4
お母さん、僕は悪い子でした

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0





「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「おい! やめろ! 止まれ!!」
 ダークセイヴァー世界、村はずれ、崖の道。
 雨の夜道を馬車がすさまじい勢いで走っていた。御者はそれでも足りないと、鞭を鳴らす。もっとだ、もっと速く走れ。そうしないと、ママのところへ帰れない。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
 ママに殴られた記憶が蘇る。酒に酔ったママ。男にないがしろにされたママ。機嫌の悪いママ。ごめんなさい、といいながら、ママの機嫌が直るのを待つしかなかった僕。
 だから僕は馬を殴る。何度も、何度も、鞭で。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「―――! ―――――――!!!」
 後ろで誰かが何か言っている。ごめんなさい。馬に鞭をごめんなさい。雨の冷たさでごめんなさい。歯がカチカチと噛み合ごめんなさい。
 ごめんなさい。
 ごめんなさい。
 ごめんなさい。
 ごめんなさい。
 ごめんなさい、ママ。

 ――次の日。狭い道を踏み外したのだろう、馬車が崖下で発見された。
 不思議なことに、馬は一頭たりともいなかった。


「大変大変、大変だよ!」
 メッティ・アンティカ(f09008)は今日も跳ねる。けれど、その声色には張り詰めたものがあった。
「ダークセイヴァー世界にオブリビオンがいる夢を見たんだ! いますぐキミたちにはそこへ飛んでほしい! 相手は子どもを操る奴で、少しずつ事件を起こしては子どもを攫って戦力にしているみたいなんだ」
 何も知らない子どもに酷いことをするなんて、あんまりだよ。
 そういって魔女帽子を深くかぶるメッティ。泣いているのか、と誰かが問う。ううん、と小さな頭を振って。
「泣いたりなんかしないよ! だって、猟兵のみんながいるんだもん!」
 ぐしぐし、と目元をこすって、メッティはノートをめくった。
「キミたちにはまず村の傍に飛んで、情報収集をしてもらいたいんだ。役に立てなくてゴメンなんだけど、オブリビオンが何処にいるのかまでは判らなくて……多分事件は起きてるはずだから、それを辿っていけばオブリビオンに繋がるはずなんだ」
 今回は僕もぼんやりとした夢でしかわからなくて、申し訳ないんだけど…と、再び表情を曇らせるメッティ。
 とにかく、行ってみればきっとわかるよ! みんなを信じてるからね!
 幼いケットシーは己も鼓舞するようにそういうと、グリモアを手の上に具現した。


key
 こんにちは、keyです。
 今回はダークセイヴァーでロリコン…?ショタコン…?を退治して頂きます。
 まずは村で起きた事件について調べてみてください。
 きっと、ルートが見えるはず。
 それではお気をつけて。
123




第1章 冒険 『消えた馬』

POW   :    被害に遭った馬車と同じルートを辿ってみる

SPD   :    アイテムやユーベルコードを上手く活用する

WIZ   :    街での聞き込みや被害に遭った馬車や事件現場を調べる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵たちが降り立ったのは、小さなダークセイヴァーの村。
 そこでは村人たちがひそひそと噂話をしている。
 ――行商人の馬車――
 ――馬が一頭も――
 ――誰も現場を――
 断片的にしか聞こえてこないが、何か起こっているのは確かなようだ。それぞれ得意分野を活かし、オブリビオンへの糸口を手に入れよう。
オル・クブナス
ふむ…奇妙な事でございますね。しかし事件が起こっているのは事実、なるべく急いだほうがよさそうでございますな。

さて、こういう場合はやはり『足で稼ぐ』のがベストでしょうかね。
被害に遭った馬車と同じルートを辿ってみることにしましょう。何か解決につながる手掛かりがあるやもしれません。

『犯人は現場に戻ってくる』ともいいますし、万一にも見つかって警戒されても困ります。
目立たないように慎重に行動するとしましょうか。


シラ・クロア
……よく分からないわね……せっかくの家族を、どうして大切にしないのかしら。
子どもを選んで連れ去るオブリビオンも醜悪だけれど。
とりあえず、村で、駆ける馬車を追いかけた方に当時の様子を聞いてみるわ。子どももだけれど、馬の様子も。どうしてその子は馬車に乗ることになったの? 他にも同様の事案を見たことがある村人がいれば、その方にも問いかけ。
その後は【ハヤテ】でハヤブサを召喚してすみやかに崖下の現場へ移動。馬車の近くでフルートを奏で、近くに棲む動物達から馬や子どもの残したものをみつけてもらったり、彼らの気配がどの方向へ消えたのか教えてもらえるといいのだけど。
情報を統合して道が見えたら、追いかけてみるわ。


緋神・美麗
まずは情報収集からかぁ。馬なんて消そうと思って消せるものじゃないしどこかに痕跡が残ってるわよね。聞き込みと現場百辺から頑張ってみましょうか。
【コミュ力】と【情報収集】いざとなったら【言いくるめ】も駆使して消えた馬の行方を追うわね。


天星・暁音
趣味が悪い…他人を思い通りに操ろうってのがそもそも腹立つし…

それが子供なら尚更にほっとけない…この世界では難しいかもしれないけれど、それでも子供達には元気に暮らしてほしい…

【誘惑】で人を集めて【コミュ力】や【礼儀作法】を使い人々から情報を集めながら【影の追跡者】の五感共有も使って痕跡探しをほぼ平行して行う。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

子どもを操るオブリビオン…ですか。
どんな相手か知りませんが、子どもを利用するなんてあまりいい気はしませんね。

まずは村でどんな事件が起きたのか、調べてみますか。
村人に聞けばなにかわかるだろうか?
「失礼、この辺りについて調べているのですが……。最近何か変わったことはありませんでしたか?」

事件の話を聞くことができたら、その現場へ赴いてみます。
何か、敵の正体に近づく手がかりがあるかもしれません。
些細なことでも、聞き逃したり、見落としたりしないように気を付けなくていけませんね。



「ごめんなさい、こんにちは」
「……こんにちは」
 警戒心たっぷりに返した村人に、緋神・美麗は苦笑する。事件が頻発しているのだから仕方がないとはいえ、これは一筋縄ではいかないかもしれない。
「最近事件が起こってると聞きまして。詳しいことをお聞かせ願えないかなぁと」
「……あなた、警邏の人?」
「違います。でも、少し近いかな? 事件を追っているものです」
「…。そうね、秘密にしても誰の得にもならないわね。最近馬車が事故を起こすことが多いの。明らかに異常なほどで、行商人は馬車以外の移動手段を検討しているわ」

「しかも妙なことに、事故現場には馬の死体がないっていうんだ。逃げたのかとも思うけど、繋がれてるし、一頭くらいは死んでるはずだろ? それが一回も見たことないっていうんだから」
 天星・暁音が集めた人の一人が、不思議そうに首をひねる。その様子は本当に何も知らないように、暁音には思えた。こいつはシロかな。
「成る程。じゃあこの辺では馬はいま足りてない?」
「そうだけど、行商人も警戒してるからなぁ。今は馬で移動したいなんて奴はいないよ。むしろ余ってて力を持て余してるから、農作業に使ってるくらいだ。
「ふむ…じゃあ、最近子どもがいなくなったとか、そういうケースはあったかな?」

「子どもが? そんな話は――ああ、もしかして」
「もしかして?」
 有栖川・夏介は人々の話を熱心にメモしていたが、ふと目を上げた。村人はなんだったかなあ、と暫く思い出すような間の後、途切れ途切れに話し始める。
「少し前かな。子どもが、その……亡くなる事件があったんだよ。流行り病でね、何人も……大人は丈夫だからいいが、子どもは弱いからなぁ。あの時は村中が悲しみに包まれたものさ。でもそれも数年前の話だよ。今は……そうだな。行商人の馬車は業務用だから、子どもは載せていないんじゃないかなぁ」
「業務用……ですか。確かに仕事の馬車に子どもは載せられませんね」
「そうだろう? 大事な商売道具をおもちゃにされたらかなわないからねえ」
 はっはっは、と笑う村人からは、嘘の気配は感じられない。最後に夏介は最近馬車が事故を起こした場所を聞いて、丁寧に村人に礼を告げ、その場を後にした。

「で、最新の事故現場が此処です」
「流石に遺体は撤去されてるみたいね。馬車がそのままだからわかりやすくて助かったわ」
「ふむ……ふむふむ……」
 オル・クブナスと、【ハヤテ】で合流したシラ・クロアが興味深げに馬車を検分しているのを見ながら、それぞれの猟兵は己が得た情報を全員に共有していく。
「やっぱり不思議なのは、馬の死体がないことかな?」
「結構な高さね……これで死んでもいないし周りにもいない、なんて、おかしいわ」
「そうだね。……追跡者で少し見てみるよ」
 暁音が頷き、影の追跡者を召喚する。それまで検分していたオルが不意に顔を上げ。
「馬車が通ったと思しきルートを辿ってみましたが、まあ、あれは事故を起こしても仕方のないルートでしたなぁ。一歩踏み外せば真っ逆さまの危険なコースです。この馬車の損傷具合、車輪の外れ方から見て……相当なスピードで走っていたのは間違いない」
「やっぱり馬の死体がないのはおかしい。それだけ走らされた上に落ちたんじゃ、確実に死んでいるはずです」
「………。」
「矢張り、犯人が持ち去ったとみるべき……どうしました?」
「追跡者が、動かない」
 夏介が視線を向けると、暁音が不思議そうに己の召喚した追跡者を見ていた。じっとそこにとどまっている。本当だ、と美麗が言う。
「……動かない、ね」
「馬の追跡は出来なかった……? いや、そんなはず……」
「皆さま、これを」
 オルが馬を固定していたであろう皮の縄を示す。見ると、すっぱりと綺麗に接合部が切り離されていて。
「切られている」
「ええ。つまり、誰かが馬を連れ去った――持ち去ったの方が正しいですか? その可能性が高いかと」
「流行り病、いない馬、動かない追跡者……」
 謎だらけだね、と美麗が言う。暁音は動かない追跡者を見つめながら、うん、と頷いた。
「じゃあ、動物たちに聞いてみましょう。少し静かに……」
 ピリリリリ――と、周囲に流麗なフルートの音が鳴る。音に引かれてやってくる動物たちに、シラは馬を見なかったかと話しかける。その間が続いて、暫し。動物たちが去っていき、どうだった?と美麗が問う。
「……馬は落ちた時点では生きていたそうよ」
「え! あの高さで?」
「ええ、可哀想な事にね――そして、持っていかれたって」
「……持っていかれた?」
「動物たちはそうとしか言わなかったわ。たくさんの人間が、馬を持って行った。地面の下へ、持って行った――」

「地面の下!? そうか」
 シラが声を上げて立ち上がる。追跡者の召喚をやめ、だから、と呟く。
「ど、どういう事?」
「地下道だよ。地下なら追跡者が動かないのも頷ける。この村に地下水路か何かがないか、村人に聞かなくちゃ」
「そうか……急ぎましょう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『地下水路』

POW   :    濡れるのも構わずとにかく走る

SPD   :    隠し通路や扉を探してみる

WIZ   :    水の流れや光を頼りに出口を探す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ぱしゃん、ぱしゃん。
 地下水路を進む猟兵たちの耳には、水音しか聞こえない。
 ぱしゃん。――ねえ、ぱしゃん。――よ、うふふ。
 やがて、幼い子どもの声が入り混じる。
 ぱしゃん、ぱしゃん。
 赤い液体が入り混じり、馬の死体が次々と並ぶ地下水路――
「この馬はお父さん」
「この馬はお母さん」
「じゃあこの馬は?」
「子どもで良いじゃない、可愛いわ」
 目を縫い付けられた子どもたちが笑っている。腐った肌、臭う死臭、手には馬の首をもって、おぞましいおままごとをしている。
「……あ! お客様だわ!」
「おきゃくさま! おきゃくさま!」
「旦那様に伝えないと!」
「じゃあ私たちはお客様をもてなすわ!」
 鋏に包丁、錐に斧。
 それぞれに武器を持って、子どもたちがおもてなし。
 ――逃げろ猟兵! さもなくば、君たちも馬と同じ末路を辿る事になる!
天星・暁音
念の為に追跡者は引き続き召還しておくとして、とにかく急がないと…
とはいえ焦りは禁物、周囲をキチンと観察すれば何かしらのヒントは得られる筈…

どんなときも冷静に…何時だってそう心がけてる…んだけど…上手くいかないよね。


引き続き【追跡者】は召喚しておきます。
【暗視】で水路内を観察し痕跡や微かな明かりも逃さない様にします。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

馬の死体がこんなにも……。
それに赤い液体…やはり血でしょうか。
この程度、驚くほどのことではないですが、気味が悪いのは確かですね。

何がでてくるかわからないですし、警戒して先を進みましょう。
声が聞こえたら、その声のほうに向かいます。
少しでも危険を感じたら【絶望の福音】で回避。

子ども相手に武器を振るうのは気が引けますが……、仕事ですし仕方ないですね。
彼らを無力化すれば、今回の元凶が姿を現してくれるかもしれません。
「……では、遊びましょうか」


シラ・クロア
縫い付けられた眼、腐り落ちた皮膚、漂う死臭――可哀想に。
ところで、私達、逃げないといけないの? そう……もしもう生きていないのなら、子ども達の安寧のために【天上の鎮魂歌】で魂の浄化を。大丈夫、優しい炎よ。おやすみなさい。

私は基本飛んでいるし、暗いところでもそれなりに視界が利くから移動に支障はないのだけど……水や風の流れ、洩れる光、それから第六感に従って地下水路のその先につながる場所を探りながらすみやかに進むわ。世界知識の詰まった愛読書にも、確か地下水路の構造図があったから、その知識も活かして。他の皆とも情報共有して協力する。
小さな体だからこそ入り込める隙間や隠し通路の存在にも気を付けるわね。


緋神・美麗
地下水路かぁ。明かりは当然として足元が滑りそうなのも気を付けないとね。濡れるのは…まぁどうしようもないか。汚れないことを祈るだけね。
小ぶりで頑丈なランタン3つと油、滑り止めを施した靴を用意して地下水路を進むわね。
ランタンは明かりを灯してサイコキネシスで先行させ、足を滑らせないように注意しながら進むわ。
水や風の流れを遡るように進んでいって進む先に光がないかも注意するわね。



「冷静に…落ち着いて、焦らずに……っ!」
 ランタンの光が煌々と照る中、猟兵たちは子どもに追い立てられて水路の中を走る。
「きゃははは! 狐狩りよ!」
「待って! 待って! 遊びましょう!」
 地下水路で待っていたのは、小さな地獄だった。首のない馬の死体。赤い水路。目を縫われ、痛みを感じない死んでいる子どもたち。馬の首を使ったおままごと。
 水路の突き当りで遊んでいた子どもたちが追いかけてくれば、それは逃げるのが人間の習性というものだ。出口ではない方を選んでしまった不運を呪いたい。
 腐臭が追ってくる。死の香りが追ってくる。それに捕まったらもう逃げられない、そんな直感が暁音の脳裏に奔り、焼き付いて離れない。
「あれが、流行り病で死んだ子どもたち……っ!?」
「でしょうね。ランタンの光は消した方がいい?」
「駄目でしょう、相手はそうでなくても既に“盲目”です」
「消してもきっと追ってくるわ。なんとなくだけど判る」
 共に走る美麗が皆に問うが、全員が「否」とそれぞれに答える。彼女がサイコキネシスで先行させているランタンは貴重な光源だ。これを失えば、目を縫われた子どもと同じ。前も見えず、後ろは最早判らない。恐らく入り口から遡ってしばらく経つけれど、どれだけ走っているのか――暁音はまだ、隠し扉やその類のものを捉えられないでいた。
「水路が赤いのは、馬の血液……でしょうか」
 夏介がおぞましいものを口にするように言う。おぞましかった。一体誰が馬の首を切ったのか? 聞くまでもない。何のために使うのかも、聞きたくはない。今はただ、水路を遡るように走る。
「……子どもたちが増える様子はありませんね」
「なら、少しでも減らしましょうか」
「賛成です。……僕とシラさんは此処で迎撃します。お二人は先に行って出口を探してください!」
 シラと頷き合った夏介は足を止め、子どもたちの方を振り返る。
 わかった、と叫んだ美麗と暁音の足音が遠くなるのを聞きながら、子どもたちは夏介たちの前で立ち止まる。
「あらら? どうしたの、もう諦めちゃうの?」
「駄目だよ、狐はチャーミングするんだ。やられたふりだよ」
「よくご存じですね。その通り、狐を侮ってはいけませんし」
 ――そも、僕たちは狐よりも厄介かもしれませんよ。
 ――それは素敵ね!
 斧を振りかぶり、およそ子どもとは思えない脚力で跳躍し、大上段に振り下ろしてくる女児の攻撃を、夏介はまるで「未来から見てきたか」のように避ける。【絶望の福音】――逆境においてこそ、この技は真価を発揮する。
「第六感なんてなくてもわかるわ。可哀想にね、大丈夫、優しい炎だから怖くないわ」
 妖精の小さな体から、炎が迸った。小さく微かな炎は鎮魂を謳い、次々に重なって大きな炎になると、一気に子どもたちの方へ雪崩れ込んだ。のしかかるように灼き焦がす。
 火に包まれた子どもたちは一瞬ぽかん、と己の体を見つめた後――狂ったように笑い出した。まるでその反応は、パイをぶつけられたかのよう。
「きゃはは! きゃはは! 熱くない!」
「おままごとしようよ! 焼かれた魚ごっこ! 食べるのはお兄さんたちだよ!」
「……哀れな」
 身を焼かれながらも正気を手放したままの子どもたちに、夏介は呻いた。ならばせめて、永遠の安息を。

 一方脱出路を探しに走る暁音と美麗。かすかな風を感じると美麗が言い、遡るように水路を走る。
 やがて、一筋の光が見えてきた。上から差し込む格子状の光――鉄格子だ。
「これ、危ないと思う?」
 美麗が暁音に問う。
「さあ、判らないけれど……まるであつらえられたかのようにあるのは気がかりだね」
「そうね、今までこんなものは一つもなかった。けど」
「……此処を頼るしかなさそうだ。ま、相手も僕らを待ってると考えれば、都合がいいさ」
 暁音が肩をすくめる。そして二人は――暁音の追跡者を残して――引き返した。
 子どもたちを灼き尽くした、残り二人が待つ場所へと。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アルジェロ・ブルート
【SPD】
【聞き耳】と【忍び足】で極力子供らと会うの避けつつ探索。
もし会うよーならどっから来たかは把握しとくわ。来た方になんかあるかもしんねーしな。

…ん?遊んでほしーの?
「いーよぉ」
【悪食双子の遊戯会】
こいつらまだまだ遊びたい盛りでね、遊んでやってくれよ。
俺は探索やってっからさぁ。
双子シカトして俺追ってくんのはオススメしねー。
んなコトしたらこいつら拗ねっからよぉ、何してくっか知んねーよ?
あっちといいこっちといい、無邪気ってこわいよなぁ、ひひ。
「お前ら、遊ぶのは良いが食い散らかすなよ。てーいーど!OK?」



ぽつん、ぽつん。
 水滴が滴り落ちて、何か悲鳴のような残響が聞こえる。アルジェロ・ブルートは水路へと踏み込み、周囲を見渡した。
 今のところは子どもたちは見当たらない。耳を澄まし、足音を殺しながら水路の端を歩く。
「先に行った奴らが印でもおいてってくれてたらいーんだけどなぁー」
 ぽつん、ぽつん、ぽつ。
「しるし?」
 子どもの声がした。ゆるりとアルジェロが振り返ると、両目を縫われて斧を手にした女児がいる。
「お客様がいたのに、わたし、のろまだから遅れてしまったの。お兄さんもそう?」
「お兄さんをのろまっていうのは失礼だろ? ちょっと遅れちゃっただーけ」
「そうなの? まあいいわ。ねえ、ねえ、遊んで頂戴な! もうお馬さんでのおままごとは飽きたの!」
「遊んでほしーの? ……いーよぉ。じゃあ…」
 ――よそ見は禁止。浮気は厳禁! 子ども同士気が合うだろ?
 【悪食双子の遊戯会】。幼いダンピールの兄妹が現れて、腐臭纏う女児を迎え撃つ。
「おにいさんは遊ばないの? あそぶあそばあそびあそぶあそばあそび」
「俺は探索すっからさぁ。そいつらと遊んでくれよ。シカトしたら拗ねて何すっかしんねーから、しっかり相手してやれよ? お嬢ちゃん」
「おにいさんがいい! おにいさんがいい! おにいさんがいい!」
 ダンピールの兄妹をいなしながら、狂ったように喚く女児。いや、もう狂っているのかもしれない。それ以前に死んでいる。死人が狂っているとか正気だとか、そんなものはアルジェロにとっては割とどうでも良いことだ。
「お嬢ちゃんはのろまだっていってたな。じゃあこっちか」
 戦闘の音を聞きながら、幼い戦場を引き連れながら、アルジェロは女児のきた方角とは反対に歩み始める。
 そして――辿り着く。開けられた鉄格子、人の話し声――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『子ども遣い『チャイルドマン』』

POW   :    理不尽な言いつけ
【攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    財産喰らい
自身の身体部位ひとつを【対象の親もしくは同じくらい信頼している人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    操り人形
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的に幼い頃の姿】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・リトルライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ようこそ」
 そこは古びた洋館のようだった。灯りの付いた燭台、炎を灯された暖炉、埃をかぶった長テーブル、その上座にそいつは悠々と座っていた。
「水路の子から逃げてきたのだろう? あの子たちは少々――おてんばでね。私の言うことを聞かない。困った子たちだ」
 ゆるり、とそいつは――チャイルドマンはかぶりを振る。まるで子どもの悪戯にやれやれと――いや、彼にとってはその程度に過ぎないのだろう。行商人が死に、御者が狂い、子どもを弄り殺してその死を冒涜する事さえも、彼にとっては些細な事。
「流行り病で子どもの死体を手に入れたはいいが、死体はすぐに壊れてしまう。それはよくない。成長しない子ども、それはいいのだが――壊れてしまうのは、悲しいことだ」
 彼もまた、狂っている。それは揺るがぬ事実。
「出来れば君たちのなかに幼子がいる事を願うよ。新鮮な子どもの方がやっぱり、操り甲斐があるからね」
 チャイルドマンは鷹揚と立ち上がる。どうやら戦闘は免れないようだ――すぐ足元で「あそんで」と乞い願う幼い狂気のためにも!
アルジェロ・ブルート
あーやっと追いついた。
さっきのちびっ子にゃ感謝だわ。

【悪食双子の遊戯会】で呼びっぱだった弟妹へ向けて、チャイルドマンを指差して。
良かったなお前ら、新しい遊び相手だ。
あン?…ああ。殺していいし千切っていい。ただ食い散らかしはねぇようにな。

新鮮かは知らねぇが、子どもっちゃ子どもだしな。やっぱ気は合うんじゃねーの。
ああ、俺は遊戯会が終わんねーよーに【逃げ足】使ってひたすら避けまくってっから、好きなだけ遊んでくれ。
…はぁ?玩具はねぇよ、【Sangue】で良けりゃ使ってろ。


緋神・美麗
まぁ、分かっていたことだけどとんでもない奴ね。これ以上その顔も見たくないから最初から全力で潰しに行くわ。
「これ以上あんたの顔も見たくないわ。全力でぶったおす!」
拡散極光砲で操り人形共々本体を攻撃。以後敵が操り人形を使用して数が増える度に拡散極光砲でまとめて攻撃するわ。
ボスだけならライトニングセイバーの二回攻撃で斬りつけるわ。
財産喰らいで両親の顔を使われたらぶちぎれるわ。
「あんたがその顔を使うなーっっ!」
自身の負傷も気にせず、相手が倒れても気付かず、完全に潰し尽くすまで斬り続けるわ。


天星・暁音
…本当にこの世界はどこもかしこも痛みだらけだ
痛くて痛くて泣きたくなる…自分の痛みでないこれは泣いても何の解決にもならないけれど…
死者に時に力を借りることはあっても…こんなのは許したくない

「…君みたいなの前にもいたけど…君にも同じ言葉送ってあげる。やれるものならやってみせなよ。」

操られてあげる気なんか微塵もないけど…


武器【共苦の痛み】で辛そうにしながらも【勇気】で立ち向かい、味方を【鼓舞】し【誘惑・誘き寄せ】で相手を引き付け
【祈りの抱擁】で全力で味方を癒し続けます

死者を冒涜するような遣り方は好きでは無いのでかなり怒ってもいます
戦闘後余裕あれば死者への冥福を祈ります

アドリブ・共闘可


シラ・クロア
困った子なのは余程あなたの方よ。
自分の自由にできる幼い子としか遊べない、あなたもただの子ども。躾のなっていないオブリビオンにはお仕置きが必要ね。これを遊びと思うなら思いなさい。
「哀悼の光のあとに安らぎのあらんことを」
【光の穿ち】で、チャイルドマンの四方八方から稲妻の刃でその体を貫くわ。幼い遺体を操るその見えない操り糸を断ち切るように。何度も。
おいたはここまで。いいわね。
一緒に戦う皆と協力して、早く解放してあげられたらいい――死してなお弄ばれた子らの魂を。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

死体を弄ぶとは……愚かな。恥を知れ。
手加減は必要ありませんよね?
「……刑を執行します」
お前を断罪する。全力でいきます。

敵はどうも幼い姿の方に執着しているようなので、狙われている方がいたら、かばうなどしてフォローします。

死者にはせめて安息を。
敵が死者を弄び操るなら、それを封じます。
相手の攻撃の隙を見つつ【咎力封じ】で相手の技を無力化、あるいは弱体化を試みる。
命中したら、装備した『処刑人の剣』で傷口をえぐる攻撃で追撃します。

……子ども達に安らかな眠りが訪れますように。


オル・クブナス
※アドリブ歓迎
お初にお目にかかります、無垢なる生命を弄び、冒涜する外道の輩よ
(敵に向かって大仰にお辞儀しながら)
紳士として、そして1人の猟兵として、貴方様のその悪逆非道を許すわけにはまいりません。
いざ、尋常に御相手いたします…!

ユーベルコードによって練り上げた気を纏い、防御重視の体制へシフト。敵や子供の攻撃をいなし味方をかばいながら戦いましょう。

もし、万が一味方が操られてしまわれたのならば、状態異常特化にシフトいたしまして、ステッキにて最小限の傷で紳士的に鎮圧させていただきます。



「死体を弄び、まだ欲するとは……愚かな」
 恥を知れ、と夏介が口の中で呟く。
 誰もがチャイルドマンの立ち居振る舞いに怒りを覚えていた。丁寧ではあるが礼を失している。命を冒涜し、弄び、それを楽しんでいる。許せる要素は何一つとしてない。
 オルが一歩前に出て、大仰にお辞儀する。
「お初にお目にかかります。無垢なる生命を弄び、冒涜する外道の輩よ」
「ふむ。言われなれている」
「――紳士として、何より一人の猟兵として、貴方様の悪逆非道を許すわけには参りません」
「――君みたいなの、前にもいたけど……同じ言葉を送るよ。やれるものなら、やってみせてよってね」
 暁音が口にすると、おや、とチャイルドマンの表情が明るくなる。
「やあ、これは僥倖。少々幼いが……いいね。君は少しひねくれた動きをしそうだ。素直に操られる子どもより、少し手のかかる方が私の好みだ」
「っ、…やれるもんなら」
 嫌悪と怒りを覚えながらも、抑えた声音で暁音は答える。
「まったく、困った子なのはあなたの方だわ。自分の自由にできる子としか遊べないわがままな子ども。そんなオブリビオンにはお仕置きが必要ね」
 ――遊びだと思うなら思えばいいわ。ただし、後悔するけどね。
 シラがため息交じりに言う。
「もういい。これ以上話す事なんてない。顔だって見たくない! 全力でぶっ倒すわ!」
 美麗が怒り心頭と口にして、戦いの火蓋は落とされる。
 アルジェロは呼びっぱなしだった悪戯双子に、新しい遊び相手だぜとチャイルドマンを指差す。
「まあお前らが新鮮かどうかは置いといてだけどな。気は合うんじゃねーの? 行って来いよ」
 ――やったあ、遊ぼう! 遊ぼう!
 それはさながら、水路で出会った子どもたちの狂気にも似て。双子のダンピールと美麗が、一気にチャイルドマンに斬りかかる。
「おや、同業者がいるのかな? 保存状態もなかなか良い。仕事ぶりを拝見したいほどだ」
「うるさい! 黙れ!」
「やれやれ。レディはもっと淑やかにするものだ。黙れ、なんて言うものじゃあないよ」
 美麗の怒りもどこ吹く風。チャイルドマンは三人の攻撃をかわしながら嘆くようにかぶりを振る。
「そうだ、君にはそう“躾”をしよう。そら」
「――!」
 一瞬の判断が生死を分かつ。美麗は何か来る、と踏み出した一歩を後退る一歩へ変えた。振りかぶったチャイルドマンの腕、伸びたワイヤーは悪戯双子の兄を傷つけて。
「ああ、君か。まあいい。“そこから動いてはいけないよ”」
「そういわれて聞くよーな子ならよかったんだけどな」
 動いてはいけないなんて、そんな命令聞けないね!
 一歩踏み出した悪戯双子。ぱくりと開く傷口は、その胴体を撫で切りにしたかのよう。
「なっ……」
「なに、躾だよ。簡単なね。お嬢さんは勘が良い」
 悪戯双子は召喚されたものだから、ダメージは関係ないけれど――これを食らっていたら己はどうなっていたか。美麗はごくりと唾を飲み込む。恐れはすぐに怒りの火に吹き消されてしまったが、その一瞬の隙をついてチャイルドマンが彼女に肉薄する。
「あーらら、厄介な技を使うね」
「彼も戦力、だから。一応治療するね。――祈りを此処に、妙なる光よ……」
 自身が無事ならそれで構わない、というスタンスのアルジェロに言って、暁音は聖句を紡ぐ。悪戯なダンピールにつけられた傷がみるみるうちに癒える。共苦の痛みによってその苦しみ、痛みを分かち合い、更に積み重なる疲労で暁音の顔が歪む。
「ああ、良いね、その貌。幼く美しい肌が傷みに歪む、とてもいい」
「まったく、少しは黙ってられないのかしら」
 シラの視線がチャイルドマンへ向く。そこには確かに攻撃の意思があり――その意思は幾重もの稲妻となって、チャイルドマンを傷つけ、躍らせた。
「む……妖精がこんな乱暴な技を……好みではないな」
「乱暴で悪かったわね!」
「動きを封じます!」
 稲妻に踊るチャイルドマンに、手枷やロープがしゅるりと伸びる。痛みを感じていないのか、いくつかは避けられてしまったが、幾つかが悪辣なオラトリオを捉え、その羽撃きを封じる。夏介の【咎力封じ】だ。
「今のうちに! 行きましょう!」
「ええ! ボコボコにしてやるわ!」
 夏介と美麗、そして癒しを受けた悪戯双子がチャイルドマンに殺到する。
「ふうむ……少々、傷が多い……君たちの親の顔を見せてもらおうか」
 4人のうち美麗に目を付けたチャイルドマンが、ふとその片腕を伸ばす。
 ぎゅるり、とその皮がたわみ、肉が捻じれ、現れたのは誰も知らぬ女の顔。美麗しか知らぬ、親の顔。しかしそれも、彼女の怒りに油を注ぐに過ぎない。
「あんたがその貌をッ……!!」
 美麗が頭上に掲げた手。そこに向けて女の顔が噛みつかんと伸びて――
「いけません!」
「!」
 割って入ったのはオルだ。紳士たれと己に命じ、防御に練り上げた力を傾けて、代わりに女の噛みつきを受ける。
「……これなら、お母様の顔も見えないでしょう。今のうちです!」
「……っ! 全部まとめてッ、薙ぎ払う!!」
「食らえ!!」
 美麗の拡散極光砲が輝きを放ち、夏介の処刑人の剣が閃く。畳みかけるようにシラの稲妻が重なって。チャイルドマンはさすがにまずいと思ったのか、一歩後ろに下がって――
 どん。
「………」
「………」
 ぶつかったのは誰? 忘れられているのは誰? そう。アルジェロの悪戯双子。背後に回ってこんにちは、チャイルドマンの逃げ場を塞いで。
「………ああ。まあ、あんなに子どもを従えたのも久しい。楽しかったよ、猟兵諸君」
 閃光と斬撃、稲妻の迸る音――

 やがて皆の目が光の明滅に慣れた頃。
 そこには何も残っていなかった。
「あー……すごい光だったな、お疲れさん」
 アルジェロが「俺は逃げ回ってただけだけど」と付け足す。
「下の子どもたちも全員消えたみたいです。…死体に戻ったのかは、降りて確認してみないと判らないですけど……せめて、安らかに眠れていたら良いですね」
「そうね……」
 皆が入ってきた水路への入り口を見下ろしていた夏介が言う。重い沈黙が降りる。それは黙祷にも似ている。いや、実際、誰もが祈りを胸に掲げているのだろう。
 悪しきは去った。どうか安らかに眠れ、幼き魂よ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月04日


挿絵イラスト