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ぷにぷにスライム無双~あるいは蜜菓子作り会のお知らせ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「可愛すぎか!」
 唐突に、田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)はグリモアを壁に投げつけた。
 前触れもなく発狂したユウナを、周囲の猟兵たちが奇異の目で見つめる。
 いや、本当にどうした?
「……コホン。失礼したわ」
 体中に突き刺さる視線を咳払いでごまかし、ユウナはお気に入りの伊達メガネを取り出す。予知した事件を説明する時の、彼女のルーティーンだ。
「アルダワ魔法学園へ行ったことはある? この学園の地下迷宮に閉じ込められている災魔が、大挙して地上に侵攻を始めたの」
 侵攻はもう完了寸前のところまで進んでしまっているらしい。最後の防衛ラインを突破されたら、先人が想像を絶する戦いの末に封印した災厄を世界中に解き放ってしまうことになるだろう。そんなことは、断じて許されない。
 緊張した空気が漂うなか、猟兵たちはユウナに問う。敵軍の戦力はいかほどか、と。
「そうね、おおよそだけど――その数、千」
 なるほど、千。せん? ……1,000!?
 多いよ!!?
 どよめく一同。ユウナも、戦慄の表情でうつむく。
「軍は単一の災魔で構成されているわ。種族名は『蜜ぷに』よ」
 ハチミツの『蜜』にプニプニしてる『ぷに』で『蜜ぷに』。
「名前の通り、花の蜜みたいな成分で出来たぷにぷにスライムよ。色とりどりのゼリーみたいな体で、甘い香りを漂わせているわ。こんな可愛い生物が視界を埋め尽くさんばかりに行進してくるのよ! もうキュン死しそうじゃない!?」
 柄にもなく鼻息荒くして熱弁するユウナ。
 それで、冒頭で萌えギレてたらしい。
 緊急事態であることに変わりはないはずだが、なんか脱力した空気が流れた。

   ***

 説明に移ろう。
 この蜜ぷにという災魔は非常に戦闘力が低い。弱いうえに甘くて美味しいので、『迷宮攻略者のオヤツ』という称号まで与えられている。彼らを脅威と見ているのは、ダイエット中の女性くらいだ。
 今回の依頼を一言でまとめると、『異常発生した最弱モンスターの駆除』ということになる。
「蜜ぷには元から数が多いうえに、敵に襲われると増殖する能力を持ってるの。可愛くて弱いからって手を抜いたらえげつないことになるから、心を鬼にして一掃してちょうだい」
 攻撃をためらってはいけない、とユウナは念を押す。
 災魔である以上、その本質は邪悪であるから慈悲は無用だ。それに、倒したら美味しい甘味が手に入るし。
「この子たちを倒すと崩れてシロップみたいになるんだけど、これがまた絶品なのよね。甘さも香りも最高。集めて持ち帰ったら喜ばれること間違いなしよ」
 ユウナの説明が料理好きの血を刺激したのだろうか、シロップを使ってお菓子を作りたいと一人の猟兵が呟く。
「いいわね、それ! 戦いが終わったら、祝勝会を兼ねて皆でお菓子作りといきましょう。家庭科室を使わせてもらえるように、学園と話をつけておくわね」
 はしゃいだ様子でユウナは手を打って、猟兵たちを見渡した。
「私はグリモア猟兵として、後続を送り出したり負傷者を撤退させたりする責務があるから、戦闘に参加することはできない。残念だけど、本当に残念だけど、後は任せるわね。どうか頑張って」
 生で見たかったなー、と名残惜しそうに呟きながら、ユウナは猟兵たちを現場にテレポートさせるため、グリモアの起動にとりかかる。


黒姫小旅
 どうも、黒姫小旅でございます。
 此度のテーマは無双プレイ。雲霞のごとく迫りくるモブ共をバッタバタと薙ぎ払うもよし、プニプニの群れに飲まれる……のは程々に。
 それと、あとでボスも来ます。

●補足
・迷宮内の適当な広間が舞台。戦闘に影響するようなものは何もありませんが、ここを突破されるとすごく困ります。
・蜜ぷにシロップ等、ドロップ品の回収とかは希望がない限り舞台裏で処理します。戦闘に集中して頂いて問題ありません。
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第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ぷにぷに』
 彼らは行進を続ける。
『『ぷにぷにぷにぷに』』
 目指すは地上。太陽の下、豊かな自然が待っている。
『『『ぷにぷにぷにぷにぷにぷに』』』
 行く手にどれほどの障害があろうとも、彼らが歩みを止めることは決してない。
『『『『ぷにぷにぷにぷに。……ぷにぷに――――っ!!!』』』』
ジゼル・スノーデン
みつぷに!みつ、ぷに!
もうその言葉だけで美味し……違う。かわいい。
わたしのときめき回路が暴走しそうだ。なんて恐ろしいんだみつぷに!

とりあえず、武器であるオールの杖でべっしんべっしん叩いていく。あまーい香りでいっぱいだ!
一口なめたらダメか?ほら、だっておやつなんだろう!?
ドールはダイエットとは無縁だから、こわくないぞ!こわく……たぶん平気だ。

でも、そう考えると、儚い生き物だな……みつぷに。せめて美味しく食べるからな!(ばっしんばっしん)

ついでに【サモニング・ガイスト】で炎の霊を召喚して炙ってみるけど、香ばしい焼きキャラメルみたいな香りするんだろうか……
ああ、美味しそう……


ソラスティベル・グラスラン
こ、これは……全て『蜜ぷに』の群れですかッ!?
1匹いれば30匹、更にその30匹が2倍3倍に増殖する彼らが、何故これ程に!?
うふふふ……失礼しました、蜜ぷにの蜜はわたしも大好物なのです
あの美味なる甘味が山のように!どれだけのお菓子になることでしょう!?
皆さん行きましょう!この戦争に勝利すれば、無限の甘味はわたしたちの物!
いざ学園の安寧を守り、学園の食を豊かにする為!勇気ある誓いをここに!!(鼓舞)

範囲攻撃でひたすらにグラウンドクラッシャー!
回収は後で、今は勇気ある無双を求め前へ、前へ!
さあ可愛らしく勇気ある蜜ぷにたちよ!突破などさせませんよぉ!
今だけはわたしは魔王にだってなりましょうとも!!


アーサー・ツヴァイク
甘味のために乱獲ってのは少々気が引けるが…増えすぎて人々の脅威になるのも困るわけだし、ここはキバって行くぜ!
ホントは近接武器で敵陣に突っ込んで行きたい所だが…任務は任務としてしっかりやらないとダメだしな。数が増えると厄介だし、ここは確実にぷにぷにな奴を減らしていくぜ!
だから「情緒」とか「お約束」とか、そんなん無視して【一斉発射】のフルバーストをぶちかましてやるぜ!

悪いなぷにぷに! 後でちゃんと美味しく頂くからよ!




 アルダワ迷宮の最終防衛ラインである某広間。
 世界を守るという使命を胸に集まった猟兵たちの前に、凶悪なるオブリビオンの大軍がその全貌を表わした。
『『『『ぷにぷに――――っ!!』』』』
「ぷにー!」
 約一名、機械人形が混ざってないか?
「……はっ!? あまりのかわいさに、ときめき回路が暴走してしまった。なんて恐ろしいんだ、みつぷに」
 わななくミレナリィドールの少女、ジゼル・スノーデン(ハルシオン・f02633)。
 そしてもう一人、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)もまた、千の群れをなすスライムたちを前にして戦慄していた。
「こ、これは……この全てが蜜ぷにだというのですかッ!? 1匹いれば30匹、更にその30匹が2倍3倍にも増殖する彼らが、何故これ程に!?」
「マジかよ。冗談抜きでやばいんだな、蜜ぷにってのは」
 そんなに増えるのか、と横で聞いていたアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)が、驚いた顔をする。
 UDCと相対したごとくに正気を失う猟兵が出るなか、冷静さを保っていたアーサーには迷いがあったのだ。甘味のために生物を狩り尽くすという業の深い行為は許されるのだろうか、と。
 言ってる場合ではなかった。むしろ絶滅させるくらいの気持ちで挑まねば、世界中があっという間に蜜ぷにで溢れかえってしまうだろう。……ウェルカムとか言ったらいけない。
「というわけで、心置きなく任務に集中だ。キバって行くぜ!」
 迷いを捨て、アーサーは【サンドライバー】を取り出すと、腹部にかざした。自動で飛び出したベルトにより腰に固定。武装展開を瞬時に行う。
 説明しよう。改造人間アーサーは邪悪から人々を守るため、正義の光ドーンブレイカーへと変身するのだ。
「【Select…BURST ACTION!】フルパワーで……ぶちかますぜ!!」
 アーサー改めドーンブレイカーは敵陣に銃口を向ける。
 本音を言えば、自らぷにぷにの中へ飛び込んで暴れまわりたいとか思わないでもないのだが、確実に数を減らすのが先決だ。
『『『『ぷに――――っ!?』』』』
 ユーベルコード【レイシューター・フルバースト】が、蜜ぷにの群れを直撃した。
 視界いっぱいに広がる大軍勢の一角が、光に飲まれて消滅。最大出力の一斉射撃は、射線上の蜜ぷにを撃ち抜くだけではあきたらず、その先の壁にまで大穴を開けた。
「悪いな、ぷにぷに! 後でちゃんと美味しく頂くからよ!」
 荒々しい笑みを浮かべて、ドーンブレイカーは次の攻撃の準備に取り掛かる。


「うふふふ、わたしの大好物が山のように。夢みたいです。どれだけのお菓子が作れることか。……皆さん行きましょう! 無限の甘味をこの手に! 学園の安寧を守り、学園の食を豊かにするのです! 勇気ある誓いをここに!!」
「こわくないぞ、たぶん平気だ。ドールはダイエットとは無縁だからな」
 ソラスティベルとジゼル、スイーツに魅了されし少女たちは果敢にも敵陣のただ中に身を投じた。
 捕食者の接近を察知した蜜ぷにたちは、ぷるんと身を震わせて増殖を開始。一体が二体、二体が四体、四体が沢山。ネズミ算式に増えていく様子は、どれだけ見ていても飽きない……ではなく、恐ろしい増加速度だ。
「……みつぷに。せめて美味しく食べるからな」
 弔うように目を伏せた後、ジゼルはオールの杖を振りかざすと、ちょうど足元に転がってきた赤色の蜜ぷにを殴り飛ばした。
『ぷにー!?』
 可愛い悲鳴を上げて吹っ飛んだ赤ぷには、行く手にいた白色ぷにと衝突。勢い衰えず今度は青色にぶつかる。互いに混ざり合ってピンク、さらに薄紫へと色を変えて転がっていき、最終的には二十匹以上を巻き込んでようやく停止した。
 雪だるま式に膨れ上がり、二十匹分のサイズとなった巨大ぷにはカラフルな虹色の体をうごめかせる。
「美味しそう。かわいい。すばらしい」
 意図せずして完成した芸術に、ご満悦なジゼル。
 しかし、その美しいレインボウな蜜ぷにの頭上に、影が下りた。
「勇気ある無双を求めてぇぇ、前へえええぇぇぇぇぇ!!!」
 それは単純にして明快なる破壊の一撃。ソラスティベルの【グラウンドクラッシャー】が、巨大ぷにの脳天に叩き込まれた。天変地異にも匹敵する衝撃波は周囲の蜜ぷにを巻き込み、ゼリー状の肉体を液体へと崩壊させる。
「たとえ魔王の所業と言われようとも構いません! 可愛らしく勇気ある蜜ぷにたちよ、ここから先へは一歩たりとも行かせませんよぉ!!」
 馬鹿の一つ覚えと侮るなかれ。
 範囲攻撃を連発するソラスティベルは、まさに破壊の権化。一度武器を振るうごとに、ぷにぷにで埋め尽くされた広間に空白地帯が出現する。
 爆ぜるスライム。砕ける床石。噴水のごとく飛び散る大量の蜜。
「……ああ、儚い」
 ちょっとセンチメンタルになるジゼル。
 哀惜を覚えながら、体に振りかかったシロップを指ですくい、ペロリ。
「~~~~!!」
 両手で頬を押さえるジゼル。すごく美味しかったらしい。
「炙ってみたら、焼きキャラメルみたいになるんだろうか……」
 古代の戦士を召喚し、いい感じの火加減で蜜ぷにを焼き払う。目的が変わってる気がするが、美味しそうなんだから仕方がない……仕方ないのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ナイツ・ディン
「甘味。久しく食べてないな。お前ら早いがオヤツにするか?」『砕いて焼いて喰えばいいんだな!』
竜槍『ディロ』はお腹を空かせている!なおもう一本の竜槍『ローア』は黙っているが甘いものが好きである!

竜槍『ローア』で《なぎ払い》しつつ、ディロはフリーにさせて咆哮の範囲攻撃と回収。空腹ドラゴンが咆哮(ドラゴニック・ロアー)を上げればソレだけで驚異。
『我に、喰われろ!』

スライムが飛び散ったら俺はベトベトになるんじゃないかな。俺小さいし。スライムと同サイズじゃね?

回収はディロの紅竜の夢見た世界で喰らうことで収納することが出来る。お腹いっぱい、満足である。
『食べ過ぎた……』「阿呆かお前は。」

アドリブ・ネタ歓迎




「ちょいと早いがオヤツだぜ、相棒!」
 竜槍【ローア】を手に、ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)は戦場を駆け抜けた。
 周囲の蜜ぷに達は、ナイツの背丈とほぼ同じ。別に、そこだけ巨大ぷにばかり集まっているというわけではない。ナイツが小さいのだ。
 それもそのはず、彼はフェアリー族。極端に小柄な種族で、その身長たるや27.6cm。しかし、ナイツは矮躯を理由に尻込みなどしない。勇猛果敢に、蒼き竜の宿る愛槍を振り回した。
 刃が閃き蜜を散らせ、石突が唸り敵を殴り飛ばす。
『ぷにっぷにー!』
 蜜ぷにたちもやられてばかりではない。何匹も体を寄せ集め、組体操よろしく小高い山を作ったかと思うと、ナイツを圧し潰さんと襲いかかる。
 迫りくるぷにぷに雪崩を前に、しかしナイツは身構えることすらしない。――する必要もなかった。
 ぷに山のさらに上空。瞳をぎらつかせる影がある。 
『我に喰われろ!』
 それは腹をすかせた竜の咆哮。
 ナイツのもう一振りの愛槍である紅竜、ドラゴンランスの【ディロ】が放つ【ドラゴニック・ロアー】だ。
 それは単なる轟音ではない。竜気がぷにの山を鳴動させ、ナイツに触れることも許さず崩壊させていく。
 ……見事だ、が。
「お?」
 蜜ぷには雪崩となってナイツを飲み込もうとしていたわけで。
 それを真上から攻撃したら、真下に吹っ飛ぶわけで。
 真下にはナイツがいるわけで。
「ぎゃ――――ッ!?」
 降ってくる蜜の津波に、ナイツが飲み込まれた。
 嗚呼、なんということだろう。勇敢なるフェアリーの竜騎士は、蜜の海へと姿を消してしまうのだった。
 …………
 ほどなく、そこらのシロップを喰いあさっていた【ディロ】により、プチ遭難したナイツは発見されたという。
『食べ過ぎた……』
「……先に助けてくれよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
ぷにぷに……たくさん。ほんわか
持って帰って、ペットはダメ、ですか?シャーマンズゴーストさん達みたいに仲良く……ダメ、ですか
ざんねん。せめて美味しくいただいて
私の一部として、地上につれていってあげる、です

捨て身の一撃
群れに飲まれるようにダッシュ。ぷにん
激痛耐性で痛みは無視。怪我も無視。仮初の身体、再生しますし
怪我は後で自分に、生まれながらの光をあてればいい、のです
そんなわけ、で。仮に潰されていても、カウンター
鎧……ぷにぷにボディ無視攻撃で、生命力吸収
腕に生やした牙で噛みついて、喰らい、呑む
腕は二つ。2回攻撃

寄らば喰う、です

……勇者ぷに
僧侶ぷには、いない、ですか?
勇者に僧侶は必須と聞いた、ですが。




 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はヤドリガミ、百年の時を経て魂を得た器物である。幼い少年の姿は仮初めの器で、傷を負ったとしてもすぐ再生する。
 ゆえに彼は捨て身の戦法を取ることが多く、今回も常のごとくダメージ覚悟で群れの中へと飛び込んだ。
 ぷにん!
 袋叩きにされた。
 スッゴイぷにぷにしてくる。あとスッゴイいい匂いする。
「ぷにぷに……たくさん。ほんわか」
 意識を天国へ持っていかれそうになるナイ。可愛い男の子が可愛いスライムに押し包まれている。超絶に可愛い。だが、いつまでも堪能しているわけにもいかない。
 ナイは気合と根性でぷにぷにボディを無視すると、牙を生やした両腕で噛みつき、喰い千切り、呑みくだしていく。
 たちまち、ナイの近辺にいた蜜ぷには喰い尽くされた。
「寄らば喰う、です」
 蜜をすすり、ナイは牽制するように赤目を光らせる。
 もしも戦わずに済むのなら、と思わないでもない。こんなペット欲しい。シャーマンズゴーストとか、オブリビオンのはずなのに人類と協力してる例もあるし。
 だが、世の中は非情なもの。このアルダワ迷宮から、モンスターを連れ出すことは許されない。
「せめて、私の一部として、地上につれていってあげる、です」
 決めたからには、容赦はしない。
 一体ずつなどと悠長なことは言わず、空間ごとえぐるように蜜ぷにを齧り取っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイブル・クライツァ
愛らしい見た目な上に、美味しいお菓子作りの材料になってくれるだなんて
どんなボーナスステージ……(ごほん)失礼、思わず本音が出ていたわ。
疲れた時には甘い物と言うけれど、即座に補給しながら材料の味見まで出来るなんて最高以外の何物でもないと思わない?
私、戦闘に対しては手を抜ける程器用じゃないから、手加減所か巫覡載霊の舞で全力で薙ぎ払っちゃうわ。
飛び散ったりして顔に付着したら舐めて、どのお菓子の材料にするかフル回転で考えながら始末していくわね。
準備運動で糖分摂取し過ぎ?大丈夫よ普段は稼働出来ればそれで充分、って食べ方しかしていないし、そもそもドールだからダイエットとは無縁って言葉が聞こえて来たし平気よ


アリア・アクア
わああ、何て、愛らしい……!
でも、彼らも災魔なんですよね……残念です。
学園が蜜ぷにさんに埋め尽くされないよう、頑張りましょう!

【ツバメの追跡】を使用、呼び寄せたツバメさんで蜜ぷにさんをつついてもらいます
あっ、ツバメさんも嬉しそう……おいしいんですね、気になり、ます(そわ)
ううん、でも味見は戦いの後まで我慢ですから!
【楽器演奏】でフルートを奏で、周囲の蜜ぷにさんを集めてみましょう
はわわ、集まってくるとますます愛らしい……うう、その手には乗りません!乗りませんから!
ツバメさん、もう一度お願い!この子達にもう出てきちゃだめって、教えてください!

……でも、少し舐めるくらい、許されるでしょうか?




 新たに二人のミレナリィドールが、戦場へと踏み込んだ。
「愛らしい上に、美味しいお菓子の材料にもなってくれるなんて」
「でも、災魔なんですよね。……残念です」
 レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)が声を弾ませ、アリア・アクア(ミレナリィドールのビーストマスター・f05129)がため息をつく。
 どんなに愛らしくとも、彼らの本質は邪悪である。討ち滅ぼすのが猟兵の使命だ。
「これも学園のため。頑張りましょう!」
「ええ、そうね」
 まっすぐな瞳で意気込むアリアに、レイブルも目を細めてうなずいた。
 ……美味しいボーナスステージとか思ってるのは内緒にしておこう。
 そんなレイブルの内心など知るよしもなく。アリアはフルートを取り出して、獣と心通わせる音色を奏で始める。
 響く戦闘音にかき消されることもなく、広間に流れる澄んだメロディ。
『ぷに?』『ぷにぷに』『ぷににー、ぷに!』
 効果は劇的だった。
 誘われるように、続々と集まってくる蜜ぷにたち。
 ぷにんぷにんと足元まで寄ってきて、アリアをつぶらな瞳で見上げた。色とりどりの柔らかな体が、リズムに合わせて揺れている。
(はわわ!? 愛らしいなんてもんじゃありません!!)
 殺人的可愛さに軽くめまいを起こすアリアだったが、強靭な精神力でもって演奏を継続した。
 四葉の飾りがついたフルートから紡がれる優しい音色が、どんどん蜜ぷにを呼び寄せる。
『『『『『ぷにぷにぷに~~~~』』』』』
 山ほど集まった蜜ぷにが、一様にうっとりと演奏に聞き入っている。……文字通り山を作るほど集まってきて、アリアの姿が見えなくなりそうだ。

「そろそろ、収穫時かしらね」
 アリアを取り囲むぷにの山を見上げて、レイブルは呟いた。
 彼女の容姿は一変していた。
 ユーベルコード【巫覡載霊の舞】によって神霊体へと変身したレイブルは、おもむろに一歩踏み出す。
 殺気を感じたのか、蜜ぷにの一部が振り返った。だが、遅すぎる。
 すでに、レイブルは薙刀を振りかぶっていた。
「ハアッ!」
 白刃が横薙ぎに払われる。流れるように黒の柄が手中で廻り、石突が縦に一閃。
 斬ッ!
 十文字の衝撃波が、ぷに山を四分割した。
 レイブルの手はまだ止まらない。ぐっと薙刀を引き絞ると、槍のごとく連続刺突。
 機銃掃射もかくやという勢いで射出された衝撃波の弾丸が、飛び散る蜜ぷにを次々に撃ち抜いていく。
「ごめんなさいね。私、手加減できるほど器用な女じゃないの」
 と、漆黒のヴェールを被り直してほほ笑んだ時には、あらかたのプニが薙刀の露――もとい蜜と化していた。
「ふふ、美味しい。どんなお菓子になるかしらね?」
「おいしいんですね。気になり、ます。で、でも、戦闘中に味見なんて……」
「これは補給よ。疲れたときには甘い物って言うでしょ? ほら、私の【巫覡載霊の舞】って、すごく消耗するし」
「なるほど! そうですよね、少し舐めるくらいなら!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファレリア・リトヴァール
可愛い上に甘くて美味しいだなんて……!
これは私ホイホイですわ!
じゃなくて、可愛くても災魔。異常発生したなら倒さねばなりませんわ。
ええ、例え可愛くても!

本当に可愛いですわね……ユウナさんが興奮していたのも分かりますわ。
ぷにぷにですし、色もカラフルですし、その上いい香りですし。
何故災魔ですの……何かのマスコットだったら良かったですのに……。

可愛くても災魔は災魔。
増殖されても困りますし、心を鬼にして殲滅いたしますわ。
瓊嵐で攻撃いたします。宝石の嵐、とくとご堪能下さいませ!


リュセフィーヌ・オールセン
心情
「蜜ぷにのシロップ聞いただけでも美味しそう…」

蜜ぷにのシロップ美味しそうですね。
蜜ぷに無双遠慮なくやらせてもらいますね。

ユーベルコード「鈴蘭の嵐」を使って、周りにいる蜜ぷにを倒します。
蜜ぷにを倒した際に出るシロップをドロップしたら、回収します。

回収したドロップは、後で祝勝会のお菓子作りに参加して使います。




 リュセフィーヌ・オールセン(オラトリオのビーストマスター・f10236)とファレリア・リトヴァール(白花を纏う紫輝石・f05766)もまた、蜜ぷにの魅力に誘われた女性たちである。
「蜜ぷにのシロップ。聞いただけでも美味しそう……」
「しかも、ぷにぷにカラフルいい香りという凶悪な可愛さ三連コンボ! もう、思わずホイホイされちゃいましたわー!」
 リュセフィーヌはシロップを回収するための容器を握り締め、その隣でハートやら音符やら飛ばしそうな勢いのファレリア。
 静と動。金髪金眼と紫髪紫眼。甘味目当てと可愛いもの好き。好対照な二人の女性は、くしくも似通った所作でそれぞれの武器を掲げる。
「遠慮なくやらせてもらいます!」
「宝石の嵐、とくとご堪能下さいませ!」
 二人の武器が、膨れ上がる魔力とともに爆散した。
 リュセフィーヌが作り出した鈴蘭が、ファレリアが操る宝石の花が、猛烈な嵐となって迷宮内を吹き抜ける。
『『『ぷにぷに――――っ!』』』
 蜜ぷにたちも負けてはいない。友情パワーで合体し戦闘力を上昇させることで、吹きすさぶ花吹雪に対抗しようする。
 しかし、いくら群れたところで風の前の塵と同じ。白い鈴のような花びらに巻き上げられ、煌めく宝玉に斬り裂かれ、甘い蜜の雨となって広間中に降り注いだ。
 どんなもんだ、とファレリアは笑う。
「ああもう、本当に可愛いですわね! 災魔でさえなかったら、どこかのマスコットか何かだったら、愛でくりまわしましたのに!」
 ……訂正。愛くるしい姿にファレリアは萌えてもだえる。
「いけないわファレリア。可愛くても災魔。災魔は災魔ですわよ。心を鬼にして殲滅しなければ」
 自分に言い聞かせ、鉱物の体を持つ少女は緩みそうになる気持ちを引き締めて一層の魔力を振るう。飛び散る蜜のしぶきを浴びて、宝玉の花が美しく輝いた。
 もちろん、リュセフィーヌだって負けてはいない。
 自身の武器が変じた鈴蘭の花びらを手足も同然に操作し、波浪のように押し流して一ヶ所に寄せ集めては、叩きのめし押し潰して蜜ぷにをただの蜜へと変えていく。
「ふふ、お菓子作りが楽しみね」
 持参した容器に蜜を集めながら、リュセフィーヌは胸を躍らせて……
「あ」
 何かに気付いた。
「どうなさいましたの?」
「いえ、ちょっと気になったんだけど……鈴蘭って、毒があるのよね」
 可愛らしい見た目に反して、鈴蘭は毒草である。主に毒素が含まれるのは、花。
 一番有毒な部分である花びらで攻撃してたけど、食用にして大丈夫だろうか?
「花びらは全部、私の手元に戻ってくるはずだけど……」
 万が一にも口に入ることのないように、処理する必要があるかもしれない。
「それでなくても、ゴミが混ざってるかもしれませんものね」
 不純物を取り除いておくことを忘れないようにしよう。
 二人はうなずきあって、再び戦いへと向かっていくのだった。

 追伸
 後で蜜を検査したところ、毒は検出されなかったそうです。安心してご賞味ください。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リリーアン・ベル
こんなのも住んでるんスか地下迷宮!我が学園ながらマジでわけわかんないっスね!
でもほら、自分って心を鬼にするの得意みたいなとこあるじゃないっスか。
自分、心鬼にするプロっスから!千匹だろうが一万匹だろうが寄せ付けないっスから!(シロップを詰める用の空き瓶を大量に用意しつつ)

よし!UC【ビルドロボット】でその辺に落ちてるガラクタと合体するっス。
まあ自動車は無理っぽいっスけどそこそこパワーアップできると思うっス。
んでダブルラリアットとかで蜜ぷにどもをバッシバシ吹っ飛ばすっスよ!
召喚された勇者ぷにと戦士ぷにはバラックスクラップの剣で某ソードマスターよろしく本体ごと串刺しっス!

あ、シロップ出た(回収)




 アルダワ魔法学園の地下に広がるのは、世界中の災魔が封印された大迷宮群。そこは様々なモンスターや、殺人トラップの巣窟だと言われているが……
「こんなのも住んでるんスね。我が学園ながらマジでわけわかんないっス!」
 鉄パイプとノコギリを組み合わせたお手製のスクラップ剣でトントン肩を叩きながら、リリーアン・ベル(ドラゴニアンのスクラップビルダー・f10817)は戦場を見渡した。
 可愛さだけなら竜種レベルに凶悪な蜜ぷに。彼らを屠らなければならないなんて、と心を痛めている猟兵も多い。だからこそリリーアンのような者が率先して戦うべき、なのかもしれない。
「自分、心を鬼にするの得意っスから! 心鬼のプロっスから!」
 千匹でも一万匹でもかかってこい、と啖呵を切って【ビルドロボット】発動!
 砕けた床石や銃の空薬莢といった、周囲に落ちてる無機物がリリーアンへと集まっていき、見る間に巨大ロボットへと変身を遂げる。
「本当は自動車がいいんスけど、しゃーねっスね。くらえ、ダブルラリアットぉぉぉっ!」
 両腕を広げ、蜜ぷにを薙ぎ払いながら突進するリリーアン。
 ドドドドドドッ! と当たるを幸いに跳ね飛ばし引き潰す。彼女が通った跡には蜜溜まりしか残らない。
『ぷんに――!』
「甘いっスよ!」
 よくも皆を、と蜜ぷにたちがロボットの背中に飛びかかるが、リリーアンは見切っていた。振り向きざまにスクラップ剣を突き出して迎え撃つ。
 プスッ! プスプスッ!
 次々に串刺しになる蜜ぷに。それはまるで、三色団子のごとし。
「あ、落ちる落ちる」
 すぐに形が崩れてきたので、慌てて持参した瓶で回収した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
……あれ?私の倒し方だと、蜜あんまり回収できない、です?
これは……良くない、ですね

確り蜜を、回収できる倒し方、します
レプリカクラフト。吊り天井ルーム

蜜ぷに達の足元から、床を作り、壁を作り、仕上げに棘付き天井
密室作って閉じ込めて、がしゃんと吊り天井落とし
作った密室の中には綺麗な蜜だけ
同じくレプリカクラフトで作った瓶に移して、お土産確保、です

いっぱい瓶を作って
みんなで詰めて、持って帰りましょう、です

ドラム缶の方が、いいです?

2m×1m×0.002m(厚さ2mm)を筒にして
0.7×0.7×0.002mを2つ、蓋にして
約0.006㎥のコストで約200L入るドラム缶一つ、作れる?(計算、自信ないです!)




「……あれ? この倒し方だと、蜜あんまり回収できない、です? これは……良くない、ですね」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は自らを省みて、攻め方を変えた。
 ユーベルコードを用いて仕掛け罠を作成。
 まずは、蜜ぷにが沢山集まっている辺りを狙って、床・壁・天井と小屋を作って閉じ込める。罠を仕込むのは天井だ。外からスイッチ操作の一つで、トゲトゲの天井板が落下する仕組みである。世に言うところの、吊り天井ってやつだ。
 がしゃん ドォン! 『『『ぷに!?』』』
 ナイがレバーを引くと、中から衝撃音とぷにの悲鳴が聞こえた。
「お土産確保、です」
 吊り天井小屋の隅っこに付けておいた栓を引き抜くと、トロトロと蜜が流れ出てくるので、これまたユーベルコードで作成したドラム缶で回収する。
 容量200リットルのドラム缶。一般的な規格なら高さ約90センチといったところだろう。
 自身の肩ほどもあるドラム缶を、一生懸命運ぶ中性的な男の子。うん、可愛い。
「ぷにぷに、だいぶ倒した、です?」
 戦禍の及ばない安全そうな場所までドラム缶を持って行って、ナイは広間を見渡して首を傾げた。
 猟兵たちの戦いにより、千匹もいた蜜ぷには増殖能力もむなしく、もうほとんどが撃破されていた。
 ……もうちょっと残ってた気がしたのだが。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロジロ・ワイズクリー
「可愛すぎか!」
実物を前にして叫んだ気持ちが理解できたし叫んだ。
しかし多い。数が多い。
「範囲攻撃できそうなのはこれくらいだな」
バールのようなバールではないメイスをぶんぶんと素振りしながら、甘い匂いのするカラフル空間へ飛び込んで行くぞ。おー!(WIZ)
「合体すればそれだけシロップが取りやすいのではないか」
何かに気付いた顔をしながら、まとまったぷにが大きくなり過ぎない内に狙って狩りに行こう。
なぎ払いで一網打尽を狙いますね。
終わった後、シロップ集めする方がいれば手伝います。

協力や絡みは何でも来いですよ
【Adv】メンツがいれば勝手知ったる連携ぶりを見せるやも


シノ・グラジオラス
【Adv】とは協力して
コイツが蜜ぷに…つまり地下迷宮のダンジョンめ(げふんごふん)

【SPD】選択
女子に恨まれようが、俺はぷにを倒す!
蜜でベタつくのイヤだからアサルトウェポンで遠距離から2回攻撃
狙いは1体ずつ確実に
近いのから優先的に攻撃して足元シロップ塗れは避ける

賢者ぷにって見た目で分かるのかね?
分からんのなら向かって奥側を狙ってみるとするか

範囲内に仲間が少ないのを確認して
「巻き込まれるなよー」と警告してから人狼咆哮発動
すまんね、災魔に慈悲は無い

さて、終わったら戦利品としてシロップは綺麗な部分だけ回収させてもらおうかね
料理?俺デキマセンヨ?
土産に持って帰ったらウチの女子達喜びそうだしな?


シエン・イロハ
【Adv】で協力

うわ、見た目からして甘ったるそうな…
けどまぁ、素材として売ればそれなりに稼ぎにはなりそうじゃねぇか

使用能力値:SPD

フック付きのワイヤーでぷに達の退路や進路をある程度塞ぎ、ダガーで味方の範囲攻撃の範囲に誘導を
この数いちいち相手してられっか、集めてやるから纏めてやれや

残った奴にはシーブズ・ギャンビット使ってトドメをさしていく
ボクダッテヤレルも何も、操られながら言う事かっつーの

あぁ、後から採取できねぇと困るから踏むのは避けておかねぇとな

土産ねぇ…ま、機嫌取りにはいいんじゃね?
ちっこいのも入ったし甘いの好きそうだしなあいつら




「可愛すぎか!」
 ロジロ・ワイズクリー(ブルーモーメント・f05625)は叫んだ。
 グリモア猟兵が叫んだときには、何をとち狂ったのかと思ったものだ。しかし、こうして溢れんばかりの蜜ぷにを目の当たりにすると、叫ばずにいられない気持ちは痛いほど理解できる。
 とはいえ、それはそれ。
「これで薙ぎ払ってやるぞ、おー!」
 バールのようでバールでない、ちょっとバールな棍棒を振り回しながら、ロジロはすてきなスイーツ空間へと飛び込んでいく。
 ぶんと一振りすると、ぷにーと吹っ飛ぶ五体のスライム。その五体がそれぞれ、吹っ飛んだ先で十も二十もの仲間を巻き込んで、ぷにがカラフル大団子になって転がる。
「狙い目ですよ、シノ!」
「おうとも!」
 蜜ぷにの団子が止まった瞬間、二連続の銃声が響いた。
 シノ・グラジオラス(火燼・f04537)のアサルトウェポンである。古代の邪神さえ弑する対UDC用の銃火器にとって、蜜ぷになど空気と変わらない。何の抵抗もなく撃ち抜き、その後ろにいたぷにたちを十数体ばかし貫通した。
 ロジロが殴り飛ばし、適当にまとまったところをシノが狙撃。
 文字にすると一行で済んでしまうが、そんな簡単なものでもない。ロジロはどう吹っ飛ばせばシノが撃ちやすいのか知っている。シノはロジロが次にどう動くのか分かっている。まさに阿吽の呼吸で、二人は並の連携ではありえない速度で蜜ぷにを狩っていく。
 それもそのはず。二人は友人同士であり、シノが団長を務める『Art de vivre』の仲間でもあった。
「……この辺なら使えるか。ロジロ!」
「分かってます!」
 シノが警告を発した時には、すでにロジロは大きく飛びのいていた。
 周囲に猟兵の姿はなく、無数の蜜ぷにがプニプニしているだけ。
「オオオオオオオォォォォォォォォォォォンンンッッ!!!」
【人狼咆哮】。その技名だけで、説明は不要であろう。
 シノの周囲十数メートルが、破滅をもたらす音圧に満たされた。蜜ぷにが瞬時に破裂し、床や天井が軋みを上げる。
「すまんね、災魔に慈悲は無い。……さて」
 咆哮を収め、シノは持参してきた容器を取り出した。
 爆ぜたばかりのシロップから、綺麗なところだけをすくい取っていく。
「手伝いますよ。しかし、シノってこういうものに興味ありましたっけ?」
「いや、土産に持って帰ろうと思ってな。ウチの女子達、喜びそうだろ?」

   ***

「土産ねぇ。……ま、機嫌取りにはいいんじゃね?」
 残った蜜ぷにを短剣で狩りながら、シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)は肩をすくめた。
 シエンも『Art de vivre』の一員として戦っていたのだが、よほど目端の利く人間でなければ彼の存在に気付かなかったかもしれない。
 派手な戦いを繰り広げる猟兵たちが大勢いるなか、シエンは黒子役に徹していた。
 短剣で蜜ぷにを脅しつけ、暴れまわるロジロの方へと誘導する。
 ワイヤーロープを張って、シノが咆哮を発しやすいエリアを確保する。
 ロジロとシノが尋常でない撃破数を誇っていたのは、シエンの暗躍によるところが大きかったと言えるだろう。
「……にしても、甘ったりぃな」
 立ち込める花の香りに、シエンは辟易とした表情を浮かべる。
 甘い物はさほど好きでない。せめて蜜酒になってから出直してこい、とでも言いたいところだ。
 それでも、素材として売ればいい稼ぎになるだろうと考えていたのだが、いかんせんシロップの量が多すぎる。供給が増えれば価格が下がるのが市場原理というもので、シエン一人の取り分を売り払ったところで子供の小遣いにもなるまい。
「何のために付いてきたんだか分かんねぇぜ」
 悪態をついて、また一体の蜜ぷにへ短剣を突き立てようとした、その瞬間。
 ズリュッ!
 うねる触手が、横から蜜ぷにをかっさらった。
「あ? 何だ?」
 広場の各地で、同じ様に驚愕する声が上がった。
 迷宮の奥の暗がりから、糸のように細い触手が何十何百という伸びてきたかと思うと、次々に蜜ぷにを引っ掴んで闇の中へ取り込んでいくではないか。
 それだけでは足りないとばかりに、触手は猟兵まで捕まえようとする。
「チィッ!」
 舌打ち一つ、シエンは短剣を閃かせて触手を斬り捨てた。
「……んだコレ」
 斬り落とされてからもビチビチと痙攣している触手を、シエンは気味悪げに摘み上げる。
 ロジロとシノも近寄ってきて、三人額を突き合わせて触手を観察した。
「髪の毛でしょうか?」
「いや、植物っぽいニオイだぞ。何かのツルだな」
「……いや、待て」
 ふと、何かがシエンの鼻をくすぐった。
 触手が飛んできた、迷宮の奥へと目を凝らす。
 ……ズル ズル ズルリ
 引きずるような音とともに、何かが近付いてくる。その正体を見抜いたシエンは、目を丸くした。
「おいおいマジかよ」
 天を仰ぎ、目を覆って、肩を震わせる。
 友人たちが向けてくる視線など気にも留めない。
「く、ク……ククククク。こいつぁ春から縁起がいいや」
 人狼のそれとはまた違った、鋭敏な嗅覚が反応している。
 ――カネのにおいだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『迷宮温室の女王』

POW   :    百裂蔓撃
【髪のように見える無数の蔓】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    捕縛液噴射
【腹部の食人植物】から【刺激臭のする液体】を放ち、【空気に触れると凝固する性質】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    女王の花蜜
レベル×5体の、小型の戦闘用【昆虫型モンスター】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 暗闇から、『彼女』はゆっくりとした歩みでその姿を現した。
 何十匹もの羽虫を引き連れて、美しい緑髪をうごめかせ、艶めかしいヘソの位置には牙を持つ食人花。
 名称、迷宮温室の女王。
 人間女性の姿をした植物系モンスターだ。髪の一筋から爪の一欠け、体液の一滴にいたるまで、全身が様々な魔法薬の原料になるといわれている。特殊な消化酵素で獲物を熟成させながら消化するのだが、これが媚薬の材料になるとかで同じ重さの金塊ほども価値を持つ。
『うふふ。うふふふふふ』
『……ぷに』
 艶然とほほ笑む女王の髪がうねり、哀れな獲物を持ち上げた。涙目でプルプルしている蜜ぷにである。
 女王は慈しむように蜜ぷにを撫でると、人間の方の口で喰らいついた。
 ズッズゾゾゾゾゾゾッ!!
 下品な音を立てて、ぷにをすすり上げる。
 あっという間にぷにを飲み込んだ女王は、満足げに口元をぬぐった。
 猟兵たちは理解する。
 ――こいつ、残りの蜜ぷに全部喰いやがったな!
レイブル・クライツァ
材料が材料を食べても、使い方が変わる訳では無いから
総合的に材料側が減るのは困るわね。お菓子と薬じゃ使い道が全然違うけど

まあ、可愛い生き物をあんな下品に処理するとか間違いなく敵だわ。
取り敢えず、相手のやる気を削ぐ方向で動くわね。
下手に採取したシロップを狙われても困るから、視力と聞き耳と第六感を駆使して観察しつつ、ミレナリオ・リフレクションで相殺していくわ。
相殺して消える分には、敵の嫌な感じの攻撃の真似をする事自体に文句は無いつもりよ。

花はそこに佇んでこその美しさ、と言いたい所だけれども
羽虫とか入るのは頂けないし、そもそも襲ってくるなら正当防衛って事で構わないわよね?

他参加者と共闘及びアドリブ歓迎


ファレリア・リトヴァール
ああっ、蜜ぷにが……。
いえ、可愛くても災魔、私も泣く泣く倒してはきましたわ。
けれどそれはそれとして、横取りされたり可哀想に思ったりで
憤るのもまた自然ですわよね!
蜜ぷにが地上に向かってきたのはこれに追われたからかも知れませんし、
地上に出られて困るのは同じ。成敗してさしあげますわ!

植物なら炎に弱いかも知れませんわね。
私の頼もしい『お友達』を召喚。(サモニング・ガイスト)
さあ行きますわよ、お友達!
その炎の槍で敵を打ち倒して下さいませ!




「ああっ、蜜ぷにが……」
 嘆きの声が、ファレリア・リトヴァール(白花を纏う紫輝石・f05766)の口からこぼれた。
 可愛かろうが災魔は災魔。滅ぼすべき存在であり、彼女もそうしてきた。……とはいえ、悲しいものは悲しい。胸に沸き起こる憤怒は本物だ。
「成敗してさしあげますわ!」
 ビシッと指を突き付けられた迷宮温室の女王は何を思うか。
『あっはははははは!』
 ただ哄笑して、猿真似のように人差し指を前へと向けた。
 ブブブブブブブブッッッ!!
 響きわたる羽音。
 女王の色香に囚われて忠実なる奴隷と化した、昆虫型モンスターだ。
 数えきれない虫たちが黒雲となって、猟兵たちと猟兵たちが集めたシロップの容器へと襲い掛かる。
「「「ギャ――ッ!?」」」
 響きわたる悲鳴。
「ち、ちょっと! 卑怯ですわよ!?」
 ファレリアの頬がひきつった。
 広間いっぱいに拡散した虫たちは、広範囲の攻撃手段を持つ彼女をしても、とても倒しきれるものではない。あと、普通に気持ち悪いです。
 ファレリアの頬を、冷たい汗が流れる。
 と、その時、呆れ果てたような声が聞こえた。
「まったく。ことごとく下品な女王さまね」
 モノトーンの淑女、レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)は、満月のように丸い金眼に軽蔑をたたえて、敵を見つめていた。
 その瞳は、比喩でなく鏡となって女王のすべてを映しこむ。
 観察。分析。模倣再現。……見切った。【ミレナリオ・リフレクション】。
 必要なのは、蜜ぷにの蜜が一滴。服の裾にこびりついていたのを指で取って、調整を施したばかりの魔力を注ぐ。
 たちまち、むせ返るような香気が広がった。
 ブブッ! ブブブブ??
 羽虫の群れが動きを止めた。
 ためらうような素振りを見せたのは、ほんの一時。虫たちは女王の命令など忘れ去り、レイブルが放つ香りに誘われて集まってくる。
「嫌だわ、気持ち悪い。蜜ぷにを集めた時とは大違いね。……仕上げをお願いしても?」
「え? あ、なるほど! 任されましたわ!」
 レイブルの意図を、ファレリアはすぐに理解した。
 媒介道具を介して呼びかけるは古代の戦士の霊魂。
 遥かなる時を超えて現世に降り立った英霊は、『お友達』の請い願うままに燃え上がる長槍を振り回し、集まってきた羽虫を焼き払う。
「これで全滅。忠誠心のない下僕ばかりで、残念だったわね?」
「ふふん、私の頼もしい『お友達』とは大違いですわね!」
 虫がいなくなり、シロップを守ることができたことに安堵する二人。
「次は本体ね。花はそこに佇んでこその美しさ。分をわきまえずに襲ってくるというのなら、返り討ちにしてあげましょう」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アーサー・ツヴァイク
※協力・アドリブご自由に

さっきは冗談のつもりで言ってたが…悪いな蜜ぷに、後でちゃんと「頂きます」ってやらないとな。
美味いものを食う時は行儀よくしなきゃだぜ…そうじゃねえのか、お花お化け!
しかし不用意に近づくとあの触手だか蔓だかにとりこまれそうだ…ここは【早業】で武器をレイシューターからウェポン・アーカイブで召喚したピストルに変更、攻撃回数重視で相手の部位を色々攻撃してやるぜ!


リュセフィーヌ・オールセン
心情
「仲間であるはずの『蜜ぷに』を食べるなんて、酷い事をしますね……」

「『蜜ぷに』を下品な食べ方をするような者は、消え去るべきですね」
「魔法薬の原料ですか……。少しは為になるような事をして頂きましょう」
迷宮温室の女王を倒すために「ライオンライド」を使い【黄金のライオン】を召喚して、迷宮温室の女王に果敢に挑みます。

戦闘後
魔法薬の原料になる部品は出来るだけ回収します。




「美味いものを食う時は行儀よくしなきゃだぜ」
「まったくです。消え去るべきですね」
 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)とリュセフィーヌ・オールセン(オラトリオのビーストマスター・f10236)は、憤りを胸に災魔へと挑みかかった。
『うふふふふ』
 虫たちを焼き払われても、温室の女王は微笑みを絶やさない。
 長い髪がざわりとうねったかと思うと、猟兵たちを捕らえんと襲いかかる。
「大した毛量だな。だったら、こうだ!」
 アーサーこと正義の味方ドーンブレイカーは手早く愛用の大砲を収納し、代わりにユーベルコードで作成したピストルで応戦……できない?
「あれ? しまった!?」
 ユーベルコードが発動しない。
 それは単純な、しかし致命的なミスだった。
 わずかな隙が生じて、無数のツルがドーンブレイカーの四肢を縛り上げる。
「くっ……舐めるな!」
 引き寄せられそうになるのを、持ち前のパワーで大地に踏ん張り耐えるドーンブレイカー。力負けすれば、待っているのは食人花の牙だ。
 まさに命の危機。そして、窮地に立ったとき救いの手が差し伸べられるのが、ヒーローというものである。
『ガルッ!』
 巨大な黄金の獅子が割って入り、髪のようなツルを食い千切った。
「大丈夫ですか、ヒーローさん」
「ああ、助かったよ」
 獅子の背にまたがったリュセフィーヌが、ドーンブレイカーを見下ろす。ピンチを脱した正義の味方は、礼を言って今度こそピストルを作り出した。
「私が先行します」
「了解。援護するぞ」
 ドーンブレイカーが銃撃。狙いすました弾丸が敵の膝を撃ち抜き、姿勢が崩れたところにリュセフィーヌが突っ込んだ。
 黄金の召喚獣と騎手は文字通り一心同体。【ライオンライド】の効果で底上げされた凄まじい力でツルを蹴散らして、女王に肉薄する。
 下僕の虫たちを失い、無数の髪を突破され、女王を守るものはもういない。
「蜜ぷにも虫たちも、仲間であるはずなのに大切にできないから、こうなるのです」
 動物たちを使役するビーストマスターの言葉と思えばなおのこと、説得力があるというもの。
 心無い女王の体躯を、ライオンの巨大な前足が殴り飛ばした。
「魔法薬の原料になるんですよね。……少しは為になることもして頂きましょう」
 せめて死して恵みを与えよ。
 冷たく言い放つリュセフィーヌの言葉は、しかし女王の微笑みを消すにはまだ足りない。
 戦いは、始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナイツ・ディン
「ぷにを食べまくった植物……ふむ。多分甘いな?ディロ、喰ってみろ。」『いや我はもうお腹いっぱいだが……』「別腹別腹ってことで。」

触手を盾(鉄のカード)で受けつつカウンターで切り落とす。なぎ払いでもいいな。触手から体液が出てくるだろうがディロ(槍形態)に聞いてみる。刃から血もとい体液を啜ってるんじゃないかな。

もし上手ければ飲みやすいポーションになるんじゃないかな。媚薬成分?うんまあ、飲みやすいのはいいことじゃないかな。……うちのディロ、敵に惚れてねーだろうな?え、俺向け?それはそれで身の危険を感じるんだが。

※アドリブ大歓迎、共闘可。


ジゼル・スノーデン
なんてことだ!勝手にわたしたちのみつぷにを独り占めするな!
……こほん
こんな可愛いみつぷにを食べる……のは、私たちも一緒か。えーとえーと
とにかく!許さないぞ!わたしの好物はみつぷにの焼き菓子に決定したんだから!!

WISで行動

ちょうど焼きぷに作っていたところだし植物であるなら焼き払ってやる。
え、焼き払ったらお金にならないかも?

では、攻撃者も多そうだし、私は回復に努めよう
蜜もなめて、喉の調子は絶好調だ
皆が存分に戦えるよう、歌も大盤振る舞いだ

私自身は、少し下がり面倒な触手を喰らわぬように注意しながらシンフォニック・キュアで支援するぞ




「なんてことだ! 勝手にわたしたちのみつぷにを独り占めするな!」
 ジゼル・スノーデン(ハルシオン・f02633)が吠えた。多くの猟兵と同じく、彼女もまた憤慨している者の一人である。
「こんな可愛いみつぷにを食べるなんて!」
 …………
 周囲の猟兵が目を逸らした。
「そうか、食べるのはわたしたちも一緒か。じゃあ、えーとえーと……とにかく! 許さないぞ! わたしの好物はみつぷにの焼き菓子に決定したんだから!!」
 何はともあれ、やっつけてやると決意するジゼル。
 対する迷宮温室の女王は、相も変わらず艶然と微笑んだまま。
 ぞわり
 艶やかな髪がざわめいた。
 女髪のようなツルが真上に伸びあがったかと思うと、天井を這って広間中に広がっていき、それはジゼルの頭上にも及ぶ。
 ドスドスドスッ!
 硬質化したツルの槍が降り注ぎ、床石に突き刺さった。
 危うく回避するジゼルはたたらを踏んで尻餅を突き、後転受け身を取って立ち上がると蒸気機関式拡声器を構える。
【シンフォニック・キュア】。
 ぷにの蜜で潤った喉が奏でる美しい歌声が、聞く者の心を震わせ傷ついた体を癒した。
 そんな癒しの歌を背に、また一人の戦士が前に出る。
『ふふふ。あはははは!』
 笑い声とともに、女王の髪がうねった。
 荒れ狂う大海のごとく波打つツルが、十重二十重に猟兵の行く手を阻む。その量たるや、薙ぎ払おうにもキリがなく、すり抜けようにもほとんど隙間がない。
「――“ほとんど”なら、俺には十分だがな!」
 ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)は不敵に笑った。
 なにしろ彼はフェアリー。小さな体をわずかな隙間にねじ込んで、蔓髪の防壁を抜けて女王に迫る。
「ディロ、喰ってみろ」
 紅竜をランスへと変じさせ、突撃の勢いのままに刺突を放つ。
 ザグッと女王の脇腹がえぐれて、竜槍の刃が体液で濡れた。
『……う』
 槍が震える。
 まさか、媚薬効果でおかしくなったのではないだろうな、と嫌な予感がよぎるが……、
『うーまーいーぞ――――!!』
 槍が叫んだ。
 花の蜜がミツバチの巣箱でハチミツへと進化するように、蜜ぷにの蜜が女王の体内でいい感じに熟成してるらしい。
「マジか、それはいいことを聞いた……とわっ!?」
 よろこぶヒマこそあれ、触手による反撃が来た。
 女王の緑髪がドリルのように捻じれ、ナイツを貫こうとする。
 とっさに盾代わりの鉄製カードで受けたナイツは、吹っ飛ばされながら愛槍に命じた。
「ディロ、仕事だ!」
『もっと喰わせろ!』
 槍から小竜の姿へと移ったディロが、ブレスを放った。
 紅竜の吐き出す業火が、追撃の髪を包み込んで灰へと変える。
「ふう、危なかったぜ」
「焼き払っていいのか? 高く売れるんだろ?」
 額の汗をぬぐっていると、ジゼルが歌の合間に小首をかしげた。
 確かに、体内の消化物に比べれば劣るものの、ツルの髪だって高価な魔法薬の元になる。
「あー、そうだな。……まあ、灰になったって使いようはあるだろ」
「なるほど」
 あっさり納得するジゼル。
 もとより金銭にこだわりはなかったし、そんなことよりも彼女の関心は別のところにあった。
「あれ、みつぷにより美味しいのか。食べたい、食べたいぞ!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シノ・グラジオラス
【Adv】とは協力して
うっわ。腹より上だけ見てたいわー
わー、俺こんなに楽しそうなシエン見るの久し振りだわー怖いわー
へいへい、心配しなくてもんなヘマしねぇよ
にしても媚薬ねぇ。いやいやいや、俺は紳士ですからそんなの必要ありませんヨ

【POW】選択
『生命力吸収』でダメージを軽減しつつ、
蔓攻撃は黒剣で『武器受け』して、早い段階でアサルトウェポンの『2回攻撃』で蔓を切る
自分が狙われてない時は『援護射撃』と『2回攻撃』で味方を支援

俺らの前に出てきたのが運の尽きってな
自分の不運を呪ってくれ
そっちがその気なら、こっちも【紅喰い】を発動
後出しなら敵の選択と同じのを重視して対抗するが、先出しなら命中重視


シエン・イロハ
【Adv】で協力
SPD選択

まっさかこんなところでこんな金蔓に遭遇できるとはなぁ
っと、さっきの触手もしっかり持ち帰らねぇとな

菓子作るにしても蜜はもう十分だろ
こいつ狩れば他の食材もいいもん買っても十分釣りがくるぜ?
換金はこっちでツテあるから協力しろ(と他の猟兵煽りつつ

シノもロジロも協力してくれるよなぁ?
間違っても燃やすような真似してくれんなよ

レプリカクラフト使用
騙すっつーより身代わり用だからな、粗くても何とかなんだろ
自分の分だけじゃなくシノやロジロの分も作ればその分体液手に入るかねぇ

ダガーやワイヤー使って攻撃するが、倒す事よりも採集優先気味
盗み攻撃使って高く売れる素材盗れるんなら常時使用で


ロジロ・ワイズクリー
【Adv】といっしょ

こんなに楽しそうなシエン、依頼で見たコトないぞ。
蔓だから金蔓、成程な。燃やさない、オッケー。
わかった顔はしておくし頷く。それより全部食われたぞ?
「見た目はモンスターだが、実体はスイーツ大好き女子なのか」

・WIZ選択
「蝙蝠さん、蝙蝠さん!」
ドローンをマントの内側から召喚、『先制攻撃』で昆虫型へ『衝撃波』で攻撃させよう。1対多数だが『おびき寄せ』させたところで、【ジャッジメント・クルセイド】で順に撃ち落とす。

「本体は任せた!」
余裕があればソッチを担当してるヤツの援護に回ります。




「あーあ、せっかくの金蔓を燃やしちまって……いや、むしろプレミアが付くか? 生きたまま、ドラゴンの炎で焼いた灰。悪くねえな」
 脳内のソロバンを弾いてほくそえむシエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)。
 彼の関心はそこにいる災魔を通り越して、幸運にも鉢合わせしたレアモンスターの素材をいかに高値で売りさばくか、というところにあった。
「蔓だから金蔓、成程な。……それにしても、なんて楽しそうな」
「こんなシエン見るの久しぶりだわー。怖いわー」
 友人たるロジロ・ワイズクリー(ブルーモーメント・f05625)とシノ・グラジオラス(火燼・f04537)が、苦笑交じりに視線を交わした。
「金目のモンは残らずしっかり持ち帰らせてもらうぜ! シノもロジロも協力してくれるよなぁ?」
「へいへい、ヘマはしねえよ」
「魔法素材の回収、オッケーだ。それより、全部食われたのはいいのか?」
「逆に僥倖ってな! たらふく食ってパンパンになった腹ん中には、何が詰まってると思う? 他の食材を山ほど買ってもお釣りがくるぜ!」
「たしか、媚薬になるんだったな。…………いやいやいや、俺は紳士ですからそんなの必要ありませんヨ?」
 冗談めかした物言いなどしつつ、まず前に出るのは旅団団長でもあるシノだ。貰い物だという黒剣でツルの攻撃を受け、あるいは生命力を奪って我が身の傷を癒し、前線を構築する。
「援護しよう。蝙蝠さん、蝙蝠さん!」
 続いて、ロジロが音もなくマントを翻してサーチドローンを放った。
 ドローンたちは本当のコウモリみたいに飛び回り、衝撃波を放って敵を挑発。
『ふふふふ!』
 微笑む女王は、誘いに乗った。ムチのようにしなる触手でドローンを叩き落そうとするが、蝙蝠さんは巧みに逃げ回りながら敵の動きを誘導し、
「そこ!」
 ロジロが特に触手の密度が高い場所を指さすと同時、天から光が落ちた。ユーベルコードによる神罰の光がツルを焼き切っていく。
「蔓は俺が引き受けるから、本体を!」
「分かった!」
「そろそろ、触手以外もいただくぜ!」
 不規則軌道で飛翔するドローンで攪乱し、【ジャッジメント・クルセイド】を連射して切り開いた隙を突き、シノとシエンが突貫した。
「……腹より上はいい感じなんだけどなー」
「スイーツ大好き女子、みたいな感じもするし?」
 シノのぼやきにロジロが相槌を打つが、それはさておき。
「言ってても仕方ねえわな。まあ何にしたって、喰らう気でくるってんなら……」
 めきり、シノの体が軋む。
「……獲物を見誤った、テメーの間抜けを呪ってくれや!」
 人狼という種族は自在にオオカミの姿を取ることができるが、“それ”は次元が違った。
 強大にして凶悪なる猛獣。
 神話の時代、太陽を喰らうと予言された魔狼を彷彿とさせる姿となって、シノは女王へ襲いかかる。
 オオカミの爪牙が、硬質化した蔓髪と弾きあい火花を散らした。
 獣の血が、植物の樹液が床を濡らす。
『あっはははははは!』
 戦いを楽しむように、女王は髪を操りながらひたすら笑う。
「ハハッ! いい顔だ、下半身がアレじゃなきゃ仲良くできたろうに!」
 シノもまた楽しげだった。美女と野獣、異形の二人は命を削りながらダンスを繰り広げ……
「……俺を忘れてくれて、ありがとよ!」
 オオカミの気魄に紛れて、姿を消していたシエンが女王の背後に出現した。
 斬!
 短剣が腰背部をえぐった。
 体液噴き出す傷口に、シエンは容赦なく片手を突っ込むと、無造作にひとつかみ引き抜く。
 凝縮したハチミツのような、酩酊を起こしかねない濃厚な香りが鼻に突き刺さった。
 それは、丸呑みされた蜜ぷに。いかなる化学反応を起こしたのやら、カラフルなゼリー状だった体は古びた褐色で、今にもとろけて液状化しそうだ。
「見るからに上物だな。食材としてか、媚薬の原料としてか。どっちにしても、いい値がつきそうだぜ」
『あ、アアアアァァァァァァァァッッ!!?』
 ついに、女王の顔から笑みが消えた。苦痛に歪み、絶叫する。
 苦し紛れに異臭のする液体を噴射、猟兵たちの体に振りかかる。
 バキバキッ!
 液体は空気に触れるとあっという間に凝固して、二人の体にヒビが入る……って、
「おや、もう壊れた」
「即席の安もんだ。仕方ねえって」
 凝固液を受けたのはシノとシエンではなく、粗悪な造りのマネキンだった。
 シエンの【レプリカクラフト】で作成した身代わり人形だ。ロジロが預かり、コウモリ型ドローンで動かしていたのである。
「蔓の量もだいぶ減ってきた。俺も前に出る」
 後衛からの支援を担当していたロジロも、壊れてしまった身代わり人形を投げ捨てて前衛に参加した。
 決着の時は近い、一気に攻め落とす!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
ソラ(f05892)蜜は確保できたですけど
これは……もしかして、私達が回収した蜜も狙われていたり、するでしょうか?
だとしたらまずい、です。蜜を守るように、戦わないと
ソラ、協力して、倒して、蜜を守りましょう……!
……ソラ?ソラーーー!?

突撃したソラをフォローするように【生まれながらの光】

敵に隙、または自身が狙われた場合
自身に生まれながらの光を当て続ける、仮初の肉体、再生速度高速化
激痛耐性で痛み無視しての捨て身の突撃orカウンターで
黒剣、仕込み短剣での鎧無視攻撃
斬り、刺し、えぐって、生命力吸収
怯ませる、です

……この敵も、植物系モンスター
蜜、食べれるのです?(お金儲けに回収してる人がいれば見つめ)


ソラスティベル・グラスラン
はわああ…ぷにたちと戯れるナイくん(f05727)可愛いですねえ
一杯蜜も確保できて、お手柄ですよナイくん!わーい!(ぴょんぴょん)

…ほえ?な、ナイくんが集めた蜜を奪おうというのですか!?
断じて許せません、なんたる悪逆!勇者の持ち物を狙うとはふてえ野郎ですね!
貴方に食べられた蜜ぷにたちの仇!突撃とりゃぁーーーっ!!(ばびゅん)

満ち溢るる勇気のまま、気合の鎧を纏う!これがわたしの【勇者理論】!!
正面から気を惹くように蔓を切裂き前進、回数が増えれば好機!
斧で巻き取り怪力で一気に引っ張ります、よーいしょおぅ!!
ナイくんはしっかりついて来てくれるでしょう
何故なら彼も勇気ある者、勇者なのですからッ!!




「な、なななな……」
 ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は、声を震わせた。
「ナイくんが集めた蜜を奪おうとは! なんたる悪逆! ふてえ野郎ですね!」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が確保した蜜たっぷりのドラム缶。それを奪われそうになったことが、ソラスティベルを激憤させたのだ。
「断じて許せません、突撃とりゃぁ――――っ!!」
「まずい、です。ソラ、蜜を守りま……って、あれ? ソラ? ソラ――――!?」
 ドラム缶を庇おうとするナイを置き去りに、竜の血を引く少女は駆け出した。
 書いて字のごとく猪突猛進。単独先行するパートナーに、ナイはおろおろしつつも【生まれながらの光】をまとって追いかける。
「貴方に食べられた蜜ぷにたちの仇! 思い知りなさい!!」
 癒しの光を背中に浴びながら、ソラスティベルは巨大な斧を振り回した。
 行く手を阻むツルの髪など物の数ではない。その細腕からは想像もできない怪力でもって薙ぎ払っていく。
「やるからには、斬る、です」
 彼女の隣に、ナイも並んだ。
 黒剣を分離変形、両手に短剣を構えて触手の海に飛び込む。
 右の剣で斬りつけ、左の刃で斬り返す。短剣二刀流を操り、ナイは猛烈な勢いでツルを伐採していった。
 我が身が傷つくのもいとわず、斬っては刺し、えぐって奪い、ナイは獅子奮迅に暴れまわる。
「っぐ!?」
 一瞬の隙を突き、触手がナイの首に巻きついた。
 立て続けに、腕・足・胴体にもツルが絡みつき、締め上げる。
「ナイくん!?」
「……行って、ソラ!」
 思わず足を止めるソラスティベルに、ナイは檄を飛ばした。
 万力のような力で首を絞められていても、ヤドリガミたるナイにとっては致命ではない。
 苦痛など、我慢すれば事足りる。自分は大丈夫だから、かの災魔を討ち取れ、と。
 ソラスティベルは、その想いを汲んだ。
 唇を噛みしめ、前を向く。
 満ち溢るる勇気のまま、気合の鎧を纏いて根性で進む。刮目せよ、これがソラスティベルの【勇者理論】!
『――――ァァアア!!』
 一撃必殺の気魄を込めて打ちかかるソラスティベルに対し、迷宮温室の女王は腹部の食人花を向けた。
 勇者の突撃を阻まんと、異臭の漂う花弁の奥から凝固液を吐き出そうとする……が、
 射ッ!
 飛来した白刃が、食人花に突き刺さった。
「……邪魔、しちゃだめ、です」
 ナイである。触手に縛られながらも、袖口に隠し持っていた仕込み剣を発射したのだ。
 口に刺さった刃のせいで、噴き出した凝固液は勢いもなく足元を濡らすにとどまる。
「よ――いしょおおぉぉぉぉぅぅ!!」
 振り上げたるは、蒼空色の大斧。
 燃える勇気と仲間の想いを乗せた一撃が、女王へと叩き付けられた。
 雷鳴のごとき轟音が、迷宮を揺らす。
「…………。ナイくん!」
 頭から足まで真っ二つに斬り割られた女王には目もくれず、ソラスティベルはパートナーの元へと駆け寄った。
「怪我はありませんか?」
「ん、すぐ治る、です」
 力の抜けたツル髪をほどきながら、ナイは何ともない顔で立ち上がる。
 その白い首には縛られた跡が痛々しく残っているが、聖なる光を当てれば見る間に元通りとなった。
 軽く腕を回したりして体の調子を確かめつつ、紅玉のような瞳を斃れた女王へと向ける。
 食欲あるいは金銭欲、思い思いの目的を抱えて、猟兵たちがせっせと素材の剥ぎ取りにいそしんでいるのが見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『手作りお菓子を君に』

POW   :    大きなお菓子作りに挑戦!

SPD   :    お菓子いっぱい作るよ!

WIZ   :    お菓子は見た目が命! 出来映えにも拘るよ!

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 戦いが終わり、蜜ぷにの蜜や迷宮温室の女王の素材を回収してから、しばしの時が流れた。
 手当を受けたり、汚れを落としたりして猟兵たちが心身ともにリフレッシュしたころ、グリモア猟兵から知らせが届く。
 家庭科室の使用許可が取れた。
 提供されたのは、輝くばかりに磨き抜かれた調理場と、思いつく限りの食材だ。
 もちろん、皆のお待ちかね蜜ぷにシロップも、ちゃんと精製したものが大瓶で幾つも並んでいる――だけではない。
 女王に喰われた蜜ぷにが体内で熟成されることで生まれた濃厚シロップ。
 最高級のハチミツに勝るとも劣らない品質を誇る蜜だ。大変に貴重なので、ありったけというのはご勘弁願いたいが、この場で楽しむには十分な量を用意したつもりである。
 ――さあ、楽しいお菓子作りの始まりだ。
リーゼ・レイトフレーズ
月上・まめこ(できない子・f03007)と一緒に参加

まめこが来てくれてよかったよ
私一人じゃちょっと恥ずかしかったからさ
……まあ、お詫びの先払いも兼ねてるけど今は内緒にして楽しもう、うん

沢山素材があるなら
折角だから大きい特大サイズのお菓子に挑戦してみたいね
と、その前に一口味見を
あ、甘い! これが幸せの味……ハッ、まめこも味見してみなよ
そう言ってまめこの様子はお構いなしにややテンション高く
蜜を指で掬い取ってまめこにも味見させようとするよ
どんな反応するかな? 多分恥ずかしがるかな?
もし舐めてくれたら私の指の味の感想を聞いてみよう

美味しいって言われたらどうしよう
思わず自分の指を舐めて確認してしまうかな


月上・まめこ
リーゼさん(Existenz・f00755)と一緒に参加
こうやってお友達にお出かけのお誘いもらうの、まめこ初めてだからドキドキする……!
?何か、リーゼさんがまめこに隠し事してる気がするけど……うん、きっと気の所為だよね

リーゼさんが大きいの作るのなら、まめこはそれのお手伝いをしようかな
あ、味見しちゃってる……嬉しそうだなぁ……おねえちゃんと一緒で甘いもの好きなんだ……
……ちょっと、おねえちゃんを思い出しちゃうな……
え、まめこにもくれるの?あ、あーん?
と少し嫌な気持ちになってたところに指を差し出されたら、とりあえず何も考えずにパクってしちゃうかな
美味しい……!
……?今、まめこ何か変な事した?




「まめこが来てくれてよかったよ。私一人じゃちょっと恥ずかしかったからさ」
「ううん、こちらこそありがとう。こうやってお誘いもらうの、初めてだから嬉しい」
 ほほ笑み交わし、家庭科室に入ってきたのはリーゼ・レイトフレーズ(Existenz・f00755)と月上・まめこ(できない子・f03007)、仲良し二人組。
 友達とのお出かけに胸を高鳴らせるまめこの姿に、リーゼは目を細めた。
「……まあ、お詫びの先払いも兼ねてるんだけど」
「? リーゼさん、何か言った?」
「あー、いや。せっかく沢山の素材があるんだから、うんと大きなお菓子に挑戦してみたい、ってね」
 首を傾げる友人を適当にごまかして、リーゼはうず高く積まれた食材の方へと向かった。
 何はともあれ、今は心から楽しむべき時間だ。
「ほう、これが話に聞く蜜ぷにの蜜か……」
 興味津々、美しい色合いの蜜が詰まった大瓶を手に取ると、一口味見。
「あ、甘い!」
 優しい香りと甘さに、リーゼはたちまち魅了された。
 自然と笑顔が生まれ、夢見心地に瞳が潤む。
「ふふ、リーゼさん嬉しそうだなぁ。甘いもの好きなんだ。…………おねえちゃんと一緒で」
 夢中になっている友人を横目に見ながら、食材選びの手伝いをするまめこの表情に、ふと疼痛がよぎる。
 一瞬、リーゼの姿が姉と重なった。いつも他のものを見ていて、自分には背を向けてばかりの……――
「はい、まめこ」
 陰の気に染まりゆくまめこの眼前に、一本指が差し出された。
「味見してみな。幸せの味だよ」
「ん」
 何も考えずにパクついた。条件反射でリーゼの指をくわえてしまった後で、自分が何をしたのか気付き、
「~~~~っ!」
 花の香りが鼻孔を満たした。優しい甘みが舌に染み入り、否応なしに頬がゆるむ。
 まさに、幸福感という言葉を味覚で表現したかのような極上のシロップに、余計な思考のことごとくが吹き飛ばされた。
「どうかな、私の指の味は? ……なーんて」
「美味しい! 美味しいよ!」
「……え?」
 冗談のつもりで求めた感想は、それはそれは真剣に嬉しそうなもので、リーゼは目を丸くする。
 そんなに美味しかったのか……などと、自分でも指を舐めてみて、
「……って、何をしているんだ私は。蜜のことに決まってるじゃないか」
 からかい半分、軽い気持ちでやってみたものの、自分の方がよっぽど恥ずかしい気がして、顔が熱くなってくる。
 友達と共有するこの時間は、どんな蜜にも負けないくらいに甘くて優しい香りがした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイブル・クライツァ
宵さん(f05409)と参加。
濃厚シロップは炭酸で割って、飲み物として渡して待機してもらう形。
お菓子を色々楽しんで来たけれど、今回は作るからには目で楽しめる物を作るわ
(シロップを煮詰めて飴細工用に)
こうやって素早く描いていくと色んな物を作れるのよ(蝶々の出来上がり、と緩く笑んで)
蝶だけだと華が無いから、他にも作るわよ?これだけでは終わらないから楽しみにしてて?
チョコレートを砕いて湯煎で溶かした物に、さっきの残りを混ぜ合わせて練って……
花弁を幾つか作って、貼り合わせて(どうかしら?と小さな薔薇を見せ)
簡単に出来るのに、ちゃんと食べれるのよ
…って、それどうしたの?(グミを見て)ぷに可愛かったけども


弦月・宵
レイブルおねーさん(f04529)と参加

発泡ぷに(渡された飲み物)を受け取って、一口。
初めてのぷにの甘さに、嬉しくておねーさんにお礼を言おう…って、
これからが本番なのか(びっくり)
手元から目が離せずに、飴細工の完成まで見届けて思った事をそのまま伝える。魔法みたいだよ。もったいない、けど食べてみたい。…これが甘味の世界…(ごくり)
蝶にもおねーさんにも見とれるな。

おねーさんがチョコの花畑に集中してる間にこっそり、こっそりね?
蜜とゼラチンを熱して、型に入れて(固まったら切り分け予定)小さいグミを作るよ(SPD)。
ぶ、不器用だから"上手くできたら"お礼に渡す予定。
気に入ってたから、ぷにグミだよ、って。




 ハチミツのような濃厚シロップをコップに垂らし、炭酸水を注ぎながら丁寧に混ぜれば蜜ソーダの完成だ。
「……おおう」
 極上の甘さと炭酸の刺激が織りなすハーモニーに、弦月・宵(マヨイゴ・f05409)は感嘆の声をもらした。
「ありがとう、おねーさん」
「ふふ、これからが本番よ」
 目をパチパチさせる宵を微笑ましげに見つめて、レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)は菓子作りに取り掛かる。
 シロップを火にかけて水分を飛ばし、水飴のように煮詰まったのを匙ですくって、滑らかな紙の上に垂らしていく。
「慣れてくれば、いろんな物を作れるのよ」
 言いながら、冷めて固まった蜜を紙からはがして見せる。
 飴細工の蝶々の出来上がり。
 その精妙なる手技に、あるいは料理する淑女の姿に心を奪われたように、ただ目を見開くばかりの宵は心に浮かんだままの言葉を口にした。
「魔法みたいだよ。食べるのがもったいない、けど食べてみたい」
「……至言ね」
 一流の評論家でも、これほど作り手に響く感想は思いつかないだろう。
 胸いっぱいの喜びを抱えながら、レイブルは蜜の飴を再び温め始めた。
「蝶々だけじゃ華がないから。二重の意味で、ね?」
 冗談めかしてウインクひとつ。次の菓子にとりかかる
 溶かしたチョコレートを飴と混ぜ合わせ、練り上げて小分けし、花弁の形に形成。これを何枚も張り合わせればバラの花となった。
「…………」
 ソーダを飲み干した宵は、レイブルがチョコ飴のバラ園に集中しているのを確かめて、音もなくその場から離れた。
「えと……あった」
 コッソリ依頼していた道具と材料一式を見つけて、気付かれないうちに作業を開始。
 作るのはグミだ。
 宵がグミを作ろうと思い至った理由は二つあった。一つは、作り方が簡単だから。そして二つ目は、可愛いと絶賛の蜜ぷにを模した菓子を送れば、“おねーさん”が喜んでくれると思ったから、だ。
 ……ぶっつけ本番。一回限りの挑戦の結果や、いかに!
「あ……」
 宵の眉が、ヘニャリと垂れた。
 綺麗な球形になるはずだったグミに、丸くえぐれたような箇所がある。型に注ぐときに、気泡が入ってしまったようだ。
 これでは、プレゼントに使えないではないか。
「宵さん、どうしたの?」
 バラ作りを終えたレイブルが、宵の頭越しに顔を出した。
「ぷにグミ、のつもり……気に入ってたから……でも…………」
「ぷに? 確かに可愛かったけれど……もしかして私のために?」
「……うまく、いかなかった」
 俯いたままの宵はレイブルがどんな表情をしているのか気付くことができない。
 溜め息、続いてグミの皿を持ち上げる音が聞こえて、肩が震える。
 もしや、失望されてしま――
「ありがとう」
「!!」
 顔を上げると、それは幸福そうなレイブルと目が合った。
「とても可愛くて、美味しそうね。本当にありがとう」
「え、そんな……ありがとうは、オレから言おうって」
 顔を真っ赤にする宵に、レイブルは一層の笑みを浮かべて、グミを手に自分の持ち場へ戻っていく。
「せっかくだから、この子たちも盛り付けてあげましょう。手伝ってくれる?」
「うん!」
 ほどなくして、蝶々と蜜ぷにたちが戯れるチョコのバラ園が完成した。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ファレリア・リトヴァール
お菓子作りですのね!
私、お菓子は食べるの専門ですけれど(意訳:料理出来ない)
飾り付けなら出来るかと思いますわ。
お菓子は見栄えも大切ですものね!

……あの女王の体内で濃厚シロップが出来るんですのね。
何だか複雑な気分ですけれど、美味しいは正義。感謝はしておきますわ。

シロップならやはりパンケーキが王道でしょうか。
クリームを花の様に飾ってシロップを添えたり、
飴細工を宝石に見立てて飾ったりしてみますわ。
……おかしな味にならない様に、料理が得意な方の指示には従いますわね。
ああ、食べるのが楽しみですわ!


アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎!
【POW】判定でやってみるぜ!

さて…蜜ぷにシロップってことは、何か別の菓子にかけるって食い方がいいのかな?
ここはオーソドックスにパンケーキとか作ってみるか。
調理器具をウェポン・アーカイブで召喚して、レッツ・クッキングだぜ!
後は…そうだコーヒーだ! ラテにシロップをかけたらハニーラテみたいな感じにすると美味いんじゃねえの?

甘い菓子に甘い飲み物が合うかって? わかってねえなぁ…それが良いんじゃねえか!
じゃあ、手と手を合わせて…頂きます!




 Q.シロップをかけて食べる物といえば?
 A.パンケーキです。
 なお、異論は認めるものとする。
「というわけで、レッツ・クッキングだぜ! 【Select…CALL ACTION!】」
 ユーベルコードを駆使してパンケーキ作りに最適な調理器具を作成、手際よく材料を混ぜて焼いていく。
 料理もできる正義の味方、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)である。アシスタントには、お菓子は食べる専門のファレリア・リトヴァール(白花を纏う紫輝石・f05766)を迎えている。
「ファレリアは盛り付けを頼む」
「任されましたわ。お菓子は見栄えも大事ですものね!」
 焼きたてのパンケーキを、宝石のような飴細工や花を模したホイップクリームで飾り付けていくクリスタリアンの少女。
「できた! 最後にシロップを添えれば完成ですわ」
 と、ファレリアが手に取ったのは、濃厚熟成シロップ。
 トロリと粘性のある褐色の液体は、宝石のような美しさだ。
「……あの女王の体内で作られたのだと思うと何だか複雑な気分ですけれど」
 女王と呼ぶには下品が過ぎた災魔の姿がよぎり、ちょっと嫌な顔をするファレリアだったが、すぐに考えなおす。スイーツは正義だ。
 そうこうしているうちに、調理を終えて道具を洗っていたアーサーが戻ってきた。
「飲み物がまだだったからな。コーヒー淹れてきたぜ」
 そう言って、コーヒーポットとミルクをテーブルに並べるアーサー。
「シロップを入れてハニーラテみたいにしたら美味しいと思ってな」
 悪魔のように黒いコーヒーと、天使のように白いミルクと、愛のように甘い蜜が合わされば、それはすなわち最強である。好みでお茶とかに替えるのもアリだと思う。
「甘いお菓子に甘い飲み物なんて……すばらしいですわね!」
「おうよ! 分かってんじゃねえか」
 相通じるものを感じ取った二人はうなずきあい、はやる気持ちを押さえて食卓に着く。
「ああ、楽しみですわ!」
「まあ落ち着け、まずは手と手を合わせて……」
「そうですわね。感謝を込めて……」
 ……頂きます!
 地獄のように熱いハニーラテで体を温め、宝石箱のように飾り付けられたパンケーキに舌鼓を打つ。
 しばしの静寂。無言のまま、食器の音だけが食卓を流れる。
 言葉は無用。
 アーサーとファレリアが交わした固い握手が、何にも勝る感想だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジゼル・スノーデン
【トモシビ岬】で行動する!他のみんなのお菓子楽しみだな!
え?これ?味見だ!味がわからなかったら、料理できないからな
……つまみ食いともいう
熟成蜜、おいしいな。これとりんごを一緒に煮てパイ包みにしたい。しよう。

とにかく、大量に作りたいんだ!!持って帰りたい!他の、来れなかった岬の友達にも配りたい!ぷにー!
………いけない、蜜の摂取しすぎでときめき回路が暴走した(こほん

お菓子作りは得意だ、食べるのはもっと得意だ
他のみんなのお菓子も楽しみだ。みんなは何を作るんだろう

あとでみんなでお菓子を分けっこしよう

わたしは、こういうのが好きだ
みんなで、一緒にできるのが、すきだ
本当にそう思う
甘くて、幸せだ


鴛海・真魚
【トモシビ岬】

お菓子作りは得意なの。
みんなも得意かな?
わからない事とかあれば任せてね。

蜂蜜に勝るとも劣らないこれが噂の濃厚シロップ……
とても美味しそうね。少し味見をしても良いかしら?
とても甘い…!

みんなはどんな焼き菓子を作るの?
私はクッキーを作ってみようかと思って。
初心者も簡単に出来るの
みんなにお手本を見せて、それから一緒に型を抜いて
みんなの様子を微笑ましく見守るわ
何事も経験が大切というもの

隠し味にこのシロップをいれましょう
焼き上がったら少し味見をしてみるのも良さそうね
まだ焼けないかしら…

食べる時はみんなと一緒にいただきますを
どれもとても美味しいわ。


フレス・ニヴルヘイム
【トモシビ岬】のみなさんといっしょに、お菓子を作ります

シロップを使ったお菓子を、たくさん調べてきました
だから、作ったことはなくても、大丈夫……だと思います
みなさんとおいしいお菓子を食べるために、わたし、がんばります

わたしはビスケットを焼きます
ええと、生地を作って、こねて、伸ばして……
……ごめんなさい、やっぱり手伝ってほしいです
みなさんにお手伝いしてもらったら、見た目はどうしても不恰好になってしまっても、おいしくなると思います

みなさん、お菓子作りが上手で、すごくおいしそうに作るのです
……決めました
いつかわたしも、こういう風に、おいしそうなお菓子を作れるようになるのです……!


櫛橋・綴
【トモシビ岬】のみんなと
こうやって集まってお菓子作りって何だか新鮮でワクワクする。

メモしてきたレシピを参考に
…定番?かよくわかんないけれど、マフィンを作ろうかなー。
お菓子作りは特別得意ではないけれど
手を抜く気はないし、どうせなら美味しいものを食べたいよねー、と
ぼんやりした表情に似合わずやる気満々

美味しそうなにおいしてきた。
ねえねえ、みんなは何つくってんの?と
他の子たちのにも気になりつつ、味見出来ないかなーと機会を伺い
……ええ、完成してからじゃないとダメ?

完成したマフィンには、仕上げの蜜ぷにシロップを贅沢にたっぷりと。
噂には聞いてたけれど味も香りも極上で頬が落ちちゃいそう
俺のもどーぞ、めしあがれ




 わいわい賑やかにお菓子作り会へとやってきた【トモシビ岬】の少女四人……あ、一人は男か。
 その中心で、ジゼル・スノーデン(ハルシオン・f02633)が音頭を取る。
「ぷにー!」
 ……ぷに語で。
「ハッ! いけない、蜜の摂りすぎでときめき回路が暴走した。……やっぱり恐ろしいな、みつぷに」
 咳払いを一つ、気を取り直して。
「とにかく、大量に作りたい! 持って帰って、来れなかった岬の友達にも配るぞ!」
 おー! 四つの拳を突き上げて、各々調理に取り掛かる。
「これが濃厚シロップ……。蜂蜜に勝るとも劣らないどころか群を抜くわね。とても甘い」
「噂には聞いてたけれど、頬が落ちちゃいそうだな!」
 さっそく熟成シロップの味見をしてみた鴛海・真魚(恋心・f02571)は、単独男子の櫛橋・綴(真鍮撥条・f00747)とうなずきあった。
 五臓六腑に染み渡る甘さ、目が眩むほどの香り、噂にたがわぬ強烈なインパクトで夢中にならずにはいられない。
「腕が鳴るわね。みんなはどんなお菓子を作るの?」
「……定番? かよくわかんないけれど、俺はマフィンを作ろうかなーって」
 いつもの茫洋とした表情なりにやる気を燃やす綴。格別得意というわけでもなかったが、手抜きの品を作るつもりはさらさらない。作るからには美味しい物を食べたいし、食べてもらいたいというのが人情だ。
「わたしはビスケットを焼きます。作ったことはないけど、大丈夫……だと思います」
 対して、フレス・ニヴルヘイム(世界鷲・f07258)はやや不安そう。彼女はお菓子作り初体験だ。事前にしっかりと予習してきたが、美味しく作れるだろうか。
 緊張した面持ちで小麦粉の袋を握りしめるフレスに、真魚が声をかけた。
「一緒に作らない?」
「え、でも……」
「私もクッキーを作ろうと思っていたの。作り方は同じだし、ちょうどいいわ」
 最初は遠慮するフレスだったが、真魚の笑顔と手元の計量カップを見比べて……観念する。
「……ごめんなさい、やっぱり手伝ってほしいです」
「うん、素直でよろしい」
 ニコニコする真魚と並んで、フレスはくすぐったそうに袋を弄った。
 小麦粉、卵、バターに砂糖。隠し味に蜜ぷにシロップを一垂らし。分量が異なるということを除けば、クッキーもビスケットも材料手順ともにまったく同じと言っていい。
 材料を混ぜてこねて伸ばして、フレスの手つきは危なっかしいが、隣の友人を手本にして一生懸命に作り上げていく。
「俺のは出来たよ。あとは焼くだけ。そっちはどう?」
 混ぜ合わせたマフィンの生地を小分けし、型に入れていっていた綴が顔を上げた。
「私たちも、もうちょっとで型抜きが終わるよ」
「綺麗にはできなかったけど、手伝ってもらったから、おいしくなると思います」
 可愛らしい形にくり抜かれた生地がズラリと並んだ耐熱皿が二つ。
 マフィンも合わせていざオーブンへ……というところで、綴が首をかしげた。
「そういえば、ジゼルは?」
「わたしなら、こっちだぞ」
 どこに消えたのやらと見回すと、湯気の沸き立つ鍋を手に戻ってくるジゼルの姿があった。
「美味しそうなにおいだ……」
 フラフラと誘われるように近寄り、鍋の中を覗き込んだ綴は目を輝かせる。
「わあ、これは!」
「熟成蜜で、りんごを煮てみたんだ。これをパイ包みにする」
 ジゼルは甘々のクタクタに煮込まれたリンゴを取り出して、手早くパイ生地で包んでいく。
「なるほど、アップルパイだね!」
 貴重な熟成蜜をふんだんに使ったリンゴのパイ包みは、それはそれは美味しいだろう。
 思い浮かべただけで、綴の声が弾んだ。
「ふふん、それだけじゃないぞ。これのすごいところはな……」
 鼻高々に胸を張り、ジゼルはもったいぶって間を伸ばして、言った。
 ババン!
「お菓子が焼き上がるまで、りんごの蜜煮をつまみ食いして待つことができるんだ!」
 何たる知略。これで手持ち無沙汰になりがちな待ち時間を、美味しく楽しく過ごすことができるではないか。
 パチパチパチ
 自然と巻き起こる拍手喝采の後、それぞれの菓子に合わせて予熱しておいたオーブンに耐熱皿を入れていく。
 菓子によって前後するが、焼き上がりまでは20分前後、といったところか。余った蜜煮を口に入れつつ待機だ。
「まだ焼けないかしら……ああ、このりんご本当に美味しい」
 オーブンを気にしながら、落ちそうになる頬を押さえる真魚。
「みなさん、お菓子作りが上手で、すごくおいしそうに作るのです」
 友人たちの作品を見比べて、いつか自分も負けないくらいの菓子を作れるようになろう、と決心するフレス。
「あ、そろそろ焼けたかな。仕上げに蜜ぷにシロップをたっぷりと。……みんなもかける?」
 頃合いを見てはオーブンを開けていき、最後に取り出した自作のマフィンに蜜を垂らして贅沢仕様にグレードアップする綴。
「もういいな! 食べれるな! みんなで分けっこしような!」
 ときめき全開ではしゃぐジゼル。
 みんなで一緒に笑顔とお菓子を共有するこの時間が、何よりも甘くて幸せだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ソラスティベル・グラスラン
ふふふ…わたしたちの大冒険の苦労が報われますー!
さあナイくん(f05727)、準備はいいですか?
あの女王と対峙した時のように、油断や妥協は一切許されませんよ!

蜜ぷにの蜜を練り込んだケーキ生地
生クリームにも混ぜて蜜クリーム
作った生地を3段に重ねて、間に酸っぱめ苺とクリームたっぷり
最後に女王の特別濃厚な蜜をそのままかけて、豪華パンケーキ完成ですー!
ナイくんはアイスが好きでしたよね!ちゃーんと用意してますよっ

ナイくんほら、あーんしてください?
美味しいですか?もう一口どうぞっ、あ、クリームが口元に…
はっ、わたしが全然食べれてませんでした!蜜ぷにたちに感謝を込めて、いただきます!
むふーっ、おいしいれす!


ナイ・デス
おやつタイム、です
ソラ(f05892)私の準備はばっちり、です
食欲いっぱいで……油断、妥協は許されない、ですか?
……気を抜くと、キメラでもできあがってしまうのでしょうか

一歩引いたところで、生まれながらの光握りしめ、じっ
と調理、みてます。警戒
……勘違いでした
とても美味しそう、です。……アイス……!

……ソラ?私、一人で食べられますよ……?
にゃーん(口開け

……あったかパンケーキに、冷たいアイス
苺が酸っぱくて、蜜があまあまで……美味しい、にゃーん♪
むぐむぐ……あ、もうソラ分ない、ですね
ではお返し、です

みてた時に覚えた。学習力発揮
同じ……いえ、苺とか色々多くした超豪華パンケーキ、です!
ではソラ、あーん!




「わたしたちの大冒険の苦労が今、報われますー! さあナイくん、準備はいいですか? あの女王と対峙した時のように、油断や妥協は一切許されませんよ!」
 笑顔満面、気合十分。いざお菓子作りと意気込むソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。パートナーのナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)も自然と気が引き締まる。
「……気を抜くと、キメラでもできあがってしまうのでしょうか」
 ちょっと方向性は違うかもしれない。
 というわけで、【生まれながらの光】で支援体制ばっちりのナイを後衛に、ソラスティベルが調理開始。
 蜜ぷにの蜜を練り込んだケーキ生地。生クリームも、蜜を混ぜながらホイップ。
 花香るパンケーキを三段重ね。間には甘いクリームと酸味の利いたイチゴをたっぷり挟んで、最後の仕上げには極上熟成した女王の蜜を上からぶっかける。
「……勘違い、でした?」
 遅まきながら、戦闘態勢を解くナイ。
 豪華なパンケーキに近寄り、恐る恐る匂いを嗅いでみる。
「美味しそう、です」
「ふふふ……それだけじゃありません。ナイくんはアイスが好きでしたよね! ちゃーんと用意してますっ!!」
「アイス……!」
 花が咲くように、ナイの表情がきらめいた。
 あったかパンケーキに、冷たいアイス。イチゴの酸っぱさと、蜜の甘々がベストにマッチして……
「にゃーん♪」
「美味しいですか? もう一口どうぞっ。ほら、あーんしてください?」
 たちまち蜜のようにとろけるナイに、ソラスティベルもメロメロだ。
「ソラ?……私、一人で食べられますよ……?」
「うふふ、そう遠慮しないで。クリームがついてますよ」
 ナプキンで口元を拭ってやり、ケーキを食べさせ、飲み物を勧めてと、世話を焼きたおすソラスティベル。
 それがライフワークと言わんばかりにナイを猫可愛がりしていると、あっという間に時は過ぎ去って、大きなパンケーキも完食してしまった。
 ……ナイが。全部。
「はっ、わたしが全然食べれてませんでした!?」
「むぐむぐ……美味しかったです」
 我に返るソラスティベルを尻目に、ナイは満ち足りた表情で椅子から立ち上がる。
「ではお返し、です」
 それはまるで録画を再生するかのようだった。
 たった今ソラスティベルがやって見せたままの動きで、ナイはケーキ生地を作りクリームを泡立てていく。
「すごいです、ナイくん! 一度見ただけなのに、わたしと同じように……どころか!?」
 イチゴとかクリームとか増し増しの超☆豪華パンケーキにソラスティベルが圧倒されていると、ナイが隣にやって来て、
「ソラ、あーん」
 ケーキを一片フォークに取って、口元へと差し出した。
「まあナイくんたら、そんな女殺しを覚えてしまって。ではお言葉に甘えて、あーん! ……むふーっ、おいしいれす!!」
 甲斐甲斐しいお世話を受けて、与えた愛情以上のものを返される。
 巡り廻る幸福の連鎖は、きっとこれからも続いていくことだろう。

   ***

 こうして、蜜ぷにの大行進から始まった事件は終わりを迎えた。
 なお余談であるが、回収された蜜ぷにの蜜は大海のごとく食糧庫を埋め尽くしたにもかかわらず、一か月余りで食べ尽くされてしまったという。

【END】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月09日


挿絵イラスト