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#UDCアース

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#UDCアース


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●今週のイェシク! 
 猟兵で賑わう年末のグリモアスペース。その一角に神木・幸(多重人格者のグリモア兵・f00562)はいた。
「やぁ君達。猫は好きかい?」
 神木は微笑みながら猟兵に問いかけると、手元の紙束に視線を落とす。
「今回予知された舞台は猫がたくさん住む離島。いわゆる猫島というやつだ。住民300余名に対し、猫は推定500匹はいるとされている」
 小さな島内では港から軒先に至るまで、旅行者が歩くだけで人懐っこい猫にまみれることは請け合いだ。
「ちなみにここは邪神を崇め奉る教団の拠点があるらしいから、ついでに制圧してきたらいいと思うよ。これが場所と、予知できた限りの敵ね」
 拠点は島内中央にある小高い山の上に建てられた小屋。周辺では3体の気の良い触手塊『パープルテンタクルス』が猫と戯れているという。
「触手を猫じゃらしにしたり、自身を迷路に見立てて猫を潜らせたりして楽しんでいる。一緒に遊ぶのもいいんじゃないかな?」
 ただし、屋内には拠点を取り仕切る強力なオブリビオンがいるのが通例である。その点だけは油断ならないであろう。終始緩んだ笑顔だった神木もその時だけはほんのちょっぴり真剣な面持ちで断りをいれた。
「私は山の中腹にある山小屋で猫と待ってるから、存分に戦ってきてね。島民への誤魔化しや人払いは、既に潜入してるUDC組織が済ませてあるからさ」
 明らかにウキウキしている神木は何とも言えない雰囲気を漂わせる猟兵に向けサラリと情報を補完すると、グリモアを展開し、テレポートの準備を始めるのであった。


カッソ
●にゃん
 教団の拠点を奇襲、制圧。

 ●ふしゃー
 オブリビオンとの戦闘以外で、対象を殺めかねないユーべルコードの使用を禁じます。万が一選んだ場合はマスタリングを適用します。
 戦闘後は思い思いに猫と遊んでくださって大丈夫です。なぜなら大丈夫だからです。
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第1章 集団戦 『パープルテンタクルズ』

POW   :    押し寄せる狂気の触手
【触手群】が命中した対象に対し、高威力高命中の【太い触手による刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    束縛する恍惚の触手
【身体部位に絡みつく触手】【脱力をもたらす触手】【恍惚を与える触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増殖する触手の嬰児
レベル×5体の、小型の戦闘用【触手塊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミアス・ティンダロス
UDCと仲良くなるつもりで、できれば彼らを傷つけたくないが、一般人に危害を加えるなら別の話です。
『正しい』共存の道のためにこそ、決してUDCの力が悪用されることをほっとけるわけにはいきません。

蝙蝠のような羽をもつ馬と昆虫の交雑体に見える【星間の駿馬】を召喚し、触手の嬰児をなぎ払おうとします。
できれば僕自身も衝撃波で敵の行動を邪魔してみます。


黒木・摩那
★触手塊に警戒しつつ、拠点の様子を探る

「気の良い」触手塊??
そんな存在、本当にいるの?
実は相手を油断させた上で、がぶりと食べる食虫植物みたいのじゃないの?

不信感MAXではありますが、無害なものを刈り取るほど無粋ではありません。
そんなことしたら、タコもイカも食べられませんし。
なにより騒ぎを起こして教団に気づかれるのは良くないです。

戯れる猫と触手というシュールな風景に目を白黒させつつ、
その先にあるという拠点の小屋の様子を『影の追跡者の召喚』で探ってみます。

触手はともかく、ネコかわいいー。


マリア・マリーゴールド
*にゃー!
*マリィ、ねこさんと遊べル、聞きましタ!

*ねこサン、ダイスキです!かわい、かわい、デスネ。

*うぞうぞサン、も、ねこさんと、遊ぶデスか。
ねこ好きな人(?)、いい人にキマてマス。うぞうぞサン、いい人、デスネ!

*うぞうぞサンと、ねこサン、じゃらして、遊ぶデス。

*目つき悪いねこサン、いマシタ!
目、コワイ、ずっとシてると、おめめ疲れルデスネ。
額、マサージしマス!コリコリすればきっと気持ち……ニ゛ゃー!?(引っかかれる)

*み゛ぃ!ねこサン、ひっかくの悪い子デスヨ!めっ!デス!ちょっぷ!ちょっぷ!デス!……うぅ、効かないデスー!?

*(以降、ねこサンの猫ぱんちと超非力ちょっぷで涙目になりつつけんか)


桑崎・恭介
*SPD(?)

*心情
猫島かー、興味は有ったけど来るのは初めて…やけどさ
気の良い触手塊!?気の良い触手塊って何や!?
そっちの方が今めっちゃ興味有るんやけど!

*vs触手塊
うおっ、ホンマに猫と戯れてる気の良い触手塊がおる…
すっげぇカルチャーショックや…

い、いや、俺には分かっとるで
そう言った振りして実は猫を捕食する隙を…
なんやこいつ触手を俺に向け…!やる気か!
(迷路の出口をこちらに向けられて猫が出口からこっちに押し寄せてくる
ぐああ!猫の荒波がー!こいつめっちゃ気ぃええ奴やーん(即落ち2コマ)

(そのまま猫に群がられつつ
くッ…ここは俺に任せて先に行けッ!ここは俺が食い止めるッ!
(拠点に向かう仲間を見送る


アルゲディ・シュタインボック
触手の分際で猫と戯れようだなんて、羨まし……けしからん輩だわね。

猫ちゃんが周りにいると推測。危ないから此方に避難させてあげないと。
猫集めは負けてないわよ、私。ってことで、今人気の猫のおやつ持ってきました! スティックタイプのアレね。
鼻の良い猫ちゃん達ならまっしぐら。いいこいいこ。
猫に逃げられて萎れてる触手にはエレメンタル・ファンタジアで「炎のゲリラ豪雨」でもプレゼントしてあげる。焼きゲソにでもおなりなさい!
そして猫ちゃん達が抱きかかえてヒットアンドアウェイしちゃいます。しばらく離れててね?


コハル・ファインギフト
人懐っこいにゃんこが沢山にゃ
後で一緒に遊びたいにゃ…でもその前に、やることあるにゃ

拠点奇襲の為に
触手を…?
※触手と遊ぶ+囮になる
 猫がいる間は攻撃系ユーベルコードは一切使わない

「そんな触手につられ…にゃぁー!」
うごうごする触手に
ついついじゃれてしまうのにゃ…

「触手の迷路…にゃ?」
(これじゃあ拠点の位置がわからないにゃー!?)
仕方ないから、迷路を進…遊んであげるにゃ
ついでに【動物と話す】で猫と会話にゃ


戦闘になるなら
【動物と話す】で避難してもらうようお願いしたりして猫達を逃がす
触手が攻撃するようなら猫や皆を庇って守る

猫が全員避難した場合は
【範囲攻撃】も用いて
触手塊+小型触手塊達を攻撃・小型達を一掃


笹鳴・硝子
みゃー(f00134)、北斗ちゃん(f05072)と


おなじ猫好きと戦わねばならないのか…だがヤツは敵…少しばかり心が痛むような気がしないでもないが
…ああっあんなに猫と楽しそうに!ずるい…倒す

【WIZ】
触手に近づきたくないので鈴蘭の嵐

触手で楽しく遊んでいる猫に『玩具を奪った人』と嫌われると嫌なので、
「あっ危ない!そいつはほんとは危険なヤツだ!にゃん」(真顔で平坦な口調)
と小芝居打ってみますね
猫に嫌われたくないですから(二回目)

猫に人気だっていうブラシ持参したんですよ
一度猫にまみれてみたいんです


水沢・北斗
【笹鳴f01239、三岐f00134と行動】

『猫がたくさんいる島があるから行ってみよう!って硝子さん言ってませんでしたっけ?ひょっとしてこれ仕事ですよね?ねえ???』
いいですけど。こっちのお金も欲しいし猫もいるし。

SPD!
アレ(触手)に近づきたくないのは私も同じです。
なので私は二人よりさらに後ろから!まさに射程の勝利!!
【援護射撃】【2回攻撃】【スナイパー】【見切り】
フル活用で食らうと面倒な束縛する触手を出来るだけ妨害

『硝子さん、猫にはブラシより美顔ローラーが効くって噂もありますよ、いや嘘じゃなくて』
(猫と戯れながら)
猫はいいですよねー。蔵のネズミを獲ってくれますしねー。


三岐・未夜
【硝子(f01239)と北斗(f05072)と】

えー……すっごいシュール……。
いやまあ確かに猫はかわいいけどさあ、猫と遊ぶ触手って……あー……まあ、うん、いいや。やること変わんないし。
とりあえずさくさくやってこ。あとで猫は触りたい。

エレクトロレギオンを召喚して、敵が召喚した触手を打ち消して行くよ。邪魔だしね。
硝子や北斗の手数もあるから、幾つかは潜り抜けて本体に攻撃出来るでしょきっと。

……小芝居とか猫相手にやってもなあ……っていうかそれよりさっきっからめっちゃ尻尾にじゃれつかれてんだけど!あーもー危ないから!足元うろちょろしたら蹴っちゃ、あっ、ちょ、飛び付かないでってば!


ハル・ウロハラ
エーリカ・バルシュタットちゃんと一緒に来ました!

●POW

パープルテンタクルス…
ムラサキイカだよね
つまりイカだ。たべられる!

グルメツール二刀流のハル・ウロハラ!
猫を籠絡する悪いイカを成敗するよっ!

…イカ、猫まみれなんですけど既に
えーどーしよ猫ちゃんちょっとどいて…
あ!エーリカちゃん近付くと猫逃げる!いえい!そのままがんばって!
ちょっと写真撮っちゃお、エーリカちゃんと猫とイカ…イカ邪魔だな…

猫ちゃんたちが巻き込まれないように逃げたら
【暗殺】で肉薄して竈神御供
触手群は飛んだりして躱す!
エーリカちゃん対処頼んだ!
お刺身、っていうか踊り食い?
悪いヤツほど美味しいんだけど…コイツはどうかな
イタダキマスっ!


エーリカ・バルシュタット
同じ旅団のハル・ウロハラに協力してあげるわ

あたしニュルニュルウネウネしたもの苦手なのよね
ハルは張り切ってるみたいだし、手伝ってあげるからさっさとやっちゃいなさい

あ、でも猫の尻尾は好きよ
ふわふわ揺れて可愛いじゃない?
戦闘に巻き込んだら可哀想だし、ちゃんと抱き抱えてもふもふしてから退かして……ちょっと!なんで触る前から逃げるのよ!?人懐っこいんでしょあんた達!触らせてよぉー!

という訳であたしはエレメンタル・ファンタジアで氷刃の雨や炎の竜巻を出して【触手郡】をぶつ切りにして焼いちゃうわ
ここまですれば動かないでしょ?

あとはハルに任せて……って何食べてるのハル!?
お腹壊すわよ!ペッしなさい!ペッて!


雨宮・冬華
二回攻撃、呪詛、破魔あたりを使ってえぇと、ふるぼっこ?なのですよ。愛くるしいぬこもとい猫に紛れて悪さをするなんて許せないのです。めったんめったんにしてやります。えぇと、そうですね、六曜で薙ぎ払いましょう。多分私のユーベルコードの中で一番手数が多そうですし。触手にも退かぬめげぬ押されぬ!です。いざいざいざ!倒したあとのもふもふパラダイスのために潔く散っていただかなくては。
あ、薙ぎ払いと祈りでお清めできるかしら、できるかしら?(物理的浄化思想の危険な猟兵が通りますご注意ください轢かれますよ!)
私……この戦いが終わったら思う存分猫をもふもふするのです…触手になんか負けません負けません(ぐっ)



猫島中央部に位置する小高い山、通称『猫山』。その山頂部には怪しい雰囲気の小屋が1棟建っている。そしてその近くで毒々しい紫色の触手塊が3体、門番のごとく立ち塞がり……
そこら中にいらっしゃる猫達と戯れていた。
「にゃー!マリィ、ねこさんと遊ベル、聞きましタ!ねこサン、かわい、かわい、デスネ」
 そんな癒ししかない空間に訪問者が訪れた。マリア・マリーゴールド(パニッシュ・f00723)は思い思いに過ごす猫達のいる風景に黄色い声をあげながら、金髪をなびかせ飛び込んでいく。触手のうちの1体がマリーゴールドの存在に気付いて表情(どこに顔が有るかは皆様の想像にお任せします)を強張らせるも、完璧に猫と遊んでいる姿に警戒を緩め、横目(どこに目が有るかは皆様の想像にお任せします)で様子を窺いながら触手の先っちょで猫をじゃらしている。
と、そこへマリーゴールドが触手へおもむろに歩み寄る!
「うぞうぞサン、も、ねこさん、好きネ?ねこ好きな人、いい人にキマてマス!だから、うぞうぞサン、いい人、デスネ!」
 愛らしく微笑むマリーゴールドの言葉に心を打たれた(どこに心があるかは皆様の以下略)触手は小型の触手塊をいくつか召喚し、一緒に猫と遊ぼうとばかりに触手を揺らした。

 触手と猫とで遊び始めたマリーゴールドの姿を見て、黒木 ・摩那 (冥界の迷い子・f06233)と桑崎・恭介(浮草・f00793)は唖然としていた。
「気の良い触手塊……そんな存在が本当に……???」
「わからへん……なんや気の良い触手塊て。猫よりそっちにめっちゃ興味有るんやけど!」
お互いに正気を確かめ合う中、比較的早く行動に移ったのは黒木であった。先だって触手に嫌な思い出を作らされた分免疫ができたのかもしれない。影の追跡者を召喚すると、触手たちを遠回りする形で拠点を偵察に向かわせた。わざと触手を避けたのは、無暗に騒ぎを起こさないため、そして今のところ無害なモノを刈り取る気はないと第六感が告げたからである。
「まぁ普通に怪しいけどね」
「せ、せや。俺には分かっとるで……気の良い振りをして実は猫を捕食しようとしてるんや!」
 少し遅れて桑崎も動き出す。猫に迷路として遊ばれている触手を制圧すべくにじり寄ると、気付いた触手がにわかに触手に開いた空洞を桑崎へむけ生成していく!
「しまっ……!」
咄嗟に退こうと身構える桑崎!そこに飛んできたのは触手群……と迷路から抜け出た大量の猫!
「ぐああ!猫の荒波がー!わざわざ出口向けてくれるとかめっちゃ気ぃええ奴やーん!」
ねこにまみれて癒され楽しむ桑崎。触手群はあらぬ方向に飛んで行き、そのまま消滅していた。
「うわーいいなー。触手はともかくネコかわいいなー」
猫だるまと化した桑崎を見つめて羨む黒木は徐々に猫たちの方へ進みながら、拠点の偵察もしっかりこなしていた。
「中は大部屋……物音からして、敵は1体ね。小屋に収まるくらいだから邪神の類ではないのかしら」
厚いカーテンで仕切られた窓や壁から中の様子を探り、おおよそに検討を付けた黒木は、後に続く仲間に情報を伝えて足元にすり寄る猫と「ちょっとだけ、ちょっとだけ」と呟きながら遊び始めたのであった。

「にゃふぅ……人懐っこいにゃんこが沢山いてすごい島にゃ。後で一緒に遊びたいひゃ」
 黒木が猫に飲み込まれて数分後に現れたのはフワッフワの毛を持つコハル・ファインギフト(目指せ稀代のにゃーてぃすと・f00216)。道中からたむろする猫たちの誘惑をなんとか振り切り登ってきたその表情は、既に一仕事終えたような勢いであった。
「むむ。あの猫と一緒に遊んでるのは触手かにゃ。なんで猫たちは逃げないのにゃ?」
猫にまみれていたり猫に包まれたりする猟兵達を一旦横において、近くにいた猫(茶トラの♂)に動物会話で情報を聞き出そうと試みた。茶トラ曰く、
『あいつら、高いところの仲間、助けてくれた』
『礼に魚あげた、よろこんだ』
『撫でられる、きもちいい。あいつら、よろこんだ。だからいっしょ』
「なるほどにゃあ」
深い共感をもって頷くファインギフト。気ままに生きるが義理堅いのが猫。ちょっとした手助けでもその恩は忘れられないモノなのである。
「ホントに気の良い触手なのにゃ……気の良い……うなぅ……」
頷きながらチラチラ触手を窺うファインギフト。だって、いつの間にか近くに来ていた迷路触手が気になって仕方がないのである。動いてるし。しかしここで本能に負けてしまえば、横に置いていた猟兵達と同じである。ここでしっかりした姿を見せて
「うにゃぁー!!」
やっぱり欲望には勝てなかったよ!!!!

 触手塊と猟兵が、猫という概念を通じて癒されまくる山頂。牧歌の極みともいえる風景に向けて新たな猟兵の軍勢が近づいていた。
「ああっ見て!猫たちと触手が楽しそうに遊んでる!」
「えー……すっごいシュール……」
まず声を上げたのは笹鳴・硝子(帰り花・f01239)と三岐・未夜(かさぶた・f00134)。そこに連れ立ってきた水沢・北斗(ヤドリガミのアーチャー・f05072)は猫と触手だらけの風景を見、二度見、三度見、四度見してしまっていた。
「ねぇ硝子さん?猫がたくさんいる島があるから行ってみよう!って言ってませんでしたっけ硝子さん?ひょっとしてこれ仕事ですよね?ねぇ硝子さん???」
完全バカンスな気持ちで来ていた水沢。今度こそ本当だと信じてついてきたらまたしても乗せられていた怒りを込めて笹鳴に詰め寄るも、当の本人は猫と戯れる触手にジェラって「ずるい……倒す……ずるい……」と臨戦態勢で。助けを求めて三岐に目を向けると、海より深いため息を吐きながら「やるぞ」と手でジェスチャーを飛ばして見せた。
「ここまで来たら仕方ない。さくさくやって、猫と遊べばいいじゃん」
「……そうですけど。まぁお金もらえるし猫と遊べるし、言ってても仕方ないか」
 前髪を僅かに払い除け、心底面倒くさそうな視線を触手に向ける三岐。そんな反応に自らと近しい感情を感じ取り、慣れた手つきで弓を構えた。
「あと十秒」
「わかった」
「まかせろ」
 水沢が静かに告げると、他の2人もそれぞれにユーべルコード発動していく。かたや九十体の機械兵器を召喚し、猫を退かしたり本能的に発射された触手群を相殺したり、また猫を退かしたりする三岐。かたや手にしたペンデュラムや銃を無数の鈴蘭の花弁に変えながら、急に猫を引き剥がされて困惑する触手だけを切り刻んでいく笹鳴。
「そいつはほんとは危険なヤツだ!早く逃げろにゃん!」(真顔)
 果たして笹鳴迫真の小芝居は功を奏したのか、のろのろと山頂から引いていく猫たち。その余波はまわりまわって三岐へ波及していた。厳密には三岐の尻尾であるが。
「ちょ、あっ、尻尾でじゃれつかれて、あーもー危ないから!」
群がる猫を除けるべく屈んだ三岐。その隣で風を切り裂きながら、水沢の放った矢が触手の一体を核ごと貫いた。
「まずはワンストライク、ってね。……そういえば美顔ローラー持ってきましたけど硝子さん使います?猫と遊ぶ時」
「なんで美顔ローラー?ブラシ有るからいらない」
いやいや猫好きらしいですよ。いやいや使わないから。そんなやり取りをする傍らで三岐は尻尾に群がる猫を、独り少しずつ避難させていくのであった。

「あたしニュルニュルウネウネしたもの苦手なのよね」
 夜明け色から夜空色にグラデーションする髪を弄りながら、エーリカ・バルシュタット(シュテルンドラッヘ・フロイライン・f03435)は隣のハル・ウロハラ(ホワイトアルバム・f03051)にボヤく。同じ旅団の好で付き合っているものの、いざ触手に相対してみるとテンションは下がりつつあるようだ。とりあえず猫を避難させようと、そこら辺で毛繕いする猫へにじり寄っていく。
「むぅぅ……パープルテンタクルス。テンタクルスがパープル……要は、ムラサキイカだよね」
 他方、なんだかさみしそうな触手を見つめて考え込むウロハラ。やがて何か踏ん切りがついたのか、大きな金瞳を輝かせて宣言した。
「つまりイカ!食べられる!」
「なんて???」
 突然の可食宣言に驚いたのは、たまたま近くにいたアルゲディ・シュタインボック(白金の癒杖・f03929)。猫にテキメンなスティックタイプのチュール的なおやつで猫を誘き寄せている最中であった。
「って、あのイカ猫まみれなんですけど既に。えーどーしよー」
一転して眉を顰めるウロハラの目線の先には迷路となって猫が多数潜り込む触手塊。あれではうっかり猫ごとなんてえことも起きてしまう。どうしたものかとウニウニしていると、聞きなれた声音の悲鳴が耳に入ってくるではないか。
「ちょっと!なんで触る前から逃げるのよ!?人懐っこいって言われてたじゃないあんた達!触らせてよぉー!」
「あっすごいエーリカちゃん近づくと猫逃げる。逃げてる!そのままがんばって! そだ今のうちに写真撮っちゃお」
バルシュタットと猫を写真に収めようとカメラを構えるウロハラ。しかしどうやっても……触手が……見切れる……。
「イカ邪魔だな……イカめ……」
「もし。アレを倒したいのだけど、よろしくて?」
静かに苛立つウロハラにシュタインボックが声をかける。どーぞどーぞ!と場を空けてもらうと、片手を天に掲げて猫のいなくなった迷路触手を睨めつけた。
「さぁ触手ども!炎のゲリラ雨で焼きゲソにして差し上げますわ!」
宣言通り晴れ空から突如降り注いだ炎の雨は、触手の要る辺りをザックリと焼き上げていく。その様を見てウロハラは思わず歓声を上げた。
「生きたまま焼いてる!踊り焼き?生焼き?ありがとございますお姉さん!」
「どう、いたしまして……?」
終始疑問符を浮かべながら頭を下げるウロハラにお辞儀を返すシュタインボック。一方、半焼けの触手に止めを刺すべくバルシュタットはエレメンタル・ファンタジアで焼いたり凍らせたりしていた。
 そこへ、挨拶を終えたウロハラが暗殺術を駆使して、ぬめぬめした足運びで触手に近づいていく。
「悪いヤツほど美味しいんだけど……コイツはどうかな」
「ふぅ!ここまでやればあとはハルが何とかできるでしょ……って、何してんの?」
「イタダキマスっ!」
 額を拭うバルシュタットの眼前でペロリと舌なめずりをするウロハラ。そして大きくこちを開き……ためらいなくその身に齧りつき、噛みちぎった!
「!?」
「ちょちょちょちょっとハル!?なんで触手食べてるのハル!?お腹壊すからペッしなさい!ペッて!」
慌てふためくバルシュタットと見てしまったシュタインボック。そんな二人の前でしばらくもごもごしていたウロハラは喉を鳴らして飲み込むと、空に向かって息を吸い込んで、
「おいしーい!!」

なんやかんやあって。あれだけいた猫の避難は大方終わり、残された触手塊は一つとなった。悲し気に虚空を触手で撫でる触手。そこに二つの影が落ちる。
「できれば傷つけたくはないが、正しい共存の道のため、ほっとくわけにはいきません」
「えぇ、そうですね。ぎったんぎったんの、ぼおこぼこにしましょう。どうせ猫に紛れて悪さをするのでしょうから」
ひたすら冷静に触手に相対するミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)と雨宮・冬華(薄暮の魔女・f00232)。触手もただならぬ雰囲気に戦闘態勢へ移っていく。気の良いと言っても本質はオブリビオン。やはり闘争は本能に刻み付けられているのであろう。先程まで迷路として使われていた隙間から小さな触手を召喚していく対面で、ティンダロスが動いた。
「漆黒く、素早く、力強く――舞い降りなさい、翼の貴婦人さん!」
 青い瞳で素早く分体の数を確認、詠唱で召喚した【星間の駿馬】が鉤爪や羽ばたきによる強風で薙ぎ払っていく。わずかなうち漏らしもティンダロス自身の発する衝撃波で確実に倒していく。
「抵抗はもうよろしくて?では、いざいざいざ!倒した後のもふもふパラダイスのために散ってください!出でよ出でよ、六曜!」
 身に付ける魔導書が、薙刀が、七つ道具が白百合の花びらへ姿を変えていく。その圧倒的な物量に危機感を覚えたティンダロスは迅速に身を引きつつ、足元に極わずかに居残っていた猫を抱える。ちょっとしあわせだった。
「白百合は祈りの音色。弔いの羽音。ほら、死者の葬列が貴方を連れにやってくる。弔いの導よ、ここに。我が敵は彼方で眠らん!」
高らかに詠みあげられた詠唱と共に殺到する花弁、気の良かった触手はその間際、名残惜し気にティンダロスの腕であくびをする猫に触手を伸ばし。
その先端まで細かく切り刻まれていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『膨らむ頭の人間』

POW   :    異形なる影の降臨
自身が戦闘で瀕死になると【おぞましい輪郭の影】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    慈悲深き邪神の御使い
いま戦っている対象に有効な【邪神の落とし子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    侵食する狂気の炎
対象の攻撃を軽減する【邪なる炎をまとった異形】に変身しつつ、【教典から放つ炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


場を平らげられた山頂。そこには猫にまみれたりまみれてなかったりする猟兵達が邪神教団の拠点たる小屋へ今まさに踏み込もうとしていた。
 その時!小屋の中から巨大な頭部を持つ人影が雄叫びと共にドアをぶち破って躍り出てきたではないか!
「ぬぅおおおお!!我が眷属共をおおお!!よくもおおおお!!気の良い奴等だったのにおおおお!!」
野太い声で慟哭しながら、肥大化した頭を振り回すオブリビオン。その足元で一匹の猫が「なーお」と鳴く。
 決戦の火蓋は今、何とも言えない緩さの中切って落とされた!
桑崎・恭介
SPD

わかりみー(気の良い奴等だった事に関して)

まぁ、それはさておき俺らは猟兵…アンタはオブリビオン…
出会えば戦うしかない運命なんや…

行くで!魔弾の……!……!!
(桑崎恭介に有効な【友好的な猫のような邪神の落とし子】が召喚される)
くッ!手強いやんけ!皆!この落とし子は俺に任せろ!
こいつのユーベルコードを食い止める…!それが俺の今回の仕事や…!

おぉーヨシヨシヨシ!なんやこいつめっちゃカワ…カワ…よく見たらキモッ!目多っ!
(いったん体から引きはがして暫く凝視)…キモカワ、有りやな!



「俺らは猟兵、アンタはオブリビオン……出会えば戦う他ない運命なんや。でもな!」
 悲しみに暮れる膨れ頭に対し、全身猫の毛と草だらけな桑崎が声を張り上げる。そう、例え殺し合う存在であったとしても、確かに触手塊達は気のいい奴らだったのだ。
「俺は深い"わかりみ"を覚えたで……アンタの思いにな!」
膨れ頭の慟哭が僅かに鎮まる。脳髄を砕かれていても、桑崎の強い感情を察知することができたのだ!
「理解してくれるのか、猟兵よ。だが……だが我は止まるわけには行かぬ。我が悲願を叶える為に、散っていった彼奴等の為に!」
膨れ頭が片手に掴む魔術書がひとりでに開き、赤光を放つ。どうあっても戦う気らしい。
「ほんなら行くで、猫好き大魔神!魔弾の、」
「出でよ我が愛しき仔!その身で奴等を……キュン死させよ!」
「シュッ……なんて?」
思わず桑崎が手を止めてしまった刹那、眩い光と共に邪神の落とし子が召喚された。
それはパッと見黒い子猫みたいな姿で、
よちよち桑崎に近寄り、
何と、その身をゆっくりと擦り付けてみせた……!
「こ、コイツ……なんて手強いんや……!」
落とし子の攻撃に戦慄する桑崎。その愛くるしさはトキメキというダメージとなって心に突き刺さる!
「くっ……皆!ココは俺が食い止める!早くあの猫魔神を倒すんや!」
しかしここで屈しては猟兵の名折れ。自らの身を代償に味方を進ませることで、せめて攻撃に専念させようと己を奮い立たせた。
「おぉーヨシヨシヨシヨシ!なんやこいつめっちゃカワ……ん?」
 必死に抵抗(首の辺りをわしゃわしゃ)していると、シールを剥がすような音が子猫から聞こえてくる。手を止めて眺める桑崎の眼前で、子猫の顔中に目が見開かれていく!
「うわキモッ!!!!目多っ!!!!」
たまらず叫んで引き離すと、子猫は小さな口からミニ触手を伸ばしながらにーにーと鳴いてみせる。慄いた姿勢のままその様子を見る桑崎。やがて静かに座り直すと「……キモカワってヤツやな。有り!」と宣言して、子猫を膝に向かえてそっと背を撫で始めるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

黒木・摩那
★ボスを倒す
【WIZ】
気の良い触手塊の親玉が出てきました。
ネコに対してはとても気の良かった触手塊。
で、あるならばボスも優しいでしょうね。
ネコ好きに悪い人はいないっていうことですし。

……でも、何事にも例外はあるから。
あの膨らんだ頭と、体の触手は無理!
ネコに優しくても、人に優しくなければ倒すしかありません。

UC「風舞雷花」でルーンソードに帯電させて攻撃します(属性攻撃/破魔)。

このオブリビオンだと、猫のために人間滅ぼすとか考えていそうですね。


コハル・ファインギフト
猫達的には、確かに気のいい触手達だったようにゃ…
…それでも、世界を脅かすなら倒すしかないにゃ
お前も倒すにゃ、邪神…猫と住民の、もふもふと平穏の為に!

猫は【動物会話】も用いて逃がすにゃ

『猫の手も貸すにゃ』で邪神の動きを止めるにゃ
ふり払われたら再トライにゃ

放つ炎はコハルが受けるにゃ
味方や周囲に当たったら大変にゃ

邪神が別存在(異形や影)召喚したら
場合によっては『猫の手も貸すにゃ』で別存在の動きを止めるにゃ
【範囲攻撃】も用いて、邪神と別存在の両方を止められないかにゃ?


勝利後
触手や邪神が立ってた辺りの土を
隅に盛って棒を差して
猫達が察せる程度の墓は作りたいにゃ
でも、それはまずいって言うならやめとくのにゃ…



そんな同僚の様子を横目にみながら猫魔神に立ち向かうはファインギフトと黒木である。どちらも子猫が真の姿を表した時点でドン引きして敵の殲滅を急がねばならないと強く感じていた。
「キモ頭の奴、猫の為に人間滅ぼすかと思ったら、猫で人間を救おうとしてるのね……優しい、のかしら」
「でもあの調子なら、どっちみち世界が危ないのは変わらないにゃ?なら倒すしかないにゃ」
 厳かに首を横に振りながら諭すファインギフト。フワフワ揺れるヒゲに目を奪われつつ、黒木もルーンソードを構え直し猫魔神に相対する。
「猫と島の住民の、もふもふと平穏の為に戦うにゃ!」
「戦うにゃ!」
 そういうが早いが、黒木は猫魔神に斬りかかるべく地を蹴って駆け寄る。魔神も「にゃおおおおん!」と詠唱して全身に炎を纏い、その一部をぶつけてカウンターを行おうと身構える。しかし魔術書を操ろうと持ち上げた腕は、不意に現れた柔らかく温かい感触に阻まれた。
「なんだこれはあああ!?にゃんこおおおお!?」
 腕だけではない、何を隠そう猫魔神の全身はファインギフトから伸びている肉球ぷにぷにな様々な猫の手達がしがみついていたのである!あまりにも可愛らしく、あまりにもしっかりとしがみつく手に魔神は当初困惑していたが、それが猫と分かるや否や歓喜と興奮と焦燥がない混ぜとなった雄叫びをあげる。その間にも黒木は接近しながらユーベルコード『風舞雷花』でルーンソードに雷のエナジーを纏わせ、肉薄するタイミングで飛び上がって頭部に斬りかかった!
「ぎいいにゃああああああ!?」
肉とも鉱石とも言えない微妙な硬さの頭部に深々と裂傷が刻まれ、更に電流が頭を中心に全身を焼いていく。その激痛に耐え切れない魔神は歪んだ悲鳴を轟かせながら激しく身悶えをした。
「うわ、悲鳴まで気色悪いわね……あーこの手の奴らは本当に無理。早く猫を触りたい」
「それならこの猫の手を触ると良いにゃ。触り心地バツグンにゃ」
ファインギフトが自身のユーベルコードで出現させた猫の手で黒木が束の間の癒しを得ている間、ファインギフトは動物会話で近くまで戻ってきていた猫たちをせかせかと避難させていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

雨宮・冬華
貴方たちはいわば外来種、在来種にとっては脅威なのです。そんなヒトの気のいいやつら、は猟兵として見過ごせません。
猫さんを離しなさい、卑怯者!
七星七縛符で成敗してくれます。
悪だから悪いのではない、分かり合えないから私と貴方は敵同士。それだけでしょう?
さぁこい!
いっておくけど在来種だって強いんですからね!
二回攻撃とか破魔とか力ためとかどんどこつかいますよ。だって戦闘に時間かかればそれだけ土地と猫が危ないし猫をも降る時間が減るんですもの!
猫さん猫さん、そいつ危ない人だから、そばにいちゃ、めーですよ!
鰹節と煮干しと猫缶あげるからこっちにおいでおいで、です



「なぜだ……なぜ我の邪魔をするのだ猟兵どもおおおお!あの男のように、人類をにゃんこで幸せにしようと言うのにいいいい!」
 去って行く猫、動けない身体、なんかすごい嫌悪の目で見てくる女性(黒木)等の要因が重なって、限界に達した猫魔神は猫の手達を振り払いながら絶叫を虚空に響かせる。しかしそこに応える存在が、護符を構えながら魔神の前にへ進み出た。
「いくらあの触手が気のいい方でも。いくら貴方が人類を猫で救おうとしていても。あなた方はこの世界とは異なる存在、外来種なのです」
 雨宮はその青い瞳でキッと魔神を見据えながら、言葉を続ける。
「悪か否かという話ではありません。元から此処に住む者と違う貴方たちとは、そもそも考え方が違うのです。そんな分かり合えない私と貴方は、敵同士」
ただそれだけでしょう? と挑発的に微笑んで、すかさず護符を二枚、魔神へ放つ雨宮。突き放された魔神は怒りを露に反撃せんと接近するが、どういうわけか魔術書が起動せず更に苛立ちを募らせていく。
「おのれええ……おのれええええ!貴様何をしたああああ!」
「ごめんあそばせ?私にはこの後もふ、いえ使命が山程あるのですもの。そのために貴方には早く早く倒されてもらわねば困るのです」
 自身の頭三つ分は上にある、自身の頭六つ分の大きさの頭を見上げて気丈に笑って見せる雨宮。しかし命中した護符で動きを封じるためには寿命を削るという代価があり、その影響で体の内側から力が抜けていくような感覚が湧き出て止まらない状態にある。にも拘らず、雨宮は持ち込んだ鰹節や煮干しを遠くに投げたり撒いたりして、これ以上猫がそばに来ないようにと行動していた。それは最早現在へのダメージとなって身体を蝕んでしまったが、その成果は、ファインギフトの拘束を逃れてなお猫魔神が反撃に移れなかったという形で表れていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

笹鳴・硝子
みゃー(f00134)、北斗ちゃん(f05072)と

そうですね、本当に気の良い奴らでした。そもそも猫好きに悪い奴はいないと言いますし、せっかくシャーマンなんですからヘッドハンティングすれば良かったですね
そこは迂闊でしたすいません

それはそれとして、貴方は立派な邪神ですから倒しますね

【WIZ】
召喚した戦士の援護もかねて
技能2回攻撃3、援護射撃2、スナイパー2、武器落とし1を生かして膨らむ頭の人間の持つ魔術書を撃ち落とします
魔術書が無ければ炎出ませんね?

※膨らむ頭の人間の近くにいる猫の無事の確保は戦士にも徹底させる

猫に嫌われたら(表情や口調が平坦でも)心折れそうですからね


水沢・北斗
【笹鳴f01239、三岐f00134と行動】
んーー、立派な邪神……なんです、アレ?
あんなので仮にも神なんて名乗ってもいいんですか??
それにしては見ためも中身もちょっと残念なのでは……?

SPD
【援護射撃 2回攻撃 スナイパー 見切り】
どこに猫がいるかわからないし範囲攻撃はダメっと。
援護射撃をメインにおとなしく一本ずつ射込んでいきましょう。
いるのであれば落とし子を優先して攻撃。
本体はあの膨らんだ頭を射ち抜いたら破裂とかしないですかね!!

全部おわったら思う存分猫を触るんですよ。
いいです硝子さん使わないなら私が美顔ローラー使いますから
(猫の背中にローラー当てながら)


三岐・未夜
【硝子(f01239)と北斗(f05072)と】

気が良くたって、敵は敵でしょ。存在が問題なんだから、気が良い悪いの問題じゃないよ。
さて、と。ほいほい出て来てくれたし、さっさと倒しちゃおう。……危ないから離れててね!ほら!尻尾終わり!(猫を遠ざける努力はする)

狐火は猫に怯えられそうだし、とりあえずエレクトロレギオンかなあ……うーん。
範囲攻撃は危険だから、操縦と援護射撃で精密にレギオンを操作して邪神にぶつけて行くことにするよ。
催眠術と誘惑を振り撒いて、邪神がレギオンばかりを狙ってくれれば御の字かな。数は多いから、硝子と北斗の守りにもなる。

もー……だから僕の尻尾は猫じゃらしじゃないんだってば!


犬曇・猫晴
ねこ。
いいよね。
にゃあ、にゃあ、にゃあ。
ぼくはどうぶつが好きなんだ。
君がオブリビオンじゃなかったらどれだけ良い友人になれたかと思うと、悲しさと寂しさとあくびのせいで涙が出てくるよ。

【SPD】
【鎧砕き】【2回攻撃】
ねこたちに被害が及ばないよう細心の注意を払いながら拳で戦うよ
突き、回し打ち、揚打、肘打ち

あぁ、だめだよにゃんこちゃん、そいつは倒さないと駄目なやつなんだ。
優しいやつでもそれが自然の摂理、仕方ないね。

ちなみに君とぼく、強さの決定的な違いを教えてあげるよ

ぼくは犬派だ。



「んーーー、試合も後半戦といったところですかね。どう思います硝子さん」
「そうですね、本当に気の良い奴等でした」
「話聞いてます??」
 前線で魔神とやりあう味方の姿を少し離れて見守っているのは、笹鳴・水沢・三岐の仲良し三人組。次の矢を番えながら問う水沢に対し、笹鳴は屈んで猫と遊びながら返事をする。そのやり取りを隣で三岐が聞き流しながら尻尾に群がる猫たちをいなしている。
圧倒的に平和な風景だった。
「後そうですね……せっかくだしヘッドハンティングしておけばよかったですね。迂闊でしたすみません」
「私別にそんなこと言ってませんけど、雇うならあちらの風船頭の方が強力なのでは?」
弓手で軽く引きながら準備を終えた水沢は、護符や猫の手で身動きの取れない猫魔神を見遣って呟く。すると笹鳴は魔神を一瞥し、猫をぽーいと放って立ち上がった(猫は素知らぬ顔で着地した)。
「あれはもう立派に邪神です。倒せばよろしい」
「立派な邪神……?見た目も中身も、ちょっとあの残念っていうか、アレな感じですけど」
「なんだっていいよ、中も外も」
腑に落ちなげな水沢に業を煮やして、三岐が振り向き声をかける。その周辺からは再び90体の機械兵器が召喚され、今まさに行進を始めていた。
「敵は敵だし、存在が問題なんだから、気の良い悪いは問題じゃないよ。そんなことよりさっさと倒して、ここを安全にして、僕の尻尾から一刻も早く引き剥がしたい」
後半に進むにつれ三岐のトーンが落ちていく。それもそのはず、三岐のもっふりした尻尾は猫にとっては格好の遊び道具。除けども除けども寄ってくるのである。
「そ、そうですね。私もはやく倒してローラー使ってみなきゃでした」
三岐の気迫に圧されつつも、水沢は呼吸を整えて弓を引く。10秒の集中で250m先の獲物を打ち抜くための儀式が静かに始まると、残った二人も攻勢に移っていく。三岐は召喚した兵器で今度は魔神を狙い、正確な操作に大きく意識を割きながら、自身は高い催眠術や誘惑の技術を用いて敵の狙いを操ろうと試みていた。頭に血の上っている魔神は三岐の誘導に乗せられて兵器ばかりを破壊していくが、その合間合間に魔神のもつ書物や腕から多数の貫通音が発せられていた。
「炎も影も落とし子も、魔術書が無ければ始まりません。アレを落とします」
笹鳴の手には先程まで花弁であった銃が握られ、年若さを感じさせない高精度の射撃を何度も繰り出していた。三発、四発と撃ち続け。ついに腕へ致命傷を与えて書を地面に落とさせていた。笹鳴のいる方向へ咆哮する魔神。その口内から奥めがけ、豪速の矢が深々と異質な肉に突き立った。研ぎ澄ました集中から放たれた水沢の千里眼射ちである。
「ツーストライク。ナイス挑発ですよ硝子さん!」
「煽ってたわけじゃないんですが」
「あっ!もー……だから僕の尻尾は猫じゃらしじゃないんだって!」
救うべきである猫に集中を乱されて不満をあらわにする三岐と、本日何度目かの口喧嘩(のようなもの)を展開する笹鳴と水沢。
その横を一人の男性が通り過ぎ、魔人の下まで歩み寄っていた。

「が、ぁ、ああえああああ……!」
「にゃあ、にゃあ、にゃあ」
刺さった矢を引き抜こうと奮闘する魔神。そのすぐ近くで明らかに人の声で真似た猫の鳴き声が聞こえ、魔神は目線を少し下げた。
「ねこ。いいよね」
黒目、黒髪、長身の男が目の前で薄ら笑いを浮かべながら魔神へ話しかけていた。それはごく自然な態様で、僅かでも余裕を持っていれば「そうだな」と頷き返してしまいそうなほど気さくな、それは介入であった。
「ぼくはどうぶつが好きでさ。君がオブリビオンじゃなかったらきっと良い友人になれたと思うんだよねぇ」
服の裾の触手や魔神のふりまわす腕をのらくらと躱しながら男、犬曇・猫晴(亡郷・f01003)は一方的に会話を進めていく。
「ぼくは悲しいよ。友達になれない悲しさと寂しさと涙が……ふわぁーあ。あぁ今のはあくびだ。気にしないで。猫大好き魔神ちゃんもするでしょ?」
目じりにたまった涙を指でこそげ取ると、犬曇は魔神の口から生える矢羽で拭き取った。
「あ、ぃを」
「随分しっかり刺さってるね。痛い?じゃあもっっと痛くするね」
衣服すら触れず、しかしずっと話しかけてられて警戒と苛立ちが高まる魔神の顔をみた犬曇は、そう言うと勢いよくはみ出た矢の末部に拳を叩きこんだ。貫通には至らなかったが先程より深くなった矢を見て満足そうにうなずくと、更に刺さった矢ばかりを狙って打撃を打ち込んでいく。
「どんな奴でも」 突き。
「君は倒さなきゃならない存在」 回し打ち。
「それが自然の摂理だ」 揚打。
「仕方ないね」 肘打ち
口も手も止めず攻め立て、一方でユーベルコードまで昇華された勘を働かせ反撃をふわりと避けていく。度重なる猟兵からの攻撃で残り体力も少なかった魔神はこのインファイトで激烈に消耗していき、遂に膝から地に頽れた。

 護符の妨害がなくとも最早動くこともままならない魔神は、重すぎる頭で¥を精一杯動かして何かを探し求める。自らの拠り所。人類の癒しであり、自身の癒しでもあった存在……。
「猫ならもういないよ。ここは危なかったからね」
脅威はないと判断され、猟兵達が続々と魔神の下へ集ってゆく。皆表情に違いは有れど、止めを刺すことに迷いはなさそうな雰囲気である。
 犬曇は彼らが辿り着く直前、魔神に何度目かの言葉をかけた。
「君とぼくの強さの決定的な違い、教えてあげるよ」
死を待つばかりの魔神が恨めし気に顔を上げる。薄くも濃くもない笑顔とともに、彼はそっと囁いた。

「ぼくは犬派だ」


 この上なく悔し気な猫好き魔神が猟兵達の一斉攻撃で撃破された後。
危険な物品などを持ち出した小屋の近くでファインギフトがしゃがみ込んで地面を弄っていた。
「……よし、できたにゃ」
そこには四つの盛られた土と、そこに差された四本の木の棒。簡易的ではあるが気の良い触手たちとその主の墓であった。
「猫好き魔神も触手も、敵だったけど猫には優しかったにゃ。猫たちもこれでお墓参りできるにゃ」
寄ってきた猫に墓の趣旨を伝えると、ファインギフトはちょっとだけ寂しそうに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『愛らしい猫達を存分に堪能…しませんか?』

POW   :    猫達を沢山抱っこしたり背に乗せたりじゃらしまくる!

SPD   :    猫が好みそうなおもちゃの動かし方をしたり、心地よさそうな撫で方をしてみる

WIZ   :    猫の好みそうな事を考えて、おもちゃ等を用意して一緒に遊ぶ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やあ皆、拠点退治お疲れさま。この後は帰るまで島でのーんびりしていってね」
UDC組織と事後処理について打ち合わせを終えた神木が、近くで休んでいた猟兵に声をかける。
「まずこのまま下山しすると街に出る。小さな島だから色々はないけど、軒先や道端でくつろぐ猫が見れるはずだ」
「そこからもうちょっと行けば、今度は港があるよ。魚ほしさに島中から猫がくるんで、猫の人口密度は此処が一番高いね」
「逆にこの山でゆっくり過ごしてもいい。拠点の危険要素はなくなってるし、草原で猫と気ままに、ってのもオツなものさ」

猫とどう過ごすかは皆に任せるよ。それじゃ、よいにゃんこタイムを!
神木はそう言うと、締まりのない笑顔で見送った。
雨宮・冬華
ぬこ!この時を待っていました。さぁこい!…あれ、よってこないのです。
…騒ぎすぎて警戒されているのですか?むぅ、わかりました静かにしましょう。空ねぇ、空ねぇ、とっておきの猫ご飯をください。
綾ねぇは特製のおもちゃを貸してください。
お師匠とあにぃは猫が怖がらないようにあまり近寄らないでください。
エリねぇは……大丈夫かしら、虫と間違われて撃退されないかしら。
あ、頭に乗っかれる…だと、くそぅくそぅ、羨ましくなんかないのですよ。
エリねぇは猫に乗っかれるかもしれないけど私は猫を抱っこできるのですから!
写真、写真を撮りましょう。終わったら港にも行ってみましょう。めざせお友達たくさん、です!


風峰・空穗
(雪椿メンバーに猫ご飯を配る。特製。料理が生きがいのオラトリオ)
冬、あまり騒ぐと猫が寄ってこないわよ。仲良くなりたいなら動物との距離感を学びなさい。貴方は人の範疇で言ったら小さいけど猫からすれば巨人なんだから。
…あら、綾、わざわざおもちゃを作ってきたの?裁縫系は貴方好きよね。編みぐるみの鼠に毬?猫じゃらしほどメジャーじゃないけど、確かに猫は好きそうかしら。猫パンチしてるわね。…可愛い。
師匠、せっかく出先で湿気たキノコにならないでちょうだい。邪魔な男ね。譲は…なにやってるの?ナンパにいきたい?駄目よ、冬が疲れたとき運べるの貴方か師匠なんだから。ほら、冬が猫に夢中でどこか行ったから連れてきて。


木崎・綾女
猫は猫じゃらしとかも好きだけど、ころころ転がるものも追いかけたがるたちでしょう?
空が猫ご飯作るって言ってたから、私は遊び道具を作ってきたの。毬とネズミ型編みぐるみ。
…別に私が猫とすごく凄く無邪気に戯れたいとかじゃなくて、冬は絶対遊びたがるくせに何も用意してないだろうって思っただけよ!姉弟子からの気遣い、ありがたく受け取りなさいよね!
…師匠は邪魔だって言われたなら、ほら、その辺でキノコになってないで写真でも撮ってあげたら?あとで集合写真も撮るんだろうけど。
末弟子の成長を願うなら記録もしっかりと撮るのがいい父親ってもんでしょ。…冬のほうが年上な気もするけど。まぁ中身五歳だし、ね?


小金井・譲葉
猫と戯れる趣味はねぇし冬に邪魔だどけっつわれるし……写真は師匠が撮ってるだろ?ナンパ言ったら駄目か?
……だめか、だろうなぁ。まぁいいけど。ビデオカメラでも回そうかね。
しっかしお前ら(綾女と空穂)用意いいなぁ。利用してる冬はちゃっかりしてんなぁ。綾と空、お前らなんか都合のいい女になってねぇ?大丈夫?
冬は意外としたたかっつーかちゃっかりしてるっつーか。ガキならではだな。遊びに行く体一つあればいいってか。
師匠、俺冬だっこすんのいやだからな、あんたに任せるぞ。
あいつ情け容赦なく髪の毛引っ張ってくるから抱えたくねぇ、絶対。乗り心地悪そうな顔するし。
エリ―?寝るなよー?潰されるぞ


土井・玄冬
邪魔か……そうだな、冬で巨人なら俺や譲は巌のようなものだしな…(でかい図体で落ち込むキノコになる)
…む?なんだ、空?写真?…相分かった、承ろう。
いい父親…確かに俺は五十だし冬は娘のような年だが…恋愛もしてこなかった男にいい父親など務まるのだろうか。
綾も猫相手にくらい素直にならないと後々後悔…こら、編みぐるみや毬を投げるんじゃない。図星を突かれて暴れるな。
しかしエリーと猫が戯れているととても心臓に悪いのは俺だけだろうか。
妖精は、本当に小さいな。
振り落とされないように気を付け…飛べる?そうか、そうだな。うむ、失礼した。
集合写真を撮ったら港へ行くか。…冬は俺が抱いていこう。嫌そうな顔は俺もされるが。


エリアンヌ・ベルシュタイン
エリーは小さい体を生かして猫に乗っかってしまうのだわ。ふふん、冬にはできないでしょう、いいでしょう?
だっこはできなくてももふもふはできるんだから。
師匠も空も、綾も譲もみんなして何よ何よ、人を羽虫みたいに言わないでちょうだい、失礼しちゃうわね。
確かに猫はなんか興味津々でこっち見てるけど、この翅は飾りじゃないのよ、たたかれそうになったら飛んで逃げられるんだから。
ん、この子はおとなしいわね。背中を拝借。
なるほど、師匠にだっこされる冬はこういう心境なのかしら。のりもの。ってよくいってるもの。
あぁ、師匠と猫を同列に語ったら猫に失礼よね。自分の意見をはっきり言う猫とNOを言えない男じゃ。
写真?空、肩貸して


笹鳴・硝子
みゃー(f00134)、北斗ちゃん(f05072)と

「港行きましょう。良いですよ港。山を下り待ちを抜けて行けば、道々の猫も眺められますし、港に行けばそこに集まっている猫に出会える。言ってみれば全部盛りの良いとこ取りです。『最高かよ』ってやつですね」
おや、全員意見が分かれましたね
では平和的に拳で決めましょう
じゃんけんで勝負です

【何を出すかはお任せしますが、全員で港に行く結果になります】

港に着いたら、今日の為に用意した猫用のブラシを使って猫をとろけさせて見せますよ
『猫は液体』っていうじゃないですか
蕩けろ…存分に蕩けるがいい…
おやこの子自分から膝に乗ってきて…膝が暖かくてこちらが蕩けそうですね


黒木・摩那
★ねこじゃらしで猫と遊ぶ
【WIZ】

ネコはいいですね。
動いても動かなくても癒されます。

ネコと遊んでもらうには飛び道具が必要でしょう。
というわけで、近くに生えていた猫じゃらしを使います。

目の前でフリフリ。
ちょっと上の方でフリフリ。

ネコがそれをつかもうとするけど、
そうはさせじと、猫じゃらしを逃がしてみたり。
ネコと猫じゃらしを通した鬼ごっこします。


コハル・ファインギフト
【希望:WIZ】
山もいいにゃけど…
(作った墓をちらっと見て)…コハルは街や港でのんびりするにゃ
神木さんとUDC組織さん達もありがとうにゃー!


下山して
お店があれば
猫が好みそうなもの中心に色々買うにゃ
じゃらせそうなおもちゃも欲しいにゃ

その後
街で過ごして
余裕あれば港も行きたいにゃ


コハルから見ても
にゃんこ達はとっても可愛いのにゃ

『にゃーんふぉにっく・きゅあ』で
皆を少しでも癒せたらいいにゃ

寄ってくれる子は頭や背中等をなでなでにゃ
【動物会話】で会話もするにゃ
「ここの暮らしはどうかにゃ?」

さらに、猫をじゃらすにゃ
けど…コハルもうずうず、じゃれたいにゃぁー!


この島の平穏を願うにゃ
「にゃんこ達も元気でにゃー!」


桑崎・恭介
【山で過ごす】
(皆と別れてから歩を進め、服の中から「落とし子猫」を取り出して)
あー…特に後ろめたいことしてるつもりやなかったんやけど、隠してしもた…
(墓の前まで来て、抱えていた落とし子猫を下ろす)
さてっと…どうすっかなー
(頭の中に浮かぶのは始末するなら、隣に埋めようかとか)
(持って帰るなら最後の猫魔神パパ…パパ?への挨拶のためとか)

…まぁ、最初の段階で攻撃する方向に動けんかった時点で俺の答えは決まっとるわな
後はお前の問題やな。俺は猟兵で、これからもUDCと戦っていく…
その上で、俺を許せるか…ってな
(友好的な姿勢を崩さないなら『箱舟』に収容するが、戦闘姿勢や逃走姿勢を見せたら責務を果たす)


三岐・未夜
【硝子(f01239)と北斗(f05072)と】

えー……生臭いじゃん港……潮風で尻尾ばりばりになるし……。
このまんま森の中でいいのに、わざわざ港とか行きたくない。尻尾洗うの大変なんだから。
あと、なんか猫が尻尾について来そうで……(まだじゃれてるねこねこねこ)

【ジャンケンの結果は港行きです】

……なんか遊び道具持ってこようかとは思ったけど、これ絶対持って来てても尻尾から離れないパターンだろ君ら……。
あーもーいいよいいよわかったよ!勝手に遊べばいいだろもーっ。どうせ潮風でガビガビになるし!(尻尾をぱたぱた振って猫じゃらし化)
うわ、ちょ、背中に乗んのやめて!?わっ、わ、待っ、耳は却下!尻尾で我慢して!


水沢・北斗
【笹鳴f01239、三岐f00134と行動】
えー港ですかー?
ヤドリガミ的にあんまり潮風にあたると後で手入れが面倒なんですよね、錆びとか浮くし。
ここはひとつ街の方でご飯とかお茶とかしつつ猫を嗜む方向で……
え、拳?
ふふ、硝子さんそれで私に勝てると思ってるんです?カワイイところあるじゃないですか!

【じゃんけんにはまける。仮に殴り合っても多分まける】

今こそ伝家の宝刀を抜く時!
美顔ローラー!!このコロコロ感と適度な刺激に猫も骨抜き!
いや本当に!!

あと結構寒いので3人分のホットコーヒーをその辺りで調達。
出来るオンナは違いますよやっぱり。



神木に見送られた黒木は山頂付近に戻ると、避難先から戻ってきた猫たちの姿を認めて静かに歩み寄った。戦闘中もファインギフトの召喚した猫の手と肉球には幾分癒されたが、やはり猫は猫だからこそ得られる癒しというものがある。ていうか見てるだけで癒される。呪詛耐性を持つ黒木でも、この魅了には抗いがたいものがあった。
 そんな空間の片隅に猫じゃらしを見つけた時、黒木はためらわずそれを使うことを決めていた。第六感が告げていたと言っても過言ではない。『これを使えば猫ともっと遊んでもらえる』と。
「さぁ来なさい。ほらほら」
おびき寄せ、そして動物会話を併用して猫を誘い出す黒木。その姿はもはや獲物を待ち伏せるアメリカササゴイさながら。あわれ猫じゃらしに飛び掛かった猫は目の前、目の上、伸ばした前足の隙間といった、巧みな猫じゃらし裁きに翻弄されることとなる。
ちなみに黒木も屈んだり立ち上がったりを繰り返した結果、草まみれになって楽しんでいらっしゃったのであった。


「この時を待っていました」
 UDC組織の撤収が始まりつつある山頂。その一角で厳粛な雰囲気を醸し出しながら、雨宮は戻ってきた猫たちに宣言をし……着物の乱れも気にせず、野原へ膝をつき両手を広げた。
「さぁさぁこい!ぬこさん!」
 目も輝かせて準備万端。しかし猫はちょっと遠巻きに毛繕いをしたり寝転がったりとつれない反応ばかり。おやおや?と首をかしげる雨宮に、あとから合流した古本屋『雪椿』の面々が声をかける。
「冬、あまり騒ぐと寄ってこないわよ。仲良くなりたいなら動物との距離感を学びなさい」
 波打つ金色の髪をサラリと除けながら注意をしたのは一団の女房役たる風峰・空穗(響藍の魔女・f00506)。
「むう、わかりました。静かにしましょう。だから、空ねぇ空ねぇ、とっておきの猫ご飯ください」
納得したのかしてないないのか、立ち上がった雨宮はすぐさま風峰にエサをねだる。それに応え、ついでに同行した者たちへ、手にしたバスケットから小鉢に分けられた手作りのエサ(マグロの刺身を蒸してほぐしたもの。オリーブオイルが隠し味)を手渡していく。
「綾ねぇは特性のおもちゃを貸してください」
「あら、綾はわざわざおもちゃを作ってきたの?」
 エサを片手に雨宮が次に呼びかけたのは編みぐるみ片手に猫と戯れていた木崎・綾女(宵月の魔女・f00737)であった。さも当然のような要求だが、風峰はよもや猫と遊ぶために編みぐるみを作るとまでは予想しなかったらしく、どんな物かと興味深げに見つめている。
「毬と、簡単なネズミ型の編みぐるみよ。空がご飯作るっていうから遊び道具を作ったの。ほら、猫じゃらしも良いけれど転がるものだと追いかける姿が見れたり……って。別に私が猫とすごく遊びたいとかじゃなくて、冬は絶対遊びたがるくせに何も用意しないだろうって思っただけよ?!ありがたく私からの気遣いを受け取り……あら?」
 細糸で色彩豊かな毬や編みぐるみを雨宮に渡しながら饒舌に語る木崎。ハッと我に返った時には、編みぐるみで遊ぶさまを雨宮と風峰が並んで楽しんでいたのだった。
「みて冬。猫パンチしてるわ。……可愛い」
「ぬこぬこ。ご飯もありますよ」
「アンタたち聞いてんの!?」
かしましく騒ぐ女性陣。そこへ黒い肌の偉丈夫がのっそりと近づいてくる。
「おうおうエサに玩具とは、お前ら用意いいなぁ。つかなんか都合のいい女になってね?大丈夫?」
 雪椿の実質的な大黒柱である小金井・譲葉(氷煉の魔人・f00835)である。猫には興味が無いらしく、寄ってきても胡乱な目で一瞥くれる程度。対して娘同然の三人には穏やかな眼差しを常に向けていた。
「冬も冬で強かっつーか、ちゃっかりしてるっつーか。ガキならではだぜ。なぁ師匠?」
「そうだな……」
小金井が振り返った先には全身を黒い正装で包んだ若い男が一人。さながら執事のようにそっと立ているのは、雪椿の店主にして彼らの親役の土井・玄冬(逢魔の魔神・f00965)。しかし保護者として見守る男二人への対応はどれも冷たいものであった。
まず雨宮。
「お師匠とあにぃは猫が怖がらないようにあまり近寄らないでください」
無邪気な言葉に「邪魔か……そうだな……俺や譲は巌のようなものだしな……」とどんよりキノコもーどになる土井。そこへ風峰と木崎が容赦なく追撃を叩きこむ!
「師匠、せっかくの出先で湿気たキノコにならないでちょうだい、邪魔な男ね」
「師匠はほら、その辺で冬とか猫とかの写真でも撮ってあげたら?弟子の成長を願うなら記録もしっかり録っておくのがいい父親っってもんでしょ」
 最終的にボコボコにされた土井であったが、木崎の提案を承諾すると、カメラを手に写真を撮り始める。一方小金井はなぜか猫ではなく遠くのUDC職員をぼんやりと眺めていた。その様子に気付いた風峰が声をかける。
「譲は……なにやってるの?」
「あん?猫と遊ぶ気はねぇし冬には邪魔だと離されるし、カメラマンは師匠になったんだろ?ヒマだからナンパに行こうかなぁと。駄目か?」
 どうやら職員からターゲットを物色中だったらしい。
「駄目よ。冬が疲れたときに運べるのは貴方か師匠なんだから。それに……ほら」
振り向いた風峰が示した先には全身全霊で猫とじゃれあう木崎だけ。
雨宮の姿はどこにもなかった。
「冬が猫に夢中でどこかに行ったから連れてきて」
「まじかよ……」
小金井は苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべると、昼寝中の猫を延々と撮影する土井を読んで近くの森へ入っていった。

「譲、あそこにいるぞ」
 森に入って数分。土井が指さす先には、少し開けた場所で猫の腹をくすぐる雨宮がいた。
「さすが師匠、たまにはやるじゃねぇの。おーい冬。あまり皆から離れんな」
そっとヘコむ土井をよそに、小金井は近づきながら軽く窘める。雨宮も素直に戻ろうとして、ふと1人見ない顔がいることを思い出した。
「そういえばエリねぇは大丈夫かしら。此処に来てからまだ見ていませんが」
男二人もその言葉に「確かに」「そういやぁ」と反応を示す。エリねぇことエリアンヌ・ベルシュタイン(白夜の魔女・f11081)はフェアリーであり、その大きさは翅を除くと30㎝にも満たない。もし何かの手違いで退治でもされていたら……3人の間に気まずい空気が満ちかけた、その時。雑木林の向こうから1匹の猫が飛び込んできた。その頭にはロリータに身を包んだフェアリーの姿があった。
「エリねぇ!」
「あら冬、ここにいたのね。ふふん、どう?猫の頭に乗っかるなんてエリーしかできないでしょう、いいでしょう?」
家族の心配を意にも介さず、自慢げに胸を張るベルシュタイン。その様子に雨宮は簪を揺らしてひどく羨ましげであった。
「くそぅくそぅ……けど私は猫に乗っかれない代わりに猫を抱っこできるのですよ!」
「もっふもふするのならエリ―だってできるわよ?」
張り合う二人の側では、風峰に二人を発見した旨連絡した小金井と土井が小声で話し合っていた。
「エリ―が猫と戯れているととても心臓に悪いと感じるのは俺だけか」
「わからなくもねぇよ。店のハードカバー整理してる時とか俺も緊張する」
「そうか。……しかし、妖精は本当に小さいな。振り落とされないよう気をつけろよエリー」
「まったくだ……油断すると潰されちまうぞー?」
老婆心から声をかける男達にベルシュタインは頬を膨らませて不満をあらわにした。
「なによなによ、人を羽虫みたいに言わないでちょうだい。失礼しちゃうわね。何かあればこの翅で飛んで逃げられるんだから」
自身の背に備わる翅を勢いよく羽ばたかせるベルシュタイン。耳の近くで起こる強風に乗っていた猫はやや嫌そうに身じろぎをし、彼女を振り払ってどこへとも行ってしまった。
 注意されたそばから飛ぶ羽目になったベルシュタインは、しかし雨宮が遊ばせていた猫の背に降り立つと、その背に寝転がってみせた。
「なるほど、師匠に抱っこされる冬はこういう心境なのかしら」
普段から「のりもの」と愛用される様子を見ていて体験してみたかったのかもしれない。雨宮は「そんなにもふもふさんではないです乗りにくいです」と口を尖らせているが、男側からも雨宮の乗客としての評価は低いのでお互い様の範疇ではあるだろう。
と、そこへ木崎から戻って集合写真を撮って!という連絡が小金井の元へ届く。
内容を伝えると二人とも素直に従い、山頂へ戻ろうと歩き出す(ベルシュタインは雨宮の肩へ移動した)。
「写真を撮ったら港へ行くか」
「えぇ、えぇ。私もそう思いました。次は港で、めざせお友達をたくさん、です!」
意気込みたっぷりに微笑みながら先頭を行く雨宮の後姿を見ながら、小金井はある種の確信をもって土井に囁いた。
「師匠。あれは下山中に疲れが来る気がするから抱っこは任せるぞ。俺はいやだからな」
土井はまたしてもキノコモードになりかけつつ、心得た、と頷き返した。





「港行きましょう」
雪椿の面々が猫を愛でる少し前。山道の前で三人の猟兵が話し合いをしていた。
いや厳密には二人が一人に説得されていた。
「良いですよ港。山を下り、街を抜けて行けば道々の猫を眺められますし、港に着けばそこに集まっている猫に出会える。言ってみれば全部盛りの良いとこ取りなヤサイマシマシニンニクカタメです。『最高かよ』ってやつですね」
 真顔ながら真剣に言いくるめ(2)をしているのは笹鳴。そこに相対するのはあんまり乗り気じゃない三岐と、あんまり乗り気じゃない水沢である。以下二人の主張。
「えー……生臭いじゃん港……潮風で尻尾ばりばりになるし……。このまんま森の中でいいのに、わざわざ港とか行きたくない。尻尾って洗うの大変なんだから。それに猫が尻尾について来そうだし……」(三岐)
「えー港ですかー?ヤドリガミ的にあんまり潮風にあたると後で手入れが面倒なんですよね、錆びとか浮くし。ここはひとつ街の方でご飯とかお茶とかしつつ猫を嗜む方向でいきません?」(水沢)
 それぞれの意見を頷きながら聞いていた笹鳴は、主張が終わったタイミングでおもむろに片手を顔の横まで持ち上げて握りしめる。
「全員の意見が分かれましたね。では、平和的に拳で決めましょう」
静かに闘気を燃やし始める笹鳴。突然のバトル展開に三岐は思わず立ててしまった。じゃれていた猫たちがなんだなんだと散っていく。他方、水沢はやる気満々で肩を回している。もしかすると猫魔神を倒す時より元気かもしれない。
「拳?拳で私に勝てると思ってるんです?ふふ、案外カワイイところあるじゃないですか!」
「大丈夫なの硝子。急に暴れたら神木に怒られるんじゃない?」
二人の反応にも構えを崩さず、決意に満ちた目で見返す笹鳴。
「えぇ。言ったでしょう平和的と。では始めましょうか……
 じゃんけんで勝負です」

「なるほど。ここが港ですか」
 勝ち抜け式三本先取ルールの仁義なき戦いを経て圧勝した笹鳴は、二人を連れて港に立っていた。小さな島の設備となれば大したものはなく、障害物の無いコンクリートの波止場にロープが転がっているような状態。そんな場所も大量の野良猫が気ままに過ごしているせいか、見る者に窮屈さを感じさせてしまっていた。
「くそぅ、硝子さんめっさじゃんけん強いじゃないですか……聞いてませんよこんなの」
「潮臭い……風でベタベタする……」
共に脛半ばまで猫で埋まっている二人はそれぞれに恨み言を吐きながら笹鳴の跡を付いていく。なお三岐の尻尾には予想通り何匹もの猫がその振られる動きを目で追いながらついて来ており、道中でしびれを切らした本人が「もーいいよわかったよ!勝手に遊べばいいだろー!」と諦めたこともあって、ちょっとした行進状態であった。
「見てください二人とも。あの小屋で暖まりながら猫と遊べるようですよ」
波打ち際に沿って猫たちと歩きながら、途中、近くのコンビニで水沢が人数分ホットコーヒーを買ってきたりしながら散策すること数分。『にゃんこハウス』という看板のプレハブ小屋に辿り着いた三人は、これ幸いと中に入り、暖房の恩恵を受けながら猫と遊び始めた。
「さぁ皆さんお待たせしました!今こそ伝家の宝刀を抜く時!出でよ美顔ローラー!」
鞄から淡いピンク色のローラーを取り出した水沢は、近くにいた猫の横腹めがけてローラーをコロコロコロコロー。
「見てくださいこの気持ちよさそうな顔!まさにどストライク!バッターアウト!このコロコロ感と適度な刺激でどんな猫も骨抜きです!いや本当に!!」
目を細めて身体を委ねる猫をやさしくコロコロをしながら全力で見せつける水沢に「ほう」と感心した眼差しを向けるのは、てにブラシをもってホットカーペットに座る笹鳴。今日の為に用意した猫用の特別性である。
「あそこまで平べったくなるとは……やはり猫は液体。近所の鯉とは大違いですね」
ローラーで溶けた猫を目指し、ブラシで丁寧に毛を梳かし始める。柔らかい毛先の感触が心地いのか、徐々にブラッシングされる猫が身体の緊張を解いていく。その感触をブラシ越しに得た笹鳴は、さらに身を委ねさせるべく声をかける。怖がらせないよう、低い声音で、ゆっくりと……
「蕩けろ……存分に蕩けるがいい……」
「すごい悪者感出ちゃってるよ!?」
脇で聞いていた三岐が驚きのあまり再び尻尾を立たせると、その動きが面白かったのか手隙の猫がどんどん集まり尻尾でじゃれ始めるではないか。特段道具類を持ち込まなかった三岐は、自身の尻尾で遊び始める猫たちを苦々しさ半分、可愛さ半分な表情で眺める。可愛いことには可愛いが、後始末のことを考えると……やはり純粋には楽しめない。思わず背を丸めてため息をついてしまったその時、背中に突然重い物が乗っかって起き上がれなくなってしまった!
「うわ、ちょ、背中に乗んのはやめて!?はわわ、待っ、耳もダメ!尻尾で我慢して!」
背をよじ登り耳で遊び始めたやんちゃ猫を何とか摘まんで引き剥がすべく、猫と三岐の激闘が始まったころ。笹鳴もまた猫と戦っていた。
「これはやられましたね」
見下ろす先は座っている自身の膝。そこに目敏く乗り込んだ猫が膝の上で丸くなってくつろぎ始めたのである。ひとまず手にしたブラシで漉きながら、膝の上の感触と温かさをかみしめる。
「このままではこちらが蕩けてしまいそうです。なかなかやりますね猫よ」
どんなもんだ、というかのように見上げてきた猫に、笹鳴は僅かに目を細めて微笑んだ。


 猫島の市街地。
と言っても僅かな商店とありったけの住宅が山の麓に寄り集まった小さなエリアである。そこへ大量の猫がたむろするとなれば、まるで猫に支配されたかのような錯覚に陥るかもしれない。
「にゃん、ふん、にゃーん♪」
そんな街の一角にあるペットショップ兼雑貨屋に、ファインギフトの姿があった。ここで猫と遊べる道具を買って遊ぶ算段である。
「おぉ!これすごいにゃ!光を猫じゃらしにしてるのにゃ!」
最近本島から入荷したという機器を試しながら、他の売り物も探していく。最終的に手にしたライト猫じゃらしにパケで小分けされたチャオなチュール、持ち運べる爪とぎパッド、島の名前がプリントされた猫用の衣服などを購入すると、その隣にある食堂に入っていく。そこで「名物にゃんにゃん定食(アジフライ・鰯のつみれ・刺身など 880円+税)」を食べたり食堂に住む猫と遊んだりして楽しんだ後は、街を抜けた先にある波止場でいよいよ買った道具を使って猫たちと遊び始めた。
「にゃふふ……この光じゃらしは皆お気に入りにゃ」
点けては消し、点けては動かして猫たちと遊ぶファインギフト。しかし徐々に身体が小刻みに震え始め、遂には我慢できず猫たちの中へ飛び込んだ!
「我慢できないにゃあ、コハルも遊ぶにゃぁー!」
落ちていたロープを弾きながら追いかけたり、光じゃらしを猫に押してもらって遊んだりと充実した猫時間を過ごす傍ら動物会話を用いてここでの暮らしも訪ねていくと、皆それぞれに『人間、エサくれる。うれしい』『紫、いない。さびしい。けど、ここ、たのしい』と話をしてくれていた。
寄ってくる猫たちの頭や背を撫でながら山の上のお墓を思い返すと、ファインギフトはちょっぴりの寂しさを我慢しながら『にゃーんふぉにっく・きゅあ』を発動して一鳴き。合わせるように猫たちも鳴き始め、波止場には猫の合唱が響き渡った。猫たちを癒すつもりが自分まで力をもらった気持ちになったファインギフトは合唱が終わると立ち上がって集まった猫たちを見回し、大きく息を吸い込んで別れの挨拶を告げた。
「にゃんこ達!これからも元気でにゃー!」
その言葉にいくつもの鳴き声が返ってきて、ファインギフトは最後にニッコリと笑ってみせた。



無人となった山頂部。その墓の前に桑崎はいた。やがて人の眼が完全に無いことを確認すると、草原に座り込んで服の中に隠していたモノを取り出して見下ろす。
「あー……特に後ろめたいことしてるつもりやなかったんやけど、隠してしもた……どうすっかなー」
そこに置かれたのは猫魔神が戦闘中に召喚した影の落とし子。ぱっと見は黒い子猫ではあるが小さい口からはこれまた小さい触手がチロチロ出ているし顔には無数の猫の眼が瞬きをしている。正直キモカワにギリギリ引っかかっているような存在である。そんな落とし子を見下ろしながら、桑崎は処遇を考えていた。
始末して墓に埋めるか。
それとも、UDC組織へ持ち帰るか。
今、神木に取り次げばどうとでもなるだろう。上手くすれば自分が管理できるかもしれない。しかしどうあっても落とし子と自身は敵であり、現に今も理性は「敵がいる」という認識を消し去らない。キモカワいいのに。
「……まぁ、最初の段階で攻撃する方向に動けんかった時点で、決まっとるわな」
桑崎は膝を一度叩くと立ち上がると、落とし子の眼のうちの一つを見つめて言葉をつづけた。
「あとは、お前の問題や」
同族を狩り続ける俺を許せるか。
それまでの朗らかな表情を止め、真剣な面持ちで問いかける。落とし子はその無数の眼で桑崎を、何もなくなった小屋を、4つの墓を同時に見つめると。
そっと座り、桑崎に向けて『なおん』と鳴いた。それは許容であった。
「……わかった。安心せい、悪いようにはせんからな」
数秒程間をおいて、桑崎のかたわらに真っ白な箱が召喚されると側面の壁を開けて中へ入るよう促す。落とし子は小さな、しかし迷いない足取りで捕獲用の超常機械『箱舟』へ入ると、壁は速やかに閉じられた。
もの言わぬ箱をゆっくりと撫でる。無機質な手触りに一瞬、温かさを感じたのは気のせいだろうか。
「ありがとうな」
桑崎はそうつぶやくと『箱舟』を抱え、墓の前を後にした。


―了―

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月09日


挿絵イラスト