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橋の向こうのトモダチへ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●あの橋の向こうに
 アルダワ魔法学園の学生らしき少年は、地下迷宮のとある部屋で立ち尽くしていた。
「イーライのやつ……大丈夫かな……」
 目の前にはいくつかの橋がかかった巨大な裂け目が横たわっている。
 橋はどれもたやすく渡れるものではない。
 丸太を渡しただけの橋。
 太い縄を両端に固定しただけの橋。
 そして一枚板を置いただけの橋。
 橋の前には『はしをわたれ。ずるはだめ』と書いた立て札が立っている。
「食料ももう尽きてるはずだし……だから、やめろって言ったのに」
 時折強い風が吹き、ただでさえ不安定な橋をさらに揺らす。
 この橋を渡っていった友達がいまだに帰ってこないのだ。
「災魔に襲われて死んじゃってたりしないよな……あいつ、抜け目がないからどっかに隠れてると思うんだけど……」
 どんなに心配でも、少年にはこの橋を渡る勇気も能力もない。
 不安げな顔で立ち尽くし、それから彼は肩を落として引き返した。

●グリモア猟兵の依頼
 アルダワ魔法学園で事件が起こったことを、白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)が猟兵たちに告げた。
「地下迷宮のオブリビオンが潜んでいるエリアに入り込んでしまって、帰ってこない学生がいるようなんです」
 この世界では『災魔』と呼ばれるオブリビオンをすべて地下迷宮に閉じ込めることに成功している。
 迷宮の上に学園を設立し、才あるものが生徒となって、脱出を果たそうとするオブリビオンと戦っているのだ。
 だが、猟兵でなくては戦えない強力な災魔も増えており、今回の事件のエリアにもそのようなオブリビオンが潜んでいたらしい。
「エリアに入るには、まず巨大な裂け目の開いた部屋を抜けなければなりません」
 裂け目には丸太橋、縄を渡しただけの橋、一枚板の橋と危険な橋だけがかかっている。
 時折強い風が吹くこともあり、さらに危険度が増している。
「橋の前には、橋を必ず渡るよう書かれた立て札があるので、飛んで行こうとするとなにかの仕掛けが発動するかもしれません」
 橋を無事に渡れば、次はイーライという名らしい学生の捜索だ。
「予知によるとイーライさんはオブリビオンと遭遇したもののなんとか逃げ出し、どこかに隠れているようです」
 とはいえ、このままでは餓死するか、それともオブリビオンに見つかって殺されるか……どちらにしても生きて帰ることはできないと考えられる。
 強力なオブリビオンの詳細は不明だが、イーライを見つけ出せば情報を得ることができるだろう。
 交戦せずに脱出できればいいが、敵もそこまで甘くはないはずだ。
 なお、イーライはおなかをすかせていると考えられるので、なにか食べ物を届けてあげるのもいいかもしれない。
「無謀と勇気の境目がどこにあるかはわかりませんが、放置してしまうのも寝覚めがよくないですね」
 よろしければ助けてあげてくださいと、伶奈は言った。


青葉桂都
 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
 今回は地下迷宮に潜っておなかをすかせた少年を助けていただきます。

●迷宮の橋
 第1章では3種類ある橋の内いずれかを渡らなければなりません。
 丸太橋と綱渡りの橋、一枚板が渡されただけの橋がそれぞれの能力値に対応していますので、確認の上プレイングをお願いします。

●イーライ
 アルダワ魔法学園の学生です。
 猟兵でなければ倒せない強力なオブリビオンに遭遇し、迷宮のどこかに隠れています。
 橋を無事に渡ることができれば、第2章ではイーライを見つけるために探索を行うことになります。

●オブリビオンについて
 現時点では詳細不明です。イーライを助け出すことができれば、どのような敵でどんな攻撃を行うかなど教えてもらえるでしょう。

 ご参加いただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『はしをわたれ!』

POW   :    『一本丸太の橋』を渡る。<勇気>を持って行動するのも良いだろう。

SPD   :    『一本縄の橋』を渡る。<ロープワーク>などバランスを大事にするのも良いだろう。

WIZ   :    『一枚板の橋』を渡る。<忍び足>でよく足場を確認するのも良いだろう。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リグ・アシュリーズ
地下迷宮、か。私には挑んじゃう気持ち、分かるな。
さて、行こうか。帰る時はイーライ、それに同行する皆も一緒だ!

丸太の橋を選ぶ。
ただし、いきなり踏み出したりはしないよ。無謀と勇気は違うんだ。
手前の陸地でバランス感覚のイメトレ。
こういうのは変に怖がるとバランス崩すんだ。
あと、絶対に下は見ない。
根性論じゃなく、重たい頭で覗き込んだら重心がお留守になるからね。

指先をなめて、風向き確認。
体幹を引き上げ、裸足になって丸太の幹を足の指で掴む。
足のラインを一本に揃えて、同じリズムで渡ってく。

落ちそうになったら?
慌てず姿勢を落として、体勢を整えるよ。
最後まで迷わず確実に。
大事なのは理性と根性。私は絶対、渡りきる!


ルビィ・ヴィープル
POW「1本丸太の橋」を渡る。

なんか面白そ…なーんて楽しんでる場合じゃないな?
アルダワ魔法学園じゃ生徒は一生懸命頑張ってる良い奴らや。
助けてやらんとな!

っとと、橋を渡る前にイーライを心配するトモダチに話し掛けていけんかな?
イーライに届ける食料をくれるかもしれんし、何より名前とイーライに何か伝えたい言葉も聞ければ!見つけた際に説得もしやすいやろ!

さて、本題の橋やけど。
まぁウチには<勇気>もあれば、度胸もある!
しかも「はしをわたれ」(端っこをわたれと解釈)と来れば、真ん中にありそうな綱の橋はダメやろ?
渡ってる最中に強風やらで落ちそうになったら丸太にしがみついてでも渡るで!

我ながら完璧や!



橋の前にたどりついた猟兵たちは、それぞれにどう橋を渡るか考えていた。
 ルビィ・ヴィープルはその中で、大きな部屋から出ようとしていた少年に近づく。
「な、あんた。この先にいる友達が心配やんな?」
「え……あ、はい」
 おそらくルビィと同じくらいの歳、いやもう少し年下だろうか。ドラゴニアンの少女に話しかけられて身を縮める。
「ウチら、この先に行くつもりやねん。よかったら伝言とか、届けたいもんとか、あったら引き受けるで?」
「あ……ええと……」
 少し迷ってから、彼はおずおずと袋に入ったパンをルビィへと差し出してきた。
「……伝えたいことは、別にないです。ただ、無事に帰って来てくれれば、それで……」
 その言葉が本当なのか、ただ遠慮しているだけなのかは、よくわからなかった。
「ふぅん……ま、ええわ。あんた、名前は?」
「すみません、僕はウィルって言います」
「ウチはルビィや。無事に連れて帰って来るから、任せときや」
 少年に告げて、ルビィは丸太の橋へと向かう。
 橋には先客がいた。
 手前で渡るイメージをつかもうとしているのは、リグ・アシュリーズだ。
「渡らんの?」
「いきなり踏み出すのは危ないからね。無謀と勇気は違うんだ」
 ルビィの問いに、色黒の肌をした人狼の少女は応じた。
「バランスはこんなものかな……それに、下を見ないようにしないとね。根性論じゃなくて、重たい頭で覗き込んだら重心が崩れるから」
 そう言いながら、リグは指先に少しつばをつけた。
 風はずっと向かって右から左に吹いているように思える。とりあえずこの風が変わってしまわないうちに渡ってしまうのが良さそうだ。
 体幹を引き上げて、靴を脱いで荷物の中にしまい込む。
 そして、リグは足のラインをずらさないようにして、一定のリズムで橋を渡っていく。
「大事なのは理性と根性。私は絶対、渡りきる!」
「そんじゃ、一緒にしっかり渡り切ろうや。ウチも、勇気もあれば度胸もある。きっと渡れるはずや」
 リグの邪魔をしないように少し距離を離し、ルビィも渡り始めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

箒星・仄々
心情
友達想いの優しい少年さんのお気持ちに応える為にも(恩返し)
イーライさんをお助けしましょう

手段
それでは一枚板の橋を渡りましょう
私は小柄なのでたわみは最小限ですみそうですけれど
慎重にかつ素早く行きますね

迷宮のどこかで心細い想いをしているイーライさんを
必ずお救いするとの想いを胸に決然と
足場をよく確認し板の微妙な動きを見極めて
タイミングを見計らい一気に素早く渡ります
一般人の方には残像が見えるかも知れませんね?
(勇気&残像&早業&見切り)

渡る前&後に歌って皆さんを鼓舞します
猟兵さんには必要ない行為かも知れませんけれども
曲や歌が邪魔という方がいれば止めます
(勇気&手をつなぐ&歌唱&祈り)


神宮時・蒼
「…興味。…迷宮とは、不思議な、もの、ですね。…一体、いくつの、迷宮が、存在するのか、気になります…」

【WIZ】
これ、人が乗っても大丈夫な強度なのでしょうか…。
『忍び足』を駆使して、板の状態や、厚みを確認しながら渡ります。
なるべく振動を与えないようそーっとそっと。
バランスを崩したり、橋に振動を与えてしまったら一時停止。落ち着きます。

「…成功。…なんとか、無事に、渡れて、良かった、です…」
「…失敗。…あの時、あのように、していれば、うまく、行った、でしょうか…」



一枚板の橋にも幾人かの猟兵が集まっていた。
「……興味。……迷宮とは、不思議な、もの、ですね。……一体、いくつの、迷宮が、存在するのか、気になります……」
 神宮寺・蒼がとつとつと呟いた。
 板はとりあえずそれなりの厚みがあるようには見えるが、果たしてこれは人の体重をしっかりと支えることができるのだろうか。
 迷宮を作ったのが果たして何者なのかはわからないが、それも人なのだとすれば悪意をもってこの部屋を作っていたとしてもおかしくはない。
「渡れそうですか?」
 声をかけてきたのは箒星・仄々だった。
 ケットシーの小さな姿が蒼のほうへ近づいてくる。
「……不明。……端のところ、には、十分な、厚みがある、ようですが」
 慎重に足を乗せて確かめていた蒼は、声をかけられて一歩後ずさった。
「そうですか。私は小柄なのでたわみは最小限ですみそうですから、慎重に素早く進めばうまく行きそうですが……」
 猫は思案しているようだった。
「友達想いの優しい少年さんのお気持ちに応える為にも、イーライさんをお助けしたいところです。そのためにも、まずはここを渡らなくてはいけませんね」
 希望を胸に抱いて語る仄々を、蒼は琥珀色の瞳で静かに見つめた。
「お邪魔でなければ、渡る前に一曲歌わせてください。この曲が、皆さんを鼓舞し、進む力になればいいのですが」
 蒼はあえて止めなかった。
 魔法の根幹を制御するシンフォニアの歌声が地下迷宮の部屋に響いた。
 その歌が本当に力を与えてくれているかどうかはわからなかったが、少なくとも応援したいという仄々の気持ちだけはどうやら真実のようだ。
 なるべく振動を与えないように、慎重に一歩一歩蒼は進んでいく。時折風が吹いて板が揺れるものの、彼女はそのたびに立ち止まって落ち着いてバランスを取り直す。
 やがて、少女は橋の反対側へとたどり着いた。
「……成功。……なんとか、無事に、渡れて、良かった、です……」
 呟きながら蒼が振り向くと、かなたで今度はケットシーが渡ろうとしているようだ。
 仄々は歌を終えると板をじっくりと観察した。
(「イーライさん……必ずお救い致します」)
 そして、彼はタイミングを見計らい、一気に一枚板の上を駆け抜けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エルクゥ・カプリース
地下迷宮でひとりぼっち…さぞご不安でしょう…
このエルクゥ、少しでもお役に立てたらと思います!

イーライと会えた時のために一食分の非常食と飲み水を持ち物に加えつつ、なるべく身軽であれるよう必要最低限の荷物で挑みましょう。
わたくしはPOWの『一本丸太の橋』を選びますね。
…こういうのは、慎重さも大切ですが思い切りも重要と言いますし…
渡る前に丸太の揺れ具合を確認し、一度深呼吸したら、テンポよく渡ってゆけないか試します。助走をつけて、躊躇わずに進みますね。
もし他の方が渡るにあたってお手伝いが必要であれば丸太を掴む(或いは逆に掴んで頂く)などの協力も柔軟に行いたい所存です。



丸太の橋の前にもさらに挑戦者が現れていた。
「地下迷宮でひとりぼっち……さぞご不安でしょう……このエルクゥ、少しでもお役に立てたらと思います!」
 エルクゥ・カプリースは歌声を聞きながら、橋の向こうへ必ず渡ろうと決意する。
 荷物には一食分の非常食と飲み物を加えてある。もっとも、なるべく身軽でなければ渡れなさそうなので、持ち物はそれらを含めて必要最低限のものだけだ。
「……こういうのは、慎重さも大切ですが思い切りも重要と言いますし……」
 丸太の橋を確かめる。
 風に揺れているものの、決して常に風が吹き続けているわけでもない。
 揺れが止まったように見えた瞬間に、エルクゥは一度大きく深呼吸をした。
 助走をつけて一気に足を踏み出す。
「あ……!」
 乗った瞬間に風がまた吹き、橋が揺れた。バランスを崩しそうになる……が、そのまま勢いに任せてエルクゥは足を進める。
 躊躇わずに進むのがきっと大事なのだ。
 イーライ少年は乗客――とは違うかもしれないが、いずれにしても守るべき存在であることには違いない。
 だからエルクゥは行かなければならない。
 落ちる前に渡ってしまえるよう、少女は丸太橋を蹴って進み続けた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ザザ・サラーサ
不安定な橋を渡れ、か。繊細なことは苦手なんだけどなー。ま、なんとかなるよね!

ここは深く考えずに、体力や技術のない私でも渡れそうな『一枚板の橋』を渡ろう。
渡る前に一応、ロープを括りつけられるところがないか確認しておこうかな。もしあれば命綱になるし。
いやあ、私なら命綱なんてなくても渡れちゃうんだけどね☆
強風? それで落ちたら、まあ、這い上がって来ればいいでしょ♪

あ、そうだ。イーライ君への弁当も忘れずにね。
なーにが良いかなあ。板チョコでも持って行こうかな。チョコレートは非常食に良いって言うし。
……一枚板の橋を一枚板チョコ持って渡る私…………アハハ、寒ーい!!


黒木・摩那
★一枚板の橋に挑戦
【WIZ】

地下迷宮で行方不明の学生がいるとか。
それは不安ですよね。
まだ助かる見込みがあるのならば、是非とも救出したいところ。
ここはひとつ手助けさせていただきます。

……と勢いよく出てきたのはいいけれど、
この橋って何?
丸太……無理!
縄だけ……怒るよ
板だけ……辛うじて橋と呼べるのはこれだけね。
どこぞのとんちみたいに、真ん中を通らなければOK、とかじゃないわよね、これ。

ともかく落ちないように慎重に渡ります。
あんまり揺れるようならば、落ちないように四つん這いになって渡ります。
落ちたら、大変ですからね。恰好は二の次です。



不安定な橋を前にして、黒木・摩那は怒っていた。
「この橋って何? 丸太……無理! 縄だけ……怒るよ」
 2つの橋の前を通りすぎる。
「板だけ……辛うじて橋と呼べるのはこれだけね」
 行方知れずの学生を救おうと勢い込んできたものの、出鼻をくじかれた気分だ。
 一枚板の橋にしたところで、ろくでもないことに変わりはない。
「君も繊細なこととか苦手なタイプ? 実は私もなんだよね」
 話しかけてきたのはザザ・サラーサだった。
「苦手というか……こんな橋を作った方の神経を疑いたいところね」
「そうかもね。どこかにロープをくくりつける場所がないか確かめたけど、そんな所ぜんぜんなかったし」
 ザザが肩をすくめた。
「まあ、私なら命綱なんてなくても渡れちゃうんだけどね☆ 落ちたら、まあ、這い上がって来ればいいでしょ♪」
 根拠があるのかどうかよくわからないことを告げて、ザザは板の上に足を踏み出した。
 不安そうなことを口では言っているが、つまるところ彼女は自信家なのだろう。
「渡れそう?」
「たぶんなんとかなるよ。この先で待ってるイーライ君のためにも渡ってあげなきゃね」
 ゆっくりと一歩ずつザザは歩いていく。
「お弁当にチョコも用意してきたし。……一枚板の橋を一枚板チョコ持って渡る私…………アハハ、寒ーい!!」
 乾いた笑いを残して、彼女は橋の向こうへと進んでいく。
「ともかく、慎重に渡るしかありませんわね」
 摩那は大きく息を吐いた。
 5歩、6歩と進んだところで橋が揺れた。
 強い風がまた吹いてきたのだ。
 とっさに彼女は板の上で四つん這いになって落ちるのを防いだ。
 そのまま手をついた低い姿勢で、摩那は慎重に橋の上を進んでいく。
「落ちたら、大変ですからね。恰好は二の次です」
 呟いて顔を上げると、ザザも強風でバランスを崩しながら、なんとか捕まっているのが見えた。四つん這いで数歩進んだところで立ち上がり、また進み始める。
 まだ助かる見込みがあるならば、是非とも救出してやりたい。
 そう考えながら、摩那は板の上を静かに進み続けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『ごはんを届けて欲しいのです。』

POW   :    気合いで部屋を探します

SPD   :    注意深く部屋を探します

WIZ   :    事前に迷宮の情報を得てアタリをつけていきます

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


集まっていた猟兵たちは、最終的に全員が橋を渡ることに成功した。
 だが、この先のどこにイーライがいるかはまだわからない。
 強力なオブリビオンが潜んでいるエリアへと猟兵たちは踏み込んでいく。
 気合と根性で端から探して回るか、それとも手がかりを見つけながら慎重に注意深く探索を続けるか……。
 あるいは、抜け目ない者なら、事前にいくらか情報を調べてきていたかもしれない。
 イーライを襲ったという強力な災魔がどこにどのような形でいるのか、どんな姿をしているかはわからない。情報がない状態で戦うのはあまりいい決断ではないだろう。
 また、猟兵でなければ対抗できないような災魔以外にも、おそらく少なくない数の災魔が潜んでいるだろう。戦闘が起こってもいいように、警戒が必要だ。
『あれはなんだ?』
 猟兵の1人が言った。
 視線の先には魚が浮いていた。
 人の腕ほどもあるどこか金属的な魚には、『1』という数字が刻印されている。
 じっくり観察する間もなく、魚は逃げていった。
 どんな意味があるかは不明だが、あれにも警戒はしておくべきだろう。
 慎重に、あるいは大胆に、猟兵たちは迷宮へと踏み込んでいった。
ルビィ・ヴィープル
【wiz】

おーし!全員無事みたいやな、んじゃさっそく探索と行こか!

待ってるウィル君の為にもイーライ君、探してやらんとな!

さって、魔法学園の地下迷宮やからな、封印されてるオビリオンが逃げ出さんような仕掛けがあるはずや。

どんな仕掛けがあるかで、オビリオンの事も少しは分かるかもな?

魚も気にはなるけど、ウチは部屋全体を調べてるで。
美味しいとこは他の人に譲ろ。

扉や仕掛け、あとは人のいた痕跡なんかも見つけよか。

魔力で開く扉があったら「封印を解く」をしてみるで。

もしかしたら宝石財宝なんて…あ、何でもないでー

敵かぁ、ウチはあんま狭い部屋で戦いたくないな?
深追いしないで、どんな敵か見定めてみんなに報告しとこか。


ザザ・サラーサ
あの橋、結構危なかったなー。イーライ君も渡ったわけだし、彼はわりと根性あるみたいだ。

さて
困ったね、この迷宮について調べてきたわけでもないし、かと言って片っ端から調べていくとバテちゃうだろーなあ。戦闘に備えて体力は温存しておかなきゃ。

確かイーライ君はオブリビオンに襲われたあと、どこかに隠れたと言っていたような……。
よし、オブリビオンが暴れた形跡や人が隠れられそうな場所に絞って、「注意深く探そう」!

運良く手がかりが見つかったら他の人に知らせようかな。
私以外にも橋を渡った人がいたからね。みんなで探したら、絶対見つかるよっ☆



「おーし! 全員無事みたいやな、んじゃさっそく探索と行こか!」
 ルビィが猟兵たちへと声をかけた。
 後方で風が吹く音が聞こえた。また橋が揺れているのだ。
「あの橋、結構危なかったなー。イーライ君も渡ったわけだし、彼はわりと根性あるみたいだ」
 ザザは呟いて、なおも続く迷宮へと足を踏み入れる。
「けど、根性も帰ってきてこそや。待ってるウィル君の為にもイーライ君、探してやらんとな!」
 ルビィがその横を進みながら言う。
 先ほど見かけた魚はそのまま姿を消したようだ。
「なんや、あの魚は自分の意思で動いてるっちゅう感じやなかったな。少なくとも、あれが問題のやつではなさそうや」
 猟兵たちの幾人かはあの魚について考えているようだった。ルビィもその1人だ。もっとも、今のところは深追いせずに敵の正体を見定めることに集中していたし、他の者たちも積極的に攻撃はしなかった。
 橋の先にあるエリアには湿った空気が流れていた。最初は魚型の機械を見たせいでそう感じるのかとも思ったが、重たい感覚を覚えているのは錯覚ではない。
 砂漠の都市で生まれたザザにとっては、違和感のある場所かもしれない。
 通路を移動しながら猟兵たちは周囲を観察していた。
「さて、困ったね、この迷宮について調べてきたわけでもないし、かと言って片っ端から調べていくとバテちゃうだろーなあ」
 まとわりついてくる空気を押しのけながらザザは呟く。
「それに、魔法学園の地下迷宮やからな、封印されてるオビリオンが逃げ出さんような仕掛けがあるはずや」
「そうだねえ。ひっかからないように気をつけて、痕跡を注意深く探してくとするかい」
 ゆっくり歩きながら、ザザはじっと地面を見つめた。
 しばらく探したところで、彼女は迷宮の床にうっすらと残っていた埃になにか跡がついているのを見つけた。
「足跡みたいなのがあったよ! きっとここを通って行ったんだ」
 他の猟兵たちにも聞こえるように、ザザは声をかける。
 痕跡は薄く、人ではなく災魔のものだったとしてもおかしくはないが、手がかりであることは間違いない。
「……ちょい待ち。隠し扉があるみたいや。なんか、仕掛けもありそうやな」
 しばし追ったところでルビィは壁に隠された扉があることを確認した。
「痕跡もこの向こうに続いてるよ。イーライもここを通ったみたいだね」
 ザザが言う。それを聞きながら、ルビィは隠し扉を調べ始めた。
「内側から開けると電気が走るみたいやけど、外側から開く分には平気そうやな」
 確かめながら、ドラゴニアンの少女は魔力を用いて扉の封印を解除する。
「もしかしたら宝石財宝なんて……あ、何でもないでー」
 思わずもれてしまった宝石好きの本能をあわてて打ち消し、ルビィは扉を開く。
 さらにしばらく進むと、湿気の源であろう部屋がやがて見つかった。
 どこからか流れ込んだ水が迷宮の中に河や池を作っている。それも、一部屋ではなく何部屋も。
 痕跡は、ここでまた途切れているようだ。
 けれど、猟兵たちは確実にイーライへと近づいていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
心情
どれだけ心細く
そしてお腹を空かしていらっしゃるか…
早く見つけましょう

手段
SPD
イーライさんが探索&隠れようとした痕跡を注意深く探し辿ります
:見切り&追跡&暗視

道中
敵の出現にも注意を払いこっそりと
:迷彩&忍び足

痕跡が途中で途切れたら魔法学園の校歌を歌い奏でます
救援隊と気づいて下されば…
敵を呼び寄せる危険は承知の上です
;歌唱&楽器演奏&恩返し&優しさ&勇気&手をつなぐ&祈り

イーライさん
どちらですか?
お友達がご心配されていますよ

発見後はクッキーと
ポットの紅茶を入れて差し上げます

戦闘時は魔法で残像分身し
トリニティで攻撃力を強化した魔法剣で戦います
:属性攻撃&残像&早業&先制攻撃&見切り&串刺し


黒木・摩那
★オブリビオンの正体からイーライの居場所を推測する

【WIZ】(第六感)
人の腕ほどもある金属の魚。
数字の「1」が刻印されている……ということは
機怪魚人間ですね。
つい先日、別件で退治したばかりです。

謎のオブリビオンの正体が機怪魚人間とすると、
イーライの隠れていそうな場所も絞れるかもしれません。

機怪魚人間は水に潜んで隠れて襲ってくるので、
イーライが隠れるとすれば、
湖や水路に囲まれている場所が怪しいです。
島になってるところとか。

小さい島だとすぐに襲われてしまうから、
そこそこの大きさがある島だとは思うのですが。
まだ隠れていればいいのだけれど。



川や池が多数並ぶエリアを見て、摩那が思案する。
「イーライはこの辺りにいるかもしれませんね」
 眼鏡越しに周囲をながめている少女が考えていたのは、先ほど見た魚のことだ。
「先日別の迷宮でも遭遇したのですが、おそらくここにいるオブリビオンは機怪魚人間なのではないかと思います」
 無論、同じタイプのオブリビオンだからといって性質が同じであるとは限らないが、とりあえず参考にはなるはずだ。
「魚人間は水場に隠れ潜んで根城にしている可能性が高いと思います。ですから、水場の……島になっている場所など、隠れやすそうな場所がを探すのはどうでしょう」
 摩那は言った。
「なるほど、島になっている場所……ですか」
 頷いたのは仄々だ。ケットシーの少年は、真面目な様子で考えている。
「そうかもしれませんね。イーライさんがどれだけ心細く、そしてお腹を空かしていらっしゃるか……早く見つけましょう」
 水路で区切られた空間が島のようになっている場所。
 そして、その中で隠れられそうな場所。
 条件に合致する場所を探して猟兵たちは移動していく。
「私も考えていたことがあります。敵を呼び寄せることになるかもしれませんが……歌を歌ってみましょうか」
 仄々が言った。
 学園に関わりのある歌ならば、聞きつけてなにか反応を返してくれるかもしれない。
 移動しながら蒸気機関式の竪琴を取り出して、彼は歌い始める。
「イーライさん、どちらですか? お友達がご心配されていますよ」
 クッキーと、ポットに紅茶を用意してきている。
 早く出てきて欲しいと願いながら、仄々は歌った。
 そして、しばし後、かすかな声がどこかから聞こえてきた。
「今の……イーライさんでしょうか」
「かもしれません。探してみましょう」
 声が聞こえた方向と、島のようになっている場所――その2つを手がかりに猟兵たちは注意深く周囲を見回っていく。
「小さい島だとすぐに襲われてしまうから、そこそこの大きさがある島だとは思うのですが。まだ隠れていればいいのだけれど」
 もっとも、イーライよりも前に襲われたのは猟兵たちのほうだった。
 数字の1と書かれた魚が飛来する。
 だが、水路から飛びかかってきた魚を、仄々は残像分身をして避けた。そのまま魔力で強化した魔法剣で断ち切る。
 とはいえ敵が襲ってきたということはオブリビオンが潜んでいる場所が近いということだ。そして、その周りにイーライも隠れているのだろう。
 声もこの辺りから聞こえてきたはずだ。目指すべき場所が近づいたことを感じながら、猟兵たちは付近にある水路に囲まれた部屋や物陰を探し始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神宮時・蒼
…思考。…「1」と言う、事は、他の、数字の、なにかも、いる、ということ、でしょうか…。
…警戒。…何が、おこるか、わかりませんし、気を付け、なければ、なりません、ね…。

【SPD】
一つ一つ、部屋を観察しましょう。
どこかしらに、イーライ様の痕跡が、残っているかもしれませんし。
勿論、不可解な魚の事も頭の隅に置いておきます。常に戦える姿勢にしておきましょう。
イーライ様を発見したら、水分とサンドイッチを渡しましょう。


リグ・アシュリーズ
なんだろうね、あの魚。
幾つか推測は成り立つけど、確証がとれるまで取るべき行動は。
「数字が大きいヤツに一人で戦いを挑まない」
もしあの数字が強さなら、自殺行為だ。

注意深く部屋を探す。
岩陰とか、イーライが災魔から身を隠せそうな場所も見て回るよ。
敵に見つかったら、数を減らすよう弱ってる個体優先で攻撃。
倒せそうになければ無理せず、仲間に助けを求めるよ。

イーライを見つけたら、水筒から水を飲ませる。
それと細かくちぎったパン。
よく頑張ったね。慌てず噛んで食べるんだよ。
気力が戻ったら、イーライを安全に助ける為にもこのまま災魔を倒したい旨を伝えて、敵の特徴や行動パターン、数字のある魚について情報を聞くよ。



水路から奇怪な機械の魚が浮かび上がってきた。
「……思考。……『1』と言う、事は、他の、数字の、なにかも、いる、ということ、でしょうか……」
 蒼はその魚たちにも、最初に見た魚と同じく数字が浮かんでいるのを確かめる。
 考えながらも、彼女は茉莉花に蔦が絡む奇妙な形をした刃を振るった。
 常に戦う態勢を整えていたおかげで、すぐに反応できている。
「なんだろうね、あの魚。幾つか推測は成り立つけど、確証がとれるまで取るべき行動は『数字が大きいヤツに一人で戦いを挑まない』だな」
 リグも考えながら、漆黒の旋風をまとって魚に止めを刺した。
 数字はおもに1だが、中にはもっと大きな数字を表示している魚もいる。
「もしあの数字が強さなら、自殺行為だ」
「……警戒。……何が、おこるか、わかりませんし、気を付け、なければ、なりません、ね……」
 大きな数字の魚を避け、倒せる敵だけを片付けながら猟兵たちは探索を続ける。
 魚や他の災魔は断続的に襲ってきていたが、幸い苦戦するほどの相手は出てこない。
 水路で区切られ、広い島のようになっている場所で、蒼が足を止めた。
「……発見。……こちらに、血の跡、が……」
 まだ水で洗い流されていない赤黒い痕跡。
 それを確かめた猟兵たちは、その周囲を重点的に探し始める。
「この近くで隠れるとすれば……あの瓦礫かな」
 劣化した壁がはがれたものらしい大きな岩をリグが指す。
 果たして、その陰にぐったりとした少年の姿があった。
 駆け寄る足音が聞こえたのか、彼は薄く目を開けた。
「イーライ、だね? 安心しな、助けに来たよ」
 彼が頷いたのを確かめて、リグは水筒から水を飲ませてやった。それから、細かくちぎったパンを渡してやる。
「よく頑張ったね。慌てず噛んで食べるんだよ」
「ありがとう……助かったよ」
 ようやく声が出るようになった少年が、猟兵たちに頭を下げてきた。
「……サンドイッチ、食べる……?」
 蒼が渡したサンドイッチや、他の猟兵が用意したクッキーと紅茶をお腹に入れて、少年は身を起こした。
「迷惑をかけちゃったみたいですみません」
「まあ、失敗するときもあるさ。嫌なことは忘れたほうがいいよ」
 口元に笑みを浮かべて、リグが告げる。
「ここから無事に逃げられるように、できれば災魔を倒したい。よかったら、イーライ君が見た敵について教えてくれないかな?」
 問いかけた彼女に、イーライは記憶を呼び覚ましながらゆっくりと語り始めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『機怪魚人間』

POW   :    ぎょぎょ魚
レベル×1体の、【身体】に1と刻印された戦闘用【機怪魚】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    ミニ魚雷発射
【怒り】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【機怪魚】から、高命中力の【ミニ魚雷】を飛ばす。
WIZ   :    武器錬成
自身が装備する【魚型銃器】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


イーライは猟兵たちが用意してきた食べ物をたいらげた。
 そして、紅茶を飲んで心地良さそうに息を吐くと、しゃべり始めた。
「最初は、数字がついた魚に襲われたんだ。たぶん、あなたたちも会ったんじゃないかと思うけど」
 1とついた魚が数体出た程度なら、イーライでもなんとかなった。だが、次に現れた数十体の魚とは戦いようがない。
「しかも、魚は合体してどんどん強くなるみたいなんだ。合体した数だけ、刻印されてる数も増えてくみたいだった」
 それでも、どうにか逃げられた……そう考えたとき、災魔が現れた。思い返してみると、最初から魚はイーライを災魔のところに追い込んでいたのかもしれない。
 そして、魚と同じくらい大量に銃器を浮かべて攻撃してきた。
 攻撃を受けながら、どうにか
「あいつは俺が無様に逃げ回ってるのを見て喜んでた。俺のことを嘲笑ってたんだ」
 ふざけるな、と思ったら今度は魚雷まで飛んできた。それが、どうやら怒りに反応して追尾してくるらしいと気づいて、必死に感情を抑えてここに隠れたのだという。
「落ち着いたら思い出してきたんだけど、水路の中には完全に潜れるくらい深い場所があるんだ。あいつ、そこに隠れながら俺を追ってきてた」
 もしかすると、オブリビオン自身が侵入者を狩りやすくするために掘ったのかもしれない。
 イーライは隠れ場所から一番近くにある『深い場所』を猟兵たちに伝えた。
 オブリビオンはおそらく、そこに隠れて攻撃する機をうかがっている。
 だが、隠れ場所がわかっていれば戦いようはいくらでもある。
 弱ったイーライを連れて行こうとすれば間違いなく襲われて苦戦を強いられるだろう。彼をここに隠したまま、まずオブリビオンを倒すしかない。
 偵察のつもりか、数体の機怪魚が飛んでいるのが見えた。イーライが伝えてくれた『深い水路』の方向だった。
黒木・摩那
★機怪魚人間をボコボコにする

イーライを無事に発見できました。本当に良かったです。
あとは一刻も早く地上に出してあげることですが、
そのためには障害でふる機怪魚人間を倒さねばなりません。

今回は居場所の深い場所もわかっているとのこと。
機怪魚人間を一掃しましょう。

まずは大きな石を水に投げ込んで呼び出すとして。

水の下で何か動いたり、その気配があったら(第六感)、
そこにサイキックブラストを打ち込みます。

こちらの攻撃が直接当たらなくても、水は電気を通すもの。
いっぱい痺れてもらいましょう。

この調子で機怪魚人間達をいっぱい釣り上げます。


箒星・仄々
心情
紅茶がお口に合ったようで嬉しいです

橋の向こうのお友達の元へ
必ず無事にお届けします

手段
哀れみの心情で対峙

封印された災魔さんは
誰かに構ってもらいたいのでしょう
きっと寂しいのですね
この世界の過去の欠片たる存在ならば
それも道理でしょうか
倒すことで骸の海へ還して差し上げましょう

魔法で姿を隠した後
一気に残像分身して機怪魚へ一斉攻撃!
魔法剣で貫き各個撃破です
素早い攻撃で合体する前に倒しちゃいますよ
:迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し

敵攻撃は迷彩&残像&早業&見切り&忍び足で回避

深い水路へ魔法剣を突き立て氷結させ
魚人が飛び出してきたところを一閃です
:状態異常力強化のトリニティ



 近づいてくる機械魚たちを、猟兵たちは武器を構えて迎え撃つ。
「紅茶がお口に合ったようで嬉しいです。橋の向こうのお友達の元へ、必ず無事にお届けしますからね」
 倒れたままのイーライへ、仄々は告げた。
「本当によかったですね。あとは一刻も早く地上に出してあげることですが、そのためには障害である機怪魚人間を倒さねばなりません」
「ええ。哀れなオブリビオンを、必ず倒しましょう」
 摩那の言葉に頷いて、仄々は細身の鋭い両刃の剣を構える。
 ケットシーの小さな姿が一瞬にして消えた。
 魔法で姿を隠した彼は機械魚へと近づいたかと思うと、次いで無数の分身を作り出す。
「合体する前に倒しちゃいましょう」
 数字の1が刻印された機怪魚たちに、仄々はカッツェンナーゲルを次々に突き立てて破壊していく。
 さすがにすべてを倒しきることはできずに反撃を受けたが、ケットシーの少年を倒しきることはできない。
「お見事ですね。それじゃ、敵の居場所もわかっていることですし、一気に片付けてやりましょうか」
 ルーン文字が映りこんだ細剣で自分の体をかばいながら、摩那が残った機械魚たちの間を一気に駆け抜けていく。
 その先にいる水中に、機械魚人間が潜んでいるはずだった。
「封印された災魔さんは、誰かに構ってもらいたいのでしょう。きっと寂しいのですね」
 機械魚人間が考えていることはわからないが、仄々はそう予想していた。
「この世界の過去の欠片たる存在ならば、それも道理でしょうか。倒すことで骸の海へ還して差し上げましょう」
 氷の魔力を刃に込めながら、仄々は摩那を追う。
 摩那はさらなる機怪魚が召喚される前に、深い水路へとたどり着いていた。
 走りながら拾っておいた石を、敵がいるはずの場所に放り込んでみる。
 波紋が広がり……そして、その波紋が崩れた。
 水の中で、なにかが動いたのだ。
「そこですね。水は電気を通すもの……いっぱい痺れてもらいましょう」
 気配があった場所へ、摩那は両掌を向ける。
 口の端を上げて、彼女は手から高圧電流を放った。
 電気が水の中に広がり、小さな爆発を起こす。水の中を移動しようとしていた黒い影が、感電して一瞬動きを止めた。
 次いで、仄々が氷の魔力を帯びた剣を突き出して水を凍結させていく。
 猟兵たちの攻撃は、水中にいる機械魚人間を確かにとらえていた。
 もっとも、強力なオブリビオンをこのまま倒しきることができるとも思えない。戦いはここからが本番だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神宮時・蒼
…安堵。イーライ様が、無事で、本当に、良かった、です。
…討伐。…あとは、元凶を、倒して、帰るだけ、です、ね。

機怪魚が増えると厄介なので、早急に対処します。
(…見た目は、愉快、ですのに、やることは、意外と、細かい、ですね…)
あのマスクの下、どうなってるんでしょうか。
ちょっとだけ気になります。狙えるなら狙ってみましょう。
無理ならば、機怪魚の数減らしや相手の銃器を狙って、武器を手放させるのもやってみましょう。


ルビィ・ヴィープル
イーライ君よーやったなぁ!
敵の情報まで…
頼りになるでホンマに。
頭撫でたろ!

さて、ウィル君も心配しとる事やし邪魔するもんにはご退場願おか!

戦闘

あの魚邪魔なや…よし!なら出せなくなるまで殴る!刺す!蹴り飛ばす!

ドラゴニアンの翼とウチのシューズで飛んで【ダッシュ】と【空中戦】でスピード勝負や!

1~3ぐらいなら【先制攻撃】で1発やろ!

問題はでかいヤツやな。
1発で倒せないと反撃来るやろうし、空中で攻撃を貰うのは踏んばれんし…

だけどウチは空をかける竜騎士や。
ユーベルコードを使ってヒットアンドアウェイを繰り返して切り刻んでいてこましたる!



 猟兵たちの幾人かは、まず閉じ込められていた少年をねぎらっていた。
「……安堵。イーライ様が、無事で、本当に、良かった、です」
 蒼が意識を失った少年に告げる。
「イーライ君よーやったなぁ! 敵の情報まで……頼りになるでホンマに」
 ルビィも少年に微笑みかけ、頭を撫でてやった。
 気合を入れ直して、それから彼女たちは仲間を追って、オブリビオンが潜んでいるはずの場所へ改めて進んでいった。
「……討伐。……あとは、元凶を、倒して、帰るだけ、です、ね」
 残っていた機械魚たちが、接近する蒼やルビィの存在を確かめて向かってきた。
 蒼は神霊体へと変身し、突撃してきた魚たちの攻撃を受け止める。
 突撃の重みは決して軽くはないものの、神霊体となった蒼の身体が受ける打撃の威力は軽減されている。
 不思議な色彩を持った刃を薙ぐと、衝撃波が機械魚たちを吹き飛ばす。
「さて、ウィル君も心配しとる事やし邪魔するもんにはご退場願おか!」
 ルビィが吹き飛ばした敵に向かって跳躍し、追撃を加えていた。
 前方で機械魚人間が水中から飛び出してきたのは、その時だった。
 奇妙なスーツには焼け焦げと、氷がこびりついている。
 動きを止められていたところから、どうにか逃げ出したところのようだ。
 他の猟兵たちから距離を取りながら、オブリビオンは猟兵たちが減らした機怪魚を再び召喚し直す。
(「……見た目は、愉快、ですのに、やることは、意外と、細かい、ですね……」)
 あのマスクの下がどうなっているのか、蒼は少しだけ気になった。
 狙ってみたら脱がすことができるだろうか。だが、攻撃をしかけようとしても、まず機械魚たちに阻まれてしまう。
「あの魚邪魔やな……よし! なら出せなくなるまで殴る! 刺す! 蹴り飛ばす!」
 ルビィはドラゴニアンの翼を広げて跳躍した。
 魔改造したシューズで空気を踏みつけると、足の下で大気が圧縮されてさらに空中での駆動力を増す。
 刻印が1の敵を、空中を蹴りつけて飛び回りながら打ち砕く。
「問題は数字のでかいヤツやな……けど、ウチは空をかける竜騎士や。切り刻んでいてこましたる!」
 蒼とルビィがしかけた最初の攻撃から生き残っていた敵が、いつの間にか合体を繰り返して数字が大きくなっていた。
 それでも、2人は果敢に攻撃をしかける。
 蒼のなぎなたが衝撃波を放ち、幾度も跳躍しながらルビィが槍を突き立てる。
 機械魚を減らしながら、猟兵たちはオブリビオンとの距離を確実に詰めていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ザザ・サラーサ
底の深い水路。水か……。
水を相手にするのは得意だよ。どのやり方で行こうか。

エレメンタル・ファンタジアで「熱属性」の「大干ばつ」を起こしてみようかな。炎天の精霊にも協力してもらって、砂漠の乾燥と暑さを再現してみせるよ。
水を干上がらせてしまえばやつも、こそこそすることはできなくなるよね。
その後は、他のみんなに任せよう。

それと、敵の反撃に備えて【オーラ防御】を行っておこうかな。

よーし、みんな一度水路から離れていて。
この技は制御が難しいから。
【全力魔法】で行くよ!


リグ・アシュリーズ
情報を元に深い水路へ。
ミニ魚雷を誘発しながら、味方の援護に動くよ。

私が敵の立場なら、機怪魚を繰り出し続けて手に負えない強さにする。
陰キャそーな敵だし、矛先が自分一人に向くの、嫌がると思うんだ。
だったら召喚を途切れさせて、合体前に倒せばいいって話。

多少の痛手は覚悟で、先行して敵の攻撃を誘うよ。
「っ……こんのォ!!」
間髪いれずに黒風鎧装を発動、斬りかかる。
魚雷がヒットしたら「痛っ……よくもやったね!」とオーバーリアクション。

攻撃は本体優先、でも魚の数字が4以上になりそうならリセットを狙う。
敵が弱るまで我を忘れてる演技を貫く。

ね、手玉に取られてどんな気持ち?
でも、怒ってたのはホントだからね?痛いし!



 リグは機械魚の群れへと近づいていった。
 人狼の少女の怒りに反応して、魚たちが魚雷を放ってくる。
 小麦色の肌の上で魚雷が爆発し、彼女に打撃を与える。
「っ……こんのォ!!」
 だが、打撃を受けるのは覚悟の上だ。
 即座に真の姿を現した彼女の体が漆黒の旋風に包まれる。
 怒りに任せて呪われた剣で機械魚を切り裂く彼女に、さらに魚雷が飛んできた。
(「……これでいい。もっと魚雷を撃ってきなよ」)
 心の中で呟く。
 怒っているのは、半分本当で、半分演技だ。
(「私が敵の立場なら、機怪魚を繰り出し続けて手に負えない強さにする。陰キャそーな敵だし、矛先が自分一人に向くの、嫌がると思うんだ」)
 魚雷を撃っている間は、さすがに合体できないだろう。だからこそ、怒ってみせてわざと撃たせるのだ。
 そうすれば、他の猟兵たちが動いてくれるはずだ。
「リグ、その調子で引き付けてて。水の相手をするのは得意なんだ」
 ザザが声をかけてくる。
「ああ、痛かったのは本当なんだから……やり返してやる!」
 我を忘れた振りをして、リグは暴れまわる。
 ザザはリグが敵を引き付けている間に、精霊の力を引き出していた。
「炎天の精霊、力を貸して……砂漠の乾燥と暑さを再現してやる」
 精霊術士である彼女の力が、地下迷宮に自然現象を再現していく。
 じめついた水路のエリアで、ザザの周囲だけが乾燥し始める。
「よーし、みんな一度水路から離れていて。この技は制御が難しいから。全力魔法で行くよ!」
 仲間たちが彼女の声を聞き、一度退いた。
 ようやくなにかしかけるつもりだと気づいたか、浮遊する魚型の銃が撃たれるがザザの身を守るオーラは貫けない。
「覚悟しなさい、干上がらせてやるから!」
 水路の水が蒸発していく。
 炎の属性を用いて、ザザは『大干ばつ』を起こしたのだ。
 隠れていた機械魚人間の姿があらわになった。オブリビオンが戸惑って周囲を見回す。
「干上がっちゃえば、こそこそすることもできないでしょ」
「いい感じにやってくれたね。ね、手玉に取られてどんな気持ち? でも、怒ってたのはホントだけどね!」
 ザザとリグの言葉に、機械魚人間は地団駄を踏む。
 だが、もはや敵は丸裸だった。
「それじゃ、あとはみんなに任せるよ!」
 そう少女が呼びかけると、猟兵たちは一斉に攻撃をしかけていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
戸惑う災魔さんへ先手必勝!

魔法の迷彩解除と同時に残像分身
UCで攻撃力を強化
紅・蒼・碧と三色のオーラに
刀身と全身が包まれた私&分身さん達が
怒涛の連続攻撃です
:迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し


倒れた災魔さんへ鎮魂曲を奏で歌います

今を生きる皆さんは一所懸命ですよ
そう、嘗てこの世界に在った貴方と同じように

だからきっとよりよい世界を
未来へと繋げて下さるでしょう
貴方が嘗てして下さったのと同じように

今を生きる方々に
安心してこの世界を託されて下さい
骸の海でどうぞ静けく安けく


それではイーライさんをお友達へお届けしましょう
首を長ーくしてまってますよ
早く安心して差し上げましょう



 災魔が戸惑っているうちに、仄々は攻撃をしかけた。
「すみませんが、先手必勝です!」
 かけていた魔法の迷彩を解除すると同時に、彼は炎と風と水、3種の魔力で自らを強化した。
 カッツェンナーグル、すなわち『ねこのつめ』の意を持つ魔法剣を構えて、ケットシーの少年は水路に飛び込む。
 鍔から護拳にかけて施された箒星の象嵌が、迷宮の中に流れた。
 紅・蒼・碧のオーラをまとったケットシーの少年が、一直線に機械魚人間を貫く。
「ギョ……ギョオッ!」
 うめき声をあげながらも、オブリビオンが反撃してきた。だが、宙に浮いた魚型銃器の弾が貫いたのは仄々の残像のみ。
 他の猟兵たちがチャンスと見て攻撃をしかける。その間を縫って仄々の残像が現れ、次々に敵を切りつけていく。
「これで、終わりです!」
 最後にすべての残像が集まったかと思うと、仄々の刃は深々と敵を串刺しにしていた。
 干上がった場所に、他の場所から水が流れ込み始めている。仄々や猟兵たちは、急いで水場から出た。
 仲間たちがイーライのところに向かうが、仄々は1人残り、水辺で鎮魂歌を奏で始めた。
「今を生きる皆さんは一所懸命ですよ。そう、嘗てこの世界に在った貴方と同じように」
 想いを込めた歌で、もはや水底で動くことのないオブリビオンへ語りかける。
 彼らは過去に滅び去った存在だ。だが、けして過去になりたかったわけではないだろう。
「だからきっとよりよい世界を未来へと繋げて下さるでしょう。貴方が嘗てして下さったのと同じように」
 恩返しを大切にする彼は、オブリビオンもまたその対象と見ているのかもしれない。
「今を生きる方々に、安心してこの世界を託されて下さい。骸の海でどうぞ静けく安けく」
 そして、仄々は少年が隠れている方に目を向けた。
 猟兵たちに助けられて、彼もいくらか元気を取り戻したようだ。
「それではイーライさんをお友達へお届けしましょう。首を長ーくしてまってますよ。早く安心して差し上げましょう」
 ウィルというあの少年は、今もあの橋の部屋で待っているのだろう。
 友人同士が無事に再会することを、猟兵たちはおそらく皆、心から喜んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト