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往来より子らの笑い声は絶え

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●唄声に満ちた日々
 闇に覆われた世界では貴重な焼きたての白パンをふわりと千切る。たっぷりの肉と骨から煮出したコンソメに浸して口に運び、黒い翼を背負った男は微笑んだ。
「ああ、温まる。こんな日は素朴な歌が聞きたいね。牧歌的な……27番の君、唄っておくれ」
 男がさっと手を振れば、部屋の隅の暗がりから少年が一人進み出る。ぱくぱくと口を開き未成熟な喉から囀るような声を絞り出す。その目に光は無く、従順に従う姿は人形のよう。
「寝物語は53番に頼もうか。明日の朝は……39番の聖歌で目覚めたいね」
 翼を持つ男は深く頷いて食事を進める。
 壁際には数十人の少年少女が陳列されていた。

●予知したものの既に村は滅び
 ナイ・ノイナイ(グリモア猟兵・f02501)が軽く会釈する。
「まず、俺の話に足を止めてくれて感謝する。予知したのはダークセイヴァーのある村。既に滅び、廃墟と化した村だ」
 もう滅びているんだ、とため息を吐きナイは続ける。
「無人の村内には猪型の魔獣が数匹住み着き、土地や家屋を荒らしている。放っておけば数を増やし他の村を襲うようになるだろう。だが、問題はそれだけではないんだ」
 グリモアに手を翳し、難しい顔をする。
「何か……この村を滅ぼした原因がまだ近くにあるようだ。どこかは見えない。今なら村で手掛かりが見つかりそうなんだ。猪の魔獣が荒し尽くしてからでは遅い。村人の遺体は食い荒らされ、足跡は蹄に上書きされ、文書は泥に埋もれるだろう。裏で誰が動いているかも分からずに」
 ナイはじっと猟兵の瞳を見つめて願った。
「まずは魔獣の駆除を頼む。村に滅びをもたらした原因を討ってくれ、猟兵」


件夏生
 初めまして、宜しくお願いします。

●概要
 このシナリオは三章になります。
 1章:魔獣を駆除し滅びた村から事件の手掛かりを探します。
 2章:手掛かりから見つけた悪党から、更にオブリビオンの情報を引き出します。
 3章:オブリビオンを撃破します。
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第1章 冒険 『廃墟の魔獣』

POW   :    魔獣の痕跡から居場所を特定する

SPD   :    罠や仕掛けを用意して設置する

WIZ   :    地形や建物を調べて戦闘しやすい場所を探す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

富井・亮平
【心情】
おのれ魔獣めッ!
このイェーガーレッドが来たからには、もうお前達の好きにはさせんッ!
手っ取り早く片付けてしまうぞッ!

【行動】
「こいッ! エェレメンタルッ!! レェギオンッッ!!!」
煌々と輝く光の精霊たちを召喚するぞッ!
とにかく目立つことで魔獣達をおびき寄せてやるッ!

そのままパンチやキックによる乱闘に持ち込むぞッ!
精霊たちは閃光を放つことで牽制したり隙を作ったりしてほしいッ!
余裕があればビームによる援護射撃もなッ!

戦闘員との乱闘は正義の味方の得意技ッ!
この闇夜に、正義が健在であることを知らしめるぞッ!


摩訶鉢特摩・蓮華
廃墟になった村…このダークセイヴァーでは特に珍しくない、ありふれた光景なのかもしれないけど…でもここで、この村で、日々の暮らしを営んでいた人たちがいる。一生懸命に生きてた人たちがいる。それを想うと胸の中がざわついて悲しい気持ちになる。でもそれ以上に、こんなことをした存在に怒りを覚えずにはいられない!絶対に許さないから!

まずは魔獣のお掃除だね!念動力で浮きつつ、折鶴の炎で処理していこう。なるべく村内を荒らさないようにね。

終わったら手がかりを探そう!地面の足跡とか遺体の状態とか建物の壊され方とか。屋内も徹底的に捜索するね!あと変わった匂いがしたりとかあるかも。それから村の回りも調べてみよう!



●廃墟に灯る火を誰が見ようか
 春も間近だというのに廃村はくすんだ影の灰色と枯草の茶によって彩られていた。わずかに野草が芽吹いても無数の猪型魔獣が根こそぎ食い荒らしてしまう為だ。
 扉が開いたままの小さな家屋、ひび割れた畝、空の家畜小屋……。曇天の下に転移した摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は、伏せた瞼の裏側に映るそれらの景色に眉を寄せる。
 ダークセイヴァーでは珍しくも無い荒廃かもしれないが、かつてこの村で懸命に生きていた人々の暮らしを想うと胸の中にざわつきが生まれた。
 廃村の有様に富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)ことイェーガーレッドもまた心を震わせていた。
「おのれ魔獣め……ッ!」
 磨かれたマスクが我が物顔で村を荒らす猪達を見据える。
「このイェーガーレッドが来たからには、もうお前達の好きにはさせんッ! 手っ取り早く片付けてしまうぞッ!」
 富井は人差し指で群れを指し示すなり、真っ向から宣戦布告をして駆けだした。彼は魔獣を悪の戦闘員と認識していたが、正義を愛する熱い心は本物だ。
「うん……村にこんなひどいことをした存在を、絶対に許さないから!」
 悲しみを怒りの火に変えて、蓮華も念動力で宙に浮く。24羽の炎の折り鶴が彼女の周りに円を描き、地上の猪へ向けて舞い落ちる。
 富井もまた一節ごとに力強く叫び精霊を呼んだ。
「こいッ! エェレメンタルッ!! レェギオンッッ!!!」
 村内に光が満ちる。召喚された光そのものの精霊は煌々と輝き、富井と共に戦い始める。
 朱華散華とエレメンタルレギオンが入り混じり、朱く眩いユーベルコードが猪型魔獣の数を上回り翻弄した。
「たとえ闇夜に支配された世界でも、正義は健在だッ!!」
 率先して魔獣を引き付けて拳を振るう富井に小さく会釈し、蓮華は魔獣が離れた家屋の一つをのぞき込み、小さく鼻を鳴らした。獣臭と腐臭がする。
 食われかけの遺体を見つけ、手を合わせてから観察すると頭蓋への損傷が目に留まった。猪による攻撃はまず下半身へ向けられる物だが、この遺体に足元の怪我は無く、頭に向けて何かを振り下ろしたような陥没が見られた。同じ大きさの家具の角などは無い。
 玄関先の地面をよくよく改めれば、獣の蹄の下に無数の足跡が認められた。ほとんどは村内を行き来している物だったが、いくつかの足跡が並んで村の外へと続いていた。
「誰か逃げられたのかな? それとも……」
 不快な想像に蓮華は小さく背を震わせる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルクレツィア・ロンバルド
「ここにも滅びた村が……」
ダークセイヴァーを旅していればよく見る光景だが、何度見ても暗澹となる。死者の為に出来る事は弔いと仇討ちのみ。

【WIZ】
ユーベルコード「血煙る死蛇の舞」を使用し、魔獣の一掃を試みる。討ち漏らして逃走する魔獣があれば、あえて止めを刺さずに後を追い、行き先を突き止める。一掃に成功した場合は、魔獣の足跡を頼りに来た道を辿る。



 仲間に引き付けられた魔獣の背後に乙女が現れた。マントの裾が翻り、磨かれた黒い靴が寒村の土を踏む。
 ダークセイヴァーに生まれ育ったルクレツィア・ロンバルド(ダンピールの咎人殺し・f04214)にとって、滅びは珍しい光景ではない。命を落とした村人へ暗澹とした感情を抱き、せめて彼らに報いる為にと、一対の断罪のリリスを翳す。
「ヴォォ……!」
 刃を備えた鎖の動きに遅れて身構えた獣だったが、眼前でそれが紅の花に変わり目を白黒させた。
「踊り狂え、常夜に至る舞!」
 季節外れの彼岸の花が乱舞し、毛深い魔獣に深く切り込んで新たに血の花を咲かせる。怒り狂ってルクレツィアに真っ直ぐ襲い掛かるも、柔肌に牙が触れる前に膝を折る。
 一体、二体、三体、四体……。乙女の紅い唇が数えて冷笑する。
「死者への冒涜、この程度で許されるとでも……っ!?」
 一際大きな猪が、ルクレツィアの真横を掠めて血煙る死蛇の舞を強引に突破した。そのまま村の外の木立へと駆けて行く。
 一掃には至らなかったが問題ない。魔獣の塒が分かれば村から退けられるだろう。ルクレツィアは表情を引き締めて獣を追う。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

皆城・白露
…滅びた村、か
(救えなかった、と落胆している暇はない
これ以上荒らされないように、他の場所に手を出させないように
…或いは、胸糞悪い奴をどうやって叩き潰すか
そっちに切り替えよう)

(他猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)
【POW】使用
周囲の猟兵と協力する
荒らされた村の建物・物品・遺体を調べて、魔獣の痕跡を探し【追跡】
それらが残された時期や進んだ方向、相手の数や大きさを探る
【聞き耳】も使用し、手掛かりの収集と周囲の警戒を行う

戯れに殺したのか、何か狙いがあったのか、奪われたものはないか等も可能な範囲で調査・推測
(遺体を調べるだけ調べて放置するのも、気持ちはよくないな
なんとかしてやりたいが…それは後か)


シェーラ・ミレディ
食い荒らされた遺体に眉根を寄せる。
たかだか魔獣が、こうも死者の尊厳を貶めるとはなぁ。
──嗚呼。報いを受けさせようじゃないか。覚悟は良いか獣ども!

村を一望できる高所……屋根の上や、物見台があればそこに陣取り、空に向けて発砲。音で敵を誘き寄せ、先制攻撃。『純情一途』で狙い撃ち、近寄らせずに倒すぞ。

暇ができたら手掛かりを探すとしよう。
何か、屋内に残っていればいいのだが。
物を隠しやすそうな所を漁ったり、第六感に訴えかけるようなものを探したりして情報収集だ。

※アドリブ&絡み歓迎



 突風に白い毛並みが揺れた。静かに魔獣の痕跡を辿っていた皆城・白露(モノクローム・f00355)は顔を上げる。
 血塗れの大きい魔獣が村はずれの木立へ駆けるのを見送り、周辺の手掛かりと合わせて思案した。先に仲間が調べた無数の人間の足跡とは逆方向の木立の中に多くの蹄跡が続いていた。食い荒らされた遺体の位置は特に関連が無く、血痕から推測するに屋内で殺された後に侵入した魔獣に引き摺られたと考えられる。
 金品など目立った盗まれた様子は無かったが、強いて言うならば嬰児から成長期までの子供の遺体は一つも見つからなかった。
「……滅びた村、か」
 唇から零れた呟きにシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)が答える。
「たかだか魔獣が、こうも死者の尊厳を貶めるとはなぁ」
 気品のある所作で十字を切るシェーラへと皆城は首を横に振る。
「何とかしてやりたいが、まずは対処か。これ以上荒らされないように……。オレはあれを追う」
「ならば村の中は僕が。――嗚呼、報いを受けさせようじゃないか」
「それなんだが」
 別れ際に皆城が低く囁く。
「村人は獣ではない何かに殺られたらしい」
「……成程、考慮しよう」
 シェーラは一際背の高い家屋を見つけ、屋内の梯子から一息に屋根の上へと登り空へ向けて発砲した。無数の猪が興奮し、櫓を倒さんと周りを囲む。
「覚悟は良いか獣ども!」
 愚かな観客達に四丁の精霊銃をとっくりと見せびらかし、近づく者から順に速射を浴びせて退ける。
 村の一方では灯火が輝き、一方では銃声が矢継ぎ早に鳴り響く。
 仲間の戦いと合わせて猪の数が減った頃合いに、シェーラは懐から一枚の紙を取り出した。梯子を上る前に、千切れてバラバラになった日記の中から直感的に抜き取った物だ。
『私は間違っていない。税を納めたら妻と息子と私が一緒なら飢え死にするしか無かった。息子ももう八才だ。隣町で奉公させて貰えれば寝食の心配は要らない。稼いで、立派な大工になって帰ってくる。村長も、向かいの家も、皆そうしている』
「ふぅん……?」
 子供の遺体が無い理由は分かったが、ただの奉公が滅びに繋がる物だろうか。そして、働けないだろう赤子の遺体も見当たらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リズリット・ドート
…なくなってる、滅びた後。なくなってしまったもんは、仕方ない。でも、今からでも、多分できること…あるよな。
いこう、ラック。

とりあえず魔獣をどうにかせんとあかんね
「ガジェットショータイム」で武器を戦いやすいように変形
形?なんやよくわからんけど…おっきい音出そうな奴。襲ってくる奴はなるべく「串刺し」にして倒していかんと。なぎ払ってもええけど、村のモノ壊すのはあかんよな…
襲ってくるのだけ対処、逃げるのはほっとこう。どこ行くかも知りたいし

魔獣を大体倒した後は捜索やね。こういうのは、なんやっけ、日記を探したらええって聞いたことある
滅びの原因は魔獣だけ?でもここの世界って、もっとアカンのもいるんやろ?



 小さな竜を伴ってリズリット・ドート(響く虚ろのノイズ・f08862)は周囲を見渡した。家と道と畑が有っても、ここに生きた人の営みは無い。茫洋とした金の瞳に一つの村が失われたという事実を焼き付ける。
「いこう、ラック」
 今からでもできる事を探しに空の家々を訪ねていると、崩れかけの納屋から魔獣が一体飛び出して来る。
「ガジェットを……、なんや、おっきい音出そうな奴。刺せるような……」
 即興で手元のガジェットを変形させ、消臭スプレーとトライデントが混ざったような兵器を作る。素早く駆け抜ける獣の足を突くとガジェットから派手に音割れしたファンファーレが鳴り、竜のラックが思わずリズリットの背後に隠れた。
 魔獣も怯み、村はずれの木立へ逃げて行く。追うのは他の仲間に頼み、少年は一つ頷いた。
「とりあえず、捜索しよか?」
 住人の遺した日記や記録を拾い集めると、先の仲間の発見を裏付ける事が出来た。
 村は不作と重税にあえぎ、飢え死にを防ぐ為に仕方なく多くの子供を町に奉公に出した。快く引き受けてくれたのは町の大工ギルドのようだ。
「苦しい村は魔獣に滅ぼされた? でもここの世界って、もっとアカンのもいるんやろ?」
 解答をもたらしたのは道端で行き倒れていた男の遺体だった。雨風に晒され劣化した服の内側から零れた手紙に少年はゆっくりと瞬く。
『妹へ 丘の向こうのそちらの村に、町の大工ギルドから奉公の話が持ち掛けれられてはいないだろうか。もしそうなら、決して子供を渡してはいけない。初めは親切にしてくれたが、今では乳離れしたばかりの子供までギルド員が脅して連れて行く。町に行った孫がどうしているか誰も教えてくれない。奴らは人攫いだ。俺たちは目先の糧を得るために未来を悪魔に渡してしまった!』
 最期に村人全員でギルドに抗ってみるため、もう生きて会うことはないだろう……と締められた手紙は相手に届かないまま村の中でぼろぼろになっていた。

 村の中の魔獣は駆除された。村はずれの木立の中に魔獣の塒があり、こちらも壊滅。
 村の滅びの経緯については、猟兵達の発見を総合すると概ね以下のようになる。
 貧しい村が町の大工ギルドに子供を奉公に出していた。
 その内町の大工ギルドが無理やり子供を奪うようになり、村全体で反抗した。
 大工ギルドに村民は殺された。死体の頭蓋の陥没は工具によるのではないか。猟兵が初めに見つけた人間の足跡は町と村を往復した大工ギルドの物だろう。
 全滅した村に魔獣が入り込んだ。

 仇討ちの相手は他にもいる。それに気づけたのは猟兵の連携と根気強い捜索のお陰だ。
 猟兵は誰ともなく足跡の続く道の先、町を見遣った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『「命」を扱う商売』

POW   :    人身売買業者を痛めつけて、オブリビオンの情報を吐かせる。

SPD   :    人身売買業者のアジトに忍び込み、オブリビオンの情報を入手する。

WIZ   :    人身売買業者の同業者等を装い、オブリビオンの情報を聞き出す。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●人売る人も人攫う人も人なれば
 辺境と言えど町ともなればそこそこの活気があり、荒れた廃村から比べれば人心地つく光景だった。
 だが、大工ギルドを探し歩く内に猟兵達はふと気づく。往来に戯れる子供の姿を見かけない。時折甲高くはしゃぐ声が聞こえるも、全て屋内からだ。
 件の大工ギルドは別段隠れている訳でもなく、通りに面した店舗がギルド本部を兼ねており堂々と商いをやっていた。業者や客が出入りし人目につくため、猟兵達は夕日の沈む店じまいの間際にギルドへ接触を始めた。
シェーラ・ミレディ
【WIZ】
見た目には怪しいところはなさそうだが、村で入手した情報によると確実に黒だなぁ。
……ふむ。少しばかり謀ってみようか。

金回りのいい同業者を装い、接触してみよう。
先ずは変装だ。普段着ているものも上質な衣装なのだが、一目でそれとわかるような、金のかかったものに着替えるぞ。
準備が出来たらギルドの受付に声をかけ、暗に同業者であると仄めかす(コミュ力、言いくるめ)。言質は取らせぬように注意しよう。
そして「ところで……最近、大口の取引があったと耳にしたのだが。相手はどこの領主様だ?」と囁く。一枚噛ませてほしい、とかな。
口を割るならそれでよし、反応がなければ素直に退こう。

※アドリブ&絡み歓迎



 シェーラはまず変装を行った。服装を職人のものにする。ノミや金槌を吊るすベルトや革のグローブを上等な物にすれば、大工には『金回りの良い同業者』に見える。
 ギルドの店先にいた男が、戸を閉めに出て来た所をさり気なく捕まえた。
「君、こちらの親方はお帰りかな?」
「何だ。今日はもう店もギルドもしまいだぞ……む」
 振り向いた男はシェーラの装いに目を留めて、不躾にまじまじと白い面を眺めた。
「そうか。うちの若い衆に良い依頼は無いかと思ったのだが……」
「依頼書を見るだけなら構いませんが」
 どこぞの大工の棟梁のような物言いで話すシェーラに男は手招いて、壁の掲示板とカウンターの紙束を示した。
 世間話をしながら出身地や道具の入手先などは上手くはぐらかし、頃合いを見て一つ質問を切り出す。
「ううん、これもどこかで見知った話だ。それより……最近、大口の取引があったと耳にしたのだが。相手はどこの領主様だ?」
 大工の男は顎髭を掻いてシェーラを眺めた。
「あんたの所の若い衆っつうのは、皆あんた位の年ですかい?」
「ふふ、よく働く奴ばかりだぞ?」
 暈した答えを返してみたが、相手は好意的に解釈したようだ。
「そりゃいい。数を集めてくれりゃ、親方が仲介してくれるでしょうよ」
「ここの領主様に?」
「はは、この町は市にお住まいの領主様が任命した、監督官様が仕切っていやして、言う通り働けば暮らしが楽になる。……親方もそろそろ降りてくるはずでさあ」
 警戒を緩めた男は奥の階段を見上げた。二階に大工ギルド長……親方がいるようだ。
 ギルドの戸も開いたままだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜奏・光花
遅れてやってきましたが、相手は人攫いですか?
同じ人間同士なのに…ある意味吸血鬼よりもたちが悪いです。

アジトへは音を立てないよう忍び込みます。
吸血鬼の娘をなめないでください。

建物の中でも【目立たない2】よう気を付け、見つかりそうになったら暗い場所や隠れられそうな所へ。
それにどんなに暗くても見えますから。【暗視】

隠れてる間に何か聞こえたら耳を澄ませます。

また一人でいる人が居たら、近くに誰もいない所に誘い込むか後ろからこっそり近づきUCを使用。
オブリビオンについて聞き出し、その後は私に関する事を忘れてるように暗示でもかけて何処かに隠します。【物を隠す】

本気じゃないのでその内に眷属化も解けますよ。



 圧政を強いられる闇の世界では人が人を獲物にすると言う。吸血鬼よりも、人同士の非道の方がたちが悪い……。そんな考えすら脳裏を過る。
 子攫いの話を聞き夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)が駆け付けた。
 フードを目深に被り、開いたままの扉から忍び込む。材木の見本を置いた棚の陰からフードの上の猫の耳がフリフリと揺れるが人に見つかる様子は無い。資材の影から影へ、ギルドの奥へと足音を立てずに小柄な体を隠し、金の瞳で暗がりまで見通す。
「ああ? まだ帰ってねえのか?」
 立てられた板の影から観察していると、靴が見えた。土埃に汚れた男のブーツだ。気怠そうな歩調は隙だらけに見える。近くに仲間がいる風にも見えない。
 目の前を通り過ぎるのを待ってから夜奏は猫のように飛び出した。背を向けた男へ軽やかに跳ね、小さな桜色の唇の内の小さな牙が首筋にぷつりと食い込む。
「わたしのいう事を聞いてもらいます。――だってもう、貴方はわたしの眷属ですから」
 噛みつかれた男は寒気でもあったかのようにぶるりと震えてから、呆けた表情で夜奏にがくがくと頷いた。少女に半分流れる吸血鬼の力が効いて来たようだ。
「貴方たちに人攫いを命じたのは誰ですか?」
「うう……親方が……」
「その、親方に命令したのは」
「町の監督官、チャイルドマン様だ……」
「……吸血鬼なのでしょうか」
「違う……。監督官は吸血鬼に取り入っているが、魔術を使うオラトリオだ……。血も欲しがらねえ」
「では、……っ!?」
 離れた棚から複数の足音が耳に届き、少女は即座に質問を打ち切り端的に命じる。
「そのチェストの中に隠れて、わたしの事は忘れなさい」
 丁度男にぴったりの大きな木箱に押し込めて軽く蓋をする。出来栄えを確かめてから、夜奏も人気の無い方へとその身を隠した。

成功 🔵​🔵​🔴​

皆城・白露
(他猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)
【POW】
【聞き耳】で周囲を警戒
人身売買業者のアジト出入り口付近で隠れて様子を窺い
一人で出てきた業者の者を【追跡】、人気のない場所で接触
禍々しい爪状に変化させた黒剣を突きつけて、人身売買の依頼主とその居場所について【情報収集】
(多少怖い思いをして貰うぐらいはいいだろう
本当は殺す気も大怪我をさせる気もないが、そこはなるべく本気っぽく凶悪に)

必要な情報を得るか人が来る気配を察知したら、この事は誰にも言うなと口止めして解放
周りに知れたらお前にだっていい事はないだろ。お互いの為だ


ルクレツィア・ロンバルド
【WIZ】

遠方からこの地を訪れた【ダンピール】であると自己紹介、「父親であるヴァンパイアから子供の買い付けを任されている」と目的を偽ってギルド構成員(出来れば男性構成員を狙って)に接触。
特定の売り付け先のあるギルドならば飛び入りの客はあまり相手にされないだろうが、父親のヴァンパイアから初めて任された大仕事であるからと下手に出つつも食い下がり、その売買交渉の中でユーベルコード【治療魔法】を用いてギルド構成員を労ったり、色仕掛けも交えるなどして【誘惑7】オブリビオンの情報を聞き出す(情報収集5)。



 緊張した面持ちのギルド員によってルクレツィアは二階に案内された。
「……親方、ヴァンパイア様の依頼だとか」
 貴族の服の裾を軽く持ち上げて挨拶する。
「わたくしは遠方の領主の娘にございます。父がこちらの『商品』の質を聞き、新鮮な者をぜひ……と。ひとまず、在庫を見せていただけないかしら?」
「申し訳ない。お得意様がお求めになったばかりで」
 親方の若干右腕をかばう動きを認めて、ルクレツィアは手を触れる。
「まあ、お怪我を」
「はは、仕入れの道中で野犬に少々……」
 親方はそううそぶくが、咎人狩りを生業にした者には鍬か何かを打ち付けられたように見える。あの村の者が一矢報いたのだろうか。
「貴方のために祈らせて下さい」
 治癒魔法の光が傷口を撫でて回復を促す。代償として軽い疲労に見舞われてルクレツィアは親方の胸板に寄りかかった。
「これは……!」
「ふふ、お近づきの挨拶ですわ。わたくし、貴方のような殿方が……」
 見上げた男の喉仏がごくりと上下する。
「父もそのお得意様も、そんなに子供の血がいいのかしら?」
「いや、ウチのお得意様は血を求めてはいないですね。あいつは生きた子供で人形遊びをする変質者ですよ」
「子供で人形遊びですって?」
「従順になるまで子供を打ちのめして、歌えと言ったら歌う、笑えと言ったら笑う奴隷にするんです」
「それに子供は耐えられるのかしら……」
「そりゃ無理ですよ。すぐに潰れる。だが、数が減ると機嫌を損ねるから俺たちは仕入れを続けなきゃならない……」

 開いたままのギルドの戸から声がした。
「親方はまだいるのか? 俺は先に帰るぞ!」
 一人の大工がせかせかと出て来た後ろで、皆城が静かに立ち上がり白い影となって追う。耳をそばだてるが合流する仲間もいないようだ。
 宵闇の深い路地へと入った所で腹を決め、一気に距離を詰めて壁へと突き飛ばす。
「何だこの!?」
 振り返り怒声を上げた大工は喉に突きつけられた鋼の感触にぴたりと黙る。闇より濃い黒剣はいつでも大工の太い首を刈り取る事ができる。
「子供はどこだ」
「な、何の話だ。俺に子供はいねえよ」
 ごまかそうとへらへら笑う大工の腹を軽く蹴りつけ、髪を掴んで頭を揺さぶる。皆城はあくまで手段として、何をするか分からない荒くれを演じた。
「村を潰したな? 子供を、どこへやった」
「あ……っ! だってよ、村の奴らが聞き分けねえから仕方なかったんだ! 殺るって決めたのは親方だし、親方だって監督官の言う通りにするからこんな……」
「子供は監督官の所か。そいつはどこに居る」
 無駄な言い訳は最後まで聞く必要が無い。ぐっと剣を押し付ければ大工はぶるぶると震えた。
「……新しく作った町はずれの私邸だ。庭園付きの二階建て、レンガの邸宅がそれだ。一階は食堂兼ホールと厨房と浴室、二階は画廊と監督官の居室と、監督官の部屋からしか出入りできない別棟の子供部屋……っ」
 べらべらと一息に喋る男に嘆息し皆城が一度武器を引く。
「だ、誰か……!」
 たちまち路地の向こうへと叫ぼうとする大工の目前を禍々しい鋼の爪が掠める。皆城の血を吸い展開された黒剣の殺戮形態でつうっと大工の頬を掻いた。
「誰も呼ばず、誰にも言うな。……周りに知れたら困るだろ、お互いにな」
 ゆっくりと言い含めると大工もやっと立場を理解したのか、膝を震わせてがくがくと頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

摩訶鉢特摩・蓮華
人攫い、人身売買、しかも子どもを…!
あぁ、ダメ。胸がムカムカしてくる。怒りで頭の中がぐちゃぐちゃ…もう、どうにかなりそう・・・!とりあえず全員ぶっ飛ばすから!話はそれからだから!

何も考えずに大工ギルドに入っていって関係者を怪力で締め上げて責任者の居場所を聞くよ!
途中で邪魔が入っても関係なし!全員投げ飛ばして蹴散らすから!
責任者に会ったら知ってること洗いざらい全部喋ってもらうね。
人間には200本くらい骨があるそうだから1本や2本や10本くらい折れてもどうてことないよね!
大丈夫!万一のときは蓮華が治してあげるから♪



 蓮華の胸の内は怒りに塗りつぶされていた。村から子供を攫ったあの足跡がこのギルドへと続いている。ならば迷う事は無い。
 一息に二階へと駆けのぼる。途中数名の男が阻もうとしたが、たぐい稀なる怪力で掴んでは投げてまかり通る。
「何だお前……ぐっ!?」
 机の前でにやける親方から、情報を聞き出した猟兵を引きはがして蹴倒す。
「うわ、骨……が!!」
 床を転がる対象を少女が見下ろす。限界を越した怒りにより、蓮華は微笑んですらいた。
「人間には二百本くらい骨があるそうだから、一本や二本や十本くらい折れてもどうてこと無いよね!」
「ひっ! 待て、金庫はそこだ! 鍵は……」
 慌てて鍵束を取り出す腕を踏みつければ小気味いい音が鳴った
「ぎゃああ……っっ!」
「いらない。お金で死人は帰って来ないでしょ。生きている子達はどうしたの。もう何人攫ったの。どうしてこんな事をしたの!」
 詰め寄る蓮華に屈服し、親方は床に額を擦りつけて語り始める。
「監督官の私邸の建築を頼まれた時、連れて行った幼い奉公人に目を付けられたのがきっかけだった……。定期的に子供を見繕わないと監督官が荒れる。町の中で攫うと数人めで警戒され親が子供を外に出さなくなった。仕方なく貧しい村々から奉公を募れば感謝すらされた。合わせればもう三桁に届くだろうか……。あの野郎は変態だが、満足してさえいればこの町の治政も厳しくしないし、金払いもいい」
 理解を求めるかのように、哀れっぽく顔を上げる。
「こんな時代にこれ以上いい町なんてない。どうしようも無かったんだ!」
 唇を引き結んだ蓮華は手を伸ばし、襟首を掴むと天井に叩きつける。
「ぐえっ!」
 子を奪われた親の想いはいかほどの物か。親を失った子の想いはいかほどの物か。この程度の苦痛では到底贖えない。
 妙な格好のままぴくりとも動かなくなった親方に真朱散華の炎を施す。ぽつぽつと全身に灯る火が負傷を癒すのを眺め疲労の深いため息をついてから、蓮華は目を覚ました親方を階段の下へ放り投げた。
「許し……っ! ひっわああ! ぎゃああああああ!」
「本当に……どうしようもない人」

 皆の調査を擦り合わせればこうなる。
 大工ギルドに誘拐を依頼したのはこの町の監督官・チャイルドマンだった。監督官は町はずれの私邸に住まうオブリビオンのオラトリオ。子供を奴隷にするのが趣味の変態で、子供が耐えきれないため定期的に誘拐を依頼していた。
 これまで百人弱の子供を渡したが、何人が生きているか分からない。
 私邸はレンガ作りの二階建て。二階の監督官の部屋を通らなければ、子供を閉じ込めているだろう別棟の部屋に入れない。

 これ以上聞き出す事も無いか。猟兵達はチャイルドマンの私邸へと向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『子ども遣い『チャイルドマン』』

POW   :    理不尽な言いつけ
【攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    財産喰らい
自身の身体部位ひとつを【対象の親もしくは同じくらい信頼している人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    操り人形
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的に幼い頃の姿】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・リトルライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●歪な父性
 夜、町はずれのレンガ造りの私邸は扉を閉ざし、二階の一部屋だけ明かりが灯っている。
 母屋のすぐ脇には二階建ての塔のような別棟があるが扉が無く、鳥しか通れぬような小さな窓がぽつぽつと据えられているだけだ。

「皆、21時に同時に就寝したまえ。94番は指導するから残りなさい」
 ぎくりと体を強張らせる少女を見もせずに、他の子供達は黙々と部屋の奥から別棟へ帰る。20人はいるだろうか。
「94番、どうして食事を残したんだい?」
「チャイルドマン様、ゆ、許して下さい。お腹が痛かったんです。もう食べられません」
「ああ……私が朝に躾けたからかな? まだ痛むかい?」
「うぅ、そう……です」
 柔和な笑みを浮かべていた有翼の男は、頷いて許しを請う子供の腹を勢いよく蹴った。
「私のせいだと言いたいのか? うん? 君は私に責任を押し付け言い訳する卑怯者だね。もっと躾がいる……」
 倒れて嘔吐した子供の腹に足を押し当てる。
「素直で純真な子供にしてあげないと……」
摩訶鉢特摩・蓮華
実際に目の当たりにすると、新たに怒りが込み上げてくる!先程の大工ギルドでの怒りが焚き火程度に感じてしまうほどの業火の如き激情…!必ず倒すから!

有無を言わせず部屋に突入してチャイルドマン(と子ども)に真朱散華の炎を放つよ!真朱散華は再生の炎。ダメージを与えることはできないけど、炎には違いないから、めくらましの牽制くらいにはなるはず!本命は子どもの怪我を治すことだから!
そのまま念動力と怪力での体当たりで弾き飛ばした隙に、子どもを抱きかかえて敵から離れるよ!
助けた子どもは一旦、別棟に退避させるね!

壁や天井を念動力を使って縦横無尽に飛び回りながら、あらゆる方向から2本の鉄塊剣で攻撃を仕掛けるよ!


夜奏・光花
※アドリブ、連携ok

捕まっている子供達が心配です。
さっさと倒して救出しましょう。

【SPD】
相手は魔術を使うと言ってたので気を付けないと。

攻撃は全て回避。

大鎌【破魔、生命力吸収2】で【フェイント2】し【2回攻撃、衝撃波】で攻撃です。

≪技で親の真似されたら流石にわたしもキレます。≫
焦らず【武器受け】してそのまま【なぎ払い】で切り裂きます。

戸惑うと思いましたか?
そもそもわたしの父様(もしくは母様)はそんな不気味でも穢れた気配もしません。
あなたはわたしの親を侮辱しました…絶対に許しません。

悪夢へ招待してあげます。【属性攻撃2でUC】

・戦闘後
救出した子供達に怪我人がいたら【生まれながらの光】を使用です。



 蓮華は眼前の光景に怒りを新たに燃やす。握り締められた拳が震えるのを見遣り、夜奏が言い添える。
「相手は魔術を使うようです。お気をつけて!」
「ええ!」
 駆けだした蓮華は、振り返る男へと激情をそのまま形にした炎を拳から膨れ上がらせる。
「玲瓏たる真朱に染まりし焔より……今再び甦らん」
「何だ君達! ……っ、術か!?」
 驚きながらも瞬時に子供の髪を掴んで盾にし、自身は得体の知れぬ炎から逃れようとするチャイルドマン。卑劣な振る舞いに眉根を寄せ、蓮華は更に詰め寄る。
「汚れた手を放して!」
 男の片手を手刀で弾き肩から強く当たる。
「チッ」
 あっさり子供を手放したのを幸いに、蓮華は子供を抱きかかえて炎で包み込んだ。
「あ……れ? 熱くない……。お姉さんはだれ……?」
 真朱散華は癒しの炎。痛みと恐怖に強張っていた体が緊張を解いた。
「すぐにあいつを倒すから、少し向こうで待っていてね」
 蓮華の腕の中の子供に男が魔力の糸を伸ばす。
「君たちが猟兵か。戻るんだ94番! 従順な傀儡となり戦え!」
「嫌ぁ! もう操らないで!」
 その術が何か知っているのか、酷く怯える子供の前に夜奏が割り込む。朱鷺色で飾られた白銀の大鎌に魔力の糸を絡め取り引きちぎる。目配せすれば、蓮華は子供を別棟に避難させるため部屋の奥へ向かった。
 その間対峙する夜奏が鎌を振るう。繰り出す連撃と男が新たに作り出す魔力糸が交錯し、互いに避けきれなかった傷を生む。
「あなた、子供たちに何をしたのです!」
「ふ、ふふ、君が私の物になれば分かるよ。正しく躾けて正しい子供にしてあげよう。貧しく無学なクズ親から、辺境の子供を助ける慈善なのだよ」
 あどけない夜奏を目の前にした途端、戦いの最中だと言うのにねっとりと饒舌に語り、男は自身の顔に片手をかざす。もう片手で夜奏の細い肩を引き寄せ、現れたのはよく知った顔。
「オ父さんの言ウ事を聞きなサい!!」
「あ……っ」
 夜奏は牙を光らせて喉笛を喰らおうとする大口を見つめ……。
「戸惑うと思いましたか?」
 即座に引いた鎌の先をその口中に滑り込ませ、すいと横に薙いで頬を裂く。
「あばっ!?」
「わたしの父様はそんな不気味でも穢れた気配もしません。あなたはわたしの親を侮辱しました……絶対に許しません」
 戻った蓮華が素直に思うまま呟く。
「そういう人、大嫌い!」
 念力で壁を蹴り、宙を舞う蓮華が鉄塊剣二振りを叩きつける。
「ぐ……うぅ!」
 男は魔力糸を張って身を守り、切断には至らなかったが重みに膝をつく。
「悪夢へ招待してあげます」
 夜奏の黒猫の人形、ジェイドが両手から4属性の魔力を発する。くるりと周囲に魔法陣を展開し、ふつふつと湧き出でる猫型の闇と降り注ぐ光がチャイルドマンに注がれる。
「何だこれは!? ひっい゛ぃぃぃぃ!??」
 凍える闇と灼ける光は合わされば精神を侵す。呆然自失としたチャイルドマンに畳み掛けるなら今、だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リズリット・ドート
なんや煩い雑音がすると思ったら、お前か
元凶は潰さんとね、あと個人的に気に食わん

盾になるようなモンはない思うけど、ラックにも動いてもらわんと
基本はラックと一緒に「2回攻撃」受け止められようが「気合い、怪力」で押し通して「なぎ払う」!
攻撃は「見切り」で避ける、あいつ、あんまり武闘派やなさそうやしね
ラックも飛んで避けーや。お前操られでもしたらめんどいし、なんなら槍に変えるで。

ああもう、胸糞が悪い!
「2回攻撃」であいつが態勢を崩したらそこが狙いや、ユーベルコードを発動し、あいつを「串刺し」にしたる
ラック、やる事は分かる?…あの野郎を、ぶち抜いたれ!!



「なんや煩い雑音がすると思ったら、お前か」
 少年の頭の中の雑音はチャイルドマンを目前にして一気に悪化する。リズリットから茫洋とした表情が消え、小竜のラックも牙を剥き敵を威嚇していた。
「ふふっ! 新しい子供が届いたのかな?」
 正気を欠いたチャイルドマンは本性を現し舌なめずりをして両手を広げ歓迎する。同時に魔力糸がリズリットへ向けて放たれた。
「ああもう、胸糞が悪い!」
 少年は軌道を読み、右へ左へと足さばきで避ける。
「ペットがどうなってもいいのかな?」
 すると空ぶった糸が向きを変えてラックを狙う。
「ラック、こっち来ぉ!」
 竜は瞬時に槍へと姿を変え、取り巻く糸束の中からすとんと落ちリズリットの手の中に納まった。即座に突きを入れるが、敵も糸を手繰り穂先を絡めて止めようとする。
 力と力の拮抗の後、憎悪と共に一歩前に出たのはリズリットだった。力に任せ横に薙ぎチャイルドマンを壁へ叩きつけた。間髪入れずに肩を刺せば敵は壁際を這いながら罵声を放つ。
「ガキが!! いいか、『動くんじゃない』! 子供は大人に従え!!」
 千切れかけの魔力糸が一本手首に触れたのを認め、リズリットは歩を止め槍を手放す。これは逆らうと苦痛を与える魔術か。
「お前、ほんと個人的に気に食わんわ。……ラック、あの野郎をぶち抜いたれ!!」
 館を震わせる咆哮が少年に応えた。槍から再び竜へと転身したラックは翼を広げ、羽ばたき一つの間に敵の肩口を抉り貫く。
「『ウチ』は動いてへんからな」
「ぐ……!」
 呻き声しか漏らせないチャイルドマンだが、まだ戦う気があるようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

皆城・白露
(他猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)
お前の求める純真だの素直だのなんざ、知った事か
お前の決めたルールなんざ、知った事か
ああ、胸糞悪い…どうかなっちまいそうだ
あいつら(子供達)から取り上げたもの全部吐き出して、潰れろ…!
(番号で呼ばれる子供に実験体だった頃の自分を重ねてしまい、怒りを抑えきれない)

【白い闇】使用、白狼に姿を変える(獣化時はほぼ喋れない)
【2回攻撃】も駆使し、怒りに任せて、意識と気力の続く限り攻撃を叩き込む
相手の攻撃は【カウンター】を仕掛けるか【激痛耐性】で無理矢理耐える

子供がその場に残っていて、チャイルドマンが攻撃したり操ろうとするなら
【捨て身の一撃】で阻止



「来い、10番! お前は頑丈なだけが取り柄だろう! 8番、8番はどこだ!?」
 正気を失ったチャイルドマンが取り乱すが、奥の子供部屋からは誰も出て来る様子が無い。番号の小さい者たちはもう……。
 術の戒めを受けた仲間の無事を確かめ、皆城は喉の奥で唸った。名を奪われた子供達の姿が白い少年の過去に重なる。
「ああ、胸糞悪いな……どうかなっちまいそうだ……」
 苛烈な怒りが白い面を歪ませる。髪がぶわりと逆立ち少年の肢体は白狼へと姿を変えた。
「く、くく、そうか、ここに居たか! ん……何番だ?」
 狼の姿に刻まれた番号を読み取られるより速く、白い闇の顎が迫る。並ぶ牙が敵の片翼を鋸で引くように裂き、軽々と天井へ放り上げた。鼻先に魔力糸が伸ばされるが、もうその術の意味も後先も考えられないのだ。皆城の残りの命を燃やし、オブリビオンを滅するだけの存在と化す。
「『来るな』……っ!」
「お前の決めたルールなんざ、知った事か」
 与えられた命令を即座に拒み、飛び上がってはもう片翼に食らいつき床に這いつくばらせる。全身を苛む苦痛など、あの子供らが受けた痛みを思えば耐えられる。
「あいつらから取り上げたもの全部吐き出して、潰れろ……!」
 白い毛並みを紅に染めた獣は、限界が訪れるまで爪で、牙で、咎を償わせる。

成功 🔵​🔵​🔴​

源・ヨーコ
臭う、臭うっすよ、悪の臭いがー
自分が絶対的に正しい、とか信じられる幼稚さが羨ましいっすねー。だから”チャイルド”マンさんなんすか?
手癖の悪い子供は、しっかり躾させてもらうっすよー!

〇POW
 一気に間合いを詰めて近接格闘を挑むっす。[2回攻撃]で手数重視。連撃で追い込むっすよ!
 理不尽な言いつけは、ダメージ覚悟で無視。油断しているところを[捨て身の一撃]でぶち抜き、ブレイズフレイムで燃やすっす!

 守るべきルールは自分で決めるっす! 自分ルールの押し付けなんてノーサンキューっすよ!



 翼を犠牲に戸口に逃げようとした男の前に、からりとした声の少女が立ちふさがる。
「臭う、臭うっすよ、悪の臭いが」
「ふー……っ、またガキか! 私は大人だぞ? 領主から任命された監督官だぞ?? 『子供は私の命令に従って部屋に帰るんだ』」
 溌溂とした源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)の存在は、チャイルドマンにとって躾直さなくてはならない子供に見えたのだろう。放たれた魔力糸と指示だったが、源はあっさりと両手で引きちぎる。指示が長すぎるため受ける痛みも何割か軽くなったようだ。
 裂けた手の甲から走る痺れるような痛みは確かにあるが、だからこそ少女は八重歯を見せて笑う。痛みで心を縛れるものか。
「大人だから肩書が立派だから、自分が絶対的に正しい……とか信じられる幼稚さが羨ましいっすねー。だから『チャイルド』マンさんなんすか? 手癖の悪い子供は、しっかり躾させてもらうっすよー!」
 数歩間合いを詰め、顎を狙い蹴り上げた足は男の交差させた腕に止められた。反動に体ごと深く沈み、体格の差から狙いやすい腹にニ撃目。ナックルガードに越しに拳に『入った』手応えが伝わる。
「が……は!! この……!」
 目を剥いた敵が源に掴みかかろうと手を伸ばすが、汚れた手が髪に届く前に紅蓮の火が視界を塞ぐ。ブレイズフレイム……源の傷口から噴出する地獄の炎が赤く赤く罪人を灼く。
「守るべきルールは自分で決めるっす! 自分ルールの押し付けなんてノーサンキューっすよ!」
 室内を火炎で照らし、源は高らかに宣言した。

成功 🔵​🔵​🔴​

摩訶鉢特摩・蓮華
良い感じにボロボロになってきたね、チャイルドマンさん♪
いいかげん観念して辞世の句でも読んだら?

SPD
もし敵が「昔の大切な友人の顔」に変形させたら―
攻撃の手を止め、一旦敵から距離をとるよ。
記憶喪失の蓮華が先日の事件で少しだけ思い出した「幼い頃に領主に連れて行かれた幼馴染の女の子」
猟兵でもなく助ける力もなかった蓮華が我が身可愛さに見捨ててしまった大切な友人。
その友達の顔を前にして、かつてないほど蓮華の怒りが天を突く!
「ずいぶんとクソッタレな真似してくれるね。たしかに蓮華には攻撃できそもないの。だから…他の人に任せるよ」
自分の身に降ろした修羅にあとは任せるよ!修羅にはそんなトラウマ関係ないからね!



 品のいい服も人当たりの良い笑みも焼けただれ、尽きぬ炎の残滓を振り払おうと頭を掻きむしるオブリビオンへと、蓮華は鼻歌交じりに告げた。
「チャイルドマンさん♪ いいかげん観念して辞世の句でも読んだら?」
 声を頼りに緩慢に首を振り、喘ぐ男が両手の指の隙間を拡げた。その奥の幼い瞳の色に蓮華ははっとして壁際へと飛び退る。
「……ドウシテ酷イ事ヲ言ウノ?」
 意外にも、チャイルドマンが変化したのは幼い子供の頭だった。上背のある焼けた男の体格の上に女の子の綺麗な首を乗せている。距離を置いて拳を震わせる様を見て効いたと考えたか、敵は奇妙に上ずらせた声で彼女の命を奪おうと迫った。
「助ケテ……君の命でなあ!」
 たった一日の内に幾度の憤怒に身を焦がせば良いのだろう。救えなかった大切な人の顔を、この愚物に玩具にされた。
「ずいぶんとクソッタレな真似してくれるね。たしかに蓮華には攻撃できそもないの。だから……他の人に任せるよ」
 記憶の中と寸分違わぬ顔かたちへ、本当に告げたい言葉は胸の内だけに秘めて叫ぶ。
「修羅界の王にして戦闘神たる修羅よ、蓮華に力を貸して!」
 かつてない怒りが内から迸り天へ通ずる。肉体に神を降ろした蓮華から人の表情は失せ、神はただ目前の悪へと力を振るう。
「この顔を殴れるのか!? あ、あぎゃっ!!」
 下から掬い上げた拳が顎を撃ち貫いた。相手の膝が崩れる前にスカートの裾を翻して回り蹴りを入れれば跳ねた体が壁にめり込み、漆喰に夥しい血が伝う。

 部屋の片隅の厚い扉越しにも激しい戦いが伝わったのか、気付けば子供たちの声が漏れていた。
「おねえちゃん、がんばれー!」
「お姉さん、お兄さん、怪我してない? 大丈夫?」
「お願い、チャイルドマンをやっつけて……!」
 猟兵達の義憤が、子らの抑圧され死んでいた心を蘇らせていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

摩訶鉢特摩・蓮華
子供たちの声が聞こえる。蓮華たちを応援する声が。今まで躾という名の虐待を受け続けて、恐怖に流されて、自分の心を殺して、それでも懸命に必死に生きてきた子どもたちの心からの叫びが!
絶対に負けられない。こんなヤツに絶対に負けない!絶対に、倒す!

POW
相手のUCに合わせて、同じUCで対抗するよ!
相手の攻撃に合わせて相打ち覚悟で炎を飛ばすの!
「それを使えるのが自分だけなんて思わないでね!」

炎が当たったらここからが勝負!
「蓮華があなたに命じる…」
相手に先手を譲るよ。
もし相手が「しゃべるな」以外の命令をしたら同じ命令を返すよ!
もし蓮華の命令を恐れて口を封じたら…迷わず飛び込んで両手の鉄塊剣で斬りつけるの!


佐藤・和鏡子
子供たちを早く助けたいですし、個人的に許せない相手なので、全力で攻撃します。
全速力で突っ込んで撥ね飛ばしたり(捨て身の一撃・吹き飛ばし)、バックでさらに轢く(二回攻撃)、という感じで救急車を駆使して攻撃します。
ユーベルコード(轢殺)もいけるようなら積極的に使用します。
敵の攻撃は救急車の車体で防いだり(武器受け)、防ぎきれなかった分は鎮痛剤などの医薬品で対応します(医術・救助活動)。
今回は他の方もいるようなので、積極的に協力、連携するようにします。
(救急車の車体で盾になったり、怪我したら治療など)
運転技術は運転・戦闘知識・学習力で対応します。



 神がかりの力に身を委ねていた蓮華の意識に幼い声が届く。それは追憶の中の彼女では無く……。
「……っ!」
 気遣わしげな子供たちの、精いっぱいの願いが届く。家に帰れず、チャイルドマンに躾という体で虐待を受け、恐怖に心を殺しながらも命を繋いだ子供たちの本当の願いだ。
 絶対に負けられない。修羅を降ろしながらも、強い決意によって意識を覚醒させた蓮華がチャイルドマンと向き合った。
「ごほ……っ、子供は……子供はやらないぞ……! 私の育てた……」
 往生際悪くまだ魔力糸を飛ばして相手を従えようとする敵に眉間の皺を深める。
「それを使えるのが自分だけなんて思わないでね!」
 相打ち覚悟で片目から炎を迸らせる蓮華の目の前だったが、敵はくるりと踵を返し子供たちのいる奥の扉へ向かいつつ糸を繰り出す。
「卑劣な!」
 あくまで大人と向き合わず子供を使おうとするチャイルドマンの目論見だが……悪行を止めたのは高まるサイレンの音だった。
「救急車が通過します」
 窓の外に煌めくランプが見えたかと思えば、白い車体が壁を貫いてチャイルドマンを子供部屋の扉から轢き剥がす。窓を降ろして顔を覗かせたのは看護帽を頭に乗せた佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)だ。
「子供には手を出させません。皆さん、お怪我はありませんか」
「ガキが……この道具ごと貴様を使ってやる……!!」
「きゃ……っ!」
 フロントガラスに取りついて佐藤へと対象を変える敵を、もう一度アクセルを踏んで壁に押し付ける。先の攻撃で罅の入っていた壁は脆くも崩れた。
 相手が瓦礫に埋もれた間に少女は車体の影に降りて治療の準備を始める。
「痛みはありませんか?」
「あ、いえ、それより扉の奥の子供達を」
「わかりました。……ですがこれは、念のために」
 敵の技を見越し、蓮華に鎮痛剤を施した佐藤は一礼して車体で守った扉へ向かう。
「ありがとう」
 元より相打ちは覚悟だったが、もうどのような痛みにも屈する気がしない。蓮華は突き破られた壁の前に立つ。
 起き上がった男もまた、異様な執念を籠めて子供部屋の扉を見つめてから立ちはだかる大人の蓮華へと恨みの視線を向ける。
 支配の力には更なる支配を。魔力糸と、蓮華の片目から放たれた炎が交錯し、互いに捕らわれる。
「喋るな!」
 先に命令したのはチャイルドマンだ。なるほど、先にこの命令を下せば相手はチャイルドマンに命令できなくなるだろう。
 だが似た力を持つ者同志、蓮華も予測済みだった。無言のまま鉄塊剣を交差させ、敵の胴を上下に切り分ける。
「ぎゃああああああ!!!! あ……ぁ……」
 やっと、やっとオブリビオンを滅した。指示を無視する痛みを、薬の効果の向こうで鈍く感じながら蓮華もまた最期の命令を下す。
「あなたは二度と、子供に触れるな」

 佐藤に伴われて別棟から助け出された子供たちは数十名。心身に傷を負った子供たちが日常の生活に戻るには時間がかかりそうだ。
 それでも、彼らの中には希望がある。猟兵達の見せた勇気がある。
 闇に支配された世界だが、いつかこの町の往来に遊ぶ子らの笑い声が戻ってくるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月07日


挿絵イラスト