猟兵が夢から覚めると、そこには夏――気分な敵がいました
●こいつら、もう夏気分か
「よし、これでできた」
「おう、ありがとう」
クローンな奴らがスペース塗料を塗る手を止める。よく見ると彼らの胸は一様に肌色である。正確には、肌色に塗られている。なぜかって? そりゃあ……。
「俺らだって――ビーチ気分味わいたい!」
普段はオブリビオンとしてコツコツやっているのだ。たまには休日とかあってもいいと思う。銀河帝国も消えた今だからこそ、ゆっくり遊べる……。
「適当に船を奪ってそこの水場で思いっきり遊ぼうではないか……」
「いいなそれ。ところで、元の住民や猟兵来たらどうする?」
「そりゃあ殺すだろ。邪魔だし」
あ、やっぱり根っこはオブリビオンだった。このままだと危ないのはいつも通りだった。
「でもさ、母艦とか大きいものもっていくとすぐばれない? 向こうも馬鹿じゃないし」
「安心しろ、それは完璧だ」
誇らしげにクローン騎兵の1人が後ろを見るよう促すと、そこには――『うみのいえ』と書かれた母艦があった。
「……」
しばらく沈黙が流れる中、不意に誰かがつぶやく。
「無理じゃね?」
●夏気分な奴らの処理をお願いします
「集まってくれてありがとう。今度スペースシップワールドで水着コンテストやるって、聞いた?」
水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)の言葉に猟兵たちがざわめきだした。やはりこの時期はそういう時期である。今戦っている人もいるかもしれない。
「そんな中、どうもオブリビオンも夏気分みたいでさ――肌色に塗って水着っぽい感じで船を襲おうとする残党を予知した」
件の戦争以降、スペースシップワールドの予知は減っている。久しぶりのその場所での仕事に、嬉々とする猟兵もいるとかいないとか。
「目的は適当に水場見つけて適当に遊ぼうとしているみたいだけど、邪魔ものは殺すとか考えてるみたいだし、遊びで殺されたら嫌だし、退治を頼みたいんだ」
ホワイトボードに可奈は絵を描きだした。
「みんなにはワープドライブが搭載された宇宙船に乗って目的の船までワープ、それから現場でこいつらに立ち向かっていくことになる」
船から船へ矢印がひかれ、オブリビオンと書いて丸で囲んだものから線を同じ場所に引き、そこにバツ印をつける。わかりやすい構図だろう。
「ただ、ここまで到着するのに少し時間がかかる。だから、ちょっと手配して、自分の望む夢を見ることができる機械を用意してもらった。その名も『ドリームリアライズVer.4.2.7』って言うらしいんだけど」
何度もアップデートを重ねた歴戦の機械なのだろう。故障の心配はないとは思いたいが――。
「まあ、悪夢を見たり、他人の夢と混線することがあるらしいけど、いいよね、少しの時間でもう現場到着するし」
最悪それを報告して次バージョンに期待してもいいかもしれない。
到着すると、甲板に出て、水着を着た気分のクローン騎兵との戦いになる。甲板は十分な広さがあり、気兼ねなくユーベルコードを放てるだろう。視界も良好だ。
「所詮残党だし、まあ余裕だと思う。いっそ気分良く倒すのもいいんじゃないかな」
と、可奈がオブリビオンと書いた後ろに1つ巨大なものを書いた。
そこに書かれたのは――『うみのいえ』。猟兵たちが目をパチクリさせる。
「……なんかこいつら、切り札といわんばかりに母艦を海の家とか呼んで持ってきているみたい。それでごまかしているつもりなのかな……」
夏気分に海の家はつきものだが、こんなに破壊したい海の家もそうあるもんじゃない。
「というわけで、ビーチリゾート船で水着コンテストする前に、思いっきりやってくといいと思うよ。だって――」
――私達だって、ほんとは夏気分になりたいんだもん。
結衣謙太郎
水着コンテスト楽しみですね。でもその前に懸念事項のぶっ飛ばしをお願いします。
結衣です。
●1章
夢の中の話です。夢の中ならスタイルとか色々思うがまま……!
他の人の夢との混線を望むならその旨お書きください(普段の連携希望と同じ感じで大丈夫です)。
故障するか否かは1人1人判定で決めます。
●2章、3章
夏気分な残党の掃討です。
まあ雑魚だとは思います。残党だし、夏気分だし。
切り札の『うみのいえ』も今の皆さんなら大丈夫と信じてる。
ちなみに海の家なのに出すのは焼きそばとかじゃなく兵器らしいよ、不思議だね?
それでは皆さんのプレイングお待ちしています。
第1章 日常
『あなたの見る夢は?』
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POW : 夢の中でトレーニング!
SPD : 夢の中で懐かしい人と過ごす
WIZ : 夢の中で遊んで過ごす
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●猟兵移動中
「本日は、仮想的夢想実感船『ドリーム・エリュシオン』にご乗船ありがとうございます」
ワープドライブ中の船の中に、船内アナウンスが響く。
「当船自慢の『ドリームリアライズVer.4.2.7』による夢をお楽しみください。なお、目的地までの到着は――」
なんかコールドスリープっぽい装置に見えなくもない装置の中で、猟兵たちは夢を見る。
せっかくだ、その夢を覗き見してみよう。
サオササ・テセル
今の私なら主任とあった時にどう対応するのかと言うのをぼんやりと考える。主任や研究所を丸ごと泡にして生まれた「私と言う自分自身」。そしてこの装置で見せてるのはただの夢幻…「泡にした思い出の人と会えるなんて幸運なのか皮肉なのか、主任だったらどう思うの?」母親代わりの主任と日常的な…フルーツでも食べて、たわいない話して。多分、何の反応しなかった私にも献身的にしてくれたテセル主任だからすごく世話を焼かれると思うけど…最後には伝えないと「私自身を作って生んでくれた主任…お母さん、わがままを許して。私は、今私がいる場所の皆を少しでも助けたい。私自身が決めた事だから、…だから行ってきます」
●サオササ・テセルの夢
――装置の中、サオササ・テセル(サイボーグのブラスターガンナー・f15384)は1つの夢を見ていた。
それは、自分が召喚システムで意識を入れられる実験体に選定されていた研究施設。その中で、1人の女性を夢想する。
彼女の名はテセル。開発主任の座を務めており、何の反応もしなかったサオササにも献身的にしてくれた女性。
サオササ自身はそもそもとある領主からテセルに、そしてこの研究施設に渡されたらしい。それがいわゆる奴隷売買とかの類なのかはわからない、知る術がない。故にただそう認識しているだけ。だけど、テセルは自分に母のように世話を焼いてくれた。それは彼女にとっては忘れがたい記憶だった。
「どうしたの? サオササ」
「あ――」
テセルが話しかけてきた。夢の中の自分は、中々それを前にして言葉を出すことができず――それを見兼ねたテセルはんー、と息を吐くと一つ提案をする。
「――サオササ、少し話しましょう」
サオササはふと思う。
――今の自分なら、主任にどう向き合う?
木漏れ日の中、サオササとテセルは林檎を齧っていた。世間話をする中でも、おどおどしたサオササとそれに母のような愛情で接するテセルは対照的に見えた。そんな中、サオササはふとつぶやく。
「――泡にした思い出の人と会えるなんて幸運なのか皮肉なのか、主任だったらどう思うの?」
瞬間、研究施設がなくなる。夢幻の中の研究施設は、確かに思い出にはあったが、それは今や泡となってなくなった。実感は仮想的世界を侵食する。
――末路わぬ邪神。その神性の欠片に触れたことで、サオササには自我が芽生えた。だが、同時に目覚めた神性は己の居た研究施設は泡とした。
「――そうね」
テセルはふとつぶやく。
「どんな形でも、たとえ私が残留思念だったとしても――あなたはあなたのままであることに変わりはないわ、テセル」
だから、どうか胸を張って。
いつ起きるかわからない【その時】におびえないで。
堂々と、生きていって――
母としてのその愛情に触れたテセル。それは自分の夢と記憶が生み出した都合のいい姿かもしれない。だが、ああ、それは彼女を勇気づけるのには十分だった。
「ありがとう――主任」
ガタッ、と音を立てて席を立つと、テセルに背を向ける。
「私自身を、作って、生んでくれた主任……お母さん、わがままを許して。私は――今私がいる場所の皆を、少しでも助けたい。それは、私自身が決めた事だから」
振り返ることもなく、ただ去ろうとするその姿にテセルが呼びかける。
「待って!」
しかしその言葉に、足は止めても振り返りはしない。振り返ったら――永遠に足を止めてしまいそうな気がするから。
「あなたは私の最高傑作よ――だから」
「世話を焼いてくれてありがとう、お母さん。でも――」
――もう決めたんだ。
サオササはテセルがかつてサオササに渡したお守りを手に、涙をこらえる。振り向かないのはある意味正解だっただろう――テセルは、実感と共にその姿が薄くなっていっているのだから――
「――だから、行ってきます」
「無理はしないで。――行ってらっしゃい」
これは最後かもしれないし、そうではないかもしれない。だが、彼女が夢に見た光景というのは、彼女のその在り方を映し出すには十分だった。サオササはこの思い出を胸に、【サオササ・テセル】――テセルの娘のような存在として歩んでいくのだろう。どうかその道に輝きがあらんことを。
大成功
🔵🔵🔵
メイスン・ドットハック
ここは夢の中、つまりどんなに食べても限界はないということじゃのー
それは至高のお好み焼きを追求できるということじゃー!
とにかくトッピングが違ったお好み焼きを食べ続ける
豚肉牛肉鳥肉はもちろん、海鮮類、そばうどん、ソースにもアレンジを加えたりして味を千変万化させ、自分の最高のお好み焼きを追求
夢の中なら満腹中枢を弄るなど容易だろうし、すぐさま空腹にして食のスパイスにしていく
時には甘すぎるお好み焼きや、辛すぎて火を噴くお好み焼きなどのゲテモノにも挑戦するチャレンジャー精神を忘れない
すべては至高のお好み焼きを生み出す為、自身を犠牲にすることも辞さない
●メイスン・ドットハックの夢
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)はぼんやりとした夢の中の空間の中にくっきりと浮かぶ何かを見ていた。
それは――お好み焼き。そう、夢の中ならばどれだけでも食べられる。至高のレシピを追求することもできるはず! そう、なんかあまりの美味しさに変なリアクションおこしちゃうような!
しかし彼女は自分では作らない。夢の中で想像、創造して次々に実食していく。豚肉牛肉鳥肉はもちろんのこと、トッピングも次々変えていき、海鮮類、そばうどん、ソースにもアレンジ。味は千変万化していき、1つとして同じ味のお好み焼きはない。
夢の中なら、どれだけ満腹でも空腹にすることなど容易だろう。そして空腹は最高のスパイスとは誰が言ったか。
「さて、次はどがいな(どんな)のにしようかのー……そうじゃ」
ここでふと創造したのは【甘すぎる】お好み焼き。スイーツ気分で食べられるものでも望んだのか――否。これもまた【お好み焼き】として考えている。甘すぎる、逆に辛すぎて火を噴く、見た目がヤバい、到底食えそうにないトッピング――そういうチャレンジングな味もまた至高のお好み焼き追求のために欠かせない。至高のお好み焼きのためにメイスンは自分を犠牲にする覚悟はできていた。何、フードファイターだっけメイスン。
「電脳魔術士と探索者じゃよ? 言うなれば味の探索者じゃけぇ」
どや顔をしながらこっちに語り掛けてくるメイスン。そっか、味の探索者か、なら仕方ない。でもそろそろ――
「――あ、ああー、もっと、もっと追求したいのにー」
一応これ、現場到着するまでの夢の中だからね。時間無制限じゃないからね。だんだん朧げになっていくお好み焼きを涙目で見るメイスン。さぁ、起きて出撃の時間です。
「いやじゃー、銀河帝国も倒れた今、僕は引きこもりたいのじゃー」
――あと、夢で見た物って記憶しようとしても意外と曖昧だったりするよね。至高のレシピが曖昧とかいいの?
「はっ!? メモ、メモはどこじゃ……」
装置から解放されるなりすぐメモをするための紙か端末を探すメイスンだった。――いつの日か、彼女の求める至高のレシピができますように!
成功
🔵🔵🔴
久遠・翔
…うん?
あれ?砂嵐…?機械の故障っすかね?
「逃◆◆◆様」
うん?これ…なんだ?
「もう、持ち◆◆にあり◆せん!敵◆浸食◆早◆◆ます!」
なんか所々ノイズが…?それに、この人達…誰?
自分自身は何もできず、ただ何かを言っているのはノイズ交じりでわかる
これは…夢?いや、誰かの…記憶?
多少鮮明になると…周囲の護衛?の少女達が黒い靄に白い光を放っているのが見えるが、黒の靄が少女の一人を取り込むと…悲鳴を上げて少女が不気味な肉塊に変わる
そして視界が真っ白な部屋に移動
護衛の子は…誰もいない
何もない部屋だけど、棺のような物と鏡があった
棺に移動している…?
視線が止まり鏡に向く
…俺?
あ、ノイズが酷
「貴方、誰?」ブッツン
●久遠・翔の夢
「ん……」
久遠・翔(性別迷子・f00042)も夢を見ていた――が、どうも様子が変だ。目の前に映るのは砂嵐。
これは錯覚かそれとも故障か。そんなことを考えていると――
『逃■■――■様!』
ひとつ、何かが挟まれた気がした。脳に直接響くこれは何か。
『もう、持ち――にあり■せん!敵■浸食■早――ます!』
砂嵐の向こう側に何やら人影みたいなものが見える。ようやく夢が見えてきた気がする、が、砂嵐は未だ止まず、声もノイズ交じりで聞こえにくい。
(これは――誰っすか?)
懸命に記憶を探るが翔はなかなかそれを思い出すことができない。否、もしかしたら――
(――これは、俺じゃない、誰かの――記憶? この、ただ観察するだけで、何もできない感触は――この、手を出したいけど出せないこの虚しい気持ちは――)
少し、意識を向けてみる。すると少し砂嵐やノイズが減りそれはいくらか明晰になり――
そこにあったのは、周囲の護衛らしき少女達が、黒い靄に白い光を放っている、あたかもゲームとかライトノベルとかでありそうなシーン――だが、黒の靄が少女の一人を取り込むと――
『あ――あ、あぁあ、あぁぁあアアああァ!!』
それが【人の形をした存在として最後となる】悲鳴を上げ――少女が不気味な肉塊に変わっていく。その姿は異形、まるでUDCにも似ているか――
(どうして――どうして、助けられないっす――)
――それを思考した瞬間、その視界は真っ白な部屋に移動した。
――そこに護衛の子はいない。それは、嗚呼、もしや――
そして見渡せばそこは何もない部屋――否、棺のような物と鏡があった。
不意に、視線が鏡の方へ行く。その鏡に映ったのは――
「――俺――?」
紛れもなく、久遠・翔そのものであり――だが、その先を見ようとしたときノイズがいきなり激しくなり、意識を手放さざるを得なくなり――その中で聞こえたのは、ただ一つの言葉――
『貴方、誰?』
その言葉と共に翔の意識は離れていった。
なお、後で聞いたところ装置は故障していなかったという。じゃあ、これはいったい何だったのだろうか――?
大成功
🔵🔵🔵
フォルセティ・ソルレスティア
【WIZ】(混線/故障可)
「うわー、こんなに食べきれいないよー」
ものすごく広いダイニングにずらっと並んだ世界中のありとあらゆる料理。
メイドさんや執事さんがドンドン料理を運んでくるよ
「ボクの好きなハンバーグやカレーライスだってあるよ!」
どれから食べようか迷うっちゃうよね(目キラキラ)
まずはハンバーグから頂きまーす(はぐはぐ)
カレーにオムライスにお寿司も食べちゃうよ。
あっちにはジュースやケーキがあるんだって。シュークリームもいいよね。
「せっかくだからフィオ姉ちゃん(f00964)も一緒に食べて欲しいな」
あれフィオ姉ちゃんどこ行ったんだろう?
いつも一緒なのに、どうしたのかな(キョロキョロ)
フィオリナ・ソルレスティア
【WIZ】(連携・アドリブ可)※完全妄想モード
「なんだか怪しい機械だけど、時間つぶしにはなるかな」
■夢の中で
教会の鐘の音が鳴り響く中、
純白のウェディングドレス姿に身を包んだ『私』
バージンロードの隣を歩くのは、私の大切な人。フォルセティ(f05803)
「とても綺麗だよ、姉さん」
「馬鹿。ちゃんと『フィオリナ』って名前で呼んでよ」
オレンジの瞳で見つめられるとドキドキする。
いつの間にか背の高さ抜かれたけど、私だって胸は大きくなったし。
おかげでウェディングドレス着るの大変だったわ。
(それでは誓いのキスを…)
あれ、もう神父さんが目の前に?
フォルセティがベールを手にかけ頬を寄せる
「あ、でもまだ心の準備が…」
●ソルレスティア姉弟の夢
「うわー、こんなに食べきれいないよー」
フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が夢の中でいたのは体育館くらいはある広いダイニング、そしてそこにバイキングのように並んだ世界中のありとあらゆる料理。そこをメイドや執事が所狭しと動きまわり、フォルセティに次々と料理を運んでくる。
トリュフにキャビア、フォアグラ料理やフカヒレはもちろん、家庭的な味の肉じゃがなど庶民的な料理もあり。
「ボクの好きなハンバーグやカレーライスだってあるよ!」
目をキラキラさせながら言うフォルセティ。実際これだけあるとどれから食べようか迷ってしまうものだ。
「まずはハンバーグから頂きまーす」
ハンバーグをナイフで切り、フォークを刺し、一口。その顔はまさに少年のようで。そのままの勢いでカレーにオムライス、お寿司――さらにはジュースやケーキ、シュークリーム――まさに至れり尽くせり、夢の中だからこそできる食べ放題だった。
――嗚呼、でも、何か足りない。何が足りない。しばらく食べたところで、そうだ、と思いだした。
「せっかくだからフィオ姉ちゃんも一緒に食べて欲しいな――あれ、そういえばフィオ姉ちゃんどこ行ったんだろう?
いつも一緒なのに、どうしたのかな? なんだか怪しい機械だけど、時間つぶしにはなるかな、と言ってたけど」
――と、その時、何か声が聞こえてきた。
「――鹿。ちゃ――と『フィオリナ』――て名前――呼んでよ」
キョロキョロと姉を探すフォルセティに聞こえたその混線。一つ首をかしげると、声を張り上げる。
「――すいませーん!」
一方、姉のフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)また別の装置で夢を見ていた。最初は怪しんでいたけど。
――その夢は、教会を映し出す。鐘の音が鳴り響く中、純白のウェディングドレス姿に身を包んだフィオリナ。
彼女は1人ではなく――隣に大切な人――フォルセティを従えてた。タキシードに身を包んだ彼は、いつもとは違う感触がして。バージンロードを二人で歩くのは、たとえ実の姉弟でも、緊張するものだった。
――そう、もしも、未来、フォルセティと自分で結婚するとしたら――そんな仮想を夢見ていた。
ふと、フォルセティのオレンジの瞳がフィオリナを見つめる。
「とても綺麗だよ、姉さん」
その言葉に内心ドキドキしつつも笑って返す。
「馬鹿。ちゃんと『フィオリナ』って名前で呼んでよ」
いつの間にか背の高さは抜かれたが、フィオリナも胸は大きくなり、まさに大人の男女の感じを醸し出していた。そのせいでウェディングドレス着るの大変だったのは内緒。
『それでは誓いのキスを……』
フィオリナがその言葉にはっと気が付く。気が付けばもう神父さんが目の前だった。
「じゃ、フィオリナ、いくよ――」
フォルセティはフィオリナのベールを手にかけ、頬を寄せる――
「あ、でもまだ心の準備が……」
――現実世界で実際にフォルセティがフィオリナの装置の扉を開けて頬を寄せていた。なんか夢見心地とまた違う感触にフィオリナはだんだん覚醒していく。目の前のフォルセティが未来からだんだん現在の姿に見えていき――
「――って、何してるのよフォルセティ!」
「あ、起きちゃった? えへへ、でもやっぱりさ」
――フィオ姉ちゃんがいないと、なんか落ち着かなくてさ。
その言葉は言動こそ幼さがあれど、さっきまでの未来フォルセティに似たような、何かを感じさせ――
「フィオ姉ちゃん、顔赤いよ? どうしたの?」
「な、なんでもないから!」
完全妄想な夢に顔を赤らめてフォルセティを素直に真正面から向けないフィオリナ。
「んー、どうしたの?」
くいっとフォルセティがフィオリナの顔を真正面に持ってくる、その動作はまさに――
(あ、あああー、これ、これは――)
フィオリナの顔がさらに真っ赤になっていく。そんな中――
『おはようございます。お待たせいたしました、当船は間もなく目的地に到着いたします。お目覚めの皆様はご準備を済ませたうえで――』
「ほ、ほら! もう着くって! 行きましょ!」
「あー、待ってよ、フィオ姉ちゃんー」
ある意味船内アナウンスに救われたフィオリナ。彼女の未来があの妄想の夢とどれくらい一致するかは――今はまだ、わからない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『クローン騎兵』
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POW : ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:蒼夜冬騎
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●おはようございます、お仕事です
猟兵たちは未だ夢見心地のものもいれば夢の内容を考察しながら歩く者もいた。とはいえ、目的の船まではワープできた。甲板に出てみれば果たしてそこにいたのは――
『も、もう猟兵が来たのか!?』
『早い、早すぎないか!?』
――ボディを肌色に塗った、夏気分を味わいたいクローン騎兵たちだった。
『え、ええい、こうなれば徹底抗戦だ! もとより戦闘は覚悟の上だったからな!』
そう言うとクローン騎兵たちは皆一様にブラスターを構えた。さすがにこれは肌色じゃなかった。
――ただ、一部が召喚したドローンはビーチパラソルのようなカラフルな色で塗られていた。あんたらどんだけ夏気分満喫したかったんだ。
サオササ・テセル
戦闘レベル、ターゲット」機械的な音声を口から発しながらお守りをワイヤーのついて無い方で握りしめ胸にしまった後ブラスターを手に取る。思惟を受けて念導力で宙へ浮遊し敵意へ向かう2つのビットが軽い。敵は撃つ。女子供区別なく簡単に命を殺す文字通りの下郎らしいから。ドローンを装備2で動きを封じ込めながら操作する本体をもう1つのビットである装備6で狙撃。自身も装備5で敵に捕捉しきれない動きをしながら装備3で射撃戦展開。敵を文字通り制圧、味方への支援も装備5,6で行っていく。自衛>支援>目前の敵排除「兵器としてでなく私自身が決めた。あなた達を殺してでも止める」ベースの皆を助ける、そのために。
●守るために
「戦闘レベル、ターゲット。状況、開始」
口から機械的な音声を口から発しつつ(サイボーグにはたまにあること)サオササはお守りを胸にしまうとブラスターを手に取る。
(主任、見ていてください)
いつものように思惟を受けて念導力で宙へ浮遊し、敵意を持つ存在へ向かう2つのビット。しかしサオササは感じた――いつもよりそれが軽いことに。なぜか。ここまでに見た夢のおかげなのか、それとも――
「あなたは撃つ。女子供区別なく簡単に命を殺す文字通りの下郎らしいから」
『へっ、やれるもんならやってみろ!』
クローン騎兵Aが放ったパラソル風カラーリングのドローンを弾幕武装『サイコ・スフィア・ブラッジ・ライフル』で弾幕を張ることで動きを封じ込めつつ、操作する本体をもう1つのサイコ・スフィアとそのオプションのスナイプ・レールガンで狙撃する。
『くっ、自己をゆだねてもなおだめか!』
クローン騎兵Aもドローンに自分を操らせるが、サオササ自身もワイヤーで捕捉されないような動きをしながらブラスターを素早く抜き、クローン騎兵Aのブラスターを弾いていく。
『くそ、こうなれば、自我をゆだねてでも――』
クローン騎兵Aがその言葉と共に完全に操り人形のようにサオササにせまる。先ほどまでの行動をさらにドローンに高速演算させ、自分を操らせて倒しに行く。もはや自分が自分でなくなるかなんて関係ない。死んだら何もかも終わり。銀河皇帝もいない今、復活なんてできないのだ。
「っ――」
サオササは少し押され気味になる。少し苦悶の表情が浮かんだその時、脳裏に浮かんだのがさっきの夢――主任と会えた、その夢――
――サオササは一つ目をつぶる。
「――大丈夫。私は勝てる。なぜなら」
そして双眸を見開くとブラスターを素早く抜き放ち上に放り投げると大ジャンプ、空中でブラスターをつかむと相手が自分を見失っているうちにクローン騎兵Aのパラソルドローンに射撃。予想外の射撃にバチバチと音を立てながらパラソルドローンは爆発する。
「これは兵器としてでなく私自身が決めた。あなた達を殺してでも止める、って」
ベースの皆を助ける、そのために。その言葉は、果たしてどの『ベース』なのか。否、どの『ベース』もサオササにとって重要なのには変わりない。だからこそ、こんなところで負けるわけにはいかなかった。
成功
🔵🔵🔴
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「あんまり夏気分って感じしないよね」
フィオ姉ちゃんと一緒に船に乗り込んでクローン騎兵を掃討するよ
【行動】()内は技能
「海パン姿かと思ったけど意外と普通だね」
甲板に躍り出ると同時に(先制攻撃)でラビリント・ネプトゥノを発動するよ
クローン騎兵の動きを制限できるし、出口で待ち構えて個別に撃破するんだ
フィオ姉ちゃんの竜巻から落ちて来たクローン騎兵を狙って
イスベル・ウラーノを叩きつけるよ
攻撃したらすぐに(ダッシュ)で距離をとって敵の攻撃に備えるよ
「夏気分のところ悪いけど、全部氷属性でまとめるね」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「さて、良い夢を見た後は仕事頑張らないと」
■作戦
弟と連携しクローン騎兵の動きを制限しながら各個撃破する
■行動
「確かに見た目は普通だけど、油断せずに行くわよ」
パラソルドローンは見ないふりして戦闘開始
弟のUCで出現した迷宮の出口でクローン騎兵を待ち構え、
[高速詠唱×全力魔法]で【フィンブルの冬】を発動
氷雪の竜巻で攻撃しながら迷宮の壁に叩きつけて大ダメージを与える
ブラスター攻撃に対しては【アイギスの盾】を展開して相殺を狙う
「フォルセティ、わざと氷属性で攻撃しているでしょ」
●リゾートを楽しむはずが雪山で遭難気分
「さて、良い夢を見た後は仕事頑張らないと」
甲板手前で思いっきり伸びをするフィオリナ。その一方であくびをするフォルセティ。
「こら、フォルセティ、もう戦闘始まってるわよ」
「ふぁーい……でもフィオ姉ちゃん、こいつら、あんまり夏気分って感じしないよね。海パン姿かと思ったら意外と普通だし」
「確かに見た目は普通だけど、油断せずに行くわよ」
「はーい」
フィオリナは一瞬見えたパラソルドローンは見なかったことにした。突っ込んではいけないと思ったから。
『くそっ、どうにか――ん?』
甲板上で戦闘を継続するクローン騎兵は1つ違和感に気づいた。何やらさっきから視界が悪い――いや。これは――霧だ。そして、気づいた時には――
『なっ――なんだこれは――』
クローン騎兵は各個分断されていた。甲板に突然現れたのは、氷の壁でできた迷宮――
『くっ、どうにか壊せないのか!? このままじゃ、リゾートどころか雪山気分だぞ!?』
ブラスターを壁に放つも硬い壁は壊れる気配すらなく。なればできることは一つ。
『こんな場所にいられるか! 俺は脱出させてもらう!』
迷宮を攻略しようとクローン騎兵は各々駆け出す。
『はぁ、はぁ、お前ら――っ!?』
クローン騎兵の1人が見たのは、他のクローン騎兵の残骸。
「来たね、フィオ姉ちゃん」
「ええ」
そう返すフィオリナはいつもと違い白銀のドレスを身に纏っており、それに見入った瞬間、クローン騎兵を氷雪の竜巻が襲う。
『なっ――ぐあっ!』
ゴン、と鈍い音が響く。竜巻にやられて迷宮の天井の壁に頭がごっつんこ☆ クラクラしながら落ちてきたところにフォルセティが聖箒をかかげると軽く衛星一つ分はある大きさの氷塊が隕石のように向かってくる。ふと朧げな視界で後ろを見れば、迷宮はこの出入口部分だけやけに抉れている。
――クローン騎兵は、この後どうなるか悟った。
ズズゥゥゥン……
迷宮の出入口をまた少し抉りながら氷塊がクローン騎兵を一つ潰し、砕け散る。フォルセティがすぐにバックステップで距離を取った。
「フォルセティ、わざと氷属性で攻撃しているでしょ」
「たしかに夏気分のところ悪いけどさ、逆に全部氷属性でまとめちゃったら面白くない? というかフィオ姉ちゃんも氷属性……」
「わ、私は合わせているだけよ」
ある意味息ばっちりな姉弟。しかしそこに、クローン騎兵が最期の一撃を放とうとしていた。
ブラスターを持つ手が震える。しかし、それでも倒さなければいけない。このまま被害が出続けるわけにはいかないから。照準は暢気に話しているフォルセティに向き――
「――っ、フォルセティ!」
いち早くそれに気づいたフィオリナが光り輝く魔法の盾を展開し放たれたその連続射撃を防ぐ。
「ふぇ? フィオ姉ちゃん?」
「――危なかったわね」
追撃が来ないと今度こそ確認すると展開した盾を消しながらフォルセティの方を向く。
「フォルセティ狙いで、最期の一撃が放たれてたわ」
「えっ、護ってくれたの?ありがと、フィオ姉ちゃん」
「どういたしまして。でも、油断しないで」
「はーい」
1つ、また1つと積み上がるクローン騎兵の遺体を見ながら姉弟は次の犠牲者を待機した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メイスン・ドットハック
【WIZ】
いやいや、どんだけ海の家に染まっておるのじゃろーのー
ある意味、夏を先取りしておるけど、夏味わえるかのー?
ユーベルコード「月夜に跳梁跋扈せし銀狼」を発動
不可視の人狼による電脳工作部隊を召喚し、トラップ網の作成を指示
ワイヤーによる爆破トラップ、地雷トラップ、熱線銃に反応して指向性破片爆破するトラップなどを仕掛けて、帝国兵を翻弄
動揺しているところに電脳魔術によるミサイル【誘導弾】を【一斉発射】して一網打尽にする
また敵を挑発し、トラップ地帯に誘引することも忘れない
人狼達には報連相を徹底させてトラップに関する情報も仕入れておく
アドリブ絡みOK
●迷宮がさらに難易度上昇
「いやいや、どんだけ海の家に染まっておるのじゃろーのー」
ぽーっと迷宮から出てきては魔法にやられているクローン騎兵たちを見ながらつぶやくメイスン。どいつもこいつも肌色に塗りたくったのばかり。夏色だ。
「じゃー、ぼちぼち動くかのー。きゃつら、ある意味、夏を先取りしておるけど、夏味わえるかのー?」
メイスンは不可視の人狼による電脳工作部隊を召喚し、トラップ網の作成を指示する。人狼たちは迷宮に入っていき、ワイヤーによる爆破トラップ、地雷トラップ、熱線銃に反応して指向性破片爆破するトラップなど、様々なトラップを仕掛けていく。……何体かは寒さにやられて逃げかえってきた。
『おい、なんだこの罠?』
迷宮攻略中のクローン騎兵が一つあからさまに怪しいものを見つける。落とし穴だ。それを見たメイスンは人狼からどういう罠か報告を受けると壁の向こうから指をくいっとさせて挑発。さすがにこれには乗らなかった。ふむ、とメイスンは少し考えると電脳魔術を用いてディスプレイを空中に映し出す。
『クローン騎兵は所詮クローン騎兵、たいしたことない落ちこぼれじゃのー』
『あ? なんだよ、下手な挑発だな、そんなの乗んないからな――』
『こっち来れんようなクローンじゃからリゾートやらいけんのじゃのー、おお虚しいことに、われさんの変わりはなんぼでもおるというのに』
『やってやろうじゃねぇかよこの野郎! 見てろよ、こんな落とし穴なんか飛び越えて――』
煽りに乗ってしまったクローン騎兵が落とし穴をジャンプで飛び越える、が――
「かかったの」
クローン騎兵は気づいた。1つ、センサーが上の方にあったのを。そしてこれは――熱源に反応して爆破する罠、ブービートラップの一種だ。
ドカァァァン!
その大きな音に迷宮を探索してた他のクローン騎兵も続々と集まる。
『おい! B3092号!』
『大丈夫か! おい!』
3092号のクローン騎兵は哀れ爆発に巻き込まれて頭がどっかに吹き飛ばされていた。そして――そこに集ったクローン騎兵に迫る無数のウインドウ。
「誘導弾、一斉発射じゃ。塵になるがよい」
次の瞬間に集団を電脳魔術の弾が襲い、煙が巻き起こる。すぐに迷宮内に充満し視界が遮られる。が、なんか悲鳴が大量に聞こえたので手ごたえはあるだろう。たぶん。
成功
🔵🔵🔴
久遠・翔
いや馬鹿だろ!?
と、思いっきり突っ込んでしまう
完全にリゾート気分っすよねこの人達…今さっきの夢気になったけどそれを吹き飛ばすぐらい残念過ぎる光景っす…
ともかく吹っ飛ばさないと…目立たないと地形の利用と迷彩を使い周囲の景色に溶け込み、UCと投擲に見切りを加えクローン兵の大勢をロックオン
そして一気に苦無を放ち武器やドローンを吹き飛ばしていきます
攻撃しながら高速で動き、的を絞らせないよう残像で相手の攻撃を避けながら「突然の休日出勤」「職場の上司の突発イベント強制参加」「年休の却下に残業まだできるよね?と上司の発言」と精神攻撃をします…あれ?言っていると俺も涙が…
「冷房の効かない常夏の職場」
あ、死んだ
●さて、後方にいたおかげで迷宮から逃れたクローン騎兵もいるわけですが……ん?
「いや馬鹿だろ!?」
叫んだのは翔。どうした?
「いや完全にリゾート気分っすよねこの人達……今さっきの夢気になったけどそれを吹き飛ばすぐらい残念過ぎる光景っす……」
説明会で聞いたより数十倍酷いでしょ。遠慮なく倒せるよ、やったねしょうちゃん!
「ちゃんって、俺は男っす! と、とにかく吹っ飛ばさないと」
突っ込みつつも翔は迷宮の壁に隠れて目立たないように息を潜める。
(敵は――そことそこ、それからそこにドローンっすね)
高速思考でしっかり苦無を構えながらこの後の展開を思考する様はまさに暗殺者。
(よし)
ひとしきり終わったか、壁に隠れつつ後ろ手で苦無を投げつける。
『ぐあっ!?』
声が聞こえるや否や翔は飛び出し、両手に無数の苦無を構えるとそれを投げつけていく。
『がはっ!?』
『あがっ!?』
次々にクローン騎兵の声がする中、ドローンにも苦無を投げつけ爆破させていく。当然クローン騎兵もブラスターで反撃するが、翔のほうが速い。
「突然の休日出勤が起きるかもっすよ、ほら通信機器を見れば」
「職場の上司の突発イベントに強制参加あるかもっすよ」
「年休の却下に残業まだできるよね? と上司の発言があるかもっすよ」
残像の翔が次々に精神攻撃を浴びせていく。残像のせいで、まるで別々の人が言っているように聞こえる。
『やめろ! そういうのから逃れたいんだ俺たちは! がはっ』
『銀河皇帝亡き今ならそういうのもないと思って……! ぐぅ!』
『俺らがどれだけ苦労したかなんてわかるわけがない! げふっ』
倒れていくクローン騎兵たち、相当こき使われていたようだ。そりゃこんな事件おこしたくなるわな。言っている翔もなぜか涙目だし。
「でも一番厄介なのは――」
クローン騎兵の1人の後ろに回りこんだ翔が言い放つ。
「冷房の効かない常夏の職場」
『ぐあああああ!!!』
一番痛い精神攻撃が非常にもクローン騎兵を襲う! クローン騎兵はたおれた!
「あ、死んだ」
苦無の刺した感触がしないことに違和感を覚えた翔は精神攻撃で倒れたクローン騎兵を見てそうつぶやいた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『帝国戦闘機母艦』
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POW : サイキックファイア
【ビーム砲撃】が命中した対象を爆破し、更に互いを【サイキックエナジーの鎖】で繋ぐ。
SPD : インペリアルレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【帝国式兵器】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : リペアアーム
【修復用アーム】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
イラスト:8mix
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●『うみのいえ』出陣
『くそ、こうなったらあれを持ってこい!』
『よし! うみのいえだな!』
その言葉に猟兵も覚悟を決める。うみのいえ。こいつらが切り札と呼んでいる母艦――それがクローン騎兵の信号を受け、ゴウンゴウンと、やってくる――
――相当ひどい見た目だった。
上の絵にあるようないかにもな見た目ではなく、まるでUDCアースの海の家みたいな、木材っぽい塗装に、下手な字でひらがなで『うみのいえ』――開いた口が塞がらないほどの雑な塗りだった。
『うみのいえ』はひとつ甲板にビームを放つ。それは甲板上の迷宮やクローン騎兵の遺体を一気に吹き飛ばした。
こんな見た目でも戦闘力はあるようだ。秘密兵器というだけはある。
『猟兵でもこの「うみのいえ」には勝てるまい! ここを突破して、俺らはリゾートを満喫するんだ!』
『うみのいえ』内部に撤退しながら死亡フラグを言い放ったクローン騎兵。こんなふざけた『海の家』なんか、破壊するに限る。
サオササ・テセル
海の家ってこんなの?」思わずものをしらない自分自身を少し戒めながら小型戦闘用帝国式兵器を秒速で撃ち落とす。
一撃で消滅するなら私が念導力で動かすビットの弾幕の展開と私自身の武装の方が戦局を有利に運び敵の予測を上回れる―
上回って見せる「泡と化す末路わぬ彼方よりも疾く―届け」
どういうつもりかは分からないけどこんなものを作る意欲をもっと誰かを破滅させる以外に転嫁できなかった敵に未来なんて寄こすわけにはいかない。生まれて間もない私でも分かる事だから
●うみのいえ?
「海の家ってこんなの?」
サオササは自分自身の無知を少し戒めるが、大丈夫、絶対違う。こんなのが海の家であってたまるか。
サオササは首を軽く振って疑念を振り払うと『うみのいえ』から放たれた小型戦闘用帝国式兵器をビットの弾幕で次々に撃ち落とす。
(一撃で消滅するなら私が念導力で動かすビットの弾幕の展開と私自身の武装の方が戦局を有利に運び敵の予測を上回れる――いや、上回って見せる)
サオササは全部撃ち落してもなお止まらず、そのまま近づいて次は放ってきた場所を狙う。
「泡と化す末路わぬ彼方よりも疾く――届け」
ビットから攻撃が放たれる。はたしてそれは次々に命中し、次に出ようとしていた兵器に当たったことで小規模の爆発を次々と引き起こしていた。
「どういうつもりかは分からないけど――こんなものを作る意欲を、もっと誰かを破滅させる以外に転嫁できなかった敵に――未来なんて寄こすわけにはいかない。それは、それくらいは、生まれて間もない私でも分かる事だから」
サオササはふと、胸からお守りを取り出す。それは自分に【未来】を与えてくれたもの――
「だから――見ていて、主任」
――これが、私の【決意と選択】だから。
サオササは再び胸にお守りをしまうと、キッと『うみのいえ』を見据えた。
成功
🔵🔵🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「何というか本当にダサいわね」
■作戦
フォルセティと宇宙バイクで「(自称)うみのいえ」へ接近し
修復用アームや艦橋を破壊してボコボコにする
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]し「うみのいえ」へ
【ペガサスの翼】で一気に速度と戦闘力を増強し距離を詰める
「まずは修復能力を奪った方がいいわね」
オートフォーカスで修復用アームをロックオン。フォルセティのUC発動と連動して
[高速詠唱×全力魔法]で【バベルの光】を叩き込む
さらに死亡フラグを言い放ったクローン騎兵がいるであろう艦橋に
【バベルの光】をお見舞いする
ビーム砲撃は【アイギスの盾】と見切りで回避
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「うわー、最低のセンスだよね」
はっきり言って弱そうだよと言いながら「うみのいえ」を徹底破壊するよ
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに騎乗し出撃。(騎乗)しての(空中戦)は得意だよ
フォルマ・ベンダバールで戦闘力強化して「うみのいえ」に接近!
「かき氷は売ってないのかな」
売ってないなら要らないとばかりに(全力魔法×2回攻撃)で
カラミダド・メテオーロを叩きつけるよ。隕石でボッコボコにするんだ。
ビーム砲撃が飛んで来たらグアルディアン・サトゥルノで相殺だね
「おかわりならいっぱいあるよ?」
さらにカラミダド・メテオーロの連撃だね
ルドルフ・エルランゲン
海の家かぁ…
値段の割に具の少ないカレーとか、ペラッペラな焼豚入ったしょっぱいラーメンとか、ナゼかアレが海の家では美味く感じるんですよねぇ。
まぁうんわかるよ、イヤな上司も戦争に負けて居なくなったしね、遊びたいんだよね。
でもね、他人に迷惑かけたら遊びじゃ済まないんですよ。
■詭道の計(WIZ)
雑っ!
全然『海の家』感が無いの。
まずこのリペアアーム、コレが無骨ですね。全部外しましょう。で、ヤシの木を模した装飾を付けると良いんじゃないかな。
あとレギオン。武器なんか積んでたら気分出ないでしょ、機銃も外して蝶々や海鳥みたいな装飾にすると良いんじゃない?
…と、アドバイスするフリして敵の武装(UC)を無力化する
●大改造海の家?
「うわー、最低のセンスだよね」
「何というか本当にダサいわね」
「はっきり言って弱そうだよ」
姉弟揃って散々な言われようをしている『うみのいえ』。
「でもなんか食べられればいいよね! 海の家だし! かき氷売ってるかな!」
フォルセティが姉を置いて空飛ぶ箒――と名付けられたバイク(フォルセティのはVターボ搭載)を変形させて勝手に飛び出す。
「あ! フォルセティ! もう……」
ため息をつきながらもフィオリナもバイク(フィオリナのはXターボ搭載)にまたがり出撃――しようとした時、フィオリナの肩に手を置く人が1人。
「海の家かぁ……値段の割に具の少ないカレーとか、ペラッペラな焼豚入ったしょっぱいラーメンとか、ナゼかアレが海の家では美味く感じるんですよねぇ。
まぁうんわかるよ、イヤな上司も戦争に負けて居なくなったしね、遊びたいんだよね」
そこで眼鏡をくいっと上げると。
「でもね、他人に迷惑かけたら遊びじゃ済まないんですよ」
そう、どことなくウザさを感じさせることを言い放ったのはルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)。
「あなたは、いったい? 私はフォルセティを追わないといけないんですが」
「まあまあ、あの海の家を破壊する点で私達の方針は一致している。ここは私も乗せていってもらえませんか」
そこでまた眼鏡をくいっとすると。
「私に案があります。あの『うみのいえ』まで連れて行ってもらえれば」
ウザい感じにそう言った。とはいえ、案があるなら乗らないわけにはいかない。
「いいでしょう、乗ってください」
「はいはい」
まさかの2人乗りでフィオリナのバイクは遅れて発信した。
「ねえねえ! かき氷くださーい!」
突撃しながらかき氷を注文するフォルセティ。
『あ? 猟兵に渡すかき氷なんてあるか! お前、さっきの迷宮の氷でかき氷すればいいじゃないか!』
「えー、めんどくさいもん。それに海の家でしょ――もしかして、出せないというの?」
フォルセティの目がスンッ……とジト目風になった。
「そっか……それじゃ、いらないや。こんな海の家紛い」
フォルセティが小声で詠唱をすると『うみのいえ』に巨大な隕石が迫る! しかも1個2個じゃない、無数にだ! それはまさに流星群!
『くそっ、やってくれる!』
クローン騎兵は『うみのいえ』艦橋に出るとビーム兵器で流星群を次々に破壊していく。その間にフォルセティはバイクを急加速、一気に接近していく。声の届くミドルレンジから、ショートレンジへと。
「フォルセティ、派手にやってるわね」
こちらは遅れて出発したフィオリナのバイク。流星群とビームが飛び交う中、ルドルフを連れて巻き込まれないようによけながら接近してた。
「いやはや、これはあなたの知り合いの攻撃ですか?」
「ええ、そうです。私もその気になればこれくらいは出せます」
「こわいこわい、怒らせないでおきましょう」
「ええ、いざとなればあなたをここで投げ出して宇宙の藻屑にしてもいいので」
「いやはやそれは勘弁してくださいよ」
ルドルフも必死にごまかしながら『案』の内容を考えていた。その視線は、『うみのいえ』の兵器――
「おかわりならいっぱいあるよ? それそれ!」
『くそ、キリがない! こうなれば術者を!』
流星群が尽きない――いや、いくらでも供給されるのにのにしびれを切らしたクローン騎兵がビーム兵器のターゲットをフォルセティに向け、チャージする。
『終わりだ! 猟兵ども!』
「――暁闇を統べる星刻の大神。七界を照らすは虹鱗の彩光――」
そのチャージを見たフォルセティが詠唱する――そのタイミングで、極太のビームが放たれ、フォルセティを飲み込もうとする――否! 虹色に輝く魔法の盾が現れ、そのビームを相殺した! フォルセティに当たろうとする右半分の部分が見事に盾で相殺されている! そして流星群もさらに振り続ける! 相殺できない流星群に次々に傷つけられていく『うみのいえ』!
……ん? 残り左半分はどこに?
「っ!」
「あれは、危険ですね!」
フィオリナとルドルフのもとに残り左半分の極太ビームが迫る!
「防げ、アイギスの盾!」
フィオリナが素早く光り輝く魔法の盾を前面に展開しビームを相殺する。
「これは、もたついてはいられないわね。雷光を運べ、ペガサスの翼よ!」
フィオリナが足で何やら操作するとバイクが変形し、スピードを上げながら前進していく。それにともない相殺している極太ビームも押されていく。
「ねえ、どれくらいまで近づけばいいですかっ!?」
「最低限、敵に話しかけられる距離まではお願いしますっ!」
真剣な顔のフィオリナにルドルフも真剣に答える。何を企んでいるというのか。
「よし、一気に飛ばしますっ!」
フィオリナが急加速。フォルセティの横を素通りし――いや、チラ見して少し笑みをこぼすとすぐに表情を戻して一気に会話できる距離まで接近する。
(よし、この辺ですね)
ルドルフが顔を上げ、クローン騎兵を見据えると。
「すいませーん! そこの方! もっと海の家っぽくする方法を知ってますよ!」
『――あ!? これでも十分だろうが! 海の家じゃないと!? これが!?』
「雑です! 全然海の家感ありません! それをもっとよくするアドバイスがあります!」
『ホントか! 教えてくれ!』
クローン騎兵が極太ビームを解除して自動モードにして流星群をオートロックオンで相殺させるようにしてからフィオリナのバイクに近づいてくる。
(ここです、止めてください。で、見ててください)
フィオリナに小声で話しかけるとフィオリナのバイクも止まる。
「まず、あちらにリペアアームがありますよね」
『ああ、修復用の』
「あれは無骨ですね。全部外しましょう。で、ヤシの木を模した装飾を付けると良いんじゃないかな」
『ヤシの木か。おい、誰かいるか! それっぽいの持ってこい! 俺はこれを外す!』
(計画通り)
ルドルフは心の中でニヤッとほほ笑んだ。そこにフィオリナが小声で語り掛ける。
(外したリペアアーム、さっさと破壊していいですか?)
(あー、いや、焦っていきなり派手にやりすぎると相手の怒りを買います。ハッタリですよこれは。焦りはよくない)
『よし、全部外したぞ!』
リペアアームを全部本当に外したクローン騎兵。
「じゃあ次はレギオンですね。というより、武器なんか積んでたら気分出ないでしょ。機銃も外して、蝶々や海鳥みたいな装飾にすると良いんじゃない?」
『なるほどな!』
クローン騎兵が次々に機銃とかを外していく。なんということでしょう、あれだけ戦闘兵器に包まれていた『うみのいえ』が、完全に外周から兵器をなくしてビーム兵器を残すのみの解放的かつ開放的な空間に!
『よし、次はレギオンだな』
「今です!」
『!?』
ルドルフの合図でフィオリナが人工衛星を召喚。艦橋から『うみのいえ』の中に戻ろうとして背を向けたクローン騎兵と外されたリペアアームや兵器をオートロックオン。
「貫け、バベルの光よ!」
その号令と共に人工衛星からレーザーが放たれる。
『ぐあっ――が、はっ――や、やはり、猟兵など、信頼すべきじゃ――』
「いえ?」
機銃やリペアアームが同じようにレーザーで破壊されていく中、クローン騎兵は残った力でルドルフを睨む。しかし――
「私は何もしていませんよ。私はアドバイスをするとは言いましたが――【同乗しているこの方が攻撃をしないとは言ってない】」
『く、くそっ――お、俺らの、リ、リゾートが――』
哀れクローン騎兵はレーザーに貫かれ倒れて動かなくなってしまった。来世でリゾートに行けることを祈ろう。オブリビオンに来世があるかは知らないけど。
「フィオ姉ちゃん、大丈夫?」
フォルセティがフィオリナを心配して合流してきた。それにフィオリナはにっこり微笑んで。ついでにルドルフも微笑んで。
「大丈夫、さ、一気に壊しましょうか」
「うん!」
フォルセティが流星群を再び召喚する。フィオリナもレーザーを放っていく。
もはや『うみのいえ』は宇宙の藻屑になるの秒読みという風にあちこちに攻撃が命中してあちこちで爆発が始まっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メイスン・ドットハック
【SPD】
うみのいえというのは夏にかけて運営されておるがのー
じゃけど、本当の海の家を堪能するために潰れてくれるかのー
UC「星の海を制覇せし船」で巨大宇宙戦艦を召喚
それに乗り込み、インペリアルレギオンをビーム機銃で片っ端から撃ち込んで撃墜させる
さらにレーザー砲を攻撃砲門に撃ち込んで、攻撃機能にダメージを与えることに注力し、インペリアルレギオンを掃討したら、広域破壊ミサイルを【一斉発射】して母艦に直接叩き込んでダメージを与える
ビーム砲撃が来た場合は、レーザー砲で相殺を狙い、いよいよとなったら宇宙戦艦を特攻させて自爆攻撃も行う
その際は華麗に脱出して自動運転で突っ込ませる
●星の海にひとつ、大花火
爆発が絶えない『うみのいえ』。しかし先にノッたクローン騎兵が死んだので、レギオンやビーム兵器までは取り除けなかった。そんな『うみのいえ』に、巨大な宇宙戦艦が迫る。あれは何か? 増援か? いや!
「海の家というのは夏にかけて運営されておるがのー、じゃけど、本当の海の家を堪能するために潰れてくれるかのー」
メイスンが召喚して乗り込んだ猟兵の宇宙戦艦、その名も『暁』だ! 宇宙の水平線に勝利を刻もうと、暁は襲いかかるインペリアルレギオンをビーム機銃で片っ端から撃ち込んで撃墜させる!
「キリがないけぇ、砲門まで攻撃させてもらうかのー」
メイスンは暁のビーム機銃をインペリアルレギオン掃討に向かせたままレーザー砲を攻撃砲門に撃ち込む。これにはインペリアルレギオンも対応がしきれず、次々に砲門が爆発。インペリアルレギオンの出し口がなくなっていく。
あらかたインペリアルレギオンが来なくなったのを確認するとメイスンはウィンドウを虚空に開き操作する。
「広域破壊ミサイル、発射じゃけぇ」
爆発が続く『うみのいえ』に容赦ない追い打ちのミサイルが迫る! 『うみのいえ』、もはや満身創痍……と、その時。
ビーム兵器の照準が暁の方を向いた。
ビーム兵器は今自動制御されている。隕石をもう防ぎきれないと判断したか、せめてあの戦艦だけでも破壊すべきと判断したか――チャージをすると極太ビームを暁に放つ。
メイスンはすぐに暁のレーザー砲を放たれたビームに向け発射、ビームとビームのぶつかり合いというよくゲームとかでありそうな光景が広がる!
「ぐ、ぐ、ぐ……相、殺、できれ、ば、いいのじゃ、が――難しい、のう」
暁を制御するメイスンの顔も歪む。こうなれば最終手段だ。メイスンは一つのウィンドウを出すとそれにタッチする。『DANGER』って書かれているんだけど。それと共に暁は大きく揺れる。
外から眺めてみると、暁は少しずつ、前に進みビームを押し返していた――いや、この加速具合は明らかにおかしい。まるで、そう――特攻のようだ!
そう、メイスンが押したのは自爆突撃のプログラム。推進力に全機能を振り、ビームを出さなくなり、『うみのいえ』のビームをもろに受けながら突撃――そして、激突、大爆発を起こした。
――あわれ、『うみのいえ』は『暁』と共に宇宙の藻屑となってしまった……この大爆発ではもし中にクローン騎兵とかまだいたとしても、生きてはいないだろう。
――だが待って欲しい。メイスンは生きているのか?
「――汚い花火じゃのー」
いた! 暁からなんやかんやいい感じに華麗に脱出して爆発の光景を見ていた!
「さ、こがいな汚い海の家じゃのうて、本物の海の家にでも行くかのー」
大爆発して宇宙という『星の海の家』にすらなることもできず、ただ一夜の汚い大花火となるしかなかった『うみのいえ』を尻目に見ながら、メイスンたちは帰路につくのであった。
――今度は、まともな、本物の『海の家』が味わえるように。
成功
🔵🔵🔴