古代帝国の呪い?
●呪われた村と幻獣
「私の故郷の世界――アックス&ウィザーズ、と皆が呼ぶ世界の事なのだけど。辺境にあるイルンと言う村が、なんとも不思議な事になっているのが発見されたんだ」
グリモアベースにいる猟兵達に、ルシル・フューラー(エルフのマジックナイト・f03676)はそう話を切り出した。
「その村の村人全員が、『1人1つ、決まった言葉しか話せない』と言う状態だ」
例えば、村の入り口の直ぐそばにいる青年の場合は、
『ここはイルンの村だよ』
と言う一言しか話せない。誰になんと言われても。
「魔法なのか呪いなのか。原因は一切不明――なんだけど。古代帝国の呪い、と言う噂が広まりつつある。実は全く根も葉もない噂、と言うわけではなくてね?」
元々、イルン村の近くには『かつて栄華を誇った古代帝国人が築いた迷宮』があるのではないかと考えられていた。
イルン村までが相当に遠い事もあり、本格的な調査は行われず迷宮は未発見のままだったのだが。村の現状と古代帝国の呪いと言う噂は、迷宮の存在を改めて仄めかす。
「どうも古代帝国人のものと思しき迷宮、本当にあるみたいなんだ――さて、ここからが本題。猟兵諸君に声をかけた理由なんだけどね? その中に、モンスター、まあオブリビオンの存在が予知できたんだ」
先に言え。
そんな空気に構わず、ルシルは話を続ける。
「オブリビオンがイルン村の近くにある古代帝国人のものと思しき迷宮にいるのは、間違いないよ。但し、迷宮の何処にいるのかと、迷宮自体の場所は判らない」
何とかして、迷宮を見つけなければならない。
「手がかりを探すなら、やはりイルン村に向かうべきだと思うよ」
迷宮に現れたオブリビオン。その迷宮の近くにある村の人々の異変。
この2つが偶々同時に発生した――そう考えるよりは、2つになんらかの関連があると見る方が良いであろう。
「幸い、他の冒険者がイルン村に現れるまで、数日ある」
村での調査に多少時間をかけても、問題にはなるまい。
「オブリビオンは、恐らくヒューレイオンと言う幻獣だね。かなり強力な相手だ。手練れの冒険者でも、荷が重い。だが猟兵諸君なら、倒せない敵じゃない」
倒せるのは猟兵だけ、と言っても良いだろう。
「さて。私からは以上だ。心の準備はいいかな? 転移先はイルン村のすぐ前だ」
泰月
泰月(たいげつ)です。
目を通して頂き、ありがとうございます。
今回はアックス&ウィザーズ世界よりお届け致します。
古代帝国人が築いた迷宮を探して、迷宮の中からオブリビオン『ヒューレイオン』を探し出して、撃破すれば成功になります。
まずは、決まった事しか言えなくなった、イルンという村からスタートです。
イルン村について補則を少々。
辺境の農村です。
畑も合わせた村の面積はそこそこあります。
老若男女いますが、総人数は多くありません。
村の現状の解決を試みるのも、
そのまま情報を得ようとしてみるのも、
どうするのかは皆様次第です。
ではでは、よろしければご参加下さい。
第1章 冒険
『ここは○○の村だよ』
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POW : ジェスチャーで村人と会話を試みる
SPD : 村の中や周辺を調べる
WIZ : アイテムやユーベルコードを上手く活用
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フランチェスカ・メリジオ
んっふふ、なんだかおもしろい状態だね、キミたち。
なっはっは、同じことしか喋れないのに怒らないでおくれよ。
ごめんごめん、笑い事じゃないよね。
さてと、まずは名乗ろうか。ボクは天才錬金術師のフランチェスカ。
キミ達のその呪いだかなんだかを治しに来たんだ。
【WIZで行動】
ええっと、ボクのメモ帳に数字とYes/Noを書いたから
ボクの質問に指を指して答えてくれないかい?
まず、何日前からその状態なんだい?
次にそうなった心当たりはあるかい?
それは《迷宮》かい?
方角は分かるかい?
うん、これぐらいにしておこう。協力に感謝するよ。
さてと、集まった情報を他のメンバーに共有しておこうかな。
※ボクはアドリブや改変歓迎だよ!
シュトフテア・ラルカ
なんだか、UDCアースで見たコンピュータゲームみたいな状況になってるですね。…その法則が当てはまるなら、もしかしたら同じ言葉しか話せないとはいえ、いわゆる「ヒント」や「フラグ」があるかもしれないのです。
そうと決まれば、村人全員からお話を聞いて見るのです。
【学習力】で聞いた話を纏めてその中からヒントを探すです。
【第六感】も駆使して違和感のある点を見つけて…後は他のメンバーに共有するですね。
違和感を感じた相手にもう一度話を聞いてみれば、もしかするならば、内容が変わってる可能性もあるのです。
…まあ突飛な推測ですし、的外れな可能性もあるですし他の方の話の方が確証ありそうならそっち手伝うですかね…。
「ボクは天才錬金術師のフランチェスカ。キミ達のその状態、呪いだかなんだかを治しに来たんだ」
『ここはイルンの村だよ』
辺境の村に響いたフランチェスカ・メリジオ(ノイジィブライト・f05329)の自信に満ちた声に、入り口すぐにいた青年が脈絡のない言葉を返していた。
「んっふふ、なんだかおもしろい状態だね、キミたち」
聞いていた通りの状況にフランチェスカが思わず笑みを浮かべ、目に付いた初老の男へと近づいていく。
「さて。早速だけど、これから幾つか質問させて貰うよ。ここに書いてある数字か『Yes/No』を指で指して、答えてくれないかい?」
『わたしが村長です』
フランチェスカは、あらかじめ書き込んでおいたレシピブックのページを開いて見せながら口を開いた。
「まず、何日前からその状態なんだい?」
『わたしが村長です』
「……そうなった心当たりはあるかい?」
『わたしが村長です』
……。
「なっはっは。中々厄介だね、これは」
『わたしが村長です』
只管、同じ言葉を繰り返す村長に、フランチェスカが内心で頭を抱える。
「前にUDCアースで見たコンピュータゲームみたいな状況になってるですね」
シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)は目の前で起きたやり取りを、そう感じていた。
「もしかしたら、繰り返す言葉の中に、ヒントやフラグがあるかもしれないのです。例えば、何かの条件で話の内容が変わる可能性もあるのではないかと思うのです」
シュトフテアの言葉に、フランチェスカは成程と頷いて――ふと閃いた。
(「話の内容、か。なら話の仕方を変えてみては?」)
フランチェスカは、先ほど自分が口にした質問と全く同じ文章を、隣のページに書き込んで同じ男性に見せてみた。
すると、男性の指が数字を指差す。
「糸口が見えた気がするのです。村人全員からお話を聞いてみるのです」
「シラミ潰しか。乗った!」
今回も足で探す気のシュトフテアの提案に、東奔西走慣れしたフランチェスカがレシピブックを手に頷いた。
そして、しばらくして――。
『祠に無闇に近づいてはならんぞ!』
と言う老人の3度目に聞く言葉に背中を押され、2人は彼から離れて行った。
「結局、心当たりも、迷宮についても、誰も知らなかったかぁ」
パタンとブックを閉じて、フランチェスカがため息混じりに呟いた。
まあ、迷宮については村人に訊いてわかるなら、とっくに発見されているだろう。とは言え、収穫が無かったわけではない。
何日前からその状態か――その問いには、全員が同じ数字を指したのだ。
少なくとも、日数のズレはないと言う事だ。
一方、シュトフテアは頭の中で彼らの言葉を纏めていた。
「祠……と言ったのは、先ほどの老人で5人目でした」
だが、その『祠』は何処だろう?
それに、シュトフテアは、他の違和感も感じていた。その正体を探ろうと、シュトフテアは頭を回転させながら周囲を見回す。
祠らしいものは見当たらない。見えるのは、簡素な村の家々と、収穫の時期を過ぎて寂れた畑だけ――。
「……そうです。畑なのです。誰も、畑の事を言っていないのです」
ここは農村だ。畑は財産だろう。なのに、彼らの口から出るのは、見当たらない『祠』の事以外は脈絡のないものばかり。
まるで別人の言葉の様――それが、シュトフテアの感じた違和感の正体。
2人はこれまでの結果を他の猟兵と共有すべく、一度村の広場へと戻っていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラナ・ドルカ
そう、あなた達、同じことしか話せないのね……。でもお話できないより、ずっといいわね。
【SPD】
私は迷宮の捜索に絞って動くわね。
迷宮、まだ私は行ったことがないの。
どんな見た目なのか、想像もつかないけれど、一目でわかるようなものかしら。
村で一番高い建物に登って、あたりを見渡してみるわ。
なにか気になるものが見つかればいいけれど、見つからなかったら残念。
上から探したら、次は下から。
ユーベルコードを使って出したブラーと一緒に、地面に注意して、村をぐるぐる歩いてみようかしら。
結構広いみたいだから、手分けできたらありがたいかも。
何か見つかっても見つからなくても、仲間と共有して、探す宛を絞れたらいいわね。
ルイス・アケーディア
【SPD】
同じ言葉しか話さない住民か。
俺にとっては、話が早くて助かる。
駆け引きだの、聞き込みだのは、苦手だ。
祠とやらが見つからないのであれば、探索範囲を広げるべきだ。
村の外に出て、近隣をぐるりと一周、丹念に探してみよう。
分担できる者がいるならば、細かい探索は任せ、
ゴットスピードライドで素早さと範囲重視の探索を行う。
念入りな探索は、面倒だ。面倒なことは、不得手だ。
誰もいなければ仕方なくやるが。
それでも「祠」が見つからなかった場合。
重要な情報が、祠の話に差し替えられている。そんな可能性も考えられるか?
畑の探索を行うべきか。
得られた結果は、仲間と共有しよう。
「この村……きっと平和なのね。物見櫓1つないなんて」
そう嘆息混じりに呟いて、ラナ・ドルカ(呪い降ろし・f09387)はイルン村で一番高い場所――大きな家の煙突の上から屋根伝いに降り始めた。
「何かそれらしいものは見えたか?」
「駄目ね。迷宮、まだ私は行ったことがないのだけれど。少なくとも、一目でそれとわかるものはなかったわ」
浮遊する長身の機械生命体、ルイス・アケーディア(ストーンヘンジ・f08628)の手を借りながら、ラナは首を横に振って答える。
2人の声が届いたのだろうか。
『旅の人かい? 何もない村によく来たねぇ』
「あなた達、本当に同じことしか話せないのね」
もう3度聞く老婆の言葉に、ラナは目を細めた。
(「……でも、お話できないより、ずっといいわね」)
続く言葉は胸中で。それを彼らに言っても詮無きことだろうから。
「俺にとっては、話が早くて助かる」
そう言うと、ルイスは近くに停めていた宇宙バイクに跨る。
「外に出るの?」
「探索範囲を広げるべきだと思ってな。近場をぐるりと一周、探してくる」
そう言い残し、村の外に出て行くルイスを見送ると、ラナは媒体召喚で、【骨の狼】ブラーを喚び出す。
「上から探したら、次は下ね。何か見つかればいいけれど」
迷宮の手がかりを求めて、ラナは地面に注意しながら、カランコロンと足音を鳴らすブラーと共に歩いて行った。
結局、ラナが歩き回っても手がかりが見つからなかったが、その事実が、収穫だ。
地面にないのなら、その下は?
(「ああ言って来たが、念入りな探索は面倒だ。面倒な事は、不得手だ」)
宇宙バイクを駆りながら、ルイスは胸中で呟いていた。
(「村の外を見回るなら、俺が向いているだろうからな。仕方が無い」)
それでも、苦手な駆け引きや聞き込みをするよりはいい。
しかし『祠』らしいものは、見つかる気配がなかった。
もっと遠いのか、或いは――。
「重要な情報が、『祠』の話に差し替えられてる可能性も考えられるか? 戻って畑の探索を行うべきか」
ルイスがそう思い立ってハンドルを切った頃、村の中では、ラナが今は土だけの畑に視線を向けていた。
そしてルイスが『再び村に入った』その時――変化が起きた。
『ここはイルンの村だよ。また来たんだね』
村人の青年の口から出る言葉が、違うものになっていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メルティア・サーゲイト
「面倒だが面白い事になってンな」
CODE DOLLで生成できるドールユニットは元々対人コミュニケーション用だ。人の話を聞いて回る分には最適だろ。
「こういう時の基本はアレだ、とりあえず全員に話しかけてみる」
毎回同じ事しか喋らないなら、その台詞を全て網羅するのは難しくない。記憶領域に音声情報を記録して、聞き終わったら紙で出力する。
「とは言え、そういう謎解きはやっぱ面倒でなぁ」
手伝いはするが解くのは任せた、と言う感じか。
それよりは畑の方が気になる。全方位レーダーシステムには超音波探知機能もある。これなら畑の地下に何かがあるなら一発で分かるはずだ。
「さーて、何が出るかなぁ」
「面倒そうだが、面白い事になってンな」
イルン村に着いたメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)は、先行していた猟兵達から状況を聞いて、ドールユニットの顔に笑みを浮かべた。
(「さーて、どうするか。ドールユニットは元々対人コミュニケーション用。全員の言葉を網羅させるのは難しくないが……」)
だが、それは他の猟兵達も既に動いている。
ならば、より自分に向いている事を。
「謎解きは面倒でなぁ。それより、こっちが気になる」
メルティアは畑の下に、全方位レーダーシステムを向けた。動体、熱源、音波、電波、魔力等を読み取る装置だ。
「畑の地下に何かがあるなら、こいつで判る筈だ。さーて、何が出るかなぁ」
動体――なし。
熱源――なし。
音波――反応あり。
魔力――反応あり。
畑の一角の地中に、何かがあるのは間違いないようだ。それも結構な深さ。日頃の農作業に影響がなかったのも頷ける。
「なンか細長い……柱みたいなもンか。あと小さい魔力反応が4つあるな?」
少し考えて、メルティアはドールユニットを畑に近い村人に向かわせる。
『祠に無闇に近づいてはならんぞ!』
少し前までは、そうとだけ繰り返していた村人は――。
『何人たりとも祠には近づけぬよ。アレは埋めてしまったからな』
ついにそんな事を言うようになっていた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『古代帝国の迷宮』
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POW : 手当たり次第に力づくで攻略する。どんな障害だろうと、力任せに攻略してしまえば問題ない。
SPD : 罠やモンスターに警戒して進む。危険を早期発見、罠を解除したりモンスターを速やかに排除せよ。
WIZ : 迷宮を注意深く観察して進む。人の手による罠なら、予測できるはずだ。知識はどんな場面も有効活用できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
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| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●それが片道切符でも
それから数時間かけて、猟兵達はイルン村の畑の一角を掘り続けた。
そうして現れたのは――細長い石塔の様なもの。先端には、水晶玉が載っている。
これが一体なんなのか。
猟兵達が調べ出すよりも早く、石塔の水晶玉が光を放った。地中に生まれた光の輪の中に、魔法陣のようなものが生まれる。
地中にあって尚、漏れる光が地上まで届く。
『その先は、先人の眠る迷宮。盗掘者避けの罠がありますぞ』
ずっと『わたしが村長です』しか繰り返さなかった老人が、猟兵達にそう声をかけて来た。今まで煙に巻くような言葉とは、一変。まるで、誘うような言葉だ。
何にせよ、この発見でさらに村人達の言葉に変化が起きたのだから、その原因がこの先にあるのは間違いない。
猟兵達は、改めて掘った土の中に視線を向けた。
かなり長い年月、地中にあったのだろう。石塔も水晶玉も朽ち果てかけている。
後続の猟兵達が続く間くらいは大丈夫だろうが、この先の迷宮を探索して戻って来るまで保つ保証はなさそうだ。
だからどうした、と誰かが言った。
そうだ。躊躇う理由にはならない。
穴の中に飛び込んだ猟兵達は光に包まれ――気づいた時には、見たこともない白亜の迷宮の入り口に立っていた。
メルティア・サーゲイト
MODE PANZERで重戦車形態に変形し先頭を走る。車内では全方位レーダーシステムによって不自然な空間や魔力の歪みを見つけたら後方の味方にも伝達する。
その上で特に問題ないと判断した罠は踏み潰して進む。
「戦車で来る奴が居るとは思ってないだろ」
何せ単独での船外活動可能なウォーマシンだ。全長は本来の身長とさほど変わらない為戦車としてはむしろ小型とさえ言えるが出力は桁違い。毒の類は効果が無いし、水責めも火責めもなんのその。射撃耐性に優れた装甲は仕掛け矢の類も受け付けない。無限軌道で越えられない場所は人型に戻ればいい。
だが、落とし穴や大岩等有効なトラップはいくらでもある。警戒は怠らずに進もう。
ルイス・アケーディア
【SPD】
村人の言葉、少し気に掛かる。この「祠」、住民を害す為のものなのか、守る為のものだったのか。……まあ、いいか。
こういう雰囲気は懐かしいな。外の空気よりも身に馴染む。
とはいえ、何も情報がない。慎重に進むべきだ。
主に罠の無効化を狙って行動する。
【燦爛たる宝物庫の管理者】を発動。
浮遊したまま先んじて移動し、罠を探す。
罠の探知や予測を行っている者に同行できれば助かるな。
鉄球が落ちてくるトラップ等は、浮かせて無力化を。
床を踏むと発動するトラップには、浮かせた岩石に仲間を載せて運ぶ。
壁に金属が含まれていれば、こじ開けて強行突破も可能か。
(「――懐かしいな。外の空気よりも、身に馴染む」)
ルイス・アケーディアが迷宮の空気にそう感じていたのは、彼が長い事、名もなき古代遺跡を住処としていたからであろう。
とは言え、ここは勝手知ったる場所ではない。何も情報がない。
慎重に進むべき――セオリーならそうだろう。
ゴッ、ガガ、バキンッ、メリメリッ
床から飛び出す槍を文字通り踏み潰して、一台の戦車が迷宮を進み往く。
「戦車で来る奴が居るとは思ってないだろ」
戦車から響く声は、メルティア・サーゲイトのもの。この戦車は、彼女のMODE PANZERによって【ゴーレムユニット】が変形したものだ。
ヒュッと風を切る音を立てて、飛来した矢もその装甲にあえなく弾かれた。
正に、矢でも鉄砲でも持って来い、である。
迷宮を作ったものがこの光景を見ていたら、目を疑ってもおかしくない光景だ。
だが、そんなMODE PANZERも万能ではない。
「落とし穴や大岩、有効なトラップはいくらでもあるからな。警戒は怠らずに――」
メルティアがそんな事を言った時だった。
後方から、ドスンッと重たいものが落下したような音が鳴り響いたのは。
ゴロゴロゴロ――!
「言った傍から大岩かよ!」
フラグ立てるから。
車輪を激しく回転させ、メルティアは戦車を急発進させる。
進んだ先はT字路。右か、左か――レーダーで探る間もなく、左からドスンッとさっきも聞いた音が響いて来た。
「ちぃっ。仕方ねぇ!」
メルティアは迷わず右に曲がった。そのまま進むが、ゴロゴロと転がる音も追ってきている。
「壊した方が良さそうだな。俺がやろう」
そう淡々と告げると、ルイスが浮遊したまま戦車の後ろに回り込む。
(「見たところ、ただの大岩か。金属を含んでいない事はなさそうだが――操りきれるとは限らないな」)
鉄球なら良かったと思いながら、ルイスは周囲に視線を巡らせた。
目に付いたのは、また踏み潰したであろう槍の残骸。
――武器も、防具も、急拵えで充分だ。
「燦爛たる宝物庫の管理者(ポルターガイスト)」
ルイス自身の岩石を模した体と、槍の残骸が浮かび上がる。
それらはルイスの意思でひと塊の巨大な槍となり、迫る大岩に突き刺さった。
残骸が砕け散ると共に、大岩の前面も砕け散る。破壊しつくさなくとも、回転を止めるには充分だ。
「やるじゃねえか」
その声にルイスが振り向くと、メルティアが人型に戻っていた。
その理由は、訊ねるでもなく判明した。
目の前の道は、一切の光のない暗闇の空間へ続いていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラナ・ドルカ
迷宮は地下にあったのね
地面の下に建物を隠すなんて……頭がいいわね、昔の人たち
平坦な声色で感心
【SPD】
迷宮って言うくらいだから、道は別れて、入り組んでいるのよね……
迷子になるのは不安だわ
誰かに付いていこうかしら
暗いといけないから、手作りのランプを持ってきたわ
いくつかあるから、持っていない人にも渡せるわよ
大きな怪物の眼をモチーフにした、可愛らしいデザインだから、きっと気に入ると思う
探索はまた、ユーベルコードで召喚した骨の狼、ブラーと一緒に
首からランプを下げてもらって、先行してもらうわね
私自身も、ランプを持って、天井や壁に注意しながらあとに続くようにしましょう
何だか、宝物探しみたいで楽しいわね
「今まで明るかったのに、急に暗くしてきたのね。地面の下に隠してた事と言い……頭が良いわね、昔の人たち」
あまり感心してなさそうな平坦な声色で感心したような、ラナ・ドルカの声が暗闇の中に消えて行った。
「私ね、迷宮が暗いといけないと思って手作りのランプを持ってきてたの」
再びラナの声がして、ポワッと光が灯り、怪しげな瞳が迷宮を照らす。
「幾つか持ってきたから、皆にも渡せるわよ」
ポッ、ポッ。ラナがどこか楽しげに言いながら、1つずつ光を灯していく。
その度に、なんとも怪しげな瞳が迷宮の中に浮かび上がった。
「大きな怪物の眼をモチーフにした可愛らしいデザインにしたから、きっと気に入って貰えると思うわ」
デザインの可愛らしさはさておき、迷宮に対する備えとしては素晴らしい。
「迷子になるのは不安だから、一緒に行きましょう? ブラーは先行して頂戴」
ラナは骨の狼の首にもランプをつけて、先行させる事にした。
その後ろから、猟兵達もランプを持ってある程度広がりながら続く。
「何だか、宝物探しみたいで楽しいわね」
周囲に注意しながらも、ラナは少しだけ弾んだような声でにそう言った。
大成功
🔵🔵🔵
フランチェスカ・メリジオ
んん、空間転移した?
グリモアの力と似たようなモノなのかな。
実に興味深いね、隅から隅まで調べ尽くしてあげよう。
【WIZで罠を見つけながら進む】
へぇ~、なかなかキレイな迷宮じゃないか。
探索のし甲斐があるね。
罠を見る時に気を付けるべきは、床と壁……あとは天井と曲がり角だね。
ほとんど全部じゃないかって?
そりゃそうさ、全部に注意して進まないと危ないんだよ。
ボクや他の人が見つけた罠は【破壊工作】で壊してしまおう。
投石で発動させてもいいし、純粋に破壊してもいい。
適任な人が居たら壊し方も教えよう。
モンスターについてはPOWやSPDのみんなに任せるよ。
※ボクはアドリブ改変大歓迎だよ
シュトフテア・ラルカ
いかにも、なのですね。何を隠しているかは知らないけど、呪いを解く方法が見つかればよいですが…。
そうですね、サーチドローンを先行させながら進んでいくですかね。
罠を見つけられればよし、敵に見つかって破壊されたとしても情報は得られるです。
見つかった際、射線が通るのなら【スナイパー】【先制攻撃】で射撃し出鼻をくじいてやるのです。
ドローンから得られる情報は適宜他の皆にも共有するです。
村の住人があれでしたしお約束なら隠し扉みたいなものもありそうですが…。
【第六感】で違和感を感じたら試してみるですか。
…うん、不謹慎ですがちょっとわくわくしてきたのです。
――曲がり角の先から、ガシャン、ガシャンと金属がぶつかる音が響いてくる。
「あべいゆちゃん、ゴーなのです」
シュトフテア・ラルカは、音のした方向へ蜂型サーチドローンを飛ばす。
「こう言うタイミングこそ、罠に気をつけるべきだね」
フランチェスカ・メリジオは、天井から床に向かって丹念に罠を調べ始めた。周囲全部を注意するくらいで、丁度良い。
「曲がり角で物音を警戒させて、先の壁に魔法陣か。条件は判らないけど、上手い手じゃないか。壊してしまえば問題ないけれどね」
言うなり、フランチェスカは工具ツールの中から取り出したハンマーを振り上げ、罠を見つけた壁に思い切り叩き付けた。
バキッと音がして、壁の一部が砕け散る。
「さて。モンスターらしき物音はお任せするよ」
促すフランチェスカに頷いて、シュトフテアが熱線銃を手に進む。
「出鼻をくじいてやるのです」
先行させたあべいゆちゃんが何かに叩き落とされる。その間に狙いを合わせたシュトフテアは、その何かに向かって熱線を放った。
『!?』
何かがよろめいたところに、熱線をもう1発。それで対象は沈黙した。
近づいてみると、それはがらんどうの鎧兜だった。中には何もない。
そして――その直ぐ横手には、ウォーマシンの猟兵でも見上げる程に巨大な金属の扉があった。
「さっきのはここの守護者って所かな?」
フランチェスカは指先で扉に触れながら呟く。
「しかしこの迷宮、実に興味深いね。キレイすぎる」
フランチェスカの言葉に、一行が首を傾げた。
「この扉、錆びている様子はない。進んできた道も状態が良かった。どちらも『キレイ』なんだよ。村で見つけた祠の跡と思しきモノは、朽ちていたのに」
まるで誰かの手が入っていたようだ――と、フランチェスカは結んで、扉に手を当ててぐっと押して――。
押して――。
「さて、どうしたものか。鍵穴の類は見当たらないけれど」
すんなり開かなかった。
「回っていない通路に何かヒントがあるかもしれないね。この際だ、隅から隅まで調べ尽くして――」
「いかにも、なのですね」
なんてフランチェスカが言い出す横で、シュトフテアが巨大な扉の装飾を調べる。そして、その中に隠されたドアノブを見つけ出した。
ガチャリと、巨大扉の中の隠し扉が開く。
「念のため、だよ」
フランチェスカがポーチの中の工具を投入れてみる。
カツーンと音がした切りだった。少なくとも、入っていきなり落とし穴や槍衾、と言うような心配はなさそうだ。
「呪いを解く方法が見つかればよいですが……」
不謹慎だと思いながら、心のどこかでわくわくしながらシュトフテアは扉を潜る。
そこは今までのどの通路よりも、広大な空間だった。
中央には大きな石碑。その前に倒れこんだ人のような影。
そして、幾つも並んだ石棺――ここは、古代の地下墓地のようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『ヒューレイオン』
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POW : ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ : サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
イラスト:えな
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミレイユ・ダーエ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●真相
猟兵達はまず、地下墓地の石碑を調べに向かった。中央に嵌め込まれた石が、淡い光を放っている。
その前に倒れているのは、人形だった。恐らく魔力で動くタイプだ。もう動く気配はなく、手元には古びた手帳が落ちている。
開かれたままのページには、歪んだ文字が書き残されていた。
『駄目だった。生前マスターに使用を禁じられていた『外部の者の言語に干渉する装置』を使ったのに、誰も此処に来ない。壊れているのだろうか。
私も稼動限界だ。このまま、此処と一緒に森に喰われることになるのだろう。もし、誰かがこれを目にする事があったら、どうかアレを倒して欲しい』
イルン村に起きていた異変は、確かに、古代帝国の技術によるものだった。
だが、それは呪いではなかった。
求めていたのだ――助けを。
その時、ビシリと迷宮の壁にヒビが入る。
壁を突き破ってまず現れたのは、幻想的な蒼い角。角を自在に動かし突き破った壁を強引に崩して現れたのは大きな獣。
その体躯を覆う夜空のような色の体毛の間からは、淡い輝きを放つ木々が伸びている。さらに瓦礫を踏み潰した蹄の足元が淡い輝きを放つと、そこから木々が芽吹き出し、根とも枝とも見えるものが、迷宮の床から壁に伸びていった。
森に喰われるとは、これか――!
現れたのは、樹海の守護者とも呼ばれる森を広げるモノ。
オブリビオン、幻獣ヒューレイオン。
ラティナ・ドラッケンリット
「遅れてすまない。状況は把握した。私は前衛でいかせてもらおう」
困っている者がいて、そこに依頼があるのなら冒険者の出番だ
【見切り】で蹄による攻撃を警戒しながら【力溜め】を行う
ビキニアーマーの身軽さの見せ所だ
隙を見て【ダッシュ】で接近して『グラウンドクラッシャー』による【捨て身の一撃】をお見舞いする
一撃で倒せないようなら倒れるまで何度でも攻撃を叩き込むまでだ
メルティア・サーゲイト
「何とも回りくどい事をしたモンだなぁ」
とは言え、結果的に後はコイツを倒すだけだ。右手をガトリングカノン、左手にガトリングショットガン、両肩両脚に五六連ミサイルランチャーを装備。
「まずは挨拶代わりだ!」
まずは3発に1発のマーキング弾を装填したガトリングカノンで様子見。当たるようならそれでいいが、
「ナメてんじゃねーぞ!」
当たらないなら距離を詰めて、或いは距離を詰められたらショットガンだ。こっちも3発に1発のマーキング散弾。
「くたばりやがれっ!」
マーキング弾が当たったらCODE SWARMを発動し4基のミサイルランチャーを一斉発射だ。
「何とも回りくどい事をしたモンだなぁ」
メルティア・サーゲイトがそうぼやく様に言いながら、姿を現した幻獣ヒューレイオンから距離を取る。
「遅れてすまない」
他の猟兵達も同様に一旦距離を取った所に、ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)が地下墓地に飛び込んで来た。
「良いタイミングだぜ」
「何か巨大なものが通った跡が、途中まで残っていたからな。お陰で、道に迷わずに追いつく事が出来た」
「後はコイツを倒すだけだ!」
ラティナの答えを聞いたメルティアは、ニヤリと笑みを深めて、人形の手元から回収した手帳を放り投げる。
「状況は把握した」
受け取り、目を通したラティナは手帳を置いて、代わりに穿竜槍を構えた。
「困っている者がいて、そこに依頼があるのなら冒険者の出番だ。私は前衛でいかせてもらおう」
言うなり飛び出すラティナの後ろで、メルティナが六連の大口径を向ける。
「まずは挨拶代わりだ!」
ガトリングカノンが火を吹く。メルティナがまず放ったのは、マーキング弾。しかし、ヒューレイオンは巨体に似合わぬ素早さで、横っ飛びにそれを回避する。
「速いじゃないか。ビキニアーマーの身軽さの見せ所だな」
その動きに、ダッシュをかけたラティナが着いて行っていた。
ブォンッ!
槍の間合いに入る前にヒューレイオンが前脚を振り上げる。その蹄を、ラティナは紙一重を見切ってやり過ごす。重たい鎧を着ていては、こんな芸当はできない。
「獣が、ナメてんじゃねーぞ!」
メルティアは左手のショットガンを構えて、間合いを詰めようとしていたが、間合いを詰めきれずにいた。その動きで、何かを狙っていると察して、ラティナが利き腕に力を篭める。
「そこだ!」
ラティナは一足で飛び出すと、溜めた力を込めた捨て身の一撃を叩き付けた。穿竜槍が蹄を穿ち、周囲の地形にまで届いていた。地下墓地の床が砕け、隆起し、ヒューレイオンの体勢を崩す。
「獣が、ナメてんじゃねーぞ!」
そこに間合いを詰めたメルティアが、布石となるマーキング散弾を放ち――。
「マーカーセット! くたばりやがれっ!」
CODE SWARM――中近距離用五六連小型ミサイル、その全弾が一斉に放たれた。
ズドドドドドッ!
56の爆音が重なり響き、爆煙が立ち込める。
その中から――ぬっと伸びてきた木々の腕が、2人を掴んで投げ飛ばした。
煙が収まると、夜色の体毛のあちこちを朱く染めながら、植物人間を侍らせたヒューレイオンが、猟兵達を睥睨していた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フランチェスカ・メリジオ
へぇ……すごい装置だね。
すごいんだけど、これで人来るかい?
あっ、来たねボク達が。
【高級回復ポーション】
さーて、いわゆるボス戦かい?
幻想的な角も体に生える木々も、なんだかいい錬金素材になりそうじゃないか!
それじゃ、張り切っていこうか!
ここまで見てきた感じ、攻撃は得意な人が多そうだね。
それならボクはこの高級回復ポーションで傷ついた人を癒そう!
飲んでよし、塗ってよしだ!遠慮せず使いたまえ!
でも無駄遣いは勘弁してくれよ、高いからねソレ!
戦闘中必要がなかったら戦闘後にでも使おうかな、さすがに無傷とはいかないだろうさ。
お疲れ様だ!
村人達の言語系に障害が残ってなかったらいいんだけど、一応確認して帰るかな。
シュトフテア・ラルカ
呪いの原因はわかったですが…呪い自体はオブリビオンは関係なかったのですね…。
あなたの救援要請、確かに受け取ったのです。
あのオブリビオン、神秘的とも見えなくはないですがこれ結構洒落にならないのです。
後始末は確実につけるのですよ。
ユーベルコードを起動し、制限時間の続く限り分裂させた銃でみなさんの【援護射撃】するのです。(ガンビットみたいにできるとよいですが)
自身は手に持った熱線銃、精霊銃で敵の足元を【スナイパー】で狙い撃ち、動きを阻害するように動きますです。
ユーベルコードの制限時間が切れそうになったら火力を集中させて【2回攻撃】かけるです。
ラナ・ドルカ
閉じ込められていたのね。この子。
お疲れ様。でも、すっごくわかりにくかったわ。
人形を撫でたあと、オビリビオンに向き直り、戦闘に。
まだ熟練していないから、役には立たないかもしれないけれど……
[クライミング][地形利用]を活かして、壁に伸びた木々を利用し、立体的に撹乱するわ
特に、蹄の一撃を受けないように
攻撃の振り終わり、他の猟兵を狙っている隙があったら、ユーベルコードでオビリビオン本体の弱体を狙うけれど……
もしも、召喚された植物人間が相当に強かったり、数が減らなくて厄介だったら、そっちを狙うわね
植物人間って血を流すのかしら?
もしそうなら、薪にするためによく血を抜かないとね
「呪い自体はオブリビオンは関係なかったのですね」
シュトフテア・ラルカが、抱えてきた人形を降ろしながら呟く。
「この子、閉じ込められていた様なものよね。お疲れ様」
その額をラナ・ドルカが指先でそっと撫でた。
「でも、すっごくわかりにくかったわ」
「多分だけどね。あの装置の事、ちゃんと理解してなかったんじゃないかな?」
そんなラナの一言を聞きながら、フランチェスカ・メリジオが口を開く。
「あれで人が来るかい? とボクも思ったけどね。本来は人を呼ぶ目的の装置じゃなかったのを、そうと知らずに使っていたのだとしたら?」
確かに、村人達の反応は迷宮に呼び込む為とは思えなかった。
祠を見つけた後に変化した言葉も、躊躇わせる為だったと取れなくもない。
フランチェスカの推測通り、本来の用途と違う使い方をしていたのなら。意図が判り辛かったのも、仕方がないのかもしれない。
「村人達の言語系に何の影響も残らなければいいんだけど。まずは、あいつだね。幻想的な角も体に生える木々も、なんだかいい錬金素材になりそうじゃないか!」
薄茶けた瞳に好奇心の色を混ぜて、フランチェスカがヒューレイオンを見上げる。
「神秘的とも見えなくはないですが、結構洒落にならないのですよ」
シュトフテアは、熱線銃と精霊銃を両手に構えた。
「まだ熟練していないけど……封じる事が、出来るかもしれないわ」
フランチェスカとは対象的に、あまり自信がなさそうにラナがそう告げる。
「だけど、植物人間が邪魔ね」
「そっちは私が何とかするのです」
「それならボクはこの高級回復ポーションで、回復に回るとしよう!」
言葉を交わすラナとシュトフテアに、フランチェスカが告げる。
「傷ついてもボクが何とかしよう。だから、存分にやってくれ! でも無駄遣いは勘弁してくれよ、高いからね!」
その言葉に、2人も頷いて。
「あなたの救援要請、確かに受け取ったのです」
シュトフテアはもう動かぬ人形を振り向き、そうぽつりと告げて駆け出した。
――そして、時はミサイルの爆煙が収まった頃に戻る。
「蜂の巣にしてやるのです」
シュトフテアが熱線銃と精霊銃を複製。18個の銃口全てを、念力でバラバラに操ってヒューレイオンも植物人間も囲むように配置する。
ツルベウチ――幾らかの時間差をつけて、あらゆる方向から熱と光が放たれる。
「あまり長くは保たないのですよ」
火力を集中させるよりも広げるように操りながら、シュトフテアは告げた。
「飲んでよし、塗ってよしだ! 遠慮せず使いたまえ!」
その間に、フランチェスカが高級回復ポーションを植物人間の攻撃を受けた2人に惜しみなくぶっ掛けていた。2人の傷が、あっと言う間に癒えていく。
そして、ラナの姿は壁の中腹にあった。
ヒューレイオンが植物人間を召喚するのに使った木々によって起伏が生まれた地形を利用し、手足でそれをよじ登っている。
「ここなら、蹄は届かないでしょう」
だが、その時。ラナが感じたのは敵性の視線。
いつの間に召喚されていたのか。半透明の妖精がラナを見ていた。
「見え難くても、数撃ちゃ当たるです」
シュトフテアの2回目のツルベウチが、半透明のものがいる空間を撃ち抜いた。残りの銃口で植物人間を撃ち抜き、さらに自身の両手の銃口をヒューレイオンで足元を狙い、牽制する。
闇雲に振り上げた蹄が、複製された銃器を蹴散らす。
「よくもがいて、血を流してね――爪牙爪」
タンッと壁を蹴って飛び出したラナが、空中で媒体召喚を発動。狼を模した巨大な頭部と、獣の左手と右手が虚空に現れた。
巨大な頭部が、ヒューレイオンの頭に蒼い角を覆う様に喰らい付き、左手と右手はそれぞれ、左右の前脚を掴んで握り締める。
「っ……まだ、足りないみたいね」
媒体召喚を継続させながら、ラナが声を上げた。
角と蹄を封じられ、半透明の妖精も撃ち抜かれていながら、ヒューレイオンはまだ倒れずにいた。とは言え、後一押し。残る体力を削りきれば、猟兵達の勝ちだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルイス・アケーディア
主人を失ってなお、孤独に抗い続けていたのか。
俺も似たような境遇だ、珍しく思うところはある。だが、感傷に浸っている余裕はなさそうだな。
……お前の遺志は受け取った。
迷宮を侵す異物は、俺が排除する。
真の姿を解放。
仲間が奴の動きを封じてくれているのならば僥倖。
ヒューレイオンのすぐ近くに誰かがいれば、避けろ、と一応声を掛けて。
プログラムド・ジェノサイドを発動し、両腕に搭載されたマシンガンで集中砲撃を行う。
●真の姿
マシンゴーレム。複数の機械パーツが浮かんで人型になる形で構成されている。
メルティア・サーゲイト
「足が止まったか、今だな」
左手をガトリングカノンに換装してダブルガトリングに。銃弾は焼夷弾をセット。
「森の守護者なら良く燃えるよな? CODE GENOCIDE、アクティブ!」
攻撃回数重視のガトリングカノンで一気に畳みかけに入る。右で掴まれた両脚に追撃を入れて破壊し、左で妖精と植物人間を一掃。
「終わりだ! 馬刺しにしてやるぜッ!」
潰し終わったらさらに、銃身が焼き付くのも構わず、むしろ使い潰す勢いで両腕のガトリングカノンの銃弾を本体に集中させて一気に仕留める
「主人を失ってなお、孤独に抗い続けていたのか」
ルイス・アケーディアの姿が、変わっていく。
下半身を覆っていた岩石状の外殻も再構成され、浮遊する幾つもの機械パーツによって構成された人型のマシンゴーレムに。
「……お前の遺志は受け取った。迷宮を侵す異物は、俺が排除する」
物言わぬモノとなった人形に告げる言葉を口にして、ルイスは滑るように前に出る。
ルイスも以前は、古代遺跡に住まい、オブリビオンの脅威を退け続けてきた。そこに深い理由はなかった。似たような境遇に、思う所はある。
「感傷に浸る余裕はないな――プログラムド・ジェノサイド、発動」
ルイスの両腕に、マシンガンの太い銃身が現れる。
「避けろ。撃ち始めたら、弾が尽きるまで俺にも止められねェ!」
他の猟兵達に告げて、ルイスは予め脳にインプットされていたプログラムの、最後のフェーズを実行した。
ダダダダダダダッ!
殆ど間断なく、銃声が立て続けに響く。銃火と硝煙が上がり続け、数え切れない程の弾丸がヒューレイオンを穿っていた。
ありったけを装填しただ撃ち続けるからこそ可能となる、超高速連続射撃。
ヒューレイオンの上げた悲鳴に、残りの植物人間――ヒューレイオンが封じられる前に召喚されていた――は、銃火を止めようとルイスに跳びかかる。
「CODE GENOCIDE――ガトリングアクティブ!」
だが、そこに新たな銃声が響いた。
メルティナの構えた中距離砲撃支援ガトリングカノンから放たれた焼夷弾が、植物人間を砕いて燃やしていく。
「森の守護者に植物人間なら良く燃えるよな? 馬刺しにしてやるぜッ!」
銃身が焼きついて赤くなっていくのも構わず、メルティナは使い潰す勢いでダブルガトリングを撃ち続ける。
奇しくも、2人のユーベルコードには同じ言葉が入っていた。
ジェノサイド。
殺戮、殲滅を意味する言葉。ただ敵を倒すためだけの力。
2人の連続射撃が終わりを告げた時、立っているのは猟兵だけだった。
ヒューレイオンの消滅を見届けた猟兵達は、それが突き破ってきた壁の向こうの探索を続け、程なく外から差し込んでいるような光を見つけた。
光に導かれるままに進むと、平原に出た。イルン村が遠くに見える。
村に立ち寄った猟兵達は、各自の言葉を取り戻した村人達に迎えられた。なお――あの村長は、前村長だったそうである。
大成功
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