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お年玉は自らの手で

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 ●宝物殿
 ギギ、ガギギ。
 誰も居ない迷宮の片隅で、奇怪な機械音が響く。
 ギギギ、ゴギギ。
 音の主は黄金に煌めく大きな扉の前を右往左往。
 ガシュ、ガキキ……ガシャン。
 繰り返す都度に二度三度。ようやく己の立ち位置を見出したのか、扉の真正面に硬質な音を立てて鎮座した。
 それは人形。魔導技術と蒸気機械の粋を集めて作られた魔導ゴーレム。
 彼の役割は守護。この扉の奥にある、宝物の数々を守るために置かれた守護のゴーレム。
 彼は待ち続ける。正統なる開錠者を。
 彼は待ち続ける。不届きな狼藉者を。
 いつか、その身が朽ちるまで。

●グリモアベース
「これが、私の見た予知です」
 瞳から白い壁に投影した映像を消し、深々と下げた頭を上げ、猟兵達を見据えてスキエンティア・スフィアソフィア(電脳知性天体・f01158)はそう、口を開いた。

「皆様、ようこそおいでくださいました。皆様を召集する事態。即ち、オブリビオンによる事件……なのですが、今回は少々毛色が異なります」
 表情こそ変わらないものの、スキエンティアはその瞳に困惑の色を浮かべている。

「今回の舞台はアルダワ魔法学園、その学園内部に存在する数多ある迷宮の一つにて、オブリビオンが活動を開始しました。
 その迷宮は洋館の形をしており、幾つもの部屋があり、何やら様々な仕掛けが存在する厄介な迷宮となっているようです。どうやら二人組でなければ突破できない部屋も存在するとか……」
 ここまで語ったところでスキエンティアは言葉を切り、猟兵たちの顔を見渡して一つ頷く。

「そうです。ここまでであれば到って普通の迷宮。皆様の中にも既に挑まれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、問題はその先。洋館の最奥部に存在する、宝物殿にて、オブリビオンの活動が予知されたのです」
 宝物殿、と聞いて色めき立つ猟兵たち。その様をジッと見つめながら、スキエンティアは言葉をつづけた。

「その通り、宝物殿です。この区画に於いて、踏破記録は零。つまり宝物殿は手つかずのままの筈。オブリビオンが活動を開始した背景もそこにあるのではないかと思われますが、今回の目的はその調査ではなく、迷宮を踏破し、オブリビオンを撃破して戴く事。
 そうですね。そろそろお正月ですし、宝物殿を開いてお年玉、とするのも良いかもしれません」
 そう、素っ気なく言うスキエンティア。しかし、その瞳には警戒の色が浮かび。

「ですが。実は、私の予知よりも先にこの区画に侵入した学生は存在しました。
 しかし、無事に帰ってきた生徒は独りも居ません。宝物を餌としたオブリビオンが学生を襲撃していることは明白。
 どうか皆様、十分に用心して戴きたく思います」
 表情は相変わらず変わりなく、ただ声音と視線に真剣さを込めながらも、スキエンティアは続けた。

「まず皆様には洋館を模した迷宮を踏破して戴きます。その手段は大きく分けて三つ。
 一つは――個人的には少々無粋かと思うのですが――力づくで各部屋の仕掛けを踏破する事。一番手っ取り早いですが、罠も仕掛けも無理やり通るので、失敗した場合はダメージを受けることも考えられますね。
 一つは各部屋を、足を使って隅々まで調査する事。徹底的なマッピングを行い、そこから正しい部屋を見つけ出していただきます。
 そして最後の一つは各部屋に仕掛けられた魔術的な仕掛けや謎を解く事。正しい手順を踏むことで、次のフロアが踏破しやすくなるかもしれません」
 そこで言葉を区切り、スキエンティアは再度猟兵達を見回す。

「積極的に活動を行っては居ませんが、いわばチョウチンアンコウのような行動を取っている可能性のあるオブリビオン。放置すれば学生たちの被害者が増加するかもしれません。
 ここで討伐し、地下迷宮を制覇する一歩としてしまいましょう。どうぞ、よろしくお願いいたします」
 そう告げて、スキエンティアは再度、深々と頭を下げた。


氷川 仁
 皆様、年末如何お過ごしでしょうか。
 今回の舞台はアルダワ魔法学園。
 迷宮の奥深く現れた宝物殿を守るオブリビオン、これを倒して大魔王への道として戴きたく思います。
 そのついでにお年玉を得るのはちょっとした役得ではないでしょうか。

●迷宮について
 ○○の部屋があるから××して突破する! と言ったようにプレイングに記載して戴ければ採用します。
 そういった記載がなくとも、突破方法のみを記載して戴ければ、判定の後、相応しいだろう仕掛けを実装させていただきます。

 前回と異なり、戦闘は最後の一戦だけですが、精一杯勤めさせていただきます。
 皆様の多彩なプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『洋館アンダーグラウンド』

POW   :    各部屋の仕掛けを力技で突破する

SPD   :    各部屋を足を使って隅々まで調査する

WIZ   :    各部屋に仕掛けられた魔術的な仕掛けや謎を解く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鷹畑・海夜
お宝も興味はある所だけどぉ、宝を守るゴーレムの方が気になると・こ・ろ♪
それがオブリビオンなら、なおさらねぇん。
さっそく記録しに行きましょ♪

まずはお部屋を隅々まで調べちゃいましょ♪
最初に各部屋の中とか、物の配置、魔法陣の位置とか、
手帳に記録しておくわねぇ。
1番目に入った部屋に、別の部屋の仕掛けのヒントとか鍵がある、みたいな?
特定の床を踏んで、仕掛けを解除したり、別の部屋の鍵をあける部屋
とかありそうよねぇ。

うっかり罠発動させちゃったら、逃げ足で強引に突破するか、扉の外まで逃げるけどよ。


ゼン・ランドー
宝物殿と聞いて色めき立った猟兵の1人
ゼン・ランドー!罷り越してございます!

さて、これでも元は城勤め…
隠し扉やら隠し通路などは見慣れたもの
その程度なら卒なく対応して見せますが
財宝が有るとなると攻撃性の罠に注意したほうが良いでしょうねえ
私なら殺す気でやります。

対策として「サイコキネシス」で情報収集しつつ
仕掛けを解いて最適な道筋を探すとしましょうか
宝物殿には一番乗りしたい所ですが、番人はおそらく私一人ではどうにも出来ますまい
そこまでは誰かと組むのも良いでしょう。本番まで体力は温存しておきたいですし。

あと【電臣】は最近がぞーかいせき?を憶えたようです。役に立つと良いのですが…


ロキ・パラダイム
っハー!!!
迷宮の奥に宝物殿だなんて、なんとも粋な毎週やなぁ
しかもそれをお年玉にするもよし、だなんて、心躍るやないかい!
………
しまった、テンションあげすぎちゃったな

まずは仕掛けをどう突破するか…自分、あんまり知恵も回らないし、急がば回れ、とも言うから
●一部屋ずつ脚を使って隅々まで調べるよ
技が使えれば、エレクトロレギオンにも手伝いさせてみたいんだが、こいつって探索機能付いてたっけな…
ついてなくてもそばにいたら賑やかでいいかも
まずはやってみよう。
どんな部屋が待ち受けてるんだろう。たのしみだな。
……ドアを開けたら人形が一斉にこっち見るとかは、やだよ…?


天花・雪兎
WIZ
迷宮に宝物と聞いて、ぼくの尻尾がふわりと揺れる
ちょっとだけ、わくわくしちゃうね!

まずは各部屋に仕掛けられた仕掛けや謎を調べるぞ!
ぼくに魔術の知識はないから、
事故が起きないよう、調べる時は十分気をつけなくちゃ

今度は魔術の本が沢山ある部屋を調べるぞ
周囲を見回せば…本棚が1つ。気になるなぁ…
綺麗に片付いてるように見えるけど、ジャンルがバラバラみたいだ

昔、母上が読んでくれたお話を思い出したけど…
こういうのは正しく並び替えると、先に進める仕掛けになってたりするんだよね

本当に道が開ければ、びっくりして目をまんまるに
「凄いや!ありがとう、母上!」
故郷にいる母に感謝して万歳。宝物を目指して先を進むぞ!


アイ・エイド
スキンティアは予知お疲れさん!
い、いにしえに伝わる魔導ゴーレム!…え?違う?ばっ…雰囲気だよ雰囲気!!

【SPD】
足には自信があるぞ!
にしても学生が迷い込んでたのか…。もし遭遇出来たら、オレは避難援助を優先!アンタを含めて誰も帰って来てねぇことを言ってこの迷宮の危険度を説く。

扉のたくさんある部屋があるようだな!
扉にダガーで小さな目印(数字)を刻むぜ!
一応メモは取ってっから、地図作ってみる。出来るだけ最短ルートの安全な帰り道を考えておこう!



●三人寄れば文殊の知恵。五人寄れば……?
「っハー!!!
 迷宮の奥に宝物殿だなんて、なんとも粋やなぁ
 しかもそれをお年玉にするもよし、だなんて、心躍るやないかい!」
 堪えきれず、というようにロキ・パラダイム(ネコと僕と時々日記・f06919)は迷宮に足を踏み入れた途端に叫ぶ……が。ふと素に戻ったのか、恥ずかし気に周囲の猟兵たちを見回す。
 だが、幸いなことに猟兵たちは迷宮の内部に無数にある扉に気を取られ、ロキの事は気にしていない様子だった。

「迷宮に、宝物。ちょっとわくわくしちゃうね!」
 天花・雪兎(雪の子供・f02304)が早速、といった風に扉の一つに手をかけ、開こうと。

「おっと、ちょっと待ったぁ!」
 それを大声で静止したのはアイ・エイド(武器マニア・f10621)。手に取りだしたダガーを持ち、海夜が開こうとした扉に数字で目印を刻んでいく。

「こうして置けば入った部屋がわかるだろ! 学生が既に何人も迷ってるんだ! 用心に越した事はないぜ!」
「あ、ではそれに加えて私のシキガミ、電臣に画像を撮影させておきましょう。見比べる事で気付けることもあるでしょうし」
 アイに続いてゼン・ランドー(余燼・f05086)は懐から取り出したスマートフォンでパシャリパシャリと写真を撮っていく。その内部に憑りついた管狐が、その画像を見分け易い様に並べ、ゼンはふむふむ、と頷き見比べ初め。

「お宝も興味はある所だけどぉ、宝を守るゴーレムの方が気になると・こ・ろ♪
それがオブリビオンなら、なおさらねぇん。さっそく記録しに行きましょ♪」
 鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)は、その科学者としての好奇心を抑えきれない、といったふうに辺りを見渡している。

「とはいえ。私は暫くこの部屋を調べてるわ。アナタたち、気を付けて行ってらっしゃい」
 そう言う海夜を残し、四人は幾つかの部屋に分かれて進んでいった。

「んんっ、さて、気を取り直して。僕は一部屋ずつ脚を使って隅々まで調べようと思ってるんだけど、君たちは?」
「お、じゃあオレも! 迷ってる学生が見つかるかもしれないからな! ついでにメモ取ってるし、マッピングの手伝いも出来るぜ!」
 そう言って、ロキとアイの二人は部屋のマッピングへ。
 雪兎とゼンはそれぞれ別の部屋を調べようと、扉を開いて中を調べだした。

「わ、本がいっぱい。全部魔術の本かな?」
 雪兎が足を踏み入れたのは、書斎を模したかのように本が壁一面に敷き詰められた一室。
 扉のある部分を覗いて、天井と床以外、びっしりと本が鎮座している。
 恐る恐る、部屋の中央に立った雪兎は、ある違和感に気が付いた。

「あれ、ここだけ著者名も題名もバラバラだ」
 それは扉から見て右手の本棚。他の本棚は几帳面に著者名順に並べられているにも拘らず、その本棚だけは全くの無秩序に本が収められている。

「こういうのは正しく並び替えると、先に進める仕掛けになってたりするんだよね?」
 かつて母上から読んでもらった話を思い出し、物は試し、と一度右手側の本棚から全ての本を抜き出し、著者名順に並べていく。
 装丁のしっかりとした本を運ぶことはそれなりの作業だったが、一つ一つ、丁寧に並べられていった本は、全てが収まった後、その背表紙が雪兎にも見覚えのある模様を描き出す。

「あれ、これって……」
 その事に気付いた雪兎は、その見覚えのある模様の場所へと足を向けた。

「ふむ……攻撃性の罠があると思っていましたが、こうしてみると只の洋館でしかありませんね」
 一方のゼンが足を踏み入れたのは、豪奢な寝室だった。天蓋付きのダブルベッドにはふかふかの布団が敷かれ、こんな場所でも無ければ最高級のホテルもかくや、と言わんばかり。
 しかし、今はそれどころではなく、ゼンは己のサイコキネシスによって、そのベッドの下に隠された金庫を見つけ出していた。
 サイコキネシスでどかしたベッドの下から現れたのは、床に埋没するように設置されたダイヤル。

「こういうものはたいてい、何処かにその番号がメモされているのがお約束でしょうけれど」
 ダイヤル式のロックは、回した時に錠を固定している座の全ての切り欠きが揃うと開くもの。
 高度な情報収集と、サイコキネシスによって、精密な動作が行えるゼンにとって、その切り欠きをそろえる事はわけも無い事だった。
 カチン、という甲高い音と共に、金庫のハンドルが下がり、その中身が開帳される。
 そこに有ったのは、一本の年季の入った青銅の鍵。

「金庫の中に鍵とは。これが次に進むために必要なものなのでしょうか」
 使う場所には心当たりがないが、マッピングを行っていた二人ならそれらしい場所を見つけているかもしれない。そう考えたゼンは、皆と合流すべく最初の部屋へと向かった。

「誰かー! 誰か居ないか!!!」
 扉と言う扉に顔を突っ込み、誰も居ない事を確認して、その扉へ数字を刻むアイ。
 その後ろでロキは賑やかしにしかならなかった戦闘用の小型機械兵器を従え、今までマッピングした地図を見て、首を傾げていた。

「おかしいね……」
「そうだな! 予知によれば数名がこの迷宮には入っているらしい! なのに、誰も居ない! これはおかしいぜ!」
「いや、そうじゃなくて」
 そう突っ込みながら、ロキはアイに地図を見せ、説明を始める。

「ここが僕たちの歩いてきたルート。一見満遍なく探してきたように見えるけど、この地図には不自然に空白があるんだよ。最初の部屋から始まって、ここに至るまで。
 丁度一部屋分くらいの空白が、そこを取り囲むように部屋は配置されてる」
「つまり?」
「これは最初の部屋に何かあると見た方が良いね。いったん戻らない?」
「まだ誰も見つけてないが、オレは構わないぜ! 辿りやすい様に矢印も壁に刻んでいく!」
 ガリガリと、廊下の壁に矢印を刻みながらロキとアイの二人もまた、最初の部屋へ戻っていった。

「あら、遅かったわねぇん、皆」
 最初の部屋へ戻った四人を迎えたのは、丁度何かを書き終わった、という風に手帳をパタン、と閉じた海夜の姿だった。

「その様子だと、やっぱりこの部屋が先に進む部屋みたいねぇん。なんてベタな話なのかしら」
 そう言って肩をすくめる海夜が見つめる最初の壁の模様は、雪兎が並べ替えた本棚と全く同じ模様。その事を指摘した雪兎の顔から視線を外し、その壁を見つめる海夜は、次にゼンが撮っていた写真を見比べ、他の壁と異なる部分がある壁を見つけ出す。それは、ロキとアイが見つけ出していた地図上の空白と一致する方向の壁だった。

「ここねぇん」
 そう言ってその部分を押し込む海夜。すると、ボコン、と音を立てて壁が凹み、その内部から鍵穴がせり出してきた。

「成程、ここの鍵だったのですね」
 そして、ゼンは自身が見つけた鍵をその鍵穴に差し込み、回す。
 すると、壁の一部が鈍い音を立てて下へ降りていき、ぽっかりと開いた空洞には下へ下る螺旋階段。奈落に続くかのような暗闇からは、微かに機械が稼働するような鈍い音が響き渡る。

「正解ねぇん。さ、先へ進むとしましょう?」
 そして、猟兵たちは次の階層へと足を踏み入れた。光差さぬ、深淵の迷宮へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『真っ暗仲良しドッキリ探検隊』

POW   :    手当たり次第問答無用、本能に任せ進む

SPD   :    周囲の状況を確認しながら、慎重に進む

WIZ   :    何か隠された物がないか、調査しながら進む

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●光差さぬ暗黒
 洋館の迷宮を踏破した猟兵たちが螺旋階段を降り切ると、その先は闇だった。
まるでそこで光が切り取られているかのように、一定の場所から先は光が全く差していない。
 猟兵の一人が手持ちの懐中電灯でその先を照らそうとしたが、それは全くの無駄。
 魔法の名の通り、ここでは光が法によって禁止されているのだ。
 光に頼る事が出来ない以上、この暗闇を抜ける方法は限られるだろう。
 一つは問答無用。ただひたすらに猪突猛進して本能のままに手探り進む事。
 一つは手探り手探り、慎重に周囲を探りながら先へ進む事。
 そして最後の一つは暗闇が覆い隠すものを探りながら進む事。
 いずれの場合も、一人よりも二人の方が効率は上がるだろう。三人は恐らく多すぎる。お互いの頭にたんこぶを増やしたくなければ避ける事が無難。
 そうして、猟兵たちは意を決したように暗闇へと足を踏み入れた。
●闇より暗き暗黒
 猟兵たちは揃って暗闇の中へと足を踏み入れた。
 しかし、その瞬間。隣に立っているはずの仲間の顔すらも見る事は出来なくなる。
 驚く声や息遣い、気配は感じる為、自身が孤立したわけではないと理解はできるだろう。
 だが、目と鼻の先程の距離すら。暗視の技能を持っている猟兵ですら全くの闇に閉ざされる程の魔法がこの迷宮を支配している。
 元より手を繋ぐ等、協調していた猟兵たち以外、その足並みは乱れ、いつしかバラバラに猟兵たちは迷宮を進むこととなってしまった。

「ぜんっぜん見えねえ!」
 その姿を狼と変えたアイ・エイド(変人腐れ狼・f10621)だったが、迷宮の暗闇を舐め切っていた、否、理解していなかったのか、ある程度なら見えるだろうと高を括っていた。
 しかし、現実は完全なる暗闇である。
 光に頼る事は出来ない。言い換えれば、この場では一切の視覚に頼る事は出来ないと分かっていたはずだ。
 だが、アイはその聴覚と嗅覚、そして第六感によって、どうにかこうにか足を進める。
 視覚が閉ざされた分、残りの感覚を研ぎ澄ませ、匂いを、音を、そして直感によって周囲を探りながら一歩、また一歩と進み。ふと、それに気が付く。
 匂いはない。音もない。だが、アイにとっては確信だった。
 そこに何かがある。
 そう気付いた瞬間、天井ギリギリまで跳躍したアイは体を叩きつけるように回転しながら、咥えたダガーでその場所を真一文字に斬りつける。
 感じたのは僅かな手ごたえ。それと同時、今まで一切の光を拒絶していた迷宮の魔法が揺らぎ、一瞬だけだが周囲を視覚で視認する事が出来た。
 だが、他の魔法がカバーしたのか、それは本当に一瞬。
 すぐさま先と同じく周囲は暗闇へと閉ざされる。
 それでも。その一瞬で十分だった。部屋の構造と先へ進む廊下を見出したアイは、その先へと足を進めた。
雪華・グレイシア
【WIZ】
目を封じる、ということは見られたら困る物があるかもしれない、ということだよね
まずはこの暗闇の中に何か隠されてないか探してみようか

床や壁の破片とか投げるのに手頃良さそうな物を拾い上げて、暗闇の中へと軽く放っていこう
何か物があれば当たった音でも響くはず
音を見逃さないように耳を済ませて、音が聞こえたらそっちの方へと注意深く進んでいこう



●盗むべき宝は
 カツン、カツン。
 断続的に迷宮内部に音が響く。雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)が放った壁の欠片が床にぶつかり、周囲に響く音。
 グレイシアはその音を頼りに、前へ前へと進んでいた。

「目を封じる、ということは見られたら困る物があるかもしれない、ということだよね……」
 そう考えたグレイシアは、何かぶつかる、もしくは反響する音に変わった事があるのではないかと注意しながら先へ進んでいった。

「……当てが外れたかな?」
 しかし、放った欠片が何かにぶつかる事はなく。反響する音を頼りにした事で行き止まりに入り込むことも無かったグレイシアは、順調に進むばかりで怪しげなものは何一つとして見つける事は出来ていなかった。
 カツン、カツン、カツーン。
 ふと、響く音が変わる。それに気づいたグレイシアは、注意深くしゃがみ込み、手探りで床を探り始めた。

「………………ここだね」
 指先の感覚が伝える、均一に敷かれていた石畳の乱れに、その場所へ手に持ったダガーを突き立てる。
 石畳の隙間に突き刺さったダガーを梃子として捻り、持ち上げた下にあったのは、正方形の空間。
 20㎤程の小さな空間には、小箱が一つ納まっていた。

「ん……ここじゃ開けても見えないね」
 暗闇の中では開錠してもその内容をしっかりと確かめる事が出来ないと判断したグレイシアは、その箱を懐に入れ、再びカツン、カツン、と音を上げながら、迷宮の出口へと向かって行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロキ・パラダイム
…やっぱ、アレやね、自分の目と耳でちゃあんと探索せんといけんね…

●SPD/周囲の状況を確認しながら、慎重に進む
割と前回の感じみんな慎重だったから、被らないかなあと心配になりつつ、手探りで進む
なんだっけ、右手だけずっと壁につけて進んだらいずれ出口にたどり着くみたいなやつ…あんな感じで、必ず右手は壁につけつつ、進もうかな
この暗闇じゃエレクトロレギオンとか使っても、チビのこと見えなくて躓きそうだし、うーんなかなか役に立てないぞ、僕。

でも、この探索を乗り切ってゴーレムを倒したらお年玉…もあるかもだし、行方不明になってる人たちの行方もきちんと見つけなきゃだし、頑張らないとね…!



●その名は右手法
「やっぱ、アレやね、自分の目と耳でちゃあんと探索せんといけん……とは思ったけども」
 迷宮の壁に右手で触り、その手を放さないよう、ひたすら壁沿いに進んでいたロキ・パラダイム(ネコと僕と時々日記・f06919)だったが。

「長い」
 そう、それがこの方法、右手法の欠点だった。
 理屈の上では必ず迷宮を踏破できる方法ではあるのだが、その欠点として途方もない時間がかかると言う事がある。
 迷宮が単純かつ短いのであれば、最善の方法ではあったのだが、全く光の無い空間を延々と歩き続けるというのは、人間にとって非常に強いストレスを与える。
 成功報酬であるゴーレム討伐のお年玉と、行方不明の人たちを探す、という目的がなければ、到底踏破する事は難しいだろう艱難辛苦。
 ロキはただ、右手が壁から離れないようにする事だけに集中し、無心で歩み続けた。
 すると、不意に壁が途切れる。今までのような曲がり角ではなく、その先に壁は無い。

「お、おおお、よっしゃ!」
 長い、長い道のりの果て。地道ではあるが、確実に。遂にロキは迷宮を踏破したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルベール・ユヌモンド
光があっても光が差さない部屋か。
魔法的な理屈は分かっても、いざ足を踏み入れると不思議な感じがするな、とっても。
……それにしてもこの部屋、目に頼らない訓練に使える……すまない。脱線したな。

俺はサイキックの波を四方八方にとばして周辺の地形等を調べながら進む。
念動力を使ったソナーの真似事だが、こういった小手先の技は結構得意でな。
あえて魔法まで使って暗くしているんだ。
勘だが何かを隠してる可能性は十分にあるだろう、きっとな。
何か怪しい物を発見したら慎重にだけど覚悟を決めて探りを入れてみるかな。

合わせプレイングではありませんが、どなたかとご一緒に書いていただくのも大歓迎です。
アレンジ等もお任せ致します。


天花・雪兎
WIZ
初めて見る仕掛けばかりで、きょろきょろしてしまう
釣られて尻尾が揺れてしまうのは、きっと冒険に心躍らせているから

音、壁や周囲の質感、迷宮にある小物や家具、部屋の様子とか
仲間の猟兵の後ろを歩いて、見落としがないか注意して二重、三重と調べるよ
こういう時にぼくの『第六感』が役に立たないかな?

魔術的な仕掛けは不用意に触れて何かあると怖いから、
違和感とか気付いたことがあれば、些細なことでも仲間に知らせよう
調べ終わった所は地図に印をつけて、
気になったことは何時でも確認できるように書き込んでおこう

周囲を調査しながら、常に書き込んだ情報と照らし合わせて
隠された物について何か気付くことができればいいな



●二人なら
「光があっても光が差さない部屋か。
 魔法的な理屈は分かっても、いざ足を踏み入れると不思議な感じがするな、とっても。
 ……それにしてもこの部屋、目に頼らない訓練に使える……すまない。脱線したな。

 辺りを見回すように首を巡らせるも、その目には何も映らない現状。
 その感覚に不思議なものを覚えつつも、その利用法について考えたアルベール・ユヌモンド(無月の輝きは・f05654)だったが、同行者の存在を思い出し、我に返って声を掛けた。

「う、ううん、大丈夫。大丈夫だよ」
 アルベールの後ろを第六感で気配を探りながら、付いていくのは天花・雪兎(雪の子供・f02304)。その尻尾は、冒険に弾む心境を表すかのようにふらふらと揺れ。

「しかし、サイコキネシスで探ってはいるが、一見……見えないのにこう言うのも変な感じだが、何も無いな、この迷宮は」
「うん。小物とか、家具とか。あったら調べようと思ってたんだけど、なにもないね」
 二人がここまで歩いてきた道には、小物はおろか罠さえなく。
 アルベールのサイコキネシスのソナーでも引っ掛かる異常はなにも無かった。

「あえて魔法まで使って暗くしているんだ。勘だが何かを隠してる可能性は十分にあるだろう……と思っていたんだが」
「地図も描いてみようと思ったんだけど、全然見えないから描けないね……
でも、ぼくの第六感は告げてるよ。この先に何かがある、って」
 雪兎の言葉に頷いたアルベールは、その足を先に進める。その後ろには雪兎。
 二人の歩く足音は揃って出口の方へと確実に近づいていき。

「待った」
「うん?」
 ふと、アルベールが足を止める。己の発するサイキックエナジーに、違和感を覚えたのだ。
 そこには何もない。慎重に手を伸ばすが、その手は空を切り。
 だが、その場所はサイキックエナジーを弾き、アルベールの探知から逃れようとしている。

「下手に隠そうとしたのが運の尽きだぜ?」
 触れられない。しかし、サイキックエナジーに干渉する。
 逆説的に言えば、サイキックエナジーで干渉できるという事。
 アルベールは手に持ったサイキックソードを構え、その場所を横一文字に切り裂く。その瞬間。

「むっ」
「わぁっ」
 目も眩むような閃光が二人の目を焼く。迷宮に吸い込まれた光が、一気に解放されたかのような光は、迷宮内部を明々と照らし出し。

「あっこの模様」
 それに気付いたのは、目を擦り視力が戻ったのを確認しようと瞬きを繰り返していた雪兎だった。
 暗闇の魔法が失われた迷宮の壁面に描かれたそれは、先の洋館の迷宮で見たものと同じ模様。
 その模様に近づいた雪兎は、先であれば鍵穴の有った部位に手を触れ、押し込む。
 すると、ガコン、と音を立てて壁の一部が擦れ、その内部から一枚の絵が現れた。

「これって……」
 それは、この迷宮の先にある宝物殿の守護ゴーレムの設計図。
 その構造上の弱点の在り処だった。

「やったな」
「うん!」
 暗闇の迷宮は、その魔法を失いただの迷宮となった。しかし、いずれは魔法が復活し再び暗闇が迷宮を覆うかもしれない。
 だが、今ここに闇は晴れた。それは、いずれ来る未来の暗示にも似て、希望の道筋となるだろう。
 切り札を得た二人は、それを手に出口へと歩き出す。最後の番人の試練へと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『トレジャリーガード』

POW   :    ロケットパンチ
【剛腕】を向けた対象に、【飛翔する剛拳】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    コアブラスター
【胸部からの放つ熱線】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    マジックバーレッジ
【自動追尾する多量の魔力の弾丸】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【絶え間ない弾幕】で攻撃する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●宝物殿
 ギギ、ガギギ。
 誰も居ない迷宮の片隅で、奇怪な機械音が響く。
 ギギギ、ゴギギ。
 音の主は黄金に煌めく大きな扉の前を右往左往。
 ガシュ、ガキキ……ガシャン。
 繰り返す都度に二度三度。ようやく己の立ち位置を見出したのか、扉の真正面に硬質な音を立てて鎮座した。
 それは人形。魔導技術と蒸気機械の粋を集めて作られた魔導ゴーレム。
 彼の役割は守護。この扉の奥にある、宝物の数々を守るために置かれた守護のゴーレム。
 彼は待ち続ける。正統なる開錠者を。
 彼は待ち続ける。不届きな狼藉者を。
 そして、その時は訪れた。ゴーレムはその双眸で以って、猟兵たちの姿を捉える。
 アレらは狼藉者だ。オブリビオンの本能に因って導かれた結論に、ゴーレムはすぐさま戦闘状態に移行した。
 炉に火が入る。体から吹き上がる熱は、その身に搭載された大型蒸気エンジンの産物。だが、それがこのゴーレムの弱点でもある。
 胴体を全て大型のコアとした事で、蒸気エンジンの熱をコアは常時受ける事となる。無論、設計上それは何の問題もないが、外部から更なる高熱を受けた時、一時的にではあるが安全機構が作動し蒸気エンジンが停止するリミッターが、この魔導ゴーレムには搭載されていた。
 そうなれば、出力は大幅に低下し、攻撃力も機動力も削がれることとなるだろう。
 それが、アルベールと雪兎の見つけ出した設計図に書かれていた事。
 また、その方法でなくとも、蒸気エンジンさえ停止させれば同様の状態に陥らせることが可能だ。
 その事を念頭に、猟兵たちは魔導ゴーレムが待つ、宝物殿前の大広間へと足を踏み入れた。最後の戦いが、始まる。
雪華・グレイシア
用があるのは生憎とキミの奥にあるものでね
さっさと倒れてもらえると助かるね

使用するユーベルコードは【強盗に流儀はなし】
それらしいパーツでも奪い取れば、ご自慢の蒸気エンジンの調子も悪くなるんじゃないかな?
【逃げ足】で魔力の弾丸から逃げ回りながら、ゴーレムの周りを駆け回るか
ゴーレムの外見を見て、奪い取れそうなパーツを奪っていこう
奪ったパーツは盗った端から放り捨ててくよ
邪魔だしね




 ガシュン、バシュン、ブシュゥウウウウ。
 起動した魔導ゴーレムは文字通りに気炎を上げ、猟兵たちへと砲門を向け射撃体勢に入る。

「用があるのは生憎とキミの奥にあるものでね。
 さっさと倒れてもらえると助かるね」
 ゴーレムが射撃を開始しようとした機先を制して飛び出したのは、雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)。
 いち早く駆け出したグレイシアに標的を絞り、魔導ゴーレムは魔力の弾丸による弾幕を放射した。
 それは一つ一つ数えるのも馬鹿らしくなるほどの魔力弾の嵐。
 それらを持ち前の逃げ足で躱しつつ、グレイシアは魔導ゴーレムの周囲を撹乱するように走り回り、その外観を観察する。

「……あれは」
 そうしているうちに、燃え盛る胴、その脇腹に配管を止めるボルトを見つけ出す。
 可動域の確保の為、別パーツになった蛇腹状のパイプで体の周囲を覆う配管を接続しているパーツに着目したグレイシア。
 その部位を視認した時だった。

「ぐっ……」
 弾幕の内の一発がグレイシアの肩を掠める。
 魔導ゴーレムは逃げ回る対象の速度、行動パターンを解析し、徐々に魔力弾の誘導性能を向上させていた。

「迷ってる時間はないね。予告はしない。…………ただ、奪われろ」
 そして、グレイシアが掌をそのパーツへと向け、虚空を掴み取るように握ると、その手の中に握られているのは、蛇腹状のパイプと他のパイプを止めていたボルト。
 本来の設計であるならば緩みもしないそれは、グレイシアによって奪い取られていた。

 ギギギ、バシュウウウウ、バシュッ。
 精密な機械であるが故に、その動力を全身に伝達するパイプに緩みが生じ、そこから蒸気が漏れだした事で動きが鈍る魔導ゴーレム。
 ただの衝撃や攻撃であるならば、生半可な事では小動もしない筈のボディが、脇腹から蒸気を吹き上げ膝をついた。

「盗ったは良いけど。要らないね、こんなガラクタ」
 その様を尻目に、グレイシアは奪い取ったパーツを背後へと放り捨て、最早見向きもしないのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鷹畑・海夜
人格切替完了。お待ちかねのオブリビオン戦か。
正面突破は難しいな。
だったら、他の奴の攻撃が成功するよう、囮になるか。

熱そうだし、むやみには近づかず、フック付きワイヤーを使って
大広間を端から端へ渡ったり、フック部分を敵にぶつけてみたり、
と、敵の目と攻撃をオレに引きつけるぜ。
「ほらほら当ててみなよ、って」

使うユーベルコードは【エレクトロレギオン】。
小型の機械兵器達をばらまいて、突撃させるぜ。


ゼン・ランドー
なるほど、熱に弱いとは良い情報ですね!

どなたの製品かは瑣末事ですが
端的に言ってこれはリコール沙汰では?
不良在庫はさっさとスクラップ&スクラップ
解体料金は後ろの扉から頂かせて貰いましょうか!

戦術としては【ブレイズフレイム】で本体のコアを焼き
大剣で潰します。

相手の射程外から攻撃できれば良かったのですが
保証がないので、懐に潜り込むのを目標とします。
そちらのほうが動きが読みやすいですし
あとは豪腕をこちらの大剣で捌けるかが勝負どころですね。

おっと、解体が終わった後に火は消しておきましょうか
こちらサーヴィス、ということにしておきましょう。




「人格切替完了。お待ちかねのオブリビオン戦か。
 正面突破は難しいな」
 そう呟くのは、探索中とは様子ががらっと変わった鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)。
 今の彼女は科学者ではなく、蒐集家。
 魔導ゴーレムとの戦闘を前に人格を切り替えて備えるも、その熱気に正面からの戦闘は避けようと。

「なに、熱に弱いという弱点が暴露されているのですから問題ないでしょう。
 というか、蒸気エンジンを積んでおきながら熱に弱いとか、端的に言ってこれはリコール沙汰では?
 不良在庫はさっさとスクラップ&スクラップ、解体料金は後ろの扉から頂かせて貰いましょうか!」
 そう言って一歩前に出るのはゼン・ランドー(余燼・f05086)。
 手に携えた鉄塊剣、呪装大剣【蒼滅】がその動きに追随して仄かな燐光を放ち。

「では、囮は任せて貰おう。そら行け!」
 そして、海夜が召喚したのは六十体のエロクトロレギオン。
 それそのものには大した戦闘能力はないが、なにしろ数が多い。
 誘導魔力弾での弾幕で対処しようとした魔導ゴーレムだったが、射撃体勢に入った瞬間、海夜の射出したフック付きワイヤーが胴体へ命中。

「ほらほら当ててみなよ、って」
 反射的にそちらに射線を向けるも、既に海夜の姿はそこにはない。
 引き戻したワイヤーで部屋の内部を飛び回る海夜に翻弄される魔導ゴーレム。
 そして、そのうちに死角に入りこんだエレクトロレギオンにターゲットが映り、更に他のエレクトロレギオンの接近を許し、悪循環へと陥った。
 そして、接近を許したのはエレクトロレギオンだけではなく。

「動きが見え見えですよ?」
 間近にまで接近したゼンの体から放たれた地獄の炎が、魔導ゴーレムを自身の放つ熱量以上の温度まで上昇させる。
 自己保全の為、蒸気エンジンを緊急停止させ、冷却しようとするも、ゼンの地獄の炎は絶えず燃え盛り、コアに深刻なダメージを与え。

「これでどうです?」
 設計図によって所在の判明していたコアへと、ゼンの呪装大剣【蒼滅】が叩き込まれた。
 だが、全身を巡る蒸気を断たれ、コアに痛打を受けながらも、まだ魔導ゴーレムは止まらない。
 蒸気による補助を受けられずとも、その身は過去から這い出た魔導ゴーレム。
 火力も、機動力も下がって猶、未だ戦闘能力は健在だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天御鏡・百々
【「鏡像反攻儀」にて「コアブラスター」を映し取り、熱線で加熱】

ほう、からくり人形の類か?
この世界はからくりが発達していると聞いているが
このような大きなものもいるのだな

さて、弱点は核への高熱か
我はそのような技は持たぬが……
ふむ、貴殿の力を利用させてもらうとしようか

我が神通力(武器)にて作りし障壁で、コアブラスターを受け止め(オーラ防御10)
そして「鏡像反攻儀」によって我が本体の神鏡にて映し取ってやるとしよう
そのコアブラスターをもって敵の核を加熱してやろうぞ

因果応報、汝が力にて壊れるがよい

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、絡み歓迎




 ガシュ……ガガシュ……
 三人の猟兵によって、その戦闘力を大きく下げた魔導ゴーレム。
 しかし、それでも外付け強化装置である蒸気エンジンが停止したのみで、本来の力を失ったわけではない。
 コアへのダメージはあれど、未だ戦闘続行可能と自己診断した魔導ゴーレムは、たたずむ一人の猟兵を補足する。

「ほう、からくり人形の類か?
 この世界はからくりが発達していると聞いているが
 このような大きなものもいるのだな」
 そう呟きながら、攻撃する意思を見せない💠天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)へと、魔導ゴーレムは勝機を見たのか、攻撃態勢に移る。
 前面部に意匠された咢の様なパーツが上下に展開。
 その内部からコアが露出した。本来は真球であったそれは、ゼンの攻撃によって一部凹みを見せているが、そのコアへと魔導ゴーレムのエネルギーが収束する。
 キィウン、と。釘でガラスを掻いたような音がしたかと思えば、宝物殿前の広間が朱に染まる。
 放たれたのは熱線。命中した対象を熱によって切断するコアブラスターの一撃は、確かに百々を捉えた。しかし。

「ふむ……この程度か?」
 百々の前面に展開されていたのは、まるで鏡の様な障壁。百々がその身に宿す神々の力の一端の表れであるそれは、全力ならいざ知らず、弱体化した魔導ゴーレムのコアブラスターの熱線を悠々と受け止め。

「因果応報、汝が力、我が身に映して返してやろうぞ」
 百々の瞳に、魔導ゴーレムの姿が映る。その姿を映しているのは、百々のヤドリガミとしての本体である神鏡。
 そして、鏡の障壁から、魔導ゴーレムの放ったコアブラスターと全く同じ熱線が逆回しの様に百々から魔導ゴーレムへと放たれ、露出されたままのコアへと直撃。
 そのコアは溶断され、大きく欠ける事となった。
 もはや魔導ゴーレムは正常な稼働を行う事は出来ないだろう。
 しかし、それでもプログラムされた守護という使命の為に、魔導ゴーレムは撤退をしない。
 ここがこのオブリビオンの居場所なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・エイド
【アドリブ・絡み歓迎】

……今回は流血のようだな
早くやること済まさねぇと…!

毒使いである俺様(腐れ人狼)の毒がゴーレムに効かねぇとでも?
こちとら腐ってもメカニックだ!
アンタにも有効な発熱作用をもたらす
毒(ウイルス)ぐれぇ生成可能だぜ!!

超強化した肉体にカオスリングの
オーラを纏わせながら、ダガー片手に
近接戦で勝負を仕掛ける!
メインはダガーだが、
割りと肉弾戦も得意だぜ!

攻撃はダッシュで避けたり
オーラ防御でなんとかしよう!

攻撃の隙を見てダガーに
オーラを収束させ
強力なやつ食らわせてやる!




 コアを大きく欠損しながらも猶、魔導ゴーレムは宝物殿の扉の前に立つ。
 主たるダメージはコアに集中し、躯体には異常は殆どない。
 頑強なるフレーム部位は未だ健在。
 それ故にまだ勝機はあると落ちた処理能力で判断した魔導ゴーレムは、その剛腕を振り回し暴れだす。

「は、もう破れかぶれじゃねぇか!」
 そんな様を見て前に出たのはアイ・エイド(変人腐れ狼・f10621)。
 駆けだした彼はその身に眠った腐れ狼の因子を半分開放し、その身に指輪から引き出したUDC、アンディファインドクリーチャーの力をオーラ化し纏う。


「……今回は流血のようだな……
 早くやること済まさねぇと……!」
 そう呟くアイの眦からは一筋の血が流れ。
 因子の解放に由って、その体に多大な負荷が掛かり、その代償として流れ続ける血をそのままに、アイは唸りを上げて振るわれる魔導ゴーレムの巨腕を掻い潜り、その胴体へと手にしたダガーを突き立てる。その瞬間。

「うおっ!?」
 損壊したコアが此方に熱線を放とうとしたのを黙視し、ダッシュでその場を飛び退るアイ。
 直前までアイが立っていた場所には、一筋の煙を上げて焦げ目を残す床。
 損壊したコアで放てる全力のコアブラスターでは直撃したとしても一撃では猟兵への痛打とはならないだろうが、その全力をそのまま返された事で学習した魔導ゴーレムは、出力の落ちた状態を好機とコアブラスターの連射を開始した。

「しっつこいなおい!」
 駆けるアイ。その後ろを追うように点々と床に焦げ目が残る。
 それがコアブラスターの攻撃の残す跡。速射されるコアブラスターは溶断よりも、最早ガトリングめいた連射を見せている。だが。その連射がまばらになり。単射となり。そして停止する。

「ようやく効いてきたか!」
 その原因は、アイが放ったダガーの一撃。その一撃はただの斬撃ではない。
 腐れ人狼たる力を半分開放したアイの攻撃は相手に有効な毒を与える。
 魔導ゴーレムに付与されたのはそのプログラムを侵すウイルス。
 火器管制システムを侵された魔導ゴーレムはそのエネルギーをコアへと収束させる事が出来なくなり。そして、それは大きな隙を生む事となる。

「いっくぜぇ……!!!!」
 その隙を逃すアイではない。オーラとしていたUDCの力をダガーに収束。一息に距離を詰める。
 しかし、魔導ゴーレムも当然されるがままではない。火器管制プログラムの修復を中断し、接近するアイを迎撃しようと巨腕を振り回し。
 だが、それは先の焼き直しにしかならない。その巨腕はいとも容易く掻い潜られ。

「おらぁ!!!」
 下から真上へと振り上げられたダガー。オーラによって強化されたその一閃は、魔導ゴーレムの左脇を捉え、そのまま左腕を付け根から斬り飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒバゴン・シルバーバック
アドリブ・アレンジ・絡み可
【レース用カートに乗って体当たり】
「寝過ごしたウホー!」
悲鳴を上げながらカートに乗って激走するのはゴリラ型ウォーマシンのヒバゴン・シルバーバックだった。ミーティングをまんまとすっぽかした彼は、自慢のレース用カートのエンジンを全開にして皆の後を追った。もう解決してたら気まずい!どうかまだ終わってませんように!彼は祈りながら無理矢理カートで迷宮を進んだ。見えた!皆が戦っている!決着がつきそうだが今ならまだ出番がある!ヒバゴンはカートから降りようとブレーキを踏んだ。
ばきん。壊れた!力を入れ過ぎた!止まれない!
「ウホ〜!?」
彼は勢いそのままに魔導ゴーレムへと突っ込んでいった。




「寝過ごしたウホー!」
 悲鳴を上げながらカートに乗って激走するのはゴリラ型ウォーマシンのヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)だった。
 ミーティングをまんまとすっぽかした彼は、自慢のレース用カートのエンジンを全開にして皆の後を追う。
 もう解決してたら気まずい! どうかまだ終わってませんように! 彼は祈りながら無理矢理カートで迷宮を進んだ。
 幸い、既に解かれた迷宮の謎、解除された暗闇の魔法、そのどちらもなければここはただの迷宮。程なく戦闘を行っている猟兵たちに追いつき。

「見えたウホ!」
 暗闇の迷宮を抜け、宝物殿前の大広間へとヒバゴンは飛び込む。
 それはまさにアイが魔導ゴーレムの腕を斬り飛ばした瞬間だった。
 今ならまだ間に合う! そう考えたヒバゴンは、カートから降りようとブレーキを踏む。
 ばきん。足元からした鈍い音に、ヒバゴンはそっとそちらを覗き込む。
 すると、そこには根元から折れたブレーキペダルが。

「ウホ〜!?」
 焦りから渾身の力で踏まれたペダルは耐えきれず破損。彼は勢いそのままに魔導ゴーレムへと突っ込んでいった。
 どんがらがっしゃーん。
 レース用カートの一撃は、死に体となった魔導ゴーレムの胴体部に直撃。
 欠損したコアのみならず、そのフレームに多大なダメージを与え破壊した。

 ギギ、ガギギギギ……ガシャン。
 遂に動きを止め、全機能を停止した魔導ゴーレム。
 数人の猟兵がそっと近寄って、突いてみるがピクリともしない。
 遂に、広間での決着が着いたのだ。
 そして、数人掛かりで猟兵たちは宝物殿の扉をこじ開けようとする。
 が、微動だにしない。
 と、猟兵の一人がある小箱の存在を思い出し、蓋を開くと、そこには青いボタンが一つ。
 躊躇いなくポチっとな、と押してみれば、ごごご、と音を立てて扉が横へスライドし。
 その中から黄金色の光が漏れだした。
 こうして、猟兵たちは迷宮を踏破した。幾ばくかの財宝と、名誉とを得て。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月15日


挿絵イラスト