邪心遊園想失儀式~ナナシ之魂
#UDCアース
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●失われた子
『このお化け屋敷ってさ、出るんだって』
『出るって……ちょっと、止めてよ』
きゃあきゃあとカップルが薄暗い廊下を歩く。廃墟めいた有様でも所々に点る非常灯が、そこが現実である事を否応無く意識させるが、それでも雰囲気というものは、人の心を強く揺さぶり、惑わす。
『この廃墟には行方不明になった子供の怨霊がいるんだと』
『嘘よ、だってココはただのお化け屋敷だもん』
強がって現実を見ようとする女は非常灯があった方を指さして。
『ほら……って、アレ?』
『どうしたの?』
怪訝そうな表情をする女は、何かに取付かれたかの様に頭を抱える。その姿を心配そうに、そして安堵する様にと頭を抱きかかえる男。
『あの、さっきまであそこに――』
あそこに、非常灯が――顔を上げてそう伝えようとした時。女が目にしたものは、見上げた男の背後で蠢く、煌々とした真紅の瞳の群だった。
「そこから先は分かんねぇ。意識が飛んでそして……喰われちまったか」
虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)はグリモアベースに集まった猟兵達に自身が見た予知を伝える。ある遊園地に日中、邪神復活の儀式が行われるという内容のそれは、お化け屋敷に入った者を狙い生贄にしてしまうらしい。
「まずは現地に行かなければどうしようもないんだが……」
頭を掻きながら何か喋りにくそうに志郎は続けた。
「その遊園地、『邪神パラダイス』って言うんだ」
昨今の狂気神話ブームに便乗して建てられたその施設はそこそこの人気を博していたが、その実態は本当に狂気神話を再現しようとする狂信者の儀式場だったのだ。
「木の葉を隠すには森の中って奴か。兎に角この遊園地のお化け屋敷に行ってほしい」
志郎は背後のスクリーンに遊園地の案内図を表示して、更に怪訝そうな表情をして話を続ける。案内図には一か所、赤い光点が点滅していた。
「――俺が視た予知じゃあ現代風の廃墟だったんだが、そんな施設は存在しない」
その光点も廃墟では無く、西洋風エリアに配された、外観は至って普通の建物である。
「一番近しい建物はこの洋館――『ザルゴの館』という名前のお化け屋敷だ」
建物内も同じく、小綺麗な洋風で纏められた薄暗い施設の様だ。
「まずはこの洋館に潜入、調査を進めてほしい。普通に客として入ってもいいだろう」
恐らく先へ進めば、予知で見た『別のお化け屋敷』が出てくる筈だとの事。
よろしく頼むと頭を下げて、志郎は蜘蛛の巣状のグリモアを展開した。
ブラツ
ブラツです。今回はお化け屋敷でキャッキャウフフ。
『にゃあらMS』『ヨグMS』と企画した合同シナリオです。
キャッキャウフフです。さあ悲鳴を上げるのです。
アドリブや連携がOKな方は文頭に●とご記載下さい。
特定の方と連携を希望される場合は何がしかの識別子をお願いします。
第1章はお化け屋敷の調査です。プレイングは7/9(火)8:30より募集します。
普通に入場しても良いですし、スタッフに化けたり裏から潜入してもOKです。
第2章以降は幕間にてお伝えします。大丈夫コワクナイヨ。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『お化けかそれともホンモノか!?』
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POW : 来客者の一人として偵察してみる
SPD : イベントスタッフに混ざって調査してみる
WIZ : 裏口からUDC組織の動きを探る
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
テン・オクトー
●
お化け屋敷とか存在自体意味が分からない。仕事でなければ来ない所だよ(涙目)
SPD
スタッフに行方不明事件の状況を聞き取り。
そして自分はスタッフとしてお化け屋敷の情報を、特に非常灯の場所を把握してから(暗視)を使い調査。これならば怖くない!
既存のお化け設備と、そうでないものとの違いが分かって調査しやすいはず。…あれ?既存のお化け設備でないものに出会ったら…やっぱり怖いね…?
何かを発見できたら仲間に分かるように印を付けたりして情報共有。
怖い何かを発見したら…ぎゃ〜!誰かあぁ〜!(誰かの背中によじ登りたい気分。歩くの怖いよ。)
●深き世界へ
テン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)は激怒した。かの邪知暴虐な邪神より前に、この様な悍ましき施設がある現実に。
「お化け屋敷とか存在自体意味が分からない。仕事でなければ来ない所だよ」
涙をこらえて施設を巡回する。予め手に入れた偽装身分で『邪神パラダイス』のスタッフとして潜入。件のアトラクション『ザルゴの館』の検分を始めたのだ。
「さっき聞いた話だと、行方不明なんて知らないとか言ってたけど……」
矢張りスタッフそのものが邪教徒なのだろうか。この館の中はそこまで暗くなく、気味の悪い絵画や意味の分からないオブジェあるくらいだが、触手だの怪獣だのが待ち構えている様な気配は、今の所感じられない。
そもそも予知では現代風の薄暗い廃墟が見えていたという。であれば、そこに繋がる入口か何かがある筈だ。
『あー新人君、聞こえるかな?』
ふと事前に貰ったインカムから中年男性の声が聞こえた。
『もうすぐ開場するから、最後に出口手前の階段を掃除してくれない?』
埃で滑って危ないのだという。怖くて更に危ないとは矢張りお化け屋敷はグラウンドクラッシャーするべきだが仕方ない、今は指示に従い出口手前の階段へ向かった。
「えっと、ここかな?」
手にした黄色いモップで下りの階段の埃を取る。やたら薄暗い階段だ――非常灯に沿ってゆっくりと上から下へ。しかし妙に長いなぁ。
『あー新人君、掃除終わった?』
声の主が催促する。いけない、もう時間かな?
『あーじゃあそのまま、降りて』
降りる? スタッフの出口は階段の上にあった筈だけど……。しかし非常灯はずっと続いている。それに従い降りれば――不意にずっと続いていた非常灯が途切れて、防火扉風の入口が見えてきた。
『うん、それじゃあ開場するよ』
不意に防火扉が開く。その奥から流れる生臭い風がオクトーの肌を撫でて、一瞬ぞわりと悪寒が走った。
『じゃあ、その先に進んで』
そこが入口だと、インカムから若い男の声がする。
その声に従い、ゆっくりと足を進めてしまうオクトー。
ようこそ猟兵、盛大に歓迎しよう。
成功
🔵🔵🔴
ナザール・ウフラムル
【POW】
UDCアースで狂気神話ブームって……。UDC組織に怪しんでくれって言ってるようなもんじゃねえか……。(呆れ顔)
装備の外見的に、ちょっと尖ったファッション程度のもんだろうし、フル装備で行きますかねっと。「カーマル」はそのまんまだと逆に目立ちすぎるから、ロンググローブの状態にしといて着けとくけど。
遊園地に入る前から【聞き耳】、【第六感】、【動物と話す】をフル活用する。――情報収集はきちんとしておかねえとな。怪しそうなスタッフとか、鳥たちが見聞きして感じたこととか。怪しい所はいくらでも出てくるだろ。
もちろん、件のお化け屋敷の中でも異常なところが無いか注意を払い続ける。
●アンダーカバー
「じゃあ中に入った奴と出てきた奴が違うって事か?」
数羽の小鳥がローブを纏った青年の周りをピィピィ鳴きながら飛んでいる。その姿はまるで青年と談笑している様。
「――そうか、サンキュ」
ピィ、と甲高い声を上げて。小鳥達は青年の頭上を一回り旋回すると、そのまま遊園地の茂みの方へ姿を消した。
「こりゃあ思った以上にヤバい奴なんじゃねえか……」
ナザール・ウフラムル(草原を渡る風・f20047)は溜息をついて、白銀色のロンググローブをギュッと嵌める。装備を整えてそのまま『邪神パラダイス』の入口へ向かい、チケットを購入した。
『――それでは、行ってらっしゃいませ』
既に儀式は始まっているのだろうか、ニコリともしない受付嬢が澱んだ瞳を向けたままナザールを送り出す。どうにも、全部怪しく見えちまうな。
件のお化け屋敷『ザルゴの館』とは、超古代の邪神の尖兵たる大地を揺るがす獣が眠る館という設定だ。意味が分からない。そもそもUDCアースでこんな施設が営業している事自体何と言うかアレだ、UDC組織に怪しんでくれって言ってる様なもんじゃねえか。
「UDCアースで狂気神話ブームって……」
周りを見渡せば魚の顔を模したカラフルな帽子を被った子供や、触手の様なフリルのドレスを纏った少女や、※※※で〓〓〓な感じの×××など、常軌を逸した光景が広がっている。
「まあ害意無く楽しんでるだけなら、別にいいけどよ」
園内を散策しつつ警戒し『ザルゴの館』に辿り着く。入口では先程とは変わって、明るい雰囲気の女性が笑顔を振りまいていた。
『今ならすぐに入れますよ! どうですか?』
素敵な恰好ですねと愛想を振りまく彼女へ目礼し、一人で入ると告げる。
『それではごゆっくり、お楽しみ下さい!』
彼女の赤い瞳が揺らりと瞬いて、ナザールは静かに館の中へと入っていった。
「とまあ、ここまでは特に変な所はねえけど……」
館は普通のお化け屋敷だった。趣味が悪い以外特に変わった所は無いが、不意に風が止んだ。さっきまで聞こえていた声が一切、音を失ったのだ。もうすぐ出口らしいが、一体何が……と、足元に落ちた白い羽根に気が付く。おかしい。ここは大地がモチーフなのに、客は俺しかいないのに、なぜこんなモノが落ちているのだ。
「そうか、ここか」
壁の向こうから澱んだ風の調べが、僅かながら聞こえる。そこに手を当て、深呼吸――清浄な精霊の調べが掌から放たれて、ナザールに隠された入口を詳らかにする。
「相当深いな、こりゃあ」
だが行くしかねえと、ナザールは階段を下りる。
精々ゆっくりと、楽しませて貰おうか。
成功
🔵🔵🔴
太宰・寿
●
お化け屋敷………ええ、入らないといけないんですよね。わかってます。仕事ですから。でも、ちょっと…はい(深呼吸)
まずは、外から調査をします!
【影の追跡者の召喚】で、ザルゴの館に入る客に目星をつけて追います。
中の様子が大まかにでも把握出来たら、裏口から潜入して自分でも調べます。作りやスタッフの動き、配備はどうなっているでしょうか。
スタッフに客が通らないような場所で見つかったり、怪しまれたらどうにか誤魔化そうとします。
「す、すみません…怖くて目を瞑っていたら迷ってしまって」
暗いの怖いよく見えないの無理……何か出てきたりするんですよね、分かってるんですからね?
●お化けなんてないさ
「お化け屋敷………ええ、入らないといけないんですよね」
溜息をつく人影が一つ『ザルゴの館』の入り口に。太宰・寿(パステルペインター・f18704)はごく平凡にこれまで生きてきただけなのに、胡散臭い噂と事件を解決する『お仕事』に精を出さざるを得ない。わかってます。仕事ですから。でも、ちょっと……はい。どうして大学であんな研究対象を選んでしまったのでしょう……。
深く呼吸をして入り口辺りを見渡す。疎らな人影が楽しそうに館の入口へ喰われる様に姿を消していく。その背後に影が――寿が放った『黒い影』が音も無く後を追っていた。自身でゆったり調べるより、頼れる影の相棒で館の内部を調べた方がより確実だろう、と。後悔するよりは体を動かせ、頭と使い足を動かし手で調べろ。研究も調査も入り口は同じ、後は根気強く『現象』と立ち会えるかが勝負だ。
「そういえば、予知では廃墟だったそうですが、ここは綺麗な建物ですね」
瀟洒な洋館の装いを遠くから眺め、ふと気づく。この建物――茂みに隠されているが、窓が無い。ダミーの窓すら存在しないのだ。それに遠くから見れば異様な膨らみがそこかしこに。後付けで、その部分を隠す様に拵えているかの様。
「まるでこの洋館の中に何か別の物がある様な……」
明らかな異様さを感じた矢先、相棒の影が内側からその場所へ向かう。そこには綺麗に清掃された壁が面一で整然と立ち並び、明らかに外の形状と噛み合わない。
「外壁と内側の間に何かが……それとも」
それとも、外と内から本来の姿を隠す為に偽装された痕跡か。あるいは何かを封じるべく仕立てられた現世の壁か。意を決し内部への潜入を決意する寿。これ以上は眺めるだけでは分からない。ここから先は、己が直に感じなければ。
幸い影が手配した裏口にスタッフの姿は無く、潜入は容易に進める事が出来た。薄暗く埃っぽい通路。業務用とは言え余りにも殺風景な打ちっ放しのコンクリート壁はひんやりと冷たく、空調が働いている訳でもないのに背筋がゾッとする。
「気配、らしきものは……」
何か出てきたりするんですよね、分かってるんですからね? 暗いの怖いよく見えないの無理……と、弱気になる自分を励まして、大胆に前進する。お化けなんてないさ、だいたい邪神さ。通りすがりの人が、生贄になったのさ。
『そこで何をしている……?』
声が。予想通り影が調べたスタッフの配置通りの位置でアクションがあった。
「す、すみません……怖くて目を瞑っていたら迷ってしまって」
だるそうな赤い眼のスタッフにそう答え、出口はどちらでしょうと尋ねる寿。
『ああ、出口はあっちだ』
あの壁の向こう、防火扉の先へ進めばここから出られるよ、と。
「防火扉……?」
スタッフ用の出入り口だろうか。ともあれその助言に従い長い階段を下りる寿。
長い、階段…………?
「あ、あの!」
寿の疑問を遮る様に、その先が出口だよ、と遠くから若い女の声が聞こえる。
出口、そうだ。私はここから出なければ。
正気の空間を抜けなければ、深淵には辿り着けないのだから。
すうと息を吸って、前へ進む。
この先が出口、目的地です。
分かってるんですからね、あなたがそういう存在だって事は。
私、ずっと見ていたんですから。
大成功
🔵🔵🔵
ペイル・ビビッド
●
アイナお姉ちゃん(f01943)、臨音おにーさん(f17969)と
…どーしよ
真っ暗な建物の中を歩くだけでも
怖いのに…
でも
お化け屋敷の中にUDCが紛れ込んで
罪のない人を襲うなんて
恐ろしい話だ
ここは猟兵の出番だよ、うん(びくびく)
遊園地の人たちやお客さんの間で噂がどこまで広がってるのか情報収集
お化け屋敷の中に入ったら
第六感・聞き耳とドワーフの背の低さを活かして
周りだけでなく足元にも
なにか不自然なところがないか
よーく目を通してみよう
ぎゃあっ!?
…って、これ作り物だよね?
本物じゃないよねっ!?
(ややパニック状態)
臨音おにーさんのくれた
視線にほっとする
このまま進もう…この後が本番だ
火神・臨音
⚫
ペイル(f01836)、アイナ(f01943)と
何と言うかムカつく話だな
闇に紛れてUDCが襲ってくるなんて
さて、まずは実際に目で確かめるとするか
場内では噂レベルの域まで広げコミュ力活かして情報収集
集めたデータは他の猟兵達に共有できる様に精査
お化け屋敷の内部に入ったらギミックとは異なる動きをする物がないか
残像を目視で確認
怖がるペイルの頭撫でて大丈夫か?と声掛け
目線を合わせ不安を取り除くように笑む
アイナが震えていたらこちら側に引き寄せて
軽くハグを
俺がついてるから心配するな、と囁き
さて、と
大事な彼女と可愛い妹分を散々怖がらせやがって
その代償払って貰うぜ
覚悟しな、今そっちに行くからよ・・・!
美星・アイナ
⚫
ペイルちゃん(f01836)、臨音(f17969)と
都市伝説ではよく聴く話
でもUDCが絡むのは御免蒙りたいわ
大型掲示板の都市伝説系、オカルト系のスレに話題投下
集めた情報は信憑性の高い物を纏め
他の猟兵達に共有できる様に
お化け屋敷に足運ぶ時は覚悟決めて
第六感巡らせ移動
・・・って、嫌ぁーっ!
作り物だとしてもお、お化けだけはダメ!
エフェクトが発動した途端
身体中震えて堪らず涙
臨音からの軽いハグと大丈夫の囁きに
別の意味でドキドキして
それでも心音が落ち着くのを感じて
ありがと、落ち着いたわ
って、この扉何?
さながらパンドラの箱の奥底って所ね
待つのは絶望しかなさそうだけど
行くしかないわ、災厄が撒かれるその前に
●怪異遊撃
いつもはひっそり盛り上がっている掲示板の様子がこの日ばかりは違っていた。
何も事情を知らない者はマニアの戯れにしか見えないだろうが、一部の詳しい者達にしてみれば、その現象は触れ得ざる禁忌を思わせる、有り得ない事だったから。
内容は『【邪神】テーマパークの行方不明話【遊戯】』などというありきたりな名前。しかし問題はスレッドタイトルではない。2レス目だ。
1 本当にあった怖い邪神 2019/**/**(土) 18:59:59.** ID:**********
邪神パラダイスって知ってる?
明日邪神召喚儀式があるんだって。
明後日もあるんだって。
今日もあったんだって。
だってそこは儀式場。
四六時中お客様を生贄に、
あちらやこちらで邪神を召喚!
お化け屋敷じゃ入った時と出た時で、
実は中身が違ってるんだって。
怖いよね、怖いよね。
2 本当にあった怖い邪神 2019/**/**(土) 18:59:59.** ID:**********
縺ソ縺、縺代◆
3 本当にあった怖い邪神 2019/**/**(土) 19:00:01.** ID:**********
にげっと
2レス目の書き込み時間が1レス目と同じ。更に3レス目が2秒後という爆速にも拘らず、2レス目の文字化けの様な気味の悪い内容が突如として湧き上がった現象に、住人達は異質さを感じ取る。そのまま歓談ならぬ考察と駄文の垂れ流し――ここまでは想像通り。
あえて異質さを演出する為に自演した甲斐があった。美星・アイナ(インフィニティアンロック・f01943)はそのまま玉石入り乱れる様々な情報を分析し、今回の事件と関係がありそうな内容を整理する。遊園地、行方不明、邪神、子供、廃墟、事故――ピックアップしたキーワードを基に深い内容を精査。どうやら過去に『邪神パラダイス』敷地内で児童の誘拐殺人事件があったとの事。その場所が解体作業中の工事現場で、そのまま土地が買い上げられ、件の遊園施設が建設されたそうだ。単独では余りにも眉唾物な、都市伝説ではよく聴く話だが、事実ならば視た予知の内容にも合点がいく。
「……でも、UDCが絡むのは御免蒙りたいわ」
折角の遊園地なんだし、皆で行こうかしら。あの子は嫌がるかもしれないけどね。
「ここは猟兵の出番だよ、うん」
びくびくと辺りを見渡し、アイナにしがみつきながら歩くペイル・ビビッド(淡色弾ける筆先の軌跡・f01836)は、必死に勇気を奮い起こして怪しさ満点の『ザルゴの館』を一生懸命観察する。既に館の中に入ったのだ。ここから先は何が起こるか分からない。小柄な自分しか見えない様な違和感や、ここに来るまで聞こえてきた噂話など、絶対に何かおかしな所があるに違いないと信じて。
「お化け屋敷の中にUDCが紛れ込んで罪のない人を襲うなんて、恐ろしい話だ」
「そういうお前は大丈夫か? 無理すんなよ」
怖がるペイルの頭を火神・臨音(火神ノ社ノ護刀・f17969)が優しく撫でる。ペイルの顔を覗く様に軽く微笑んで、その表情にまだ大丈夫だと笑顔を返すペイル。ここに猟兵は3人、アイナの調べたネットの情報と、臨音が調べた『邪神パラダイス』の表の情報を合わせつつ、怪しげな個所を虱潰しに調べて……。
「……って、嫌ぁーっ!」
作り物だとしてもぉ、お化けだけはダメ! その声に合わせたかの様に、都合よく足元が揺れる。攻撃などでは無い悪戯じみたエフェクト。それでもアイナの心は搔き乱されて、ふいに涙が漏れる。
「――俺が付いてるから心配するな」
ぎゅっとアイナを抱き寄せて励ます臨音。こんなにも大事な彼女と可愛い妹分を散々怖がらせやがって。これで仕事じゃなきゃ微笑ましいで済むかもしれないが、人の命が掛かったヤマだ。その代償払って貰うぜ、と臨音は口元を歪ませた。
「……噂通り、この建物は元々こうじゃないみたい」
ペイルが言うには風の流れがおかしいとの事。綺麗に着飾られているにも拘らず、ひゅうひゅうとそこいら中で呻き声の様な風の音が聞こえるのは、ここが元々あった建物を有り得ない形で改装しているからだ。
「実際に目で確かめれば、成程な」
嫌な冷たさがほほを撫でる。それは決して空調などでは無い、じめっとした纏わりつくような気味の悪い冷気だ。この建物、どうやら相当底が深い。故に地下から運ばれたであろう異様な空気がここまで届いているのだ。不安を煽る様に響く足音も成程、足元に正体不明の空洞があるとすれば納得がいく。
「…………」
「どうした、アイナ?」
うーんと唸り声を上げながらとぼとぼ歩くアイナ。ネットで仕入れた情報で一つだけ引っかかる箇所があるとの事。それは他愛のない思い過ごしかもしれないが……。
「にげっと、ってあったでしょ?」
「ああ」
「もしかして逃げっと、だったんじゃないかなって」
それはお前、幾らなんでも怖がり過ぎだろうと苦笑する臨音。逃げっと……一体、何から? どこから? 確かにあそこで逃げっとならば、それで話が終わってもいいタイミングかもしれない。
「二人とも、ごかんだんちゅう失礼――これ」
ペイルが急に二人を止める。ペイルの視線の先、やや低い位置には明らかに意図不明な爪痕が刻まれていた。これまでずっと綺麗な壁だったのに、不意にそこだけごっそりと傷がついているのだ。
「これは、猟兵が付けた印なのでは?」
削り取ったカスがほんの僅か、床に積もっていた。という事は傷が付けられてからそこまで時間は経っていないようだ。
「て事はこの近くに――これか」
そこは綺麗な壁と重なる様に厚塗りの布の様な、手で押さえれば退けられる隠された入り口があった。その先には非常灯が灯り、地の底へと続くような深い階段が続いている。どう見てもスタッフ用の隠し通路とは思えない。
「このまま進もう……この後が本番だ」
逃げろ、来るなという警告だったのか。ならば尚更捨て置くわけにはいかない。
意を決して三人は、奈落への入口へ足を踏み入れた。
「というかアイナ、にげっとはおまえじゃないのか?」
「え、そうよ」
ゆっくりと暗い階段を降りる三人、ふと沸いた疑問を臨音が尋ねる。
「まあ早ければあんなもんでしょうし……でも思い過ごしよ、きっと」
『にげっと』
ちょっと、止めてよペイルとアイナが苦笑する。
「……あたしじゃないよ」
ペイルの呟きに今度こそ卒倒しそうになるアイナ。
『逃げっと』
「冗談……じゃないわ」
瞳を怒りに滲ませて、ずかずかと歩調を早めるアイナ。逃げないわ、絶対に、こんな所で――!
「って、この扉何?」
さながらパンドラの箱の奥底の様。階段を降り切って到達したその先に、分厚い防火扉が控えていた。
「これは作り物……じゃないね」
ぎぃ、とペイルがゆっくりその扉を開く。扉から放たれたのはひんやりした生臭い香り。頬を撫でたその香りが、背筋にぞわりと悪寒を走らせる。
「――行くしかないわ、災厄が撒かれるその前に」
「ああ、覚悟しとけ。今そっちに行ってやる」
明かりすら灯らないその先を睨みながら、臨音が呟く。
たとえ絶望しか待ち受けてなくても、進むしかない。
三人の猟兵は決意も新たに、館の深淵へと進みだす……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 冒険
『イベント会場での生贄剪定を阻止せよ』
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POW : 怪しいやつに力づくで話を聞く。理由をでっちあげて持っている人から回収する。
SPD : 会場内を細かく探す。周囲のようすを見て怪しい部分を探る。
WIZ : 出所や渡されていそうな人を推理する。会話により警戒心を解く 。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※恐れ入りますが、第二章のプレイングは7/16(火)8:30から募集致します。
●廃墟の奥に潜むモノ
『ようこそいらっしゃいました! ザルゴの館、ここからが後半戦です!』
やたら明るい場内アナウンスとは裏腹に、最低限の照明が足元を照らすだけ――文字通りの廃墟。予知で言われていた場所とは、恐らくここの事だろう。
『この中を抜ければ外に出られます! それまでに色々な……』
アナウンスが一瞬止まる。背後から嘲笑の様なか細い、気味の悪い声が聞こえて。
『色々なアクシデントがあるでしょうが、大丈夫! 皆さんならきっと』
アクシデント、普通のお化け屋敷ならばそういった演出なのだろうが、ここは邪神のホームグラウンド……命に係わるそれらがあっても、おかしくはない。
『きっとこの館を、脱出する事が出来るでしょう!』
また嘲笑が聞こえる。やれるものならやってみろという、明らかな敵意。
恐らくは猟兵である事がばれている。いいだろう――脱出してやるさ。
どんな悪夢だろうと、必ず終わりはあるのだから。
目を凝らして周りを見渡せば、猟兵以外にも人の姿がある。
それは一般客か、邪神の僕か。
僕ならば問い詰めて、こんな馬鹿げた茶番は終わらせるに限る。
館のアクシデントとやらも気になるが、邪魔をするならば叩き潰すのみ。
この地が分かればUDCの職員も駆けつけてくれる筈。
後顧の憂いは捨て置いて、先ずは館の攻略に注力しよう。
※行動選択はあくまで一例です。ご自由に廃墟を探索して下さい。
※目的はこの館で生贄にされる一般人を保護する為、その元凶を叩く事です。
一般人の保護はUDCの職員が行う為、元凶を叩く事を第一に動きましょう。
恐らく、この廃墟は『裏のお化け屋敷』だ。
上の階『表のお化け屋敷』で目を付けた一般人を、この廃墟へ誘い込んで、捕まえて生贄として捧げる。
廃墟はコンクリート造りの廃ビルをそっくりそのまま再現した様な、あるいはそのものをこの土地に持ってきたのか、元々それがあったのか……先程までの洋館とはうって変わって、不気味な気配が漂っている。
目を凝らしてよく見れば、剥き出しの折れ曲がった鉄筋には血の様な跡が。それが点々と壁伝いに伸びている。
既に参加者らしき一般人がそういった痕跡を見つけては一喜一憂し、後を追ったり、あるいは避ける様に廃墟を奥へと進んでいる。
痕跡を追っても、一般人を追っても、あるいはそれらを監視している邪教徒を探し出してもいい。まだ閉園まで、十分時間はあるのだから。
太宰・寿
●
敵の手中というわけですね。
知られているなら、コソコソすることもないです。とはいえ、慎重に動きましょう。
(少し慣れてきた)
私は、建物を重点的に調べてみます。
全体の作りや、仕掛けがないか、血痕の跡など。
血痕を辿れたら、辿ってみます。
現れるのは出口か、はたまた邪神か。
何か見つかればいいのですが。
その過程で客ではなさそうな存在がいれば、場所を記憶しておきます。
そこに何かあるかもしれませんし。
【影の追跡者の召喚】は、積極的に動き回っている客につけて情報収集します。
もし危険があれば、助けないといけません。
テン・オクトー
●
生贄に選んでもらうのが目的に一番近くて手っ取り早いのだけど猟兵である事がバレていそうだね。地道に探してみよう、とはいえ広いし不明な事ばかりで骨が折れそう。
【UC】でヤモリ達を放つ。
血の痕跡を詮索し後を追う。血がつくなんて普通じゃないからアクシデント場所でもあるかもね。気を付けるよ。アクシデントの様を見たら何か分からないだろうか。
痕跡で一喜一憂する人を見かけたら…本来ならUDCの職員に回収をお願いするところだけど、、今回は足がかりが欲しいので、不本意ながらそのままヤモリ達で追跡させるね。もちろん危ない場面があれば助ける。
生贄の場なり、アナウンスの主なりに遭遇できたらいいな。
●放たれた影
「もう、猟兵である事がバレていそうだね」
「ええ……ここは既に敵の手中、という事でしょう」
テン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)と太宰・寿(パステルペインター・f18704)は薄暗い廃墟をゆっくりと進む。途切れ途切れの血痕を追いながら、または既に参加させられている一般人の動向を注意して、これ以上の惨劇を生み出さない為にも、早く元凶の元へ辿り着きたい所だった。
「とはいえ、慎重に動きましょう。コソコソする必要は無いとはいえ」
「うん。広いし不明な事ばかりで骨が折れそうだけど、地道に探してみよう」
『表のお化け屋敷』は作り物とは言え小綺麗な洋館だった。それがこの様変わり――大破壊後のキマイラフューチャーなら冗談で済みそうだが、生憎ここは冗談が通じないUDCアース。焦ってミイラ取りがミイラになるわけにもいかないのだ。
「待って……十字路、かしら?」
寿が静止した先、うすぼんやりと見えた道が3つに分かれていた。左右に血痕が分かれ、正面の道にはそれが無い。
「どう見ても……罠だよね?」
オクトーが唸る。ここはお化け屋敷、生贄を集める為の儀式場。じゃあ生贄に相応しい存在は、一体どんな者だ?
「私は血痕を辿ります。テンさんはどうしますか?」
「ボクもそのつもりだよ。血の跡もそうだし、ここはボクらも分かれようか」
じゃあ真ん中の道は――二人とも答えは同じであった。
呼び出されたそれぞれの影の従者は、音も無く二人の元を離れた。幸い複数の影を持つオクトーが真ん中の道、目についた一般人、それと寿の傍らに付き、寿の影は自身の進路の先へ進んだ一般客を追って行った。
「これなら何かあった時に連絡も取れるだろうし」
「そうですね。嫌な予感がします――どうかご無事で」
寿の気遣いに笑顔で返すオクトー。魚類も触手も出てこなそうだしとおどけて、二人は薄暗い十字路をそれぞれの道へと分かれた。
「この血痕……どうやら、本物みたいですね」
手にした柔らかい光を放つベルで、改めて血の跡をつぶさに観察する寿。研究室で見た血の付いたサンプルの様に、赤黒く、ぽたりと落ちた雫が進路上に伸ばされている形状。間違い無く、それを滴らせながら先へ進んでいた形跡だ。
『何かお探しでしょうか?』
背後にいつの間にか、作業服を着たスタッフらしき人物が立っていた。薄暗い中ではっきりとした表情は分からないが、どこかニヤついた雰囲気を漂わせていた。
「いえ……ただ、よく出来てるなと思って」
血痕の跡を眺めていて後ろを取られるとは迂闊――しかし気配も無く、そのスタッフがいきなり現れたかの様な感覚。それは人間の業とはとても思えない所業だ。
念の為隠した拳銃に手を掛ける寿。一般人もいる中出来れば使いたくはないが、万が一という事もある。しかしそれよりも早く、スタッフが先に動いた。
『そうでしょう。ああそれとも、探検より戦争ごっこがいいのかな?』
え? それは一体――言い返す前に、寿の意識が暗転する。何をされたのか分からない。幸い影は健在、それに傍らの影も未だある。ならば、と。今はこの異変に身を委ねることにした。牙を立てるのはその後でも、十分間に合う。
「とは言えやっぱり……怖い!」
怖いといえば以前もこんな廃墟めいた建物に入ったなと思いに耽るオクトー。
「まあ……普通の人も今の所大丈夫そうだし――!」
知覚を共有していた影が、真ん中の道を進んだ影が見つけるべきものを見つけた。
「そっちが……出口」
長い通路を進んだ先、先程の洋館とは全く違う場所にその出口はあった。
急ぎ電脳ゴーグルから組織へ状況を送るオクトー。これで一般人の保護が大分容易になった筈だ。
「おやお客さん、ズルはいけないなァ」
「――何の事?」
不意にオクトーの前に急に現れたスタッフらしき人物。しかしオクトーはとぼけてスタッフなど意にも介さず、影達の動きを追いながら座り込んで作業に勤しむ。
『ここでそういう道具を使うのは』
「最初から此処には闇が在る――」
ゴーグルを外してオクトーが立ち上がる。その眼光は猛獣、愛くるしさなど微塵も無い。
「そういう事なんでしょう? ズルは君だよ」
『それがお客さんの質問かい?』
嘲るスタッフを睨みながら、オクトーはランタンを取り出した。それはぼうっと明かりを灯して、目の前のスタッフに掲げられる。
「質問は『みんなを攫った』空間の場所だ!」
ここは作られた場所なんかじゃない――元々こういう場所なんだ、元々悍ましい儀式が続けられた場所なんだと、激高するオクトー。
『嬉しいな。こっちへおいでよ、一緒に遊ぼう』
明かりに照らされたスタッフの赤い眼が、鈍い光を放った。
「――あの、大丈夫ですか!?」
「大丈夫な訳無いよ!」
ああ悍ましい! 廃屋から触手の群れがこっちにごっそり襲ってきて――あれ? 周囲をきょろきょろと見渡し安堵するオクトー。なんだ、只の悪夢か。
「私もここに飛ばされて、ようやく状況を把握した所なのですが」
オクトーを起こした寿が説明する。恐らくこの場はあの廃墟の下の階、私達は何らかの力でここまで転移させられたのだという。
「落とし穴とかじゃないと思うのですが……怪我もありませんし」
周りは先程の廃墟よりは多少明るいが、相変わらず薄暗い。だが異常な空間である事はすぐに分かった。
「幸い一般の人はここに呼ばれていないみたいです」
寿が放った影はまだ上の階で一般人を追っている。オクトーも同じく、追いかけていた人々はこちらには呼ばれていない様だった。
「そうだね。それは幸いだよね――」
こんな壁一面が赤黒い血で塗りたくられた空間、猟兵だってずっと正気ではいられないよ。そして赤と黒が支配するその空間で、二人は悪意の元凶に辿り着く。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
火神・臨音
⚫
ペイル(f01836)、アイナ(f01943)と
アイナとペイルを散々怖がらせて
そして今度はこんなギミックを用意だって?
・・・何処までも悪趣味だな
あまり俺を怒らせるなよ(虚空を睨み)
二人が建物内の違和感を物理面で見るなら
霊的な違和感がないかを祈り、破魔で視る
特に感じなければ僥倖
少しでも可笑しいと思ったらすぐ知らせる
僕への迎撃はグラップルでの素手格闘メインに
集団で来た際は気合いを乗せた大太刀での薙ぎ払いで
UCは代償のリスク考えて迎撃が困難時の保険として使用
僕の攻撃や不測の事態のダメージは激痛耐性、オーラ防御、呪詛耐性で耐え
可能な限りアイナとペイルを護る
さてと、見せて貰うぜ
深淵に潜む悪意の元凶を
美星・アイナ
⚫
ペイルちゃん(f01836)、臨音(f17969)と
パンドラの箱の奥底思わす部屋の中
随分と舐めた真似してくれるじゃない
上等よ、受けてたちましょう
人格変更はしない
私の怒りは『私達』の怒りだから
黒剣を槍形態に変化
第六感を駆使して建物内に違和感のある場所がないか目視で確認
おかしい、と思ったら鋼糸を撃ち出して
糸の先で刺激を
僕が襲撃してきたら踊るように槍を振るい
薙ぎ払い・串刺し・鎧無視攻撃で迎撃
僕の数が多い場合はUCで錬成した
小型の言ノ刃を一斉発射し弱体化後
鋼糸で拘束
アクシデント及び僕から受けたダメージは
激痛耐性、呪詛耐性、見切り、カウンターで耐える
さぁ、脱出の鍵の持ち主さん
あとはあんたを倒すだけよ
ペイル・ビビッド
●
引き続きアイナお姉ちゃん(f01943)、臨音おにーさん(f17969)と
お客さんを盛り上げるようなこと言ってて…
誰も帰すつもりはないだろうね
もう怖がってる場合じゃない!
引き続き床上の様子や入り込む風の流れに注意
怪しそうな部分にはおとーさんの平筆を構え筆先で触れてみる
何も起きなければ近づいて様子を確認
トラップまたは邪神召喚用の小道具と直感したら
スパッタリングスターを当てて壊す
(詠唱は小声で・命中率重視の小さな一弾を)
…物音や気配から気づかれるかもしれない
第六感・見切り・逃げ足で回避し
そこから咄嗟の一撃・二回攻撃
真っ正面からかかってきなさい…
でっかーんと退治してやるもんね!
●怪異強襲
薄暗い廃墟を三人の猟兵が歩く。血の跡を辿り、異変に目を光らせ、時折見かける一般人を目に掛けながら、元凶の元へ辿り着かんと、静かに闘志を燃やして。
「――あまり俺を怒らせるなよ」
虚空を睨み、火神・臨音(火神ノ社ノ護刀・f17969)が呟く。アイナとペイルを散々怖がらせて、そして今度はこんなギミックを用意だと?
「……悪趣味な奴め」
引き摺られた様に伸びる赤黒い血痕を目で追いながら、傍らの少女達に気を掛ける。もう大丈夫だろうが、許しはしない。その罪は必ず償わせると心に誓う臨音。
「そうだね。でも、もう怖がってる場合じゃない!」
ペイル・ビビッド(淡色弾ける筆先の軌跡・f01836)は愛用の筆を片手に、通路の異変をつぶさに観測している。床の様子や風の流れ、多少薄暗くてもあたしはドワーフ、二人が気付かないおかしな事に一早く気付くのは、きっとあたししか出来ない! お客さんを盛り上げるようなこと言ってて、誰も帰すつもりはないだろう。そんな邪悪を許す訳にはいかないのだ。
「そうよ。受けてたちましょう」
この怒りは私『達』のもの。美星・アイナ(インフィニティアンロック・f01943)は心に湧き上がる数多の憤怒を胸に秘め、前へ、前へと進んでいく。柄の赤水晶が仄かな明かりに煌めいて、槍状の黒剣が――その穂先を杖代わりに(とは言っても、不意に突き刺さぬ様最大限の配慮をして)して、僅かな異変も見逃さない。
「随分と舐めた真似してくれるじゃない、ねえ」
まるでパンドラの箱の奥底の様。上等だわ、どこからでも掛かってくるといい。
ここから先は、猟兵の時間だ。
「っと――こいつぁ面倒だな」
血痕を辿った先、それが左右に分かれる十字路に出た三人。明らかに分断を意図した、敵の罠だ。
「……意外だな」
臨音が霊符を地面にぺたりと張って、地を這う邪な気の流れを探る。その中央――血痕が途切れた一本道の先に悪意はない。むしろ問題は左右の道。
「仲間か。僅かだが気配があった」
「あった?」
ああ。だが今はもう、ここには無いと続ける臨音。
「まさか、やられちゃったとか!?」
脇目も降らずに焦るペイルにそうじゃない、と諭す臨音。曰く、途中で途切れた気配と、僅かに残ったその眷属の気配がする、との事。
「じゃあまだ、大丈夫なのね」
安堵するアイナ。分断されたまま孤立しては――こういった建物だ、何をどうされるか分かったものでは無い。
「なら早く一般人を退避させて、仲間を助けないと」
『その必要な無いよ』
『無いよ』
いつの間にか、スタッフらしき若者の人影が左右の――血痕がある通路から現れる。まるで挟み撃ちの様に猟兵を囲んだそれらは、サラウンドで猟兵を煽る様に言葉を続ける。
『お友達が沢山いて、嬉しいな!』
『嬉しいな!』
ケタケタと口端を釣り上げて不気味な笑みを湛えるスタッフに、臨音が睨み返す。矢張りか、と小さく首を傾けて。
「……御託はいい」
「そうね」
ガチャリと手にした黒槍の穂先を向けるアイナ。拳を握るリオンに背中を預ける様に陣を組み、その中央でペイルが筆を高々と掲げる。
『それじゃあ何する?』
「そんなの決まってるんだよ……」
邪神退治だ! 叫ぶと同時に極彩色の光弾が、ペイルの筆先から左右に放たれた。
「真っ正面からかかってきなさい……でっかーんと退治してやるもんね!」
「そういうのは、撃つ前に言うのよ!」
光弾を追ってアイナが突撃する。狙うは片翼、未だ笑みを絶やさない不気味なスタッフ――邪神の眷属だ。
「いいじゃねえか、不意打ち上等。やられたら――やりかえすんだ」
こういう風にな! もう片翼に臨音が迫る。着弾した光弾が爆ぜて、その爆光の奥から紫の髪を振りかざし、続け様にコンビネーションを放つ。
『鬼ごっこかい! それじゃあ捕まったら罰ゲームだ!』
光を浴びて尚、余裕を崩さない赤い眼の眷属が重なる様に拳を放つ。だが。
「あんたにゃこれで……十分だ!」
眷属の拳を変則的に曲げた臨音の右腕が絡める様に掴み取り、左腕が首を押さえて動きを制する。
「ペイル!」
「この一筆を流星に変えて……当たれっ」
呟く様に光弾を。今度こそその威力が眷属の顔面に直撃し、爆光と共に眷属が姿を消した。手ごたえはある――が、余りにも軽い。
『アハッ! 凄い凄い!』
「余所見してんじゃ……無いわよ!」
アイナの槍の柄が眷属の側頭を思い切り殴り、赤が廊下にぶちまけられる。
「こんなんで終わりじゃ……無いでしょ!」
ふわりとアイナの手から放たれた鋼糸が眷属に絡みつき、その動きを封じる。どくどくと流れていた血はいつの間にか止まって、再び不気味な嘲笑が廊下に響いた。
『アハアハアハ! 楽しいねぇ!』
男の様な女の様な、子供の様な老人の様な不快な声色を響かせて眷属が嗤う。
「ちょっと……やり過ぎたかな?」
「大丈夫、まだ誰も気づいちゃいない」
幸い一般人は未だ通っていない。一瞬の出来事、眷属を制したアイナ達はそれを隠すように囲んで、尋問を始めた。
「さぁ、脱出の鍵の持ち主さん。あとはあんたを倒すだけよ」
槍の穂先を突き付けて、アイナが怒気を露わに言葉を紡ぐ。
『持ち主? 脱出? やだなァ』
されど眷属は意にも介さず、アイナを小馬鹿にする様に言葉を続けた。
『鬼ごっこの次はァ、何しようか? おままごと?』
「何かおかしい!」
不意に周囲を探っていたペイルが叫ぶ。筆を手にわなわなと震えて、小さく呟いた。
「風が消えた」
「何だと?」
ピクリと臨音が眉を吊り上げて、大太刀を手に辺りを警戒する。霊的な干渉は未だ無い。であれば一体……いや違う、そうじゃない。
「まさか、この建物自体」
『せいかーい!』
ぐらりと視界が暗転し、気が付けばそこは先程までの十字路では無くなっていた。
幸い三人は一塊のまま、不明な場所へと移動させられていた。
「迂闊だった。この廃墟に入った時点で、既に異変に取り込まれていたんだ」
常に以上に晒されていたせいで、既に変化していたせいでそれに気づくのが遅れた。振り返り眷属の方へ向き直った臨音は――そこに誰もいない事を悟る。
「いつの間に……でも、すり抜けたというより」
演出、エフェクト、最初からここまでの全てが茶番。あの戦闘すら、云わば立体映像のようなモノ。奥歯を噛み締めてアイナは邪神の辱めに憤る。
「踊らされ続けた、って訳ね」
槍を突き立てて、転移させられた空間――赤黒い廃墟を見渡すアイナ。相も変わらず邪神の手合いは、こういった趣向がお好みなのだろうか。溜息を吐いて、しかし気を緩める事無く敵意を探る。
「ざっと見渡した所、一般人はいないみたい」
ペイル曰く、風の流れからさっきより深い階層に運ばれたみたい、との事。そして幸いにも、ここにいるのは猟兵だけの様だ。
「そうかい――それじゃ、見せて貰おうか」
大太刀を抜いて備える臨音。深淵に潜む悪意の元凶を叩く為に。
『ようこそ猟兵! ここまでのアトラクションは愉しめたかな?』
不意に先程と同じ声が空間に響き渡る。
『それじゃあラストゲーム! 最後の一人が残るまで戦う』
蟲毒……バトルロワイアルだよ!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『みにくい七つの子』
|
POW : 「ずっと、からっぽ」
【カラス】【呪詛】【悪業】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
SPD : 「おいていかないで」
戦場全体に、【生命力を奪う透明なガラス】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : 「どこにかえればいいの」
自身が【猜疑心や恐怖心】を感じると、レベル×1体の【一ツ目のカラス】が召喚される。一ツ目のカラスは猜疑心や恐怖心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:otomo
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「萬場・了」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●戦わなければ生き残れない
空間が歪み現れた姿は、まるで人間の子供の様であった。
白と黒のドレスめいた服装、地に足を付けて飛び跳ねる姿は、確かに子供だ。
人間と違うのはその全身――無数の赤い瞳が、裂けた口が、ニヤリとその形状を歪ませて猟兵達を睨む。
辺りには闇色のカラスが飛び交い、聞き取れぬ奇怪な鳴き声を上げている。
『それじゃあルールを説明しまーす!』
ガランと音を立てて、透明の壁の様な物が赤黒い空間を覆う。
『みんな分断されましたー! で、この迷路をぬけて誰かと会ったら』
気味の悪い、子供の様な老人の様な声を上げて子供――邪神が続ける
『殺し合いをしてもらうよ!』
アハハハハハハ! と嘲笑を上げる邪神。更に。
『迷路は触ると魂まで抜かれちゃうかもね! あとね』
その迷路は猟兵なら破壊する事も出来るだろうが、生命力を奪われる上にかなりの硬度を誇る為、単純な力押しでは上手くいかないだろう。
『空を飛んでインチキしたらカラスさんに襲われるから気を付けて!』
確かに迷路上空は空いているが、不気味な無数のカラスが飛び交ってこちらを監視している。
『それじゃ、みんなでいっぱい遊ぼうね!』
冗談じゃない、何故邪神と遊ばなければならないのだ。
とにかくこれを倒さなければ、再び犠牲者が出てしまう。
今はこれを攻略する事を優先して、戦わなければならない。
【ルール】
・目的は邪神の討伐です
・迷路を破壊して邪神を攻撃する事も出来ますが、ダイスボーナスはありません
(生命力を消費した状態で戦闘する事になります)
・飛行して邪神を攻撃する事も出来ますが、ダイスボーナスはありません
(カラスの対地攻撃を潜り抜けて戦闘する事になります)
・仲間と合流する場合、声を掛け合う、UCを使う、技能を使うなど宣言して下さい
(判定が成功以上で合流出来ます。合流後の行動は自由です)
・邪神は戦いを楽しんでいます。注意を引き付ければ誘き出すのは容易でしょう
(場合によっては敵優位で戦闘する事になる為、ダイスボーナスが減ります)
・これまでの猟兵の活躍により座標が特定されました。本章からの参加も可能です
(但し迷路上にランダム配置される為、条件は上記同等です)
・プレイングは7/22(月)8:30より受付開始いたします
以上になります。よろしくお願い致します。
ペイル・ビビッド
●
アイナお姉ちゃん(f01943)、臨音おにーさん(f17969)と
まったく相手を苛立たせてくるようなことをするなぁ…
まずはここから出ないと!
行き止まりのあったところは引き返し
地面に塗料でマーキングしながら進む
仲間の呼びかけには聞き耳を立て
こちらも声と平筆で壁を叩く音で合図
迷路から脱出したら真の姿を解放
人間の大人の背丈に
…あたしたちをもうからかわないで!
UCの範囲攻撃でカラスを撃ち落としながら
呪詛耐性・激痛耐性となぎ払い・武器受けで反撃に備える
オブリビオンとの間合いをダッシュで詰め
逆さに持った平筆で串刺し・傷口をえぐる
(怒りを込めて)
遊びの時間はこれで終わりだよ…!
火神・臨音
⚫
ペイル(f01836)、アイナ(f01943)と
何処までも悪趣味だと辿りつく迄
何度もイラついたが流石に我慢も限界だ
覚悟はいいよな?
合流迄の間分岐点には通過した印として
地面へ破魔と祈りの力載せた符を残す
アイナ、ペイルの名を常に呼んで
迷路からの脱出と同時に真の姿へ
迎撃は大太刀でのなぎ払いと二回攻撃の
コンビネーション
大太刀の間合いでは立ち回れない際
素手格闘に切替
UCはアイナの詠唱と合わせて
紅玉の欠片で目潰し
攻撃ダメージは激痛耐性、オーラ防御、呪詛耐性で耐えアイナとペイルを庇う
てめぇの帰る場所はただ一つ
暗く澱んだ骸の海だ
・・・消え失せろ(冷徹に)
真の姿:外見は大きく変わらず瞳の色が赤から金へ変化
美星・アイナ
⚫
ペイルちゃん(f01836)、臨音(f17969)と
脱出のために殺しあえ?
悪趣味、ここに極まれりね(溜息)
その手には乗らないわ
・・・私達の、絆をなめるなぁっ!
合流迄の間通過点の地面に槍で印付け
その時に臨音とペイルちゃんが通った痕跡が
あるか目視で確認
合わせて私はここに居る、と呼びかける様に
声続く限り歌う
その歌は艱難辛苦に立ち向かう英雄達の歌
迷路を脱出したと同時に真の姿へ
合わせて断罪の天使へと人格変更
黒剣も槍形態から大鎌形態へ変化
薙ぎ払い・2回攻撃・鎧無視攻撃で迎撃
UCで生み出した赤水晶の欠片で傷口をえぐり
合一した炎の槍で串刺しに
受けたダメージは激痛耐性、呪詛耐性、
見切り・カウンターで耐える
太宰・寿
●
ガラスの迷路ですか。
邪神が作り出したものでなければ、綺麗で済むのですが。
壁に触れないよう注意しながら、
【グラフィティスプラッシュ】で地面を塗りながら進みます。
通った道を把握することと、気に入らなくて狙われた時に少しでも不利にならないよう自身の強化の意味も含めて。
猟兵とは合流したいので、声をかけながら進みます。
Polarisも使いながら戦います。
カラスは気付いた時点で先に狙って倒すように立ち回ります。
共闘できるようであれば、射撃で敵の動きを制して味方の支援をします。
クリスティーヌ・エスポワール
これは厄介ね……
分断されてる上に壁には罠、空に上っても迎撃体制も整ってる、か
……いいじゃない!
こういう時こそ電脳魔術士の出番よ!
「全レギオンの視覚聴覚及び音波ピンを同期、2Dマップ化して適宜データ化!」
UC【エレクトロレギオン】のOSを即興で書き換えて、マッピングの端末として運用!
【情報収集】でデータを集積、マップ化して【ハッキング】した猟兵の端末に送信、合流を促すわ
七つの子の妨害があれば、レギオンを集合させて迎え撃つ!
マップデータを駆使して逆包囲できれば理想だけど、レギオンは基本的にすぐ呼び戻せる範囲内の展開に
いざとなれば、エギュイーユで応戦するわ
「あら、マッピングは迷宮攻略の基本よ?」
テン・オクトー
●
彼女は何故こんな事をするんだろう?遊びたいの?でもこんな遊び嫌だなあ。
透明な迷路か、綺麗なもんだね。でも…苦手…自力到達は厳しいかな。彼女と接敵するにはなんとかおびき寄せたいところ。
仲間と会えたら…
こそっと声を掛け合い、おびき寄せ目的で仲間と戦おうかな。もちろん本気じゃないよ。やられ役をし痛がってみるね。壮絶な感じで。
おびき寄せれたら【UC】発動。ボク動けなくなってるかもだからお祖父ちゃんに頑張ってもらうね。上空のカラスもろとも(竜巻)で飛ばしたい。
仲間と会えなかったら…
透明な壁みたいだし頑張って仲間の方目指す。それでも到達難しそうなら壁を登りカラスと格闘し数を減らしつつ力技で向かうね。
●怪異討滅
「まったく相手を苛立たせてくるようなことをするなぁ……でも、まずはここから出ないと!」
行き止まりのあったところは引き返し、地面に塗料でマーキングしながらペイル・ビビッド(淡色弾ける筆先の軌跡・f01836)は進む。小柄な身体を震わせて、遠くには家族の声が――しかし透明の壁に遮られ、音が反響して確かな位置が分からない。
「……っと、あれは」
ゆらりと、目の前に赤い影が。
「――アイナ!」
その声に応じる様に、赤い影は怨嗟の鞭を抜き放つ。狙いはペイル。
「そんな、殺し合いなんて……」
間一髪その一撃を避ける。あのアイナが、あんな奴の言う事を聞く筈が無い。だが今は生き延びなければ……手にした大きな平筆を構えて攻撃を避けつつ、ペイルは一旦来た道へと戻っていった。
「――何度もイラついたが流石に我慢も限界だ」
大事な人の名を交互に叫びながら、火神・臨音(火神ノ社ノ護刀・f17969)は迷路を進む。交差する道の辻には力を込めた符を残し、迷わぬように細心の注意を。ただでさえその心は怒りに燃えている。奴を見つけ次第焼き尽くして、この場から脱出する他無い。
「……あれは?」
ふと視界に、ピンクの髪が踊る。
「ペイルか? いや……」
大太刀を抜いて構える臨音。目の前の小柄な影がそれに気づいたかの様に、尋常ならぬ動きで間合いを詰めた。
「バレてんだよ、符が燃えてるぜ」
俺の所に姿を見せたのが運の尽きだ。何処までも悪趣味な奴め。チリチリと燃える符の焦げた臭いが鼻につく。そのまま正眼の構えで、臨音は影と相対する。
「お前の帰る場所はただ一つ、暗く澱んだ骸の海だ」
瞬間、炎が透明の通路を迸った。
「ガラスの迷路ですか。邪神が作り出したものでなければ、綺麗で済むのですが」
息を殺して歩を進める太宰・寿(パステルペインター・f18704)は、片手にスプレーガン、片手に拳銃を持ち、来た道を色で染めながら、周囲に声を掛ける。
「誰か……いませんか!?」
先程まで一緒だった仲間とも分断され、周囲には生命力を吸い取るらしき透明の迷路が。殆ど変わらない景色が本当にゴールへと続いているのか……その不安が、僅かな異変を捉える。
「あれは……」
透明の通路に小さな黒い影が。力を高める色彩の上でなければ気付けなかったかもしれない、これまで見なかった物。上空を飛び回るカラスとも違うそれは、しかし音も無く姿を消した。
「! 待って――」
「追う必要は無いわ」
カツンと足音を立てて人影が寿に迫る。
「あなた、は……」
「彼女は何故こんな事をするんだろう? 遊びたいの?」
テン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)はひょこひょこと透明の通路を駆ける。でもこんな遊び嫌だなあ、と呟いて、触れてはならぬと警告された透明に気を付けながら、足を緩めずゴールを探す。
「透明な迷路か、綺麗なもんだね」
こんな所じゃなかったらいいお散歩になるのになぁとため息を吐いて……しかし、自力でゴールへ到達するのは難しそうだ。何とかおびき寄せる事が出来れば、と邪神を探して辺りを見渡す。
「――ん、何だろう」
不意に仕舞っておいた電脳ゴーグルがチカチカとランプを明滅させる。何かからの着信、もしかしておびき寄せられたのだろうか。
「うう……やっぱり一人じゃ嫌だなぁ」
恐る恐る受信のボタンを押し、オクトーはゴーグルを装着した。
「うう……アイナ、どうしてこんな事するの!?」
鞭の応酬をかろうじで躱しつつ、筆先から光弾を飛ばし牽制するペイル。あの強くて優しい姉のような存在のアイナが、幾ら迷路を抜ける為とは言え本気で襲ってくるとは思えない。これは演技なのだろうか、それとも……逡巡する思いが一瞬、ペイルに隙を作る。
「痛っ! あ、やめて――」
やめて、お姉ちゃん。足元をすくわれ地べたに座り込んだペイルに、黒い鞭が大鎌へと姿を変えてその首を刈らんと振り上げられた時――赤い影を漆黒の槍が貫いた。
「脱出のために殺しあえ? 悪趣味、ここに極まれりね」
影を貫いたのは美星・アイナ(解錠の音は新たな目覚めの音・f01943)本人だ。貫かれた偽物は虚空へと姿を消す。
「アイナお姉ちゃん!」
「大丈夫、ペイルちゃん」
今にも泣き崩れそうなペイルを抱きながら、アイナはスマホを取り出した。
「もしもーし、お待たせ。合流出来たわ」
「了解です。それでは反撃に移りましょう」
その報告を聞いて、声の主はニヤリと口元を歪めた。
事態はほんの僅か遡る。寿の前に現れたのはクリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)――こういう時こそ電脳魔術士の出番とばかりに、この迷路を抜ける秘策を立てていた。
「あなたが一番近かったから。それに色を塗る事が出来る、これで準備は整ったわ」
眼鏡をクイと押し上げてクリスは続ける。この迷路に転送された直後から、彼女は電子情報端末群を全域に展開。低空を飛ばしその視覚聴覚及び音波ピンを同期し、2Dマップ化して適宜データを収集していたのだ。
「分断されてる上に壁には罠、空に上っても迎撃体制も整ってる――厄介極まりないけれど、どうにもならない訳じゃない」
「それは分かりましたが、この後はどうすれば」
そこであなたの力が必要よ、と微笑むクリス。この迷宮に電子情報端末を保持して侵入した猟兵は自分を除いて3人。この3人にマップ情報を共有し、後は敵の本体へ直行――排除してこの迷路から脱出すればいい、と。
「マッピングは迷宮攻略の基本よ? だからあなたの特技で道を作って欲しいの。簡単よ、ゴールまで色を塗ればいいだけだから」
端末が無くてもそれで行くべき方向は分かるだろうと。それに道を染める事は、そのものが寿を強化する手段となる。
「あとの二人にも話はつけたから大丈夫。出来るかしら?」
断る理由など無い。この理不尽を覆すべく、寿はスプレーガンを道に向けた。
「という訳で、ペイルちゃんが危ないって聞いたから飛ばしてきたのよ」
ペイルの小っちゃな頭を撫でながらアイナが滔々と説明する。
「でも、でもゴールに着いたらどうなるの?」
この迷路から抜け出せたとしても邪神は健在、それにさっきの様に妨害を仕掛けてくるだろうとペイルは返した。
「それはね……着いてから考えるのよ!」
ここから先は猟兵の時間だ。ふわりと振り向き様にアイナが火球を上空へ飛ばす。邪神の眷属たるカラスは健在。だったら先ずはそれを叩きながら、前へと進む。
「さて、そろそろね」
ブンとスマホが振動する――通知だ。画面には『作戦開始』の四文字が。それと同時に、透明の通路を塗り潰す様に、極彩色が足元を覆っていった。その色はグラデーションが掛かった様に濃淡がはっきりとした水色。色が濃い方へ進めば良いと、クリスから聞いていた。
「行くわよペイルちゃん」
後はもう一人の大事な仲間を見つけるだけ。仲間を探して、アイナとペイルは鮮やかな通路を駆け抜けた。
「……始まったね」
オクトーは足元の色彩と、電脳ゴーグル上に映し出された詳細なマッピングデータと合わせて、迷う事無く歩みを進める。目的はゴールへの到達、邪魔も入るだろうが、今はただ駆け抜けるのみ。
『始まったけどさぁ、インチキは良くないよね』
不意に刺々しい声色がオクトーの耳元へ。ぬらりと姿を現した全身に傷の様な裂けた跡を持つ邪神――そこから覗く赤い瞳が、オクトーを睨みつける。
「おびき寄せようとは思ったけれど、まさか本当に来るなんてね」
じゃらりとフレイルを手に取って邪神と対峙するオクトー。
「遊びたいんでしょ、いいよ……相手になるよ」
静かに語りつつ、手にしたフレイルをブンブンと高速で振り回す。邪神には容赦がないオクトーは一歩ずつ間合いを詰めて、不意に飛び掛かった。
『ハハッ! そうだよ、インチキなんかしないで遊ぼうよ!』
赤い瞳からレーザーの様な殺意の先が奔る。全身の傷跡から放たれたそれは飛び掛かるオクトーを迎撃する様に四方へと放たれる。その光線を回転するフレイルを前に出して、ピンと張られた鎖で防ぎながら突破する。
「遊ぶって、人の命を弄んで……そんなの遊びじゃない!」
激高するオクトーにクスリと嗤って、邪神が大声で返す。
『だったらさ! ここでそういう事をされたボクたちは何だったのかなぁ!?』
「うるせえな……」
大太刀を納めてその声の方角を確かめた臨音は、足元の色に合わせて駆けていた。あの胸糞悪い偽物は叩き斬った。この落とし前はキッチリ付けさせてもらわなければ、自分の気が済む訳が無いのだから。
「本当に、そうね」
「おまたせ!」
ひょっこりと通路からアイナとペイルが姿を現す。成程、同じ方へ向かっていれば自然と合流するのは明白。これで家族が全員揃った――ここからが俺達の反撃だ。
「もしもし、こっちは揃ったわ――うん、分かった」
それじゃ、とスマホを切るアイナ。クリスからは次に向かうべき所への指示が。そこで全ての決着をつけるのだという。
「――だったらこっちも手加減無しで、一気に行くぜ」
「そうね。キッチリ借りを返さないと、私だって気が済まないわ」
「うん。あたしも――私もあんなの、絶対に許せないから」
空気が揺れた。臨音の瞳が金色に輝いて、ペイルの姿が大人に変わる。
「それじゃ、行きましょう」
そして純白の甲冑を纏ったアイナは三対の翼を広げ、黒い大鎌を構えて飛翔した。
「……作戦は最終フェイズです。大丈夫ですか、寿さん?」
クリスの傍らには超常の力を開放し、鮮やかな水色の道を作り上げた寿の姿が。流石に全力で力を開放し続けた反動か、肩で息をしながら面を上げる。
「だ、大丈夫です。この上にいる限り私は――それに、見て下さい」
寿の視線の先には翼を広げたアイナの姿が。飛び交うカラスの群れを大鎌で屠りながら、その下では極彩色の光弾が機関砲の様に放たれ続けていた。
「私だって猟兵です……最後まで仕事は、果たしてみせます」
カチリと拳銃のセーフティを解除。頭上の黒い影を照準に捉えて発砲。カランと落ちる薬莢が二つ、三つと増えていき、いつの間にか落とされたカラスが通路の上で虚空へと消えていった。
「分かりました。では私は友軍の直掩に向かいます……こちらは任せますよ」
了解、と短く返した寿。クリスは再び電子戦闘端末群を展開、目標は邪神――滑る様に飛行する黒い群れが、仲間を支援すべく飛び立った。
「君が辛い目に遭ったのはもう、過去の事だ……」
フレイルを振り回しながら邪神へ迫るオクトーは、無数の傷を晒しながらもその歩みを止めない。
「それを再び、関係ない人まで巻き込むのは間違ってる!」
『でも巻き込まれれば皆、お友達になってくれる!』
ガン、とフレイルを受け止める音――肉体を怨嗟で強化した邪神が、その鉄球を片手で掴み取った。
「寂しいなら他にも、遊び方はあるでしょう!」
サモニング・ガイスト――呼び出された太古の英霊が、空いた懐に鉤爪を放つ。その英霊目掛けて、今度は黒いカラスの群れが殺到した。
「そうだ。だからその罪は……断たなければならない」
空から赤と白の戦乙女が――アイナが大鎌を構えてカラスを追撃する。
「アイナさん!」
「――だけじゃねえぞ」
抜き放った大太刀が邪神の片腕を斬り落とした。ぼとりと地面に落ちたそれが、水色の通路を赤黒く染めていく。それを金の瞳で睨みつけて、臨音がぼそりと呟いた。
「その汚れた思いを抱いて……消え失せろ」
「って、二人とも足が速いんだから……!」
走りながら空を舞うカラスの群れに光弾を連射するペイル。姿形と同じ様に、大きく肥大化した極彩色は、空に打ち上げられた花火の様にどす汚れた空間を彩った。
「そう簡単に、追わせないわ」
ギャアギャアと喚く黒い群れに間断なく放たれる光弾。ふと後ろの方から発砲音が続けて聞こえる。
「あっちにも……アイナちゃんはもう大丈夫よね」
だったら。ここから狙えば背後を取れる。すうと息を吸って、絵筆に極大の光を集めるペイル。本体は任せたんだ、だからここは私が抑える。嘲笑う様に旋回するカラスがペイルを覗きながら、その嘴で貫かんと飛び込んだその時。
「………私達をもう、からかわないで!」
遊びの時間はこれで終わり――ペイルの頭上で極彩色が爆ぜた。全周に放たれた光弾が、空を舞うカラスどもに避ける間も与えずにぶち当たる。悪意の黒は全て、綺麗に塗り潰されたのだ。
『沢山遊んでくれるのに、なんで皆を帰そうとするの!?』
「それはお前がオブリビオンだからだよ」
帰るのはお前だ。大太刀の切先を突き付けて臨音が走る。真紅の殺意を刀身で避けながら、確実に間合いを詰めて。
「私達の絆を――舐めるなぁっ!」
「ご先祖様、お願いします!」
戦乙女と英霊が乱舞する。英霊が放つ竜巻に飲み込まれ宙に飛ばされた邪神を、姿を変えて炎を纏った黒槍が無慈悲に貫く。狙うのは真紅の傷跡、怨嗟の瞳。
『痛い……いたい、イタイイタイイタイよぉッ!』
正確な串刺しがその傷口を抉って、竜巻の天辺まで吹き飛ばされた邪神を思い切り薙ぎ払う。勢いをつけて地面に叩き付けられた邪神はそのまま、待ち受けていた臨音の大太刀が吊るし切りの様に空中で五体をバラバラにした。
『アハハハハハハ!!!!!!』
唐突に邪神が狂った様に笑い始める。
『凄い、凄いね猟兵って! だったらこれはどうかな!?』
にゅるりと、断ち切られた四肢が血に塗れて再び生える。同時に透明の迷路が姿を消して、水色の地面と極彩色の空だけが空間を支配した。更に邪神の元へ、漆黒のカラスと悪意が寄り集まって、更に強大な力を発現する。
「……それを待っていたんだ」
自分から試合放棄、迷路さえなければ他に何も気を使う必要は無い。額に掛けた電脳ゴーグルに表示されたのは【CLEAR】の文字。
「そういう事です。テンさん、同期完了――合図は」
「今だ!」
クリスの獰猛な機械の眷属達が、電子戦闘端末群が邪神へ殺到する。ショックパルスがその傷痕を舐めるように焼きながら、続けて猟兵達の超常が牙を剥く。
「地に落ちた血涙達、姿を変えて此処に集え……」
「紅玉の輝きが変じし不変不滅の炎の舞――」
空のアイナに地の臨音、二人の周囲に真紅の欠片が集まって――巨大な炎と化す。
「ご先祖様、あれで行きます!」
オクトーはフレイルを邪神へと投げつけ、合わせて英霊が再び竜巻を放った。
「行き場のない哀しみと怒り、水晶の炎に変えてここに放たん!」
「ぼやぼやしてたら只じゃすまねぇぞ……?」
巨大な炎が一つ、二つと姿を増やし、更に巨大な炎の球を形作って。
「ボクの武器はフレイルだけじゃ……無い!」
竜巻が邪神を拘束し、その顔面に鉄球がぶち当たり、更に後を追う様に円月輪が首筋を狙って放たれた。
「さあ、骸も遺さず焼き尽くせ!」
「忠告は、したからなぁっ!」
竜巻の拘束、鉄球と円刃の一撃――声を上げる事すらままならず、最後に放たれたのは天と地の巨大火球。その二つがごうんと空間を軋ませて、螺旋を描く様に邪神へと迫る。
『!?!?!?!?!?』
目を見開いて、まるで救いを求める様に猟兵達を睨む邪神。それを最後に、爆炎が悍ましき悪意を呑み込み、焼き尽くした。
「作戦完了、ですね」
遠目に上がる火の手を望み、寿が呟いた。これで、終わり……。
ザルゴの館に巣食う悪意は、猟兵達の手によって焼き尽くされた。
しかしこの『邪神パラダイス』に蔓延る脅威は、終わったわけでは無い。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年07月26日
宿敵
『みにくい七つの子』
を撃破!
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