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寛永三方ヶ原の戦い~あげよ勝ち鬨

#サムライエンパイア #【Q】 #寛永三方ヶ原の戦い #武田二十四将

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#武田二十四将


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●蘇る赤備え
 三方ヶ原。それはかつて武田信玄の軍勢が徳川・織田の連合軍を破った地。
 それは徳川にとっても苦い敗戦であったが、同時に信玄の栄光の終わった地であったのかもしれない。
 そんな場所で今再び、戦いの幕が上がろうとしていた。
 迫りくるは武田二十四将。迎え撃つは徳川軍、そして猟兵たち。
 決戦の時は迫る……!

●力の不要な時代
「諸君! よくぞ集まってくれた!」
 ゴッドオブザゴッド・ゴッドゴッドゴッド(黄金存在・f16449)が声をあげた。
 その表情はいつになく真剣で、事態の重要さを思い知らされる。
「先日、サムライエンパイアで、かの徳川家光がある懸念を示していたことを知っているかね?」
 その内容はこうだ。最近特に活動を活発化させている織田信長。オブリビオン・フォーミュラと目される彼が勢力の拡大を続けようとするのならば、過去の名将を配下にしようとするのではないか、と。そして真っ先に思い浮かぶのは武田信玄。甲斐の虎とも呼ばれた存在だ。
「そしてその予想通り、信玄を復活させんと奴らの軍勢が動き出したのだ! その名を聞いた事がある者もいよう。武田二十四将……!」
 彼らは精強なる武田軍の中でも特に高く評される、徳川の世にあっても講談や軍記などで称えられる猛将たちだ。
 彼らは三方ヶ原に集結し、武田信玄復活の為動き出すらしい。

 もちろん、これを黙って見過ごすような事はない。
 その情報を掴んだ家光はかの地にて彼らを迎え撃つべく軍を纏め、立ち向かおうとしている。
「しかし、大きな戦はエンパイアにはもはやない。故に兵たちには戦を知らないものも多い。そこに敵は当時最強とも呼ばれた武田軍、しかも戦場はかつて家康が敗れた地……ともなれば怯んでしまい、はっきり言ってしまえば既に戦う前から気持ちで負けてしまっているのだ!」
 だからといって猟兵だけで武田の大軍を打ち破る事はできない。強力なオブリビオンとの戦いに猟兵が集中するためにも、どうしても彼らの戦力は必要なのだ。

「よって、此度の戦いが始まるまでに彼らの士気を上げ、勝利の為に動かさねばならない! 方法は何でもいい。戦える状況を作り出すのだ!」
 例えば猟兵の力を見せつけ、戦意を高揚させる。
 あるいは、一人一人の不安や不備を取り除き、士気を上げる。
 もし言葉に自信があるのならば演説や説得によってそのやる気を引き出してあげるのもいいだろう。
 そうして徳川軍が戦う力を取り戻せば、武田軍とも渡り合えるはずだ。
「彼らが戦い、武田軍の多くを抑える事ができたならば、諸君には敵陣深くへと切り込んでもらう。将を討てば軍勢の力は確実に弱まる! 今回の戦で勝利するにはこの方法しかあるまい!」
 当然、周りには直属の護衛部隊がついている。
 それらを打ち破り、武田二十四将の一人を討ち果たさねばならない、危険な戦いだ。
 しかし、もし信玄が復活してしまえば、それこそ彼らは今以上の勢いと力をもって人々を蹂躙するであろう。

「今回の敵は大軍、しかも強敵! 今回、諸君以外にも複数の戦場で同じように動いている者達がいる……どうかその一翼として任を果たしてくれたまえ!」
 そうして多くの戦場で戦力を削ぐ事ができれば、信玄復活を阻止する事は十分に可能だ。果たす事ができれば、この先の戦いにおいても大きな有利を得る事ができるだろう。「重ねて言うが奴らは強敵だ! この戦場の行方は諸君に掛かっている! 決して油断するでないぞ!」
 ゴッドはそういうとテレポートの準備を開始する。
 その向こうには張り詰めた戦場の空気が待ち受けていた。


納斗河 蔵人
 お世話になっております。納斗河 蔵人です。
 今回はサムライエンパイア、『【Q】寛永三方ヶ原の戦い』のシナリオです。
 武田信玄の復活を阻止するため、皆様の力をお貸しください。

 まず一章では戦の前に徳川軍の士気を高めてもらいます。彼らは家柄だけで武士になったものも多く、実力不足です。その上、神君家康公が負けた軍勢に勝てるわけが無いと気持ちで負けてしまっています。
 そんな彼らを戦えるようにするのがこの章の目的となります。

 徳川軍がその力を発揮する事ができれば、二章では敵陣深くに切り込み、直属護衛部隊との集団戦。
 さらに三章では強力なボス、武田二十四将の一人と戦ってもらう事になります。
 詳細については各章開始時に描写します。

 以上、プレイングをお待ちしています。よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『三方ヶ原の徳川軍』

POW   :    陣頭に立って力を見せつける事で、徳川軍の戦意を高揚させます

SPD   :    兵士一人一人への細やかな配慮や事前準備によって、士気を上昇させます

WIZ   :    演説や説得によって、徳川軍のやる気を引き出します

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「本当に我々は勝つことができるのか……?」
 徳川陣の一角。徳川家光の号令により集められた兵たちには、戦の経験を積んでいないものも多い。
 そんな自分たちが武田、しかもその全盛期を象徴するともいえる武田二十四将が率いる軍勢にかなうのだろうか。家康公ですら敗れたというのに。
 戦う前から勝敗は決してしまっているのではないか。そんな感情が広がる。

 しかし、彼らには猟兵が味方に付いている。君たちが敵陣に切り込み軍を率いる将を討つことができれば、勝敗はこちらに大きく傾く。
 その道筋を作るためにも。
 彼らの士気を高め、敵軍に立ち向かう勇気を与えなければならない。
柳生・友矩
武田信玄...、とても優れた立派な武将だと習いました。
オブリビオンとしての復活をなんとしてでも阻止しなければなりません!

【行動】
不安を抱いている人々一人一人に勇気が出るような言葉を語りかけます。
大丈夫です。俺達は絶対この戦いに勝つことができます!だって、俺達猟兵がついていますから!一緒に戦いましょう!!
話しかけると共に信頼している方から頂いたチョコレートや干菓子、おはぎを配ります。こんな時こそ甘いもので元気を出しましょう!

【アドリブ等歓迎です】



「武田信玄……とても優れた、立派な武将だと習いました」
 柳生・友矩(夢見る小さな剣豪・f09712)は伝え聞いたその存在を、記憶の海から呼び起こしていた。
 そして思う。オブリビオンとしての復活を、なんとしてでも阻止しなければなりません! と。
 
 徳川軍の陣はやはり士気が低く、どんよりとした空気が漂っていた。
「やはり、不安を抱いている方は多いようですね」
 その様子に友矩は一人一人に勇気を、と決意を新たにする。
「武田の騎馬軍団! なんなんだよ、あの統率力は! あんなのに勝てるわけがない!」
「やっぱり戦国、群雄列挙の時代の軍は地力が違うよ……」
 確かに、蘇った武田軍は強力だ。しかし、まずは心。立ち向かう勇気がなければ勝てるものも勝てないのだ。
「大丈夫です。俺達は絶対にこの戦いに勝つ事ができます!」
 だから、友矩は彼らに言ってみせる。勇気を、希望を伝えるために。
「だって、俺達猟兵がついていますから! 一緒に戦いましょう!」
「そうは言うけれど、俺たちはあんたたちとは違うんだ」
 天下自在符を持つ猟兵の言葉に顔をあげる兵たち。
 しかし、浮かない表情は変わらない。友矩は言葉では終わらず、その手から何かを差し出した。
「これは、信頼している方からいただいたチョコレートや干菓子、それにおはぎです! どうぞ食べてください。こんな時こそ、甘いもので元気を出しましょう!」
 腹が減っては戦はできぬ。よく言われる事だ。
 しかも、そこにあるのは珍しい、あるいは馴染みのあるお菓子など。
「……うまいな」
「ああ」
 それを食べると兵士たちの表情が少しだけ緩む。
 これだけではまだ足りないかもしれない。でも、少しだけ。彼らに力を与えられた。
 友矩はそう確信するとまた歩き出し、同じように不安に苛まれた人々へと一人一人声をかけ、一緒にお菓子をつまんでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・テルキーネス
【心境】
「ここがサムライエンパイアか…初めてきたなー。」
なんか不思議。初めてきたのになぜか懐かしい感じがする風景だなぁ…。
憧れの田舎暮らし?(注:たぶん違う)

【行動】
ボクにできることをします。
腹が減っては戦いは何とやら。
炊き出しをしてそれを配って士気を上げます。
ボクの鞄『アイテムボックス』に入れてきた食材を『不思議キッチン』を広げた即席の調理場でレッツクッキング。
ボクは【料理】もそれなりに得意なんです。
とりあえず、手軽に作れて暖かい豚汁と、片手で持って食べれる炊き込みご飯の御握りです。みなさんこれを食べて頑張りましょう(笑顔で兵士に一人一人渡していく)

アドリブと他猟兵との絡み:OK



「ここがサムライエンパイアか……初めてきたなー」
 そんなふうに思いながら、ステラ・テルキーネス(バイオモンスターのミュータントヒーロー・f19520)は三方ヶ原の向こうにある村々を眺めていた。
 徳川軍が敗れれば武田軍はそちらへ向かってなだれ込み、暴虐の限りを尽くすであろう。
「なんか不思議。初めてきたのに、なぜか懐かしい感じがする風景だなぁ……憧れの田舎暮らし?」
 ちょっとずれている気もするが、ボクにできる事をしよう、と決意を新たにするステラであった。
 
「ああ……武田軍が強いのもそうだけど、やっぱり力が出ないよなぁ」
「戦場ってこういうもんなんだな。あったかい飯が食いてぇ……」
 小競り合いの段階ではあったが、小規模な戦いは既に起きていた。
 その事実は兵たちの気力を削ぎ、体力を奪っていく。
 と、そこに漂うのは味噌の香り。兵士たちは誘われるようにその出どころへと向かっていく。
「あ、お疲れ様です! 炊き出しですよー」
 そこに居たのはステラ。彼女は『ふしぎキッチン』を用いて、戦場には似つかわしくないほどの調理場を仕立て上げていた。
 さらに『アイテムボックス』に入れてきた食材も合わされば、そこにあるのは暖かい料理。
 サムライエンパイアの技術では、戦場で手の込んだ暖かい食べ物を用意するのは簡単ではない。
「はーい、こちらは豚汁です。まずはどうぞ」
「おお、あったけぇ……」
「やっぱり冷たい飯ばっかりだと、気力も落ちるばっかりだよな」
 失った体力に味噌の味が染みる。具だくさんなのもうれしい。
「腹が減っては戦いはなんとやら。炊き込みご飯のおにぎりもどうぞ。片手で食べれるようにと思って」
「気遣いが染みるねぇ……」
 そうするうちにキッチンの前には多くの人だかりができていた。
「皆さん、これを食べて頑張りましょう」
 そんな中でもステラは一人一人に笑顔で食事を渡していく。
 その事実は、徳川兵たちに落ち込んだ気力を取り戻させていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

梅ヶ枝・喜介
どいつもこいつも俯いて下ばっかり見やがって!
テメェらが見据えるべきは前だ!
テメェらが背負うべきは太平の世!守るべきは親兄弟だ!

おれァ天下自在の猟兵!梅ケ枝喜介!聞けぃ!護国の勇士たち!

勝つか負けるかで悩んでんじゃあ無い!
アンタらが背負うモンを守りたければ勝つしか無い!

命が惜しいか!だよな!おれも死にたかねェ!
だが戦わずして逃げても死ぬ!
そんときゃあアンタだけじゃねェ!アンタの大事なもんも全部一緒に死ぬ!

だから戦え!勝て!負けるな!
震えが止まらねぇなら叫べ!

武田二十四将何するものぞ!既に世に戦国は無し!

相手は遅参した間抜けに過ぎねぇ!
言ってやろうぜ!今更のこのこ出しゃばって来るんじゃねぇってな!


紫谷・康行
戦うためには心は大事だ
なら、言葉と記憶で心を奮い立たせようか
平和な世の中を勝ち取った人々だ
その記憶がある
そして言葉には力がある
言葉の力で背中を押そうか
未来を掴むのはいつも普通の人々なのだから

【コード・イン・メモリー】を使い武田軍を倒したときの映像を空に映しながら静かに語る
あなたたちはこの世界に平和をもたらしている
彼らは過去からの亡霊
一度破れた者達
彼らの執念は凄まじいことだろう
でも今のあなたたちにだってできることだ

ここで平和を謳歌する人々の映像を流す

今を生きる人々の幸せを守るため
そして、その先にいる信長を倒すため
心を一つにして戦えば未来を手にできる
今がその時だ
命を賭けて大切なものを守るんだ



「どいつもこいつも俯いて下ばっかり見やがって!」
 梅ヶ枝・喜介(武者修行の旅烏・f18497)は徳川軍の有様に声をあげた。
 テメェらが見据えるべきは前だ! テメェらが背負うべきは太平の世! 守るべきは親兄弟だ! と、強く思っているが故に、不甲斐なさを感じているのかもしれない。
 実際猟兵たちの支援で気力を取り戻しつつはあるものの、いまだ武田軍に勝つ、というほどまでの気概は見えてこないのが現実だ。
「なら、言葉と記憶で心を奮い立たせようか」
 応えるように口を開いたのは、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)であった。
「戦うためには心は大事だ。平和な世の中を勝ち取った人々だ。その記憶がある。そして言葉には力がある」
 そこで言葉を切ると、康行は喜介に向けて告げる。
「さあ、俺と君の、言葉の力で背中を押そうか。未来を掴むのはいつも普通の人々なのだから」
「おれは難しい事はわかんねぇ! でもな、あいつらに戦ってもらいてぇ! 勝ってもらいてぇ!」
 覚悟と気合にあふれた男と、とぼけた感じを見せながらも言葉の力を信じる男。
 二人の言葉は徳川の兵たちに届くであろうか?
 
「おれァ天下自在の猟兵! 梅ケ枝喜介! 聞けぃ! 護国の勇士たち!」
 喜介は物見台の上にのぼり、徳川陣の端から端まで届くほどの大声で言った。
 兵たちは何事か、と声の方を注目する。
 その先にあったのは一人の男と。宙に映し出された戦場の風景であった。
「なんだぁ、ありゃあ……」
 兵たちは戸惑いながらも目が離せない。
 喜介が目を引き、康行は言葉の力を高めるために『コード・イン・メモリー』で過去の記憶を目に見える形で作り出しているのだ。
 空には徳川・織田連合軍が武田の騎馬隊を倒していく姿が映し出されている。長篠の戦いの記憶であろうか。
「勝つか負けるかで悩んでんじゃあ無い! アンタらが背負うモンを守りたければ勝つしか無い!」
 そんなことはわかっている。でも、武田軍は強すぎる。勝てるはずがない。そんな言葉が辺りから漏れる。
 それでも喜介は続けた。
「命が惜しいか! だよな! おれも死にたかねェ! だが戦わずして逃げても死ぬ! そんときゃあアンタだけじゃねェ! アンタの大事なもんも全部一緒に死ぬ!」

 と、ここで映像が切り替わる。
 そこに映し出されたのは平和を謳歌する人々の姿。徳川軍の後方にある村々の姿。
「ぐっ……」
 兵たちもその姿を見せられてはたまらない。彼らだって平和を守るためにこの地へやってきたのだ。その思いは変わらない。
「だから戦え! 勝て! 負けるな! 震えが止まらねぇなら叫べ!」
 ぽつりぽつりと。顔を上げ、気力を取り戻し始めた人がいる。
 もう一押し。そこで、物見台の下に控えていた康行が静かに告げた。
「あなたたちはこの世界に平和をもたらしている。彼らは過去からの亡霊。一度敗れた者達だ」
「そうだ! 相手は遅参した間抜けに過ぎねぇ!」
 喜介も続き、二人は言葉の力を高めていく。
「彼らの執念は凄まじいことだろう。でも、今のあなたたちにだってできることだ」
 今の自分たちにもできる。平和を守る事が。本当だろうか。
「今を生きる人々の幸せを守るため。そして、その先にいる信長を倒すため。心を一つにして戦えば未来を手にできる」
「言ってやろうぜ! 今更のこのこ出しゃばって来るんじゃねぇってな!」
 そうだ、武田軍は結局最後には負けたのだ。敗者が、せっかくつかみ取った平和を壊すというのなら!
「今がその時だ。命を賭けて大切なものを守るんだ」
「武田二十四将何するものぞ! 既に世に戦国は無し!」
 一人の兵が叫びをあげた。それに続いて叫びだすものがいた。
 そうして生まれたうねりはこの陣の端から端まで伝わり、大地を震わせる。
「俺達は勝つ!」
「平和を守る!」
「武田二十四将何するものぞ!」
 意志は固まった。少なくとも彼らはもう退く事はないだろう。その背に守るものがある限り。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


「や、やっぱり強い!」
 猟兵たちの活躍により徳川軍の士気は向上している。
 しかし、まともにぶつかりあえばやはり力不足。この状況を打破するには予定通りに猟兵たちが敵陣深くに切り込み、指揮官を討つ必要があるだろう。
 もう一歩。守るだけではなく、敵軍をしっかり引き付ける為にも、彼らはその一歩を踏み込まなければならない。
 
花月・椿
【POW判定】、アドリブ歓迎

甲斐の虎?なんだか強そうな名前…、これは久しぶりに殴りがいのありそうな敵ですねっ!(右手に愛用武器の赤手を付けて勢いよくガッツポーズ)

って、戦う前から味方が弱音吐いてるっ!ほらそこのお兄さん、家に帰りたいとか言ってないで武器を取って鎧を着けてくださいっ!あなた達が負けたら元も子もないでしょうにっ!守るべき家柄や家族がいるんでしょう?
なら戦って生きて帰らないと。
あなた達の前には武田信玄軍がいるけど、肩を並べるのは私達猟兵で、後ろで見守っているのは徳川様ですよ。どこに不足があるんですか、これ以上ない心強い味方でしょうにっ!

論より証拠、私があんな連中ぶっ飛ばしてやります!


シホ・イオア
怖いよね、でもここでくい止めないとシホ達の後ろにいる人たちを蹂躙する戦いが起きてしまうんだ。
皆の力をシホ達に貸してほしい

「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精の陣地!」
 ユーベルコード「マイ・キャッスル」を使い、戦場に陣地を作り出します。
騎馬の突進を防ぐ城壁に隠れられる避難所
矢倉にバリケードっぽいもの等など
一応戦闘知識を使って味方を有利にするよう作るけど、
味方の人の意見は聞きたいなぁ。

天気は悪くない
地の利はこちらにある
あとはみんなの勇気があれば負けないよね☆

アドリブ・連携歓迎



「甲斐の虎? なんだか強そうな名前……これは菱さしぶりに、殴り甲斐のありそうな敵ですねっ!」
 右手に愛用の武器、赤手『燎原の火』をつけて勢い良くガッツポーズを決めたのは花月・椿(百鬼粉砕・f12960)であった。
「うう……もう家に帰りてぇよ……」
「退く訳にはいかないんだ……でも無理なもんは無理だ……」
 しかし、目の前に転がっていたのは負傷し、後送されてきた兵たち。
「あれっ!? もう味方が弱音吐いてるっ!?」
 そうなのだ。武田軍は強力。本格的な戦闘はまだだが、小競り合いでも負け続ければせっかく上がった士気も下がってしまう。
「あなたたちが負けたら元も子もないでしょうにっ! 守るべき家族がいるんでしょう?」
「わかってる、わかってるんだよ……」
 だからこそ、猟兵の力があれば勝てる、と実際に見せてあげなければならないのだ。
 と、そこに。
「怖いよね、でもここでくい止めないとシホ達の後ろにいる人たちを蹂躙する戦いが起きてしまうんだ」
 現れたのは小さなフェアリー。シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)だ。
「そうだ。だけど武田軍は強すぎる。俺たちの準備も十分じゃあないんだ」
「うーん、なるほど……」
 二人はうなりをあげる。理屈はわかる。
 勝つための道筋。やはりそれを示さなければ。
 
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精の陣地!」
 その為の一手としてシホが売った手は、『マイ・キャッスル』によって陣地を強化する事だった。
 偽者ではあるが、ユーベルコードで建物として作り出されたそれは十分な防御力を持っている。
「騎馬の突進を防ぐ壁は必要だよね。それに、避難所も」
「守ってばかりでは駄目ですが、こういったものがあると安心感が違いますよね! まずは生きて帰らないと!」
 二人は試行錯誤をしつつも、今回の戦いに役に立ちそうな建物をどんどん作り出していく。
「うおお、こいつはすげぇ!」
「これなら、持ちこたえられるかもしれねぇな!」
 本来ならばあり得ないスピードで築かれていく陣……いや、これは砦といってもいいほどの規模であった。
 
「天気は悪くない。地の利はこちらにある。後は……」
 シホはそう言って兵士たちを見渡す。まだまだやれる、と意欲満々の者もいれば、やはり気を落してしまっている者もいる。
「これだけすごい砦なら、武田軍だって簡単には攻めてこれないだろうさ!」
 それに、守りが固められたことで守勢に入ってしまっている者もいるようだ。
「あとは、こちらの力を示さないと。引きこもってるだけじゃ陽動もうまくいかないよね」
「そういう事ならお任せをっ!」
 そこで再びガッツポーズを見せたのが椿。
「いいですか皆さん! あなた達の前には武田軍がいるけど、肩を並べるのは私達猟兵で、後ろで見守っているのは徳川様ですよ。どこに不足があるんですか、これ以上ない心強い味方でしょうにっ!」
 椿はそれだけ言うと、勢いよく駆けだす。
「論より証拠、私があんな連中ぶっ飛ばしてやります!」
 『灰燼拳』は超接近戦用の技。それを披露するにはそれこそ敵の眼前にまで迫らなければならない。
「お、おい! 嬢ちゃん!」
 その背中に、落ち込んでいた勇気が少しだけ取り戻される。
「あんなこと言われて、一人で行かせるわけにいくかよ」
「待てって! うわ、早!」
「俺達も行くから!」
 守りは十分に固められた。あとは攻めの姿勢。それさえしっかりと見せれば武田軍も徳川軍を無視できなくなる。
 そうなれば猟兵たちが突入する隙も、必ずできる。
「そう、みんなの勇気があれば負けないよね☆」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メーティオル・スター
連携・アドリブ歓迎です。

武田軍の復活かー。あんまりピンとこないけど、「古の魔王軍が復活1」みたいな感じなのかな?
そうなると、勇者でも登場すれば士気も上がりそうなものだけど…オレってそういう柄でもないしなー。

とりあえず、POWで判定。
ここはやっぱり、猟兵の力を見せつけるしかないか。
…いい感じに勇者っぽい人が来てないかなぁ。

陣頭に立ってる猟兵の大活躍が徳川軍によく伝わるようにしよう。
そうだなぁ…バイクで走り回りながら、猟兵の戦果を喧伝して回っってみようか。
ちょっと尾ひれをつけて誇張もしてみたりして。
こういうのは、強さが分かりやすい方がいいだろうしね。


藤原・祐菜
【POW】
よし、合戦前のお決まりとして名乗りを上げるで!

「ウチこそは古都、稲荷の神社の末裔にして稲荷の巫女、藤原・祐菜であるぞ!稲荷の巫女として神託を告げる。かの逆賊を討ち果たせ!
神君家康公は天下泰平の世を作られた。これは平和に対する反乱である!
我らが敗れれば次は後ろにいる無辜の民が犠牲となる。総員、奮起せよ。
正義はウチらにあり!!」

と采配を掲げて軍団を煽るで。一姫当千と愛良武勇の旗物を背中に挿して武将感満載で先陣に立つ感じやな。

「ウチらには多数の猟兵が援軍として参加している!勝ったも同然、諸君らの奮戦に期待する!」

とにかく徹底的に煽る。商売っちゅーのは平和な時が一番儲かるんやで?



「武田軍の復活かー。あんまりピンと来ないけど、古の魔王軍が復活! みたいな感じなのかな?」
 メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は、サムライエンパイアの歴史に詳しくはないらしい。
 だから、自分の知っている知識でこの状況を考える。
「そうなると、勇者でも登場すれば士気も上がりそうなものだけど……俺ってそういう柄でもないしなー」
 などとぼやきつつ、その歩を前線へと向けて進める。
 これまでも散発的な戦いは続いていたが、ついに武田軍は本格的に動き出そうとしていた。
 猟兵たちはその戦いの中を敵陣深くに切り込み、大将を討たねばならない。
 その為にも徳川軍には敵をしっかりと引き付けてもらう必要があった。
 残された時間は少ない。
 
「よし、合戦前のお決まりとして名乗りを上げるで!」
 藤原・祐菜(黒狐修業中・f18628)は前線に居た。
 彼女は敵軍を引き付け、抑えるために味方の軍団を鼓舞するべくその地に立っていたのだ。
 猟兵が共に戦う、それだけでも彼らの士気は上がる。ましてやその武勇を見せてくれるのならば。
「ウチこそは古都、稲荷の神社の末裔にして稲荷の巫女、藤原・祐菜であるぞ! 稲荷の巫女として神託を告げる。かの逆賊を討ち果たせ!」
 うおおおお、と声が上がる。ここまでの猟兵の活躍もあり、士気は開戦時とは比べ物にならないほど上がっていた。
 あとはこれを維持し、突入までの時間と隙を作らなければいけない。
 だから、彼女は彼らを煽りに煽る。
「神君家康公は天下泰平の世を作られた。これは平和に対する反乱である! 我らが敗れれば次は後ろにいる無辜の民が犠牲となる。総員、奮起せよ。正義はウチらにあり!!」
 言葉と共に祐菜は采配を掲げる。その背には、『一姫当千』と『愛良武勇』の旗物を差して、いかにも武将、といった趣きであった。その狙いは当然、味方の士気を煽るためである!
 
 そして、その演説を聞いていたのは徳川兵だけではなかった。メーティオルもちょうどその場にいたのだ。
「やるなぁ。勇者とは違うけど、これはみんな頑張るよね」
 宇宙バイクに跨りながら、彼は思う。猟兵の大活躍が伝わればみんなも奮起するだろう、と。
 しかしここにあったのはそれだけではなかった。徳川軍自身が、立ち上がる姿。それも伝える事ができればきっと。
 勝利の道筋は開ける。
「よし、じゃあやる事は決まったね」
 メーティオルはバイクを走らせる。
 途中には拳ひとつで奮戦する猟兵もいた。徳川兵と肩を並べて戦う猟兵もいた。前に立って鼓舞する者も、後方で支援する者も。
 それらすべてに、お互いの戦う姿を、強さを伝えながら。
 
 そうやって戦場を走り回り、最初の部隊まで戻ってきたとき、祐菜は再び声をあげた。
「ウチらには多数の猟兵が援軍として参加している! 勝ったも同然、諸君らの奮戦に期待する!」
 それだけ告げるとそのまま彼女は身をひるがえし、メーティオルのバイクまで駆け寄る。
「そろそろええな! ウチも乗せてってや!」
「乗せてけって、どこに?」
「決まっとるやろ! 敵陣、ど真ん中までや!」
 そう。士気の上がった徳川軍は見事に武田軍を引き付けていた。
 力はいまだ武田の方が上。ぶつかり続ければいずれ限界が来る。
 そうなる前に猟兵も、猟兵にしかできない事を果たすのだ。
 バイクのスロットルに力が入る。
「ところで、アンタはなんでこの戦いに?」
「そりゃーな、商売っちゅーのは平和な時が一番儲かるんやで?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『異国の少女剣士』

POW   :    跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD   :    縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ   :    憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:ちーと

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うおおお!」
 徳川、武田両軍のぶつかり合いは激しさを増していた。
 その混乱の中を猟兵たちは駆け抜ける。敵陣中心、狙いは大将首。
 しかし、そんな彼らに立ちふさがる者たちがいた。
「やはり来ましたか。この戦いに勝つつもりならば当然、狙うはここでしょうね」
 その姿はエンパイアの者ではないと一目でわかる。
 異国の少女剣士。彼女たちがここにいるという事は、やはり復活した武田軍には信長の息がかかっている、という証左でもあった。
 いずれにせよ、ここを突破しない限り先へは進めない。
 直属護衛部隊を打ち破り、武田二十四将のもとへたどり着くのだ!
梅ヶ枝・喜介
ご明察!立ち塞がるってんなら女子ども相手だって手を抜くつもりはねェ!
一度しか言わん!そこを退け!
田舎に引っ込んで慎ましやかな幸せでも見つけてよ!争いなんぞ忘れてひっそり暮らせ!

引かねぇか!
……かはは!そらあそうだ!ここまで来て揺らぐようなアンポンタンを将の守りに置くわけがねぇ!
すまねぇ!今のは取り消す!侮辱以外の何でも無かった!やり直させてくれや!

女だてらに剣の道を往く武人と見受けた!道半ばとは言えおれも剣を磨く者!
一太刀なんてせせっこましいことは言わねぇ!正々堂々決着が着くまで!勝負しようァ!

おれの使うは大上段!振り下ろし!
何度だって立ち上がり!勝つまで振るい続ければ必ずおれが勝つッ!!


藤原・祐菜
アンタが門番か!蹴散らして先へ進むでみんな!!

風水観測を使用し、ユーべルコードを回避するで。
殺気も気の一部。気は風によって散じ、水によって止まる。見えている以上、避けることは可能!!
通常攻撃はフォースカトラスの武器受け、サムライブレイドの残像、スペルカードシールドの防御で固めるで。基本、防御重視。
防御に振り分けることによってみんなの囮と盾になるで!

攻撃はサムライブレイドとフォースカトラスによる二刀流二回攻撃。みだれうちや!!

こやつ、できるな……!だがウチらも負けてられへん!!ここを突破して武田信玄の復活を阻止するんや!!



「つまりアンタらが門番、ちゅーわけやな!」
 立ち塞がる少女剣士たちに向け、藤原・祐菜(黒狐修業中・f18628)は剣を突き付けながら言った。
「そういう事です。信玄公の復活の為にも、武田の二十四将の力は必要なのでね……」
「あなたたちがこの状況から勝利するには、指揮官を倒さねばならない。と、なれば迎撃の備えをしておくのは当然のこと」
 そんな言葉に、かかか、と笑いながら梅ヶ枝・喜介(武者修行の旅烏・f18497)が言葉を返す。
「ご明察! そして、立ち塞がるってんなら女子ども相手だって手を抜くつもりはねェ!」
 喜介はどん、と大地を踏みしめ、刀を手に続ける。
「一度しか言わん! そこを退け! 田舎に引っ込んで慎ましやかな幸せでも見つけてよ! 争いなんぞ忘れてひっそり暮らせ!」
「戯言を……!」
 その言葉に一人の剣士が一瞬で間合いを詰め、その獲物を振り下ろす。その速さはまるで瞬間移動でもしたかのように早かったが、喜介はかろうじて受け止める。
「早っ! こやつ、できるな……!」
 その光景に祐菜は声を漏らす。しかし当の喜介は冷や汗を流しながらも嬉しそうに笑う。
「……かはは! そらあそうか! ここまで来てこっちの言う事を聞くようなアンポンタンを将の守りに置くわけがねぇ!」
 ぐい、と鍔迫り合いからその怪力をもって剣を押し返すと少女剣士は一旦飛び退る。
「すまねえ! 今のは取り消す! 侮辱以外の何でも無かった! やり直させてくれや!」
「何を言おうというのか知りませんが、あなたでは私たちには勝てませんよ」
 喜介は言いながら刀を鞘に納め、そして今度は木刀を手にしながら叫びをあげる。
「女だてらに剣の道を往く武人と見受けた! 道半ばとは言えおれも剣を磨く者! 一太刀なんてせせっこましいことは言わねぇ!」
 そして再び、その切っ先を突き付けながら言った。
「おれは梅ヶ枝・喜介! 正々堂々決着が着くまで! 勝負しようァ!」

「蹴散らして先に進まんとあかんのやで! 時間は敵の味方やっちゅーに!」
 祐菜がサムライブレイドとフォースカトラスを振るいながらぼやく。
 敵の数は多い。それでも二つの刀とスペルカード・シールドによって敵の攻撃はうまく受けきれている。
「ほう、守りはなかなかのもの。しかし守ってばかりではこの先に進むことなどできませんよ!」
 しかし、彼女たちの言うように決め手に欠けているとも感じていた。
 先の一瞬に見せた敵の動き。先に進むためには一瞬で間合いを詰めるあの技を攻略する必要がある、と祐菜は考える。
 喜介のほうを見やると剣士たちはひらりひらりと宙を跳躍し、今のところ大振りなその攻撃は当たっていない。
 しかし、敵の攻撃の瞬間に合わせてカウンターを狙えば一撃で倒す事だって不可能ではないだろう。
「なら、これでどうや!」
 祐菜は集中する。殺気も気の一部。気は風によって散じ、水によって止まる。『風水観測(フューチャーサイト)』の力によって未来を読もうというのだ。
「見えている以上、避けることは可能!! そしてウチはその先に行くで!」
 祐菜は10秒先の未来を見た。
 遠距離からでも一瞬で間合いを詰めてくる少女剣士たちの動きに対応するには少し先の未来。
 そこに見えたのは巻き上がる砂ぼこりだけであった。
 
「なんやこれ!?」
 読み違えたか、とも思った。
 しかし実際は喜介が振り下ろした『火の構え(ジョウダンノカマエ)』が周辺の地形を破壊した結果である。
「くそっ、また外した!」
「あんたそれしか出来へんのか!?」
 一瞬、張り詰めた気が緩む。それは敵にとって大きな隙を晒す事になる。
「アカン……!」
 と、思ったが。敵の追撃はやってこない。そして気付く。
「あいつら、見えてるとこにしか飛んでこれへんのや……!」
 勝利への糸口は見えた。
「あんた……喜介やっけ? ええか、うちが指示を出すから、合図したら思いっきりその技をぶちかませ!」
「お、おう? わかった!」

 敵の視界を限定し、攻めてくる瞬間を読み切る。祐菜の風水がそれを可能にした。
 走り回り、こちらの攻撃が決まるその一瞬を作り出す。
「これで仕留めてます! 覚悟!」
 少女剣士が二人の姿を視界にとらえる。
「今や! やれーっ!」
「俺はこれしか出来ねぇ!」
 祐菜の声に合わせて木刀を振り上げる。敵たちが一瞬で姿を消す。
「だから、これだけは誰にも負けたくねぇ!」
 言葉と共に振り下ろされた木刀は、猟兵たちを狙うべく現れた少女剣士たちを一撃で昏倒させた。
「何度だって立ち上がり! 勝つまで振るい続ければ、必ずおれが勝つッ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
さて、特に語る事もないので、早々に倒させて貰おう。

『ウルクの黎明』を発動。オド(オーラ防御)を活性化して戦闘態勢へ。
オーラセイバーを剛柔自在な剣術で振るって戦います。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)
(なぎ払い×衝撃波)などなど
敵の攻撃に対しては直感で回避してカウンター攻撃。
(第六感×見切り→カウンター)
敵POWUC対策
ジャンプして立体的な攻撃をしてくるでしょうが、飛翔して対応。
(空中戦×見切り)

さて、この先にいるのは二十四将の内、誰なのだろうね?
少しだけ楽しみだ。


メグレス・ラットマリッジ
心情:
争いなんて無いに越したことはないと思いますが、戦場の空気は嫌いではありません。
私は大勢の一人なれば、皆が一丸となって疾走するこの空間は心地が良い。
この時が終わらなければいいのに、そう思いませんか?

戦闘:
基本は杖一本で叩いたり蹴ったり。力任せなんて乙女らしくないかもですがこれが女子力です。
UC対策は瞬間移動という同じような技能の持ち主として初手の移動先は私の背後だと予測、警戒します。
何度も通じるとは思えないので早めの決着を心がけたいですね。
こちらのUCは致命打が狙える時に使用し、土埃・人混みに混じる・コートで視線を遮る・杖からの閃光などで転移の条件を満たします。


シホ・イオア
んー、上空から牽制してみようか。
空中を駆けての瞬間移動なんて厄介だしね。

ライトニング・ファングブレイカーを使って
部位破壊・誘導弾で足狙いってところかな。

ああ、シホを狙ってくるなら歓迎するよ
空中戦・残像・属性攻撃・鎧無視攻撃・精神攻撃・見切りを使ってお相手
武器は宝石剣と光輪だね。
何回ジャンプできるのか知らないけど、
いつまでもつかな?

連携・アドリブ歓迎



「争いなんてないに越したことはないと思いますが、戦場の空気は嫌いではありません」
 そう告げたのはメグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)。その後方では徳川軍と武田軍のぶつかり合いが今も続いている。
 そして猟兵たちは敵陣深く、大将首を取るために戦場を駆けているのだ。
「私は大勢の一人なれば、皆が一丸となって疾走するこの空間は心地が良い。……この時が終わらなければいいのに、そう思いませんか?」
 そんなふうに共にここまでの道のりを進んできた猟兵の一人、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)に問う。
 しかしシーザーは光の剣を顕現させながら言った。
「いや、私は特に語る事もない。早々に突破させて貰おう」
「あら、つれない」
 
「さて、楽しませてもらおうか」
 言葉と共にシーザーの全身が真紅のオーラで包まれる。『ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)』の力は彼の戦闘力を増し、そして飛翔能力を与えた。
 少女剣士たちは『跳躍飛翔』による空中戦を得意としている。それに対抗する手段として空を飛ぶ、という手段を選ぶのは当然とも言えた。
 そして同様に宙を舞うものが一人。シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)である
「空中を駆けて、しかも瞬間移動なんて厄介だしね。私は足を狙っていこうかな」
 シホはそう言いながら宝石剣エリクシアを手にルミナス・リングを作り出し、放つ。
「甘い!」
 初手は回避。しかし光輪はなおも敵を追い続ける。
「何回ジャンプできるのか知らないけれど、いつまで持つかな?」
 そうして回避した敵の一人であったが、赤い一閃が一瞬にしてその姿を断った。
 シーザーだ。彼の速度は今、常人では見切れぬほどにまで達していた。
 そのスピードの高さ故に、逆に小回りが利く少女剣士たちはかろうじてその攻撃を避ける事ができていたのだが……
 シホの牽制が隙を作り出し、その巧みな動きを封じた。
 狙いさえ定まれば必殺ともいえる一撃。その剛柔自在な剣術が真価を発揮しようとしている。
 
 一方、地上では。メグレスが杖を手に少女剣士たちと丁々発止の戦いを繰り広げていた。
 杖と剣がぶつかり合う。隙を見せれば蹴りが飛び、互いの距離を引き離す。好機と攻め込むも背後に警戒するメグレスはそれを許さない。
「力任せなんて乙女らしくないかもですが……」
「言ってくれますね。一人でこの数を相手にしておきながら余裕ではないですか」
「これが女子力です」
 そんな会話を繰り広げつつ、剣士たちも攻めあぐねている。
 お互い、気付いているのだ。双方のユーベルコードが現状では決め手にならない事を。
 細かな差異があるものの同じような特性を持つ技。それ故に、迂闊には攻め込めない。
 しかし戦況というものは一手で変わる事も多い。
「輝石解放、エメラルド! 雷光よ、獅子の魔弾となりて敵に食らいつけ!」
 その言葉ははるか上空から。シホの『ライトニング・ファングブレイカー』だ。
 いくつもの雷の力を帯びた魔弾が辺りに降りそそぐ。
 剣士たちの剣は雷であろうと斬る事ができる。しかし、当然それに対応すれば他への注意をこれまで同様に払う事はできない。
「ぬっ……奴はどこへ消えました!」
「あなたの後ろです」
 言うが早いかメグレスの雷杖は振り下ろされ、言葉を放った剣士は昏倒した。
 
 そして空中戦は今も続いていた。
 少女剣士たちは数を減らしつつあるが、彼女たちも直属の護衛を任されるほどの実力者。
 完璧ではなくともシーザーの動きにも対応し始め、時間を稼がれていた。
「私は早く二十四将の顔を見てみたいのだがな」
「我々にも矜持というものがあるのです!」
 剣が振るわれるがシーザーはそれを難なく避ける。
 このまま戦い続ければ勝つのは彼のほうだ。しかし、このままでは徳川軍の方が持たないかもしれない。
 シホからの援護もあるが彼女は地上にも気を配っている。こちらにばかり集中はできない。
 と、眼下……地上に何やら身振り手振りでこちらに合図を送るものが見えた。
「ほお、私を使おうというのかね。面白い」
 シーザーはその意図に気付いた。そして、一気にその身を大地へ向ける。突然の動きの変化に戸惑いながらも取り囲む剣士たちはその後を追う。
 その先に居たのは、メグレス。そして彼女を討つべくその背後に現れた一人の少女剣士。
「ぐあっ……」
 意識外からの攻撃。光の剣に貫かれ、倒れ伏す少女剣士。 
 そして、それで終わりではない。メグレスはその場から消えていた。
(死は、いつだってすぐそばにある)
 その姿は、宙を駆けシーザーを追っていた剣士たちの死角にあった。『黄泉渡り(テリブル)』による瞬間移動は死角から死角を渡る力。
「えいっ!」
 手にした獲物が振り下ろされ、空を駆けていたはずの体は大地に落ちた。
 
 それぞれが空に地に互いを活かしながら戦いは続き、やがてそこに立つものは猟兵だけとなった。
「よし、これで進めるね」
「残るは武田二十四将の誰か、だけですね」
「さて、この先に居るのは誰なのだろうね? 少しだけ楽しみだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

紫谷・康行
戦いになったのなら
戦えるという自信をさらに与えたいところだね
この先も戦いは続くだろうから
勝つことによってしか得られないものもある

【コード・ポテンシャル・ゼロ】を使い相手の動きを止めて戦況を有利にしようとする
後方から様子を窺い、攻撃しようとする相手の利き腕や攻撃を除けようとする者の足にプログラムを走らせ、熱エネルギーを失わせて動きを止め、バランスを崩させて行動を失敗させようとする

手品はタネを見せる必要はない
少しだけ手を貸して仲間をサポートして相手が大したことが無いように見せかけられたらいい
そこまでできなくても何かあると思えば警戒し動きも鈍るだろう
とぼけた風を装って相手を煙に巻ければいい


ステラ・テルキーネス
【心境】
「これ以上あなたたちの好きにさせてたまるものですか…。」
あなた達の相手はボク達です(ふんすー)

【行動】
「ボクの髪はブレードになります!」
UC:髪刃切断を発動して、刃とかした『ステラ・テルキーネスの長い髪の毛』で『なぎ払い』ながら切り倒していきます。
しかし、この光景第三者から見たらボクの方がオブビリオンっぽいような…うん気のせいだ(下半身が馬の角の生えた女が、髪の毛を伸ばして振り回して少女剣士を薙ぎ払いながら暴れている図)

空に逃げますか?逃がしません。髪を伸ばして掴んで、地面に『吹き飛ばし』ますよ。

アドリブと他猟兵との絡み:OK


花月・椿
UC:『強者への高揚』【POW】、アドリブ歓迎

(【ダッシュ】で全力疾走のまま異国の少女剣士の顔面目掛けて殴りかかる)
『問答無用、邪魔ですっ!』

とっとと武田信玄とやらを殴りたいんだから邪魔しないで欲しいなー。
仕方ないけど、ウォーミングアップと思って相手してあげますから全員かかって来なさい。
でも数が多い上にちょっとすばしっこいしのは面倒かも。

少し時間はかかるけど【属性攻撃】で左手から炎を出してUC:『強者への高揚』で敵を一体ずつ捕縛し、引き寄せて全力の殴打を加えるプランで行こうかな。正直、空を飛ばれたら対抗策があんまりない…
『降りて来なさいっ!でないとこのままあなた達の首を取りに向かいますよっ!』


メーティオル・スター
※連携・アドリブ歓迎です。

女の子の部隊かー。正直武田軍の中でも浮いてる気がするけど、ちゃんと馴染めてるのかな?

SPDで判定。

瞬間移動なんてされたら目で追えないし、動きの先読みとかもできないけどさ。
大体こういう時は…(局所的近未来予測システムが起動、瞬間移動してきた敵に至近距離から斬られる、未来のビジョンを見て)
うん、やっぱり見えた。
予測はできないけど、どこに出てくるか知ることはできる、と。

技能カウンター・クイックドロウを使用。
敵が瞬間移動で消えたら、出現する場所に銃口を向けて引き金を引く。
とりあえず、これで何とかなるかな?



「戦いが続くというのなら」
 自身の後方、ぶつかり合う徳川軍と武田軍を見やり、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)は思った。
「彼らには、戦えるという自信を更に与えたいところだね」
 そして今度は先を進み、直属護衛部隊と相対した猟兵たちに視線を移す。
 宙を飛び、間合いを測り、斬撃が交わされ合うその戦いの中へ歩を進める。
「勝つことによってしか得られないものもある。俺たちはそれを見せなければ……でもまあ」
 そう言うと康行は猟兵たちを援護すべく、杖に仕込んだコンピューターを起動した。
「手品のタネは見せる必要はないけれどね」

「女の子の部隊かー。正直武田軍の中でも浮いてる気がするけど、ちゃんと馴染めてるのかな?」
 立ち塞がる少女剣士たち。その姿を目の当たりにしたメーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)はそんなことを漏らした。
「信長公は男だ女だなどと細かい事は気にされません。故に、この戦場に我々を送り込んだのです」
「信玄公の復活は武田の軍にとっても悲願。それに協力しようというものを拒む理由もありません」
 対する剣士たちは答える。直属護衛部隊としてこの場にいるのだから、その言葉に嘘もあるまい。
「とっとと武田二十四将とやらを殴りたいんだから邪魔しないで欲しいなー」
 と、そこで口を開いたのは花月・椿(百鬼粉砕・f12960)だ。左手を握りしめ何やら力をためている。
 無論、少女剣士たちが道を譲るはずもない。
「仕方ない、ウォーミングアップと思って相手してあげますから全員かかって来なさい」
「そうです、これ以上あなたたちの好きにさせてたまるものですか……」
 ふんす、と息を吐きながら続くのはステラ・テルキーネス(バイオモンスターのミュータントヒーロー・f19520)だ。
 バイオモンスターとしての力でその長い髪を伸ばしながら指を差し、言う。
「あなたたちの相手はボク達です!」

 真っ先に駆け出したのは椿。その勢いのまま少女剣士の顔面目掛けて右手の拳を振るう。
「問答無用っ! 邪魔です!」
「そんな拳など……!」
 しかし、ひらりと宙に飛び上がりその一撃は躱された。
「うーん、数が多いうえにちょっとすばしっこいのは面倒!」
 と、飛びあがったその足に迫るものがある。
「空には逃がしませんっ」
 それはステラの長い髪だった。手足のように巧みに操られたその髪は跳躍する少女剣士を追い続け、ついにその足を掴み、大地へと叩き落した。
「しまっ……」
「その隙、もらいましたっ!」
 椿の拳が勢いよくその体を殴りつけた。
 
「うーん、流石にすばやいな。当たらないや」
 メーティオルはパイレーツマグナムを手にぼやく。
 実際敵の動きは素早く、しかも立体的。そうそう当たってくれるものでもなかった。
 だからこそ何か策を、と考えた瞬間。
 メーティオルの眼前に突如現れた少女剣士がその剣を突き立てる。
 ……という未来のビジョンが映し出された。
「……うん、やっぱり見えた」
 『局所的近未来予測システム(キョクショテキキンミライヨソクシステム)』が、自身が攻撃を受ける瞬間を予測したのだ。
「予測はできないけど、どこに出てくるか知ることはできる、と」
 あとは敵が瞬間移動で消えたら、出現する場所に銃口を向けて引き金を引く。
 それで何とかなる、と考えたメーティオルだが。
 未来が見えたとしても必ずしもそれを回避できるとは限らない。
「甘いですよっ!」
 少女剣士の動きは必殺のタイミング。彼の早撃ちの腕は決して悪くない。
 しかし、とんでもない距離を一瞬で詰める素早さはその反応をもってしても止めることは……
「馬鹿、な……」
 間に合うはずのない銃撃。それより前に刺し貫けるはずであったのに。
 攻撃の瞬間。何かが彼女の邪魔をしたのだ。
「悪いね、オレにはそこまで見えてたんだ。仲間の動きまで」
 
「この光景、第三者から見たらボクの方がオブリビオンっぽいような……」
 ステラは自分の姿と、敵の姿にちょっとだけそんな不安を覚える。
 バイオモンスターである彼女の姿は確かに”モンスター”といえるかもしれないし、その髪を振り回して少女剣士と戦う姿はどちらが敵か味方か、迷ってしまう者もいるかもしれない。
 だが安心してほしい。猟兵はその世界の人々から違和感を持たれる事はないし、味方の猟兵たちは見た目で判断したりはしない。
 だから大丈夫。
「うん、気のせいだよね!」
 その間もステラは髪を伸ばし、敵を追い詰める。しかし最初に見せた動きから警戒され、簡単には掴ませてくれない。
 しかし。
「僕の髪はブレードになります!」
 ステラの髪は掴むだけにはとどまらない。『髪刃切断(エクステンションリッパー)』が敵を切り裂く。
 その特性を読み違えたツケを少女剣士たちは払う事になった。
「むっ、やってくれますね……ここまで手の内を隠していたとは」
「しかしわかってしまえば、かわす事は容易い!」
 彼女たちは自分の機動性に自信を持っている。故に、必要以上に大きく避ける事をしていない。
 それが命取り。
「ええいっ!」
「見切った……何!?」
 ほんの一瞬動きが止まる。襲い来る髪を避けられない。
「目の前の事ばかり気にしてるからそうなるんだ! 相手はボクだけじゃなかったんだよ!」
 ステラ・テルキーネスの長い髪の毛が少女剣士たちを薙ぎ払った。
 
「もうっ! 降りてきなさいっ! でないとこのまま、大将の首を取りに向かいますよっ!」
 そんな中、拳が届かずもどかしい思いをしていたのは椿だった。
 やはり空中に居る相手には拳を届かせるのは困難で、思うように敵を殴り飛ばせない。
「そう焦らない。手助け、いるかな?」
 そこに声をかけたのはメーティオル。その言葉に椿は答えた。
「少し時間はかかるけど手はあります! ちょっとだけ敵を引き付けてください!」
「はいよっ」
 メーティオルは先ほどまでと同様、自分が攻撃を受けるビジョンを基に敵の攻撃をかわしていく。
 その後ろで椿は左手に力を込める。そこから吹き上がるのは……炎。
「さぁさぁさぁ、正面きって戦いましょうかっ!」
 敵の動きが止まった隙を狙い、そのまま左手を前に突き出した。その先の少女剣士めがけて炎が放たれる。
 そこまで接近戦ばかりをしていた椿からの遠距離攻撃。その炎は敵を逃がすことなく包み込む。
「しまった……!」
 爆発音。煙が一瞬で晴れると、二人の間は帯状の炎で繋がれていた。
「ええいっ!」
 椿の気合と共に『強者への高揚』はここまでの不利を逆転させ、敵を自らの間合いへと引きずりこむ。
「ようやく近くに来てくれましたね」
「くっ……」
 椿は引き寄せられたその顔面に目掛けて右手の拳を打ち付けた。
 
 ここまでの戦い。幾度か敵の動きを阻むものがあったことに気付いただろうか?
 その正体は康行のユーベルコード。
「電子の海に浮かぶ0と1が君のエネルギーをゼロにする……」
 かれは主戦場から少し離れた場所で猟兵たちの援護を続けていた。
 『コード・ポテンシャル・ゼロ』は戦場の優勢を決定づけるほどのものではない。
 一瞬だけ、熱エネルギーをゼロに近付ける事により動きを止める力。
 しかし、紙一重の差。ネットにはじかれたボール。コインの裏表。そんな小さな差を掴み取る助けとなっていたのだ。
「少しだけ手を貸して、仲間をサポートして……それだけでここは十分だ」
 そして、その違和感に少女剣士たちが気付いた時。
 すでに戦いは決着を迎えようとしていた。
 
 これで猟兵たちの道を阻むものはなくなった。
「お見事。俺の手助けなんて必要なかったかな?」
 戦いの後に姿を現した康行に猟兵たちは答える。
「とぼけた顔してくれちゃって。まあ、助かったよ」
「ともあれ、これで残すは武田信玄!」
「信玄公が復活しちゃダメでしょ。相手は武田二十四将だよ」
 少しだけ弛緩した空気。
 しかしその時、強力な気が辺りを包んだ。
「これは……」
「お出まし、って事か」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:酉作

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「見事! 彼の者達を打ち破り、ワシのもとまでよくぞたどり着いた!」
 直属護衛部隊を打ち破り歩を進めた猟兵たち。そこに待ち受けるは名高き武田二十四将が一人。
「人呼んで、鬼美濃! 武田の五名臣とも呼ばれし我が武勇、しかとその目に焼き付けよ!」
 赤い鎧具足が大地を踏みしめる。
 刀が太陽の光を受けて鈍く光る。
 ――戦場の音が遠く聞こえた。
 圧倒的な威圧感を示しながら、戦国の世を駆け抜けた一人の武将が名乗りを上げる。 
 個としても、兵を率いる将としても。音に聞こえたその名は――
「信玄公の復活、止めさせはせぬ! 美濃守、原虎胤(はらとらたね)! いざ出陣――!」
 
シーザー・ゴールドマン
【POW】
ほう、鬼美濃、夜叉美濃と畏れられた原虎胤か。
これは楽しめそうだね。

『ウルクの黎明』を発動。
オド(オーラ防御)を活性化して飛翔、戦闘態勢へ。
千変万化の剣術でオーラセイバーを振るう。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)など
敵の攻撃に対しては直感で回避してカウンター攻撃。
(第六感×見切り→カウンター)
『合戦具足』対策
残像を残しつつ高機動戦闘で翻弄を試みる。
(空中戦×見切り×残像)

『骸の海』に還りたまえ。君とて信長公に顎で使われる信玄公など見たくはないだろう?


ステラ・テルキーネス
心境】
「な、名乗りがカッコいいです…。」
うん、これは強敵です…。
みなさん頑張りましょう(グッ!)

【行動】
「ボクの奥の手です!」
「戦国兵団(WIZ)」に対し、ユーベルコード「冷凍凍結波」で霊を凍結させて攻撃を不発させます。
兵のいない武将はただの戦士です。これで対等ですよ…。

自慢の『怪力』を魅せてやるのです。
戦国武将に接近して、ステラ・テルキーネスの右前脚で『2回攻撃』。
殴って、怯んだところに、爪で『串刺し』にします。
その鎧を破壊してやりますよ。

アドリブと他猟兵との絡み:OK


梅ヶ枝・喜介
おおっ!スゲェ気迫だ!腹の底に響きやがる!
流石は鬼武者!赤備えは伊達じゃねェか!

だがこれっぽっちも負ける気は無いゼ!
ここで勝てなきゃ天下の一大事なんだ!
アンタらの企ては止めて絶対に見せるッ!

敵は巨大にして強大!戦士にして将!
普通に考えりゃあ、おれの勝ってるトコなんざひとっつも無い!

だが関係ねぇなァ!関係ねぇよ!
最後に両の足で立ち!相手を地に伏させていたら勝ちだ!

どんなに打ち据えられようと!気合いを滾らせりゃあ立ち上がれる!
死の崖っぷちに立つ覚悟を決めりゃあ!何度だってかかって行ける!

肉を切られても骨を断たれても立ち向かえ!
おれァ今の世が結構好きだからよ!変えさせる訳にはいかねぇなァ!


藤原・祐菜
ウチこそは!稲荷神社の跡取り娘、藤原・祐菜や!いざ、尋常に勝負!!

サムライブレイドとスペルカードシールドとフォースカトラス(残像、オーラ防御、盾受け、武器受け)を駆使して質量のある残像を繰り出すで!!さらに直接攻撃には切り払いで回避。

それも!これも!残像や!!

さらには風水観測で安全地帯を探りながら接近。見える!ウチにも敵が見えるで!!

一撃一撃は弱くても……積み重ねれば大ダメージに繋がるんや!!とフォースカトラスとサムライブレイドの二刀流2回攻撃でダメージを積み重ねていくで。

アンタは歴史に敗れたんや。おとなしく躯の海に還れ!!


花月・椿
【POW】、アドリブ歓迎

ようやく大将首ですか、徳川軍の兵隊さん達を焚きつけて手前ここで無様な姿は見せられませんねっ!

せっかく丁寧な名乗りを上げてくれた手前恐縮ですが、私はただそのかっこいい赤い鎧の上から思い切りぶん殴りたいだけなので名乗り返したりはしません。
あなたの事情も過去の栄光も興味ないです、ただぶん殴って黙らせたい。それだけです。さぁ覚悟はいいですかっ!

敵が巨大化していようがしていまいが、眼前に他の兵を配していようがお構いなく【ダッシュ】で真正面から近づいてその勢いのまま大将首を、右手の赤手でぶん殴ります。迎撃が有っても全て勘と【武器受け】で防ぎ、絶対に足を止めません


紫谷・康行
名乗るほどのものではないよ
思いはわかるけど、それは叶えてはあげられない
過去はやり直せない
未来は今を生きる者たちのためにある
こちらも命がけで相手をしようかな

【イーゴーの見えざる刃】を使い戦う
戦いの風を読むように後方にいて気を窺う
基本は味方や仲間のサポートをして戦線を支えようとする
相手が攻めようとしているときには銃や弓矢を狙って風を吹かせ攻撃を逸らそうとする

「勝つためには風を待てばいい」
攻撃用の魔法は自身の後方に竜巻上に風を吹かせて力を蓄えておく
強い風が吹いたときにそれに紛れて風の刃を放つ
風が風を隠すように
風が風を呼び力を強め合うように
その鎧なら隙間風も吹くだろう
鎧を超えて内側から切り裂け、風よ!


シホ・イオア
鬼美濃で五名臣で美濃守で原虎胤?名前がいっぱいだね☆
シホはシホだよ!
悪い人の復活なんてやらせるもんか!

霞の残像を身にまといつつ愛の炎で牽制していくよ
誘導弾でも自動追尾もおりまぜて避けにくくしていこう
隙を見せたら炎をまとめてドカンといくよ

連携アドリブ歓迎!


メーティオル・スター
えーっと?ハラトラタネ…どこまで苗字だろ、まあどこでもいいけどさ。
ここまで来たんだし、このまま復活は阻止させてもらうよ。

自分を中心に、周囲を同時に攻撃する斬撃…某ゲームの回転切りみたいな感じかな?それなら、上下にかわせればイケる!…といいなぁ。

まずはバイクに乗って、他の仲間と足並みをそろえて敵に接近。
それで、敵が攻撃のそぶりを見せたらバイクを蹴って上にジャンプ。
斬撃をかわしたら、振り終わった後の隙を狙って銃撃。
技能はカウンターと空中戦あたりかな。

信長が信玄の復活を目論んでるんだっけ?
二人は仲が良かったのかな…
 



 大きな、大きな鬨の声が上がった。
 虎胤を先頭に足軽たちの霊が列をなす。
 蘇った武田軍の中で本当の意味での彼直属戦国兵団、原足軽隊はここに在ったのだ。
「さあ、名乗るがいい! ワシに挑みし勇者の名、後世まで伝えてやろうぞ!」
 虎胤は堂々たる姿で猟兵たちに向けて声をあげた。
 
「おおっ! スゲェ気迫だ! 腹の底に響きやがる!」
「な、名乗りがカッコイイです……」
 その姿に梅ヶ枝・喜介(武者修行の旅烏・f18497)とステラ・テルキーネス(バイオモンスターのミュータントヒーロー・f19520)が感嘆の声をもらす。
「ほう、鬼美濃、夜叉美濃と畏れられた原虎胤か。これは楽しめそうだね」
 対して冷静に、感想を述べるのはシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)である。
 それに続くように紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)もまた、「名乗るほどのものではないよ」とつぶやいた。
「せっかく丁寧な名乗りを上げてくれた手前恐縮ですが、私はただそのかっこいい赤い鎧の上から思い切りぶん殴りたいだけですっ!」
 一方、花月・椿(百鬼粉砕・f12960)は誰であろうと関係ない、と言わんばかりに拳を握り締める。
「鬼美濃で、五名臣で、美濃守で、原虎胤? 名前がいっぱいだね☆」
「えーっと? ハラトラタネ……どこまで苗字だろ。まあどこでもいいけどさ」
 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は相手の持つ名の多さが気になっているらしい。
 そしてその隣にいたメーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は、慣れない武将の名に戸惑いを見せる。
 そんな面々に虎胤は面頬の下で苦笑しながらも口を開いた。
「時代が、世界が変われば戦の習いも変わるという事か! ワシを知る者もいたようだが、名乗らぬというならばそれもよし! だが、己の名を掲げんとするものはいないか!」
 そんな言葉に応えるように
「シホはシホだよ!」
 シホが言葉を返す。そして。
「ウチこそは! 稲荷神社の跡取り娘、藤原・祐菜や! いざ、尋常に勝負!!」
 藤原・祐菜(黒狐修業中・f18628)は、二振りの刀を手に堂々たる名乗りを上げた。
「よかろう! 我が足軽隊の総力をもってお相手いたす! その方らの首を取って我が誉れとしよう!」
 
「矢を放てぇい!」
 虎胤の号令と共に一斉に弓が放たれた。
 猟兵たちはそれぞれの武器を手に、迫りくる矢の嵐を払い、残像を残す素早さで躱し、撃ち落としていく。
「うん、これは強敵です……皆さん、頑張りましょう!」
 ぐっ、と気合を入れながらステラは戦国兵団へと集中する。
 猟兵たちの動きは様々だ。虎胤を抑えにまわるもの、戦国兵団に相対するもの。
 康行も兵団を相手取る事にしたようだ。
「信玄公の復活……思いはわかるけど、それは叶えてはあげられない」
 やはり淡々と、事実を告げるように言葉を紡ぐ。
「過去はやり直せない。未来は今を生きる者たちのためにある」
 そして杖を掲げ、宣言する。
「こちらも命がけで相手をしようかな」
 と。
 
 虎胤の戦国兵団は過去の亡霊。
 火縄も既に用いられていた時代ではあるが、やはり戦場における遠距離戦の主役は弓であった。
 鍛えられた兵たちに放たれた矢は、多少の風などものともしない。むしろ風を切って進んでいく。
「星空も見えぬ世界の果て、辿り着くこと叶わぬイーゴーに吹く無慈悲な風よ。全ての因果を絶つ決別の刃よ」
 しかし、そこに新たな風が吹く。『イーゴーの見えざる刃(イーゴーノミエザルヤイバ)』は康行の言葉に応え、その刃を研ぎ澄ましていく。
「我が言葉に導かれ今ここに吹け」
 世界の果てに吹く風は、宙にある矢の群れを正確に撃ち落とした。
「やりおる! 我が兵たちの弓をも阻む風を操るとは!」
 虎胤は猟兵たちと切り結びながらも戦場の風の変化に気付き、称賛の声をあげる。
「だが、それで終わるほどヤワではない! 足軽隊、前衛は弓を捨て、槍を持てぇい!」
 その判断は早かった。康行がそれに対応し続けなければならない程度には弓兵を残しつつ、接近戦を重視した形への意向を指示する。やはり戦における感覚の鋭さは見事なものであった。
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、優雅に舞い踊れ!』
 今度はその足で迫りくる戦国兵団にシホは『ハート・ロンド』の力を開放し、ハートをかたどった炎を放つ。
 突かれる槍も霞の残像を残しつつかわし、その炎の範囲を広げていく。
「あっちは炎、それなら……ボクの奥の手です!」
 対してステラは額の鱗から冷凍ビームを発射する。『冷凍凍結波(ステラフリーズビーム)』の代償は小さくない。しかしその一撃は確実に相手の動きを封じ……
「まとめてドカンと行くよ!」
 それまで分散して放たれていたシホの炎が一つとなり、大きな火柱をあげる。
 氷と炎を操る二人の活躍によって戦国兵団たちは少しずつ、その数を減らしていった。
 
 虎胤は兵たちに檄を飛ばしつつも、眼前の猟兵たちへの対応を怠らない。
「まだ若かろうに、やりおる! だがワシも鬼と、夜叉と呼ばれしもの! そう容易くこの首、渡してやるわけにはいかんなぁ!」
 虎胤は供も連れずに単騎で猟兵たちの相手をしていた。
 この人数差を相手に凌ぎきるその力量は流石のものだが、理由はそれだけではない。
「かわして見せよ、この一刀を!」
 振るう刀は衝撃波を伴い、辺りを切り裂く。
 一気に距離を詰めようにもその範囲は広く、隙も見せない。
 これを受けてはたとえ猟兵であろうとただではすまないだろう。虎胤は味方を巻き込むことをよしとせず、一人で戦っているのだ。
「さすがやなぁ……」
 せっかく詰めた距離を再び取らされ、祐菜は汗をにじませる。
「これはちょっとやそっとじゃ接近できそうもないね」
 メーティオルもまた、バイクにまたがったままため息をつく。
 銃を手にしているが、ただ撃っただけでは打ち落とされる。
 決定打を与えるにはこの距離では遠い。かといって近付けばあの斬撃だ。
「危険やけど、踏み込まなアカンな、これは……」
 まずは一太刀、届かせねば。この強大なる武人を討つことはできない。
 
「行くで! うちの事を止められるもんなら止めて見せや!」
 祐菜は言葉と共に駆けだした。一見、それは無謀にも見えた。
「やぶれかぶれの特攻……いや違うな! いいだろう、受けて立つ! この刀、破ってみせい!」
 虎胤はその意図に気付く。しかし彼は誘いに乗った。その覚悟に敬意を示すように。
 振り下ろされた刀はやはり、嵐の如き太刀筋。その奔流が辺りを包む。
「見える、ウチにも敵の動きが見えるで!!」
 『風水観測(フューチャーサイト)』は10秒先の未来を観測し続けた。
 そして、この攻撃を避けきるには、常に”その先”の事を考えて動き続けなければならない。
「それも残像!」
 全ては紙一重。少しでも集中を切らせばその斬撃は彼女を切り裂くだろう。
「これも残像!」
 しかし祐菜はその嵐の中を駆け抜け……
「ワシの眼前まで迫るとは見事!」
「まだ終わりやないで!」
 サムライブレイドとフォースカトラス、虎胤の刀がぶつかり合う。
「それはワシとて同じことよ! せぇい!」
 一瞬の隙を突き、虎胤は刀を振り下ろす。完全に祐菜を捉えたかのように見えた。
「ぬ、ぬおっ!?」
「さっさと撃ちきって、次に行かせてもらう!」
 しかし攻撃を受けたのは虎胤の方。
「それも! 残像や!」
 虎胤が斬ったのは祐菜の作り出した残像。
 突撃に合わせバイクを走らせたメーティオルは、この瞬間を狙っていたのだ。
 その勢いのままバイクを足場に跳躍し、頭上から銃弾の雨を降らせる。
 パイレーツマグナムからの『クイックフルバースト』だ。
 ほんのわずかな隙であってもその射撃は正確に、籠められたすべての弾丸を虎胤へと叩き込んだ。
「おのれっ!」
「アンタは歴史に敗れたんや。おとなしく躯の海に還れ!!」
 そして、祐菜の二刀がついに虎胤へと届いた。
 
 その時であった。
「前線より通達! 敵の出城を落としましてござる!」
「でかした!」
 傷を受け、息を乱した虎胤のもとに一つの報が告げられる。
 徳川軍と武田軍は平地にて野戦を続けていた。
 両軍のぶつかり合いは武田がわずかに優勢であったが徳川軍もよく奮戦し、その勢いを押しとどめていた。
 故に、後方。猟兵たちが出城と呼べるほどまでに強化した徳川の陣だったが、その守りは薄くなっていた。
 虎胤はそこを突いたのだ。
「ワシは城取りの名手とも呼ばれていてな……!」
 猟兵たちと戦いながら、そこまで見ていたとは。
 しかし、確かに痛手ではあるがそれは戦場の勝敗を分けるものではない。
 それでも城を欲した理由とは……
「我が親愛なる兵(つわもの)達よ! ワシと共に戦えぃ!」
 虎胤が叫びをあげると戦国兵団たちの姿が消えていく。そして。
「来い!”我が城”よ!!」
 武田はかつて戦国の世に敗れ、当然虎胤にも自分の城と言えるものはもはやなかった。
 しかし彼はたった今、それを手にしていた。
 出城の一部が彼方より飛来する。
 そして虎胤はその姿を見上げるほどの巨大な武者鎧としたのだ。
「これぞ合戦具足! 猟兵たちよ、これが最後だ! 今こそ雌雄を決しようぞ!」

「この状況で城を落とすとは、さすがは鬼美濃。だが、大きくなったから強いというものでもなかろう」
 『ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)』を発動し、戦国兵団を華麗に蹴散らしていたシーザーは巨大化した虎胤を見てつぶやく。
 だが、楽しめそうだ、とシーザーはその身を飛翔させ、虎胤のもとへと向かう。
「ようやく大将首の相手をできそうですか! 徳川軍の兵隊さん達を焚きつけてきた手前ここで無様な姿は見せられませんねっ!」
 椿もまた強敵が真の姿をさらしたことに期待を膨らませ、駆けだす。
「敵は巨大にして強大! 戦士にして将! 俺達を相手にしながらあんなことをやってのける! 普通に考えりゃあ、おれの勝ってるトコなんざひとっつも無い!」
 大きな声で、虎胤の姿に叫びをあげる。
「だが、これっぽちも負ける気はないぜ!」
 喜介は羽織をはためかせ、巨大な敵へと立ち向かう。
 
「小手先の技など通じぬわ!」
 虎胤の拳が大地を震わせる。先ほどまでの速さや、兵たちによる集団戦の厄介さこそなくなったものの、そのパワーは強大。ここまでとは違った戦い方が求められていた。
「信玄公と再び戦場を駆ける為にも! 我らの悲願、阻ませはせん!」
「あなたの事情も過去の栄光も興味ないです!」
 虎胤の言葉に椿は言う。
 拳が虎胤の拳とぶつかり合う。辺りに衝撃が走る。単純な力比べでは互角、といったところか。
「大したものだ! だが、戦場にあるものは力だけではない!」
 虎胤はその鎧の肩部分から砲弾を放つ。爆風が爆炎が広がる。
「ここで勝てなきゃ、天下の一大事なんだ! アンタらの企ては絶対に止めて見せるッ!」
 その中を駆け抜けてきた喜介が足に向けて木刀を振り下ろす。
「小癪な!」
 だが虎胤はその巨体に見合わぬ器用さでその一撃を捌くとそのまま蹴りを放つ。
「ぐおっ!」
 吹き飛ばされる喜介。そのダメージは小さなものではない。
「確かにその力は強力なようだ。だが、この千変万化の剣術を見切ることはできるかな?」
「ええい、ちょこまかと……」
 飛翔するシーザーの動きを確かに虎胤は捉えられない。
 しかし、強化された合戦具足の装甲は彼の怪力や技術をもってしても容易く貫けるものでもなかった。
「我が城、落とせるものなら落として見せるがいい! この堅牢なる守りを破ることなどできはせん!」
 虎胤は咆哮する。その力を示すように。

「そんなことはないで!」
 だからと言って諦める猟兵ではない。祐菜は言った。
「一撃一撃は弱くても……積み重ねれば大ダメージに繋がるんや!!」
「そうだよ、オレ達は一人で戦ってるんじゃないんだからさ!」
 メーティオルも銃を発射しつつ言う。
「そうだ! どんだけ敵が強かろうと関係ねぇ! 関係ねぇよなァ!」
 一撃を受けながらも喜介は立ち上がった。
「どんなに打ち据えられようと! 気合いを滾らせりゃあ立ち上がれる! 死の崖っぷちに立つ覚悟を決めりゃあ! 何度だってかかって行ける!」
 そこで大きく息を吸うと、相手を見据えながら啖呵を切ってみせる。
「最後に両の足で立ち! 相手を地に伏させていたら勝ちだ!」
「そうだよ、悪い人の復活なんてやらせるもんか!」
 シホも続く。
「ただ、ぶんなぐって黙らせたい。それだけです!」
 椿は変わらない。ただまっすぐに。
「そうです、兵のいない武将はただの戦士です!」
 ステラは虎胤の戦い方の変化に気付く。今この戦いは群の戦いではなくなっていた。
「勝つためには」
 そこで康行が口を開く。その背後には風が集い竜巻を為していた。
「風を待てばいい」
 風。勝利へとつながる流れ。それが来れば――
「ならば風を吹かせよう」
 シーザーは言った。 
「なるほど、全員が全員、いい面構えだ」
 虎胤は強者としての風格を漂わせながら猟兵たちの前に立ちふさがる。
 お互いにわかっている。この攻防が勝敗を決する、と。
 
「今一度、言わせてもらおう! 我が武勇、しかとその目に焼き付けよ!」
 虎胤が動き出す。その巨大さとパワーはもはや疑うべくもない。
「翻弄させてもらおう」
 飛び上がり虎胤の合戦具足へと攻撃を加えながら、決してその位置を悟らせない。
 いかに鎧が強力でも常に攻撃に曝されれば衝撃はあるし、動きは鈍る。
 一撃では砕けなかった鎧も、幾度となく繰り返される攻撃に少しずつ削り取られる。
 その真紅の閃きは今、赤備えの鎧よりも強くその存在を示していた。
「ええい、ならば貴様から叩き潰してくれるわ!」
「ボク自慢の怪力を魅せてやるのです」
 放たれた拳をステラは受け止めた。尋常ではない衝撃を受けながらもその右前脚で殴りつけ、爪を突き立てる。
「炎を鎧の隙間から流し込むよ!」
 ステラの攻撃によって生まれた隙間にむけ、シホは炎を流し込んだ。
「ぬっ、火攻めときたか……!」
 いかに鎧が強かろうと、中にいる虎胤は違う。その熱は確かに鎧を伝っていく。
「ウチらも続くで!」
 祐菜が二刀を手に、抑えられた右腕を駆けあがる。
「させるかァ!」
 なおも虎胤は砲弾を放とうと砲門を開く。
 しかしメーティオルはそれを許さない。
「止めせてもらうよ」
 放たれた弾丸はその発射香を正確に撃ち抜いた。こめられていた砲弾が暴発する。
「ぐ、ぐおっ……」
 その衝撃に虎胤が隙を見せる。追撃する祐菜。そこで康行が動いた。
「風が風を呼び力を強め合うように。猟兵たちの力も合わさり、風を起こす」
 言葉と共に、竜巻に溜め込まれたエネルギーが鎧の隙間へと送り込まれる。
「鎧を超えて、内側から切り裂け、風よ!」
「なんと……っ!」
 その衝撃に合戦具足がぐらり、と揺らぐ。そこに待ち受けるものは。
「おれァ今の世が結構好きだからよ! 変えさせる訳にはいかねぇなァ!」
 木刀を『火の構え(ジョウダンノカマエ)』で掲げる喜介と
「さぁ、覚悟はいいですかっ!」
 『灰燼拳』を放つべく拳を握りしめた椿であった。
「見事だ、猟兵たちよ! この首、その方たちの誉とせよ!」
 その一瞬後、左右からの一撃が合戦具足を完全に粉砕した。
「ワシも、戦場で果てる事ができたか……」
 崩れ落ちた合戦具足から転がり落ちた虎胤に、もはや戦う力は残っていなかった。
 
「持っていくがいい」
 今にも命の火を尽きさせようとしている虎胤は、懐から一つの巻物を取り出す。
「……これは?」
「『第六天魔軍将図』だ。信長軍に集う『偉人武将軍団』の名前が書かれておるらしい」
 そんなものを猟兵に渡して良いのだろうか。彼もまたオブリビオンであるのに。
「戦の勝敗は世の習い。それは勝者の権利というものだ」
 遠くから勝ち鬨が聞こえる。虎胤が倒れた事により徳川軍の士気は増し、武田軍は混乱に陥った。
 少なくともこの戦場の勝者は徳川軍と決まったようだ。
「弱兵と思ったが見事なものよ。力が不要とされる時代に生まれながら、力こそ全ての我らに打ち勝つとはな……」
 その声を聞きながら、虎胤は目を閉じた。
「信長が信玄の復活を目論んでたんだっけ? 二人は仲が良かったのかな……」
「まさか。彼だって信長公に顎で使われる信玄公など、見たくはなかったろうさ」
 晩年、一線を退いた原虎胤は戦に出る事もなく病に倒れたという。
 そんな彼が蘇り、信玄公の復活の為戦い、戦場で散った。
 そこにはどんな思いがあったのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月28日


挿絵イラスト