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普通の村の日常のために

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「サムライエンパイアの世界のとある村でオブリビオンがちょっかいを出そうとしてるらしいんだ」
 カナ・ディラックが皆の前で説明を始めた。
「それなら、早速送ってもらおうか、どんなオブリビオンだ」
 そう問う猟兵に、すまなそうにカナが答える。
「ごめん、まだはっきりわからないんだ……ただ言えるのは、今はまだ村にオブリビオンは現れていない事。けれど、その内には本格的に集結して、群れで襲おうとしているらしい事。もし襲われたら、その被害は甚大なものになるだろうという事」
 それを聞いて猟兵たちがざわつく。
 だから、その村で直接情報を集めてほしいと彼女は言う。
「こちらから具体的な情報が出せないのは本当に残念なんだけど、そんな訳で、皆には、とりあえず、その村の神社に向かってほしい」
「何で神社なんだ?」
「ちょうど今、村で夏越の祓が行われている頃なんだよ。だから、神社に出店も出ていて人も多く集まっているはずだから、情報も集まりやすいんじゃないかなって。あと穢れを紙の人形に移して川に流したり、茅の輪っていう大きな輪をくぐる厄落としもしてるみたい。皆も参加したらどうかなって思ってるよ」
 そうして夏越の祓を楽しんでいれば、自然と向こうでは物の怪とみなされているオブリビオンらの情報も集まってくるはずだとカナは言う。
「いずれはオブリビオンらとの対決にはなるはずだけど、今はとりあえず、この行事を皆が楽しんでくれればいいなって思ってる、それじゃ、今からサムライエンパイアに送るね。いってらっしゃい!」


八雲秋
『第一章のプレイングの投稿は日曜日辺りからにして頂けたら嬉しいです。』

 第1章は神社で遊ぶをメインにしています。一人で出店を楽しむもよし、お友達とお誘い合わせてご参加頂いても良いかと思います。
 勿論、ストイックに情報を集めるに専念してもらっても構いません。

 第2章で小さな事件が起き。第3章でオブリビオンらとの対決となります。
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第1章 日常 『神社仏閣での祈祷』

POW   :    情熱をこめて祈願する。

SPD   :    礼節を重んじて祈祷する。

WIZ   :    心のそこから祈願する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

薬師神・悟郎
祭りとは子供が多そうだな…喋るのは問題ないが、触れ合いは苦手なんだよな…
なるべく接触しないよう避け、茅の輪がある方へ行ってみるか
どんなオブリビオンを相手にするか分からない以上、しっかりと厄は落としておきたい
(…肝心な所で運悪く失敗なんてしたらたまらない)
心の中で強く願いながら、茅の輪をくぐる
(頼むぞ、神様)

商人なら噂や情報に聡い者も多いはずと、出店まで赴きざっと周囲を見回す
何やら、話込んでいる者達がいればさり気なく傍へ行き『聞き耳』
オブリビオンに関係する話題が聞こえれば、声を掛け
情報が得られれば、商品を1つか2つ手に取った後、金を支払い礼を言う

…時間があるならもう少しだけ情報収集を行っていくか



 神社の入り口、鳥居の前辺りで薬師神・悟郎が様子を見ていると、人々が楽しげに境内へ入っていく姿が見える。
「子供も多いな」
 話す分には構わないが、子供相手のふれあいはどうも苦手だ。
 子供たちが騒いでいる場所を避けながら、茅の輪がある方へと向かう。どんなオブリビオンが現れるかは、まだ分からない。ならば、せめて厄はしっかり落としたい。
 肝心な所で運悪く失敗なんてしたらたまらない……頼むぞ、神様。生真面目に、心の中で強く願いながら茅の輪をくぐった。
 そのまま境内に向かい出店の並ぶ中をざっと見回す。店を冷やかすというよりは情報集め。商人なら噂も聡いものがいるだろう。
 店屋と村人が二人で話し込んでいるのに聞き耳を立てる。
「ここの村はいいな、それに比べて、東の村ときたら、ごうつくばりでな」
「あそこの庄屋、羽振りがいいんじゃないか」
「ああ、金にあかせて、珍しいものを集めてるらしいぜ、けど、俺が行ったところでさっさと帰れてなもんだ」
 悟郎が、すまないと二人に声をかける。
「聞けば村を回っているようだが、この村に来る間に何か変わったものを見たりはしなかったかな」
 店屋が首をひねり、答える。
「そうだな、ここに来る時、夜、ぼんやり光るものを見かけたな、何だ? と思ううちに消えちまったけど」
「そりゃ、蛍じゃないのか? ウチの村のちょっとした名物だ」
 村人が問うと、店屋は首を横に振り、
「いや、蛍にしちゃ、光が青白かったな」
 悟郎が話を聞いたのは飴細工屋、飾られている中から一つ抜き取り、金を払いながら言う。
「色々教えてくれてありがとう、こいつを頂くよ」
 悟郎は境内を歩き、箸に巻きつくように作られた、竜の飴細工をくるくる回しながら、呟いた。
「時間があるようだし、もう少しだけ情報収集を行っていくか」

成功 🔵​🔵​🔴​

マクベス・メインクーン
望兄ちゃん(f16824)と
オブリビオンと戦う前に遊ぶぞ~っ!
望兄ちゃん奢ってくれるってまじ?
何から食べようかな~♪

あ、オレあれ食いたい
りんご飴!
赤くてキラキラしてて綺麗じゃん
望兄ちゃんの目みたいだしっ!
(言いながら齧り付いて)
ゆー兄ちゃんのお土産にも一個買っていこうぜ
きっと気に入るだろうしさっ
オレイメージのかき氷って、かき氷も込み?
まぁ食うけど(一口もらい)

そういえば芽の輪っていう
厄落としの輪っかがあるらしいぜ
望兄ちゃんくぐってみる?
オレ迷信とかあんま信じねぇけどさ
こういうイベントもたまにはいいよなっ!


氷月・望
弟分のマクベス(f15930)と

うっし、マクベス!今日は俺の奢りってコトで!
好きなモン買って、食ったり見たりして楽しもうぜ
戦う前の腹拵えは大事だしな

おおー、林檎飴とか懐かしい
結構大きいな……つーか、俺の目だけ褒められてる?
俺はかき氷で、味はレモンとブルーハワイにすっか
マクベス、一口いるかー?冷たくて美味いし
……コレ、お前イメージのかき氷だケドな(けらけらと)

もち!ゆーくんにも土産買おうぜ、ソレ以外の選択肢はねぇ!
どういうのがいいかねぇ……小さな猫の置物とか?
厄落としの輪っかって、俺達が潜る方かーい!輪投げかと思ったわ!
俺もこーいうの信じてねぇケド、まァ……大事な弟分との記念にはなるかね



「オブリビオンと戦う前に遊ぶぞ~っ!」
 マクベス・メインクーンが元気よく手を振り上げるのを楽しげに見守る氷月・望は、
「うっし、マクベス!今日は俺の奢りってコトで!」
 と自分の胸をドンと叩く。
「望兄ちゃん奢ってくれるってまじ?」
「おう。好きなモン買って、食ったり見たりして楽しもうぜ、戦う前の腹拵えは大事だしな」
「何から食べようかな~♪」
 マクベスはそれならと、あちらこちら覗きながら歩く。それから、あ、と声をあげ、店を指さす。
「オレあれ食いたい。りんご飴!」
「おおー、林檎飴とか懐かしい」
 望が結構大きいなと眺めていると、隣でマクベスはりんご飴を空にかざし、
「赤くてキラキラしてて綺麗じゃん、望兄ちゃんの目みたいだしっ!」
 そう言いながら齧り付く。
「……つーか、俺の目だけ褒められてる?」
 望はりんご飴をじっと見て、複雑な顔をする。その様子に気づいてか気づかないでか、マクベスはそうだと呟き、
「ゆー兄ちゃんのお土産にも一個買っていこうぜ。きっと気に入るだろうしさっ」
「もち! ゆーくんにも土産買おうぜ、ソレ以外の選択肢はねぇ! すいません、もう一つください」
「あいよ」
 望は店を見回しながら、マクベスに言う。
「他はどういうのがいいかねぇ……小さな猫の置物とか?」
「うん、いいじゃん、それにしようぜ」
 置物を買い、次は自分の買い物をと望が店を回る。
「俺は、何か冷たいものがいいな」
「おいしい色付き水はどうだい、よく冷えてるよ、甘いよ」
 お店の人の呼びかけに振り返ると、色とりどりのシロップらしきものが並んでいる。
「じゃあ、レモンとブルーハワイ……じゃなくて黄色いのと青いので」
「あいよ、蛍も出る位のきれいな川の流れに付けて、よく冷やした水だ!」
 受け取って、少し飲む。うん、とうなずき、
「マクベスもいるかー? 冷たくて美味いし」
 器を差し出す。
「かき氷は流石に無いよな」
 残念そうなマクベスの顔を見、望は、
「本当なら、この2色合わせて、お前イメージのかき氷って言いたかったケドな」
 やり返したとばかりに、けらけらと笑う。
「オレイメージのかき氷って、かき氷も込み? まぁもらうけど……これもうまいな!」
 二人は拝殿に向かう。マクベスが言う。
「そういえば芽の輪っていう厄落としの輪っかがあるらしいぜ」
「へぇ」
 相槌を打ちながら、望はぼんやり思う。厄落としの輪、厄を輪に付けて投げるとか?
 拝殿に着いた彼らの前にあったのは直径4,5Mはあるだろう大きな輪だった。
「厄落としの輪っかって、俺達が潜る方かーい! 輪投げかと思ったわ!」
 望は思わず輪にツッコミを入れる。
「望兄ちゃんくぐってみる?」
 各々願いを込め、茅の輪をくぐる。マクベスが望を振り返り、言う。
「オレ迷信とかあんま信じねぇけどさ。こういうイベントもたまにはいいよなっ!」
 望も頷き返し、
「俺もこーいうの信じてねぇケド、まァ……大事な弟分との記念にはなるかね」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

紫谷・康行
異国のしきたり
いや、異世界のだね
感謝したり、恐れたり
そこの人々に大事にされているなら敬意をもって臨もう

魔術はそこにある心を大切にすることから始まる
込められた心が力を生む
自分だけの力では何もできない
世界の、その場の心と意志を通じさせて
初めて力を持つ
俺の流儀では、だけどね

せっかくだし厄払いをしながら話を聞いて回る
謂われを聞きながら輪をくぐり、人形を流したりする
「誰かを健やかにするには自分が健やかである必要があるだろう。やってみるかな」

その後は屋台を回り肉を食べつつ酒を飲み
村の外に出ている猟師などに話を聞く
村の外で何か変わったところが無いか
見慣れない足跡があったり
何かがいる形跡はあったりするかを聞く



「これはそもそも日本神話からのものでしてね」
「そうなんですか」
 紫谷・康行は茅の輪の前で宮司からその由来を聞いていた。
「貧乏にもかかわらず神を懸命にもてなした男に、神が『茅の輪を腰につけなさい、そうすれば疫病から逃れられます』と」
 康行は自分がゆうにくぐれるほどの輪を見ながら、 
「それが随分大きな輪になったなあ」
「はは、そうですな……よろしかったら、あちらの川で人形流しもありますよ」
 宮司に礼を言うと、彼は茅の輪に向かい、呟く。
「誰かを健やかにするには自分が健やかである必要があるだろう。やってみるかな」
 康行は川へ向かう前に拝殿で拝む。
「異国のしきたり……いや、異世界のだね」
 神に感謝したり、災厄を恐れ穢れを払う、ここの人々が大事に思う行事ならば敬意をもって臨もうと思う。
 彼がそこにある心を大切にしたいと思うのは、それこそが魔術の始まりとなるものだと思うからだ。
 込められた心は力を生む。けれど、それはけして自分だけの力では為しえない。
 川に着き巫女さんに渡された人形に巫女さんの説明に従って息を吹きかけ、穢れを移す。
「それから人形を川に浮かべてください」
「はい」
 流れてゆく人形を見送りながら彼は思う。
 自分だけの力だけでなく、世界の、その場にある心と意思を通じさせて、初めて魔術として力を持つ。それが彼の流儀。
 厄落としの後は屋台を回る。山くじらを食いつつ酒を飲み、同じように楽しんでいる男たちに声をかける。男たちは猟師だと言う。ならば、村の外を出る機会も多いだろう。
 康行は村の外で何か変わったところが無いか、見慣れない足跡や何かがいる形跡はなかったか尋ねる。
「そう言えば俺らじゃない足跡を見かけたな、川の辺り。何人かいたようなのが」
「何人というと獣じゃなくて。人の?」
 猟師の答えに康行は問い返す。
「ああ、川の近くにな。破けた網が捨ててあったりもしたな。魚でも獲ってるのかね。荒らされたら困るよな、蛍も減った気がするし」
「俺は村の者じゃない奴を見かけたな『何をしてるんだ?』って聞いたら、そそくさとどこかに行っちまったけど」
 男たちに礼を言い、しばらく一緒に酒を楽しむ。
 猟師の話に出てきたのはどうも、人型のオブリビオンという訳ではなさそうだ。人が何か悪さをしているのだろうか、酒を片手に康行は考えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
SPD行動

祈祷した後、神社の中の出店を練り歩く
酒の振る舞いや、美味そうな物を見つけたら貰ってどこかに座って飲み食いしながら境内の様子を眺める

さて、情報収集か。そういうのは得意じゃないんだが、まぁ、やるしかないよな
酒を飲んだり、出店の料理を食べながら周りの話に聞き耳を立てる。何か気になる事を言っていたら、酒を飲みながら何の話をしてるんだい?と気さくに話しかける
興味を惹かれる無いようだったら詳しく聞いて、お礼だよ。と酒のつまみに貰った料理を相手に差し出す。



 御剣・刀也は丁寧に、作法を守り祈祷し終えると、神社の中の出店を練り歩く。
 振る舞い酒を有難くいただきながら、行き来する人々を眺める。
「さて、情報収集か。そういうのは得意じゃないんだが、まぁ、やるしかないよな」
 屋台の出店で飲みながら、客同士の噂話に聞き耳を立てると聞こえてきたのは。
 最近、怪しいよそ者がうろついているという話。
「何の話をしてるんだい?」
 刀也は気さくに話しかける。聞かれた男は少し慌てた様子で、
「ああ、兄ちゃんの話じゃねえぜ、もっとガラの悪い野郎が……」
 と、屋台の外から男のだみ声が聞こえてきた。
「ねえちゃん、一緒に飲もうぜ。かんざし買ってやるぜ。金はあるからな」
「そうそう、俺たちお金持ちなんだよ」
 二人組の男が村娘に絡んでいる。
「あの、私用事が……」
「いいじゃんか」
 男が娘の腕を捕まえようとするところを、
「待てよ」
 刀也が後ろから男の肩を掴む。
「ああ? 何だよ、お前、邪魔すんのかよ……こっちは二人いるんだぞ?」
「別に構わないぜ」
 すごむ男に、刀也は平然と返す。
「何だと?」
 男が懐から何か出そうとすると、別の男が男を止めながら、小声で言う。
「おい、あんまり騒ぎを大きくすると兄貴に怒られるぜ」
「ちっ……これぐらいで勘弁してやらぁ!」
 男たちは捨て台詞を残し、境内を出ていく。
 つまらなそうに男らを見送る刀也に屋台にいた村人が声をかけた。 
「ありがとうよ兄ちゃん。あれだよ、怪しいよそ者って言ってたのは。他にもいるけどな」
「そうだったのか……ああ、そうだ、先程の話をしてもらったお礼をしなければ」
 男は笑って刀也の背中を叩く。
「いやいや、兄ちゃん、そんな事言わないで一緒に飲もうぜ、礼を言いたいのはこっちの方だからな」
 刀也も、ふっと笑い、
「ああ、それなら、もう少し飲むとするか」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『蛍を守れ!』

POW   :    蛍を狙う不届き者を成敗する

SPD   :    安全の為に素早く蛍を捕獲し避難させる

WIZ   :    魔力等で擬態蛍を作り不届き者を誘き寄せる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 深夜、月明かりのもと、提灯を持った男、4、5人が蛍飛び交う村の近くの川辺に来ていた。すると、各々網を取り出し、振り回しては蛍を捕まえていく。
「へへへ、今日もごっそり、蛍いただきだ、ちょろいな、兄貴」
「おうよ、兄弟。
これを東の村の成り金庄屋に売りつければ大金に変わるって言うんだから、笑いが止まらねぇや」
「この村の奴らが騒ぐと面倒だと獲物も持ってきちゃいるが、必要なかったっすかね」
 男の一人が胸元のドスを見ながら、言うと、兄貴分らしき男は、
「いや、用心するに越したこたあねぇ、俺だってドスを飲み込んでら」
 他の男らも口々に言う。
「それに、村の奴らはともかく、獣が出るかもしれないしな」
「ああ、それと幽霊も」
「幽霊? そんなのいるかよ」
「俺、見たんだよ。ぼんやりした煙みたいなのが、集まってて、それから光り出したんだ。人魂みたいに。なにかと近寄ってみたら消えちまったけど」
「酔っぱらってたんじゃないのか?」
「いや、そんなはずは! ……無いと思うんだけどな」
「まぁ、いい。お前ら、さっさと仕事をしちまえ!」
「承知!」
 兄貴分の掛け声に、兄弟分らも声をあげた。
氷月・望
弟分のマクベス(f15930)と

マクベース、とりま写真撮っていい?(スマホ構えつつ)
いやー、弟分があまりにも可愛いから……つい?
盛大にビビらせて、ついでにボコるかァ 

……炎の精霊ってそういう使い方もあるんだな
俺はマクベスが見えて、姿を隠せる様な茂みに潜む
盗人共が幽霊だと勘違いした所で、暗闇に赤い目を光らせる
「ホタル……ホタル、ドコ……ホタルドコ゛ォ゛ォ゛ォ゛!?」
低い声でこう、化物登場みたいにして更にビビらせる

……ハァイ、大人しくお縄につきやがれ?
(ワイヤーの【Malice】で【だまし討ち】の様に捕縛しようと)

あ、ふん縛ったヤツらをバックに写真撮るか
ドッキリ大成功☆なーんつってな?


マクベス・メインクーン
望兄ちゃん(f16824)と
蛍泥棒かよ、風情のない奴らだな
せっかくだし幽霊とか信じてんなら
思いっきり驚かせてやろうぜっ!
って、写真撮んの?まぁいいけど

炎の精霊の力で小さな炎の玉を作って
遠くから蛍の光に見せかけて【誘惑】して
近づいたところで炎を集めて幽霊特有の火の玉へ

【変装】で白無垢姿の髪の長い女の幽霊に化けて
思いっきり幽霊だと思わせる【演技】して迫るぜっ
「私の蛍……返して…、返せぇ……!」
ビビらせたとこで望兄ちゃんに
蛍泥棒たちを掴ませて貰う

ふっふーん、してやったり~♪
やっぱこういう悪ふざけは望兄ちゃんとすんのが
1番面白いかもなっ!



「蛍泥棒かよ、風情のない奴らだな……あ、そうだ」
 マクベス・メインクーンは何か思いついたという表情を浮かべ、氷月・望に言う。
「あいつら、幽霊とか信じてるみたいだったよな」
「ああ」
「せっかくだし思いっきり驚かせてやろうぜっ!」
「うんうん、そうだな。マクベース、とりま写真撮っていい?」
 望は頷きながら、スマホをマクベスに向け構える。
「って、写真撮んの?」
「いやー、弟分があまりにも可愛いから……つい?」
「まぁいいけど」
 マクベスもなんだかんだとポーズをとる。
「盛大にビビらせて、ついでにボコるかァ」
 撮りながら望が言う。
「だな」
 2人顔を見合わせて、にやりと笑った。

 夜になった。男たちが川へとやってくる。
 マクベスが物陰から、炎の精霊の力で、男らに見えるよう小さな炎の玉を作っていく。
「お、あっちに蛍の群れがいるぜ」
 マクベスは炎の玉を蛍が舞うように操り、それを見て男たちはやすやすと誘惑され、炎に向かって歩み寄っていく。
「……炎の精霊ってそういう使い方もあるんだな」
 望は姿を隠せる茂みに潜み、そのマクベスの動きを見守る。
 男たちが集まってきた。
「よし、この辺で」
 マクベスは炎を集めていく。 それは塊となり、青白く光り、まるで幽霊の周りを漂う火の玉のように、ふわりふわりと。
「ひぃっ! 鬼火!」
 一人が叫んだ所で、川辺に恨めしげな声が響く。
「私の蛍……返して……、返せぇ……!」
 彼らの前に、白い着物を着た長い黒髪の女の幽霊が姿を現した。その正体はマクベスが変装したものだ。
「う、うわぁ!」
 男らが次々と悲鳴を上げる。
「何だ、あれ!」
 誰かが指さした先。暗闇に赤い目が光る。
「ホタル……ホタル、ドコ……ホタルドコ゛ォ゛ォ゛ォ゛!?」
 先程の幽霊とはまた違った、低い、恐ろしげな声。
「幽霊! いや、こっちは化け物ぉ!」
 悲鳴を上げる者、腰を抜かす者、男らはマクベスと望に包囲され、逃げだすこともできず、一カ所に集められていく。
「ひぃ、蛍はここだよぉ」
「蛍は返すよ!」
 男らが震え切った声をあげる姿に、望は笑いをこらえながら、Maliceを取り出す。
「……ハァイ、大人しくお縄につきやがれ?」
 さっと、ひと振りすれば、リール付きのフックワイヤーが巻きつく。男らは抵抗する間もなく、縛り上げられていく。
「ふっふーん、してやったり~♪」
 マクベスが前髪を上げ、男らを覗き込むと彼らも変装に気づき、
「な、偽物? くそ、やられた!」
 悔しそうに言うが、もう手も足も出ない。
「あ、こいつらをバックに写真撮るか」
 望がスマホを取り出す。マクベスも、いいねと返す。
「やっぱこういう悪ふざけは望兄ちゃんとすんのが1番面白いかもなっ!」
「俺もだ」
 捕まって縛り上げられた男らをバックに、二人は、にいっと笑って、スマホのレンズに向かってVサインを決めてみせた。
「ドッキリ大成功☆なーんつってな?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御剣・刀也
POW行動

ふぅ。蛍を狙う不届き者が居るかと思えば、昼間の馬鹿どもじゃないか
お前ら如きがこんな下らないこと考えるとは思えないし、その後ろに居る庄屋について話してもらうか?
嫌とは、言わないよな?

蛍を狙ってきた不届き者たちを峰打ちで成敗する
一応一般人なので多少加減はするが、悪党にそこまでしてやる必要あるだろうか?と考えてそれでも一応一般人。と手加減する
「はいはい。言い訳とかは詰所の役人が聞いてくれるからよ、俺らの質問に答えてくれ。嫌って言ったら、分かるよな?」
と、殺気を織り交ぜて優しく(脅迫)して聞き出す


紫谷・康行
なるほど、誰かがいるというなら網を張ってみようか
蛍が減ったというなら蛍を餌にね
本物じゃ無くてもいいだろう
ただであげることも無い
幻を追うといい

【コード・イン・メモリー】を使い蛍の舞飛ぶ景色を見せる
事前に村人から蛍が出る場所を聞いておく
昼間にその場所に行き隠れられる場所を探しておく
夜になるのを待ち蛍の出る川辺に向かい
事前に見つけて置いた場所に潜みたくさんの蛍が瞬き飛ぶホログラムを展開する

「忘れられぬ光よ。お前は何を思い空を飛ぶ。在りし日の光を今ここに」

できれば仲間と行き怪しい人物のおびき寄せを担当する

一人の時は不審者が集まってきたら真昼の太陽の光を映し出し目を眩ませたところを捕らえていく


薬師神・悟郎
事前にロープの準備
『迷彩』を施した外装を羽織ってから行動

『聞き耳』で水の音を探すと、不届き者がいるだろう蛍の生息地へ向かう
不届き者を発見すれば「さっさと縛り上げて吐かせた方が早いか」と
『忍び足』で『目立たない』ように奇襲をかけ『気絶攻撃』
ドス等の装備を剥ぎ取った後はロープで縛りあげる

「こいつは村の自警団か何かで引き取ってもらうとして…ああ、そうだ。聞く事があったな」
自由を奪った状態で気絶から叩き起こし、この辺りで変わった出来事はなかったか苦無で脅し尋ねる
これ以上の情報を得られないと判断すれば、笑顔で礼を言い『気絶攻撃』

また『追跡』中、蛍用の罠、罠にかかった蛍を見つければ
罠の解除と蛍を解放する



「なるほど、誰かがいるというなら網を張ってみようか、蛍が減ったというなら蛍を餌にね」
 紫谷・康行の言葉に、御剣・刀也と薬師神・悟郎も同意し、
「蛍を捕まえてる所を押さえるか」
「ロープを用意した方がよさそうだな」
 刀也と悟郎が話している所に、
「待って。本物を捕まえさせて、ただでやることも無い」
 康行が言う。
「本物を捕まえさせないというと?」
 二人の疑問に康行は少し笑みを見せ、
「とりあえず現場を見に行こう」

 夜、闇に紛れるように、男らが現れた。
 猟兵たちは昼間に調べをつけておいた隠れ場所にそれぞれ潜む。
 康行が唱える。
「忘れられぬ光よ。お前は何を思い空を飛ぶ。在りし日の光を今ここに」
 コード・イン・メモリーの力でホログラムが展開された。
 先日、人形を流した川、夕べには蛍が飛び交い、そして今は深き夜。この世界に、この場にそぐう幻を映し出す。
 彼の言葉と共に、たくさんの蛍が瞬き飛ぶ。それは誰もが現実のものと見まごう精巧な物。
 気づくはずもなく、男たちは幻の蛍に近づいていく。
「くく、今日も沢山、飛んでくれてるじゃねえか」
「ああ、この前来た時よりも多いんじゃないか?」
 男たちが小声で話す。そして各々が蛍に向かって網を振るうが、当然、空を切るばかり、
「それ! あれ? 捕まらねえ」
「お前が下手なんじゃないか、ほい! ……おかしいな?」
 男たちが必死に網を振り回し、すっかり周囲への警戒を忘れているさなか、悟郎が背後から近寄る。迷彩を施した外装、そして忍び足、男たちは気づかない。
「うっ!」
 低い呻き声の後、気絶攻撃を喰らい、男たちが倒される。
「まったく。蛍を狙う不届き者が居るかと思えば、昼間の馬鹿どもじゃないか」
「てめぇか、この!」
「おっと」
 刀也はドスを振り回す男を軽くいなし、剣を振りあげる。一般人とは言えど悪党に手加減はいらないか、一瞬、そんな考えがよぎるが、そうもいかず、手加減しつつ、峰打ちで倒していく。

 男たちが目を覚ます。しっかり、まとめて縛り上げられ、獲物も取り上げられた状態だ。一人が声をあげる。
「わ、お前、なにやってるんだよ!」
「見てわからないか。蛍を逃がしてやってるんだ」
 悟郎が空になったのを示すように袋を逆さにして振る。
「そうそう。ほら、元居た場所にお帰り。今度は変なのに捕まるなよ」
 康行も川辺へと戻る蛍に手を振りながら、答える。
 刀也は呆れたように首を振り、
「お前ら如きがこんな下らないこと考えるとは思えないな。その後ろに居る庄屋について話してもらうか?」
 男たちがざわめく。
「知ってんのかよ、そうなんだ。俺らじゃないんだ悪いのは庄や……」
「はいはい」
 パンパンと手を叩きその言葉を遮ると、刀也は縛られている男たちの前にしゃがみこみ、目線を合わせ、問う。
「言い訳とかは詰所の役人が聞いてくれるからよ、俺らの質問に答えてくれ。嫌って言ったら、分かるよな?」
 口調も優しいはずなのに、殺気は隠せない、というよりもむしろ隠さない。男たちは震え、早口に説明しだす。
「しょ、庄屋の野郎が張り切って自分の庭を造ってよ。そこに、ぱぁっと蛍を放ちたいって言うからよ」
「ああ、あいつ、『隣の村の蛍は立派だそうだな、これは独り言だが』ってよ、つまり、盗んで来いって事だって誰だってわ
かるよな、それに、あのケチ野郎……」
 白状した後は皆、堰を切ったように、庄屋の悪口を言いだす。それを聞き流しながら、刀也が呟く。
「庄屋の方はオブリビオンは関係なしか」
「それなら俺も聞かせてもらうぞ、この辺で何か変わったことはなかったか? 思い出せない? これでもか?」
 しらを切ろうとする泥棒らに、悟郎は苦無を取り出し、ヒタヒタと泥棒らの頬に当てて、問う。
「お、おい、何か光るの見たって」
「えーと、酔い覚ましに歩いてる所だったから……そう、あっちだ、あの森の方に青白い光が、いや、蛍よりも大きくて、それが、段々と増えてって、俺が思わず声をあげたら、スッと消えたんだよ。ああ、誰かがつけた明かりってわけでもねえ」
「成程な、いい情報だ、ありがとう」
「そりゃ、どう……うっ!」
 悟郎は笑顔で礼を言った後、再び男たちを気絶させていく。
「こいつらは村の自警団か何かで引き取ってもらうとするか」
 悟郎は猟兵たちを振り返り、言う。康行と刀也は頷いて、
「どうやら、オブリビオンの影が見えてきたね」
「ああ、後は倒すだけだな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『残滓』

POW   :    神気のニゴリ
【怨念】【悔恨】【後悔】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
SPD   :    ミソギの火
【視線】を向けた対象に、【地面を裂いて飛びだす火柱】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ケガレ乱歩
【分身】の霊を召喚する。これは【瘴気】や【毒】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:オペラ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 蛍の川から少し離れた、村からは更に離れた森の中。
 ある日、青白い光が一つ浮かんだ。
 翌日には二つ三つ。その次の日は更さらに増え。いつしかそれらは形をとりだし、オブリビオンの群れとなった。
 それらはゆらりゆらりと村へと向かう。誰に恨みがあるじゃない。ただただ命ある者が恨めしい、妬ましい。
 オブリビオンらは人の命の集う村へ向かう。
 着いてしまえば、虐殺が始まる。
薬師神・悟郎
他の猟兵と共闘、連携や声掛けを心掛ける
もし周囲が暗く戦闘を妨げるような状況であれば、行動するのに邪魔にならない位置(腰等)にランタンを下げる

UCで攻撃力を強化
視力、暗視、聞き耳、情報収集、第六感、野生の勘で周囲の状況を把握
地形の利用、戦闘知識で敵からの奇襲にも対応できるようにするつもりだ

こちらから先に目視で敵を発見することができれば、先制攻撃を狙っていきたい
毒使い、マヒ攻撃、生命力吸収、2回攻撃、範囲攻撃で攻撃するが
敵からの攻撃に対し俺もしくは味方が避けられない場合、かばう、見切り、咄嗟の一撃、カウンターで返す

全てが終われば、蛍を見て帰りたい
頑張ったんだ。このぐらいの報酬があっても良いだろう?


紫谷・康行
村の近くだ
あまり派手に仕掛けるのも良くないだろう
いつの間にか現れたモノなら、人知れずに消えてもらおうか

森へ向かい
【イーゴーの見えざる刃】を使い敵を攻撃する
攻めようとするとき、何か行動しようとするときが一番無防備だろうからね
機を狙って効率よく倒していくことにしよう
分身が攻撃する瞬間を狙い、瘴気をも切り裂くつもりで攻撃
分身が消えたら、分身を呼び寄せる瞬間を狙って攻撃

「無くしたものが欲しいと言うのかな。
残念だけど、無くしたものは2度と手に入らない。
恨みなど無いけど、お前が望むモノはお前には過ぎたモノだ。
静かに時の果てにお帰り。」

仲間に攻撃が行った時は風の刃を飛ばし敵の攻撃を切り裂こうとする



「さてどのように行くか」
 薬師神・悟郎は森を目の前にし、腰にランタンを下げる。
 紫谷・康行が後ろを振り返り、
「村の近くだ、あまり派手に仕掛けるのも良くないだろう」
 夜だというのに、まだ、村の方がぼんやり明るく見えた。神社の行事でちょっとした祭りのようになっているせいだろう。
 再び前を見れば森の中に、ざわざわとした気配。これらが村を蹂躙しようとしている。
「いつの間にか現れたモノなら、人知れずに消えてもらおうか」
 康行の言葉に悟郎は首肯し、
「ああ、早いところ済ませよう……『始めようか』」
 その言葉と共に悟郎の攻撃力が上がる。ユーベルコード、強化【壱】。
 持てる能力を集中させ、森の中を見渡すと、一所に集まるオブリビオン『残滓』の群れ。
「先制を狙う」
 呟くような声で宣言すると、苦無でオブリビオンを次々と斬りつける。
 創傷のみでなく、毒、マヒ、生命力吸収と別のダメージも同時に与え、オブリビオンが動きを止めた瞬間に、更に攻撃を重ね
オブリビオンを消滅させていく。
 康行もオブリビオンらに向かってユーベルコードを唱えれば、目に見えぬ風の刃が音もなく、オブリビオンを斬り、消滅させていく。
 分の悪さに気づいたか残滓は自身に超強化の術を施す。血の代償と共に。血を流しながら猟兵たちに向かってくる。己が執念を彼らに見せつけるように。不意に猟兵たちは、じめついた空気が自分らにまとわりついてくるように感じた。季節のせいか、森の中だからか、それだけではない、恐らくこれはオブリビオンの執着心、瘴気。それをも切り裂くばかりの勢いで康行は風の刃を、悟郎は苦無を振るい続ける。
 無論、猟兵たちに油断など無かった。だが、相手は群れだ。
 康行の死角を突き、攻撃を仕掛けてくる。
「危ない!」
 悟郎が咄嗟に投げつけた苦無が残滓の額に突き刺さる。
 ホッとする悟郎にまた別の残滓が分身で数を増やし、二体で挟み込むように襲う。お返しとばかりに今度は康行が風の刃を飛ばし、一体を切り裂く。
「ありがとう」
 悟郎は礼を言いつつ、もう一体を倒した。
「ステキね」
 オブリビオンたちはたびたびその言葉を繰り返す。猟兵たちを自分の世界へとかどわかすつもりなのか。
「ステキね」
 康行を見つめ、火柱を放ちながら彼に近づいてくる。
「つっ!」
 いなしきれなかった火柱がまるで彼の肩を食いちぎるような痛みを彼に与えた。それでも彼は怯むことなくオブリビオンに告げる。
「無くしたものが欲しいと言うのかな。残念だけど、無くしたものは2度と手に入らない」
「ステキね、アナタ。だから私の……ぐぁあ!」
 正面から襲い掛かってきたオブリビオンは、彼に触れる前に風の刃に両断された。
「恨みなど無いけど、お前が望むモノはお前には過ぎたモノだ。静かに時の果てにお帰り」
 オブリビオンらは着実に数を減らしつつあった。
「全てが終われば……」
 悟郎が呟く。
「ん?」
 康行が首を彼の方に向け、続きを促す。
「蛍を見て帰りたい。頑張ったんだ。このぐらいの報酬があっても良いだろう?」
 悟郎の言葉に康行は少し笑む。 
「それはいいね、折角来たんだから」
 悟郎は改めて苦無を構えなおし、声をあげる。
「なら、もうひと頑張りだな!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氷月・望
弟分のマクベス(f15930)と

おーおー、幽霊達が大勢いるなァ
……マクベス、なんなら勝負でもするか?
俺より多く倒したら、次に三人で遊ぶ時の財布は俺が持つ!
まァ、簡単に負けたら兄貴分としては悔しいし……本気で行くぜ?

分身の霊が出て来ても、纏めてブッ倒す方針で
近付かれる前に【先制攻撃】を
【範囲攻撃】【傷口をえぐる】【2回攻撃】を乗せた『紅雨』で
静かな夜でも御用心、今日の天候は気紛れらしいぜ?
回避はサイバーアイ『Invader』で【情報収集】
敵の攻撃の軌道を読む形で、回避を試みる

ははっ!マクベス、超やる気じゃねぇの!
……まっ、俺も楽しみにしてるケドな?
(討伐数勝敗についてはお任せ)


マクベス・メインクーン
望兄ちゃん(f16824)と
お~っ、めっちゃ幽霊っぽいオブリビオンだな
いっぱい倒したら
ゆー兄ちゃんが今度一緒に出掛けてくれるって言ってたし♪
え、望兄ちゃんまじで!?
ますますやる気出ちゃうぜっ!

魔装銃の弾丸にバジリスクの地【属性攻撃】を込めて
【範囲攻撃】で当たったやつを石化させていくぜっ
幽霊も石になんのかなぁって気になったし
敵の攻撃は【野生の勘】働かせつつ【フェイント】で回避
敵のUCには水の【オーラ防御】と【火炎耐性】で対処する

数が減ってきたらUC使用して一気に行くぜっ
どうだっ?オレのがいっぱい倒しただろ?!
へへ~っ、次は3人でお出かけしてぇもん
そりゃ頑張るってのっ!



「お~っ、めっちゃ幽霊っぽいオブリビオンだな」
 マクベス・メインクーンはオブリビオン 『残滓』の群れを見ながら、銃に弾丸を装填する。
「おーおー、幽霊達が大勢いるなァ」
 氷月・望もマクベスの隣で声をあげるとマクベスの手元を見て言う。
「随分、張り切ってるな」
「だって、いっぱい倒したら、ゆー兄ちゃんが今度一緒に出掛けてくれるって言ってたし♪」
「……マクベス、なんなら勝負でもするか?」
「勝負?」
 マクベスが望の顔を見ると、望が自分の胸を叩き、
「俺より多く倒したら、次に三人で遊ぶ時の財布は俺が持つ!」
「え、望兄ちゃんまじで!?」
「まじだ」
「ますますやる気出ちゃうぜっ!」
「まァ、簡単に負けたら兄貴分としては悔しいし……本気で行くぜ?」
 望も戦闘の構えを取る。
 勝負開始。
 マクベスは魔装銃、ファフニールを構え、撃つ。弾丸に込められたのはバジリスク、地の精霊。
 自分の攻撃範囲を意識し、連射すれば、次々と弾丸はオブリビオンらに当たる。残滓は恨みの声をあげ、石化してい
き、全身が石となると同時に霧のように空気に溶けていく。
 マクベスはへーッと声をあげ、
「どうなるかと思ったけど、幽霊も石になるんだ。なった端から幽霊らしく消えてくけど」
 実際の所、石化の状態も石化してからどうなるのかもオブリビオン次第ではあるのだろうが、残滓の消滅は如何にもその存在に似つかわしく思われた。
「どうだっ? オレのがいっぱい倒してるだろ?!」
 得意げなマクベスに、
「ははっ! マクベス、超やる気じゃねぇの!」
「へへ~っ、次は3人でお出かけしてぇもん、そりゃ頑張るってのっ!」
「……まっ、それは俺も楽しみにしてるケドな?」
 望も勿論、本気で挑む。オブリビオンらに吐き捨てるように言う。
「俺の視界に入ってくんじゃねぇよ、墜ちろ」
 相手が分身しようが構わずに、紅雷の槍を放つ。感電し、動きを止めるオブリビオンに、望は皮肉気に口を歪め、
「静かな夜でも御用心、今日の天候は気紛れらしいぜ?」
 そして更なる攻撃を加え、着実に倒していく。
「アナタ、ステキね」
「おっと……寄るなよ」
 こちらに向かってくるオブリビオンの動きをサイバーアイで分析し、返り討ちしていく。
 時折、二人は倒したオブリビオンの数を確認しあう。
 オブリビオンの数は減りつつあった。
「マクベス」
「何? 望兄ちゃん」
「分身したオブリビオンは本体の数じゃなくて分身した数も足して計算な」
 マクベスは口を尖らす。
「あ、ずりー。それならオレだって」
 オブリビオンらを挑発するように笑い、それから、唱える。
「オレだって接近戦くらいやれるっての」
 身体能力超強化。水、雷、風の精霊らが、その身に宿り、彼の能力が高まる。
「一気に行くぜ!」
 マクベスが群れに突っ込んでいく。
 分身したオブリビオンは毒を漂わせながらマクベスを襲うが、
「毒ならもうやられてるから平気だ」
 強化と引き換えの毒の代償を受けながらも、オブリビオンを倒していく。
 接近戦故、マクベスへの攻撃も増えてくるが、精霊の力が彼を防御する。
 最後の一体は望と対峙する。望が唱える。
「こいつで終わりだな……堕ちろ! 何?」
「ステキよアナタぁ!」
 執念で自身に強化を施した残滓は、紅雨にどうにか耐えきり、目から血を流しながら、望に襲い掛かる。
「くっ、逃げ切れない!」
 望がともかくも防御の姿勢を取った瞬間、
「ガッ……」
 残滓が呻いた。残滓の胸元が石となり、そこから中心に石化が広がってゆき、やがて他の残滓と同様、消滅する。そして
それと同時に森の中を漂っていた妖気めいた気配も完全に消えた。
「助かったぜ、マクベ……ス?」
 望が礼を言おうと振り返ると、マクベスは人差し指を一本立てて笑っていた。そして声高らかに、
「今ので倒した数はオレが1体多かった! 俺の勝ちな!」
 あ、と望は口を開け、
「そうだったか、待て、もう一度、数えなおし……」
 慌てる望の事を見、マクベスは指を振りなら、けらけら笑う。
「へへ、3人でお出かけと望兄ちゃんのおごりゲットだぜ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月05日


挿絵イラスト