に絡まれてもがく禍鬼を、ユイの振るう捕食兵装と、まどかの放つビーム砲撃が仕留める。
 各々の得手を活かして互いをフォローする猟兵たちの連携は、禍鬼どものそれを完全に凌駕していた。

「これで、終わりっ!」
 再び放たれたリズのレーザー砲撃が、最後の禍鬼を蒸発させたのを区切りにして、戦場には静寂が舞い戻る。
「討伐完了かな?」
「いえ、まだのようです」
 キャノンを担いで合流して来たまどかの問いに、空を見上げてユイが答える。
 風魔忍法の猛威は未だ止まず。次なる隕石の襲来はすぐそこまで迫っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

勘解由小路・津雲
ふむ、まずは隕石を迎撃せねばならぬのか。なかなかやっかいだが、町に被害を出すわけにはいかないな。

【戦闘】
【歳刑神招来】を使用。空中に無数の槍と矛を浮かべて停止させ、一斉発射するのではなく、遠距離から一本ずつ「スナイパー」で狙撃したり、「範囲攻撃」で散弾のようにはなったりして迎撃を試みる。「まずは、近づけさせんぞ」

そして残りは槍衾として展開し、狙いが外れて落ちてきたり、対応しきれない数で来られたりしても、この槍衾で防ごうとしてみる。「外したか、しかし!」

迎撃が成功して落ちてきた敵には「二回攻撃」でもう一度槍や鉾を召喚、討ちとる。「二回攻撃」の技能値は高くはないが、敵を打ち取る分だけ召喚できれば。


ヴィサラ・ヴァイン
ついにサムライエンパイアでも戦争かぁ…
歴史とか全然詳しくないから、敵将が誰が誰なのかさっぱりだけど、まあ頑張ろっと
先ずは【宝石の谷】で宿場町を不滅の宝石へと変換し、隕石の衝撃に備えるよ
…え、ダイアは靭性の問題で、隕石衝突の衝撃で割れるんじゃないかって…?
細かい事気にしたら負けだよ
『不滅』の2文字に不可能はないよ(強弁)
最悪UC解いたら元通りだし
隕石がオブリビオンに戻ったら、そのままダイアモンドを操って戦うよ
ダイアは電気絶縁体だからね、霆も防ぐ盾に出来るはず
宝石に威力の増強を願いつつ、鎖状にして敵を拘束、剣状にして敵を引き裂くよ
「私達の本命は敵将だからねぇ…こんな所で躓いてる場合じゃないんだよ」


ヴィクティム・ウィンターミュート
隕石降らしとは、まだ大掛かりな仕掛けだな
面倒を増やしやがって…おかげでフェーズを2つに分けなきゃならねえ
しかし残念、俺を相手にンなことは通さねえし…
雨はいつか止むものなんぜ、フリークスども

──『Alcatraz』セット、アクティベート
障壁展開、合体開始…多重化、広域化終了
隕石の雨に傘は如何ですか、ってな
一発たりとも通してやらねえよ

さて、次は戦闘だな…まあ、これもシンプルだ
奴が紫色の霆を帯び始めたら、障壁で味方と自分を守る
雨の次は雷ってか?悪いが悪天候はノーセンキューだ
後は障壁で適宜攻撃を防ぎながら、接近戦で一人ずつ処理していく

悪いが、一人も残す気は無い
永遠に満たされないまま、飢えて消えちまえ



「ふむ、まずは隕石を迎撃せねばならぬのか。なかなかやっかいだが、町に被害を出すわけにはいかないな」
 三度宿場町を襲う風魔忍法隕石落としに対抗すべく、勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)が唱えたのは【歳刑神招来】。八将神が一柱、刑罰を司る歳刑神の加護を受けた無数の槍や鉾が空中に浮かび、その矛先を上空の隕石へと向ける。
「まずは、近づけさせんぞ」
 矢のように正確に狙い定めて放たれる槍。散弾のごとく同時に射出される鉾。
 破魔の力を宿した歳刑神の武具は、悪しき鬼を核とした隕石を貫き、打ち砕いてゆく。

 ――されど、津雲一人の力では、降り注ぐ隕石の雨を全て迎撃することは困難。
 幾つかの隕石は破壊しきれぬまま、町に向かって勢いよく落下していく。住民の避難は進んでいるとはいえ、このままでは大きな被害は避けられないだろう。
「外したか、しかし!」
 このような事態も想定していた津雲は、即座に残された槍鉾を等間隔に隙間なく並べ、隕石を受け止める槍衾を展開する。ここで全ての武具を使い切ってでも、町への被害だけは防ぎ止めるために。

「この不滅の輝きに、願いを込めて」
 そこにふと聞こえてきたのは、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)の紡ぐ【宝石の谷】の詠唱。
 決意を固める津雲の周りで、宿場町が美しい宝石へと姿を変えていく。建物も、地面も、全てが煌びやかな輝きを放つダイアモンドの結晶へと。
「ついにサムライエンパイアでも戦争かぁ……歴史とか全然詳しくないから、敵将が誰が誰なのかさっぱりだけど、まあ頑張ろっと」
 気楽にも感じられる口ぶりながらも、その表情は真剣そのもの。
 ダイアは靭性の問題で、隕石衝突の衝撃で割れるんじゃないかとか、そんな細かいことは気にしたら負けである。何故ならばこのダイアはユーベルコードの産物であり、その強度を決めるのは彼女の想い――願いの強さなのだから。
「最悪でもユーベルコードを解いたら元通りだし」
 落下予測地点とその周辺の物質をまとめて不滅の宝石へと変換して、ヴィサラは隕石の衝撃に備える。

「隕石降らしとは、まだ大掛かりな仕掛けだな。面倒を増やしやがって……おかげでフェーズを2つに分けなきゃならねえ」
 直上より落下してくる隕石を見上げながら、そう呟いたのはヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)。口では面倒と言いながらも表情に不安の色はなく、むしろ自信に満ちた笑みが浮かんでいる。
「しかし残念、俺を相手にンなことは通さねえし……雨はいつか止むものなんぜ、フリークスども」
 仲間たちが築いた二重の防壁をさらに万全なものとするべく、電脳の魔術師はデバイスを起動させ、現実空間に自らのプログラムを具現化する。
「――『Alcatraz』セット、アクティベート。障壁展開、合体開始……多重化、広域化終了。隕石の雨に傘は如何ですか、ってな。一発たりとも通してやらねえよ」
 展開された0と1の障壁は重なり合って宿場町の上空を覆い、あらゆる攻撃に対抗する難攻不落の結界を成した。

 歳刑神の加護を宿せし破魔の槍衾。
 ゴルゴンの願いを受けし不滅の宝石。
 超一流ハッカーが起動する電脳の障壁。

 宿場町を守護する三重の防壁の上に着弾した隕石は、その衝撃と爆発がもたらす破壊の全てを阻まれ、無為に砕け散った。
 防壁の消え去った後には、傷一つない宿場町の姿が。そして隕石から元の姿に戻ったオブリビオン――血肉に飢えた黒き殺戮者どもが、逆恨みも甚だしい形相で猟兵たちを睨みつけていた。

「さて、次は戦闘だな……まあ、これもシンプルだ」
 正体を晒した禍鬼どもの正面から、悠々と近付いていくヴィクティム。一見すれば隙だらけのようにも見える所作だが、その周囲には先の隕石を防いだのと同質の障壁プログラムが展開されている。
「ガアァァァァァッ!!!」
 怒れる禍鬼どもから一斉に放たれる【鳴神一閃】。周囲一帯に迸る紫色の霆は、しかしてどれだけ雷鳴を轟かせようともヴィクティムの元には届かない。
「雨の次は雷ってか? 悪いが悪天候はノーセンキューだ」
 得意のジョークを交えながら障壁で霆を防ぎ、敵の懐まで飛び込む。その手にはUDCの素材より作られし生体機械ナイフ『エクス・マキナ・カリバーンVer.2』が。
「それじゃあ次はこっちの番だぜ」
 雷光を反射して閃いた刃が、標的の喉笛を切り裂き。鮮血を撒き散らしながら倒れ伏した禍鬼は、それきりピクリとも動かなくなった。

「グギギギギ……ッ」
 雷撃が通じぬのであれば物理攻撃で。紫電を纏う禍鬼どもは、手にした棍棒やサソリの如き尾針を振り上げ、ヴィクティムを包囲殲滅せんとする。
 だが、彼らが得物を振り下ろすよりも速く、鎖状に編み上げられたダイアモンドの縛鎖が、鬼どもの身体を拘束する。
「はい、暴れないでね」
「グルゥッ?!」
 ヴィサラが変換した不滅の宝石――金剛石は電気を通さない絶縁体。禍鬼が放つ霆であっても貫き通せず、物理的な強度については先程証明したとおり。禍鬼ごときがどれだけもがこうとも、その縛鎖が解けることはない。
 喚きたてる禍鬼の前で、ヴィサラは拘束を維持したまま残ったダイアを剣状に再構成すると、威力の増強を願いながら射出する。
 願いによって輝きを増したダイアの剣は、熱したナイフでバターを切るような滑らかさで、禍鬼の身体を引き裂いていった。

「既に大勢は決したか。ならばこれで纏めて討ち取るとしよう」
 ヴィクティムとヴィサラの攻勢に圧倒されている禍鬼どもを見据えながら、津雲は残された霊力でもう一度【歳刑神招来】を使用し、槍と鉾を召喚する。
 隕石を迎撃した初回に比べれば本数は少ないが、隕石化していた時よりサイズも耐久力も大幅に低下したオブリビオンを仕留めるには、それでも十分。
「ガガ……ッ!」
「オオオッ!!」
 危機を察知した禍鬼どもは、槍鉾の射出を止めさせようと一斉に霆を放つが、ヴィクティムの障壁とヴィサラの宝石がすかさずそれを防ぎきる。
「八将神が一柱、刑罰を司る歳刑神の名において、汝を裁かん。急急如律令!」
 返礼とばかりに放たれた大量の槍と鉾は、禍鬼どもへ嵐のように降り注ぐ。
 その穂先に込められた破魔の力は、悪しき鬼にとっては天敵であり、貫かれた鬼どもは残らず塵に還ってゆく。
 幸運にも掃射から逃れた禍鬼も、ヴィクティムとヴィサラが追撃しトドメを刺す。
「悪いが、一人も残す気は無い。永遠に満たされないまま、飢えて消えちまえ」
「私達の本命は敵将だからねぇ……こんな所で躓いてる場合じゃないんだよ」
 ナイフに斬り裂かれ、剣で貫かれ。戦場に残った最後の禍鬼が、断末魔を残して消滅した。

 三度の隕石襲来を、三度とも完全に防ぎ止めた猟兵たち。
 敵の攻勢はまだ止まらない――だが、戦いの風は完全に彼らの方角に吹いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

羽月・姫香
これが忍法? けったいな忍法があるもんやなぁ…
せやけど、威力は折り紙付き…よぉし、ならここはウチが止めたるっ!

まずは隕石の軌道を【見切り】、<忍七つ道具>から爆弾を【投擲】っ!
地面に着く前に爆発させたるっ!

正体を表したんやったら…霧出したまま動かれると困るさかい、この忍法で動きを止めさせてもらうなっ!
更に【2回攻撃】で、他に出てきた鬼の動きも止めたるっ!

せやけど動きを止めてもウチだけで倒しきれるかどうか…

…?
なんや、いきなり鬼が斬られた? 他の仲間がやってくれたんやろか?
でも、これは好機やっ! 【毒使い】を活かしての<南洋手裏剣>っ!

「霧でよぉ見えへんなぁ…誰やろ?」

(※アドリブ・連携歓迎)


御劔・姫子
こないなのがようさん降ってきたら、何もかもめちゃくちゃになってまうっ!
そうなる前に…うちが、御劔が止めたるっ!

まずは落ちてくる隕石の軌道を【見切り】…<鞘>の【鎧砕き】で思いっきり叩いたるっ!
これやったら、爆発する前に砕けるはずやっ!

正体表したんならすぐにでも斬りかかりたいけど…あの霧を出しながら動き回られると厄介やなぁ…
誰か動きを止めてくれはったら…っ!

…?
ほんまに止まった? なんやろ、あの苦無…
誰か仲間がいてはるんやろか…でも、これは好機っ!
近づけへんのやったら、この技で決めたるっ!
さらに【2回攻撃】で二乃太刀を別の鬼にっ!

「霧で見えへんけど…誰なんやろ…?」

(※アドリブ・連携歓迎)



「これが忍法? けったいな忍法があるもんやなぁ……」
 彼方より宿場町へと降り注ぐ隕石を見上げながら、そう呟いたのは羽月・姫香(災禍呼ぶ忍・f18571)。幼い頃からありとあらゆる忍術を学んできた彼女からしても未知なる秘術、これが風魔忍法の真髄だというのか。
「せやけど、威力は折り紙付き……よぉし、ならここはウチが止めたるっ!」
 落下する隕石が地上に着弾する前に、その軌道を見極めた姫香は忍らしい素早い身のこなしで駆けていく。必携品たる「忍七つ道具」より取り出したるは、手のひらに収まるサイズの手投げ爆弾。
「せいっ!」
 勢いよく投げ放たれたそれは狙い過たずに隕石へと命中し、宿場町の上空で派手な爆発が巻き起こる。吹き荒れる爆風と衝撃――しかしそれが町にまで届くことは無かった。

「こないなのがようさん降ってきたら、何もかもめちゃくちゃになってまうっ!」
 幾度となく迎撃され、なおも止む気配を見せぬ隕石落とし。上空での爆発の圧を感じながら、御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)は宿場町を駆ける。
 迎撃された上でもわかるこの破壊力。一発でも町に直撃を許せば、大きな被害は免れまい。
「そうなる前に……うちが、御劔が止めたるっ!」
 爆炎を貫いて落下してくる次なる隕石。その落着点を見切って駆けつけた姫子は、愛刀『巌太刀』を鞘に納めたまま構えを取る。幾度の修羅場をくぐり抜けてなお折れぬその刀は極めて頑強。相手が隕石だろうとも負けはしない。
「これやったら、爆発する前に砕けるはずやっ!」
 着弾の寸前、渾身の力で叩きつけられた巌太刀の鞘は、隕石の表面にビシリと亀裂を走らせ――忍法の力が発揮される前に、粉々に打ち砕いた。

「「グギギギギギ……!!」」
 爆散した隕石の爆煙の中から、そして粉砕された隕石の破片から姿を現すのは、苦々しい表情を浮かべた異形。血肉に飢えた黒き殺戮者・禍鬼は、殺しそこねた数多の生命を、隕石落としに代わって自らの手で殺戮せんと吼え猛る。
 全身に漲らせた殺気は紫色に光る霆となって、戦場を眩く染め上げていく。

「あの霆を出しながら動き回られると厄介やなぁ……」
 すぐにでも斬りかかりたい思いを堪えながら、正体を現した禍鬼との距離を測る姫子。白兵戦を主体とする彼女にとって、触れれば麻痺する霆は迂闊な接近を阻む厄介な存在であった。
「誰か動きを止めてくれはったら……っ!」
 飛んでくる霆を躱しながら、どうにか攻め込む隙は無いものかと考えあぐねていると、そこに苦無を構えた姫香が戦場に駆けつける。

「正体を表したんやったら……霆出したまま動かれると困るさかい、この忍法で動きを止めさせてもらうなっ!」
 標的の配置と数を瞬時に見定めた姫香の手から、矢継ぎ早に放たれる投擲用の苦無。それが禍鬼どもの足元の影に突き刺さった瞬間、まるで縫い付けられたように鬼の動きが止まる。
「グゥ……ッ!?」
 これぞ【忍法・影縫】。身動きを止められるだけではなく、ユーベルコードまでも封じられた禍鬼どもから、霆の勢いが弱まっていく。
「せやけど動きを止めてもウチだけで倒しきれるかどうか……」
 搦手には長けるが決定力の弱い姫香は、忍法を維持しながら不安そうに呟く。この機に乗じて、一気に敵を仕留めてくれる味方がいれば良いのだが――。

「……? ほんまに止まった? なんやろ、あの苦無……」
 突然動きの止まった禍鬼と、その足元に刺さっている苦無を見て、目をぱちくりと瞬かせたのは姫子。彼女のいる位置からでは敵の身体が死角となって、姫香の様子は見えない。
「誰か仲間がいてはるんやろか……でも、これは好機っ!」
 霆による攻撃が止まった隙を突いて、遠間より放たれしは【秘技・不抜乃太刀】。
 鞘から抜かずとも――否、極論すれば刀すら持たずとも、『斬る』という概念のみを抽出し、意識を向けた対象を不可視の斬撃にて断つ、剣術の深淵。
「近づけへんのやったら、この技で決めたるっ!」
 裂帛の気合と共に叩きつけられた斬撃が、忍法によって封じられた禍鬼の首を刎ねる。斬られた、という事実さえ当人は気付かなかったであろう、達人技であった。
 そのまま姫子は間髪入れずに二乃太刀を繰り出し、残るもう一方の鬼にも斬撃を刻み付ける。

「……? なんや、いきなり鬼が斬られた? 他の仲間がやってくれたんやろか?」
 誰も近付いていないのに突如として上がった血飛沫に、困惑したのは姫香も同じ。
「でも、これは好機やっ!」
 動揺したのは一瞬のこと。勢いをつけて投擲したのは、奇怪なる形状をした「南洋手裏剣」。その刃には鬼をも殺す猛毒が塗られ、ぬらりと禍々しく濡れている。
「グゲッ?! ゲ、ギギギギギゲェ……ッ!!」
 斬撃の傷口に手裏剣を突き刺された禍鬼の全身には一瞬の内に毒が回り。殺戮者は凄まじい激痛に悶え苦しみながら、泡を吹いて絶命したのであった。

「「ふう……」」
 付近に動いている敵がいないのを確認して、姫香と姫子は同時にほっと息を吐く。
 だが、風魔忍法の驚異はまだ終わってはいない。宿場町に迫る次なる隕石を迎撃するために、二人はそれぞれ別の方角へと駆け出した。
 移動しながらふと考えるのは、戦闘中に自分を援護してくれた仲間のこと。
「霆でよぉ見えへんかったなぁ……誰やったやろ?」
「霆で見えへんかったけど……誰やったんやろ……?」
 結局、互いによく顔を見ることも無かった忍と剣士は、また何処かで会えるだろうかと考えながらも、今はこの町を守ることに集中することにしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
オブリビオンを隕石に変えての自爆特攻か。
戦力補充の必要もなく、被害を与え続けられるってわけだ。
しかし、我々猟兵の力を甘く見てもらっては困るな、風魔小太郎!

【隕石】
宿場町の建物の屋根に望遠鏡を設置し、そこで観測しながら
<メカニック>で正確な落下地点を割り出そう。
落下地点に到着したら、落ちてくる隕石をクロスグレイブで狙撃し、
破壊を試みる。これだけで破壊しきれない場合は、切り札の
【サマーソルトブレイク】を使う。落下してくる隕石を、地上に激突する
寸前で、<カウンター>で蹴り落とす!

【オブリ】
隕石から元に戻った悪鬼は、スラッシュストリングを<念動力>で操って
撫で切りにしてやる。顔を洗って出直して来い!



「オブリビオンを隕石に変えての自爆特攻か。戦力補充の必要もなく、被害を与え続けられるってわけだ」
 宿場町の建物の屋根に設置した望遠鏡を覗き込み、接近してくる隕石を観測しながら、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は呟く。
 戦法の悪辣さもさることながら、これだけの規模の忍法を自在に行使する力。流石は織田信長配下の魔軍将が一人と言ったところだろうか。
「しかし、我々猟兵の力を甘く見てもらっては困るな、風魔小太郎!」
 誇り高き宇宙の吸血貴族は、メカニックの知識を活かして隕石の落下地点を割り出すと、巨大な十字架のような武装を背中に担いで駆け出していく。

「よし、間に合ったな」
 落下予測地点に到着したガーネットは、もう目前にまで迫りつつある隕石に向けて、背負っていた武装の照準を合わせ、トリガーを引く。
 携行型ビーム砲塔デバイス「クロスグレイブ」より放たれし閃光は、狙い過たずに目標を捉える――だが、その一撃で隕石には大きな亀裂が入ったものの、破壊にまでは至らない。
 次発発射のチャージが完了するよりも、隕石が町を押し潰すほうが早いだろう。ならばとガーネットはクロスグレイブをその場に置いて、徒手空拳にて隕石と対峙する。
 一見すれば無謀の極み。されど彼女には切り札があった。
「これが、グレイローズ家秘伝の一撃!」
 隕石が地上に激突する寸前に、繰り出される【サマーソルトブレイク】。
 鮮やかな弧を描く宙返りキックが、ビームが穿った亀裂に叩き込まれ――激しい轟音と共に隕石を蹴り落とす。
 真っ二つに割れた隕石が爆発することはなく、町への被害はほぼ皆無であった。

「こんなものだな」
 とんと靴音を鳴らして得意げな笑みを浮かべたガーネットの前で、割れた隕石が形を変えていく。紫電をその身に纏った漆黒の異形――黒き殺戮者・禍鬼へと。
「グ、グゲゲ……!」
 町への攻撃を阻止された禍鬼は、満たされない血肉への飢えと殺戮衝動を目の前の敵にぶつけようと襲い掛かる。だが、その周囲には既にガーネットの念動力が操るブレードワイヤー「スラッシュストリング」が展開済みであった。
「顔を洗って出直して来い!」
 宇宙怪獣の肉体さえ切り裂く鋭利なワイヤーが、豆腐のように禍鬼を撫で切りにする。
 絶叫する間もなく細切れになった異形は、塵となって骸の海へ還っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

逢坂・理彦
隕石…って空から降ってくるんだよね?じゃあ、まずは飛べるようになった方がいいか…いまいちこの格好には慣れないだけどUC【狐神楽】で狩衣姿へ。
よしっとりあえずこの姿で飛んで隕石を止めに行こうか。

墨染桜に【破魔】乗せて【早業・なぎ払い】!!でとにかく隕石を攻撃。

無事オブリビオンが姿を現したらそのまま【破魔】を乗せて【なぎ払い】【だまし討ち】を交えつつ攻撃。
敵攻撃は【第六感】と【聞き耳】で【見切り】

アドリブ連携歓迎です。


神宮寺・絵里香
≪心情≫
・まぁた、ド派手な攻撃だな。でも効果的ではあるな。派手な攻撃は、兵士の恐怖心を煽る。そうすると足が竦んで歩みが遅くなり行軍が遅れる。面倒なことこの上ない。
≪隕石迎撃≫
・高速詠唱をしたUCの範囲攻撃で可能な限り隕石を砕き叩き落とす。
威力の高い水よりも速い雷のが最適だろう。沼を作ると行軍が遅れるしな。
・高速詠唱からの我等雨雲と共に舞い踊る巫女也で雨降らせておくと砕いたあとの火の粉対策になるかもしれんな。
≪戦闘≫
・薙刀に破魔の水属性を宿して敵群を薙ぎ払い。敵の攻撃は見切り、武器受けで対処。
 纏う水は電気を通さない純水
・敵のUCについては【電撃耐性】と【電気属性オーラ】、薙刀での武器受で対応。



「まぁた、ド派手な攻撃だな。でも効果的ではあるな」
 白蛇の意匠がついた薙刀を手に、神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)は宿場町に迫る隕石を見上げながら、敵の攻撃の目論見を冷静に分析していた。
「派手な攻撃は、兵士の恐怖心を煽る。そうすると足が竦んで歩みが遅くなり行軍が遅れる。面倒なことこの上ない」
 恐怖を払拭するために有効な手段は、被害を最小限に抑えた上で隕石落としを阻止し、自軍の力を示すことだろう。それならば話は単純だ。
 【我等雨雲と共に舞い踊る巫女也】と、祝詞を唱える絵里香の上空には雨雲が広がり、しとしとと降り注ぐ恵みの雨が彼女の力を強化していく。

「隕石……って空から降ってくるんだよね? じゃあ、まずは飛べるようになった方がいいか……」
 そう言って逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)が発動したのは【狐神楽】。柄に墨染桜が描かれた薙刀を手に、狩衣姿に変身した彼は、鈴の音を鳴り響かせながらふわりと空に浮かび上がる。
「いまいちこの格好には慣れないだけど」
 ぼやきながらも向かう先には巨大な隕石。間近で見ればその威圧感と共に、もしこれが町に落下すればどうなるかという危機感もはっきりと認識させる。
 理彦は墨染桜の薙刀に破魔の霊力を乗せて、飛来する隕石を正面から薙ぎ払う。悍ましき悪鬼を核とした忍法に破魔の力は覿面であり、真一文字に分かたれた隕石は町に被害を及ぼすことなく、空中で爆発四散した。

「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ! 神々の王の裁きよここに! 魔を滅ぼせ因達羅の矢よ!!」
 上空で隕石を斬り落とす理彦を地上より援護するのは絵里香。彼女が指差した先に天より放たれし【因達羅乃矢】は青白い稲妻となって隕石を貫き、打ち砕いてゆく。
「威力の高い水よりも速い雷のが最適だろう。沼を作ると行軍が遅れるしな」
 この後の展開も考えて使う術を選択しながら、広範囲に降り注ぐ雷によって可能な限りの隕石を叩き落とす。
 空中で爆発した隕石が撒き散らす火の粉も、恵みの雨によってすぐさま鎮火され、町で火災が発生する可能性を未然に防いでいた。

「グルルルルル……」
 破魔の薙刀に薙ぎ払われ、稲妻に打ち砕かれた隕石の破片は、元のオブリビオンの姿に戻って地上に落下する。
 紫電を纏った漆黒の殺戮者・禍鬼は、隕石落としの失敗に歯噛みしながらも、血肉の飢えを満たさんと獲物を探して動き始める。町の住人の避難はほぼ済んでいるとはいえ、これを放置はできまい。

「悪いけど、血肉が欲しければおじさんので我慢してもらおうか」
 しゃん、と鈴の音を響かせながら上空より舞い降りた理彦は、降下の勢いに乗せて墨染桜を振るう。直上からの攻撃に不意を討たれた禍鬼どもは、避ける間もなく破魔の薙刀に薙ぎ払われる。
「と言っても、簡単にくれてやる気はないけどね」
「ガァッ!!」
 飄々とした態度でへらりと笑う男に、反撃の【鳴神一閃】を放つ禍鬼。轟く雷鳴と自らの第六感を頼りに、理彦は巧みな空中機動で霆を回避していく。

 そして、空中の理彦に禍鬼の注意が向いている隙を突いて、敵陣に飛び込んだのは絵里香。
「さっさと片付けるぞ」
 振るう薙刀の刃に纏うは破魔の水気。一閃と共に迸る清らかな水の力は、邪念に満ちた悪鬼どもを押し流すように薙ぎ払っていく。
「グゥゥ……ッ!」
 絵里香の操る水は絶縁体の純水であり、禍鬼の全身から放たれる霆も彼女の元には通らない。ならばと振り下ろされる棍棒や尾針による攻撃も、薙刀の柄で軽々と受け流された。

「それじゃ、こいつで――」
「――終わりだ」
 ことごとく攻め手を防がれた禍鬼どもに向けて、墨染桜と叢雲、二振りの薙刀が同時に弧を描けば、逃げ場を失った鬼は纏めて一掃されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

雛菊・璃奈
この世界はわたしの故郷…これ以上好き勝手はさせない…!

ラン達メイド6人を連れて参加…。

【UnlimitedΩ】を展開…。
【呪詛】で極限まで強化し、落ちて来る隕石全てを【Unlimited】の一斉斉射と黒桜の呪力解放による【呪詛、衝撃波、なぎ払い】で迎撃していくよ…。

敵が元の姿に戻ったら、ラン達と手分けして禍鬼の殲滅…。
ラン達には集団で【居合】や【暗殺】で仕留めて貰うよ…。

わたし自身は凶太刀の加速で敵の密集地帯に飛び込み、敵を切り捨てながら再度【UnlimitedΩ】を展開…。
連続掃射で一気に敵集団を殲滅していくよ…

これ以上、わたしの様な人を増やすわけにはいかない…おまえ達は必ず止めてみせる…!


白波・柾
ささやかな営みを紡ぎ続けていく町は何が何でも守らなければならない
このような姑息ではあるが強大な敵は、気を引き締めてかかろう

落下してくる隕石は「範囲攻撃」「カウンター」「投擲」を添えた【千刃の鋩】で迎え撃とう
数の撃ち漏らしや仲間との重複攻撃のないように気をつけていきたい

それからオブリビオンに対しては
「先制攻撃」「鎧砕き」「鎧無視攻撃」を使用して
「なぎ払い」や「怪力」を添えた「マヒ攻撃」をしていきたい

自分が攻撃を受けそうになったなら
「激痛耐性ー「オーラ防御」からの「カウンター」「咄嗟の一撃」「吹き飛ばし」で反撃を試みたい



「この世界はわたしの故郷……これ以上好き勝手はさせない……!」
 悪辣なるオブリビオンの隕石落としから人々を守るため、6人のメイド人形を連れて立ち上がったのは雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)。どれだけの隕石が落ちて来ようと全て迎撃してみせると、町の上空に【Unlimited curse blades Ω】を展開する。
「全ての呪われし剣達……わたしに、力を……立ち塞がる全ての敵に終焉を齎せ……!」
 巫女の祈りに応えて顕現するのは「終焉」の力を秘めし魔剣・妖刀の現身の数々。
 術者の呪力によって極限まで強化された剣たちは、襲来する新たな隕石の群れに向かって一斉に放たれる。
 終焉の刃に貫かれた隕石は、まるで何百年もの時が一瞬で流れたかのように、ボロボロと塵になって崩れ去っていった。

「ささやかな営みを紡ぎ続けていく町は何が何でも守らなければならない。このような姑息ではあるが強大な敵は、気を引き締めてかかろう」
 弱きを援け、強きを挫く――純真な正義感を胸に秘めた白波・柾(スターブレイカー・f05809)は、鋭い眼差しを上空に向ける。その手にあるのはユーベルコードで生成した、数多の投擲用刀剣。
「飛び道具は得意ではないが……これならば当たるだろう」
 矢継ぎ早の投擲と生成を連続して行い、嵐のように放たれる【千刃の鋩】が、飛来する隕石を迎え撃つ。
 一本一本の力は貫通には至らずとも、束ねれば岩をも穿つ力となる。数多の刃に切り刻まれた隕石は、力を失ってバラバラに砕けていく。

 璃奈と柾、物量による迎撃網を展開する2人の猟兵は、互いの担当範囲を分担して攻撃が重複しないよう、宿場町に降り注ぐ隕石を一つも撃ち漏らさず撃墜していく。
「呪力解放……なぎ払え、黒桜……!」
「これで最後だ……!」
 ギリギリまで接近した隕石は、璃奈が手にする呪槍・黒桜が放つ、黒い花弁のような呪力の衝撃波が吹き飛ばし。そこに柾が残ったありったけの投剣を叩き込み、隕石の中核を穿ち抜いて破壊した。

「ギギィ……ッ!」
 微塵に砕かれた隕石群の残骸は地上にて寄り集まり、オブリビオンとしての本来の姿を取り戻す。
 耳障りな唸り声を上げてサソリのような尾を振りかざし、全身より紫電を発する禍鬼。殺戮の機会を奪われた彼らは苛立ちを隠そうともせずに、蹂躙する弱者を求めて彷徨い始める。

 ――だが、禍鬼どもが避難している町人たちに襲い掛かる前に、駆けつけた柾が戦いの機先を制する。
「お前達は、ここで斬る」
 振るうは大太刀『星砕丸』――かの妖刀には嘗て降り注ぐ隕石を砕いたという逸話が残る。忍法によるものとはいえ隕石に化身していた異形を断つのに、これ以上に相応しい業物もそうはあるまい。
 剛の膂力を以てして敵の守りを打ち砕く一閃が、禍鬼の群れを纏めて薙ぎ払う。
「「ガァァァアァァァァッ!?」」
 穢れた血飛沫が舞い上がり、禍鬼どもの絶叫が戦場に響き渡る。柾の一撃はただダメージを負わせるだけでなく、標的の動きを一時的に麻痺させる力も秘めていた。

「「「敵、見つけた!!」」」
「「「お掃除する!!」」」
 そこに一斉に攻撃を仕掛けたのは、璃奈に仕えるメイドたち。
 ラン、リン、レン、ミア、シア、ニア――元はアルダワ製の人形たちは、仕込み箒による居合斬りや隠し持った暗器による奇襲で、動けない禍鬼を各個撃破していく。
 個々の力は猟兵に及ばずとも、その一糸乱れぬ連携戦術は、禍鬼に対する十分な驚異となっていた。

「グゥゥゥゥ……ガァァァァッ!!」
 一方的に蹂躙されてたまるものかと、麻痺を脱した禍鬼は怒りの咆哮を上げて、激しい霆を放ちながら尾を振り回す。
 感電する雷撃と猛毒の尾針による広範囲攻撃。メイドたちは急いで散開し距離を取るが、柾は逆に大太刀を構えたまま、覚悟の表情で攻撃の中心へと踏み込んだ。
「ぐ……っ」
 身体に突き刺さる霆と毒針。だが柾は身に纏ったオーラの守りで苦痛に耐えながら、さらに一歩、前に踏み込み――攻撃中の無防備な敵に、反撃の一撃を叩き込む。
「グギャッ!?」
 大太刀の斬撃が巻き起こした剣風は、周囲にいた禍鬼どもを吹き飛ばし、一箇所に纏めて叩きつけた。

 そして――密集させられた禍鬼の群れに飛び込んだのは、妖刀・九尾乃凶太刀を握った璃奈。
 凶太刀の呪力は使い手の超加速。音速を超えるスピードで密集地帯の中を駆け抜けながら、禍鬼どもを斬り捨てていく。
「―――!? ギギャァァァッ!?」
 斬られたことに一瞬気付かず、禍鬼の血飛沫と悲鳴は遅れて上がる。
 疾風迅雷の動きを見せる璃奈の背景には、オブリビオンに一族を滅ぼされ奴隷として囚われていた、苦い過去がある。もしこの戦いに猟兵たちが敗れれば、この町も――そしてこの世界の全ての人々も、同じ絶望を味わうことになるだろう。
「これ以上、わたしの様な人を増やすわけにはいかない……おまえ達は必ず止めてみせる……!」
 揺るぎなき決意を胸に秘め、魔剣の巫女は【UnlimitedΩ】を再展開。
 終焉の剣の連続掃射が、ボロボロになった禍鬼どもを余さず殲滅する。

「「「ギィィィィィヤァァァァァァッ!!!」」」
 断末魔の悲鳴を残して、骸の海へ還っていくオブリビオン。
 飛来する隕石の数もまばらとなりつつあり、長く続いた宿場町の防衛も、いよいよ終わりの時が近付きつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

隕石を落とす、か
宵が対抗心を燃やしている様だが…宵の流星の方が美しいに決まって居るだろうに
だが、至近で宵の攻撃を見られるのは楽しみ故に
ああ。沢山の美しい流星を見せてくれ、宵

戦闘時は宵の流星を見遣りつつ、敵が落ちて来る箇所へ移動
構えていたメイスを『怪力』任せに振るい敵を『なぎ払』いながら攻撃して行こう
多少宵と離れる事になるが戦闘時は常に宵の位置は『視力』をつかい把握を
もし宵に攻撃が及びそうな場合は【影渡り】にて宵の元へ瞬時に移動
『盾・武器受け』にて『かば』い『カウンター』を
庇われた場合は助かったと笑みを向けつつ背を預け敵を殲滅して行こう
…本当に背を預けられる相手という者は良い物だ


逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と

星落とし、ですか 僕の攻撃手段は隕石を降らせるものが多いので……
負けず嫌いが頭をもたげてきますね
さぁて、隕石落としを落としにまいりましょう
頼みましたよ、ザッフィーロ君
隕石破壊は僕が担います

「視力」で視認した隕石に対して「高速詠唱」「属性攻撃」「全力魔法」「破魔」を乗せた
【天航アストロゲーション】で攻撃します
星を落とすことにかけては負けてはいられません
無事撃ち落とせたならば、後ろへ下がって元の姿に戻った敵と戦うザッフィーロ君の援護を
ザッフィーロ君が危ないときには「衝撃波」で「吹き飛ばし」するなどによって援けましょう
……守られてばかりではやはり性に合いませんので、ね



「星落とし、ですか」
 風魔小太郎の忍法によって招来された隕石を見上げながら、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は呟く。その胸中に浮かび上がるのは対抗心。
「僕の攻撃手段は隕石を降らせるものが多いので……負けず嫌いが頭をもたげてきますね」
 彼は旧き天図盤に命が芽生えたヤドリガミ。星にまつわることでオブリビオンの後塵を拝するのは面白くはない。そんな宵の想いを敏感に察するのは、彼の相棒であるザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)。
「隕石を落とす、か。対抗心を燃やしている様だが……宵の流星の方が美しいに決まって居るだろうに」
 さも当たり前のごとく、そう言う。深く信頼した大切な人からの言葉に、宵はふっと嬉しそうに微笑み――気を改めて、星の魔法を操る杖と魔導書を構える。
「さぁて、隕石落としを落としにまいりましょう。頼みましたよ、ザッフィーロ君。隕石破壊は僕が担います」
「ああ。沢山の美しい流星を見せてくれ、宵」
 応じるザッフィーロの笑顔は、至近で宵の攻撃を見られるのは楽しみ故に。
 撃墜された隕石がどこに落ちても良いように備えながら、愛用のメイスを構える。

「彗星からの使者は空より墜つる時、時には地平に災いをもたらす。それでもその美しさは、人々を魅了するのです」
 魔導書「宵刻の書」のページを広げ、朗々と詠唱を紡ぐ宵。
 迫り来るは忍法によって隕石に変えられたオブリビオン。それに人を魅了する美しさは無く、ただの破壊現象に過ぎない――そんなものを認めるわけにはいかない。
「星降る夜を、あなたに」
 発動するは【天航アストロゲーション】。魔杖「宵帝の杖」を向けた先に招来されし隕石は、破魔の力を帯びた輝きを放ちながら、オブリビオンの隕石に激突する。
 星の魔法に特化した宵が繰り出す全力の魔法は、上空で忍法と激しく火花を散らしあい――そのまま敵の隕石を粉々に打ち砕く。
「星を落とすことにかけては負けてはいられません」
 自信に満ちた表情を浮かべると、宵はそのまま襲来する敵の隕石を次々と撃墜していく。

「流石だな、宵」
 上空に軌跡を描く宵の流星を見遣りつつ、宿場町を駆けるのはザッフィーロ。
 敵が落ちて来る箇所へ素早く駆けつけると、隕石から元のオブリビオンに戻ったばかりの敵に先制攻撃を仕掛ける。
 怪力任せに振るわれる「stella della sera」の一撃は重く。居並ぶ禍鬼どもの肉と骨を砕きながら勢いよく薙ぎ払う。
「「グギャァッ!?」」
 悲鳴を上げた漆黒の殺戮者たちは、憤怒と血肉を求める渇望で爛々と瞳を輝かせながら、棍棒を振り上げザッフィーロに反撃せんとする。
 そこで後方より宵が杖先から衝撃波を放ち、相棒に襲い掛かる敵を吹き飛ばす。
「グオッ!?」
 体勢を崩す禍鬼。すかさずザッフィーロはメイスの柄の中に仕込んだ鎖を伸ばし、鞭のように鬼の頭蓋を打ち据え、粉砕する。
「……本当に背を預けられる相手という者は良い物だ」
「……守られてばかりではやはり性に合いませんので、ね」
 助かったと笑みを向けるザッフィーロに、宵もまた信頼を込めた微笑で応じる。

「グギギギギ……!」
 よくもやってくれたなと、人語は語れずとも明確な敵意を示しながら、禍鬼どもは今度は宵に襲い掛かる。先程隕石で撃墜された時の事も根に持っているのかもしれない。
 そうはさせじとザッフィーロは【影渡り】にて瞬時に宵の元へ移動し、禍鬼の攻撃をメイスの柄と、手袋より発せられるエネルギーの盾で防ぎ止める。
「宵には傷一つ付けさせんぞ」
 大切な人を狙われた怒りを込めて棍棒をかち上げ。
 がら空きになった禍鬼の胴体に反撃の槌頭を叩き込む。
「グゲェ……ッ!!」
 くの字に折れ曲がり倒れ伏す禍鬼を蹴り飛ばし、ザッフィーロは次の敵へ。宵はその後方より魔法で彼の戦いを援護する。
 たとえ乱戦の最中であっても、二人が互いの姿を見失うことはない。常に相手の位置を把握しながら、危機にはすかさずフォローしあう連携は、まさに阿吽の呼吸。
 星に撃ち墜とされた禍鬼どもがそのまま駆逐されるのに、さしたる時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
単独希望
アドリブ◎

大丈夫だ
もうちぃっと踏ん張れ
後は俺達が片をつける

隕石対応する他猟兵の様子見て逃げ遅れた住民達や物資の移動手伝いに
怪我人や子供、高齢者優先的に避難
【錬成カミヤドリ】で神器の鏡を45個複製
隕石の軌道を鏡で逸らす
衝撃緩和したら玄夜叉で叩く(部位破壊

阻止後
宿敵見据え不敵に笑む(威厳・挑発

あァ
よもやまたこの手でテメェらを鎮める日が来ようとは
…もう、誰の命も奪わせねェよ

脳裏に焼き付く苦い過去
故郷で相対した禍鬼
屍の山と血
でも希望(ひかり)は潰えず

外套が烏の様に翻る
敵の攻撃は鏡で防御(武器受け・かばう
炎宿し敵を斬り裂く(属性攻撃・2回攻撃

一の型、黒焔の鴉(ダークフレイムレイヴン)

喰らい尽くす



 幾度となく降り注いだ隕石。そのことごとくを迎撃し、宿場町を守る猟兵たち。
 その戦いの様子を見ながら、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)はまだ逃げ遅れていた宿場町の住人たちや物資の移動手伝いに奔走していた。
「大丈夫だ、もうちぃっと踏ん張れ。後は俺達が片をつける」
 怪我人には肩を貸し、老人の荷物を持ってやり、泣いている子供は背負って駆け。
 自信に満ちた力強い言葉とその表情は、人々に勇気と安心を与える。
 彼のような猟兵の避難活動の甲斐もあり、ここまで宿場町には誰一人として、隕石や戦闘に巻き込まれた犠牲者は出ていなかった。

 ――だが、そんな避難民たちの元に突如として降りかかる暗い影。
 運が悪かったのか、それとも風魔小太郎の狙いはそれだったのか。空を見上げれば幾発かの隕石が、彼らの避難場所に目掛けて迫りつつあった。
「ひぃ……っ!?」
「だ、駄目だぁ……!!」
 思わず絶望の悲鳴を上げる町人たち。だが、そんな彼らの前でクロウは自信に満ちた表情を崩さぬまま、天より迫り来る隕石を見上げる。
「やらせるかよ」
 発動するは【錬成カミヤドリ】。ヤドリガミたる自らの本体を複製した、45枚の神器の鏡が、巨大な盾のように彼と町人たちの上空を覆う。
 鏡は降り注ぐ隕石を受け止めながら、被害の出ない方向にその軌道を逸らす。
 隕石の勢いと衝撃が和らいだところで、クロウは黒魔剣「玄夜叉」の刃を叩きつけた。

 ピシリ、パシリと音を立てて罅割れ、爆発することなく砕けていく隕石。
 崩壊したその残骸から正体を現したのは、紫色に光る霆を纏った漆黒の異形。
 黒き殺戮者・禍鬼――忘れもしない宿敵を見据え、クロウは不敵に笑む。
「あァ。よもやまたこの手でテメェらを鎮める日が来ようとは」
 思い出すのは脳裏に焼き付く苦い過去。
 故郷で相対した禍鬼によって築かれた、屍の山と血の河。
 ――それでも希望(ひかり)は潰えず。彼は今、ここで再び宿敵と相見える。
「……もう、誰の命も奪わせねェよ」
 かつての惨劇を二度と繰り返さないために。決意と共に玄夜叉を硬く握りしめながら、クロウは地を蹴った。

「「オオオオオオオオオオッ!!!」」
 血肉に飢えた禍鬼たちは、その渇望と欲求を爆発させながら吠え猛る。猛毒を秘めた鋭き尾針と、麻痺をもたらす紫の霆が、一斉にクロウに襲い掛かった。
 だが――その猛攻の全てを、彼の周囲に展開された鏡が防ぐ。滑らかな鏡面がうねる尻尾を受け流し、降り注ぐ霆を跳ね返した。
「「ギギャッッ!?」」
 自らの雷撃を我が身で浴びた禍鬼たちの動きが止まる。敵が麻痺している隙を突いて、一気に間合いを詰めるクロウ。
「一の型、黒焔の鴉(ダークフレイムレイヴン)」
 刀身に刻まれたルーンが輝き、玄夜叉の刃が炎を宿す。宵闇の外套が烏の様に翻り、繰り出される瞬速の連撃は翼の羽ばたきにも似て。
「喰らい尽くす」
 黒焔の斬撃が禍鬼の群れを斬り裂き、骨の髄まで焼き尽くす。
 戦場に断末魔が響き渡り、悪しき鬼たちは灰の一欠片も残すことなく、再びこの世から葬り去られたのであった。


 ――かくして、宿場町を襲った風魔小太郎の忍法隕石落としは失敗に終わる。
 猟兵たちの活躍は、この地に住まう数多の人々の生命と暮らしを、そして島原へと進軍する江戸幕府軍を救った。
 平穏を取り戻した空には、猟兵の勝利を讃える人々の歓声が、いつまでも響き渡っていたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト