煉獄(ラクエン)への誘い
#ダークセイヴァー
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ここに、新たに滅ぼされた村があった。
すでに住民の命はなく、動くのは多数の兵士と、1人の少女のみ。
「さて、後はおびき寄せるだけです。」
少女の声に、兵士たち……猟銃を構えた人狼たちは、一斉に頷く。
かつて、吸血鬼に抗った者たちは、今や未来への叛逆者。
「聞けば、猟兵とやらは吸血鬼たちを葬っていたとか……。ふふ、かつてのあなた達のようですね。」
皮肉のようなその言い草にも、彼らはそのまま無言で頷いていた。
そんな様子を笑顔で見渡し、
「よろしい、では準備を。」
言葉をかけると兵士たちは、転がっている村人の死体の一つを抱え上げた。
その死体には、村人には似つかわしくない真紅の騎士鎧が着せられている。
「あなたには、門番を任せましょう。」
最後の兜を、少女が死体に被せる。
「ウ、ウゥ……ウオオオオォォォォ!」
途端に雄たけびをあげ、血走った眼を周囲へ向けていた。
自身を殺した者たちへの殺意に満ちた目、最後まで抗った者の向ける目は……少女を前に、従順に変わる。
それを見た少女は満足そうに微笑み、言い放った。
「……煉獄(ラクエン)の入り口、その命で守り抜きなさい。」
「……ということが、あの……ありました。」
集まった猟兵達の前でおどおどと、グリモア猟兵の影山が説明をしていた。
「私が予知した時には、もう……村の人はみんな、殺されて、ました。
それに……明らかに、私たちをおびき寄せるつもりで、村を一つ滅ぼして、ます。
皆さん、何とか……敵を、退治してください。
放っておいたら、私たちが出てくるまで、同じことをする……かも、しれません。
そうしないために、あの、よろしくお願いします。」
そして、影山の手のグリモアが輝くと、死体の転がる村の光景が広がった。
ヨグ
ヨグです、今回もよろしくお願いします。
煉獄(ラクエン)へようこそ、皆さんを歓迎いたします。
第1章 ボス戦
『真紅の傀儡騎士』
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POW : 暗黒の帳
戦場全体に、【内部の者の生命力を削る、光閉ざす闇の壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD : 真紅の宴
【鎧に染付いた血より具現化した紅の狼の魔物】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 偽りの覇王
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大剣を覇王が持つに相応しい力を秘めた魔剣】に変化させ、殺傷力を増す。
イラスト:麻風
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「モリオン・ヴァレー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定*アドリブ歓迎
不明、不逞。ジズは、罠といえど物怖じせず進む所存です。
進撃の折に、無法のわけを知りたいところでもあるです。
使用するユーベルコードは〈咎力封じ〉
《ロープワーク》の要領で拘束具を振り回し、どんどんぶつけるのです
見た目はおどろおどろしくても、その本質は獣
牙や爪の動きを《見切り》封じてしまえば恐るに足らないのです
鉄槌の餌食となるのです、狂える狂獣とそのあるじである騎士よ!
……黒幕の、狙いは猟兵、望むはラクエン?
楽園、奇縁。ジズは、ふと銀髪のサイボーグである、同志の姿を脳裏に思い浮かべたのです。
ルード・シリウス
わざわざ俺達を誘き寄せる為に、村一つ滅ぼすとは…余程の物好きか、変り者か。まぁいいさ、獲物が出てきたのなら狩って喰らうだけだ
しかし煉獄(ラクエン)か…、俺には不要なものだな
◆行動
外套や靴の能力で自身の気配と音を殺して存在を消し、死角となる位置から対象へと接近。
暴食剣、呪詛剣の二刀流による真っ向からの斬り合いに持ち込む
接近出来たら、【既視流転】で先んじて相手の動きを読みながら攻撃を可能な限り見切りつつ、呪詛剣の防御諸共突き崩す攻撃からの、重ねる様に繰り出す暴食剣の追撃による連撃で攻撃。攻撃を受けても、自身の攻撃による捕食能力(生命力吸収&吸血)で相手の血肉を喰らって傷を癒し、継戦能力維持
幻武・極
キミがここの門番か。
かつての敵に従うのはつらいでしょ。
ボク達が解放してあげるよ。
バトルキャラクターズをレベルを合計させて4体召喚するよ。オーラ防御で守りを固めてボクを守らせるよ。
そして、ボクは水の属性攻撃で相手の鎧に付いた血を洗い流しつつ、鎧砕きで鎧の破壊を狙ってみるよ。
「わざわざ俺達を誘き寄せる為に、村一つ滅ぼすとは……余程の物好きか、変り者か。」
村へ降り立ったルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)。
周囲に目をやると、建物にはナイフなどの傷痕と、マスケット銃による弾痕が見て取れる。
「不明、不逞。ジズは、罠といえど物怖じせず進む所存です。」
隣に立つジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)は、ぼんやりとした様子ながら真っ直ぐ視線を向けて進んでいく。
その先には、赤い騎士鎧の大柄な男と、もう一人の猟兵の姿。
「まぁいいさ、獲物が出てきたのなら狩って喰らうだけだ。」
「進撃の折に、無法のわけを知りたいところでもあるです。」
各々武器を構え、先行した一人の援護に向かう。
「キミがここの門番か。」
「そう……だ。」
びし! と指さしながら男に話しかけているのは、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)。
「かつての敵に従うのはつらいでしょ? ボク達が解放してあげるよ!」
言うや否や、幻武の周囲に青い光が伸び、棍を持った4体のバトルキャラクターが現れた。
額に『11』と書かれた彼らは、幻武の周囲を守るように構える。
「ふ、ふふ……俺を、倒せる、と?」
男の声には、悔しさはこもってはいなかった。
それどころか、喜びすら感じる言い方だ。
「俺、は煉獄(ラクエン)を護る、者だ!」
そして、言葉と共に鎧から血が染み出す。
周囲へ落ちた血は紅の狼と化し、周囲へ襲い掛かる。
「……完全に、操られてるようだね。」
キャラクターたちは棍にオーラを纏わせて狼を叩き伏せ、その間に幻武は水の魔力を練り上げていく。
すると突然、目の前の狼に拘束具が巻き付いた。
「見た目が、どんなにおどろおどろしくても、」
キャラクターたちの前に立ち、襲い来る狼たちに対して拘束具を振り回すジズルズィーク。
的確に口枷をまわし付け、拘束ロープで四肢を縛り上げる。
「その本質は獣です。爪と牙さえ止めれば、恐るに足らないのです」
「ほざ、くな!」
派手に動き、狼たちを無力化していくジズルズィークに向けて、さらにけしかけていく男。
その背後に忍び寄るルードに、全く気が付いていなかった。
「がら空きだな。」
括り付けられた邪精の苦悶と共に、男の脇腹を抉る鋸刃の巨剣。
「ぐ、お……。」
邪精の放つ呪詛に、容易く破られた鎧へさらに漆黒の剣が突き刺さる。
しかし男は、傷を気にせず自身の持つ大剣を振り回してきた。
「ちっ、そう来るとは思ったが。」
まるで何度もその攻撃を受けたかのように軽く避け、ルードが飛び退る。
そして、素早く近づいて壊された鎧の隙間に叩きつけられる、水を纏った拳。
「洗い流してやるよ!」
「ぐ……!」
幻武の拳から放たれた水が、鎧の下を満たす。
男は無理やり大剣を振り回すが、さすがに動きが緩慢になったそれを避けるのは、難しくはなかった。
そんな男の背後で、巨大な鉄槌を振り上げるジズルズィーク。
「鉄槌の餌食となるのです、狂える狂獣とそのあるじである騎士よ!」
こちらはまともに避けることもできず、その体ごと鉄槌によって地面にめり込むのだった。
「しかし煉獄(ラクエン)か……、」
男を見降ろし、呟くルード。
「俺には不要なものだな。」
「まぁ普通は不要だよね。」
その言葉に幻武が同意するが、その隣でジズルズィークは何やら考え込んでいた。
「……黒幕の、狙いは猟兵、望むはラクエン? 楽園、奇縁……。」
「何か、あるのか?」
聞き返され、頭に浮かんだものを話していた。
「ジズは、ふと銀髪のサイボーグである、同志の姿を脳裏に思い浮かべたのです。」
「知り合いに、似てるんだね?」
コクリとうなずくジズルズィーク。
……その背後で、男がまた立ちあがった。
「貴様、らを……煉獄(ラクエン)へは、入れられん!」
大剣を構え、まだ戦う気力を失っていないようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ルナシィ・アエリア
アリス世界以外にもやばいやつらはいるんだね!
つまり、あいつは被害者なわけだけど、本体を倒さなきゃいけない以上、放ってはおけないんだよ!
UC【拒絶想起】
技能【ランスチャージ4】と【部位破壊10】を併用して敵の腕部を狙って突撃するよ
外れても構わず、今度はUC【闘争想起】!
「滅んだ村、蹂躙するのは人じゃなくて龍なんだよ!」
ここはすでに、私の住処だ!
突きを敵に狙ってぶちこみ、そのまま押し飛ばすよ
ここで敵を転倒させられなかったらその後は長物の利点で足払いをかけていくよ
上手く敵を転倒させることができたら、近寄って技能【踏みつけ1】からの技能【串刺し10】で敵の胴体をぶちぬきにかかる!
霧島・絶奈
◆心情
煉獄ですか
…であるのならば、いずれ天国の門を潜る者と言う事です
異端の神の一柱たるこの私が保証しましょう
故に、安心して逝くと良いでしょう
…さようなら
◆行動
『暗キ獣』を使用
まあ、我が軍勢もある意味では「死してなお使役される存在」と言えなくもないわけですが…
さあ、傀儡の覇王
我が軍勢と存分に踊りましょう
集団で追い立て、削り、蹂躙します
覇王の魔剣とやらがどれ程の物かは判りませんが…
既に死んでいる我が軍勢を相手に殺傷力を増したところでどれ程の効果があるか知りませんが…
私も【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】と【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「アリス世界以外にも、やばいやつらはいるんだね!」
目の前に立つ騎士鎧の男、その背後にいる黒幕の事を頭に浮かべながら、ルナシィ・アエリア(己ガ内ニ・f20832)は考えたことを口にしていた。
「つまり、あいつは被害者なわけだけど、本体を倒さなきゃいけない以上、放ってはおけないんだよ!」
「そうですね、彼の言う煉獄へ送って上げましょう。……いずれ、彼は天国の門をくぐるのですから。」
目を隠したルナシィの代わりに、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は慈愛にも似た視線を男へ向けていた。
「異端の神の一柱たるこの私が、あなたの行く末を保証しましょう。」
「お前、らは……俺、が止める。」
そんな視線を胡乱な目つきで睨み返し、男が大剣を振り上げる。
途端に黒いオーラが渦巻き、刀身に禍々しい文様が浮かんだ。
寿命を削るその剣は覇王が持つべきもの、偽りの身分に荷が重いものだった。
「煉獄(ラクエン)、へは行かせん!」
「ふん! 最初から行く気はないよ!」
ルナシィの身体を、龍型の外装骨格が包み込む。
そのまま龍祓之斧槍を構えて突進していくのを、異端の神々の似姿に姿を変えた霧島が見守る。
「さぁ、我が軍勢と存分に踊ってくださいね……傀儡の覇王よ!」
「ほざく、な!」
ルナシィの突きを魔剣でいなし、続く屍獣の群を薙ぎ払う。
しかし、そこはもう龍の住処……ルナシィのテリトリーだ。
「蹂躙するのは人じゃなくて龍なんだよ!」
「ぐ、ぅお!」
続けて体ごと突進したルナシィの突きは、先ほどの数倍の勢いで男へ突き刺さる。
その勢いに吹き飛ばされた男を待ち構えるのは、霧島の生み出す屍者の軍勢の槍衾だ。
「覇王の魔剣とやらがどれ程の物か……これでは判りませんね。」
無数の槍に貫かれ、磔にされた男。
霧島の声に視線を向けると、変わらぬ優し気な笑みを浮かべていた。
「安心して逝くと良いでしょう……さようなら。」
「あ……あぁ!」
その泰然とした笑みに強者の余裕を見た男は、その言葉に身体が凍り付く。
2度目の死出の旅路へ送り出される……その様を心で理解した、してしまった。
立ち竦む男へ、身体ごとぶつかっていくルナシィ。
「ここはもう、キミの居場所じゃないのさ!」
そのまま、地面に倒れた男の首を踏みつける。
そして、龍の意匠が施された斧槍を振り上げ、
「龍の住処、私たち生者の住処だ!」
「ぐっ、あ……ぁ。」
言葉と共に、男の腹を貫いた。
「ふむ、思ったより他愛のないものでしたね。」
「そう、だね。」
霧島の言葉に、斧槍を引き抜きながら答えるルナシィ。
「まぁいいんじゃない? 早く黒幕探しに行こうよ。」
「そうしましょう……おや?」
ガシャ……鎧の動く音が聞こえた。
視線を向けると、男がまた立ちあがるのが見える。
「煉獄(ラクエン)……行か……せ、ん!」
「……しぶとさだけは、認めましょう。」
二人はため息とともに、再び男と対峙した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
九重・雫
SPD
私達をおびき寄せるために村一つ。
ずいぶん派手な餌だね。
私は馬鹿な犬じゃないけれどその餌に食いついてあげる。
次の村が滅ぼされないように、さっさと倒さないといけないもの。
私は“救世主”だから人々の救いのために戦うのは当然だよ。
これが上手くいけば私は必要としてもらえるかな?
きっと褒めてもらえるよね?
妖剣解放の高速移動で全ての狼を切り裂くよ。
この血、捨てるの勿体ないね?貰えるかな?
…やっぱり不味そうだからいいや。
私は鮮血の質にもこだわるグールドライバーなの。
狼を蹴散らした勢いそのままにボスも切り裂いてしまおう。
さようなら。愚かな紅い騎士。
今度こそ穏やかな眠りにつけますように。
イヴ・シュプリーム
心情:随分とやってくれたようね……
何が目的かは……門番である貴方には聞かされていないようだし……それを考えるだけの知性も与えられていないみたいね……
なら……一刻も早く安らかに眠ってもらうだけよ……
戦術:呼び出された紅の狼については、距離を取りつつUCによる【誘導弾】で対抗します
本体については、剣による攻撃を<日傘>を使った【盾受け】と【オーラ防御】で対処しつつ、<魔法:エネルギー操作>での【属性攻撃】、今回は電撃による攻撃で反撃します
電撃によって隙ができたら【2回攻撃】を使い<魔導レーザー>を【一斉発射】し、畳み掛けます
「可哀想な人だけど……容赦はしないわ……!」
(アドリブ等歓迎)
ジャン・ストレイン
何を企んでいるかは知らないけど……。
「ただ殺すだけなら俺の方が得意」
紅の狼を捌きながら騎士の死角を探して迫る。
狼にいくら傷つけられようが、構うものか。
ナイフを構えて素早く距離を詰める。
鎧に刃を立てるなんてナンセンス。
ナイフは鎧の隙間に滑り込むように差し込んで使うもの。
俺みたいな殺すしか能のない存在の命なんて惜しくない。
だから攻撃は全て敵に当てる。
「なんて殺しがいのない命」
狼も騎士も空っぽの傀儡、偽りの命。
いくら奪っても俺の欲が満たされることは無い。
「アンタをこんな風にした奴ならもう少し満足できるかな?」
独りごちながらトドメにもう一振のナイフを振り下ろす。
※共闘・アドリブ・台詞改変OK
「私達をおびき寄せるために村一つ。ずいぶん派手な餌だね。」
「本当……随分とやってくれたようね……。」
村の惨状を見ながら九重・雫(救世主になりたかった忌み子・f16602)が呟くと、隣にいたイヴ・シュプリーム(かつて滅んだ星の希望・f13592)が同意していた。
「私は馬鹿な犬じゃないけれど、その餌に食いついてあげる。次の村が滅ぼされないように、さっさと倒さないといけないもの。」
「うん……一刻も早く、安らかに眠ってもらうよ……。」
そう言いながら二人が男の元へ向かうのを見ながら、ジャン・ストレイン(クロネコ・f20038)が独り言ちる。
「何を企んでいるかは知らないけど……。ただ殺すだけなら、俺の方が得意。」
最後の言葉は誰にも聞かれないまま、二人の後を追っていた。
「ら、煉獄(ラクエン)に……お前、らを、行かせん!」
男の腹からだらだらと流れる血から、紅の狼の群れが現れる。
「ここ、で死ぬから、な!」
「私はまだ死ねないよ。だって私は、」
九重は妖刀を引き抜き、素早く駆け抜けながら斬りかかる。
その剣閃は衝撃波を放ち、狼の群れを血飛沫に変えていった。
「救世主だから、ね。」
「……僕はそういうつもりはないけど。」
冷静に、残りを的確にナイフで斬りつけ、数を減らすジャン。
見事なナイフ捌きだが、自分の身を顧みずにただ殺す……横から襲い来る狼には全く注意を払っていなかった。
と、すぐ横で狼が高速で飛ぶ水晶に貫かれ、血飛沫へと変わった。
「危ない……!」
「……別にいいのに。」
後ろから魔力を固めた水晶を操るイヴを一瞥し、より多くの狼を解体しに行く。
素早く動きながら妖刀から衝撃波を飛ばして戦う九重より、ナイフの届く範囲で斬りつけていくジャンを護るように力を使うのは、後ろから戦うイヴにとっては必然だった。
「もう……。」
仲間の心配しながらも、的確に水晶を飛ばして狼を倒していく。
そうしているうちに、狼の数は明らかに減っていった。
「なんて殺しがいのない命。」
男の周りにいる狼をあらかた片付け、聞こえた声にふと後ろを見る九重。
そこには、ほかの狼を片付けて返り血にまみれたジャンの姿があった。
「その血、捨てるの勿体ないね? 貰えるかな?」
「……汚いよ?」
狼の元は、男の血……しかも、一度死んだ者だ。
「……そうね、やっぱり不味そうだからいいや。」
「子供、と……甘、く見た。」
そんなやり取りをしていると、男は大剣を構えて斬りかかってきた。
「剣の錆び、にぐあああ!」
「……させない。」
先ほどまで狼を貫いていた水晶、物質化するほどの高密度で込められた魔力を、男の頭上から雷撃として解き放つイヴ。
まともに受けた男の動きが止まり……そこへ飛ぶ、九重の剣閃。
「さようなら。愚かな紅い騎士。」
衝撃に、男の鎧の胸当てが吹き飛ぶ。
すかさず駆け寄ったジャンのナイフが、心臓に突き立てられた。
「本当に、空っぽだよね。」
「可哀想な人だけど……容赦はしないわ……!」
ジャンが飛び退り、イヴの魔導レーザーが男の胸へさらに突き刺さり……。
あとには、鈍く錆びた騎士鎧だけが転がっていた。
「今度こそ、穏やかな眠りにつけますように。」
騎士鎧を前に祈りをささげる九重。
「あの門番……何が目的かはわかってないのよね……。」
「だろうね。」
イヴの呟きに、あまり関心がなさそうにジャンが答えている。
「……うまくいったのよね? きっと褒めてもらえるよね?」
「うん……でも……。」
振り返って聞いてきた九重には頷きながら、イヴは周囲に起き上がる人影を見た。
「まだ終わってない……。」
「そうだね。」
ジャンは騎士鎧を一瞥し、ナイフを握り直して呟く。
「アンタをこんな風にした奴なら、もう少し満足できるかな?」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『蜂起する銀狼軍』
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POW : シルバーバレット
自身の【命】を代償に、【他の構成員を超強化。彼ら】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【銀の弾丸】で戦う。
SPD : 決死の覚悟
【自ら頸動脈を切断する】事で【最終戦闘形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 抹殺の意思
【戦闘後の確実な死】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【高速連射形態】に変化させ、殺傷力を増す。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達を囲むように、周囲の建物の影から立ち上がる人狼たち。
声を発することもなく、敵と対峙しているというのに落ち着いた視線を向けていた。
先頭の、リーダーと思わしき者が突然、血飛沫をあげる。
……自身の持つ銃剣で首を掻き切り、その血を浴びた者たちと共に、猟兵達へ襲い掛かってきた。
ルナシィ・アエリア
強い騎士を倒したと思ったら、今度は人狼たちか!
まずは技能【地形を利用】して地面を【踏みつけ】て地面を揺らしての行動阻害を狙うよ。同時にその【踏みつけ】を踏み込みにして【ダッシュ】。先頭集団に向かって【ランスチャージ】を狙うよ
その突きにおいてUC【闘争想起】を使って、敵を技能【串刺し】にして【部位破壊】を狙うと同時に一帯を私の住処にしてやる!
私の住処にしたら、龍の住処に踏み込む無法者たちに命を削る【呪詛】をばらまくよ
「ここはすでに私の住処。住処に踏み込む者たちに呪いあれ!」
斧槍と炸裂筒の【二回攻撃】を交えつつ、自分の周囲に薙ぎ払うみたいに斧槍を振り回して敵が密着しないようにするよ!
アドリブ歓迎
霧島・絶奈
◆心情
群体の強みですね
ですが、その在り方は獣の群れと言うよりは社会性昆虫
自己犠牲を厭わないのではなく、群れの消耗を前提とした群体
…だから滅びるのです
◆行動
『暗キ獣』を使用
軍勢には軍勢を以て相対しましょう
我が軍勢も、貴方方と同じく社会性昆虫の群に等しいのでしょう
ですが異なる点が一点だけ…
貴方方は最後の一人になっても同じ様に戦うのでしょうが…
我が軍勢は「私と言う個」を生かす為に活かされる爪牙
最後の一人すら命を惜しまない…
そんな生かすべき個を持たぬ群に未来はありません
私も【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】と【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「強い騎士を倒したと思ったら、今度は人狼たちか!」
向かってくる人狼たちへ向かい、ルナシィは地面を勢いよく足で踏みしめる。
振動に少しバランスを崩した人狼へ向けて燃え盛る槍を構え、踏みしめた勢いのままに体ごとぶつかっていく。
「まずはキミだよ!」
先頭を走ってくるリーダーの心臓を貫き、焼きながら振り回す。
突出するルナシィに対し、後続の人狼が群がるが、
「ここはすでに私の住処。住処に踏み込む者たちに呪いあれ!」
「ふふ、私の軍勢を呪っても、構いませんよ?」
周囲の人狼たちへ、焼き焦がした血をばらまきながら呪詛を撒くルナシィと、周囲を取り巻き威嚇する屍獣たち。
疫病を纏う屍獣は、霧島の内に棲む破壊……殺戮衝動だ。
「この子達には、力となりそうですし、ね?」
「そういう事なら、遠慮なく!」
すでに焦げた灰となったリーダー、槍を振るってその骸を捨てるルナシィを見た人狼たち。
……何を思ったか、数人がナイフを自分の心臓に突き立てた。
「何……どういうこと?」
「なるほど……。」
突然の自害としか見えぬ行動に、不信に思うルナシィ。
そして、そのまま彼らが銃を構えるのを見て、行動を理解した霧島。
「銃撃に備えてくださいね。……かなり正確に撃ってきますよ。」
「わ、わかった!」
彼らの銃口の向きから、ルナシィは心臓の辺りを龍の怨念が染み込む槍で庇う。
一斉に放たれた弾丸は一列に……正確に一点へ向け、放たれていた。
受け止めた槍の柄から、それが見て取れた。
「うわ……何これ。」
「心臓の鼓動を止め、手の震えを止めたのですよ。……本当、獣の群れと言うよりは社会性昆虫のような在り方ですね。」
次弾を込める人狼へ、屍獣を襲い掛からせながら呟く霧島。
「我が軍勢も、貴方方と同じく社会性昆虫の群に等しいのでしょう。ですが……。」
「キミたちは、ただ滅んでいくんだよ!」
さらに追いついたルナシィの炸裂筒は、屍獣に足を喰いつかれた人狼たちに避ける術はなかった。
「異なる点が一点だけ……我が軍勢は「私と言う個」を生かす為に、活かされる爪牙です。」
「とりゃああ!」
残りを燃え盛る槍で薙ぎ払うルナシィを見ながら、霧島の呟きが残る。
「最後の一人すら命を惜しまない……そんな生かすべき個を持たぬ群に、未来はありません。」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定
必死、必至。ジズは、命をかけるその行いに敬意を表するのです
最後に立っているべきは、必然、どちらかのみであるべきですね
使用するユーベルコードは〈私に七難八苦を与えたまえ〉
【属性攻撃】でその【傷口をえぐる】ように負傷箇所や急所を集中的に狙います
当然、歴戦の軍兵なら同じことをしてくるでしょう
そこは、すでに死して託す仲間がいないあなたたちと、フォローをお願いできる仲間と共に来たジズたち
そこが決定的な差となることを確信しております
さて、あなたたちの魂がいずこへ向かうのか
ラクエン? でしょうか。そこには疑問が残ります。
教えを請う必要があるようですね
九重・雫
POW
また血を使う敵。
今回のボスは随分と悪趣味みたい。
煉獄…より上質な地獄でも作るつもりかな。
敵には残念だけど血を使うなら私の方が得意だよ。
こんどのは新鮮な血だから貰っても大丈夫かな?
ちょっと獣臭そうだけど贅沢ばかりも言えないし。
自身の血を代償にブラッドガイストを使って敵を食らう。
銀の弾丸はなぎ払いを使って蹴散らすよ。
足りなくなった血は吸血で敵から貰うね。
血を浴びた分だけ強くなるなら血を吸っちゃえば弱くなるのかな?
狼なら殺気と恐怖を与えるも有効かもね。
獣ごときが私に盾突こうなんて生意気だもの。
怯えたまま私の贄となって役にたってね?
「また血を使う敵。今回のボスは随分と悪趣味みたい。」
「必死、必至。ジズは、命をかけるその行いに敬意を表するのです。」
仲間の血を浴びながら襲い掛かってくる人狼たちをに対し、各々武器を構える九重とジズルズィーク。
「でも、血を使うなら私の方が得意だよ。」
指を噛み、滴る血を妖刀に垂らす九重。
「それに、獣ごときが私に盾突こうなんて生意気だもの。」
「然り……そして最後に立っているべきは、必然、どちらかのみであるべきですね。」
ジズルズィークは呟きながら巨大な鉄槌を背負うように構え、人狼の群れに飛び掛かっていった。
先頭の1体が鉄槌に潰されたと見るや、近くの人狼たちは自身の頸動脈を掻き切った。
「全く……そんなにいっぱい血を流したら。」
追いかけた九重の妖刀が一体を貫き……その白い翼が赤に染まる。
「……勿体ないじゃない?」
その血は、多少の獣臭さはあるものの、新鮮なものだった。
妖刀に血を吸われ、干からびた人狼の死体が転がる。
もちろん、そんな彼女を人狼たちも黙ってみていたわけではない。
「当然、歴戦の軍兵なら、そうします。」
銃を構え、仲間ごと撃ち抜くつもりの人狼たちを鉄槌で殴りつけるジズルズィーク。
死ぬことを厭わず、銃口に向けてその身を躍らせ、傷の上から殴りつける。
「そこは、すでに死して託す仲間がいないあなたたちと、」
鳴り響く銃声。
「フォローをお願いできる仲間と共に来たジズたち……そこが決定的な差となることを、確信しております。」
「そういうことよ!」
放たれた銀の弾丸は、九重の妖刀……大量の血を吸い、血を纏った刀身に飲み込まれた。
そして、軽々と鉄槌を振り上げるジズルズィークと血を吸った九重の妖刀に、成す術もなく叩き、斬り伏せられた。
「さて、あなたたちの魂がいずこへ向かうのか……ラクエン? でしょうか。」
まだ戦いは続いているが、叩き伏せた人狼へ向けて呟くジズルズィーク。
「煉獄(ラクエン)ね……こいつらを扇動してる人は、そう言ったのかもね。」
前に戦った男の言ったことも含め、九重は自身の考えで応える。
「より上質な地獄でも作るつもりかな? その人は。」
「……なんにせよ、疑問が残ります。教えを請う必要があるようですね。」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ルード・シリウス
まさに狂信者の群れだな。
まぁ、死んでも煉獄(ラクエン)とやらに行けるから怖くないって所か?
…とはいえ奴等の命、そんな所に送るのは些か勿体ないな。なら、一つ余さず喰らってやろう
◆行動
暴食剣、呪詛剣構えて敵陣目掛けて飛び込む。敵陣へと踏み込むと同時に、二刀を同時に振り下ろして【黒獣爪牙】発動、蹂躙しその命と血肉を喰らい尽くす様に切り刻む。以降は、敵の攻撃を見切りながら残像含む回避行動で可能な限り掻い潜りつつ、一体ずつ斬り伏せていく
敵からの攻撃を受けても、自身の攻撃による捕食能力(吸血&生命力吸収)で傷を癒し、継戦能力維持。
「捨てる命なら全部俺に寄越せ。その血肉の一片まで俺の糧にしてやる」
幻武・極
やれやれ、オブリビオンだから再び蘇るからなんだろうけど、そうして命を大事にしない戦術はどうかと思うけどね。
トリニティ・エンハンスⅡで守りを強化して、敵陣の中に入り込むよ。
土煙を巻き上げ狙いを定めにくくさせるよ。
銃撃戦には乱戦に持ち込むのが一番だよね。
ボクが攻撃を躱せば流れ弾が味方を襲うことになるからね。
それに銀の弾丸ってキミ達には致命傷になる代物じゃなかったっけ?
イヴ・シュプリーム
心情:自らの命を顧みずに……?
どうやら……貴方達のご主人様はその『煉獄』とやらにご執心のようね……?
なら……煉獄の正体を突き止めるために……押し通るわ……!
戦術:【先制攻撃】として人狼の群れに対し、【叡智ノ光】を【一斉発射】します
さらに【2回攻撃】で<魔導レーザー>を追加で発射、追い討ちをかけます
防御については<日傘>を用いた【盾受け】と【オーラ防御】を使用
また、<魔法:精神感応>による【範囲攻撃】【精神攻撃】により、人狼達の視界を狂わせる【目潰し】も平行して行います
「生きようとする意志がない獣に……『魔導士』は負けたりしないわ……」
(アドリブ等歓迎)
「やれやれ、オブリビオンだから再び蘇るからなんだろうけど、そうして命を大事にしない戦術はどうかと思うけどね。」
「ああ、まさに狂信者の群れだしな。」
今までの戦いを見ながら、幻武とルードは身構えながら呟き合う。
「まぁ、死んでも煉獄(ラクエン)とやらに行けるから怖くない、って所か?」
「どうやら……貴方達のご主人様はその『煉獄』とやらにご執心のようね……?」
向かってくる人狼を見据え、周囲にエネルギー体を浮かべるイヴ。
「なら……煉獄の正体を突き止めるために……押し通るわ……!」
言葉と共に、エネルギー体から放たれた魔導レーザーが、先頭の人狼の心臓を抉る。
「それに、奴等の命をそんな所に送るのは些か勿体ないな。なら、一つ余さず喰らってやろう。」
「同感、行くよ!」
心臓を貫かれた者を踏みつけ襲い来る後続へ、ルードと幻武は飛び掛かっていった。
「はぁ!」
一番近くにいた人狼へ、砂を巻き上げながら幻武の拳が下から突き上げ、人狼がそのまま宙に浮く。
そこへ呪詛剣と暴食剣を持ったルードが2刀同時に振り下ろし、見事に三つに断たれた。
「お前ら、運が悪いな……。そこは俺の領域だ。」
邪精の悲鳴を響かせながら呪詛剣を死骸へ突き刺し、その血を吸った漆黒の暴食剣を振るうと、周囲に黒の衝撃が走る。
それに触れた人狼たちも血を吹き出し、倒れていく。
「よし、そう来るよね。」
周囲を見渡した幻武の目に、銀の弾丸を込める人狼たちの姿が見えた。
土の魔力を操ってさらに砂ぼこりを巻き上げ、狙いをつけづらくしていく。
「銀の弾丸って、キミ達には致命傷でしょ?」
「なら、手伝うわ……。」
イヴの魔力が砂ぼこりに乗ると、触れた人狼たちの狙いが途端にズレていく。
砂ぼこりの先、別の人狼を狙っていた。
「よし……これで」
「危ない!」
離れたところにいた人狼の弾丸が、イヴへ飛ぶ。
幻武の警告の声に、イヴが咄嗟に日傘を広げて纏わせたオーラで絡めとる。
「ありがとう……。」
お返しとばかりに、日傘のオーラを傘の先端に集めて魔導レーザーを撃ち、すでに血の抜けかけた人狼を撃ち抜く。
「生きようとする意志がない獣に……『魔導士』は負けたりしないわ……。」
ダン! と人狼たちの銀の弾丸が一斉に放たれる。
砂ぼこりに紛れて身を隠した幻武の上を飛び交い、人狼たちの頭へ吸い込まれていった。
「やっぱり、銃撃戦は乱戦に持ち込むのが一番だよね!」
片手で数えられるほどの、生き残った人狼へ殴り掛かる幻武。
「そうだな。」
返り血を浴びたまま、ルードは手にした2刀で丁寧に切り刻んでいく。
「捨てる命なら全部俺に寄越せ。その血肉の一片まで、俺の糧にしてやる。」
……そうしているうちに、周りで動くものは猟兵達だけとなった。
「門番と兵隊と……後は、こいつらを扇動してたのだけかな?」
「ああ、そうだな。」
地面に転がる人狼たちを見ながら聞く幻武に、応えるルード。
「煉獄に執着したご主人様、か……どういうつもりなのかしら……?」
そう、イヴが疑問を浮かべた時。
一つの足音が、猟兵達へ近づいてきた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『煉獄への導き手・エリー』
|
POW : 召喚:少女と人々の嘆き
戦闘用の、自身と同じ強さの【悪意でできた、数多の絶望した信徒達と黒竜】と【憎悪でできた、攻撃を跳ね返す拒絶の障壁】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : 投映:煉獄(ラクエン)への微笑
【煉獄へ導く使徒としての微笑を見せて】から【相手の深層に眠るトラウマや心の傷、闇】を放ち、【過度の心的外傷】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 投映:煉獄(ラクエン)への道標
対象のユーベルコードに対し【相手の深層に眠るトラウマや心の傷、闇】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:壱ル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナターシャ・フォーサイス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あらあら……あの子達はもう、煉獄(ラクエン)へ旅立ったのね。」
巨大な鎌を持った少女は、猟兵達へ笑顔を向けて話してきた。
……その眼は絶望に濁り、笑顔は心を隠すため。
「でも大丈夫。ここの村人もいるし、寂しくはないわ。」
楽しそうに語る少女の話は、すでに支離滅裂な言葉の羅列。
……楽園を信じた少女は、全ての者を煉獄へ送る。
「あなた達って、吸血鬼たちをいっぱい、いっぱい葬ったのよね?」
導くことを決めた少女は、猟兵達へ大鎌を向ける。
……楽園を、人間を憎む少女は、人間を狩る者を葬る猟兵を、憎んでいた。
「だからね……あなた達を、煉獄(ラクエン)へ連れて行こうと思うの。」
ただ笑顔で、そう言う。
……笑顔の下に憎しみを隠して。
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定*アドリブ歓迎
居住まい、佇まい。ジズは、銀髪のサイボーグである、同志の姿をやはり想起したのです
その装束、何かしらの教義に従っているようです?
畏敬、異形。ジズはその敬虔な姿を、尊敬です
ジズにはもうできない所業ですから
トラウマは、思い出したくもないですが、自然破壊を教義とする邪悪エルフの教団にとらわれ
意志を歪められ、弄ばれ、嬲られ、見世物とされてきた過去です
ユーベルコードを使いトラウマを負ったまま槌で叩きます
元聖女からの助言です。笑顔で黙って従っているのはさぞかし楽でしょう
ですが理解を、悟りを、より深く知ることを拒んでいるのは、人形と同じですよ
ましてや人を害するなど、まず、恥を知るのです
「居住まい、佇まい。ジズは、銀髪のサイボーグである、同志の姿をやはり想起したのです。」
煉獄への導き手を自称する少女と、楽園への導き手となった少女。
ジズルズィークの思い浮かべた少女と変わらぬ教義……だが、こちらは。
「……差異、相違。人の幸せを願っていないです。」
改めて鉄槌を掴みなおし、少女と相対する。
「ましてや人を害するなど、まず、恥を知るのです。」
「ふふ……人を害する? 私が、ですか?」
少女の笑みは崩れない。
言われた意味が解らないのではない……。
「煉獄(ラクエン)へ至るには、肉体など不要なのです。」
理解していながら、教義に曲げられる認識。
その様に、かつての自分を重ねて視たジズルズィーク。
良かれと思った……いや、それこそが普通で普遍の認識だった。
自然を破壊することに狂った教団は、聖痕の奇跡を起こせるジズルズィークを捕らえ、信徒を増やすために利用していた。
意思は教義に曲げられ、奇跡は信徒のさらなる洗脳のための見世物に……。
「……畏敬、異形。ジズはその敬虔な姿を、尊敬です。ジズにはもうできない所業ですから。」
今も残るのは、拘束具としての鉄槌のみ。
それを思いっきり振り上げて飛び掛かり、語り掛ける。
「元聖女からの助言です。笑顔で黙って従っているのはさぞかし楽でしょう。」
「く、あぁ!」
少女は大鎌で受け止めるが、質量が違いすぎる。
吹き飛ばされていく少女へ、
「……ですが理解を、悟りを、より深く知ることを拒んでいるのは、人形と同じですよ。」
続けた言葉は、少女の未来を願うもの。
届かぬことは解っている……だが、言わざるをえない。
「と、ジズは思うのです。」
自然体でいられる自分に、今の考えに至る道筋を。
忘れることのできない当時のジズルズィークに、言い聞かせるために。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
憎しみを隠し、如何にも善意ですと嘯いて奈落へ突き落さんとする
…地金が見えていますよ?
自分自身ですら騙せない欺瞞に価値はありません
私は言いましょう、不愉快なので死ねと
◆行動
<真の姿を開放>し『暗キ獣』を使用
軍勢にて攻め立てつつ、盾としても活用
私自身は【目立たない】事を利用し、軍勢に紛れて行動
【罠使い】として戦場に罠も仕掛けましょう
接近時には【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】
軍勢の猛攻、罠の存在、私自身の攻撃
これらによる圧力で【精神攻撃】と為し敵に【恐怖を与える】
欺瞞が無いから責任を持つのです
純然たる敵意を以て、貴女に絶望を刻みましょう
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
幻武・極
キミがラクエンに導く者か、あいにくボクはまだそこへ行く訳にはいかないから、力の限り抵抗させてもらうよ。
トラウマや心の傷ね。
なら、心を持たないバトルキャラクターズが相手ならどうかな?
レベルを4体に分散させて属性攻撃 光の衝撃波で攻撃させるよ。
キミの放つ闇を光で相殺させれば、ボクも参戦出来るしね。
「キミがラクエンに導く者か。」
吹き飛ばされて身を起こす少女の前に立ち、身構える幻武。
「あいにくボクはまだそこへ行く訳にはいかないから、力の限り抵抗させてもらうよ。」
「……ふふ、いずれ煉獄(ラクエン)へ行くことを請うようになるでしょう。」
身を起こしながら、笑みを浮かべ……隠す気もなく殺意を放つ少女。
「笑顔で憎しみを隠し、如何にも善意ですと嘯いて奈落へ突き落さんとする……地金が見えていますよ?」
こちらも笑みで返す霧島……しかし、その続けた言葉に、少女は耳を疑う。
「自分自身ですら騙せない欺瞞に価値はありません。私は言いましょう……不愉快なので死ねと。」
「なんと……憎しみに囚われてしまっているのですね。」
しかし、それも教義に曲げられ、都合よく解釈される。
その様に、霧島の笑みが一層濃くなった。
情けも容赦もいらない、と。
「トラウマや心の傷ね。」
呟きながら幻武が集中すると、バトルキャラクターが4体召喚される。
「なら、心を持たないバトルキャラクターズが相手ならどうかな?」
「ええ、いい方法です。」
霧島もまた、屍者と屍獣の群れを呼び出していた。
蒼白の霧を纏うその姿は、古に伝わる神のようであり……獣と病を引き連れた騎士でもあった。
「彼らに攻めさせましょう。……手をお借りしますね。」
「もちろん! いっくよー!」
そして、少女を屍の群れが取り囲む。
「……邪魔をしないで。」
大鎌を振り回し、屍獣を薙ぎ払い……そこへ、バトルキャラクターの光の波動が突き刺さる。
「う、ぐ!」
「キミの放つ闇を光で相殺させれば、ボクも参戦出来るしね。」
さぁいくよ!と幻武の声が響いたのを聞き、屍者の群れを薙ぎ払いつつ囲いを突破する少女だったが……。
その足を挟むトラバサミ。
「……かかりましたね。」
屍者に紛れてそれを置いたのは、霧島。
「そこだ!」
「ぐ、は……。」
光の波動を込めた幻武の拳に、少女の体が跳ねる。
そして、身を起こしたその目の前には、黒剣を持った霧島の姿。
「……欺瞞が無いから、責任を持つのです。」
「あぐ……!」
その足を切り裂き、
「純然たる敵意を以て、貴女に絶望を刻みましょう。」
語り掛けながら、その腕を突き刺す。
……さらに強く、笑みを浮かべながら。
「さ、もう諦めたらどう?」
「ええ……手も足も、出せないようですね。」
「ふ、ふふふ……。」
応えるように……少女の笑いが木霊する。
「あなたはもう、私が導く必要がない……そういうことですね?」
「おや、わかりましたか。」
「ええ、ですから……。」
途端に大鎌の柄でトラバサミを外し、
「ほかの方を、導きましょう!……煉獄(ラクエン)へ!」
他の猟兵へ、襲い掛かっていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
九重・雫
WIZ
予知を見た時は姿だけは可愛らしいと思ったけど
実際会ってみると可愛いとは言えないね
これまで倒した敵で感じたように悪趣味で狂っている奴だ
その濁った眼で導けるものがあると思っているの?
オブリビオンのくせにそんな夢を見てるなんて笑っちゃう
【鈴蘭の嵐】で攻撃するよ
【傷口をえぐる】で苦しみを味わえば【吸血】の効果もアップだね
白い鈴蘭の花びらが赤く染まってとっても綺麗
敵の血まで濁ってないといいけどな
使えなかったら捨てなきゃいけないから勿体ないの
トラウマには【狂気耐性】と【激痛耐性】で対抗だよ
迫害されたときの狂気も痛みも
全て救いに変えると決めているからもう平気
見せられたって私の救いの決意が固くなるだけ
ルード・シリウス
煉獄(ラクエン)…か。
(狂笑浮かべ)ハッ、生憎だがお断りだ。俺には楽園も煉獄(ラクエン)も要らねぇ。狂気と憎悪こそが俺の世界。お前もお前の信徒も喰らい、俺の世界を突き進む。
◆行動
暴食剣、呪詛剣を携えて【鮮血暴食の魔剣】発動。怪力込めた二刀による連撃で、阻むものを暴食する様に斬り込む。攻撃に対しては、相手の動きに合わせて緩急つけた足運びと残像で見切りつつ。
攻撃受けても、傷は召喚された信徒や黒竜、障壁を攻撃した際の捕食能力(吸血&生命力吸収)で癒し継戦能力維持。寧ろ、傷を負う度に狂笑をあげ、自身の血を剣に吸わせ、切れ味を増す様にと
さあ憎悪を、嘆きを見せてみろ。総て喰らい俺の糧としてやる
「煉獄(ラクエン)…か。」
少女の言葉に、ルードが呟く。
が、すぐに狂ったように笑い、返す。
「ハッ、生憎だがお断りだ。俺には楽園も煉獄(ラクエン)も要らねぇ。」
「ほんと、見た時は姿だけは可愛らしいと思ったけど、可愛いとは言えないね。」
九重も同様に、少女の生き方、存在を拒絶する。
妖刀に手をかけ、改めて倒す意思を固めていた。
「これまで倒した敵で感じたように、悪趣味で狂っている奴だ。」
「狂っている?……私が?」
対して少女は大鎌を振るい、多数の信徒と黒竜を呼び出し、
「狂っているのは……この世界、でしょう?」
変わらぬ笑顔で、差し向けてきた。
「ハッ、この世界が狂ってるか。」
暴食剣、呪詛剣を抜き、嗤いながら信徒へ斬り込むルード。
少女へと向かう二刀はまさに暴風、壁となる信徒たちは成す術もなく斬り飛ばされてゆく。
「狂気と憎悪こそが俺の世界。お前もお前の信徒も喰らい、俺の世界を突き進む。」
そして、彼らの血を剣が吸い、切れ味はさらに増してゆく。
だが……その後ろに残る九重の動きが、止まっていた。
「……そう、狂っているかもしれない。」
呟きと共に思い出される、かつての迫害の日々……。
オラトリオという聖の存在でありながら、血を求める魔の性質を持つ九重。
同族の中では異質、異物……呪われた子と何度言われただろう。
だが……その魔は、力でもあった。
「人を救うって決めた。この力で!」
妖刀を引き抜いて振るうと、白い鈴蘭の花びらへと変わる。
その花びらは刃の嵐と化し、少女と黒竜へ襲い掛かる。
「く……これほど、とは。」
少女の拒絶の障壁に阻まれるが、黒竜は成す術もなく切り刻まれる。
白だった花びらは一部が赤へと変わり、さらに勢いを増す。
「いつみても、とっても綺麗よね。」
「ああ、そうだな。」
そして、信徒たちを切り刻んだルードの剣が、拒絶の障壁へ振るわれる。
「さあ憎悪を、嘆きを見せてみろ。総て喰らい俺の糧としてやる。」
邪精の叫びと血の魔力に……障壁が破られた。
「そ、そんな!」
「さぁ、あなたの血は綺麗かしら?」
「あああああ!」
襲い掛かる、赤と白の鈴蘭の花びら。
少女の体を切り刻み……すべてが赤に、綺麗な真紅へと変わった。
「よかった、濁ってないのね。」
九重の手元に、妖刀として戻る花びら。
手についた血を一口舐め、大鎌で体を支えながら睨みつけてくる少女へ言う。
「その濁った眼で導けるものがあると思っているの? オブリビオンのくせにそんな夢を見てるなんて笑っちゃう。」
「煉獄(ラクエン)へは一人で行くんだな、導くなんて考えずに。」
そんな二人の言葉に、少女は体を震わせて叫ぶ。
「いつもそう……そうやって私を一人にした! 導けない私なんて捨てて!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルナシィ・アエリア
ようやく本体がでてきたか!
「でてこい、ロクデナシ!」
UCを使用して、鬼龍を召喚して戦わせる
「私の龍は地獄そのものだ!負けるはずがないんだよ!」
オウガを敵に突撃させて牙と爪で喰らいつかせる
敵の竜が出てきた場合はそっちに対応させつつ、ほかの使徒ごと焼払う
オウガを派手に立ち回らせてる間に私は【ダッシュ】で少し遠回りしてから、【地形の利用】して本体に【ランスチャージ】で突撃する
【呪詛】を周りにばらまきつつ、【二回攻撃】で障壁を槍で突く
障壁が消え次第、オウガとの挟撃を始める
敵への【串刺し】を狙い、腕と首の【部位破壊】を狙う
「人任せで、誰かを救えると思うなよ!人の絶望は、そんなもんじゃ埋まらないんだよ!」
イヴ・シュプリーム
心情:私達が憎いの……?
だとしても……貴女の蛮行はとても許されるものではないわ……
人を、世界を守る……それが『魔導士』の役目……!
戦術:自身の抱く罪の意識を【覚悟】でカバー
「これ以上……私の星のような悲劇は繰り返させない……!」
そして真の姿の【封印を解く】
放つは【煉獄ニ降ル雪】の【一斉発射】
「天気予報をしましょうか……今から、雪が降るわ……」
直撃の有無に関わらず、【2回攻撃】を使用して、先程散布した魔力を再吸収し<魔導レーザー>を【全力魔法】で放ちます
「例え、ここが貴女にとっての楽園だとしても……終わりが来るわ……。そして……それは『今』よ……!」
(アドリブ等歓迎)
「邪魔をする私達が、憎いの……?」
「当たり前でしょう!?」
イヴの問いに、感情を露わにする少女。
無理やり教義に合わせて解釈をし、ラクエンへ導く者として振る舞っていたが……すでに仮面の剥がれたこの子は、ただ自分が否定されるのを恐れている。
こうなっては、親に気に入られたいと気を惹く、幼い少女のようね……と内心思いながらも、
「だとしても……貴女の蛮行はとても許されるものではないわ……。」
真の姿を開放したイヴの周囲に魔法陣が浮かび、魔力が凝集していく。
「だから私は、人を、世界を守る……それが『魔導士』の役目……!」
「うるさい! 私が……私が人を……。」
対する少女は、最後の力で配下の信徒達と黒竜を呼び出し、
「煉獄(ラクエン)へ、導くんだ!」
涙をあふれさせながら、叫んでいた。
「ふん、ようやく私の出番だ! 出てこいロクデナシ!」
ルナシィの声に鬼龍であるオウガが応え、感情を喰らって現れる。
「私の龍は地獄そのものだ! ぬるい煉獄なんかに負けるはずがないんだよ!」
「うるさい! お前も、ラクエンに行くんだ!」
叫びながら少女が大鎌を向けると、信徒と黒竜が一斉に襲い来る。
それを見ても、感情を喰らわれたルナシィは凄絶な笑みを浮かべて指示を出す。
「行けよロクデナシ! 薙ぎ払ってやれ!」
グオオオオオ!
鬼龍の吐息が炎となり、信徒たちを薙ぎ払い黒竜だけが残る。
黒竜と鬼龍がぶつかり合い、もつれあいながら噛みつき合う。
「がら空きなんだよ!」
「く!?」
そして、少女の後ろからランスを構えて突進するルナシィ。
少女の周りには拒絶の障壁が張られているが、そこへ降り注ぐ白い魔力隗……。
「天気予報をしましょうか……今から、雪が降るわ……」
イヴの降らす魔力隗が触れた途端に炸裂し、障壁が破られる。
「そ、そんな……ぐ!?」
「よそ見してんじゃねえよ!」
少女の腕を貫き、地面に縫い留めるルナシィの槍。
イヴの次の動きを見、飛び退りながら叫ぶ。
「人任せで、誰かを救えると思うなよ! 人の絶望は、そんなもんじゃ埋まらないんだよ!」
「例え、ここが貴女にとっての楽園だとしても……終わりが来るわ……。」
周囲は炸裂した魔力に満たされ、イヴの身体から放たれる魔導の力をさらに濃密に、的確に操作して……。
「や、やめ……。」
光の集まる魔導レーザーが、もう泣くことしかできない少女の瞳に映る。
「やだよぉ!」
「そして……それは『今』よ……!」
その放たれた時間はごくわずかで……。
目を開けられないほどの強い光が消え、目が慣れて見てみると……黒い大鎌と少女の影だけが残されていた。
「ふぅ……終わった、のね。」
「ああ、おつかれさん。」
辺りに動くものは、猟兵達以外なくなっていた……。
村に住む者たちは、すでにいない。
「結局、煉獄(ラクエン)って、何だったのかな……?」
「解んねぇよ。ただまぁ、あれだな。」
一つの廃墟を後にする猟兵達。
「死ぬことが救いだと思ってたやつが死んだ……ってことだろ。」
「そう、ね……。」
後には、黒い大鎌だけが残されていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年08月15日
宿敵
『煉獄への導き手・エリー』
を撃破!
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