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\わらびもち!/

#サムライエンパイア #まっしろピヨすけ #蠱窋の怪 #\おいしい!/

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●木こり小屋
 朝だ。夏の日差しは朝でも……、
「あぁっつっっ! 暑すぎないか!?」
 尋常ではない不快感に飛び起きる。漸く男は部屋の異変に気付いた。
「シオキ……オシオキダ……」
「うお!? なんだこれ動けな……あっつ!!」
 炬燵だろうか? 布団のようなものが男の体に重くのしかかっていて、外に出ることは愚か、身動きすらとれない。
「ピヨ! ピヨ! ピヨ! ピヨ! ピヨ!」
「……ピヨ? ぶわっ!? ぶはっ!?」
 白い羽毛が顔に飛び込んできた。ペッペッと口にはいった羽根を吐いて見渡すと。一面を白い生きものが埋め尽くしている。
「どっ……どうなっちまったんだーーーーー!!!」
 灼熱地獄の部屋のなか、男の悲鳴が木霊する。

●グリモアベース
「やっばいっす! 布団と炬燵が襲ってきたっす! サムライエンパイア行きっす!」
 布団に炬燵? なんでまた!? ざわめく猟兵たちに、香神乃・饗(東風・f00169)は説明を始める。

 とある村のきこり小屋に、ものぐさな男が住み着いていた。
 冬の支度を仕舞うのが面倒で、冬布団や炬燵など、冬支度一式を出しっぱなしにして生活していたのだが、
「その冬の支度が、牙をむいたんっす。朝起きたら部屋がオブリビオンの溜り場になってたって信じられるっすか? 夢じゃない、ホントのことっす!」
 その部屋に向かって欲しいのだ。

 部屋の状況は酷いものだ。
 まず、一面が『まっしろしろすけ』の群れに覆いつくされている。
 まっしろしろすけとは、白い小鳥のオブリビオンだ。色んな大きさのものがいるが、今回は掌に収まるほどの小さい個体だという。
「羽毛布団にしたらめっちゃんこ良さそうって前から思ってたんっす。でも、まさか、本当にそうなるなんて思いもしなかったっす」
 洒落にならないと、真顔で頷く饗。冬場ならまだしも、今は夏なのだ。一面を埋め尽くす鳥たちに包まれれば、暑苦しいことこの上ない。
「この鳥は甘いものに目がないっす、甘いもので誘導できるはずっす」
 なにか用意して行けばすぐ片付けられるだろう。

 部屋にはもう一体オブリビオンがいる。
「それが『蠱窋の怪』っす。しまい忘れた炬燵に顕現してしまったんっすけど、こいつが厄介なんっす」
 蠱窋の怪とは、炬燵の形をしたオブリビオンだ。暖かい布団と蜜柑、愛らしいヒヨコで人を誘い込み、抜け出せなくしてしまうのだ。
「寒い時ならまだしも、真夏に出てくるなんて迷惑千万っす。
 炬燵を思う存分満喫したら飲み込んだ人たちを吐き出してくれるらしいっす。
 だから、炬燵を満喫してきて欲しいっす。――冬場みたいに」
 は?と誰かが思わず声をあげた。当然のことだ。
 冬場みたいに。つまり、皆で語り明かしたり、双六岳などで遊び寛いだり、みかんや暖かいもの――鍋焼うどんや善哉などを味わうのも良い。それを、この夏場に、だ。

「その……ちょっと言いづらいんっすけど、室内は熱気で蒸風呂みたいになってるっす。換気しても籠った熱が抜けないっすからめっちゃんこ……あっ! そこの猟兵さん、逃げないで欲しいっす!」
 無茶を言っているのは百も承知だが、このままでは、囚われた男が干物になるのも時間の問題だ。猟兵たちのひらめきや機転が試されようとしている。

「討伐後は、冷たいものを用意しておくっす! ワラビ餅なんかどうっすか?」
 最近料理にこっているらしい饗の手製だ。腕前はそこそこ良いらしい。
「スイカもあるっす! この前よろず屋の仕事で貰ったんっすよ、川で冷やしておくっす!」
 そう、木こり小屋の側に綺麗な川が流れている。川遊びをしてはいかがだろう。暑さに溶けた体がシャキっと回復すること間違いなしだ。

「アッツイ時期のアッツイ戦いっすけど、ひとつお願いするっす!」
 ふわりと咲いた梅のグリモアが世界を切り替える。導いた先には、部屋一杯に詰まった白いふわもこの山。


ごは
 ごはです。
 サムライエンパイアの夏休みをお届けします。熱い戦い、耐久戦です。猟兵我慢大会の開幕です!

●第一章:集団戦『まっしろピヨすけ』
●第二章:ボス戦『蠱窋の怪』
●第三章:日常『川遊びしよう!』

 第一章、第二章の敵はユーベルコードを活性化し『倒す』と書いていただければ倒せます。遊んで頂いたり、熱さに耐えるさま、雰囲気を楽しんでください。ゆるくゆるく、運営いたします。
 第三章はお声かけ頂ければ香神乃・饗がお手伝いをいたします。お声賭けが無ければわらびもち作りの裏方に徹しますので、お気遣いなくお楽しみください。

 プレイングの再送をお願いするかもしれません。ごはのスケジュールによるものです、お気持ち変わりがなければおつきあいください。
 プレイングは全て採用する予定ですが、公序良俗に反するものは不採用にします。

 チームで参加したい場合は【グループ名】もしくは【相手の呼び名・fから始まるID】を冒頭にご記入ください。

 プレイング受付状況はマスターページもしくはこのシナリオページでお知らせします。
 1章のプレイングはOPが公開された時から受付いたします。
 それでは宜しくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『まっしろピヨすけ』

POW   :    超もふもふもーど
全身を【膨らませてめちゃくちゃモフモフな状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    もふもふあたっく
【もふもふ体当たり】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    もふもふソルジャーズ
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【ミニまっしろピヨすけ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。

イラスト:Miyu

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高階・茉莉
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
まっしろいモフモフですか、とても触り心地が良さそうですね。
ですがこれもオブリビオン、見過ごすわけには行きません……!

■行動
無限の文字列を使用して戦いますね。

【範囲攻撃】で纏めて敵を攻撃する様にし
【高速詠唱】で素早く唱え【属性攻撃】で光属性を強化しつつ
【全力魔法】で一気に敵を倒していきますね。

もふもふソルジャーズも、範囲攻撃で弱い敵から優先的に倒していきます。

敵に囲まれない様注意し【第六感】で察知し
逃げ場のない場所に追い詰められない様に【地形の利用】を駆使。
敵の攻撃は【見切り】で避けたり【武器受け】や【盾受け】で
防御する様に心がけます。



●いきなり最終回(クライマックス)

 見渡す限りをまっしろいもふもふが埋め尽くしている。猟兵たちが倒しているのだが、その数は減るどころか増えているのかもしれない。
「まっしろいモフモフですか、とても触り心地が良さそうですね」
 ふわふわのもふもふに触れてみたいと好奇心が騒ぐのだが、
「ですがこれもオブリビオン、見過ごすわけには行きません……!」
 高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は気をひきしめ本を構えた。そう、茶色の本を。
 携えていたのは『茶色の知識』、本を模した形の甘い甘いチョコレートだ。
「ぴよ! ぴよっぴよっ!」
 ピヨすけたちは一斉に茉莉を見る。目線は甘い本に釘付けだ。

「無限に連なる太古の呪文よ、その力で邪悪なるものを退けなさい!」
 本を開こうとする、が、開かない。
「んんんんーーー」
 顔を真っ赤にして目一杯の力でぐいぐい開こうとするが、やっぱり開かない。
「んん? ……あっ」
 漸く気付いた。そう、その本じゃないんです。
「こほん、もう一度、いきますね」
 え、くれないのーとしょげるピヨすけを尻目に、宇宙魔術古代書に持ち替えて仕切りなおしと参ります。

「無限に連なる太古の呪文よ」
 声に応じるように、宇宙魔術古代書がぼわっと光を帯びる。
「その力で邪悪なるものを」
 ぱらららららっとページをめくる。開く頁は『光属性>範囲攻撃>全力魔法』――みつけた。
「退けなさい!」
 本を開いて、ピヨすけたちに翳す。

 ぴかーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!

 魔術古代書から光がほとばしる。茉莉の全力をのせた光が辺り一面全てを包み込む。
「「「ぴよよよよよーーーー」」」
 ピヨすけたちの鳴き声がこだまする。
「ばりばり戦う気はなかったんだようー」「おいしいものをたべたかっただけなんだようー」「あそびたかっただけなんだようー」「おひるねしたかったんだようー」といっているのかもしれない。

 ピヨすけたちは、呆気なく光に呑まれて消滅した。綺麗さっぱり躯の海にかえっていったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 茉莉をはじめ、猟兵たちの活躍により、まっしろピヨすけは全て討伐された……のだが、ここからは、時間を少しまき戻して、もふもふを楽しむ風景をご覧いただこう。

●すーぱー もっふもふたーいむ はっじまっるよー!
吉備・狐珀
白い…ふわふわ…かわいい…。
ちょうど、別の依頼で立ち寄った茶屋で買った美味しいお団子があるのでそれで誘ってみましょうか。
三色団子にみたらし、餡子もありますよ。
お団子を啄む姿を眺めつつふわふわした羽をなでて堪能します。
一羽掌に乗せ頬ずりすれば少しくすぐったいけれど、ふわふわで気持ちいい…。

こんなに可愛いのに倒さないといけないんですね…。
UC【青蓮蛍雪】使用。
熱中症の方がでてもいけないので部屋を冷やす意味でも。
連れて帰るわけにはいかないから、倒した後にちらばった羽毛持って帰ってぬいぐるみ作ろうかな…。



 吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)の前にはもふもふの海。白い鳥の群れが一面を埋め尽くしている。
「白い……ふわふわ……かわいい……」
 自然と笑みがこぼれた。狐珀が近づいても全く警戒していない。それどころか、幸せそうにくーすか眠っているものもいる。きっと美味しいものをたらふく食べた後なのだろう。
「甘いものが好きなんでしょう」
 側にしゃがんで持参した包みをとく。中身はお団子だ。先日立ち寄った茶屋のおかみさんに包んで貰った土産だ。どれもとても美味しい逸品だ、人当たりの良さが味にも出ている。
 1本つまんで差し出すと、
「ぴよ!」
 目の前に突然現れた甘いものに目を輝かせるまっしろピヨすけ。きらきら目を輝かせ、ちょんと突く。
「ぴよ!」
 美味しいといわんばかりに鳴き、夢中でちょんちょん、ちょちょちょんとついばみ始める。
 周りにいたピヨすけたちも、お団子に気付いて、ピヨもピヨもと押し合いへし合い群がってくる。
「三色団子にみたらし、餡子もありますよ」
 もう片方の手で追加の串を摘んで差し出すと、
「ぴよっぴよっ!」
 新しい串をもつ手にぴょんとのっかるピヨすけ。特等席で団子をちょんちょんついばみ始める。
 その手を顔に近づければ頬に頬ずりをしてくるピヨすけ。まるでありがとうと言わんばかりに。
 ふわふわでとても気持ちいい。狐珀は幸せに目を細めてほっこり笑顔。
「こんなに可愛いのに倒さないといけないんですね……」
 可愛いらしくともオブリビオンだ、連れて帰るわけにはいかない。
「言の葉のもとに魂等出で候」
 ふう、と息を吹きかけると冷気を含む青い狐火が白鳥を消す。
「ぬいぐるみ作ろうかな……」
 散らばった羽毛を眺めながらぽつりと呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

落浜・語
いや、冬場ならともかくな?
夏場にこれはないだろ…暑すぎる。

甘いものでつれるなら、花林糖や金平糖で釣るか。
いつも持ち歩いてるんで、それでつろう。
まぁ、せっかくなんで、倒す前にモフろうかな。つか、モフる。



「いや、冬場ならともかくな? 夏場にこれはないだろ……暑すぎる」
 落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)は惨状を前に愕然としていた。暑くて、暑くて、暑さで中骨が曲がるんじゃないか。早く片付けて帰ろう。

「甘いものでつれるなら、花林糖や金平糖で釣るか」
 甘いものが好きな語。花林糖や金平糖はいつも持ち歩いているものだ。ポケットから取り出し手に乗せると、
「ぴよっ! ぴよぴょ!」
 ぴょんと掌に1羽のっかり、ぴょんぴょんと甘味の周りを跳ね回る。
 食べにきたんじゃないんですよ、食いしん坊じゃないんですよ。まるで、甘味に釣られたのを恥らうように。
「甘いもの好きなんだろう、食べて良いんだ」
 語の言葉が通じたのか、おもむろに金平糖をちょんちょんつつくピヨすけ。
「ぴょ! ぴよよっ!」
 おいしい! とでも言っているのだろうか。
 愛嬌たっぷり。あの口が悪いカラスとは比べ物にならないほど愛らしい。
 はっとして周りを見渡すがカラスの姿はない。見られていたら何を言われたか解らない、ほっと胸をなでおろす。そうだ、今日は留守番を頼んでいたんだ。

 さっきのピヨすけといえば。ついばんでは落とし、落としてはついばみ、ぶきようながらもこつこつつついて粒を崩し1粒目を完食し、また次の粒と格闘している。やっぱり可愛い。
「まぁ、せっかくなんで、倒す前にモフろうかな。つか、モフる」
 掌の上のピヨすけをなでなでもふもふ。暑さにめげず、ふわふわを心行くまで堪能した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオラ・アップルトン
うわ、暑い、暑いけどもふもふ!
もふもふで可愛いけど暑い!
ぴよさんたちには、ボク、金平糖を持ってきてみたんだ
金平糖、食べるかな?
手に持ってぴよさんたちに差し出してみるよ
おいでー……もふ!暑!
うわ、これ、幸せだけど、どうしよう、倒れるかも!

でも、このもふもふの中で倒れるなら本望かも…
ボク、とっても眠いんだ……

はっ、危ない(持ってきたお水を飲む)
熱中症には注意しないと!
ちょっとだけこの場を涼しくするために
UCで氷の風を作り出すよ
【アルカナ】に【ワンダーバレット】の水をセット、発射!
少し涼しくなったところでぴよさんをぎゅっと抱きしめて倒すんだ
もふもふ、尊かった…

アドリブ歓迎です



●ヴィオラ・アップルトン リプレイ
「うわ、暑い、暑いけどもふもふ! もふもふで可愛いけど暑い!」
 目の前に広がるのはもふもふの山だ。ヴィオラ・アップルトン(星の娘・f20323)は汗を流しながら、もふもふに胸をはずませ尻尾をぱたぱた。
「ぴよさんたちには、ボク、金平糖を持ってきてみたんだ。金平糖、食べるかな?」
 しゃがんで両手にのせてさしだすと、
「ぴよ! ぴよよよよ!」
 金平糖を見つけて、もふもふもふと突進してくるピヨすけたち。
「おいでー」
 可愛い鳥たちの可愛い突進に、にこにこ笑顔を浮かべるヴィオラ。1羽、2羽、3羽……数えられないほどたくさん群がってきた。
「……もふ! 暑!」
 あっという間にヴィオラを埋め尽くし、もふもふの山ができた。もふもふが顔にぶつかり、もふんもふんもふもふ。至福のもふもふ尽くしだ。

「うわ、これ、幸せだけど、やっぱりもふ暑!」
 幸せだが暑い、本当に暑い、蒸し暑い、めっちゃんこ暑い。なぜだろう、視界がぐら、ぐらりと揺れひしゃげる。これは、
「おかしいな、ボク、とっても眠いんだ……」
 ぱたりと倒れるヴィオラ。でも全然痛くない、むしろ気持ちいい。このもふもふの中に倒れられるなら本望だ。倒れるヴィオラをピヨすけたちの羽毛がもっふり受け止めていた。下敷きになったピヨすけたちがぴよっぴよっ鳴いているが、その鳴き声すら子守唄に聞こえて……。

「はっ、危ない!」
 頭を振る、ぶんぶん振る。危うく意識を手放す所だった。熱中症だろうか。すんでのところで、意識を取り戻し、持参していた水を飲む。美味しい、頭がすっきりする。スッキリした頭で冷静に考えてみる。
「暑いからいけないんだ」
 歯車仕掛けの銃『アルカナ』に、猫のイラストが可愛いタロット『ワンダーバレット』水の精霊カードセットする。呼ぶのは四大精霊のなかの氷の風、発射! 引き金をひくと、ひんやりとした風がごうっと吹き抜ける。
「ああ、気持ちいい生きかえる……て、温度あがるの、あっつ!?」
 どこかから声が聞こえた気がする。気のせいだろう。
気を取り直して、ピヨすけをぎゅっと抱きしめる。かわらぬもふもふがそこにある。風を受けてちょっとひんやりしたもふもふが一層気持ちいい。顔をうずめてもふ、もふ。幸せに耳をぴこぴこ。

「もふもふ、尊かった……」
 もふもふを満喫しつくしたヴィオラ。断腸の想いで再び風を呼びピヨすけの山を躯の海に送り返した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイシュ・ユコスティア
メイン武器はロングボウ。

「ふわふわだ!
…でも、暑そう。」
部屋の中で戦うのは狭すぎる。
というか…暑さで危険!
外に誘導して思う存分もふ…
…いや、倒す方針。

スポンジケーキをちぎって地面に落としながら、たくさんの敵を誘導する。
敵達を1ヶ所に集めたところで、1匹ずつユーベルコードを利用して攻撃していこう。

敵が見える範囲で、距離を取って布陣。
いくら小さくても油断は禁物。
囲まれないように立ち回りながら攻撃する。

ミニが召喚されたら合体するまで放置。
合体後最優先で攻撃する。

動かない個体がいたら近づいてもふもふして、さわり心地を堪能。
名残惜しそうに、ダガーでそっと刺す。

うん…オブリビオンなら仕方ない。



「ふわふわだ! ……でも、暑そう」
 ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は室内を遠目に眺めて、げんなりしていた。外に漏れ出ている熱気だけでも暑い、中に入ったらどれだけ暑いのか。部屋の中で戦うのは危険を伴うだろう、だからこそ、
「外に誘導して思う存分もふ……」
 何か漏れてますよ、ノイシュさん。
「……いや、倒す方針」
 きりりと顔を引き締めるノイシュ。いまさら取り繕っても遅くないですか。

 気を取り直して、スポンジケーキを群れにちぎってぱらぱら。
「ぴよ? ぴよぴよよよよよ?」
 見たことも無い異国の甘味にピヨすけたちは目をぱちくり。甘い匂いに釣られてつんつんついばみ始め、
「ぴよー!」
「ぴよよー!」
「ぴよ! ぴよー!」
 口々においしーい!と言っているに違いない。ピヨもピヨもと集まってくる。狙い通り、美味しいケーキに食いついたのだ。
「ついて来いよー」
 囲まれないように、置いてかないように、丁度いい速さを狙ってケーキを投げるノイシュ。その後ろを、ぴよぴよピヨピヨお尻をふりふり、ピヨすけたちはついてくる。もっとちょうだーいとねだるよう。

 待ちきれなくなったのか、ノイシュの手元にもぴょんぴょん跳ねて飛んで来るピヨすけ。
「おっとと、全部あげるからあっちで食べておいでー」
 残りのケーキを群れにぽいっと投げこんでやれば、
「「「「ぴよよ! ぴよ!」」」」
 大喜びするピヨすけたち。ぴよぴよぴよ群がって見る間に食べてつくしてしまった。
「けぷ!」
「くーすかー、ぴよよー。くーすかーー……」
 お腹一杯になってお昼ねを始めるぴよすけたち。攻撃を警戒して距離をとっていたのだが、その必要はなかったのかもしれない。
熟睡していて動かないピヨすけたちにそっと手でふれる。ふわふわでもふもふでふかふかである。幾らでも触っていたくなる、極上のもふもふだ。でも、
「うん……オブリビオンなら仕方ない」
 そう、ピヨすけたちはオブリビオンなのだ。可愛いのは見掛けだけ。名残惜しそうにもう一度もふもふかふか。
 たっぷり堪能した後、そっとダガーで刺し躯の海に送り返した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
・持参:大量の『水』/塩気の強いお菓子(多目)/練羊羹(多目)

■行動
ま、まあ、多少暑いくらいでしたら、ダイエットに良いでしょうし、頑張ってみましょう。
後は、熱中症に注意ですねぇ。

まっしろしろすけさん、可愛いですぅ。
『甘い物』がお好きとのことですので、『練羊羹』を取出して誘導しましょう。
『男性』を巻き込まない位置まで誘導したら、少しもふもふを楽しませていただいて、討伐しますねぇ。

男性が脱出するまで時間がかかりそうでしたら、『水』と『塩気の強い物』を差し上げて、時間を稼ぎますぅ。

ところで、『冬』に向けて『羽毛布団用』にまっしろしろすけさんの羽毛を確保しておいても宜しいですかねぇ?



「ま、まあ、多少暑いくらいでしたら、ダイエットに良いでしょうし、頑張ってみましょう」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、気合をいれていた。そう、胸ダイエットしたい。るこるの胸はすぐに育ってしまうのだ。この暑さなら少しは痩せられるかもしれない。
「後は、熱中症に注意ですねぇ」
 部屋から漏れ出す熱気だけでも暑い。長い間熱気にあてられていれば無事で済まないだろう。中に居る男も心配だが、その前に、
「まっしろしろすけさん、可愛いですぅ」
 一面を埋め尽くすもふもふたちに、ほわあっと柔らかな笑みを浮かべる、るこる。早速もってきた練羊羹を差し出してみると、
「ぴよ、ぴよよよ!」
 ピヨすけがぴょこぴょこ寄ってくる。
「食いつきましたね。こっちですよ」
 羊羹をふりふり、ピヨすけたちはお尻をふりふりついてくる。
 男を巻き込まない位置に移動したい。木こり小屋から少し離れた木陰に移動して、
「そろそろいいですか」
 しゃがんで羊羹を差し出せば、
「ぴよーぴよよーぴよぴよよー!」
 もふもふもこもこ羊羹に群がるピヨすけ。まるで、わあいと歓喜の声をあげるよう。ピヨが先、ピヨが先だよと、おしあいへし合い、ぶつかりあい。
「まって順番ですよぉ」
 ああ、可愛い。自然と笑みがこぼれる。羊羹を求めてぴょこりぴょこぴょこと、るこるの手の上、腕の上、
「あっ。くすぐったいですう、もう」
 胸のうえにも。ぴょこぴょこ、ぷるるん。捕まえてちょっぴり睨むと。ぴよ? 無邪気に首を傾げるピヨすけ。ああ、かわいい。
「しょうがない子ですう」
 なでなですると、その手にすいっと擦り寄ってくる。もふもふふわふわ、とても気持ち良い。名残惜しいが、そろそろ猟兵の仕事の時間だ。
「ところで、『冬』に向けて『羽毛布団用』にまっしろしろすけさんの羽毛を確保しておいても宜しいですかねぇ?」
 霊刀『純夢天』の鯉口をきり一閃。ふわふわと舞い散る羽毛に、るこるは思わずそう口にしていた。

 ピヨすけはまだ山盛りもふもふしている。男性の救出までにはまだ時間がかかりそうだ。そもそも、肝心の男も何処に居るのかわからない。男が見つからないほど、ピヨすけがびっしり一面を埋め尽くしているのだ。倒しても倒してもピヨすけの山。男を見つけられたら用意した『水』と『塩気の強い物』を差し上げましょう。そう、誓うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・燈華
心頭滅却すれば、もふもふは……やっぱり可愛いんだよー!
はぁはぁ、暑くてあせもや鼻血が出そうだけど、がまんがまん

木こりさんも勿論だけど
ちっちゃいピヨすけさんも、ぎゅうぎゅう詰めで暑くないかなあ?
せめて涼しくなるような戦い方をして、暑さに対抗するんだよっ
(水着に着替える)

まずは甘いもので、倒せそうな数を誘導しなきゃ
僕のこだわりは、油揚げのスイーツだよー
からっと焼いたお揚げに生クリームとフルーツを乗せて、クレープ風油揚げでピヨすけさんを誘き寄せるんだ

一箇所に集められたら【水護姫】様の霊を召喚、涼しげな水の力でピヨすけさん達を一気に押し流すよっ
あ、これ流れるプールみたい? 流しピヨすけ……可愛いかも!



 白いもふもふの山に、灰銀の耳がぴょこんと生える。
「心頭滅却すれば、もふもふは……やっぱり可愛いんだよー!」
 篝・燈華(幻燈・f10370)は、ピヨすけたちの山に埋もれてご満悦。まるで水面に顔を出すように、山から顔だけ出してほわりと笑顔。
「はぁはぁ、暑くてあせもや鼻血が出そうだけど、がまんがまん」
え、可愛くて悶えてたんじゃないんですか?汗だらだら流れてますけど、がまんして、大丈夫ですか?

 燈華は水着に着替えてきていた。その身に纏うのは、藍色の海の片隅に豪華な金の波模様が施されたサーフパンツだ。組み紐を上手くあしらい和風にまとめられている。とても涼しげで爽やかな様相だ。
 燈華は思った。いつもの和装でなくてよかった、と。いつもの服だったら汗でべとべとになって、あせもがでていただろう。
「木こりさんも勿論だけど、ちっちゃいピヨすけさんも、ぎゅうぎゅう詰めで暑くないかなあ?」
 心配顔の燈華を尻目に、しあわせそうにくーすかー寝てるピヨすけたち。暑さは気にならないみたい。ああ、寝顔もやっぱり可愛い。

 もふもふを堪能した燈華。次は猟兵のお仕事の時間だ。
「僕のこだわりの、油揚げのスイーツだよー」
「ぴよよー! ぴよ! ぴよぴよよよよー!」
 燈華がお手製のスイーツを差し出せば、ぴょんぴょん跳ねる、ピヨすけたち。みんなで群がって大はしゃぎ。
 豆腐のほろほろ感が美味しい、このぱりぱりがやめられないとまらないと、お揚げに穴をあけぴよぴよ跳ねて喜ぶピヨすけ。
 頭にフルーツをのせたままついばむピヨすけ。そのフルーツを狙うピヨすけ。「ぴよー! ぴよー!」頭をつつかれたピヨすけが威嚇して、もふもふと体をぶつけあい喧嘩が始まる。燈華が仲裁していると、
 しゅっとしぼんだ毛玉が転がってきた、これもピヨすけだ。
 生クリームに濡れるのも厭わない。体ごと生クリームにつっこんで頬張っていたのだろう、濡れたままの羽毛で、すやすや眠っているのだ。
「も、もふもふが台無しなんだよー」
 布で拭いて綺麗にしてあげる燈華。拭かれるくすぐったさに手の中で転がるピヨすけ。
 いっぱい食べたピヨすけたちは、お皿の上で寛ぎ始める。その姿はまるで山盛りに盛られた、わらび餅のよう。こだわりの油揚げのスイーツのお陰で、狙い通りピヨすけたちをひと塊にまとめることができた。

 さて、そろそろお片づけの時間です。
「神水の巫女よ、我が祈りの援けと成し給え」
 水護姫を呼び、涼しげな水をじゃばあーっとかけると、
「ぴよよよよよよー?」
 くるくるくるくるー、転がりながら水に流されていくピヨすけたち。
「あ、これ流れるプールみたい? 流しピヨすけ……可愛いかも!」
 どんぶらこ、どんぶらこ、ピヨすけたちは躯の海まで押し流されていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

わらびもちって聞いたら座ってられないわねぇ。(実は大好物:わらび餅)
後のお楽しみのためにも、がんばってお仕事しましょ。

…とは言うものの。なぁにあれぇ…
いやうん、正直可愛いし冬場あったかそうだし一羽くらい連れて帰れないかなーって思ったことなくもなかったけど。
それはそれとして…うっわあ熱苦しそぉ…

甘いもの…パン屑みたいに小粒のチョコレート撒いたら寄ってこないかしらぁ?
囲まれたくないし、ちょっとずつ〇釣りだして倒していきたいわねぇ。
…最悪持ってるチョコにわらわら飛びかかってきたのを●封殺で片っ端から迎撃することになりそうだけど。



「わらびもちって聞いたら座ってられないわねぇ。後のお楽しみのためにも、がんばってお仕事しましょ」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は、やる気に満ちていた。好物のわらびもちを食べられるのだ、意気揚々と現場に向かったのだが、

「……とは言うものの。なぁにあれぇ……」
 みつしりだ。室内を埋め尽くすほどみつしりピヨすけが詰まっている。隙間もないほど詰まっている。
「……うっわあ熱苦しそぉ……」
 実際暑いのだ、中に入っている猟兵たちは汗だくになっている。外に居ても暑さが漏れてくる、サウナのような蒸し暑い空気が。

「冗談じゃないよねぇ……」
 いやうん、正直可愛いし冬場あったかそうだし一羽くらい連れて帰れないかなーって思ったことなくもなかったけど。この惨状で同じことを言えるかといえば、――無い。いっそ、お外におびき出しちゃおう。
「これで寄ってこないかしらねぇ?」
 小粒のチョコレートをぱらぱら。道のように撒くと、
「ぴよよよ?」
 チョコレートに気付いたピヨすけがつんつん、ぴよぴよ。まるでパン屑をつつくみたいに。みるまにピヨすけたちの白い道できる。
 右に撒けば右にぴよぴよ、左に撒けば左にぴよぴよ。撒かれた所を目指して道がくねくね捻じ曲がる。
 くるくる回るように撒けば、お尻ふりふりくるくる回りながらつんつんぴよぴよ。
「なあにこれぇおもしろぉ」
 くすりと笑みが漏れた。

 もりもり食べるピヨすけたち、そうこうしている間に先頭のティオレンシアに追いついた。もっともっとと、強請るようにぴょんぴょん跳ねる。そろそろチョコも打ち止め、猟兵業の時間だ。
「知ってるぅ?」
「ぴよ?」
 急に問いかけられたピヨすけたち、なんのことだかさっぱりぴよと、無垢な瞳で見つめながら首を傾げる。
「攻撃に移る瞬間ってね、一番隙ができるのよぉ?」
 目にも留まらぬ速さで撃たれる銃弾。ピヨすけたちを次々と打ち抜いていく。
「でも攻撃してくる気ないよねぇ……」
 抵抗もなく撃ち抜かれていくピヨすけたちに、物足りなさげに語りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴北・誉人
アドリブ・絡みなんでも来い!

まっしろけのふわもこに埋もれてえ…から、甘味は持ってかねえ!他のヤツに任せる
鳥を驚かせないよう大声出さないように

においとか熱とか、いろいろアレだけどォ…!
そんなん今いいや、やべえ、かァいい…!
マジか
暑くてもヨユーで耐えれるわ!
つーか、饗がわらび餅食わせてくれンなら
どんだけ暑くても大丈夫だわ

触っていィい?なあツツかねえ?
触れたらきっと悶え苦しむ!つつかれても体当たりされても!

やっ、待って、かァいい…!直視できねえ!
どォしよ!どォにもなんねえけどォ!
オブリビオン!コレ敵!わァってる!けど!見ろよ、なあ!
ぐうう(悶)

くっそ、てめえらずっこいんだよ!(つい大声出てUC漏れる



 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)はピヨすけたちの海の中に身を横たえていた。
 まるで野生を忘れた獣のように、だらしなくだらーんと横たわり、ピヨすけたちに埋め尽くされるままに身を委ねていた。
 あえて甘いものは持たず、ずかずかと木こり木屋に踏み込み、躊躇うことなくピヨすけの群れにダイブしたのだ。

 その顔から、いつもの険しさはなりを潜め、見知ったものが見ても気付かないほど、またここで初めて会ったものが再会しても気付けないほど、めっちゃんこゆるっゆるになっている。
 もしもーし、行き倒れていませんか?
「ふハッ……」
 あ、笑った生きてる。大丈夫だ、まだ息はある。
 全身をピヨすけたちに包み込まれてへろへろ、いや、めろめろになっている。小動物が好きな誉人にとって、ここは天国。

 誉人の顔をぴょこんと飛び越えていくピヨすけ。
「やべえ、かァいい…!」
 酷い暑さに全身汗だくになっているが、どんだけ暑くても大丈夫だ。後で相棒の饗がわらび餅を作ってくれるのだ、耐えた分だけ美味しく食べられる。
「あんまア……」
 うわごとのように漏らす誉人。周りには甘い匂いが充満している。ピヨすけたちのにおいだ。食べているものの匂いが体から染み出しているのだ。その濃厚な匂いすら今の誉人には気にならない。……いや、実を言うと、うだるような暑さで頭がぼんやりしているだけかもしれないが、幸せそうなのは確かだ。

「触っていィい? なあツツかねえ?」
 目の前にいるピヨすけに、おもむろに手を伸ばせば、
「ぴよ! ぴよぴよっ!」
 もすっと体当たりしてくるピヨすけ。続いて、するりーと手に擦り寄ってくる。
わあ、ここで遊んでもいいんですかと周りのピヨすけたちも集まってきて、もっすもっすと、その身をこすり付けてくる。
「やっ、待って、かァいい……!」
 天国オブ天国、ここが天国だ。かァいすぎてヤバイ――直視できなくて、半笑いを浮かべながらぎゅっと目を瞑る。動いたらこのかァいい空間は崩壊してしまう、ぐっと堪えよう、でも堪え切れなくてぷるぷる震えてしまう。そんな誉人の手を、ピヨすけたちはくすぐり続ける。

 あれ? 急に静かになった。誉人が恐る恐る目を開くと、
「ぴよ、ぴよよよよーー」
 取り囲むように並んでじっと見つめるピヨすけたち。心配してくれているのだろうか。大丈夫? と、きゅっと首を傾げる。
「――っ」
 息をのむ。なンだよそれェ、反則だろォ?
「ぴよよよーーーー」
 おはよう、と誉人の顔にもふっもふっと体当たりしてくる。くすぐったい、でも、もっと見ていたくて目をはなせない。
「あァ、もう、どォしよ! どォにもなんねえけどォ!」
 やめてくれと言ってやめてくれるピヨすけたちではない。いや、やめてくれなんていえたものじゃない、――頼むならそう、『もっと』だ。
「オブリビオン! コレ敵! わァってる! けど! 見ろよ、なあ!」
どれだけ可愛くてもこれは敵、言い聞かせるように呟く誉人。

 一緒に寝ませんかと、ころんところがり、くーすか寝るピヨすけ。
 甘いものもってませんかと、様子を伺うよう、つんつんつついてくるピヨすけ。
 遊んで遊んでとぽふぽふ体当たりをしてくるピヨすけ。
 あれここに美味しいものありませんでしたかと、お尻ふりふり歩き回るピヨすけ。
 台詞はすべて想像だけど、愛嬌たっぷり、なついてくれるピヨすけたち。どこまでいっても愛くるしいピヨすけ尽くしで、
「ぐうう……」
 唸り声をあげ、ぷるぷるしはじめる誉人。ああ、これ以上は……

 ――ぷちん。何かが切れる音がした。

「くっそ、てめえらずっこいんだよおおおおおおおお!!!!!」
 どっかーーーーーーーーーーーーーーん!!!
 心の底から溢れ出した激しい咆哮が炸裂し、ピヨすけたちを躯の海に送り返した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と参加

可愛い。非常に可愛いが…少し、いやだいぶ暑いな
冬場だったら逆にこちらが劣性だったと思うんだ。絶対に私は動けない自信があるぞ

私もリナのように動物と話せるように知識をつけておけばよかった
『世界知識』でピヨ達の言っている事が少しでも分かればいいんだが

(リナからお菓子を受け取って)
ピヨ達にあげるのは異論ないが、リナの作ったお菓子は美味しいんだよな
ほら、ピヨ達。これをあげるからもう少し広い所に移動しよう
…カガリには後で別にあげるから並ばなくていいぞ

攻撃するのは大変心苦しいので、【ドラゴニック・エンド】でサクっと
超もふもふもーどには目の前にクッキーを下げて、動くまで耐久戦だな


木槻・莉奈
ニナ(f04392)と参加

せめて冬場に…ううん、冬だったら逆に倒しずらかったかしら?
あらら…まぁ、私もあんまり寒いの好きじゃないし温かかったら許しちゃうかも

さて、話通じるといいんだけど

ひとまず『動物使い』『動物と話す』で声掛けてみるわね
せめて外で遊ばない?ほら、おいで
お菓子も用意してきたの、甘いの好きなんでしょ?

あ、ニナ、カガリ、先に渡しておくわね(ピヨ達用に甘めに作ったクッキーや焼き菓子を渡して
そうそう、ニナとカガリの分はちゃんと準備してあるからね

ほらほら、食べるなら順番!
ちゃんとしない子にはあげないわよ?

攻撃する際は出来るだけ痛い思いをさせないように
『全力魔法』で【神様からの贈り物】



「可愛い。非常に可愛いが……少し、いやだいぶ暑いな」
 ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)は汗を一拭き。一面を埋め尽くすピヨすけたちはとても愛らしのだが、暑い、本当に暑い。
「せめて冬場に……ううん、冬だったら逆に倒しずらかったかしら?」
 木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)も肌にはりつきそうになる髪をかき上げて。
「冬場だったら逆にこちらが劣性だったと思うんだ。絶対に私は動けない自信があるぞ」
「あらら……まぁ、私もあんまり寒いの好きじゃないし温かかったら許しちゃうかも」
 カガリも一鳴き。満場一致だ。そう、今が夏でなければいいのに……。

 鳥のオブリビオンなら声が聞き取れるんじゃないと、莉奈は動物の鳴き声を聞き取るように耳を澄ましてみると、
「ぴよよ? ぴよ!」
「ぴーよ! ぴよよよよよよー」
 ピヨすけたちの言葉は『ぴよよ』としか聞こえてこない。
「(私もリナのように動物と話せるように知識をつけておけばよかった)」
 動物と話す莉奈はとても楽しげで。見守ることしかできないのは寂しい。
「ごめん、わからないわ」
「オブリビオンの言葉は聞き取れないのかもしれないな」
 世界知識を駆使しても思いあたるものはなく。でも、話せば聞いてくれるかも。一縷の望みを託して呼びかける。
「せめて外で遊ばない?ほら、おいで。お菓子も用意してきたの、甘いの好きなんでしょ?」
「ピヨ達にあげるのは異論ないが、リナの作ったお菓子は美味しいんだよな」
「あ、ニナ、カガリ、先に渡しておくわね」
 バスケットから包みを取り出す。ニナ、カガリ二人の分は別に準備してあるからねと笑顔を添えて。そう、文句を言われるのはお見通しです。
 今度こそピヨすけたちの包みを取り出す。ふんわり甘い匂いが漂う。
「ぴよ?」
 ピヨすけたちがくるっと振り返り、丸い瞳をきらきら輝かせてみつめる。おいしいものですか? というように。言葉は聞き取れないが、体がものをいう、話しかけてくる。とてもわかりやすい。顔を見合せ笑顔の2人。

「今日はクッキーと焼き菓子を焼いたの」
 包みをほどくと、甘い匂いがぶわりと広がる。
 顔をのぞかせたのはクッキーとシュークリームだ。クッキーには夏の花、ひまわりなどがアイシングで描かれている。シュークリームは、カスタードと生クリーム、モモ、夏ミカンを挟んだものだ。ぱりっと焼けた皮には粉糖が振られ甘さを引き立てている。
「ぴよ! ぴよよ!」
 新鮮なスイーツに目を輝かせて群がってくるピヨすけたち。おねだりするように、莉奈たちを取り囲んでぴょんぴょん跳ねる。
「ほらほら、食べるなら順番!ちゃんとしない子にはあげないわよ?」
 飛び込めないように、包みをひょいと持ち上げると、
「ぴよよよよおーーーーー」
 しょんぼりするピヨすけたち。でも、言われた通り並びます。
 ふふっと笑みをこぼす莉奈。
「ほら、ピヨ達。これをあげるからもう少し広い所に移動しよう」
 ニナも包みをふりふりすると、
「……カガリには後で別にあげるから並ばなくていいぞ」
 思わず苦笑を漏らしながら、列に並ぼうとしていたカガリに念押しを。並びたくなる気持ちは解る。リナの作ったお菓子は美味しいもんな。
 誘導する2人と1匹のあとを列を作ったピヨすけたちがお尻をふりふりついてきます。

「偉いわ、じゃあ召し上がれ」
 莉奈がクッキーを手にのせて差し出すと、ぴょこ、ぴょこんと二体がのっかって。
 つんつんちょんちょんついばんで「ぴょ!」「ぴよぴよ!」おいしい、あまーいと褒め称えます。クッキーを食べ終えたピヨすけたちは腕を伝って肩にぴょこん。ごちそうさまと、頬にもふっと頬ずりし肩にとまったままうつらうつらと船をこきはじめる。
「もう、くすぐったい。……おやすみなさい」
 肩のピヨすけをふわりとひとなで。
「シュークリームもあるんだ。まだお腹がすいてるんだろう、たくさん食べていいんだ」
 両手にのせて差し出すと、「ぴよぴよよ!」と顔をつっこみついばみ始めるピヨすけたち。クリームや果物を食べつくし、皮をお家にくーすかお昼寝をはじめます。その姿はまるでピヨすけシュークリーム。カガリがつんつんつつくと寝ぼけたピヨすけが「ぴよっぴよっ」返事をかえしてくれる。はいってますよとでも言っているのかもしれない。

 もふもふをたっぷり堪能した2人、最後は猟兵のお仕事です。
 莉奈は茉莉花の花びらをそっと放って斬り咲いて躯の海に返した。
 ニナもドラゴンを呼んだが、全身を膨らませてめちゃくちゃモフモフになるピヨすけ。威嚇しているのだろうか?
「動くまで耐久戦だな」
 ピヨすけの目の前にクッキーをぶらぶら。よだれをだらだらたらし始めるピヨすけ。ああ、我慢できない! ぴよっと食いついたところドラゴンがっぱくっと、なんとか躯の海に旅立ってくれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワン・シャウレン
【墨花】で参加。

夏でなければ良かったんじゃがの。
まぁわし、温度とか気にしないようにも出来てしまうんじゃが。
宇佐が楽しそうであればそれで良い。
見守り、なにかあれば手助けするとしよう。

わしの所にもピヨすけが来れば…軽く愛でてやるくらいは良いかの。
甘いものはほれ、あちらにあるぞ(宇佐と鞍馬を示し)

倒すのは…なんとも倒し方に悩むの。
ミレナリオ・リフレクションで返しつつ、
宇佐達が狙いやすいよう纏めたり、デコピンするかの。

カラーひよこ…
こ、今度祭りでの?


鞍馬・景正
【墨花】で参加。

なんとも面妖な状況になっているようですな――。

しかし宇佐殿の意気揚々たる態度の何と天晴れなことか。
この鞍馬、謹んでワン嬢と共にお供致しましょう。

◆誘導
まず甘味で誘い出せと。
今なら真桑瓜が旬です故、それで引き付けてみましょう。

小刀で刻み、瑞々しい果肉と爽やかな匂いで誘いながら、部屋の外へと。

そのまま寄って来て啄むなら、まぁ一時くらいは戯れるとしましょう。
……はっ、宇佐殿。お気を確かに。(宇佐殿を潰すピヨすけを適宜ワン嬢へも誘導し)

◆倒す
宇佐殿とワン嬢も満足されたようなら、頃合を見て骸の海へ送り返すと致しましょう。

オブリビオンではないヒヨコなら一匹飼うのも賑やかになりそうですな。


宇佐・兎織
【墨花】で参加。

白い小鳥さん、もふもふで可愛いなぁん♪
甘いものが好きみたいだから、ボクのおやつで誘き出すねー。
(鞄の中から飴玉やチョコ、ビスケット等を取り出し。よいこなので、きちんと300円以内)

あ、小鳥さん近寄ってきてくれてゆ。
ふわわ。すごくもっふもっふ。
もふもふ。
もふ…も……(兎織の姿が見えなくなるぐらい集られている)

はふー。
死ぬかと思ったなぁん。

と、グラフィティスプラッシュで攻撃するんだよー。
……。(なんかペイントが付いた小鳥さんに既視感が)

あ!
お祭りとかで売ってるカラーひよこさん!!
買って買ってー!!(と、クッラとわんわんの2人に無茶振りする兎)



「白い小鳥さん、もふもふで可愛いなぁん♪」
 宇佐・兎織(うさぎのアトリエ・f04091)は垂れたロップイヤーの耳をふわふわ揺らしてピヨすけたちと一緒にぴょこぴょこ。
「夏でなければ良かったんじゃがの」
 蒸し暑さに辟易しつつ物憂げに言うワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)。だが、ワンはミレナリィドールだ、温度などを気しないようにも出来てしまうんのだが、まだ切り替えなくても良いだろう。何より、
「宇佐が楽しそうであればそれで良い」
 ご機嫌にぴょこぴょこはねる宇佐を何かあれば手助けするつもりで眺めている。まるで保護者のようだ。
「なんとも面妖な状況になっているようですな――」
 率先してピヨすけたちの攻撃(?)を受けにいく宇佐殿の心算、なんと天晴れなことか。鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は感心して見つめていた。
「(この鞍馬、謹んでお供致しましょう)」
 ワンとともに静々と保護者席に座す。

「甘いものが好きみたいだから、ボクのおやつで誘き出すねー」
 ビニルシートを敷いて、鞄の中からお菓子を取り出し始める。飴玉やチョコ、ビスケットなど、きちんと300円以内のものを持ってきた。
「なんと律儀に、偉いのう」
 ワンがほめると、
「バナナもあるなぁん♪」
 満面の笑みでひとふさ丸ごとバナナを取り出す宇佐。よいこのみんなのバナナはおやつに含まれません。わあい、うーれしー!

「みんなおいでなあん♪」
 宇佐が飴玉を手にのせて差し出すと、
「ぴよ! ぴよーぴよー!」
 甘いものを見つけたピヨすけたちが、お尻ふりふりよってくる。
「あ、小鳥さん近寄ってきてくれてゆ」
 ぴょこんと、手にのっかり一生懸命お菓子をつんつん。お菓子に夢中なピヨすけたち、手を伸ばしても気にしません。なでなでもふもふお好きなように。

「それでは私も、」
 景正が真桑瓜を取り出せば。
 甘い匂いを放つ果実に、ピヨすけたちも興味深々。真桑瓜は今が旬、今が一番甘くて美味いのだ。
「ぴよ、ぴよっ? ぴよよよよよ?」
 ぴょこぴょこ近づいてきます。
 小刀で二つに割ると中から甘い液が溢れ出し、今にもほろほろ崩れそうなほど、程よく熟した白い果肉が姿を現す。
「ぴよよよーー!」
 ピヨすけたちは大喜び。熟れた果実に顔を突っ込みぴよぴよついばみいただきます。指を伸ばせば、軽く軽く甘噛みしてもっとくれませんかと強請るよう。
「(まぁ一時くらいは戯れるとしましょう)」
 もう一つ割ってやれば、ぴよ! ぴよよ! と嬉しそうに飛びついて。仕舞いには、皮の中でくーすかーお昼ねをはじめます。和やかな風景に目を細めて眺める景正。

 ワンのところにもピヨすけが。ぴょんぴょん周りを跳ねまわります。おいしいものありませんか? というように。
「甘いものはほれ、あちらにあるぞ」
 宇佐と鞍馬を示すワン。そうですか、ほんとうにありませんか? と首を傾げるピヨすけ。
「参ったのう、わしは持ってないんじゃ」
 えー、そんなー。もふもふ、もふもふ体当たりをしてくるピヨすけに、ふうと溜息を漏らすワン。

「ふわわ。すごくもっふもっふ」
 ピヨすけの頭をなでなでする兎織。とっても、もっふもふ、ふっわふわで気持ちいい。ピヨすけたちは兎織のお菓子に夢中です。いっぱい食べて、もっともっととおねだり。
「もふもふ」
 兎織の膝に肩にぴょこぴょこのって、休憩させてくださーいとお昼ねをはじめるピヨすけたち。
「もふ…もふ……」
 兎織のまわりに山ができていませんか? 楽しそうだからいいかな。
「も……」
 あれ? 兎織の声が聞こえなく……せんせー! 兎織さんが遭難してますー! ピヨすけたちに埋めつくされてまーす! 誰かたすけてー!!!

「宇佐、こっちにも1匹き……宇佐、どこにおるんじゃ?」
「……はっ、宇佐殿。お気を確かに」
 漸くに気付いてもらえました。ここです! ここに埋もれてます! ぽいぽいぽいぽいっピヨすけたちをかきわけ掘り起こされれば、
「はふー。死ぬかと思ったなぁん」
 ひょっこり顔を出す宇佐。無事です! 宇佐は無事ですよ! よかった!

 そうこうしてたっぷりもふもふを堪能した3人。そろそろ猟兵のお仕事の時間です。
「……なんとも倒し方に悩むの」
 ワンはデコに指をぱちん。いわゆるデコピンをお見舞いすれば、
「ぴよよよよよーーーーーー」
 目をきゅっと瞑り痛い痛いというように転がり哀しげに鳴くピヨすけ。
 ワンのユーベルコードでは、相殺するとはいえ一時的に鳥を増やしてしまう。宇佐達が狙いやすいよう、追い込みまとめるサポートにまわることにした。

 宇佐は愛用のペイントブキ、柄の赤い絵筆を取り出して塗料でピヨすけたちを塗りつぶします。
「ぴよっぴよぴよぴよ?」
 七色に染まるピヨすけたち。……この風景、どこかで見たことあるような?
「あ! お祭りとかで売ってるカラーひよこさん!!」
「カラーひよこ……」
 顔を見合わせるワンと宇佐。
 そう、屋台だ。祭りの屋台で売られているあれ!
「買って買ってー!!」
 ぴょこぴょこ跳ねておねだりする宇佐。
「こ、今度祭りでの?」
 致し方ない、と苦笑を浮かべるワン。
「オブリビオンではないヒヨコなら一匹飼うのも賑やかになりそうですな」
 先ほどのピヨすけの様子が景正の脳裏をよぎる。ヒヨコであれば悪くは無い、この鳥もオブリビオンでさえなければ……。断腸の思いで、濤景一文字を抜き放ち燕切でピヨすけたちを躯の海に返していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『蠱窋の怪』

POW   :    北風とおふとん〜みかんをそえて〜
【寒波に乗せたおみかん 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【あったかお布団】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    100ぴき乗ってもだいじょーぶ!
戦闘力のない【みかん色のふわもこひよズ 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呼び出したひよの数】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    ともだちふえたよ
【なごみ 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【亜空間の穴】から、高命中力の【引きずり込む黒い腕】を飛ばす。

イラスト:Miyu

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フィン・クランケットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●みかん食べ放題、ひよこ触り放題。炬燵はいり放題。めっちゃんこあつい。

●男が炬燵に囚われています。だいぶぐったりしていますが、まだ意識はあります。猟兵さんたちのボケに突っ込みを入れられるくらいは元気です。飲みものなどの差し入れは今なら渡せそうです。放っておいても死にません、構わなくとも問題ありません。
●家を壊すのはやめてあげてください。あとで男が困ります。
●室温を下げると「あ、寒くなってきた。あっためなきゃ」と炬燵が勘違いして温度をあげます。ガンガン暑くなります。めっちゃんこ暑くなります。

●戦闘は発生しません。暑さに耐えこたつを満喫すると、躯の海に帰っていきます。(ユーベルコードを活性化し「倒す」とプレイングに書いて頂ければ討伐できます)全力で戦う雰囲気の方は1章同様「いきなり最終回」枠での採用になります。


●プレイング受付は8/7(水)午前8時31分から開始します。それまでにお送り頂いたプレイングは返却いたします。
●1日7名様まで執筆できます。我侭を申しますが、参加人数を確認して分散頂けると助かります。(団体さまは同日にお送りいただけると執筆しやすいです)
鳴北・誉人
※連携・改変・なんでもこーい!

みかん食べ放題!?
いいのォ!?
ピヨすけの次は、ひよこチャン!(コーフンしてる)
かァいい!撫で回してイイんだもんな?
指先で頭撫でる、水分補給にみかん食う、ひよこチャン撫でる、みかんパカ、ひよこチャン!
かァいい、ふふふ、かァいい(かなり暑さにやられてる)

あーもーあちィ…みかんンまい(半分にパカって割ってもう半分、1/4個を一気に口の中へ)
いつまで我慢すりゃイイんだ?(へろへろ)

「なァ、こんなことになるんだぜ、これからはさァ…ちゃァんと片せよォ…

いやでももう無理だよォ、あちィもん…
俺、めっちゃ我慢したぜ、なァおい、もうイイか?
なあ!
もう……むりー!(人狼咆哮で以下略)



「みかん食べ放題!? いいのォ!?」
 満面の笑みでこたつに入る鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)。いいんですよ、すきなだけ食べるのがお仕事です。
「ぴよ」
 ミカン籠の後ろから顔を出す黄色いふわふわ頭のひよこチャン。
「ピヨすけの次は、ひよこチャン! かァいい! 撫で回してイイんだもんな?」
 興奮して今にも飛びつきたくなるのをぐっと抑えて、頭をなでようと指をつきだす誉人。
 いきなりなんですかぁ? と、指先をぴょんと跳んで避けるひよこチャン。指を見つめながらぴょんぴょんぐるぐる。まるで様子を伺うように。
「ぴよぴよ」
 首を傾げてじーっと見つめるひよこチャン、誉人のほうをむいてふたたび首をかしげる。この指なあに? と尋ねるように、ぴよと鳴く。
「かァいい! ひよこチャンも食う?」
 みかんを割って差し出しせば、
「ぴよっぴぴよっ」
 みかんの周りをぴょんぴょん、ちょんちょんっとついばんで、
「ぴよ」
 誉人を見上げて一鳴き。みんなたべちゃっていいですか、と尋ねるよう。
「あーもう、かァいい!」
 首をかしげるひよこチャンをなでなで、ご機嫌さん。
「ぴっ」
 撫でられ目を瞑るひよこチャン。お返しにもふもふと頭を指にこすりつける。みかん汁に濡れてもふわふわは変わらずふわっふわです。
「ひよこチャンの黄色はみかんの黄色かア」
 顔をでれーーっと緩め、撫でまわす誉人。どこに隠れていたのか、次々顔を出すひよこチャン。みかんと誉人の周りをぴょこぴょこ、ぴょんぴょん。

「お前さん器用に剥くね」
「普通じゃねェの? こうすりゃ簡単に剥けるし、――ちょっと食べるゥ?」
 男にみかんを半分放り投げる。ひよこチャン天国を邪魔されたけど、ちょっとくらいは面倒を見るのも悪くない。
 誉人の剥き方は先に割ってから皮をむく和歌山剥きだ。手早くきれいに剥ける剥き方だが、知名度は低いようで珍しがられることも少なくない。
残りのみかんをぽぽぽいっと自分の口に放り込み、口内にじゅわっとひろがる甘酸っぱさで気合いを入れる――さて、今度こそ。

 指先で頭撫でる、水分補給にみかん食う、ひよこチャン撫でる、みかんパカ、ひよこチャン!

 三角食べならぬ二角、いや交互愛で! かわいいもの好き、かつ、みかん好きによる『好き』を満たすための早業だ。愛が溢れてつよい!
 だが、この暑さのなかでは、さすがに――、
「……かァいい、ふふふ、かァいい……」
 ひよこチャンとみかんを何周したのだろうか。目をぐるぐるまわしながら、うわごとのように漏らす誉人。汗だくでシャツもぐっしょり、白い肌は真っ赤に茹であがりすぎて湯気が出そうなくらい。それでも律義にこたつに足を手を突っ込み続ける。みかんで水分補給をしても、暑さはどうしようもない。今にも溶けそォ……。いや、すでに溶けている。
 そんな誉人の有様を気にもかけず、掌で無邪気にころころ転がるひよこチャン。いつの間に登ったのだろうか、膝の上にもぴょんぴょん跳ねるひよこチャン。肩、頭の上でもすやすやお昼ね。すっかり仲良しさんになったひよこチャンの山が誉人を埋め尽くしていた。

「あーもーあちィ……みかんンまい」
 くらくらする頭をかくん、かくん、寝落ちする直前のように揺らす誉人。それ寝落ちじゃないですね、意識飛びそうなんじゃないですか。
 カツをいれるように、みかんを半分にぱか! もう半分にぱか! 1/4個を一気に口の中へ。嚥下しながら、そういや忘れてたァと男に絡む。
「なァ、こんなことになるんだぜ、これからはさァ……ちゃァんと片せよォ…」
「おーう、善処するわ」
 生返事を返す男。そういわれたって面倒くさいんだ。
「これ、いつまで我慢すりゃイイんだ?」
 炬燵はまだまだ去る気配がない。ひよこチャンと遊びながら、みかんを食べてたっぷり満喫したのに、だ。
 いくら俺でももたねェ。誉人はこたつにつっぷしへろへろろん。顔だけ持ちあげ、うつろげな表情で虚空に向けて語り始める。
「いやでももう無理だよォ、あちィもん……」
『――もうちょっと頑張ってみるっす! 誉人ならやれるっす! もっとやれるっす!』
「俺、めっちゃ我慢したぜ、なァおい、もうイイか?」
『――諦めちゃダメっす! まだ諦めちゃダメっす、誉人!!』
「なあ!」
『――暑くなければ夏じゃないっす! 熱くなければ俺じゃないっす!』
「なあ、それキャラ違うくねェ」
 聞き慣れた声が聞こえた気がして、くつくつ笑い始める誉人。
「お前……なんの声聞こえてるんだ? あ、頭大丈夫か?」
 男にもどんびきされ、心配される始末。
 誉人は煮えくり返る頭をくらんくらん揺らしながら、こたつからふらあ……と立ち上がり、

「もう……むりー!!! (どっかーーーーーーーーーーーーーーん!!!)」

 本日2度目、とっっっっても切実な咆哮を炸裂させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

……はいりたくなぁい…
寒いのよりはマシだけど、あたし暑いの嫌いなんだけどなぁ…
…お仕事だもんねぇ…

黙って入ってるだけじゃただの苦行だし、満喫したことになんないわよねぇ。
ってことで、取り出したるはアイス。(クーラーボックスにいっぱい)
冬場にこたつに入りながらアイス、って文化があるって聞いたことあるわぁ。
絶対そっこーで溶けちゃうし、急いで食べないとねぇ。
…多分気休めだと思うけど。
無くなったらくたーっとしてひよこころころしてようかしらねぇ。
…住人さん、アイスいるぅ?

…この後わらび餅が待ってなかったら、絶対回れ右で帰ってたわねぇ。
…ハードル上げても、バチ当たらないわよねぇ?


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
・持参:大量の『水』/塩気の強いお菓子(多目)

■行動
そ、想像以上に暑いですねぇ。
『男性』には『水』と『塩気の強いお菓子』を差入れするとしまして、折角ですから我慢大会のつもりで頑張りましょう。

ひよこさんはとても可愛いですが、この暑さで大丈夫でしょうかぁ?
『水』をあげつつもふもふさせていただきましょう。
後は、折角蜜柑が沢山あるみたいですし、熱中症対策に『水』や『塩気の強いお菓子』と一緒にいただきますぅ。

そして、倒れない様注意しつつ『部分痩せ』の為のエクササイズですねぇ。
『胸』以外の部位は【指定UC】のおかげで何とかなるのですが(ぷるぷる)。
全て終わったら、斬らせていただきますぅ。



「……はいりたくなぁい……」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は炬燵布団をぱたぱた、開けたり、閉めたり。開けると蒸し暑い空気がむあんと漏れ出す、中はアッツイこと間違い無しだ。あっ、閉めたり、閉めたりしないで? そこは、開けて、入って! お願いします。
「寒いのよりはマシだけど、あたし暑いの嫌いなんだけどなぁ……」
 ええ、ここまで蒸し暑いとなれば、尚更好きな人のほうが少ないでしょう。
「……お仕事だもんねぇ……」
 そうなんです、今回のお仕事は炬燵に入ることなんです。ティオレンシアさん、覚悟を決めてお願いします。

「大丈夫ですぅ、差し入れですぅ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は炬燵に囚われている男に差し入れをしていた。戦いが始まった頃から男の体調を気にかけていた、とても優しい女神である。熱中症には塩分と水だ、予めたっぷり持ち込んでいる。るこるが塩分の採れる飴と水を手渡すと、
「ああ、ありがとよう。あんた良い奴だな、っと……すんげぇな」
 すみませんなにか要らない心が漏れていますが、流してやってください。男なら仕方ない素直な感想です。男は差し出された飴と水をほくほく受け取って、
「はあ、生き返るわあ……」
 ごくり、ぱくり。水は頭にもかけてちょっとクールダウンをしています。
 差し入れも終わったので、そろそろお仕事の時間です。さぁ、るこるさん炬燵に入りましょう。
「ひよこさんはとても可愛いですが、この暑さで大丈夫でしょうかぁ?」
 ひよこさんの心配もする、るこる。とっても優しい、やっぱり貴女は女神か!
 ひよこといえば、猟兵仲間の上にのったり、みかん篭で遊んだり、傍若無人に振舞っている。こうみえてコタツオブリビオンの一部ですから、暑さは気にならないみたい? るこるが水を皿に入れてあげると、
「ぴよ? ぴぴよっ」
 ばっしゃーん、飛び込むひよこ。やっぱり暑かったのでしょうかぁ? ふわりとはにかむように笑みを漏らす、るこる。後で乾かしてあげてから、もふもふさせてもらいましょう。

 黙って炬燵に入るだけじゃただの苦行だから、満喫するためにアイスを持ち込んでいた、ティオレンシア。しかもクーラーボックスにぎっしりつめこんで。
 冬場に炬燵に入りながらアイスという文化がある。炬燵も室温はあげない、アイスを食べても問題ないということなのだろう。
「……住人さん、アイスいるぅ?……」
「あー、ありがとよう。たすかるわ」
「……何味たべるぅ? いっぱいあるよぉ……」
「適当でいいよ、適当で。冷えりゃなんでもいい」
「……じゃあ、これあげるう。ハマチアイスぅ……」
「なんじゃそら、え、それ本当にアイスなのか、冷凍魚じゃないのか」
「……おいしいよぉ……」
「見た目はまともだが……うわつな! これでアイスは厳しくないか、もう魚だろ」
 お目覚めに珍味アイスを。珍味アイスが一つだけだったのかは、ティオレンシアのみぞ知る。男は珍味アイスを食べながらしかめっ面をしているが、冷えたものを食べられるだけマシである。文句を言いながらもぺろっと完食している。

「……るこるさんもたべるぅ?……」
「あ、いただきますぅ。お返しに塩クッキーと水をいかがですぅ」
「……ありがとう、塩いいよねぇ……」
 隣に座ったのも何かの縁、持ち込んだものを交換するティオレンシアとるこる。
 塩クッキーを食べて、ほっとするティオレンシア。汗と一緒に塩分が排出される。幾ら冷たいものを食べていても甘いものだけでは塩分が足りなくなる。くらくらし始めてきた体にはご馳走だ。
 ミルクが入ったアイスは発育がよくならないか気になるけど、この暑さにはかなわない、1本選んでぱくりとほおばる、るこる。体の中から冷やすと気持ち良い。
 甘いものと塩分。それぞれが互いの心、体を癒す。
「蜜柑もありますぅ」
「……この蜜柑、冷凍蜜柑だったら良いのにねぇ、気が利かないよねぇ……」
「そうですね、冷えてたらもっと楽しめたのかもしれませんね」
 そういわれても、こたつに冷やす機能はないんです。ちょっと生暖かいですけど、甘くて美味しいみかんを召し上がれ。

 クーラーボックスから取り出すとみるみる溶けていくアイス。食べている間だけだが、体内が冷え中からスッキリする、頭もシャキッと気合が入る。……ほんのちょっと生き返る気がするぅ……。
 みるみるアイスを食べ尽くし、くたーっと炬燵につっぷすティオレンシア。
あと、できることはひよこと遊ぶくらい。ぴょこぴょこ炬燵の上を跳ねるひよこをつんつん。
 先頭の1体が、ぽてっと転がり、次、また次とぽて、ぽててててて、将棋倒しにころころ転がる。これぞ、ひよこボーリングである。
「……すとらーいくぅ……」
「ぴよよー」
 ひよこたちはお尻をふってじたばた、起き上がろうともだもだ悶える。
 かわいいけど、いい加減暑い。暑すぎる。
「……この後わらび餅が待ってなかったら、絶対回れ右で帰ってたわねぇ。
 ……ハードル上げても、バチ当たらないわよねぇ?」
 そう、ティオレンシアのお目当ては最初からわらび餅だ。まっしぐらだったのだ。
『――お待たせしたっす、わらび餅一丁っす! 山盛りにしておいたっす!』
『――黄な粉かけるっすか、それとも黒蜜? 手作り甘夏ピューレもあるっす!』
『――今日はおまけにアイスもつけるっす!』
「……わあ、わらびもちがいっぱいだぁ、おいしいねぇ、わらびもちぃ……」
 皿を受け取りほおばり始めるティオレンシア。しかし――、
「え、急にどうした? やばい、こいつも何か見え始めたんじゃないか? 誰か……ちょっと誰か助けてやって!?」
 慌てる男を尻目に、一足お先にわらび餅を堪能するティオレンシア。今ならいっぱい食べても大丈夫!
「いや、大丈夫じゃねぇから、ここにわらび餅ないし! いいから、誰か助けてやって!!!!!」
 男の叫びが遠くに聞こえる。もう、むり、ぽえぽえばたんきゅー。

「そろそろ始めましょうかぁ」
 全身が温まったので、そろそろエクササイズのお時間です。
 暑さで頬を赤らめ、汗を流しながら、両手を体の前面で組んでぐっと力を入れる、るこる。
「え、何がはじま……うそお、サービスよすぎじゃないか?」
 男の無粋な突っ込みはさておき。
 部分痩せのエクササイズを始める、るこる。胸以外の部分は猟兵として力をふるううちになんとかなるのだが、胸だけはどうしようもない、ほうっておくと限界なく発育してしまうのだ。今日も筋トレは欠かせません、少しでも痩せるために、よいしょ! よいしょ! よいしょ! 汗水流して筋トレです。
「はふう……これは我慢大会ですぅ。まだ頑張れますぅ」
 胸をぷるぷると揺らしながら、るこるの鍛錬は続きます。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

落浜・語
吉備さん【f17210】と参加

さすがにこれは…暑すぎるだろ…
あぁ、まぁ、頑張るか。

とりあえずはかき氷食べつつ、暑さに耐える。抹茶も良いし、檸檬でも良いな…。
炬燵を堪能してない?いやいや。炬燵でアイスは冬にできる最高の贅沢だぞ?その贅沢をしてるのに堪能してないなんて、そんなことないだろ。【言いくるめ】
ひよこモフりつつ、氷食べて。やっぱり冬の贅沢だよな。
ついでに、一席付き合って貰おうかな。怪談だが「もう半分」とかどうだろ。怖さ割りましで。
季節は夏だから、夏の定番やらないとな。反論は【言いくるめ】る。


吉備・狐珀
落浜・語(f03558)殿と参加です

かなり暑いとは聞いてましたが…ここまでとは。
この中にいて無事なんだ…。

先日、アルダワで持ち帰った花蜜があるので、炬燵でアイスならぬ、かき氷で暑さ対策といきましょうか。
お水をお借りしてUC【青蓮蛍雪】で部屋を冷やさない程度に加減して氷を作ります。
せっかくなので流行りのふわふわ氷に。蜜は苺に檸檬、抹茶等色々あるのでお好きに。
ついでに氷嚢を用意して頭や首を冷やします。
男の頭に氷嚢をのせて介抱します。かき氷欲しかったら言って下さいね!
可愛いヒヨコを触ったりかき氷あげたりしつつ、語殿の怪談話を聞きき暑さに耐えながら過ごします。(袖にヒヨコ入れて連れて帰れないかな)



 落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)と吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)は並んで炬燵に入っていた。
「さすがにこれは…暑すぎるだろ……あぁ、まぁ、頑張るか」
 汗でぐっしょり濡れたシャツの袖をめくりあげながら、ぼやく語。
「かなり暑いとは聞いてましたが……ここまでとは」
 吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)も汗だくになっていた。きっちり和服をきてきたのが裏目に出た、暑い……。せめて袖をめくれば少しは涼しくなるのだろう、でも、そんなことは……。
「この中にいて無事なんだ……」
「おーう、生きてるぞー」
 目ざとく聞きつけた男が手を振ってくる。暑さで溶けかけている、ただの狩人にしか見えない。だが、このうだる暑さを耐え切るとは、人にしては少し我慢強すぎやしないだろうか。一体何者だろう。疑問を抱く狐珀だが、今はそれどころではない。暑い、とにかく暑いのだ。

 木こり小屋の前には飲んでも問題がないほど綺麗な清流があった。狐珀はその水をたっぷり汲んで、備えていた。そう、
「炬燵でアイスならぬ、かき氷で暑さ対策といきましょうか」
 ふわりと笑みを浮かべる琥珀。
「かき氷を食べるだけでは、炬燵を堪能してない?」
 蠱窋の怪に突っ込まれそうな空気に機先を制したのは語だ。
「いやいや。炬燵でアイスは冬にできる最高の贅沢だぞ?
 その贅沢をしてるのに堪能してないなんて、そんなことないだろ」
 さっきも炬燵にアイスは冬の定番だという人が居まして。炬燵的にもアイスはセーフです! カキ氷も勿論どうぞ! 追う存分召し上がれ。

「言の葉のもとに魂等出で候」
 青い狐火を呼び、冷気で水だけを冷やすように調整すれば。みる間に水は凍っていく。
「せっかくなので流行りのふわふわ氷に」
 結晶の詰まり具合を加減して、ふわっとした雪に仕上げる。
「お前さんのそれ、便利だねえ。さっきの涼しい風もお前さんのか?」
「ええ、そうです。知らずに部屋ごと冷やして暑くしてしまってすみません。大丈夫でしたか?」
「ああ、なんとかなあ。鳥を退かしてくれたからもってる」
 続いて氷の塊を作って、袋につめる。氷嚢だ、これで冷やすくらいは見逃してもらえるだろうか。
「氷嚢どうぞ、カキ氷もありますが食べますか」
「あー、いい、いい。俺はこれで十分だ。
 どうせお前らの氷は、鰯や秋刀魚が刺さってるんだろ? 俺、知ってるぞ」
 氷嚢は受け取ったものの、カキ氷は丁寧にお断りする男。
 鰯や秋刀魚? 何の話だろうか? さっき、男は今しがたハマチをたらふく食べさせられたばかりなので仕方が無いといえばそうなのだが、狐珀にとっては意味が解らない話だ。
 いえ、そういうものは……と、言いかけた口を閉ざす。構わなくて良いということだろう。

 氷嚢を手に入れた男は、いくつか氷を取り出して口に含み、残りを首や頭にのせて横になって暫しの涼を楽しんでいる。青蓮蛍雪の氷は普通の氷より硬く長持ちする。氷嚢一袋分渡せば、すこしの間くらいは暑さを凌ぎやすくなるだろう。最後に、念押しだけしておこう。
「かき氷欲しかったら言って下さいね!」

 さてお楽しみのカキ氷タイムです。
「できましたよ、語殿」
 器に一盛り、山盛りの雪が2つ。まずは、琥珀がアルダワ魔法学園の迷宮の奥で蜜ぷにから採ってきたた花蜜をたっぷりかけていただきます。二人揃ってぱくりとひとくち。ほふ……思わず吐息が漏れる。
「美味しいですか?」
「あぁ美味い、やっぱり冬の贅沢だよな」
 口に放り込むと、まずひんやりと口の中で雪が溶ける。ふわっとした食感が心地よい。がつがつ掻き込めば暑さで火照った体を芯から冷やしてくれる。氷に絡みつくとろっとした蜜も心地良い甘さだ。火照った頭を冷やし優しく起こしてくれる。

 みかん籠のまわりでうろうろしているひよこにもおすそ分け。
 スプンですくって差し出せば、
「ぴ! ぴちちちちち!」
 ちょんちょん氷をついばむひよこ。羽をぱたぱたお尻ふりふり。
「もしかしてキーンってなってないか」
 ちょっと悶えているような雰囲気を感じ取った語。噺家ならではの観察眼だろうか。
「そうかもしれません。少し可愛そうなことをしました」
 ごめんね、冷えちゃいましたか。ふわりとひと撫でする琥珀。ふわふわもふもふ。大丈夫ですよとすりよってくるひよこ。ああ、可愛い、袖に入れて連れて帰りたい。
「連れて帰れると良いんだけど、オブリビオンだからな」
 琥珀の心を読んだかのごとく、語り始める語。語もひよこをつんつんふわふわ。
そう、このひよこはオブリビオン『蠱窋の怪』の一部です。討伐が終われば消えてしまいます。幾ら可愛くとも残念ながらお持ち帰りはできません。

 さて、まだまだカキ氷会は続きます。氷嚢を頭にのせて冷やしながらひんやりつめたい氷菓をぱくぱく。
「ご主人、もう半分おくんなせえ」
 抹茶シロップをたっぷりかけて半分ほどたべ、おかわりと皿を差し出す語。
「語殿、ご主人とは一体なんですか」
 突然主人と呼ばれて不思議に思いながら、少し氷を足す琥珀。
 語は次は檸檬シロップをかけ、また半分ほど口に流し込み、皿を差し出す。
「もう半分、もう半分おくんなせえ」
 またもや半分でおかわり。
「語殿、ゆっくり食べたらいかがですか」
 思わずくすりと笑う琥珀。どれだけカキ氷が恋しいんですか。
「こういう噺があるんだ」
「ええ、そうなんですか、一体どういう噺ですか?」
 なんとなくそういう気はしていたのだけども。語の噺はとても楽しみで。
「じゃあ一席付き合って貰おうかな。夏の定番の話だけど、みんなも聞いてかないか」
 呼びかけて客を集める語、まわりで炬燵を楽しむ猟兵たちも耳を傾けているかもしれない。もっとも、意識があればだが。
「夏の定番って、そりゃ、あれか?」
「そうだ、もちろんあれだ」
 すかさず男が食いついて、顔を見合わせにやりと笑む男2人。そう、皆までいうな、夏といえば『そういう話』だ。

「さて、こんな話がございます」
 パンと扇子をうち鳴らし、噺始めるのは『もう半分』。
 これくらいの暑さ、高座だと思えばどうってことはない。舞台はもっと熱い、――空気も、人も、心も。語り始める語は水を得た魚のように、急に生き生きし始める。流れる汗はもう気にならない。
「ちょっと涼しくなるお話でございますが――」
「え、ちょっと待ってください、語殿」
 もしかして、と今更気付いても遅い。反論の声はまるっとまとめて言いくるめ。室温を下げずに涼しくなれば文句はないだろう。余苦在話を語り始める。怖さ割りまし盛り盛り版の『怪談』を。
「ぴよ」
 琥珀の袖の中に潜り込もうとするひよこ。怪談が怖いんでしょうか。かくれんぼするの、ちょっとだけですよう。

「……もう半分、おくんなせえ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
【墨花】で参加。

ある意味でここが一番の難所になりましょうか。
宇佐殿はくれぐれも無理されませんよう。
ワン嬢も奥の手があるとは言え、油断は禁物ですぞ。

◆こたつ
心頭滅却すれば火自ずから涼しという言葉もありますが、私のような未熟者は【火炎耐性】の痩せ我慢が精一杯。

とりあえず竹筒の水を男性含め皆に配りつつ、さて気晴らしはないものか。

――紳士の社交場、ツナギ?
……つまり脱がなくては失礼なのでしょうか。(早くも暑さに頭が参ってる)

ひとまずワン嬢の薦め通り、蜜柑を啄み……むぅ、生暖かい蜜柑は味的にも逆効果な気もしますが本当に大丈夫でしょうか……!?

◆倒す
炬燵が満足すれば、意識の確かな内に仕留めるとしましょう。


ワン・シャウレン
【墨花】で参加。

いつぞや聞いた我慢大会のようなものか。
そう思うとわし、場違いというか約束破りな気もしてしまうの。
まぁ保護者として来ておると思えば、いざとなればという者がおっても良かろう。
これはこれで純粋にこたつを満喫させて貰うし。

奥の手があるというかわしそのままそんな感じもするが
下手に冷やすといかんのじゃろ?
体の内を冷ましていくと良い。
蜜柑にもそうした効果があると聞くぞ。

ほれ、宇佐。
蜜柑はこっちじゃ。

倒す段になれば遠慮なくじゃな。


宇佐・兎織
【墨花】で参加。

なんなん。
炬燵のオブリビオンかー。しゅごんい!
あちゅいけど、蜜柑が食べられるのはいいなぁん。

ふわわ…。
お部屋がしゅごくあっつい…。
蒸風呂みたいなぁん。
あ、蒸風呂は紳士の社交場って聞いたなん。
ツナギを着てチャックを下ろさないといけないんだっけ?
え、それは違う…?
なぁん。むじゅかちい。

蜜柑をもぐもぐしつつ、無理せずのんびり炬燵に潜るんだよー。
……。(あちゅいし今ならヒヨコさんを蜜柑と間違えて頬張っても許されるのではないか。兎は訝しんだ)

(ぺっして)
はっ!
暑さと可愛さに我を失ってたなぁん…?



「なんなん。炬燵のオブリビオンかー。しゅごんい!」
 珍しげに右に、左に、ぴょこぴょこ。目を輝かせて炬燵を眺めるのは宇佐・兎織(うさぎのアトリエ・f04091)だ。
「あちゅいけど、蜜柑が食べられるのはいいなぁん」
 蜜柑を両手に、にっこり笑顔、ロップイヤーをご機嫌にぱーたぱた。

「ある意味でここが一番の難所になりましょうか」
 ごくり。生唾をのむ鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。
「宇佐殿はくれぐれも無理されませんよう。
 ワン嬢も奥の手があるとは言え、油断は禁物ですぞ」
 念押しをしながら炬燵に入る。
 油断大敵。少しの油断が大事に至る。――この景正ですら。今はまだ予想だにしなかった、まさか、あんなことになるとは。

「いつぞや聞いた我慢大会のようなものか」
 いつもと変わらぬ様相で炬燵に座るワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)。
「汗一つかいてないじゃないか、お嬢ちゃん凄いね、役者さんか」
「まあ、そういうところじゃ」
 ワンはミレナリィドールだ。身体の機構を調整すれば暑さを感じないようにもできる。場違いというか約束破りな気もしてしまうが、
「いまは保護者として来ておるのじゃ」
 いざとなればという者がおっても良かろうと、一席貰っておく。
「へえ、その年で? 大変だねえ」
 色々と勘違いされているかもしれないが、捨て置いても問題ないだろう。説明するには少々長い事情になる。

 竹筒の水を配ってまわる景正。男も含め皆に配った、これで準備万端だ。さて気晴らしはないものか。
「ぴよ」
 そんな景正の前をひよこがぴょんぴょん。
「ぴよ」
 ひよこが1匹、
「ぴよ」
 ひよこが2匹、
「ぴよ」
 ひよこが3匹……すう。
「景正殿、寝てるのかの? 寝たら遭難しやしないかの」
 揺さぶるワン、はっと起きる景正。冬山のように言われているが、あながち間違えてない、意識を飛ばせば暑さにやられて帰れなくなるかもしれないのがこの炬燵の怖い所だ。
「かたじけない」
 はっと顔をあげる景正。この気晴らしは危ない、では他に何か……。
 そんな景正の前をまたもや、ひよこがぴょんぴょん。
「ぴよ」
 ひよこが1匹、
「ぴよ」
 ひよこが2匹、
「ぴよ」
 ひよこが3匹……すう。
「疲れておるのかの、景正殿。それとも何か考えておるのか?」
「はい、このひよこたちの行く末について思案していました」
「難しい話じゃの。じゃが今は辞めておいたほうがいいかもしれないの。意識がとんでおったぞ」
 ワンの言葉に、こくんと頷く景正。だが、ひよこの誘惑はぴょこぴょこ続く。暇なのはわかりきっていた、何か持ち込んでも良かったのではないか。

「ふわわ……。お部屋がしゅごくあっつい……。蒸風呂みたいなぁん」
 くら、くらと、頭を揺らす宇佐。だいぶ暑さに参ってきたのかもしれない。
「あ、蒸風呂は紳士の社交場って聞いたなん」
「もしもし、お前さんそれ意味解って言ってるか」
 怪しい気配を察して突っ込む男。意味は通じていなくとも突っ込めるんです。
「ツナギを着てチャックを下ろさないといけないんだっけ?」
「待て待て、ツナギ? チャックってなんだ? サムライエンパイアじゃ聞いたことねえ」
 そう、まだ発展場も無い時代なんです。残念ながらその話は通じませんよ。
「そう、違うのじゃ宇佐」
「え、それは違う…?」
 ワンに言われて目をぱちくり、小首をかしげる宇佐。
「それは公園での話じゃ。ベ……」
「待て待て! それ、言っちゃいけない話じゃないか?」
 語り始めるワンを慌ててとめる男。そう、それ以上はいけません。
「なぁん。むじゅかちい」
 しょんもり垂らした両耳を両手でぱたんと閉じ、炬燵に顎を乗せてむうと唸る。

――紳士の社交場、ツナギ?

 景正の脳裏に稲妻が走る。
「……つまり脱がなくては失礼なのでしょうか」
 ぼんやりとした瞳でおもむろに脱ごうとする景正。
「そこ、脱ぐな! 何も失礼じゃないからな!!」
 すかさず突っ込む男。
「う」
「言うなー!」
「や」
「やらねぇし、やらせねぇ! ……はあ、はあああ……」
 矢継ぎ早に突っ込み、くったりと突っ伏す男。
「……っ」
「まだなんかあるのか!?」
 景正が動く気配に、身構える男。――隙あらばボケられ、(権利問題で)死ぬ。暑さで死ぬ前に死ぬ。必死の形相だ。
「大丈夫か?」
「はぁぁぁああ。俺は大丈夫だ、お前さんらがおとなしくしてくれれば大丈夫だ」
 労いの言葉に溜息一つ、今度こそくったりと突っ伏す男。全力で突っ込みまくって酸素切れでも起こしているのか、ぜーはー肩で息をしている。めっちゃんこ手練の猟兵相手によくここまで頑張りました。
 労わるよう男の肩をぽんと叩くワン。ははは、ありがとよぉ、と笑う男の顔は少しひきつっていたかもしれない。

 のんびり炬燵に潜って顔だけ出してだらーん。暇だなぁんーと伸びる宇佐。
「だらだら……」
「だらだらだらだら……」
「だらだらだらだらだらだらだらだらだらだら……」
「おお宇佐、随分と溶けておるの。一度炬燵から出るか?」
 首を横にふる宇佐、まだがんばれるなぁん。
 ふふ、宇佐は頑張り屋さんじゃのう。とふわりと笑い、蜜柑を剥き始めるワン。
「下手に冷やすといかんのじゃろ? では、蜜柑でもどうじゃ?」
 そう、室温を冷やすと余計暑くなる、暑いままやり過ごすしかないのだ。
「体の内を冷ましていくと良い。
 蜜柑にもそうした効果があると聞くぞ」
 にこり、涼しい笑顔で蜜柑を剥いて差し出すワン。そう、みかんに含まれる栄養素には体を冷やす効果があるのだ。炬燵に蜜柑――炬燵でのぼせないように蜜柑ともいうのだろうか。よく出来た組み合わせである。
「わあい蜜柑なぁん!」
 汗をキラキラ輝かせながらぴょこんと跳ねる宇佐。おいしそうに剥いてもらったみかんをもぐもぐもぐもぐ。
「……むぅ、生暖かい蜜柑は味的にも逆効果な気もしますが本当に大丈夫でしょうか……!?」
 景正の抱いた心配はごもっとも、熱いときに熱いものを食べてもたいしてひえやしないのではないだろうか。
「何もないよりいいさ」
 汗を流しながら男もしれっと蜜柑を食べている。
「……」
 景正も続いてぱくり。熱い果汁が口内に広がる。果物というよりは、料理として完成しているのではないか。――熱蜜柑だ。だが涼しくない。一欠片たりとも涼しくない。
一縷の望みを抱き竹筒を仰ぐが、
「……っ」
 こちらも生暖かい。流石に持たなかったか。諦めて生暖かい液体を飲むしかないようだ。この不快な空間はいつまで続くのか、やせ我慢にも限度がある。いかに火炎耐性があっても暑いのには変わらない。意識があるうちに、必ず――静かに闘志を燃やし、鋭利な眼光を炬燵に向ける景正。

「……」
「ぴよっぴよぴよ」
 蜜柑をもぐもぐしながら、虚空をぼーっと見つめる宇佐。その周りをひよこがぴょんぴょん。だいじょうぶですか、こたつたのしんでますか? と顔を覗き込む。
「ぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよ……」
 あちゅいし今ならヒヨコさんを蜜柑と間違えて頬張っても許されるのではないか。
「ぴよ?」
 兎は訝しんだ。

――ぺっ。

「はっ!
 暑さと可愛さに我を失ってたなぁん……?」
 しっとり濡れてしゅっとしたひよこちゃんが1体。宇佐の前にくったり横たわっている。まさかこれは……。
「何をしておるんじゃ宇佐。ほれ、蜜柑はこっちじゃ」
 果肉だけとりだして口の中にぽいぽい。今度こそ正しい蜜柑をご馳走してあげるワン。
「うんうん、この味なぁん♪」
 ぱくぱくうまうま。
「あとで口をすすいでおくんじゃ、生の鳥は危ないからのう」
 そう、食中毒になっては大変です。キレイキレイしておいてください。
「なぁん♪」
 元気にお返事。そうこうして、3人の我慢大会はもう少しだけ続きます。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノイシュ・ユコスティア
チャム(f13914)と二人描写希望。
一応ロングボウを用意。

ただでさえ暑いのは苦手なのに…。
これは…そ、そう、暑さを楽しむしかないんだ!
こたつを…倒す。(ぐったり)

チャムの提案で、台所を借りて鍋料理を作る。
塩味の鍋に豆腐や季節の野菜を入れる。
「チャム…肉を入れすぎじゃないか?」

こたつに入る。
「僕、みかんが苦手なんだ。
チャム1人で食べていいよ。」
代わりに鍋を食べよう。
塩分は汁で補おう。(汗だらだら)

ひよこをもふもふ。
チャムの話を聞きながらずっともふもふ。
ひよこに癒される…。

「チャムは今日誕生日か。
10歳…育ち盛りだね。
でも、食べてばかりじゃなくて水分も取ったほうがいいよ?」
暑くて頭が回らない。


チャム・ティータ
ノイシュ(f12684)と参加

「よーし!ノイシュとチャム、どっちが我慢できるか勝負なの!」

冬といえば鍋なの
チャムも手伝うよ
鍋にお肉をいっぱい入れるの!
これぜーんぶチャムが食べるの!

わーい!おこたー
コタツ大好き!
お肉を全部食べたらフードファイト・ワイルドモードなの!
コタツちゃんを倒すよ

えへへ、ノイシュの弱点初めて知った!
チャムは嫌いな食べ物はないんだよー、えらいでしょ

ヒヨコちゃんを両手で持ってスリスリ
ピヨピヨかわいいー

チャムは10歳になったよ!
いっぱい食べて大きくなるの!

ノイシュ、さっきから飲んでばっかりだよ
この勝負、チャムの勝ちかな?

(子供だから暑いのは気にならないけど、汗びっしょり)



「ただでさえ暑いのは苦手なのに……」
 ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は、げんなりしていた。そう、この暑いなかで炬燵に入らなければならないのだ。念のためロングボウを身につけ、何があっても応戦できるように警戒しているが、君の一番の敵は『暑さ』だ。
「よーし! ノイシュとチャム、どっちが我慢できるか勝負なの!」
 両の拳をぐっと握るチャム・ティータ(星空パフェ・f13914)。暑くてもがんばっちゃうの! 元気いっぱいである。

 チャムの提案で、二人は台所を借りて鍋料理を作っていた。
 鍋に水をはり、鶏ガラスープの元と塩をぱらぱら、酒、ごま油も少し入れて出汁を作る。隠し味に醤油を少々。塩鍋だからといって、塩だけにすると塩辛くて食べられない、シンプルだからこそ深い、色々混ぜて辛みを出すのが美味しく作るコツだ。
 長らくの旅をして身につけた知識を生かして味見をしながら良い塩梅に整えるノイシュ。

 そこに、脇からひょいっと顔を出すチャム。
「ノイシュ、チャムも手伝うよ」
 鍋にどばっと放り込まれる肉、肉、肉! 山盛りの肉がどーーーーん!
「チャム……肉を入れすぎじゃないか?」
 驚きの声をあげるノイシュ。さすがにこれは、いったい誰が食べるのだろう。
「いいのこれぜーんぶチャムが食べるの!」
 ぷいっと拗ねるチャム。
 自分で食べるなら良いのかなあと苦笑いするノイシュ。ひとたび戦場に赴けば年も性別も関係なくノイシュと肩を並べ戦うチャムだが、こうして拗ねる姿は年下の、――そう、まるで兄に甘える妹のよう。とても愛らしい。

 続いて、豆腐や野菜を入れていく。
 体を冷やす効果のある冬瓜と茄子ははずせない。続いて、トウモロコシ、カボチャ、トマトを。
 夏野菜を中心に選んできた。夏野菜は夏ばてなどに効果が高いとも言われている。せめて暑さを紛らわせてくれないか、でも、煮込んでいるだけで暑い、くらくらする。
 元々この部屋は蒸し風呂のようになっている、台所もその例に漏れない。
 頭を振り、遠のく意識を奮い立たせるノイシュ。流れる汗をふきながら、鍋が仕上がるのを待ちます。

 そうこうして、完成しました美味しいお鍋! それでは炬燵に入り、手をあわせて頂きます!
 ふーふー冷ましてぱくり!
「ほふっ、あっつい! でもよく煮えているね~」
 思わず声をあげてしまうくらい熱い。でも、冬瓜が口の中でほろほろと崩れる、茄子もとろっと溶けていて食べやすい。
「はふっ、チャムのお肉もおいしいよ!」
 チャムもにっこり笑顔。肉に塩がよく染みこんでいて、そのままでも食べられる。
「そうだね、おいしいね~」
 口の中でほくほく、カボチャの甘みがいいアクセントになっている、他の野菜はどうかな?ひとつづつ摘んでは食べ、食べては摘みを繰り返し、汗を流しながら鍋を堪能する2人。そう、暑くなければ、もっと美味しいのだけど……。

「ノイシュ、せっかくあるんだからみかんも食べちゃわない?」
 炬燵の脇に避けていたみかんを思い出し、箸休めになるかな? とノイシュを誘えば、
「僕、みかんが苦手なんだ。チャム1人で食べていいよ」
 誘いを断るノイシュ。でも、剥いてあげるよと、皮を剥き始める。
 こうして構うと喜ぶ馴染が側に居るから、きっとチャムも喜んでくれるに違いない。
「えへへ、ノイシュの弱点初めて知った!」
 何をしても完璧なノイシュ。初めてみせた弱点に目をぱちくりするチャム。
「一つくらい弱みを見せるのも悪くないかな、はい、剥けたよ」
 それくらい縁が深くなったということだよ、という言葉は照れくさいから胸に仕舞って。剥いた蜜柑をさしだして。
「ありがとう。チャムは嫌いな食べ物はないんだよー、えらいでしょ」
「そうか、えらいね~」
 にっこりと笑むチャムに、笑顔を返すノイシュ。二人とも、滝のように汗を流しながら。

「チャム、ちょっともらうよ」
「うん! いいよ、ノイシュもいっぱい食べてね」
 肉をつまみ、もぐもぐ。おや、そういえば、
「今日は何日だったっけ……あれ、もしかして、チャムは今日誕生日か」
 プレイングをお預かりした日程は間違いなく8月8日でした。今日は永遠の8月8日、俺たちの8月8日で問題ありません。ビバ8月8日! おめでとう!!
「うん! そうだよ! チャムは10歳になったよ! 覚えててくれたんだね!」
 肉をぱくっと口に放り込んで笑顔のチャム。
「そうか、10歳……育ち盛りだね」
 もう10歳、まだ10歳なのかはその表情から読み取れなかったのだが、凄い食欲を目の当たりにし、少し言葉を濁してしまう。直接言ってしまうのは可愛そうだ。
「うん! いっぱい食べて大きくなるの!」
 そんな言葉は気になりません。またもや、ぱくり! ぱくり! 有言実行もぐもぐぱくり! たくさんお肉を食べます。
「でも、食べてばかりじゃなくて水分も取ったほうがいいよ?」
 ああ、暑い。暑くて頭が回らない。折角の誕生日なのに、上手い言葉が出てこない。くくらくらと頭を揺らし始めるノイシュ。

「ぴよ!」
 鳴き声に顔をあげればチャムの前にヒヨコちゃんが10体。まあるい輪になって並んでいる。
「なにこれー?」
「もしかして蝋燭、お祝いのつもりなのかな」
 首を傾げるチャム、10といえばと閃くノイシュ。
「ぴよ! ぴぴよ!」
 うんうんそうそうとでも言うようにぴよぴよ鳴くヒヨコちゃんたち。
「じゃあふーってするね、ふーーーーーっ」
 チャムがふーっと息を吹きかければ、
「ぴよよっぴよよよよよよーーー」
 ぱたぱたぱたぱたぱたっと一斉に倒れるヒヨコちゃん。足をぱたぱたさせてぴよぴよ鳴く。
「ピヨピヨかわいいー」
 ヒヨコちゃんを両手で持ってスリスリするチャム。ヒヨコちゃんからのお誕生日祝いに、にっこりご満悦だ。

「お祝いを貰えて、よかったね~」
 塩鍋にしたのは鉄分が汗で溶け出してしまうからだ。煮込んだものの出汁も出ていて美味しい、体に染み渡る。暑ささえなければもっといいのだが。ちびちびと飲んでいると、
「ノイシュ、さっきから飲んでばっかりだよ?
 この勝負、チャムの勝ちかな?」
 輝く汗を流しながら、無邪気な笑顔を浮かべるチャム。まだ子供だから汗は気にならないのか流れるままに流している。この元気さには敵わない。今日ばかりは負けを認めたほうがいいのかもしれない。
「うーん……」
 ひよこをもふもふ揉みながら、暑くて回らない頭でどう言えばいいのか思案するノイシュだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高階・茉莉
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
炬燵ですか、この蒸し暑い時期に炬燵はまるで地獄の様に感じるでしょうけど
放っておくわけにも行きませんから、何処かに退いて貰いましょう。

■行動
炬燵に入って楽しんでみますね。
「みかんですか、炬燵にはやっぱりみかんですよね」
「甘くてとても美味しいです」

あとは、暑くなっても【火炎耐性】や【気合い】で
何とか耐えてみますね。

充分に満喫できたら、敵を倒しておきましょうか。
無限の文字列を使用して戦います。
【高速詠唱】で素早く呪文を唱え【全力魔法】で一気に攻めますね。


ヴィオラ・アップルトン
ボク、みかんって食べたことがないんだ
しかもひよこさん、かわいい
(汗だらだら流しながら)

倒れてる男の人には持ってきたお水をあげるね
ボクも熱中症には気をつけて遊んでもとい戦わないと

お水を飲みながらみかんもぐもぐ
ひよこもふもふ おふとんもふもふ
サムライエンパイアって素敵な文化
冬はこんなすごいものがあるんだね もっふもふ

汗でおふとん濡らしちゃってごめんね(ふきふき)
お前たちは夏は好き?
やっぱり冬のほうが暑くなくていいのかな?
ちょっと季節間違えちゃったよね
みかん、おいしい(うまうま)

最後におふとんぎゅーっとしてから倒すよ
また冬に会おうね
そのときはオブリビオンじゃない形でよろしく

アドリブ、絡み歓迎です



「炬燵ですか」
 本はあまり暑い場所には置かない、置くと痛むからだ。秘密図書館の司書として仕える高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)も、暑さに晒されることは少ない。この蒸し暑い時期に炬燵なんて、地獄のようにしか見えない。それでも、
「放っておくわけにも行きませんから、何処かに退いて貰いましょう」
 ここに居るのはただの炬燵ではない、炬燵の形のオブリビオンなのだ。過去の蓄積を許すわけにはいかないと正義に燃える茉莉。暑さは気合で耐え抜きます。

「大丈夫? ボクお水もってきたよ」
 炬燵に囚われている男に水を差し出すヴィオラ・アップルトン(星の娘・f20323)。
「おう、ありがとよう、水は幾らあっても助かるわ」
 他の猟兵たちが置いていったのだろう、男の周りには水の入った竹筒などが転がっている。
「ボクも熱中症には気をつけて遊んで」
 え、今なんて?
「もとい戦わないと」
 そう、炬燵を楽しんで暑さと戦うのが今回のお仕事です。では気を引き締めて、炬燵にどうぞ。

「ボク、みかんって食べたことがないんだ。どうやって食べたら良いのかな」
 みかんをころころ転がすヴィオラ。
「よろしければお教えしましょうか?」
 隣からかけられた声に顔をあげると、茉莉が優しく微笑んでいて、
「うん、教えて! ボク知りたい」
 笑顔を返すヴィオラ。
 みかんを潰して汁を飛ばしたり、それが目に入って痛いめに遭ったり、剥いている手をひよこについばまれたり、四苦八苦しながら、なんとか1つ剥き終わり、ぱくり。
「うん、おいしい」
 黒耳をぴこぴこ、瞳にきらっと星の輝きを浮かべて。
「お口にあいましたか」
 無事教えられて、ほっと胸をなでおろす茉莉。

 教えてもらった方法でもう一つみかんを剥いてぱくり。お水もごくごくのみながら。
「サムライエンパイアって素敵な文化、冬はこんなすごいものがあるんだね」
 もっふもふ、お布団を堪能しながらくつろぐヴィオラ。
「サムライエンパイアのことはあまりご存知ではないのですか? よろしければ、ご案内しましょうか?」
 司書の力で絵本を取り寄せる茉莉。――秘密図書館から1冊司書が持ち出します。
「うん、教えて! ボク、サムライエンパイアのこと知りたい!」
 耳をぴこぴこ、興味深々に出現した絵本を覗き込むヴィオラ。
「では、ご案内しましょう。サムライエンパイアとは……」
 茉莉自身が読んだ小説や詩集の知識も交えながら読み聞かせる。汗を流しながら、うんうんと相槌をうち、ひたむきに聞くヴィオラ。
「ありがとう。とっても勉強になったよ」
 最後まで聞いて笑顔でお礼を。
「茉莉さんってすごいね、ボクと同じくらいなのに物知りで」
 おっとり笑う茉莉。年下に見られるのはよくあることだ。

 気がつけばおふとんが濡れている。さっきから汗をだらだらかいていたからだろう。
「汗でおふとん濡らしちゃってごめんね」
 ハンカチでふきふき、すぐにもふもふお布団に戻りました。ふきふきされたおふとんが照れたのかもしれない。ほっと胸をなでおろすヴィオラ。
 もうひとつみかんを食べようと籠に手をのばせば、その後ろから顔を出すひよこさん。
「ひよこさん、お前たちは夏は好き?」
「ぴよ」
 ひよこさんは首を傾げてきょとん。さぁ? とでも言っているのだろうか。
「やっぱり冬のほうが暑くなくていいのかな?
 ちょっと季節間違えちゃったよね」
「ぴぴぴよぴよ!」
 男の周りを囲りをぴょんぴょん跳んで鳴くひよこさん。この男が悪いんですようとでも言いたいのだろうか。
「あーもう、あっちいけ」
 男にしっしと追い払われて、ヴィオラのところまで撤退です。みかんを剥く手にもふりとタックル。
「ひよこさん、かわいい」
 なでなでもふもふ。なでられたひよこさんは小さな羽をぱたぱた。ご機嫌さんなのかもしれない。

 最後におふとんをぎゅーっ。魅惑のもふもふをたーーっぷり満喫して。
「また冬に会おうね。
 そのときはオブリビオンじゃない形でよろしく」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木槻・莉奈
ニナ(f04392)と参加

片付けなかったからってこうなったのは災難だけど…いっそ教訓話としてでも広めたらいいかしら
ちゃんとお片付けしないと痛い目にあうのよー、って
…ダメね、子供はともかくうちの男どもは聞きそうにないわ

でもまぁ、サウナとでも思えばいいわよね
ニナ、カガリ、水分補給はしっかりね
あ、あなたもこれどうぞ(炬燵に捕まった男性にも飲み物渡し、首にクールタオルをかけて
ありがとニナ、もらうわね

(汗こそかくもののあまり表情は変えず
遊べるかなと思ってバランスゲームは持ってきてみたけど…君たちもやる?(ひよこに手招きしつつ
ニナ、それひよこよ?
まぁ、嫌そうではないから大丈夫かもだけど…


ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と参加

自業自得なのだろうが、もう既に嫌と言う程実感しただろうしな
リナ、ダメだ。うちの男共はこれ位で素直に聞くようなヤツじゃない
(涼しい顔をしているが、内心とっても暑いので汗を拭くのにバスタオル持参)
カガリは焔竜だから暑いの平気で羨ましい。…今だけでいいから体を交代したいものだ

熱さも喉元過ぎれば熱さを忘れると言うのだから、
熱い物を飲めば…とは思ったんだが、せめて気持ちだけでも涼しくしたいし、
リナも炭酸水どうだ?(と水筒から注いだコップを差し出して)

ジッとしてるから我慢できなくなるんだな
よしバランスゲームもやろう(暑さに朦朧としてひよこを積もうと)
あと、コタツは絶対に倒す



 ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)と木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)も並んで炬燵に入っていた。
「片付けなかったからってこうなったのは災難だけど……」
「自業自得なのだろうが、もう既に嫌と言う程実感しただろうしな」
「ああ……お前さんら猟兵は凄い奴らだな。痛感した」
 実感した方向性は違う気がするが、懲りたといっているならそれで良いのではないか。十分お灸はすえられただろう。
 『男』といえばシェアハウスの面々だ。
「いっそ教訓話としてでも広めたらいいかしら。ちゃんとお片付けしないと痛い目にあうのよー、って」
ふと、リナが提案するが、
「リナ、ダメだ」
「……ダメね」
 声を揃えてきっぱり否定する2人。提案したリナですら、わかる。
「うちの男共はこれ位で素直に聞くようなヤツじゃない」
「そうね、子供はともかくうちの男どもは聞きそうにないわ」
 あの面子にとって、炬燵で蒸すくらいは軽すぎるオシオキだ。一筋縄ではいかないのが目に浮かぶようだ。二人は同時に溜息を漏らした。

「(……今だけでいいから体を交代したいものだ)」
 カガリは焔竜、焔の竜だ。灼熱の焔を宿す竜がこの程度の暑さで参っていたら話にならない。羨ましいと視線を送るニナ。
 当のカガリは、主の気持ちは露知らず、炬燵の天板で丸くなり欠伸をひとつ。
「ぴよ! ぴよぴよぴよ!」
 カガリのまわりをひよこたちがぴょこぴょこ。燃えてませんか? あぶなくないですか? 首を傾げて珍しそうに見つめます。
 まわりのヒヨコたちに気付いたカガリ、きょろきょろと周りを見ながらきゅーきゅーと何かを訴えるように鳴く。
「ぴよぴよー」
 撤収ですよー! 蜘蛛の子を散らすようにわらわら逃げ出すひよこ。みかん籠の後ろに隠れ、
「ぴよーーーーーー」
 ひょこひょこっ、顔だけだして覗き込み、様子を伺っています。
「驚かせて悪かったなひよこ。カガリはキミたちに突然囲まれて不安になっただけだから、怖がらなくとも大丈夫だ」
 次にカガリをひと撫でして、
「カガリ、ひよこは遊びにきているだけだから警戒しなくて良いんだ」
 ひよこはオブリビオンの一部だが、今は戦う時ではない。カガリはけしかけず、仲良くしておいたほうがいいだろう。両者に声をかけて仲をとりもつ。
「ぴ」
 ふたたび姿を現すひよこたち。ひと固まりになって、そっとそっと、こわごわカガリのもとへ歩いていく。ほんとにいいんですかーと小さい体を尚更小さくしてぷるぷる。
 じっと見つめて待つカガリ。
 視線にびくうっと震える塊。でも、カガリの雰囲気が変わったのを察したのか、
「ぴよ」
「ぴぴよ!」
「ぴよーーーぴよぴよぴよぴよ」
 こわごわもふっと体当たりするひよこ。目をきゅっと瞑って、くすぐったいのを我慢するカガリ。カガリがそのままじっとしていると、いつの間にか周りでぴょんぴょんもふもふ。あそんでも大丈夫なんですねと、言うようにじゃれつくひよこたち。すっかり仲良しになっていた。ひよこたちは、ちゃっかりカガリの体の焔部分を避けて遊んでいるようだ。

「でもまぁ、サウナとでも思えばいいわよね」
 莉奈も暑いのだ、 汗がしたたり落ちているが表情はいつもと変わらない。
「水風呂があればよかったんだが、風呂場も蒸し風呂になっていたからここと変わらない、部屋中が大浴場設備みたいだ。」
 ひよこにじゃれられているカガリも見守りながら、いつもと変わらぬ涼しい顔をしているニナ。だが、内心とっても暑いのだ。バスタオルを持ち込み、時折、汗をふき取っているのだが、バスタオルは既にぐっしょりと濡れている。
 どれだけ暑くとも二人の表情はいつもと変わらない、苦しさをおくびにも出さずとても気丈だ。そう、これは二人で一緒に居るからこそ。

「ニナ、カガリ、水分補給はしっかりね」
「そうだな、でもせめて気持ちだけでも涼しくしたいし、炭酸水はどうだ?」
 水筒を取り出し、コップに炭酸水を注ぎはじめるニナ。しゅわしゅわと音をたて弾ける泡は見ているだけでも涼しげだ。
「熱さも喉元過ぎれば熱さを忘れると言うのだから、熱い物を飲めば…とは思ったんだが、」
 やはりこの暑さのなかでは飲める気がしない。これだけ暑いなら、やはり冷たいものがいい。
「あら、冷たいもののほうがいいじゃない。あなたもこれどうぞ」
 男にもおすそ分けする莉奈。
「ありがとよー、なんだこれ、泡が出てるぞ、のめるのか?」
 男が警戒するのも無理は無い、この時代は炭酸水が発売される前だ。
「しゅわっとするけど美味しいものよ」
「へえ、そうかい」
 莉奈に勧められるままに、試しに一口飲めば泡が弾けて口の中が焼けるよう。刺激に身悶え、別の猟兵に差し入れで貰っていた水を飲みなおす男。大丈夫、と男の背をさすろうとする 莉奈の手を制止して
「――おっとろしいな、猟兵、お前さんら水に毒入れるのか」
「毒じゃないわ、炭酸水は死なないものよ、いいから見てて。
 ありがとニナ、もらうわね」
 莉奈にと注いでくれたコップを手にとり一口飲んでみせる。喉越し爽やかでとても気持ちいい。
「おいしいわ、いつもの味よ」
「毒でも毎日少しづつ飲めば抗体が出来るって言うもんな。この飲み物に口を慣らしちまってるのか、はあああああ……」
 悩ましい悩ましいと頭を抱えて転がる男、ぴたりと動きをとめて、
「お前さんら、強すぎやしないか?」
 笑顔の莉奈とニナ。戦う女子は強いのです。

 炭酸水を飲み終えても、まだ炬燵会は続きます。
「ジッとしてるから我慢できなくなるんだな」
 ニナは閃いた。そう、何か他のことに集中すれば、暑さを忘れられるかもしれないと。
「遊べるかなと思って持ってきてみたけど……」
 バランスゲームを取り出す莉奈。
「よしバランスゲームか、いいじゃないか、やろう」
 積み木を塔のように積み上げ、どこからでもいい、好きな積み木を選んで1本抜き、最上段に積みなおすゲームだ。シンプルなルールだが、集中力が勝敗を分ける。これは暑さから意識がそれること間違い無しだ。
「君たちもやる?」
 カガリと遊んでいるひよこたちにも声をかける莉奈。
 ぴよぴよと鳴きながら寄ってくるひよこたち。なんですかーと興味深々にブロックのまわりをぐるぐるくるくる。
「私がもってきたゲームだから、ニナ先にやらない?」
 莉奈が先を譲ると、
「そうだな、私からいこうか」
 積み木を選んでひょいと摘めば、
「ぴよ?」
「ニナ、それひよこよ?」
 ニナに摘まれ、なんですかー? と鳴くひよこ。
「まぁ、嫌そうではないから大丈夫かもだけど……」
「特等席に座らせてあげよう」
 塔のてっぺんにのせて、もう一度積み木をつまみます。
「きゅー」
「ニナ、それカガリよ?」
 今度はカガリをつまんでいる。いきなり摘まれてきょとんとしているカガリ。
「もう、ニナったら」
 くすくす笑う莉奈。ここまでミスが続くとは、相当朦朧としているのだろう。二人にも、そろそろ限界が近づいている。
 こんな目に遭うのは炬燵のせいだ。コタツは絶対に倒すと決意を固める2人。でも、もう少し耐えてくださいお願いします。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・燈華
た、大変だよっ! 真夏におこたなんて、ゆでだこになっちゃうよー!
あれ、でもジューシーなたこ焼きは、おいしそう……?
い、いけないいけない! 暑さに呑まれそうになってたよっ

えっと、まず木こりさんに塩飴を差し入れして、塩分補給をしてもらって
僕は、おこたを何とかしなきゃ! 暑さに耐えればいいんだね!

【稲荷寿司】を発動、お布団に包まって稲荷寿司形態になって、暑さを凌ぐんだよ
防御力は上がるけど、暑さ耐性は……防御に入るのかなあ?
稲荷寿司になりきって、お揚げのことを考え幸せ気分になって
おみかんをむしゃむしゃしつつ、ひよこさんと遊ぶんだ
えへへ、あったかくなればなるほど、からっとおいしいお揚げになるんだよー!



「た、大変だよっ! 真夏におこたなんて、ゆでだこになっちゃうよー!」
 篝・燈華(幻燈・f10370)は男の周りでわたわた。
「あーゆでだこなあ、なってるかもしれんが、もうどうでもいいや。とにかく暑いぞ」
 相槌をうち始める男。ここまで猟兵たちにずっと突っ込み続けてきたのだ、手馴れたものだ。
「あれ、でもジューシーなたこ焼きは、おいしそう……?」
 焼きたてほっくほくのたこ焼きがどーん! ああ、よだれが出ちゃいそう。
「こらこら焼くな。俺はたこじゃないぞ」
「い、いけないいけない! 暑さに呑まれそうになってたよっ」
 はっと気がつく燈華。よだれもぬぐっておきましょう。
「最初から全力で呑まれにきたな!」
 やりごたえがありそうだと気合を入れる男。まだ夏ばてをしている場合ではない。

「じゃあ、おこたを何とかしなきゃ! 暑さに耐えればいいんだね!」
 炬燵に入る燈華。入る前から汗だくだったが、入ってもやはり汗だくだ。あぁあつい。
「木こりさん、塩飴を差し入れにもってきたよ」
「おお、お前さんもか、ありがとよ。はあ……普通の塩飴だ、落ち着く。塩にまで毒を仕込まれたらたまらないぜ」
 貰った飴をぱくり。塩味が口に広がる、普通の塩飴だ。ふうと肩の力をぬく男。
「たくさん食べると毒になっちゃうらしいけど、」
「――っ」
「飴くらいだったら大丈夫だよ」
「脅かすなよ、お前さんもなかなか食えないねぇ」
 くくっと笑う男。それくらい骨があっても良いもんだねえ。
 燈華も飴をぱくり、しょっぱい味が口内に広がります。これで塩分補給は万全です!

「ふあぁ、このままおこたに入っていても暑いから……
 じゃーん! とっておきの、稲荷寿司ー!」

 お稲荷さん柄のお布団をどーーーーーん!!!!

「お前さん、気でもふれたか!? 炬燵だけで十分暑いんだぞ、更に暑くなる布団をだしてどうするんだ?」
 本気で心配しはじめる男。暑さは暑さで打ち消せないものだ、流石にこれでは、
「これに包まるんだよ」
 ずさーと布団の下に滑り込み、両手を前に突き出す燈華。いつものお布団はとても落ち着く、でれっと顔が緩んじゃう。今日は頭を柱にぶつけずできました、えらいぞ燈華!

「包まったらどうなるんだ?」
「解らないのかな? 稲荷寿司になるんだよ」
「稲荷寿司になったらどうなるんだ」
「稲荷寿司は稲荷寿司だよ。とっておきなんだよ!」
「えええええ!? だから、稲荷寿司がどうしたっていうんだ!?」
 稲荷寿司による稲荷寿司。繰り出される稲荷寿司超理論。何が起きているのかよく解らないが凄い勢いがあることは理解した男。
「ひっくり返して美味しいんだよ」
 ころんと転がって布団が下にくるように包まる燈華。
「変わりいなり寿司か、本当に暑くないのか?」
「たっぷり詰まってるんだよ」
「お前さん、本当に強いんだな。はー、尊敬する」
 実はこのお布団は、もふっとした弾力で防御力を高める力が篭められているのだが、かわりに移動ができなくなる。動けなくなって、ころころ転がる燈華。お布団のお陰でちょっと暑さが収まった気がする。おみかんをむしゃむしゃ。うん、おいしい。

「ぴよっぴぴよっぴぴよっ」
 お稲荷さん柄が珍しいのか、お布団の上でぴょんぴょん跳ねるひよこさん。
「あっ! つついちゃだめだよ、かわりにおみかんあげるよ」
 お稲荷柄をつんつんついばむひよこさんに、おみかんをふりふり、炬燵の天板までつれていっておすそわけ。
「ぴよ、ぴよぴよ!」
 おみかんつんつんぱくり。こっちはたべられるんですね、という風にぴよと鳴くひよこさん。
 食べ終わったら、ふたたび布団にのっかってぴょんぴょん。もふもふ、ふわふわ。

「えへへ、あったかくなればなるほど、からっとおいしいお揚げになるんだよー!」
「待ってくれ、稲荷寿司だろ? からっとか? じゅわっとじゃないのか? 中の寿司はどこにいったんだ?」
 燈華自身がお寿司の具なのだろうが、そこは触れてはいけないお約束。突っ込みどころだらけで、矢継ぎ早に質問を繰り出す男だが。
「カリッ☆」
「音してるし! 仕上がりか?」
 美味しいお揚げのことをたーっぷり考えてほわほわ幸せに浸る燈華。幸せになればなるほどみかんもおいしい、むしゃむしゃもぐもぐ。
「もうちょっとしゅわわー」
「二度揚げか? もう、カリッと揚がってたんだ、揚げすぎになって焦げないか」
「もうちょっとしゅわわーぱりぱり」
「音変わってきたぞ」
「カリカリッ☆」
「揚げあがってるぞ。……そういや、お前さんなんで寿司を揚げてるんだ? しかも二度揚げで」
 ほいほい突っ込む男だが、その声は半分くらいしか届いていないのかもしれない。かみ合っているようで、ちょっとかみ合ってない話が続く。
「ひよこさんも一緒にしゅわわわー」
「ぴよー」
「おいこら、鳥の唐揚げになってるぞ」
 沢山お話をして、沢山おみかんをたべて、沢山ひよこさんと遊んで。燈華も、もう少しだけ暑さと戦います。



●お片づけの時間です。
 こうして猟兵たちの頑張り(犠牲)により『蠱窋の怪』はたいそう満足し、躯の海に……、
 待ってください。このまま帰れるとは思ってませんよね、そう、手練の猟兵たちをこんな目に遭わせて。
 ――暑いのと怒りは同じ分類の感情になるのだとか。あえて何にかは特筆しないが、めっちゃんこ燃える猟兵たちの渾身の力をこめたユーベルコードが蠱窋の怪に炸裂する!

「どっかーん! さくっ! ぷるん! ぽぽぽぽーん! ぴききぱき! ざく! ざばーん! ぺたぺた! ひゅーんすたたたたっ! もりもりもり! ぴかー! びゅー! さくっごおおお! ごおおおお! じゅわ~カリッ☆」

 こうして、ありとあらゆるユーベルコードを叩き込まれ『蠱窋の怪』は、けちょんけちょんになって躯の海に帰っていった。お片づけ完了です。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『川遊びしよう!』

POW   :    水かけっこしたり泳いだり

SPD   :    静かに魚釣り

WIZ   :    飲み物や食べ物を川で冷やす

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第3章 日常 『川遊びしよう!』に書かれている行動は一例です。食べ物や道具などを自由に持ち込んでお楽しみください。

●男は無事助けられた!
「お陰さまで助かった、俺は……漸太郎だ。何もないところだが良かったらゆっくりしていってくれ。ああ、川? もちろん、遊んでいってくれていいぜ」

●蠱窋の怪が居なくなると驚くほど涼しくなりました。長袖を着ても快適に過ごせるくらい涼しいです。
●とてもきれいな川の水が流れています。足を漬けるだけでもひんやり気持ちいいです。小さな滝もあります。川魚も泳いでいます。

●川の水で冷やした『すいか』があります。食べ放題です。すいか割りもできます。
●香神乃饗の『手づくりわらびもち』があります。ぷるぷるしています。良い水と良い粉を使っているので無難に美味しいです。
 出来立ての暖かいものでも、ひんやり冷やしたものでもお好みで。頼めばお好みの柔らかさに仕上げてくれます。
 ひきたて黄な粉、黒蜜、抹茶、青汁、御手洗のたれ、餡、アイス、手作り夏みかんピール、夏みかんマーマレードがつけ放題。
●『美味しい飲み物』もあります。水、緑茶、麦茶、抹茶、手絞り夏みかんジュースなどをご用意しています。言えばだいたい出してくれます。

●呼べば香神乃・饗が顔を出します。2章ではわらび餅の精霊の幻影が顔を出していましたが、今度こそ呼ばれない限りは顔を出しません。
 助けた男(漸太郎)は突っ込みが足りなさそうな場合と呼ばれた場合に顔を出します。どちらも構わなくとも問題ありません。気にせずお楽しみください。

●プレイング受付は8/16(金)午前8時31分から開始します。それまでにお送り頂いたプレイングは受付せず返却いたします。
●1日7名さま迄執筆できます、参加人数を確認して分散頂けると助かります。(団体さまは同日にお送りいただけると有難いです)
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
さて、討伐は無事に完了しましたが、まだ『毛玉』や『汗の痕』等が残っている可能性が高いですし、まず少しお掃除した方が良さそうですねぇ。
道具等御座いましたら、お借りしますぅ。

一通りお掃除が終わりましたら、何処かで『衣装セット』の『水着』に着替えて『川遊び』ですねぇ。
ゆっくりと楽しませていただきますぅ。

折を見て『わらびもち』と『西瓜』をいただきますねぇ。
『わらびもち』は定番の『黒蜜』と『黄粉』、『みたらし』も試したいところですぅ。

『お魚』や『暑くなった部屋で傷みかけている品』等、調理した方が良い品が有れば【指定UC】で[料理]を強化、調理させていただきますぅ。



「まだ毛玉や汗の痕等が残っている可能性が高いですし、お掃除してもいいですかぁ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が申し出ると、
「いや、そういうのは残ってないみたいだぞ」
 そう、部屋の中はオブリビオンが現れる前に戻っていた。蠱窋の怪が消えると同時にきれいさっぱり消え去ったのだが、あくまで『元通り』なのだ。
「冬の支度を残していたらまた蠱窋の怪が出るかもしれません、よろしければお片付けいたしますぅ」
 冬の支度は出されたままだ、このままでは再び蠱窋の怪になるかもしれない。もう一度この討伐を行うのも厄介だ、片付けておくのが良いだろう。
「そりゃそうだな、頼んでいいか」
「はい、道具をお借りしますぅ」
 男も快諾し、るこるは部屋の掃除をした。――しばらくして。

「お待たせしました、お片づけが終わりましたのですぅ」
「うわすげー! なんだこれ俺の部屋か? こんなに広かったのか。猟兵ってすごいんだな、ありがとよ助かったよ」
 目を輝かせて喜ぶ男。はにかみ笑いを浮かべる、るこる。炬燵を片づけ床を履き、簡単にふき掃除をしただけなのだが、これだけ喜んでもらえるとは。ものぐさな男のことだ、日々の掃除もたいしてしていなかったに違いない。
「どこか、着替えられるところをお借りできませんか?」
「着替え? ああ、この小屋を使っていいぞ。俺は外してるから好きに使ってくれていい。なあに、覗かねぇから」
 木こり小屋を出ていく男。着替えの場所は貸して貰えた、他の猟兵たちにも声をかけておこう。

「冷たいですぅ」
 川の水を手ですくい思わず声をあげる、るこる。思っていた以上にひんやりしていた。透き通った水がさらさらと指の間を流れる。
「海にはいきましたけど、川はどうでしょう」
 思い切って今年初めての川に踏み込んだ。やはり冷たい、びくんと震える、るこる。うしさん模様のホルターネック・ビキニに包まれた胸もぷるんと揺れる。でも、その冷たさが気持ちいい。さっきまで暑すぎる部屋にいたのだから。
「――! 何かいますぅ」
 足の間を何かがすり抜ける気配に声をあげる、るこる。見渡すと何かが泳いでいる。これは……そう、犯人はこの魚だ。
「もう、驚かせないで頂けますかぁ。待ってください、お仕置きですぅ」
 逃げた魚を追いかけて、るこるの川遊びが始まった。

「休憩ですぅ、私もわらびもちと西瓜を頂きますぅ」
 川からあがってきた、るこる。タオルで水を綺麗に拭いてから縁側に腰掛け、小皿に盛り付けられたわらび餅を手にとる。
「ぷるぷるして美味しいですぅ」
 一口ぱくり。ふわっと頬がほころんで、口に溢れる幸せの味。ぱくぱくぱくり。定番の黒蜜と黄粉、定番だからこそ落ち着く甘さ。運動したあとの体に染み渡る。
「みたらしも試してみましょう」
 甘辛いたれにつけて、ぱくり。みたらしとは違う食感が楽しい。あまじょっぱい餅が口の中でぷるぷると踊る。
 最後にスイカをぱくり。シャリっと軽い食感、甘い果汁が口の中に溢れる。ふと庭を見ればスイカ割をしている猟兵も居る、あとで挑戦してみるのも楽しいかもしれない。でも、
「おやつを頂きましたので、今度は私が腕を振う番ですぅ」
 掃除時に暑さで痛みかけた食材を見つけていた。このまま捨てるのは勿体無いと、残してあった。
「大いなる豊饒の女神、《楽園の地》の豊かなる恵みと力をお貸しくださいませ」
 祈りを捧げる、るこる。神聖なる気が辺りに充満する、調理力を高める儀式は成功した。神の力を宿したるこるの手により傷みかけていた食材は見事に調理され、川で採った魚と共に美味しく皆に振舞われるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高階・茉莉
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
暑い戦いが終わって、漸くひと段落できますね。
川遊び、とても涼し気な感じがして楽しみです。

■行動
川の水で、すいかを冷やしてみましょう。
「とても美味しそうなすいかですね、川で冷やしたすいかは絶品でしょうね」

私も、すいか割りにチャレンジしてみましょうか?
【第六感】で、すいかの位置を見破って
思いっきりすいかを割ってみましょう。

「わぁ、とても冷たくて美味しいです」
と、すいかを食べながら涼んでおきますね。
「すいかって、塩をかけると、より甘みが増すらしいですね」
という事で、塩を少しパラパラっとかけて食べてみたいです。



「暑い戦いが終わって、漸くひと段落できますね」
 縁側に座る高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)。借りた団扇でぱたぱた扇いで涼みながら、川を眺めていた。水着に着替えて遊んでいる猟兵の姿が目に眩しい。
「川遊び、とても涼し気な感じがして良いですね」
 私も水着を持ってくればよかったでしょうか。ちょっぴり羨ましい。

 もう少し下流を見れば、丸々と転がるすいか達。見事な大玉だ。
「とても美味しそうなすいかですね、川で冷やしたすいかは絶品でしょうね」
「ああ、この川の水よく冷えるから美味いぞ。あのすいか、お前さんら猟兵が持ってきたものだろ? 分けてもらってきたらどうだ」
 ひょっこりと顔を出す男。無事助け出されて外で寛いでいるのだろう。
「そうですね。私も、すいか割りにチャレンジしてみましょうか?」
「へえ、すいか割りか。じゃあ案内役がいるんじゃねぇか。手伝ってやろうか?」
「お願いできますか? お礼に割れたらひとかけら差し上げます」
 にっこり笑う茉莉、商談成立だ。こうして茉莉のすいか割り大会が始まった。

「そこ、そう、そのまま真っ直ぐだ」
「こっち、でしょうか」
 目隠しをして棒を持ち男の言う方向に進む茉莉。ぐるぐる回ったせいで、どこにすいかがあるのか解らない。目隠ししたせいで、どこを歩いているのかも解らない。頼りになるのは男の声だけだ。言われた通り恐る恐る歩みを進める。
「もうちょっと左……そうそう、そこだ、そこにすいかがあるぞ」
「えっと……」
 おかしいと勘が告げる。――もしかして。閃きを感じた方向、指示とは反対側、右側に棒を振り下ろす。
 ぽこり! 何かが砕ける感覚が棒を伝わり手に残る。目隠しをはずす。目に飛び込んできたのは割れて真っ赤な中身を晒している果実。すいかが割れている。
「おっと見抜いたか。なかなか食えねぇ、猟兵の勘ってやつか」
 驚きに目を瞬かせる男。騙せると慢心しきっていたのか、見抜かれて心底感心しているよう。
「もう、だましたんですね。嘘つきにはすいかはあげません」
 あきれ返る茉莉。勘を信じてよかった。疑いたくは無いのだけど、やはり嘘だったのだ。
「そりゃないぜ。一寸からかっただけじゃないか」
「……仕方ありませんね、一欠片だけですよ」
 くすりと笑む。これくらいの冗談はかわいいもの、許してあげましょう。

 気を取り直して縁側に座り、そよぐ風に涼みながら割れたすいかをぱくり。
「わぁ、とても冷たくて美味しいです」
 感嘆の声をあげる茉莉。冷たい果汁が暑さで乾いた喉を潤し、甘みが疲れを癒してくれる。種を楊枝で掻き出してから、もう一口。シャリシャリとした軽い歯ざわりが心地いい。――そういえば、
「塩を頂いてもいいですか?」
「塩か? いいけど、何に使うんだ」
 ふと閃いて男に尋ねると、快く塩の入った壷を出してくれた。
「すいかって、塩をかけると、より甘みが増すらしいですね。この前読んだ本に書いてあったんです。試してみていいですか」
 塩を一つまみ、パラパラっとふりかける。赤い果実に白い結晶がキラキラと輝く。さて、どうなるのかな。ぱくり。
「美味しいです」
 ほっこり笑顔。塩味が甘みを一層ひきたてている。そのままのすいかとは一味違う美味しさだ。甘いまま、塩をかけたもの、どちらも交互にぱくりぱくり。
 本で読むだけでは解らない実物の味をかみ締めて、茉莉はすいかを楽しみつくした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイシュ・ユコスティア
チャム(f13914)と二人描写希望。
野営道具を持ち込む。

静かな場所を見つけて釣りをする。
「脅かそうと思った?
気配ですぐわかったよ。」
魚が釣れたら塩を振り、火を起こして焼く。
川魚はこうやって食べると美味しいんだよ。

スイカ割り?僕が割るのかい?
チャムにやり方を聞いて、目隠しして木の枝(武器)で探りながらスイカを探す。
どこ…どこだ?
割れたら、ナイフで4等分にしてがぶっと食べる。
塩で甘くなるとは…不思議。

次はわらび餅?食べてばかりだなぁ。
僕は食感があるほうが好きかな?
味付けに迷う…
チャムのおすすめはある?
「それはかなり甘そうだね…。」
飲み物は麦茶。

たくさん食べ過ぎた~。
ちょっと走ってくるよ!


チャム・ティータ
ノイシュ(f12684)と参加

チャムは川の水でスイカを冷やしておいたの
第六感でノイシュを探しだして、後ろからそーっと近づく
あっ、どうしてわかったの?

一緒にお魚を食べるの
食べるのが大好きなチャムでも川魚は初めてなの
大人の味!

ノイシュ、スイカを割って!
「そっち!右!じゃなくて左だ!」
わぁー、美味しそう
スイカはお塩を振って食べるの
ノイシュ、種は食べちゃダメだよ

メインディッシュはわらびもちなの!
チャムは冷たくて柔らかモチモチがいいな
きな粉と黒蜜をたっぷりかけて、アイスをいっぱい乗せて食べるの!
ついでに飲み物の冷えた抹茶にもアイスを乗せるの
ノイシュも試してみて

チャムはまだまだ食べるよ!



 野営道具を持ち込んで静かな場所で釣りをしているノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)。まだ釣れる気配は無い。さらさらと流れる川を見つめながら、のんびり羽を伸ばしていた。
「チャムお帰り」
 背ごしに声をかけるノイシュ。妹の悪戯くらいお見通しだ。
「あっ、どうしてわかったの? チャム、そーっと近づいたよ」
 きょとんとするチャム・ティータ(星空パフェ・f13914)。見えないところから近づいたはずなのに、
「脅かそうと思った? 気配ですぐわかったよ」
「むう、ノイシュずるいよ。いつもそうなの」
 ツンと拗ねるチャム。ちょっとくらいは驚いてくれてもいいのに。
「まだまだだねチャム。おっと、ちょっとまってて、かかったようだよ」
 慌てて竿を立てるノイシュ。魚のかかるタイミングまでは見抜けない。女心よりも魚のほうが手ごわいかもしれない。
「チャムも手伝っていいの」
「大丈夫、すぐ釣れるよ」
 魚の動きにあわせ竿を左右に揺らして奮闘するノイシュ。暫くして魚が釣りあげられる。釣れた魚はノイシュが自慢の腕を振るって塩焼きにした。チャムに焼き方を説明しながら手早く作ったのだ、はらぺこチャムが生焼けのうちに食べ始めないように。

 焼きあがった魚を早速ぱくり。
「チャム、美味しいかな?」
 優しく見守るノイシュ。食べるのが大好きなチャムでも川魚は初めて食べるはずだ。どういう顔をするのだろう。
「大人の味! でも美味しいの!」
 満面の笑みを浮かべるチャム。初めて体験した味をしっかりと記憶に焼き付けながら。

 魚を食べたら、次はデザートの時間です。
「川の水でスイカを冷やしておいたの、ノイシュ、スイカを割って!」
「スイカ割り? 僕が割るのかい?」
 おねだりするチャム。チャムの頼みなら断れない。目隠しをするノイシュ。棒を持ち、スイカを探し始めた。
「どこ……どこだ?」
「そっち! 右! じゃなくて左だ!」
 一生懸命応援するチャム。フードファイターの誇りにかけて、本気で応援している。熱い気持ちは止まらない、少々言葉遣いが荒くなっても仕方が無い。
「こっち……なのかな」
 そういわれても目が見えないとよくわからない、四苦八苦するノイシュ。棒でトントン地面を叩き、スイカの場所を探りながら進みます。
「ノイシュ、そこだ! そこで振り下ろして!」
「ここだね、わかったよ」
 棒を振り下ろすと何かが潰れる手応えがあった。目隠しをとるノイシュ。スイカが真っ二つに割れている。
「やったのー!ノイシュすごいのー!」
 ぴょこんと跳ねて喜ぶチャム。

 ダイナミックににスイカ4等分。大きなスイカに、大きな口で、がぶっとかぶりつく2人。みずみずしい果実が口の中に溢れる、シャリシャリした食感も心地が良い。美味しい。でも、うーんと悩み顔のチャム。そう、何かが足りないのだ。足りないものは……、
「スイカはお塩を振って食べるの」
 ぱらぱらと塩を振り、ぱくり。甘い!同じスイカなのに、さっき食べたスイカより甘くておいしい。
「塩で甘くなるとは……不思議」
 そう、ふりかけたのは辛いものだ。塩からくなるのじゃないか。どうして甘くなるんだろう。
「あっ、ノイシュ、種は食べちゃダメだよ」
 謎を解き明かそうと考えるうちに種まで食べ始めるノイシュ。チャムに言われてはっと現実に引き戻されるのだった。

 まだまだデザートの時間は続きます。
「メインディッシュはわらびもちなの!」
「次はわらび餅? 食べてばかりだなぁ」
 まだまだ食べる気のチャムに、苦笑するノイシュ。鍋も、魚も、スイカも食べたのだ。そろそろ胃袋が限界を訴えても良いころだ。チャムの胃袋には底がないのだろうか。一人で食べさせるのは味気ない、つきあって食べることにした。わらびもちを貰いに行く2人。聞いてみると硬さも選べるよう、2人が選んだものは、
「僕は食感があるほうが好きかな?」
「チャムは冷たくて柔らかモチモチがいいな」
 食感があるほうが美味しいのに、女の子の好みはよく解らないなと思うノイシュ。チャムも同じ事を考えているかもしれない。
「チャムのおすすめはある?」
 目移りしてしまうノイシュ。チャムなら美味しいものを知っているだろう、思い切って聞いてみた。
「きな粉と黒蜜をたっぷりかけて、アイスをいっぱい乗せて食べるの!ついでに飲み物の冷えた抹茶にもアイスを乗せるの」
「それはかなり甘そうだね……」
 目をキラキラ輝かせ勧めてくるチャム。迫られては断れない、でもどうしよう、甘すぎて食べられないかもしれない。ノイシュはひとまず飲み物だけ先に決め、普通の麦茶をいれて貰うのだった。

「たくさん食べ過ぎた~。ちょっと走ってくるよ!」
 駆け出すノイシュ。もう食べられないのを誤魔化したい、兄としての矜持が負けを認めるのを許さないのだ。
「チャムはまだまだ食べるよ!」
 美味しいものを沢山食べられてご機嫌なチャム。ノイシュの様子に気付いてないようだ。この様子ならノイシュが小屋の周りを1周して戻ってくる頃には、すべて食べ尽くしているだろう。食べ終われば次の食べ物の事を考えるはず、ノイシュがなぜ走りまわっていたのかなんて気に留めないはずだ。涼しくなり頭のキレが戻ったノイシュの作戦は、きっと大成功するに違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオラ・アップルトン
アドリブ・絡み歓迎です

漸太郎さん、無事でよかった
ボクね、香神乃さんのわらびもちが食べたくて頑張ったんだ
もしよければ温かいのと冷たいの
両方とも試してみたいな
香神乃さんのお勧めはどっち?
あ、柔らかさは香神乃さんのお勧めでお願いします

サムライエンパイアらしく
黒蜜でいただこうかな
んーっ、ぷるぷるしてて美味しいー!
わらびもちって美味しいんだね
温かいのもいいけど、冷たいのはどんどん入っちゃう

漸太郎さんも食べて食べて
ボク、ひとりで来たから
一緒に食べてくれる人がいると嬉しいんだ
あ、でも、今度はちゃんとお片付けしないと駄目だよ?
さすがにあの暑さはしっぽぺしゃんってなっちゃうもん



 猟兵たちが掃除や着替えなどを済ませたあとの木こり小屋。ずらりと並べられた麹蓋、そこに盛られているわらび餅をヴィオラ・アップルトン(星の娘・f20323)は見比べていた。
「あっ、アップルトンさんお疲れ様っす!わらび餅食べていかないっすか?」
 目ざとく姿を見つけた饗が声をかければ、
「うん、食べていくよ。
 ボクね、香神乃さんのわらびもちが食べたくて頑張ったんだ」
 麹蓋の間をうろうろ、どれも美味しそうだよね。
「わあ、ありがとうっす! 俺もめっちゃんこ頑張ってくれた猟兵さんたちにお返しがしたくて作ったんっす。たっぷり食べてってほしいっす。どれがいいっすか?」
「温かいのと冷たいのがあるんだよね、ボク両方とも試してみたいな」
「良いっすよ。お試しサイズっすね。はい、おまちっす!」
 ちょっとづつ小皿によそってだしてくれる。サムライエンパイアらしく黒蜜をかけてぱくり。
「んーっ、ぷるぷるしてて美味しいー!」
 ぴこぴこ揺れる猫耳。満面の笑みを浮かべる。口の中で柔らかい餅がぷるんと揺れた、触感が心地いい。わらびもちって美味しいんだね。
 今度は暖かいのと冷たいのを交互にぱくぱく、
「温かいのもいいけど、冷たいのはどんどん入っちゃう。どうしよう、ボクこれ止められないかも」
 暖かいのも冷たいのもどちらも良いところがあってとても迷う、こまったなどうしよう。
「香神乃さんのお勧めはどっち?」
 そうだ、困ったときは聞いてみよう。
「当然冷たいほうっす。さっき暑いところにいたっすから、冷たいほうが気持ちいいっす。冷たくて柔らかいのが、のど越しよくて気持ちいいっす」
「じゃあ、ボクそれにする。2人分もらっていい?」
「良いっすよ、お友達の分ならお土産用に包むっす」
 首を横に振るヴィオラ、示す先にいたのは、

「漸太郎さん、無事でよかった」
 ひょっこり覗き込む。助けたばかりの男の姿を見つけ、声をかけたのだ。
「……っ、なんだ。猟兵か、脅かすない。心配してくれたのか、ありがとよ」
 肩をびくっと震わせる男。話しかけられるとは思いもしなかったのだろう。
「驚かせてごめんね。わらびもちを貰ってきたんだ、漸太郎さんも食べて食べて。
 ボク、ひとりで来たから一緒に食べてくれる人がいると嬉しいんだ」
「あー……じゃあ、もらっておくか」
 無碍に断るのは悪い。男はヴィオラに付き合うことにした。並んで縁側に腰掛ける。
「なかなかいけるな、へえ、和菓子を作れるやつもいるのか」
「うん、美味しいよねわらびもち」
 わらびもちをぱくぱく、ご機嫌に尻尾をぱたぱた。
「掃除のうまいやつもいるし、猟兵ってすごいんだな」
 さっきこの部屋を掃除していた猟兵がいた。その甲斐あっていまは見違えるほどきれいになっているのだが、
「でも、今度はちゃんと漸太郎さんがお片付けしないと駄目だよ?」
「まー、適当にするわ」
 生返事が返ってくる。もともと物臭な男なのだ、糠に釘かもしれない。
「さすがにあの暑さはしっぽぺしゃんってなっちゃうもん」
 尻尾をつかんでしゅっとすぼめてみせる。
「しっぽぺしゃんか、そりゃ大変だ。でも、俺には尻尾はないからなあ。……そんな目でみるなよ」
 あきれ顔のヴィオラ。のらりくらりとかわされて、やっぱりいっても無駄なのかもしれない。
「そんなに面倒かな、きれいにしておくと気持ちいいよ。尻尾がふわっとなるもん」
「わかったわかった、できるだけやっておくよ。尻尾のためにな」
 約束だよ、と念押しして、わらびもちをもう一口。美味しいものと約束と、どちらも忘れずいただきました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・燈華
\わらびもち!/(両手を広げて、ぱああと笑顔)
おこたで汗をかいた後は、ひんやりした川辺で涼もうっと
えへへ、ひえひえで気持ちいいなあ

本命は饗くんの作ったわらびもちだよっ
わわ、透明でぷるぷるしてて、見た目も涼しげで美味しそう!
すごいなあ、作り方のコツを教えて貰おうかなあ
そう言えば、わらび餅の精霊さんは饗くんに似てたみたいだよー

そんな風に声をかけながら、わらびもちをむしゃむしゃ
トッピングはきなこで、こうすると色合いがお揚げっぽいよね
あ、そうそう、おこたに入ってた時
しゅわわって油揚げが揚がって、カリカリになったんだよ!
……あれ、まだちょっと、頭がぼーっとしてる?

夏みかんジュースも頂いて
のんびりするんだ



 \わらびもち!/  \わらびもち!/
 篝・燈華(幻燈・f10370)と饗は両手を広げて、ぱああと笑顔。燈華が両手を広げれば、饗もあわせて両手を広げる。
「これなんの挨拶っすか!?」
「わらび餅の挨拶だよ」
 \わらびもち!/  \わらびもち!/
 今度は饗から両手を挙げてご挨拶。2人の笑顔が夏の日差しにキラキラ光る。

 おこたで汗をかいたあとは、川辺でのんびり休みましょう。
 川辺に腰掛けて足をつける。ひやりっ、冷たい。
「えへへ、ひえひえで気持ちいいなあ」
 暑いところにいたから冷たさが心地良い。あせももでなくてよかった。全身の力を抜いてまったりまったり。川の流れに足を任せて。

 一息ついたらわらびもちをいただきます。
「饗くんの作ったわらびもち楽しみにしてたんだよ」
「そうなんっすか? えへへ、嬉しいっす。好きなだけどうぞっす」
 声をききつけて一皿もってきてくれた。
「わわ、透明でぷるぷるしてて、見た目も涼しげで美味しそう!」
 ぷるぷる揺れるわらび餅。透明な色合いが目にも涼し気だ。
 さっそく黄な粉をぱらぱら。半透明の餅を包み込む狐色。これはどこかでみたような?
「こうすると色合いがお揚げっぽいよね」
 ひらめいた、これはお揚げっぽい。大好きなものに似ているなら、きっと美味しいにちがいない。一口ぱくり。
 ひんやり、ぷるぷる、もちもち。黄な粉の甘い味が口の中に広がる。ごくんと飲み込めば喉をつるっと通りすぎる。ちゃんと普通においしいわらびもちだ。
「すごいなあ、作り方のコツを教えて貰おうかなあ」
 感心の声をあげる。振り返れば、視線に気づいて縁側から手を振ってくれる饗。
「おかわりっすか?」
 新しい皿を持ってきてくれる。
「あれ? まだあるじゃないっすか」
 皿に残ったわらび餅を見て目をぱちぱち。
「おかわりじゃないんだよ、作り方のコツを教えてほしいんだよ」
「コツっすか? んー……粉と水を鍋に入れ火にかけて、練るだけでできるものっすから、コツっていうほど難しいものはないっす」
「そんなに簡単にできるんだね」
 きょとんとする燈華。もっと難しいと思っていたんだよ。
「焦がさないようにしっかり混ぜればきれいにできるっす。スピード勝負っす!」
 拳をぐっと握り、できた力拳を反対の手でぽんとたたいて笑顔の饗。
 仕上がりが近くなると焦げやすくなる、焦げないように練り上げるのが大事なのだという。
「今から1皿作るっすから、見ていかないっすか?」
 一度見たら解るっすと笑む饗。台所を借りて作り始めた、せっかくだから見学していこう。
 レシピも作り方も簡単で、家に帰ったらすぐに作れそう。作りたての餅は熱く柔らかい。水に落とし軽くさましてぱくり、冷たいものとは違うとろける食感が美味しい。

「あ、そうそう、おこたに入ってた時、しゅわわって油揚げが揚がって、カリカリになったんだよ!」
「へ? カリカリ? あのアッツイなかに油持ち込んでたんっすか?
 油揚げカリカリパーティーしてたんっすか!? 篝さんすごくないっすか!?」
「してねぇから、油なんか持ち込まれてないからな」
 目をキラキラ輝かせて興奮する饗、すかさず男に突っ込まれている。
「へっ!? じゃあなんでカリってしたんっすか?」
「……あれ、まだちょっと、頭がぼーっとしてる?」
 2人そろって小首をかしげて。夏の暑さが見せた幻影かもしれない。あんなに美味しそうだったのに。
「そう言えば、わらび餅の精霊さんは饗くんに似てたみたいだよー」
「そうなんっすか? めっちゃんこイケメンな精霊が出たんっすね
 で、わらび餅の精霊ってなんっすか?」
「わらび餅の精霊はわらび餅の精霊なんだよ」
「へえ、俺精霊になったんっすね。わあ、ヤドリガミから精霊進化っす!」
「お前さんら、微妙にボケてくな。どこらへんから突っ込めばいいんだ」
 男にも合いの手を入れられながら、夏みかんジュースを飲んでのんびりまったり。ひとやすみひとやすみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と参加

川の水が冷たくて気持ちいいな。本当に生き返る
人目がなければ頭から水でも被りたいくらいだが、さすがにそれは自重しないとだな

よし。一仕事したんだ、どちらも食べよう
私が黒蜜が気になるけど、リナはどうする?別々のにして分け合おう
わらびもちって作れるのか…?本当にリナは料理上手で羨ましい
私が作ったらス(ライムと言おうとして、さすがに止めた)…んだこの透明感は出そうにない
ああカガリ、黄な粉を吸い込んでは危ないからそんなに近づくな
ちゃんとキミの分もあるから

なら、私は緑茶で
…そういえば、あのピヨすけ達はどこに行ったんだろう?
カガリとも仲良くなっていたし、一匹くらい連れ帰りたかったな


木槻・莉奈
ニナ(f04392)と

(ぱしゃぱしゃと川に浸した足で水を蹴り
あー、きもちいい!がんばったあとだもん、尚更よね

(ひとしきり遊んでから甘い物を食べに
すいかもいいけどわらびもち気になる…ニナ、どれにする?
冷やしたやつがいいなーと思うんだけど、どれも気になる!
だ、だってほら、わらびもちは作った事ないし、一回食べて味覚えたら作る時の参考になるし!
一杯汗かいたし食べ過ぎって事もないと思うの!
カガリもそう思うよね、ね?

ニナったら、そもそもこれ饗の手作りでしょって…そうだ、手作りなのよね!
レシピ…聞いたら教えてもらえないかな(そわそわ

あ、飲み物は抹茶で!
甘いお菓子と抹茶の爽やかな苦みの組み合わせっていいわよね



 木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)、ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)と川で水遊びをしていた。焔竜のカガリは水に濡れないところでお留守番だ。ぱしゃぱしゃと川に浸した足で水を蹴る。
「あー、きもちいい! がんばったあとだもん、尚更よね」
「川の水が冷たくて気持ちいいな。本当に生き返る。
 人目がなければ頭から水でも被りたいくらいだが、さすがにそれは自重しないとだな」
 周りに他の猟兵たちがいる、残念ながら貸切ではないのだ。頭から水を被っている猟兵もいるが、流石に真似はできない。
「足だけでも気持ちいいわ。ほら、ニナ」
 ぱしゃり、ニナに向け水を蹴る莉奈。
「そうだなリナ、贅沢は言ってられないな」
 ぱしゃり、お返しにかけ返すニナ。ぱしゃぱしゃと水がはね、キラキラと水滴が輝く。あふれる笑顔、弾む声。楽し気に踊る2人の影が水面に揺れていた。

 川遊びが終わったら、おやつの時間です。
「すいかもいいけどわらびもち気になる……ニナ、どれにする?」
 ずらりと並べられた麹蓋を交互に眺める。湯気のあがるもの、氷で冷やされたもの、硬さも色々で眺めているだけでも心が躍る。
「冷やしたやつがいいなーと思うんだけど、どれも気になる!」
 真剣に悩む莉奈。暑さに耐えた後だから、冷たくのど越しが良いものが食べたい。でも、いざ目の前に並べられると目移りしちゃう。
「だ、だってほら、わらびもちは作った事ないし、一回食べて味覚えたら作る時の参考になるし! 一杯汗かいたし食べ過ぎって事もないと思うの! カガリもそう思うよね、ね?」
 どれも食べたいなんて、食い意地がはってるといわれないかしら。恥ずかしくなって誤魔化すように早口でまくしたててしまった。カガリに同意を求め、指を組んでそわそわ。
「きゅー」
 そんな気持ちを察してか、同意を示すように鳴くカガリ。
「よし。一仕事したんだ、どちらも食べよう」
 きっぱりと決断するニナ。こうして目の前に並べられるとどれも食べたくなるのが乙女心だ。きっとリナもそうしたいのだろう。一通り盛り付けてもらおう。
「私は黒蜜が気になるけど、リナはどうする? 別々のにして分け合おう」
 味も色々楽しみたい、乙女はちょっぴり欲張りなのです。

「そういえば、わらびもちって作れるのか……? 本当にリナは料理上手で羨ましい」
 ふとした疑問を口にして、博識で器用な友を褒めたたえれば、
「ニナったら、そもそもこれ饗の手作りでしょって……そうだ、手作りなのよね!
 レシピ……聞いたら教えてもらえないかな」
 素直に褒められ若干照れる莉奈。でも、そう、作れるんだわ。菓子作り自慢の血が騒ぐ、そわそわする莉奈。
「私が作ったらス……」
「ス? がどうしたの」
「んだこの透明感は出そうにない」
 スライムと言おうとして、さすがに止めた。これから食べるものなのだ、変なイメージをつけてしまうと食べ辛い。ニナはなんとかごまかす。気づかれていないはずだ。
「透明感が出るまで練るものっすから大丈夫っす。弾力に負けない腕力があったら透明になるっす!」
 隣から饗がフォローを入れるがそういう話じゃないんだよなという言葉は飲み込んで、レシピを教えてもらえないか頼んでみる。
「ほえ? レシピって作り方っすか? めっちゃんこ簡単っす、粉と水を鍋に入れて混ぜながら煮るだけっす。水の分量は粉によって違うっすから説明書を見れば間違いないっす」
 へらりと愛想良い笑顔を浮かべながら説明してくれる。
「丁度今から1皿作るんっすけど見ていくっすか?」
 他の猟兵にも尋ねられたから、実演して見せるのだという、台所を借りて作り始める。見学していこう。
レシピも作り方も簡単で、すぐに作れそう。作りたての餅は熱く柔らかい。水に落とし軽くさましてぱくり、とろける食感が美味しい。帰ったら試してみようか。

「あ、飲み物は抹茶で! 甘いお菓子と抹茶の爽やかな苦みの組み合わせっていいわよね」
「なら、私は緑茶で。緑茶の爽やかさも捨てがたい」
 見学を終え、最後に飲み物を頼む。ほいほーいと軽いが帰ってくる。すぐに、すべての注文を揃えて届けてくれた。

「ああカガリ、黄な粉を吸い込んでは危ないからそんなに近づくな。ちゃんとキミの分もあるから」
「ぷしっ」
 くしゃみを一つ、ぼふんとあがる黄な粉煙。ふんふんと鼻息荒く興味津々に覗き込んでいたのだ。言われる前に吸い込んでしまっていた。そんなカガリに少し呆れて、むせるのを収めるよう背をひとなで。黄な粉塗れにならなかったのは幸いか。
「もうカガリったら」
 くすくす笑う莉奈。
「どうしてそんなに食い意地が張っているのか」
 ニナも苦笑して。改めてカガリの前に一皿おいてやる。黄な粉と黒蜜をたっぷりまぶした甘い一皿だ。それぞれの手元にゆきわたったところでいただきます。
「黄な粉は定番だもの、やっぱりいいわね」
「黒蜜もつるんとしていて美味しいな」
「きゅー!」
 今度は交換してぱくり。どちらも美味しい。顔を見合わせ笑顔があふれる。
 決めきれなかったから、全てのつけあわせをつけてくれている。少しづつかけてぱくぱく。
 たっぷり味わって、お茶を飲んでほっこり一息。

「……そういえば、あのピヨすけ達はどこに行ったんだろう?
 カガリとも仲良くなっていたし、一匹くらい連れ帰りたかったな」
「きゅー……」
 顔をあげるカガリ。口のまわりを黄な粉まみれにして。その鳴き声は少し寂しげに聞こえた。
ピヨすけたちは蠱窋の怪とともに消えていた、幾ら可愛くともオブリビオンなのだ。
「きっとまた会えるわ。冬になれば出てくるんじゃないのかしら」
「そうだな、また冬に――」
 見上げれば青い空、どこまでも続く夏の空。まったりと話の花を咲かせて、わらび餅をぱくり。おやつの時間はまだこれからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ジャンブルジョルト
●なんにもしてないくせにちゃっかり川遊びに参加

饗のわらびもちか。よし、スイキョーたる俺様が採点してやろう(ナチュラルに上から目線)。あ、スイキョーってのは『酔狂』じゃなくて『スイーツ強者』の略だかんな。
(川辺に座り、水に浸した足をバチャバチャさせながら)よく冷えたやつに黄粉をたっぷりつけて……(もぐもぐ)……うまーい! 百点だぜ、饗!
(口の周りを黄粉まみれにして食いまくる)
黄粉を堪能した後はマーマレードで……はい、これも百点!
(口の周りをマーマレード略)
あー、食った、食った。腹を冷やしすぎるのは良くないから、最後は熱くて渋いお茶で締め……熱っ!?(猫舌)

※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。



●なんにもしてないくせにちゃっかり川遊びに参加
 はい、いらっしゃいませー。3章だけでも良いんです、お気楽に食い散らかしていってくださーい! 煮たり焼いたりはしませんが、今回ゆるゆるモードですからね、ゆるーくいかせていただきます。では、スタート!!!

 カツーンカツーンカツーン……

「な、何事っすか! 何か来るっす!」
 ただならぬものが近づいてくる気配にとりあえず作業台に隠れる饗。
「饗のわらびもちか」
 饗の前で止まる足音、どこかで聞いた声が聞こえる。
「そ、そうっす」
 こわごわ顔を半分だけ覗かせる饗。ふわっふわの銀の猫耳がぴょこんと覗いている。あっ、この耳はこの前グリモアベースで見たような?
「よし、スイキョーたる俺様が採点してやろう」
 そこに立っていたのはジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)だ。これが当然といわんばかり、どや顔でナチュラルに上から目線で見下ろしている。
「あっ、この前の。えっ、さいきょーじゃなくて、すいきょー……あの、『すいきょー』っすか?」
 世の中で知らぬ人は居ない、あの伝説の……と真顔でごくりと生つばを飲み込む饗。
「ああ、あの『スイキョー』だ」
 厳しい表情で、琥珀色の瞳をギランと光らせる。何かよくわからないけど、とてつもなく巨大なプレッシャーがわきあがった気がする。
「す、すぅいかきょーれつにたべたいっすよね! 持ってきたっす!」
 すいかを取り出して作業台に置く饗。めっちゃんこ真面目に考えましたがこれが限界です!
「あ、スイキョーってのは『酔狂』じゃなくて『スイーツ強者』の略だかんな」
 かくっとこけて、気を取り直してニカっと笑うジャスパー。よい子にも悪い子にもわかりやすい種明かしの時間です。
「ほわ? スイカじゃないっすか? スイーツ、お菓子が食べたかったんっすか! ……ええと」
「JJと呼んでくれ」
「JJさんっすか。へへへ、合点承知っす! お手柔らかにお願いするっす!」
 漸く意味が解って、わたわたとわらび餅の準備をし始める饗。酔狂にかすりもしないのは天然ボケ仕様です。

 川辺に座り、水に浸した足を上機嫌にバチャバチャさせながら、わらび餅を楊枝でこねこね。
 よく冷えたやつに黄粉をたっぷりつけて、ぱくり。もぐもぐ、ごくん。
「……うまーい! 百点だぜ、饗!」
 口の周りを黄粉まみれにしてニカっと笑顔。
「わわ、百点っすか! やったーっす!」

 黄粉を堪能した後はマーマレードでぱくり。
「……はい、これも百点!」
 口の周りをマーマレードまにれにしてニカっと笑顔。
「ふあ、また百点っすか! やったーっす!!」

 マーマレードを堪能した後は黒蜜でぱくり。
「……グレイトだぜー、当然百点!」
 口の周りを黒蜜まにれにしてニカっと笑顔。
「えー、良いんっすか!? 採点ゆるくないっすか!?」
 この後、ジャスパーはありとあらゆるつけあわせを試し、百点をつけまくっていった。

「あー、食った、食った」
 ぽっこり膨れたお腹をぽんと叩く。調子にのって食べ過ぎたかもしれない、わらび餅でまんたんだ。
「腹を冷やしすぎるのは良くないから、最後は熱くて渋いお茶で締めるぜ」
「はいはい、淹れたてっす、どうぞっす!」
「ありがとう」
 お茶を手に取り、ダンディにくるんと一周まわしてからごくり。
「……熱っ!?」
 尻尾をぶわっと逆立たせ、顔をしかめ涙目で舌をぺろりと突き出す。
「あっ! お水あるっす!!」
 慌てて饗が跳んできて、水の入った湯のみを出してくれた。舌をちょんとつけ、ふうと溜息。
「忘れていた、猫舌だった!」
「あー! 猫さんだったっす!」
 揃って驚きの声をあげる。そう、猫だから仕方ないのだ。晴れ渡る夏空の下、2人の笑い声が響くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

あ゛―……ひっっどい目にあったわぁ…
敵の攻撃以外で幻覚見たのなんていつぶりかしらぁ…
さぁて、と。それはそれとしてわらびもちねぇ。

だいぶヘロヘロになっちゃったし、川べりで足つけてのんびりぽへーっとしてようかしらねぇ。あー、冷たくて気持ちいいわぁ…みかんジュースおいし―…
 
あったかい出来立てのわらび餅ももちろん好きだけど…今はちょっとパスねぇ。冷たいほうがいいわぁ。ちょっと固めのぷにぷにに作ってくれると嬉しいわねぇ。トッピングもいっぱいあるみたいだし、じゃんじゃん持ってきてちょうだいな。
(実は見た目以上に健啖。多分あったらあるだけ食べます。)



「あ゛ー……ひっっどい目にあったわぁ……」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は川べりで足をつけてぽへーっとしている。
「敵の攻撃以外で幻覚見たのなんていつぶりかしらぁ……」
 足をばたばた、水しぶきがばしゃばしゃ跳ねる。冷たくて足が幸せだ。
「みかんジュースおいし―……」
 みかんジュースをごくり、乾ききった喉に染み渡る。あんな暑さは二度とごめんこうむりたい、もう忘れよう。
「さぁて、と。それはそれとしてわらびもちねぇ」
 立ち上がって、木こり小屋に戻る。さぁ今度こそ本物の本命のわらび餅を食べよう。もう幻には惑わされない。

 木こり小屋の中に並べられた麹蓋、その後ろでわらび餅を盛り付けているのは、
「あ、わらび餅の妖精だぁ……」
「ふぁ!? 妖精っすか!? もしかして幻を見たのってシーディアさんだったんっすか?」
 突然声をかけられ目をぱちぱちする饗。妖精のことはさっき話してくれた猟兵がいたので知っているのだが、
「そうだよぉ。本当にアンタじゃないのぉ? よく似てたよぉ……」
 ほんとにちがうのぉと疑わしげに顔を覗き込む。
「違うっす、俺はグリモアの維持とかで手が離せなかったっす。あの暑さ、幻を見るほどだったっすか」
 わたわたと両手を振る饗。本当に知らないようだ。あれは妖精、饗とは違う存在なのだろう。やはり幻か。
「そうだよぉ。ほんとにひっっどい目にあったわぁ……」
 ため息を一つ。幻を見るほどなんて聞いてない、もうあの暑さを思い出すのも嫌だ。
「大変だったっすね、耐えきってくれてありがとうっす。お陰で討伐できたっす。お詫びといってはなんっすけど、思う存分食べてって欲しいっす! その、わらびもちの精霊特製っす!」
 冗談めいて言い、ニカっと笑う饗。
「やっぱりわらびもちの精霊なんじゃないのぉ?」
 じと目で見る。本当の事を言ってごらん?と脅しながら。
「ち、違うっす! 冗談っす! 俺じゃないっす!」
 ふたたびわたわた慌てる饗。冗談よぉと笑ってみせるティオレンシアを見て、饗は胸をなでおろした。

 気を取り直して、わらび餅を選びましょう。
「あったかい出来立てのわらび餅ももちろん好きだけど……今はちょっとパスねぇ」
「そうっすよね、さすがに暑い所で過ごした後は、」
「冷たいほうがいいわぁ」
「冷たいほうがいいっす」
 声を揃えて言う、満場一致だ。暑いところですごした後は冷たいものだ。
「ちょっと固めのぷにぷにに作ってくれると嬉しいわねぇ」
「良いっすね、ひんやりぷにぷに! そう言うと思って、ちゃんと用意してあるっす!」
 氷の上に巻き簾をのせ冷やしてあった、丸いわらび餅を皿に盛り付けてくれる。
「トッピングもいっぱいあるみたいだし、じゃんじゃん持ってきてちょうだいな」
「合点承知っす! じゃんじゃんもっていくっす!」
 最初は黄な粉をつけてぱくり。もちもちとした触感、のみこめばつるっとのどを通る。つめたさが心地よい。そして弾力もちょうどいい、注文通りの練り加減だ。粉と水は良いものを使っているのだろう、無難な感じで美味しい。これならいくらでも食べられる。
「おかわりぃ…」
「はいお待ちっす!」
 すっと新しい皿を出してくれる。受け取ってもぐもぐ……。
「おかわりぃ…」
「はいお待ちっす!」
 受け取ってもぐもぐ……。
「おかわりぃ…」
「はいはーいお待ちっす!」
 もぐもぐ……。
「おかわりぃ…」
「めっちゃんこ食べるっすね! はいどーぞっす!」
 盛りつけても、盛り付けても、ぺろりとたいあげるティオレンシア。わんこそばならぬ、わんこわらび状態だ。饗が隣につきっきりでぱかぱか盛り付けていけば、すごい勢いであるだけたいらげていく。仕舞には硬さや熱さにこだわらず、その場にあるわらび餅をすべてたいらげてしまった。こうして、わらびもちは完売し、無事すべてのお片付けが完了した。

 ――おしまい。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●ここから少しだけ時間を巻き戻して、わらびもちが残っているときのお話をしましょう。もうちょっとだけ続きます。
吉備・狐珀
落浜・語(f03558)殿と参加です

さっきの暑さが嘘のように涼しい。
でも、けっこう汗をかいてしまいました…。
きっちり和服を着ていたのは失敗です…。

はしたないですが袴の裾が濡れないように少し持ち上げて川に入ります。
川魚が泳いでいるだけあって、すごくきれいな川ですね。
それに冷たくて気持ちいいです。
川遊びを楽しんだら私もわらび餅を頂こうかな。
私はきな粉にアイスも添えて下さいな。

滝の近くで小川に足をつけながら、わらび餅を頂きます。
香神乃殿が自信をお持ちなだけあって、すごく美味しいです!
炬燵で怪談話聴きながらかき氷も良い経験になりましたけど…。
やっぱり、夏は涼しく過ごす方がいいですね。


落浜・語
吉備さん【f17210】と参加

あっつかった…。ただでさえ暑い季節だってのに全く…。
とりあえず川入ろう。汗でべたべたする。

裾まくり上げて川に入る。膝くらいまで入る分にはちょうどいいかなと。
暫くじゃぶじゃぶしつつ、体を冷ます。
こんだけ川が綺麗なのもこう言うとこだからこそ、だよなぁ。
体を冷ましたら、わらび餅をもらいに行こうかな。冷たいのを黒蜜で。
川岸に腰かけて、足だけ水に浸けて食べよう。
あー甘い。冷たい。やっぱり、暑い時は冷たいものだよなぁ…。炬燵は流石にな。



 落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)と吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)は川辺に足を運んでいた。
「さっきの暑さが嘘のように涼しい」
 目を細めてそよぐ風を浴びる琥珀。いつも通りの涼しげな顔をしているものの内心は複雑だ。あの暑さのなかきっちり和服を着こんでいたのが悪かった。結構汗ばんでいて気持ち悪い。なにか着替えをもってくればよかったか。
「あっつかった…。ただでさえ暑い季節だってのに全く……」
 ぶつくさ漏らしながら裾まくり上げて川に入る語。膝くらいまでなら服が濡れてぐしゃぐしゃにはならないだろう。
「あー、気持ちいい!」
 ひんやり冷たくて気持ちいい、足元だけでもスッキリとして生き返るようだ。
「琥珀も入ったらどうだ? 気持ちいいぞ」
 ふと琥珀を見れば、羨まし気にこちらを見ていた。遠慮しているのだろうか。思い切って声をかける語。
「……そうですね、じゃあ少しだけ」
 ほんの少し迷った、でも袴の裾を少し持ち上げて川に入る琥珀。裾を持ち上げるなんてはしたない、でもやむをえないのだ。このまま、全身べたべたなままよりは……。
「本当ですね、冷たくて気持ちいいです」
 ほっと息が漏れる。汗でねばつく肌が解放されるようだ。
 川の水を手ですくってみれば、指の間をきらきらと澄んだ水が零れ落ちた。
「川魚が泳いでいるだけあって、すごくきれいな川ですね」
 ひんやり冷たいからという理由もあるが、気持ちいいのは清涼な水だからこそ。目を凝らすと小さな魚が泳いでいる。水着に着替えて魚を捕まえようとしている猟兵もいるくらいだ。
「こんだけ川が綺麗なのもこう言うとこだからこそ、だよなぁ」
 空を見上げる。澄んだ空気が一帯を覆い、山が栄え、森が茂り、川が流れ、馬が……馬? きっと誰かが連れ込んだのだろう。馬はさておき、綺麗な川が流れているのは、こうした豊かな自然の恵みがあるからこそだ。
 のどかでいいなあ。2人は大自然の中にいることを実感した。
「ちょっと水かけしていかないか?」
 ばしゃんと水を蹴り、足元にかけてくる語。
「語殿、あまり弾けては……」
 着物が濡れてしまいますと慌てる琥珀。でも、少しくらいは良いのかもしれない。何より、こうして楽しそうな語殿を見られるのは安心する。
「少しだけですよ」
 水を語の足に向けて軽く蹴り返す。そう、少しだけ付き合おう。着物が濡れないようにする、もし濡れたらたら、手ぬぐいを借りて拭けば良い。
 2人は体が冷えるまで、じゃぶじゃぶと川遊びを楽しむのだった。

 一息ついたらわらび餅をいただきます。木こり小屋に戻り、わらび餅を分けて貰ってから滝に向かった。
 川岸に並んで腰かけ、足だけ水に浸ける2人。滝のしぶきが空気を冷やしているのか、さっきいた所より一層涼しく感じられた。
「俺は冷たいのに黒蜜で」
「私はきな粉にアイスも添えて貰ってきました」
 お互いのわらび餅をみせあって、ぱくり。
「あー甘い。冷たい」
「すごく美味しいです!」
 思わず声が漏れる。ひんやりした餅がのどをつるんと通り過ぎるのはとても心地良い。冷たさが体の芯まで染み渡るようだ。
 香神乃が自信をもって勧めるだけある。暑い所に居たから余計に美味しく感じるのかもしれない、だが、例えそうだとしても美味しいことに変わりは無い。
「やっぱり、暑い時は冷たいものだよなぁ……」
 もう一口ぱくり。のど越しがとても良い。ああ美味しい、足をばたばた。ばしゃばしゃと水がはねる。
「そうですね、炬燵で怪談話聴きながらかき氷も良い経験になりましたけど……」
 アイスをすくってぱくり。甘いミルク味が体に溶け込むようで頬が緩む。幾ら良い経験になっても、もう暑いのはこりごりです。
「炬燵は流石にな」
「はい。やっぱり、夏は涼しく過ごす方がいいですね」
 もう一度わらび餅をぱくり。わらびもちも美味しい、交互にほおばってにっこり笑顔。
「そうだなあ……」
 ほくほくと甘味をほおばる琥珀をぼんやり見つめる語。でも、こうして2人で過ごせるなら少しくらいはありなのかなあ。偶然居合わせたとはいえ、こたつのおかげで旅先でめぐり合うことができた。そんなことは言わなくとも良い、少なくとも今は余計な言葉だ。
 目線をごまかすように、わらびもちをぱくり。
「語殿も食べてみますか? アイス、美味しいですよ」
 声をかけられ目をぱちくりする語。
「いや、俺は良いよ。琥珀も黒蜜のを食べてみるか?」
「私もこれだけでいいです」
 甘いものの食べ過ぎになってしまいます、と照れながら言う。
「わらび餅といえば……」
「またお噺ですか?」
 くすりと笑う琥珀。また楽しい話が聞けそうだ。噺といわれて、噺家スイッチが入る語。扇子を取り出し語り始めた。
「今度は怪談はやめてくださいね」
こうして2人の夏の日はのんびりと過ぎていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宇佐・兎織
【墨花】で参加。

わーい、川遊びー♪
あっちゅいところで頑張ったので、冷たいお水がとっても気持ちいいなぁん!
川の中に足を浸してぱちゃぱちゃ水遊び。
あ、お魚さんがいる。
鱗がきらきら綺麗なぁん。

UMA……じゃなくて、お馬さん!
お馬さんも水浴びするんだねー。
ボクのお弁当(?)の人参もどうぞ。
いえいえ、遠慮なさらずになぁん。(丸々1本差し出し)

……ん?
なんか今会話できてたような…?
やっぱりお馬さんじゃなくUMA…。(ざわざわ。戦慄兎)

わらび餅はきな粉がしゅき!
いっぱい遊んだ後のおやつはおいちいなぁん♪
ひんやりのど越しさわやか~。(むぐむぐ頬張る兎)


ワン・シャウレン
【墨花】で参加。

暑さ耐久お疲れ様じゃ
先までが嘘のような涼気じゃの
漸太郎の言葉に甘え暫し水遊びじゃ

熱が気にならぬというても見目としてはやはりこのくらいの方が良い
この身に宿る精霊もそう言っとるような気もする

飲むのは自由じゃがわらび餅とならば茶の方が合うじゃろ
わしにも柔らかめのを貰えるかの
器用なものじゃの、と感心しつつ頂こう

おぉ、馬か
以前聞いておった奴じゃな
その身で水に浸るも苦労じゃろう
どれ、かけてやろう
…以前世話がかかると言うとったが話が出来るならまた話が違うんではないかの…?

今度人参料理でも試してみようか


鞍馬・景正
【墨花】で参加。


何とか乗り切りましたか……。
今はとにかく全身が涼を求めて已みませぬ。

川の近くで少し休んで参りましょう。


ワン嬢、宇佐殿の楽しむのを眺めながら酒――は流石に控えるとして、冷やした麦茶を頂いておきます。

足先だけでも清冽な水辺に浸していれば、汗も自然と引いていきましょう。

ふむ、このわらび餅も実に美味しそうな――黒蜜の穏やかな甘味と麦茶の透き通る香ばしさがよく合う。

どれ、夙夜(馬。アイテム欄に詳細)も水浴び致すか。
宇佐殿やワン嬢にも遊んで貰うと良い。

だが貴様、気のせいか私よりお二人に懐いてないか……?

『気のせいでは?』

気のせいか、そうか……。
? 馬が喋る? はて、二人とも何を?



「わーい、川遊びー♪」
 濡れるのも構わず川の中で羊の精霊さんと一緒にぴょんぴょん跳びまわる宇佐・兎織(うさぎのアトリエ・f04091)。
「何とか乗り切りましたか……。今はとにかく全身が涼を求めて已みませぬ」
 溜息を一つ。足先を川につけ涼むのは鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。
「暑さ耐久お疲れ様じゃ。先までが嘘のような涼気じゃの」
 清々しい空気に表情がやわらぐワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)。
「先程の暑さ、ワン殿には差し支えないものでは在りませぬか」
 おぼろげながら涼しげに過ごしていたのを見ていた気がする。
「熱が気にならぬというても見目としてはやはりこのくらいの方が良い。この身に宿る精霊もそう言っとるような気もする」
 ふふと微笑するワン。人形とはいえ不自然に見えるのは良くない、人と同じく自然に過ごしたいのだ。
「ワンー、何かいるなぁん! 早く来るなぁん!」
 川の中で何か見つけたらしい兎織が呼んでいる。
「景正殿も来るかの?」
「いえ、私はこのままで。足先だけでも清冽な水辺に浸していれば、汗も自然と引いていきましょう」
「そうか、では失礼するぞ」
 こうして兎織とワンは川に水遊びに行き、景正は2人を見守ることにした。

「あっちゅいところで頑張ったので、冷たいお水がとっても気持ちいいなぁん!」
 川の中に足を浸してぱちゃぱちゃ水遊び。きらきらと水がはねる。
「あまりはしゃいでおると転ぶぞ」
 保護者として一言念をおしをするワン。
「はあい! 気をつけるなぁん♪」
 よい子の兎織は両手を挙げて元気にお返事。
「あ、お魚さんがいる。鱗がきらきら綺麗なぁん」
「どこにおるのじゃ?」
「そこにいるなぁん。わっ、こっちに逃げてきたなぁん!」

 楽しそうな2人を眺めて、目を細める景正。そういえば、と思い出したのは愛馬の夙夜。最近水浴びをさせる時間もなかった、良い機会ではないか。
「どれ、夙夜も水浴び致すか」
 夙夜を呼び出す。一度命じれば、昼夜徹して駆け続ける脚力を持ちあわせた名馬だ。主の景正に忠実に従う。
「宇佐殿やワン嬢にも遊んで貰うと良い。だが貴様、気のせいか私よりお二人に懐いてないか……?」
『気のせいでは?』
「気のせいか、そうか……。気のせいなら仕方が無いな、存分に遊んで貰うと良い」
『御意』
 ぱかぱかと蹄を鳴らして歩み、ざぶざぶと川に入っていく夙夜。
「おぉ、馬か。以前聞いておった奴じゃな」
「UMA……じゃなくて、お馬さん!」
『初めてお目にかかります、夙夜と申します』
 ぶるんと鳴いて、頭を下げる夙夜。
「そうか夙夜か。その身で水に浸るも苦労じゃろう。どれ、かけてやろう」
『かたじけない』
 ばしゃばしゃと夙夜の全身に水をかけるワン。兎織も一緒に手伝って周りをぴょこぴょこばしゃばしゃ。
「お馬さんも水浴びするんだねー」
『こう見えて綺麗好きでございます故』
 がぶがぶと水を飲む夙夜。
「あっ、そうだ! お馬さんお腹へってない? ボクのお弁当の人参をどうぞ」
『かたじけない。然しながら、兎織殿の大事なお弁当を丸ごと頂くわけにはいきませぬ』
「いえいえ、遠慮なさらずになぁん。ボクの分はまだまだあるなぁん♪」
 丸々1本差し出す兎織。ばりっとダイナミックにかじる夙夜。
「宇佐、なぜ人参を持ってきておるのじゃ」
「お弁当に赤色を入れると賑やかになってかわいいんだよ」
 赤色の彩を添えるのには人参です。葉ごと入れれば緑も入ってとっても可愛いのです。
「丸ごとでは食べづらくないかのう……?」
 心配になるワン。でも、もっと大事なことを忘れていませんか?

「……ん?
 なんか今会話できてたような……? やっぱりお馬さんじゃなくUMA……」
 ざわ……ざわ……。戦慄が走る、全身の毛をぞわっと逆立てる兎織。
 まってください兎織さん、それ『うま』じゃなくて『ユーマ』って読みませんか? うまく言ったって顔しないでください、うまだけに。
「……以前世話がかかると言うとったが話が出来るならまた話が違うんではないかの……?」
 首を傾げるワン。そう、普通に意思疎通ができていた、これなら手間はかからないのではないか。
「今度人参料理でも試してみようか」
 人参があれば話してくれるのではないか、そう推測して。
「ぶひひひん、ぶるんっ」
 夙夜の鳴き声が聞こえる。ごくごく普通の馬の鳴き声だ。
「そうか、気持ちよかったか」
 戻ってきた夙夜の顔をなでる景正。
「? 馬が喋る? はて、二人とも何を?」
 本当に喋るのか、結局のところは謎のままだ。暑さに参った頭だからこそ見てしまった幻なのかもしれない。

 そんなかんなで川遊びを終えて、次はわらび餅をいただきます。
「宇佐と、わしにも柔らかめのを貰えるかの」
「わらび餅はきな粉がしゅき! いっぱいしゅき!」
「きな粉をいっぱいまぶしてやって貰えるか。景正殿はどうするのじゃ」
「黒蜜を。飲み物に酒――は流石に控えるとして」
「飲むのは自由じゃがわらび餅とならば茶の方が合うじゃろ」
 ころころ笑うワン。
「ならば、冷やした麦茶を頂こうか」
 注文を伝えると、二つ返事ですぐに用意してくれた。

 川辺に戻り並んで足をつけて食べ始める。
「いっぱい遊んだ後のおやつはおいちいなぁん♪」
 むぐむぐ頬張り笑顔の兎織。いっぱい頬張って口のまわりはきな粉まみれ。
「ほら宇佐、きな粉が溢れておるぞ」
 兎織の頬についたきな粉をハンカチでぬぐってあげるワン。
「ふむ、このわらび餅実に美味しそうな」
 一つ匙ですくって陽の光に翳す。半透明の餅がぷるぷると涼しげに揺れる。ぱくりと一口。続いて麦茶を一口。
「――黒蜜の穏やかな甘味と麦茶の透き通る香ばしさがよく合う」
 かみ締める景正。二つの食物が奏でる味を読み解いて。
「ひんやりのど越しさわやか~」
 ご機嫌に足をぶらぶらする兎織。
「なんとも、器用なものじゃの」
 感銘の声をあげるワン。
 こうして、墨花の面々ものんびりわらび餅を堪能していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴北・誉人
※アドリブ・改変上等!

きょお…!
俺、頑張った!めっちゃ頑張った!頼む、はよ水かけて…!
タオルねえけど、まあ乾くだろ

ヤバかったのマジで!地獄、地獄見た!
アレやっばい!あっつい!
途中お前の幻覚見るぐらいヤバかったもん
もっとやれるってムチ打たれた

みかんは美味かった
ひよこチャンは可愛かった!ピヨすけは、もう!(言葉にならん
でもちゃんと倒したよォ

ちょっと休憩
川に足だけ浸して寝そべって涼む
あー冷え…きもちいい…

ひと心地ついたらわらび餅だ

なあ、饗、俺にもちょォだい
きな粉と黒蜜かけてェ
一緒に食おうぜ、饗
饗が誰かと既に食ってたら混ぜてもらう
「ンまっ、これ!饗!(キラキラ
「それはうめえの?(違う味の感想聞く



「きょお……!」
 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)が声をかければ、
「誉人ぉー!」
 手をぶんぶんふりかえしてかけてくる饗。
「俺、頑張った! めっちゃ頑張った! 頼む、はよ水かけて……!」
「誉人、ざっばーんっす!」
 いつもの労いかわりに、川に駆け込みばっしゃーん!!! ちょっぱやで誉人の頭の上から水をかける。
「冷てっ! タオルねえけど、まあ乾くだろ」
 髪をかきあげる誉人。炬燵部屋で火照った体に染み渡る冷たさだ。
「後で貸してあげるっす! 誉人、俺にも! 俺にもっす!」
 両手を広げて的のように構える饗。
「っしゃいくゾ! おらあーーーー!!」
 ざっばーーーーーーーーーーーーー!!!
「にゃーー! つめたっ! お返しっす!」
 ざっばーーーーーーーーーーーーー!!!
「誉人、ぐっしょぐしょっす!」
「あぁ、お前もな」
 顔を見合わせけらけら笑う。2人とも全身ぐっしょぐしょの濡れ鼠だ。
 終わったのだ、戦いは。少なくとも今ひとときは平穏な日常なのだ。

 水をかけあいながら今日のことを話し始める。
「ヤバかったのマジで! 地獄、地獄見た!」
 足でばっしゃーんと水をけって。
「地獄! そこまでひどかったんっすか!?」
 ばっしゃーん水を蹴り返して。
「アレやっばい! あっつい!
 途中お前の幻覚見るぐらいヤバかったもん」
 両手でばっしゃばっしゃ!大波を起こす。
「へっ、誉人もみたんっすか!? わらび餅の妖精!」
 きょとんと立ち尽くす饗。無抵抗でざばーっと水をかぶる。ぶるぶる頭をふって水を切り、びしょぬれの半纏をぎゅーっと絞る。
「ううん、わらび餅じゃねェ。もっとやれるってムチ打たれた」
 誉人も反対側の裾をもってぎゅー。
「うえええ……どんだけ俺が増えてるんっすか。ギブアップしてきてもよかったんっすよ。回収しにいったっす」
「できるわけねェだろ、お前の頼みなんだからよォ」
「ありがとうっす。でも……隙ありっす!」
 ざっばーーーー!!! 二人はもう一度ぐしょぐしょになるまで水をかけあった。

 大暴れした後は、ちょっぴり休憩。
 服の上からタオルで拭いて、川に足だけ浸して寝そべって涼む誉人。隣で饗もごろんと大の字。
「あー冷え…きもちいい……」
「はー……良いっすね」
 ぼけーっと青い夏空に泳ぐ白い雲を眺めながらのんびりのほほん。
「みかんは美味かった」
「たっぷり食べたっすか?」
「うん! 食べた! 珍しい剥き方って言われたよォ」
「あれ珍しいっすからね、俺も誉人に見せて貰うまで知らなかったっす。敵は強かったっすか?」
「ひよこチャンは可愛かった! ピヨすけは、もう! ……」
ぷるぷると肩を震わせる誉人。言葉を失うくらい可愛かったのだ。
「めっちゃんこ強敵だったんっすね! へへへ、良かったっす」
うんうん解ってるっすと頷く饗。最初に見かけた頃から変わらないのだ。きっと微妙に緩んだ笑顔を浮かべているに違いない、とてもほほえましい。
「でもちゃんと倒したよォ」
「そういうところはしっかりしてるっすよね、偉いっす」
 いくら可愛くてもオブリビオンなのだ。決して忘れてはいけない。油断もしない。そこが良い。

 ひとごこちついてからわらび餅をいただきます。
「なあ、饗、俺にもちょォだい。きな粉と黒蜜かけてェ」
「合点承知っす! 冷たいのてんこもりでどーんっす!」
 きな粉がまぶされたわらび餅を、山盛り盛り付けてくれた。黒蜜を小さい壺にいれつけてくれる。
「一緒に食おうぜ、饗」
「いいっすよ! 食べるっす!」
 ふたりで川辺に座って、いただきます。
 きな粉と黒蜜をしっかりからめてぱくり!
「ンまっ、これ! 饗!」
 キラキラ輝く笑顔を浮かべる誉人。ぱく、ぱく、ぱく。ほっぺぱんぱんにしてごっくん。つるんとのど越しが良い、いくらでも食べられそう。
「へへへ、おかわりあるっすよ」
 饗もぱくり。アイスとマーマレードを一緒にのせている。
「それはうめえの?」
「これっすか? 誉人も試してみるといいっす」
 小皿にとりわけてくれた。ぱくり、さわやかな風味がのどをつるんと通り抜ける。
「意外とうめぇな」
「暑いっすから冷たいのが気持ちいいっす。まだあるっすから色々ためすと良いっす! これときな粉とあわせて食べると……」
 いろんな味を試して、たらふく食べて。お腹一杯になるまでわらび餅を楽しみつくした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月22日


挿絵イラスト