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寛永三方ヶ原の戦い~武田忍法三段破り

#サムライエンパイア #【Q】 #寛永三方ヶ原の戦い #武田二十四将

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 さて、合戦の華が侍ならば、忍び間諜の戦いは仇花とでも申しましょうか。
 伊賀に甲賀に鳶加藤、武田の透破、風魔の乱破、およそ戦場と名のつくところに忍びがいない場所はございません。寛永三方ヶ原の戦いでも、武田の透破が徳川軍を大いに苦しめましたそうで。
 時は寛永、徳川は家光公の治世の頃。駿河の国、浜松は三方ヶ原の古戦場。一方は『甲斐の虎』武田信玄を甦らさんとする武田24将。対する徳川軍、武田のたくらみを阻止せんと陣を敷きましたが、武田忍者の攻撃は剣を交えるよりも早く始まっておりました。

「おい。今回の戦、こりゃあ負けるぜ? なぜって場所が悪いや。三方ヶ原とくりゃ徳川と織田が組んで武田にコテンパンにやられた場所だ。今回は徳川対武田で織田はいない――それどころか織田が武田についているって噂もあるんだ。
 今のうちに逃げ支度を整えておきな。友達のよしみで言っているんだぜ?」
 と、土塁を積む傍らで紛れ込んだ忍者が負け戦と言いふらす。

「やれやれ腹が減ったなぁ。どこの部隊のヘマか知らねぇが、届くはずの飯が届かねぇ。うちの隊は米が食えるだけいいほうで、よその隊じゃ木の実を拾って食ってるんだとよ。戦が長引けば俺達もドングリを拾って食べることになるのかねぇ」
 林の中、遠くの同僚と愚痴を言い合いながらも男は手を止めず、バサッと木の枝を放った先には届かなかったという糧食の山、巧みに枝をかぶせて隠してしまう。

「どうしたい、そんなに眉を吊り上げて刀を振り回して。え? 名高い武田24将に真田の勇士、彼らと剣を交えられるとは武士の誉、必ず首印を上げて見せる?
 やめとけやめとけ。お前なんかがかかっていったって叩き切られるのがおちだよ。良いかおい、知らねえなら教えてやるよ、どれだけ恐ろしい相手なのか、さ」
 勇猛な侍がいるとみれば、その意気をくじかんと寄ってたかって話術巧みに敵の強さを語って見せる。

 こんな具合でございますから、戦う前から士気はがた落ち。徳川軍で負け戦を思わぬものはごく一部でございました。

 さてそのごく一部、時の大将軍家光公が切り札と頼む、お待ちかね天下自在の猟兵達。彼らの活躍が両軍の戦いの行く末と、この国の歴史を大きく変えてまいります。


「サムライエンパイアでオブリビオンたちの大規模な行軍が察知されました。
 敵の目標は『甲斐の虎』武田信玄公の復活、これを許せばサムライエンパイアを、さらなる戦火が襲うでしょう。皆様にはこれを防いでいただきたく」
 集まった猟兵たちへ予知を語るのはディスターブ・オフィディアン(f00053)。

「まずは臆病風に吹かれた徳川軍に気合を入れることからですね。
 彼らとて侍の端くれ、本気で戦えば相応の働きを見せてくれるでしょう。しかし、どうやら武田の忍者が紛れ込み、士気を下げるための工作を働いているようです。まずは彼らによって下げられた戦意を取り戻させなくてはいけません。」
 しかし紛れ込んだ忍者を切ってはいけません、とディスターブは続ける。
「工作に失敗したと知れば忍者達は報告のため、天竜川を上り敵陣へと逃げ延びていくでしょう。彼らを捨て置けばどんな計略を仕掛けられるかわかりません。一網打尽とするためにも、敵陣で忍者達が集まるまでは泳がせていただきたく」

「最後は、いよいよ武田24将の内の1人との戦いとなります。具体的に誰、と申し上げられれば良いのですが……。いかんせん敵も味方も数が多く、そこまでは予知しきれておりません。
 おそらくは忍者とかかわりの深い敵に相まみえることになるとは思うのですが……」
 そう言って、デイスターブは頭を振り、猟兵たちへ深く頭を下げた。
「いずれ戦いは避けられませんが、戦火が広まれば苦しむのはこの世界に住まう人々。
 彼らの暮らしを守るためにも、どうかお力をお貸しください」


雲鶴
●今回マスターを務める雲鶴と申します。
 今回も全編講談調でリプレイをお返しいたしますので、講談や歌舞伎の主人公になったつもりでプレイングをお送りください。主人公、求む。
 なおこのシナリオは7/30中の完結を目指すため、プレイング受付のタイミングなどが変則的になります。MSページにてお案内いたしますのでご確認頂ければと思います。

●第一章:
 味方の徳川軍は忍者の工作によって逃げ腰になっており、このままでは敗北必至です。
 まずは忍者の工作に対抗し、彼らの士気を高める必要があります。

●第二章:
 逃げ延びた武田の忍者集団、妖魔忍者達との集団戦となります。
 居並ぶ忍者達をバッタバッタとなぎ倒しましょう。

●第三章:
 かつての戦国武将、武田24将との戦いになります。
 敵も歴戦の古強者、被弾や反撃を受ける可能性が高いです。
 プレイング内に【被弾時のリアクション】を仕込んでおくとより主人公っぽい活躍ができるかと思います。
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第1章 冒険 『三方ヶ原の徳川軍』

POW   :    陣頭に立って力を見せつける事で、徳川軍の戦意を高揚させます

SPD   :    兵士一人一人への細やかな配慮や事前準備によって、士気を上昇させます

WIZ   :    演説や説得によって、徳川軍のやる気を引き出します

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイン・セラフィナイト
【WIZ】
ボクは子供で、できることも少ないけど……皆の役に立てるように、ボクに出来ることをやらせてもらうよ。

ここはボクの使い魔たちの出番だね。
【双翼の聲】、【魔を滅ぼせ、我が神烏】で使い魔たちの力を活性化させる。不可視の鴉たちで怪しい動きをしている人を情報収集だ。
『万象』にもお願いして、隠された食料とかの場所を看破できれば上々かな?
わざと負け戦を吹聴してる人の正体が知れれば、自然と士気は上がるよね。
確認したら徳川軍の皆にその情報を内密に伝達するね。

ボクにできることはここまで。後は皆が頑張ればいいだけだよ。今を生きるボクたちが、過去の将軍に負けてどうするのさ。
さあ、前を向いて立ち向かおうよ!




 武田忍者によって苦境に立たされました徳川軍。これを打破すべく、まず動きましたのはアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)。
 徳川軍陣中に入りまして、小隊の指揮を務める侍に手助けを申し出ます。

「ボクは子供で、できることも少ないけど……皆の役に立てるように、ボクに出来ることをやらせてもらうよ。まずは探し物だね」

 言った途端にバサバサバサバサッ、と響きわたる鴉の羽音。同時にあたりの草木の枝が揺れ青々とした木の葉が舞い散ります!
 すわ奇襲かっと侍や足軽達が周囲を見回しますが、赤備えどころか鴉一匹も見えはしない。一同、狐につままれたような面持ちで顔を見合わせます。
 狼狽えていないのは唯一人、不可視の鴉を放ったアインその人でございます。

「――見つけた」
 と言って指をさします林の奥。
「向こうに糧食を隠そうとしている男がいる。きっと武田の忍者だ」
 言われて侍が林の奥へと向かっていくと、果たして1人の足軽が人目をはばかりながら糧食を隠すように茂みへと押し込んでいた!

「……思わず怒鳴りつけた所、あっという間に逃げ出しまして」
 事の顛末を告げ侍がアインへと頭を下げる。
「仕方がないよ。あれだけ煙幕を張られてしまうとね」
 忍びの逃走手段を言い当てられ、ハッと顔を上げた侍が目にしたのは、アインの笑みでございます。
「全部見ていた。それでね、あの男いろんな場所で負け戦を吹聴していたんだ。この情報を皆に伝えてもらえるかな。――内密にね?」
 もはや侍もアインの千里眼を疑おうとは致しません。すぐさま部下を呼び手配を整える。
「ボクにできることはここまで。後は皆が頑張ればいいだけだよ」
 なおも不安げな表情を浮かべる侍へとアインが言葉を紡ぎます。
「今を生きるボクたちが、過去の将軍に負けてどうするのさ。過去の連中に良いようにやられてやられっぱなしじゃいけない――前を向いて立ち向かおうよ!」
 アインの静かながらに力強い言葉は、確かに侍の目に闘志を蘇らせたのでございました。

成功 🔵​🔵​🔴​

舞塚・バサラ
【SPD】
忍びの有効活用で御座るなあ

では、某達も忍びらしく口先と足回すで御座るかな

某達はUCを使用して手数を増やし、隠された痕跡や、噂を流布して回っている手合から隠された物資を発見するで御座る(情報収集、追跡)

我らは発見次第、出来るだけ耳目に通る場所で物資に“気づかなかった”兵を詰りつつ、その存在を伝えたり運搬を行おう(地形の利用、存在感、怪力)

その際、兵達に紛れこめる姿に変装し、拙者達に対して向けられる殺気があればその大元を探りつつ、配給を手伝うまで(変装、殺気)
いやあ、こんな大きな荷物に気付かぬとは随分と…”間抜け“な手合もいたものよ

いじょうをわたしたちのあしのはやさをいかしてじんそくに!




 時を同じくして行動を起こしましたのは舞塚・バサラ(罰裁黒影・f00034)
「情報戦とは忍びの有効活用で御座るなあ」
 同じ忍びとして思う所がありますのか感慨深げに呟きます。
「では、某達も忍びらしく口先と足を回すで御座るかな」
 言うや否やバサラの周りにボウッと炎が吹き上がりまして、中から現れる3人のバサラ達! バサラ得意の陰術の一つ『罰裁四光』、分身の術でございます。
「さて某は西の林へ向かうでござる」
「我は東の河原に行こう」
「では拙者は南の街道だ」
「わたしはのこったところにいくよ!」
 各々別の人格を宿した四人のバサラ達、四方へ別れて駆け出します!

 蛇の道は蛇なんて申しますが、忍びの手口は忍びが知るもの。バサラ達はその忍びの技をもって隠された物資を追ってまいります。
「あの木の傷、つい最近枝を折られた跡でござるな」
 西の林では木々に残された痕跡を探り、
「この色付きの米粒は……五色米、忍びの目印だな」
 東の河原では忍者が残した合図を見つけ出す。
「荷車の轍が急に浅くなった。ここで荷をおろしたか」
 南の街道では忍者が仕掛けた詐術を見破り
「このくさむら、いっかしょだけ、みょうにきれい。こんせきをけしたのかな?」
 北の草原では忍者の偽装を探り当てる。

 そうして一刻もたたぬうちに……。
「「「「あった!」」」」
 と四人それぞれが盗まれた物資を見つけ出します。

 バサラは徳川の足軽に変装すると西の林から荷車を引いて陣中へと向かいます。道行で足軽の集団を遠目に見つけると、聞こえるように大声を張り上げます。
「ええい、まったく! 荷車が街道脇にあるというのに、なぜ気付かぬでござるか!」
 気付いてバサラに目を向ける足軽達。彼らの視線に混じった忍びの殺気にバサラは素知らぬ顔で続けます。
「いやあ重かったでござる。多少枝を被っていたとはいえ無いも同然、あの程度でこんな大きな荷物に気付かぬとは随分と……」
 あてこすった言葉に膨らむ殺気。その大元――足軽に変装した忍びへとバサラはいっそ笑顔で言い放ちます。
「”間抜け“な手合も、いたものでござるな」
 ――役者が違うというのは、こういう事でございます。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
SPD

やれやれ、心理戦ですか……。
中々に頭の回る相手のようです。厄介ですね。

間者が隠したと言う食糧、探しに行きますか。
士気もありますが、単純に体力が減るのは避けたいところです。
結構な量の筈ですし、持ち帰るのは大変なはず。
かと言って無駄にするのももったいないですし、おおかたどこかに隠してことが済んだら改めて回収する、そう言う心づもりなのでしょう。
元の運搬路と照らし合わせつつ【地形の利用】や【罠使い】の知識の応用で、隠し場所を類推、回収に当たります。
自衛のため、いつでも迎撃、撤収はできるようにしたいですが。

回収を終えたら自軍に見せつけて、大人しく盗ませるような馬鹿はしないと、皆を【鼓舞】します。




 覇気もなく行動する徳川軍、漂う厭戦の雰囲気にシャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)が溜め息を一つ。
「やれやれ、心理戦ですか……。戦う前に勝つ。中々に頭の回る相手のようです、厄介ですね」

 シャルロットは消えた物資の目録を検めていきます。矢に食糧、玉薬。奪われた物資の内で彼女が目を付けましたのは、やはり食糧でございます。
「探しに行きますか。士気が下がる問題もありますが、単純に体力が減るのは避けたいところです。別の荷物を見つけても持ち運ぶ負担が増えますからね」
 消えたといわれる糧食は干飯十俵600㎏。およそ400人分の食料を一日賄える量でございます。

 シャルロットは目を閉じ、それだけの食料を前にした忍者の思考を追いかけます。
 ――敵にとっても結構な量ですし、600㎏とあれば敵陣に持ち帰るのも大変なはず。そもそも士気を下げる事を目的にしているならば、優先順位は物資を手に入れることではない。かといって無駄にするのも勿体ない。
「やはりどこかに隠して事が済んだら回収する、そう言う心づもりなのでしょう」
 とあれば、元の運搬路からそう遠くには運ばない筈、結論付けてシャルロットは荷馬隊へと向かい、荷物が消えた位置や周辺の地図、当日の天気などを聞き取ってまいります。

「荷が消えたのは天竜川沿いの道、夕立でぬかるんだ道についた轍は浅瀬に消えて、向こう岸をいくら探しても荷車は見つからなかった。っと、ここですね」
 シャルロットが当たりを見渡すと浅瀬の川の両岸に踏み固められた二つの道。河原に降りてみると砂利に混じって幾つもの木の枝が流れ着いております。
「鉄砲水の罠を仕掛けた後は良くこうなりますけど――。ああ、なるほど。糧食を船に乗せて鉄砲水で押し流しましたか」
 言って川下へと向かったシャルロット、ほどなく食糧を見つけまして荷馬隊と共に陣地へ届けます。
「大人しく盗ませるような馬鹿はしません。他の物資も必ず取り返して見せますよ!」
 取り戻した400人分の食料の前で彼女が宣言した言葉は、徳川軍の士気を大いに高めたのでございました。

成功 🔵​🔵​🔴​

アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
【WIZ】判定

他の陣容でも士気の低さが目立っていたが…既に敵に仕掛けられていたか
よし、ここは、二手に分かれよう。

【ツヴァイク博士の~】で義父さんを召喚し、物陰で監視してもらいながら俺は侍の説得をするぜ。
説得については…侍の皆にも守るべき家族や仲間がいるはず。彼らの守るべき人達の為にも、まずはこの戦いに勝たねばならない、と侍達の心に問いかけていこう。

何か怪しい動きをしている奴を見つけたら義父さんに【追跡】してもらうぜ。
工作失敗の報告とかされても困るしな。斬りこそしないが…報告される前に【ロープワーク】と【グラップル】で捕まえておくぜ。


ニノマエ・アラタ
兵糧が確実に届くように、後方支援や補給部隊に混ざる。
怪しげな動きをしている忍が横流しや兵糧隠しをする前に、
張りついて身動きできなくする。
親し気に話しかけて無理にでも仲が良い空気を作ったり、
いつでもおまえさんのこと見てるぜって
さりげなく視界に姿をちらつかせる。
兵糧を無事届けたら、こいつが良い働きしてくれました!
と忍をほめちぎって注目を集め、存在感をかもし出すように仕向ける。
敵から見れば、こいつ寝返って徳川側につきましたって雰囲気を作り出す。
…まァ、少しばかり戻りずらくしてやろうって魂胆だ。
道中、本当に山賊なんかが出た場合はもちろん対処。
腹いっぱい食っておけば、百人力だ!
と、景気良く食料を配る。


ミツルギ・サヤ
噂話が火を噴くのは、お互い知らない者同士だからじゃないのかい?
…さて。あたしは陣の一角で炊き出しに回ろうかねぇ。
うん、まあ、剣はともかく料理の腕となると心もとない。
誰かこの中で、料理ができる者はおらんか。
そう呼び掛けて、何人かで集まって話しながら交流を深める。
地元がどうので味付けが変わったりとか…
…美味いねェ。
明日には命を預けて戦う仲間。
互いに仲良く。
忍が混じってイヤな話をしても、やんわり話の方向性を変えて事実を共有。
陣の組み方や地形把握、諸々、あたしよりも詳しいのが回りにいそうだよ。
ふだん他の仕事してる奴らの話は、案外参考になるしね。
美味いもの食わせて、こっちへ寝返らせるぐらいにしたいねぇ。


ルドルフ・エルランゲン
※アドリブ絡み歓迎

■九変の計(WIZ)
武田信玄、家康公にとって師に等しき名将、そして三方ヶ原は正に、教導の場でした
この敗戦により家康公は多くの戦訓を得、徹底的に研究して活かした事で、現在の徳川の御代があるのです

此度の寛永三方ヶ原の戦いですが…

第一に、現在は徳川第三代家光公の時代です。三河一国の小大名だった時代と違い、日ノ本全土を領する大将軍。今と昔では規模が違う。天の機です

第二に、先に戦で負けているからこそ、戦場をつぶさに調べてあります。家康公ゆかりの遠江、地の利は俄然、我らにある

そして第三に人の和。一騎当千の猟兵が味方なれば、オブリビオン恐るるに足らず

即ち勝利は疑うべくもないのです!




 物資に糧食を取り戻し気勢を上げる徳川軍、しかし武田の忍びはいまだ身の内におります。彼らの行動を牽制すべく動きましたのは、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。
「他の陣容でも士気の低さが目立っていたけど……既に敵に仕掛けられていたか。
 よし、ここは、二手に分かれよう」
 言ってアーサーがベルトに手をかざしますと、『Select……』と電子音が響き、一人の男がアーサーの目の前へと現れます。
『私の出番ですね、アルトゥール』
 男の口をついて出たのは、アーサーのベルトと同じ電子音声。日頃はベルトの裡でアーサーの手助けをする、ツヴァイク博士でございます。
 アーサーは侍たちの手伝いをしながら、彼らの士気を高めるように声をかけ、ツヴァイク博士は陰から侍たちの動きを見定めてまいります。

 ニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)もまた忍者達を妨害するべく行動を始めておりました。
「せっかく発見した兵糧だ。全隊に確実に届くようにしなくてはな」
 ニノマエ、荷駄隊に混じりまして兵糧を乗せた荷車を押しながら、怪しげな動きをしている足軽がいないか、さりげなく様子をうかがってまいります。
 ――前の荷車を押している小姓は……白。オブリビオンならああも運搬に苦労はするまい。後ろの荷車で馬を引く口取も白。まさかオブリビオンがつまみ食いはするまい。本命は……やはりこの荷車を引くあの足軽。
「さんざん噂話をしておいて、オレを見るなり口を閉ざす――怪しんでくれと言うようなものだ」
 ニノマエが見つめる目の前で、足軽はチラチラとまわりの林へと目を向ける。牽制するようにニノマエは咳払い一つ。そしてことさら親し気に声をかけます。
「随分とあたりを気にしているな? 何かあったか」
「いやあ……むこうに赤い甲冑が見えた気がしやして……行ってきやす!」
 ってんで足軽は荷車を止めて林へと駆けこんでしまいます。奇襲とあれば備えぬわけにはいかない、小姓や口取りも急ぎ武具を検めてまいります。

 林へと駆けこんだ足軽が向かった先、茂みの中にチラリと覗くのは漆塗りの木箱。プンと匂う硝煙の匂い、奪われた物資の一つ玉薬でございます。
 それらの箱を引きずり出し、取り返されるくらいならば焼いてくれるっとばかりに忍びが火をかけようとした所で――音もなくニノマエが背後に立ちます。声にならぬ忍びの悲鳴を聞かないふりをして、ニノマエが口を開く。
「おお、盗まれたという玉薬じゃないか! 湿り気の確認は後にして――、一緒に陣中まで持ち帰ろうぜ?」
 否やを言える状況ではございません。ニノマエは忍びに手伝わせながら、玉薬を運んでまいります。

 その光景に木の影で舌打ちをする忍びが一人。
「尾行に気づかず、みすみす物資を取り戻されるとは……。愚か者めが、猟兵もろとも死ぬがよい」
 言って焙烙玉を握った忍びの右手を、はっしと掴んだ一人の男。そのまま後ろ手に捻り上げて地面へと取り押さえて、電子音声を発します。
『尾行に気付いていなかったのは君も同じだね?』
 ツヴァイク博士、合気の要領で忍者を失神させるとそのままロープで縛り上げます。
『工作失敗の知らせは入れてほしくなくてね。武田にはこちらを侮って油断していてくれなくては困る』
 あらたな物資発見に沸く歓声を林の中で聞きながら、ツヴァイク博士はそう呟くのでございました。


 とっぷりと日も暮れまして夕餉の時間でございます。久しぶりのまともな食糧でございますから、侍たちも浮かれ顔。この機を逃す手はないってんでミツルギ・サヤ(輪廻宿業・f17342)が炊き出しの料理場へと向かいます。
「噂話が火を噴くのは、お互い知らない者同士だからじゃないのかい?
 腹を割って話し合うようにすれば、噂に流されることはなくなるだろう」
 サヤが調理場に立とますてぇと、さてどんな飯を作るのかと、足軽侍たちがチラチラと彼女へ視線を送ります。
 ――うん、まあ、剣はともかく料理の腕となると心もとない。
 心の中でつぶやきますとサヤはぐるりとあたりを見返しまして。
「誰かこの中で、料理ができる者はおらんか。……手伝ってくれ」
 思わず苦笑する足軽達、遠巻きに見るのをやめて彼女を手伝いを始めます。これもまた互いに交流を深めさせようという彼女の狙い通りでございます。
 そうしてできた人の輪に、目を止めたのはルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)、サヤの目論見に気づいて輪に混じりますと、通りがかる侍や足軽たちに声をかけてさらに人数を増やしていきます。
 ――天の機、地の利も人の和に如かず、と言いますからね。

 料理を終えたサヤたちは焚火をぐるりと囲みまして、思い思いに食事を取り始めます。彼らの前に並んだのは湯で戻した干し飯に梅干し、芋茎の味噌汁。
 サヤは味噌汁の椀に口をつけて、流し込むように一口飲む。ほう、と息を吐きまして。
「美味いねぇ……。けど、このあたりじゃ出ない味だ。ふむ、あんたの故郷の、越後味噌。……なるほど越後の米を使うからこんなに美味しいんだね。 おやそっちのあんたが食べてるそれは?」
 各々の食料を見渡して興味深げに話を聞くサヤが呼び水となって、たちまちはじまる故郷自慢。彼女の目の前に日本全国名産の御裾分けが並んでいく。そうこうする内に1人の足軽が『駿河には日本一の富士山がある』と言い、『いやあ富士山は信濃のものだ』と食って掛かるものがいる。それが喧嘩になる前にサヤはすっと話に割り込んでしまいます。
「お互いのものという事にしておくんだね。駿河と信濃で割ったら富士山も形無しだ」

 そうして談笑しているうち、一人の足軽がフッと表情を曇らせまして。
「……けど満足に食えるのはこれで最後か。権現様は武田を相手に逃げ切れたが俺達はどうなるだろうな?」
「大丈夫」
 と朗々たる声でルドルフが返します。
「天の機、地の利、人の和、すべてが我々に味方しているのですからね」
 言ってルドルフは右手の人差し指を立てて見せます
「まず第一に、現在は徳川第三代家光公の時代です。かつて家康公が三河一国の小大名だった時代と違い、日ノ本全土を領する大将軍」
 とルドルフは人差し指を向けて、サヤの目の前に集まった各地の名産品を示してやる。
「こうして全国から侍や優れた品を集めることができる。まさに天の機というものです」
 口に干物を押し込むサヤに、ルドルフは二本目を指を立てる。
「第二に先に戦で負けているからこそ、家光公は戦場をつぶさに調べてあります。そして武田24将が生きた時代からすでに地形は変わっている。そもそもが家康公ゆかりの遠江。一朝一夕で調べなおした所で、徳川三代の蓄積に勝てはしません。地の利は俄然、我らにある」
 頷く侍たちを見返し、ルドルフは三本目の指を立て見せます
「そして第三に人の和。一騎当千の猟兵が味方なれば、オブリビオン恐るるに足らず。これは武田軍が自ら認める所です。真っ向から戦って勝てないからこそ、忍びという手を使うのですよ」

「そうは言っても……なあ」
「まあ、命の取り合いだもんな。不安になるのは分かるよ」
 なおも曇った表情を見せる足軽、そこへアーサーが近づき声をかけます。
「でも、あなたにも守るべき人たちがいるだろう? 故郷の家族とかさ」
 チラリとアーサーが足軽の鎧に視線を落とし、目で示しましたのは鎧に括り付けられた守り袋。まばらな縫い目に解れた糸、子供の手によるものでございましょう。
「その子のためにも、まずはこの戦に勝たないとな。帰ったら胸を張って、武勇を語ってやろうぜ?」

 そこへルドルフが後を続けます。
「ええ、それに負け戦は恐れるものではありません。家康公とて負けた後で天下人になったのですから。大切なのは生き延びて何かを学ぶこと。家康公にとって三方ヶ原は正に、教導の場でした。
 この敗戦により家康公は多くの戦訓を得、徹底的に研究して活かした事で、現在の徳川の御代があるのです」

 さらにはニノマエが捕まえた忍者と共に食糧を乗せた荷車を引いてきます。
「何だ、まだ元気がなさそうだな。腹いっぱい食っておけば、百人力だ! 持っていけ!
 すごいぞこの男は。玉薬を見つけたと思ったら、今度は食料を見つけてな」
 と、ことさら忍者の功績を持ち上げながら、ニノマエは景気よく食糧を配ってまいります。

「とはいえ、この量は食べきれないな。そっちのみんなも一緒に食べないか?明日には命を預けて戦う仲間なんだ。仲良くやろうよ」
 いい切っ掛けができたとばかりに、サヤが周りの足軽達に声をかけて、輪に入ってくるように仕向けていく。

 決戦前夜の徳川陣中は昨晩迄とは打って変わった、和やかな空気に包まれたのでございました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

オブシダン・ソード
【剣狐】
厄介な戦い方で仕掛けてきたねぇ
まずは悪い空気を払拭したい所

凹んだ人の話を聞いて、忍者の流した悪評を覆せるように
「木の実かい、それは良いね。僕達はここで戦うわけだから、その土地のものを取り入れれば力が湧くかも知れないよ
「敵は強大だけど、それを倒せば父祖に誇れる英雄だ
とか良い噂も流す
鼓舞は得意

後は一人じゃない、味方に頼れる者が居る、と印象付けよう

天下自在符を持った猟兵も、この戦いには参加するらしいよ
かく言うそこの女の子もそのうち一人でね、背負った剣を見たかい? ああ見えて名のある敵をばっさばっさと斬り捨ててきた剣豪なんだ

とかそんな感じでいすゞを持ち上げておく
彼女が居ればもう安心だよ、的な


小日向・いすゞ
【剣狐】
背負った剣ったって
センセの写し身じゃないっスか
口にはしない
澄ました顔で頷き

敵が怖いなら、あっしが力を貸すっス
ああ
申し遅れたっスけれど

取り出したるは狐笛
高らかに音響せ

やあやあ
遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!
あっしは陰陽を正す小日向が一人娘、いすゞ
今からアンタ達には無敗の加護を与えるっス!

管狐を呼び出し
徳川軍の兵士達に絡ませてはその姿を掻き消すように
管狐過剰労働頑張って~

さあさ
アンタ達には神の使いが宿ったっス
加護を信じる限り、六尺の熊だって真っ二つスよ!
疑えば――


小声
まあ只の気休めスけれど
気分を上げときゃあ頑張るに違いないっスし
勝てば嘘にもならないっス
勝ちゃ良いンスよ勝ちゃ




 さてカラスカァで夜が明けまして、いよいよ決戦の日、徳川軍と武田軍が三方ヶ原にてにらみ合います。
 武田方にずらりと居並ぶのは、古傷も誉と刻んだ赤備え、歴戦の侍たちでございます。対する徳川方は美麗な細工を帯びた豪奢な鎧の数々。傷一つありませんのは、戦働きの少なさ故、鬼気迫る赤備えの姿を前にして、緊張に身を固くしております。そんな中密やかにささやかれるのは、武田方の強さを喧伝する忍びの言葉。

「やれやれ、厄介な戦い方で仕掛けてきたねぇ。これでは勝てるものも勝てない」
 と独り言ちるのはオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)
 ――まずは緊張をほぐして、悪い空気を払しょくしたいところだけど。
 と、視線を巡らした先で目に付いたのは何やらげっそりとした顔のお侍。
「随分と元気がなさそうだけれど――大丈夫かい」
「うん? ああ。笑わずに聞いてくれるか? 近頃、糧食が消えいずれは木の実を食べることになるという噂が流れた。そこで拙者は考えたのだ――一日でも長く戦うために、体力のあるうちにその食事に慣れておかなくてはならぬと。十粒ほど食った後で糧食発見の報せを聞いた。拙者は己が情けないやら、腹立たしいやら……」
 ってんで項垂れた侍に向けて、オブシダンは元気づけるように声をかけます。
「この土地の木の実を食べたのかい、それは良いね」
 むっとした侍の視線をオブシダンは涼しい顔で受け流して後を続けます
「食べるというのは、力を取り込む事。この地でとった木の実を食べた君は、この土地の力を取り入れたという事だ。僕たちが戦うこの戦場の力をね。今はまだ気づいていないだけで、きっと力がわいてくるはずだよ」
 言われて侍、思案気な顔をした後、にっと笑いまして。
「なるほど、そう言っていただけると気が楽になりますな」
 こういった具合にオブシダンは一人一人に声をかけて、侍たちの話を聞いてやり、少しでも気分が上向く様にいろいろな言葉をかけて行きます。
「ふむ赤備えの強さを子供の頃からおじいさんたちに聞いていたと。いいねえ、今回の敵を倒せば父祖に誇れる英雄ってわけだ」
 そうして士気を高めようとするオブシダンへと冷ややかな目を向ける足軽が一人、変装して紛れ込んだ武田の忍びでございます。

「それにね、味方に頼れる者がいる。家光公から天下自在符を授かった猟兵も、この戦いには参加するらしいよ。かくいうあそこの女の子も猟兵の1人でね」
 とオブシダンが目で示しましたのは小日向・いすゞ(f09058)でございます。
 オブシダンはいすゞが背負う黒曜石の剣を指さしまして、
「ほら、あの子、背負った剣を見たかい? ああ見えて名のある敵をばっさばっさと斬り捨ててきた剣豪なんだ」
 ――背負った剣ったって、これセンセの写し身じゃないっスか。
 なんてぇ思いを表に出さず、いすゞは澄ました顔でうなずき、笑みを浮かべます。
「大丈夫。敵が怖いなら、あっしが力を貸すっスよ。――ああ申し遅れたっスね」
 名乗りの合図とばかりに、いすゞは白狐をかたどった狐笛を口に当てひゅるぅり、ひゅるりと高らかに旋律を響かせませます。
 そうして徳川の侍たちの視線を集めたところで、涼やかな声で名乗りを上げます。
「やあやあ、遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!
 あっしは陰陽を正す小日向が一人娘、いすゞ!」
 続けていすゞが取り出しましたのは一本の竹筒。
「さあ、今からアンタ達には無敗の加護を与えるっス!」
 言うや否や封を解いた竹筒の口から、すうっと真っ白い狐が現れます。おおっ、と驚きの声を上げる侍たちの前で、管狐は泳ぐように宙を舞い、手近な侍に長い体を巻き付かせますとすっとその姿が掻き消えます。
「さあこれで良し。アンタには神の使いが宿ったっス。加護を信じる限り、六尺の熊だって真っ二つスよ!」
 なんてぇことを言っておりますところへ、隙を狙っていた忍びが八方手裏剣を投げつける! 背後から迫る手裏剣をいすゞは管狐を通じて見て取りまして、その身にまとうオーラでもって弾き飛ばす! さて驚いたのは侍たちでございます。
「おい、今あの手裏剣を何かが弾いたぞ!」
 と騒ぎ始めた所へ、この機を逃すまじってんでオブシダンがいすゞを持ち上げます。
「もう安心だ! 小日向の白狐の加護があれば、武田の忍びも侍も恐れるに足りんぞ!」
 さあ、最早矢も盾もたまりません、徳川の侍たち我も我もといすゞの元へと駆け寄りまして、管狐の加護を頂きにまいります。乞われるままいすゞも一人一人に、管狐を巻きつけてやります。
 ――まあ只の気休めスけれど。気分を上げときゃあ頑張るに違いないっスし。
 そんなこととはつゆ知らず気勢を上げる徳川兵達。
「まあ勝てば嘘にはならないっス。勝てばいいんスよ勝てば」
 といういすゞのつぶやきは、侍たちの鬨の声に消えたのでございました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クリスティアーネ・アステローペ
POW
舌先で丸め込まれる程度の士気、と言うのもどうなのかしらねえ
まあいいでしょう
勝てる流れと見えさえすれば士気も戻って、自ずと力も振るえるでしょう

遠からんものは音にも聞け、近くば寄って目にも見よ
だったかしら?
我は猟兵、遥か遠けき領の長
"処刑人"にして"朧月の魔"
腕に覚えがあるのならかかってきなさいな
少しの間遊んであげるわ?
貴方たちが知る将の武勇と眼前にあるこの私
どちらが上かその目で比べて見なさいな


(踊るように裾を翻しながら長槍戦斧を片手で振るい周囲の相手を薙ぎ払い
 空いた手でマルツェラの引金を引けば特殊弾頭の炸裂が詠唱となり
 切先が示した先へ一斉発射された炎の矢が降り注ぐ)




 陣太鼓の合図と共に、両軍が一斉に鏑矢を放ちあい、いよいよ戦の始まりで御座います。クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)が向かったのは、武田騎馬隊への切り札、鉄砲隊。武田の忍びも念入りに工作を行ったのか。かれらの目には今なお怯えが潜んでおりました。
 ――舌先で丸め込まれる程度の士気、と言うのもどうなのかしらねえ。
「まあ、論より証拠。勝てる流れと見せてあげれば自ずと力も振るえるでしょう」
 鉄砲隊に忍びが混じっていないことを見て取って、クリスティアーネは彼らを守るように武田軍の前に立ちはだかります。

「おいアンタ、あぶねえぞ。おっそろしい武田軍が来るんだ」
「大丈夫、私がここにいる間は怖がる必要はないわ。貴方たちが知る将の武勇と眼前にあるこの私。どちらが上かその目で比べて見なさいな」
 言いおいてクリスティアーネは殺到してきた武田軍へと向き直り、高らかに声を上げます。
「遠からんものは音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ! 我は猟兵、遥か遠けき領の長。処刑人にして朧月の魔、クリスティアーネ・アステローペ! 腕に覚えがあるのならかかってきなさいな。少しの間遊んであげるわ?」
 言ってクリシュティアーネが愛用の戦斧"フランツィスカ"と短剣"マルツェラ"をピタリと構えますってぇと、赤備えの隊列から一人の武者がずいっと前に出てまいります。
「小娘風情めが良くほえよる。八つ裂きにしてくれるわ!」
 振り下ろされる刃を跳んで躱し、切り上げる逆袈裟を戦斧で弾く。お返しとばかり打ち込んだ戦斧を武者が日本刀で受け止めまして、鍔迫り合い。武者の押し込みをクリスティアーネは短剣と戦斧で巧みに封じ、押していく。焦った武者の力任せの押し込みをぱっと放して横一閃! クリスティアーネが振るった戦斧の刃が武者の胴を真っ二つ!
 鉄砲隊の歓声に、敵討ちと駆け出す赤備え。クリスティアーネはヒラリと鉄砲隊の元まで跳び退りまして、マルツェラの鍔元の引き金に指をかけます。
「射撃の見本を見せてあげるわ」
 駆け寄る赤備え達に鉄砲隊が顔を引きつらせてもまだ撃たない。白目が見えるほど引き付けてから放った無数の火の矢は、赤備え達を焼くと共に、鉄砲隊の恐れをも拭い去ったのでございます。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 さて三方ヶ原の東、天竜川。幾人かの武田の忍びたちが上流へと逃げ延びてゆきます。猟兵たちはといえば、彼らを逃げるに任せその後を追跡していく。
 そうして辿り着きました武田の陣中、林の中の開けた広場。そこにはおよそ数十人の妖魔忍者達が集まっておりました。
「おのれ猟兵どもにここまでしてやられるとは……」
「これでは頭領に合わす顔がない」
「何か起死回生の計略はないものか」
 木々の影、猟兵たちが様子をうかがう目の前で、逆襲の策を練る忍者達。敵方の忍びたちが一堂に会し、しかも猟兵たちの存在に気付いていない。一網打尽にするまたとない好機、反撃の時でございます。
アイン・セラフィナイト
ミイラがミイラ取りになる、ってこういうことだよね……。起死回生の計略なんて考えさせないよ。もうすでに……チェックメイトだ。

ボクの杖を【生ぜよ、塵の嵐】で超重量超高密度の砂に変化させて、忍者の広場へと巨大な砂嵐として撃ち放つ。素早さが売りの忍者も、吸着する砂でその機動性が奪われたら普通の剣士とかと変わらなくなるよね?鬼火の炎は砂嵐と魔力のオーラで『オーラ防御』するね。
さてと……『神羅』、【心眼・神烏の裁き】だ!その神罰の鴉羽を以て、武田軍の忍者たちを討て!

忍者たちは使い捨て、なんて思ってたりしないかな?大将はどこにいるんだろう……。

(アドリブ・共闘歓迎です)


秋津洲・瑞穂
(連携可)
ミカタッパラで武田と戦うのに、最初から手の内を晒すと思う?
忍びの目から隠れていた者がいると気付くべきよね。
背後に現れて、退路を断つわ。(狐変身で地下の穴経由

「武田の透破は情報が本道。工作を掛けしがうぬらの不覚よ」

フォックスファイアで狐火召喚。
自分の周りを囲ませて、動く盾として使う。
敵が至近に来た狐火は、格闘技代わりに突撃するよう制御。
逃げ出す人には数匹飛ばして追撃。

ダッシュ20で突撃、鎧無視攻撃30・2回攻撃30の一刀二斬で斬り倒す。
わたしを防げば狐火アタックが、狐火を防げばわたしの斬撃が、
その隙をついて炸裂するので気を付けてね。

攻防一体の炎の城、止められるものなら止めてみなさい。


舞塚・バサラ
【SPD】
“機”よな
纏まってくれるとは有難い
根刮ぎ掻っ捌いてやろうか

では、一先ず__罰裁羅の業を執行しよう

接触前よりUCを発動
まずは、拙者の凶鳥にて相手の不意を突き、幾らか数を減らして掻き回してやろう
減らせずとも、意識が向いたならしめたもの
拙者はその隙に、気を取られている忍び共の首や腕や足を落としてやろうとも(暗殺、だまし討ち、目立たない、部位破壊)

機先を制すれば、趨勢は決したも同然
あとは破れかぶれの反撃を凌ぎ、隙を突いて(武器受け、第六感、見切り)
きっちり根絶やしにするまでよ

此奴らが忍びであるならば、何かを問うだけ無意味に過ぎる
ならば、全滅させて敵の情報の優位を潰す
これでこの戦も楽になろうよ


アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可

おーおー忍び共が顔つき合わせて何してんだか…
俺も混ぜろよ!

予め【フルスピード・スカイドライブ】で上空に待機し…忍びの群れの中にスーパーヒーロー着地をぶっかますぜ!
【存在感】で敵視を引き付けるって目的もあるし、それにどうせ他の猟兵もわんさか来るんだ、これ位派手に登場したって問題ねぇ!

敵の攻撃は刀による素早い攻撃か。ここはサムライエンパイアらしく刃には刃で対抗してやるぜ!
フラッシュブレードによる【武器受け】で逸らしつつ【サウザンド・フラッシュエッジ】を叩き込む。2500の刃で忍者をぶった切ってやるぜ!


ミツルギ・サヤ
ニノマエ【f17341】は相棒

こちらが奇襲を仕掛ければ、敵は体勢を整えようと必死になろう。
……させん。
さすがは忍、動きが早いねェ。
だけどあたしの剣嵐業火で好き勝手な動きはさせないよ。
高速移動も止まれば御終いさァ。
木立に身を隠そうなんざ、動きが見えてるよ。
刀を数本向かわせ通せんぼ。
飛び越えようってのも、あるあるだ……おっと、刀はまだあるよ。
足元へ向けて放ったり、視界を遮るように飛ばして
攻撃姿勢を崩させ命中率を下げようと邪魔に入る。
狙えぬ斬撃など恐るに足りん。
忍者刀には気をつけたいところだねェ…。
ニノマエの攻撃が本命なんで、敵の小賢しい動きは抑えてみせるさ。
おまえさんは突っ込んでぶった斬りゃいい。


ニノマエ・アラタ
ミツルギ【f17342】は相棒

注意をひきつけるため、敵陣中央へ向け妖刀で斬り込む。
囲まれんのも上等だ、吹っ飛ばしてやるぜ。
鬼火? そんなん投げたら自分の居場所を知らせることになるだろうが。
当てるなら当ててみろ、その首と引き換えにな。
操作してるところへ飛び込んで一撃だ。
焔さえ呑み込む漆黒の影ってなァ、俺のことだ!
ミツルギが敵の動きを止めたら間髪入れずに一閃。
そこらへん合わせられんのは、おめえと俺だからよ。
打刀の間合いよりも踏み込んで来ようとする敵には注意、だなァ。
痛手を受けても漆黒の下に隠れちまうのは幸いだ。
負傷には耐えて、絶対に動きを止めねェ。
まだ全力で戦えるぜ!
…って、俺のは話術じゃねぇぜ?


セシル・バーナード
闇に潜むダークストーカーども。ここで殲滅しないとね。
森の中は薄暗いかもしれないから、「暗視」しつつ。

「範囲攻撃」で黄金魔眼を放って、妖魔忍者どもの機先を制する。
皆、連中の動きが止まってるうちにぶった切ってくれるかな。

それ以降は「全力魔法」「2回攻撃」の空間裁断で問答無用に切り刻んでいく。数が減れば、対個人用の空間断裂に切替。技能は引き続き使用。

森の中なら、火も使った方がいいかな。舞い踊れ、フォックスファイア!

防御は、次元装甲を瞬間的に発動することで対応する。痛いのは嫌だしね。

そろそろ年貢の納め時だよ。君たちの頭領が誰か教えてくれたら、苦しまずに骸の海へ送り返してあげるけど?

ま、聞くわけないか。


小日向・いすゞ
【剣狐】
いやまぁ…
確かにスッパをスッパ抜きっスけど
曖昧な表情

どうも、お互いお仕事大変っスよねェ
アンタ達にゃ恨みは無いっスが
アンタ達の頭領を復活されると困るンスよ
ココで止めさせて貰うっスよぉ

一人で剣を振るう程剣術に長けてはいない
ハッタリに使った剣はセンセに返し

炎に放つは相剋符
符を放った瞬間燃えて、水と成す
火は水に剋つってなモンで
あっしの本来の得物はこちらなンスよォ

身軽に跳ねて、飛んで、杖で撃を受け止め
ぽっくり下駄をコーンコン
忍の背後へ潜り込み、敵を盾に

避けきれぬのならば
七星七縛符で足取りを止め

センセ!ズバーっとやっちまって下さいっス
カーッコイイー!
鼓舞等は0

でもそう言うのって日本刀でやるモンスよ


オブシダン・ソード
【剣狐】
正体を現した忍者がたくさん
ああ、これがホントの『すっぱ抜き』ってやつだね(得意げ)
……いすゞ、何だいその顔は?

器物の剣を返してもらって、術剣士としての立ち回り
奇襲になっているのを活かして、相手の体勢が整う前に斬り捨てていこう
剣術はそこまで得意じゃないからね、まともにやり合うと押されてしまうけれど

炎の術はオーラ防御で防ぐ
いすゞが相殺してくれたタイミングに合わせて、逆にこちらのウィザード・ミサイルを見舞ってあげよう
さすが相棒、お膳立てがあると楽でいいね

いすゞが足止めに成功した相手が居るなら、斬り裂いて
振り向いて
剣を鞘に仕舞って鍔を鳴らす

――またつまらないものを斬ってしまった
なあんてね


シャルロット・クリスティア
起死回生の策より、失敗した言い訳を考える方が楽ですよ……と。
まぁ、物陰からじゃ聞こえていないでしょうが。

木々の【地形を利用】し、【目立たない】ように身を潜めて、撃つ。
やることはまぁ、単純ですね。
前衛の猟兵さんは居るでしょうから、基本はそれに対する【援護射撃】です。
仲間の隙を狙うような敵はこちらで潰し、逆に物陰の私に気を取られた相手を、前衛の方に仕留めてもらう。

こちらを捉えさせないよう、手数は欲張り過ぎず、定期的に狙撃ポイントは変えます。

衝撃波も位置がわからない相手には飛ばしようもないでしょうし、早く動こうともこちらも狙撃には自信があるので。
まぁそもそも、動き出す前に仕留めればいいだけですしね。




 茂みの中、忍者達の様子を伺いながら、算段を整える猟兵たち。
「正体を現した忍者がたくさん。ああ、これがホントの『すっぱ抜き』ってやつだね」
「いやまぁ……確かにスッパをスッパ抜きっスけど」
 得意げな顔で言い放つオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)に曖昧な表情を向けるのは小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)。
「……いすゞ、何だいその顔は?」
 なんてぇことを言う2人の隣でアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が術の準備を始めます。
「ミイラがミイラ取りになる、ってこういうことだよね……。起死回生の計略なんて考えさせないよ」
 自らがもつ白翼の杖に向けて、意識を集中し呪文を唱えるアイン

 まず初めに仕掛けましたのはセシル・バーナード(セイレーン・f01207)と舞塚・バサラ(罰裁黒影・f00034)。
「“機”よな。纏まってくれるとは有難い。根刮ぎ掻っ捌いてやろうか」
「闇に潜むダークストーカーども。ここで殲滅しないとね」
 言うや否やセシルの瞳が妖しく輝き、黄金の閃光が武田の忍者を襲う!
 ――何奴ッ!っと叫ぼうとした忍者の喉から言葉が出ない。
「ボクの視線は時を遅らせる――連中の動きは止めた。今のうちにうちにぶった切ってくれるかな?」
「応、卑怯とは言わせぬ。一先ず――罰裁羅の業を執行しよう!」
 茂みから飛び出す無数の刃! 影の刀身に鬼火を秘めた、無数の大剣が宙を舞い忍び達へと襲い掛かる!
 断末魔の叫びもなく一人二人と倒れる妖魔忍者! ようやっと金縛りから脱した忍者が刀でもって影の刃を受け止める。その背後にバサラは音もなく忍び寄り。
「……囮だ」
 影刃一閃! バサラが握った陰陽剣『反逆スル夜光』が忍びの首を切り落とします。

 混乱する武田の忍びたちに向けて引導を渡すように姿を見せたのはいすゞとオブシダンでございます。
「どうも、お互いお仕事大変っスよねェ。アンタ達にゃ恨みは無いっスが、アンタ達の御屋形様を復活されると困るンスよ」
 1人の妖魔忍者、彼女の後ろにソロリ忍び寄り、腰に帯びた忍者刀を抜き放つ。
「だから……」
 エイッと振り下ろされた刃を跳んで躱し、いすゞは背負った黒曜石の剣を宙へと放る。心得たりッとばかりに駆け出すオブシダン、剣の柄を掴み取り、勢いのまま先の忍者を袈裟懸けに切り下す! 
「ココで止めさせて貰うっスよぉ」
 彼女の言葉と忍びの断末魔が、戦いの合図となりました。

「徳川の尖兵――猟兵か! 陣を整えよ、押し返せ!」
 金縛りを破り逆襲の号令をかける妖魔忍者達、そこに切り込むニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)! 彼の右手に握られたるは、数多戦場を切り抜けた、妖刀『輪廻宿業』。そして全く同じ刀を振るう猟兵がもう一人、体勢を整えてニノマエを迎え撃たんとする忍者達へ無数の妖刀を放ちますのは、ほかならぬ『輪廻宿業』のヤドリガミ、ミツルギ・サヤ(f17342)でございます。
「さすがは忍、動きが早いねェ。だけど好き勝手な動きはさせないよ!」
 言葉と共に妖刀の刃が炎を纏い忍者達へと襲い掛かる! 木陰に飛び込もうとする忍びの鼻先に妖刀の切っ先を掠めさせ、止まった足を別の一振りでもって刺し貫く。そこへ飛び込む黒い影、ニノマエの抜き打ちが足を止めた忍者を切り捨てる!
 賞嘆するように、サヤが口笛を一つ。
「流石、間を外さないねぇ」
「そこらへん合わせられんのは、おめえと俺だからよ」
「その調子、おまえさんは突っ込んでぶった斬りゃいい。敵の小賢しい動きはあたしが抑えてみせるさ」

 今だ混乱のうちにある妖魔忍者達、その上空から響き渡りますエンジン音! 見上げた忍びの目に映ったのは愛機ライドランに跨ったアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。
「おーおー忍び共が顔つき合わせて何してんだか……。俺も混ぜろよ!」
真っ赤なマフラーをたなびかせ、天空から忍びたちの頭上へと一直線!
 鋼の咆哮と共に蒸気の下から姿を現す龍の顎! 思わず飛び退いた忍びを追うように、アーサーはライドランの軌跡を変えてその忍者を轢き飛ばす!

 派手に撒き上がる蒸気とエンジン音に忍者達の意識が一斉にアーサーへと向かいます。これを逃さじと動きましたのは、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)。木立の影からマスケット銃を構えてますってぇと。
「起死回生の策より、失敗した言い訳を考える方が楽ですよ……と!」
 一人の忍者に狙いを定めて、ズドン! 倒れ伏す忍者とパッと広がる火薬の臭い。
「火縄銃、狙撃か! 散れっ、散れぇっ!」
「ええ、そうして私を警戒しておいてください――。そのほうがみんなも動きやすいですから」
 慌てふためく忍びを横目に、シャルロットは次の狙撃位置へと行方を眩らましていきます。

「不覚、これほどまでに手が回っておったとは! 敵は少数――皆ここは退け!」
「あら、ミカタッパラで武田と戦うのに、最初から手の内を晒すと思う?」
 退路を求めて忍びが振り向いた先、立ちはだかりましたのは秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)。押し通るっ、とばかりに駆け寄る妖魔忍者、至近距離から忍びが放った鬼火を、瑞穂は狐火でもって相殺し、すれ違いざまに抜刀一閃! 瑞穂が背負った神獣刀の一撃が妖魔忍者の喉笛を切り裂きます。

 同時に完成するアインの呪文、彼が手にした杖が砂へと変じ、風に乗って舞い始める。
「逃がしはしないよ。もうすでに……チェックメイトだ!」
 舞った砂が渦を巻き、巨大な砂嵐となって広場全体を包み込む。 砂嵐をまともに受けた1人の忍者、その手に足にまるで磁石の様に砂が吸いつき、たちまちその動きを封じてしまう。
 オノレと放たれる逆襲の鬼火も砂嵐とアインの纏う魔力がはじき返す。

 さあこうなれば、もはや逃れることはできません。ニノマエとサヤが妖刀を振るって忍者達を切り捨てれば、バサラの放つ影の大剣が忍者の連携をかき乱す。セシルの瞳とアインの砂嵐が忍者達の身動きを封じ、木立からシャルロットが放つマスケットの一撃が足を止めた忍者を打ち倒す。オブシダンといすゞは揶揄うように忍者達を翻弄し、ライドランから降りたアーサーがシャインブレードを片手に切りかかる。瑞穂の放った狐火が退路をふさぐように跳びまわる。
 
 そんな中、妖魔忍者達、決死の覚悟で逆襲を仕掛ける。オブシダンといすゞに向けて2人の忍者が印を切り無数の鬼火を2人に向けて解き放つ! 迎え撃つようにいすゞが放った無数の符、記された呪文と共に燃え上がり、水弾へと変じて鬼火を打ち消す。アッと忍者達が息を呑んだ瞬間、彼らを襲う炎の矢! オブシダンの術でございます。
「五行相克、水は火に克つってなもんで、あっしの本来の得物はこちらなンスよォ」
「さすが相棒、お膳立てがあると楽でいいね」
 ひらひらと符を見せつけるいすゞと、涼しげに笑うオブシダン。術ではかなわぬと見て取って忍びたちは忍者刀を抜き放つ! 切りつける刃を一度ニ度と受け止めるうちオブシダンもだんだんと押されてまいります。 一方、いすゞはといえばぽっくり下駄をコロリコロリと踏み鳴らし、跳んで跳ねて逃げ回る。向かった先は鍔迫り合いをするオブシダンの元。2人チラリとかわした視線でお互いの意図を読み取ります。
 いすゞが駆け寄りその背に忍者刀が振り下ろされようとするその瞬間、鍔迫り合いの力を何とか逸らし、オブシダンが妖魔忍者にたたらを踏ませる。その背を踏んでいすゞは大きく飛び上がる。たまらないのは忍者の方、勢い付いた刃は止まりません。切っ先でもって自ら仲間を切ってしまう。
 おのれっと着地を狙おうとした矢先、いすゞが放った七星七縛符がその身の自由を奪い取る。そこへ振り下ろした黒曜の剣、オブシダンの袈裟懸けが妖魔忍者の体を存分に切り裂きます。
 切った忍びに背を向けてパチリと剣を鞘へと納めるオブシダン。
「――またつまらないものを斬ってしまった。なあんてね」
「カーッコイイー! でもそう言うのって日本刀でやるモンスよ?」
 なんてぇ事を言いながら、2人は妖魔忍者を蹴散らしてまいります。

「武田の透破は情報が本道。工作を掛けしがうぬらの不覚よ」
 周囲の忍びを牽制するように、狐火を浮かべた瑞穂。火の玉もろとも手近な忍者へと突進する! 迎え撃つように放たれた鬼火を瑞穂は狐火でもって相殺し、懐に飛び込みますってぇと、抜刀一閃! 神獣刀が忍びの喉元を切りやぶり、返す刃でもう一人、切っ先を忍者刀に受け止められる音が響くや否や、足を止めた忍びに狐火が殺到しその体を焼き付くす!
「攻防一体の炎の城、止められるものなら止めてみなさい」
 かくなる上は破れかぶれ、相打ちも辞さぬ! っとばかりにとびかかる三人の妖魔忍者達! 同時に響き渡る銃撃音、シャルロットが木立から放ったマスケットの一撃が、1人の妖魔忍者を撃ち貫く。味方の屍に目もくれず前後から切り付ける忍者達、瑞穂は狐火でもって迎え撃ちますが、忍者刀の方は止まりません。勢いのまま振り下ろされた切っ先が瑞穂の金色の髪を切り裂いて――。
「残像よ」
 忍びたちの背後に回った瑞穂の刃が2人の忍者達を切り裂いたのでございました。

 振り下ろされる忍者刀を輝く刃が弾き飛ばす。忍者刀を手に切りかかる妖魔忍者を相手に、刃には刃とばかりにアーサーはフラッシュブレードを振るいます。二度三度と切り結び、四回目、鍔迫り合いに持ちこもうとする忍者を逸らし、しゃがんだアーサーの頭上を背後から衝撃波が通り過ぎる。
「危ない危ない、っと」
 たたらを踏んだ忍者を蹴り転がし、背後へと向き直ろうとしたアーサーへ襲い掛かる無数の鬼火! さすがにたじたじになったところへ飛び来る砂嵐、アインの援護でございます。
「しめたっ!」
 忍者達の動きが止まった一瞬、アーサーがベルトに右手をかざす。たちまち鳴り響く電子音声!
『Select……SLAaaaaaaSH ACTION!』
「さあぶった切ってやるぜ!」
 アーサーの周囲に浮かび上がる無数の光刃! 群為す刃は波涛の如く、衝撃破を切り裂き、鬼火を貫き、忍者刀を飲み込んで、3人の忍者を切り破ります。

 銃声と共に放たれた弾丸が、妖魔忍者の頭を貫く。まきあがる硝煙の中でシャルロットは次弾を装填し、狙うべき敵を探します。視界の中、きらりと光ったのは瑞穂の背後で振り上げられた忍者刀。エイッと振り下ろされる直前、放った銃弾が忍者刀を弾き飛ばす! 瞬間くるりと身を翻し、瑞穂が忍者を切り捨てる! シャルロットは周りに立ちこめる硝煙に身を隠し、再び位置を変えようとしますが、視界の隅、硝煙が奇妙に揺らぐ。
 咄嗟に飛び退ったシャルロットのいた場所を貫いていく衝撃波! 続けざま放たれた衝撃波はまた別の場所を貫いて、木立の葉を散らすのみ。
 ――当てずっぽう、ですか。煙がなければ危なかったですね。
 とはいえ、またいつ何時まぐれ当たりが来るかわかりません。木の影から木の影へと慎重に場所を変えますと、衝撃波を放ち続ける妖魔忍者へと狙いを定め、発砲。 倒れ伏す忍者の姿を見ながら、シャルロットは再び次の狙撃位置に移動し始めます。
「さっきは少し欲張り過ぎましたからね」

 背中合わせに妖刀を構えるニノマエとサヤ。取り囲む忍者に向けてニノマエが笑みを浮かべます。
「上等だ、全員吹っ飛ばしてやるぜ」
 一人の忍者が、印を結び鬼火を放った所へ、ニノマエが跳躍。頭上から飛び込みざまに『輪廻宿業』を振り下ろす!
「当てるなら当ててみろ、――その首と引き換えになっ!」
 その鬼気迫る表情に思わずたじろぐ妖魔忍者。制御を失った鬼火を切り破り着地際、返す刃で一刀両断、ニノマエの足元に妖魔忍者が倒れ伏す。ニノマエはそのまま妖刀をピタリと霞に構えますってぇと。
「いくらでも来な、焔さえ呑み込む漆黒の影ってなァ、俺のことだ!」
 おのれと切り込もうとする忍者達のゆく手を阻むように、サヤが無数の妖刀を解き放つ。一つ二つと身をかわし切り込む隙を窺う一人の忍者。その足元へサヤが再び妖刀を打込みますってぇと、待っていたとばかりに飛び越えて間境を切った瞬間、サヤの口元に笑みが浮かびます。
「待っていたのはこちらも同じさ」
 サヤの背後に隠されていた一振りの妖刀が、飛び込んできた忍者の喉元を刺し貫きます。
 ふっとサヤが気を抜いた瞬間、倒れざまに振るわれる忍者刀! させるかっとばかりに、サヤを突き飛ばすニノミヤ。左腕を盾に致命傷を防ぎ、右手の妖刀で首を刎ねる。
 血相を変えて駆け寄るサヤに、ニノミヤはことさら笑って見せます。胸をなでおろす、サヤには見えぬ彼の首筋に、つうっと脂汗が滴ります。
 ――痛手を受けても漆黒の下に隠れちまうのは幸いだな。
 しょげかえる相棒に心配をかけまいとニノミヤは痛みを噛み殺し、次の妖魔忍者へと駆け出します。
「さあオレはまだ全力で戦えるぜっ!」

 数を減らしていく忍者達の姿に、アインは砂嵐の維持を止めて、次の術を仕掛けます。呼び出したのは彼が扱う使い魔の片割れ――白き霊鳥でございます
「さてと……『神羅』、その神罰の鴉羽を以て、武田軍の忍者たちを討て!」
 言うや否や神羅の目の前の空間からバサリとあふれだす鴉羽! それらはさながら矢の如く、アインの目の前の忍者達を射抜きます。倒れ伏す妖魔忍者達、その中を駆け抜ける忍者が一人!
 砂嵐を解除した今こそ最大と好機、とばかりに残り少ない命を燃やして高速移動! アインが放つ鴉羽の雨を仲間の身を盾に駆け抜けて、首はもらったとばかりに忍者刀を振り下ろす!
 そこへ閃く光の刃、間一髪割り込んだアーサーがシャインブレードで忍者刀を受け止める。仕損じたと悟って飛び退ろうとする忍者の体を放った鴉羽が貫きました。
 駆け出すアーサーを見送り、アインは周囲を見回します
「忍者たちは使い捨て、なんて思ってたりしないかな? 大将はどこにいるんだろう……」

 残る忍者もあとわずか。彼らに向かい、セシルが声をかけます。
「そろそろ年貢の納め時だよ。君たちの頭領が誰か教えてくれたら、苦しまずに骸の海へ送り返してあげるけど?」
「やめておけ。此奴らが忍びであるならば、何かを問うだけ無意味に過ぎる」
 バサラの言葉を証立てるように、無言で忍者刀を構える妖魔忍者達。
「ま、聞くわけもないか」
 肩をすくめるセシルに向けて殺到する忍者達。振り下ろされる切っ先にセシルがその目を向けた瞬間、刀身にピシリと走る黒い筋。その筋は忍びたちの体にも放たれまして、直後、血を吹き出して倒れ伏す忍者達。セシルが放った空間の歪みが不可視の斬撃となって刃もろともとも忍者達を切り捨てます。ならばっと放たれた衝撃波、視界の外、背後からの一撃をセシルはその身に纏わせた空間断裂で弾き飛ばし、差し伸べた手から解き放った無数のひずみによって彼の忍者の体を細切れに刻んでまいります。

 真っ向大上段から振り下ろされる忍者刀! バサラは陰陽剣でそれを受け止める。忍びが鬼火を生じる前に、喉につきたつ陰術の剣。ドウと倒れ伏す忍者に背を向け、バサラは自らを取り囲む妖魔忍者達へ声をかけます。
「貴様らもわかっておろう――もはや趨勢は決した」
「今更、降伏しろとでもいう気か」
 忍者の言葉を、バサラはまさかと一笑に付す。
「あとはきっちり根絶やしにするだけよ、貴様らも忍びならば覚悟はできていよう」
 再び無数の大剣を呼び出すバサラ、それが放たれるより早く妖魔忍者達が疾走! 次々に降りかかる大剣を忍者刀で弾き飛ばし、左手を犠牲に払い除け、喉の代わりに右腕を差し出し、腹を貫かれても脚を止めずに跳躍。全員がバサラの喉元を食い破ろうと大口を開けて……。
「見事、だが……一手届かん」
 バサラが放った横なぎの一撃が、最後に残った忍者達を真っ二つに引き裂いたのでございました。

「これでこの戦も楽になろうよ」
 彼の言葉を証明するように、ほどなく武田軍陣中に退却を知らせる陣太鼓が鳴り響きまして――直後、徳川の侍たちの悲鳴と怯えの声が戦場に響き渡ります。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 武田軍陣中に響き渡る、退却を知らせる陣太鼓。そのさなか、一人の武将が配下の赤備えたちを呼び出します。
「……忍びたちは、皆討たれたか。よもや二度まで死なせることになろうとはな」
 しばしの瞑目の後、侍が声を張り上げる。
「聞けい、皆の衆! 此度の戦はもはや負けぞ、これより我等は死兵となりて、一人でも多くの友軍を逃げ延びさせる! 『甲斐の虎』復活の時まで雌伏し、共に戦場を駆けたいという志あらば、もろともに落ち延びよ! さもなくば――此度の命、ワシに預けよ!」
 是非もなしとばかりに頷く赤備え達。武田軍の退路の殿を務めるように立ちはだかる偉丈夫に、勢いに乗った徳川軍もさすがに怯む。
「退けい、雑兵ども! 貴様ら我が相手をする器ではないわ!」
 大音声の一喝に徳川の侍たちがじりじりと後ずさる。

「あやつらでは我が配下――透破達の相手は務まらぬ。出てこい猟兵! さもなくば徳川の兵ども、一人残らず撫で斬りぞ!」
 咆哮を目印に侍大将へと向かう猟兵たち。

 さあ、いよいよ姿を現しました侍大将。 甲斐透破達の頭領にして、近江甲賀忍法の使い手。山本勘助らと並び称される五名臣の最後の一人。信玄の数少ない負け戦、砥石崩れの殿を支えた武将。
「――横田備中守高松。此度の殿、見事、仕遂せて見せようぞ!」
セシル・バーナード
御大将のお出ましか。てっきり飛び加藤が出てくるんじゃないかと思ってたよ。
侍で忍者か。しかもオブリビオン。手段選ばずでくるだろうね。その勝負乗った。

備中守、過去は過去へ還るんだ。

「全力魔法」「範囲攻撃」「2回攻撃」で裁断空間を使い、配下ごと備中守を切り裂いていく。
配下を狙う必要がなければ、「全力魔法」の空間断裂で備中守を狙うよ。
空間断裂も裁断空間も、鎧の防御力は無視するからね?

攻撃されたらまず「見切り」、回避出来ないと判断したら、瞬間的に次元装甲を発動。一瞬で解除し反撃する。
忍者と来れば、手段は選ばないもの。目潰しを仕掛けられないように留意。分身や手裏剣も使うかな?

横田備中守高松、討ち取ったり!


ミツルギ・サヤ
ニノマエ【f17341】は相棒

あんたらの血も怨念も、全部あたしが引き取って
彼岸の向こうへ連れてってやるよ。
……約束だ。だからもう血と骸の海でおやすみ。

近づく前に削られるのは勘弁だねぇ。
妖剣解放。
あんたらに削られるよか随分とマシさ。
こっちも衝撃波を放つんだけど、
戦国兵団を大将の周りに寄せて集めるように
立ち位置考えながら高速移動を繰り返す。
無差別攻撃に兵団を巻き込めるかい?
そういう気概があんなら、やるといいよ。
敵の陣形を崩して兵団を盾に使いながら、ニノマエを前へ行かせるよ。
まァ、合体したところで鎧の継ぎ目や脚が弱点じゃないのかねェ。
踏み込んできたところで足首を一閃してやろう。
その一撃、当てさせぬ。


ニノマエ・アラタ
ミツルギ【f17342】は相棒

最後まで殿を務めるってかい。
だが、俺達はそれすらも突破して総大将の首を取る。
友軍には既に猟兵の追手がかかってるぜ。

…俺は弱ぇからよ。
あんたらの方法だけど言葉が武器になるなら、使うぜ。
感情は剣筋を歪める。

ミツルギが衝撃波で崩した地点へ突入。
兵団の得意武器を使わせず、刀で斬り伏せて大将の元へ。
一刀の間を読んでかいくぐり、一閃にかけるしかねェ。
攻撃には攻撃を、だ。
斬り結びながらどっちの集中が長く続くか、根競べさ。

ミツルギと同時に攻撃を仕掛けて、手数で勝つ。
剣筋を読まれぬよう同時攻撃。
輪廻宿業の間合いより、防御できない位置を狙う。
身体を低く沈みこませて、下段から一閃だ。


オブシダン・ソード
【剣狐】
徳川のお侍さん達も見てるし、ここは剣豪殿にお願いしようか
真の姿に。いすゞの剣として戦う
さあ行こうか、相棒

あの武将、退き口での戦いが有名なんだってね
立ちはだかる姿も一際大きく見えるみたいだよ
……あれほんとに大きくない?

さてさて目指すは大将首だ
攻撃には軽口混じりで警句を飛ばして、進む場所を指示
避けきれなさそうなら、オーラ防御で一時的に守ってあげる
さあ、がんばれがんばれ、素振りの成果を見せてよ相棒
鼓舞は85ある

攻撃の際は彼女の斬撃に合わせてユーベルコードを発動

さあさ、鎧も具足も守りに足りぬ、我が刀身の冴えをご照覧あれ
斬り進んで、敵の眼前へ
最終的に身軽な彼女なら届くでしょ

いざ――その首、貰った


小日向・いすゞ
【剣狐】
真の姿
尾が二尾に

自ら捨て奸引受し
その意気や良しっス
ただあっしらも命は預かってンスよ
アレはあっしが抑えるっス
アンタ達は怯まず進むっスよ

アンタらの虎を復活させる訳にゃァ
いかないっスからね

センセいいえ、相棒
指先を噛み、彼に破魔を籠めた紅を施し
行くっスよ!

加護を信じる限り、六尺の熊だって真っ二つ
なぁんて
アレ何尺っスか?

逃げる訳じゃないっスが
逃げ足には幾分自信があるっス

戦国兵団は相棒の指示で跳ねて、避けて
余裕があれば護符で足止めを
全く褒め詞が、お上手で
たまにゃァ護って貰えるのも嬉しいモンスよ

合戦具足にゃ
管狐力を貸すっス!

さあさお立ち会い
触ったばかりでかように斬れる
狐が虎の仔を喰らう様、ご覧あれ!


アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可

何時までも戦国時代の気分でいるなっての…そういうノリは、この世界でも時代遅れだぜ!

で、ロボになる敵将に対して…いややっぱおかしいわ何で戦国武将がロボに合体すんの? 徳川の大将もロボ合体できたよな…すげーなサムライエンパイア

だが、ああいうのはバランスを崩すと弱いもんだぜ。槍形態に変形させたライドランを【槍投げ】の要領で【エクスプローシブ・ドラゴンライド】を発動、敵の四肢に狙いを定めてぶちかましてやるぜ! 爆破後は光の鎖で部位を縛り上げ、【怪力】で敵の動きを力ずくで抑え込んでやる!
もし敵が刀で防御したらなお良し、刀を爆破しつつ光の鎖で縛り上げて刀を封じてやるぜ!


アイン・セラフィナイト
他の人を逃がす為のしんがりか……すごい覚悟だけど、キミたちはすでに過去の残影だ。
今を生きてる人たちに叛逆するのは、猟兵にとっては見過ごせないよ。

まずは仲間の猟兵さんたちを【大風精の迅風】で強化、ボクは離れて支援に回るよ。

【魔を滅ぼせ、我が神烏】で使い魔たちの能力を活性化、【神烏の裁き】と【魔烏の看破】で現れる霊ごと全てまとめて攻撃だ!(『全力魔法・動物使い・属性攻撃』)

サムライエンパイアに平和を取り戻す第一歩として、キミたちを骸の海に還すよ!

(アドリブ・共闘歓迎)


クリスティアーネ・アステローペ
名乗りに応じるように【権能覚醒「嵐と雷」】
改めて私の流儀で名乗り返し
「吸血鬼にして断罪者。アステローペのクリスティアーネより武田軍の横田備中守高松へ。剣と月の祝福を」


まず権能覚醒で得た速度を以って突撃、高松含め被害を大きくするように【咎を穿て、赫き杭】
この杭は我等の血潮にして我等が祈り、領地を侵す者への呪詛憤怒
多少逃げたり、命を賭した程度で逃れられるものではないと知りなさい

けどそういう覚悟は嫌いじゃあないわ
せめてもの敬意としてその首、貰い受けましょう
赫き杭は足止めや牽制
断頭斧槍で鎧の破壊、斬首剣で首を狙って攻めましょう
最後はエヴェリーナで首を断つ、と行ければいいわね

ああ、この血も美味しそうねえ


舞塚・バサラ
【SPD】
大した名乗りで御座るな
ならば流儀に則って
罰裁羅忍群、“舞塚”が後継
舞塚・バサラ

現世を脅かすその業を罰し、裁きに参った
いざ、罰裁羅の業を執行するで御座る

狙うは相手が具足を履いた時に御座る
戦闘力は強大なれど、巨大となる分小回りは利かぬと踏んだ
ならば、某の月影牙の速度にて撹乱するまで
敵の得物の間合いより少し遠くを駆けるで御座る(逃げ足、見切り、残像、存在感)
何より、アレは具足
ならば、動き易くする為に脆くなる箇所が存在するで御座る故そこを徹底的に砕くで御座るよ(暗殺、部位破壊、鎧砕き、武器落とし)

大した具足で御座るな
なら某も一芸披露仕る
_なに、蛙に御座るよ。そう見えるかは知らぬで御座るがな


秋津洲・瑞穂
あら。あらあらあら。

そこに居られるは横田備中殿ではありませんか。
透破なぞ立ててくるから、いずれ戦下手の雑軍かと
思うておりましたら、あなたほどの武人がおいでとは。
とんだ節穴でしたわね。
……ああ、すると先の透破は、近江甲賀の里者たちですか……。

ふむ(ほっぺぽりぽり

小細工で絡めとろうかと思っていたけれど、
これほどの勇士に対する扱いではないわね。
真っ向勝負させてもらいましょう。

「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

ダッシュ20で突撃、鎧無視攻撃30・2回攻撃30で斬るわ。
防御は残像30・オーラ防御30に任せる。
戦国兵団が出ようと気にしない、一騎討ち狙いあるのみ!
邪魔が入れば下がるけど、すぐまた突撃よ!




「大した名乗りで御座るな」
 と言いながら、周囲の赤備えと相対するのは、舞塚・バサラ(f00034)。巨大化した高松を見て戦いの算段を練っております。
――戦闘力は強大なれど、巨大となる分小回りは利かぬ。狙うべきは速度での撹乱。
「……いや、やっぱおかしいわ何で戦国武将がロボに合体すんの? 徳川の大将もロボ合体できたよな……すげーなサムライエンパイア」
 そう言いながら乗っていたバイク――ライドランを槍へと変形させて、アーサー・ツヴァイク(f03446)もまた赤備え達の人に切り込んでいきます。

「あら。あらあらあら」
 二人が赤備えを切り捨てていく後ろで、驚き声を上げましたのは秋津洲・瑞穂(f06230)。
「そこに居られるは横田備中殿ではありませんか。透破なぞ立ててくるから、いずれ戦下手の雑軍かと思うておりましたら、あなたほどの武人がおいでとは。とんだ節穴でしたわね」
 ――雑軍なら、小細工で絡めとろうかと思っていたけれど、これほどの勇士に対する扱いではないわね。
 ってんで、瑞穂は愛用の神獣刀を引き抜き、横田高松へ向けてぴたり正眼に構えますってぇと。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります!」
 さあ今こそ真っ向勝負とばかりに、一直線に駆け抜けまして、瑞穂が高松へと切り付ける! 対する高松、合戦具足を装着し、その身の丈十尺五寸。それに見合った大太刀でもって、彼女の刃を受け止める。チャンチャンバラバラ、切り結ぶ内、エイッと放たれた薙ぎ払いをしゃがんで躱し、伸びあがるように放った一撃が高松の胸元を引き裂きます。もう一太刀、と振り下ろそうとする瑞穂へ向けて赤備えの火縄銃が放たれる。鋼を切る音とともに大きく飛び退る瑞穂、彼女の足元に両断された鉛玉が転げおちます。高松との間に立ちはだかるように展開された赤備え達と相対しながら切り込む隙を探ってまいります。

 瑞穂ばかりではございません。クリスティアーネ・アステローペ(f04288)もまた流儀とばかりに名乗りを上げる。 彼女の瞳が真紅に輝き、その背に現れる黒い翼。処刑人の魔杖斬首剣"慈悲深きエヴェリーナ"で横田の首を指し示しますってぇと。
「吸血鬼にして断罪者。アステローペのクリスティアーネより武田軍の横田備中守高松へ。剣と月の祝福を」
 言うや否や羽ばたき一つ、空中へと飛び上がりまして高松へと向けて突っ込んでいく。そうはさせじと行く手を遮る戦国兵団、高松配下の赤備え。
「邪魔よ」
 クリスティアーネが手を一振りしますってぇと、大地の血だまりから無数の杭が飛び上がって、上空から赤備えへと撃ち込まれる。
「この杭は我等の血潮にして我等が祈り、領地を侵す者への呪詛憤怒。多少逃げたり、命を賭した程度で逃れられるものではないと知りなさい」
 なるべく多くの赤備えを巻き込むようにクリスティアーネは呪詛の杭を打ち込んでまいります。

 それに続くのは小日向・いすゞ(f09058)とオブシダン・ソード(f00250)。
「自ら捨て奸を引受し、その意気や良しっス。ただあっしらも命は預かってンスよ」
 と、いすゞは後方の徳川軍に向けて声をかけます。
「アレはあっしが抑えるっス。アンタ達は怯まず進むっスよ」
「徳川のお侍さん達も見てるし、ここは剣豪殿にお願いしようか」
 と言って、オブシダンは真の姿――黒曜石の剣へと変じます。その柄を掴んだいすゞもまた真の姿を開放し、二本に増えた尾を揺らす。
「さあ行こうか、相棒」
「センセいいえ、相棒――行くっスよ」
 いすゞは軽く指先を噛んで、溢れる血でもって黒い刀身に紅色の化粧を施しますってぇと、横田へ向けて駆け出します。
「さてさて目指すは大将首だ」
 そうはさせじと行く手を阻む赤備え達。横合いから振り下ろされる刃を、いすゞはヒラリと跳んで躱しまして、唐竹割りでもって一刀両断!
「うまいうまい、素振りの成果だね、相棒。――さ、他の太刀筋も見せておくれよ」
「全く褒め詞がお上手で、っと!」
 ご期待通りとばかりに袈裟懸けに切り込むいすゞ。その一撃を目前の赤備えが受け止めて鍔競り合い、いすゞの動きが止まったところへ別の赤備えが刺突を放つ。その切っ先がいすゞの喉元へと突き立つ寸前、空中でガキンと弾かれる。オブシダンが放ったオーラによる防御でございます。いすゞ、咄嗟に鍔迫り合いの力を逸らしてよろけさせ、突っ込んできた赤備えへと突き倒しますってぇと、振り下ろします黒曜剣! 二ツ胴真っ二つでございます。
「たまにゃァ護って貰えるのも嬉しいモンスよ」
 と軽く息を吐くいすゞを鼓舞するようにオブシダンは声をかけ、進む場所を指示してまいります。

 切り込んでいく猟兵たちを遠くで見ながら、支援へと回ったのはアイン・セラフィナイト(f15171)。
 殿を務め、友軍の逃走を助けようとする高松の配下達へ目を向けます。
「他の人を逃がす為のしんがりか……すごい覚悟だけど、キミたちはすでに過去の残影だ」
 言ってアインが放ったのは、四大の一つ風精シルフの加護。翡翠色の風が仲間達を包んだ瞬間、彼らの動きが見る間に加速いたします。
 アインの働きに気付いた赤備え、捨て置けぬとばかりにアインの方へと走り出す。彼らの周りで鳴り響く無数の鴉の羽の音。アインが解き放った不可視の使い魔たちでございます。
 何事かっと、足を止めて周囲を見まわした赤備え、その喉元を剃刀の如き鴉の羽が切り破る。それを皮切りにあられと降り注ぐ鴉の羽に流石の赤備え達がたたらを踏む。
「今を生きてる人たちに叛逆するのは、猟兵にとっては見過ごせないよ」
 自らを鴉たちに守らせながら、アインは仲間の支援を続けます。

「ふう、この風はありがたいねぇ」
 翡翠の風を纏って駆けますのはミツルギ・サヤ(f17342)、そしてニノマエ・アラタ(f17341)でございます。
 近づかせんっとばかりに、大太刀を振るい高松が放った衝撃波。ニノマエは足を止めて、その一撃を受け止める。
「近づく前に削られるのは勘弁だねぇ」
 一方、サヤは自ら妖刀の怨念を纏って加速、衝撃波を躱します。地に刻まれた斬撃痕を飛び越えて、お返しとばかりに赤備え達へと連続して衝撃波を撃ち放つ。
 さあ赤備え、一回二回は耐えられましたが、連続して打込まれればたまりません。思わずパッと飛び退った所へニノマエが踏み込んで、抜刀一閃! 切り捨てます。
 2人、赤備えの隊列に切り込みまして、バッタバッタと切り伏せる。乱戦でございます。さあこうなると高松、衝撃波は使えません。味方諸共切ってしまう。
 窮した高松が取り出しましたのは、八方手裏剣。エイッとばら撒く様にニノマエ達へと投擲する。サヤはそれを跳んで躱し、ニノマエは妖刀『輪廻宿業』でもって弾き飛ばす。ニノマエが足を止めましたその瞬間、赤備えが日本刀で切りかかる。妖刀を振るって一太刀目を弾き、二太刀目をそらして三太刀目、打込まれる寸前ニノマエが口を開く。
「最後まで殿を務めるってかい。だが、俺達はそれすらも突破してやる。……友軍には既に猟兵の追手がかかってるぜ」
 聞いた瞬間、赤備えの体がぎくりと強張り、その情報を今すぐ伝えるべきかと逡巡が生まれ――。感情に揺らいだ太刀筋をニノマエがたやすくはねのけ、返す刃で赤備えを切り捨てる。
「……俺は弱ぇからよ。あんたらの方法だけど言葉が武器になるなら、使うぜ」
 倒れ伏した赤備えを一瞥しニノマエは再び高松へ向けて駆け出します。

 さて戦国兵団の陣の片隅、全身を切り裂かれ倒れ伏す赤備え達。その真ん中で涼しげに微笑むのはセシル・バーナード(f01207)でございます。
 高松の巨躯を見上げまして。
「御大将のお出ましか。てっきり飛び加藤が出てくるんじゃないかと思ってたよ」
 セシルの言葉に、高松じろりと睨み返す。
「飛び加藤? あやつは若殿の命を狙った不届き者よ。――我等とは決して相容れぬわ」
「そうかい、けれど。相容れないのはぼくらも同じ。過去は現在に成り代われない。
 備中守、過去は過去へ還るんだ!」
 空間を歪ませてセシルが放った不可視の斬撃に、背後から忍び寄っていた赤備えの体が切り裂かれ、高松が持つ大太刀も微塵に刻まれたと見えましたが、直後、その刃セシルの頭上へと降りかかる!
「――残像かっ」
「然り、貴様の魔技とてそうやすやすとは受けてはやれぬ」
 太刀筋を見切って大きくかわしセシル、自らを取り囲む赤備え達へ再び不可視の斬撃をはなちます。

「近づいてみると、やっぱりでかいな」
 龍の意匠の槍でもって赤備え達を押し返しながら独り言ちるのはアーサー。見上げた巨体は十尺五寸、およそ3m余りでございます。
 ――だが、ああいうのはバランスを崩すと弱いもんだぜ。
 アーサーぐるりと槍を振るってあたりの赤備えを切り倒しますってぇと、やり投げの構え。させるかっと高松が振り下ろした大太刀を躱し、踏み込んだ右足へと投げつける!
 命中と同時に穂先が爆ぜて、高松思わず体勢を崩します。彼の四肢に絡みつく光の鎖、その端をアーサーが握りまして、高松の動きを封じようと引き絞ります。
「好きにさせるな! ここが命の捨て時ぞ!」
 叫びながらアーサーへ殺到する赤備え達。
「何時までも戦国時代の気分でいるなっての……そういうノリは、この世界でも時代遅れだぜ!」

「だとしても我等は……これよりほかに在り様を知らぬ!」
 叫びと共に鎖を引く高松。その力にアーサーが引きずられ思わずたたらを踏んだところへ、赤備えの一人が日本刀を振りかざす。振り下ろされた一撃に割り込んだのはバサラでございます。。
「故にこそ某達がいるでござるよ」
 いっそ静かな言葉で、バサラ一刀のもとに赤備えを切り捨てますと、高松へと刀を構えて名乗りを上げます。
「罰裁羅忍群、“舞塚”が後継。舞塚・バサラ。
 現世を脅かすその業を罰し、裁きに参った。――いざ、罰裁羅の業を執行するで御座る」
 両腕を鎖から放った高松、薙ぎ払うように放った水面切りをバサラは大きく跳んで躱しまして、空中で印を切ります。
「大した具足で御座るな。ならば某も一芸披露つかまつる!」
 言葉と共にバサラの影が膨れ上がり、現れたのは影の如き巨大蛙!バサラはその背に乗りまして撹乱するように高松の周りを跳び回る。ええい小癪なっと、振り下ろされた刃を躱し、上空から蛙が伸ばした舌が具足の関節部分を打ち砕く。苦痛に呻く高松を前にバサラは再び蛙と共に跳びまわります。

 さてクリスティーナとセシルが高松諸共赤備えを攻め立て、隙を見せれば瑞穂が高松へ斬り込んでいく。その一撃を受け止めるうち、サヤが衝撃波でもって赤備えを吹き飛ばし、出来た道を切り破ってニノマエが高松へ一刀を浴びせる。反撃の刃を躱せるようにアインが翡翠の風で仲間を支援し、それに乗って加速したいすゞが高松へとオブシダンの剣を振るう。反撃に動けば即座に放たれるアーサーの槍と光の鎖。支援に動こうとする赤備え達を間で飛び跳ねるバサラの蛙が轢きつぶし、ときには舌を伸ばして高松の具足を打ち砕く。

 初めの内こそ五分と五分ではございましたが、戦国兵団が一人消え二人消えていくうちに、猟兵たちが押してまいります。
 あたりを取り囲んだ赤備えがいない隙に、っとアーサーが再び槍を構える。ベルトから放たれる光でもって右手の槍にエネルギーを込めて、高松の肩めがけて投げ放つ!
「俺たちの一撃……受けてみやがれ!」
 放たれた槍を高松は大太刀でもって弾き飛ばしますが、アーサーしめたとばかりに槍を爆破、光の鎖でもって大太刀を縛り上げる。

 アーサーが動きを封じたのを見て、即座に動くセシル。
「今なら――躱せないだろう?」
 セシルがピシリと空間を歪ませた瞬間、高松の口から彼の目に向けて放たれる黒い影。セシル咄嗟に歪みの形を変えて、斬撃でもってこの影を切り捨てる。両断され、地に落ちたのは一本の含み針。セシルが警戒していなければ、まともにこの目つぶしを貰っていたでしょう。
 改めて放ったセシルの一撃が到達する寸前、高松は鎖から脱出しましたが。彼の大太刀に走る黒い筋。セシルの斬撃が彼の大太刀を半ばから両断しておりました。

 蛙と共に高松の間合いに入らぬよう立ち回っていたバサラ。大太刀が短くなったのを見て、一気に間合いを詰めてまいります。足元の赤備え達を踏みつぶしながら、高松の前に着地した巨大蛙、そこへ高松が折られた大太刀を振り下ろす。
「見誤ったな!」
 降りかかった刃が蛙を引き裂き――血も残さずに消えてしまう。そして高松の背後から響く蛙の鳴き声。
「残像を扱えるのは――お主だけでは御座らん」
 背後に回ったバサラの蛙の一撃が、高松の右足の具足を砕きます。

 思わず崩れ折れる高松を守るように展開する赤備え達。その頭上に響き渡る鳥の羽音と無数の鴉の鳴き声。思わず彼らが見上げた空に鴉どころか雀一匹いはしません。
 アインもまた高松の間合いが短くなったことを見て取って、攻勢へと移ってまいります。
「サムライエンパイアに平和を取り戻す第一歩として、キミたちを骸の海に還すよ!」
 たちまち降り注ぐ鴉羽の刃が赤備え達の甲冑を貫き、彼らを骸の海へと返してまいります。

「まだだ! まだ終われぬ!」
 満身創痍になりながらも刃を振るう赤備え達。そこへサヤが優しく言葉をかけます。
「もういい。もういいんだ。あんたらの血も怨念も、全部あたしが引き取って彼岸の向こうへ連れてってやるよ」
 言葉と共に赤備えを切り伏せ、サヤはその目を閉ざしてやります。
「……約束だ。だからもう血と骸の海でおやすみ」
 彼女の脇を駆け抜けて高松へと切り込むニノマエ。振り下ろされる大太刀を逸らし、返す刃の薙ぎ払い、これを高松は刀を縦に受け止める。
 ――大太刀の間をかいくぐって一閃。どっちの集中が長く続くか、根競べさ。
 三太刀、四太刀と切り結んだところへ、おっとり刀で駆け付けるサヤ。一瞬視線を交わらせますってぇと、二人同時に仕掛けます。高松の懐へ飛び込むニノマエ、迎え撃つように高松が刀を振りかざした瞬間。
「その一撃、当てさせぬ」
 サヤの斬撃が高松の足首を引き裂き、体勢を崩した所へと、跳ね上げるようなニノマエの斬撃。逆袈裟の一閃が高松の左腕を存分に切り裂きます。

 飛び散る高松の血に相好を崩すクリスティアーネ。
「ああ、この血も美味しそうねえ」
 言いながら、右手の断頭斧槍"救済者フランツィスカ"で、赤備えの頭を砕き、斬首剣でもって別の赤備えの首を刈り落す。
「命を賭したその覚悟は嫌いじゃあないわ。せめてもの敬意としてその首、貰い受けましょう」
 再び放った赫き杭を追うように飛翔しますと、高松へ向けて一直線。高松が杭を弾いた直後、首を狙って斬首剣を振り下ろす。その一撃を高松、兜の額で逸らしますが、エヴェリーナの刃が彼の右肩の鎖骨に深々と突き刺さっておりました。

 深手を負った高松に、好機とばかり懐へ飛び込む瑞穂。一つ二つと切り結ぶうち、高松の剣速が見る間に鈍る。こうまで深手を負ってしまえばもはや敗北は免れない。せめて一人でも道連れにっと、相打ち狙い。瑞穂が踏み込み切り付けた瞬間、その刃と交錯するように瑞穂へと刺突を放つ。その切っ先が喉元に達する寸前、瑞穂はくるりと身を翻して切っ先を躱す。
「一刀二閃、その籠手もらうわよ」
 引いた刃を返して放った一撃が高松の二の腕を切り裂きます。

 そこへ踏み込んだのはオブシダンの剣を構えたいすゞでございます。
「さあさ、鎧も具足も守りに足りぬ、我が刀身の冴えをご照覧あれ!」
 言葉と共に切り上げたオブシダンの刃、首を狙った一刀は高松の大太刀に逸らされて、真紅の具足を黒曜石の刀身が切り破る。
「さあさお立ち会い。触ったばかりでかように斬れる!」
 切り返す高松の大太刀をいすゞが躱すその度に、彼女の周りに現れる管狐。彼女が握るオブシダンの剣閃が、さらに早く鋭くなってまいります。合戦具足をたやすく切り破る彼女の刃に、高松もはや邪魔物っとばかりに合戦具足を脱ぎ捨てますってぇと、生身でもって大太刀を上段霞に構えて、いすゞへ向かって一直線に突進する!
 いすゞもまた剣を斜に構え、高松を迎え撃つように駆け出していく!
「狐が虎の仔を喰らう様、ご覧あれ!」
「いざ――その首、貰った!」
 交差する寸前、高松が放った手裏剣をいすゞ身をかがめて躱し、立ち上がりざま跳ね上げたオブシダンの切っ先が、大太刀諸共、高松の首を落としたのでございました。



 徳川軍の歓声と喝采の中、風に溶けるように消えていく横田備中守高松と赤備え達。さて、横田高松が消えた場所、一つの巻物が落ちて御座います。
 不審に思って猟兵たちが拾い上げてみれば、表に記された『第六天魔軍将図』の文字。巻物に記されていましたのは信長軍に集う『偉人武将軍団』の名でございます。そこに名を連ねていた武将とは、なんとなんとぉっ!

 ……丁度、時間でございます。この続きは御席改めまた口演。
 寛永三方ヶ原の戦いより、武田忍法三段破り。抜き読みの一席でございました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月29日


挿絵イラスト