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活きの良い壁にご用心!?

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 アルダワ魔法学園には様々な学園迷宮がある事はご存知であろう。
 迷宮によってギミックが異なっており、先を進もうとする者の行く手を阻んでいる。
 共通する点を敢えて見出すとすれば、それは学園から見たら地下に位置しているという事だ。
 空間の大きさにより差はあれど、端まで進んでいくと待ち受けるのは外壁である。
 場所によって用途は異なるものの、大広間でもない限りは内壁も複数ある事が多い。
 広義における壁は仕切りなどに使われており、存在しているだけで意味がある。
 そんな壁が己の役目を放棄してしまったのなら、一体どうなってしまうかというと……。

「ちょっとこれはタフさが求められるでしょう、そりゃもう色々な意味で」
 厄介なモノでも視えてしまったのか、戸辺・鈴海(味覚を求める来訪者・f00008)は怪訝な表情でふわふわと浮いている。
 焼きそばを頼んだら、そばめしがつゆの中に沈んでいた感じだと彼女は例えるが意味が通じた者はいないであろう。
「アルダワ魔法学園のとある迷宮の攻略をお願いします、トラップ重視の所なので道中に接敵する事は無いでしょう」
 説明をしながら簡単に内部構造について図解していく鈴海、ぱっと見た感じでは単純そうに見える。
「第1層はこうやって小部屋と通路が連続していて、第2層は四角いブロックで高低差が出来た立体迷路ですね。ボスもトラップに因んだ印象をうける相手の様です」
 何の変哲もない迷宮ではないかという反応の猟兵たちに、鈴海は取って付けるかの様に言い放つ。
「ただしどちらの階層も壁とかが常に動いて邪魔、というより判断を誤ると壁と仲良くなってしまいますから」
 ダイナミック過ぎるトラップに対して呆気に取られる者もいる中、更に詳しく説明を続けていく鈴海。
「第1層は分かれ道はありませんが、曲がり角が何ヵ所かあるので一気に進みにくい構造です。小部屋と通路は連動しておらず壁が動くタイミングが統一されてないのと、天井と床が動く場合もあるのに気を付ける必要がありますね。第2層は何個かのブロックが同時に移動して、進める場所が変わっていく仕組みになっています。ランダムに動いているみたいなので、闇雲に進むと退路がブロックで塞がってしまう事もあるかもしれません」
 何れもゆっくり進むのには適していないが、慌てて進むのも危ないので気を付ける必要があると補足していく。
 壁やブロックの動きを見極めながら、進行方向がどちら側なのかを探して進まないと危険性が高いらしい。
「それと弾力性が高い素材で出来ているみたいなので、破壊するには時間が足りなくて先に挟まってしまうのではないかと。ボスのいる場所にも同様のトラップがあると思いますので、戦闘中も気を付けてくださいね」
 最後にさらっと難しい要求を笑顔で告げてくる鈴海だが、これも彼女なりの発破のかけ方であろう。
 こうしてある意味では無機物との戦いとなる迷宮へと、猟兵たちは転送されるのであった。


銖梨
 注意)これはギャグシナリオです、シリアスの持続時間には限りが御座います。

 新世界で胸がときめく時期に、平常運転で久し振りの依頼です。
 壁がハッスルする依頼です、体当たり取材もびっくりの圧力が待っています。
 突破出来ないとぺっちゃんこにされます、基本的には次の章には復帰可能です。
 振りには出来るだけ応えていきますが、ダイスによっては良くも悪くもなり得ます。

 はっちゃけても全然問題有りませんので、どうぞ宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『プレッシャーウォール』

POW   :    力でこじ開けたり、走り抜ける。

SPD   :    とにかく素早く走り抜ける。

WIZ   :    身体強化したり、うまく通り抜ける方法を考える。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クロ・ネコノ
動く壁のトラップか…道中敵がいないのは楽で良いんだけど、嫌な予感しかしないよね。
[アンジェリカ(f11144)とセットでお願いします]
とりあえず私が先行するよ、アンジェはついてきて。
左右の壁はまだ大丈夫、これなら問題なく…え?!出口が埋もれていってる…!(小部屋の床が盛り上がり、通路への出口が閉じていく)
(出口まで走るがどうしようもなく、床と天井に挟まれる。床が降りてくると虎の敷物を横に伸ばしたような、不恰好な姿で床にへばり付いた2人がいた)

<アドリブ歓迎!>


アンジェリカ・ヘインズビー
お仕事です、頑張りましょう。
(クロ・ネコノさん(f06406)と一緒にして下さい)
“壁なんか”と仲良くする趣味はありません、気をつけて進みましょう。(クロさんの後を歩きながら)
…っ!クロさん天井が!(天井との距離が近づいてることに気付き、走る)

<結局間に合わず、天井と床の熱い抱擁を受ける。>
<壁と仲良くなることは無かったが、床とはべったりの仲になった。天井と床の抱擁を受ける度に、否応なくだらしない表情を浮かべた2人が床を占める面積が増してゆく、まるで2人で床を取り合うように>

【アドリブ・情け容赦の無いギャグ歓迎】



 迷宮の中を無機質な音が複数響き渡っている。
 音のほとんどが壁と壁がぶつかり合って鳴っており、何重にも聞こえる様に錯覚してしまう程だ。
「うーん、動く壁のトラップかぁ。これはこれで思ってたよりも難しいもんだね」
 軽やかな足取りで進むクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)だが、その言葉の歯切れはあまり良くない。
 確かに敵が居ない事は楽に進める要素ではあるが、逆に彼女にとっては嫌な予感を思わせるモノであった。
「『壁なんか』と仲良くする趣味は有りません。気を付けて進みましょう」
 アンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)が普段通りの様子で言った。
 先を進むクロとはぐれぬ様にタイミングを合わせており、しっかりと直ぐ後ろをついてきている。
 そして今まで通ってきた中でも広めの部屋に到達した、次の通路まで少し距離があるのが分かるだろう。
「此処も私が先行するよ、アンジェはついてきて」
「はい、分かりましたクロさん」
 壁の動きを注視しながら進む二人、しかしながらその判断が二人の反応を遅らせてしまう要因となる。
 不意に軽い地揺れの様な感触が襲う、その違和感に気付いた時には危機が迫っていたのだ。
「えぇ!?出口が埋もれていってる……!」
「……ッ!?クロさん、天井がっ……!」
 前に居たクロは先の通路が埋もれていっている光景、後ろに居たアンジェリカは近付いてくる天井が見えていた。
 左右確認ばかりに気を取られていたが為に、走り出すタイミングが明らかに遅く間に合わない。
 それでも見えなくなっていく出口へ向かって必死に走り、飛び込む様な体勢でにダイビングを試みる。
「あぁ、出口がっ…………べじゃっ」
「待ってっ。間に合っ…………でぼぉっ」
 二人の悲痛な叫びは途中で無理矢理シャットアウトされ、あえなく天井と床の間に挟み込まれてしまった。
 実は床と天井が同時に動いていたのだが、その点に気付く暇は恐らく無かったであろう。
 暫しの静寂の後に天井と床が元の位置へと戻っていく、そして潰されてしまった二人の姿が見えてきた。
 ベッドでうつ伏せに伸び伸びしてる時の如く投げ出された手足が、存在感を増す様に潰れて太くなっている。
 更に顔が出口方向ではなく天井を向いた状態となり、その姿はさながら動物の敷物の風体ではなかろうか。
「あが……がぁ…………」
「えべ……えべ…………」
 なんとも情けない声を上げながら、二人並んで床と仲良しな存在と化してしまった。
 しかしこの迷宮のトラップはセンサー式ではないが為に、更なる追撃が定期的に訪れてしまう。
 身動きが取れない状態となった二人は、床とも天井とも親睦を深めていく事となってしまうのだ。
 柔らかい部分を中心にどんどんと横に伸びて表面積を増やしていく身体。
 顔部分が最も顕著に潰れており、目も鼻も口も尋常でない程に横に伸びている。
 悲惨なレベルで間抜けな同じ顔が二つ並んでいるのだ、きっと元に戻るには時間を要するであろう。
 こうして暫くの間この部屋の模様同然の存在と化し、他の猟兵が通る際も気付かれずに踏まれていく二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネリー・マティス
うわーっ、すっごい動いてる!なんだか楽しそう!曲がり角に気をつけつつ、タイミングを見て走り抜けていこう!はさまれそうになったら【怪力】で強引にこじ開けていくよ!(アドリブ、コミカルなぺしゃんこぺらぺら大歓迎!)



「うわぁ、これすっごい楽しいよっ」
 迷宮の中に響く嬉しそうな少女の声とがっしりと走る音。
 ネリー・マティス(大きな少女・f15923)が駆けている、心の底から実に楽しそうだ。
 言動は年相応の少女だが、成人顔負けの鍛えられた身体を持つ彼女。
「おっとっと、曲がり角には気を付けなきゃ……ねっ」
 道の曲がり角では壁を三角飛びするかの如く蹴り上げて方向転換、スピードを殺さずに力技で駆け抜ける。
 壁の動くタイミングには、足踏みをして次の一歩を更に強く踏み出せるようにしていた。
 しかしそんな無邪気な少女にも、無機質な壁は加減をするという事は無い。
 少しタイミング悪く入った通路の壁が迫ってきていた、このままでは挟み込まれてしまうのだが……。
「よーし、強引にこじ開けていくよ!」
 なんとネリーは自慢の怪力で、壁に潰される事無く押さえつけたのだ。
 流石に壁を押し返すまではいかなかったが、通路を突破する時間を稼ぐ事に成功する。
「へっへーん、これ位なら朝飯前だよ」
 難関を突破した感覚に誇らしげに腰に手を当てて胸を張るネリー、しかしこれがまずかった。
 部屋の中で自分の後ろ側の壁が勢いよく動き、足を止めた彼女の身体を吹き飛ばす。
「わわーっ、えっ…………うぎゃ」
 反対側の壁に手をついたが刹那、先程自分を飛ばした壁にサンドされてしまう。
 腕立て伏せっぽい体勢で、少し驚いた様な顔で潰されてしまうネリー。
 顔が大きめに潰れたからか、多少頭身が低くなったようにも見えるのだはないだろうか。
 ぺらぺらとなったネリーの前には通路がまだ続いている、この身体でこのフロアを突破できるであろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

依神・零奈
楠瀬・亜夜(f03907)と同行


亜夜に付き合って来てみたけれど
……へぇ、こんな世界もあるんだね
たまには新しい物を探してみるってのも
悪くないかもね

……で、此処は壁の変動を利用した迷宮って所かな
簡潔故に対処が難しいって感じね
ならば発想を逆転させて敢えて対処をしない
恐らくこの類は対処に手間取れば手間取る程策に嵌る事になる筈
ただひたすらに前へ進むだけ

失敗すれば所謂ぺちゃんこ
知ってるよ、万歳がに股みたいな情けない恰好で
等身大ポスターみたいに薄っぺらく壁に張り付いちゃうんでしょ
……ま、私には関係ないけど。そんな運命はまだ見えてないから……
フラグ……?知らない、そんなの


楠瀬・亜夜
依神・零奈さん(f16925)同行

(SPD)
前回は散々な目にあった気もしますけど多分気のせいですね
サクッとダンジョンを攻略してしまいましょう
依神様の世界遊覧も兼ねて付き添って貰ったので
神様の神秘パワー的なのと私のカリスマパワーで
隙の無い二段構え、もはや無敵です

ふむ、これは壁の動きの予想や咄嗟の判断力が明暗を分けますね
壁が動き始めた場所へ移動するように心がけましょう
この方法ならば壁に挟まれる事はなくなる筈
後はそれを繰り返し出口を探ります

依神様も対策を取るとの事でしたが…
神様ですしきっと大丈夫でしょ
もし、依神様が潰されて薄っぺらくなってたら
壁から剥がして恩を売っておきます
これぞカリスマの鬼謀です



 こんな迷宮に物見遊山しにきたコンビが居た、グリモア猟兵の説明を一体どの様に解釈したのであろう。
「そういう訳で、蒸気機関や魔法が発達した世界なので迷宮も一筋縄ではいかないんです」
「へぇ、こんな世界もあるんだ……世の中は広いとは言ったもんだね」
 楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)からの説明を受けて、彼女なりの興味津々な反応を示す依神・零奈(忘れ去られた信仰・f16925)だ。
 零奈にとっては初めての場所である事を考慮し、カリスマ観光ガイドの如く学園迷宮について解説する亜夜。
(ふふっ。今回は私のカリスマパワーに加え、依神様の神秘パワー的なのもあって最早無敵ですね)
 神様である零奈を連れている事により、隙の無いパワーの二段構えという訳である。
「……で、此処は壁の変動を利用した迷宮って所かな」
「その通りです、ではサクッとダンジョンを攻略してしまいましょう」
 パワーとパワーの共演、その実力が披露される事への期待は祭典で注目されるが如くか。
 否、力と力というモノのは同じ向きを向いていないといけないのだ。
 この場合で言えば、二人の対策が全く持ってバラバラであったのが原因となる。
 更に言うとするなら、互いが互いの考えを一切認識しなかった為の悲運という事になるだろう。
「おっと」
「えっ、何してっ」
 壁の動きを予測していた亜夜は、歩みを速めたり緩めたりして動いていた。
 一方の零奈は予測が反応の遅れに繋がると判断し、ひたすらに前へと進んでいた。
 少しだけ進んだ通路前で、亜夜に零奈が真後ろからぶつかってしまったという訳である。
 つんのめりそうな所を零奈が亜夜の手を引き踏みとどまる、反射的に身体が動いたのだろう。
「あっ、これ間に…………あびゃ」
「こんな事し…………えぶぅ」
 体勢を整える暇さえもなく、向い合せのままで壁と壁の間に消えてゆく神とカリスマ。
 暫しの後見えてきたのは、なんとも見事なまでに潰れた状態で現れた二人の姿であった。
 挟まれる前に中腰の姿勢であっが為に、下半身が完全にがに股になっている。
 両腕は壁を受け止めようとしたのか、肘の曲がった力の無い万歳っぽい感じだ。
 そして二人の顔は正面衝突してしまったのだろう、同じだけブレイクしてしまっている。
「あぶ……あぶ……」
「ぶぇ……ぶぇ……」
 等身大ポスターというにはかなり不恰好な姿となってしまった二人。
 左右の壁に貼り付けている間は、トラップの洗礼をみっちりと時間をかけて仲良く受けさせられる事になるであろう。
 出来る事であれば、一緒に伸びていく間に意思疎通が取れる様になる事を祈るばかりである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【SPD】
話を聞く限り、第1層は分かれ道も無いし、曲がりくねっているだけの
迷宮としか思えないわね。

だったら、ここは単純に走り抜けたら良くないですかね?
下手に対策するよりも、時間勝負で行きましょうか。

鈴海さんは壁のタイミングを気にしてたみたいですが、
後ろはばっちり警戒しますから大丈夫。
挟まれるなんてこと無いですよ。メガネ壊れちゃうじゃないですか。

と、大変お気楽に考えてます。


考えなく、迷宮に臨む者に試練あれ。
(ギャグは大いにOKです)



 颯爽と駆け抜ける脚線美、止まらずに無駄なく進む姿は斯くも美しい。
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)はトラップを手玉に取るかの様に走り抜けていた。
「話に聞いた通り、曲がりくねっているだけの迷宮でしかないわね」
 攻略方法は単純明快、一気に走り抜けて踏破するのみだ。
 事前に聞いていた腹ペコフェアリーからの助言はなんのその、フロアの終わりを目掛けまっしぐらである。
 本来であれば先に出発した面々の様な障害が待つのだが、彼女の場合は運も味方していたのかもしれない。
「後ろもばっちり警戒すれば大丈夫ですし、これは楽勝でいけちゃうのでは」
 彼女にちらつく慢心という名の感情、それはフロアの終わりが見えてくると最高潮となっていた。
 壁には意思は無い、だがそれば意地と捉えても違和感は無いのかもしれない。
 最後の直線状の通路を駆け抜けた時、僅かばかりであるが左右の壁が摩那にかすった。
 摩那は身を捩って滑り込んで挟み込まれる事は無かった、しかしその代償として……
「ああああ!?わ、私のメガネがっ」
 自分の大事なメガネだけが犠牲となる結果となってしまった。
 この先はしっかりと見えるのだろうか、彼女を待つ更なる試練は如何なるモノであるのだろうか。
 勿論あなたは出直しても良いし、そのまま先に進んでも良いであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赤嶺・ふたば
*ヨーコさん、ミリアさんと同行
【WIZ判定希望】
まったく、2,3世代前のアクションゲームみたいな迷宮だなコレ
「自分はワープ出来るデバイスがあるのでコレを使って先行します」
タイミング見計らってデバイスでワープで先行して行い迷宮の構造を確認しながら進んでみよう
んっ?スイッチ?・・・うぎゃっ!
あれ・・・生きてる?でもなんか身体がおかしい・・・
あっ、これはヨーコさんの白馬だ
「すみませんありがとうございます。あの、ところで自分の身体はどうなっているのですか?」
(アドリブ、絡み歓迎です)(折り紙のようなペラペラな姿にされているイメージです)


ミリア・プレスティール
【ふたばさん、よーこさんと同行】
「タイミングを間違えるとアウトですね…」
潰されないように慎重に進むミリアだが相棒の手袋型UDC『ミトン』のいたずらによりタイミングをずらされ、折り紙の様に潰されてしまう。潰された後はヨーコさんの白馬に乗せられて次の層へ…
動物好きのミリアとしては結果オーライ?

※アドリブ、他の方との絡みOK


ヨーコ・ミナトノ
※ミリア・プレスティール、赤嶺・ふたばと同行
※アドリブ・連携歓迎
【SPD】
大きな旗が仇となって罠の突破に失敗したボクは巨大な力で折り畳まれながらも勇気を振り絞った。
「ボクとて王子様の端くれ、この程度の逆境で挫けるわけにはいかない!」
平面状態のまま気丈な台詞を言うことによりボク自身を含めたその場の全員を[鼓舞]する。
その後は[白馬の王子様]で召喚した愛馬の助けを借りて罠から脱出するよ。
テレポートできる彼女なら、ボクたち3人をその背中へ拾い上げて、既に罠を突破済みの猟兵の元へ一瞬で移動できるからね。
でも、こうしてペラペラの3人が馬の背で重なり合っていると、馬用の華麗な装飾みたいだな。



「自分はワープ出来るデバイスを使って先行します」
 赤嶺・ふたば(銃と魔法が好きな傭兵魔術師・f15765)は、所謂マッピングを目的として先に進んでいった。
 残されたミリア・プレスティール(守護霊持ちのいじられ女子・f16609)とヨーコ・ミナトノ(アリス適合者の王子様・f19715)は入口で待機はせず自分のペースで迷宮の攻略へ移る事となる。
「これって、タイミングを間違えるとアウトですよね……」
「そうみたいだね、これはボクの王子様としての力……ががっ」
 ヨーコが音速でフラグ回収してしまう、自慢の大きな旗が通路で引っ掛かってしまったのだ。
 これにはミリアも予想外である、いきなり一人にされてしまったのだ。
「うぅ……私だけでもしっかりしなきゃね、ミトン」
 手袋型UDCであるミトンにしっかりしている所を見せようと意気込むミリアであった。
 暫くは大人しくしていたミトンだが、こんな弄り甲斐のあるシチュエーションを相棒の手は我慢出来る筈もなく…………
「えっ、ちょっと早いってミト…………んぎぅ」
 タイミングをわざとズラされたミリアもあっけなく壁に挟まれてしまう。
 倒れそうな体勢であったが為か、手足を折り畳んだ四角に近い形になってしまった様である。
 文字通り手も足も出なくなった彼女が、その厚さをすっかり失った頃に救世主が現れた。
(あれはヨーコさんの白馬ではないでしょうか……)
(ふっ、王子様はこの程度ではへこたれないのさ)
 最速で潰されていたヨーコは、白馬の王子様で己を回収して此処まで進んできていたのだった。
 そして白馬の鞍の部分にはヨーコとは別にもう一枚乗っている、色合い的にふたばで間違いないであろう。
(くぅ、自分のした事が迂闊だったと反省します……)
 先に進んで迷宮の情報を集めようとしたふたばであったが、ある部屋にあるスイッチに気を取られてあっけなく潰されてしまったのだ。
 このフロアは1本道であり他のギミックは存在せず、スイッチはフェイクであったのだろう。
 白馬は頭で起用にミリアを回収し、ふたばとヨーコの間に挿し込むように自分の背中へと置く。
 三人とも別の場所で潰されたのだが、少し縦長の長方形の様な感じになっている。
 髪や服の違いで彩りに差はあるものの、共通して手や足は少し角ばった感じの模様に見えるだろうか。
 顔は輪郭を失ってのっぺりと伸びており、横に伸びた目やだらしなく開いた口が目立つ。
 明らかに滑稽な見た目になってしまったのだが、三人仲良しである事は少し微笑ましいのかもしれない。
(よーし、三人あつまったから一気に罠を脱出するよ!)
 ヨーコが白馬に出発を促すと、壁に挟まれる事も無く三人を連れてワープしていく。
 こうして結果的に同じ様にぺらぺらになった三人だが、何とか先に進む事が出来る様だ。
 次のフロアでは協力して進むのか、それともまた自分たちの個性を生かしていくのか。
 互いの体温を少し感じながら、それぞれで考える三人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
えーと……とにかく潰されないようにすれば良いって訳か。
――何時も潰す、潰す言ってるだけに、ミスったらきついな……色々と。
駆け抜けてしまおう。
……そうは言ったけど、ここまで動いてるとタイミング図るの難しいな。
迷わず、見切ったら一気にダッシュして突破しよう。
曲がり角に差し掛かったならスピードは落とさず、最悪壁を走る感じで行きたいね。
……ただこれ、動いてるだけあって毎度上手くいかないだろうし、そこを過信しないよう気を付けないとな。

どうしても不味い、って時にはUCだ。スローに見えるほどの加速で、より素早く駆け抜けるよ。
少し引っかかっても早業で抜けよう。何も無ければ普通に突破できる……筈。
※アドリブOK



 壁が絶え間なく動く迷宮を駆けながら、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は思案していた。
 とにかく見通しが悪い場所であり、先の先までは見えなくなっている構造となっているこのフロア。
 如何にミスをせずに突破するかが大事であり、一瞬の迷いが明暗を分けるという判断に間違いは無い。
(――ミスったら結構きついかな。何時も潰す、潰す言ってるだけに……ね)
 見える範囲の壁や天井でどの部分がどの様に動いているかを見ながら、フロッシュは自慢の脚力を以って駆け抜けていく。
 スピードを大きく緩めることなく、壁が動くタイミングに合わせる様にしてダッシュを繰り返す。
 これまでより少し広めの部屋に差し掛かかる折に、彼女は若干の違和感を覚える。
(えっと、この部屋の壁は動いてる様子がなかったんだけど……)
 歩を緩めれば通路に挟まってしまう事もあり、警戒しながらも部屋の中へと足を踏み入れる。
 するとどうだろう、侵入者を歓迎するかの様に左右の壁が一気に肉薄してきたではないか。
 どうやら動く頻度は少ないが一気に壁が動くタイプの部屋であろう、その為に目視では動いてない様に感じたのだ。
(――っ!?どうやら牙を剥いてきたって事か)
 二枚の壁はフロッシュの姿を確実に捉えんとしていたが、その姿はまるで残像かの如く消え失せる。
 廻砲『P・X』によって緊急加速した彼女は、あたかもそこに留まっているかの様な質量を残していたのだ。
 部屋の先には直ぐに曲がり角が存在している、左曲がりである事を視認したフロッシュは壁走りへ移ろうとした。
 ユーベルコードの名残もあって相当な速度で走っていたのもあり、スピードを落とさない判断自体は悪い事ではない。
 しかし通路の壁を蹴った際の違和感を感じると共に、その選択が最善では無かった事に気付かされる。
 フロッシュの足の裏から伝わってきたのはまるでトランポリンの感触、それは勿論移動を手助けするものではなく……。
「しまっ…………でぶぇ」
 横向きにジャンプするみたいになった彼女は、瞬く間に反対側から迫ってきた壁に顔から衝突する。
 程無くして壁と壁の間へ身体が縦向きのままで挟まれてしまう、そんな状態で潰されたフロッシュがどうなったかというと。
「む……むごぉ…………」
 左右からではなく上下から圧縮される形となったフロッシュは、少し歪んだ感じの円形と化してしまう。
 表面は顔と胸と腕が潰れ広がっており、裏面は尻や太ももがみっちりと詰まってひしめき合っている。
 特に顔面は壁にディープキスをかまして負けたかの様に、ぐにゃぐにゃに崩れてしまっているのが印象的か。
 しかし壁は休む事無く動き続けるが為に幾度も挟まれ続けていき、更にべったりと伸されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・零児
おい、ここの板材(壁、床、天井)どもアグレッシブすぎだろ!

とりあえず、板材の動きを危険感知しつつUCを連発しながら駆け抜ける(第六感・野生の勘・見切り・情報収集・咄嗟の一撃・2回攻撃・早業・ダッシュ・逃げ足・ジャンプ)

もちろん壁とかと仲良しになったやつらも回収だ
え?何だって?他の猟兵が『壁の中にいる』?
そんな猟兵も回収だ!(優しさ・失せ物探し・救助活動)

ん?進路と退路塞がれてプレスの危機?
そんなもんルルモードには通用しんぞ
壁とかの板材ごと次元をくり抜いて通過だおらぁ!(破壊工作)

俺は行く手を阻まれたり妨害されたりするのは嫌いなんだ
俺の歩みの邪魔する奴は何であれぶっ潰すぞ!(覚悟・気合い)



 猛然と迷宮を突き進んでいく一つの黒い影がある。
「おい、ここの板材どもアグレッシブすぎだろ!」
 無機物に対して文句というよりツッコミを入れていくのは、大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)である。
 彼は一定の速度で走りつつ、危ないと思うタイミングで異形『転移門』を使うという大胆な方法で駆け抜けていた。
 自分の感覚を研ぎ澄ませて進んでいくその姿は、アグレッシブなタイプのスポーツ選手の様だ。
「うし、こいつも回収してと……にしても壁と仲良しのやつ多過ぎだぞ!」
 道中で脱落していたぺらぺらの傭兵を助けながらすすんでいる、回収は丁寧に行っており実に紳士的な印象を受ける。
 対応力の高さにツッコミ力の高さ、これは迷宮の攻略に大いに役立つのではなかろうか。
 そんな零児を前後から挟み込かの様に、壁が迫ってくるのが見える。
 壁に意思はないのだが、ある意味ではこれも意地と捉えても間違いではないかもしれない。
「はっはっは、そんなもん俺には通用せんぞ!」
 異形『転移門』の力により進行方向の壁よりも更に先に進んでいった、強引な手段だが分かり易い対処だろう。
 しかしそんな零児にちょっとした不運が襲いかかる、移動した先の壁の角に足の小指を強打したのだ。
 転移先の移動方向が分からないからこその事故ではあるのだが、地味ながら凄く痛いやつである。
 涙目になりそうになるのを堪えつつ、零児はこのフロアを踏破していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水瀬・美鳥
「えーっと...どう動いても挟まれる気しかしないです...」
美鳥はもう挟まれる覚悟で急ぎつつかつ慎重に進みます。
おそらくかなりの回数ぺちゃんこになりますが、もちもち体質で自力で戻れるので多少は大丈夫
ですが、潰されすぎると体力が追いつかなくなります
もちもちですので、運が悪かったら壁に張り付いちゃうなんてこともありえるかもしれないです(ダイス運に任せたい)

(アドリブや何回もぺちゃんこになってしまう演出など大歓迎です)



 素早く駆け抜ける事を重点に置く猟兵が多い中、水瀬・美鳥(もちもち支援魔法少女・f15711)は彼女なりな逆転の発想で迷宮を進んでいた。
 それは避けられないのであれば、挟まれながら進めば良いという選択である。
 何事も経験がモノを言うという事ではあるが、それは罠を突破する点においては当たる前提では成長する事はほぼないであろう。
「ふにゅっ……どう動いても挟まれてしまいます……」
 ぺっちゃんこにされた身体を、軟体質変化の力で瞬く間に元の状態へと戻しては歩を進めてゆく。
 慎重に急ぐというちぐはぐさによって、余計に挟まれやすくなってしまっていた。
 潰れる、戻る、進む、そしてまた潰されるのを繰り返しているものだから中々先へと進んでいかない。
「はぁ……はぁっ……まだ、続くんですか」
 顔を赤らめながら息を荒くして、薄くなった状態から復帰する美鳥。
 何度も元に戻る事を繰り返す事により、彼女にはかなりの疲れが溜っていたのだ。
 しかし進んでいる以外の時間が結構長く、明らかにまだ先に部屋と通路があるのが見て取れる。
 体力が持つ間に早く進もうと、挟まれる覚悟で目の前の小さな部屋へと入ったのだが……。
「また狭い部屋……うぎゅっ」
 これまでで一番小さな部屋を見渡す時間も無く、勢い良く迫ってきた壁に美鳥はすぐさまに潰されてしまう。
 ほとんどまともに反応出来なかったのか、歩こうとする体勢のままでぺっちゃんこにされていた。
 元に戻ろうとする彼女であったが、その身体が厚みを取り戻そうとするよりも先に壁がまた迫っているではないか。
「……んぐっ……ぐへっ…………」
 極めて短い間隔で壁が激しく動く小部屋であり、本来であれば一気に飛び越えるか素早く駆け抜ける場所である。
 被弾覚悟の美鳥にとっては、最も相性が悪いタイプの部屋であった事は間違いないだろう。
「……むっ……ぎゅ…………」
 退避しようとしても厚みを取り戻す前にまた潰されて、余計にむっちりと潰れ広がっていってしまう。
 それでもほんの僅かずつでも進めば、この小さい部屋であれば突破する事は可能だと思い元に戻ろうとする。
 しかしその方法で実際に部屋を抜けるまでには、まだまだぺっちゃんこにされ続けるしかない。
 覚悟というよりは本能的に潰され続けながら、じわりじわりとこの部屋の突破を図る美鳥であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜月・クリスタ
アルダワってこういうダンジョンばかりな印象…。まぁいいや。以前にも増した僕の実力があれば、潰される訳ないよ!(フラグ)

道中は壁や天井・床の動きを【見切り】、行けそうと判断したら【レガリアスシューズ・怪盗仕様】を起動。【ダッシュ】【スライディング】【ジャンプ】で突破して行くよ。

曲がり角付近ではシューズの機構をこまめにON・OFFし、グリップを効かせスピードを殺さずに曲がる事を意識する。

…グリップを効かせすぎたせいで足に負担が掛かっていたらしく、天井が降りてくるエリアで足をくじいた僕。

以前体を潰された事を思い出し、あんな姿になりたくないと涙を流すもくじいた足は動いてくれない。天井が、暗闇が迫る…。



「アルダワってなんでこういうダンジョンばかりなんだろ……まぁいいや」
 溜息混じりな感想を漏らす夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)は、作動する壁や天井の位置や速さを見切りながら走り抜けてゆく。
 学園迷宮には数多な種類があるのにも関わらず、こういった印象を受けるというのは彼女が出会ってきた迷宮がかなり偏っているのではないだろうか。
 それは偶然かそれとも必然なのかは分からないのだが、何かしらの運命的な出会いと解釈すれば面白いかもしれない。
「この程度の単純な迷宮、僕の実力があれば潰される訳がないよ!」
 自信満々にレガリアスシューズ・怪盗仕様を起動させ、一気にスピードを上げるクリスタ。
 目視できる範囲を最速のタイミングで駆け抜け、更なる加速が必要な場所では地面を蹴ってジャンプする様にして距離を稼ぐ。
 曲がり角でも減速しない様に、シューズの機構を駆使して直角に近い角度を最低限の摩擦で曲がっていく。
 その完璧ともいえる曲芸的な走りであったのだが、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいた。
「よし、次は天井が動いてる部屋……っ!?」
 クリスタは凹凸も無い部屋の中で、突如前のめりに崩れる様にして転んでしまっていたのだ。
 実は曲がり角でのシューズの動きが足首周りへの負荷が非常に大きく、何度か繰り返した事によって足を挫いてしまったのだろう。
 加速していた状態であったのもあり、片脚は麻痺をしたかの如く動いてくれなくなってしまった。
 そんな彼女を天井が待ってくれる事なんて無い、決められた動きを繰り返しているだけなのだから。
「やっ、やだ。あんな姿…………にぎゅ」
 ボールの下敷きになった時の事がフラッシュバックし、涙目になって部屋の先へ這う様にして手を伸ばすも現実は非情である。
 あえなく天井に押し潰されてしまうクリスタだが、今回はこれで終わりという訳にはいかない。
 このフロアの壁や天井は動き続けている、つまり部屋の中で潰れて動けない彼女を待っているのは天井との再会だ。
「ぎぅ……ぎち…………」
 幾度となくも潰されていってスタイルの良い身体が、のっぺりと情けない形へと変わっていく。
 泣きそうになっていた顔も横に伸びてだらしなく崩れていき、笑っているのか泣いているのか分からない表情と化してしまう。
 ある意味ではモノ以下の扱いをされてしまう彼女の意識も、混濁とした闇の中へと吸い込まれていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『巨大ブロックの動く立体迷宮』

POW   :    しらみつぶしに行ける場所へ進む

SPD   :    速さに任せて開いている場所を進む

WIZ   :    行けそうな場所を推測しつつ進む

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 これまでを壁や天井が動く場所とするならば、此処からはフロア自体が動くとでも言うのだろうか。
 大きな黒曜色のブロックが積まれた迷宮が、猟兵たちの目の前で文字通り動いているのだ。
 ブロックの動きには規則性は無く、目の前の空間の広さも一定を保っている感じではないと分かる。
 何の考えも無しに進もうとするならば、ブロックの間に挟まれてしまう可能性は高いであろう。
 またこれまでと違って高低差がある事も気を付けなくてはならない、判断力も大事な要素となりそうだ。
大神・零児
第六感・野生の勘でブロックの動きと空間の移り変わりを空間全体を見るように情報収集・聞き耳で読み取り、未来位置を予測し、進行方向を見切りながら行く
スタートは力溜めからのダッシュで助走し地面を踏みつけ運動エネルギーのベクトルを念動力も用いて操作し目標へ向けてジャンプ
自分が飛び移りよじ登れる高低差ならば先の要領でジャンプし怪力クライミングでよじ登る

また、移り変わる地形の利用により立体的に跳びまわり、まるで水泳の如く念動力を用いて空気を掴んだり蹴ったりしながら進む

潰される危険や落下、辿り着けないと判断した場合はUCでスタート位置まで戻り学習力により情報を整理しやり直す

「あ」(手が滑ったor足が滑った)



 動く壁の次は動くブロック、迷宮としての躍動感の高さにも大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は冷静に分析を行っていく。
「ふむ、進む先がどちらか分からないのであれば……」
 アスレチックの様相が増してきた事を肌に感じつつ、零児は見える範囲で最大限進める先を見極めんと観察する。
 そして進む方向を決めると同時に力強く駆けだしてゆく、見据えるは丁度階段状に積まれた状態となったブロックの先だ。
 途中まではダッシュの勢いで一気に駆け上がり、最後の一段には手をかけてよじ登る様にしてみる。
 最初の場所よりかなり高い場所である事もあってか、後ろを振り向けばブロックの動きがより鮮明に見て取れた。
「この向こうはどうやら行き止まりか……」
 空間の先にはブロックが敷き詰まっているのを見に行った零時の背面から迫るブロックを、異形『転移門』の力により初期地点へと転移して回避する。
 こうして零児は素早く先に進んで詰みと判断しては帰還する事により、空間の広さと進行方向の目星を付けていく。
 横に狭い場所であればブロックの動きに先手を取られぬ事を意識し、高さも自在に調整出来る様に左右のブロックを壁の様に蹴って移動していった。
 身体も頭もフル稼働しながら何度も繰り返し挑む彼の姿は、まるで初見のアクションゲームで最適解を見出そうと全力を注ぐ者の如き熱意であろうか。
 しかしこれは現実でありゲームと違って残機がある訳ではない、己の身体一つで攻略する必要があるのだ。
 動き回るブロックの中を素早く移動しながらも空間を把握していきつつ、尚且つ回避も行わなければならないのは相当のパワーが要る。
「よし大体分かってきただろう、後はタイミングがあるまで……っ!?」
 不測の事態を計算に入れていない訳ではなかった、しかしそれはあくまでもブロックに対する対処を意識しての事。
 だからこそ自らが不意に足を滑らせるというアクシデントに対しては、僅かではあるが反応が遅れてしまう。
「むごぉ……ぐぅ…………」
 零児はまさに隙間が埋まろうとしていたブロックへダイビングをしてしまい、転移をする暇もなく上半身から尻の辺りまでを豪快に挟まれてしまった。
 その姿はかくれんぼで脚だけがっつり丸見えの子の様な、かなり滑稽に見えてしまう姿である。
 先程のフロアで小指を強打したのがフラグであったのだろうか、それとも何度も迷宮を行き来した疲労からかは分からない。
 暫くはブロックに挟まったままであろう事を察してか、チカチカとする思考の中で零児はぼんやりと考えていた。
 そしてもう少し進めばフロアの終わりと認識している彼は、後は動けずとも流れ着くだろうと身を任せるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
結局潰された……!い、いや、ここからだ!
今度は高低差があるし、速さだけでもダメか。元々の速力とUCによる三次元軌道で対応しよう。

見切りに時間はかけない、一つ一つ早業で判断して切り抜けていくよ。普段は残像をのこす為に使うこの脚力を全てダッシュやジャンプ……そしてUCに集中。
視界の端に映っているブロックも見逃さず、絶えず情報収集してアクロバティックに行こう。
パルクールみたく全身を使わないと、やばそうだし。

いざとなったら衝撃波の自爆で強引に抜けたい所。不測の事態に備え、野生の勘を研ぎ澄ませていこう。
よしここで自爆――っていきなり下から……あべっ!ちょ、この場所不味……まままってまって!?

※アドリブ可



「け、結局潰された……!い、いや、ここからだ!」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は自らの頬を叩いて叱咤激励する、やられてばかりでは彼女のプライドが許さないのだ。
 気を取り直して進まなければならない、冷静さを失ったままでは思う壺であるのだから。
 気合を入れ直したフロッシュは一気に駆け出していく、その加速力の前にはブロックの動きも緩慢に見えるだろう。
 立体迷路となっている場所であるが為に、彼女は速さだけではなく立体軌道にもしっかりと意識を割いていく。
 進行方向の選定、足を踏み出す位置、ブロックへの対処を同時に演算して無駄のない動きを披露する。
 正面のブロックばかりを使うのではなく、左右のブロックから空中ジャンプも織り交ぜていく。
 その優雅な姿は別の世界であればパフォーマンス枠で大いに盛り上がるレベルの域ではなかろうか。
「よっと、この先はちょっと狭い空間みたいだね」
 高所からの落下を片手をついてから前回りして、直ぐに再加速をして先へと走り出すフロッシュ。
 彼女が着地した地点には既にブロックで埋まっていた、判断力の速さが功を奏しているのであろう。
 空間が狭くなっていると回避と索敵の難度は上がる訳だが、動けるブロックも限られると冷静に対処していく。
 そんな彼女の正面側にあるブロックがタイミング悪く動き出す、今のままでは間に合わない状況である。
「うん、これは強引にいくしかなさそう……」
 フロッシュは自らの身体を衝撃波の自爆により横方向に弾き飛ばして回避する。
 間一髪で横を過ぎていくブロックを見つつほっと一息つこうとした彼女を、別のブロックがダイレクトキャッチした。
「あべっ!え、え、下からいきなりっ」
 丁度上方向に移動するブロックに激突したまま運ばれるフロッシュ、しかも四方が完全に埋まっている。
「ちょ、この場所不味……まままってまっ……でぇ!?」
 その先は勿論行き止まりであり、彼女はあえなく挟まれてしまう。
 ブロックは容赦なく動いていき、ズレたり再度潰されていく度にどんどん面積を増やしていく。
「が……ががぁ…………」
 仕舞いには先程よりも数倍の面積となってしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネリー・マティス
(体全体をふにゃふにゃゆらしながら、ペラペラのままひょこひょこ歩いてくるネリー)
んうーーー!!!(力を入れてぽよんっと元に戻る)
ぺしゃんこになりながらも突破してきたよー!
立体的なでっかいブロック!ダイナミックですごいね!
どしどし走ってガシガシ筋力で登って勢いのまま進んでいくよ!ぺしゃんこになって遅れた分、はやく進もう!うおーーー!!!
(闇雲に進むと危ないと言われたのを忘れているようだ……潰されたら体が大きな分ブロック一面を覆う四角いぺしゃんこになってしまうかもしれない)



 潰されて薄っぺらくなった身体のままで、ネリー・マティス(大きな少女・f15923)がひらひらひょこひょこと歩いている。
 挟まれた時の体勢のおかげいうべきなのか、なんとも器用にぺらぺらの身体のままで行動していたのだ。
 しかし流石に走れないのは宜しくないと思ったのか、立ち止まり右手の親指を唇に当てたポーズを取った。
「んうーーー!!!」
 小気味良い音と共に身体の厚みを取り戻したネリーは、拳を力強く合わせつつ目の前のブロック迷宮を改めて眺める。
 黒く大きなブロックが一面中に広がって積み上がった光景は、彼女のテンションを上げるのには十分であった。
「うんうん!立体的なでっかいブロック、ダイナミックで凄いね!!」
 耳で聞くだけなら無邪気な少女の感想であるが、身振り手振りは完全にテンションが上がったアスリートのモノだ。
 その場で軽く跳ねる様に動いたネリーは、大きなストライドで勢い良く飛び出していく。
 力強くジャンプして数段先のブロックの壁へとへばりつく様に取り付き、筋力任せによじ登っていくという力業を見せ付ける。
 先程のフロアで後れを取った分を取り返そうという気持ちからか、まさに猪突猛進に勢いをつけまくっていった。
 だが先程と違って一本道ではない場所で、ひたすら進むだけでは壁に行きついてしまうだけである。
 迷宮内であるからブロックが無限にある訳ではないのは当然なのだが、闇雲に進んだが為に迷路で行き止まりに来てしまった様な状態に陥ってしまった。
「あれれ、もう進めないよー?どうしよう!」
 壁を押しても何も起こらないので引き返すしかなくなったネリーだが、そんな甘い考えをブロックは考慮してくれる訳も無い。
 進んできた方向から勢い良くブロックが飛んできており、既に彼女の所へと迫っていたのである。
「仕方ないねっ、じゃ……ばぁ……!?」
 振り返って走ろうとした瞬間にブロックに衝突する形となり、手足を投げ出した様な体勢で壁とブロックの間で潰されてしまった。
 そしてブロック側に貼り付いた状態となったネリーは、壁との間に挟まれたままで移動する羽目となる。
「ばべ……んぇ…………」
 身体が大きい彼女は物理的な意味で伸びしろが大きいのか、段々と身体の輪郭が人型を失っていくではないか。
 全身がデフォルメを越えて膨張したかのようにブロックの一面を敷き詰める様に伸びてしまった。
 顔も複数方向から引き延ばされてしまい大変な事となっているが、ブロックに引っ付いた間は見えないので一応セーフだろう。
 こうしてブロックの動きに身を任せる形となってしまったネリーは、出口へとたどり着くまでにどの位挟まれているのであろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【WIZ】
前のダンジョンでスマートグラスを壊したのは痛すぎます。
あれ高いのに……。
修理代のことを考えると頭が痛いです。

予備の眼鏡はあるので、それを掛けて、
次のダンジョンに臨みます。

今度は巨大なブロック積みですか。
ブロックに乗れば、歩かなくていいのは楽だけど、どこに行くのか
分からないのは困りますね。
空気の動きで出口の場所を探してみます。
入り口と出口があれば空気が通りますから、その流れに沿ってみます。

動くブロックは【第六感】で回避したり、
ヨーヨーのワイヤーを絡めて登ったりします。

予備まで壊れたら、歩けなくなっちゃうので慎重に越えようとします。



 新たなギミックの前にして難しい顔をしている猟兵の姿が一人、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)である。
 攻略方法を悩んでいるのかといえばそうではない、要因は先程のフロアでスマートグラスが壊れた事にあった。
 愛用のメガネが壊れるのは勿論悲しい事だが、それ以上に高性能であるが為に修理費が馬鹿にならないのだ。
 帰った後に修理する時の事を考えれば、頭を抱えたくなる気持ちになるのも当然なのかもしれない。
「……予備の眼鏡はありますし、気を取り直して挑みますか」
 これまでの面々とは違い、摩那は慎重に足を進めながらブロックの動きを観察していく。
 不規則な動きをしているブロックだが、入り口が移動していないのであれば出口も動いていない筈。
 ならば入口と出口の間は空気が循環するという点から、進む先を導こうとするも中々思う様にいかない。
 何故ならばブロックが常に動いている空間であるが為に空気のうねりが起きていたり、一時的に道がふさがってしまっているからであった。
 通常の迷宮では有効な手段かもしれないが、アグレッシブさに富んだこの場所ではあまりにも効果が薄かったのだ。
「中々骨のある相手ですけど、私も簡単に諦める訳にはいきませんっ……!」
 意図せず迷宮との知恵比べをする形となってしまう摩那であるが、簡単にやられる訳にはいかない。
 死角から現れたブロックを持ち前の第六感で回避すると、過ぎ去ったブロックの物とは違う空気の流れを感じた。
 かなり時間を要してしまったがようやく尻尾を掴んだのだ、進む方向さえ分かればなんて事は無い。
 ブロックの昇り降りをしながら進んでいく摩那の前に、出口らしき空間が見えてくるのが分かる。
 しかし出口周辺の複数のブロックが動き出して隙間を埋めていく、このまま飛び込めば何とか間に合うタイミングだろうか。
 摩那に強烈なデジャヴが襲いかかる、ついさっきも同じ様な事になっていなかったかと。
 結果的にどんな結果が待ち受けていたのかと、だからこそ慎重に此処まで進んできたのだと。
 しかし後方も塞がっているタイミングでやり直しは効かない、先に進むしかない状況であった。
「こうなれば、こうす……ぐりゅ!?」
 ブロックに潰される摩那の声が聞こえた直後、カランとした音が鳴る。
 眼鏡だけワイヤーで飛ばして出口に投げたのだ、眼鏡は無事であるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンジェリカ・ヘインズビー
…酷い目に遭いました。
(クロ・ネコノさん(f06406)と一緒にして下さい)
(先程の事もあり足早に移動する)さっさと進みましょう、何度も同じ目に合うのは嫌です。
<挟まれそうな状況になると軟化薬をブロックに投げ、柔らかくする事で破壊を試みる為、ブロックを軟化薬濡れにしてしまう>

【アドリブ・容赦の無いギャグ歓迎】


クロ・ネコノ
今度はブロックかい、今度は遅れないように早めに行動する様にしようか。
[アンジェリカ(f11144)とセットでお願いします]
多少の高低差なら【ゴム体質】の体を伸ばしてなんとかなるだろうし、さっきみたいな事にならないようにどんどん進んでいこう。
…にしてもこう黒いブロックばっかりだと進めてるのか心配になるね、なにか模様でもあったら目印になるんだけどなぁ。

<アドリブ歓迎!>



「いやぁ、さっきはまいったねぇ」
「うぅ……酷い目に遭いました」
 なんとかして次のフロアへ辿り着いたクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)とアンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)。
 潰された感覚の余韻が残る二人だがへこたれたままではいられない、今度はブロック地帯を突破しなければならないのだ。
「さっさと進みましょう、何度も同じ目に合うのは嫌です……」
「そうだね、今度は遅れない様に早めに行動するとしようか」
 先程の二の舞を踏まない為に足早に先へと進もうとする二人、クロのゴム体質があるので高低差も難なく対処する事が可能だ。
 大きな山状になったブロックを越えた先に、より奥へと進めそうな空間を見つけて素早く駆けこんでいく二人。
「左右にブロックが敷き詰まってて薄暗いです……」
「うんうん、黒いブロックばっかりだと進めてるのか心配になるね。何かしら模様でもあったら目印になるんだけどなぁ」
 手早く攻略しようと進む彼女たちの心をまるで嘲笑うかの様に、その先は行き止まりとなっていた。
 突き当りは上下左右共にブロックで埋まっており、一度引き返す必要があるだろう。
 しかし引き返そうとする二人の視界は先程より薄暗い、その意味を理解するのにあまり時間はかからなかった。
「まずいよ、ブロックがこっち来てるみたいっ」
「い、嫌……こっちこないでください……!」
 アンジェリカが迫ってくるブロック目掛けて軟化薬を投げ込む、全ての薬が命中してブロックの一面へと広がっていく。
 だが二人がブロックを破壊するだけの時間をかけるだけの空間が圧倒的に足りない、攻撃態勢に入ろうとする前にブロックの熱い抱擁を受ける事となる。
「んぼぉ……こ、この…………めぢゃっ!?」
「ひぶぅ……まっ…………でげべぇ!?」
 ブロックに運搬されていった二人はそのまま、突き当りのブロックへと叩きつけられる様にして挟まれてしまった。
 軟化薬が正面のブロック越しに身体に染みこんでしまっていたが為に、衝突した途端にはじけ飛ぶ勢いで一気に全身が潰れ広がってしまう。
 その姿は二人の色をした絵の具を引き延ばしたかの如き勢いであり、二種類の模様が壁に描かれているだけと言われても信じてしまうかもしれない。
 目も口もでたらめな形にまで歪んでおり、どんな表情をして潰されたかはおろか元の可愛らしい顔の面影すら見当たらない惨状である。
 完膚なきまでに潰された状態となった二人は、ブロックが出口まで進む時までそのまま共にする事になるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

依神・零奈
楠瀬・亜夜と同行する

(WIZ)
……酷い目にあった
なんだっけ……カトゥーン?あんな感じにされるなんて
思ってなかった……ま、いいや、さっさと進んでしまおう
今度はちゃんと亜夜と行動しよう、さっきみたいな事になりたくないし

ブロックの動きを見ながら進んだ方が良さそうだね
ブロックが迫り始めた場所から離れて、ブロックが開けた先へと
進んでいくのが安全そうかな
1人で全方向を警戒するのは逆に危なさそうだし
私が上下を亜夜が左右って感じで分担していく事にしよう
高低差がある場所は強力して素早く進む……って感じでね

……ま、これだけやっとけば大丈夫でしょ
……多分


楠瀬・亜夜
依神・零奈さんと同行

とんでもない目に遭わされました……!
カリスマにこんな酷い仕打ちが許されるのでしょうか!
否!許されません!っと、冷静に冷静に……クールに事を進めてこそ
カリスマです。依神様と打ち合わせしつつ確実に華麗に進んで
行かねばなりませんね。

という訳で依神様の作戦通り、ブロックの動きを読みつつ進んでいく
事にしましょう、迫るブロックから離れて、開いていくブロックの方へ
進んでいく作戦ですね、上下の警戒は依神様に任せて私は左右の警戒を
怠らないようにしましょう。

冷静沈着に進んでいけば事故なんて起こりえませんね
カトゥーンよろしく左右の壁に挟まれてぺちゃんこでヒラヒラで
飛ばされるなんて事はありえません



「……酷い目にあった」
「ええ、とんでもない目に遭わされました……!」
 迷宮による手厚い歓迎を受ける事となった、依神・零奈(忘れ去られた信仰・f16925)と楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)の二人。
 零奈にとっては思ってもいない場所でのこの扱いに対して、どうやら少し想定外であった様だ。
 一方の亜夜は無様極まりない仕打ちに対して憤りたい所であったが、持ち前のカリスマパワーで冷静さをキープする。
 初見の場所を確実に先へと進んでいくには、行動指針を練り合わせておく必要があると痛感した二人。
「……だからブロックの動きを見ながら進むのが良さそうだね」
「分かりました、依神様の作戦通りに進んでいく事としましょう」
 二人はブロックの動きにより進めなくなる場所があると同時に、新たに進める空間が出来る事に注目した様だ。
 ブロックの動きは不規則ではあるが何れかの面の方向にしか進んでおらず、途中で戻っていく等のフェイント動作も無い点に目を付けた作戦である。
 次々と迷宮の形を変えていくのが特徴であるが為に、同じブロックばかり動く事が無いという判断は正しい。
 だが高低差がかなりあって段差の多いブロック群の中はかなり視界が悪い、近くで突然動き出したブロックへの対処も大事である。
 そこで零奈は上下方向、亜夜は左右方向を重点的に警戒するという役割分担を以って対処しようとしていた。
 複数の視点をカバーしなければならないというのは問題の無い行動なのだが、立体迷宮は三次元軸での警戒が必要だという意識を忘れてはならない。
 上下左右を警戒していると言っても前を見ていない訳ではない、しかし重点警戒する方向を決めてしまったが為に真後ろが手薄であった。
「しまっ……はや…………」
「このっ……とに…………」
 高所からの着地した瞬間という、これでもかという不運なタイミングで真後ろのブロックの移動に巻き込まれてしまう神とカリスマ。
 丁度山と山の谷間の様になっている場所であったが為に、正面のブロックとの距離も非常に近いというある意味では完璧な状況である。
 あまりもの運の悪さにカリスマパワーもドン引きするレベルであろう、だが運命とは時に残酷なモノであるのだ。
「くっ…………べげぇ!?」
「まっ…………でぼぉ!?」
 情けない声と共にブロックに挟まれて潰されてしまう二人は、着地直後だったので先程よりも酷い体勢でぺっちゃんことなってしまう。
 脚はガニ股よりもある意味恥ずかしい開脚した状態で、両手を力なく万歳したみたいなポーズで固定されてしまったのだ。
 その顔からは威厳や凛々しさはログアウトしており、あべこべな方向を向いた目やだらしなく舌が出た口が並んでいる。
 短距離で潰されたからかブロックに長く貼り付いている事も無く、ひらりひらりと宙を舞っていく零奈と亜夜の二人。
 川を流れる笹の葉の様に気ままに漂っていく二枚は、ゴールに辿り付くまでに後何回潰されてその姿を歪めていくのであろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨーコ・ミナトノ
※ミリア・プレスティールと同行
※アドリブ・絡み歓迎
SPD
「さあ、こちらへ! 勢いに任せて進むのもたまには良いものさ」
自信たっぷりにミリアさんのエスコート役を買って出たはずだったのだけど、またやらかしてしまった。
今度は四方を壁に囲まれてしまったようだ。
そればかりか新たなブロックが上方向から高速で迫ってきている。
かくしてボクらは薄く真四角の、例えるなら紙状に成型されてしまった。
長方形なのか正方形なのか、それはわからない。
何しろここには鏡が無いからね。
やあ、キミはミリアさんの親友のミトンくんじゃないか。
ボクたちは今とても困っているんだ。
良かったら手を貸してくれ……うわっ何をする!?


ミリア・プレスティール
ヨーコさんと同行

「不安なので手を繋いでも…いいですか?」
新たなフロアにたどり着いたミリアは不安を紛らわすためにヨーコさんの近付き、そばに寄ろうとする。しばらく奥に進むと行き止まりに差し掛かってしまう。引き返そうと後ろを振り返ると、
「道がブロックに塞がれてっ…囲まれました!」
そこに上から落ちてきたブロックにヨーコさんと一緒に潰される。何度も潰されるうちにヨーコさんと一枚の紙になるまで引き伸ばされてしまう。身動きが取れなくなったところを『ミトン』が現れ、紙になった二人を折りたたんでいき、紙飛行機にして飛ばされていく。

※アドリブ、他の方との絡みOK



「不安なので手を繋いでも……良いですか?」
「勿論宜しいですとも。さあ、こちらへ!」
 自信の持てないミリア・プレスティール(守護霊持ちのいじられ女子・f16609)に対して、元気付けるかの様に力強く手を差し出すヨーコ・ミナトノ(アリス適合者の王子様・f19715)。
 待ち受けるブロックの脅威にも二人で立ち向かえば幾分か怖くない、ヨーコの王子様たるエスコート力によりミリア気分も徐々に落ち着いていく。
「あ、あの……もう少しそばに行っても……」
「しまったっ、こっちは行き止まりじゃないか!」
 メルヘンチックな展開へと発展しそうな雰囲気は、ブロックに進行を妨害される事によってブレイクされてしまう。
 実は勢い任せに進んでいたので、行き止まりに出くわす事を考慮していなかったのだ。
 しかも戻ろうと振り返った時には、来た道が横からのブロックで丁度埋まるのが見えた後であった。
 薄暗いブロックで前後左右を囲まれた二人、誰が見ても絶体絶命のピンチというやつだろう。
「道がブロックに塞がれてっ……囲まれました!」
「またやらかしてしまったなぁ……これは格好悪いね」
 なす術も無くわたわたするミリアの手を握っておく事で、なんとか安心させようと気丈に振る舞おうとするヨーコであったが現実は非情である。
 そんな二人の元へ真上のブロックが勢いよく落ちてくるが、視界不良な状況で上を見る間もある訳はなく……。
「めぢょっ…………!?」
「ばぎゅぅ…………!?」
 小気味良い音を上げるかの様な声と共に、二人の姿は一気に原型を失うレベルにぺっちゃんことなった。
 あまりにも強く潰されたからか、ヨーコとミリアは足元のブロックをおおよそ半々に分ける形に潰れ広がっていた。
 その姿は傍から見れば模様付きのツートンカラーで出来た折り紙である、枚数が少ない割に高価なやつに分類されるのではなかろうか。
 上から潰される事に気付いていない為に、顔も見えない状態となっているが中ではがっつり引き延ばされているのは頭の伸び具合から間違いない。
 暫くしてようやく二人の周りのブロックが動いてその姿が現れるタイミングを見計らう様にして、ミリアのミトンが召喚されて一枚にふよふよ近付いていく。
 運んで持っていくのかと思いきや、ミトンはその掴みにくそうな手で器用に鮮やかな折り紙を愉しんでいるではないか。
(……何をしてるんだ!?)
(ミトン……遊ばないで……)
 最初に裏返して半分に折り、その後も迷いなく二人を折り紙扱いして紙飛行機を完成させた。
 先端側がヨーコで手に持って投げる部分がミリアで出来ている、その隙間からミリアのパンツが見えた状態なのはわざとだろう。
 楽しむだけ楽しんだミトンは紙飛行機を投げ飛ばし、二人が出口に着くかも分からないまま見送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜月・クリスタ
な、なんとか妖力を使い元に戻れたけど、妖力の残りと後の戦闘を考えればもう潰されてる余裕はない。でも足首は挫いたままで痛い…。

なら痛いという感情が無ければ良いと考えた僕は【感情喪失薬】を服用。効能が切れる前にフロアの攻略に挑む。

焦り等の感情を無くした僕はさっき以上の冷静さでブロックの動きを【見切り】、確実に行けると判断してから【ダッシュ】で走り出す。高低差は【ジャンプ】【スライディング】を活かし突破していこう。

潰されそうになったら最後の抵抗として、恥かしく無いポーズで潰される。でも感情が無いと何も感じないまま、自分の現状をありのまま知る事になり逆に辛いと知るのだった…。

アドリブ、絡み歓迎です。



「まだ先が残っているのに、この調子じゃマズイかな……」
 妖力を用いて何とか復帰する夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)だが、足の痛みは回復していない様子だった。
 まだ戦闘も残っているというのに、これ以上罠にかかっている暇も余裕もないであろう。
 しかし痛みというのは身体の異常信号であって、本来であれば回復を待つのが得策である。
 このまま後れを取ったままでいられない気持ちから、クリスタは感情喪失薬を服用した。
 身体が痛覚を発してもそれを感じなければ、100%の力ではないにしろ動く事は可能という判断だ。
「行くよ……」
 まさに無感情と化した彼女は、普段以上の冷静さと大胆さを兼ね備えた動きでブロックの間を疾走する。
 潰されるかもしれないという恐怖心も無いので、自分のスピードで突破可能と判断した場所は一気にダッシュしていく。
 段差も最低限のジャンプに壁蹴り、着地もスライディングからの再ダッシュまで実に無駄の無い動きだ。
 その曲芸じみた動きはキレがあり美しいと言えるレベルであった、だからこそ負担も通常より大きいモノであって……。
「ぐっ……!?」
 高所から躊躇も無く飛び降りた際に同じ足を挫いてしまい膝をつくクリスタ、直ぐに立ち上がろうとするも右側からブロックが近くまで迫っていた。
 アクシデントを考慮したタイミングで進んでいた訳ではない為、タイムロスが命取りとなるのは致し方無いであろう。
 間に合わない事を悟ったクリスタは、迫ってくるブロックに対して気を付けの体勢を取って出迎えた。
「…………むぎゅ」
 無抵抗という抵抗を以って潰された彼女の身体は、逆に伸ばしやすく簡単に横幅を太くしていってしまう。
 無表情に近かった顔もそのままどんどん伸びていき、華麗さは微塵も残ってない形になっていく。
 自らの身体の変化を感情も無く観察するという事自体が、思った以上に辛い事である事を痛感するクリスタなのであった。
 もう迷宮の終わりは近い、今は肉体的にも精神的にも耐え抜ける事を切に祈るばかりである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『デモンズ・ウォール』

POW   :    死と虚無の支配者
【恐怖 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【触手を纏う名状し難い地獄の王のようなモノ】から、高命中力の【死と虚無に満ちた触手】を飛ばす。
SPD   :    シリアス・デモンズ・ウォール
【巨大な全身 】から【それだけで人を殺せそうな程の殺気】を放ち、【蛇に睨まれた蛙の気分になる程の威圧感】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    世界も命も止める柱
レベル×5本の【時間停止(命中時、十三秒間) 】属性の【物理ダメージをともなった特殊な柱】を放つ。

イラスト:にこなす

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠泉・星流です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 度重なる壁の熱い抱擁を抜けた先には、また一段と巨大な壁に囲まれた部屋であった。
 どことなく威圧感さえ兼ね備えた部屋の中に、ひと際禍々しい壁が中央にそびえ立っていた。
 絶え間なく動き続ける他の壁とは違って、どっしりと佇んで邪悪な気を放ち続けている。
 その姿壁は周りの壁全てを従える王の様な存在とでも言えるのではなかろうか。
 それもその筈、これまでのトラップとして存在していた壁とは違い相手はオブリビオンだ。
 明らかに敵意を持った攻撃を仕掛けてくるという点を忘れてはならない。

 しかしこれまでのフロアと同様に、壁も動いている点にも注意しなければ危ないのも確かである。
 これまでよりも速く動く壁が多いので、判断を誤ればあっという間に巻き込まれてしまうであろう。
 逆に壁の動きを気にし過ぎると、オブリビオンへの対処が後手に回る可能性がある事も忘れてはならない。
 壁がオブリビオンの動きに合わせてきたりはしないだろうが、オブリビオンが壁の動きを利用する可能性はあるのだ。
 ある意味では部屋全体を相手する必要があるという話になってくるという事になる。
 如何にして立ち回るかが重要となるこの戦い、無事な姿でいられる猟兵は何人居るのであろうか……。
ネリー・マティス
ただならぬふんいきの……壁!!オブリビオンなら倒さなきゃね!恐れずに立ち向かうよ!!
【マキ割り斬】で触手を斬り飛ばしつつ、【ダッシュ】で接近するよ!そして本体に【力溜め】【怪力】をのせた【マキ割り斬】だー!
どうだ!
(全力で斧の一撃を入れた後には隙がある……)


大神・零児
魔を駆る真の壁…魔壁。
あれ?
和訳して縮めて読むと、シビアで問答無用な雰囲気が
死人がでそうな気配が…
気のせいだよな?

無機物にも存在を保つための意識はある
まずは敵の位置を確認
UCの範囲内に入ってきた壁の意識に触れ、迫りくる速さと順番を第六感・野生の勘・戦闘知識・世界知識・情報収集も使い把握し見切り・早業・ダッシュ・ジャンプで的確に回避

敵への射線が通った瞬間に見切り・早業・咄嗟の一撃でマルチグレネードユニットからマルチグレネードを射出
グレネードは破壊力重視で呪詛をこめる(誘導弾・呪殺弾・呪詛・属性攻撃)

殺気に威圧感?
気にしてる暇ねーよ!
さっきより壁がアグレッシブすぎんだ!!(狂気耐性・気合い・覚悟)


黒木・摩那
いよいよボスのオブリビオンの登場ね。
壊されたスマートグラスの恨み、ここで晴らします。

とは言っても、動く壁は手ごわいのですね。
範囲攻撃で相手します。

動く壁は【第六感】【念動力】で対応しつつ、
触れた壁や床を次々にUC【墨花破蕾】で蟻の群れに変換して、
オブリビオンを襲わせます。

材料は幸い、たくさんありますから、蟻はいくらでも作れます。
壁が走っても、数で押し切ります。

その壁、穴だらけにしてあげます。



 禍々しい気を放つ壁へと相対した猟兵たちは、無機物である筈の壁が放つ存在感の強さを肌に感じる事となる。
 その仰々しさをひと際強く感じていた大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は、とある疑念の様な何かを抱いてしまった。
「魔を駆る真の壁、まか……んん?」
 その存在を例えるとなれば、絶対的ともいえる程の死に対して崇高なる意識を持った殺意の塊。
 死神の鎌を首筋に当てられた小動物にでもなったかの様な感覚に、零児の緊張感は別のベクトルで段違いであっただろう。
「……さん!零児さん、大丈夫ですか!?」
「ですま……ハッ!?も、問題無い……」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の呼びかけによって何とか我に返ってくる事が出来るも、戦う前から尋常ではない位の脂汗をかく事になった。
 そんな彼の姿を目の当たりにした摩那は、迷宮でよっぽど大きな借りを作らされたのだと軽い誤解をしてしまったのだろう。
(壊されたスマートグラスの恨み、ここで晴らさなくては……)
 壁にやられた分は壁に清算してやらんと、オブリビオンの姿を睨み付けつつ静かに闘志を燃やしている。
「ただならぬふんいきの壁だけど、オブリビオンなら倒さなきゃね!!」
 気合を入れる様に両腕へと力を籠めながら、ネリー・マティス(大きな少女・f15923)も戦闘態勢を取った。
 深い事は考えず純粋に、恐れずに壁へと立ち向かうのだという心意気は戦闘において大事な要素だ。
 こうして絶え間なく動き続ける壁の音が響く中、猟兵たちと壁との戦いが切って落とされたのである。

「動く壁が厄介となれば、ここは範囲攻撃で相手するのが得策よね」
 摩那は迫ってきた壁に触れたと思えば、まるでジグソーパズルが崩れるかの様にいとも簡単に消え去った。
 実際には彼女のユーベルコードである墨花破蕾により、その姿を変化させたが為に壁の形を失ったというのが正しい。
 忠実な蟻の群れと化した壁は綺麗に整列をして待機する、まるで指揮官の命令を待つ軍隊であるかの様に。
「さぁ我に従えし者たちよ、その力を示しなさい」
 周囲の壁や床を使って更に増えた蟻の群れが、オブリビオンの姿を黒く覆おうとする勢いで纏わりついていく。
 蟻1匹1匹の力は大した事は無いが、その力が集まり続ければ強大な力を持つのには違いない。
 他の迷宮と比べて材料となっている壁の数は明らかに多いとなれば、補給切れを望む事は難しいのだ。
 デモンズ・ウォールも一方的にやられては堪らないと、蟻を跳ね除けながらも複数の柱を摩那へと放つ。
「甘い甘い、そんな単調な攻撃なんて効きません」
 柱に触れる事も無く蟻で跳ね除ける摩那には、その技の効果を与えるのは難しそうである。
 ならば物量で勝負と柱の数を増やしていくものの、彼女が精製する蟻の数を上回れない。
「よーし!今がチャンスだね、いっくぞぉぉおおおお!!」
 摩那によって壁の密度が下がった事によって、ネリーは一気にデモンズ・ウォールへとダッシュ一番で突っ込んでいく。
 走る勢いをそのまま力にするかの様に飛び掛かり、斧を振り上げた体勢でぐっと力を溜める。
「どぉぉぉぉっせぇぇええええいっ!!」
 全力のマキ割り斬が壁へ鋭く突き刺さる、蟻の助力もあってかかなり深く斧が刺さった様だ。
 どうだと言わんばかりのキメ顔をオブリビオンへと向けるが、壁には表情も無くリアクションを求める相手としては不適格である。
 だが斧を通じて感じる振動からして敵意が増している事だけは確かであろう。
 ネリーが斧を引き抜こうとする前にオブリビオンは横方向に180度回線した、それは彼女を跳ね除ける為のモノではなく……。
「うわっとぉ!?ちょっと、く……びゃっ!!」
 反対側の壁との間に勢い良くサンドイッチにされるネリー、その姿は一瞬にしてぺっちゃんことなってしまった。
 猟兵たちから見ればオブリビオンを挟んで反対側であり手が出す事は困難な状況、つまりは潰され放題な時間の開幕である。
 彼女は戦闘が終わるまでの時間、裏で面積を広げていくチャレンジへと移っていく事となった。

 そんな中、盛大なフラグ発言をしてしまった零児が何をしているかといえば……。
「どわぁぁああ!?壁のくせにアグレッシブすぎんだろ!!」
 無双の意識によって壁の意識を読み取ってしまったが為に、余計に情報量が増えて回避行動に精一杯となっていた。
 一枚一枚の壁は純粋な思考に過ぎないであろうが、この数を一気に相手をするのは戦略シミュレーションゲームを全て手動操作させられるレベルに辛いだろう。
 更にオブリビオンがシリアス・デモンズ・ウォールで畳みかけようとしてくるものだから、自分の事で一杯一杯になってしまうのも不思議ではない。
 そして心の奥底にある謎の恐怖によって余裕もあまりなく、味方との連携を行う事もままならなくなっていたのだ。
 嗚呼、恐ろしきかな魔の壁の力。
 その力の前には斯くも無力なのだろうかとも考える暇も無いままに、零児は意図せず壁の第一標的になりながら避け続ける事となってしまった。
 全体的な状況的で見れば猟兵たちが押してはいるであろうが、まだまだ油断は禁物である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミリア・プレスティール
「ようやく最後のフロアに…ふぎゅぅ!?」
到着して早々にぺちゃんこの洗礼を受けるミリア。しかし『ミトン』が空気入れを取り出し、強制的に元に戻す。
「~~~ぷはぁ!けほっ!…ありがと、ミトン」
戻し方に思うところはあるが、素直に『ミトン』にお礼を言い、オブリビオンは『ミトン』に任せ、ミリアは壁の動きに注意を払う。オブリビオンを大きく吹き飛ばす『ミトン』だったが、同時にフロアの壁が動いたことでオブリビオンが予測もしない軌道で壁に弾き返される。はじき返された先には壁に注意を払うミリアがいて…

※アドリブ、他の方との絡みOK


アンジェリカ・ヘインズビー
…あれが敵ですね、早く倒して帰りましょう。
(クロ・ネコノさん(f06406)と一緒にして下さい)
【スカイステッパー】で移動しながらハンマーで攻撃を仕掛けます、一撃離脱を意識して動きましょう。
<最初は上手くいっていたが、もう一度攻撃をしようとした際に相手の殺気で固まってしまい隙が出来てしまう。その上クロさんと共に時間も止められて、意識が戻った時には既に伸された後だった>

【アドリブ・ギャグ歓迎】


クロ・ネコノ
やっとボスのお出まし・・・って、ボスも壁なんだね。
[アンジェリカ(f11144)とセットでお願いします]
相手が壁なら普通に矢を射っても効きそうに無いね、【爆発する矢】を番えて爆破で攻撃していこう。

(攻撃と壁への注意に意識を割いていた所に柱を喰らい停止。アンジェリカ共々停止している状態で、更に放たれた柱達に停止されながら段々と潰されていく。今まで潰された状態に比べれば随分厚みがある形に留まるがその姿では壁を避ける事はできない)

<アドリブ歓迎!>



「やっとボスのお出まし……って、ボスも壁なんだね」
「何とか辿り着きました……あれが敵ですね、早く倒して帰りましょう」
 壁のフルコースを味わってきたクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)とアンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)は、デモンズ・ウォールに対してそれぞれの得物を手に戦闘態勢を取った。
 壁とも床とも既に散々仲良くしてきただけあってだろうか、二人の動きには洗練されており周囲の壁を苦にせず対峙している。
「ようやく最後のフロアに……ふぎゅぅ!?」
 打って変わって出落ちするかの様に壁に挟まるミリア・プレスティール(守護霊持ちのいじられ女子・f16609)だが、彼女のミトンがやれやれといったジェスチャーをしながら近付いてくる。
 その手には空気入れが用意されており、無駄のない動きでミリアの口にホースを繋いで強制復帰を促す。
「……んぐ……んぷ……ぷはぁ!けほっ……あ、ありがとミトン。もう大丈夫ですよ」
 扱い方や空気を入れすぎである部分に思う所があるものの、素直にお礼を告げるミリアはミトンにオブリビオンとの戦闘へ移る様に指示する。
 こうしてやる気満々にしか見えない壁たちとの戦いの火蓋が再度切って落とされるのであった。

 戦いの主導権は猟兵たちが掴んでいた、クロとアンジェリカの高い連携力にミリアのミトンが加わる事によって攻めに厚みが加わる。
 ミトンはデモンズ・ウォールの正面で主にタンクとして機能する形となり、オブリビオンの行動を制限する点で一役買っていた。
「壁相手だったら普通に矢よりも、こっちの矢が効きそうだよね」
 クロは爆発する矢を用いてデモンズ・ウォールを射抜いていく、憶測通り少しずつ壁の表面が削り取る事が出来ておりしっかりと効果は出ているだろう。
 オブリビオン自体が壁である為に命中した矢が爆炎を上げれば一瞬視界が遮られる、そのタイミングでアンジェリカがスカイステッパーを活用した強襲を仕掛けるのにも効果的なのだ。
「……今のは感触アリです、どんどん行きましょう」
 巨大なマジックハンマーを抱えた彼女は手応えにやや満足気な表情を浮かべ、攻撃した部分に亀裂が生じている事を確認する。
 近接戦を仕掛けるのは自分だけである事もあり、多次元攻撃とヒットアンドアウェイで的を絞らせない様にしていた。
 そしてミリア自身は周囲の壁を警戒する役目を担って、安全地帯を確保するのに専念していた。
 猟兵側が押しているかに見える様相であったのだが、デモンズ・ウォールの反撃により状況は一変する。
「……っ、なんて殺気で……!?」
「アンジェリカ、だいじ…………」
 再突入を図ろうとしたアンジェリカが突如足を止めたかと思った瞬間、傍に居たクロ共々急に動かなくなってしまう。
 接近してくる角度は変わろうともシリアス・デモンズ・ウォールは威圧感による攻撃、アンジェリカを捉えられない訳ではないのだ。
 その一瞬の隙を狙って世界も命も止める柱が、クロとアンジェリカに命中したという訳である。
 時間停止を伴う攻撃によって身動きが取れなくなった二人には、一人当たり数十本の柱がプレゼントされる事となった。
「………………………………」
「………………………………」
 少し驚いた表情のままで柱が当たった場所から徐々に潰されていく二人、壁に潰されるのと違ってかなりいびつな形へと歪んでいく。
 それでもこれまでよりも厚み的にはまだ残っている方である、しかしぺっちゃんこであるには変わりないのでまともに攻撃や防御が出来る態勢ではない。
「これはピンチです……ミトン!」
 二人の姿を目の当たりにしたミリアは更なる柱による追撃を阻止せんと、ミトンにお願いして力を溜めた拳の一撃をデモンズ・ウォールへと放たせる。
 壁の姿である事を利用して身体の角度を無理矢理変えて妨害する事には成功するが、此処で思いもよらぬ事が起きてしまう。
 オブリビオンの巨体が動く壁に挟まれた衝撃により、これでもかという勢いで弾き飛ばれてしまったのだ。
 壁であるにも関わらずオブリビオンは周囲の壁の動きによって加速していき、正に一瞬で猟兵たちの元へと飛び込んできた。
「えっ!?まっ、まっ、ま…………あびぇ!?」
「………………ぶじゃっ」
「………………べじょっ」
 オブリビオンに正面から回収されるように貼り付いた三人を待つのはまた壁であり、挟まれた瞬間にいとも簡単にぺらぺらにされてしまった。
 勢いはそれでも止まらずに壁を横滑りしていく壁というシュールな光景が展開される、当然壁と壁に挟まれた三人はタダで済むわけがない。
「…………ぅ…………ぴ…………」
「…………げ…………ぁ…………」
「…………ど…………ず…………」
 左側からミリア、アンジェリカ、クロの順番で壁を彩る壁紙かなにかみたいなモノへと化していた。
 三枚合わせて横幅30mに及ぶ7割がた肌色で出来ている代物であり、人としての輪郭は一切面影を残さず隙間なく壁を埋めている。
 2つずつある藍・赤・黒の歪んだ楕円模様と、散らばる様に点在したピンク色がアクセントとなっているといった所だろうか。
 目を凝らしてじっくりと視れば身体と身体の境目くらいなら分かるといった有様であり、どう解釈しても簡単には元に戻りそうには無いだろう。
 戦いを見守る事すら出来ない状態と化した三枚は、戦闘が終わってミトンに回収されるまでの間このままの姿を晒し続けるのであった。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
とっぱしたぞー。どうしよー。
ここはまたつぶされてー…………じゃない確りしろアタシ!?

相手も壁、周りも動く壁――野生の勘頼りになる場所もありそうだね。
基本は遠距離攻撃で攻め立てるよ。
通常モードの散弾銃で連射を続け、近付く……と見せかけた残像フェイントをかけた瞬間を狙い、砲撃モードで上部分を狙ってバランスを崩す。

周りの壁は蹴って地形を逆利用する。間に合わないなら衝撃波だ。
当たっても、激痛耐性で耐えて打撃一発打ち込み方向転換しよう。

よし行ける。これならUCでとどめをっと、足場に引っかかっ……。
(ちょっと気が抜けて敵UC命中)
あ、攻撃がちょっとズレ――ってコッチ倒れて来るなぁ!?に、逃げ

※アドリブ歓迎


夜月・クリスタ
潰された僕は妖力が枯渇し、元の肉体へ戻れずにいた。そんな状況下で壁が迫ってくるのが見えた時、僕は最終手段…記憶・感情・思考力を手放しママ…化身を呼び出す覚悟を決める。力を貸して、マ、ま…。

(以下化身の行動)
くくく、良い覚悟だ。とっと終わらせてもらおうぞ!…そこの娘を介抱せねばならぬからな。

壁と向かってくる柱の動きを【視力】【見切り】で分析し回避、【ダッシュ】で駆け抜け標的の元を目指すぞ!

途中で左右から迫ってきた壁に挟まれ潰されてしまう…がそれは妖力で質量を持たせた【残像】だ!

接近したら【血桜】を【鎧無視攻撃】で突き立て、【破魔】の力と魔力を阻害し崩壊させる【呪詛】を流し込むぞ。これで終いじゃ!



 此処までの熱烈な壁の歓迎によって、精神的なダメージ等が残っている面々も幾人かいた。
 例えるならば遊園地で絶叫系の連打へ付き合わされ続けたといった様な感じであろうか。
「とっぱしたぞー。あはは、どうしよー」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)はオブリビオンの前までやってきたとは到底思えないトランスした状態となっていた。
 その片腕にはバスタオル……ではなく、ぺらぺらになったまま戻らない夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)を抱えている。
 クリスタは既に自らの妖力が枯渇している状態となっており、誰かの力を借りねばフロア間の移動もままならなくなっていたのだ。
 そんな無抵抗この上ない二人の姿を見つけたデモンズ・ウォールは、その巨体を壁に押してもらいながら近付いていく。
「それじゃあ、ここはまたつぶされてー……じゃない確りしろアタシ!?」
(もう四の五の言ってられない……力を貸して、マ……ま…………)
 二人で壁に抱擁しようとした所でオブリビオンによる殺気を浴びる様に受けたフロッシュが我に返る。
 そのままバックステップをして距離を取った所で、手元に抱えていたクリスタから彼女に似た容姿の妖狐が現れた。
「危ない危ない……って、漸くそっちも戦闘態勢は整ったみたいだね」
「ふんっ、貴様も先程までは随分と腑抜けた顔をしておったではないか」
「……それはお互い様だし。つべこべ言ってないで始めるよ」
「生意気な小娘め、だがまずは敵を倒さねば始まらぬか」
 クリスタは妖狐が回収して比較的安全そうな床に置かれる、運が悪くなければこれ以上潰れ広がりはしないだろう。
 こうして危うく出落ちで終わりそうであった二人の戦いは幕を開けるのであった。

 連携を取り決めていた訳ではないが、前衛がクリスタで後衛がフロッシュがという形が自然と出来上がる。
 先程とは打って変わって機敏で細かい軌道に対して、デモンズ・ウォールは対応が照準を定めきれないでいた。
 突っ込んでくる妖狐へ対して死と虚無の支配者を放つも当たらない、何度目かでやっと捉えたと思んで壁の間へ挟み込むもその姿は見当たらない。
「何を無駄な事をしておる、妾はこっちにおるぞ」
 まるで動物が翻弄されているかの様に見える程の、後手に回らざるを得ない情景が繰り広げられていた。
 それ程にクリスタの想イヲ喰ライシ傾国ノ妖狐は強力な力を持っているのと、妖狐自身の介抱タイムに対するモチベーションの高さが合わさったモノだろう。
「中々やるみたいだね、アタシも負けてられないか」
 撃銃・刻天炉の連射を浴びせていたフロッシュもオブリビオンへの距離を詰める。
 シリアス・デモンズ・ウォールを再度仕掛けようとするも、接近してきたと思われたフロッシュの姿は霧散する。
 その先でその得物を砲撃する形態へと変貌させたフロッシュが、その一撃をオブリビオンの上部分へと叩き込んだ。
「よし行ける、今が好機だね」
「くくく、さぁ一気に畳みかけるぞ!」
 巨体が後ろへと大きくなびいた隙を見逃す事なく、二人は今度こそデモンズ・ウォールへと接近する。
 手法は異なるものの奇しくも残像を利用するという攻略、それだけではなく叩き込もうとする一撃すら似通っていた。
 妖狐は血桜を、フロッシュは短刀・碧穿炉を伸ばして攻撃を加えようとしたのだ。
 壁である相手に同時に長物で攻めるには少し狭い場所である、そうなれば僅かではあるが調整が必要であろう。
 それを気にして後ろ側から接近したフロッシュはタイミングをずらそうとした際に、足場に少し引っ掛かってしまった。
 強大な力によってデモンズ・ウォールの下部が粉砕される、かなりの大ダメージであろう。
「あ、攻撃がちょっとズレ――ってコッチ倒れて来……ぶばぁ!?」
 足場を失ったのと同じ形となったオブリビオンは前のめりに倒れ込み大きな音を上げる。
 足元に居たフロッシュは逃げ出す暇も無く潰されてしまった、妖狐は化身である為に無事である。
「やれやれじゃな……」
 クリスタを無事に抱えたまま手を上げる妖狐であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

水瀬・美鳥
「最初から最後まで壁だなんて聞いていないのです...!」

(最初のエリアの潰された疲労とかがのこってます(デバフ的なサムシング)

周囲に漂う魔力を利用してロングソードを大量投影、壁に刺すように放ち、つっかえ棒のように扱います

壁が迫ってきたら、大きめの剣を2本投影し、切り裂きます(2回攻撃)

また、本体のコアとなる場所を探し、見つけたらそこを重点的に叩きます

「壁が脆いのがまだ救いですね...」

「ヒッ(デモンズウォールのUCに怯む)」(ダイス展開)

ぺちゃんこになったら最初の時と同じ要領(軟体質変化)で戻って戦闘継続です!

アドリブ、ぺちゃんこ、連携なんでもありです!



「むぎゅっ……もう、最初から最後まで壁だなんて聞いていないのです……!」
 出会い頭に潰された身体を晒しながら、水瀬・美鳥(もちもち支援魔法少女・f15711)は壁のフルコースに抗議している。
 だがしかし、そもそも壁以外の説明をしていなかったので最後まで壁たっぷりなのは予想は可能であっただろう。
 迷宮の中には壁としての役目を放棄した壁であふれており、ボスだけが期待を裏切る形であっては肩透かしを食らってしまうのではなかろうか。
 それ以上にこんなに壁が動いている空間を好き好んで根城とする者なんて、壁以外に存在するとはあまり考えられない。
 美鳥は軟体質変化でぺっちゃんこな状態から復帰するも、どうも最初のフロアに比べて動きにキレが無い様だ。
 恐らくは壁の熱烈な歓迎を受け過ぎてバテてきているのだろう、潰れる事に慣れていても連投が続き過ぎると疲れが溜まるのは致し方無い。
「あまり長く付き合ってられないですね……ならばっ」
 投影・追憶の装具による投影魔術により大量の長剣を精製した美鳥は、左右の壁にほぼ半数ずつ投擲してケーキに蝋燭を立てるかの様に突き刺していく。
 これで長剣がつっかえ棒となるので、挟まれる事をある程度は気にせず戦えるだろう。
 更に自らの両手にそこそこのサイズとなる剣を追加で投影して身構える美鳥、デモンズ・ウォールは後方にある壁の動きからかなり近くまで迫ってきていた。
「はぁっ、壁が脆くなってきているのがまだ救いですね……」
 双剣による二回攻撃を繰り出し壁を削る美鳥は、オブリビオンの耐久力がかなり低下している事を実感する。
 しかしその剣撃にそこまでキレはなく決定打には欠けていた、近接戦闘が専攻ではないというよりも疲労面による影響が強いのだろう。
「ヒッ、や……だ、だめ……」
 そんな美鳥にシリアス・デモンズ・ウォールが突き刺さり動きが止まる、更につっかえ棒にしていた剣を砕きながらオブリビオンは後方の壁の助力で迫ってきたのだ。
 彼女の後ろは壁が近くはなかった為に、オブリビオンの突進により弾き飛ばされる形となった。
 そして何とか受け身を取ろうとしたタイミングで、左側から壁が勢いよく飛び出してきてしまう。
「へぶぅ!?これじゃ敵が見…………ぢぃ!?」
 右側はちょうど空洞となっていた為に、壁によってその間に放り込まれる形となった美鳥は壁の中に閉じ込められる形で潰されてしまう。
 軟体質変化によって弾力性は維持出来ているが、隙間が無い為にぺっちゃんこなまま身動きが取れなくなってしまったのだ。
 こうなれば壁の動きに身を任すしかない、どこまで体力が持つかを不安に覚えながら壁と壁の間を漂う美鳥であった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

依神・零奈
楠瀬・亜夜と連携するよ

気が付いたら全ての元凶のような奴がいた
……なんだか無性に滅したい、いや、滅する

敵の動きに注意しつつ周囲の壁にも気を配らないと
ならないのは面倒……だけど私の武器は言葉そのもの
相手の位置なんて気にしなくていい、だから敵の動きと壁の動きと
それらに関して回避する事だけの集中する。
私は援護に徹して、大きなダメージを与える事は亜夜に任せよう

敵を壁の王と定義する事で指定してUCを発動
死角という死角から絶え間なく【破魔】の力を込めた
矢を浴びせさせるよ

「壁の王、断罪の時はきた」

敵の攻撃と壁が迫って来たら即座に回避行動をとり
余裕があれば亜夜にもそれを伝えるよ


楠瀬・亜夜
依神・零奈さんと連携します

嫌というほど紙の気分を味わえるなんて思ってもいなかったですね……
しかしそれもこれまで、断罪の時来たれり
全ての元凶よ、覚悟しなさい

という訳で私は零奈様の援護の元、敵の動きと壁の動きに気を配り
回避に専念しながら攻撃を隙を伺います
その間は私も零奈様の回避行動を補佐できるように
敵の動きや壁の動きを伝えられるように努めますね
敵が零奈様の攻撃に気を取られている間に死角に回り込み
隙ができたら空かさずUCを発動し
特大の魔力を込めた槍をお見舞いして差し上げましょう

ふふふ……私達を紙っぺらにした罪は償って頂きますよ
カリスマの名の元に……!



 幾度もぺらぺらにされながらも、オブリビオンの前まで辿り着いた依神・零奈(忘れ去られた信仰・f16925)と楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)の二人。
 物見遊山を兼ねた世界体験にしては特異な状況に巻き込まれ続けた結果、デモンズ・ウォールへのヘイトは最高潮となっていた。
「あの禍々しい気、アレが全ての元凶かな……なんだか無性に滅したい。いや、滅する」
「随分と気が合いますね、私もそうしようと思っていた所です。全ての元凶よ、覚悟しなさい」
 嫌という程に紙の気持ちになれる体験させられれば当然であった、壁から熱烈な歓迎を受けても得られるのは潰れた身体だけである。
 神の権威もカリスマによる美麗さも傷つけられたとなれば、こんな迷宮に居座ったオブリビオンに清算してもらうしかないという考えになるのは当然だろう。
 ある意味では潰れた事によって戦意も十分に満ちたのかもしれないが、オブリビオンにとってはそんな事は知る由もない。
 こうして零奈と亜夜の二人は、周りの壁を十分に注意しながら戦いを始めるのであった。

 これまでの戦闘により壁の枚数自体が減っている事もあってか、二人は攻撃の起点に適した場所を難なく見つけ出せた。
 共に遠距離攻撃を主としている為、デモンズ・ウォールに大きく近づく必要はない。
 壁に巻き込まれる事を回避する点においても連携しておけば、優位に戦闘を進める自信があったのだ。
「零奈様、次は三歩前に出てください」
「助かる。壁の王、断罪の時はきた」
 牽制や援護にしては強大な力を持った無数の矢の雨が、デモンズ・ウォールに多方面から突き刺さった。
 回避を前提としていない相手で頑丈な部類に入る壁に対して、次々と小さな穴が掘られていく。
 反撃に放たれる柱も半分以上が的外れな方向へと飛んでいっており、残りも容易に回避されてしまう。
 そのタイミングを待っていた亜夜は、零奈が回避したのとは逆側にステップしながら片手を上へと掲げる。
「ふふふ、私達を紙っぺらにした罪は償って頂きますよ。…………カリスマの名の元に!」
 紅き魔力の力が細長く収束してゆく、その緋色の悪夢を亜夜は力の限りに投擲した。
 瞬く間にデモンズ・ウォールへと肉薄していった紅い光は、文字通りその身体を貫通して大穴を開ける。
 更に穴の内部が爆発するかの様にして弾け飛んだ、強い衝撃波も相まって崩れていく壁の身体。
 骸の海より生れ出た壁は、再び元の海へと航海を始めてその姿を消失させてゆく。
 こうして壁の壁による壁だらけの依頼は終わりとなるのであった……が。
「終わってみれば他愛のない相手だね」
「一件落着ですね、後始末をして……んん?」
 地響きにも似た音を感じた二人は恐る恐る周りを見渡すと、左右の壁が全て迫ってきているではないか。
 実はデモンズ・ウォール自体がこのフロアのつっかえ棒となっていたのだ、その存在が消えた事により溜まりに溜ったモノが解放されたのだろう。
 流石にオブリビオンを倒した途端に壁が活性化するとは思っていなかった二人は、逃げ込める先を探そうとするも時間が足りない。
「もうやだこんな世界にく…………じりゅ!?」
「最後までこんな扱いはや…………ばぶぇ!?」
 重低音が部屋の中に響いた後に残されたのは、両手両足で壁を受け止めようとした形に潰れた零奈と亜夜の姿だった。
 その顔は潰される前の表情の面影は既に無くなっており、無様というより無残というのが正しい程に崩れ去ってしまっている。
 こうして依頼は達成したがまだ壁とのアフタータイムは続くらしい、移動する壁に翻弄されながらどんどん人としての輪郭を失っていく。
 先に潰された様々な色のナニカとまじりあって、無事だった面々に回収されるまでどの位かかったかは想像にお任せしよう。
 回収されて戻った先でも、暫くは復活に時間がかかったとかなんとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年07月17日


挿絵イラスト