真夏の厨二病集会 ~邪神復活の暗黒詠唱~
●夏の終りの厨ニ集会
UDCアース、某所。
まだ残暑厳しい都心に、続々と“猛者”たちが集まっていた。
『神魔転生チューニングソウル』の新章シナリオ発表のイベントである。
このゲーム神と悪魔の最終戦争のために集められた選ばれし少年少女たちが主人公だけであって、特定の層にヒットしている。
神や悪魔、天使に妖精、隠された異能力、邪眼、呪われた血統、呪いの宿命、選ばれし刻印、二重人格、禁断の知識、失われた神秘、魔法魔術などなど……。
その手の題材が山盛りなうえ、このゲームは隠された真実であり、現実と続いているのだというメッセージ性によって一部にスマッシュヒットしている。
であるから、イベントにやってくるファンたちも“目覚めし者”のコスプレや、雰囲気を醸し出している。
「貴様は、“黒翼の天使”ダークウィング!?」
「そういう貴様は、ゴッドフェニックス!」
……などと、カラーコンタクトや銀髪のウィッグ、シルバーアクセをジャラジャラ、長物の武器や模造刀を携えて楽しんでいるコスプレイヤーも多い。
「あのシナリオで、『この世界は偽り』っていうブラックアニスのセリフは、グノーシス主義の教えと聖書のメタファーで……」
「やっぱり、そこに気づくよな我々としては。本当は人類は絶滅してる可能性あるって、気づいてた?」
「ああ、そういう深読みはするよねー」
などと、考察班たちも盛り上がっていた。
『く、く、く、く、く、よくぞ集まった神魔の転生者よ。お前たちは、邪神召喚のための贄なのだ!』
エコーのかかった声がイベント会場に響く。
このゲームで謎の存在とされるラスボスの声である。
イベント会場は、大いに盛り上がる。
一見すると、ちょっと痛々しいところのある平和なイベントにも見えるかもしれない。
彼らは気づいていない、これが邪神召喚の儀式の前触れであることを――。
●イベントのその裏で
『この中に、資格者がおるのだな……』
イベント会場の控室にある邪神像から、声が響く。
その像の前に、数名の狂信者がひざまずいている。
「あのゲームから発せられるメッセージは、特殊な感受性を持つ者を惹き寄せます。おそらくは、我が神を現世に召喚するだけの“資格者”がおりましょう。そのうち、何割かはただの塵芥でありましょうが、選別の準備は用意してございます」
頭を垂れていた狂信者の一人が頭を上げ、邪神像に報告する。
『汝らには、呪文を授けた。資格者を見つけ出し、我が前で唱えさせるのだ』
像から滲み出す気配は異様なものである。
そして、それに跪くものは正気を失っていよう。
ただ、邪神の召喚は近づいている。
●邪神召喚を阻止せよ
「以上が、UDCアースで察知された予兆だ――」
グリモワで予兆を投影して語る堂崎・獣明(整備係・f15021)である。
UDCアースで、邪神召喚の儀式が行われようとしているのだ。
「ゲームのイベントっていってるが、そいつを利用して魔術的な血統を探そうってことだな。まあ、そういう素質があっても、一般人には変わらないんだが」
邪神召喚のための呪文を唱えるにも、特別な人間である必要があるらしい。
魔術師や魔女、巫女の血統、霊感、超能力など、そういった者を持つ“資格者”のことだ。そうした者たちに冒涜的な召喚の呪文を唱えさせることで、現世に顕現しようとする邪神が今回の敵である。
「ゲームの内容に共感するゲーマーの中にはは、その可能性が高いってことらしいな。で、そいつを集めてさらに選別しようっていう狂信者の企みだ」
このイベントの裏には、狂信者たちがいる。
猟兵たちの潜入に気づかれれば、参加者たちが巻き込まれる可能性がある。
「あんたたちは、まずこのゲームイベントのファンを装って潜入してほしい。バレないように、それっぽい厨ニなアピールが必要だ。資格者と思わせることが重要だからな。それじゃ、しっかり厨ニしてきてくれよ!」
丹藤武敏
どうも丹藤です。UDCアースで邪神召喚の気配があります。
厨ニなゲームのイベントで、厨ニなアピールをして召喚儀式に潜入するシナリオです。
何が厨ニなのかは、定義はさまざまですがとにかく何かが溢れていると筆者の心も動き、プレイングボーナスもあるかもしれません。
ちなみに、“資格者”ですが召喚呪文を唱えて生贄となる者たちで、厨ニ的センスに惹き寄せられる以外は一般人です。
ゲームのイベントですので、二章はゲームをプレイするフラグメントとなります。
それでは、どーんといらっしゃってください。
第1章 冒険
『ほとばしれ、厨二魂!』
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POW : 厨二的なセリフを声も涸れよとばかりに叫ぶ!
SPD : 雰囲気たっぷりに厨二的な仮装する!
WIZ : 練りに練った厨二的設定を公開しよう!
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紅月・美亜
「我が名はレイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット。偉大なる始祖の末裔なり」
ダークセイヴァー辺りでガチ始祖と戦う可能性を危惧しているがその時は偉大なる始祖を屠りし真なる始祖とかに改名しよう……それなら、本物にもなれる。それはさておき、
「実はな、プログラムの一部を解読したら没イベントが発見されてな……聞きたいか?」
当然の事ながらそのゲームへの下調べは完璧だ。私はハッカーだ。チートでクリアするなどと言う無粋な真似はしないが徹底的に調べる事は出来る。
「アイツは裏ボス戦が無かっただろう? 実はな、予定はあったのだ。しかし何らかの理由で消されたようだ」
「我が名はレイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット。偉大なる始祖の末裔なり」
まず、居並ぶ厨ニな若者の前を前にして名乗りが上がった。
名乗りを上げたのは、紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)である。
“レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット”なる名は、このようなイベントなどに際して、名乗るソウルネームであるらしい。
彼女自身、ダンピールであるが大した血筋ではないのだ。
仰々しい名乗るとダークセイヴァー辺りではヴァンパイアの始祖あたりを敵に回しかねないが、その際には始祖殺しを名乗るつもりである。
さておき――。
「実はな、プログラムの一部を解読したら没イベントが発見されてな……聞きたいか?」
夏の盛りを過ぎても現実に戻ろうとはしない夢見る厨ニフレンズたちが気になりそうな話題を振って反応を探ってみる。
「え? マジかよ……! 裏ワザじゃん」
「隠しコマンドとかあんの?」
反応は上々である。
未亜の名乗りと外見が彼らの興味を惹きまくったのだ。
「アイツは裏ボス戦が無かっただろう? 実はな、予定はあったのだ。しかし何らかの理由で消されたようだ」
話を聞いてどよめくフレンズたち。
ハッキングで調べた情報なので確かなことだ。
もちろん、チートでクリアなどはしないのである。
成功
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フェミルダ・フォーゼル
厨二、ですか?
右手の甲に【聖痕】があったり、片目が【神眼】だったり、神様に選ばれた聖騎士だったり、普通じゃないですか。
黒いゴスロリ衣装を着て、片目には眼帯を付けます。
くっ……。会場に着いたら右手を押さえてうずくまります。
心配して声をかけてくれる方がいたら「……大丈夫です。右手が少し疼いただけなのです……」とお礼を言います。オブリビオンの悪意に反応した様です。
このゲームは詳しくないので誰かに聞いてみましょう。
眼帯を外して【神眼】と【浄眼】で周囲の人達の感情等のオーラを観察。
人格の良さそうな人を探して
「あなたのオーラ、素敵な色をしてますね。……色々、お話を聞かせて頂いていいですか?」
情報収集です。
カグラ・ルーラー
アドリブ・連携は大歓迎だ。
「厨二的なセリフを声も涸れよとばかりに叫ぶ!(POW)」に挑戦だ。
せっかくのイベント、つまりは祭りだ。楽しまねェとな。
「ハッハッハ!やっぱそうかよ!」
笑いながら人の輪の真ん中に出るぜ。【存在感】たっぷりにな。
「あのシナリオなら裏ボスは必然的にヤツだ。なのに出て来ねェと来た。そりゃそうさ!ヤツはゲームの演出ですら負けれねェ臆病者だからなァ!」
おもむろに″PRESS″腕章のカメラマンに近付くぜ。
「おうコラ、大方このカメラを通して俺らを眺めてんだろ?悪ィが新章は1999に20を足した2019年の話だ。″グランドクロス″の″審判″をこの俺、″ブラッドアリス″が下してやるぜ!」
「厨二、ですか?」
フェミルダ・フォーゼル(人間の聖者・f13437)は、厨二という概念を理解したわけではなかった。
それは溢れる自意識と若気の至り――。
抑圧する社会の中で、自分が特別だと思いたい衝動。
漫画やゲーム、アニメなんかに影響されたかっこよさげなものへ純粋な憧れ。
「右手の甲に【聖痕】があったり、片目が【神眼】だったり、神様に選ばれた聖騎士だったり、普通じゃないですか……」
フェルミダの場合、実際にそれが普通であったりする。
今日は、黒いゴスロリ衣装に眼帯姿だ。
理解していないように見えて、案外わかっている。
「そういう調子でいいんだよ。あと、こういう場は、遠慮なく叫べばいい!」
一緒に乗り込んだカグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)がそう答える。
前髪が片目にかかっており、どことなく凶暴そうな少女という外見はこの場にふさわしいのかもしれない。
「ハッハッハ! やっぱそうかよ!」
会場の人の輪に入ると、カグラは高笑いを響かせる。
その行動は、衆目を集めることになる。
「あのシナリオなら裏ボスは必然的にヤツだ。なのに出て来ねェと来た。そりゃそうさ! ヤツはゲームの演出ですら負けれねェ臆病者だからなァ!」
大声で裏ボスを挑発する。
聞いている者がいないにもかかわらず、全方位への挑発と自分のゲームテクのアピールをかました。
最近の厨二フレンズが得意とする、謎のイキリである。
そして、自分の方を向いている“PRESS”腕章のカメラマンを見つけると、そのカメラの前に出た。
「おうコラ、大方このカメラを通して俺らを眺めてんだろ? 悪ィが新章は1999に20を足した2019年の話だ。“グランドクロス”の“審判”をこの俺、“ブラッドアリス”が下してやるぜ!」
途端に、会場からざわめきが上がる。
「“グランドクロス”の“審判”を、今下そうというのか!?」
「“ブラッドアリス”……“亡者の古戦場”で“永劫氷結”したと聞いていたが」
一見さんお断りの話題もまた、このイベントの特徴だ。
「くっ……、共鳴現象が!」
フェルミダが、合わせるように右手を押さえてうずくまった。
「聖女様、いかがなされましたか!?」
「……大丈夫です。右手が少し疼いただけなのです……」
と、駆け寄ってきた騎士っぽいコスプレ青年に答えた。
「邪悪が迫っているのですね」
「はい。それにしてもあなたのオーラ、素敵な色をしてますね。……お話を聞かせて頂いていいですか?」
眼帯を外し、神眼と浄眼でオーラを選別する。
「構いません。私は、邪神降臨の儀式を阻止するために来たのです」
「そうでしたか」
実際、集まっているのは、ただの厨二フレンズだけではない。
特別な血筋や霊質を持つ特殊な感受性の持ち主も集まっている。やはり、儀式に捧げられる生贄なのかもしれない。
大成功
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フェル・ドラグニエル(サポート)
『よろしくお願いします!』
ドラゴニアンの竜騎士 × マジックナイト
年齢 25歳 女
外見 163.4cm 銀の瞳 白い髪 普通の肌
特徴 ぼんやりしている セミロング 朝焼け空が好き
口調 女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
覚醒時は 竜姫、目覚めの時(我、貴殿、~である、だ、~であろう、~であるか?)
ウィンディ・アストレイ(サポート)
『この身の力は、力無き人達の為に』
サイボーグの鎧装騎兵 × サイキッカー
年齢 13歳 女
外見 144.6cm 琥珀色の瞳 金髪 色白の肌
特徴 美形 スタイルが良い 大人びている 過去の記憶が無い 実は大食い
口調 物静かなボクッ子(ボク、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
覚醒時は 白い魔人(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)
「よろしくお願いします! 私はフェル。フェル・ドラグニエル」
「この身の力は、力無き人達の為に。ウィンディ・アストレイです」
新たに登場した二人の参加者が名乗りを上げた。
フェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)とウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)の二人である。
「おお、ドラゴン娘とロボッ娘だ!」
名乗った新たな仲間たちに対し、歓声が上がった。
「写真、よろしいでしょうか?」
「はい、構いません」
「ポーズはさっきのでよいでしょうか?」
「お願いします。いやー、メカと女の子はいいっすね。
「翼、似合ってますよー」
「あっ、ありがとうございます。嬉しいです。じゃ、必殺技コールします! ドラゴニアン・チェイン!」
「ボクもやります。シールドザンバー・縦一文字切り!」
「おおおおおおー!」
カメラへのリクエストに、答える二人。
潜入はうまくいったようである。
厨ニ大会を楽しむのは、あくまでも表向きのこと。
本来の目的は、この集まりに参加した厨ニフレンズたちの中から適正な資格を持つ者を探し出し、邪神召喚の儀式に利用しようとする陰謀を阻止すべく潜入することである。
決して、厨ニなノリを楽しんでいるわけではない。
和気藹々な雰囲気だが、猟兵としての任務をこなしている最中なのだ。
「……これで大丈夫でしょうか? フェルさん」
「ええ、ばっちりです。疑われることはありませんよ」
ウェンディとフェルは、お互いの厨ニパワーを見せつけたパフォーマンスを検討し合った。
これで話題の中心となれば、邪神崇拝の狂信者たちも自分たちを目にとめるだろう。
「はい皆さん、『神魔転生チューニングソウル』の新章公開イベントにようこそ! さっそく溢れる厨ニソウルを発揮してくださったようですね」
イベント会場に集まった熱気に応えるべく、司会が登場してアナウンスする。
会場の厨ニフレンズたちも、割れんばかりの拍手を送った。
「では、これより実際に遊ぶゲームプレイイベントとなります。誰よりも早く、どこよりも早い新章をプレイしていただき、実況などで盛り上げちゃってください!」
成功
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第2章 冒険
『そのゲーム、裏ボス邪神だってよ』
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POW : ゲームはトライ&エラー! 気力と気合の続く限り挑戦を続けるぜ
SPD : チートや改造が無しなんて話は聞いてない! 裏技も使ってクリアだぜ
WIZ : 攻略のカギは情報にあり! 提示板や攻略本、皆でわいわいクリアしちゃうぜ
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用意された筐体の前に、参加者たちが集まる。
電子詠唱によってゲーム内に封じられたラスボスの邪神と戦い、これを倒すために集められた選ばれし魂を持つ戦士たち――。
それが、この会場に集ったプレイヤーの設定だ。
「では、熱いゲームプレイをどうぞ!」
いよいよ、ゲームイベントがスタートした。
好成績を収めたものが選別され、召喚の儀式に利用される。
そのことを多くの参加者たちは知らない。
そう、猟兵たち以外は――。
刹羅沢・サクラ(サポート)
『あたしは一人でいい……』
羅刹の化身忍者 × 剣豪
年齢 20歳 女
外見 153.8cm 緑色の瞳 灰色の髪 色白の肌
特徴 眼光鋭い 用心深い 家族を失った 花が好き 実は人見知り
口調 対外的(あたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
本音で話す時は 威圧的(あたし、~殿、~である、だ、~であろう、~であるか?)
ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜
そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。
マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。
「ど~も~。要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。よろしくっすよ~」
ゲームの実プレイに移ろうかというタイミングで、ニニニナ・ロイガー(一般UDC職員・f17135)が参加者と関係者に挨拶しながらやってきた。
UDCについては、『神魔転生チューニングソウル』の作中にも謎の組織として登場するから、コスプレやなりきりの一種として通用する。
「あっ、こっちがドビーちゃんっす」
ニニニナの服の中から、うねうねっと冒涜的な触手がはみ出し、周囲を驚かせる。
「いちおー、通常の範囲でお願いできればと」
「心得てるっすよ。厨ニな青少年の妄想を過度に刺激しない範囲ってのは、ドビーちゃんも心得てますよ」
イベント出展関係者も、このやり取りでほっと胸をなでおろした。
アダルド版だと触手もいろんな意味で限界突破するのだが、常識の範囲をぶち壊すわけにはいかない。
「ニニニナさん、ゲーム攻略に移りましょう」
「わかってるっすよ、サクラさん。それで、どんな触手がご入り用ですか?」
ともにイベント会場に潜入した刹羅沢・サクラ(灰鬼・f01965)にニニニナがあっけらかんと応えた。
「触手、ゲームに関係あるんですか?」
「もちろんっすよ! 長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他いろいろ行けるっすよ」
溢れる触手愛について語り出すニニニナである。
サクラは、感心しながら触手のバリエーションと活用方法を聞いている。
これだけ種類があるなら、ゲーム攻略に役立ちそうな触手もあるかもしれない。
「あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね? 麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか……。後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす」
「いろいろあるのですね」
「マニアックなところだと、按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね」
「電脳アクセス……」
それだ、少しばかりサクラが表情を変えた。
ユーベルコード【降魔化身法】と触手の組み合わせによって攻略する作戦である。
「あ、触手本体は見えないようになってるので、一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~」
神話的恐怖を内包した触手を直視すると、正気度が大変なことになってしまう。ニニニナも、ユーベル【見えざるモノ】に不可視化し、よってさっそく攻略に取りかかる。レギュレーションには、触手の使用に制限は設けられていない。
触手を存分に使っても、チート行為ではないのだ。
成功
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フェミルダ・フォーゼル
WIZで判定です。連携、アドリブ歓迎です。
んー……。厨二病とかはまだフィーリングは分かるんですけど、コンピュータゲームの類いは本当にピンとこないんですよね……。
こういう時は、恥ずかしがらずに人に聞く事です。先程話しかけた方も、好い人そうでした。助力をお願いしてみましょう。
「あの……。お恥ずかしい話なのですが、実は私、このゲームはあまりやり込んではいないんです。
ですが、邪神復活を阻止し世界の危機を救うにはクリアするしかありません。お力を貸して頂きたいのです。」
信頼のおけそうな方に、真摯に誠実に協力をお願いします。
勿論人任せにだけなどしません。助言を元に、自身でもゲームクリアに全力を尽くします。
「んー……。厨二病とかはまだフィーリングは分かるんですけど、コンピュータゲームの類いは本当にピンとこないんですよね……」
フェミルダ・フォーゼルはゲームには疎かった。
幼少期を野生児同然で過ごし、聖者にしてパラディンという経歴を持つ彼女にとって、UDCアースのテクノロジーの結晶であるコンピュータゲームに馴染みがないのは無理もないことである。
ただ、フェルミダは聖痕や神眼というロマン溢れる厨ニな要素と属性の塊ではある。しかし、凡庸ではない特別な何かになりたいという思春期のフレンズとは違い、妄想や願望でななかったりするだが。
それはさておき、ゲームの攻略だ。
「あの……。お恥ずかしい話なのですが、実は私、このゲームはあまりやり込んではいないんです」
隣りに座った、いかにもゲーム攻略がうまそうな少年に小さな声で囁きかけた。
「えっ、そうなの? でも、僕も新章はまだ攻略情報ないし……」
戸惑いながらも、少年はまんざらでもなさそうだ。
女子から話しかけることに慣れておらず、フェルミダの真摯なお願いにほだされたようである。
「邪神復活を阻止し世界の危機を救うにはクリアするしかありません。お力を貸して頂きたいのです」
「そういうなりきりなのね。まあ、攻略は情報収集が基本だから」
そう言って少年がタブレットPCで、攻略サイトやネット上の情報を集めると、フェルミダはユーベルコード【聖審(ジャッジメント)】によって思考と記憶を引き出し、共有した。
「やっぱり便利ですねー」
「ま、まあね。クリアできなさそうなとこあったら、教えてよ。なんだったら、代わりにやってあげる」
「いえ、人任せにはできません。あなたの助言をもとに、クリアに全力を尽くします」
あくまでも、ゲーム攻略は自身の手で。
引き出したデータは最低限、それをどう活用するかがゲーマーとしての腕の見せ所である。ゲームに真剣になる、これも厨二特有といえよう。
大成功
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七瀬・麗治(サポート)
沈着冷静な、黒スーツのUDCエージェント。
多重人格者で、闇人格「ロード」は好戦的で尊大な性格です。
一人称はオレ(私)、二人称はあんた、おたく(貴様)
体育会系のスポーツマンで、肉や魚料理を好んでよく食べます。
結構動物好きで、特に柴犬を好みます。硬派に見えて、
恋バナが大好きです。
麗治は調査や情報収集、ロードは戦闘中心という具合に、
シナリオの内容に応じて自由に人格を使い分けてください。
【戦い方】
光線を発射する銃と、呪われた黒剣をよく使います。
体内に埋め込まれた寄生型UDCを操り、武器を侵蝕させて
強化することができます。
ユーベルコードで召喚したUDCを使役したり、寄生体で
体を変化させることができます。
九鬼・雷堂(サポート)
『打ち抜け、雷鳴よりも迅く!』
サイボーグの剣豪 × スターライダー
年齢 36歳 男
外見 183.7cm 漆黒の瞳 黒髪 普通の肌
特徴 豪快 ワイルドな顔立ち 好敵手を求める 過去を夢に見る 実は猫が好き
口調 ぶっきらぼう(オレ、お前さん、だ、だぜ、だな、だよな?)
戦闘中は 口が悪い(オレ、お前、呼び捨て、か、だろ、かよ、~か?)
カグラ・ルーラー
アドリブ・連携歓迎
「ゲームはトライ&エラー! 気力と気合の続く限り挑戦を続けるぜ(POW)」に挑戦だ。
心情
(…さて。あんだけ吹いてみたはいいが、このゲーム、動画でざっくり観ただけなんだよな。
シナリオは好きだが、指先だけ動かして画面の中で切った張ったごっこを何十何百時間なんて性に合わねェ。
頭の先から爪先まで使った喧嘩のが滾るだろ。
とは言え、その喧嘩のために頑張るしかねェか。)
行動
プレーはガン攻めだ。
攻撃に勝る防御は無ェ。
だが、属性ってのの有利不利は把握して無ェ。
「わっ!」
一撃でやられた。しかも後ろから撮られてる間に。
「…ここ、撮れ高だからな?″ブラッドアリス″の″ドジっ娘アリス″だ。絶対使えよ」
「ゲームはトライ&エラー! 気力と気合の続く限り挑戦を続けるぜ」
と勢いよく真正面から攻略に乗り込んだものの、カグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)は『神魔転生チューニングソウル』をプレイするのはこれが初めてであったりする。
(…さて。あんだけ吹いてみたはいいが、このゲーム、動画でざっくり観ただけなんだよな)
カグラは、攻略動画を見て満足してしまうタイプだったのだ。
しかし、『神魔転生チューニングソウル』はシナリオや登場するキャラクター群がカグラの心をくすぐったのは確かだ。このゲームに秘められたスピリッツは、多感な少年少女、及びその頃の心をどこかに捨てずにいる老若男女を惹きつけるものがある。
それはそうと攻略である。
まず、ガン攻めである。攻撃力に優れた装備と編成で、防御は後回しというシンプルでわかりやすい戦術だ。
「攻撃に勝る防御はねェ! ……わっ!」
案の定、即死である。
厨二心をくすぐるために開発されたゲームであるが、難易度設定は高めだ。
しかし、死んで覚える系のゲームならば、パターンや次の攻略に繋げられる。
それはそれとして、ガン攻めの出撃即死は実況動画受けするタイミングである。
「……ここ、撮れ高だからな? “ブラッドアリス”の“ドジっ娘アリス”だ。絶対使えよ」
ちょっとばっかり涙目でのこのセリフは負け惜しみっぽいが、こういうプライドもまた厨二スピリッツと言えるだろう。
「おい、次は協力プレイで行こうぜ? “オレ”も“私”となって参加する。フレンド登録よろしく」
カグラにメッセージを置くなったのは、七瀬・麗治(悪魔騎士・f12192)である。
多重人格者のUDCエージェントであるが、凶暴な闇人格“ロード”が宿っているというのは、このイベントに相応しい設定とも言えるだろう。
席の向こうで、眼鏡をクイッと押さえる。
切り替わりのアピールだ。
「フレンド召喚で助っ人として見参! ゲームも戦も、やり方はそう変わらんとみたぜ」
カグラの攻略をサポートすべく、サムライエンパイア出身のサイボーグサムライ、九鬼・雷堂(ナインライヴス・f00769)がフレンド召喚でやってくる。
半身をサイボーグ化したこの剣豪にとって、ゲームに没入(ジャックイン)することはそれほど難しいことではない。
剣術を修めたその動体視力と反射神経で攻略に挑む。
「おお、頼むぜ!」
カグラは頼もしい二人のフレンドとともにふたたび攻略に向かう。
彼女自身の、ガン攻めの方向性は変わらない。
しかし、麗治が分析した攻略情報をもとに、ステージ中盤の中ボス戦はロードに切り替え、ユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】によって出現したフレンドとの協力プレイで撃破。
超高速の弾幕には、九鬼・雷堂がユーベルコード【雷帝(サンダー・ロード)】によって神経接続と電磁回路をフルに稼働して処理速度を上げて突破していく。
「おら、クリアだ! 見たかぁ!」
これで新章も見事攻略。次なるステージへ進むことになる。
成功
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第3章 ボス戦
『『暗黒面客将』ナイ・アルアー・ト・テフ』
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POW : 『無貌の神(フェイスレス・ゴッド)』
自身の身体部位ひとつを【顔のない黒いスフィンクス】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : 『輝く多面体(シャイニング・トラペゾヘドロン)』
【負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【無数の死した宇宙の遺骸で出来た多次元牢獄】から、高命中力の【牢獄へ引きずりこもうとする邪神の触手】を飛ばす。
WIZ : 『闇に囁くもの(ウィスパ-・イン・ダークネス)』
戦闘中に食べた【他者の負の感情】の量と質に応じて【『白痴の魔王』の力を借り受け】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
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「選ばれし者たちよ、唱えるがいい。暗黒神魔召喚の呪文を――」
ゲームによって選別された“特別な力”を持つ選ばれし者たち。
神の血筋とか呪われし邪眼とか前世の記憶や神聖なアイテムの所持者、魔王の人格を宿すものなど、そうした何らかの素質を持つ者たちだ。
ゲームを通じて、こうした者たちを選別し、“暗黒面客将”ナイ・アルアー・ト・テフを召喚する暗黒神魔召喚の呪文を詠唱させるのが狂信者たちの企みである。
黄昏よりも昏きもの――
漆黒の闇の闇の底に燃える地獄の業火よ
我は誘う贖罪の眠り
闇の力を秘めし鍵よ
地に満ち 己の無力を知れ――!!
特別な感受性を持つ者たちから、秘められた力を引き出すために編み出されれた暗黒神魔召喚の呪文を詠唱する声が響く。
「我、ここに権限せり――!!」
そして、無謀の神の写し身が現界する。
集まった者たちが心に望んだ姿を投影し、最強の邪神とならんとしているのだ。
七瀬・麗治(サポート)
沈着冷静な、黒スーツのUDCエージェント。
多重人格者で、闇人格「ロード」は好戦的で尊大な性格です。
一人称はオレ(私)、二人称はあんた、おたく(貴様)
体育会系のスポーツマンで、肉や魚料理を好んでよく食べます。
結構動物好きで、特に柴犬を好みます。硬派に見えて、
恋バナが大好きです。
麗治は調査や情報収集、ロードは戦闘中心という具合に、
シナリオの内容に応じて自由に人格を使い分けてください。
【戦い方】
光線を発射する銃と、呪われた黒剣をよく使います。
体内に埋め込まれた寄生型UDCを操り、武器を侵蝕させて
強化することができます。
ユーベルコードで召喚したUDCを使役したり、寄生体で
体を変化させることができます。
織銀・有士郎(サポート)
『殺人鬼でも良かったが、否定すべき面だからな……』
妖狐の剣豪 × 竜騎士
年齢 26歳 女
外見 163.5cm 赤い瞳 銀髪 色白の肌
特徴 スタイルが良い 長髪 過去の記憶が無い さばさばした性格 実はフォロー体質
口調 男性的な適当口調(自分、お前さん、だ、だな、だろう、なのか?)
覚醒時は 口数少ない剣鬼(私、あなた、呼び捨て、言い捨て)
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怠け者だが、フォロー体質のため結局苦労する妖弧です。
主に敵の動きを【見切り】つつ、サムライブレイドによる抜刀術で戦います。
集団戦は狸神様と三千世界、ボス戦では三千世界と剣刃一閃を主に使用します。
他猟兵と連携可。
キャラが崩壊しない程度ならアドリブも構いません。
フェミルダ・フォーゼル
「貴方がこの地この時に召喚される事は分かっていました。」
UC【聖衣】を使い、黒いゴシックドレスの上から純白の鎧を纏います。
「貴方のいるべき場所へ、送り還して差し上げます」
相手が負の感情で強化される事を知る事が出来るのか分かりませんが、いずれにしても、私の力の源は善なる神との共感。戦う際に抱くのは怒りや憎しみではなく、世界を善性で満たしたいという【祈り】と、守るべき人々と遍く世界への【優しさ】のみ。
【破魔】の力を宿した「神気」を剣に込めて斬りつけます。
相手の攻撃はマントで受け流します。
一般人の皆さんを守る様に。
「ここは私達に任せて、皆さんは安全な場所へ!」
と避難を呼びかけます。
紅月・美亜
「何が出るかと思えばまたニャル様か……設定上便利だからってニャル様にばかり頼るのはどうかと思うぞ?」
やれやれと首を振りながら、指先で一つのコードを成形する。
「蒼星の騎士、ASTERISK」
しれっとGROOVEで空間の音にハックしてアスタブリード5面曲を流しながら騎士へと指示を送る。
「こっちは幾多の銀河を支配した文明を丸ごと潰した星の改竄者だ」
猟兵であっても目で追えない程の機動性で大剣を振るい、乱舞の如く斬り伏せる。
「現実改竄装置の火器としての利用は一側面でしかない」
物理法則など改竄してしまえばいい。元からダッシュ斬りとEX技発動中は当たり判定が無い無敵状態。それを再現したまでだ。
「何が出るかと思えばまたニャル様か……設定上便利だからってニャル様にばかり頼るのはどうかと思うぞ?」
やれやれとばかりに首を振る紅月・美亜である。
厨二な少女にとって、「やれやれ」はとても重要な仕草だ。
イキった敵にイキり返し、さらなるマウントを取る、これがいい。
「馬鹿め! 宇宙的神話内で人格を持つとする我こそ、厨二的要素を惹き寄せる権化、暗黒の邪神よ。そしてまた想像に終わりを招くデウス・エクス・マキナなのだ」
誇った、大いに誇ってみせた暗黒邪神であった。
おそらくは、選ばれし厨ニの魂を持つものの暗黒呪文詠唱の影響であろう。
「貴方がこの地この時に召喚される事は分かっていました」
そんなこと、すべてお見通しとばかり、フェミルダ・フォーゼルが登場する。
最初からわかっていました的ムーブも、また厨二の基本マニューバだ。
彼女のユーベルコードは【聖衣(ホーリークロス)】は、黒いゴシックドレスの上から神気溢れる純白の鎧をまというというもの。
厨ニのことはよくわからないと彼女は言ったが、これは天然の輝きだ。
疼く聖痕と神眼、フェルミダは演じたり演出したりせずとも十分持っている。
しかもナチュラルボーン、天然であればその位階がまず違う。
正視できないほどの魂の輝きは、痛々しいまでに神々しい。
「kぉこは“オレ”ではなく、“私”が手を貸そう」
眼鏡をくいっと上げる。
七瀬・麗治が、もう一つの人格ロードへと切り替わる合図だ。
漆黒の剣を持ち、ユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】で二重存在を呼び出す。
彼もまた、この場に登場するにふさわしい猟兵である。
「さあて、邪神などにのさばられてはおちおち怠けることもできん。せいぜい、退散してもらおうか」
続いて現れた美貌の妖狐は、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)である。
有士郎の立ち振舞、そして姿は会場に集った厨二フレンズたちの心を捉えた。
巫女装束と銀髪をなびかせた妖狐。しかもどこかそこはかと感じさせる残念さという属性は、召喚された暗黒邪神に引けを取らない魅力がある。
このように、暗黒呪文詠唱のために集められた特別な魂を持つ者たちを、猟兵たちの存在が惹きつけ、呪文詠唱を途切れさせた。
「おのれ、よくも我への信仰を……。許さぬ、許さぬぞ卑小な存在よ」
UDCアースに、ナイ・アルアー・ト・テフとして顕現した神性が、信仰を失いつつあることで薄れていく。
だが、宇宙の法則は無情であるのだ。
信仰などという人間の都合に関係なしに強大な力を持ち、気まぐれに宇宙規模も破壊をもたらす。
それこそがコズミックホラーにおける神の意味だ。
邪神は、無貌の神――フェイスレス・ゴッドモードへと形態を変化させる。
まるで、その姿は顔のない黒いスフィンクスを思わせる。
虚空が広がる口腔をめいっぱい開き、噛み砕いて生命力を奪う攻撃である。
STGでは、ボスの形態変化は基本と言えるだろう。
「こっちは幾多の銀河を支配した文明を丸ごと潰した星の改竄者だ」
しかし、美亜は指先でひとつのコードを成形する。
「蒼星の騎士、ASTERISK――」
ユーベルコードがが集うし、無数の鋼鉄の大剣と無数の現実改竄装置搭載人型機動兵器が召喚される。
背景は、すでに銀河へと変わった。
「これは
……!?」
「現実改竄装置の火器としての利用は一側面でしかない」
物理法則という枷など、想像の翼の前には無意味。
宇宙空間であろうと派手な音を立ててビームが飛び交い、爆炎が上がるのだ。
ゆえに常識の埒外となって邪神に殺到する。
乱舞である、しかもEX技発動中は当たり判定がない。
ボムの使用中をはじめ、それが彼女とこの場にいるものが構築した理である。
「ぐおおおおおおっ!! ……な、何故だ」
「元からダッシュ斬りとEX技発動中は当たり判定が無い無敵状態。それを再現したまでだ」
“大いなる始祖の末裔レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット”の末裔を名乗る少女は、事もなげに言ってのけた。
この、事もなげに言うところが大切である。
しれっとBGMまで流している。
このBGMとともに、ロードに切り替わった麗治が、自身の分身をオプションとして連続攻撃を仕掛ける。
やはり、STGのボスっぽく防護壁を徐々に砕かれ、コアと思しき部分から光があふれる。
「貴方のいるべき場所へ、送り還して差し上げます」
続いて、フェルミダが祈りを捧げ、このコア部分へと斬り込んでいく。
「ここは私たちに任せて、皆さんは安全な場所へ!」
「は、はい!」
振り返り、一般人への避難を呼びかける。
すでによくわからない空間に放り込まれているが、もともとゲームの世界を現実と同一しているためか、戸惑うことなく避難を完了する。
「さて、そろそろ助太刀いたそうか」
有士郎のユーベルコード【狸神様降臨】が発動し、まめだぬきに騎乗するとフェルミダに続いて斬り込んでいく。
さしもの邪神も、追い詰められていった。
成功
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火土金水・明
「最後に現れた邪神があなたですか。私としては魔王とか出現してくれた方がうれしいのですが?。」
【WIZ】で攻撃です。
【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【フレイムランス】で『『暗黒面客将』ナイ・アルアー・ト・テフ』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「残念ながら、オブリビオンになった暗黒邪神は『骸の海』へ帰ってください。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
「最後に現れた邪神があなたですか。私としては魔王とか出現してくれた方がうれしいのですが?」
邪神を隠した扱いするかのようなこの余裕。現れたのは、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)である。
「ほざけ、邪神の力にひれ伏すがいいわ!」
猟兵たちにさんざん追い詰められたナイ・アルアー・ト・テフは、暗黒詠唱をしていた者たちの負の感情を十分に吸収していた。
特別でいたい、埋もれたくない、凡庸でありたくない――。
非現実なものへの憧れ、身の丈に合わない背伸び、自己愛とこじらせた承認欲求。
そういう高い精神的が何かと化合して生まれる宇宙的エネルギーこそ、邪神復活の糧であった。
「魔王が出現してくれた方が嬉しいだと? いいだろう、ならば顕現させてやろう。白痴の魔王よ――」
はるか銀河の彼方、宇宙空間の玉座にいるという不定形の白痴の魔王、その狂気の力を召喚した。宇宙開闢の力といえるだろう。
「なるほど、ですが、こっちにもすでに力が溢れているのです」
「なんだと?」
明は、破魔の力を宿す呪文の高速詠唱を行なった。
しかも、触媒なしで一部の詠唱は破棄した。
「バカな、その呪文は……」
「そう、厨二フレンズたちが好むのは暗黒だけではないんです。『我、炎により敵を焼き尽くす――』
ユーベルコード【フレイムランス】発動の詠唱は、厨二フレンズたちの心を揺さぶった。
そして、その魂の力が集まる。
若く、未熟かもしれないが満ち溢れる希望と想像力、それは白痴の魔王の力すら押し返すほどのもの。
「残念ながら、オブリビオンになった暗黒邪神は『骸の海』へ帰ってください」
二陣に分けて放たれた無数の炎矢が、邪神を焼き尽くす。
「ごああああああああッ……!! だ、だが、この写し身は我の一つに過ぎん! 覚えておくがいい……」
捨てゼリフを吐いたが、邪神の身体は炎に包まれて灰となる。
こうして、邪神は厨ニの力によって葬られたのだ。
大成功
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