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暗き夜追う黒き影

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●選ばれた供物の末路
 石造りの地下室で、鈍い落下音と水の音が響く。蝋燭の灯がぼんやりと、二人を照らしていた。いや、今一人になった。片方の、こと切れた人間はもう性別も顔も分からないような様相。遊び終えた後の玩具のように、雑に床に放られていた。
 身なりの良い男がつまらなさそうにそれを眺め、ため息を吐く。
「ああ、そろそろ新しいのを仕入れねば……いやその前に片づけだな。最近私の周囲を嗅ぎまわっている奴もいるようだし……」
 そいつは気だるげに呟いて、一度指を鳴らす。
 蝋燭の灯はすぐさまその場を暗闇に塗りつぶした。

●グリモアベースにて
 集合した猟兵を見回しグリモア猟兵、アゼリア・リーンフィールドが一度礼をする。
「みなさんには今回、ダークセイヴァーへ赴いて頂きます。目的は吸血鬼を見つけて打ち倒すことです」
 と、言うだけならば簡単なのだが。件の吸血鬼はよく聞く派手な暴虐は行っていない様子で、めったに人々の前に姿を現さないのだという。予知において館の場所すら明らかにはならなかった。
 とはいえ民を全く殺していないという訳でも無いようだ。一人をゆっくりじっくり徹底的にいたぶる事を好む性質らしい。
「予知に引っかかったのは、彼が現われるであろう場所です。彼の治める土地はその性質上多少民にも余裕があるようで、マーケットとなる建物とそこそこな物のやり取りを確保できてるようですね」
 アゼリアが町の地図を広げ、周辺の物より少し大きい建物を指した。
「今回、吸血鬼が現れるタイミングとして、ここでいわゆる『闇市場』が開かれているからという事が大きいでしょう」
 普段は普通の市場なのだが、月に一度程度の頻度でそれは行われているという。扱われる物品は、納税から逃れた食料や貴金属、武器、本、娯楽、その他諸々。つまり吸血鬼に見つかれば殺されるかもしれない、と民が感じる物だ。
 故に悟られてはいけないと、通常の市場のやり取りに紛れてその取引は行われている。
「ここに吸血鬼が現れるのは確実なのですが、残念ながら見た目を特定できるような情報は得ることができませんでした。なので、皆さまはまずこの市場で情報収集する必要があります」
 客として紛れるもよし、品物を隠し……もとい保管しているであろう倉庫も併設されている事から運営のような役割を果たす者達もいるだろう。特に参加登録のようなものも必要が無い、それこそ『知る人ぞ知る危険な取引』といった様子のようだ。少しそれらしい話題を振れば、闇市場に関してならば民はすぐに教えてくれるだろう。
 人の行き来は少なくはないし、最近はよそ者の姿も見えるのだとか。情報収集には向くが、吸血鬼も紛れこみやすい環境だろう。
「情報をある程度得ることができれば、吸血鬼を探す、もしくは追う事も可能になるでしょう」
 そいつの足取りを掴めれば、後は捕まえて打ち倒すのみ。強いて言うなら、その吸血鬼は大規模な魔術が得意なのだという事くらいだろうか。もし情報収集の際に猟兵の存在がばれてしまえば、何らかの妨害が入ってしまうかもしれない、とアゼリアは伝える。
「とにかく、相手の尻尾を掴まない事には何も始まりませんね。なんだか不穏な気配を感じることは否定できませんので、みなさん、お気をつけてください」
 追いかけた先には何があるのだろうか。
 アゼリアが杖を振るうと、猟兵達はその市場へ降り立つのであった。


蜉蝣カナイ
 こんにちは、蜉蝣カナイでございます。
 今回の舞台はダークセイヴァー。うまい具合に隠れている吸血鬼を探して追いかけましょう。

 第一章:冒険 闇市場も行われているマーケットにて吸血鬼に関する情報収集です。

 第二章:冒険 第一章の行動次第で状況が少し変化します。吸血鬼の元へとたどり着きましょう。

 第三章:ボス戦 ボスの情報に関しては、現状伏せさせていただきます。たどり着いた先でまみえる敵を打ち倒しましょう。

 以上となります。
 冒険パートにおける選択肢はもちろん無視してくださって大丈夫です。
 それでは、みなさまの素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『闇市場inダークセイヴァー』

POW   :    何か面白いものはありませんかね?(客として紛れ込む)

SPD   :    そろーりそろり(秘かに潜入)

WIZ   :    いらっしゃい!見て行かないかい?(売り手として紛れ込む)

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ノイシュ・ユコスティア
【SPD】で行動。
「1人ずつ徹底的にいじめ殺すって、大量虐殺よりたちが悪いと思う。」

情報収集の時は、猟兵だと知られないように旅人だと名乗っておく。
マーケットに着いたら闇市場を探す。
その辺りのおばさん客に
「普通のマーケットでは売っていないような品物が欲しいんだ。」
それらしい話をして闇市場について聞き出す。

闇市場と思われる場所を見つけたら、客に紛れるように侵入。
市場の関係者に世間話をするようにこっそり話しかける。
「ここの存在を領主に知られたらまずいんじゃないかい?」
領主(吸血鬼)ってどんな人?
住居はここから遠い?
…等、怪しまれない程度に聞いてみる。

吸血鬼を見つけたら、追跡してみよう。



 少なくはないが避けるほどでもない程度の人々が行きかうマーケットの建物内は、薄暗いながらも天窓から光がさして明かりには困らなかった。
 古いながらもしっかりとした露店から、わずかなスペースに布を敷いて売り買いを行う者など、まさに寄せ集めの様相を見せている。
 そんな中を、ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)はきょろきょろと周囲を見回しながら進んだ。まさに初めてここを訪れた旅人のごとく。表情は穏やかだが、内心は一人を徹底的に痛めつけて殺す、という吸血鬼に対してあまりにも悪辣だという評価を下していたのだが。
「あらあなた、ここは初めてかしら? どんなものを探しているんだい?」
 そんな彼を見つけたのは近くの村に住むお人好しのおばさんである。そんな彼女にノイシュはホッとしたように問いかけた。
「普通のマーケットでは売っていないような品物が欲しいんだ。何か知らないかい?」
「ああ、それならね……あっち、右の通りの右側の、手前から五番目がおススメよ」
 おばさんは内緒話のように声を潜めて、闇市に参加している出店を伝える。ノイシュは朗らかに礼を伝えそちらへ向かった。

 教えられた通りに差し掛かると、ちょうど目指していた出店、布が敷かれたところから店の主と思しき男が席を外すのが見えた。おや、とノイシュがとっさに気配を消し、彼の後をつけると、男はしばらく進んだ先で、布に隠された小さな扉へと入っていく。周辺を確認していたようだが、ノイシュには気付かなかったようだ。
 追いかけるように扉をくぐると、そこは倉庫になっていた。しかも、貴金属や酒など、見つかったらまずいような物が並べられている。
「だ、誰だ!?」
 追いかけていた男がノイシュの存在に気付き、悲鳴のような声をあげた。しかしノイシュはひるまない、出口も抑えているのでなおさらだ。
「ここの存在を領主に知られたらまずいんじゃないかい? 大丈夫、質問に答えてくれたらここの事は黙っておくから」
 にこりと、しかし半ばそれは暗に応えねば相応の者にばらすぞという脅しであった。
「ひっ、こ、答える。答えるから」
「そう、じゃあここの領主ってどんな人? ついでにどの辺りに住んでいるか教えてくれないかい?」
 かくして、ノイシュは領主の情報を手にすることに成功したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。大規模な魔術が得意な吸血鬼、ね。
魔術の触媒になりそうな品物なら幾らか持っているし、
それらを品物として売り出せば興味を引けるかな…?

…事前に闇市の目立たない場所に【常夜の鍵】を設置
退路を確保して“ボロ布の外套”を纏い、
猟兵の存在感を隠して売り手として紛れ込む。

“吸血鬼の財宝”の中から軽い呪詛を宿した物品を取りだし、
さる魔術師の下から流れてきたという名目で売り出すわ。
相手の力量を見切り、相応しくないと感じたらお断りするけど…。

…いらっしゃい。何がお望み…?

…これらは呪われているけど、それでも欲しいの?

後は【吸血鬼狩りの業】で周囲に吸血鬼が居ないか探り、
第六感が危険を感じたら無理せず撤退する。



 敷き布には小さいながらも禍々しい空気を纏う宝石やアクセサリーなど……どう見てもまともではなさそうな物が控えめに並べられている。
 市場に売り手としてもぐりこんだリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はボロ布の外套――実際は気配を隠す聖骸布である――を羽織り、堂々とそこに座ると、通りすがりに興味深げな視線を寄越す人々に微笑みかけていた。とはいえ、その品物たちの異様な雰囲気になかなか立ち止まる者は居ないのだが。
 おずおずと立ち止まった者が並べられたアクセサリーを軽々しくつまみ上げる。その無造作な扱いの時点でこの品物を渡すに値する力量が無いのだとリーヴァルディには分かってしまった。そして一言。
「……これらは呪われているけど、それでも欲しいの?」
 そいつはすぐに顔色を失くして逃げるように去って行った。外れだ、と小さくため息をついた。
 そんな不毛なやり取りを何回かつづけた後、リーヴァルディの目の前でまた一人誰かが立ち止った。風体を観察するように、しかし不自然にならないよう、ゆったりと視線を上げると、不健康な顔色をした地味な男が興味深げに品物を眺めている。
 気配ですぐに分かる。吸血鬼だ。事前に設置しておいた魔法陣の位置を頭の中でもう一度確認する。何か不慮の事態が起こっても大丈夫のはずだ。
「……いらっしゃい。何がお望み……?」
 リーヴァルディが慎重に声をかける。品物を眺めていた男は少しの間をおいて口を開いた。
「これは、実に上質な媒体ですね。まさかこんな所で見られるとは」
「……ええ、さる魔術師の下から流れてきてね……」
 詳しい入手経路は教えられないけれど、とリーヴァルディが付け加えれば、当たり前だという様に男も頷いた。
「こちらの指輪を頂きたい。対価はそうだな……これで足りるだろうか」
 男が小ぶりの宝石を指し、懐から赤黒い液体の入った小瓶を取り出す。それを一瞥したリーヴァルディは首肯して指輪を差し出した。
「……殺した人間の血に呪詛をかけるなんて、悪趣味……」
 満足げに去っていく男の後ろ姿をしっかり目に焼き付けて、リーヴァルディは小さくつぶやいた。しかしその魔力から男、吸血鬼の後を追う事は容易いだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーア・ストリッツ
ふむ、一人ひとりをじっくりいたぶる性質…
闇市にわざわざ顔を出す行動…

アレでは?この領主こっそり市に店を出して獲物を物色しているのでは?
領主なら当然、市で取引される嗜好品を揃えるのも簡単でしょうし
そういう予測のもとに、店々を覗いて回りましょう

まずは怪しい商品がないかですね
商品に獲物を追跡する魔術的なものが仕込まれているとか
単純に獲物の弱みになりそうな商品か
中毒性の有る嗜好品…酒や煙草の類が怪しいですね
まぁ、獲物を殺す際は普通に物理っぽいので単に目を引く客を探しているだけかもしれません
先入観に囚われすぎず行きましょう

「ああ、所で。何か面白そうな物語本があれば購入したいのですが」

【アドリブ歓迎】


デナイル・ヒステリカル
グリモアによる予知すら欺く程の吸血鬼ですか
そこまで慎重になる理由が何なのか、興味は尽きませんね

この世界で吸血鬼が人間を恐れるということは殆どの場合ありえない
ならば同族である吸血鬼、もしくは神などといった存在から身を隠している……?

いえ、止めておきましょう
机上の空論は誰も救わない
今後出ると思われる犠牲者を救いたいのならば、いま必要なのは行動です

そのためにも先ずは闇市へと潜入しなければ。
それも不信感を抱かれないよう注意が必要との事。
『闇市の噂を聞き付けて訪れた旅人』という体で聞き込みましょう。

僕はこの辺りに珍しいものを扱うマーケットがあると聞いて来ました。
宜しければ詳しい話をお聞かせ願えませんか?



「グリモアによる余地すら欺く程の吸血鬼ですか」
「やっぱり気になりますよね」
「ええ、そこまで慎重になる理由が何なのか、興味は尽きませんね」
 マーケットの通路を二人の猟兵が歩く。デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)とフィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)だ。
 ふむ、とフィーアが相槌をうつ。
「一人ひとりをじっくりいたぶる性質……闇市にわざわざ顔を出す行動……」
 聞いていた情報を呟いたのち、しばし目を閉じ思案して言った。
「アレでは? この領主こっそり市に店を出して獲物を物色しているのでは?」
「この世界で吸血鬼が人間を恐れるということは殆どの場合ありえないですから、それはあるかもしれませんね」
 もしくは同族や他の脅威から身を隠しているという推測もあるが、デナイルは首を軽く振って思考を中断した。まだ確定していない事を考えても救う者は救えない。
「とにかく、行きましょう。今後出ると思われる犠牲者を救いたいのならば、いま必要なのは行動です」
「ええ、そうですね。先入観に囚われすぎず行きましょう」
 二人はぐるりと一周回るようにいろいろな店を覗く。一回目にアタリをつけた店に、二周目で声をかけた。
 そこはしっかりとした台に蝋燭や油などの日用品を置いている店だ。店主は中年の男性で、他の人々よりもわずかに身ぎれいに見えて、二人の目を引いたのだ。
「失礼、僕はこの辺りに珍しいものを扱うマーケットがあると聞いて来ました。宜しければ詳しい話をお聞かせ願えませんか?」
 デナイルがにこやかに店主へと話しかけることで注意を引く。その間にフィーアは並べられている物をしっかりと観察した。現状、不自然な物は無いように見えるが。
「ああ、旅人さんかね。その噂が出回ってるようじゃあそろそろここも危ないな。どんな物を探してるんだ?」
「興味があるのは嗜好品ですね。このあたりでしか口にできないような物や、クセになりそうな物とか……」
 それにはフィーアが答えると店主が面白そうに笑って台の下に手を突っ込む。足元に隠していたのか小さめのトランクを取り出した。彼がそれを開くと、煙草やスキットルが二つずつ収められていた。どちらもくたびれてはいない、真新しいものだ。
「よくこんなのが手に入りましたね」
「前回隣になった兄さんに譲ってもらってな。今日は客側で居るみたいだが」
「手に取っても?」
 想定以上にしっかりしたものが出てきたことに驚愕するデナイル。そして許可を求めるフィーアに店主はあっさり頷いた。フィーアはスキットルを手に取るとさりげなく、しかし注意深くそれを観察する。
「ありますね」
「わかりました。店主、これを頂きます」
「毎度~」
 デナイルが銀貨を台に置き、それはそのままどうぞと言うかのように店主はトランクを閉め、再び足元へと隠した。
「ああ、所で。何か面白そうな物語本があれば購入したいのですが」
「それなら突き当りのばあさんの所がおすすめだ」
 互いに礼を告げ、デナイルとフィーアがその場から移動する。人通りがより少ない角で、スキットルを改めて観察した。
「やはり、魔術の痕跡がありますね。何に使っているのやら、ですが」
「魔力は……追えそうですね」
 二人は一度目を見合わせて頷くと、そっと魔力の残渣を辿る。
 市場の中をうろうろしている吸血鬼の姿を見つけるには、十分だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイ・アイオライト
レオウ・ヴァナターク(f01149)と共闘

まさか、同じ影使いと一緒に依頼に行くことになるなんてね。

【変幻ナル闇ノ曙光】でダークセイヴァーの闇に紛れながら、闇市場の人間に接触するレオウの後ろに『目立たない』ようについていくわ。

主催者が姿を現して、レオウに吸血鬼の情報を吐いたら『目立たない・だまし討ち』で首元に短剣を突きつけて『雷竜真銀鋼糸』で拘束。

その他の情報も引き出せるなら引き出してみるけど……最終的に気絶ぐらいはさせるかもね。

闇市場なんて、結局黒幕のために賑やかになってるだけでしょ。さっさとこんな市場潰して、トップに立ってる奴を倒しに行くわよ。


レオウ・ヴァナターク
レイ・アイオライト(f12771)と共闘
「闇市か。全身を隠している俺が表で情報収集をしよう。周囲は任せたからな。」
まるで客を装うかのように平然と闇市の中を歩き、その中でこの闇市に詳しそうな人間を一人探して話を聞く。
「ブツを売りたい。主催者は何処にいる?」
何をと聞かれれば懐に隠していたルナタイトを手に持ったまま見せ、「死ぬ覚悟はあるか?」とそれっぽく脅す。それでも喋らなければ首元に刃物でも突き付け強引に。
闇市の主催者の場所を聞き出すことが出来たなら、今度は主催者に
「今回の目玉について聞きたい」
と、吸血鬼の事について話しそうな様に質問。何か知っている様であれば、レイに拘束を任せて尋問を行う。



「まさか、同じ影使いと一緒に依頼に行くことになるなんてね」
「これも何かの縁という物だ。似た能力なら連携も取りやすくていいだろうしな」
 レオウ・ヴァナターク(誠に残念ですがレオウの冒険の書は消えてしまいました・f01149)とレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)はマーケットの建物を前に最後の打ち合わせ中だ。
「しかし闇市か。全身を隠している俺が表で情報収集をしよう。周囲は任せたからな」
「ええ、任せて」
影を操る二人は、互いに頷いた。

 レオウは肌の露出を一切しない出で立ちだが、逆にそれが闇市場の参加者には好意的に見られていた。彼はこちら側の人間だろう、と。なのでレオウが店主の一人に声をかけた際も、店主は感心するように彼を眺めた。
「ブツを売りたい。主催者は何処にいる?」
「ほお、ちなみにどんな物だい? 俺じゃあ力不足か?」
 暗に、買い取るなら自分でもできなくはない、と伝える店主に対して、レオウは懐から合金の塊を取り出す。それを見た店主は納得したように笑いを上げた。
「なるほどこりゃ、元締めのおっさんじゃないと無理だな。今の時間なら事務所に居るだろう。ちょっと待ちな」
 店主が簡単な図を書いている間にレオウは、少し離れた場所で気配を消してさりげなく周囲を伺うレイの様子を確認した。一瞬目が合う。異常は無いようだ。
 メモを手渡してくる軽く店主へ礼を告げると、迷わずマーケットを進む。建物の隅には確かに小部屋があった。鍵もかかっていなかったので、レオウが堂々と中へ入り、レイもそれにそっと追従する。
 中は壁際に紙の束が入った棚と、簡素な木のテーブルと椅子が置かれたのみの、事務所というより休憩室の様相だった。椅子に腰かけていた恰幅の良い初老の男性が、見慣れぬ来客に立ち上がる。
「ん? 誰だ?」
「今回の目玉について聞きたい」
 レオウの問いに彼は一瞬訝しげな顔をしたが、すぐにバツの悪そうな表情に変わった。
「ってことは噂を聞いて来た旅人さんってとこかね。目玉なぁ、今回は良いのがねぇんだ。今日に限ってお得意様が卸してくれなくてな」
「ほう、お得意様」
 その発言はコンスタントに闇市へ良い品を提供する者が存在する、ということだ。そしてその存在を元締めと思われるこの男は認識している。
 黒だ。小部屋の中に風が起こる。いくらかの書類が舞った。瞬く間の早業、今まで監視に徹していたレイが己の得物である雷竜真銀鋼糸で元締めの上半身を締め上げ、短剣の切っ先を首へと突きつけていた。
「そのお得意様について、ちょっと詳しく教えてくれないかしら」
「死ぬ覚悟があるなら話さなくても構わんがな」
 二人の言葉に自身の命が危機に瀕している、ということをようやく認識した元締めの男がヒッ、と声を上げる。荒事には慣れていないのか、当たり前のように淡々と問う二人と対照的にがくがくと震えていた。
「あ、あの方の事を話しちゃ俺が、俺が連れてかれちまう」
「今死ぬのと、後からじっくり死ぬのと、どう違うのかしらね?」
 脂肪が多い首に刃が食い込む。この元締め、人がいなくなっている事も知っているようだ。
「分かった! 話す、話すから!!」
 元締めの男が悲鳴じみた声を上げた。堰を切ったように出てくる言葉は半ば私怨が多い気もするが……
「つまり、この闇市場には領主のテコ入れを入れる代わりに見逃してもらっている、と」
「で、領主が定期的に誰かしらを連れ去っている訳だな。そしてお前はそれに目を瞑っていた」
 冷静に必要な情報をまとめるレオウとレイ、そして壊れたようにガタガタ頷く元締め。じゃあ最後に、とレイがさらに問いかける。
「あなた、領主の館がどこかはご存じ?」
「あ、ああ、この町を出て西の、山のむこうで、途中にトンネルが」
「そう、ありがとう」
 レイが雷竜真銀鋼糸の纏う雷を強める。それは元締めの意識を刈り取るには十分だった。気を失ったそいつをテーブルに突っ伏させれば、関係ない者が見ても居眠りか体調不良かと思われるだろう。
「闇市場なんて、結局黒幕のために賑やかになってるだけでしょ。さっさとこんな市場潰して、トップに立ってる奴を倒しに行くわよ」
「ああ、そうだな」
 そして二人は、何事も無かったかのように部屋を出て行った。目指すは西、吸血鬼の元へ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花月・椿
【POW判定】、アドリブ歓迎

んー、手掛かりがほとんどない吸血鬼を探す、かぁ。わかっているのは性別が男ってくらいかな?
演技とか腹芸とか苦手だし、ストレートな聞き込みをしようかな。

変に警戒されないようにダークセイヴァーの庶民の服を着て市場に赴きます。
とりあえず武器屋さんを探してそこで情報を集めようかな、とりあえず店主さんにストレートに
『すみません、吸血鬼の討伐を生業にしている集団のものですが、この辺りに吸血鬼、もしくは怪しい男性はいませんか?』
と聞いて回ります。たぶん武器屋さんならその手の噂とか武器の流れとか耳に入ってくるんじゃないかなー?程度の考えですけど。
有益な情報にはお金を払うのも忘れません



「んー、手掛かりがほとんどない吸血鬼を探す、かぁ」
 歩きながら、花月・椿(百鬼粉砕・f12960)は頭を抱えて唸り声をあげた。わかっている情報は性別くらい。どこから手掛かりを探っていこうかと思案する。
 悩んでいる挙動も、服装を周囲の者に合わせているのでそこまで不審ではない事が幸いだろうか。少し考えて結論が出たのか、椿はうん、と顔を上げて市場を進んでいった。

 演技も腹芸も得意ではないと自身を評する椿が取った選択は、ストレートに聞き込みを行う事だった。
 通路を行きながら並ぶ店の品物を眺めていく。地べたに布を敷いてその上に古着を並べている女性、台の上でささやかな量の作物を箱に入れる老夫婦、そして……使い古した、とは言い難い状態の農具を樽の中に立てる壮年の男性。
 注意深く椿が観察すると、農具に紛れるように剣のような物も樽の中に刺さっている事が分かる。彼だ。思うが早いか椿は真っ直ぐその男性の元へ足を向けた。
「すみません!」
「お? 何かご入り用かい?」
 振り向いた男性は何もやましいことを感じさせない、堂々とした様子があった。これがある意味、闇市を乗り切るコツなのだろうか。
 椿はそんな男へ服の下に隠していた短刀をちらりと見せて言う。
「私は吸血鬼の討伐を生業にしている集団のものですが、この辺りに吸血鬼、もしくは怪しい男性はいませんか?」
 目を見開く男性に対してにこりと笑う椿。男に危害を与える気はない、とすぐ武器を隠す。
「という事はさっき来たあんちゃんのお仲間かね。うちの領主様は割と大人しいからそういう方々に目をつけられるこたあんま無いと思ってたんだがな」
「えっ、もしかしたら仲間かもしれません。どんな人でした?」
 先に来た猟兵が既に話を聞きに来ていたとしたら情報共有をしなければ、と椿が慌てて問う。しかし返ってきたのは
「そうだなー、この辺じゃ見ない浅黒い肌の兄さんでな、なんつーか、軍人? みたいな雰囲気だったぞ」
「なるほど、後で見つけて情報の摺合せしますね……繰り返しになって恐縮なんですけど、その人に話したこと、私にも教えてもらってもいいですか?」
 椿がそう頼むと、気さくに男も色々と話してくれた。最近は武器や食料よりも娯楽に関する物がよく出回っているのでこの辺の土地は少し余裕が出て来たんじゃないか。しかし武器も需要が無いわけではなく、ナイフ程度の刃物を女性が時々求めに来る、などなど。
「なるほど。じゃあさっき来たっていう仲間を探してみます。ありがとうございます!」
 椿はポケットから銀貨を数枚取り出して男に握らせた。不思議そうにする彼に、情報料ですよ、と一言告げて踵を返す。
 武器を扱う男が言った軍人風で浅黒い肌の男。少なくともグリモアベースにいた時点では姿が見えなかったはずだ。
 彼の存在は間違いなく吸血鬼につながっているはず、椿は行きかう人々に視線を向けた。おそらくその男を見つけることはそう難しくないだろう、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『凍える夜』

POW   :    強行突破…気合と共に歩む

SPD   :    一刻も早く抜ける為に脇目も振らずに走り抜ける

WIZ   :    魔法で暖や光などを取りながら進む

イラスト:仁吉

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 各々の手がかりを元に、もしくは吸血鬼の後をつけ、猟兵達が辿り着いたのは急な斜面にぽっかりと口を開いたトンネルだった。確認できる範囲で罠が無いことを確認し、闇の中を進む。
 見えてきた光に再度警戒は高まった。入り口に罠が無くても出口は違うかもしれない。ただでさえ一本道なのだから。
 ……しかし、トンネルを抜けた先で猟兵達が見たのは、一面の雪景色であった。
 後ろを振り向く。トンネルは影も形も無くなっていた。
 空を仰ぐ。太陽が弱く輝いていた空は、今や満天の星空だ。急激に冷えた空気が肌を突き刺す。
 トンネル自体は罠では無かったのだ。抜けた先に仕掛けられていただけで。

 オーロラは地面にまで達し、雪を蒸気に変える。焦げ臭いにおいがした。
 降り注ぐ流星は重い音を立ててあちこちにクレーターを作った。
 それらを避けるように木々が勝手に動き回り、道はすぐに景色を変えた。
 雪の上をウサギが走るが……消えた。いや、深い雪に沈んでいく。雪が流砂に見えてしまった。
 視界の端を雪崩が走り、地響きが鼓膜を揺らした。もしかしたら、ここもそれに呑まれてしまうかもしれない。
 ……吹雪いていない、それだけが幸運だろうか。
 
 それは過剰なセキュリティ。侵入者を拒む罠。巨大な魔術で作られた空間。なんてことは無い、命を奪おうとするだけだ。
 吸血鬼の館へたどり着くには、この不可思議な空間を通り抜けるしかないだろう。
 猟兵達の目の前で、二つの足跡が静かに降る雪に埋もれていった。

※MSより
 冒険パートになります。導入文に書いているだけではなく、様々な現象で猟兵たちを排除しようとしますので、思い思いの方法で突破し、先へと進んでください。オリジナルの攻撃手段を演出したい、という方はプレイングに内容を記載いただければ喜んで描写いたします。
デナイル・ヒステリカル
精巧な作りの魔術ですね。
そういった物に関して専門外の僕では、罠の欠点を見破り突破する、という方法は時間を要するでしょう。
ではどうするのか?
考えを巡らせるのですよ。

大規模な行いには相応の代償が必要です。
しかし罠を仕掛ける程の慎重さを持つ吸血鬼が、自身の魔力リソースを継続的かつ大量に投入し続ける愚を犯すとは思えません。
それは吸血鬼自身の戦力の低下を意味しています。

仮定:この巨大な罠は吸血鬼以外の魔力リソースによって稼働している

ならば吸血鬼の魔力を追えば正規のルートを辿れるのではないかと判断しました。
先程購入したスキットルに残る魔力のパターンは解析済みです。
足跡だけに惑わされず、進んでいきましょう。


フィーア・ストリッツ
ふむ、流石にここまで高度な魔術をこの場で解除するのは無理ですね
「では強行突破で脱しましょう。要は効果範囲から出れば良いのです」

尾行中だったので大っぴらに乗れなかった自前のバイク、ナイチンゲールに乗って一気に突破します
ホバーなので踏むと発動系の罠は大抵回避できますし
え?今までどこに置いていたか?
後ろから自動運転で付いてこさせていました。AI搭載の賢い子なので

そして前方に出現する類のトラップは
【氷雪竜砲】で凍てつかせて排除しましょう
凍ってしまえば作動しようも無いでしょう
「さて、後は知らぬ間に方向感覚を奪う術とかに掛かってないのを祈りましょう」
他の猟兵と連携できれば多少マシでしょうか

【アドリブ歓迎】



「精巧な作りの魔術ですね」
「ええ、何とも高度です」
 美しい雪景色のように見える空間を冷静に眺めながら、デナイル・ヒステリカルとフィーア・ストリッツはどちらからともなく言葉を交わした。
「どうしましょうか。このような物に関しては専門外です」
「この場で解除する、というのは無理ですね」
 空気の冷たさも、木々のにおいも、逆にやかましい爆音と木が焼ける焦げ臭さも全て現実と変わりない。空間の端を確認する事も出来ない。不可思議な現象さえなければ現実だと信じてしまっていただろう。
 思考を続けるデナイルが何気なく差し出した手に降った雪の粒はほんのわずかな水になった。彼にはここを抜ける策はある。問題とも言い難い程度の問題点は一つだけ。
「では強行突破で脱しましょう。要は効果範囲から出れば良いのです」
 そんなデナイルに、フィーアは表情を変えないまま協力を提案した。

 激しい重低音が雪深い森に響き渡る。それに揺らされた木々は驚くように揺れ、積もらせた雪を振り落してしまった。弾丸のような速度で走るそれに、木々は逃げるように道を開けていく。
「こんなのどこに隠していたんですか!」
 念のためヘルメットを被り後ろにしがみついているデナイルが、エンジンの音にかき消されないよう大声を上げる。もちろん運転はフィーアだ。
「AI搭載の賢い子なので後ろから自動運転でついてこさせていました!」
 空が、二人の真上がひときわ強く輝く。光と共に流星が迫っても二人は慌てない。フィーアがその操縦技術で車体を横滑りさせて軌道を変える。今まで走っていた所で雪が爆ぜた。
「ホバーだと足元を考慮から外して良いのが助かりますね……フィーアさん、百メートル先を右に!」
「任せてください!」
 ホバー走行のバイク、ナイチンゲールが雪を後ろへ巻き上げながらドリフトする。過ぎ去っていく背後に雪崩が走る轟音がした。
 現象の猛攻がひと段落したところでふう、と二人が息を吐く。
「しばらくは直進で大丈夫です……市場でこれを手に入れておいてよかったですね」
「後は知らぬ間に方向感覚を奪う術とかに掛かってないのを祈りましょう」
 そう、二人が取った手段は単純だった。市場で手に入れたスキットルに残る吸血鬼の魔力パターンを解析してルートを割り出すことを考えたデナイルと、ナイチンゲールの機動力で罠を突破しようとしたフィーア。進むべき方向だけが不安であったフィーアに対し、デナイルが分析でそれを補ったのだ。
「よく魔力を追う事を思いつきましたね。吸血鬼の作った空間ですから、逆に混乱するように思うのですが」
「そうでもありませんよ。大規模な行いには相応の代償が必要です。しかし罠を仕掛ける程の慎重さを持つ吸血鬼が、自身の魔力リソースを継続的かつ大量に投入し続ける愚を犯すとは思えません」
「ええと、他に使える力が減ってしまうから、ですか」
 はい、とデナイルが肯定した。
「この巨大な罠は吸血鬼以外の魔力リソースによって稼働している、その仮定は正しかったようですね。僅かですが、先にここを通った吸血鬼の魔力は空間から浮いているのですから」
 そのリソースが実際何かを確認する事は叶わないが、現状はそこを気にする場面ではないだろう。
「次、三百メートル先を斜め左に! ……の前にあれはどうにかできますか!」
「任せてください!」
 今度は二人の進行方向に流星群が降り注ぐ。風を切る熱の音と木々をなぎ倒すバキバキとした高い音がエンジンとハーモニーを奏でた。
「しっかりつかまっていてください! 竜騎士たる私の奥の手をご覧に入れましょう!」
 ハンドルを握ったまま、フィーアが深く息を吸い込み……勢いよく吐き出されたのは吹雪。スピードが相殺されないようにエンジンを全開にして突っ込めば、こちらに吹き飛んできた木と石の欠片は凍り付いて弾き飛んで行く。
「す、ごいですね……色々と」
 自ら吹雪を作り出すフィーアと、ナビを続けるデナイル。二人を乗せたナイチンゲールは森を切り裂くように進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花月・椿
【POW】

無事に吸血鬼らしき人物の情報が手に入ったのはいいけど…なんですかこの空間。下手なオブリビオンよりも性質が悪い。
魔術ってこんなことも出来るのかぁ…、ちょっと習ってみたいけど今はこの変な空間を突破しないと。

どのみち私は小細工とか魔術の知識とかは無いので強行突破あるのみ、【覚悟】を決めて【気合】で突き進みますっ!
とにかく先に入った人が歩いていった方向に向かって【ダッシュ】で突き進んで、不安定な地形や落下物は【第六感】【野生の勘】【ジャンプ】で回避っ!
帰り道や後続の事を考えると魔術の核みたいなのを破壊しておきたいけど、私じゃ罠と区別がつかないだろうし突破だけを考えますっ!



 きらめく銀世界、森のざわめき、降り注ぐ光……
「なんですかこの空間」
 下手なオブリビオンより性質が悪いとか、魔術ってこんなことも出来るのかとかちょっと習ってみたいなとか、いきなりの景色の変化に一瞬思考が停止しそうになるがそんな場合ではない。
 花月・椿は消えゆく二組の足跡を目で追って、軽くその場で屈伸を行う。今はこの変な空間を突破しなければならない。屈伸が終われば足の腱を伸ばし、腕をほぐし、肩を回し、最後に深呼吸。
「……行きますっ!」
 椿は小細工が分からない。魔術の知識も無い。ゆえに取った手段は己の体を信じた強行突破。
 滑らぬように雪を蹴れば、独特な摩擦感が椿の体を強く押した。修行で鍛えられた脚力に裏付けされる加速度が、椿を風だと錯覚させる。肌を打つ風は相対速度も相まって刺すように冷たかったが、その分血の猛りを実感することができた。
 真っ直ぐな侵入者に木々がざわめく。椿の進む先を遮るように、オーロラのカーテンが降り注ぐが、彼女は決して怯むことは無い。雪に飛び込むように前転、オーロラが地面にたどり着くすれすれでその裾を潜り抜けるとその勢いのまま飛び上がって木の枝を掴む。腕を支点に腹に力を入れて、重心を下から前へ! 白い世界へ引きずり込もうとする雪の層を飛び越え、また椿は駆ける。
 その行動に根拠は無かった。根拠はないが立ち止まるよりも進んだ方が良い。ほんのわずかな景色の違和感と、その空間を決して恐れない覚悟は感覚的に危険を察知し、回避する行動を椿の身体に示していた。
「本当は魔術の核みたいなのを破壊しておきたいけど……」
 走り、周辺を素早く確認しながら椿はつぶやく。顔に見える木のうろ、爆発せずに残った流星、怪しげな鳥や小動物……
「うう、考えてしまうとどれも罠に見えてしまいます!」
 悲しいかな、椿にはそれを見分ける知識が無かった。考えても仕方ないものは仕方ない。突破することだけを考えて椿は足に込める力を強めた。
 森も、空も、雪も、止まることなく進み続ける彼女を捉えることはできなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノイシュ・ユコスティア
【SPD】で行動。
武器はロングボウ。
道具の暗視ゴーグルで視界を確保する。

「出口はどこにあるかわからない。
でも、ここにいたら凍え死ぬだろう。
まず、走ろう。」

自分に被害が及ばないなら、障害物は無視する。
体力の消耗を少なくするため、なるべく平坦な道を走る。
流星は避けて、動くものはユーベルコードで攻撃して避けられるか試してみる。

オーロラやひときわ輝く星を目印にして、方向を把握。
一方向に進んでいけば、突破できそうな気がする。

ありそうな仕掛け:
動くものを狙う雪の球が転がりながらどんどん大きくなって近づいてくる。
ユーベルコードで破壊できない時は、動き回る木を盾にしてそれを防ぐしかないかな?



 ノイシュ・ユコスティアはその不自然な自然に溶け込むように、冷たい空気を肺いっぱいに吸い込んだ。暗視ゴーグルをかければ、見通しの悪い暗い森もはっきりと視界に収めることができた。いつでも放つことができるように、手にはロングボウを携える。
「出口はどこにあるかわからない」
 見回しても、空間に境界は無かった。
「でも、ここにいたら凍え死ぬだろう」
 罠を全てかわした所で、寒さに体力を奪われれば待つのは死だ。
「――まず、走ろう」
 空を見上げるノイシュは、冷静だった。

 彼は森の走り方を知っていた。魔術で作られた空間とはいえ、いや、だからこそかもしれないが、星の位置に変化が無い事をすぐに読み取っていた。オーロラのカーテンの向こうでもひときわ輝く一等星は道しるべに他ならない。時折流星で見失いかけるが、それもずっとということはない。
 雪に足を取られぬよう、そしてなるべく体力を使わぬよう、可能な限り平坦な道を選び走り抜ける。まるで惑わすように木々が位置を変えるが、真正面からぶつかるようなことにならない限り全て無視して真っ直ぐ進んだ。
 森がざわめく。近くで雪崩……だけではない、粘度の高い液体から気泡が沸き上がるような音がノイシュの耳に届いた。そして少しの間をおいて過ぎ去った後ろから、葉擦れと何かの衝突音。雪崩は木の配置を見て避けたはずとちらり後ろを確認すれば、いくつもの雪の塊が彼を追いかけていた。おかしいなと思いつつも瞬時に進行方向を九十度変えて木と木の織り成す狭い隙間を抜ける。ぼぼぼ、と塊が砕ける音がした。それでも、その隙間を抜けた雪はノイシュを追いかけ続けていた。
 明らかに雪崩とは違う。雪だるまを作るときのように、進めば進むほど雪は倍々に体積を増す。理から外れたその動きはまさに魔術空間というべきか。
 ならば、と彼は準備をしていた弓に一本の矢をつがえた。一度ひときわ速度を上げてもはや自分の背丈を超えた雪玉へ、距離を確保して向き直る。
「矢よ、雨となり敵を貫け!」
 それは精霊に加護を請う言葉。放たれた一矢は風を纏い空中でその数を増やす。それはまさに豪雨の如く。
 一本一本が確実に雪玉へ降り注ぎ、はじけるように砕けると勢いを失い粒子になって舞い散った。まるで、そこだけ降る雪の密度が上がったかのように。
「ふう……少し方向がそれてしまったかな」
 今は周囲に危険が無いことを確認し、すこし息を整えてから再びノイシュは空を見上げて進む。
 ノイシュは確信を持って、未だ見えぬ森の端を目指した。いずれ、空の色が青に戻るまで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レオウ・ヴァナターク
レイ・アイオライト(f12771)と連携。
なるほどな、確かに普通に突破するには難しい罠だろうな。だが、あくまでもそれは普通に突破しようと思ったらの話だ。
レイと一緒にユーベルコード【影伝い】により影の中に潜り、ユーベルコード製の別世界から侵入を試みる。
「正面からはキツイか……。影ん中は広いから、はぐれるなよ?」
自身の影とあらゆる影を陰の空間として繋げた空間の中で、目的地の館の咆哮に歩き続け、館の内部の影に出口を繋げる作戦。
「命を奪おうとするにしろ、流石にあからさま過ぎないか……?」
影の内部から外は見えるので、外で起こっている事を見て呆れたような声でそう呟くだろう。


レイ・アイオライト
レオウ・ヴァナターク(f01149)と連携。

数え切れない罠ね。普通に突破する事は不可能じゃないけど、あたしたちは別の方法から突破することにしましょうか。

レオウの影に【変幻ナル闇ノ曙光】で同化、一緒に影に沈み込むわよ。

ユーベルコードで出来た別世界なんて初めて入るわ。
先導よろしくね、レオウ。
館の内部の影から脱出よ。

……外は凄いことになってるみたいね。真っ向から立ち向かわないで正解だったかもしれないわ。

(アドリブ等歓迎です)



 眼前で巻き起こる自然現象を超えた暴力を二人の影使い、レオウ・ヴァナタークとレイ・アイオライトはどこか凪いだような、他人事のような心持で眺めていた。
「数えきれない罠ね」
「ああ、すごい光景だ」
「普通に突破することは不可能じゃないけど」
「普通に突破しようと思ったら、確かに突破するには難しい罠だろうな」
 それでも、この二人には一切の障害になり得ない。
「あたしたちは別の方法から突破することにしましょう」
「ああ、そうだな」
 そして、夜の闇に吸い込まれるように、その姿が消え去った。

 地面がないその空間は、まるで抵抗を失った水の中のような浮遊感があった。視界は半透明の黒いフィルターをかけたような色をしているが、視認性に一切の不都合はない。頭上には先ほどまで見ていた星空と森。しかし視点はだいぶ低い。
 当たり前だ、二人は影の世界にいるのだから。
「正面からはキツイか……」
 影を伝わる感覚で方向を確認するのはレオウ。ここは彼のユーベルコードで作られた、影の中の世界だった。
「ユーベルコードでできた別世界なんて初めて入るわ。影の中ってこんな感じなのね?」
 レイも同様にこの世界に入り込んでいた。闇に同化する能力を持つ彼女ならば、何の障害もなくこの世界に入り込むことができる。
「いや……ここも多少、上の魔術空間の影響を受けているのかもしれないな。見てみろ」
 二人が頭上、本来の世界を見上げるとちょうど流星が降ってくるところだった。それは地面にぶつかっても影の中に影響を及ぼすことはないだろう。なにか変な所があるのだろうか、と続きを促すレイに、レオウは足元を指す。そこにはまるで鏡のように、反転した外の世界が映し出されている。
「……これは、酔いそうね」
「普段はこんなことにはならないんだが。なるべく下は見ない方がいいだろうな……影ん中は広いから、はぐれるなよ?」
「ええ、先導よろしくね、レオウ」
 二人の作戦は実に単純だった。一切が影になる夜の世界でこの安全な空間を進んで森を抜け、さらには吸血鬼の館の内部へ侵入しようというものだ。そしてそれは大いに有効な手段だったと言える。先ほど確かめたように、この世界は外側の現象が一切干渉しないのだから。
 影の中にいても魔術空間は侵入者がここにいることを察知しているようで、これでもかというくらいいろいろなものが降り注いでくる。折れた木が吹っ飛んできたときは思わず身構えてしまったり、進んでいる間に雪崩が走った際はいきなり視界の高度が変化して感覚の違いにふらりとしてしまったが。
「……外は凄いことになってるみたいね。真っ向から立ち向かわないで正解だったかもしれないわ」
「命を奪おうとするにしろ、流石にあからさま過ぎないか……?」
 その光景を目の当たりにしている二人にとっては、もはや驚きを通り越して呆れを抱いてしまうのも仕方ないことだろう。
 そしてしばらく進むと、不意に二人は見えない壁のようなものに突き当たる。景色や状況は一切変化がないのに巨大な何かに阻まれて先に進むことができない。
「どうしようか?」
「仕方ない、一旦影から出る他ないな……」
 慎重に、攻撃の切れ目を見計らって二人は元の世界へ浮上する。浮遊感が消え、視界の色から黒が減り、足元は真っ白な雪へと変わった。
 じっとしては居られない。すぐさま、影の中で壁にぶつかった方向へ駆け出し――
 一歩踏み出せばすぐ、世界は色を変えた。
 急激に明るくなった景色にレイは目をすぼめつつも周辺を確認する。
「なるほどね、あの壁は魔術空間の境界だったわけ」
「当初の目論見からは外れちまったが、結果的に突破できたからよしとするか」
 二人の視線の先には、カントリーハウスのような、大きな柱を擁した館と、そこへ向かう男の後ろ姿があった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。随分と大仰な歓迎。
大規模な魔術が得意という触れ込みに偽り無し、か。

…だけど、どうやら今回はそれが裏目に出たみたい。
おかげでお前の魔術の癖が良く視えるもの…。

殺気や危険を感じたら即座に回避するよう心掛けつつ、
吸血鬼の魔力の痕跡や目立たない基点の存在感を第六感で捉え、
魔力を溜めた両眼に残像として暗視して魔法を見切る

…解析完了。続けて奥義動作に移る。

空中戦を行う“血の翼”を広げ【吸血鬼狩りの業・元型】を発動
自身の生命力を吸収して増幅した呪詛を纏う大鎌をなぎ払い、
この魔法空間を切り裂く奥義で屋敷までの道を切り開くわ

…悪趣味な小瓶だったから返品しに来たわ。
指輪の代金は、お前の生命で支払ってもらう。



「……ん、随分と大仰な歓迎」
 広がる雪景色に、リーヴァルディ・カーライルは大きな瞳を瞬かせた。上下左右を見回し、納得したように一度頷く。大規模な魔術が得意だという情報こそあったが、目の当たりにすればなるほど理解ができた。しかし、このような魔術はリーヴァルディの敵ではない。
「おかげでお前の魔術の癖が良く視えるもの……」
 彼女の前に、それは逆に手の内を明かしているようなものなのだから。

 リーヴァルディは迷いなく雪道をゆく。その目に映る世界は、自身の力により魔力と光を増幅して映し出した。漂う魔力を辿る。規則的な四つと不規則な一つ。それらはどう見ても魔力の性質が異なっている。リーヴァルディは規則的な方で、一番近いものへと一直線に進んでいった。
 引きずり込む雪は迂回し、流れ星は軌道を読んで。優雅に歩みながらも感覚を研ぎ澄まし、少しの異変から攻撃をすぐさま予測し、一切の無駄もなく回避する。
 そしてたどり着いた先には、尖塔を模したモニュメントが存在していた。リーヴァルディの腰ほどの高さのそれには魔法文字と陣が刻まれ、中心には乳白色の石が埋め込まれている。彼女は屈んでそれをじっくりと観察する。魔力が溜る瞳は、そのモニュメントの役割や性質、魔力を読むことも容易かった。
 最後に軽く手をかざし、確信をもって立ち上がる。
「……解析完了」
ぶわり、とリーヴァルディの背から深紅の翼が広がる。それは血の色をした魔力。少女の身体が浮かび上がった。構えるは身の丈ほどの黒い大鎌である。すう、と息を吐いてその得物に自身の生命力を送り込めば、呪詛を纏い禍々しく揺らめいた。
吸血鬼を屠るための、リーヴァルディの奥義。それならば、この魔術空間へ対抗することが可能になる。
「……吸血鬼狩りの真髄を知れ」
しっかりとこの後起こる現象を脳裏に浮かべ、リーヴァルディは大鎌を真正面へと振るう。
その一閃は、文字通り“空間”を切り裂いた。雪景色のレイヤーを剥がしたかのように、一直線に青空が覗いている。
 ふわりと着地した彼女が雪から土へと踏み出す。真横から雪崩が襲うが、魔術空間を解除したその場所に流れ込んでくることは無く、雪崩の断面すら確認することができた。
 一部分だけが普通になった森を明るい方へとしばらく歩けば、動かない木々の隙間から開けた先にある館と、身なりの良い男の後ろ姿が見える。
「……悪趣味な小瓶だったから返品しに来たわ。指輪の代金は、お前の生命で支払ってもらう」
 忌々し気に言葉を吐くと、彼女は大鎌をその背へ向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『吸血鬼殺し・アルヴィ』

POW   :    啼刃
【斬撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【二撃目の斬撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    黒影
自身に【今までに殺してきた者の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    迅雷
【指先】を向けた対象に、【降り注ぐ雷】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:神崎

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヴィリヤ・カヤラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 罠が張られた森を突破した猟兵達の眼前に、その館は現れた。空は弱く太陽が輝き、じんわりと肌が温められていく。カントリーハウスじみた、クラシックな様式の館の前は開けていて、整えられた芝生が雪に慣れた目に優しい。
「なっ、何者だ貴様ら……猟兵か!」
 ちょうど、館の中へと入ろうとしていた所なのだろう。大きな玄関扉の前で猟兵たちの気配に気付いた吸血鬼が素早く振り向きながら魔術を展開する。魔術を得手としているのがよくわかる効率的な無詠唱で、猟兵一人一人の足元に小さな魔法陣が現れた。
 もちろん、準備に時間をかけることができなかったそれは一瞬動けなくなるくらいのものでおそらく単なる足止め。各々が、各々の方法でそれを回避する。

 ――だから、不意に猟兵たちを追い越すように現れた第三者が、二本の剣でその吸血鬼の胸を貫いたとき、猟兵たちは誰一人それに対応することが叶わなかった。

 黒い剣がずるり、と抜ける。吸血鬼の体が溶けていく。そいつはきっといずれ、骸の海から甦るのだろう。
「獲物を横取りされた気分はどんなものだ? 猟兵よ」
 艶のある低い声が猟兵達へ向けて発せられた。追っていた吸血鬼を葬った男がゆっくりと振り向く。浅黒い肌に紅い瞳、夜のような色の軍服、そして背には蝙蝠のような翼。
 現れた二人目の吸血鬼、オブリビオンだ。猟兵達の本能がそう告げる。
 何故仲間殺しを行ったかは分からない。彼が居たから、領主は身を隠し、もしくは予知にはっきりとかからなかったのだろうか。それを確かめるすべは無いが、滅ぼさねばならない存在に変わりはないだろう。
 武器を構える猟兵達を嘲るように男は笑った。ばち、とその剣が雷を纏う。
「ハハハ、そうでなくてはな! 我は『吸血鬼殺し』のアルヴィ! いざ死合おうではないか!!」
 その瞳に、正気は無かった。
ノイシュ・ユコスティア
チャム(f13914)と二人描写希望。
武器はロングボウ。
真の姿になり、背中に大きな鷹の翼が生える。

性格が悪そうな吸血鬼を倒すつもりだったのに…第三者の登場に少しいらっとする。
この人も十分危なさそうな人だな…。

先手を取られる前に、右腕を狙いマヒ攻撃を仕掛ける。
マヒが効いたら、炎の属性攻撃。
後の戦いが多少でも有利になるように努めたい。

敵とは距離を取り、チャムの少し後方に布陣。
ユーベルコードを利用して敵を攻撃する。

チャムの言いたいことはわかった。
「うん、攻撃し続けるわけだね。」
状況に応じて、チャムの援護射撃か敵の胴体を狙う。

敵の攻撃は、ダッシュまたは飛行能力を利用して避ける。


チャム・ティータ
ノイシュ(f12684)と参加

「吸血鬼ちゃんって悪い人なんだって聞いたことがあるよ
世界の平和のためにチャムは戦うの!」

ノイシュと協力して挟み撃ちなの
ノイシュが矢で腕を攻撃したら右手のグルメツールで相手の剣を叩くの
怪力で吹き飛ばせないかやってみるよ
剣が1本になれば勢いは半分だね

その後は左腕の内蔵兵器(ビーム)を使ってヴァリアブル・ウェポンで攻撃するの
攻撃力重視でいくよ
右手でも攻撃して、相手に反撃の隙を与えないようにするの
できれば2回攻撃、一斉射撃を利用するよ
相手の攻撃は武器で受け流すか素早くかわせたらいいな
「いっぱい切って、ミンチにすればいいの!」
負傷したら立ち位置を交代してね



 始まりは一筋の矢。ノイシュ・ユコスティアが放つそれは、背に生えた翼の筋力を乗せて一層の速さを生む。
 彼はその温厚な顔をしかめて闖入者を睨みつけた。本来追いかけていた吸血鬼の行いに報いを与えるはずだったのに、と。返された衝撃波を大きく跳躍して避けるとさらにもう一発。
 そしてノイシュの下を駆け抜ける小さな姿。チャム・ティータ(星空パフェ・f13914)がその身には大きいナイフとフォークを構えて黒い吸血鬼へと肉薄する。
「吸血鬼ちゃんって悪い人なんだって聞いたことがあるよ」
「その通り、奴らは全て滅ぼさねばならない」
「じゃああなたもだね! 世界の平和のためにチャムは戦うの!」
 剣をフォークでいなしすかさずナイフを打ち込む。それがもう片方で逸らされれば回転をつけてフォークで突き上げた。チャムは小柄な分相手の攻撃が読みやすい。迫る剣はナイフで受けた。その攻防は銀と黒の残像を伴って、金属がぶつかり合う音がけたたましく響く。
 その間にもノイシュの放つ矢が黒い吸血鬼の右腕をかすめる。致命傷になりうる部分はさすがに避けられるが小さな傷は厭わないらしいということをこの短時間の攻防で読み取ると、ノイシュはさらに強く弓を引いた。連射の狙いを一か所へと絞っていく。
 空中から放つ矢が風を纏って数を増やす。しかしそれは拡散することなく、密度を保って黒い吸血鬼へと迫る。
「猪口才な!」
「今だよ!」
「行くの!」
 それぞれの声が重なる。
 束となった矢はさすがに看過できない。黒い吸血鬼が右の剣でそれを弾く。
「ッ!?」
 フィルムのコマを飛ばしたかのようにその動きが一瞬“ブレ”た。吸血鬼は目を見開いて、筋肉がこわばる。その瞬間を見逃すことなくチャムがフォークの爪で黒い吸血鬼の剣を挟み、捻りを加えその手から掬い取った。そしてその体から出るとは思えないほどの力で、フォークごと後方へと放り投げた。
「剣が一本になれば勢いは半分だね!」
 空いた左手が光る。彼女の左腕がその太さを直径とする砲身へと変化し、その先端が強く輝く。
「チッ!」
 明らかに恐ろしい威力を想起させるそれに接近していてはいけない、と黒い吸血鬼が思わず距離を取る。しかしノイシュがそれを許さない。退路を制限するように発火性の仕掛けを施した矢をすかさずその足元へと撃ち込む。
 整えられた芝が焦げたにおいをあげる。くすぶる黒い煙を重くかかとが踏みつけた。
「悪い人はいっぱい切って、ミンチにすればいいの!」
 見かけによらず物騒な発言をするチャムが左の砲からビームを放ち、再び黒い吸血鬼を追い詰める。ナイフとビームだけならば彼もいなすことはできたかもしれないが、頭上から降り注ぐ矢がその対処を許さない。
「うん、攻撃し続けるわけだね」
 心得た、とノイシュが適切に矢を放ち、黒い吸血鬼の行動の選択肢を狭めた。チャムの砲身が頭に狙いをつけていれば、姿勢を落として横に動くしかない、と。
「ミンチはハンバーグなの!」
 その胴体をチャムのナイフが鈍器のように捉える。クリーンヒットの一撃に体制を崩した黒い吸血鬼にノイシュの矢が襲う。
「容赦はしないよ」
 憎々しげに睨みつける黒い吸血鬼に、ノイシュはつがえた矢で応えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レオウ・ヴァナターク
レイ・アイオライト(f12771)と共闘。
「獲物を横取りだと?笑わせるな。獲物がお前に変わっただけの話だ。」
【影の裏切り者】を発動。アルヴィの影から彼のクローンを作成。影のクローンにはアルヴィと全く同じ行動を取らせる。
敵と全く同性能のクローンだ。釘付けにすることはできるだろう。
「実力には自信がありそうだが、それに苦しめられる気分はどうだ?」
クローンに攻撃をさせながら自分も囁かな攻撃を入れる。ただし、身体強化も何もしていない自分は明らかにクローンより弱く、倒されればクローンも消えてしまうので慎重に。
さて、お膳立ては終わりだ。レイ、キツイ一発を食らわせてやれ。


レイ・アイオライト
レオウ・ヴァナターク(f01149)と共闘。

どんな気持ちも何も、「手間が省けたわ、ありがとう」としか言えないけどね。

魔刀を構えて、【斬影ノ型・閃煌】でアルヴィに応戦する。レオウの影のクローンに隠れるように……翻弄するように立ち回るわ。

レオウが無防備になりそうだし、影のオーラで『オーラ防御』か、『影縫ノ暗剣』で敵を行動不能にしてみようかしら。

相手が剣を抜こうとした瞬間、すでにあたしの刃はその体を斬り刻んでる。光速を越える抜刀、見切れるものなら見切ってみなさい。

(アドリブ等歓迎です)



「どんな気持ちも何も、手間が省けたわ、ありがとう、としか言えないけどね」
「獲物を横取りだと? 笑わせるな。獲物がお前に変わっただけの話だ」
 二人の影使い、レオウ・ヴァナタークとレイ・アイオライトが吐き捨てるように言った。結局、相手がだれであれやることは変わらないのだから。
「ハハハ、違いない!」
 何が面白いのか、黒い吸血鬼は高らかに笑う。そのまま予備動作もなしに黒い剣が一閃、斬撃が衝撃波となって二人めがけて迫った。
 しかし、それは想定外の存在に阻まれる。
 黒い吸血鬼の足元から伸びる影が地面から盛り上がると衝撃波を剣で受けた。それは、対面する彼と寸分違わぬ姿をしていた。吸血鬼と全く同じ挙動で剣を振るい、本物に対して斬撃を打ち込む。余波が周辺に風を起こした。
「実力には自信がありそうだが、それに苦しめられる気分はどうだ?」
 それはレオウがユーベルコードで作り出した『クローン』だ。見た目も強さも同じ。しいて言うならば本物の方がダメージの蓄積があるということくらいだろうか。
 苦虫を嚙み潰したような表情をした黒い吸血鬼。自分の動きはよく理解している。だが、クローンの攻撃の合間にレオウがしっかりと漆黒のナイフを向けてくることも無視することができない。細かく動くレオウに間近から吸血鬼の剣が襲い掛かるが、それは黒い影のオーラで勢いを削がれ、身体能力に自負がないレオウでも容易にその軌道から逃れることができた。
「あたしの事を忘れてもらっちゃ困るわね」
「助かる」
 レオウのナイフが黒い吸血鬼をかすめたタイミングで、レイがクローンの背後から、低い姿勢で踏み込む。手にした魔刀が闇を深くした。
 抜刀。居合の一の太刀はとっさに身を引いた黒い吸血鬼の剣にかろうじて、という塩梅に弾かれる。レイが前転し通り抜けるように間合いを取るとその隙にレオウが頭上からナイフを投げつける。それは手の甲で払われた。
 しかし、勢いが乗っていたはずの吸血鬼の身体が硬直する。
 その足元に、影を纏った短剣が突き刺さっていた。それは影に突き刺すことで相手の行動の自由を奪う、レイの得物の一つであった。
 すかさずレイが再び肉薄、抜いたままの魔刀を下段から切り上げ、さらにその反対側から挟み込むようにクローンの斬撃が黒い吸血鬼へと襲い掛かる。
「ぐぬっ……」
 同時の攻撃を受けた吸血鬼がうめき声を上げ、よろめく。
「さて、お膳立ては終わりだ。レイ、キツイ一発を食らわせてやれ」
「任せて」
 レイは先の一撃ののちに一度魔刀を鞘へと納めていた。手元の闇が一層深まる。
 足元の短刀をかろうじて蹴り飛ばし、黒い吸血鬼は本能的にレイの攻撃に備えていた。しかし、それはすでに防御の意味を成さない。
「光速を越える抜刀、見切れるものなら見切ってみなさい」
 その居合は影。その時には既に光を超える速度を持って吸血鬼を切り刻んでいた。
「――光断一閃。もう刀は鞘に収まってる……終わりよ」
 血の吹き出す音と、黒い吸血鬼のうめき声がその威力を表していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フィーア・ストリッツ
なんとも締まらないというか、微妙な気分ですね?
別に当初のミッションは終了したので回れ右して帰っても良いのですが
「それとは別に、オブリビオンは見つけ次第殺す方針ですので。お覚悟を」

【スピンスラッシュストーム】を発動して敵に斬りかかっていきましょう
二刀流だからといって恐れる必要はないのです
「要は攻撃速度で手数を稼げば良いのです。このように」

戦いや殺し合いを楽しむ手合いのようですが、あいにくフィーアにそのような趣味はありませんので
「ただ効率的に鏖殺するのみです。動機を掘り下げるほどの興味もないので、アナタは黙ってバラバラ肉に変わって下さい」

【アドリブ歓迎】


デナイル・ヒステリカル
同種を屠る吸血鬼のオブリビオンですか
端的に言って、惜しいですね

彼のような存在が過去のもので在ることが、です

どんなに人類へ貢献する可能性が高い存在だとして、その個体がオブリビオンであるならば、打倒します
───僕は猟兵ですから

雷を操る攻撃を仕掛けてくる様子ですが、他ならぬ僕に対してそれは悪手ですよ。

自身の周囲にドーム状に纏めた紫電を形成。
降り注ぐ雷を誘導してダメージを負うこと無くやりすごします。

このように、自然の法則下で放たれる雷を避けることは容易いのです。

UC:ノイジーレイニーを射出
こちらは上空から降り注ぐ無数の槍をお返ししますよ。
触れたものを焼き焦がす大電流が付与されています、ご注意下さい。


リーヴァルディ・カーライル
…ん。あの吸血鬼を狩る準備が無駄になってしまったわ。
吸血鬼殺しだか何だか知らないけど、
獲物を横取りした代償は支払ってもらう。

今までの戦闘経験や第六感が捉えた敵の気合いや目立たない存在感を、
魔力を溜めた両眼に殺気の残像として可視化(暗視)
双剣の2回攻撃を紙一重で見切り、
衝撃波や雷属性攻撃は先読みして避けるか、
無理なら“血の翼”のオーラで防御を試みるわ

…吸血鬼狩りの業を知るが良い。

敵の隙を突いて接近し怪力の踏み込みからUCを発動
生命力を吸収する呪詛を纏う双剣の連撃と同時に、
傷口を抉る無数の魔刃を放ち追撃するわ

…お前がどんな目的で吸血鬼を狩っているのか知らないけど。
次はお前が狩られる番よ、吸血鬼。



「惜しいですね」
「……ん。あの吸血鬼を狩る準備が無駄になってしまったわ」
「別に当初のミッションは終了したので回れ右して帰っても良いのですが」
 それぞれ、感情を読み取らせない表情をする三人の猟兵の会話は、微妙に噛み合っていなかった。
「いえ、彼のような存在が過去のもので在ることが、です」
 同族を屠る黒い吸血鬼に対してそう評価するのは、デナイル・ヒステリカル。虚空から銃を実体化させて、ゴーグル越しに電脳空間を構築した。
「吸血鬼殺しだか何だか知らないけど、獲物を横取りした代償は支払ってもらう」
 静かに闘志を湛えて双眸に魔力を纏わせたのは、リーヴァルディ・カーライル。携えていた大きな鎌を双剣へと変形させた。
「それとは別に、オブリビオンは見つけ次第殺す方針ですので」
 淡々と告げたのはフィーア・ストリッツ。くるり回す黒い槍斧のリボンが揺れる。
「まあそうですね。どんなに人類へ貢献する可能性が高い存在だとして、その個体がオブリビオンであるならば、打倒します」
 そう、彼らは猟兵なのだから。
 三人の視線の先は一つ。ゆらりと立ち上がる黒い吸血鬼。その口が笑みを作った。おもむろにその手が持ち上がる。
 轟音と白い閃光が周囲を瞬間的に埋め尽くした。早回しのように空には黒い雲が発達し、そこから一直線に太い雷が連続で降り注ぐ。
 しかしそれがやんだとき、吸血鬼はその目を見開くことになる。全くの無傷で三人がそこに立っているのだから。
「――他ならぬ僕に対してそれは悪手ですよ」
 彼らはデナイルの展開した紫電のドームに守られていた。それは表面に渦を巻いて、天からの雷を大地へと逃がす。
 雷が途切れると即座にデナイルは紫電を解除。すぐさまフィーアとリーヴァルディが飛び出す。
「ハハハハハ! そうでなくては!!」
「あいにくフィーアにそのような趣味はありません」
 艶めいた表情と感情を浮かべない表情。対照的な二人がまずぶつかり合った。高速の剣戟に舞うような槍斧の回転が文字通り火花を散らす。
「……吸血鬼狩りの業を知るが良い」
 それが弾かれたタイミングで反対側からリーヴァルディが切り込む。まるで次の行動が分かっているかのように彼女は迫る刃を難なく潜り抜け自身の双剣を喰らわせる。彼女の眼には人には見えないものが残像として見えていた。左から迫る殺気を瞬時に読み取りひらりとバックステップ。空を切った吸血鬼の剣に後方からデナイルの射撃が襲い掛かり、ブレた剣筋を速度が上がったフィーアの槍斧が上段から捉えた。それに対するように吸血鬼の斬撃は黒く怨念を纏い残像を持って襲い掛かる。しかしフィーアはさらに槍斧を回転させることで難なくはじき返す。
「要は攻撃速度で手数を稼げば良いのです。このように」
 回転を伴った打ち合いのスピードがどんどんと上がっていく。先にそれについていけなくなったのは黒い吸血鬼だった。腹にまっすぐ斧の部分が入る。長身が勢いよく吹っ飛んだ。
「――演算完了、二人とも下がってください!」
 デナイルの声に、不意に残っていた雲が割けた。肌に感じる刺激に、何が起こるかを察知したフィーアとリーヴァルディが瞬時に黒い吸血鬼から距離を取る。
 閃光が空気を揺らした。
「触れたものを焼き焦がす大電流が付与されています、ご注意下さい」
 吸血鬼の雷をしのぐ轟音は、大地を抉る爆弾の連続投下のよう。青白い雷が槍となり黒い吸血鬼へと降り注ぐ。そして、彼にはそれを防ぐすべがない。肉が焦げる嫌なにおいが、遅れて漂う。
半身を焦がした黒い吸血鬼はそれでも未だ立っていた。その顔に愉悦を浮かべて。
「……お前がどんな目的で吸血鬼を狩っているのか知らないけど」
 その時には既に、リーヴァルディが吸血鬼の眼前へと迫っていた。もはや焦土と化した地面を踏み込むと、見た目に似合わぬ脚力に土が抉れる。
 踊るような双剣の連続が吸血鬼へと撃ち込まれる。それは呪詛を持ってその生命力を奪ってゆく。
 一太刀浴びせるごとに、黒く花弁が咲くように、二人の周囲に黒い魔刃が展開されていた。取り囲むようなそれは、ぐるりと旋回ののち、すでに刻まれた傷口へと導かれるように突き刺さっていく。
 一本、二本――リーヴァルディ自身の連撃に合わせ、魔刃は吸血鬼を貫く。
「次はお前が狩られる番よ、吸血鬼」
 空中に残った魔刃が一斉に突き刺さる。
黒い吸血鬼がゆっくりと地に伏した。その体は霧のように力なく霧散してゆく。
残った空気に赤く鮮血を舞って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月04日


挿絵イラスト