弱者へ手向ける、葬送の火
サムライエンパイアのとある藩。
山間地にある領地は小さいながらも、周りを険しい山で囲まれたそこを攻めようとする藩もなく、比較的平和に治められていた。
「どーすこーい!」
……そう、この時までは。
「我は信長お抱え力士衆! 軍の先兵として馳せ参ぜしものなり!」
城の前で大きく四股を踏み、その巨体から放たれる声は領地全体に響いていた。
時は早朝、領民たちは武器をとって周りに集まるが、力士の鋭い眼光に彼らは近づけず、
「我は弱者との戦いは好かん! 腕に自信のあるものよ! 我の前に現れよ!」
ただ遠巻きに、その巨体を取り囲むしかできなかった。
「皆さん、集まってくれてありがとうございます。
サムライエンパイアで困ったことが起きてしまいました。」
八咫は眉根を寄せて困ったような笑顔を浮かべながら、猟兵達に事のあらましを話していた。
「皆さんにお願いしたいのは、信長お抱え力士衆と名乗る謎の力士、そしてのちに襲い来る軍勢の討伐です。
力士は領民に手を出す気はないようですが、皆さんなら強者と認めて戦いを挑んでくるでしょう。
そこを叩いてください。」
八咫がゲートを開くと、人だかりの中に立つ髷を結った巨体が猟兵達の視界に映る。
「集まっている領民たちについてですが、彼らは農民です。
しかし、有事の時には武器をとって戦えるようにと、農閑期に自ら戦闘訓練を行っていた人たちです。
なので、相手によっては互角以上に戦うことができるでしょう。
今いる力士のような強者には無力ですが、そうでなければ彼らの力を借りるのも手ですので、覚えておいてください。」
それではよろしくお願いしますね、と言葉をかけて八咫は猟兵達を送り出した。
ヨグ
ヨグです、今回もよろしくお願いします。
動き出した信長軍、その軍勢を倒してもらいます。
第1章 ボス戦
『信長お抱え力士衆』
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POW : 正々堂々、行くぞ!
予め【四股を踏む】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 小手先の技など通じぬわ!
【巨体に見合わぬ軽快な動きで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 体一つでかかってこんか!
【怒号】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
イラスト:ヤマトイヌル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ニィ・ハンブルビー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大豪傑・麗刃
一番槍!大豪傑山でごわす!いっちょ胸を借りるですたい!オッスオッスなのだ!!
(相手がおすもうさんなので自分が想像するスモウ語で挨拶してみた)
とりあえず相手はおすもうさんなので取組前にシコを踏むらしいのだ。
なら当然妨害するのだ。シコを踏む相手の前に立ち。
必殺!零距離鬼神フラッシュ!!
で相手の戦闘力増強を妨害した後、改めて立ち合い。相手と一気に組み合う……と思わせて。
もっぺん零距離鬼神フラッシュ!!
んでひるんだ相手にダッシュ+怪力+捨て身の一撃+吹き飛ばし(とあとなんか使えそうな奴)で一気に電車道!
寄り切り(押し出し、突き倒し等になるかもしれんが)でわたしの勝ちなのだ!!
相手へのダメージ?さあ??
「一番槍! 大豪傑山でごわす!」
人垣の後ろから声が響き、力士がそちらを向いた。
その視線に人垣が割れ、そこに残されたのは大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。
「いっちょ胸を借りるですたい! オッスオッスなのだ!!」
大豪傑は自分が知る限りのスモウ語で言葉を放ちながら、力士の前に臆することなく歩み出た。
少しふざけた様子ではあるが、全くの自然体の様子に、
「ほう、お主……なかなかの手練れと見た。」
力士も大豪傑を認め、闘志を高めていた。
今ここに、二人の戦いが始まる。
素手のまま構える大豪傑を前に、力士は両手を打ち合わせる。
その音に空気が張り詰め、神聖な儀式としての相撲が始まることを予感させる。
続けて右足を高く上げ……
「必殺! 零距離鬼神フラッシュ!!」
「……ぶっふ!」
力士の目の前に広がる、大きく顔をゆがめて覗き込む大豪傑。
その変顔に、思わずバランスを崩しかけ、不完全な四股を踏む。
「おお、頑張るねぇ。」
「……立ち合いを続ける。」
怒りの形相を浮かべつつ、力士は立ち合いの姿勢をとる。
つられて領民の一人が進み出て、行事の真似をしていた。
「はっけよーい……のこ」
「もっぺん零距離鬼神フラッシュ!!」
……いつの間に近づいたのか、力士の前で渾身の変顔を作る大豪傑。
「ぐ、がはは!」
「隙ありだぜ!」
笑ってしまって力が入っていない力士に対し、大豪傑は万全の力でまわしを掴んだ。
そのまま押し、人垣の手前で踏ん張る力士を寄り切った。
「……えー、寄り切り。寄り切って、大豪傑山の勝ち!」
「やったぜ!」
勝利を喜ぶ大豪傑だったが、すぐ後ろで力士が鬼の形相で睨みつけていることに気が付いた。
「……こんな勝負は認めん!」
「ひゃー、こえー!」
そのまま掴みかかってきそうな様子に、気が付けば人垣の外に逃げ出していた大豪傑。
「いやはや、それにしても……いつやっても、このワザは自尊心がズキズキいたむ!」
自身の変顔を思い出しながら、身を隠した。
成功
🔵🔵🔴
ボゴ・ソート
帝国式レスリングの試合は急加速中の宇宙船内で行われることもあった。
自重が何倍にもなる高重力下において転倒した者が起き上がることは不可能と言ってもよく、多くの場合は敗北を意味した。
前置きが長くなったけど、要するに相撲と同じ「転んだら負け」という試合形式には慣れているといことさ。
さて、力士が四股を踏んでいる間にダガーやワイヤーを観衆に預けておこう。
タックルからの追撃こそを本領とする帝国式レスリングにおいて武器は不要なのさ。
ブチかまし、もといタックル直後に一瞬脱力して相手の油断を誘い、体勢が崩れたところを一気に投げ飛ばしてやる。
銀河帝国軍の名に懸けて勝負だ!
(使用技能:激痛態勢、怪力、投擲)
カナ・リーアス
【心情】うおー!力士なんだよー!相撲なんだよー!でっかいんだよー!でも負けられないんだよー!強者がお望みなら私が相手してやるんだよー!
【作戦】仲間と協力するんだよー!現場に駆けつけたら「おいデカブツー!この私が相手するんだよー!かかってこーい!」と四股を踏んで相撲のような動きで【挑発】するんだよー!敵の動きには【見切り】と【怪力】を用いて対応するんだよー!(できれば相撲のような動きで)そしてねこだましで【だまし討ち】した後にヒップドロップを食らわすんだよー!「へへん!体一つでぶつかってやったんだよー!どうだー!」と挑発するかのようにお尻をたたくんだよー!
「うおー!力士なんだよー!相撲なんだよー!でっかいんだよー!」
力士を指さし、興奮した様子でピョンピョンと跳ねながら、隣に立つ大きなウォーマシンに向けて話しかける、カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)。
「でも負けられないんだよー!強者がお望みなら私が相手してやるんだよー!」
「へへ、その意気だぜ。俺も昔を思い出しちまうな。」
そう答えるのは、3m近い巨体を持つウォーマシンのボゴ・ソート(ウォーマシンのシーフ × 探索者・f11583)。
「帝国式レスリングの試合は、急加速中の宇宙船内で行われることもあった。自重が何倍にもなる高重力下において、転倒した者が起き上がることは不可能と言ってもよく、多くの場合は敗北を……あ。」
気が付いた時には、カナは力士の前にいた。
あまつさえ、四股を踏む真似をして挑発しているようだった。
「いけねえいけねえ……年を取ると、どうも語りが長くなっちまうぜ。」
「おいデカブツー!この私が相手するんだよー!かかってこーい!」
女性としては発育はいいが、比較的華奢に見えるカナの姿に困惑する力士。
「ぬぅ? 我は女子供に手を上げる気は」
「どーすこーい!」
ズン!と地についたカナの足。
その四股の衝撃に、力士の目つきが変わる。
「……なるほど、立派な戦士であったか。」
「そういう事だぜ、せっかくだから俺も相手してくれよ。」
ボゴは人垣となっていた領民に武器を預け、素手のまま力士と対峙する。
「良かろう! 我は強者と戦う事こそ生きる楽しみよ!」
「その言葉、後悔しちゃダメなんだよー!」
組みつこうと向かってくるカナに対し、力士は張り手で応じる。
カナは素早く避けつつ機会を窺い、
「そこだよ!」
「ぬぅ!」
力士の目の前で一つ、手を叩く。
いわゆるねこだまし……それに気をとられた力士を、横から突進してきたボゴの体が捉えた。
「……へ、受け止めるかよ。」
「お主もなかなかの強者よ!」
ぶちかましを力士は受け止め、二人は組み合う。
そして、ボゴの体からふっと力が抜け、力士の体がバランスを崩す。
「帝国式レスリングを舐めんなよ!」
「ぬぁ!」
その隙を逃さず、ボゴは力士のまわしをとり、一気に投げ飛ばした。
仰向けに地についた力士の視界に、カナのお尻が迫る……。
「お尻でドーン!なんだよー!」
「ぐぶ!?」
高く飛んだカナのヒップアタックが力士の顔に突き刺さる。
それは地面を割り、つかの間力士は意識を失うほどの威力があった。
「へへん!体一つでぶつかってやったんだよー!どうだー!」
「へへ、いい威力だねぇ。」
力士に向けて自分の尻を叩いて挑発するカナ。
それを見ていたボゴだったが、力士が目を覚ましたことに気が付く。
「とりあえずこの辺にしておこうぜ。後はほかのに任せてな。」
「わかったんだよー!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
浅杜守・虚露
信長軍の力士っちゅうのはどんな闘いを見せてくれるんじゃ。その綱…もちろん飾りじゃないんじゃろ?
温和な雰囲気の糸目を見開き、諸肌脱ぎに僧衣を脱ぎ捨てる。
その場で塵手水の所作から身体を起こし、四股を踏み、向き合って仕切りに入る。相手を馬鹿にしてる訳じゃない。大銀杏は結ってないが、わしも力士よ。
武器も何も捨てて、正面からぶつかる。相手の右上手取ったらブン投げる。まわし付けた相手なんてわし好みじゃ。逃がしてなんぞやるもんかい。
領民に手を出さん。その気概は見事!じゃが逆に言ってやるわい。わしとの勝負を受けるんなら、遠慮無くぶつかってこい!力士殿よ!
【怪力】【グラップル】【覚悟】【気合い】【恫喝】使用
「つつ……。」
「おう、立てるかい?」
力士が目を覚ますと、牡牛の角を生やした大男が、虎のような手を差し伸べていた。
「うむ……すまぬな。」
「はは、なぁに、わしとも一番取ってもらいたくてな。その綱、相当な腕と見た。」
浅杜守・虚露(浅間雲山居士・f06081)の手をとり、自身の重い身体を引き上げる力から力量を察した力士。
「構わぬ、我としても望むところよ!」
「はっはっは! ならやろうではないか!」
そうして二人は、人垣の両端に離れて向き合った。
それまで、温和な雰囲気の糸目気味だった目をカッと開き、諸肌脱ぎに僧衣を脱ぎ捨てた浅杜守。
その場で塵手水の所作から身体を起こし、四股を踏み、向き合って仕切りに入る。
「お主もできるようだ。」
「はっはっは! 大銀杏は結ってないが、わしも力士よ!」
「ふははは! これは楽しみだ!」
完璧な作法に、力士も感嘆の声を上げていた。
かくして、領民の一人が行事として声をかける。
「はっけよーい……。のこった!」
二人とも最初にぶつかった後、すぐにまわしを取った。
ぎりぎり……と、両者とも渾身の力で相手をねじ伏せようと、一歩も譲らずにせめぎ合う。
「とった!」
「ぬぅ!?」
一瞬の隙をつき、右上手を取った浅杜守。
そのままぶっこ抜くように、力士の体をぶん投げた。
「勝者、浅杜守!」
行司役に手刀を切る浅杜守。
そして、起き上がった力士と向かい合い、
「いい戦いじゃった!」
「おう! 我も久々に楽しめたぞ!」
熱い握手を交わし、二人は離れる。
……お互いを強敵(とも)と認め、次の立ち合いを誓って。
成功
🔵🔵🔴
流神・巴
力士サマか。サムライエンパイアの人間なら誰しもが一度憧れる職業だよな。かくいう俺も力士になりたいと思っていた時期があったな。もっとも俺は女だから土俵には上がれんがね。
異界の地で学んだ至高の武術シラット。我が憧れである力士サマにどれほど通じるか……!
素晴らしき武道である相撲に敬意を表して作法通り立ち合いをしてから戦うぜ!
俺は相撲についてよく知っているが力士サマはシラットについての知識は殆どないはず
半身に構えカリ・シラットの最速の突きであるリードパンチで牽制しつつ距離を取って戦う
ただそれだけで勝てるとは考えていない。
相撲には無い技である【龍の構え<咬>】を【捨て身の一撃】で当てることを狙う
「力士サマか。サムライエンパイアの人間なら誰しもが一度憧れる職業だよな。」
赤い胴着からのびる鍛え上げた腕、動きやすく短髪にして無表情に呟く女性、流神・巴(サムライのプシラット・f00637)。
「かくいう俺も、力士になりたいと思っていた時期があったな……。もっとも、俺は女だから土俵には上がれんがね。」
「確かに。しかし、ここは土俵の上ではない。」
流神に向き合いつつ、力士が答える。
「見れば、何かの武術を修めている様子。手合わせならば、我は歓迎するぞ!」
「ああ、もとよりそのつもりだ。異界の地で学んだ至高の武術シラット、我が憧れである力士サマにどれほど通じるか、勝負!」
「応!」
作法通りに四股を踏む力士を見ながら、流神もそれに合わせて動きを返す。
武道としての相撲に敬意を表し、立ち合い直前までは作法通り。
「はっけよーい、のこった!」
「はぁ!」
立ち合いと共に、流神は半身に構えてリードパンチ(ジャブ)を放つ。
力士がそれを張手の要領で受けるように動くと見るや、パンチで牽制しながら距離をとる。
「いい拳だな。だが……それだけでは、我は倒せぬ!」
さらに力士が踏み込みつつ、張手を放つ。
「ああ、もちろん……それだけで勝てるとは考えていない!」
相撲の動きは直線的な突進になることが多い……特に、この力士は体も大きく、その傾向が強かった。
相撲をよく知る流神はそう見切り、距離をとりつつ力士の隙を伺っていた。
そして、大振りに張手を構えた瞬間を見た。
「そこだ!」
「く!?」
上段に掲げた手刀を相手の肩へ降ろす動きで、力士の張手を躱す。
そのまま流れるように、反対の拳が下から力士の顎を捉え、振りぬく。
ずん……と背中から倒れる力士を見据え、構えたまま言い放つ。
「……これが、最強の格闘技シラットの、最高の技だ。」
「勝者、流神!」
その言葉に、やっと構えを解く。
力士はシラットの動きを知らず、流神は相撲を熟知していた……それが勝負を分けたのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハロ・シエラ
力士と言う方については知っています。
巨体と怪力をもって、神前で戦う聖戦士の事ですね。
塩による聖別も行う所を見ると聖職者の側面も強いのでしょう。
オブリビオンとは言え力士は力士。
敵のルールに従う理由はありませんが……ここはお付き合いしましょう。
今回は剣は抜きません。
まずは体の大きさも気にせず組み合う、と見せかけて直前で【残像】を残しつつ【ジャンプ】して回避します。
一種の【フェイント】ですね。
可能であれば背中側に回り、ユーベルコードにて動きを止めます。
凍らせてしまえれば後は容易い。
【怪力】を発揮しつつ【グラップル】で投げ飛ばします。
これだけの巨体です、動けないまま転ばされただけでも痛いでしょう。
「力士とは、巨体と怪力をもって神前で戦う聖戦士の事、ですね。塩による聖別も行う所を見ると聖職者の側面も強いのでしょう。」
「なかなか、詳しいようだ。」
次に現れた軍服の少女、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)の語った力士像は、伝え聞いたものとしては大体合っている。
そんなハロの口ぶりから、戦う意志を持ってここに立っていること……それを力士は理解した。
「オブリビオンとは言え力士は力士。敵のルールに従う理由はありませんが……ここはお付き合いしましょう。」
「ふはは、見上げた心意気よ!」
ハロが腰のレイピアとナイフを外して領民へ渡すのを見て、力士もそのまま対峙した。
10代前半の少女と巨大な力士が向き合っている……周りの領民たちの心配をよそに、行司役が始まりを告げる。
「はっけよーい……のこった!」
そのまま両者、組み合うように前進……
「何!?」
力士の目の前のハロは残像……本人はそのまま跳び越し、力士の背後に立つ。
そして、手から赤い冷気を放ちながら、力士の背中を触る。
「痛みはありません……少し冷えますが。」
「ぐ……は……。」
力士は赤い冷気に包まれてつんのめり、凍り付いた。
霜に覆われながら固まった力士のまわしをつかむハロ。
「てい!」
そのままもぐりこむように腰に乗せ、いとも簡単に投げ飛ばす。
頭から地面に落ちた力士は、その勢いと自重で粉々に砕け散った。
「おおおお!」
「いいぞー、嬢ちゃん!」
完膚無きまでの勝利。
周りの領民たちの歓声に一礼し、内心では無事に済んだことに胸をなでおろす。
……そんなハロの耳に、大きな羽音が聞こえてきた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『大火蜂』
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POW : 種火
【自身の身体】が命中した対象を爆破し、更に互いを【火事の炎】で繋ぐ。
SPD : 延焼
【周囲の炎が燃え広がること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火事】で攻撃する。
WIZ : 不審火
自身が戦闘で瀕死になると【炎】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
気が付けば、城の周り……城壁へと迫る大火蜂の群れが現れた。
領民たちは散らばり、刀や槍を持って群れと互角に戦っているが……いつ尽きるとも知れぬ量が後に続いている。
ハロ・シエラ
以前見たことのある敵ですね。
今回も数が多いので【早業】で次々と片付けていきましょう。
領民の方が危険な目にあっていたなら【かばう】事も必要になるかもしれませんし、速さは重要です。
なのでなるべく【先制攻撃】を仕掛けていきます。
仕留め損なったら反撃を【見切り】、【カウンター】で倒していきましょう。
瀕死にすると新たな敵が出てきてしまうので、なるべく一体ずつ一気に倒して行く様にします。
もしも炎の召喚の条件が揃ってしまったなら私のユーベルコードの出番です。
どんなものなのかは知りませんが、それもまたユーベルコード。
【第六感】を頼りに力の流れを断ち切り、召喚さえ防いで見せましょう。
「以前見たことのある敵ですね。」
無造作に大火蜂へ近づき、手にしたナイフのサーペントベインで切り裂いていくハロ。
蛇切の名を持つ変わった形のナイフを操り、その素早さを活かして近づいて両断する。
蜂を倒し損ねると火となり襲い掛かってくることを知っているハロは、確実にトドメをさして回っていた。
「……それにしても、本当に数が多いですね。」
ハロが葬った蜂の数は両手でも余るほど。
それでも周りを見る限り、まだまだ湧いて出てくるようだった。
「このあたりは大体終わりましたし、領民の方々を見に行きますか。」
「てりゃああ!」
「俺たちの城はやらせねえ!」
領民たちは意外にも善戦していた。
近づかれる前に槍で突き、間近まで来たものを刀で斬り払う。
しかし、斬られた大火蜂も炎と化して、領民たちを焼こうと燃え盛る。
「ひぃ!?」
そして一人の領民が、その炎に巻かれようとしていた。
「はぁ!」
間一髪、間に入ったハロのナイフが炎を切り裂く。
「た、助かったぜ。」
「気を付けてください。あいつらには、可能な限りトドメを刺して。」
「解った。」
領民の目の前で踊るように、大火蜂の群れの中を走り、両断していくハロ。
その様子に戦い方を学んだ彼らは、確実に蜂の数を減らしていっていた。
成功
🔵🔵🔴
カナ・リーアス
【心情】うおお!力士の次はハチなんだよー!領民のみんなはやらせないんだよー!!
【作戦】真の姿となり(イェカ参照)仲間と連携。領民の方へ行かせないように敵をこちらへ【挑発】するんだよー!「蜂さんこっちらー!」そしてこっちにきたハチに【空中戦】をしかけてそのままアックスでグラウンドクラッシャーをあびせるんだよー!敵の瀕死の炎は【衝撃波】で防いでみるんだよー!
「うおお! 力士の次はハチなんだよ!」
バチン! とカナの服の胸元を止めていた紐が弾ける。
比較的華奢だったその体が厚みを増し、筋肉質に変わっていった。
そして、武骨なバトルアックスを肩にかけ、
「領民のみんなはやらせないんだよー!!」
大火蜂の群れの中へ、そのまま走った。
「く、数が多いな。」
「ああ、全く……おい、あれは!」
領民たちの前に現れたのは、斧を背負った羅刹の少女。
重そうな斧を地面に打ち付けると、瓦礫が弾けて亀裂が入った。
「蜂さんこっちらー!」
特徴的な4本の角を揺らしながら手を振り、蜂たちへ声をかけている。
その様を脅威と感じたか、蜂たちが一斉にカナへ飛び掛かった。
「いっくぞー!」
対するカナも、斧を引き抜きつつ蜂へ跳び掛かる。
「おりゃああ!」
下から振り上げて1匹を両断、その勢いでぐるぐると斧を振り回して蜂を蹴散らしていく。
そんなに硬い身体をしているわけでもない蜂たちは、あっという間に炎の欠片となって散っていった……。
「……嬢ちゃん、あぶねえ!」
と、領民たちからかかる声。
蜂を斬り捨てて落ちていくカナの周りに、蜂だった炎が寄せ集まり、飲み込もうとしている。
「大丈夫なんだよー!」
ザシッ!! と、カナの渾身の力で地面に叩きつけられた斧。
その衝撃はすさまじく、大地は割れて周囲の土が盛り上がるほど。
周囲の空気も同様に震え、巻き込まれた炎は一瞬で消えてしまったのだった。
「へへーん、どんなもんだー!」
「すげえや嬢ちゃん!」
笑顔を向けるカナに、領民たちも喝采を浴びせている。
その様を見て、さらに蜂を倒そうと走った。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
敵の数はまだまだ多いみたいなのだ。
数が多いなら、やることはひとつなのだ。
全部斬ればいいのだ。
つーことで。
右手に刀!左手に脇差(と呼ぶにはちょっと大きすぎる剣)!これで敵を斬って斬って斬りまくって全員斬ればいいのだ!
剣刃一閃!二刀流で二閃!2回攻撃で四閃!つまり1回の行動で4匹の敵を斬れるはずなのだ!(4匹倒せるとは言ってないが倒せればいいな)
これを繰り返せば100回も攻撃すれば400匹倒せるはずなのでたぶん全滅するのだ(だから倒せるとは)
村人を攻撃しようとしている敵を優先的につぶす。
敵の攻撃は見切るなり武器で受けるなりカウンターするなり当たったと思ったら「残像だ」するなり火炎耐性で耐えるなり。
猟兵達の尽力もあり、大火蜂たちの数も少しずつ減っていた。
「でも、敵の数はまだまだ多いみたいなのだ。数が多いなら、やることはひとつなのだ。」
大豪傑の前にも、炎を上げて飛び交う蜂の姿。
それを見てニヤリと笑いながら、腰に差した刀に手をかけた。
「……全部斬ればいいのだ!」
言葉とともに引き抜く、2本の武器。
右手に刀、左手に脇差……と言い張るバスタードソード。
そのまま、蜂の群れへ突っ込んでいく大豪傑。
……脇差の方が大きいのではないだろうか?
大量の蜂を前に、領民たちが槍を構えていると、
「はーはっはっは!」
そんな笑い声と共に蜂の群れへ突っ込んでいく大豪傑。
しかし、その動きは無駄がなく、
「一閃!」
右手の刀で蜂を斬り、
「二刀流で二閃!」
その勢いのまま、左手のバスタードソードが蜂を襲う。
さらに周りの蜂が動く前に体勢を戻し、
「2回攻撃で、四閃!」
大豪傑の刃が二閃し、蜂が二匹ただの火と化した。
「つまり、1回の行動で4匹の敵を斬れるはずなのだ!」
「すげえぜ! 変顔の旦那!」
「あ、いや……ちょ、ちょっとそれは忘れてほしいのだ。」
麗ちゃん恥ずかしい! と顔を覆っている大豪傑へ、蜂の群れが体当たりを仕掛ける。
「……って、隙を見せると寄ってくるのだ!」
と、先ほどまで大豪傑の立っていた場所に走る、刃の二閃。
さらに後続を襲う二閃……その蜂だった火の後ろに立つ、大豪傑。
「こんな感じなのだ、100回も繰り返せば400匹は死ぬから全部倒せるのだ。」
動きを見切ることもさせぬ速度に、領民たちは沸き立つ。
「よっしゃ! 旦那だけにやらせてらんねぇぜ!」
「俺たちもやるぞ!」
そんな彼らの勢いに、蜂たちも押されていく。
少しずつ、その数を減らしていた。
成功
🔵🔵🔴
ボゴ・ソート
皇帝陛下の御命じとあらば、たとえ火の中、水の中、どんな場所からも情報を持ち帰るのが昔の俺の仕事だったのだ。
そしてこの火や水ってのは比喩表現じゃなかったんだなあ。
話すと長くなるので昔話はここで終わり。
ようするに俺はスペシャルに頑丈であると言いたかったんだ。
せっかく【火炎耐性】があるのだからガンガン前に出て、蜂を【怪力】とダガーで攻撃する。
それと【レプリカクラフト】でレベル立方メートル(レベルトン)の水を用意して消火活動も頑張ろうと思う。
銀河帝国軍の名に懸けて、領民を勝利に導いてみせようじゃないか。
「皇帝陛下の御命じとあらば、たとえ火の中、水の中。どんな場所からも情報を持ち帰るのが、昔の俺の仕事だったのだ。」
領民と蜂の間に立ち、笑みを浮かべながら話すボゴ。
ワークギアの袖をまくると、白化した合成樹脂の皮膚が覗いていた。
「そしてこの火や水ってのは、比喩表現じゃなかったんだなあ。……っと」
「兄ちゃん、あぶねえ!」
大火蜂の突進、それをそのまま受け止めるボゴ。
「ようするに、俺はスペシャルに頑丈であると言いたかったんだ!」
蜂を抱き留める腕に力を籠めると、ギィ!と一声残して蜂が火となって消えた。
軽く胸の辺りを掃うが、着ているツナギは焦げることもない。
「へへ、じゃあ掃除と行こうかい!」
腰のダガーを抜き、蜂の群れをつっこんでいった。
……燃やされることも気にせず蜂を掴んでダガーを振るい、だいぶ数を減らした頃。
「おー……まぁ、そうなるわな。」
ふと、城の方へ目を向けると、少ないが討ち漏らしの蜂が突進し、自らを火種に白を燃やしているのが見えた。
「へへ、それも想定済みなんだなぁ!」
ボゴが指を鳴らすと、城の屋根から水が流れ始める。
大気から水を生み出し、まとめて火に浴びせかけた。
「これで城は問題ない。あとは蜂だけさ!」
「「おー!」」
鬨の声をあげる領民たちと共に、蜂たちへ突撃するボゴ。
「……銀河帝国軍の名に懸けて、領民を勝利に導いてみせようじゃないか。」
胸の内で、彼らの勝利を願いながら。
大成功
🔵🔵🔵
駆爛・由貴
【ブットバース】から参加
ハッ!ブンブンブンブンうっせーな!
そんなに燃えたきゃもっと燃やしてやるぜ!
ウェルダンでな!
バサンとオンモラキを起動させ
自分はミストルティンを装備
バサンのガトリング砲で範囲攻撃を行い敵の集団を攻撃
致命傷を逃れた個体はオンモラキとミストルティンで確実に仕留める
おーぅ…
今度は団体さんね
敵が炎を召喚したらこちらもUCを発動
電脳ゴーグルの誘導レーザーを敵集団に向けて魔力に満ちた冷水が詰まったロケットペンシルを放ち、本体ごと炎を一気に鎮火させる
ついでに燃え広がった民家があればそっちも消化するぜ
炎が消えたら残りの連中に追撃
殲滅させるぜ
わりーな!燃やすってのはありゃ嘘だ!
※アドリブ歓迎
「くっそ、あと少し……!」
「おう、こいつらで最後だ!」
領民二人が大火蜂を槍で突き刺し、何とか退けていた。
「ハッ! ブンブンブンブンうっせーな!」
数匹の大火蜂を前に悪態をつくのは、駆爛・由貴(ストリート系エルフ・f14107)
残るは裏手から来る大火蜂のみ……そう聞いて駆けつけ、自律支援ポッド『バサン』を起動し、
「おっちゃんたち伏せてなよ! ……そんなに燃えたきゃ、もっと燃やしてやるぜ!」
搭載されてるガトリングを蜂へ向けてぶっ放す。
「うひぇ、すげえ!」
「助かったぜ、ありがとうよ!」
頭を抱えて伏せていた領民二人が頭を上げると、蜂たちは燃えカス一つ残さずに消えていた。
「へっへん、どういたしまして!」
そう笑顔で返した駆爛だったが……、
「おーぅ、今度は団体さんね。」
「「え?」」
領民二人の後ろから、それまでに倒した蜂たちの残骸が、炎の津波となって向かってくるのが見えた。
「俺の後ろに下がれ! 早く!」
「わ、わかった!」
駆爛は額に付けていた電脳ゴーグルを装着、そのまま敵集団へ誘導レーザーを向ける。
そして、足元に置いたミサイルポッドから、魔力のこもった冷水入りのペンシルロケットを一斉発射した。
炎の津波に到達する直前、はじけたペンシルロケットから放たれる冷水の波に、炎が飲まれて消えていく。
「わりーな! 燃やすってのは、ありゃ嘘だ!」
そうして、その場に残ったのは水に溶けた少しの灰だけだった。
大火蜂の羽音は、完全に城の周りから消えた。
「よーっしゃ!」
「信長公だろうと、俺たちの地には足を踏み入れさせねえぜ!」
そう領民たちが喜んでいるのを見ていた駆爛だったが、辺りに殺気が満ちるのを感じた。
「……どうやら喜ぶのは、まだ早いみたいだぜ。」
殺気の主はたった一人……最後の戦いが始まろうとしていた。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『四華衆『長刀八死の曼茶羅華』』
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POW : 強い貴方には、長刀絶技【長刀八死】…参ります。
【長刀での一閃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【四肢の関節への8連突き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ごめんなさい、今すぐ、楽にしてあげます。
【即死出来ない相手に涙する】事で【虚穴となった両目を開いた姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 死を吹かす鬼吹雪。抵抗すれば、救いが遠のきます。
【泣きながら哀れむ声を上げる羅刹女】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
イラスト:カノン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「花盛・乙女」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
足音も立てずに、一人の女性が歩いてくる。
その細身の体に似合わぬ大太刀を携え、城を目指して歩き続ける。
「力士衆にも倒されず、火蜂どもに焼かれることもなく……なんと哀れなのでしょう。」
領民たちを憐みの目で見渡す女性の髪には、青い華のかんざしが挿されていた。
「このような場所で生きていくのは、さぞつらいことでしょう。……せめて私の手で、皆さまの出立の手助けを、いたしましょう。」
そう言い放つと、大太刀を構えて領民たちへ斬りかかっていった。
浅杜守・虚露
【グラップル】【怪力】【覚悟】【激痛耐性】【恫喝】を使用。
領民に斬りかかるオブリビオンを遮るように前に跳び出し、その踏み込みから衝撃波を発生させUCを使って宣言する。『領民は斬るな!さもなくば武器を捨てぃ!』
領民一人一人庇ってたらキリ無いからのう。その長物振り回したいならわしら猟兵を相手にせいよ。そう言って、的をこちらに向けさせていこうかの。
火蜂とか細かいもん相手にするのは苦手じゃから傍観しとったが、人型なら掴んで投げれるしのう!一丁、剣道三倍段っちゅう言葉を覆してやろうかのう!太刀なんざ刃触らんで刀身の腹を殴ればええんじゃ。そんくらいやっちゃるわい。
※アドリブ歓迎
「まてぇい!」
まるで虎の吼え声のような恫喝。
駆け寄ってくる浅杜守を前にして、女性も足を止めた。
「……邪魔をする、ということですか。」
「おう! もちろんじゃ。」
ドシン! 言葉と共に領民との間に踏み込む、ドラゴンの足。
その衝撃に乗せ、力ある言葉を放つ。
「領民は斬るな! さもなくば武器を捨てぃ!」
「ふむ……。」
その言葉に思案する女性。
しかし、すぐに刀を構え直し、
「いいでしょう。どのみち、あなた達を殺さなければ、彼らを斬ることはできなさそうですし。」
「ふはは! それでいいんじゃ!」
上手く呪縛を与えたことに安堵しつつ、浅杜守は女性と向き合った。
「しかし……その身に持つには、ちと長くはないかのぅ?」
「ふふふ……心配ご無用。」
軽口に対し、女性はふわりと近づき、袈裟懸けに振るう。
対して、浅杜守は軽く下がって一撃を避ける。
「ふぅ! なかなかの太刀筋……!?」
刀と共に一回りしたと見るや、そのまま左腕を狙っての突きがきた。
すぐに腕を引き、右腕で刀の腹を叩いて逸らせる。
躱されたとみるや、即座に足への突きを放つのを、横合いから手で叩き落とし……。
女性の突きが8回を数えた時、どちらからともなく距離をとる二人。
「長刀絶技【長刀八死】……まさか、いなされるとは。」
「……ふん、わしの寿命も縮んだわい。」
素早い突きを叩いて躱すも、どれも間一髪。
「剣道三倍段っちゅう言葉があったが、これなら覆せるかのぅ!」
「ふふ、対処に三倍の技量がいるならば……私がさらに早く動けば、あなたの勝ち目はなくなるでしょう。」
と、女性のそれまで閉じていた目が開かれる。
そこにあるのは、黒い虚穴……。
「さぁ、いきますよ!」
そして女性は、先ほどとは比べ物にならぬ速さで踏み込んできた。
大成功
🔵🔵🔵
ハロ・シエラ
大きな刀ですね。
あれを自在に操るとは、油断できません。
とにかく一撃入れることに専念しましょうか。
まずは【先制攻撃】を仕掛けましょう。
主に距離を詰め、私のダガー、もしくは【グラップル】の間合いで戦う為です。
刀を振り回し辛い状況にしたいですね。
今回は主にレイピアを防御、ダガーを攻撃に使います。
敵も距離を取り、自分の間合いで戦おうとするでしょうが【早業】で動きについていきます。
警戒すべきは敵のユーベルコード。
最初の攻撃を受けてしまうと、返す刃で行動不能に追い込まれかねません。
なのでその一閃のタイミングを【第六感】で感知し【カウンター】でこちらのユーベルコードを叩き込みます。
さて、上手くいきますかね。
女性のすぐ横から飛び込む、小柄な影。
「く!」
「……早いですね。」
距離を詰め、即座に反応してきた女性の刀をレイピアで受け流すハロ。
「見えていないのに……いや、見えていないからこそ、ですか。」
「おのれ、ちょこまかと。」
ほぼ肉薄、その距離からダガーを振るうハロの動きを敏感に察して躱し、距離をとろうとする女性。
しかし、それをさせずに食らいついていくハロ。
「その大きな刀、自在に操らせたら勝ち目はないですから。」
「……なるほど、その判断は正しいですね。」
女性の、長刀を握る手に力が入る……。
「く!?」
「……この時を、待ってました。」
強引に周囲を一閃しようと手が動いた……その瞬間、太ももに突き刺さるハロのダガー。
同時に体を沈め、長刀の刃を避ける。
「これで、あなたは早く動けません。」
「ぐ、ああ!」
ダガーを抜き取り際の一閃で、女性の太ももの肉を切り裂く。
反撃とばかりに腕だけで振るう長刀をレイピアで弾き、そのまま距離をとった。
「まったく……何とか一撃は入れられましたね。」
「く、ふ……ふふふ……。」
ダガーについた血を軽く払いながら女性を見ると、肩を震わせて笑みを浮かべている。
「……まだ、狂うには早いのでは?」
「いいえ、ふっふふふ……狂ってなど、おりませんよ。」
流れる血もそのまま、改めて刀を握り直す女性。
「あなた達ほどの力ある方を、葬れることがうれしい……それだけです。」
言葉に喜びが混ざる答えに怖気を感じ、改めて武器を握り直すハロ。
「訂正するわ。あなた……完全に狂ってるのね。」
成功
🔵🔵🔴
ボゴ・ソート
※アドリブ・連携歓迎
「俺はそう簡単に死なないんだ」
両手にダガーを持った状態で、おもむろに敵の間合いへ足を踏み入れる。
ここであえてスキを作って片腕を切り落とさせてしまおう。
腕が1本無くなった分だけ身軽になり、更に重心がずれたことで動きも変わる。
その瞬間こそが反撃のチャンスだ。
【激痛体勢】と【怪力】で無理やり体勢を保持しつつ、残った腕とダガーで【シーブズ・ギャンビット】を食らわせて、そのまま刀の間合いの外まで走り抜ける。
斬られた腕はフック付きワイヤーで回収しておくよ。
後で修理すればまたくっつくからね。
「俺はそう簡単に死なないんだ」
そんな女性の元へ、ゆらりと近づく大きな影。
「強いのと戦いたいなら、相手になるぜ?」
ダガーを両手に持って歩いてくるボゴの声に、見上げながら刀を構える女性。
「……ふむ、あの力士よりも大きいとは。」
「へへ、俺たちを葬りたいんだろ?」
へらへらと語り掛けてくるボゴの足音と気配……その様子から、女性はこう考えていた。
隙だらけだ、女だと油断している、と。
「だったら相手してくれよ。」
「ええ、お望み通り……。」
そして、ボゴが間合いに入る。
無遠慮に、長刀の間合いに。
「救いを、与えましょう!」
長刀の一閃……辛うじて避けるが、振り上げられた腕ががら空きだ。
返す刀でもう一閃。
切っ先がボゴの腕を捉え、切り離される。
「他愛のない。」
しかし、即座に残る腕のダガーが女性へ襲い掛かる。
「俺は、そう簡単に死なないんだ。」
「……っ!?」
普通なら、痛みに身動きが取れなくなる……そう考えていた女性へ、ボゴは変わらず斬りかかっていった。
腕一本分の重さがなくなり、その分勢いを増して頭上から降りかかるダガーは、女性の背中を切り裂いた。
「油断したね、お姉さん。」
「この!」
追いかけるように長刀が振るわれるが、その時にはすでにボゴは間合いの外にいる。
「へへ、一撃与えりゃ十分さ。」
「それが、腕一本分の価値ですか……。」
度し難い。
そうつぶやいた女性の足元から、切り離された腕がボゴの手元へ飛んだ。
「言ったじゃん? 俺はそう簡単に死なないんだ、ってね。」
ワイヤーフックに引かれた腕を掴み、その場を離れるボゴ。
「人と違って、修理すりゃ直るのさ。」
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
どうやらかなりの使い手のようなのだ。
ならば今回は剣士として相手をしなければならないのだ。
大豪傑として!!
さて相手は8回斬ってくるらしいのだ。
ならばそれに対抗するには。
武器8本(刀×2、ソード×2、斧×2、槍、バールの略)!
わたしは変態だが常人ならこれは扱えぬ量だということぐらいは理解できるのだ。だがわたしには使える。なぜならわたしは変態だから。
(スーパー変態人発動!!)
あとはなんとかして片手に4本ずつ計8本(さすがに無理あるなら両手に2本ずつ残り4本は背負って交換)!これで相手の8回攻撃に対抗するのだ!
あれ?そも初撃を外せばいんじゃね?見切り残像武器受け武器落としカウンターとかあたりで。
「どうやらかなりの使い手のようなのだ。」
先ほどまでの戦いを見ていた大豪傑にも、女性の技量は相当高いのがわかる。
「ならば今回は剣士として相手をしなければならないのだ。」
大豪傑として!! そう気合を入れ、女性の前へと駆けた。
ガシャ、ガシャ……
「新手か!」
「いかにも! 大豪傑家の剣士として馳せ参じたのだ!」
ガシャ……長刀を構えた女性の前に大豪傑が立つと、音も止んだ。
「その音……武蔵坊でもあるまいに。」
武蔵坊弁慶、千本の武器を集めることを誓った者に例えられたように、大豪傑の背には武器が複数背負われていた。
「ふっふっふ……普通の人ではこの数を、同時に扱うことはできないのだ。」
と、ここで大豪傑は背の武器に手をかけ……指と指の間に挟むように4本ずつ、武器を手に取り、
「だが、わたしには使える。なぜならわたしは変態だからだ!」
気合と共に言葉を放ち、構えた。
刀、ソード、斧を両手に1本ずつ……さらに、右手に槍と左手にバールを持って。
「これで! 8回の突きを全て受け止めるのだ!」
「……度し難い。」
何をするのかと見極めていた女性も、大豪傑の行動に頭を抱えたくなる。
「貴方には、特に救済が必要ですね!」
一気に踏み込み、最初の一閃が
「麗ちゃんつかれたじょ……。」
「!?」
ふっと力が抜け、武器と共に身体を倒した大豪傑の上を、女性の長刀がすり抜ける。
持っていた8本のうち重い物は手を離れたが、使い慣れた刀を踏み込んで自身の上にいる女性へ斬り上げる。
「く!」
女性の腕を刀で斬りつけ、ひらりとその場を離れる大豪傑。
「そも、初撃を外せばいんじゃね? 麗ちゃんのやり方は合ってたのだ。」
成功
🔵🔵🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
【グロNG・WIZ】
ダークセイヴァー出身の私には
死んで楽になるのが救いって思考も分かるけど
誰だって一番の望みは幸福に生きる事
貴女からは……
慈愛と、人を斬りたい私欲を感じるわ
気を悪くしないで。嬉しいの。
きっと私達は似た者同士だから
【呪詛】を唱えて相手の動きを鈍らせ
攻撃を【見切り】夜魔の翼の【空中戦】で上空へ逃げ
【属性攻撃】の雷で反撃
相手が感電してる間に【電撃耐性】で抱きしめ
包帯の【ロープワーク・早業】で自分ごと捕縛。
密着によって刀を封じ『愛の想起・花と鳥の小夜曲』で
相手の強化を解除し、私は戦闘力増強
お尻や足への愛撫と
濃厚なキスで【生命力吸収】
死霊術と快楽による永遠の幸福。
それが私の慈愛にして私欲
「死んで楽になるのが救いって思考も分かるけど、誰だって一番の望みは幸福に生きる事よ。」
腕や足、背中などを斬られて満身創痍の女性の前に立つのは、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
「貴女からは……慈愛と、人を斬りたい私欲を感じるわ。」
「貴方に、私の何がわかるというのですか!」
女性の怒気のこもった声に対し、
「気を悪くしないで……嬉しいの。」
ドゥルールは笑みを返していた。
「きっと私達は、似た者同士だから。」
「……ほざくな!」
残る力で斬りかかる女性。
しかし、その時にはドゥルールは宙へ飛び、魔力の雷を落とした。
「ぐ、あ……!」
「貴女は、愛し方を間違えたの。」
そして、感電する女性に背後から抱き着き、刀を振るえぬように包帯を巻きつける。
「教えてあげるわ……じっくりと、ね?」
「離しなさい! はな、むぅ!」
ドゥルールの唇が騒ぐ女性の口を塞ぐと、抵抗はすぐに弱まっていった。
いつの間にか周囲に浮かぶ、霊体のアルラウネとハーピーの歌声に包まれて……女性の体は崩れ、黒い塵となって風に溶けていった。
「……儚いものね。」
ドゥルールが吸い上げようと触れた時には、女性の生命力はほとんど残っていなかった。
わずかながら手に残る、女性の魂の温もりを握りしめ、
「死霊術と快楽による永遠の幸福……それが、私の慈愛にして私欲よ。」
その場を後にしたのだった。
こうして猟兵達は、信長軍の侵攻を食い止めることができた。
猟兵達との共闘は、領民たちにとってもいい経験になったことだろう。
その領民たちも兵装を解き、田畑と向き合う日々に戻っていく。
狭いながらも平和な、元々の領地の姿に。
成功
🔵🔵🔴