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THE・俺たちの建国

#アリスラビリンス

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#アリスラビリンス


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●建国の志
「アリスラビリンスで国でも作らないか?」
 おまえは何を言ってるんだ。
 グリモアベースを訪れるなりぬるぬる駆け寄ってきたプルート・アイスマインドの誘いに、猟兵たちはそう思うしかなかった。
 国て。
 国づくりて。
「まあそう気構えるな。あくまでアリスラビリンスの国、不思議の国だ。国家体制まで築き上げろということではない。楽しく家でも作ってきてくれという話だ」
 プルートがぽいっと地面にグリモアを落とすと、ぱあっと光が立ち昇り、猟兵たちの前にアリスラビリンスのほんわか奇妙な情景が浮かび上がる。
 田園風景とでも言えばいいのか、平和な場所だった。実った稲穂が風に歌う黄金色の地帯があれば、そこかしこには鉱石のような輝きを放つ不思議な花が咲き誇る。なんでもない雑草すらもエメラルドのように輝いていて――。
「眩しくて見ていられるかぁッ!」
 ぷつっ、と映像を切るプルートさん。
 尋常じゃない眩しさだった。さすが不思議の国やでぇ。
 とはいえ今は依頼の説明の最中である。プルートはこほんと咳払いして雰囲気をリセットし、再びキリッと猟兵らに向き直る。
「いま見てもらったのは誰の手も触れていない『まっさらな』不思議の国だ。ウサギ穴を通じてたどり着いた少数の愉快な仲間たちがいる程度だ。建物もひとつもなく、土地以外は何もない……いわば不思議の国の赤ん坊だ」
 まさにゼロからのスタートで、さてこれからどうしましょうかって段階らしい。
 そこで、と人差し指を立てるプルート。
「おまえたちもちょっと一枚噛んで、グレイトな不思議の国を作ってきてくれ」
 結論までの飛躍がすごい。
 なぜ向かわねばならないのかとかの説明がまるでなかった。
「ちなみにおまえたちが向かう国だがな……」
 おまけにもう派遣前提の話をして――。
「土が美味い」
 土が!?
「『土うめぇ』って言えるぞ」
 土うめぇって言える!?
 ……驚くほどどうでもいい情報だった。
「いや大事だろう。土が甘くて美味いのだぞ。道を歩いてて小腹がすいたら土食って急場を凌げるのだぞ。きっとそんな土壌だから稲とか花も美味いだろうし……」
 ええいもういいからさっさとアリスラビリンスに飛ばせやァァァ!!!
 というノリで話を切った猟兵たちは、アホマスクをゆさゆさして自分たちを現地に転移させた。
 しゅわーっとなってグリモアベースから消えてゆく一同。
 やがて猟兵たちが完全に転移すると、プルートははたと気づいて手を叩いた。
「しまった。オウガが襲ってくると伝えるのを忘れていた」

●のんびりまったり
 ゆっくりとした時間が流れる、黄金色の田園。
 そこを、人間サイズの喋る樹木さんや手乗りサイズの熊さんやライオンさん、逆にでかくなってる鳥さんなんかが楽しげに行進していた。
「やったーキレイな場所だねー」
「ここをもっとキレイにして、楽しいところにしたら、来る人が喜んでくれるね」
「そうだねー」
「うーん。でもどうすれば楽しくなるのかなー」
 ピタッ、と先頭の樹木さんが止まると隊列がそろってぴたりと止まった。
 むむーん、と考えこむ愉快な仲間たち。
 が、考えども考えどもいまひとつパッとした案が浮かばない。
「どうしようかなー」
「まずは家を建てないとかなー」
「山とか川をつくって、キレイな風景にしようかなー」
「なんだかゴージャスな門を作るのもいいかなー」
 その場に座りこみ、どうしたものかと話を続ける愉快な仲間たち。
 より楽しい国にするために――という一念で会議を続ける彼らの手は、ずぼっと手近な土を掘っていた。そして口に入れてもぐもぐした。
 土食ってる!
 当然のようにめっちゃ土食ってる!


星垣えん
 箱庭シミュレーション的な何かを感じる。
 というわけでレッツ建国だ! 俺の私の理想の国づくりだ! 土が美味い!
 章構成は以下!

 1章は、愉快な仲間たちと一緒に家を作ったり整地したり、まったり開拓です。
     なんか提案すると愉快な仲間たちもノリノリで作業してくれます。
     行動例以外にも、何かやりたいことがあればやっちゃえばいいYO。

 2章は、愉快な仲間たちと一緒に国に彩りとかつけていきましょう。
     お店屋さんごっことかしながら、この国のウリを作り出しちゃいましょう。
     行動例以外にも、何かやりたいことがあればやっちゃえばいいYO。

 3章は、楽しくやっているところに突然アリさんが現れるので倒しましょう。
     金欲とか物欲がすごい女王アリさんです。
     1章や2章で防衛設備とか作っといたら、試しちゃうチャンスだYO。

 さあ、みんなで建国だ!
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第1章 日常 『みんなでわらの家作り』

POW   :    森の木を伐採して、薪やテーブルなどの家具を作ろう。丸太の温かみ溢れるログハウスもできるね

SPD   :    手先の器用さを活かして、わらを編んでおうちの屋根や、草を紙に漉いておうちの壁を作ろう

WIZ   :    お花を摘んでリースを作ろう。家の敷地確保の為にどれだけ摘めば良いかや、リースの配色など頭脳労働者向け

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロースト・チキン
ヒャッハーーー!!
ココは、オレにナイスでピッタリの世紀末な城を作って貰うとするか!

まぁ、今回は世界が世界だけに材料も木で造るのログハウスって事で我慢しておくか。さぁ、みんなオレに続けーーヒャッハーーー!!

ローストは、愉快な仲間たちと共に自分の城(家)の建築に勤しみます。
そして完成した物は何故か、ニワトリ小屋だったのです!

コッコッコ…(雰囲気に流され、地面に置かれた餌箱の餌を啄ばむロースト。)

……ハッ!?
何かがおかしい!?


ニオ・リュードベリ
アドリブ連携歓迎

ここの土、甘くて美味しいの?
それなら早速食べながら話し合いに参加しよっと
こんにちは、あたしも一緒に国を作るよ
そして土美味しいね

どうせならこの美味しな土を活用したいよね
これで美味しい植物を育てようよ
美味しい土で育てた植物で、更に色々なものを作っていって……美味しい木で作ったお家ならいざという時食べられないかな?
いや普段は頑丈にしてないといけないけど!
あとは美味しいお花……どうせなら見た目も綺麗で可愛くしたいよね
あたし、お花があればリースとか作れるよ!飾るよ!

後、それなら水もいるよね……美味しい水が飲める湖や川があれば素敵だと思う
それで美味しい尽くしにしよう!


ナイト・スイート
なんとなんと!色々な不思議の国を渡り歩いてきましたが、国を1から作るなんて初めてですっ!
皆が幸せに、そう、扉が見つからない可哀想なアリスだって幸せに暮らせるような国が作れたら……!夢が広がりますねぇ♪

小柄なウサギ獣人の姿で参加しますよ。

さて、じゃあ皆頑張りましょう!私は手先が器用なのでわらを編んでお家の屋根を作りましょう。
他の手先が器用な愉快な仲間たちと一緒に、のんびり座ってお喋りしつつ作業開始です。

いやしかし、この世界は本当に美しいですねぇ♪あの草なんて宝石のようで、普通の草より何倍も美味しそうです!

そういえば土が美味しいのでしたね?本当なのですか?
もしゃもしゃ…土うめぇ!Σ

アドリブ大歓迎!


逢月・故
へー、イチから建国?
良くやるねぇ、大変そー
あは、別に茶々入れに来たワケじゃないよ
オレもちゃんと仕事しに来たんだって
ホントホント

コレでリース作れば良いのね、おっけーおっけー
現役帽子屋さんに任せなさいって
やっぱこっちの世界は花の色も種類も豊富で良いよねぇ、選び甲斐がある
折角だからビタミンカラーで鮮やかにしてみようか、他の世界はもう夏だもんねぇ
……ん?リースに混ざりたいのかい、喋る花たち
でも混ざったら君だけが目立つコトは出来なくなると思うけど……嗚呼、君たちを入口に飾れば門番にでもなるかな?
門番っていうか監視カメラみたいだけど
あーはいはい、おっけーおっけー
君たちがやりたいんならこのオレに否やはないよ



 地に腰を下ろし、あーだこーだと議論を交わす愉快な仲間たち。
 ふらふらっと歩いてきた時計ウサギ――逢月・故はそんな彼らに近寄ると、貼りつけたような爽やかな笑顔で腰を下ろした。
「へー、イチから建国? 良くやるねぇ、大変そー」
「大変?」
「そんなに大変じゃないと思うよー?」
「わーやる気満々だねぇ、みんな」
 無垢な顔を向けてくる熊さんやライオンさんに、ぱちぱちと拍手を送る故。さすが愉快な仲間たち、考え方がどこまでもポジティブである。
 これは何ともからかい甲斐がない。故は周りに見られぬようにため息をつく。
 それを尻目に、ニオ・リュードベリは指3本で土を摘まみ取りつつ普通に愉快な仲間たちの輪に溶け込んでいた。
「こんにちは、あたしも一緒に国を作るよ。そして土美味しいね」
「あ、いらっしゃーい!」
「美味しいでしょ! なんでかわかんないけど甘いよね!」
「食べ過ぎてお腹いっぱいになっちゃうよね!」
「うん、そうだねー」
 屈託なく受け入れてくれる鳥さんたちに愛想よく笑いを返すニオは、土を口に含んで味わうと、再び土を摘まみ上げた。
「どうせならこの美味しな土を活用したいよね。これで美味しい植物を育てようよ」
「美味しい植物!」
「それいいね!」
「美味しい土で育てた植物で、更に色々なものを作っていって……美味しい木で作ったお家ならいざという時食べられないかな?」
「うわー何それ面白そう!」
 熊さんたちが目を輝かせて身を乗り出す。
 食べられる家。その魅惑的な響きを受けてすでにだらっと涎を垂らす始末である。
 が、それを見てもニオは無反応だった。というか建国案がどんどん頭に浮かんできてて、視覚情報よりもそっちに意識がとられている模様。
「あとは美味しいお花……どうせなら見た目も綺麗で可愛くしたいよね。あたし、お花があればリースとか作れるよ! 飾るよ!」
「えっ、リース?」
「じゃあ僕がお花を摘んでくるよ!」
「あ、リースならオレも作れるよ。なにせ現役帽子屋さんだからね。任せなさいって」
「ならお花は2人に渡すね!」
 すっと挙手した故の肩をポンと叩き、てってけ近場の森へ駆けてゆくライオンさん。数十分も経つと背に乗せた籠いっぱいに花を摘んで帰ってきた。
 籠の中に花々はきらきらと輝いていて、故は1本を手に取ると、陽に透かすようにしてその美を観賞する。熊さんたちと土いじりをしてきたニオも、花がもう摘まれてきたのを見て取ると、故がかざす花を一緒になって見つめた。
「ここのお花は綺麗だね」
「やっぱこっちの世界は花の色も種類も豊富で良いよねぇ、選び甲斐がある。折角だからビタミンカラーで鮮やかにしてみようか、他の世界はもう夏だもんねぇ」
 ライオンさんが持ってきた花や枝、蔓を見繕ってリース作りを始める故とニオ。
 すると、横合いでじっとこちらを見つめる存在に気づいた。
 花だ。
 道端でぺらぺらお喋りしていた花の群れが、いつの間にか故の隣に来て作業を見つめている。
「……ん? リースに混ざりたいのかい、喋る花たち」
「うん。何だか面白そうだもの!」
「でも混ざったら君だけが目立つコトは出来なくなると思うけど……嗚呼、君たちを入口に飾れば門番にでもなるかな? いやそれより監視カメラ……?」
「門番……? あたしたちを混ぜてくれるなら門番でもやるわ!」
「そうよ! だから綺麗に飾ってくれない?」
「あーはいはい、おっけーおっけー」
 やいやいと訴えてくる花たちに、微笑を浮かべつつ両手を振る故。
「君たちがやりたいんならこのオレに否やはないよ。立派なリースに仕立ててやるとも」
『やったー!』
 歓声をあげた花たちが、故の膝元に姿勢よく横たわる。
 その後リースとなったわけだが、それはもうよく喋るリースが出来上がったとか。

 愉快なリース作りの傍ら。
 体長60cm程度のウサギ獣人が、踊るようなステップで道の向こうからやってきていた。
「なんとなんと! 色々な不思議の国を渡り歩いてきましたが、国を1から作るなんて初めてですっ!」
 歌劇じみた大仰な仕草で感動を表現しているのは、時計ウサギのナイト・スイートである。
 アリスのために、困っている人のために手助けすることを生きがいとしている彼は、建国の話を聞いてこのかた胸のわくわくが止まらんのです。
「皆が幸せに、そう、扉が見つからない可哀想なアリスだって幸せに暮らせるような国が作れたら……! 夢が広がりますねぇ♪」
「ウサギさんはアリスが好きなのかい?」
「ええ♪ アリスが大好きですとも!」
 声をかけてきた樹木さんの前で、くるくる回転して止まるナイト。
 彼はまるで旧来の友の風情でそこに座ると居住まいを正し、樹木さんが脇に置いていた入れ物からわらの束を掴み取った。
「さて、じゃあ頑張りましょう! 私はわらを編んでお家の屋根でも作りましょうかね」
「わっ、手伝ってくれるんだね!?」
「ええ♪」
 ぱぱっと器用な手先を動かし、ナイトはわらを編んだ。その作業スピードたるやざっと樹木さんの10倍はあり、わらの屋根は見る間に形を成してゆく。
 と、そのときだ。
 遠い森のほうから謎の一団が近づいてきた。何者かを先頭にしてずんずんと歩き、何やら奇声すらも聞こえる。
 耳を澄ますナイト。
「ヒャッハーーー!!」
『ヒャッハーーー!!』
 ひどかった。
 およそアリスラビリンスに似つかわしくない世紀末感が漂っていた。
「いったいあの方々は……?」
 謎の一団を率いる者は誰なのだろう、とナイトが目をすがめる。
 鶏だった。
 やたらヘビメタ感のあるファッションをしている人型の鶏――ロースト・チキンが我が物顔の大股歩きで童話の世界を闊歩していた。肩に担いでいるのは木材である。
「さぁ、みんなオレに続けーーヒャッハーーー!! この国にオレにナイスでピッタリの世紀末な城を作るぜぇぇーーー!」
『ヒャッハーーー!!』
 後続の愉快な仲間たちが雄叫びをあげ、ローストに追従してゆく。彼らもまた木材を抱えており、どうやらロースト一行は世紀末な城を作るべく材料調達に出ていたらしい。
「決めたぜ! オレの城の敷地は……あそこだァァーー!!」
『ヒャッハーーー!!』
「お前らついてきやがれェェー!」
『ヒャッハーーー!!』
 ローストが真横を指差すや、くるっと90度回転してざっざっと行進してゆく世紀末軍団。
 てな感じで、ローストはナイトとすれ違うこともなくどっかに行った。
「本当に何だったのでしょうか……」
「楽しそうだったね!」
「まあそうとも言えますが」
 何だか釈然としないものを感じつつ、ナイトはわら編みを再開した。あれは真面目に考えてはいけないものだ。そう直感的に悟っていた。
 ここは気を取り直し、この新たな不思議の国の光景でも眺めるべきだろう。
「いやしかし、この世界は本当に美しいですねぇ♪ あの草なんて宝石のようで、普通の草より何倍も美味しそうです!」
「あの草かい? 美味しいよー。爽やかな味がするんだ!」
「それは興味深い……おっと、そういえばここは土が美味しいのでしたね? 本当なのですか?」
「本当さ! 一度つまんで食べてみなよ。癖になる味だよ!」
「どれどれ」
 ずぼっと地面に指を突き立て、土を口に含むナイト。
 もしゃもしゃ……と咀嚼した次の瞬間には、彼の瞳は驚愕にひらかれていた。
「土うめぇ!」
「でしょー」
「こうしてはいられません。皆様にもこの味を……はっ! 先程の鶏の猟兵さんにもおすすめしてあげなくては!」
 思い立っては止められない。おせっかいじみた親切心が沸々と湧いてしまったナイトは両手にこんもりと土を持ち、城を建築しているだろうローストのところへと駆けて行った。
 ついでに『どれほどの城が建っているんでしょう』と少し楽しみにもしていた。
 道を曲がるナイト。

「コッコッコ……」

 少し大きめの小屋にすっぽりと体を収め、地面に置かれた餌箱の餌を啄ばむローストの姿がそこにはあった。
 どこからどう見ても飼育場の鶏だった。それ以外の何物でもなかった。
「に、鶏の猟兵さん!!」
「……ハッ!?」
 ニワトリ小屋に寝そべって入っていたローストが、ナイトの一声に我に返る。
「オ、オレは城を建てていたはず……それがなぜっ!!?」
「落ち着いて下さい! ひとまず土食べますか!?」
「コッコッコ……」
 餌箱に土が投入されるなり再び鶏の本能を発露させてしまうロースト。
 キマイラの……いやキマイラのではないな。個人的なね、ローストさんの個人的な悲しい性が垣間見えた瞬間だった。
 それを遠くから何とはなしに眺めていたニオは、ぽんと手を叩いた。
「そうだ。水もいるよね……美味しい水が飲める湖や川があれば素敵だと思う。それで美味しい尽くしにしよう!」
 これは名案、と愉快な仲間たちのもとへ駆けてゆくニオ。
 家畜が育つには水もなくては、とか思ったんだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レナータ・バルダーヌ
甘い土……?
お砂糖でも入っているのでしょうか?

とまれ良い土と聞いては耕さずにはいられません……!
うちで飼っている牛のモーさんと一緒に、土地を耕して畑にします。
もし他にも同じ事を考えている方がいれば協力して作業したいです。
わたしとモーさんだけでもそこそこ広く作れると思うので、耕した後は他の皆さんもお好きに使ってくださって構いません。

モーさん、おいしいです?
え、わたしはいいです、いくら甘くても土は土ですよ。
モーさんは牛さんだから大丈夫ですけど、ヒトが普通に食べたらお腹をこわすのでは?
うーん、ではちょっとだけ……。


ディディルク・ファルムムト
【POW】
アドリブ・連携OK

わぁ!キラキラしていてのんびりで素敵な世界ですね。
僕もこっちに来たときはこんな世界がよかったなぁ…

「こんにちは、素敵な世界ですね。よかったら僕もお手伝いさせてくださいな、なんだぜ」
木の家具を作成するのが楽しそうです。
せっかく美味しい土がありますので、それを更に美味しくいただく為にテーブルセットと簡単な食器があると良いかと。
ただ僕はそのような経験がないので…愉快な仲間たちさんや、どなたかにご指導いただけるとありがたいです。
一緒に作成するのも、とっても素敵だと思います。
何セットか完成したら休憩がてらに、作ったお皿に土と…植物の色どりを添えてランチなんていかがでしょうか


アリス・セカンドカラー
幻想のミニチュアアリス(女の娘タイプと男の娘タイプ)達を愉快な仲間達に混ぜるテスト☆なお、成功して定着した場合はユベコから切り離されるので、一般愉快な仲間枠に収まります。

食べれる土っていうと昔のお城に使われた珪藻土がおもいうかぶけど、別物よねぇ。あ、でも、和風なお城の区画があっても面白いかもしれないわ。食べれる土で作れば例え籠城戦になっても飢えは凌げるしね。
もぐもぐ、うん、いい土ね☆
蜂蜜のお堀と溜め池と、いえ、いっそ蜂蜜の水路を巡らせて水の都ならぬ蜂蜜の都にする手もあるわね。水路だって防衛施設にもなるし、そうしましょうそうしましょう。
所々に敵対者への迷いのおまじない(呪詛)も仕込みましょ♪


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「わーい、楽しそう♪ボクも家作りお手伝いするよ☆」
突然飛び込んできてわいわいと楽しそうにお手伝いを開始するよ!

最初は言われた通り、わらを編んでおうちの屋根や草を紙に漉いておうちの壁を作ってるけど
大きなお風呂屋さんを作った後になんだか淋しいねっと壁にラクガキを開始しちゃうぞ!

UDCアースで見た大きな綺麗なお山を描いて、周りに愉快な仲間達や猟兵のみんなの似顔絵も描いちゃうぞ☆
※ただし、技能がないので子供のラクガキレベルくらいの出来だよ(てへぺろ

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ぽふんぽふん、と草を踏む音。
「わぁ! キラキラしていてのんびりで素敵な世界ですね」
 弱冠15歳のオウガブラッド――ディディルク・ファルムムトは、遊園地を訪れた幼子のようにきょろきょろと首を動かして目をぱちくりさせた。
「僕もこっちに来たときはこんな世界がよかったなぁ……って、羨んでも始まりませんよね」
 脳裏に浮かんできた童話とは程遠い思い出を、頭を振って追っ払うディディルク。
 今は国づくりを楽しもう。
 というわけでその辺をちょろちょろしていた愉快な仲間たちに早速声をかけた。
「こんにちは、素敵な世界ですね。よかったら僕もお手伝いさせてくださいな、なんだぜ」
「わーい手伝ってくれる人だー」
「何するー?」
「そうですね……何にしましょう?」
 建国を手伝うといえどもどうすれば、とディディルクは何かヒントを求めて周辺に目を配る。
 すると、道端にしゃがみこんでいる2人の少女――レナータ・バルダーヌとアリス・セカンドカラーを見つけた。
「甘い土……お砂糖でも入っているのでしょうか?」
「どうかしら。食べれる土っていうと昔のお城に使われた珪藻土がおもいうかぶけど、別物よねぇ」
 首を傾げて頭の包帯をぷらぷらさせるレナータに、ロリータなエプロンドレスのアリスが土をつんつんしながら答える。
 ぱっと見、親和性ゼロの取り合わせだった。
「あ、でも和風なお城の区画があっても面白いかもしれないわ。食べれる土で作れば籠城戦にも強くなるしね」
「お城に籠るのは避けたいですけどね」
「それはそのとおりだけど、危機管理も大切よ。うん、いい土ね☆ これなら兵士の士気も保てるわ♪」
 土をもぐっと味見したアリスは満足そうな顔で手を払い、建築物資を集めるべく想造力を発動する。当人をぎゅっと縮小したようなミニチュアのアリスがわんさかと発生し、小動物の風情でほうぼうに散っていった。
 一方、レナータも負けじと傍らに大きな雄牛を召喚する。
 ユーベルコードではなく、その辺で草はむはむしてた飼い牛(ドレッドヘア)を手招きするという手段で。
「モーさん。今日は農耕三昧です。良い土と聞いては耕さずにはいられませんね」
『モォ~』
 体に牛車をとりつけられたモーさんこと『モー・ドレッド』が一鳴きした。
 不思議の国が一気に北の国になった。
「では行きますよ、モーさん」
『モォ~』
 鍬を持ったレナータと車馬鍬装備のモーさんが土の上に乗り出す。一面がんがんと耕していくさまはどう見ても農家のムーヴであった。
 一連の流れを静かに見届けたディディルクは、愉快な仲間たちを振り返ってにっこりと微笑んだ。
「ではボクは木の家具など作ってみますね。せっかく美味しい土がありますので、それを美味しくいただく為にテーブルセットや簡単な食器を用意しましょう」
「それはいいね。食器は必要だよ!」
「じゃあ木こりの鉄鎧さんに木を持ってきてもらおう!」
「ただ僕はそういった物を作った経験がないので……皆さん、ご指導いただけますか?」
「なら家具職人の動くタンスさんを連れてくるね!」
「そんな方々が……すごく心強いですね」
 思わずほんわかしてしまうような新たな仲間たちに少し胸躍るディディルク。鎧さんがガシャガシャやってきて下ろしてくれた木材は結構立派で、ディディルクたちはタンスさん指導の下で賑やかな家具作りを始める。
 すると、だ。
「わーい、楽しそう♪ ボクも家作りお手伝いするよ☆」
「わっ!?」
 ぴゅーっと、ちっちゃな妖精がどこからか飛んできて、ディディルクたちの間を縫って飛び回った。きらきら輝く鱗粉を散らす姿はまさにおとぎ話の登場人物そのもの。
 が、彼女はアリスラビリンスの住人ではない。
 アックス&ウィザーズのフェアリーでお姫様で家出娘で猟兵であるティエル・ティエリエルちゃんである。ちなみに8歳である。
「で! ボクは何をすればいいかな?」
「えぇと、それではあちらで愉快な仲間たちさんと家作りなどしてみては? なんだぜ」
「りょーかい! がんばるぞー!」
 遠慮がちに告げたディディルクに促されるまま、家作りの現場へすいーっと飛んでゆくティエル。その先では愉快な仲間たちがわいわいと屋根や壁を制作していた。
「こんにちは! ボクもお手伝いさせてー!」
「あっ、妖精さんだ!」
「妖精さーん!」
「お手伝い助かるー」
「ふふん、ボクに任せといて! どんどん家を作っちゃうから!」
 愉快な仲間たちの歓声を受けて、ポンと拳で胸を叩くティエル。歓迎ぶりについ気が良くなってしまった少女はわら編みに精を出し、紙漉きを張りきってゆく。
 そしたらいつの間にか、幅10mは超えてそうな大掛かりな建物ができていた!
「やったーお風呂屋さーん!」
「お風呂屋さん?」
「みんなでお風呂ー?」
「そうだよっ。セントウっていうやつだね!」
 建物――お風呂屋さんの周りに集まってきた愉快な仲間たちへ、胸を張るティエル。
 だが得意げだったのも束の間。
 お風呂屋さんの中を見回っていたティエルは今ひとつ不満そうな顔に変わった。
「うーん、なんだか淋しいね……そうだ! 絵を描いて賑やかにしちゃおう!」
 頭に電球を灯すや否や、下書きも何もなしに壁に手をつけるティエル。取り出した色鉛筆を両手に抱え、感性の赴くままに壁面にラクガキを開始する。
「UDCアースで見た大きな綺麗なお山にー、愉快な仲間の人たちにー、一緒に来た猟兵のみんなも描いちゃおう! 牛さんも描いて、ちっちゃいアリスたちも入れちゃおう!」
 ふふふ、と笑うティエルは(絵画の出来はともかくとして)楽しげだった。
「ふー、休憩。みんなはどうしてるかな?」
 芸術性を発揮するのも疲れるものだ。ティエルは色鉛筆を置き、猟兵の仲間たちの進捗具合を見てこようとお風呂屋さんを飛び出す。
 が、その途端、目の前には巨大な城(日本風)が建っていた。
 ほんわかのんびりの不思議の国に、無骨な石垣は半端ねえ存在感を放っていた。
「わっ! これ何ー!?」
「いいでしょう。食べられるお城の完成よ」
 城を見上げて驚くティエルの隣に現れたのは、アリスだ。ミニチュアアリスたちを総動員してもう築城していやがった。見た感じミニアリスたちはもう天守閣にしかいないので、あとは仕上げを残すのみって感じらしい。
 しかしとにかく、ティエルは圧倒されるよりなかった。
「こんなの作るなんてすごいね!」
「我ながら頑張ったわ。蜂蜜のお堀を作ろうと思ったんだけど、水路も防衛設備になるって気づいて結局そこらじゅうに蜂蜜の水路を引いちゃったしね。もう蜂蜜の都ね」
「はちみつ!? どこどこ見たいー!」
 大好物の名を聞くなり目を輝かせるティエル。蜂蜜の水路だなんて夢はどこだろう、と少女は弾丸のように飛んでいった。
「迷いのおまじないも色々仕込んであるから気をつけてね」
 と最後に告げたアリスだが、きっとその言葉はティエルには届いていなかったろう。

 そんな一方。
 畑とするに十分な面積を耕し終えたレナータは、地べたに腰を下ろしてモーさんと一息入れていた。遠くにお城の天守閣を眺めながら。
「なんだかすごいのが建ってますよ、モーさん」
『モォ~』
 気のない返事をするモーさん。
 レナータが振り返ると、モーさんは地面に口をつけて土を直で食っていた。
 草食う勢いで食っていた。
「モーさん、おいしいです?」
『モォ~』
「え、わたしはいいです。いくら甘くても土は土ですよ。モーさんは牛さんだから大丈夫ですけど、普通にお腹をこわしそうです」
「レナータさんは、土を食べないんですか?」
「えっ?」
 不意にかけられた声にレナータが顔を向けると、ディディルクが立っていた。
 ちょっと困ったような表情で、土と植物を盛られた木皿を3枚ほど持ちながら。
「休憩がてらにランチでもと思ったのですが、これは下げたほうがいいですか……?」
「うーん……」
 むぅっ、と考えこむレナータ。
『モォ~』
「あ、牛さん」
 遠慮なく木皿をくわえ、土と植物を食うモーさん。
 食べても大丈夫、と言わんばかりにレナータのほうを見てくるモーさん。
 レナータは観念したように、いや決心したように木皿に手を伸ばした。
「ではちょっとだけ……」
「ええ、どうぞ」
 柔和な笑みを浮かべたディディルクは皿を彼女に渡すと、モーさんと逆隣のほうに腰を下ろす。
 2人と1頭、そろってもぐもぐ。
 がっつり耕したせいか、土はふわふわ食感でビビるほど美味かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『お店屋さんごっこ』

POW   :    美味しい食べ物屋さん

SPD   :    素敵な雑貨屋さん

WIZ   :    物じゃなく居心地のいい空間を提供

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵の手が入り、不思議の国の田園風景にもいくらか変化が見えていた。

 まず簡易的に設えた門にはお喋りな花のリースが飾られ、来訪者を歓迎してくれるだろう。
 オウガから逃げるアリスがやってきたら、ちょっぴり心安らぐかもしれない。

 更地だった場所には植えられた花などの植物が早くも顔を出している。
 それとは別に苗を待つ肥沃な畑もあって、この国は農産物を推していく道もあるかもしれない。

 何十と建てられた藁ぶき屋根の家やニワトリ小屋は人の営みを感じさせる。
 町中には水路も張り巡らされ、用水路と蜂蜜路があるのは全くもって謎である。
 あと日本風の城が人の営みどころか戦国の到来を匂わせてくれる。

 少し汗をかいたら大きな銭湯に寄るのも悪くない。
 微笑ましいラクガキが皆を迎えてくれるし、一角に据え置かれたテーブルで談話するのも楽しそうだ。

 ――と、繁栄の道をたどりはじめた不思議の国。
 だがまだまだ改善の、いや発展の余地はあるはずだ。
 国を大きく強くしてゆく……それならばやはり外から人を呼び込み、経済を活性化させる必要がある。そも経済という概念もない状態だけどお金はあって困らない。
 ならば店というものが必要だ。
 猟犬たちは不思議の国大発展作戦の第2フェーズ――お店屋さんづくりに着手した!
アリス・セカンドカラー
何故戦国風でイメージしたのか。日本昔話風ならメルヘンの範疇に入るでしょー、はい、イメージ補正……するまでもなく藁葺き屋根のお家とニワトリ小屋のおかげで和風メルヘンになってるわね。
せっかくだからお店もお団子茶屋とか和風でいきたいわねー、おや、蜂さんどうしたの?ほむほむ、ロイヤルゼリーでお団子茶屋をやってみたいと。
……ロイヤルゼリー、い、いきなり和風という条件をぶっちしてきたわね。いや、でも、蜂蜜路の時点で今更だったわね、和洋折衷メルヘンは有りかもしれない(お目目ぐるぐる)
お店用に紅茶路や緑茶路も新しく引いて、と。

まって、どこで覚えたか知らないけど三茶芸で中華要素まで追加しないで。



「何故戦国風でイメージしたのか」
 城下に佇み、はるか上の天守閣を見上げながらアリスが呟いた。
 勇壮な日本の城。それはこのメルヘンチックなアリスラビリンスにおいて盛大に浮いていた。藁ぶき屋根の家やニワトリ小屋がなければ景観はカオスを極めていただろう――とはアリスの感。
「……まあそれはもういいわ」
 事なきは得たのだ、と改めて城を見上げるアリス。
 天守閣ではミニチュアアリスたちが自由気ままに動いていた。てきぱきシャチホコ作ったり、まったりごろごろしたり、自分の住処とか設えてる奴までいた。
 完全に居着く気でいやがる。
「あの子たちここに住むのかしら……ってそれも置いといて。今はお店だったわね。お店……せっかくだからお団子茶屋とか和風でいきたいわねー」
 辺りを見回し、どこに建てるべきかとすでに算段を立てはじめるアリス。
 と、そこへスーッと蜂さんが飛んできた。蜂蜜の水路イコール蜂蜜路を敷いたときにノリノリで協力してくれた愉快な仲間である。そんな蜂さんがアリスに身振り手振りで何かを訴えている。
「おや、蜂さんどうしたの? ほむほむ、ロイヤルゼリーでお団子茶屋をやってみたいと」
 こくこく頷く蜂さんに、にこっと微笑むアリス。
 そのまま5秒ぐらい沈黙した。
「……ロイヤルゼリー、い、いきなり和風という条件をぶっちしてきたわね。いや、でも、蜂蜜路の時点で今更だったわね、和洋折衷メルヘンは有りかもしれない……」
 あまりに何でもありな世界を前に、ぐるぐると目を回しはじめるアリス嬢。
 結局、蜂さんの熱烈PRを受け入れた彼女は、新たにミニチュアアリスたちを派遣。店で出すための紅茶路や緑茶路まで敷地に引きこみ、城下には立派な茶屋が誕生していた。

 ……ところでミニチュアアリスたちの宮大工ばりの技術力は何なんですかね??

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイト・スイート
いらっしゃいませー!いらっしゃいませーー!
甘くて不思議なわたあめ屋さん、ニューオープンですよーーー♪

あっ!もしもしそこのお仕事帰りのお姉さん、お疲れ様です!美味しい美味しいわたあめでその疲れを癒しませんか?
一口食べる毎に七変化!味が移り変わる摩訶不思議なわたあめですよ♪

ベルを鳴らしてカランカラン♬
細長い木の串をゆらゆら振れば、何処からともなくふわふわ集まってくる色付きの雲。いいえわたあめ。
どうしてそんなことが可能なのかって?さあ、不思議の国ではこれ(不思議)が普通なのです♪
(行動速度を変化させる力は抜いておきましょう……!戦場ではありませんし、一種のテロになってしまいます)

アドリブ歓迎!!


ディディルク・ファルムムト
【POW】
アドリブ・連携OK

「お店番なら任せてください!おままごとでいつも妹に褒められていました、なんだぜ!」

あの珍しいお城、猟兵になってからテレビという箱で見たことがあります。
怖い顔のおじさんが『山吹色のお菓子』なるものを貰ってとても笑顔になっていました。
あんなに怖い人を笑顔にするお菓子ならば皆さん喜ぶのではないでしょうか
やはりこの美味しい土を使いたいので泥団子を…山吹色のお花で飾れば…?ハチミツをかけるのも良いかもですね。

愉快な仲間たちさんの足跡ってとても愛らしいですよね…
スタンプみたくポンっとして頂き、ポイントカードというのでしょうか、スタンプラリーというのも盛り上がるかもしれません!


ティエル・ティエリエル
POWで判定

「お店屋さん……んー、何がいいかなー?そうだ、お団子屋さんを作ろうよ♪」

あまーいお土にお水を混ぜて泥状にしてコネコネコネコネして泥団子にしちゃうよ!
人間さんにも食べやすい様にゆきだるまを作るようにごろごろと転がして1口大の大きさに頑張ってするぞー☆
泥だらけになりながらお待たせしましたーって両手で抱えて持っていくね♪

お団子と一緒に緑茶にはちみつを混ぜたはちみつ緑茶も美味しいよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


レナータ・バルダーヌ
お店ですか……。
畑はできましたけど作物はまだですし、売り物になりそうなものは…うーん……。
そういえば、人を呼ぶといってもこの世界の場合は愉快なお仲間さんたちですよね。
似たような生き物なら心当たりがあるので、お客さんになってくれるかもしれません。

わたしは【ゴボウさんフィーバー!】で、世界各地で目撃が噂されている謎のゴボウ生物、通称ゴボウさんを呼び寄せます。
普段はどこからともなく現れてどこへともなく去っていくのですけど、ここには甘い土や畑がありますし、もしかしたらこの地に落ち着いてくれるかもしれません。
見た目はマンドラゴラっぽいですが、叫んだりしないので無害で……?
ゴ、ゴボウさんが喋りました……!


ニオ・リュードベリ
アドリブ連携歓迎

わー、国らしくなってきた!
次は経済だね!
この調子だと国家体制まで築き上げられそうな気もする……!

それはさておき……あたしは何をしよう
やっぱり木やお花を使って小物を作ろうかな
あ、ちゃんと食べられるかも試してみよう
木や植物をもしゃもしゃ頂きながら作業をするね
食べられないならまた土を食べるよ

そしていざ小物が出来たら国の中を飾っていこう
あたし、お金の計算とか設定とか自信ないからね!
だからそういうのがいらない飾り付けをする!ひたすら飾る!
でもただ飾るだけじゃ……アリスが来た時のための道案内も出来るようにしていこうかな?
オウガが来たら出来るだけ安全に逃げられるルートをこっそり示しておこう!



「わー、国らしくなってきた! 次は経済だね!」
「お店番なら任せてください! おままごとでいつも妹に褒められていました、なんだぜ!」
 ひとまずは町の体裁を整えた不思議の国を眺め、ばんざーいと諸手をあげるニオとディディルク。新しく何かができあがり、栄えてゆくさまには胸躍らずにはいられなかった。
「この調子だと国家体制まで築き上げられそうな気もする……!」
「なんだかすごそうな響きですね!」
「ねー」
 顔を見合わせてハイタッチしちゃう2人。
 と、はしゃいでる横では、レナータが耕したばかりの畑を三角座りで見つめていた。
「お店ですか……。うーん……」
 我ながら良い畑を作れたとは思っている。だが作物はまだないし、現状では経済に貢献できそうにはない。
 どうすれば――と頭をひねっていたら、不意に妙案が浮かぶ。
「この世界でのお客さんというと、愉快なお仲間さんたちですよね。似たような生き物なら心当たりがあるので呼んでみましょう。お客さんになってくれるかもしれません」
 そう言うなり、天に手をかざすレナータ。
「ゴボウさん、お願いします!」
「ゴボウさん?」
「可愛い名前ですね」
 高らかに唱えた謎の掛け声にニオとディディルクが小首を傾げる――間もなく遠くから地響きが聞こえてくる。
 そちらへ向く2人。
 すると何ということか! 手足の生えた謎のゴボウたちがダバダバ走ってきた! 
 しかも自ら畑にスポッと埋まった!
「これはいったい!」
「ゴボウさんが植えられていきます!」
「世界各地で目撃が噂されている謎のゴボウ生物、通称ゴボウさんです。普段はどこからともなく現れてどこへともなく去っていくのですけど、土が良いからこの地に落ち着いてくれたみたいです」
 ゴボウが移住してきたらしい。
 どんどん謎の生物が増えてくこの国は大丈夫なのだろうか。
 風呂に浸かるおっさんの風情で土に埋まるゴボウさんの姿に、言葉もないニオ&ディディルク。
「動くゴボウ……」
「ちょっと怖いですね……」
「見た目はマンドラゴラっぽいですが、叫んだりしないので無害で――」
「ああ、俺たちは紳士さ。だがアク抜きを忘れたらさすがに怒るぜ」
「ゴ、ゴボウさんが喋りました……!」
 渋い声で喋りかけてきたゴボウさんに驚愕するレナータ。
 不思議の国にいる影響なのだろうか、このゴボウ普通に喋ってきよる。
「ではもっとお話ししましょう。由緒正しいゴボウ農園領主の血筋として、ゴボウさんのことも勉強しておかなくては」
「いいね!」
「じゃああたしたちは国づくりに戻ろうか」
「そうですね!」
 そのままレナータがゴボウさんとマンツーマントークを始めたので、ニオとディディルクはその場を離れた。と言ってもニオは自分の植えた植物の様子を見に行ったから、ディディルクはひとりお散歩タイムに突入する。
「ボクは何をしましょうか……ん?」
 んー、と考えながら歩いていたディディルクが足を止める。
 道の一角から、カランカランと軽快なベルの音色が聞こえたからだ。
「いらっしゃいませー! いらっしゃいませーー! 甘くて不思議なわたあめ屋さん、ニューオープンですよーーー♪」
「こっちはあまーいお団子屋さんだよー。握りたてのひとくちお団子だよー♪」
「あっ! もしもしそこのお仕事帰りのお姉さん、お疲れ様です! 美味しい美味しいわたあめでその疲れを癒しませんか? 一口食べる毎に七変化! 味が移り変わる摩訶不思議なわたあめですよ♪」
「お団子一人前、お待たせしましたー♪」
 並んだ2軒の店の前に、多くの愉快な仲間たちで人だかりができていた。
 その中心にいるのはナイトとティエル。ナイトは立派に膨らんだわたあめとベルでお客を呼びこみ、ティエルは泥だらけになりつつ両手で泥団子を抱えてあっちこっちにと飛び回っている。
「へーわたあめって何だか面白いねー」
「どうぞ一口お食べください!」
「この泥団子、妖精さんが握ったのかい? 偉いねぇ……」
「お土にお水を混ぜてね、ゆきだるまみたいにコネコネしたんだよ! これなら人間さんの口にも合う大きさだよね!」
「じゃあ2人分、貰える?」
「わたあめ……ワシにも貰えるかのう?」
 ナイトと軽妙な語り、ティエルの天真爛漫な接客、その甲斐あってか店はどちらも繁盛していた。
「賑わってますね、なんだぜ!」
「おや、ディディルクさん」
「いらっしゃーい!」
 そろーっと訪問したディディルクを、大歓迎するナイトとティエル。客の応対は二足歩行の豚さんに任されたのだが、もうバイトがいるとは恐ろしや。
「お二人はお菓子屋さんなんですね!」
「そうだよー♪ せっかく甘いお土があるっていうから、やらなくちゃと思って!」
「私は自分がいちばんできそうなことをさせてもらっています」
 ぱたぱた飛んだままどやっと胸を張るティエルの横で、ナイトは木の串を取り出した。それをゆらゆら振ると何処からともなく色のついた雲が集まり、見る間にふわふわのわたあめが完成する。
「わ、わたあめが勝手にできあがりました!?」
「ナイトってすごいよねー」
「恐れ入ります、ティエルさん。あ、そろそろわたあめの在庫が切れそうなので私は店に戻りますね」
 ぺこっと一礼して店に戻ってゆくナイト。わたあめ生成マジックへの驚きが引かないディディルクが立ち尽くしてると、ティエルは熱い緑茶を抱えて運んできてくれた。
「はい、はちみつ緑茶だよ」
「あ、ありがとうございます」
 くぴっと啜るディディルク。ほのかな甘さがじんわりと喉へ落ちてゆく。
「美味しいですね……」
「お団子と一緒に頼んでいく人が多いから、大人気だよ! お茶もはちみつも流れてくるから、使わない手はないよね☆」
 道にある側溝のようなものを指差すティエル。見ればそこには誰かさんが作っただろう蜂蜜路と緑茶路があり、どちらも溢れんばかりの勢いで流れている。なんという原価ゼロ。
 2本の美味しい路を覗きこむディディルク。
「いつの間にお茶と蜂蜜が流れるように……」
「お城のほうから職人さんたちが来てね、引いてってくれたんだよ!」
「お城から……」
 顔をあげ、遠く戦国風の城を眺めるディディルク。
 そこで、彼の頭の中でパッと電球が灯った。
「あの珍しいお城、猟兵になってからテレビという箱で見たことがあります。確か、怖い顔のおじさんが『山吹色のお菓子』なるものを貰ってとても笑顔になっていました。あんなに怖い人を笑顔にするお菓子ならば……皆さん喜ぶのではないでしょうか!」
 思い立ったが吉日、とディディルクはしゅばっと立ち上がる。
「ティエルさんの泥団子に、山吹色のお花や蜂蜜をかければ山吹色のお菓子になるはずです!」
「あっ、それはいいね! ボクも色んな色があったらなーって思ってたんだ♪」
「ではお花を採ってきますね!」
 ぴゅーっと森のほうへ走ってゆくディディルク。

 一方。
 ニオは木や花を植えた場所までやってくると、しっかり育った植物群に迎えられていた。植えたばかりなのにしっかり成熟しているのはさすが不思議の国である。
「食べられるかな?」
 ちょっと摘み取り、口に含むニオ。木も花も甘い土の養分を糧にして、濃縮した蜜のようなとろりとした甘味を誇っている。めっちゃ成功しとる。
 ぱくぱく、ぽりぽりと食べ進めるニオ。
「…………はっ、いけない。ちゃんと作業しなくちゃ」
 ぴたっ、と手を止めたニオがぶんぶん頭を振る。
 彼女はここに来るまでにしっかり自分のやることを決めていた。それは国を視覚的に彩る小物類を制作することだ。育てた植物を素材にして、人形だったりちょっとした飾りだったり、とにかく国を楽しくすることを思いついたのだ。
「お金の計算とか設定とか自信ないからね!」
 そういうのが必要ない飾りつけをする――と意気込んだニオは器用にパパパッと小物をこしらえて、意気揚々と町に舞い戻った。
 とりあえず門のところに行って、そこから町の景観を確認する。
 平和で甘い匂いのする町並みだ。けれど少し質素に過ぎるのではないだろうか。これは間違いなく誰かの手で飾られるのを待っている。
 ニオさん、確信しました。
「よーし飾ろう!」
 それからの行動たるや速い。目につく建物に手あたり次第、携えた手作りの飾り物をぽいぽい付けてゆく。おまけに矢印を刻んだ木板まで用意し、門から城までのルートや避難ルートを訪れるアリスのために示したりした。
「こんなところかな?」
 疲れたニオは作業を終了。
 町をぶらぶら歩いてくと――ナイトとティエルのお店ゾーンにたどり着く。
「おや、ニオさん。いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませー♪」
「いらっしゃいませ! なんだぜ!」
「あ、いらっしゃいました」
 ナイトとティエル、そしてディディルクの歓迎を受けながら席に腰を下ろすニオ。早速お団子とわたあめを頼んだが、テーブルに来たそれらには1枚のカードが添えられていた。
「これは……?」
「スタンプカードです! 愉快な仲間たちさんの足跡がとても愛らしいなと思ったので、それをスタンプするんです! 町を巡ってスタンプラリーです!」
 ディディルクが嬉しそうに説明する。どうやら彼発案らしい。
「スタンプラリーかあ」
「結構大変ですよ……」
「レナータ、挑戦してるんだね」
 描写されずとも実は斜向かいあたりに座っていたレナータが、わたあめもぐもぐしながらニオに疲れた顔で忠告した。彼女のカードを見ると半分ぐらいしか埋まっていない。
 なるほど大変らしい。
 休憩後に巡ってみようかな……とか思いながら、山吹色の泥団子をぱくっとするニオだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢月・故
お店ねぇ……君たちが何をやりたいかにもよると思うんだけど。
ふむふむ、なるほどー。
あ、やっぱり美味しい物が食べたいよねぇ。

ってワケで、ちょっとした屋台通り作ってみるのはどうかな。
訪れた人も気軽に食べられるし、屋台でコンテストなんてやってみるのも活気が出そうじゃないかい?
何なら、人気が出た屋台は後々にお店に移っても良いワケだし。
メルヘンな住人たちが営む屋台通りなんてものを思い付いて、住人たちと図面を引いてわいわいと。

自分の屋台のノボリが欲しいって?
良いよ、じゃあオレが作ろうか。
針仕事なら得意だよ、自前の裁縫道具も持ち歩いてるしねぇ。
屋台骨に花たちを飾って、彼女たちに呼び込みをして貰ったらどうかな?



 お店を作るのなら、現地の者の意見も取り入れなくては。
 そう思った故は愉快な仲間たちを集め、座りこんで色々と話したりしていた。
「やっぱり僕は楽しいお店がいいなー」
「ふむふむ、なるほどー」
「あたしはねー、美味しいレストランとかいいと思うのー」
「あ、やっぱり美味しい物が食べたいよね」
 右から左から、次々に身を乗り出して『やりたいこと』を伝えてくる愉快な仲間たちに愛想笑いを返しつつ、故は頭の中で意見を取りまとめる。
「なら、ちょっとした屋台通りを作ってみるのはどうかな。訪れた人も気軽に食べられるし、屋台でコンテストなんてやってみるのも活気が出そうじゃないかい?」
「屋台! ……屋台って何?」
 バンザイ! と諸手をあげたライオンさんがそのまま上半身ごと傾ぐ。
 故は屋台の外観を紙に描き、それを皆に向けてひろげた。
「こういうものを路上に置いて、商売をするのさ。店を建てるより簡単だし、人気が出たら後で店にすれば良いワケだし」
「なるほど!」
「それはとてもいいね!」
 いざ屋台通りを作ろう。団結した故と愉快な仲間たちは図面を引き、材木を調達し、たくさんの屋台を通りに並べる。
 おかげで通りは飴やソーダを売りまくる賑やかな屋台エリアに様変わりした。
「ユエー。こんな感じでどう?」
「うん、いいと思うよ」
 故の返事を聞き、ライオンさんは嬉しそうに笑う。
「でもちょっと僕の屋台、地味かなあ?」
「ならノボリでも立てるかい? オレが作ってあげるよ。針仕事は得意だしね」
「ほんと!?」
「もちろん。あと屋台骨に喋る花たちを飾って、彼女たちに呼び込みをして貰ったらどうかな?」
「ナイスアイディア! ユエは頭がいいね!」
 ぽんと体を叩いてくるライオンさんに、肩を竦める故。
 結果、屋台通りは通り自体が客を呼びこんでしまうようにバージョンアップされました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロースト・チキン
ヒャッハーーー!!
さぁ、買った買った!
世紀末印のとれたて新鮮卵だぜ!!

ローストは、ニワトリ小屋の横でお店を開きます。
おいしい卵屋さんです。鶏肉もあるよ。

食べてヨシ!茹でてヨシ!!嫌な奴に投げてヨシ!!!

何故か【群れる世紀末】でモヒカン族たちを召喚して、
「「ヒャッハーーー! 卵だ卵だ!!」」
「「焼き鳥もあるぜ!」」
と凄く賑わっているような感じを演出しております。

一見、この区画だけ無法地帯に見える気もしますが、ローストの性格故に、お客様が来たら何故か低姿勢になるモヒカン達なのでした。



 ところ変わってニワトリ小屋。
「ヒャッハーーー!! さぁ、買った買った! 世紀末印のとれたて新鮮卵だぜ!!」
「「ヒャッハーーー! 卵だ卵だ!!」」
「「焼き鳥もあるぜ!」」
 小屋の横に構えられた店の前に、十個入り卵パックを両手でかざすローストがいた。甲高い声で人を呼びこむ彼の周りには、レザーファッションと肩パットを着こなす謎のモヒカンたちが集まっている。
 これほど近寄りがたい卵屋さんはなかった。
 モヒカンが33人もいる。
「食べてヨシ! 茹でてヨシ!! 嫌な奴に投げてヨシの卵だぜー!!!」
「「ヒャッハーー! くれェェーー!!」」
「「焼き鳥の追加も頼むぜ塩でなァーー!!」」
 卵を掲げるローストに、バーゲンセールに挑むおばちゃんのごとく群がるモヒカンたち。
 まさに無法地帯。ローストが集客目的でわざわざ召喚した彼らのおかげで、卵屋さんにはなかなか客が寄りつきません。
 だがそこへ。
「あら、卵を売っているの?」
 杖をついたおばあさんがやってきた。脚はふらついて歩くのも大変そうである。ローストのところへ近づいてくるさまは、狼に近づく兎とかにしか見えない。
「なんだババァ……?」
「見てわかんねぇのかぁ……?」
 案の定、モヒカンたちがパキポキと拳を鳴らして取り囲む。
 そして。
「そこ段差ありますのでお気をつけ下さい……」
「お荷物お持ちしましょうか?」
「おうちまで配達するサービスもございますが……」
 凄まじい低姿勢でおばあさんを甲斐甲斐しくお世話した。
 召喚主であるローストは立派なチキン精神を持っている。それはモヒカンたちにもしっかり受け継がれており、御覧の有様だった。
「ありがとうねえ、お兄さんたち」
「いえ、こちらこそありがとうございますー」
「またお越しくださいませー!」
 腰を90度曲げておばあさんを見送るモヒカンたち。
 ガラは悪いけど国で一番腰の低い店員たちがいる卵屋は、ちょっとした名物になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『よくばりさま』

POW   :    味見をしてあげましょう。光栄に思いなさい
自身の身体部位ひとつを【巨大な蟻】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    美しきわたくしの庭で迷いなさい!価値なき者共が!
戦場全体に、【悪趣味な金銀財宝】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    わたくしは女王でしてよ無礼者が!かみ殺されよ!
自身が【見下された屈辱感】を感じると、レベル×1体の【金貨を背負った手下蟻】が召喚される。金貨を背負った手下蟻は見下された屈辱感を与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:烏鷺山

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アンバー・スペッサルティンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちのアイディアが組みこまれた国は、さらに豊かになった。

 ただ建物ばかりが多かった町にはさまざまなお店がオープンした。

 多いのは甘味処だ。特産(?)の土を使った団子茶屋、ロイヤルゼリーの効能を謳う団子茶屋、特色の違い打ち出した茶屋は客を食い合うことなく繁盛している。紅茶路や緑茶路、蜂蜜路に沿って店舗は増えているという。

 わたあめ屋もその調理過程まで含めて人気を獲得し、常に行列。並ぶ客たちは皆その手にスタンプカードを持っており、彼らはわたあめを食べながらスタンプ集めの旅に出てゆく。

 シンプルだった町中も木や花の装飾で彩られて、訪れた者は景観を楽しむこともできるだろう。案内に従っていけば立派な城にまで入場できるし、そこから少し先の卵屋に行けば鶏と愉快なモヒカンたちが低姿勢でもてなしてくれる。

 さらに少し散歩してみれば、奇妙な声に誘われることもあるかもしれない。
 ぺらぺらと喋る花たちの声を聞いたなら、賑やかな屋台通りに迷いこむことになるだろう。そこは国の中でも人通りが多く、活気づいた雰囲気の中で美味いものを腹一杯に食うことができる。
 渋くダンディな声に導かれれば、大量にゴボウが生えた畑を目にすることができる。マジで一面ゴボウだらけだけど、植えられたゴボウが暇潰しに色々話してくれると思う。無害だよ!

 そんなわけで、土地以外に何ひとつなかった不思議の国は大いなる発展を遂げた。
 だがだからこそ、その盛況ぶりが外から災いを運んでしまう。
 町から遠く――小高い丘になった場所に、大きな影がのそのそと上がった。
「こんなところに国があったのね。見た感じ立派な感じじゃない」
 丘から町の様子を眺めるそれは、アリだった。
 人よりも大きな体に、眩い黄金の冠などをあしらい、がま口財布のような腹にはたっぷりと金銀財宝を詰めこんでいる。その出で立ちだけで有り余る金欲を感じさせるアリさんだった。
「あの国にも、この美しいわたくしに似合うキラキラがあるかもしれないわ。ああ、そう考えたら居ても立っても居られない! 今すぐわたくしに献上させてあげなくては! ……何もなかったら無駄足を運ばせた罪として、打ち壊しましょうそうしましょう」
 陶酔したように身震いしたアリさんが、不思議の国へと歩き出す。

 猟兵と愉快な仲間たち、みんなで作った楽しい国に、無粋なお客さんが訪れようとしていた。
ニオ・リュードベリ
アドリブ連携歓迎

わっ!オウガだ!
皆で作ったこの国をめちゃくちゃにはさせないよ!
ボッコボコにしてやるからね!

えーっと、見下すと増えたりするんだ
じゃあとりあえず尊敬しとこう
なんかキラキラしてて凄いアリさんだ!
金貨もいっぱいで凄い!
言動が雑に聞こえても【言いくるめ】てどうにかしたい

でも……やっぱりオウガだから怖いよね……
お金もそれだけあったら管理が大変そう……
そんな気持ちを【リアライズ・バロック】でぶつけるね!
暴れろあたしの恐怖心!
レギオン達をけしかけてどんどん攻撃していくよ
手数が足りないならあたしも槍で【ランスチャージ】していくね
だってここまで作った国を守るためだもん
怖くても【勇気】出して全力!


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「アリだー!」
アリさんが攻めてきたらこう叫ぶのがお約束なんだよね♪

キラキラしたものを狙ってきたと聞いてボクが銭湯に描いた絵を狙ってきたんだなーと盛大な勘違い!
そんなことさせないぞーと背中の翅で羽ばたいて「空中戦」からのヒット&アウェイで攻撃!
風を纏わせた「属性攻撃」を使ってレイピアでチクチクするぞー☆

迷路に閉じ込められそうになったら【スカイステッパー】も使って急いで上空に避難して範囲外に逃げるね!
それでも閉じ込められたら「第六感」を使って急いで迷路を走破するよ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ニオとティエルが不穏な気配に気づいたのは、門のほうから人々のざわめきが聞こえてきたときだった。
「どうしたの?」
「何かあったのー?」
「あっ! ニオちゃん、ティエルちゃん!」
 甘味巡りを切り上げた2人が顔を出すと、門前にいた鳩さんがパタパタと飛んでくる。そして慌てて翼で指し示したのは――ずんずん歩いてくる巨大なアリさん。
「アリだー!」
 割れんばかりの声で叫んだティエルが、どこかスッキリした顔でニオに振り向く。
「アリさんが攻めてきたらこう叫ぶのがお約束なんだよね♪」
「そうなんだー」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!?」
 ふふふふ、とお腹を押さえて笑いあう2人にツッコむ鳩さん。言い方は優しいが意訳すれば『なに笑てんねん』とかそんな感じだろう。
 そうしてる間にも、アリさんは結構な速さで迫っていた。
「近づいてみると素朴な国ね。中に入ってみれば綺麗な物があるかしら?」
 高笑いするアリさんにどうやら止まる気配はない――そう悟ったニオは、近くにいる愉快な仲間たちを手振りで町の中に避難させた。
「皆で作ったこの国をめちゃくちゃにはさせないよ! ボッコボコにしてやるからね!」
「もちろんボクも手伝うよー!」
 みるみる近づき、視覚的に大きくなるアリさんに立ちはだかるニオとティエル。それに気づいたアリさんは高笑いを止め、宝石のような目をぎらぎらと輝かせた。
「邪魔なんてさせないわ! その向こうのキラキラはすべてわたくしのもの!」
「キラキラしたもの?」
 ティエルの尖ったお耳が、ぴくりと動く。
「さてはボクが銭湯に描いた絵を狙ってきたんだなー?」
「えっ。そうなのかな?」
「そんなことさせないぞー!」
 銭湯の壁の絵を思い起こして眉をひそめるニオを置いて、飛び出すティエル。背中の翅をパタパタと羽ばたかせ、アリさんの眼前で右に左にと旋回する。
「な、何かしら!?」
「いくぞー!」
「いたた!? おやめなさい!」
 ティエルが突き出したレイピアが、ひゅうん、と風鳴りを響かせる。振れば振るほど風鳴りの音は『ただの音』から『音楽』へと変わり、傍で聞いていたニオの体は思わず左右に揺れていた。
「チクチク攻撃をくらえー☆」
「やめなさいって言ってるのよー!」
 我慢ならぬと叫んだアリさんを中心に、一気に風景が変異する。のどかな田園に天からギラついた財宝が降りそそぎ、壁を作り、路を作る。
 このままでは迷路に囚われる――ティエルは何もない宙を蹴りつけ、多段ジャンプではるか高くに跳躍した。跳んで、跳んで、跳び続けた先には青い天空がひろがる。
「危ない危ない。脱出成功ー☆」
「わー。すごーい!」
 上方へ軽やかに逃げ去ったティエルを、ニオは拍手とともに見送った。
 そして正面を向く。
 これ以上ないぐらい、見事に迷路の中に囚われていた。
「…………」
「あら? わたくしも中に入ってしまっていたわ」
 おまけにアリさんも目の前にいた。
 暑苦しいほど2人きりだった。
 これはいけない、ととりあえず手持ちの銀槍とか出しておくニオ。しかしそれを実際に振るう前に、彼女の勘が警告を発した。
(「下手に敵対するとまずい気がする!」)
 路線変更、槍を収めたニオは精一杯の敬意を偽り、アリさんの金ぴか感に瞠目する。
「なんかキラキラしてて凄いね!」
「金貨もいっぱいで凄い! お金持ち!」
「ふふふ、そうでしょう!」
 あっさりと上機嫌になり、優しい声をニオにかけるアリさん。
 そうして完全に敵の懐に入りこんだところで、ニオは言を翻した。
「でもやっぱりオウガだから怖いし……お金もそれだけあったら管理が大変!」
 言葉にするとともにニオの心中の恐怖心が増大、高まったそれは溢れだし、無数のおぞましい怪物へと変じてアリさんに喰いかかった!
「いやー! 何なのよこれー!?」
「暴れろあたしの恐怖心! 皆で頑張って作った国を守るんだー!」
「きゃああーーー!?」
 ニオの生んだ怪物――バロックレギオンに群がられ、ごろごろと転がるアリさん。
 その隙にニオはこっそりその場から離れ、上空のティエルの誘導のもと傷ひとつなく財宝迷路から脱出できました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
ワンダーラビリンスせっとおーん♪
ようこそ私の精神世界へ☆
さぁ、見よ!このお宝(妙にキラキラ輝く薄い本)の山を!

え、気に入らない?ああ、私のお宝(薄い本)がぁぁぁぁぁ!(血涙)
おのれぇ、お宝(薄い本)の仇ぃ!
私の怒りに呼応した精神世界は女王と手下達を蟻ベースの萌擬人化させ、ロリ女王様と男の娘達に。
無惨な姿になった薄い本からはわからせおじさん(バディペット)達が召喚され、ワンダーラビリンス内はエロトラップダンジョン(玩具)へと姿を変える。
無事に外に出られると思うな、無惨な姿にされたお宝(薄い本)の分、貴様等に新なネタを提供してもらうわよ。2回攻撃のアブセナティダンスでマヒ攻撃の一斉発射とかするわ。


逢月・故
ありんこってさぁ、昔踏んづけて遊んだりしなかった?
アイツらしぶといから、靴底で踏んづけても意外と動くんだよねぇ
君、大きいからなぁ
踏みにじっても元気に動きそうだよね

あは、流石ありんこ
いっぱい出て来たなぁ、虫けらの癖に見下されたとか分かるんだ?
ごめんねー。いやぁ、その程度の知能はあったのかー
【恐怖を与える】で馬鹿にしつつ煽りつつ、【部位破壊】を込めた赤いペンキを撒き散らして荊棘の場を築こうか
そう簡単には消えないし、地面を這うありんこにはちょーっとばかり邪魔かもね?
咲き乱れる赤薔薇はオレにとっては力だよ
まぁ、か弱い兎は女王陛下のご威光にお縋りするってヤツ?
嗚呼、君じゃないよ
本物の、我らが女王陛下さ!


ディディルク・ファルムムト
アドリブ・連携OK

「遅れてきて全部欲しいだなんて お行儀が悪いですよ、なんだぜ」
戦闘は―僕は自信がありませんので【にゃんにゃんメモリー】を使ってネコ君に任せます
(背後で蠢いていた黒い影が「にゃーん」と明らかな人語で棒読みの返事をしながら、子供のラクガキのような顔をニタリとさせる)

せっかくお客さんや住人の方が増えてきたというのに、被害を出すわけにはいきません。
アリさんの矛先が、非戦闘民や建物に向いたらどうにかして…このやたらと眩しいピカピカソードで注意を逸らせるでしょうか
避難される方の誘導も任せてください!僕はこの国にとっても詳しいのですよ、この制覇済のスタンプカードがその証拠です


レナータ・バルダーヌ
初めてお会いするはずですけど、なんだかデジャヴを感じますね……。
キラキラ大好きなら、きっとたくさん持っているに違いありません。
お金は天下の回し者?といいますし、貯めるだけではもったいないです。
普段はしませんけど相手はオウガさんですし、ゴボウさんとお話できる今なら……!

この国に移住したゴボウさんたちにお願いして、わたしがアリさんの動きを【念動力】で封じている間に、貯めこんでいる財宝を拝借して運んでもらいます。
手下のアリさんも金貨を持っているみたいなので、それも全部いただいてしまいましょう。

「ゴボウさん、全部持っていってください!」

あ、金ぴか大好きな知り合いのお土産に、少し持ち帰ってもいいですか?


ナイト・スイート
折角皆で素敵で不思議な国を創っていたというのに……!何ですかあのアリさんは!?

って気づいたら辺りがキラキラです!?

取り敢えず迷宮内を探索します!
武器の時計の針で壁をコンコン。おーかなり硬いです。暗いところは【暗視】でよく観察。

歩いて調べてー…としていたらお腹が空いてきましたね……。こんな状況だからこそ、休憩も大事です!
UCを発動。もし近くに仲間がいたなら、その方たちにもお裾分けです。
魔訶不思議なお菓子は美味しいお菓子!食べたらあら不思議、体が羽のように軽くなりますよ♪

アリさんが欲しがってもあげません!隙をついて【先制攻撃・二回攻撃】
敵の攻撃は【野生の勘・ジャンプ】で対処します。

アドリブ歓迎!



「な、何ですかこのキラキラの迷路は!?」
 そそり立つ財宝の壁をぺたぺたと触りながら、ナイトは目を丸くしていた。
 何を隠そう、すでに迷路の中であった。外敵の襲来を知るや門外に飛び出してきたナイトはちょうどいい感じにアリさんのユーベルコードに巻きこまれていたのだ!
 しかしその顔に動揺は少しもない。
「取り敢えず迷宮内を探索です!」
 意気込んだナイトは双刃のようになった時計の針を取り出し、その細っこい切っ先で黄金の壁を叩いた。コンコン、と響く音は硬質だ。
「おーかなり硬いです」
 そのまま壁を叩きつつ、警戒して進むナイト。
 だが迷路は彼の想定よりも大きかった。気を張りつめていたナイトは次第に疲れ、ついでに空腹にも気づいてしまう。
「お腹が空いてきました……では休憩といきましょう。休憩も大事です!」
 ひとりの茶会というのも寂しいものですが、と笑いつつ地面にまっさらなシートを敷き、パパンと拍を打つナイト。すると魔法のように美味しいスコーンと紅茶が生み出された。
 一服。
 ふぅ、と一息つくと疲労で重かった体が不思議と軽くなる。
「こんな状況だからこそ、落ち着く時間が必要ですね」
「そうね」
 実感をこめて首を縦に振るアリさん。
 しれっと隣にいる、アリさん。
 ナイトは彼女を一瞥すると、コトリとティーカップを置いた。
 で――。
「どうしてここにいるのです!?」
「迷っていたら、美味しい香りがしたものだから!」
「あなたも迷っていたのですか!?」
「疲れてヘトヘトよ! そのお茶をよこしなさい!」
「ダ、ダメです! あなたにはあげません!」
 紅茶を奪おうとしたアリさんをジャンプで飛び越え、頭を足蹴にして背後へ抜けるナイト。そのままスコーンと紅茶を持ったまま猛ダッシュで迷路を走る。走る!
 先のほうに外の光が見えた。
 出口だ。だが同時に後ろから「待ちなさい!」という怒声も聞こえる。
 懸命に、全力で、ナイトは地を蹴り続けた。

 一方。
 金ぴか迷路の出口では、ディディルクがそーっと中を覗きこんでいた。
「大丈夫でしょうか……」
 不安げに眉を下げるディディルク。迷路に呑まれるナイトの姿を、彼はちょうど目撃してしまっていたのだ。
「ナイトさん……」
 ディディルクは目を細め、むむーっと迷路内をうかがう。
 すると、路の奥から走ってくる人影が見えた。
 ナイトだ。ナイトが疾走してくる。
「あ、ナイトさん。おかえりな――」
 発しかけたディディルクの言葉が、止まる。
 ナイトの後ろを猛然と駆けてくる大きな影――アリさんの存在に気づいたからだ。
「逃げるなど許さないわ! よこしなさい紅茶を! もしくは美しいキラキラをー!」
「どう言われても、あなたにあげるものはありません!」
「わっ、わわっ!?」
 ディディルクが体を引っこめた次の瞬間、まずナイトが彼の目の前を通過、続いて猪じみた勢いでアリさんが猛然と過ぎ去った。
 離れてゆく2人を見て、胸をなでおろすディディルク。
「危なかったです……って、あっちはもしかして?」
 ハッとなって、アリさんの進行方向を見やる。町だ。皆で作った賑やかで可笑しくて楽しい町が、アリさん暴走列車の先にあるではないか。
「あのままではぶつかってしまいます、なんだぜ!」
 ぎゅっと拳を握ったディディルクが「ネコ君!」と叫ぶ。すると彼の背後にまとわりついていた黒影――オウガのネコ君が「にゃーん」と半端ない棒読みを返し、実体を得て動き出す。
「アリさんはキラキラしたものが好きみたいです……このピカピカソードで引きつけられるかもしれません」
「にゃーん」
 うんしょ、とディディルクが取り出した死ぬほど眩しい剣を受け取り、ネコ君がぶんぶんぶんと大きく振る。陽が高いというのにその光量たるや凄まじく、ナイトを追いかけまわしていたアリさんもすぐに目を奪われた。
「まあすごいキラキラ! いいですわよ、わたくしに献上させ――」
「ネコ君」
「にゃーん」
「ぶふぅーっ!?」
 ネコ君の爪が足元を刈り、アリさんが顔面からスライディングしていった。
 実に容赦のない一撃だった。
 しかも、だ。
「ありんこってさぁ、昔踏んづけて遊んだりしなかった?」
「ぎにゃああーー!?」
 ふらりと現れた故に背中にするりと乗っかられ、アリさんはぐにぐにと後頭部を踏みつけにされていた。
 そろそろアリさんは泣いていい。
 けれど故は倒すべき敵に気遣いする男ではない。ぐにぐにはキープしつつ鷹揚と顔を上げると、空を遠い目で見上げた。
「アイツらしぶといから、靴底で踏んづけても意外と動くんだよねぇ。君、大きいからなぁ。踏みにじっても元気に動きそうだよね」
「語ってないで下りなさいなー!」
「故さん、あとはお任せしますね。ボクは周りの人たちを避難させてきます、なんだぜ! きっとボクにしかできないことです、なんだぜ!」
「あーはいはい。いってらっしゃーい」
 アリさんを踏んづけたまま、避難誘導に駆けてゆくディディルクに手を振る故。ディディルクが振り返す手には例のスタンプカード(制覇済)が握られている。町を駆けずり回った彼の汗と努力の結晶だった。
「張りきっちゃって、元気だなー」
「あなたはいい加減下りなさいっていうのよッ!」
「おっと」
 振り上げられたアリさんの頭から故がひょいっと飛び降りる。着地して正対すると、アリさんのたいそうお怒りな空気がびしびしと感じられた。
「わたくしの上に立つとは許しませんわよ! 無礼者が!」
 まるで放たれる怒気が形を得るかのように、地面から犬猫程度のサイズのアリがわらわらと這い出してくる。配下であることを示すかのように金貨を背負ったアリたちは、女王を嘲った故へと襲いかかる。
「あは、流石ありんこ。いっぱい出て来たなぁ、虫けらの癖に見下されたとか分かるんだ? ごめんねー。いやぁ、その程度の知能はあったのかー」
 逆撫でするように軽やかに笑いつつ、腕を大きく一振りする故。その手から飛沫をあげてアリたちの前に巻かれたのは――ペンキだ。
 赤いペンキが塗布された地面に、みるみると荊が敷かれ、赤薔薇が咲き誇る。
 有刺鉄線のような境界線。避ける手段を持たぬアリたちは止まるしかなかった。
 女王アリさんは、悔しげに地団駄を踏んだ。
「なな、なんて小賢しい! 小物風情が!」
「まぁ、か弱い兎は女王陛下のご威光にお縋りするってヤツ? 嗚呼、君じゃないよ。本物の、我らが女王陛下さ!」
 言下、アリの群れに突っこんだ故が手下アリたちを薙ぎ払った。敵が忌避する赤薔薇は故にとっては力の泉だ。アリの群れは風に吹かれた木の葉のように吹っ飛んでゆく。
 そのうちの1体から、ころんと金貨が落ちた。
 転がってきて足に当たったそれを、レナータはおもむろに拾い上げる。
「初めてお会いするはずですけど、なんだかデジャヴを感じますね……」
 アリさんのお腹に蓄えられた金貨の山を、その黄金の輝きをじぃっと見つめたレナータは、やがて二度、三度と首肯した。
「お金は天下の回し者? といいますし、貯めるだけではもったいないです。普段はしませんけど相手はオウガさんですし、ゴボウさんとお話できる今なら……!」
 ばばっ、と天に手を突き出すレナータ。
 するとどこかから――っていうか町のほうから、どどどどっと馬の群れでも来たのかってぐらいの音が迫ってくる!
「呼んだかい、お嬢さん」
「俺たちの力が必要なのかな?」
「断る理由はないぜ。女性の頼みを聞くのは紳士の務めさ」
 ゴボウさんが大挙して押し寄せてきた。
 畑に埋まって気持ちよくなってたはずのゴボウさんがぞろぞろと走ってきていた。
 レナータは両手を振って彼らを歓迎すると、アリさんたちが持っている大量の金貨を指差して叫んだ。
「ゴボウさん、全部持っていってください!」
「「「任せな」」」
 ささっと散開したゴボウさんが、地に落ちた金貨を、故が倒した手下アリが背負う金貨を、職人の身のこなしで持ち去ってゆく。恐怖の窃盗団現る。
「なっ……わたくしの物を!? 返しなさい!!」
「おっとアリさんはおとなしくして下さい!」
「ぐううっ!?」
 暴れかけた女王アリさんを念動力で止めるレナータ。その隙を突いてゴボウさんは女王アリさんの腹の金貨さえもどんどん運び出してしまった。
 1分後、アリさんは一文無しになっていた。
「う、ううっ……!」
「これで国もお金持ちです。あ、金ぴか大好きな知り合いのお土産に、わたしも少し貰いますね」
「人でなしー!」
 金貨を抱えて去ってゆくレナータに恨み言をぶつけるが、もうアリさんは項垂れるしかない。心なしか背中も丸まってる。
 だから、周りの空間がぐねぐねと歪みだしてもまるで気づかなかった。
「ワンダーラビリンスせっとおーん♪」
 呑気な声音で姿を見せたのはアリスだ。辺りに自身の精神世界からなる迷路を組み上げたアリスは、そのピンクでパープルな怪しい空間に誇らしく胸を張る。
「さぁ、見よ! このお宝の山を!」
 ばーん、と手で示したのは――やたら輝く薄い本だった。
 ちなみに、UDCアースなんかによくあるあの薄い本である。
 それを、自慢のお宝としてこのアリスとかいう女はご披露なさったのである。
「どうかしら? お金がなくなった傷心なんてきっと埋めてくれ――」
「埋められるかぁー!」
「ああ、私のお宝がぁぁぁぁぁ!」
 びりりぃ! と薄い本を破き去るアリさん。崩れ落ちるアリス。
「……おのれぇ、お宝の仇ぃ!!」
「えっ? いやああ何これぇーー!?」
 アリスの怒りの咆哮とともに生じた違和感から己の体を見下ろしたアリさんは、悲鳴をあげた。そもそも体を見下ろせるという時点で、おかしい。
 巨大なアリだった彼女の姿は、アリスの昂った精神の影響でロリっ娘になっていたのだ!
 ついでに言うと配下アリたちもすっかり男の娘に変えられ、何が起こったのかも理解できず困って瞳を潤ませている!
 まあとにかくひどい状況でしたよ。
「無事に外に出られると思うな、無惨な姿にされたお宝の分、貴様等に新たなネタを提供してもらうわよ。まずはわからせおじさんに教育してもらいなさい!」
「いやぁーー!? 破れた本から変なおじさんがーー!?」
「「「怖いよぉー!!」」」
 破れた薄い本から無数のおじさんが現れたのを見るや、踵を返して逃げようとするロリ女王と男の娘たち。しかしアリスの瞳が赤く輝き、無情な超能力が彼女らの足を止める。
「さあ、楽しみましょう♪」
『誰か助けてーーー!!?」
 アリさんの怯えきった叫びが響いたが、それは空に虚しく響き渡るだけだった……。

 かくして、新たに見つかった不思議の国はオウガの脅威にさらされることなく、平穏無事に立派な一国になることができた。
 もしも、この世界に迷いこんだアリスが流浪の末に流れ着いたのなら、
 きっとひとときの安らぎを与えてくれることだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月10日


挿絵イラスト