3
命の重さ、どちらが重い?

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0





「お父さん! お母さん!」
「ああ……お願い! その子を連れていかないで! 連れて行くならわたしにして!」
「いや、俺にしろ! 俺を殺して、その子は助けてやってくれ!」
 厳正なる瞳が、庇い合う夫婦とその子どもを見ている。
 ゴブリンは容赦なく殺し、奪っていく。それはワタシの本懐ではないが、利害は一致している。今は放っておいて良いだろう。
 ゴブリンの方もそう思っているのか、どうか。呼びつけると怯えたような表情で、なんでしょうと問うてきた。
 ――この子どもを連れていけ。
 厳粛な判断が下される。
 女は駄目だ。男も駄目だ。子どもを連れていった方が、双方の動きを封じることが出来る。
 これは罰である。驕れる人間への罰である。ならば受けよ。粛々と、伏して受けよ……。


「みんなー! 大変大変、大変だよー!!」
 ぴょんぴょん。専用となりつつある脚立の上で、器用にメッティ・アンティカ(f09008)が跳ねている。
 はて、今度はなんだろう。
「本当に大変なんだ! アックス&ウィザーズでゴブリンの軍勢が押し寄せてきて、大量の怪我人が出ちゃったんだ!」
 曰く、ゴブリンそのものはアックス&ウィザーズの世界では珍しくない。しかし、彼らを引き連れている者がオブリビオンなのだという。
 現地の者同士の争いならまだしも、オブリビオンが関わっているなら、猟兵の出番だ。
「まずは現地で怪我してる人の救助を援護してあげて欲しい! ある程度落ち着いたら、こっちからゴブリンとオブリビオンの巣に襲撃をかけるんだ!一番奥にオブリビオンがいるはず、なんだけど……」
 かりかり。メッティがこめかみをかく。
「……何人かが攫われるのを夢に見たんだ。多分、人質か何かになってオブリビオンと一緒にいるんだと思う。……。で、でも! 一つ一つ丁寧にこなしていけば、失敗しない任務だよ! だからみんな、頑張って! ぼくには皆を送り届ける事しか出来ないけれど」
 よろしくおねがいしますっ。
 ぺこり、魔女帽子を押さえてメッティはお辞儀した。


key
 こんにちは、keyです。
 アックス&ウィザーズの世界でオブリビオンとその配下による襲撃事件が起きました。
 真相を暴きつつ、オブリビオンを倒してください。

 まずは怪我人の救護、それから敵が根城にしている洞窟への強襲、そしてボス戦となります。
 けれど、気を付けて。オブリビオンが悪いのかというと、案外そうでもなかったりするかも……しれませんね。
123




第1章 冒険 『命の最前線』

POW   :    大量の物資や負傷者の輸送、長時間の看護など

SPD   :    緊急性の高い患者への対応、医療技術の活用など

WIZ   :    回復魔法や薬物の知識活用、より良い救助計画の立案など

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵たちが降り立ったのは、臨時で建てられた救護所だった。
 血と包帯の香り、呻き声。誰かが君たちに、助けてくれと手を伸ばす。
 襲ってきたゴブリンたちも気になるが――まずはこの人々の命を確かなものにしなければならない。
ロカジ・ミナイ
僕が縁も所縁もないとこに飛んでいく理由。
別にヒーローになりたいとか、正義感に溢れる理念なんて持っちゃぁいない。
ただ感謝されるのが結構好きで。
じゃなきゃ真面目に薬屋なんてやってないよ。
子供用の甘い薬を考えるのも楽しいしねぇ。

【WIZ】使用
治療道具一式はもちろん、特製のよく効くお薬があるからね。安心してよ。
痛くなくなるおまじないも教えてあげよう。チチンプイプイって言うんだ。
大人も子供もおねえさんも、まんべんなく救ってくれるおまじないだよ。

…で。
オブリビオンの息のかかった奴らに襲われた割に
怪我人ばかりで済んでるんだね。
僕の経験上、襲われた人の大半は……ねぇ。
なんか心当たりあったりしないの?村人さん。



ロカジ・ミナイがこうして猟兵として現場に飛ぶのは、正義感とかそういう理由ではなくて。
 ただ、感謝されるのが嫌いじゃない、それだけ。そうじゃなきゃ薬屋なんてやってないし、医療関係者って結構そういう人多いんじゃないかな。
「あ、あんたは……」
「通りすがりの薬屋だよ。はい、傷を見せてね」
 内心に思いを秘めながら、迅速に鎮痛薬・化膿止めなどの薬を処方していくロカジ。子どもには甘いお薬を、大人には少々苦くても我慢してもらって。
「痛くなくなるおまじない、教えてあげようか。チチンプイプイっていうんだけど」
 軽口を挟みながらも、その作業は真剣だ。
 痛み止めと化膿止めを処方され、言われるがままに飲み下した男は、ありがとう、と安堵したようにロカジに感謝を述べる。
「お仕事だからね。……で」
「え?」
「怪我人ばかりで済んでるんだね、此処」
 ロカジが見回す限り、体全体をシーツで覆われたような“痛ましい人”はいない。重傷・軽傷の差はあれど、ゴブリンに襲われて怪我人だけで済んでいるというのも妙な話だ。
「何か心当たりとか、あったりしないの?」
「………」
 何かある、とロカジの勘が告げている。黙した村人は、意を決したように断片的に語る。
「…俺たちは、悪くない。俺たちは、発展のためにそうしたんだ。もっと暮らしやすくするために………」
 ふうん、何かありそうだね。根が深くないと良いんだけど。
 ロカジは片眉を上げ、村人のつぶやきを聞いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナハト・ダァト
◆【医術】【世界知識】【情報収集】を合わせて【救助活動】に利用しよう

こう見えて医術は得意でネ。UCだけが治療じゃない。
応急処置だって、立派な治療のひとつサ。

◆怪我の浅い者、深い者をトリアージするヨ
重症度の高い者にはUCを検討ダ。

協力し合えるメンバーがいるなら協力しよう

迅速に、安全で的確な医術は協力によってより確固とした形で提供出来るからネ。スタンドプレーは、余程の経験がなければ最善とは言えないネ。

チーム医療、これが大事ダ。

◆救助の邪魔をする敵がいたら
【かばう】【オーラ防御】【残像】を使おウ
患者は、何が何でも守るヨ

逃がすことができるなら、
【世界知識】【情報収集】【地形の利用】で的確な方法を取ろウ


七里・紅葉
SPD判定
家事医療人格『クレハ』で対応

「はいはい、怪我人は大人しく寝てなさい。あーもう、騒げるなら充分元気よ元気。騒げない人から優先させなさい」
[医術]でもって重傷者から治療していく
必要なら栄養ある[料理]も食べさせるわ

「あんた達も手伝いなさいよ。人手足りないんだから」
【オルタナティブ・セプタプル】使って『モミジ』と『コウヨウ』にも手伝わせるわよ

『やれやれ、自分使いが荒いのぅ』
『ぼやいても仕方ありませんよ』

ぼやくコウヨウをモミジが宥めてるわね

『それで、発展の為に何をなさったんですか? それが原因のような口振りでしたが?』
治療の傍ら、対話交渉人格モミジに[コミュ力][言いくるめ]で聞き出させるわ



ウーン。
 ナハト・ダァトは唸っていた。患者の傷が治癒不可能だとか、そういう訳ではなく。
「チーム医療は大事ダ。それは私の持論で崩れる事はないネ。だけど……」
「これはどこへもっていけばいいのじゃ? まったく、自分遣いが荒いのじゃ」
「まあまあ。これはあちらですよ。洗った布巾ですよね? あちらの方を拭いて差し上げてください」
「まったく、面倒だ……で? 次の薬は?」
「わーい! 取り敢えず消毒液ぶっかければよくなるかな?」
「此処までの大所帯になるとは思っていなかったネー」
 七里・紅葉の【オルタナティブ・セプタプル】によって具現化した六人の人格が、それぞれワイワイと救護に当たっている。主として救護活動をしているのはクレハのようだが、それ以外の人格も役に立たない訳ではない。医療現場で人の手が足りる、という状況はごくまれなのだ。
「まあ、私も私の仕事をしよう。幸い邪魔者もいないみたいだしネ」
「い、痛くないようにお願いします」
「ウーン。ちょっと痛いカモ」
「えー!」
 ブラックタールたるナハト、その貌から表情は読み取れないが、ちょっと楽しんでいるのは判る。普段はあまり信用されない彼も、此処では必要不可欠な医療チームの一員だ。
「で? キミたち何かしたのかネ?」
「何かって何、を……あいだだだだだ! 消毒液いだだだ!」
「ハーイ、ちょっと縫うからもっと痛いヨ。言葉通りの意味サ、理由もなくゴブリンに襲われたというならそれはそれでいいのだがネ」
「………」

「……開拓?」
 紅葉の対話交渉用の人格「モミジ」が、男に聞き返す。腕に包帯を巻かれながら、男はとつとつと語り始めた。
「そうだ。……開拓のために、森を切り拓いて……でもそれの何が悪いんだ? 俺たちは発展する生き物だろう? 私利私欲のために木を切ったんじゃない、冬を過ごすために! 家を建てるために! そうしたんだ……そうしたら、それは悪だって……あいつが……」
「あいつ?」
「そうだ。ゴブリンのボス……まるで森の守り神のような、そんな……」
 それきり嘆くように黙してしまった男を、モミジは黙って治療する。
 どうやら人間につきものの、開拓にかかわる問題が横たわっているようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

田抜・ユウナ
武術を学んでると、怪我なんて日常茶飯事。だから手当も慣れてるわ。
今は骨折した人の治療中

それじゃあ、1、2の3でやるわよ。いいわね……1、2!
グギッ!
はいはい、文句言わない。こうした方がキレイに骨が繋がるのよ。
変に力まれると上手くいかないからねー。とか嘯いて、わざとタイミングをずらし、筋肉が緩んだ時を狙って骨継ぎ。
あとは添え木を当てて包帯で固定すれば、はい一丁上がり。

今回は極力不干渉のスタンスを取る。
…村人が正しかろうが間違ってようが知ったこっちゃない。本人たちに思うところがあるなら、思うようにすればいいじゃない。
私がやることはシンプル。無力な人々を襲う邪悪が現れたなら、骸の海に送り還すだけよ。


クー・フロスト
ギルドの依頼でやってきた冒険者だ
包帯による素早い応急処置は得意だ。重傷の者は専門家に任せ軽症の者を治療しよう

どうやら他の猟兵の情報によると、開拓の影響で森の生態系が変わったようだな…。
ゴブリンたちを襲わせ怪我程度で済んでいるなら
上に立つ者は魔物の中でも理があり、賢者であると予測されるな
話が通じるのであればその魔物と交渉するのも可能、だろうか…?

だが……
―――ゴブリンどもは別だ。

ヤツらは大勢で村を襲い、畑を荒らし、女を奪い巣穴に運び込む。
わたしも友人を亡くした。
だから……
――ヤツらは、殺す。

弱肉強食の理……。森の守り神、強者に従っているに過ぎない。

村人よ、話を聞かせてくれ
ゴブリンの様子を、な。


ジン・エラー
はッハァッ!
『助けてくれ』と言われたら!
救ってやるのがこのオレよ!!

いつも通り、【光】マシマシにしながら歩き回るとすっかね
痛みが引かなきゃ口も開けねェーだろ
あ?細かい治療?
いらねェいらねェ、オレの光で十分だ

だろ?村人サンよ

また痛い目みたくねェーンだったら、さっさとゲロっちまえよ

さっさとしやがれ!
ガキの数が少ねェーのはわかってンだよ!!



「これでよし。応急処置程度だが、痛みは治まるはずだ」
「あ、ありがとうございます」
 クー・フロストは軽傷の者から順番に、応急処置を施していく。軽傷の者相手だからこそ出来る素早い治療は、医者が本当に診るべき者を診る手助けとなる。
「それで、ゴブリンたちを率いていた者は……ゴブリンに指示していたんだな?」
「ええ……森で見たのなら、聖なる影だと拝みもしたでしょう。しかしゴブリンに荒らされる村の中で見たあいつは、まさに化け物でした。恐ろしかった……我らの成すことに神が怒り、形をなしたのだという者もいます」
「さあ、そうかもしれないが……ゴブリンは少なくとも、そういう崇高な存在ではないだろう。強者に従っているだけの化け物だ。村を襲い、畑を荒らし、女子どもを奪って巣穴に運び込む塵だよ」
 クーの脳裏に蘇る記憶。友人の笑顔、ずっと仲良しでいようねと繋いでいた手がゴブリンに引き裂かれた、あの瞬間。
 まるで業火のように憎悪が湧き出してきたが、長く息を吐いて冷静になれ、と己に言う。此処にゴブリンはいない。なら、巣を強襲すればいい。
「もっと聞かせてくれないか? ゴブリンの巣がありそうな場所とか、判らないか?」
「ありそうな場所……おそらく森から入って、山側の……あちらは獣の多い地域で……」

「ハイ、じゃあ1、2の3で行くわよー」
 田抜・ユウナは骨折した患者の治療中。肩が外れたという村人の腕を支え、タイミングを指示していた。いくわよ、と覚悟をさせる。そして、
「いち、に!」
 グギッ!
 嫌な音がする。
「ぎゃああああ!? 3は!?」
「ないわよ」
「なんでえ!?」
「文句いわない。変に力まれると上手くいかないから、タイミングをずらしたのよ。騙したのは悪いとは思ってるわよ? でも治らないよりいいでしょ?」
「うぅぅ、そうですけど……」
「はい、腕を出して。少しは動かせるでしょう? 添え木をして、包帯を巻くわね。これは嘘じゃないから安心して?」
 大人しく腕を差し出した患者に、ユウナは丁寧に処置を施していく。チラと見た村人の顔は、痛みと苦しみが混じり入ったような微妙な表情だった。
 ―――開拓、ね。
 それを悪いというつもりも、良いというつもりもユウナにはない。正しかろうが、間違ってようが、知ったことではない。本人たちが思うようにすればいい、彼らには彼らの領分があるのだ。
 そして、自分には自分の領分がある。すなわち、猟兵としての領分――オブリビオンが現れたのなら、骸の海へと還すこと。
 追撃を警戒しつつも治療にあたっていたユウナだが、どうやらそれもなさそうだ。今は安心して、治療に打ち込めそうだった。

「あ、ありがとうございます! 傷が治ったぞ!」
「はッハァ! 助けてくれと言われたら救ってやるのがァこのオレよ!」
 ジン・エラーは聖者の光を散らし、人々の傷を癒していく。およそ聖者らしい口ぶりとは程遠いが、フランクとか親しみやすいとかいえばなんとかなるだろう。
「あの、これ、消毒とかした方がいいんですか?」
「あァ? いらねェいらねェ。オレの光で十分だ。……でよ」
 傷の予後を心配する村人の前にしゃがみ込むジン。その目にはまるで獣のような光が宿っている。
「また痛い目みたくねェンなら、さっさとゲロったほうがいいぜ」
「ゲ……な、なにをでしょ」
「わァかってんだろォ!? 見りゃ判る! 俺でも誰でも判る!! ガキはどうした!? 少なすぎンだろォーが!」
 子ども。
 そのワードをジンが口にした瞬間、周りの空気が凍り付いた。怒声を浴びた村人だけではない、他の村人たちも、冷や汗を拭っている者までいる。
「な? 傷口が開くのは嫌だろォ? 俺だってそんなことしたかねェ」
 笑顔のマスクの下で、ジンは笑っているのか、悲しんでいるのか、判らない。ただ、その猫なで声は村人を脅しつけるのに十分だった。
「……子どもたちは、……攫われました」
「誰に」
「ゴブリンです。……率いていた奴の指示です…! 子どもを攫えば親は動けないという事を知っているかのように、次々と……! お願いです! 子どもを助けてください! ゴブリンに今頃どうされているか……!」
「………」
 懇願には興味がない風に頬を掻くジン。クーとユウナも合流し、まったく異なるスタンスの三人は向かい合う。
「ゴブリンの巣穴があると思われる場所は判った。わたしはそちらへ向かう。ゴブリンたちを許せない」
「いいんじゃない? 私は……どうしようかな。多分そのボスとやらはオブリビオンだと思うんだけど、ゴブリンはねぇ……」
「あなたは」
 水を向けられたジンは、あー、と面倒そうな声を上げた。暫しして、本当に面倒そうな声色で――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『ゴブリンの洞窟』

POW   :    見張りを倒したり、不意打ちを返り討ちにしたり

SPD   :    先導したり、罠を見つけたり

WIZ   :    敵の動きを予測したり、逆に罠にはめたり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


森に入って山側へ進んでいくと、岩と砂で出来た洞窟がある。
 そこはかつて狩人が雨風を凌いだ場所だったが、今はゴブリンたちの巣穴となっていた。風に乗って細く聞こえてくるのは攫われた子どもたちの泣き声と、それをうるさいと怒鳴りつけるゴブリンたちの鳴き声。
 ゴブリンたちは一体一体の力こそ弱いのだが、その数が厄介な生き物だ。そして妙に頭が回る。
 相手の罠を回避し、逆に罠にはめて数を減らそう。
 ――ゴブリンの悲鳴で、ボスが動くかどうかは判らないが。
ナハト・ダァト
◆UC
【七ノ叡智・永遠】で味方を空間に隠しておくヨ
私が一人で乗り込んだと見せかけテ、味方に空間から出てもらえバ良い奇襲になるだろウ

【一ノ叡智・王冠】で状態異常重視で強化して戦うヨ

◆戦闘
身体からはやした触腕で戦闘ダ
形状も自由自在サ

【毒・激痛耐性、オーラ防御】こざかしい手口は守れるだろウ
味方に被害が出れバ、【医術】【救助活動】で応急処置ダ

◆技能
【情報収集】で巣穴の状況を把握
【世界知識】【罠使い】【地形の利用】【だまし討ち】デ
効果的かつ、子供たちに被害の出ない罠を仕掛けておくヨ
形を変えて逆に罠を利用するのも良いネ


◆言うまでもないネ。狡猾な彼らダ、自分たちがどんな事をしたのか、教えてあげようじゃないカ


クー・フロスト
村人よ、情報提供…感謝する
子供の救出に向かう
ボスの出現及び対応は他の者達に任せよう

まずはゴブリンだ
ヤツらは残酷で卑怯な臆病者だ
猟兵達は強い。戦力差がわかると逃げの一手を打つだろう
そこを突く

まずはロープを使い簡単な罠をしかける
草陰に見えないように張り
引っ掛かると木から短剣が出てくる仕組みだ

ヤツらの罠は木の上から警戒
そして大弓で確実に仕留める

ちなみに私は冒険者
その道のプロだ
専門の道具があるからそちらを参照して欲しい

▼子供達と遭遇
こわかった…?もう大丈夫だよ
おねーちゃんがちゃんとお家まで送ってあげるからね

目線を低くして優しく声を掛けます
子供達の安全が最優先だ
退路はUCでやつらをなぎ倒し
一旦村に戻るぞ


ロカジ・ミナイ
「子ども」「攫われた」そう聞こえた。そうか。そうか。
……何故?と思う。

あ!ショタコンでロリコンなのかな?
悪い方のヤツだとちょっと嫌だよねぇ。やっつけないと。
僕、子ども好きだし、子どもやお母さん方が泣いてるのは困るなぁ。

【WIZ】使用
引っかかるフリして引っかけるのは得意だよ。
これも生きるためのテクニックでしょ?
まとめてかかって来いよ小鬼共。
僕の好きな言葉に「一網打尽」ってのがあってさ。
フォックス・ファイアでボウボウ。

あ、小鬼……か。
君らのバックにも「オトナ」がいるのかな?
やな事されてない?



ゴブリンの巣穴前。見張りが二匹暇そうに立っているのを確認したナハト、クー、ロカジの三名。
「IHVH TzBAVTh――」
 【七ノ叡智・永遠】にて小さな光のゲートを作り出したナハト、それにクーとロカジが触れると、何か暖かいものに包まれるような、奇妙な感覚を覚えた。猟兵同士だ、だまし討ちはないだろうとは思っても、気の張りつめているクーがついた息はどことなく安堵したようなものになってしまう。
「別にだましたり、閉じ込めようとはしてないヨ。安心したまエ」
「あっ……いや、違うんだ。済まない。ゴブリンにはいい思い出がなくてな」
「いい思い出がある人の方が珍しいと思うけど……それにしても、子どもばっかり狙うなんて何でかな」
「そりゃあ簡単だヨ。子どもの抵抗なんて知れたものだし、親は子どもが心配で下手に動けなくなる。親と子どもを大人しくさせるには、子どもを狙うほうが簡単……そんなに睨まなくても」
 朗々と説明するナハトをぎろりと睨むクー。推論は恐らく正しい、それはわかっている。だからといって――飲み下せない理屈はある。幼い頃に友を奪われた彼女なら尚更。
「僕、子ども好きだから、子どもが泣いてるのは困るなあ。えっと……とにかく、ナハトさんが一人で乗り込んだと見せかける。僕たちはその後ろから、わあってゴブリンを驚かす。クーさんは木の上から狙撃して、僕とナハトさんの二人が前線に立つ」
「ああ。それであっているネ」
「異論はない。早く行こう、ゴブリンが子どもに何をするか判らない」

「ごぶ?」
 ゴブリンは、にんげんをみつけた。一人でトコトコ歩いてくる。にんげん……の形をしているが、少なくともゴブリンのにおいはしない。なら、エサだな。
 見張りをしていた甲斐があった。労いにごちそうの一つや二つ、良いだろう。ウンと頷き合うと、簡素な槍を手にして獲物へと襲い掛かる。
「ぶぎゃっ」
 醜い音がした。ゴブリンの頭を矢が貫いて、地面へと縫い留める。
「ごぶ?! ごぶごぶ!?」
「はい、ごぶごぶー。こんにちは、さようならー」
 周囲に炎が生まれ、見張りゴブリンのもう一匹を飲み込んだ。ロカジの【フォックス・ファイア】だ。容易く倒せてしまったので、ちょっと拍子抜けするロカジ。
「ゴブリンってこんなものなの?」
「一匹一匹はネ。だけど集団になると恐ろしい」
「ごぶ! ごぶぶぶ!」
「ごぶ! ごぶ! ごぶ!」
 見張りの異変を察知したのか、わらわらと出てくるゴブリンたち。手にはそれぞれ武器を持っているが、中には血糊がついたまま乾いたものもある。モノすら大事にしない種族だという事がよくわかる。
「じゃあ僕はにーげよ」
 くるりと背を向けたロカジ。獲物が怯えたと思ったのか、大群はロカジを追う者とナハトを迎撃するものの二つの波に分かたれる。
「クーくんはロカジくんの援護をお願いするヨ。私は戦う準備をしてきたからネ。――AHIH」
 ナハトはそう言うと、その漆黒の身体から触腕を伸ばし、ゴブリンを叩き伏す。叩き、殴り、締め付けて、相手に確実に状態異常を刻み付けていく。
「わーこわい、逃げろー……っと、ここか」
 一方逃げたロカジは、ある木を見つけるとぴょんとその場を飛び越えた。
「ごぶ! ごぶ! ごびゃ」
 俺が一番乗りだ、と追ってきたゴブリンに、今度は短刀が突き立つ。木にワイヤーを括りつけて飛び出すようにした簡単な仕掛けだが、彼らは傲慢だ。そんな簡単な罠すらも見抜けない。
「一匹たりとも逃がすか……!」
 そして、クーが大弓で一体一体を撃ち抜いて行く。ある程度前線に傷をつけると、別の木に向けて矢を放った。ぷつん、と何かが切れる音がして、大きな丸太が前線のゴブリンたちに叩きつけられる。
「うわー、これはひどい」
「ふん、自分たちで作った罠の調子をみるにはいいだろう」
 そう、それはゴブリンたちが作った罠だ。同じ罠使いとして稚拙なゴブリンたちの知恵を粗方見抜いたクーは、それを利用する作戦に出たのだ。
「じゃあ僕も。僕、好きな言葉があってさ」
 仲間をを押しのけて出てこようとするゴブリンたちへ向けて、再び炎が放たれる。恐ろしい狐火が、まるでゴブリンの罪を数えるように一つ、二つ……
「一網打尽っていうんだけど」
 こうして、三人はゴブリンを順調に掃討していく。だが、まだ洞窟には気配がある――もう少しおびき出す必要がありそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
ハァ~イ汚らしい子鬼サン、オレが直々に殺しに来たぜェ~♪
さァて、真正面から堂々、ブチ抜きに行くとするかァ!

…なァお前、その血が誰のモンだったか覚えてンのか?
覚えてるワケねェ~よなァ~…
テメェらはただの雑魚だもンなァ~……
どォーせ、人間を餌とでも思ってンだろ?
は~~ァ~~~~……

ブッ潰す

特別に【オレの救い】を見せてやる
【攻撃】、必要なのはただそれだけだ
【箱】を使ってもいいが……
【聖痕】刻まれてるこの体で、奴らをブッ潰さねェーと気が済まねェな?

ビビってンのかクソ雑魚どもがよォ!!!


清川・シャル
さて、まだおびき出さないと、ですね

「視力」で足元や周辺の罠に気をつけながら向かいましょう

武器「ぐーちゃん」にスタングレネードの弾を込めておきます

「歌唱」「誘惑」で誘い出しをしてみます
上手く行ったら「先制攻撃」
コード「爆竜戦華」
スタングレネード発射です

はーい、私も子供ですよ
まあ鬼なんですけどね
小鬼とは馴れ合う気はありませんね〜

接近戦は金棒と村雨で行います
他の方との連携をはかりたいです
弓矢や不意の攻撃には「見切り」「カウンター」で応戦

他に出入口になっている所が無いか警戒しておきます
1匹も逃がしません

子供達が見つかれば「コミュ力」で対応します
よく頑張りましたね、大丈夫ですよ



「さて、もう少しおびき出さなきゃ、ですね」
「めんどくせェなァ。オレが直々に殺してやろうってのに」
「駄目です。中の子どもたちに何があるか判らないので」
 イライラと手をぐーぱーしているジンに、しれりと答える清川・シャル。ピンク色をしたグレネードランチャーの「ぐーちゃん」に弾を込めながら言うさまはいっそシュールでもある。
「誘い出しが成功したら残りはお任せしますから」
「ン~~、まァいいけどよ……で? どうやって引きずり出す?」
「歌です」
「歌ァ?」
「はい。では歌います」
「はァ……」
 なんとも言えぬ溜息を吐いたジンをよそに、シャルは歌い始める。子どもらしい声で、子どもらしく童謡を。覚えていないところはふんふんごまかして、そこもまた子どもらしくたどたどしくして。
 子どもがいるぞ、子どもがいるぞ。引かれてゴブリンがやってくる。
 そして見るのは仲間の死体。既にこと切れている仲間が累々と倒れているなかで、シャルが歌っている。
 警戒をしなければならないのに。迎撃をしなければならないのに、ああ、足がそちらへ向いてしまう。歌を聴こうと耳を傾けてしまう。シャルの誘惑の力に引かれた小鬼は、横合いからジンに叩き潰された。
「ハァ~イ♪ 小汚ェ小鬼サン」
 ぐーちゃんをシャルに渡しながら、ジンは己の顔を覆うマスクを確かめるように触る。
「その血が誰のモンだったか覚えてンのか? それだよそれ、武器についてるやつ。 ………。覚えてるワケねェ~よなァ……テメェらは所詮ただの雑魚だもんなァ」
「武装確認、全解放します」
「どォーせ、人間を餌だとでも思ってンだろ? 餌にしかみえねェンだろ? ……は~~~~ァ……」
「いきます!」
「いいぜ、俺もブッ潰しに行く」
 ――戦場に響きし我が声を聴け!
「爆竜戦華! ぐーちゃん全発射です!!」
 戦場に爆裂の花が咲く。ゴブリンたちは巣穴に逃げ帰る暇もなく、爆破に巻き込まれ四散するものと、それを見ているしかないものに分かたれた。
 運よく戦華を免れたものも、ジンの力任せな攻撃に一匹一匹潰れていく。聖痕の刻まれた聖なるに満ちる肉体で攻撃されればひとたまりもない。鬼ですらない小鬼は、小さな虫のようにぷちり、ぷちり、潰されていく。
「【オレの救い】はどうだ? キくだろ? 聞こえてねェか」
「全く、近距離のときは一緒にって行ったじゃないですか!」
「あァ? そうだったかァ~~……いや、話してなくねェか」
「そんな事ないです、あなたが聞いてなかったんです」
 ぐーちゃんを背に負ったシャルが加勢する。金棒と刀を手にして、ゴブリンの頭を潰し、首を刎ねる。
 後ろから不意打ちを狙ってジンに飛び掛かった哀れなゴブリンも、振りかざしたシャルの【村雨】の雫となる。
 確実にゴブリンを殺していく。歌に引かれてやってきたゴブリンは誘惑でほぼ戦力とならず、二人がかりなら殲滅するのに時間はかからない。
「はァ~~~~~、可哀想だなァ~~~本当にクソ雑魚なンだもンなァ~~~~……」
「口が悪いです。取り敢えず、これで中に入れるはず…」
 ゴブリンの気配は随分と減った。最早敵として数えるべくもないだろう。
 二人はそれぞれの歩調で巣穴へと入っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


道中には何匹かのゴブリンが沸いたが、最早猟兵の敵ではない。
 叩き潰し斬り刎ねて、子どもたちを探す。
 ゴブリンを一匹残らず追い出して、最奥の部屋へたどり着いた猟兵を待っていたのは、奥に集められた子どもたちと、その前に陣取る黒い鹿のようなオブリビオンだった。
「罪はどちらにあると思う?」
 オブリビオンは問う。時代が時代であれば、神獣と謳われたかもしれない。村人が森の罰だと怯えるのも頷けるその体躯。
「森を刈り取り、己が領域(テリトリー)を拡げようとするヒトと、その復讐に燃えるものたち。罪はどちらにあると思う?」
「私を罪人だと思うもののみ来るがいい。私はゴブリンを率いて、森の復讐をした、それは確かなのだから」
 静かに首を上下させるオブリビオン。その問いは冷静で、けれどとても傲慢だ。
 まるで己が森を統べる者であるかのような物言いは、許しておくわけにはいかない。お前は過去の残骸だ、未来を拓くのは此処に生きる人々なのだと――叩きつけてやれ!
クー・フロスト
……――認めよう、貴殿を神獣として
たとえ過去の残骸であろうと
人間の行った森の刈り取り行為、我々人間に非がある。
オブリビオンが悪だとは断定しない。

非礼を詫びろう。
申し訳なかった。
だが、許して欲しい……この世界の人間にはその森の資源が必要なのだ
どこまでも傲慢なのは我々人間である

しかし……わたしにはやらなければならない事がある
子供達の救出だ。
冒険者としての仕事だ。

まずは相手の話を聞きたい。可能であれば説得したい…。
全て主張を聞いた上で、戦うしかないのならば…敬意を示し武人として戦おう。

あたしの名前はクー・フロスト。参るぞ…。いざ、尋常に勝負…。
かつてデウスエクスだった者とオブリビオンが対峙する……。


清川・シャル
私達はあなた達のテリトリーに勝手にお邪魔してますから…
でもね、やり方ってあると思うんです
お仕置きさせて頂きますね

子供達の安全を最優先に動きます
どなたかボスの目を引き付けてください
「時間稼ぎ」「救助活動」で子供達を守れたら
攻撃が来そうなら「オーラ防御」
もう、大丈夫ですよっ

逃げ切れたらそれでOK
思い切りやります
逃げ切れず子供達を背に対峙するようなら、守りながらの応戦
いずれにしても真の姿鬼神に
「ぐーちゃん」の射撃で攻撃
コード「爆竜戦華」
「援護射撃」を

接近戦は金棒投げつけて牽制後「村雨」を抜刀して迎撃します
防御は「盾受け」「カウンター」

子供達には未来があるから。
…あんまり変わらない年齢かもですけどっ



ある者は――其れを認め。
「認めよう、貴殿を神獣として。たとえ過去の残骸であろうと……人間の行った森の伐採、我々に非がある」
「ほう」
「非礼を詫びよう。だが――許して欲しい。この世界の人間にはその森の資源が必要なのだ」
「そうです。……私たちは勝手にお邪魔している身ですが……やり方というものがあります。傷つける事はなんの解決にもならないのです」
「何故無辜の木々が必要なのか。何故刈り取られねばならないのか。何故現状に満足しないのか。何故開拓を求めるのか」
「人間は開拓していく生き物だ。そうして便利な生活と、安全を求める。例えばゴブリンに襲われないように、柵を作る。その為には木が必要だ」
「弱きは肉となり、強きが食らう。何故其の定めに抗うのか」
「誰だって死にたくないからだ。それは人間も、……っ、ゴブリンだって、同じだろう」
「傲慢である」
「ああ、傲慢だ。そして強欲だ。――今だ!」
「さあ、早く! あっちへ走って下さい!」
 クーが声を上げると、彼女とオブリビオンの問答の間にこっそり後ろへ回っていたシャルが子どもたちを開放し、走らせる。或いは転び、或いは助け起こしながら、子どもたちは洞窟を一目散に駆けていく。
「………人間は貴殿を恐れていた。しばらくは伐採の心配はないだろう。どうか手を引いてくれないか」
「人間は忘れる生き物だ。ゆえに骸の海がある」
「……もうやめましょう。説得は無理です、猟兵とオブリビオンである以上、戦うしかありません」
 鬼神の姿に己を変えたシャルが、ぐーちゃんを担いで言う。クーは悔し気に唇を噛み……やがて納得したように引き結んだ。
「判った。――あたしの名前はクー・フロスト。参るぞ」
「お仕置きさせて頂きますね」
「………」
 相手は答えない。クーは未だ残る僅かな葛藤を心中で握り潰し、魔法陣を展開した。
「いざ、尋常に勝負!」
「ぐーちゃん、援護射撃です!」
 氷の弾丸とグレネードがオブリビオンに向かって迸る。オブリビオンは警戒にジグザグステップを踏み、弾丸の間を抜けて猟兵たちの前に立つ。そしてその蹄を大きく振り上げ――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ロカジ・ミナイ
えっ、
馬?鹿?
わぁ、てっきりヘンナオジサン系かと思ってたよ。
よかったよかっ、…全然よくねぇな。

子どもを攫って、ヒトの未来を刈り取るつもりだったのか。
おーいチビッコちゃん達、元気?
食べられたりしていないかい?

他人様の開拓事情にとやかく言えないんで…、
僕の個人的見解は、
子ども達のハートに傷を付けた事は許し難い。
よって鹿さんよ。お前が悪い。

ピッと鹿を指差す。
ジャッジメント・クルセイドだ。

過去の産物が、未来無きものが、
屁理屈をこねて現世にすがる姿ってのは、カッコ悪い。

でも…絆されちゃった子もいるかもね。
ああ、君は正しい。
オトナってのは、間違ったまま歩いたりする。
怒ってくれる人を失ったオトナほどね。


ナハト・ダァト
罪が彼らにあったとしてモ、それを裁定するのは君じゃなイ
彼ら自身サ

[世界知識][情報収集][残像]
ユーベルコード【バウンドボディ】を駆使して相手のコードの分析を行う

POWの対処 
初撃を外させル。[残像]の出番だネ 軽く被弾しておいてここぞという時に躱すヨ

SPD
感覚の共有カ、それは逆に言えば君の感覚は少々過敏な訳ダ
それなら、この私の…聖者の「光」は眩しいんじゃないかナ
もし的外れでモ、共有している以上君から見えないはずの物音や動き、それをとらえている方角を探せバ、当たりだろうネ

WIZ
合体前に倒す事だろウ。ナニ、葉っぱならバ燃やせば事足りるヨ

それぞれの弱点が証明できれば[受難の左手]の出番だネ


田抜・ユウナ
そりゃ森を削るのは罪深いことでしょうよ。私もエルフの端くれ、森は好き。
でもね、そのことと、あんたの所業が正しいかどうかは別じゃない。
子ども攫って泣かせてるヤツが、正義面するか!

黒革ジャケット翻して肉薄。
俊敏さと《見切り》を活かして降ってくる蹄を躱していくわ。
相手を翻弄しつつ、レプリカクラフトで足元にワイヤートラップを設置。
自分や仲間が間違って踏まない様に小さな目印をつけておくけれど、敵はデカブツで視点が高いから気付かないでしょう。
四肢や角をワイヤーで縛って、仲間が攻撃する隙を作る。

……今を蝕み未来を奪う侵略者よ、自分の領域へお帰りなさい。



――ある者は、それを跳ね付け。
「うおっと!」
 ロカジが一歩下がると、彼が立っていた場所に蹄がどすん、と突き立った。悔し気に角を奮うオブリビオン。
「もっとオッサンかと思ったら、まさか鹿とは」
「ふむ……もうちょっと引き付けてくれないかネ。分析が進まない」
「無茶言うなよな!?」
 ナハトはユーベルコードを構築するため、相手のユーベルコードを余さず見ている。必要ならば己が攻撃を受ける覚悟で、体をバウンドモードに変転している。
「まあ、そりゃね。森を削るのは悪い事でしょうよ。私だって森は好きで、伐採はあんまり好きじゃない」
 ユウナがオブリビオンのステップに合わせてその軌跡を追いながら。でもね、とその眦を吊り上げた。
「そのことと、あんたの所業が正しいかどうかは別じゃない。子ども攫って泣かせた奴が正義面するか!」
「効率と小鬼の提案を取ったまで」
 ユウナに向き合うと、蹄を奮い、妖精を呼び出すオブリビオン。それをかわしながら【レプリカクラフト】にて小さなワイヤートラップを次々作り上げていくユウナ。
「フム……あれは妖精かナ? おそらくは感覚の共有カ……逆に言えば感覚が過敏になる、という訳ダ。ならば常人でも耐えがたいほどの衝撃を五感に与えればいイ。 それに、蹄の攻撃……一撃を外したら次の敵を狙っているネ。最初の攻撃が当たらなければ意味がないのだろウ」
「アンタは何してんだ?」
「分析だヨ。反撃のためのネ」
「ふうん。ま、いいや。――僕は人様の開拓事情にはまあ、とやかく言える立場じゃないんでアレだけど。なんとか逃げおおせたとはいえ、子どもたちのハートに傷をつけたことは許し難いね。よって鹿さんよ、お前が悪い。ほい」
 ぴっ、とロカジがオブリビオンを指さす。――【ジャッジメント・クルセイド】……その指先から放たれた光は、あやまたずオブリビオンを貫く。
 突然貫かれた事に驚きながら、今度は木の葉で出来たような植物人間を召喚するオブリビオン。蹄が暴れ、ユウナのトラップに引っ掛かり。ピン、ピン、と罠の留め具が次々と外れていく。
「あんたがオブリビオンじゃなくて、純粋に森を守る生き物だったら、仲良くなれたかもしれないけどね……残念だけど、そうはいかなかった」
「あれはよく見る形の召喚だネ。合体される前に燃やせばいい。――さテ、これで実証完了かナ。」
 ユウナの仕掛けたワイヤーが豪奢な角に絡みつき、その動きを封じる。ナハトがオブリビオンに向けて左手を翳し――
 ――Ph’nglui mglw’nafh
「罪! 罪には罰を! 森に仇なすものに罰を!」
「それがあんたの本性なわけね。冷静なのはフリだったのかしら」
 【受難の左手】がユーベルコードを凍らせ、封じていく。オブリビオンは抵抗するように頭を奮うが、ワイヤーが食い込んで満足に動けない。
「このユーベルコードは180秒有効ダ。その間に倒せるかだネ」
 悠々と、ナハトが呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
べっつに森がどォーとか復讐がどォーとか知ったこっちゃねェ
だからこれは、ただのオレの我儘だ

悪ィがオレは譲れねェータチなンでな!
【オレの救い】でお前をブッ潰す!それだけだ!

お前の言い分もわからなくはねェーと言ってやるよ
けどなァ

お前、自分でやれよ
他のヤツに命じて、高みの見物してンじゃァねェーよ


人の命狙うンなら、自分の命ぐらい張ってみせろやクソ鹿ァ!!!



――ある者は、それを叩き潰す。
「べっつに、森がどォーとか復讐がどォーとかよォ、そんなのは知ったこっちゃねェんだよ」
 そう、これはジンの我儘。ただ腹が立つ。だから戦う。一度【ジンの救い】を見せると言ったからには、徹底的に根底まで見せつけなければ気が済まない。そして、その【救い】でぶっ潰す。ただ、それだけ。
「まァーな? お前の言い分も判らなくはねェーよ。そう言ってやる。けどな」
 両側異なる色の瞳が、動けなくなっているオブリビオンをねめつける。
「お前、自分でやれよ」

「他の奴に命令だけして、高みの見物してンじゃァねェーよ」

「人の命狙うンなら、自分の命くらい張ってみせろや! クソ鹿ァ!!」
「笑止、笑止、笑止……!!」
「そらァこっちのセリフだクソがァ!!」
 ワイヤーに囚われたオブリビオンに、大股で近付くジン。救ってやる、オレが全部救ってやるよ。その傲岸不遜な輝きは、確かに聖なるを持っていた。まばゆい光がオブリビオンを照らし、獣はその眩さに顔を背ける。
「目ェ逸らしてンじゃねェよ。お話しは目を合わせてするもんだろォーが!」
 ジンの拳の一撃が、オブリビオンを見事に吹っ飛ばす。しかし相手も相手、空中でワイヤーの拘束から逃れ、くるりと猫のように着地する。
 しかしその足は震えていて、戦いの終焉が近いことを伺わせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クー・フロスト
弱きは肉となり、強きが食らう。か…
魔物は強者の意志に従うという。
私が貴殿を倒せば…私の考え、認めてくれるだろうか?

刈り取るだけではなく、自然豊かな森を守る事が大切だと伝えよう。
貴殿の森への想い、情熱…伝えよう。
村人達に伐採するだけでなく植林するように勧めよう
人類の罪は消えないが…
こういった小さな積み重ねが未来を拓くのではないだろうか…?

……――
村の子供を守る為、貴殿の森の聖獣としての誇りを汚さぬよう…
その宿業…過去の残骸
この死神クー・フロストが断ち切ってくれよう――!!

▼戦闘
死神の鎌《ソウルイーター》
特性:傷口をえぐる、吸血、生命力吸収

《闇の鼓動》を放ちながらフェイントを混ぜながら致命傷を狙う


ナハト・ダァト
もう十分かナ…これからの森はきっト彼ら…君の嫌う人間がどうにかするサ
…どうにかするしか、ないんだヨ
しかし、それには時間がかかるだろウ。争いや諍いだって当然生まれル。
でもネ、未来は結局、未来を生きる者にしか与えられないのサ
過去のキミには、最初からどうしようもない事だったんダ

それに…そういった差し引きをしても、素晴らしい未来を見せてくれるのが人間だと、一度信じてみるといイ。
賢さを得た彼らは、きっと森と共存できるだろウ
守ろうとしたものがいた事、森を守るルールは、彼らにしっかり伝えておくヨ

…だから、これで終わりにしよウ

動きも封じた、精霊だって無力サ
キミの負けだヨ



「弱きは肉となり、強きが食らう、か……ならば、私が貴殿を倒せば……私の考えを認めてくれるだろうか?」
「認める認めないではない。勝者の理が突き通るまで」
 クーが呟く。強きものに弱きものは従う。勝者と敗者の絶対的な理。オブリビオンは深い色の瞳を瞬かせ、ただそう述べるのみ。
「……これからの森はきっと彼ら……君の嫌う人間がどうにかするサ。どうにかするしかないんだヨ」
 ナハトがはっきりと言う。時間がかかるだろう。争いや諍いだって起こるだろう。けれど結局、未来は未来へ生きるものにしか与えられない。過去の産物であるオブリビオンが嘆こうとも、どうしようもない事だった。そう、最初からどうしようもない事だったのだ。
「刈り取るだけではなく、自然豊かな森を守ることが大切だと伝えよう。貴殿の森への想い、情熱――伝えよう。伐採するだけではいけないのだと伝えよう。……罪は消える事はない。消える事はないが……」
 小さな一粒一粒の種がやがて大きな森になるように。積み重ねる事で、人と森の共存する未来を切り拓けるのではないか。そう、クーは思う。このオブリビオンは確かに過去の産物だが、過去から学ぶ事があるのも事実。オブリビオンだからと切り捨てずに、如何に未来へ生かすか、なのではないかと。
 動きと技を封じられたオブリビオンに、ナハトが足音を立てながら歩いてくる。それにネ、と片手をあげた。
「そういった差し引きなんかは抜きデ、素晴らしい未来を見せてくれるのが人間だと、一度信じてみると良イ。骸の海から見ててご覧ヨ、彼らは賢くなった、きっと森と共存できるサ」
「………」
 オブリビオンはぶちぶちとワイヤーを角で引きちぎる。それは何かを思案し、熟慮しているような間。
「……これで終わりにしよウ」
「………」
 最早、言葉はいらないのだろう。オブリビオンはただ“オブリビオンとして”――猟兵たちに向かって咆哮した。ならば過去を破ってみろと言わんばかりに。
「――ALHIM GBVR」
 蹄が持ち上がる。その瞬間を狙って、ナハトの触腕が大きく振るわれる。それはごく近距離の敵にしか使えないが、絶大な威力を誇る技。厳正と名付けられたその一撃は、まさしく厳にもって正しく揮われ、オブリビオンを吹き飛ばした。
「いまだヨ」
「……村の子どものため、……森の聖獣としての誇りを汚さぬため」
 ――その宿業、この死神クー・フロストが断ち切ってくれよう!
 死神の鎌が振るわれる。闇のオーラを纏い、幾度かのフェイントの後……その鎌は、オブリビオンの命を正確無比に狩り取った。
「……おお……森、は……あの、森は……」
 立っている体力もなく、横たわるオブリビオン。ぽつりぽつりと呟きながら、つま先から頭まで一気に灰になり、消えた。
「――……最後まで、森を想う聖獣だったな」
「はて、庇護欲というより妄執のようにも思えたが。子どもたちは無事に村に帰れたかネ?」
「ゴブリンは殲滅したはずだが……一応村に戻って見てみよう。迷子がいるかもしれないし、何より……伝えなければならない。」
 人間はこれから森と共存し、栄えていく。そのためのメッセージを。
 ぐっと拳を握りながらクーがいうと、そうだね、とナハトも頷き、二人は踵を返した。

 村には無事に子どもたちが全員帰ってきていた。
 彼らにオブリビオンの行動理由を伝えると、反応は様々であったが――大多数の者が「性急な開拓だった」と過去を振り返る。
 時に過去は、未来への警告のために想起される。
 かなり荒っぽい方法ではあるが、あのオブリビオンも“そう”だったのかもしれないと、猟兵は豊かな森を振り返り見た――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月06日


挿絵イラスト