5
鐘の音が鳴る時に

#サムライエンパイア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア


0




「うーむ、これまためんどくさそうですねぇ」
 とある部屋の一室で、額を抑えて思案するウインド・ノーワルド(自称ドクター・f09121)の姿があった。
「あ、ちょうどいいところに。面倒な案件があるんですが、ちょっと受けていきません?」
 面倒な、と言われればそれだけで受ける気力さえなくなってしまうが、グリモア猟兵である彼女が言うという事はオブリビオンによる事件が起きたという事だ。
「まぁ、察しの通り。まだ大きな事件にはなってねーんですが、これから起きるってことですね」
 ふぅ、と彼女は一息ついてから、再び説明を再開する。
「予知をしたにも曖昧な予知なんですが、これから一気に人が燃やされて消滅するっていう不穏な未来を確認しました。現状判明した地点はサムライエンパイアの山村ですね」
 説明された場所は、サムライエンパイアに存在する山村。人里からそう遠く離れてはいないが、それなりの規模の住居が存在し、寺や商店街なども存在していて発展した場所であるという事。
 外部との交流もそれなりにあり、人に対しては辺りもよく猟兵達が出向いたとしてもきっと快くは対応してもらえるだろう。
「現時点で、行方不明者が出てる事には違いないんですよ。規模はまだ小さいですが……人が消えるとき、必ず鳴り響く寺の鐘がある、というのが現在の情報だけでして」
 鐘の音。この時期で言えば除夜の鐘とでもいうところだろうか。
「ま、ぶっちゃけるとなーんもわからないのに不穏な結末だけ予知しちまったせいで、放っておけないっていう事ですよ」
 もっと便利に全部分かれば楽なんですが、と愚痴る彼女だがそうもいっては置けないだろう。
「まぁ、という事もあってまずは情報を集めてもらうところから始まりますね。一つだけ言うのであれば、私の見た予知の中では歪んだ笑みを浮かべる少女の姿があった。っていうのが最後の情報でしょうか」
 歪んだ笑みの少女。それが元凶のオブリビオンだろうか。
 ウインドは眼鏡をはずして、一息つくと転移の準備を開始する。
「どちらにせよ、ああいう手合いは好きですが……自分本位で笑顔を奪う結末はさすがに見逃せねーんで、皆さんご協力頼みますよ」
 いつにもましてまじめな様子で、転移を開始する。
 現地に向かった君達に鐘の音が響く。さぁ、この事件の謎を突き詰め、犯人を討ち取るとしよう。


トビカゼ
 トビカゼです。今回は情報を追いかけるという形で事件に対応してもらう形になります。
 夜な夜な鳴り響く鐘の音と共に消える人々。ミステリーの香りがしますね……事件の原因と犯人を探り、追い詰めていきましょう。
 まずは情報収集から、鐘と事件についてを村人に聞いたり独自に調査したりし行くといいでしょう。
 それでは、皆様のご参加お待ちしております。
20




第1章 冒険 『業火の除夜の鐘』

POW   :    寺で梵鐘を見張る、梵鐘にわざと攫われる

SPD   :    梵鐘にGPSを取り付けて囚われた人の居場所を見つける

WIZ   :    攫われる人の特徴から次のターゲットを割り出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふむむ、なるほど……」
 山村で情報を集めながら、唐木沢・美鈴(ご飯大好き狐っ娘・f03221)聞いた話を頭で巡らせる。
 集めた情報は行方不明になってしまった人物の性別、年齢、種族。ありとあらゆる共通点を探ってみようととにかく聞き込みをして回っていた。
 と言っても、行方不明者はいずれも共通点はなくバラバラで、これだけでは答えに行きつけそうにはなかった。
「お、そっちはどうっすか美鈴殿」
 不思議と存在感を醸し出す、モルツクルス・ゼーレヴェックス(戦争大好き(自称)・f10673)も同じように聞き込みを終えて回ってきたようだ。
「うーん、特に共通点はないってところかな」
「あー、同じっすねぇ。こっちもそれは確定っす」
 互いに集められた情報は同じ。だが糸口にはなっていなかった。
「とりあえず少し休憩しましょうか」
 さっきから美鈴の意識が近くの茶屋に向かっている。
 露骨に入りたい、食べたい。いやもうあれ絶対おいしいでしょうという彼女の気持ちが耳やしっぽに現れて、それはもう大きく揺れ動いている。
「あ、あー……まぁ、いいっすよ」
 もうちょっと集めるべきかと思ったが、休憩も必要だろうという事で美鈴とモルツクルスは近くの茶屋に足を運んだ。
「御免くださいっす」
「ああ、いらっしゃい。少し待っていてね」
 モルツクルスが挨拶をすれば、店の店主は少し気の落ちた様子でお茶を出してくれた。
 少し待てば、二人の前においしそうなお団子が並び、美鈴はキラキラした目でそれにくぎ付けになっている。
「しかし、店主さん。随分元気がなさそうで……もしかして、行方不明者が身内に?」
 だが、モルツクルスは店主の様子が気になった。だから今一番可能性がありそうな内容を、その心理を図りながら問いかけた。
「はむ……おいしぃ……あ、お困りでしたらお聞きしますよ?」
 美鈴が緊張をほぐすように微笑みかければ、店主は頷く。
「うちの妻が行方不明になってしまってね……本当に優しい奴だったんだが、小さな子供が困ってるからって言って飛び出してさ」
 子供? その単語が気になった。
「ほう、美鈴さん」
「ええ、奇遇ですね。私も気になりました」
 集めた情報で共通点があるとすれば、皆一様に、良い奴だったのにとか、優しい子なのになど、そういうことを話していた。
「どうやら犯人は被害者の優しい心を利用してるってことっすね」
「気に食わないけどそうみたいね……」
 これは大きな情報だ、これ以上の被害を抑えられる可能性まである。
「ありがとう店主さん、お団子おいしかったです!」
「付き合い頂きありがとうっす。失礼しまっす!」
 二人が礼儀正しくお礼をすれば、店主は元気がないながら精いっぱいの笑みを返してくれた。
 これ以上被害は出させられないし、何とかして助けてあげねば。
 情報をもとに、二人は再び活動を再開した。
唐木沢・美鈴
『wiz』
とりあえず現場ひゃっぺんって言葉があるし、今までさらわれてきたひとに共通点があるかを聞いてみようかな。
たとえば性別、年齢、種族……
ああ、職業や趣味嗜好なんて言うものも調べておいた方がいいかも?
もしかしたら次のさらわれるひとや、あるいはその候補が見つかるかもしれないし……
村の茶屋とかでよい食べっぷりを見せて人なつこく、
周囲の緊張解きほぐしつつさりげなーく質問してみようかな。

「ここのお団子美味しいですねぇ!……もう年の瀬だし、除夜の鐘も近いですね……」
「……そういえば皆さん少し顔色がよくないみたいですけどお話聞かせていただいても?」


モルツクルス・ゼーレヴェックス
【WIZ】

「御免くださいっす」

聞き込み、調査、精査に探査、近道なんて無いっすからね

「最近ここらで人が消えてるって話を聞きまして、こりゃ見過ごせないってんで調べてるっす」

【生まれながらの光】と【存在感】で惹き付けて、にこやかに聞いて回るっす

「誰が消えたとか、何処で消えたとか、噂を聞いたのは何時とか……」

【コミュ力】で話す人の心理まで推し量りたいっす
得た情報は【学習力】で覚えて整理するっす推理するっす

「へえ、なるほど、で、その消えた人ってどんな人でした?」

色んな人に聞くっす
老若男女、士工農商 、東西南北
そえぞれに対応した【礼儀】でいくっす

「いやーお付き合い頂きありがとうっす。失礼しまっす!」



「ふむむ、なるほど……」
 山村で情報を集めながら、唐木沢・美鈴(ご飯大好き狐っ娘・f03221)聞いた話を頭で巡らせる。
 集めた情報は行方不明になってしまった人物の性別、年齢、種族。ありとあらゆる共通点を探ってみようととにかく聞き込みをして回っていた。
 と言っても、行方不明者はいずれも共通点はなくバラバラで、これだけでは答えに行きつけそうにはなかった。
「お、そっちはどうっすか美鈴殿」
 不思議と存在感を醸し出す、モルツクルス・ゼーレヴェックス(戦争大好き(自称)・f10673)も同じように聞き込みを終えて回ってきたようだ。
「うーん、特に共通点はないってところかな」
「あー、同じっすねぇ。こっちもそれは確定っす」
 互いに集められた情報は同じ。だが糸口にはなっていなかった。
「とりあえず少し休憩しましょうか」
 さっきから美鈴の意識が近くの茶屋に向かっている。
 露骨に入りたい、食べたい。いやもうあれ絶対おいしいでしょうという彼女の気持ちが耳やしっぽに現れて、それはもう大きく揺れ動いている。
「あ、あー……まぁ、いいっすよ」
 もうちょっと集めるべきかと思ったが、休憩も必要だろうという事で美鈴とモルツクルスは近くの茶屋に足を運んだ。
「御免くださいっす」
「ああ、いらっしゃい。少し待っていてね」
 モルツクルスが挨拶をすれば、店の店主は少し気の落ちた様子でお茶を出してくれた。
 少し待てば、二人の前においしそうなお団子が並び、美鈴はキラキラした目でそれにくぎ付けになっている。
「しかし、店主さん。随分元気がなさそうで……もしかして、行方不明者が身内に?」
 だが、モルツクルスは店主の様子が気になった。だから今一番可能性がありそうな内容を、その心理を図りながら問いかけた。
「はむ……おいしぃ……あ、お困りでしたらお聞きしますよ?」
 美鈴が緊張をほぐすように微笑みかければ、店主は頷く。
「うちの妻が行方不明になってしまってね……本当に優しい奴だったんだが、小さな子供が困ってるからって言って飛び出してさ」
 子供? その単語が気になった。
「ほう、美鈴さん」
「ええ、奇遇ですね。私も気になりました」
 集めた情報で共通点があるとすれば、皆一様に、良い奴だったのにとか、優しい子なのになど、そういうことを話していた。
「どうやら犯人は被害者の優しい心を利用してるってことっすね」
「気に食わないけどそうみたいね……」
 これは大きな情報だ、これ以上の被害を抑えられる可能性まである。
「ありがとう店主さん、お団子おいしかったです!」
「付き合い頂きありがとうっす。失礼しまっす!」
 二人が礼儀正しくお礼をすれば、店主は元気がないながら精いっぱいの笑みを返してくれた。
 これ以上被害は出させられないし、何とかして助けてあげねば。
 情報をもとに、二人は再び活動を再開した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

勘解由小路・津雲
「さてはて面妖な。鳴り響く鐘と消える人々の関わりがわからない。まずはどんな人々がいなくなっているのか、調査するところからかな」

■行動【WIZ】
快く対応してもらえるだろう、とのことなので、村の人たちから行方不明者のことを聞き、またいなくなった思われる時間や場所などを確認、次のターゲットを推測してみる。他に同じ様な調査している猟兵がいれば、情報を共有していきたい。「ちょっとすまない、話を聞かせてほしいのだが……【村人に向けて】」「ということなんだが、どう思う?【仲間に向けて】」(台詞は例です、無視してどんどんアレンジしてもらって大丈夫です!)


ヴィント・シュピール
不穏な未来、ね。
それを放って置くなんて出来ないでしょ!
ま、私に任しておいてよ。
ズバッと解決しちゃうから!……これが初仕事だけどね!

判定は【WIZ】と【SPD】

まずは「錬成カミヤドリ」で複製した魔導書を梵鐘に潜ませておくよ。
動きがあったら、コレで察知できるかな?

さって、次は聞き込みだね。
村の人に声を掛けて、猟兵だと伝えてから行方不明の事を聞いてみよう。
ね、居なくなった人の特徴を教えて欲しいんだ~。
話を聞いた人に、他にも情報を知ってる人がいないかを聞いて
更に調査を続行!
情報は多ければ多いほど良いのだ!
聞いた情報は私(本体である魔導書)にメモ~。
(白紙のページにサラサラ~と自動で文字が書き込まれる)



「不穏な未来、ね……」
 ヴィント・シュピール(蒼風の魔導書・f04737)は寺の錬成によって複製した魔導書をそっと張り付けながら呟いた。
 果たしてこれから何が起きるのかは分からないが、放っておくことなんてできない。
 初仕事だからと気後れすることもなく、任せてと力強く宣言してこの場に来ていた。
「よし、次は聞き込み!」
 何かあればこれで察知できるという事で、ヴィントは急ぎ聞き込みに回る。
 寺のすぐ近くには人の集まる場所があり、そこに向かえば既に聞き込みをしている猟兵の姿があった。
「ふむふむ、居なくなった者達は総じてどこかに行く……と言っていたのか」
「おーい、津雲くん!」
 勘解由小路・津雲(ヤドリガミの陰陽師・f07917)は情報収集中に駆け寄ってきたヴィントを見て振り向く。
「どう? 面白い話は聞けた?」
「ああ、行方不明者は行方不明になる前に人目の付かない場所に出かけていたようだ」
「ふむふむ、なら人目の付かない場所がどこにあるかと聞いて回るのもいいかも」
 それはいい、と津雲は頷く。これから起こる被害と、場所を割り出すこともできるかもしれない。
 頑張るぞ、とヴィントは気合を入れなおし、再び聞き込みを再開する。


「ふーむ。可能性がありそうなのは山奥か」
 寺の更に奥。その山奥ならば確かに人目には付かない場所。
 集まった情報としては、大体がその場所を指し示しているがあまり村人たちは奥地にまで立ち入らないようで、その先に何があるかまでははっきりとしていない。
「と、なるとその付近を調べてみる必要があるかな。一旦戻って……」
 津雲が提案するよりも早く、ごーん、ごーんと言う突然鐘の音が鳴り響いた。
 同時に、ヴィントが驚いたように反応を示す。
「……鐘が!? 魔導書が振り落とされた……?」
「何か起きたか、面妖な……。急ぐぞ」
 二人は急ぎ、鐘の元へと走る。
 そんな二人がたどり着いたとき、寺の鐘は忽然と姿を消していた。
「どういう事、これ」
「……鐘そのものが犯人、いやまさかな」
 ここに来ての事実、動揺を隠しきれはしないが鐘自体が危険なことは違いないだろうという情報を掴んだ二人は、引き続き調査を再開した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

縁城・陽
燃やされて消滅……許せねーな、それ。
オレのいた村みてーなことは、絶対にさせちゃなんねー。
そのためにも、どんな魑魅魍魎…オブリビオンなのか
尻尾を捕まえてやんねーとな!

行動:POW
技能:おびき寄せ/勇気/ダッシュ

見回りを兼ねて梵鐘に攫われる囮役やってみる。
幸いオレはこの世界にいる羅刹だしガキだから……
村人の格好して走って遊んでるふりしよーかな?
「もーいくつねーるーと……♪」
「あれー、みんなどこー?かくれんぼでもしてんのかー?」
自分が襲われなくても鐘が鳴ったとき
走って痕跡探しにいければ
攫われて場所を突きつめたら、抜け出せれば抜け出す
無理ならヒントになるよう身に着けてるものを落としておく

※絡ませ歓迎



予知によって導き出された未来。それは多くの人々が燃やされて消える。
 そんな結末を聞いて縁城・陽(瓦礫の城塞・f03238)の脳裏には魑魅魍魎に侵攻されて地図から消えた、燃え上がって何もかもが残らなかった自分の故郷が思い出されていた。
「絶対にさせちゃなんねーよな」
 そんな悲しみはもうあってはならない。強い決意を抱きながら、陽は一人村の周囲を歩いていた。
 少し山場に近く、李汲んだ場所。村人の衣装を真似た服装はこの町の子供にしか思えない。
「あれー、みんなどこー?」
 よし、と気合を入れなおしおどけた態度を取る。
 これで簡単に釣れるかは分からないが、遊んでいるふりをしていれば犯人は釣れる可能性が高い。
 ごーん、ごーん。と鐘が鳴る、寺の鐘の音だ、話によれば何か起きる可能性は大きいはず。
「かくれんぼでもしてんのかー? おーい!」
「こっち……助けて……?」
「え?」
 気合を入れて演技をすれば、突如か細い声が返ってくる。
 慌てて陽が声の元に駆けよれば、そこには足を怪我した少女の姿があった。
「おい、大丈夫か!?」
「痛くて……手を貸して?」
 村人だろうか、放ってはおけないと陽が手を貸そうとする。
 その瞬間、陽は見た。少女の顔が歪むのを。
「っ!?」
 咄嗟に本能が危機を告げ、距離を取る。
 業火が燃え広がるなか、陽は素早く飛びのき……そして見た。
「鐘……」
 一瞬にして少女の姿が鐘の形に転じ、自分を炎と共に飲み込もうとしてきた。
 だが、危機を逃れたおかげで正体と、この先に何かがある事は確信できる。
 山の奥、一先ずは戻って情報を共有すべし、と陽は一度撤退することにした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『予告状を探れ』

POW   :    怪しい場所へ殴りこむ、怪しい人を捕まえて調べる

SPD   :    走り回り情報を得る、細工や罠をしかける

WIZ   :    過去の資料を調べて敵を絞る、町人達に話しかけ調査する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おおーい! 大変だぁー!!」
 情報を集め、整理をしている猟兵達の元へ村人が一人焦った様子で駆け寄ってきた。
 何事かと君達が問いかければ、息を切らせて彼は1枚の用紙を見せてくる。
「何のことかわからねぇけど、これが寺の近くに落ちててさ」

『村人の皆様
 新しい世を迎える前に、その身に抱えた煩悩の念を浄化しなければいけませんよね
 そのための儀式の準備を整えさせてもらいました。本日の深夜に山を見ていてください

 その身に抱える煩悩の念を私が炎で浄化してあげます』

「……こんな内容だぁ。山で何か起きるのか?」
 炎、浄化。煩悩。嫌なワードがよぎる。
 山の中で何かが起きるのだとしても、あまり時間はない。
 手当たり次第に山を漁るよりも、情報を集めて確実な行動をとるべきだろうか。
 それとも現地で事態が起きた時にすぐに動けるように仕掛けを施すべきだろうか。
 行動は君達にゆだねられている。
勘解由小路・津雲
だんだんいろんなことが明らかになったが、まだわからないことが多い。ここはあわてず調査するとしよう。

■行動 【WIZ】
過去の資料をから手がかりが得られないか調べる。資料が乏しい場合は人々から話も聞く。同じ行動をとる仲間がいれば当然手分けする。

さらに、別行動をとる仲間がいれば、ユーベルコード【式神召喚】を使用、式神をはなって情報を届ける。こうして迅速かつ確実に猟兵間の連携を取り、残された時間の少なさをカバーしたい。


ヴィント・シュピール
新年の除夜の鐘的な?
煩悩の浄化は鐘の音だけにしておいて欲しいね!
それに、煩悩なんて有って当たり前。
それを炎で命ごと燃やそうとしてるなら、止めなくちゃ!
煩悩は消すんじゃなくて、抑えるもの!

判定は【WIZ】

紙の資料を読むのは得意だよ。私、本だしね!
しかも魔導書。細かい文字や記号、イラストがいっぱい!
まぁ、今の私は空白ばかりなんだけど……。
それはさて置き!
「錬成カミヤドリ」で分身を作って資料を集めて来て片っ端から読み漁る。
過去、誰かの煩悩、欲望が原因の事故・事件がないか調べる。
事故・事件、その被害者や加害者が判ったら村人さん達にも話を聞いてみよう。
記録に無くても、記憶にある可能性もあるからね!



「いろいろと事態は見えてきたが……」
 唐突に消えた鐘の音、猟兵に起きた被害、攫われた者たちの共通点。事件の全容がわかりはしてきたものの、まだ焦るわけにはいかない。
 勘解由小路・津雲(ヤドリガミの陰陽師・f07917)は村の書庫を歩きながら思考を巡らせる。
「新年の除夜の鐘的な感じなのかな?」
「かもしれないな」
 そんな津雲と先ほどから共に行動しているヴィント・シュピール(蒼風の魔導書・f04737)の両手にはいくつもの資料が抱えられている。
 先ほどから資料室ではしきりにヴィントが錬成した自身の分身が走り回り、様々な資料を集めて運んできていた。
「過去に、この地域では山に火を放ち煩悩を払う……という習わしがあったようだな。今は危険性があったがゆえに行われることは無くなっているようだ」
「おかげであんまり事故があったりとかはないんだね。人の心を洗う儀式、ってことだったのかぁ」
 ぺらり、ぺらりと二人は資料を読み漁る。
 これだけではまだ結びつかない、人を攫って何をしようとしているのか、何か見つかれば。
 刻一刻と時間だけが二人の気持ちを焦らせていく。
「……あった! 津雲これ!」
 ヴィントが声をあげれば、津雲は急ぎ資料に目を回す。
 資料にあったのは、この土地で行われていた儀式の内容。
 死者の魂を浄化し、そしてこの地に暮らす者たちが死者の念に縛られないように払う儀式。
 既に途絶えた古い儀式でほとんど伝わらないものであり、この血では忘れ去られたものなのだろう。
 鐘、炎、煩悩と葬儀。単語と要素は繋がる。今回の事件の犯人は、これを再現しようとしているのだろうが、死者ではなく生きている者達を利用しようという思考に至っているのだろう。
「大体事情はつかめたな……問題はどこで起きているか、だ」
「急いで探してもらおう! みんなを呼びに行かなきゃ」
 時間はもう、ほとんどない。ならばと津雲は式神を呼び、放つ。
「情報の共有は式神が対応してくれるはずだ。こちらも儀式の場所を探さねば」
 召喚した式神を見送り、二人は急ぎ行動を再開した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
【WIZ】
事前調査は基本っす!
町長とか長老とか、そういう人のところに言って話を聞くっす!
資料も見せてもらうっす!

【礼儀作法】には気をつけて頼むっす!

「怪異は鐘と童、二つの姿を持っていて炎と共に人を拐うっす……心当たりがあれば教えてほしいっす!」

【コミュ力】で柔らかく、【存在感】でグッと迫っての硬軟で交渉するっす!

「書物等が残ってるなら、拝見したいっす!」

予習は【世界知識】でバッチリっす。勉強得意っす!
【学習力】で予備知識と照らし合わせながら要点を探るっす!

山、寺、炎、浄化、煩悩、子供、鐘、優しい人
キーワードには特に注意するっすよ!

「知は力。地味に見えることこそ、全力っす!」

頁をめくり頭を捻る!



「怪異は鐘と童、二つの姿を持っていて炎と共に人を拐うっす……心当たりがあれば教えてほしいっす!」
 町長の宅。モルツクルス・ゼーレヴェックス(戦争大好き(自称)・f10673)はこの地の歴史に詳しい人物である町長に会いに来ていた。
 事前に得た情報を告げ、鐘自体が危険な存在であるという事と、子供の姿を取る鐘の危険性を告げれば、彼は沈痛な面持ちで頷く。
「ありがとうございます。まさかそのような……鐘の音が起きた場合、細心の注意をしてもらうように住民には通知します」
 しばらくすればこの危険性は伝わり、被害はこれ以上増えなくなるだろう。
「ところで、書物等が残ってるなら、拝見したいっす!」
「資料ですか。村の歴史の書類であればこちらに」
 町長はモルツクルスを奥の書斎に通してくれた。小さな書斎だが、残っている歴史書は詳細で分かりやすく、この村の資料が残っていた。
 詳しく調べるならここは適切ではないが、今までのキーワードと津雲の式神によって情報を照らし合わせて資料をあさる。
「……あった、山の中腹。この地点……っすね」
 儀式を行う場所。すでに封鎖され、危険な場所として隔離された場所だが、大掛かりに火を使うのであればここで間違いはない。
「でも、行方不明者を閉じ込めておくにはここは不適切っすね」
 儀式の場所は厳しい環境と、閉じ込める場所としては開けているため意識を戻せば住民もあっさり逃げるはず。
「これだけじゃまだ駄目っすね。きっとどこかに行方不明者が捕まってるはずっす……!」
 この地のどこか、モルツクルスは住民を救うために知識を巡らせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唐木沢・美鈴
【wiz】
どうも『鐘』そのものも怪しい気がしてきたけれど…
煩悩を浄化する炎、と言えば鐘がらみのそんな説話もあるし…調べる価値があるかも。

まずはその鐘のある寺の縁起とか、そう言うのも調べた方がいいかな。
もし世間にある鐘の説話をなぞらえていたら、『優しくしてくれたのに裏切ったひとを焼き尽くす』なんていう話もあったし、いやな予感しかしないのよね…

村の縁起についても調べてみないと。
煩悩というのが、この場合何を指すかもヒントになるかも?
あと煩悩の数…108と関連のある『なにか』が村や寺にないか、それも調査する必要があるかなぁ。
できるだけ村人に不安がらせないよう気をつけながらね。
笑顔、笑顔!



「鐘、戻ってこないわね」
 突如無くなった寺の鐘。いつもはここに残っているはずだったという話で、このような状態になったという事はないようだが、唐木沢・美鈴(ご飯大好き狐っ娘・f03221)が寺で話を聞いていても戻ってくる気配はない。
 煩悩を浄化する炎、鐘絡みにそんな話も存在している。それ故に不穏がよぎる、『優しくしてくれたのに裏切ったひとを焼き尽くす』というそんな一つの姫の話。
「と、言ってもそれがそのままってわけじゃないし……何か混ざったのかしら」
 考えていても、詳細な答えが出てくるわけでもない。兎にも角にも情報を集めねばならない。
「……煩悩、煩悩の数……108……」
 寺を巡り、思考を巡らせながら周辺を調べて回る。少々妙だ、寺自体に何かしら無駄な構造が見える。
「お困りですか?」
「あ、住職さん。寺を回ってて……ここ、少し妙だなって……随分大きいのに、使ってないところ多くないかしら?」
「ええ、もともとこの寺は古い時代には死者の安置所と罪人の留置場を担っていたんです」
 死者の安置と、留置場。
「……まさか」
「と言っても、ほとんどもう使っておらず。こちらでも封鎖してしまっているんですよ」
「ありがとう、とても貴重な情報だったわ」
 とても重要な情報だ。繋がる情報から見えてきたのは使われていない寺の奥の施設。
 山と繋がる場所にあるそのような場所。怪しい以上の言葉が出ない。
「あと少しね……追い詰めてやるわ」
 美鈴は一度この情報を共有するために、猟兵達の元へと向かう事にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

縁城・陽
山で浄化……嫌な予感がするぜ
煩悩をとか理由つけてっけど、別のモノも燃やすだろ?
絶対に思い通りにさせてやんねーぞ!

行動:POW
技能:勇気/ダッシュ/おびき寄せ/恫喝

何かが山の中で起こるのはわかるけど時間が少ねー…
調べるのは他の奴に任せオレは山を探す!
山を見てれば浄化云々がわかる……ってことは、山の中腹あたりか?
それでも広いけど山を走って殴りこみだ!
あからさまに怪しい奴が歩いてたら尾行し
現場捕まえて恫喝する
「てめぇら何やってたか吐いてもらうぜ?」
とはいえオレの見た目じゃ脅しにならねーから
恫喝時は羅刹旋風であたりの岩砕き一言
「言わなきゃてめぇの頭がこーなる」
情報を手に入れたら即他の奴らに連絡だ!



「くそっ、全然時間がねー……!」
 山を駆けまわりながら縁城・陽(瓦礫の城塞・f03238)は集められた情報をもとに現地を探っていた。
 山の中腹。登り切った陽は開けた場所に飛び出る。周囲は黒く、植物は生えていない。
 何度も何度もこの地で炎が焼かれたから植物も生えぬ地となっているのだろうか、それとも何らかの呪術でも働いた結果なのだろうかは分からない。
「ここ、話にあった場所……? でも誰もいないけど」
 誰もいないならば次に……と、駆けだそうとした陽は、何者かの足音が耳に入った。
「誰だ……!?」
 陽が意識を向ければ、そこには数名の村人を引き連れながら歩く少年の姿。
 子供が村人を連れて歩いている……というには状況はおかしい。村人の様子はうつろで、視線も泳いでいる。
「てめぇ何やってやがる!」
 勢いよく飛び出した陽は近くにあった岩を手に持った武器で叩き割り、威嚇するように睨みつけた。
「そいつらを解放して何をやってたか吐けよ。でないと次はお前がこうだ」
 小さな陽であっても、一撃で岩を砕く力を見せれば相手はたじろぐ。
「……っ」
 相手は何も言わず。村人達にも構わず急に駆け出す。
「待てっ!」
 逃がすわけにはいかないと陽は駆け、少年を追いかけていく。
 追いかけ、だいぶ先ほどの場所から距離が開いたところで遂に陽は少年に追いつき、飛びつく。
「……せっかくもう少しなのに」
 ぼそりと少年が何かつぶやいたかと思えば、自分事焼くように燃え上がる。
 次の瞬間、陽の目の前にはごろりと転がった大きな鐘。寺で使われていた鐘が転がっていた。


 そして、更に足音が響いてきた。
 明確な殺意と、共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「本当に困ります。せっかく皆さんの為に準備をしていたのに」
 山の中を歩きながら、片手に持った鋏を揺らしながら現れたのは、大きな尻尾を持つ妖狐。
 あどけない容姿と、可愛らしい仕草、洒落た服装はおとなしそうな様子を見せているのだが、明確な殺意はその体にこびりついた数々の血と灰から感じるのだろうか。
 不意の遭遇ではあったが、情報が早く猟兵達に出回っていた事もあり、気が付けば多くの猟兵達が駆けつけていた。
「寺の裏手にあった収容所でお世話していた村人さんも勝手に外に出されちゃいましたし、早めの準備も邪魔されましたし……」
 魅惑的な声であるはずの声は、低いトーンで猟兵達に向けられている。
「村人さん達の為なんですよ。あの鐘もそういう役割で、私は力を貸してあげたのに」
 どういうことだ、と問いかければ、彼女はくすりとほほ笑んだ。
「裏切るからいけないんです。ここで儀式を行っていた人は、とてもとても大変でした。数多の人が燃えて消えていくところを見続けて、苦しみながらそれを続けて……でも、皆さんは優しくしてくれたから頑張れたのに」
 ごろり、と転がった鐘から何か力のようなものが妖狐に流れていくのを感じる。与えた力を回収しているのだろうか。
「結局、面倒ごとを押し付ける優しさなんですよ。そんな優しさなんて煩悩は燃やして……ふふ、皆さんの為にこの地ごと炎で包んで私が清めてあげます」
 ぼう、と彼女の周囲で数多の炎が浮かび上がる。
 浮かべた笑みは歪んでおり、かわいらしさの中に隠した狂気を隠しきれていない。

 ―――止めるのだ。これ以上の悪意を。
勘解由小路・津雲
「なんとか間に合ったか。ついに姿をあらわしたな、覚悟するがいい」

■戦闘
【エレメンタル・ファンタジア】で、局所的に雨を降らせ、それを氷(つらら)に変えて攻撃。基本的には攻撃だが、状況により防御にも使う(まわりが燃えているなら雨だけにして消すとか)。「青龍の名をもって雨を降らせ、玄武の力にて氷の刃と成せ、急急如律令!」(ユーベルコード名がそのままだとあれなので、こういう言い方をしています)

■その他
もし炎や鋏に弱そうな猟兵さんがいれば、その方を気づかいながら闘いたいと思います。「濡れたか? すまんな、だが燃えるよりましだろ」など。


モルツクルス・ゼーレヴェックス
「支離滅裂っすね」

【自己複製】で作った二人を森の【地形を利用】して伏兵にしてるっす

「みんなのためになんて、それこそエゴっす」

【存在感】を消してからの【戦闘知識】による的確な奇襲で叩くっす!

「誰だって自分が一番っす」

【ウィザードミサイル】を【属性魔法】で強化した一撃を加えた後は自分自身の存在感を消して1号、2号に任せるっす

「出来る事は精々、思いやる事だけっすよ!」

距離を保って遠距離を心がけるっす
【学習力】に自信あるっすから妖狐の動き、攻撃を良く見るっす!
炎にしろ鋏にしろ、操り手の癖が出るはずっすから、それを覚えていくっす!

「遺言あるなら聞くっすよ、言い残すなら今のうちっす」

優しさが足りないっすよ



「なんとか間に合ったか。ついに姿をあらわしたな、覚悟するがいい」
 姿を見せた妖狐を見据え、勘解由小路・津雲(ヤドリガミの陰陽師・f07917)は宣戦布告をするように言い放つ。
「本当に迷惑なことをしてくれましたね。私、怒ってるんですよ」
 笑顔を猟兵達に向けた妖狐は、不意に周囲に炎を放つ。彼女の苛立ちを表現するかのように、狂ったように飛び交う炎は周囲の猟兵達を襲いながらも、山林の草木を燃やし、破壊していく。
「綺麗にあげるだけなのに、邪魔ばかり……!」
「ちっ……支離滅裂っすね」
 襲い掛かる炎を避けながら、妖狐の言動を見てモルツクルス・ゼーレヴェックス(影を扱き使う・f10673)は吐き捨てた。
「みんなのために、なんてそれこそエゴっすよ」
「エゴ……? そんなことない、求められているんだよ? だから燃やさないといけないんだよ?」
 文字通り話にならない。モルツクルスの言葉にああだこうだと言い返してくるがどれもこれもが自分よがりの言葉だ。
 しかし、この状況は少々まずい。せっかく複製して伏せた伏兵も、地形をこうまで破壊されると機能する前に破壊される。
「ちょっと早いっすが」
「いや、任せてくれ」
 モルツクスルが手早く行動を移そうと動き出すのを、津雲制する。
「……頼むっすよ!」
 そう言われれば、自信をもって彼は頷く。
「青龍の名をもって雨を降らせ、玄武の力にて氷の刃と成せ、急急如律令!」
 霊符が閃き、周囲が急速に冷気に満たされる。降り注ぐ氷柱が妖狐に襲い掛かるだけではなく、周囲に雨を降らして彼女の広げる炎が次々と消されていく。
「っ、また邪魔を……!」
 周囲の炎を消された妖狐はいら立ちを隠せていないが、戦況は大いにこちらに傾いた。
「なるほど、分かりやすくいい策っす。濡れるの以外は」
「すまんな。だは燃えるよりはマシだろ?」
 にっとモルツクルスが笑うと同時に、妖狐の周囲から炎の矢が飛び交った。
「伏兵ですか……!?」
 不意の一撃を躱しきれずその身に矢が突き刺さり、猟兵達を睨み返すが、主だった相手の姿が見当たらない。
「出来る事は精々、思いやる事だけっすよ!」
 相手の意識外からモルツクルス本人が放つ炎の矢が妖狐の胴へ突き刺さる。
「遺言あるなら聞くっすよ、言い残すなら今のうちっす」
 消えた矢の突き刺さった場所を抑えて膝をつく妖狐にモルツクルスは言い放つ。
「遺言……? ふふ、いいんですか、そんな余裕……本気も出してない私に言っても……ふふ」
 ゆらりと彼女は立ち上がる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィント・シュピール
面倒事を押し付ける優しさ、ね。確かにそーゆーのもあるかな
儀式の事を詳しく知らないけど、裏切られた人も確かにいたのかも
でも、だからってキミの復讐を黙って見てる事は出来ないかな!

「錬成カミヤドリ」で錬成出来るMAX数、13冊の私(本体である魔導書)を複製
四方八方から妖狐のお嬢ちゃんに魔導書をけしかける!
私自身は中距離に立ち、「ルーンソード」を構えながら魔導書達の操作に集中
お嬢ちゃんが魔導書達を無視して突っ込んで来たら剣で応戦
「おっと!?やっぱ、操作中の私が狙われちゃう?」
参ったなぁ、と焦った感じで
「でも、キミも背後がガラ空きなんじゃない?」
背後、そして死角になりそうな天高くから魔導書に強襲させるよ


縁城・陽
■心情
誰もおしつけてなんてねーだろ!
あの村は絶対に燃やさせねー……今度こそ、守るんだ。
村の『皆』のためにな!

判定:POW

■戦闘
攻撃を『武器受け』でとめつつ、【野生の解放】には
相手の攻撃目標に合わせてカバーに入って【無敵城塞】
「てめーにゃ何も燃やせやしねーよ。オレを殺すこともできねーんだからな!」と
挑発してこっちを狙わせて消耗させたい

味方を守るのに無敵城塞が間に合わないなら体張ってでも守る
燃やされようと腹刺されようと歯を食いしばって耐える
「オレのことはいーから、アイツを!」

こっちを狙うのをやめたら『力溜め』して『覚悟』決め斬る。
もう休んどけ!辛い儀式なんてしねーでいーんだよ。

絡ませ歓迎



立ち上がった妖狐の目の前に立ちふさがったのは、魔導書を一斉に複製したヴィント・シュピール(蒼風の魔導書・f04737)だ。
「……厄介ですね」
 あの量の魔導書は流石に妖狐としてもまとめて相手にはしたくないのだろうが、数を対処するために展開する狐火は思ったいまだに周囲を濡らす水のせいで望んだほどの効果が発揮されていない。
「津雲くんには感謝も仕切れないよね」
 最初に立ち向かった彼がいるからこそ先手を取れる。一斉に魔導書を飛び交わさせながらヴィントは剣を構えて魔導書の捜査に集中する。
「く……っ!」
 狐火では無理だと判断して彼女は鋏で魔導書を打ち払いながら降り注ぐ連撃をしのいでいくが、やはり凌ぎきれるものでもなく表情に焦りが見えてくる。
「面倒事を押し付ける優しさ、確かにそーゆーのもあると思うけど」
「……でしょう?」
 不意に彼女に同調するように声をかければ、一瞬意識がヴィントに向く。そのすき目がけて魔導書が1つ不意から急襲し胴を打つ。
「がっ……!?」
「儀式の事を詳しく知らないけど、裏切られた人も確かにいたのかも……でも、だからってキミの復讐を黙って見てる事は出来ないかな!」
 ヴィントの言葉に呼応するように、一斉に13の魔導書が妖狐という一点に集中し、殺到する本が妖狐を覆いつくす。
「―――やっぱりそうやって裏切るんですね」
 そして次の瞬間、まとめて全ての本が切り刻まれた。
「優しい言葉は裏切りの言葉……ですよね……?」
 彼女の周囲には狐火ではなく、無数に生み出された数多の鋏。ヴィントが新しく本を錬成するよりも早く、生み出された鋏は一斉にヴィントへと向かう。
「裏切りの言葉なわけ、ないだろ!」
 殺到する鋏を、射線に割り込んだ縁城・陽(瓦礫の城塞・f03238)が剣を持って弾き飛ばす。だが、全て弾き飛ばせたわけでもなく、体にいくつもの切り傷が刻まれる。
「あの村は絶対に燃やさせねー……!」
 今度こそ守る。自分の自己満足もあるがそれ以上に、あの村に住む人々の為にやらせない。
 強い覚悟を持って陽は言い切った。
「燃やす、燃やしますよ……だって、もう燃やさないと……」
 
―――燃やさないと愛せもしない。

 言葉ですらない何かの圧が、二人を、周囲を襲うと同時に少女の姿が突如として変化し九尾を持つ狐へと転じたかと思えば一直線にヴィントへと突撃する。
「おっと!?やっぱ、操作中の私が狙われちゃう?」
 焦った様子を見せたヴィントだが、これだけ真っ直ぐくれば背中はがら空き、視覚から魔導書を強襲させる。
「……っ!?」
「止まらねー……! 無理だ、下がれ!」
 ヴィントを押し飛ばすように割り込んだ陽が、完全な防御態勢を取り攻撃を正面から受け止める。
 重い、凄まじく重い。ほぼ無敵となれる防御の構えであってもその衝撃全てが殺せない。
「てめーにゃ何も燃やせやしねーよ。オレを殺すこともできねーんだからな!」
 ぶつかる九尾から炎が吹き上がるが、全身全霊をもって抑え込み、受け止める。
 体が焼ける音が聞こえてくるが、気にしてなどいられない。
「陽くん!」
「オレのことはいーから、アイツを!」
 全力で突撃してくる九尾を抑え込みながら、陽が叫ぶ。今度こそと一斉に飛び交う魔導書が九尾を打ち、一瞬の怯みが生まれた隙に用が全力の一撃で薙ぎ払う。
「ま、ったく休む気ねぇな……!」
 肩で息をしながら、陽は構えを取り直す。ゆらりゆらりと揺れる九尾からはひしひしと苛烈さだけが感じ取れた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

勘解由小路・津雲
まずは奴の力を封じねば……。

■戦闘 ユーベルコード【七星七縛符】を使う。相手のユーベルコードを封じる、とあるので、成功すれば妖狐の姿を封印できるか? まあそれが無理でもせめて動きが止められれば、後は仲間が何とかしてくれるはず!

「おれの寿命が尽きる前に、さっさと片付けてくれよ。頼んだぜ」



九尾と化した妖狐と猟兵達の力は拮抗していた。
 相手の振るう暴威の力は猟兵達を圧倒し、しかし猟兵達もまたその力に食い下がる。
「……このままではだめだな」
 一つ、決意したように傷ついた猟兵達よりも前に勘解由小路・津雲(ヤドリガミの陰陽師・f07917)踏み出した。
 ぎらつく九尾の瞳が津雲を捉える。確実に殺すと言わんばかりに、その牙を露わにする。
 だが、それを見ても津雲は一歩も引かない。奴を倒すためにも、ここで確実に抑えねばならない。
「やはりこれだな……行くぞ、妖狐!」
 降らせていた雨が一気に吹き飛び、止むと同時に九尾が駆けだす。
「殺す……焼き尽くす……!」
 解放した野生の為か、まともな言語さえも吹き飛びつつある彼女の爪が津雲へ迫る。
「いや、これで終わりだ。その力でこれ以上殺させはしない!」
 直前に爪が迫ると同時に、津雲は一枚の護符を放つ。飛来する護符が九尾の胴へぶつかると同時に、七星の印が展開され、九尾そのものを締め付ける。
「ぐ、ああああああっ!?」
 九尾の叫びと同時に、その姿がゆっくりと少女の姿へと戻っていく。
「あの人もきっとこうしたはずだ……おれの寿命が尽きる前に、さっさと片付けてくれよ。頼んだぜ」
 強大な力を抑え続け、削られていく津雲の命。だがそれでもこの行使は止めない、仲間がいるからこそできる決意の一手が状況を一転させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロウ・タツガミ
さて、妖狐、自分は言葉を尽くすのは苦手だ。然るに、ただ力を持って邪魔させて貰おう

【POW】

単純な戦い【戦闘知識】なら多少は覚えがある。
三位龍装を用いて攻撃力を強化しよう。周囲への炎の危険がある、少しでも早く倒さなければな。
最初は小手調べ【先制攻撃】でレプリカを【投擲】するつもりだ、投擲と同時に敵へと向かう。【地形を利用】して敵の攻撃を極力避けて近づきたいところだ。主力はサカホコ(ハルバート)だ、【怪力】での【2回攻撃】で攻撃しよう。炎には【火炎耐性】、鋏にはガントレッドによる【盾受け】で
防がせてもらう。

裏切り、愛、知ったことではない。ここを戦場にしたならば、戦場で我を通すに力以外の何が要る?


シン・ドレッドノート
クロウさんと連携して攻撃します。
同じ妖狐として、行き過ぎた悪さをするのは見逃せません。
哀しいですが、引導を渡してさしあげましょう。

「ターゲット・ロック、狙い撃ちます!」
ブラスターを両手に構え、クロウさんが突撃する直前に、最大出力の射撃で【異次元の狙撃手】を撃ち込みます。
その後は、近接戦を行っている方の援護射撃を行います。
攻撃に入ろうとしている九尾を一本ずつ狙い撃ち、味方への攻撃を逸らしましょう。

私に攻撃が向かってきた場合はビームシールド『アトラント』を起動させて受け流しつつ、カウンターの零距離射撃を撃ち込みます。

「もうこれ以上、何も、誰も燃やさせはしません!」
村人たちの平穏、守ってみせます!



「さて……」
 九尾から妖狐へと戻った少女を見て、クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)は武器に変化した相棒を担ぎなおした。
 ここは戦場。かの妖狐がどのような事を考えていようが、どのような思いがあろうが戦場としたからには関係はない。
「言葉を尽くすのは苦手だ。然るに、ただ力を持って邪魔させて貰おう」
「……へぇ」
 力を封じられているにも関わらず、発する殺気は変わらない。
「クロウさん、気を付けてください。まだ油断はできません」
「ああ」
 同じ妖狐であるからこそ行き過ぎた悪さは見過ごせないが、それ以上にあの身に秘めた危険性もわかるというもの。
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)には哀しいと思う気持ちはあるが、それに引きずられることもなく、引導を渡そう。
「ふふ、いいですよ。いらっしゃい……焼き尽くしましょう」
 ゆらりと揺れる動きに不気味さを感じるも、引く理由はない。小手調べにとクロウは懐からナイフ状の暗器を取り出し投擲する。
 大型武器に気を取られていた妖狐に対する不意の一撃だが、あっさりと暗器は妖狐の鋏に打ち払われる。
「ターゲット・ロック、狙い撃ちます!」
 だが、その瞬間にシンの両手に構えられたブラスターから紅い弾丸が撃ちう放たれ、暗器を打ち払った隙間を縫い、妖狐へと突き刺さる。
「おおっ!」
 撃ち抜かれて動きを一瞬止めた妖狐へ、投擲と同時に突撃していたクロウのサカホコが迫る。強化した力と、その持ち前の怪力で振るわれるサカホコが妖狐の胴を裂き、返す一撃で弾き飛ばす。
「がっ……」
 ごろごろと大地を転がる妖狐だが、それだけでは終わらない。咄嗟に作り出した狐火が四方八方へと飛び交い、まとめてクロウへと直撃する。
 炎に耐性をつけていたクロウの身体から煙が上がるが、被害は抑え込んだ。
「逃がしません!」
 更に追撃を行おうとした妖狐の動きを阻害するようにシンの射撃が行われ、放とうとした狐火を霧散させる。
「もうこれ以上、何も、誰も燃やさせはしません!」
 シンの言葉にイラつきを見せながら、妖狐は再び構えなおす。
「まだやるか。だが裏切りも愛も知ったことではない。我を通すならば力のみだ」
 確実に流れは掴みだした。彼女の企みを食い止めるのも、あと少しだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

護堂・結城
鏡磨・シロミ(f00224)と連携

まぁ、妖狐だもんな
方法と流れに問題がありすぎるだけで気持ちはわからなくもない
…もちろん共感はしてやれないけど、な

【POW】
雪見九尾の援軍ですよっと
シロミの前衛として戦闘に参加する

妖狐の炎は【なぎ払い】や【オーラ防御】で軽減しつつ積極攻撃、シロミの攻撃の隙を作る
隙ができない場合は押し切るつもりで攻撃を続けよう、ここまで来て引けるかよ

「殺(あい)してやるよ。骨の髄まで、な」

【見切り】【武器受け】からの【カウンター】
【怪力】を込めた氷牙での一撃で【串刺し】
氷牙自体を叩いて体の芯まで【衝撃波】で揺さぶる【2回攻撃】
更に『雪見九尾の相棒』を発動して追撃だ


鏡磨・シロミ
……貴女に何があったかは知らない。
けれど、これ以上悪意を振りまくようならば、容赦はしない。
人のため、世の未来のために… その災禍──浄化させてもらいましょう。

状況を聞き、急いで駆けつけ戦闘に参加。
既に戦いが始まってることも加味して、最初から戦闘態勢を取り行動するよ。
『WIZ+56』と『全力魔法』を用いつつ【集光術・光の鏃】を発動。
(護堂・結城(雪見九尾・f00944)と連携し、光の一撃を打ち込むチャンスをうかがう)
相手が浄化の炎を謳うなら、私は浄化の光熱で対抗しよう。


唐木沢・美鈴
同じ妖狐の血族として、人に害をなすのは良くない、わねえ。

【祖霊将来】を使って、銀狐の嫗さまに戦っていただきましょう。
ひとに仇なすものは、たとえ同族でも仲間にあらず。
一人で抑え込むのは難しいかもしれないけれど、きっとここまでの戦いで相手も消耗している。
きっと上手くいくわ。

優しさを逆手にとって人を傷つけるのはダメ。それに、本当に煩悩のない人などいない……それはあなたも同じこと。
優しいその人たちを待つ人がいるの。
支離滅裂な思考についていく義理はない。
清めるべきは……あなたよ。
だから、……燃えてしまいなさい。煩悩を焼き尽くしてしまいなさい。

さあ!
嫗よ、彼のものに攻撃を!



妖狐との戦いが佳境に入りつつある中、猟兵達の後ろから駆けつけてくる人影が二つあった。
「間に合いましたか」
 状況を聞き、戦闘が始まっていることを聞いた鏡磨・シロミ(神出鬼没のガラテイア・f00224)は護堂・結城(雪見九尾・f00944)と共に急ぎ現地へとたどり着いた。
「話は聞いたよ。方法の流れに問題はあるけど……ま、気持ちは分からなくはない」
 猟兵達の集めた情報と、彼女の発する言葉。何故そうなるのか、そんな気持ちは理解できなくはない。
「……もちろん共感はしてやれないけど、な」
「ああ、そうでしょう。だから全部焼くんです」
 もとより共感など求めていないと言わんばかりに、彼女の周囲で炎が舞う。
「……貴女に何があったかは知らない。けれど、これ以上悪意を振りまくようならば、容赦はしない」
 合わせるようにシロミの鏡も輝く。交わされる言葉と、僅かな行動から勝負は一気に始まった。
「貴方達も、そう……燃やして愛してあげます」
 一斉に放たれる狐火が結城に迫るが、彼は目の前に迫る炎を薙ぎ払い、残った炎は正面に展開したオーラで防ぐ。
 距離を詰めた結城へ妖狐は鋏を一斉に放ち、オーラで防御する結城の動きを一気に抑え込む。
「ああ、殺―あい―してやるよ。骨の髄まで、な」
「……っ!?」
 結城の行動に気付いたときにはもう遅い。後方では最大限に輝く鏡を掲げるシロミの姿が見える。
「人のため、世の未来のために… その災禍──浄化させてもらいましょう」
 浄化の炎を歌う狐火を飲み込むように、鏡に集光した光が炎を、妖狐を飲み込んでいく。
「あああっ!?」
「とどめだ、相棒、一緒に行くぞっ!!」
 光に飲まれて吹き飛ぶ妖狐に結城はダメ押しと言わんばかりに氷河を突き刺し、武器となった相棒を開放する。
 鏡から放たれる光と振り回される竜の尾が妖狐を殴打し、吹き飛ばして大地に叩きつけた。
「ぅ……」
 周囲の鋏と炎が一気に消える。勝負はついた、そう誰もが思ったが妖狐はまだ、立ち上がる。
「まだやるのね。本当にどこまで執着してるのかしら」
 唐木沢・美鈴(ご飯大好き狐っ娘・f03221)は戦い続けようとする妖狐を見てそう思った。
 彼女は優しさと裏切りと、浄化するという決意で動いている。元の行動は清い物だったかもしれないが、歪んだ結果は人に害をもたらす。
「優しさに裏切られた。でもだからって同じことをしては変わらない、あなたも同じ」
「何……を……」
 ゆらりと、ゆっくりと立ち上がり妖狐は美鈴を睨み返す。
「優しさを逆手にとって人を傷つける。それは同じことの繰り返し……それに、本当に煩悩のない人などいない……それはあなたも同じこと」
「……っ。私は……私は……」
 煩悩などない。そう言い返そうとしたのだろうが、そこに続く言葉はない。
 歪んだオブリビオン、それ故にここに繋がる答えは彼女にはないのだ。
「優しいその人たちを待つ人がいるの、貴方の支離滅裂な思考についてく義理はない」
 妖狐に言い放つと同時に、美鈴の背後に彼女の祖先である『銀狐の媼』の霊が現れる。
「清めるべきは……あなたよ」
 銀狐の正面に蒼い炎が収束する。
「だから……燃えてしまいなさい。煩悩を焼き尽くしてしまいなさい」
 炎が集う、集う。紅い炎を包み込むように、蒼い炎が巨大な業火となる。
「さぁ! 嫗よ、彼のものに攻撃を!」
 美鈴の宣言と共に、蒼の炎が妖狐を包み、焼き尽くす。
 すべてを浄化するような蒼い炎は妖狐を焼き、そして最終的にはその姿も残さなかった。
「これで……」
 蒼い炎が消えると同時に、この場に居た猟兵達は皆一様に察した。
 全てが終わったのだと、この地でもう同じように事件が繰り返されることもない。歪んだ鐘の音が鳴り響くこともない。
 この地に起きていた出来事、それらを全て解き明かし、理解することができた村人たちは同じようなことが起きぬように、この出来事を語り継いでいくだろう。
 最後に、鐘の音が鳴り響いた。新しい鐘の、この地を見守るような透き通った鐘の音色が。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月06日


挿絵イラスト