1
湖の村に迫る影

#サムライエンパイア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア


0




 とある村。この村の近くには、大きな湖があった。大小様々な魚が釣れる事から、釣り祭りが毎年開かれ、今年も例外ではなかった。
 釣り、というだけあり、祭りと言いつつ静かに、真剣に釣りに興じる村人たち。だが、その分警戒心が薄れていたのか、村人たちが気づいた時には既に手遅れだった。
 すぐそに迫りくる刃に炎。ただの村人たちは成す術もなく、釣り祭りで活気に溢れる村は、あっという間に血で赤く染められてしまったのだ。

「サムライエンパイアにて事件であります」
 そう言って、集まった猟兵達に手際よく資料を配っていくグリモア猟兵、紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場傭兵・f07893)。
「とある村に、オブリビオンの軍勢が侵攻してくるのを予知したであります。端的に申し上げますと、これを阻止するのが今回の目的であります」
 非常にシンプルでわかりやすい内容である。「とりあえず、敵戦力についてもある程度は判明しているため、資料の次頁の確認をお願いするであります」
 その資料に載っていたのは、紛れもなく忍者だった。そして、その他には僧のように見える強力な人型オブリビオン。
「予知で見えた範囲で考えますと、まず第一陣が所謂忍者という奴であります。ニンニン、でありますな」
 人差し指を立てて、忍者っぽいポーズをするが、別に猟兵たちに受ける動作というわけでもなく、スルー。その事実に「あ、はい」と少し視線を逸らす。こほん、と咳払いを一つしてから、智華は再度口を開く。
「この忍者を退けると、残るは大将格。仮面をつけた僧兵であります。忍者たちを統べる者にして、一個体としての戦力も十分。強敵でありますよ。ですが、こいつさえ倒せば目標は達成となるであります」
 説明は以上、と話を聞いていた猟兵達は感じたのだが、「あと――」と智華が言葉を濁したので、出撃準備をする前に一旦その話を聞いてから準備する事とした。

「この村では、この作戦日当日、釣り大会が行われるそうでありますよ。腕に自信があるなら参加してもいいかもしれないでありますよ。……まあ、私は転移術式の維持もあるから、体力を使う事はしないでありますが。あと、釣りあんまり詳しくないし」
 どうやら、戦いの後にレクリエーションがあるようだ。参加は自由だが、「祭り」なのだし、楽しんでも罰は当たるまい――と、これから出撃する猟兵達が考えたかは定かではないが、準備のととのった猟兵たちから順番に、サムライエンパイアの世界へと転移していくのだった。


暁文空
 どうも、2作目のシナリオとなります。初めましての方は初めまして。そうでない方は今度も宜しくお願い致します。暁 文空(アカツキ フミアキ)です。

 さて、今回の内容はと言えば、1章:雑魚戦(忍者達) , 第2章:ボス戦(武僧) , 第3章:日常(釣り大会・レクリエーション)という構成です。
 第1章及び第2章は純戦闘となるため、そのつもりでお願い致します。
 第3章に関してはご要望があれば、今回の転移係、グリモア猟兵・紅葉智華も登場するかもですが、あくまでも添え物と思ってください。
29




第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

當良邑・祈
【SPD】(改変歓迎)

「忍者…」
祈が任務に参加したのは、忍者の戦闘技術に興味があってのことだった。
他人への戦闘スタイルの説明には忍者とは言うが、あくまで降魔化身法を修め、射程も範囲も派手な技能がなく結果的に隠形や早業、奇襲に頼ることが多いだけで、忍者とは名ばかりだった。
なにかしら自身の糧になれば…

その考えの甘さを噛みしめつつ、敵の攻撃をさばいている現状があった。

気流をまとい高速移動する忍者を最小限の動きでかわしじりじりと動く

狙いを悟られぬように手裏剣の投擲を織り交ぜる

一端を固定したワイヤーフックを風の中にあえて舞わせる
好機を見て巻き上げ敵の動きを阻害し、その瞬間に機械脚を展開し、切りかかる。


モース・レフレクソン
忍者か…忍者には忍法で返せと一般人のおっさんに言われたことがある。
俺なりの忍法とやら…見せてやろう。

俺が持っていくアイテムはガスマスクとベイリル(アサルトライフル)とヴォラグノフ(スナイパーライフル)を持っていくとしよう。あらゆる状況に対応せねばならないからな。
草むらの中で隠れて、敵の襲撃に備えて息を潜めよう。
射程内に入ったらヴァリアブル·ウェポンを使い、ミサイルを放ち、混乱してるところに火炎放射器で焼き払おう。
火災が起きれば明るくなって敵も見える。
混乱している的をスナイパーライフルで狙撃しまくろう…近づきてアサルトライフルで蜂の巣にしてやろう。

忍法·火炎爆破狙撃殺法……うん……ダサいなこれは


勅使河原・源蔵
ほう、釣り祭りとは面白い。
ならば先ずはこの村を守らんとのう。

神出鬼没の忍は脅威じゃが、来ると知れておるならば話は別よ。
ぐりもあ猟兵とやらの力は便利じゃのう。
村や湖の周りで、敵が隠れて迫り易い場を捜し、そこに潜んで待ち受けようかのう。
儂の方から敵が来るとは限らんが、その時は他の者が頼りになるじゃろうて。
儂の位置も猟兵には伝えておくぞい。
敵を見付ければ遠慮は無用じゃ。
此方が見付かっておらぬならば『暗殺』で密かに仕留めていくが、見付かっておるならば『剣刃一閃』に『残像』『2回攻撃』も駆使して手早く片付けていくぞい。
敵の攻撃は『見切り』『武器受け』で捌く。
敵の飛び道具にも気を付けておかねばのう。


蛇塚・レモン
他の猟兵と連携・アドリブ大歓迎♪

まず、あたいはユーベルコードで蛇神様を召喚するよっ!
そして他の猟兵と蛇神様と一緒に、あたいが蛇腹剣クサナギで連携攻撃を繰り出すよっ!
【衝撃波】と【範囲攻撃】のコンボアタックをくらえーっ!!
被弾しても敵を斬り付けて【生命力吸収】で継戦するよっ!

おっと、鬼火は【衝撃波】と【オーラ防御】で掻き消しちゃうんだからっ!
仲間へ降り掛かる鬼火もかき消しちゃえっ!
仲間の怪我は【医術】で手当てするよ
【念動力】で襲ってくる忍者の動きを封じれば、味方や蛇神様の攻撃が通るはずだよねっ?
蛇神様を囮に乱戦に紛れて忍者たちを蛇腹剣でまとめて【だまし討ち】!
蛇神様、呪縛で締め上げちゃえっ!



陽が昇り、空は青い。快晴で気分も晴れやか。祭りには最適である。だというのに、村には影が迫る。それは、忍者だった。街道を群れを成して突き進み、このままなら祭りで湖へと最低限の見張りしか残されていない村をあっという間に焼き払いながら、湖へと迫り、そこの村人をも焼き殺してそのまま通過していくのだろう。
 だが、それを阻止するために此処へとやってきた者達がいる。――それが、猟兵だった。

「忍者……」
 敵戦力、忍者達の軍勢を迎え撃つべく村から少し離れた位置に構える猟兵達の中にいた當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)はそう呟いた。祈がこの任務に参加したのは、忍者の戦闘技術に興味があったからだった。その戦闘スタイルを忍者と説明するが、厳密に言えば違う。故に、本物の忍者を見てそれを糧としたいという思いもあった。
 だが、目の前にいる忍者達は忍者とは名ばかりである。いや、見た目や戦闘技術は間違いなく忍者なのだろう。――だが、本来の忍者としての忍ぶという行為は一切なく、単なる戦闘に於ける一兵力に過ぎない。
 その事実に思う所はあれど、今はその殲滅こそが重要。街道を疾走し、忍者の軍勢へと一気に接近する。忍者の放つ衝撃波を最小限の攻撃でかわし、速度を落とす事なく更に距離を縮め手裏剣を投擲する。正確に素早く投じられたそれはだが、忍者達は手に持つ刀によって弾かれる。――だが、それはあくまでも祈にとっては牽制。本命ではない。投じられた手裏剣の中に一つ、ワイヤーフックのついたものがあった。そしてそれは機を見て祈が巻き上げ、忍者の動きを阻害する。
 ――本命は、自らのサイボーグの身体、機械脚を用いた一撃。
 強烈な一撃が一体の忍者を屠る。だが、その大きな一撃は数で勝る忍者達にとっての好機。他の忍者が刀を構え、逆に一太刀を浴びせようとした、その瞬間であった。

 ――銃声。そして、忍者が一体吹き飛ばされる。

 モース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)のスナイパーライフル、ヴォラグノフによる一射が正確に忍者を撃ち抜いたのだ。忍者の進路が決まっている以上、潜伏し気づかれぬまま狙撃を行う事など容易であった。
 一つ、二つ。トリガーを引いては次の標的へ照準を直し、更に次を撃ち抜く。淡々としかし確実に仕留めていく。
「忍者には忍法で返せ、だったか」
 とはいえこれは忍法なのだろうか。とも思わなくもない光景ではあるが、この狙撃は有効な一手であった。前衛となる祈を守り、敵の数を減らすという行為に成功したのだから。

 そして、その勢いに乗ってさらに猟兵達が攻勢へと打って出る。
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は空間に描いた光の魔方陣から白き蛇神の霊体を召喚する。これがレモンのユーベルコード――戦闘召喚使役術式・来たれ、母なる白き大蛇神様よ(バトルサモンコード・ホワイトナーガ)だ。
「イェーイ、紹介するね! こちら、あたいの親友の蛇神様だよ! ねぇ~、お願い、蛇神様っ! あいつら、悪い奴だから懲らしめちゃってっ!」
 唐突な大きな蛇の登場に忍者達にも動揺が見えるが各々が鬼火を射出して対抗する。しかし、白き蛇神の放つ衝撃波によってそれらは掻き消える。攻撃が無力化された事で隙の見えた忍者達を、レモンは念動力で動きを阻害する。
「今だよ!」
 白き蛇神は、忌まわしき蛇神でもある。その呪縛を受けた忍者達は動きが完全に封じられる。そして、その視線が蛇神に集中している間に忍者達の意識からレモンの存在は消えた。

 祈との近接戦闘、モースからの狙撃、大きな蛇神。その三つへと意識が集中していたのを、勅使河原・源蔵(枯れ枝一葉・f00611)は確かに見逃さなかった。一太刀。たったの一太刀で正確に忍者の急所を突き、一体を無力化する。
「神出鬼没の忍は脅威じゃが、来ると知れておるならば話は別よ」
 忍ばぬ忍者なぞ、源蔵からすればただの早い兵でしかなかった。寧ろ、源蔵の方が忍び、密かに斬ったのだから皮肉なものである。そのまま、二体目、三体目と確実に数を減らしていく。
 そして、その暗殺、騙し討ちの中には蛇神を召喚して気配を絶っていたレモンも加わっていた。あらゆる角度からの、あらゆる手段による攻撃に、忍者達の統制は完全に乱れていた。
 しかしながら、その数は無ではない。奥にいる大将格にはまだ迫る事はできない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

姫芥生・千寿
僕の里も山の中だったから…
思い出すなぁ〜

兎に角、綺麗な湖を
紅く染める訳にも…
皆の楽しい時間を邪魔させる
訳にも行かないしね…

僕は右手の“白刀雷華”の
【残像】で敵の直撃を避け
【2回攻撃】の手数で
忍者に対応しつつ隙を見て
【薙ぎ払い】って
左手の“鬼刀・血忌”の
【麻痺攻撃】や【呪詛】で
動きを鈍らせ
追手をある程度纏まる様に
誘導してから
一気に“参の太刀・鬼薊”の
範囲攻撃で一気に無力化して
蹴りを付けてから
親玉の所にさっさと向かうよ〜

頭を倒せば、この手合は
蹴りが着くのは知ってるからね…


モース・レフレクソン
数が数だが…ただ早いだけでは戦いには勝てんよ
それに対大群兵器くらいこっちは用意しているぞ…

蒼炎放射を使わせてもらう。まずは手持ちのファランクスシールドを装備し、アサルトライフルを放ちながら敵の大群に突っ込む。囲まれるだと?それが狙いだ。
周囲に敵が集まったら体を変形させ、火炎放射器を出し一気に噴射するぞ…!
塵となれ…有象無象が!!


藤野・いろは
既に姿が割れている忍者とは少々滑稽に思えてしましますね。
しかし、油断は禁物です!何処かに隠れている者が居ないか警戒をした上で、1対1に持ち込んで各個撃破をしていきましょうか。
居合い対決を致しましょうか、相手の間合いは短いですがその早く鋭い一撃は油断なりません。
一度「フェイント」を混ぜ、相手の一撃を誘いカウンターで仕留めましょう。
「破魔」の一撃による「鎧を無視するような攻撃」で相手を仕留めます。
切り札を出すのならしっかりと倒しきれる場面で使う事ですね。
この村の皆さんの楽しみにするお祭りの為にも勝たせてもらいますよ。
太刀にて紅引き、紅を差す。飾る銀に見惚れるなかれ。



未だ大将格への道を閉ざす忍者の軍勢。しかし、戦とは頭が倒れればある程度は勝敗は決するもの。故に、素早く忍者達を蹴散らし、一目散に頭――大将格を潰すべく忍者達の群れに向かっていく一つの人影があった。
 姫芥生・千寿(楽天的な羅刹妖剣士・f05589)は、周囲の様子を伺う。統制の乱れた、しかし数は健在は猟兵達を未だに見てもまだ大将各が奥に控え、忍者達による物量作戦で猟兵達の迎撃に向かおうとしていた。
 千尋は自身で数を数え上げ、この物量ならば間違いなく突破し大将格へと辿り着く、この軍勢達とのユーベルコード作成は苦ではない――そう判断し彼女は忍者達を相手に手にしている刀を、白刀雷火を振るう。敵の攻撃もあり攻撃には当然の対応――カウンターを決めて、大きな隙を見せたものに対し容赦はない。
 また、こうして一か所に軍勢がそれとなくカウンター内まで大分前にとっていたようであり、そして固まっている。そして、敵が一か所にまとまっているというのなら、とる行動は一つしかない――と。千尋は友軍をちらりと一瞬視線を向けた。

 モース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)は機械の体が可変し出現する複数の火炎放射器を構える。先ほどは狙撃によって援護してきたモースだったが、人それぞれとなる部分もあり武器を持ち換えた。そして、火炎放射器を忍者の群れに向けて蒼炎を放つ。それにより、わずかに残っている忍者についても大きく数を減らす事となる。
「塵となれ……有象無象が!!」
 蒼炎が忍者の集団の中央で炸裂した結果、忍者達はその数を大きく減らす。その段階で、二つの陰に動きがあった。一つは千寿。彼女のユーベルコード、参の太刀・鬼薊(サンノタチ・オニアザミ)による超広域範囲攻撃。自身の装備武器を無数の鬼薊の花びらとし、多くの忍者達を巻き込んでいく。忍者達も炎を放って、対抗したが無傷とはいなない。
 もう一つは藤野・いろは(天舞万紅・f01372)。姿を隠していない忍者にがっかりこそしても、油断はない。忍者の本領はと言えば闇に潜む事。
「既に姿が割れている忍者とは少々滑稽に思えてしましますね」
 そう呟きながら、周囲にいる忍者達を一息で決客した結果、忍者達はまだ数はゼロではなくても問題ないようだった。そうして、忍者達は大きく数を減らし、残っているものについても、通り抜ける時も一瞬で仕留めながら、大将格の下へ進める状態であった。
 また、モースもアサルトウェポンを用いて親玉へと一足先へと駆けていく。それに追随するように猟兵達は姫芥生は途中にまだわずかにいた忍者を蹴散らした。こうして、忍者は一人も残らずに殲滅完了。残る唯一の戦力、奥にいる武僧を猟兵達が取り囲んだ。

「どうやら、我が配下どもは既に倒されたようだな」
 武僧は手に持っている武器を構える。配下である忍者達の死に何かを感じたようには見せず、ただ端的にそのまま猟兵達に向かって、ただ一言だけ告げる。
「さて――此方から行かせて頂こうか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『仮面の武僧』

POW   :    末世読経
予め【読経を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    狛犬噛み
自身の身体部位ひとつを【狛犬】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    金剛力士の招来
戦闘用の、自身と同じ強さの【金剛力士(阿形)】と【金剛力士(吽形)】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藤野・いろは
順調ですね、このまま押しきってしまいましょうか。
ユーベルコード、達人の智慧を使い相手の末世読経にカウンターをしていきましょう。
元々相手に攻めさせてからの反撃の方が得意ですからね。
戦闘力を強化した為に動きが単調となっているはずです、そして力強い一撃をお持ちのようです……ええ、格好の的です。
「破魔」の力を武器に込め、相手の「鎧を無視するような攻撃」を叩き込みます。
後の先と言う感じでしょうかね、倒すまでは至らないでしょうが出鼻は挫かせて貰いますよ。
太刀にて紅引き、紅を差す。飾る銀に見惚れるなかれ。
付け焼刃の一撃など、我が身に届かぬと知りなさい。
アドリブや他猟兵との絡み歓迎です。


モース・レフレクソン
とうとうメインターゲットのお出ましか…
安心しろ…こっちにはまだネタがある。

"とっておき"がな…

ファランクスシールドを装備し、自身の防御だけではなく重量も確保する。そしてMinigunを設置する。
更にはユーベルコード【孤独なる要塞(アインサムフェッソング)】を発動し、完全な防御ヲ手に入れ、要塞と化す!

動けないだと?それでいいのだよ

後はフックショットを放ち、標的に引っ掛ける。そして引っ張り、相手の身動きを封じる!引っ張り返しても無駄だぞ…意地でも耐えてやる。
あまり抵抗するようならMinigunを放って対抗する。

俺が止めている間…トドメは任せたぞ


當良邑・祈
-ワレイノリヲササゲル-
降魔化身法で全身を甲殻で覆い、
-システム戦闘モード-
機械脚を展開、

ロープを利用した三次元起動で死角から飛び掛かる。

目視した瞬間に直感したことは「敵は私より強い」ということだった。

だからこそ、奇襲と速攻を仕掛ける。

オブリビオンは過去の残響、彼奴は既知の存在
しかし猟兵達は現在の脈動、此方は相手からすれば未知
知りうることなき未来・異世界の事象

こちらの力量を、戦術を知られる前に、
相手に十全に力を発揮される前に、
必殺の覚悟をもって傷を負わす

その傷から生じる、動きの淀み、遅れ、心の迷い、焦り、
それこそが自身より強大な敵に勝つ布石となるはず

(協力、苦戦、負けロールOK)


姫芥生・千寿
此方からって…
配下使い潰して登場なんて…
釣りをしたいのか判らないけど湖を占拠したのも含めて
器が小っちゃいよね…

何にせよ…釣りを
楽しみにしている村人の為にも僕達が何とかするよ…

向こうが呑気に読経なんか
唱えてる間なんか与えない…
左手の“鬼刀・血忌”の衝撃波で
牽制しつつ
右手の“白刀雷華”の手数で
隙を削るよ…

向こうの末世読経は
タイミングを第六感で…
回避する際には残像で
外れを引かせて
その直後の刹那に
【弐の太刀・曼珠沙華】の
高速の斬撃を鎧無視で
鎧の隙間に突き込み
止めを差せなくても
呪いと麻痺と生命力吸収の
三重の贈り物をして
僕が倒せないでも
次の人が続く、道筋を作って
みせるさ〜♪


勅使河原・源蔵
ほう、お主が大将じゃな。
成る程確かに手練れの様じゃ。
おまけに僧兵は中々厄介でのう。
信仰の為ならば、人は容易く命を投げ出す。
故にそれらの兵は死を恐れぬ。
恐怖せぬ者程厄介な敵も無いわい。
数で勝ろうとも油断は禁物じゃ。
まあ、おぶりびおんがそうであるとは限らんがのう。

一騎討ちという場でもなかろう、遠慮は無用じゃ。
『残像』で敵の目を眩まし、『2回攻撃』で攻め立てるぞい。
他の者達とも合わせ畳み掛けようかのう。
隙有らば『剣刃一閃』で叩き斬ってくれようぞ。
しかしあの錫杖と打ち合うのはちと骨じゃな。
敵の攻撃は『見切り』で避けていくぞい。

お主の命運此処までじゃ。
念仏を唱える代わりに、辞世の句でも詠んでおくが良い。



 目の前で配下である忍者が屠られる様見た僧兵は、だが何も感じてはいなかった。
 ある日、眼が覚めたら周りには忍者達がいて、衝動のままにこの街道を進んだ。その結果、何故かはわからないが猟兵、なる存在と交戦し、忍者達がやられた――というのが、僧兵にとって認識できている全てだった。
 周りにいたのだからきっと配下だろう。だが、配下にこんな忍者はいたのだろうか。そもそも、自身はどこに向かっているのだろうか。意識は覚束ないながらも、忍者達を様々な手段を用いて屠った強敵が目の前にいる。
 戦場に於ける一個体として、強敵たる猟兵と死合わない道理はない。

 忍者達が敗れ、その瞬間には僧兵へと一気に接近していたのは姫芥生・千寿(楽天的な羅刹妖剣士・f05589)だった。忍者達が敗れるまで決して交戦しようとしなかった僧兵に落胆しながらも、油断はしていなかった。自身のユーベルコード、弐の太刀・曼珠沙華(ニノタチ・マンジュシャゲ)によって生み出される高速機動により、仮面の武僧に読経による強化の隙を与えない。
 鋭い、高速の一太刀が衝撃波を伴って武僧へと繰り出される。確かにそれは武僧を捉え、一撃を加えたのだが、武僧はビクともしない。それどころか、刀が刺さった状態で口元がニヤリと歪む。
「そう来なくてはな」
 血気盛ん。手傷を負い、無事ではないというのに仮面から微かに見える目は輝き、この戦闘を愉しんでいるようにすら見える。片手で自身に刺さっている刀をぐっと抑えると、武僧はもう片手を狛犬の頭に転じさせる。刀を抜き、一旦退こうとする千寿に向けて、その狛犬の頭を向ける。
 間一髪、飛び退く事に成功した千寿だったが、「なかなかやるね……」かすり傷を負っていた。僅かに武僧が早く反撃し、一撃を加えたのだ。勿論、たかがかすり傷であったため、本来ならこの一撃で全快する心積もりであった武僧にとっては、思わぬ結果に終わった一瞬の攻防であったが。

 だが、猟兵は一人ではない。その攻防から間髪入れずモース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)が武僧の目の前へと飛び出ると、自身の装備であるフックショットを放った。軽い一撃。武僧は軽く受け流すつもりでいたが、その実この一撃は絡め手。受けるのではなく、避けるのが正解。武僧の動きを阻害する。
 更に、minigunをその隙に設置し、ファランクスシールドを構えたモースは自身のユーベルコード、孤独なる要塞(アインサムフェッソング)を発動、対物理超重装甲兵装と化す。言わば固定砲台、要塞と化したモースはこれで動けない。だが、これにより、武僧は大きな足枷がついたも同然。

 この足枷を外すべく、武僧は読経へと入る。身体能力の強化を以って、この足枷を強引に解除しようというのだ。しかし、これを完全に読んでいたものがいた。
「……ええ、格好の的です」
 藤野・いろは(天舞万紅・f01372)は、モースによる絡め手で動きを封じられた武僧を見て、そう呟きながらも真剣な表情で自身もまた前線へと上がる。
「読経による強化は強力ですが……そもそもそれが終わるまで待つとお思いですか?」
 強化できるのであれば確かに脅威だ。だが、それが終わるまでの間はどうだ。強化されていないのだから、それまではまだ弱いという事。それが、この武僧の弱点でもあった。
 弱点の指摘――それが発動のキーであるユーベルコード【達人の智慧】により、守護明神が顕現する。この存在は特に何かをするわけではない。しかし、それが存在するというだけで、読経は暫くの間不発に終わる。

 そんな大きな隙。ただでさえ動きを封じているというのに、これほどまでの好機。正しく仕留めるチャンスというものだった。
 當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)はそんな好機を見て、すかさず大きな一撃を加えるべく一気に武僧に向かって迫る。予め降魔化身法で全身を甲殻で覆い、戦闘能力を向上させた祈は装備のロープを使った特殊なアクロバティックな三次元機動で武僧の死角へとするりと回り込む。
 動きが制限されている以上、ここまでする必要はないようにも感じられるが、この拘束がいつまでのものなのかも不明な以上、可能な限り翻弄する事そのものは決して無駄ではない。そして、死角へと回り込んだその時、祈は自身にとっての最大の一撃を武僧へ向けて繰り出した。
 祈にとって、目の前のこの存在は脅威であった。決して一対一で戦っていい存在ではなかった。だからこその奇襲と速攻。機械脚を用いた一撃必殺。それが、武僧の脳天へと突き刺さる――筈だったが、それすらも受けて武僧は愉しそうに笑う。
 ダメージがないわけではない。だが、その手傷すらも武僧にとっては愉しいのだろう。とんだ化け物が相手じゃないか、という愚痴を吐き出しそうになる、その瞬間だった。

「一騎討ちという場でもなかろう、遠慮は無用じゃ」
 一瞬、武僧の目の前に何かの影が映り、それを武僧は攻撃しようとする。良くも悪くも、先ほどの祈の一撃は強烈であり、モースのフックショットを巻き込み、武僧の動きを封じていた部分が解放され、武僧を解放してしまったための、敵による一撃がその影を襲う筈だったのだが――その影は間違いなく影。影を攻撃が捉える道理もなく、攻撃は空振りに終わる。
 そして、その空振りに終わった瞬間に、武僧へと一撃が加えられた。
 剣刃一閃。勅使河原・源蔵(枯れ枝一葉・f00611)の一太刀は、寸分違わず武僧を捉えた。その一撃は自由になっていた方の手を斬り落とし、武僧の戦力を大きく削ぐ事に成功した。

 片腕を失い、大きく力の落ちた仮面の武僧。――だが、まだ終わりではない。左腕、拘束され動きを阻害されているがまだ動く。両足もまだ動く。立っていられる。
 なぜこんなところにいるのか、なぜ猟兵と戦っているのか。理由は武僧にはわからないが――少なくとも、この死合いはとにかく愉しい――それが武僧を動かす燃料となり、身体がいくらボロボロとなろうとも立ち上がり、猟兵たちに立ちふさがる。だが、それもあと少し。
 武僧は手負い。幾ら戦意に満ち溢れていたとしても――残り時間が僅かなのは明白だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

當良邑・祈
なぜ倒れない

なぜ戦いを尊ぶ

疑問が口に出たのかはわからない
そもそも相手がそれに言葉で答えられるとも思えなかった

今この敵に対し、疑問に対し、答えを求めるため正面から対峙していた。
もはや死に体と侮ったわけではない
この武人に対して後ろから首を刎ねるのは違う気がした

私は敵をただ殺す道具ではない
そんなことのために猟兵になったのではない

最大限の敬意をもって相対する

(戦闘後 相手を弔う、黙祷等のロールを入れてくれると嬉しいです
あと連投につき却下もOKです)



 猟兵達の前に立ちはだかる武僧が、既に限界を迎えているのは明白だった。放っておいたとしても、恐らく村に辿り着く前に絶命するだろう。だが、それを望むような敵でもない。まだ戦意は残っている。
 ――なぜ倒れない。
 ――なぜ戦いを尊ぶ。
 當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)はその疑問を口にする事を憚られた。目の前にいる、純粋に戦いを尊ぶ姿にその言葉はあまりにも無粋に感じられた。
「嗚呼、成程……」
 ふと、目の前にいる武僧が呟く。
「理解した……だが、意味のない事だな……ただ、今は死合うのみ……付き合え、猟兵とやら」
 その言葉に、眼だけで頷くと、祈は言葉を発せずに正面から疾駆し肉迫する。再び、自身にとっての一撃を、この武人に繰り出すために。
 この武人は既に、受け止める事も避ける事も叶わない。だが、残された腕一つで、猟兵達をねじ伏せようという意思だけは此処にいる全員が感じられた。
 寸での所で微かに武僧の一撃をすり抜け、そのままの勢いで手前で跳躍し、身体ごとぐるりと回り、脚で武僧を捉え、そのまま地へと叩きつける。この一撃で、ついに武僧は地に手をつき伏せる。

「嗚呼、成程。……此処は、きっと……儂は……俺は……」
 その言葉には意味があったのか。あるいはなかったのか。断片的過ぎるこの武僧の言葉を完全に理解できたものは、果たしていたのだろうか。だが――
 先程まで死合っていたというのに、最期の一撃の衝撃で仮面が外れ、露わとなった顔は、あまりにも穏やかであった。
 それを見て、祈は無言で仮面を武人の顔に再び合わせ、手を合わせて目を瞑る。この武僧は、仮面の武僧として猟兵達の前に立ちはだかった。なれば、その姿のまま弔う事こそが、この武人に対しての敬意に他ならない。そう感じたからか、半ば無意識に、祈の手は動いていた。
 その行為に意味があるかはわからない。だが、きっと、意味のない行為にこそ、何かが宿るのだろう。そして、確かな事はと言えば――戦いが終わった、という事だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ゆるり太公望』

POW   :    量より質。大物狙いの一本釣り!

SPD   :    質より量。とにかくいっぱい魚を釣る!

WIZ   :    釣った魚を料理したり、他の人の釣ってる姿をぼーっと眺めたり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 闘いは終わり、猟兵達は一先ずの休憩も兼ねて村人たちの集まる湖へと向かった。
 そこでは予知の通り、盛大な祭りが催されていた。村の外側で起きていた事には終ぞ気づかなかった様子である。
 それはそれで問題はあるだろうが、少なくとも猟兵達の手によって、この人々の生活は守られたのだ。
 そして、気の良い村人たちは祭り騒ぎ故に、猟兵達が来ただけでも盛大に歓迎する。釣り大会への飛び入り参加をしても良い。マイペースに釣りだけでも良い。単に食う係になったって良い。眺めるだけでも良い。手伝ったっていい。

 ――そう、少し位の休養は、何の問題もないだろう。猟兵と言えど、闘うだけが猟兵の日々ではない筈だから。
藤野・いろは
無事事件は解決したようですね。それではお祭りを楽しみましょうか
さて……既に大盛り上がりのようですし、のんびりと僕は静かに釣りをしていましょうか
おや?ぽつりと1人寂しそうに釣りをしている子供がいますね、輪に入り損ねたのでしょう
……良ければ僕と一緒に釣りをしませんか?釣りの経験はあまり無く困っていたのです、良ければご指導願えれば幸いです
屈み視線を合わせながら微笑み、『手を繋いで』一緒に釣りをしましょう
これは大物ですね!一緒に力を合わせて釣りましょう
まさかこんなに大物が釣れるとは……よし、皆に見せにいきましょうか
きっと今日1日貴方は1人になれないくらい、ヒーローになってしまうかもしれませんね



 藤野・いろは(天舞万紅・f01372)は、釣り大会の熱気を肌で感じながら、その熱に身を任せるのではなく、のんびりと釣りをしようと熱気から少し外れた所で釣りをしようと歩いていた。
 すると、誰かと一緒に釣りをするでもなく、かといって「勝ってやろう」という意気込みが見られるわけでもない、たった一人で釣りをしている少年を見つけた。
「……良ければ僕と一緒に釣りをしませんか?」
 その少年が寂しげにしていたのを見て、放っておけずに彼女はそう声をかけた。不思議がる少年に対し、「釣りの経験はあまり無く困っていたのです、良ければご指導願えれば幸いです」と付け加え、視線を合わせながらほほ笑んだ彼女を見て、少年は首を縦に振るしかなかった。
 手をつなぎ、一緒に釣りを開始する二人。すると、程なくして少年の持つ釣り竿がくん、と動く。ヒットしたようだった。
「行きますよ」
 彼女の声に、少年は「うん」と言い、「せーの」で一緒に引き始める。様子からして大物なのは間違いなかった。幾度か力を合わせ、そして水から揚がったのは――
「これは大物ですね!」
 少年が一人では釣った事もないような大物だった。大会で優勝する、には届かないにせよ、少年の一つの思い出には十分すぎる代物。すると、二人が力を合わせて釣っていた姿をたまたま見ていた他の子どもたちが、駆け寄ってくる。
「うわ! すごい、なんだこれ!」
「すごーい! りょーへーさんのおかげ?」
 そういう声もあったが、彼女は「いいや、彼がすごいんだよ」と言うと、「うわ、まじか」「ちょっとおれたちにもおしえて!」「おれ、あいつにかちたいんだよー!」気づけば、少年は子供たちに囲まれていた。困っている様子ではあったが、その顔は寂しげではなく、どこか楽しげに見えた。きっと、この少年は暫くの間、この子どもたちからはヒーローとして扱われるだろう。

 この日常こそ、猟兵達が守り抜いたもの。そう、確かに自分達はこの村を守り抜いたのだ――そういう確認を、彼女は持つ事ができた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

勅使河原・源蔵
儂はのんびり釣りを楽しむとするかのう。
無論儂は大物狙いじゃ。
儂も『釣り』の心得はあるが、とは言え相手も生き物。
釣れるとは限らぬのが釣りの奥深さよ。
そう易々と釣れはせぬじゃろうが……なに、待つのも釣りの楽しみと言うじゃろ。
釣糸を垂らし、鳥の囀りや草木のさざめきを聞き、陽や風を肌で感じつつゆるりと待つ……平穏じゃのう。
暇を持て余しておった儂じゃが、斯様な一時もたまには良いものじゃな。
この時間こそが何よりの報酬じゃ。
智華殿もそう思わんか?
釣りを知らぬのなら、儂が手取り足取り教えてやっても……やれ、此方も釣れぬか、惜しいのう。
……むむっ、遂に竿の方にも当たりが来たわい。
釣果は天に任せるとしようかのう。


姫芥生・千寿
やっと皆でのんびり釣りを楽しめるね〜♪

僕は釣り得意な方でも無いけど
釣りって糸を足らして
ゆったりしているだけでも
楽しいと思うんだ〜

でも…一匹位釣り上げたいから
“第六感”で良い釣り場を
探りながら
糸を垂らすかな〜
時折鳥とか
”動物達と話ながら“
釣りを楽しむよ〜♪

あっ!そうそうこの際だから
お魚連れたら里の人達に
塩焼き以外の美味しい魚料理を
習って帰りたいかな〜
(WIZの表現)



 勅使河原・源蔵(枯れ枝一葉・f00611)の姿は、湖にあった。いつもなら刀が握られているであろうその手には、釣り竿がある。だが、その姿も様になる、貫録があるように見えるのは、彼の人生経験が為せる技なのだろうか。
 ともかく、彼はこの場ではのんびりと釣る事にしていた。だが、狙いは当然大物狙いだ。男たるもの、浪漫を追い求める事は日常茶飯事なのだ。
 一人で釣糸を垂らし、鳥の囀りや草木のさざめきを聞き、陽や風を肌で感じつつゆるりと待つ。まさしく平穏そのものだった。この時間こそが何よりの報酬であると感じられる程度には、この時間は大事なものなのだと感じられるようだった。
 その近くを、たまたま今回の騒動を予知したグリモア猟兵、紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場傭兵・f07893)が通りかかる。再転移で元の世界へと戻る準備もあるからか、この場に集まっている猟兵達がどこにいるのか、をざっと確認しようとしているようだった。
「おっと、これは源蔵さん」
「これは智華殿。釣りを知らぬのなら、儂が手取り足取り教えてやっても――」
「魅力的ではありますが、再転移の準備もあります故申し訳ございません、でありますよ」
 そう言って、智華は頭を下げつつその場を去る。「……やれ、此方も釣れぬか、惜しいのう」未だ。釣り糸は動かず、当たりも無し――かと思われたが、ここでクン、と糸が動いた。
「……むむっ、遂に竿の方に当たりが来たわい」
 挙げた竿の先についていたのはそれなりの大きさの魚。優勝はともかく、上位は十分狙えそうな大物だった。
「まあ、まだのんびりと続けるかの」
 そう言って、彼は再びマイペースで釣り続けた。

 時を同じくして。姫芥生・千寿(楽天的な羅刹妖剣士・f05589)もまた、釣りを楽しむべく、釣り座を手に糸を垂らしていた。周りにはほかの釣り士はいない。どうやら、経験者たちの狙い目のスポットからも離れているようだが、この場所には自身の第六感という彼女にとっては重要な根拠があった。
 湖に訪れる野鳥たちが時々千寿の下にやってきては、千寿は野鳥たちとも情報の交換を行う。どのあたりに魚がいるのだろう、という確認だが――その情報はどうやら正しいものだったようである。
「……おっと、これは結構な大物だね」
 釣果は文句なし。大きさと数。そのどちらも上位入賞は狙えるものである。とりあえず、この成果を大会運営に一応報告しつつ、食べられるものについては、地元の人に調理法を聞いたり、料理を作ってもらろう、と千寿は考えた。
「ねぇねぇ。おいしい魚料理とか教えてもらえないかな?」
 千寿の問いに対しては、村人達も「はい、いいですよ」と快諾する。村人たちが祭り、大会で浮かれているのもあるが、千寿自身もそういった会話、コミュニケーションに苦しまないタイプであった。
 こうして、千寿の料理レパートリーには新たな魚料理が追加される事となった。きっと、その料理が他の場所、他の世界で振る舞われる事もあるのだろう……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

當良邑・祈
湖をぼんやりと眺める

小石となだらかな水際 子供が遊ぶのにちょうどいいだろう
岩と水草がつくる淀み 魚たちの隠れ家となり彼らを育む
釣り人達の集まる桟橋 穏やかに糸を垂らす者、獲物に一喜一憂する者

ふと傍を見る
カニ 水底の掃除屋

湖に、川に、海にどれだけ多くの無念の亡骸があるのだろう

そのうちいくつがオブリビオンとなって此度の様に人に仇なすのか

カニをよく見るとその甲が人の顔のように見えた
死肉を食らううちに人の魂でも宿ったか

そう思いながら苦笑する、
猟兵となる以前なら魂など生命現象の内で未解明な部分を説明するための概念だと一蹴していたが、元々そういう存在かなれの果てか全ての者にあるかは知らねど霊魂は存在する。



 釣り大会で盛り上がる村、その中で静かにただぼんやりと湖を眺める人影が一つ。
 當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)は、湖の周りに集まり、楽しむ人々を眺める。その中には自身と同じ猟兵達も含まれている。釣果に一喜一憂するものがいれば、ただ穏やかに糸を垂らして待つのみの人もいる。中には、そもそも釣りなどせずに自己流の楽しみ方で祭りに臨む人もいた。

 ふと、祈は傍らを見やる。水底を掃除する蟹の姿が其処にはあった。果たして、この湖の底には何があるのだろうか。もしかすると、其処には多くの無念の亡骸があるのかもしれない。あるいは、それらがオブリビオンとなる日があるのかもしれない。
 暫くの間蟹をじっと見ていると、蟹の甲羅が人の顔のようにも見えた。水底の死肉を食らううちに、人の魂でも宿ったのだろうか、とまで考えた所で祈は苦笑した。
 それは、猟兵となる前なら考えなかっただろう類の想像だった。以前なら魂など生命現象の内で未解明な部分を説明するための概念だと一蹴していた筈だ。
 だが、元々そういう存在かなれの果てか全ての者にあるかは知らねど霊魂は存在する。それがきっと、オブリビオンという存在にもつながるのだろう。

 そうしていると、釣り大会も結果が発表され、祭りも終盤に差し掛かった。
 結果を見てみると、どうやらこの大会の歴代最高記録は更新されなかったようだった。
「今年も記録は更新されなかったか……」
「というか、この記録本当に人間のできる記録なのか?」
「まあ、村の規格外の英雄が残した規格外の記録だしな……」
 規格外の英雄。その言葉に、ふと先程戦った、規格外とも言えるしぶとさで自身の前に立ちはだかった僧兵を連想させる。いや、本来なら結びつかないだろうが、つい先ほどまで戦っていたからか、ふと頭をよぎったのがその僧兵だった。
「いや、まさかね……」
 そう呟きながら、祈はその場を後にした。

「ほんと、わからないものだよな……。若い頃に釣り大会でぶっちぎりで優勝して、晩年に僧兵として名を挙げるなんて……。ほんと、この村が誇る釣り名人は何をやってるんだか……」
 そんな呟きが猟兵達の耳に届いたか否か。それは定かではなく、また今回においては然程重要でもない。
 ただ、一つだけ確かなのは、猟兵達の手によって、その村の人々や、その村でかつて生きた者たちの想いも守りぬく事ができた、という事だ。
 釣り祭りは終わっても、湖の村の祭りはまだ終わらない。村の人々たちの生活も終わらない。その事実こそがきっと、一番大事なのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト