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Jaeger's BBQ

#スペースシップワールド #【Q】 #お祭り2019 #夏休み

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●リゾート船『ヴァルハラダイナー』
 水着コンテストの会場となる超巨大ビーチリゾート船「ヘブンズピーチ号」をはじめ、スペースシップワールドには観光産業の発達したリゾート船が多数存在する。
 一口にリゾート船と言っても様々な種類があるが、このリゾート船『ヴァルハラダイナー』は海辺での食事に重点を置いた一隻だ。
 夏を彩る様々な色のフルーツに、それを絞ったジュース。ジャンクな屋台ものを集めた巨大海の家に、オーシャンビューのレストラン、バーベキュー用のコンロセット貸出など、扱うものは様々だ。
 バーベキュー用の食材としてもお高い肉やら新鮮な野菜やらが準備されているが、最大の目玉である活きの良い海産物は、浜辺から繋がる広大な海に放し飼い状態になっているという。
 宇宙船のパネルに移したとは思えない青空と、砂浜を洗う白い波が、猟兵達を待っている――。


「――と、この船の紹介はそんなところだ。先日の戦いの功績が評価されたこともあってね、この船は猟兵の皆が貸し切りで使用できることになっている」
 この船のパンフレットを読み上げた八津崎・くくり(虫食む心音・f13839)は、やたらとトロピカルな色のジュースを啜り始める。空いた手にはタコ焼きの容器が乗っていたりと、既につまみ食いに走った後らしい。

「屋台巡りも良いし、落ち着いて高級料理に舌鼓を打つのも良いだろう、私のオススメはバーベキューだがね」
 もちろん、普通に海で遊ぶこともできるし、釣りやら漁やらに力を注ぐのも良い。活きの良い食材が捕れたら是非わけてくれたまえ、と彼女はそう付け加えるのを忘れない。
 そして、ずぞぞぞ、みたいな音を立ててジュースを飲み干した口が、小さく動いた。
「それじゃ、楽しみましょう」


つじ
 どうも、つじです。水着で海辺で楽しみましょう!
 概要は大体オープニングの通りです。戦い続きの疲れをこちらで癒してみてはいかがでしょうか。
 なお今回は「食われるのはお前達だよ」とかそういう展開はありません。
 ごゆっくり、お楽しみください。

 ※このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りに勤しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■水着
・牛柄のビキニ/[JC]参照
・市販サイズは到底入らない体型の為[特注品]

■行動
まずは、[BBQ用]の食材確保の為にも、[釣り]に出てみましょうかぁ。
あまり経験は有りませんので、スタッフの方にやり方を教わって、楽しんでみますぅ。
食事時の少し前になりましたら、切り上げて[肉][野菜]等の食材を買いに行きましょう。
かなりの量の確保を基本に、釣果によって多少調整しましょうかぁ。

後は、ゆっくりと[BBQ]を楽しみますぅ。
折角の機会ですし、【指定UC】で[大食い]を強化、出来るだけ沢山いただきますねぇ。
摂取カロリーによる[胸の増量]は敢えて気にしない、ということで?


剣堂・家留魔
バーベキューか。ふむ、猟兵の皆と食べるバーベキューは特別美味しいものだろうな。此度は食べることで後のオブリビオン討伐への活力を養うことにしよう。
さて、バーベキューの火の付け方だがここは無難にカセットコンロ君を使う。食材は牛肉、豚肉、キャベツ、玉ねぎ、キノコ類を揃えておく。
私は大人で紳士なウィザードなのでね。レディーファーストや子供ファーストの心を持って他の猟兵達に食べ物が行き渡るように気遣おう。
…ふむ、食材がありきたりすぎたな、少し刺激を加えよう。私の取った料理にサイキックブラストで刺激を与えるとどうなるか、試してみようではないか。…ふふふ、面白いだろう?

※他者との絡み大歓迎


マティス・ジュブワ
バーベキューのお時間だ!

そう言って意気揚々と現れたマティス(42)の姿は、どう見ても女装だった
曰く、店員にネタ的に受けそうなの、とリクエストしたらこんなでなぁ……
折角だから思いっきりやってもらったら、化粧されて爪の手入れにマニキュアまで……見てみろよ、すげぇだろ、コレ
本人ネタでもって、たまに女性らしく振る舞うなんて事もやってるので、楽しんでは居る模様

という訳で、ビールジョッキ片手にバーベキューの肉を焼き始めるのであった
いやぁ、浜辺で飲むビールと焼いた魚や肉の組み合わせはサイコーだな!
おっと、そこいく嬢ちゃん坊っちゃん、おひとつ如何かね?

女装姿で有る事を気にせず、くくりや周りに勧めまくっていく


ヴィクトル・サリヴァン
海での休暇、いいねえ。
宇宙船の中の海って言うのも中々楽しめそうだ。
…それっぽいシャツ羽織った方がいいかな?

水着で一泳ぎしてから海の家を楽しもう。
泳ぐ時は水泳フルに活かしてブリーチングなり大ジャンプなり色々と曲芸染みた泳ぎを練習。
やっぱり水中が楽でいいねー。
あ、もし他の誰かのリクエストがあったなら放し飼いの海産物採りに行ってくるよ。
今日は機嫌がいいからサービス。

屋台を巡る時は上を羽織りイカ焼きとかビールを楽しむ。
動いた分位は食べたくなるよねやっぱり。
他にも焼きそばとか頂きつつ腹八分ぐらいになったら南国系フルーツとジュースへ。
夏には瑞々しい果物がやっぱ欠かせないよねー、うん。

※アドリブ絡み等お任せ



●それは楽園のような
 疑似的に再現された太陽を中心に、濃く、青い空が広がる。見渡す限りのそれと、白い雲を写し出す海の波間に、小舟が一艘漂っていた。
「えぇと、スタッフさんの説明だと……こうですかぁ?」
 そこに乗っていたのは、特注品の牛柄ビキニにその豊満な身を収めた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。とりあえずの目的は、BBQ用の食材確保。狙うはもちろん、ここ『ヴァルハラダイナー』の名物である新鮮な海産物達だ。
 釣り具が良いのか餌が良いのか、それとも彼女の秘めた才能か、最初こそ手こずってはいたものの、やがて彼女の傍らのボックスには、次々と釣果が積み上げられていった。
「ふふ、これならお魚もたくさん味わえそうですねぇ」
 うきうきと声を弾ませる彼女だったが、そのボートの下に、巨大な漆黒の影が迫る。
「……えぇ、何ですかぁ?」
 遠くからだと青く見える海は、近くで見れば綺麗に透き通っている。迫り来る黒いそれは、その正体を垣間見せるように背びれを水面に出す。
 サメ。いや、その力強い体格、肉の密度は魚類の域には収まらない――シャチだ。
「いやー、やっぱり水中が楽でいいねー」
 ざば、と盛大に波を生じさせてその姿を現したヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は、水面に出てきたクジラよろしくブリーチングを一つ。どぱーん、ともう一つ水飛沫が上がった。
 水を得た魚、という言葉があるが、彼の場合もそれは当てはまる。卓越した水泳技能で大ジャンプまでしてみせるヴィクトルの様子に、揺れる船の縁で身体を支えていたるこるが小さく拍手を送る。
 そこでようやく船に気付いたのか、ヴィクトルは水面を滑るようにしてそちらに近付いていった。
「もしかして、釣りの邪魔をしてしまったかな?」
「いいえぇ、大丈夫ですよぉ」
 気持ちよく泳いでいたヴィクトルは、ふむ、と少し考えるように鼻を鳴らす。そして、そのまま尾びれを一振り。波を斬り裂く飛沫が上がって、ひっぱたかれた魚が宙を舞い、るこるのボートに打ち上げられた。
「あ、あのぉ、これは?」
「ああ、お詫びとかではないよ、ただのサービスだからね」
 今日は機嫌が良いからと言い添えて、ヴィクトルは反転し、素早く海中へと潜っていった。しばらく経てば、そう。釣り船には大量の海産物が乗る事になるだろう。

「ふむ、猟兵の皆と食べるバーベキューは特別美味しいものだろうな」
 美味い食事と質の良い休養、それはきっと後の戦いに繋がる活力となる事だろう。そう頷いて、剣堂・家留魔(魔道の追求者・f04254)はカセットコンロに火を入れる。揺らめく赤は炭へと燃え移り、やがて食材を美味に変える熱を放ち始める。
 牛肉と豚肉、キャベツ、玉ねぎにキノコ、満遍なくバランスよく、食材を網の上に並べた家留魔は手際良くそれらを選り分けていく。
「こちらは丁度焼けたところだよ、是非いただいてくれたまえ、ご婦人」
 大人で紳士なウィザード、そう自称するに足る気遣いの心で、彼は焼けた食材を乗せた皿を、緑の髪のエルフへと手渡した。
「おう、ありがとよ。いやぁ、浜辺で飲むビールと焼いた魚や肉の組み合わせはサイコーだな!」
 ……うん?
 家留魔が顔には出さぬまま、心中で首を傾げる。聞こえた声音は家留魔のそれより低いくらいだ。
「――おっと、いけねぇ。感謝いたしますわ、うふふ……」
 ビール片手にそんなことを口走るこのエルフは、マティス・ジュブワ(マッドエレメンタラー・f05853)42歳。UDCアースなら厄年とか言われるれっきとした男性である。何故女装を。
「店員にネタ的に受けそうなの、とリクエストしたらこんなでなぁ……折角だから思いっきりやってもらったんだよ」
「なるほど……?」
 どう言ったものかわからない、という家留魔の反応に構わず、ビールジョッキを空にしながらマティスが笑う。
「化粧だけじゃねぇぜ、見てみろよこのマニキュア!」
 薄ピンクに塗られたそれを見せびらかしていたマティスは、そのまま通りがかった者達にも自らが焼いた料理を勧めていく。
 グリモア猟兵のくくりもその内一人だ。
「よお、お前さんもおひとつ如何かね?」
「ふむ、構わんのかね? それではありがたくご相伴に預かろうではないか。感謝するよマティス君」
 UDCの口を使った紳士の声音で答えて、彼女は皿を受け取った。
 さて、淑女の定義がいまいち分からなくなってきたところだが。
「私の捕ってきたものも、焼いてもらえますかぁ?」
「ああ、構わないとも」
 やってきたるこるの声に、納得するように頷いて家留魔が応えた。
「……随分と大漁だね。食べきれるかい?」
「ええ、心配はご無用ですよぉ」
 豊乳女神の加護・豊饒現界、そのユーベルコードを発揮したるこるは、この程度の量はぺろりといけてしまうだろう。
「ふむ……では、私も少々趣向を凝らしてみようか」
 そう言って家留魔が山盛りの海産物へと手を触れる。発動するのは、サイキックブラスト。高圧電流が海水で濡れた食材の合間を駆け回り、スパークする。
「まぁ……!」
「ははぁ、面白ぇこと考えるもんだなぁ」
「どうかな、少しは刺激的な味になっていると良いのだが……」
 ふふ、と笑って、家留魔は高圧電流で火を通した食材を配り始めた。
「あら、なかなか良いお味ねェ」
「マティス君、無理してそんな喋り方しなくても良いのだよ」
「はぁ、お腹も胸も、ふくらんでしまいますねぇ」
 困ったような困ってないような、そんな声を上げて、るこるはそれを口へと運んだ。

「宇宙船の中の海っていうのも新鮮なものだったね。それじゃ、こっちも楽しもうか」
 海から上がり、アロハな柄シャツを羽織ったヴィクトルは、ぐ、と身体を伸ばして屋台群の方へと歩いていった。
 先程までのは良い運動だった。良い運動をしたのだから、その分お腹は空くわけで。
 ビールはもちろん、空いた手には羽織りイカヤキを、焼きそばを、と海辺でお馴染みの味を楽しんでいく。体の大きさに見合う、と言うべきか、ヴィクトルが満足するまでには随分と長くかかったが。
「夏には瑞々しい果物がやっぱ欠かせないよねー、うん」
 まだまだ腹八分。デザート、とでも言うように、色とりどりのフルーツと、トロピカルな色のジュースの待つテーブルへ、彼は意気揚々と飛び込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シゥレカエレカ・スプートニク
【妖精と狐】
ね、ねえ…いすゞちゃん…
……、  …水着、変じゃない!?
ぎ、ギドに見てもらおうと思って選んだけどっ
そのっ はっ はしたなっ むぐ

……
おいしい…
これ、何て果物なのかしら
こんなの、こんなのたくさん食べたらおなかが…
…ワガママボディじゃないけど!?
ないけど、ギド、よろこんでくれるかしら…
…ふふ!やだっ、いすゞちゃんそんなところ…

あら、――お知り合いだったのね
こんにちは!今日はご招待をありがとう!

……ねえねえ、いすゞちゃん
いすゞちゃんはみんなのことをセンセって呼ぶけど、
たくさんひとがいるときはどうしてるの?
わたしってばその辺にも紛れちゃいやすいし、出来れば名前の方が、


一計、必要そうね


小日向・いすゞ
【妖精と狐】
浴衣に身を包んでいつものぽっくり下駄
肩に載せたしぅれかえれかセンセ

はいはい
センセ可愛い可愛い
言ったっスよね
センセは宝石箱みたいにキラキラしてるって
わがままぼでぃをよくお似合いの白で包んでふわふわもキレイっスね
へえ、旦那さんに見せる為に?

屋台で買った果物串を差し出し
はいあーん

へえ、へえ
じゃ、
あっしもちゃんと見るっスよー
狐みたいな顔で、彼女を指先で擽り

でもま、センセが楽しそうで何よりっスよ

あ、――センセ
グリモア猟兵を見かければ、小さく手を振って

いつもはノリで何とかするっスけれど…

……良いっスけれど
ンンッ
喉の調子を確認
しぅ
し、うれか

…?
しぅれかえれかセン
噛む
…センセじゃ駄目なンスか?



●妖精と狐
 海岸に建てられた巨大な海の家。その外観はリゾートらしく豪奢なものだったが、中に入れば、そこはいくつもの屋台が軒を連ねる不思議な空間になっていた。区画ごとに店の格調というか、傾向は固まっているらしい。目当てのものを探すのに、そう苦労はしないだろう。
 こーんこんとぽっくり下駄を鳴らして、小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)もそこに居並ぶ人々の間を抜けていく。いつもとは違う涼しげな浴衣、そしてその肩にはもう一つ白い輝きがあった。
「ね、ねえ……いすゞちゃん……」
「どうしたっスか? あっしの髪は隠れ蓑じゃないんスけど」
「ご、ごめんなさい、でも、その……」
 いすゞの肩の上、跳ねた髪の毛にしがみつくようにして、彼女は居た。シゥレカエレカ・スプートニク(愛の表明・f04551)、身体のサイズが示す通り、フェアリーである彼女は、少々人前に姿を出し辛い事情があるらしく。
「水着、変じゃない!? ぎ、ギドに見てもらおうと思って選んだけどっ、そのっ、はっ、はしたなっ――!?」
 むぐ、とその口がいすゞの指で塞がれる。
「はいはい、センセ可愛い可愛い」
 そんな風に返しながら、いすゞは屋台で注文した果物串を受け取る。それを一口頬張って。
「言ったっスよね、センセは宝石箱みたいにキラキラしてるって。わがままぼでぃをよくお似合いの白で包んで、ふわふわもキレイっスよ」
「そ、そうかしら……!」
 ぱっと花が咲いたように笑顔が浮かぶ。煌めく翅を揺らして浮かび上がった彼女は、しかしすぐに口を尖らせた。
「でも、ワガママボディっての言うのは聞き捨てならないわ」
「はいはい、センセもどーぞ」
「むぐっ」
 小さく齧った痕が、切り分けられた果物の表面を飾る。食感は強いて言うならパイナップルに似ているだろうか、そんなSSW産の果物を口にして。
「おいしい……でもこんなのたくさん食べたらおなかが……」
「センセなら大丈夫っスよぉ。いやー水着も良くお似合いっス。妬けちゃうっスねー」
「ふふ! やだっ、いすゞちゃんそんなところ……」
 絡みつくいすゞの指先に、シゥレカエレカがくすぐったそうに笑い声を上げた。

「あ、――センセ」
「やあ、いすゞ君」
 そんな中、通りがかったグリモア猟兵に、いすゞが小さく手を振る。シゥレカエレカもそちらに気付いて。
「あら、――お知り合いだったのね。こんにちは! 今日はご招待をありがとう!」
「ああ、楽しんでくれているだろうか? 私は仲介しただけだが、そうであれば嬉しいよ」
 軽く挨拶をして、ジュースを啜りながら去っていく彼女を見送って――シゥレカエレカはふと気付いたことを口にした。
「……ねえねえ、いすゞちゃん」
「何っスかね、センセ?」
「そう、その――いすゞちゃんはみんなのことをセンセって呼ぶけど、たくさんひとがいるときはどうしてるの?」
「いつもはノリで何とかするっスけれど……」
 ふむ、といすゞ小首を傾げる。確かに先程のような状況だと、『センセ』が二人いる事になる。
「わたしってばその辺にも紛れちゃいやすいし、出来れば名前の方が……」
 いいなぁ、と潤んだ目がいすゞへと向けられる。
「……良いっスけれど」
 極めて断りづらいそれに、いすゞはンンッ、と咳ばらいを一つ。入念に喉の調子を確認し、そして。
「しぅれかえれかセンヘ」
「……」
 噛んだ。でも惜しい、もうちょっと、とシゥレカエレカの視線が言う。
「しぅれかれれか」
「遠ざかったわ」
「しぅ……しうか……れ……?」
「いすゞちゃん」
 諦めないで。じっと見つめる彼女に、いすゞはすっと目を細めた。こうすると何となく人好きのする笑みに見えるし、何より目を逸らしてもバレにくい。
「……センセじゃ駄目なンスか?」
「……一計、必要そうね」
 完全に投げ出した様子のいすゞに、シゥレカエレカは顎に手を遣って考え込み始めた。
「やぁお嬢さん、さっきの赤い女の子が持っていたトロピカルな飲み物を探しているのだけどね」
「ああ、それだったらこっちっスよ~」
 良いタイミングで声を掛けてきたケットシーに、これ幸いと応対して、いすゞはそちらへと歩いていった。揺れる尻尾とコンコン鳴る特徴的な足音を、煌めく翅が追っていく。
「いすゞちゃん、ちょっと話があるの。いすゞちゃーん?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルノルト・ブルーメ
伽耶(f03720)と
アロハにハーフパンツ風水着、パナマ帽の休暇仕様

まぁ、料理もバーベキューも魅力的ではあるけれどね……
いやいや、俺達はこっちの方が合ってるでしょう

そんな訳で、2人でのんびり釣り糸を垂らして過ごす

釣果に関しては気にしていないから
魚が掛かっても掛からなくても構わないよ、俺は
え?気にしないだろう?あなたも

釣果は気にしないけれど
水分補給は気にするよ
脱水症状には注意しないと……
コレが脱水症状注意してるか疑問だと言うのはなしで
(笑いつつ、クーラーバックから取り出した缶ビールを伽耶に一本手渡し)

舟を漕ぎだした伽耶の頭にそっと自分のパナマ帽を被せ

補足
伽耶:酒飲み友達的な感覚。割と素が出る


野津・伽耶
アルノルト (f05229)と海辺で釣りを
休みモードで赤基調のアロハにハーフパンツ、サンダル姿

食べたいものがあれば取ってくるぞ?
こちらは……(とぴくりともしない浮きをみる)どうなるかわからないしな……

そうだな
釣りはこうしてるだけでも落ち着く
(昔はこんな時間が持てるとは考えもしなかったと過去に思いを馳せつつ)

(空を見上げて)いい天気だ、と目を細める

たまにはいいな(と缶ビールを受け取りタブをあけて
「乾杯」
しばらくするとうつらうつらし始める伽耶
帽子をのせられても起きる様子はなく
魚が釣れるかはマスターさんにおまかせ

アルノルトは何度か共に行動している友人
伽耶としてはかなり気を許しているつもり



●穏やかな休暇を
 屋台村やBBQ会場、そういった賑やかな喧騒から距離を置くことが出来るのも、このリゾート船の良いところ、だろうか。
 南国風の背の高い木が作る、風に揺れる木陰を選んで、野津・伽耶(オラトリオのブレイズキャリバー・f03720)とアルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)は腰を下ろしていた。二人共アロハシャツにハーフパンツ、投げ出した足にはサンダルと、休暇仕様の涼し気な装備。
 様々な料理もバーベキューも魅力的ではあるけれど、バカンスの過ごし方はそれだけではないのだから……と、そんなわけで二人は揃って釣り糸を垂らしていた。
 この体勢になってから、既にいくらか時を経ているようで。
「食べたいものがあれば取ってくるぞ? こちらは……どうなるかわからないしな……」
 ぴくりともしない浮きに視線を投げつつ、伽耶が問う。芳しくない釣りの成果から、気を遣っての言葉のようだが。
「良いさ、魚が掛かっても掛からなくても構わないよ、俺は」
「……」」
「え? 気にしないだろう? あなたも」
 ふむ、と鼻を鳴らした伽耶の様子に、アルノルトが意外そうに問う。この辺りは気にする必要がないと、その辺りは共通認識だと思っていたのだけれど。
 そんな彼に、伽耶もまた気を取り直すように、頷いて返した。
「……そうだな。釣りはこうしてるだけでも落ち着く」
 平和だ、と言葉にしてしまえば陳腐に聞こえるだろうか。けれどこんな静かな時間を持てること自体、かつては想像さえも出来なかった。
 かつての光景に思いを馳せつつ、伽耶は眼を細めて、空を見上げた。
 疑似的に作られた太陽に、作り物の青い空。けれど、そんなもの今は気にならない。
「いい天気だ」
 夏らしい、もしくは南国らしい熱気を孕んだ風に、伽耶はそう呟きを乗せた。そんな彼の言葉に頷いて返して、アルノルトが笑う。
「それでも、脱水症状には注意しないと」
 釣果は気にしなくても、水分補給は気にしなくては。そうしてクーラーバックから取り出されたは、よく冷えた二本の缶ビール。
「コレが脱水症状注意してるか疑問だと言うのはなしで」
「……まぁ、こういうのもたまには良いな」
 アルノルトから手渡された缶のタブを引き、カシュ、と一時的に空気の漏れる音を聞く。
「「乾杯」」
 そうして、二人は缶同士を軽くぶつけた。ああ、これこそがきっと、休暇の味わい。

 話が盛り上がるのとはまた違う時間を二人は過ごす。ぽつりぽつりと、続くでもなく終わるでもなく、思いつくまま言葉を交わして。
「……?」
 おっと、と開きかけた口を、アルノルトが閉じる。うつらうつらと、相方が船を漕ぎだしているのを見て……そっと、自分の被っていたパナマ帽を、彼の頭で揺れる沈丁花に被せた。
 ここまで油断した姿を見せる事は、きっとそうそうないだろう。どこか不思議な心持で、アルノルトは微笑む。
 遠くから人々の歓声が小さく、高く聞こえる。上から降ってくる、僅かな葉擦れの音が心地よい。
 この宇宙船の中のこの一部だけ、そんなゆったりとした時間が流れていく――。

「……んん? 伽耶、引いてる引いてる!!」
「ん、お、おぉ?」
 大きく撓った釣竿の前で、二人はわたわたと動き出した。
 ああ、きっと獲物はでかいだろう。釣り上げられるかは、君達次第。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター
【赤猫】
バーベキュー!
何故だか凄く魅力的な響き!
これは参加しなくっちゃね!

海に来たならお魚を食べたいけど……え?
自分で取ってくるの?
むーしょうがない
泳ぎは得意じゃない……というかあんまりしたことないけど、頑張ろう!
水着で海の中へ
体の動かし方は宇宙と同じと自分に言い聞かせつつ、頑張ってみる
狙いは小物より大物、地味な奴より派手な奴、よく見る奴より珍しい奴
つまり派手で大きくて珍しいものがいれば完璧ね!
槍とかは苦手だから素手で挑む

ええいめんどくさい!
社長! 魚好きでしょ手伝って!
宇宙バイク「エアハート」に乗りUC使用し海へ特攻
宇宙バイクだから水中もいけるいける
いっぱい捕まえてBBQで皆に振る舞うよ!


ダイナ・アルフォンシーナ
【赤猫】
何やらアメリアくんは張り切ってるみたいだが、私は今回遠慮させてもらおう
折角のバカンスだ
料理を楽しみ、たまにはゆっくりとさせてもらおうじゃないか

一人でゆっくりと屋台等を巡り、様々な物を食べて満喫する
先程のグリモア猟兵くんが飲んでいたトロピカルなジュースとか素敵だね
あれを探して飲んでみようか
途中誰かに会えば挨拶を交わし
アイドルスカウトも今日はおやすみだ
いやしかしさっきの子はなかなか…

え、なんだい、魚?
いやそれは好きだが…何?バイクで?
何をするつもりか知らないが今日はバカンスで
にゃー

気がつけばバイクの後ろに網と銛を持って同乗
これで漁をしろと?
…皆に振る舞うと言う話であれば仕方ない
付き合おうか


鵜飼・章
【NJM】
大食い友達のアリンさんと海鮮中心BBQに
こう見えて泳ぎは得意だ
無人島で生活するのが趣味だから
私物の銛を持って海中へ

アリンさんと協力してまずは伊勢海老や蛸を調達
ん?
何か来る…巨大な鮪だ
…アリンさん、持てる?
なら僕に任せて

UCを使いつつ【動物と話す】で鮪に【催眠術】をかける
きみは僕に食べられる為に生まれたんだ
さあ、あの女の子の所へ泳いで…

いやあ大漁だね
鮪はその場で僕が解体しまず兜焼きに
蛸は串焼き、伊勢海老は二つに割って焼こう
皆こんな姿になって可哀想に…
でも美味しい
生命の尊さに想いを馳せていたら
あれ…野菜燃えてない?

…八津崎さん食べる?
冗談だよ
僕が食べる
うん、まだいけるな
ごちそうさまでした


アリン・フェアフィールド
【NJM】
章さんと海BBQ!沢山食べるぞー!
章さん、そういう武器も使えるんだ!
…って感じじゃなくて趣味で!?マイ銛!?

章さんが獲り易いように
スクラップハンドを広げて魚介達を追い込むよ
貝類も見つけたら拾ってこ!

えっ、ま、鮪!?
食べたい。
多分持てると思うけど
でもあんな大きな魚どうやって…

章さん…鮪となんかお話してる…
ちょっ、こっち来たよ鮪!?ほんとに!?
ああでもすごく…大人しい…ありがとう鮪さん…


捌くのは章さんにお任せして
わたし肉とか野菜もどんどん焼くね!
兜焼きすっごーい!一度食べてみたかったんだ~!
くくりさん達にもお裾分けしよ!
獲れたて新鮮だし、全部すごく美味しい!
…え?うわわ野菜が燃えてるー!



●ひとときの休息
「せっかく海に来たんだから、お魚を食べたいなぁ」
 いつもの赤い帽子に水色のリボン、夏らしい装いでヴァルハラダイナーを訪れたアメリア・イアハッター(想空流・f01896)の手に、スタッフから釣竿と銛が手渡される。
「……えっ自分で捕ってくるの?」
 バーベキューという響きに惹かれてきた彼女ではあるが、これは。
 むー、と少しの間唸った後、彼女は仕方がないと覚悟を決めた。
「泳ぎは得意じゃない……というかあんまりしたことないけど、頑張ろうね、社長!」
 隣へと視線を落とせば、一緒に来たダイナ・アルフォンシーナ(黒猫社長・f18710)の姿が……なかった。
「あれっどこ行ったの社長。社長ーッ!?」

 いつまでもはぐれた社長を探していては埒が明かない。それに彼も良い大人だ、大丈夫だろうと結論付けて、アメリアは一人海の中へと身を踊らせる。
 シャツの下、明るい黄色い水着姿で、魚達の泳ぐ只中へと水を蹴る。身の動かし方、泳ぎ方は宇宙空間と同じ……と思ってはいたが、なかなかどうして、勝手が違う。ふわふわと浮かぶ感覚は宇宙空間に近いのだが。
「(手足がおもーい)」
 動こうとすると、途端に水の抵抗を全身に感じる。
 すいすいと泳いでいく小魚達を目で追って、その向こうに大きな影を探す。
 どうせ捕まえるのならば、小物より大物、地味な奴より派手な奴、よく見る奴より珍しい奴――たとえば、そう。あんな感じの。
「!!」
 理想通りの獲物を見つけてアメリアが目を輝かせる。抱えるほどの大きさで、赤を基調とした鱗はところどころが金色に輝いている。この世界の固有種だろうか、他所では見た事のないそれに、両手の指をわきわきと蠢かせて――。
 目が合った、と思った瞬間、ようやく見つけた理想の獲物は水中深くへと逃げていった。
 臆病な性格なのかしら、いやしかし。
 むむむ、とアメリアは空っぽの両手を握って唸る。これが陸であれば、空であれば、立場は逆だっただろうに。悩まし気な声と共に口から洩れた泡が、水の流れに遊ぶように揺れていた。

 ――ええい、めんどくさい。息も苦しくなってきたし。
 ほどなく、彼女はそんな結論に至った。

「何やらアメリアくんは張り切っていたようだが……今日は折角のバカンスだからね」
 どこか幸せそうな溜息を吐いて、ダイナは青く輝くトロピカルなジュースを楽しんでいた。このままビーチで横になっても良いのだが、屋台巡りはまだまだ途上、サングラスをずらして、先に広がる様々な売り物で目を楽しませる。さあ、どれからいただこう。いつもならばアイドルの、夢の卵を探す赤い瞳も、今日はゆっくり慰労してやろうではないか。
「いやしかし、先程の二人もなかなか――」
 単純に『おやすみ』とは言えない様子ながら、ダイナは今日という日をゆっくりと堪能することに決めていた。
「時には、こういう時間も悪くないものだね」
 ――彼はまだ気付いていない。宇宙バイクのエンジン音が、どんどんこちらに近付いていることに。

●私の手の内に
 上等な海産物を求めて、何だかんだよく食べるタイプの鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)とアリン・フェアフィールド(Glow Girl・f06291)の二人も、海へと挑む。
 太陽にも似たオレンジの水着のアリンはスクラップハンドを、水鉄砲をホルスターに収めた章は右手に銛を手にしていた。
「章さん、そういう武器も使えるんだ!」
 普段の彼なら書物か、小型の刃物を扱う事が多いだろうか。珍しく長物を手にした姿に、アリンがそう声を上げる。
「ああ、こう見えて泳ぎは得意なんだ。無人島で生活するのが趣味だから」
「そっかあ、章さん無人島生活が趣味なんだ! ――えっ?」
 なんて? それ趣味なの? マイ銛ってそんなのある?? 初めて耳にする様々な概念に理解が追い付かないアリンに、さも当然のように頷いて、章は透き通った海へと潜っていった。
「まずは底の方に居る奴を捕まえていこう」
「ま、待ってね。それじゃ追い込んでいくよー」
 潜るというか、手の重さのまま沈んできたアリンは、巨大なスクラップハンドを駆使して海底をさらっていく。伸びた腕は太いロープのように、領域を区切る様に砂をなぞる。それに合わせ、巻き上げられる砂と一緒に、隠れていた生き物たちが逃げ始めた。けれどその先には、章の銛が待っている。
「伊勢海老に、蛸、蟹……この辺りが良いかな」
「わたし貝も食べたいなー」
「じゃあ、そこの岩にくっついてる奴も拾っていこう」
 連携できている分手際よく、二人は結構な高級食材を順調に集めていく。そんな中で、海流の変化を感じたか、章が肩越しに後ろを振り返る。
「何か来る……!」
「ど、どうしたの?」
 何で急にちょっとカッコイイ事言い出した? 戸惑うアリンを他所に、章は彼方から迫り来るそれへと視線を向けた。人間を超える体長、ロケットを思わせるフォルムのそれは、そう。
「巨大な鮪だ」
「えっ、ま、鮪!?」
 食べたい、とアリンの声が弾む。ならばやる事は一つだろう。
「……アリンさん、持てる?」
「多分持てると思うけど……」
「なら僕に任せて」
 きっぱりとそう言って、章は自ら前方へと水を蹴った。
 任せて、とは言うけれど、あんな大きな魚を一体どうやって。そんなアリンの疑問に答えるように、章は距離を詰めつつユーベルコードを発動した。
「きみ、ちょっと、待ってくれるかな?」
「話し合いで!?」
 『模範解答』、これを駆使した章の言葉は、穏やかさと言い知れぬ不安、相反するそれらを同時に与える。案の定不思議な圧力に絡め取られ、マグロは章の言葉へと耳を傾ける。――ビーストマスターとして経験を積んだ彼は、魚にだって言葉を通じさせることが出来る。
「ここで出会えてよかったよ。きみは、僕に食べられる為に生まれたんだ、分かるかい?」
「(ほんとに鮪とお話してる……)」
「さあ、あの女の子の所へ泳いで……」
 催眠術か言いくるめか、その囁きに巨大鮪は大人しく従って、ゆっくりとアリンの前へと進み出た。
「ちょっ、こっち来たよ鮪!? ほんとに!?」
 慌てて差し出した巨大な腕に、鮪は自ら収まっていった。
「ええ……すごく大人しい……ありがとう鮪さん……」
 曰く言い難い気持ちで、アリンはその鮪をしっかりと包み込んだ。
「ん……また何か来る」
「えっ」
「避けておこう」
 章の先導に従って動いたアリンも、海中に先程の鮪並の魚が居る事を確認する。
「うわあ……見た事ない種類のお魚」
「……この世界の図鑑になら載っているのかな」
 そんな言葉を交わしたところで。

「海だって駆けるわ! エアハーーート!!」
「にゃーッ!?」
 上空から、アメリアの駆る宇宙バイク。エアハートが突っ込んできた。後部座席には、取っ捕まったらしいダイナが網と銛と一緒に乗せられている。
「居たわ社長! あれ捕まえてBBQで皆に振舞いましょ!!」
「ええい、良い心掛けだねそういうことなら付き合おう」
 基本的に理解が早く懐の広いダイナ社長は素早くその声に応え、銛を構えた。『猫の鋭撃』、培った戦いの経験を活かした、ダイナの一撃が海を裂く。
「道を、切り拓く!」
「切り拓くんじゃなくて魚を捕って社長!」
「掛け声くらい自由にさせてくれるかな!?」
 そんなこんなで良い感じの死闘が展開された末に、二人は見事レア巨大魚を討ち取った。

●お料理
「いやあ、大漁だね」
 それぞれに獲物を抱えて、章とアリンは海から上がった。アメリア達のお裾分けも含めると、総量はなかなかのものだ。
「それじゃ僕が解体していくから」
「じゃあ私はお肉や野菜を焼いていくね!」
 役割分担は自然と決まった。網の上に、お決まりの食材を乗せていくアリンの横で、伊勢海老が二つに割られ、蛸は串焼きに、そして鮪は兜焼きへと姿を変えていく。
「兜焼きすっごーい! 一度食べてみたかったんだ~!」
「ははあ、見事なものではないか」
 アリンの歓声に続いて、通りがかったところでご相伴に預かっているグリモア猟兵も感嘆の声を上げる。
「というか、何でそんな手慣れた感じなのかね」
「最近魚を捌く機会が多いから……」
 猟兵って不思議。そんな自分の捌いた者達を網の上でつつきながら、章はしみじみと一つ、呟く。
「皆こんな姿になって可哀想に……」
「うっ、そう言われると……」
 先程の鮪の感触を思い出してアリンが呻く。飢えた聖者のために、自ら火の中に身を投げたウサギの逸話――そういったものが、順番に脳裏を過っていく。
 罪悪感をはじめとしたそれが、彼女を襲う。しかし。
「あ、でも美味しい」
「獲れたて新鮮だし、全部すごく美味しいね!」
 一切動じた様子の無い章と共に、味に太鼓判を押すことになった。入手経路や過程がどうあれ、美味しいものは美味しいのだ――。
「ん、何か焦げ臭くない?」
「……え? うわわ野菜が燃えてるー!」
 まぁ、少なからず動揺はあったらしい。黒くなってしまった野菜を空いた皿へと上げて。
「……八津崎さん食べる?」
「いただいて良いのかね?」
「いや冗談だよ、僕が食べる」
「だ、大丈夫章さん?」
「うん、これくらいならまだいけるよ」

 それでは食材達に感謝を込めて。ごちそうさまでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

揺歌語・なびき
【空】
それじゃあおれは釣りとかがんばろっかなぁ
餌はお団子だからすぐ食べても平気だし
着実に一匹ずつしっかりげっと
ってうわあぐいぐい引っ張るなぁこいつ!

サザエや海老が足らないようなら素潜り手伝い
ひょいひょいっと拾ってこうね
…あっなんかカニくっついてきた

たくさん獲ってきました(びちびちお魚
調理は完全にお任せしちゃうねぇ
お肉もホイル焼きもいい匂い…さ、刺身にカルパッチョまで!
あぁ~肉汁が、し、幸せぇ(尻尾ぱたぱた、とける笑顔

ましゅまろ…!
やったぁおれ焼きマシュマロだいすき!
甘くてとけて最高…

これは知ってたんだけど
食べると無くなるから次を獲らないといけないんだよねぇ
もっかい釣りいってきます(びしっと


コノハ・ライゼ
【空】

美味しいお肉に新鮮な魚介が料理し放題なんて!
ふふふ、どんどん捌いちゃうから大物獲ってきてよぉ
けも耳コンビに声援送り

火の番はジンノに任せて良さそうネ
肉はローストビーフ風にするのもドウ?
スライスして野菜やチーズを巻くの最高

大漁お疲れ!
アヤメちゃんは何から食べたい?
小さな魚なら丸ごと塩焼きに
大きめなら捌いて定番の刺身やカルパッチョにしたり
切り身をバターやネギ味噌でホイル焼きにしてみようか

次々予定立て鼻歌まじりに調理するケド
……これってなんとなーく休みになってない気もするわネ?
まいっかぁ、ミンナの美味しいの顔が見れるし!

あ、誰か材料確保のついでにおいしそうなジュース買ってきて~

(5名参加予定)


火狸・さつま
【空】

ばーべきゅ!(わぁい!)
俺は、ちゃんと火が通ってるのが、好き、かな。
ミディアムウェル位が良いー!
常盤へ焼き加減注文したら
なびきちゃんの漁のお手伝い!
じっと水面見て
ぴぴん!と『野生の勘』
沢山居そうなところ『見切り』
銛を手に狙い定め『串刺し』『気絶攻撃』で獲ったり
おいでおいでと『誘惑』かけ誘き寄せ、さっと網ですくったり
大漁!

ましゅ、まろ!
(わぁわぁと目を輝かせガン見)
…あれ?コノちゃん、普段のお店と変わらない、ね?
簡単な処理なら手伝うよ、と『料理』も少し
屋台の味も好きだけど
コノの料理がやっぱり一番美味しい

ジュース?買ってこようか?
彩萌も何か一緒に買いに行く?
美味しいの選ぶの手伝って欲しい、な


神埜・常盤
【空】

さァ、たらふく食べようじゃないか
僕は肉食なので、せっせと肉を焼こう
串に刺した肉や1ポンドステェキなんかを網に置く
僕のステェキは焼き加減レアで
さつま君はミディアムか、了解したよ

なびき君もさつま君も魚獲りお疲れ様
ふふ、大漁で嬉しいなァ
耳と尻尾が生えてる男子は矢張り頼りになるねェ

新鮮な魚も勿論気に成るとも!
海老とかホタテも焼きたいし、サザエも気になる
刺身はコノ君の包丁捌きに期待……おや
期待出来るのは刺身だけでは無いらしい
豪華な料理の数々に眼を瞠る
ウン、流石はコノ君!

皆働き者だなァ、僕もせっせと肉の番を
序でにマシュマロも焼いてしまおうか
彩萌君はチョコソースとキャラメルソース
どちらがお好みかね?


斬断・彩萌
【空】

わーBBQ!!夏といったらやっぱこれよね
私はお肉はしっかり火が通ったのが好き、ってことでさつまと同じくらいの火加減のやつよろ~★
さて私も漁に出ましょうか。ううんと、狙いは貝とかかしら?ちゃんと食べられるって分かるのだけね。ホタテとかサザエとかその辺
みんなー!いっぱい採れたわよー!

さーて、お料理の方はと。
わはー美味しそう!(思わず感嘆の声をあげる。その後恥かしそうにコホンと言い直して)
皆、これ焼けてるわよ。これとこれも…あっそれはさっき置いたばかりよ!(BBQ奉行と化す)
コノっさんの料理もどれも美味しそう。あーん、太っちゃう…でも食べる…(箸が伸びる)

マシュマロ!私はキャラメルでお願い!



●青い空の下で
 宇宙船の中に再現されたリゾートとはいえ、その海風の心地良さは本物と遜色ないものだった。日差し避けに組まれた屋根の下、コンロのセットに火が入る。
「ばーべきゅ!」
「夏といったらやっぱこれよね!」
 火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)と斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)の歓声が上がる後ろで、コノハ・ライゼ(空々・f03130)は着々と食材を調理する準備に取り掛かっていた。
「美味しいお肉に新鮮な魚介が料理し放題なんて!」
 なんと素敵な話か。腕が鳴る、というように笑みが浮かぶ。
「火の番はジンノに任せて良いのカシラ?」
「ああ、僕は肉が食べたいからね、皆の分も合わせてせっせと焼かせてもらうよ」
 言いつつ、神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)は切り分けられた肉を串に刺して、焼く準備を始める。パーティ用にと貰ってきた肉の種類も様々で、腸詰の他にステーキだってある。
「僕のステェキは焼き加減レアで――」
「俺は、ちゃんと火が通ってるのが、好き、かな」
「はいはい、さつま君はミディアムで良いかな?」
「ミディアムウェル位が良いー!」
「通だね、了解したよ」
「あ、同じくらいの火加減のやつよろ~★」
 さつまのそれに彩萌も意見を合わせる。了解、と答えた常盤は、二人分の分厚いステーキを火に乗せる事にした。
 調理する人は足りているかな、と見て取って、揺歌語・なびき(春怨・f02050)は海の方へと目を向けた。
「それじゃあおれは釣りとかがんばろっかなぁ」
「あー、なら私も漁に出ましょうか」
「俺も手伝う!」
 歩き出したなびきに、彩萌とさつまが続く。
「ふふふ、どんどん捌いちゃうから大物獲ってきてよぉ」
 そんな彼等をコノハは声援で以って送り出した。

「えーと、狙いは貝とかかしら?」
「ホタテとかサザエとか……できたら海老なんかも良いかもね」
 眩しい赤い水着に着替えて、彩萌はなびきの言葉に頷いて返す。準備運動がてら身体を伸ばして、水の中へ。
「それじゃ、魚の方はよろしくね?」
「ああ、任せてよ」
 釣り針に餌を付けながら答えるなびきに手を振って、彩萌は透明な海の中へと潜っていった。
 冷たい水の中へと身体を滑り込ませれば、そこは魚達の楽園である。回遊する色とりどりの魚の中には、彩萌の世界でもお馴染みのものから、全くの別物まで様々な個体が居るようだ。
 空を舞うように軽やかに泳ぐ魚達を追うのは、猟兵と言えどなかなか難しそうに見える。そちらは見て楽しむだけにして、なびきとさつまに任せてしまうのが正解だろう。水底を目指した彼女は、魚同様貝にもさまざまな種類が居る事を知る。
「(まあ、要らないリスクを負う必要はないわよね)」
 現実的な判断を下して、彼女は見覚えのある貝の方へと手を伸ばしていった。
 一方の、水上。釣り糸を垂らしたなびきの横で、さつまは水面に顔を近づけ、そちらをじっと見つめていた。
「……どうしたの?」
 問うなびきに「しぃ」と返して、しばし。ある一瞬で、さつまの眼が見開かれる。そして野生の勘が導くままに、彼は水面に銛を突き込んだ。
「――捕った!」
「おー、すごいね、おれも負けてられないなぁ」
 串刺しにした大きな魚を掲げるさつまに、なびきが拍手を送る。こちらも集中すれば、釣果はすぐに上がり始めた。
「着実に一匹ずつ……地味だけどこれも大事だよね」
 何度目かのエサを針につけて、垂らす。次にそれに食いついたのは――かなりの大物。ぐん、と釣竿が引かれて、なびきがバランスを崩す。
「うわあ! ぐいぐい引っ張るなぁこいつ!」
「ま、待って待って、今網持ってくるから!」
 ばたばたとさつまが走り回って、なびきが水面に引き込まれないように堪える。そうして、二人は協力して巨大魚を吊り上げた。
「わ、大物ねぇ」
 水面に上がってきた彩萌が、二人の様子を見て驚きの声を上げる。とはいえ、こちらも当然手ぶらではない。
「こっちもいっぱい採れたわよー!」
 戦利品を掲げて見せて、三人は互いに満足気に笑い合った。

「――そうね、肉はローストビーフ風にするのもドウ?」
 スライスして野菜やチーズを巻いて、と話すコノハに、肉を網に乗せながら常盤が応える。
「良いね、一つ味見してみても良いかい?」
「ダメよ、みんな来てから」
 そんな冗談交じりのやり取りをしている内に、狩猟班が二人の元に帰ってきた。
「大漁!」
「ほら、たくさん獲ってきました」
「あら、おかえりナサイ」
「なびき君もさつま君も魚獲りお疲れ様。大漁だったようで嬉しいよ」
 びちびちと跳ねる魚を抱えてきたなびきとさつまを、常盤達が笑顔で迎える。
「耳と尻尾が生えてる男子は矢張り頼りになるねェ」
 そうだろう、と胸を張る二人の後ろから、抱えてきたサザエやらエビやらの入った袋を机に乗せて、彩萌が微笑む。
「私も頑張ったと思うんですけどー?」
「ああ、こっちも盛りだくさんだねぇ」
「お疲れサマ、アヤメちゃんは何から食べたい? お肉と野菜なら色々とできてるわヨ」
「ほんとに? わはー美味しそう!」
 コノハの視線の先の大皿を見て、彩萌が目を輝かせた。……ちょっとテンションが上がり過ぎたか、照れたような咳払いが一つ。
「皆、これ焼けてるわよ。これとこれも……あっそれはさっき置いたばかりよ!」
 誤魔化すように網の上の食材を切り盛りし始めた彼女を微笑んで見遣った後、コノハも集まった戦利品達に向き直った。さあ、ここからが本番だ。
「小さな魚は丸ごと塩焼きに……大きめのは捌いて定番の刺身やカルパッチョにして――あ、切り身をバターやネギ味噌でホイル焼きにしてみるのもいいわネ」
「海老とホタテと……後はサザエもこちらで引き受けよう。この辺は焼くだけで美味しいだろうからね。刺身の方はコノ君の包丁捌きに期待……おや」
 受け取ったそれらを網に並べていく内に、常盤の前でコノハが手際良く魚達を捌いていく。
「期待出来るのは刺身だけでは無いらしいね」
 さすがはコノ君、と感嘆の息が漏れる。飽くまで鼻歌混じりのコノハではあるが……。そんな見慣れた様子に、さつまが首を傾げる。
「……あれ?コノちゃん、普段のお店と変わらない、ね?」
「そうなのよねえ。なんとなーくだけど、休みになってない気もするわネ?」
「あ、簡単な処理なら手伝うよ」
 さつまの申し出もあって、調理は滞りなく進む。火にかけられてじゅうじゅうと音を立て始めたものと、冷たいままに整えられた料理。それらを見比べて、なびきの尻尾が自然と揺れる。
「お肉もホイル焼きもいい匂い……さ、刺身にカルパッチョまで! あぁ~こっちは肉汁が~~」
「どれも美味しそう。あーん、太っちゃう……でも食べる……」
 とろけるような表情で、なびきと彩萌がそれぞれに料理を口に運ぶ。さつまもまた、焼けてきたホイル焼きの包みを解いて、一口。
「うん、屋台の味も好きだけど、コノの料理がやっぱり一番美味しいよ」
 ふ、とコノハが微笑む。休みにしては少々忙しいが、こんな喜んだ顔が見れるなら、これも悪くないのかもしれない。
「では、序でにマシュマロも焼いてしまおうか」
「ましゅ、まろ!」
「やったぁおれ焼きマシュマロだいすき!」
「そんなに慌てなくても、たくさんあるからすぐには無くならないわヨ」
 常盤の手にしたそれに、さつまとなびきから歓声が上がる。
「彩萌君はチョコソースとキャラメルソース、どちらがお好みかね?」
「私はキャラメルでお願い!」
 これまでとはまた打って変わって、辺りには甘い匂いが漂い始めた。

 貰って来た食材も、捕ってきた戦利品も、甘いお菓子も粗方姿を消して、彼等のお腹の中に収まった、そんな頃。
「まぁ、知ってたんだけどさ、食べると無くなっちゃうんだよねぇ」
 しみじみと、なびきが呟く。言うまでもないが、彼の目はまだ食べ足りないと言っている。
「もっかい釣りいってきます!」
「いやぁ、働き者だねなびき君は」
 びしりとした敬礼に常盤が返す。そして、コノハからも注文が上がった。
「あ、誰か材料確保のついでにおいしそうなジュース買ってきて~」
「ん、彩萌も何か一緒に買いに行く? 美味しいの選ぶの手伝って欲しい、な」
「そう? じゃあ私も一緒に――」
 さつまのお願いに応える形で、彩萌がその後に続く。彼等のパーティは、まだまだしばらく続きそうだ。

 宇宙に浮かぶ、作り物の――しかしだからこそ人々のために作られたこの場所に、優しく暖かな風が吹く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月26日


挿絵イラスト