#UDCアース
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東海地方で伝わる民話に、こんなものがある。
『むかしむかし、この辺りは禿山と荒れ地ばかり。木も草も生えていなかった』
『それを憐れんだ龍神さまは、三人の子供を地上に遣わして、この地に植物が生えるようにした』
『最後に、離れ小島にも木や草を生やしてやろうと末っ子が向かうも、親に言いつけられた仕事に飽き飽きしていた兄と姉は、弟を残して天に帰ってしまった』
『取り残されてしまった末っ子の龍は、今でも離れ小島に暮らしているという話。どっとはらい』
子供向けの童話集に載っている、さほど知名度があるわけでもない御伽噺。
ハッピーエンドでもないし、教訓話でもない、地味な悲劇である。
しかし、己らが奉ずるに値する神を探す人々は、違った。
この昔話に隠された真実を、本能的に感じ取ったのだ。
天に帰れなかった龍は、この世に実在すると。
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「おーい、UDCアースで事件が起きるよ。邪神教団が、龍神と呼ばれるUDC生物を復活させようとしてる」
ミルラ・フラン(蘇芳色・f01082)は、ジッポーをカチカチと鳴らしながら猟兵に話しかける。
「東海地方の民話で龍にまつわるものがあってね。それを基に邪神を探していた連中が見事にビンゴ」
先んじてそれを阻止できれば、一番いいんだけどね。とミルラはため息をつく。
何かあるのだろうか?
「邪神教団の連中は、情報を漏らさないようにしてるみたい。奴らが掴んでいる島の位置は全く不明。あたしが予知できたのも、【孤島で邪神教団が儀式を行う】だけさ」
民話の地域からして、東海地方であることだけは間違いないけど。と、ミルラは言う。
「分からないことが多すぎる以上、まずは調べないとどうにもならないね」
ゲートが開く。その向こうに見えるのは、東海地方の中心地でも指折りの大きな図書館。まずはここで調べろということか。
「難しいことや不測の事態もあるかもしれないけど……あんたらなら出来るって信じてる。頑張ってきなね」
烏丸くろえ
毎度お世話になっております。烏丸くろえです。
今回はUDCアースで、邪神復活を阻止あるいは撃退の任務となります。
第一章と第二章が冒険、第三章でボス戦です。
第一章が図書館での調査。民話や伝承を基に、島の位置を絞り込んでください。
図書館はかなり大規模なもので、インターネットも使用可能です。
有利になる技能をお持ちの方にはボーナスが付きます。
第二章で島への渡航。
自力で行く、誰かに頼む等、手段は何でもOKです。とにかく島へ渡ってください。
こちらも技能で判定にボーナスをお付けします。
では、皆様のご参加お待ちしておりますクワッ!
第1章 冒険
『図書館で調査』
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POW : 気合いを入れて、ページの隅から隅まで。とにかく量を読む
SPD : 速読など、読むスピードを早めて情報を掴む
WIZ : アタリを付けて本を抜き出し、目当ての情報を探す
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
波狼・拓哉
伝承か…伝わり残ってことは少なからず何かあったってことだしなぁ。ま、民話があるなら場所を特定するだけなら簡単だろう。多分。
さて図書館で調べるとしますか。んー民話とかなら地下書庫とか一般人の入れない所かなぁ。UDC組織の力を借りてスムーズに入れさせて頂くとしますかね。
さてアタリぽいのに『目星』付けますか。化け転がせミミックーと。第六感も合わせてそれっぽいのを何冊か持って読み解きますか。何冊か検証得ないと微妙に場所違うとかあるかもしれんし慎重にいこう。
あ、ついでに味方猟兵にも飛ばしておこう。化け転がせ―。
後は余り触って読むのはみたいなのがあれば撮影して読む感じで配慮しておこう。
(アドリブ絡み歓迎)
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
ほうほう、UDCアースで竜種の気配がするのです
此処はミコさん張り切っちゃいますよー
◆行動
【POW】で判定です
まぁ、此処は【気合い】を入れて図書館にある本を
この立派な【視力】の両の眼で
じっくりじっくり、頁の隅から隅まで
走り書きや挟んであるメモも見落とさずに
私の【世界知識】と照らし合わせながら量を読み込みますよー
なおひとりぼっちで調べるのは嫌なので
こう言うのが得意そうな図書館の司書さんを見かけたら
【毒使い】でフェロモンの様なものを合成し
【催眠術】的な【誘惑】をし調べ物のお手伝いをして頂きましょう
実は何か知ってる可能性もありますしねー
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
花園・スピカ
【WIZ】
まずは東海地方の地図と民話の原本を探してみます
文章の地方独特の言い回しや、物語に出てくる地域の特徴と地図を見比べたら、何か手がかりが見つかるかもしれません
(竜に関係のありそうな名前の地域や怪しい地域に印をつけつつ)孤島とのことなので内陸の岐阜県は無し、でしょうかね
滝とか龍にまつわる話は多いようですけど…
その地域や言葉の事は地元の方の方が詳しいでしょうから「地域の伝承について調べている」と伝えて図書館の司書さんにお力添え頂くのもありかもしれません
気になった事は後で他の方の情報と照らし合わせられるようメモにまとめておきますね
『学習力』『情報収集』『コミュ力』辺りを生かせると良いのですが…
千波・みちる
図書館でっか!!!
すご、めっちゃ広いじゃん
宝探しみたいで楽しいね
ホントはあれこれ読みたいとこだけど
とりま東北が舞台になってる民話と~
関係ありそうな伝記や神話も探してみよっか
その前に図書館の人に質問
この辺りで龍にまつわる言い伝えとかあったりしない?
はぁ~、なるほどなるほど! おっけ、ありがと!
ついでにそういう本がどの辺にあるかも教えて
あ~、ごめん!
声デカいってよく言われるから気をつけんね
へらへら笑いながら軽い会話を楽しんで探索開始
本読むの普通に好きだし
読書を楽しむように次から次へと
まるで探索なんてついでかのように
でもちゃんと必要そうな情報には目星をつけつつ
猟兵が周りにいたら調子どう?
って情報共有
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儀式の執り行われる孤島。兄姉に裏切られた、哀れな龍の末弟が棲む所。
民話や伝承の中に残る道標を探しに、猟兵達は図書館に降り立つ。
「図書館でっか!!すご、めっちゃ広いじゃん~!」
宝探しみたいだ!と、千波・みちる(散る散る未散る・f19206)は目を輝かせる……が。
「しーっ」
「あ~、ごめん!」
横の、花園・スピカ(あの星を探しに・f01957)が口元に指を当てて軽く咎める。
図書館ではお静かに。眼鏡をかけたスピカは、どことなく図書委員のようで。
「とりま、東北が舞台になってる民話と~。あとは関係ありそうな伝記とか、神話も探してみよっか」
「や、東北じゃなくて東海。ココ、東海地方ですよっと」
思わずツッコむ波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)。ここは東海地方の中心都市でも、特に規模の大きな図書館だ。
この地方の民話であれば、蔵書にない本の方が少ないのではないかと思う程。
「此処はミコさん張り切っちゃいますよー」
龍と聞けば黙っていられない黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)も、俄然気合いが入る。
ミコとみちる、闊達そうな高校生といった風情の二人が最初に探すのは、図書館の司書。
大体こういうのは地元に住む人が勤めているものだ。なら、何かヒントはないだろうかと。
二人が目を付けたのは、大人しそうな女性の司書。
「ちゃっす!おねーさん、この辺りで龍にまつわる言い伝えとかあったりしない?」
司書が振り返れば、小柄だが綺麗な顔の女の子と、チャラそうだけどイケメンな男の子。
「私達、課題で龍について調べていまして。この図書館初めてなので、本を探すお手伝いとか、お願いできたらなーと。」
女の子の方は今どきの子というべきか、香水らしきいい匂いを漂わせている。
花ともお菓子ともつかぬ甘い匂いを嗅いだ司書の女性は、なんとなく良い気分になって。
「民話とかならこの辺り、あとは……」
ミコのフェロモンにも似た催眠術は効果覿面。図書館内の案内図を指して、スラスラと喋る司書。
「はぁ~、なるほどなるほど! おっけ、ありがと!」
民話などは専門ではなかったのか、聞けたのは蔵書の場所の説明のみだったが、それでも収穫だ。
少なくとも、その場所を全部当たれば情報もどっさり仕入れられる。
(伝承か…伝わり残ってるってことは、少なからず何かあったってことだしなぁ)
一方こちらは、自分でも先に行動していた拓哉。行きついたのは禁帯出の書庫。
禁帯出、という本の区分は単に高額だったり貴重な本なので館外へ持ち出し禁止、というだけであるが。
郷土資料等はかなり多くの物がこういった区分になっているのだ。理由としては発行部数の少なさ故に高額であることと、辞典のように大判で重い物がおおいから。
「あー、コレ、館内で読むんで。借りてっていいすかね?」
彼なりに目星と勘を効かせ、数冊を選び取る。そのうちの幾つかは、随分と古い物だ。
話しかけた中年男性の司書は、禁帯出エリア近くの閲覧室で読むなら使っていいよと案内する。
持ち上げるのも一苦労な大判の本も混じる収穫物を、拓哉はよっこらと運んで行った。
スピカも、落ち着いて自分のペースを崩さずに一つ一つ、本を集めてゆく……が、全員の探す本が被っている。
ちょっと視点を変えようと、たまたま近くを通りがかった若い男性の司書に声をかける。
「地域の伝承について、お友達と一緒に調べているんですが……。皆と違う場所で探してみたいんです。」
「なら、児童書や絵本のコーナーに行くといいよ」
あそこにも民話の本は結構あるからね。とアドバイスする司書。可愛い女の子に頼られたからか、なんだか嬉しそうだ。
言われた通りに児童書コーナーに行けば、各県や東海地方の民話で、子供向けに書かれた本が。
こういったタイプの民話集には、伝わっていた原典そのものの言い回しで書かれているものも少なくないのだ。地域の絞り込みに使えるだろう。
これだ、と思うものを借りてゆくのと一緒にもう一冊。小学生が社会の時間で使うような、地理便覧も。
一通りの資料を集めてきた四人は、閲覧室の机を一つ占拠して、集めてきた本を広げる。
全員、学生と言えば誰もが信じる年齢なこともあり、咎める人も居ない……大声さえ出さなければ。
スピカは地理便覧のうち、東海地方の沿岸部の地図を拡大コピーしてきた。竜に関連する地名や、怪しいとみた地域に、印や一言書き込むためだ。
「孤島とのことなので内陸の岐阜県はまず無し、でしょうかね。滝とか龍にまつわる話は多いようですけど……」
「どうなんだろうねー?」
みちるが、地図の隅に落書きをしながら首を傾げる。
本を読むことが好きな彼は、意外な程の読書スピードで集めてきた本を消化し、これはと思った部分に付箋を貼ってゆく。
スピカも、借りてきた児童向けの民話集から情報を抜き出してメモに纏める。
付箋の貼られたページと、スピカのメモにも目を通しつつ。ミコは未消化の本の山に挑む。
彼女の持つ世界に関する知識を基に推測を立ててみたが、スピカも指摘する通り方言などがキーだと思われる。が、決め手がない。
その横で、拓哉が何か考え事をしていたのだが……何か閃いたようだ。まるで、ダイスで良い目を出したような。
ミコの呟き、スピカのメモ、みちるの付箋。3つを踏まえて、各県の民話集を読み比べていて気付いた。
この龍の民話、愛知県と三重県にのみ伝わっているようで、静岡県と岐阜県には類似の話が全く無い!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
双代・雅一
まず先の調査結果を聞いて。
愛知と三重ってことは、伊勢湾に浮かぶ島か。
地図を見つつ、幾つかに絞られた所で。
「惟人、来てくれるか?」
「弟使いの荒い事だな…」
オルタナティブW。二人がかりで探せば多少は早く探せるだろう。
該当地域の歴史を調べる。
兄や姉、親に当たる神社が陸にあるかもな。その近海との関連性も調査。
島の末社こそが末弟かもしれないし、島そのものを龍に見立てている可能性も否定出来ない。
元々荒れ地というのも気にはなるけども。
土砂災害や山火事で草木が失われでもしたのか。
目星付けたら島についてネット検索。
SNSとかで島に向かう集団とか妙に来島者多いとか目撃情報探してみようか。人の噂に戸は立たない、と。
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「愛知と三重ってことは、伊勢湾に浮かぶ島か。」
先発で調査していた少年少女達が纏めたノート。
それを引き継いだ双代・雅一(氷鏡・f19412)は、地図と照らし合わせて呟く。
候補地域はほぼ絞られた。雅一はふと、誰も居ない虚空へ呟く。
「惟人、来てくれるか?」
そう言って聞こえる返事は、雅一と区別がつかないほどよく似た声。しかし、口調は大分異なる。
「弟使いの荒い事だな……」
オルタナティブ・ダブル、もう一人の自分――彼の双子の弟、惟人が実体を得て姿を現した。
一人では手間のかかる調査も、二人がかりなら効率が見込める。
「調べるのは伊勢湾の無人島。龍の伝承がある地域だ。」
これまでの調査結果に目を通した惟人は、一つの推測を兄へ告げる。
「兄や姉、親に当たる神社が陸にあるんじゃないか?」
弟の推測を踏まえて調べた結果、一つ浮かび上がってきたのは海に面した県境。
愛知県弥富市、三重県桑名市と木曽岬町周辺に、龍神を祀る祠や村社が点在しているのだ。
無論、他の沿岸地域にもあるのだが、この3つの地区だけやけに多い。
文化学的には、龍神は山を流れる激流を神としたものだ。
海に近づくと龍は海洋民族の母神たる鮫や、信仰として確立された人型の海神や女神に姿を変えることが多い。
他の地域はそういった宗教施設が多数を占めるにも関わらず、ここだけ龍神を祀るのは不自然だ。
さらに絞り込めば、海に面した【兄比売神社】という小さな神社が引っかかる。
エヒメ、別の書き方をすれば兄姫というのは、古語で年長の娘、すなわち姉を指す。
祭神は名も伝わらぬが、伊勢の海に棲む龍宮の姫とも、女の龍神ともと、ネット上で調べられる限りは記されている。
神社の由来として、平安時代に野分(台風)で山や田畑の草木が全て持って行かれた時、龍宮の姫が降り立ってこの地域の植生を復活させた。
それを祀ったものである、と。
恐らくは、かなりの確率でこの近辺が儀式の執り行われる地だ。
無人島、それもわざわざ地図には載せないような規模の島に、末弟は居るのだろう。
SNSで【桑名市 島】【弥富市 不審船】【木曾崎町 ボート】など、少しずつワードを変えて検索をする。
すると……
『近所で不審船はっけーん!太平洋側にも出るのかな?ただの釣り船だったらゴメン(わら』
という投稿が一つ。
そこには、やや遠くに見える島に向かう、数隻の船が写っていた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『地図に無い孤島』
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POW : 私が沖に出ます!(船で海に出る)
SPD : 空を飛-ぶー鳥のよーうにー(空から海上を探索)
WIZ : 話をお聞かせ願いたい(地元漁師等から情報収集)
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
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ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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調査翌日。そして、ミルラが予知した儀式の当日。
愛知県と三重県の海に面した県境地域。
後ろを振り向けば、兄比売神社の参道――何十段とある階段が目に飛び込む。
今日は梅雨ながら天候にも恵まれ、午前の光を受けて太平洋は碧く照り輝いている。
少しねっとりした潮風も、夏の海を感じさせてむしろ心地よい。
午後は相当熱くなるだろうが。
小さな港には、今日の仕事を終えた漁船が何隻か停泊している。
自力で飛んでいくことや、自前の空飛ぶ乗り物で島へ飛んで行くことも不可能ではない……が、上手くやらねば明日から君も都市伝説の仲間入り。
対処に追われるUDC組織の人々の負担を考えると、避けた方がベターだろう。
今ある手がかりは、SNSに投稿されていた暗がりの写真のみ。
島のおおよその輪郭と、その写真が撮られた場所の木立は把握できる。
この場所の特定と、渡航手段の確保。やるべきことはこの二つ。
恐らく、邪教の集団は儀式の準備を整えている真っ最中。儀式前に最後の追い込みといったところだろうか。
儀式というものは、大抵の場合夜に執り行われるものだ。
それまでに、島に辿り着かねば。
波狼・拓哉
うんじゃあ、化け撃t…え?都市伝説の仲間入りする?ダメ?ダメか…じゃあ、普通に足探してきます。
とか言うけどまだ情報集まりきってないんだよね。港で聞き込んで情報収集しつつ足を探すか。
コミュ力、言いくるめを使いつつ漁師さんに話を聞いて回ろう。邪教も船を持ってるみたいだし、見た事ない船見なかったですか、この辺で船借りれるとこないですか辺りを聞こう。
後は…そういや伝承で残ってたんだよな、知ってる漁師さんがいるかも知れないし聞いておくか。
漁師さんが船を貸してくれる、借りれるとこがあるならいいんだけどないならミミック化かして掴まって空飛んでこ。被害はUDC組織くらいだ必要経費必要経費。
(アドリブ絡み歓迎)
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
【黒竜の騎士】でひとっ飛び出来れば楽なのですが
お約束としてUMA扱いされますよねー
◆行動
【WIZ】で判定
SNSに投稿された写真がスマホで撮影されてたなら
位置情報が残っている可能性がありますよねー
後は現地の漁師さんに聞き込み&渡航手段の確保をしましょう
はい、仕事をしていると喉が渇くでしょうから
【医術】的に副作用が起きない程度に【毒使い】で合成した
警戒心を緩めるおく……成分が入ったドリンクを差入れし
【催眠術】的効果を及ぼす話し方とフェロモンで【誘惑】しましょう
はい、親戚の娘である私とお友達のお願いを聞くだけです
おじ様、全然問題ないですよね?
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
花園・スピカ
【WIZ】
学生服を着用しスマホと地図持参
学生を装い漁師さんにお話を伺います
【コミュ力】で打ち解ける為にも苦労話等色々と伺いつつ
(乗り物に興味があるのか船にキラキラした視線を注いでるのは秘密!)
「荒れる海や不漁…自然を相手にするのは大変なんですね…って、密漁…人間相手の大変さもあるのですか!?
そういえば最近、この辺に怪しい船がいるってSNSで…これなんですが…(件の投稿を見せる)この船のいる辺りは特別な漁場だったりするのですか…?」
さりげなく【情報収集】で場所の探りを入れる
漁師さんと離れたら【動物と話す】でこっそり海鳥や魚達にも最近怪しい船がいなかったか聞いて漁師さんの情報と照らし合わせてみます
●
「よしじゃあミミック、化け撃t……」
「拓哉さん、ダメですっ。都市伝説の仲間入りしちゃいますよ!」
相棒のミミックを空飛ぶ乗り物に変化させようとした拓哉だが、真面目そうなスピカがそれを留める。
「私も、鎧姿でひとっ飛び出来れば楽なのですが。お約束としてUMA扱いされますよねー」
ミコも、可愛らしい少女の姿で溜め息をつく。彼女のユーベルコード【黒竜の騎士】ならば飛翔能力も得られる。
が、それをやったら……尾張地方のここならば、信長公の怨霊とかそういう感じの心霊現象扱いされかねない。
「え?ダメ?ミミックダメ?」
「ダメですっ」
「そっかー、ダメか」
近隣地域の高校の制服に身を包み、眼鏡をかけたスピカ。その姿さながら学級委員のよう。
「……じゃあ、普通に足探しますか。」
「漁師さんに聞くのとかいいんじゃないでしょうかね」
若干残念そうにうなだれる拓哉に、ミコが提案する。
この地域という以外、何も分からぬ現状だ。まずはそこからだろう。
歩きながら、キョロキョロと見回して考えつつ。三人は、漁から戻って一息ついている漁師に目を付けた。
拓哉がまず口火を切る。
「ども。自分達、この辺の伝承とか地理とか調べてるんですけど」
「お、どーも。こんな所に珍しい物なんてあったかねえ……」
首をかしげた漁師へ、ミコとスピカは兄比売神社のことを言及する。
「お疲れですよね?お近づきの印にどうぞ」
美少女モードのミコが、どこからともなく取り出したコーラの缶を漁師に手渡す
「ああ、悪いね嬢ちゃん」
漁師は特に疑うこともなく飲み干すが……
漁船をキラキラした目で見つめるスピカが、にこやかに漁師に話しかけて。
「荒れる海や不漁…自然を相手にするのは大変なんですね……」
「最近は密漁なんかもあるからなぁ。人間相手も楽じゃないよ」
「漁も大変そうなのに、人間相手の大変さもあるのですか!?」
話の流れにうまく乗せられそうだと思ったスピカ。彼女は流れるようにスッとスマートフォンを差し出す。
「そういえば最近、この辺に怪しい船がいるってSNSで……これなんですが」
表示されていたのは、例の目撃情報。漁師は首をひねって思案して。
「こんなところ、特に魚が獲れるわけでもなし。何の船かなあ……」
場所は分かるんですね、とミコが問う。漁師が言うには、ここから15分ほど行ったところにあるそうだ。
「その辺で、こういった感じの見た事ない船って見なかったですか?」
拓哉からの質問にはいまいちピンとこない顔の漁師。
少なくとも場所は分かった。残るは島までの足だ……と、拓哉とスピカが難しい顔をした瞬間。
ところで、とミコが漁師へ話しかける。
「小父様?島への船、出して頂けますよね?」
ミコの声を聞いた漁師は、唐突に目が虚ろになる。まるで、スイッチが入ったかのように。
何が起きているのかと言えば……何のことはない。ミコの生成した弱い毒の効果と、彼女自身のフェロモンや催眠術の賜物である。
健康には影響がない弱い毒だが、飲んだ者は生成した本人であるミコの暗示にかかりやすくなる。
「はい、再従兄弟の娘である私と、そのお友達のお願いを聞くだけです……小父様、全然問題ないですよね?」
「ああ……ミコちゃんの、ためなら……そうだね、船を出すよ……」
これで、足も揃った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千波・みちる
港周りで島の手がかりを探す
地元っぽい人達に手当たり次第写真を見せて
何か知ってる事ないか聞いてみる
下手な鉄砲数打ちゃ当たる!
島のことを知らなくても、そういうのに詳しそうな人を教えてもらえてもめちゃ助かる〜
場所の見当がついたら次はそこへ渡る方法
島のこと教えてくれる人が優しい人で船に乗せてくれたり、紹介してくれたりしないかな〜
高校の課題で民話について調べててさぁ、実際にモデルになったところを見にいってみたいんです!
渡るのに必要な費用も勿論出すんで!
…バイト代で足りる範囲なら
なんて、実際バイトなどしてないが自分の財布を覗きながらコミュ力生かしてお願い
フーー!
船ってテンションあがる!
乗り込んで楽しそうに
●
さて、こちらは一人現地に乗り込んだみちる。
爽やかな好青年の風を纏う彼の、ビタミンカラーの眼鏡が眩しい。
少年はきょろきょろと港を見回し、まずは聞き込みの準備から。
スマホに表示させた件のSNSへの投稿写真も片手に、目についた人へ聞き込みを始める。
通りがかりのおばあちゃんや、地元の女子高生に。さらには自転車の小学生ボーイ達へ。
総当たりという感じだが、断片的に話が集まってくる。
「この島ー?無人島っていうか人いるの?無人島っしょ?」
「この近くで釣りすると沢山釣れるよー!」
「じゃあ、この写真の船も密漁船?やだ、海保に連絡しなくちゃ」
といった、しょーもない話ばかりかと思いきや。お年寄りの一人、漁師のおじいさんが気になることを口にする。
「あそこはボロの祠があるくらいで……」
「祠!?祠があるの!?」
みちるは、身を乗り出さんばかりにおじいさんに詰め寄る。
「あ、ああ……何の物かは分からないけど、小さい祠があるのさ」
「俺っ、高校の課題でこの辺の民話について調べてて!そこ、乗せてって貰えませんか!?」
学校の、というのは建前だが、任務という大きな課題が懸かっているだけに、思わず熱弁になるみちる。
「是非見に行ってみたいんです!タダとはいいません。えーと……渡るのに必要な費用も出すんで!!」
途中、財布を覗き込む仕草も挟んで、おじいさんに懇願するみちる。
それを見て、老漁師は感心したかのように顎を撫でて。
「む、珍しい子だね。そこに船を出すくらいならどうってことないが。お若いのが勉学に励むのは良いことだ。良いよ、タダで」
「本当!?ありがとうございまーす!」
みちるの元気のよいお礼が、周囲に響いた。
漁師のおじいさんの厚意で船を出してもらうことになった、が。ちょっと予想外の事態が起こる。
「ちょっと飛ばすからな。しっかり掴まってろよ」
「フー!船って……テンションあがる~っ!」
ちょっとどころの話ではない。下手すれば振り落とされそうなスピードで滑る漁船。必死にしがみつくみちる。
あっ、眼鏡が落ちそう。
……おじいさん、結構な飛ばし屋であった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『翠翁』
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POW : 縺ソ繧薙↑縺ゥ縺薙∈?
【意識】を向けた対象に、【対象の内部を植物に変えること】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 蝸壼他縲∝履蜻シ縲∝履蜻シ窶補?輔?
自身からレベルm半径内の無機物を【土壌に、猟兵を問答無用で植物】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : 縲主卸荳悶?繧ィ繝シ繝?Ν繝ッ繧、繧ケ縲
全身を【エーデルワイス】で覆い、自身の【周囲にある植物の数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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儀式当日、夕刻。
太陽が水平線の反対側、山の端に沈みゆく。
猟兵達が向かうは小さな無人島の真ん中、古びた小さな祠。
邪神を奉ずる人々は、もう儀式の手筈を整えてしまっただろうか?急がないと!
ふと気づくと、足元の雑草がにょきにょきと急激に伸びだしている。
間違いない、これが今回降臨するオブリビオンの能力だ!!
この世に降り立つ前から力の片鱗を見せる程の個体が、フルパワーで顕現したらどうなるか分からない。
儀式を少しでも妨害し、完全降臨を防げ!!
花園・スピカ
【WIZ】
言葉が通じる相手とは思えませんが…どうしても想いを伝えたくて
辛かったですよね、置いてきぼりにされて…
仕事に飽きる事なく離れ小島にまで気をかけて…貴方は本当に真面目で優しい龍
そんな貴方の力は人を傷つける為のものではないはずです
帰りましょう、貴方の在るべき場所へ…
【破魔】と龍の力を悪用されたくないという【祈り】の力を込め攻撃
UCの女神の輝剣と【衝撃波】で植物を切り払い相手の攻撃力強化を少しでも抑える
草木を傷つけるのは正直少々胸が痛みますが…
敵が飛翔を試みた場合は地上から【破魔・衝撃波】とUCの浄化の【2回攻撃】で挟み撃ちにし阻止
敵の動きを観察、【学習力】で学習し少しでも味方の被害を減らす
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
花言葉は『大切な思い出』でしたっけ?
独り取り残され思い出に浸る存在にはある意味相応しいのかもしれませんね
◆行動
儀式の場に着いたならば
【黒竜の闇帳】でこの地を私の領域とさせて頂きましょう
うふふふ【暗視】可能な私にとって闇は妨げになりませんしね
そして暗闇に乗じて【毒使い】で精製した腐食毒を
【念動力】による風に乗せて件の竜種の元へ運び
周囲で繁茂して力の源となる植物から【生命力吸収】し腐らせてしまいましょう
猛り狂って私の方へと【おびき寄せ】られたら好機です
【第六感】に従って致命的な攻撃は躱し
逆に手痛い【カウンター】をお見舞いしましょう
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
●
祠を中心に、邪神の輩が立てた祭壇が、翡翠色の光に覆われ吹き飛ぶ。
その光の中から現れたのは、見上げるような巨体で……
「―――――――――――!!」
ヒトには言語として聴き取れぬ、なんとも形容しがたい声が周囲に響く。
猟兵の前に立ちはだかるのは、翠色の龍。
「神だ!」
「龍神様だ!龍神様が降り立ったぞ!」
邪教徒達は歓声を上げるが、それも龍の鳴き声でかき消される。
「……辛かったですよね。きょうだいに置いてけぼりにされて。」
あくまで勤勉に。ただ、親のいうことだけを聞いていた末弟。
スピカは、言葉が通じずとも語り掛ける。実直な、やさしい龍が、悪い人に利用される前に。
彼の在るべき場所は、此処ではない。家族の下へ、帰れるように……
龍の身を飾る、白い花に目を留めるミコ。
「花言葉は『大切な思い出』……でしたっけ?」
たった一人で地上に残され、思い出に浸る日々を幾ら送ってきたのだろうか。
そんな龍が薄雪草をその身に咲かせるのは、言葉を伝えられぬ者のせめてものメッセージか。
スピカは、星の杖に祈りを込める。
「星と正義の女神よ、罪深く穢れし哀れな者達に魂の審判を……!!」
杖を振り翳し、翠龍の頭上に顕現するは裁きの女神……そのユーベルコードの銘もまた、人を信じて最後まで地上に在った女神であったのは偶然か、はたまた必然か。
女神の斬撃が龍へ突き刺さり、天秤から降り注ぐ金色の光が、植物の異常成長を押しとどめる!
「貴方の力は、人を傷つける為のものではないはずです…っ!」
夜空色のドレスの裾が揺れる。
杖から響く荘厳な音。それは破魔の衝撃波となって龍を包み、巨体の歩みを押しとどめる。
ミコは、スピカが詠唱するのと同時に、己の奉ずる神への奉献の呪文を謳う。
「いあ!いあ!はすたあ!……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第陸の竜よ!」
すんでのところで、魔女の呪いは翠龍を掠めてゆく。
しかし。
「うわぁぁぁぁ、何だ!見えないぞ!何も見えないぞ」
五感を遮る全くの闇が包む地へ、戦場を変化させる。猟兵なら抵抗ができても、一般人は一瞬にして感覚を全て失ってしまう。
周囲では邪教の教団員が悲鳴を上げてへたり込んだり、パニックに陥っているのだが、それも彼ら同士では見ることも聞くことも出来ない。
「うふふふ、私の闇。どうですか?」
魔女らしく不敵に笑うミコ。闇すらも完全に捉える双眸が光る。
伝統的なウィッチクラフト……魔女の儀式では、儀式に際して黒い服を着るを「暗闇を纏う」と称すのだが、ミコは真に暗闇纏う魔女だ。
その闇の中に風が吹く。その風に乗り、魔女の毒薬……オブリビオンすら腐らせる毒が龍を包む。
龍の身に生えた花と、周囲の生い茂る植物。それと、お仕置きとして邪教徒からもちょっとばかり。
ミコが魔力を吸い上げる。
逆に龍の花は萎れ、周囲の植物は枯れ落ちる。
パニックに陥っていた邪教の者はぐったりとし、その場に崩れ落ちる。歩き回られて巻き添えになっては後味も悪いだろう。
聖女と魔女。
二人の猛攻は、地上に残された龍の子に、確かな痛手を負わせたのだった。
大成功
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波狼・拓哉
わー…いや予想外に綺麗なの出てきましたね?ま、背景とかは一ミリも興味ないんでここで沈み還りな。
じゃ、龍には龍ということで。化け咆えなミミック。…あれ意識とかあるのかね?まあ、別にその辺重要じゃねーし気にせず狂気で塗潰してどちらがより深淵覗いているか教えてあげな。あ、何か草耐性ありそうな龍に化けとこか。というか目の前の奴でいいんじゃね?狂気混ぜれば意識散らせそうだけどどうですかね…?
自分は衝撃波込めた弾で撃ったりしてサポートに。周りの花とか植物とか荒らしたりもしておこうか。植物変化はこっちにやられるとどうしようもないし目立たないようにはしておこう。呪詛だったら弾けるんだけど。
(アドリブ絡み歓迎)
千波・みちる
あー……楽しかったけどちょい酔った気がする
じいちゃん元気すぎるでしょ〜
めっちゃ良いことじゃん長生きしてね
っと、萎えてる場合じゃないか
さっさとしないと余計ダルいことになっちゃいそうだし
マジメにお仕事やってこー
デカっ!!!
置いてかれちゃったってマジつれないじゃんね
今も寂しさとか?感じてたりすんの?
うんうん、めちゃわかる〜
いや何言ってんのか全然わかんないんだけど
とりま、俺とも遊んでちょーだいよ
あ、手加減はしてね!
背中から伸びるUDCの触手が動きをサポート
触手の動きを利用して避けたり加速したりしつつ懐に潜り込み
心臓?コア?あたりを目掛けて片想片愛で攻撃し即時離脱
わ〜!死ぬ死ぬ!ぺっちゃんこは勘弁!
双代・雅一
適度に仲間の猟兵が戦っているであろうタイミングを見計らい。
突然の吹雪と共に、雪の中から現れよう。
交渉ごとは不得手でな……誰かが島に到達してくれたら充分だった故。
植物は冷気に弱かろう。荒ぶる龍神と周囲の草花諸共、凍らせる。
……弟龍か。寂しそうにも見えるが……。
最初の一撃が済んだ所で俺の仕事は果たした。後は任せる。
(かけていた眼鏡を外すと雅一に交代。表情が変わり)
少なくとも、俺は弟を見捨てる真似はしないさ。
出来る事は神送り――彼を骸の海に帰してやれば、兄や姉と再会出来るのかもしれないな。
植物化を受ける前に氷属性纏った槍を手に追撃。
肉のある部位など、ダメージが入りそうな部位より貫き砕こうか。
●
「じいちゃん、元気すぎるでしょ……」
島まで送ってくれた老漁師に別れを告げ、みちるは若干青い顔をして島に上陸した。
しかし、その表情は一瞬にして固くなる。
視界には、巨大な龍。
「デカっ!!……っと、萎えてる場合じゃないか。マジメにお仕事やってこ!」
彼の心臓が、どくんと波打つ。
背中の方から服の破ける音がして、姿を現したのは紫色の触手。
「置いてかれちゃったって、マジつれないじゃんね」
今も寂しいのかと聞くみちるへ、龍は言葉ではなく蔓の鞭で答えた。
蠢く植物の蔓に向けて、自分の触手をぶつけながら相槌を打つみちる。
「うんうん、めちゃわかる〜あ、手加減はしてね!」
実は全然わからない。わからないが、彼は努めて明るく振る舞う。自分のペースを崩せば、やられる。
「わー……いや予想外に綺麗なの出てきましたね?」
背景とかは一ミリも興味がないと、拓哉はミミックに変化を命じる。
箱のような相棒は、龍なら何にでも転身ができる。
目には目を、龍には龍を。
「あれ意識とかあるのかね?まあ、別にその辺重要じゃねーし?」
そういったことは気にもしない様子の拓哉。
「狂気で塗潰して、どちらがより深淵覗いているか教えてあげな!吼えろ、ミミック!」
目の前の龍をコピーしたかのような姿に変じたミミックが、爆発するような咆哮を上げる。
びりびりと空気が震え、翠龍の背の花も、儚く吹き飛ぶ。
確実に押している。しかし、決定打に欠けるこの状況。
「時も、命も。全て凍れ」
青年の声とともに突如として吹き荒ぶ吹雪!梅雨終わりの湿気った夏の空気が、一瞬で凍えそうな季節へと変貌する。
白い吐息のような烈風に包まれて。雅一……いや、惟人が姿を表す。
吹きやまないその雪風は龍や、その足下の草花を荒々しく苛む!
「……弟龍か」
どことなく佇まいは寂しそうにも見える。と、惟人は目を細め。
「俺の仕事は果たした。後は任せる」
そう言いつつ眼鏡を外すと、表情が少し柔らかいそれへ変化する。身体の主導権を、兄の雅一へ返したのだ。
「少なくとも、俺は弟を見捨てる真似はしないさ」
兄として。地上に取り残された弟、と言う存在に、雅一に思うところは余りある。
最早、オブリビオンとなった龍に出来ることは骸の海へ還すことのみ。
還ることが出来たなら……きっと、家族にも再会できるだろう。
草花を枯らし、龍を苛む吹雪で形勢は一気に猟兵へ有利に傾く。
「そこだ」
雅一は白蛇のような槍を鋭く振るい、氷の魔力で追撃を仕掛ける。
狙うは脚。刺し貫いた氷槍は、吹雪で弱った龍の足取りを縫い止めるように阻害した!
背中から生やした触手を脚の一部のように操り、回避に一撃離脱にとすばしこく動き回るみちる。
機は熟した。狙いを定め、キリキリと地に付けた触手を引き絞る。
「それじゃ行くよ!避けないでね!」
龍の心臓に当たる宝珠目掛け、一直線に自分を射出するみちる。
放物線を描きながら、背中の触手は塊となり。更には、身体の前面で剣のように成形され……
「アンタの心も、俺に頂戴?」
宝珠に最接近したタイミングを逃さず、紫色の触手が宝珠を刺し貫く!
それと同時に、萎れ枯れようとも伸びる意思を捨てなかった草花たちの芽吹きは完全に止まる。
龍の巨体も、宝珠が割れれば徐々に動きを止めてゆく。
貫き穿つと同時に、龍の肋骨を蹴るようにして離れたみちるだが……
「わ〜!死ぬ死ぬ!ぺっちゃんこは勘弁!」
動きを止めた龍が、重力に従いグラリと大地に身を横たえようとする。
みちるの着地場所目掛けて倒れてきたものだから、彼は慌ててまた跳躍した。
どっかりと、大地へ倒れ込む翠龍。
身体に生えた薄雪草は枯れ、心臓に当たる宝珠も光を宿していない。
猟兵達はついに、哀れな龍を寂しい地上での生から……解き放ったのだ。
●
その場に居た者に、声が聞こえた。
微塵も興味がないと、龍に対し心を閉ざしていた拓哉以外には全員に。
何とか命拾いして、物陰から震えて覗いていた邪神の信仰者達にも。
『薄雪、薄雪……』
天から降ってくるように、上空から聞こえる声。それは、低い男のものだった。
『稚い花、愛い花よ……』
その声と共に。
天から降ってきた光が、斃れた龍を包んだ。
光に包まれた龍は、サラサラと身体が光の粒子へと崩れ……その光と同化してゆく。
すうっと、煌く一筋の光が天に昇り……消えた。
完全なる余談だが、その後今回の事件を引き起こした邪神教団は、これをきっかけにオカルトから手を引いて街の緑化活動の団体に転身したという話。どっとはらい。
大成功
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