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れっつ、さまーばけーしょん!!

#スペースシップワールド #【Q】 #お祭り2019 #夏休み

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●夏、来たる
 ここは『ヘブンズピーチ号』。
 猟兵たちが水着コンテストに参加するために集まった、超巨大リゾート船。
 流石はスペースシップワールドといったところ、青い海も白い砂浜も焼けるような太陽も………常夏な世界が広がっていた。
「………暑いですね」
 そんな中、猟兵が集まった一角で、氷雨・燈華(花鳥風月の伝道者・f15066)は日差しを遮るように帽子のツバをつまむ。
「皆様、コンテストを満喫していますか?ふふ、どの方も麗しくて素敵です」
 皆の表情豊かな水着を見て、彼女は柔らかく微笑んだ。
「今回招集したのは、依頼のため………ではなくてですね、ちょっとした休暇、とでも言いましょうか」
 休暇………その言葉に胸を躍らせるものも居れば、首をかしげる者など、反応は様々だ。
「ええ、皆様、普段は仕事に仕事………大変でしょう?ですから、この『ヘブンズビーチ号』の海辺で遊ぶ、という機会なのです」
 海で思いっきり泳ぐのも良いだろうし、砂浜でゆっくりとするのも良い。屋台や売店で買い食いしても、何かマリンスポーツをするのも楽しい。
「………たまの息抜きは、また仕事をこなすための活力にも繋がりますし、今日くらいはどうぞ、ごゆっくりお過ごしください」
 堅苦しいような御託を並べつつも、燈華の四尾が揺れていることから、彼女も内心楽しんでいることが容易に読み取れる。

 ともかく、またとない機会であるのだから、このチャンスを満喫しない理由はない。
 さぁ、今はノルマも規律も全部忘れて、夏休みの始まりだ!!


ツムギとカナメ
 どうも、ツムギとカナメです。夏です。よし、遊ぼう。

 はしゃぐ前に、ひとつだけ。このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

 燈華はお呼ばれしたら遊びに行きます。
 束の間の夏休み………いっぱい楽しみましょう!
 皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りに勤しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク・フッシー君(f14346)と共に行動します

着用水着:元色が水色のハイビスカスが描かれたビキニ、少し透けてるパレオを腰に巻きます。

心情:今日はフッシー君との釣り!フッシー君初心者みたいだし、ここはお父さんから教えてもらった時のように優しく教えないと!
「一杯楽しもうね、フッシー君!」
…妙に赤い気がするのは気のせいかな?

行動:フッシー君を誘って釣りをします。
初めて釣りをするフッシー君にやり方を教えたり、餌のフナムシを見たり触ったりする様を見てちょっと心配になったりしながらも、まったりゆったり釣りを楽しみます(釣果お任せします)
釣りの後はフッシー君の魚拓製作に驚きつつも凄いと喜んだりします。


ルク・フッシー
衣服◆水着(イェーガーカード参照)

心情◆釣りって初めてなので、上手くできるか不安です…けど、クトゥルティアさんが教えてくれるなら、きっと何とかなります…よね?
(それにしても、クトゥルティアさんの水着姿…す、すごい、です(語彙力を失う))

行動◆クトゥルティアさん(f14438)に誘われて釣りをします
彼女の水着姿にドギマギしたり、餌として渡されたフナムシに正気度を削られながらも、のんびりまったりと釣りを楽しみます(釣果お任せ)
釣りの後は【アート】技能も活かしつつ魚拓を取ります
魚拓を褒められたら、照れながらも素直に喜びます



「わ、わぁ………!綺麗な海ですね」
 ルク・フッシー(つるぷに竜のサマーペインター・f14346)はカラフルに染められた水着を着用し、ビーチサンダルで砂浜に立っていた。
 浜の熱がじりじりと素足を熱するも、それに負けないほど風は爽やかで、近くで見ると、海の美しさはより一層際立つ。
 そんな彼の後ろから、砂を踏む心地よい音が迫ってきた。
「お待たせ〜、ちょっと待たせちゃったかな?」
 ルクが声に振り向くと、そこに居たのは、パレオをひらひらと揺らしながら駆け寄ってくるクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)だった。
 彼女の水着は水色で、所々に散りばめられたハイビスカスの赤色がよく映えている。
「ううん、そんなことない、です……」
 ルクは反射的に視線を横にスライドさせた。
 振り向いた拍子にクトゥルティアの水着をバッチリ見たが、こう、すごかった。
「そっか、じゃあ行こっか!一杯楽しもうね、フッシー君!」
「はい……!」
 二人は沿岸に沿って歩き出す。二人は今日、クトゥルティアの誘いで釣りをしに来たのだ。

 浜から少し歩いたところに、漁船が停泊する場所がある。
 浜釣りよりも、堤防のほうが釣りやすいだろう、ところまで移動して来た。船釣りも良いが、今回はゆっくりと釣りをしたい。
「よし、それじゃあ早速始めよう!」
 クトゥルティアは用意しておいた釣り具をルクに渡す。
 彼は釣りの経験がない。釣竿の使い方のイメージはあるものの、実際使ったことがないのでいざ持つとよく分からない。
 分からないと少し怖くていじるのに抵抗を覚える、そんな感じ。
 巻きついた釣り糸を慎重に外して、そこで止まる。
「次は、餌…でしょうか?」
「そうだよ!今回使うのは……これ!」
 クトゥルティアが出した餌箱の中身を見て、ルクの背筋がぞわり、と震える。
 フナムシ。現地でも手に入る良い釣り餌だが、蠢く無数の足については、ダメな人はとことんダメなやつ。ルクはダメな人の部類だった。
「フナムシは頭とか先っぽに刺すか、お腹に刺すかだよ。ちょっと見ててね……」
 流石は漁村生まれの娘。釣り餌に臆することもない。生きの良いフナムシは、無慈悲にも針に突き刺された。
 対してルク、未だフナムシとにらめっこしているだけである。刺す以前に触る事に強い抵抗を覚える。SAN値ヤバい。
 あわあわと声にならない悲鳴を上げながらも、恐る恐るその手で虫を掴む。が、ここからがまた難しい。
 暴れるフナムシに苦戦しながら、目線でクトゥルティアへ助けを求める。
「よく動くし難しいよね、一緒にやろうか!ここは………」
 ずい、と身を乗り出して覗き込むクトゥルティア。近い。近い近い。
 否が応でも視界に入ってくる水着姿。改めて見ると綺麗で、それでいて刺激が強い。釣り餌の説明は半分くらい頭に入ってこない気がする。
 針にフナムシが付いた頃には、ルクの顔は赤く染まっていた。
「これでよし、と………大丈夫、フッシー君?熱とかある?」
「い、いや……全然、とっても元気です……」
 再び逸らした視線の先では、海面をバックに釣り餌が揺れている。
 そんなこんなで手ほどきを終え、いよいよ本番。
 水面に糸を垂らして、魚を待つ。
 ギラギラと暑い日差しもどこか心地良く、鼻を掠める潮の香りを吸い込みながら、他愛もない会話をしながら。

「………よし、釣れた!」
 クトゥルティアの糸の先には良く言えば鮮やかな、悪く言えば目がチカチカするような、暖かい海ならではの魚がかかっている。大きさ20センチくらい。
 恐らくこの船の固有種なのだろう。それを、既に何匹か先客が入っているクーラーボックスへと放り込んだ。
 ルクの方にも良く魚がかかっている。まだ釣り餌に多少の抵抗はあるが、自分で付けられる。それも含めて、釣りが楽しくなっていた。
 こういうのも良いものだ、とのんびりと遠くを見ていたルクの竿を、何者かが力強く引いた。
「うわ、と…つ、強い………けど!」
 力一杯釣竿を握りしめ、思いっきり引き上げた。宙へ舞うのは飛沫と、体長50センチ弱の大きな魚。相変わらずの毒々しい色合い。
 ほんの一瞬の出来事だが、水滴と鱗が太陽に照らされてキラキラと光るとても幻想的な風景が、リクの脳裏に確かに刻まれたのだった。

「いっぱい釣れたねー!」
 クトゥルティアとリクは、クーラーボックス内の魚を見て、お互い頷く。一番大きいのは、リクが釣り上げたもの。肉厚だが、色的に食べる気は起きない。
「そうですね、とても楽しかったです……あ、そうだ」
 ハッと思い出したように、リクはおもむろに荷物を確かめ、中から和紙やら墨やらを取り出した。
「釣りに行くって聞いて……その、魚拓を取ってみたいな、と思ってたんです」
 もちろん使うのは巨大魚。下調べした通りに魚を洗い、ぬめりを取り……と準備を進めて、魚体を黒く塗っていく。
 その様子を、クトゥルティアは感心した様子で見ていた。
「では……行きます」
 上からそっと和紙を押し付け、その影を写す。頭から尾まで念入りに。
 紙を剥がして目を入れてやれば、魚拓の完成だ。ルクのアート技術で、初めてながら綺麗な魚拓ができた。
「わぁ!凄いね、フッシー君!!」
「あ、ありがとう……」
 驚き喜ぶクトゥルティアに褒められて、ルクはちょっと照れつつも、嬉しい気持ちでいっぱいだ。

 二人とも釣りが終わる頃には満点の笑顔で釣り具を片付けていた。
 共に過ごすことで、お互いの事を更に深く知る事ができた気がする。
 染み付いた潮の香が、墨の色が、輝く海の色が、この夏が確かに此処にある、と二人に大切な思い出を残していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山理・多貫
【吸血猟兵他】のみんなと参加します。

【POW:海で思いっきり遊ぶ】

みんなでビーチフラッグ勝負。
1本のフラッグを奪った勝者が他全員にお願いを一つ聞いてもらえます。
多貫の願いは「血」を吸うこと。
※勝者の判定方法お任せします。(お遊びなので誰が勝ったことにしていただいてもかまいません)

●作戦

本気で勝ちにいきま、す…。

ユベコ:理性の限界を使用。
ずっと我慢してま、した。皆に出会ったときからずっと。
タベタイタベタイタベタイ、ミンナタベタイカタナキャカタナキャ……。

(アレンジ歓迎・NGなし)


黒城・魅夜
【吸血猟兵他】で参加します。

ビーチフラッグですか。
お仲間同志での遊びですけれど、だからこそ全力です。

『早業』『先制攻撃』で迅速にスタートを切ります。『残像』が見えるほどの高速で走り抜け、フラッグまでの距離を冷静に『見切り』、間合いに入ったところでUCを発動。時を吸血支配し時間停止。一気にフラッグを手にして見せましょう。

これで勝利は私のものです。
まあ、もしも、強い陽射しがあれば、一瞬眩暈を起こしてしまうでしょうが、きっと大丈夫でしょう。

勝者のお願いは……海に向かって大きな声で自分の夢を叫んでいただきましょう。
※勝者の判定お任せします。(お遊びなので誰が勝ったことにしていただいてもかまいません)


音海・心結
【吸血猟兵】で参加するのですよ

【POW】

ピーチフラッグで勝負するのですかっ
フラッグは一本だけで、
勝った人のお願いをみんなで聞く?
ふふ
ただのお遊びじゃないようですねぇ
みゆ、負けないのですっ

※勝利者はお任せ

他のみんなの望みはなんなのでしょうか
みゆは……これからもずっと仲良くして欲しい、ですかねぇ

そしてそして、みゆが使うUCは『地の果てまで』
さすがにみんなに攻撃するのは嫌なので、
超強化して【ダッシュ】でフラッグへまっすぐ向かうのです♪
何か攻撃されそうになったら、
【第六感】で察して【ジャンプ】で避けて見せるのです

あまりに攻撃がしつこいようなら、
みゆは【精神攻撃】で冷たい言葉をゆっちゃうのですっ


立花・乖梨
【吸血猟兵他】のみんなと参加!

ルールはたぬちゃんに従うのですよぅ!

しかし、ビーチフラッグ、ですか。
確か旗を取ると良いのですよねぃ?
……全力ダッシュです!
みんなきっとユーベルコードで潰しあってくれると信じて……信じて……
ダメそうなら私もユーベルコードを使うのです!

……暴食ちゃん、あと任せるのです!
「なんで僕を置いていくのかな?」
いやだって痛いの嫌ですし……?
私は邪魔をしない主義ですし……
「じゃあ――ボクは邪魔してもいいんだよね!?」
私の盾以外の行動を禁じるのですですー!?



 白い砂浜に、少女たちは集う。山理・多貫(吸血猟兵・f02329)、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)、音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)、立花・乖梨(bye-stader・f05235)の四人。
 音頭を取ったのは、多貫。夏休み……その響きに誘われたのか、彼女は知人を呼んで遊ぶ事に決めた。
「はい、皆さん…集まりました、ね。何して遊びましょうか………?」
 四人のうち、多貫、魅夜、心結はダンピール。こういうとき、半吸血鬼で良かったと思うかもしれない。なぜか?照りつける太陽の下で遊ぶことができるのだから。
 とはいえ、日光や水が得意ではない者も居るかもしれない。それで何か楽しめるようなものを……。
「泳ぎますか?それとも砂浜で何かやるとか………」
 ビキニ姿の乖梨が拓けた浜辺を見つつ提案。彼女は多重人格者であるが、泳ぎに固執しないのは他の3人への気遣いからだろうか。
「浜でできるもの………ビーチフラッグとかどうでしょうか?」
「ビーチ、フラッグですか……良いと思い、ます」
「面白そうですね!みゆも賛成です!!」
 魅夜の言葉を多貫が復唱し、心結が跳ねながら賛同する。そんなこんなで、種目はビーチフラッグに決まった。
 といっても、ただ普通にやるだけでは面白みがない。なんせ彼女らは猟兵。一般人とは能力が違う。
 そこで、猟兵ルールを設ける事にした。内容は単純明快。猟兵の特殊能力である、ユーベルコードの使用を許可する。
 それだけ、ただそれだけのことだが、猟兵にとってこれはつまり、己の多様性を発揮できる、いわばなんでもあり(殺傷を除く)みたいな感じになってしまうのは必然であった。

 砂浜の適当な場所を選び、多貫は借りてきた旗を砂浜に一本、突き刺す。
 目標からおおよそ30メートルあたりのところに、足先でスタートラインを引いた。従来のビールフラッグより、ちょっと遠め。
 各々が、勝つための準備をしている。己の欲を煮詰める者、水平線の向こうを静かに見つめる者、準備運動を怠らない者、水着を整える者など。
 和気藹々とした雰囲気の中に、4人の闘志は静かに燃えていた。
 これにも訳がある。仲間同士だからこそ負けれない想いもあるが、狙いは別。
 実はルールがもう一つ追加された。それは、勝者は一つ、己の願いを叶える権利を与えられる、というもの。これに特に制限は設けられていない。
 褒美が賭けられれば、勝負はより一層熱くなる。
 手加減無用の真剣勝負の幕が、今、あける!

「では、私の合図で、始めます……」
 4人はフラッグと反対方向に顔を向けてうつ伏せになり、今か今かとスタートを待つ。
「よーい……」
 自分の鼓動が聞こえる。四肢に力を込めた。
「スタート………!」
 不安定な足場の中、先に躍り出たのは魅夜と心結。身体強化を施した心結と並ぶほど、魅夜も速い。
 その後ろから、多貫と乖梨も迫る。特に多貫は何やら呟きながら目を光らせて走っている。
「タベタイタベタイタベタイ、ミンナタベタイカタナキャカタナキャ……」
 凄く危険な香りがするのは気のせいだろうか………。
 乖梨は皆、ユーベルコードで潰しあってくれるかと思っていたが、ゴールへ辿り着く方を優先しているようだ。
「ちょっと、みんな、速い、です……こうなったら私だって!」
 乖梨も負けじとユーベルコードを発動。召喚されたのは彼女と瓜二つの女性。青い瞳に青い水着を着た、『暴食』の化身。
「……暴食ちゃん、あと任せるのです!手伝ってください!」
 そう言いつつも走る乖梨に、『暴食』は召喚理由もよくわからないまま、宿主に問いかける。
「なんで僕を置いていくのかな?」
 その笑顔はどこか怖い。
「いやだって痛いの嫌ですし……?私は邪魔をしない主義ですし……」
 乖梨の言葉と周囲の様子を見て納得した『暴食』はその笑みをより一層濃いものにして、こう告げた。
「そっかぁ、そんな理由で………じゃあ――ボクは邪魔してもいいんだよね!?」
 そして、『暴食』は先を走る魅夜へと飛びかかった。
 突然の妨害に魅夜が気づくことはない。が、その奇襲は失敗に終わることとなる。
「……この勝負、私が頂きます」
 そう呟いた瞬間、彼女以外の全ての時が止まる。
 魅夜がチョイスしたのは、時間停止のユーベルコード。勝負においてそれはもうチートであるが、制限なんてないのだからもちろんOKである。
 魅夜は勝利を確信した。それは当たり前のことであり、きっと誰もがそう思った。その時、停止していた時がわずかに揺らいだ。
「これでも、どうかな!?」
 その一瞬の隙に襲いかかろうとする『暴食』の姿に、魅夜は体勢を崩す。同時に、時間停止が切れた。
「ストップ!ストップです!私の盾以外の行動を禁じるのですですー!?」
 乖梨の言葉によって『暴食』の暴走は止められた。魅夜は立て直してフラッグへと駆ける。
 ゴールは目前。様々なユーベルコードが飛び交いつつも、4人は互角の戦いを繰り広げ、その腕を伸ばした。
「ワタシガ……カタナキャ!!」
「まだ、まだ勝てます……!」
「みゆが、貰うのです!」
「《私》が繋いでくれたんです。私だって……!」
 ほぼ同時にフラッグへ飛び込み、もくもくと砂埃が辺りを覆う。
 もみくちゃになりながらもその旗を握りしめていたのは…………心結の右手だった。
「やったぁ!みゆの勝ちなのですっ!!」
 スタートダッシュからの安定した走り、身体強化、目立った妨害を受けなかったことが勝因だった。
 とは言っても、誰にでも勝機はあった。あの一瞬の旗取りで雌雄が決したと言っても過言ではないほど、接戦だったのだから。
 勝負は勝負。4人は立ち上がって砂を払いながら、少し悔しくも楽しくて笑い、心結の願いを聞く姿勢。
「ふふ、ではでは、みんなにはみゆのお願いを聞いて貰うのですよ」
 一体何を要求させるのか。勝者の命令は絶対。いかなるものでも拒否することはできない。
「みゆのお願い。それは…………


『これからもずっと仲良くして欲しい』


です!」

 暫しの沈黙が流れた。

「えっと、みゆ、何か変なことを言いましたか?」
「……ああ、いえ、物欲的なものでなくて少し驚いただけです」
「私はとても素敵で、大切な望みだと思うのですよ!」
「もちろん、です。今までも、これからも、仲良く……いましょう」
 それは心結にとって願いであり、彼女らにとってはもう当たり前の事実とまでなったものなのだから。
 笑い合いながらしばらく何をするわけでもなく、4人並んでいた。
 この束の間の時間も、かけがえのない絆の証明になると、そう信じて。

「……あ、仲良しの印、として、吸血させてくれても…いいんです、よ?」
「それはダメなのですよ!」
 他愛もない会話を繰り広げながら、彼女達の戯れはまだ、もう少し続く。
 気の置けない仲間とともに、一夏の思い出を潮風に乗せて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月28日


挿絵イラスト