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暴食獣を討て!

#UDCアース

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#UDCアース


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●――機、至る
 夜の港の一角、静まり返った貨物集積所で数人の怪しき集団が歩き回っていた。
 懐中電灯すら持たずに闇の中を進む彼等の目は、皆一様に鈍い輝きを宿している。
「アレの様子は?」
「良い具合だ。この分なら明日の夜には出来上がるだろう」
「愈々ね」
「待った甲斐が有ると言うものだわぃ」
 囁く様な声量で言葉を交わしながら、草臥れた外観の倉庫へと辿り着く。
 鍵を使い素早く中へと入り込んだ彼等を出迎えるのは、広々とした空間の中央に鎮座している、子供程の大きさの柩。
 それを囲む様に座って、一人がニタリと口を歪めた。
「漸く、このくだらない世界に復讐が出来る。餓えた神よ、儂等の憎悪諸共、世界を喰らい尽くすと良い」

●――戦闘準備
「大変、大変ですよーぅ!邪神が復活しちゃいます!えらいこっちゃですよーぅ!」
 両手をわたわたと振り回して事の重大さを伝えようとする巫女、望月・鼎(宵闇の寵児・f02401)。
 予知した事件の内容について説明してるが、当人の雰囲気と言い回しの所為かイマイチ切迫した様子に見えないのは良いのか悪いのか。
「何者かが、邪神を復活させようと企んでいるんです!」
 UDCアース世界で、とある一団が邪神復活の儀式を目論んでいるのを予知した鼎。
 時を同じくしてUDC組織から情報が入る。
 以前から追っていた一団がとある港に出入りしている、と。
 その港の風景と、鼎が予知で見た風景が一致した。
「恐らくその一団は、その港で儀式を執り行うに違いありません!」
 更なる調査で、その港のとある倉庫周辺には異形の人形が配置されている事も判明した。
「ゲームで言う所のゴーレムみたいなものだと思いますっ!コンクリートや砂やコンテナを取り込んでいるっぽいので、結構頑丈な雰囲気ですっ!」
 数はそれ程多くは無いらしいが、その分強力な番兵と言う訳だ。
 質量にモノを言わせた打撃や、砂を撒き散らしての攻撃には注意が必要だろう。
「突撃は夕方になりますっ。人気の無い場所では有りますけど、流石に秘密裏に事を進めると言うのは難しそうですね。でもまぁ、その辺は後で考えましょう!先ずは邪神の復活阻止と怪しい人達の制圧が最優先です!」
 一筋縄では行かないであろうこの事件。
 猟兵達の底力が試される場となりそうだ。
「と言う訳で、邪神復活阻止の為に頑張りましょう!えいえいおー♪」


一ノ瀬崇
 初めまして、一ノ瀬崇です。
 初シナリオですが、頑張って執筆したいと思います。

 先ずは前座、ゴーレム戦となります。
 固い、強い、おそい!なゴーレムです。
 追撃はしてきません。

 色々と至らぬ点も有ると思いますが、皆さんと楽しんでいければと思います。
 どうぞ宜しくお願いします。
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第1章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空雷・闘真
【POW】選択

【コンクリートの拳】を【怪力】と【グラップル】技能で受け止め、そのままゴーレムを【怪力】でクラッチしたまま持ち上げる。
そこから持ち上げたゴーレムを【武器】とし、他のゴーレムの群れに向かって、【捨て身の一撃】で【グラウンドクラッシャー】を放つ。

「プロレスで言うところのパワーボムというやつだ。見せかけだけの技かと思ってたが、中々どうして使い勝手は悪くない」



茜色に染まる空。
 静寂に身を委ねる港の片隅で、突如轟音が鳴り響く。
 破砕音と共に吹き飛ばされて来たのはコンクリートを纏った巨大な人形、ロッジ・ゴーレムの一体だった。
 鉄骨やコンテナを巻き込んで倒れたゴーレムは鈍く震えながら身体を起こそうと試み、一度軋んだ音を立てて動かなくなった。
 それを好戦的な笑みで見遣るのは空雷・闘真。
 彼は両肩を回して周囲を見渡す。
 それを隙と見た別のゴーレムが果敢にも突っ込み、その拳を振り上げる。
 「……こんなものか?」
 普通であれば叩き潰されるだろう威力の拳を、彼はがっしりと受け止めた。
 それだけでも十分驚嘆に値するが、あろう事か彼は素早く背後へと回り込み、そのままゴーレムをクラッチして持ち上げる。
 常人の枠を遥かに超えた怪力。
 数度もがく様に身を震わせたゴーレムの足が宙に浮き、ばたばたと空を蹴る。
 そうした状態で視線を巡らせ、次の獲物を捉える。
 一度ゴーレムの体躯を頭上で回して、逆さ吊りの様な形で抱え直し準備完了だ。
 両膝に力を込めて高く飛び上がり、ゴーレムを背面から地面へ叩き付ける。
 グラウンドクラッシャー。
 捕まえたゴーレムを武器に見立て、単純で重い一撃を叩き込んだのだ。
 その威力は周囲のゴーレムを地面諸共破壊し尽くし、中心点から蜘蛛の巣状にアスファルトを罅割れさせてなお余りある。
 周囲のゴーレムを一掃して、彼は呟く様に言葉を放つ。
 「プロレスで言うところのパワーボムというやつだ。見せかけだけの技かと思ってたが、中々どうして使い勝手は悪くない」

大成功 🔵​🔵​🔵​

三原・凛花
「苦しむだけの永遠の命、味わってみる?」

『聖霊』を召喚し、【呪詛】と【衝撃波】の技能を使って、手近なゴーレム一体に取り憑かせるね。
憑かれた者は絶対に死ななくなるけど、代わりにあらゆる不幸に襲われるの。
例えば、【ジャイアントロッジ】が『なぜか』突然制御不能になって、周囲の無機物どころか仲間である他のゴーレム達すら際限なく取り込み続けて……パンッて破裂しちゃうとかね。

『聖霊』とわたしは五感を共有しているけど、ゴーレムには感覚なんてないだろうから、破裂の苦しみを味わわなくて済むのは助かるね。

このままどっか行ってくれればいいのに、『聖霊』はわたしがよっぽど好きみたいで、すぐ戻ってきちゃうんだよね……



三原・凛花は夕日に照らされる倉庫を横目で眺め、一つ溜息を吐いた。
 ただ侵入者を排除すると言う単純な思考しか持たないゴーレムの一体が、その重い身体を動かし少女へと向かう。
 「このまま……出て行ってくれればいいのに……」
 地面へと解け落ちていく様なか細い声を気にした様子も無く、ゴーレムは腕を持ち上げ。
 「――!!!」
 途中でその動きを止める。
 金属同士が潰れながら擦れ合う様な耳障りな音を立てて、その腕はゆっくりと下がっていく。
 何が起きたのかと首を廻らすゴーレムが知覚したのは肘に生えたコンテナやウッドプレート、鉄骨にワイヤーと言った雑多なもの。
 直前までは無かった、何故か取り込まれている無機物。
 本来で有れば無機物を取り込む事で戦闘力が増強されていくのだが、逆にゴーレムは身動きが取れなくなっていた。
 不幸にも、取り込んだ一部の鉄骨は別のゴーレム達が既に取り込んでいたものだった。
 前に引っ張ろうとすれば別のゴーレムが踏ん張って耐え、後ろに押し込もうとすればまた別のゴーレムが反発し押し返す。
 動こうにも動けずに居る間に、周囲の無機物が次々に取り込まれていく。
 そして、遂にその瞬間が訪れた。
 無秩序に取り込み続けた事で自重に耐え切れなくなり、ゴーレム達が圧壊を始めたのだ。
 互いに攻撃を交わす事無く、勝敗は決まった。
 もがきながらも機能停止にまでは至らないゴーレムを眺め、凛花はぽつりと呟く。
 「苦しむだけの永遠の命、味わってみる?」

成功 🔵​🔵​🔴​

春夏秋冬・夕日
ゴーレム、初めて見たが中々に頑強そうだな。
だが、いかに豪腕且つ巨躯であっても当てなければただの木偶の坊だ。

一定の場所に留まらず移動しながら【残像】を使用して直撃から逃れるよう試みよう。
その間に重心の支えとなっているアキレス腱の部分や膝部分を重点的に【鎧砕き】を合わせた【剣刃一閃】で抉り斬ろう。
バランスが崩れれば御の字、そのまま頭部に乗って目や後頭部を【剣刃一閃】で攻撃して仕留める。
ただ黙々と、独り言も叫びも無く。
動かなくなったら一瞥のみ行い、次のゴーレムへと【忍び足】で向かおうか。



戦闘音が木霊する夕暮れ時の港、その一角で影が走り抜ける。
 風を纏いながら駆けるものの正体は、春夏秋冬・夕日。
 残像を巧みに生み出しながらゴーレムの攻撃を避けていく。
 対するゴーレム達は侵入者の存在に気付きながらも、ただの一度としてその身を捉える事が出来ずにいた。
 常に動き続ける為的を絞る事が出来ず、当たったかと思えば掻き消える残像の奥でアスファルトに亀裂が走る。
 ならばと数体で囲む様に動き出せば次の瞬間には背後に回られている。
 素早さと技術、そして経験に裏打ちされた夕日の動きは木偶の坊如きに追えるものではない。
 そして彼が走り抜ける時、甲高い金属音が鳴る。
 鎌鼬の銘を持つ、腕に装着された湾曲した刃。
 交差する度に膝裏や足首と言った間接部へ剣閃を放っている。
 鎧砕きの技術と剣刃一閃を組み合わせた一撃。
 破砕によって表面のコンクリートが打ち砕かれ、斬撃によって内部のワイヤーが断ち切られる。
 数度の交叉を経て、遂にゴーレムの脚部は悲鳴を上げた。
 「――――!?」
 バランスを失い前に倒れ込むゴーレム。
 その背に乗り、駆け抜けながらの一閃。
 脆い部分だったのか、たった一度の斬撃でゴーレムの後頭部は胴体と離れた。
 「――!!!」
 その攻撃の瞬間を狙って、正面に回り込んだゴーレムが拳を振り下ろす。
 同時に、斃されたゴーレムも最後の力を振り絞り全身の至る場所から大量の砂粒を吐き出した。
 一点に絞った一撃と、広範囲への無差別攻撃。
 夕日の身体に前後から迫る攻撃が当たり――すり抜けた。
 残像だ。
 術中に嵌ったゴーレム達は砂粒によるダメージを受け、倒れ込んだゴーレムも仲間の拳を受けてその動きを止めた。
 空に舞う砂が著しく視界を阻む最中、夕日は忍び足で次のゴーレムへと向かう。
 ただ黙々と、独り言も叫びも無く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バル・マスケレード
鈍重で硬い体、攻撃は通りづれェときた。
生憎と、こちとら重い一撃なんてのは苦手でな。
ダガーでちまちまやってたら何年かかるやら。
……あァ、何だ。
ちょうどいい「武器」が、そこら中に突っ立ってるじゃねェか、なァ?

攻撃の軌道なら、「俺達」には〝視えて〟る。
ユーベルコードで次の行動を先読みして、【敵を盾にする】ように動くってェ寸法だ。
が、ただ動き回るだけじゃ一手足りねェ。
攻撃で【挑発】して他のゴーレムを動かす。
【ロープワーク】で俺達の武器、伸縮自在のイバラを使ってゴーレムの図体に飛び乗って的に仕立ててやる。
ってな具合に使える手は何でも使うぜ。

「ヒハハハハッ!! なるほど大した威力じゃねェか、ええおい!?」



「――!!!」
「おぉっと、危ねェ危ねェ」
 迫り来る拳をひょいひょいと避けながら、おちょくる様に戦場を飛び回る姿。
 軽快に動く女性の頭部を覆うヒーローマスク、バル・マスケレード。
 一見すると危なっかしい戦い方に思えるが実はそうではない。
「〝視えて〟ンだよ……俺達にはなァ!」
 宿主である女性が持つ未来視の力により、攻撃の予想が出来る。
 ゴーレムの拳の軌道が手に取る様に解る。
 となれば、回避は容易い。
 時折伸ばしたイバラでゴーレムの面を打ち据えつつ、バルは立体的な移動を繰り返す。
 積まれたコンテナ、誘導灯、貨物ゲート。
 倉庫の屋根さえ足場にしながらバルは走る。
 そして訪れる、絶好の機会。
 周囲をゴーレムに囲まれると言う絶体絶命のピンチ。
 普段使っているダガーではゴーレムに痛打は与えられない。
 囲まれている以上逃げ場も無く、手にした武器では包囲を突破出来ない。
 そんな状況で、バルはニヤリと口の端を持ち上げた。
 「ちょうどいい『武器』が、そこら中に突っ立ってるじゃねェか、なァ?」
 唸りを上げて、前後のゴーレムが拳を放つ。
 「言っただろ、〝視えて〟るってなァ!」
 右手を振り上げてイバラを伸ばし、頭上を走る鉄パイプを捉える。
 イバラが縮む事でバルの身体は宙へ向かう。
 逃げ場は有ったのだ。
 平面的な動きでは到達し得ない方向――即ち、上。
 消える様に逃れた直後、ゴーレムの拳が交叉する。
 轟音、そして轟音。
 互いに伸ばされた拳が互いの胸部を打ち抜いていた。
 クロスカウンター、相打ち。
 両者反対側へ背中から倒れ込み、動かなくなる。
「ヒハハハハッ!! なるほど大した威力じゃねェか、ええおい!?」
 笑い声を響かせながらイバラを使い、手近な所に居たゴーレムへ飛び乗る。
 振り払おうともがくがバルを捕まえるには至らない。
 ならばと別のゴーレムが拳を翳す。
 「――!!!」
 しかし当たったのはゴーレムの顔面。
 またも同士討ちを発生させたバルの笑みは、益々濃いものとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノエミ・カプドヴィエイユ
【POW】
「ゴーレムデスか。硬さならぼくだって負けてませんデスよ!」

ぼくは頑丈さが取り柄デスから、他の皆さんを庇えるように常に意識を向けておきますデス。

ゴーレムパンチは、【武器受け】技能でバスタードソードを使って受け止めるデス。

高威力、更に範囲に影響を及ぼすサンドブラスター……可能な限り庇えるように動きますデスけど、初見じゃ防ぎきれないかもデスね。 一度は吹っ飛ばされてしまうと思いますデスが、その時は【学習力】技能できっちり覚えるデス! 

「吐いた砂、飲ませてやるデス!」
【ミレナリオ・リフレクション】で地面に散らばった砂を飛ばし、完全に相殺してやるデス。皆を護るのデス!

攻撃は他の人に任せるデス!



各々の戦場で戦う猟兵達。
 戦いも佳境を迎え、順調にゴーレムの数を減らしていく。
 その中で、何人が気付いたであろうか。
 どの戦場よりも、最も激しい攻防が行われている場所が有る事を。
「――!!!」
「硬さならぼくだって負けてませんデスよ!」
 放たれた拳をバスタードソードで受け止め、切り払い、受け流し、切り捨てる。
 ノエミ・カプドヴィエイユ。
 小さなパラディンが、自分の身の丈を大きく超える剣を手に戦っていた。
 幾度と無く打ち合いを重ね、戦闘開始からは既に半時を超えている。
 改造された制服は端々が綻び、一度サンドブラスターを受けた事で擦過傷が数箇所に走っている。
 そんな彼女を取り囲むゴーレムの数は二十を超え、静かに不気味な面を向けている。
 当初、彼女は他の猟兵達を庇いながら戦っていた。
 しかし数で押してくるゴーレムに分断され、何時しか包囲され孤立していた。
 「ぼくは頑丈さが取り柄デスから」
 そう呟いた彼女はバスタードソードを構え直し、一層派手に剣戟を結ぶ。
 音に釣られたゴーレムを此方へ誘導し、他の猟兵の負担を減らす事で援護する。
 護る事に長けた、パラディンならではの戦い方。
 迫り来る拳を打ち払いながら、彼女は虎視眈々と機を待った。
 幾度と無く振るわれる豪腕。
 通常であれば疲労も重なり動きが鈍り、やがて痛打を受ける状況。
 だが、彼女にその気配は無い。
 寧ろ逆、徐々に動きが洗練され、冴えていく。
 類稀なそれが磨き上げられ技能と化した、学習力。
 一合毎に高みへ昇る技術が、彼女を押し上げていく。
 そして来る、その瞬間。
 「――!?!?!?」
 突如ゴーレムを襲う衝撃。
 今正に拳を振り下ろそうとしていた真正面のゴーレムが吹き飛ばされていく。
 振り返った彼女の目に映るのは、駆け付けた猟兵達。
 一瞬だけ年相応の笑顔で迎え、直ぐに意識を眼前のゴーレムへ戻す。
 此方の味方が増えた事でゴーレム達も動き出し、敵味方入り乱れての混戦となる。
 「攻撃は任せるデス!」
 ノエミは小さな体躯を生かして縦横無尽に駆け回る。
 味方の死角から放たれた攻撃を受け止め、時に剣の腹で殴り付け拳の軌道を変える。
 そんな中、一網打尽を狙ってか一体のゴーレムが身を震わせた。
 サンドブラスターの構え。
 危機を察して皆離脱するが、一人の猟兵が機を逸する。
 ノエミは素早く猟兵の前に躍り出ると、バスタードソードを構えた。
「吐いた砂、飲ませてやるデス!」
 一度は吹っ飛ばされた技だが、既に学習は済んでいる。
 ミレナリオ・リフレクションで地面に散らばった砂を飛ばし、完全に相殺する事に成功した。
 猟兵達は無傷、対するゴーレム達は砂粒を受け動きが鈍い。
 剣先をゴーレムに突き付け、ノエミは高らかに咆えた。
「ぼくが皆を護るのデス!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワズラ・ウルスラグナ
ゴーレムか。
単純に強いと言うのは良いな。

小難しい事は考えん。
技能の全てを使って真向から殴り合いに行く。
『武器受け』『盾受け』で直撃を避けつつ受け止め、
『激痛耐性』『カウンター』『捨て身の一撃』で押し返す。
とは言え躱せる攻撃は躱す。
それさえ受けていては侮辱と同じだ。

攻撃も真正面から叩き込むぞ。
有難い事に一体だけではないようだしな。
戦いながら『武器改造』『防具改造』で益々火力を増していく。
全力で挑ませて貰おうか。



平穏な日常から切り取られたかの様に、戦闘の音が響き渡る。
 猟兵達とゴーレム達がぶつかり合い、互いに火花を散らし合う。
 その中に、他の場所よりも一際目立つ戦場が有った。
 茜色に染まる空よりも、更に紅く煮え滾る大地。
 右手に巨大な剣を提げ周囲に炎を散らしながら進む男が、この光景を作り出していた。
 ワズラ・ウルスラグナ。
 腕や背中、足や胸元から地獄の炎を噴出させて進むドラゴニアンだ。
 列記とした猟兵なのだが、紅蓮の炎を巻き上げて好戦的に口許を歪める姿は、何も知らぬ者が見れば炎獄より舞い降りた魔王か何かだと思うだろう。
 一歩、ワズラが踏み出す。
 足元には今し方機能を停止したゴーレムだったものが転がっている。
 砕かれ、断ち切られ、撃ち抜かれ。
 暴力と破壊の全てを受けたかの様な残骸が、地獄の炎に焼かれて熔け始めている。
 「さぁ」
 低く重厚な声が彼の喉から響く。
「俺と殺し合え!」
「――!!!」
 一体のゴーレムが躍り出る。
 真っ直ぐに拳を突き出してくるゴーレムに、笑いを零す。
 此度の戦いに際し、彼は自身に一つの信念を持って望んでいた。
 小難しい事は考えず、技能の全てを使って真向から殴り合いに行く。
 生粋の戦闘狂であり求め得る最高の戦いの為に生きている彼にとっては、正面切ってのぶつかり合いこそが華。
 故に逃げる事無くゴーレムに向き合う。
「とは言え躱せる攻撃は躱す。それさえ受けていては侮辱と同じだ」
 半身捻るだけの、最小限の動きでゴーレムの攻撃を躱す。
 同時に右腕を左前方へ振り抜く。
 カウンターの一撃。
 巨大な剣が空気を震わせながら伸び、ゴーレムの胴体を砕き、弾き飛ばす。
 コンテナやフォークリフトを巻き込みながら吹き飛んでいったゴーレムは一度首を擡げ、震える様にワズラを見て動かなくなった。
 目を細めてゴーレムだったものを見遣り、再び視線を正面に戻す。
 自我等存在していない筈のゴーレム達が、慄いた様に一歩下がった。
 「さぁ」
 両端を吊り上げた口が、再度開かれる。
 「俺と殺し合え!」
 「――!!!?」
 弾かれた様に、二体のゴーレムが前に出る。
 前後に並んだゴーレムの内、前の一体はそのまま拳を振り上げてくる。
 対して後ろの一体はぶるりと全身を振るわせた。
 此処に来て、ゴーレムは策を弄し始める。
 どうせ攻撃が当たらぬならと先の一体は囮に使い、控えていたもう一体がサンドブラスターで動けぬ所を狙い撃つ。
 そうして怯んだ所へ全機で一斉に攻撃を仕掛け、仕留める。
 これならどんな猟兵が相手でも葬り去る事が出来る。
 必勝の策を携え、ゴーレムは挑んだ。
 「おっと」
 しかし早々にその目論見は破綻した。
 殴り掛かって来たゴーレムの拳を、堅牢な黒龍の鱗で覆われた皮膜の翼が受け止めた。
 緊急時は盾として機能する翼で攻撃を凌ぐと同時に、続く攻撃をこのゴーレムで受け止めてしまおうと言う事だ。
 無論、後ろのゴーレムの攻撃は止まらない。
 近距離でサンドブラスターを受けたゴーレムは機能を停止する。
 瓦礫と成り果てたそれを横に放り投げ、ワズラは一歩を踏み出す。
 頭上高く振り上げた剣を真っ直ぐに振り下ろすと、二体目のゴーレムは真っ二つに両断された。
 この時ゴーレム達に自我が有ったならば、撤退する事が許されていない我が身を呪った事だろう。
 そして、三度戦獄龍が笑う。
「さぁ、俺と殺し合え!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……潮時ね」
外では猟兵達と手駒であるゴーレム達との戦闘音が鳴り響いている。
しかし、それも徐々に勢いを無くしつつあった。
直にこの倉庫を探し当て、踏み込んでくるだろう。
「いや」
諦めに似た嫌悪感が広がっていくのを、一人の男が打ち払った。
「間に合ったぞ」
その男を皮切りに、その場に居る全員が邪悪な笑みを浮かべた。
倉庫の中央に鎮座していた柩から、僅かだが脈動が聴こえ始めていた。
それは次第に大きさを増す。
やがて自身の耳元でその脈動を聴かされている様な錯覚を全員が覚えた瞬間、柩は爆ぜた。
中から現れたのは人を超える大きさを持った異形。
筋肉質ながら長くしなやかな手足を持ち、腹部と右肩部に肉食獣を思わせる口を持ち、左肩の後ろからもう一本左腕を生やし、背中から鉤爪に似た手足を生やした、顔の殆どが巨大な口で構成されたバケモノ。
「あぁ……!」
恍惚とした表情で、女が謳う。
「全てを喰らいなさい、私達が身に宿した憎悪諸共、この世界を……!」
その言葉を最後に、倉庫から人影は消え失せた。
後にはただ、何かを咀嚼するバケモノが一体居るだけ。
ニア・スクニロトマ
猟兵諸君、待たせたね。あたいが来たからにはもう安心していいよ……この原始怪獣ジュギラス(105cm)が来たからにはね!
倉庫の上で大きく吠えてかっこよく登場してやるわ。ヒーローは……もとい、怪獣は遅れて現れる!

噛みつきなんてバケモノらしいじゃないの、気に入った!
あたいが正面から堂々と相手してやるっ。大口勝負なら負けない……って言いつつ、口からビームで応戦!
戦ってる間に、誰でもいいから、あたいの背中に水をかけてくれ。そうすればUC発動……着ぐるみの背中からぽこぽこ増えてくる分身を、バケモノの口に詰まらせてやる。
その隙に、みんなに攻撃は任せたよ!


バル・マスケレード
……抗いもせずに死にやがって、けったくそ悪ィ。

今回はサポートに徹するぜ。
味方が一撃でも二撃でも叩き込む、ドでかい隙を作ってやるさ。
コンテナだの、周囲の【地形を利用】して、狙いをつけやすい高所を確保。
そんでもって……。

「今だ、俺を投げろッ!」

宿主に俺を【投擲】して貰って、奴さんに被せるのさ。
体の支配権を数秒でも奪えりゃ上出来よ。
テキトーなとこで、宿主にイバラを伸ばして俺を回収してもらわァ。
ずっと俺を被って戦ってんだ、アイツも【ロープワーク】ぐらい手慣れたモンだろ。

「ああ、やっぱココが一番落ち着くぜ……」

俺ァとびきりの美女しか宿主にしねェ主義でな。
あんなバケモン、好みのタイプからは遠すぎるぜ。



幾つもの倉庫を巡りゴーレムを蹴散らし、遂に邪神復活を目論む一団の居る倉庫へと辿り着いたバル・マスケレード。
 一番乗りを果たした彼等が見付けたのは倉庫の中で何かを咀嚼している異形のバケモノ。
 これが邪神か、と警戒した時ふと残っていた気配に気付いた。
 徐々に希薄になりつつある、幾つかの人の気配。
「……抗いもせずに死にやがって、けったくそ悪ィ」
 嫌悪を滲ませたバルの目の前で、邪神はその身を大きく震わせた。
 脈動する肉体に、幾つもの新たな口が生えてくる。
 それに連動して肉体もよりしなやかに、強靭に変化していく。
「ゴアァァァァッ!!」
「っ!」
 殺気を感じ取ったバルは素早く出入り口から抜け出し、手頃なコンテナの陰へ滑り込む。
 一拍遅れて、邪神が搬入口のシャッターを吹き飛ばして外へ出る。
 ひしゃげたシャッターがその辺のものを巻き込みながら鈍い音を立てて飛んでいくのを見て、バルは脅威への警戒をもう一段階上げた。
 その時、不意に新たな影が伸びる。
 同時に聴こえてくる謎の高笑い。
「クククク……フハハハ……ハァーッハッハッハッハ!!!」
 何事かと視線を巡らせて見ると、邪神の正面の倉庫の上にそれは立っていた。
 逆行に映えるシルエット。
 目を凝らしてその全容を捉えた時、バルの口から純粋な混じりっ気無しの本音が漏れた。
 「なんだ、ありゃ」
 心無しか宿主の女性も困惑している気がする。
 そんなオーディエンスをよそにシルエット――怪獣の着ぐるみに身を包んだドワーフの女性、ニア・スクニロトマは高らかに咆えた。
「猟兵諸君、待たせたね。あたいが来たからにはもう安心していいよ……この原始怪獣ジュギラスが来たからにはね!」
 決まった。
 ポーズ、タイミング、台詞、その全てが完璧だった。
 惜しむらくは、此処がヒーローショーの舞台ではなく戦場である点か。
「ゴアァァァァァァッ!!」
「おわあっ!?」
 でたな、原始怪獣ジュギラス!と名を呼び返す訳も無く、邪神はその口を開けて猛烈な勢いで突進してきた。
 咄嗟に宙へ逃れ事無きを得るニア。
 その眼下で、邪神は鉄筋やコンクリートの壁を喰い散らかして行く。
 爆発や衝突で生まれたものとはまた一味違った破壊の痕跡が生々しい。
 離れた場所のコンテナを足場にして、ニアは不敵に笑う。
「噛みつきなんてバケモノらしいじゃないの、気に入った!あたいが正面から堂々と相手してやるっ」
 振り返った邪神は獣染みた挙動で再び顎を大きく動かす。
 愚直に突っ込んでくる邪神へ、ニアも大きく着ぐるみの口を開けて応えた。
「大口勝負なら負けない……」
 開かれた着ぐるみの口に光が集まっていき、極太のビームが放たれる。
 ビームを受けた邪神は数瞬耐え、後方へ大きく吹き飛ばされた。
「ゴアァァアァアアアアアッ!!」
 が、直ぐ様起き上がり裂帛の咆哮を上げる。
 息詰まる攻防戦は、遠めに見れば怪獣大決戦の様相を呈していた。
 そんな冗談みたいな戦いの最中、バルは周囲の地形を利用して高所に陣取っていた。
 自身が攻撃するよりも味方に任せた方が良い、そう判断した彼は邪神に大きな隙を生むべく小さな隙を待っている。
 数度、着ぐるみが光線を放ち邪神が飛び込み顎を振るう。
 そして邪神が振り向こうと足を止めた瞬間を狙う。
「今だ、俺を投げろッ!」
 宿主の女性が大きく振り被り、バルを投擲する。
 狙い寸分違わず、仮面が邪神の頭に覆い被さった。
『一緒に踊ろうじゃねェか、なあ《相棒》!?』
「ゴアアアァァァァァッ!!」
「ナイスアシストっ!」
 本来であれば被らせた相手を一時的に行動不能に追い込むUCだが、邪神も然るもの。
 動きを止めたのはほんの僅か、一瞬にさえ満たない時間。
 忌々しげな咆哮を上げ背中の鉤爪に似た腕に生えた口で、仮面を喰らおうとする。
 だがどちらにせよその場で足を止めたのは事実。
 生まれたチャンスを活かしてニアがビームを放つ。
 光線と顎が迫る中、僅かに早くバルを引き寄せるものがある。
 宿主の女性が伸ばしたイバラだ。
 共に在る時よりは見劣りするものの、妙技と言って差し支えない動きで仮面を回収し、再び仮面を被る。
 「ああ、やっぱココが一番落ち着くぜ……」
 俺ァとびきりの美女しか宿主にしねェ主義でな、と零して邪神の飛んで行った方向を見据える。
 先程の極太ビームの直撃を受けた邪神はけたたましく破砕音を立てながら、倉庫や貨物諸共吹き飛んだ。
 束の間の休息を得たバルの元へ、着ぐるみが駆け付ける。
「あたいの背中に水をかけてくれ」
「あァ?」
「そうすればUC発動……着ぐるみの背中からぽこぽこ増えてくる分身を、バケモノの口に詰まらせてやる。その隙に、攻撃は任せたよ!」
 どんなビジュアルの攻撃だ、と僅かに慄くが頷きを返す。
 幸いにも、此処は港の倉庫。
 塩分濃度さえ気にしなければ水は幾らでも有る。
「いや、普通の水が……」
 海に蹴り落とされるとでも思ったのか、着ぐるみは慌てて希望を述べた。
 どちらにせよ悠長にしていると邪神が戻ってくる、そう考えたバルはちょうど傍に有った消火栓を蹴り抜いた。
 高く吹き上げる水。
 それを受けて、ニアは大きく震えた。
 そしてぽこぽこと、親となる着ぐるみにそっくりな怪獣が生れ落ちた。
 総勢八十体。
 綺麗に整列した所で、邪神が戻って来た。
 変わらず口を大きく開けて全てを喰らおうとする。
 そこへ、小さな怪獣が飛び込んで行く。
 一度に大量に入ってきた獲物を咀嚼しようと口を閉じる邪神へ、バルがイバラを掬い上げるように打つ。
 同時に咀嚼される怪獣達がぽふんと消え失せた。
 生み出された怪獣達は一撃でも攻撃を受けると消えてしまう特性を持っている。
 閉じ行く顎は本来勢いを受け止める筈の肉を見失い、そのまま上顎へと向かう。
 がちりと打ち鳴らされた瞬間、下顎を強烈に叩き上げるイバラの鞭。
 思わず仰け反り、上体を起こし喉元を晒す邪神。
 そこへ、再度極太ビームが打ち込まれた。
 今までよりも大きく吹き飛んで行く姿に二人は笑みを浮かべる。
 痛烈な一撃とまでは行かないが、少しずつ着実にダメージを蓄積させている確かな手応えを感じ取った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ロカロカ・ペルペンテュッティ
っ……敵の大物が既に動き出してしまっていますね……何としても、ここで食い止めなければ。

全身に黄金と宝石で出来た祭礼呪具と、祭礼の呪杖を用意して最初から全力で参ります。
標本番号008で複数の火蜂を生み出し、全てを合一させて最大火力の巨大火蜂を生み出します。
この上で、複合連鎖刻印と封鎖紋を解除し、体内のUDC因子から呪力を絞り出し、それを呪具と呪杖さらに増幅させ、全てを火蜂に注込んだ最大の一撃をぶつけます。(属性攻撃+捨て身の一撃)
相手の攻撃は守護霊の守り(オーラ防御+呪詛耐性)と地霊の声を聞き場を把握し、その導きに従い(地形の利用+第六感)うことで対処致しましょう。


春夏秋冬・夕日
まさかこんな怪物を飼っていたとはな、神とは思えぬ異形だが…俺には関係ない。
此処で仕留めさせてもらう。

吹き飛んだ邪神に【ダッシュ】【忍び足】を合わせて距離を詰めて、【2回攻撃】で手数の多さを利用した攻撃を行う。
同時に以下のような【達人の智慧】を狙う為に《飽き止まぬ無限の暴食》の動きを見破ることに努める。
《飽き止まぬ無限の暴食》の対処は【残像】で回避、避けきれない攻撃は【武器受け】で防御をしながらペースを奪われないよう、敵の周りを止まず動き回る。至極単純だが、行動に移すには苦労するだろう。
無事に行動出来れば【達人の智慧】を発動だ。
攻撃手段をひとつ封じた、他の猟兵達も少しは動きやすくなるだろうさ。


ワズラ・ウルスラグナ
邪神が復活したか。
此処まで神々しさの欠片も無いと逆に清々しいな。
とは言え神と呼ばれる程だ、油断せず挑ませて貰おう。

全身から口が生えるという事は全身が凶器みたいなものか。
だとすれば、在るかどうかも分からん急所を探して踏み込むより、末端から斬り飛ばしていくのが堅実だろう。
攻撃を文字通り喰い止められない様、一撃一撃に力を込めてな。

防御技能は主に仲間との連携に用いる。
盾でも壁でも任せてくれ。

ブレイズフレイムを真似て来るような事が有れば全力で迎え撃つ。
『火炎耐性』『激痛耐性』及び翼や武器で受け止め、『カウンター』で『捨て身の一撃』を放つ。
地獄は一朝一夕では扱えん。
我が戦獄を以て其の身に教えてやらねばな。



新たな戦闘音に導かれ、猟兵達は走る。
 先ず姿を見せたのはロカロカ・ペルペンテュッティ。
 特徴的なその褐色の肌を覆う様に、左目下から左頬、左首筋から背中全体と両腕、両足に禍々しいタトゥーが刻まれている。
 普段は柔和な笑みを湛えているその顔に警戒を浮かべ、一分の隙も見逃さぬ様目を光らせていた。
 視線の先に居るのは空腹からか凶暴性を増して周囲のものを悪戯に喰い千切る邪神。
「っ……敵の大物が既に動き出してしまっていますね……何としても、ここで食い止めなければ」
 祭礼呪具を纏い祭礼の呪杖を携え、考え得る最上の備えの元で彼は力を揮う。
「おいで、踊り猛り、燃え盛り、刺して尽きるモノ達」
 呼応する様に十八つ、燃え盛る蜂の形の炎が生まれ出る。
 全身から呪力を搾り出し火蜂を合一させて行き、一匹の巨大な火蜂が空を舞った。
 自らの防御を捨てて放たれた渾身の一撃が、邪神を襲う。
 火蜂を生命体かでも思ったのか、大口を開けて喰い殺そうとした邪神が爆炎に呑まれ、一拍遅れて吹き飛ばされていく。
 醜く脈動していた滅紫の肉体に黒が混じっている。
 幾つかの箇所を焦がされ益々おぞましい色合いと化した邪神が、コンテナの山にぶち当たり動きを止めた。
 それを追う様に、一陣の風が吹く。
 春夏秋冬・夕日。
 神域へ至るべく研鑽を積む若き剣豪が、刃を構え音も無く駆け抜ける。
 左腕に装着された鎌鼬が、邪神を捉えた。
 左切上で振り抜いた勢いのまま体躯を回し、唐竹を見舞う。
 目を奪われる程の連撃に、ぷしゃりと紅が彩りを添える。
 邪神のものか、はたまた犠牲となった人間のものか。
 この戦いで初めて、邪神は血を流した。
「ゴアアアァァァッ!!!!」
 怒りを滲ませた咆哮が轟き、空気をびりびりと震わせる。
 余りの声量に思わず顔を顰め距離を開けると、邪神が姿を変化させた。
 ぶるりと震えた右腕は指先を手首に埋めて肉塊と成り、左右に細い線を走らせる。
 そうして延びた線が上下に開き、肩口まで裂けた所で細く鋭い歯が生え揃う。
 右腕を巨大な顎へと変化させた邪神は再度咆哮を響かせ、真っ直ぐに夕日へと飛び掛かった。
 左肩から胸元までを喰い千切る様に伸びた顎ががちりと噛み合わされ、夕日の身体は空へ溶ける。
 ゴーレムの時と同じ様に残像を生み出して回避した彼だが、その眉は僅かに顰められていた。
 一切の余裕が無かった。
 一瞬でも気を抜けば喰い殺されると言う予感を携え、彼は次なる攻撃に備える。
「まさかこんな怪物を飼っていたとはな、神とは思えぬ異形だが…俺には関係ない。
此処で仕留めさせてもらう」
 腰を深く落とし、左右へ移動し易い様に構える。
 或る予感。
 先程の回避で偶然得た着想。
 それを確かめる為、夕日は今一度攻撃を待った。
「グゥゥゥゥウウ!!」
 唸りを上げて邪神は向き直り、また正面から躍り掛かる。
 読み易いが、それ故に速い。
 目にも留まらぬ速さで迫る顎を、邪神の左腕方向へ向けて回避する。
 残像を空気と共に喰い千切って跳び行く邪神の背中を見据えながら、夕日は確信を得る。
 それは必然。
 右腕を顎へと変え、頭と共に噛み付こうとするが故の必然。
「逆方向への動きが鈍い……!」
 右腕だろうと左足だろうと部位を顎に変えて戦う以上、同時に生まれた攻撃の基点が歪みを生む。
 一撃ずつ放つならまだしも、飢餓を抱く邪神に自制する心積もりは無い。
「頭と生まれた口、それらが狙う反対側へと逃れれば良い。歪な形だからこそ生まれる決定的なズレ……!」
 見事看破した、邪神のUCの弱点。
 対応して達人の智慧が発動し、守護明神が姿を現す。
 神々しい光が邪神を貫き、右腕の口が閉じていく。
「グゥゥゥゥゥ……!」
 元通りの姿となった邪神は苛立ちを隠さずに向き直り、三度挑み掛かる。
 速さにも慣れてきた夕日は左腕を振るい、交叉に合わせて胴を薙ぐ。
 血飛沫が舞い、邪神が前のめりに体勢を崩す。
「いきます!離れてください!」
 届いた声に合わせて飛び退くと、巨大な火蜂が邪神を呑み込む。
 爆音と熱が周囲を焼く中、黒煙に混じって滅紫が飛び出す。
 捨て身で炎を受けた邪神は声の主へと狙いを変え、その身を喰らおうと駆け出す。
 向かい来る邪神を視界に捉えた時、ロカロカは耳元に守護霊の声を聴く。
 言うなれば類稀な集中力と、危機に晒された事で研ぎ澄まされた第六感が見せる断片的な未来。
 その導きに従い後方へと跳び退さる。
 直後、轟音が響く。
 だがそれは歯が打ち鳴らされた音ではなく、足裏を地面に打ち付けた事で発生した音。
 此処に至り、邪神はフェイントを仕掛けて来た。
「しまっ……!?」
 制動の取れぬロカロカへ邪神がその大口を開け喰らい付こうとした瞬間。
「グガッ!」
 突如邪神が横殴りに吹き飛ばされた。
 割り込んだのは超黒(ヴェンタブラック)の刀身と漆黒の巨躯。
「邪神が復活したか。此処まで神々しさの欠片も無いと逆に清々しいな。とは言え神と呼ばれる程だ、油断せず挑ませて貰おう」
 威風堂々と姿を現したワズラ・ウルスラグナ。
 地獄を内包した巨剣に殴り飛ばされた邪神は新たに現れた猟兵へ忌々しげな唸りを上げる。
「ほう。耐えるか」
 ならばとワズラは地獄の炎を刀身に纏わせ、劫火の剣と成す。
 上段に構え気合と共に振り下ろすと、炎が周囲を紅蓮に照らしながら邪神へと伸びる。
「ゴァァァッ!」
 すると、それまでは受けるがままにしていた邪神が両腕を口の前で交差させ防御姿勢を取った。
 両腕の中心に生えた口が劫火を喰い千切り、咀嚼していく。
 すると邪神の全身を切り裂く様に地獄の炎が噴出した。
 どうやら劫火を取り込み扱える様になったらしい。
「面白い、同じ地獄の炎で競おうと言うのか」
 再度剣を構え、劫火を超黒の刀身に這わせるワズラ。
 邪神は炎を吹き上げる爪を、ワズラは炎を纏う剣を。
 痩躯と巨躯がぶつかり合い空気を衝撃で揺らす。
 ブレイズフレイムは互いを焦がしながら周囲を炎熱で撫で行く。
「地獄は一朝一夕では扱えん」
 全身を駆け抜ける劫火を持ち前の火炎耐性と激痛耐性で無視し、更に一歩押し込む。
 弾き飛ばされたのは痩躯。
 下から右上へと切り上げられた邪神は宙にその身を投げ出されていた。
「我が戦獄を以て其の身に教えてやらねばな」
「追撃します!」
 声を上げたのは体勢を立て直し高所へと移動していたロカロカ。
 無防備に背を見せる邪神へ、火蜂が突っ込む。
 爆炎に揺らめきながら地面に叩き付けられた邪神へ、音も無く駆け寄るのは夕日。
 左腕を振るい、一閃、返し太刀。
「グガァァァァアア!!」
 初めて、邪神が悲鳴を上げる。
 二度目の剣閃が、邪神の背中に生えた鉤爪の様な腕を切り飛ばしていた。
「全身から口が生えるという事は全身が凶器みたいなものか。だとすれば、在るかどうかも分からん急所を探して踏み込むより、末端から斬り飛ばしていくのが堅実だろう」
 言葉と共に走り抜け、巨剣『暴風龍サルヴァ』を振り抜く。
 速度、重量、技術。
 それらを余す所無く乗せた一撃が、背に生えたもう一本の腕を切り潰した。
「ゴアァァァッァアアアアア!!!」
 怒りと痛みを滲ませ、邪神が咆える。
 趨勢が、徐々に猟兵達の方へ流れ始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ダーシャ・アヴェンダ
急いで駆けつけてみたら、もう邪神が復活してるのね。
厄介な事になったわ。見敵必殺。やるわよ、サイファー!

私は【毒使い】だから人形の仕込み武器には全て毒が塗ってあるわ。
毒と【マヒ攻撃】でじわじわと嬲り殺しにしてあげる。

まずはサイファーを18体に増やして10体を隊列に並ばせてガトリングガンによる【一斉発射】で様子見ね。その間に4体で剣と回転丸鋸による【早業】の斬撃をお見舞いするわ。斬り結びとガトリングガンの攻撃を行ったら2体で胴体部を【武器改造】して大砲に変形。【援護射撃】と【零距離射撃】をそれぞれ行うわ。残りの2体は私の護衛。

此方に突っ込んでくるなら【カウンター】【見切り】【第六感】で攻撃を捌くわ


杜鬼・クロウ
「異形から感じる憎悪はテメェのモンじゃねェな。
虚ろで哀れなお人形サン(バケモノ)ってとこか。
邪神に委ねた望みなんざ、この見届け人(俺)がぶっ潰してやんよ!
生きてりゃウザってェ事もある。だが世界はお前らのオモチャじゃねェ。
ヤりたきゃ自らの手でヤってみせろや」

玄夜叉を構える
一呼吸置いた後【先制攻撃】
身の危険感じたら回し蹴りして一旦距離取る
血が出たら親指で雑に拭う

「偽物が本物より勝る事もあるだろうよ。相手が俺でなかったらなァ!
強くなろうと根っこが腐ってちゃァ意味ねェんだよ!」

【トリニティ・エンハンス】使用。攻撃力重視
【挑発】して接近
隙見せたら殺られる攻防戦
炎を宿した剣で【2回攻撃】で斬る

アドリブ歓迎


霹靂神・霆
成程のー。
世界憎しと思う輩にとってはこんな奇怪なものでも神様になるのじゃねー。
それなら妾は世界愛しと思う者の神様になるのじゃよ!

※技能【怪力】常時使用

口だらけでも脚があるじゃろ? これを文字通り引っ張って地面に叩き付けたりするのじゃよ。
開いた口を塞いだり、開かない口を抉じ開けたりもしようかのー。
他の猟兵に合わせて動いてみるのも良いのぅ。
咬まれたそうな時はぐっと力を入れて耐えるのじゃよ。犬猫程度ならこれでやり過ごせるのじゃよ! 怪物に咬まれた事はないがのー。

奥の手は殴打じゃよ。
鉄拳制裁なのじゃよー。
骸の海で反省すると善いぞ?



日も傾き、夜の帷が降りてきた時分。
飢餓を孕む獣たる邪神との戦いも愈々佳境を迎えていた。
ポニーテールを風に棚引かせながら向かい来る牙を避けるのはダーシャ・アヴェンダ。
「やるわよ、サイファー!」
自身がサイファーと呼ぶからくり人形を操り、ヒットアンドアウェイで着実に攻撃を当てていく。
十体の射撃、四体の剣撃、二体の砲撃、二体の直掩。
威力は然程でも無いが無視するには鬱陶しい。
連携の取れた人形の波状攻撃は宛ら、舞台で踊る妖精達のミュージカル。
苛立ちを咆哮に変えながら、邪神は人形を追い掛ける。
その間隙を突くのは杜鬼・クロウ。
彼は属性の魔力で自身を強化し、ルーンが刻まれた大剣を手に戦うスタイルの魔法剣士だ。
「隙有りだ!戦場が見えてねぇなぁ!?」
噛み付き引っ掻きと獣染みた動きの邪神の攻撃を往なし、大剣で切り払い蹴りで距離を開けながら戦い続ける。
攻撃力の強化を重点にした事で邪神の肉を傷付け、剣に宿した炎が傷口を焼く。
そうして重ねた傷に邪神が不快そうな声を漏らした所へ、小さな影が突撃する。
ドラゴニアンの霹靂神・霆だ。
その体躯からは想像し得ない怪力で邪神と戦っていた。
脚を掴めば引き摺り倒し、顎を掴めば上下に分かち、牙を掴めばへし折り捨てる。
戦い方は逃げ足を残さぬインファイト。
それ故彼女の肉体には幾つもの細かな傷が出来ている。
だが気に留める事は無い。
行動に支障を来す様な攻撃は避けているし、何より彼女は一人ではない。
「援護するわ!サイファー!」
「突っ込み過ぎだぜ、ちびっ娘!」
「かかか、妾から見ればお主らが小童よ!」
「遊んでないで、来るわよ!」
軽口を叩き合う三人。
その連携は即興ながら見事に噛み合っていた。
霆が強打を与え、ダーシャが逸らす。
ダーシャが牽制し、クロウが切り込む。
クロウが防ぎ、霆が捩じ伏せる。
徐々に洗練されていく連携に、邪神は押し込まれ始めている。
「グゥゥゥッ!?」
突如、邪神が苦し気な声を上げる。
それを見て口の端を吊り上げるダーシャ。
長期戦を見越して、彼女はささやかな策を弄していた。
人形の武器全てに毒を仕込んでいたのだ。
「とは言え、普通はあれだけ喰らえばとっくに絶命しているのだけれど」
流石は邪神ね、と口笛を吹いてみせる。
「グガガ……!」
邪神は軽く両腕を振り腰を低く落とす。
手近な人形に狙いを付け、忌々しげに振るった力任せの一撃。
すかさず人形を離脱させたダーシャはもう一つの策が成った事に気付く。
「あら、肩が上がらないのかしら?邪神にも五十肩ってあるのね」
小馬鹿にした笑みを向ける彼女へ爪を突き刺そうとする邪神。
しかしその腕は上がり切らず、遥か手前の地面を抉り削るだけに終わった。
もう一つ、毒と共に仕掛けていた麻痺攻撃。
本来そう言ったものへの耐性を持っているのだが、長い戦いを経て蓄積されたものが遂に許容量を超えた。
毒と麻痺が重なり動きに精彩を欠く邪神。
無論、それを見過ごす手は無い。
「邪神に委ねた望みなんざ、この見届け人がぶっ潰してやんよ!」
躍り掛かったのはクロウ。
今一度刀身に炎の魔力を這わせ、回る様に身を翻しての二連撃を見舞う。
この戦いの中で彼は或種の怒りを感じていた。
邪神が暴れる前に喰らった狂信者達が委ねた憎悪、それを喰らい糧として飢餓を訴える邪神。
言うならば、与えられた感情を根底に敷いての暴食。
それがクロウには酷く醜いものに見えていた。
「偽物が本物より勝る事もあるだろうよ。相手が俺でなかったらなァ!強くなろうと根っこが腐ってちゃァ意味ねェんだよ!」骸の海で反省すると善いぞ?分の感情で動いて初めて、その欲求は本物となる。
義侠的な性分のクロウだからこそ、許せない部分だった。
「深い事は解らんが、それ故に解る事も有るのじゃ」
両の拳を打ち鳴らして霆は構える。
「世界憎しと思う輩にとってはこんな奇怪なものでも神様になるのじゃ」
何らかの理由で絶望し世界を憎悪した連中。
復讐を拠り所とした彼等の望みが、このバケモノを邪神と成した。
だが、本来の神はバケモノ等では決してない。
他者に救いを与える為に他者の救いを奪うものが、神で在って良い筈が無い。
少なくとも彼女の思う神の在り方とは全く相容れないものだった。
故に、彼女は紡ぐ。
「それなら妾は世界愛しと思う者の神様になるのじゃよ!」
再度拳を打ち鳴らし、彼女は駆け出した。
最短距離を最高速度で進み、大きく右腕を振り上げる。
彼女が最も得意とする距離。
それは身が触れ合う程の超至近距離。
「鉄拳制裁なのじゃよー」
態と力を抜き、撫でる様にそっと手を伸ばす。
握られた小さな拳が滅紫の肌に触れた瞬間、全身の力が爆発する様に拳を通り抜けた。
乾いた破裂音と共に、ゆっくりと邪神が宙を舞う。
「骸の海で反省すると善いぞ?」
限界を迎えたのか、邪神は自らの身体を黒い球体へと変化させ、宙へ溶ける様に消えていった。
暫し、静寂が場を包む。
霆は猟兵達を見回し、高らかに右腕を挙げた。
「妾達の、勝利じゃ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『カバーストーリー』

POW   :    パッションで演技。力仕事で裏方など。

SPD   :    テクニカルな演技。技術で裏方など。

WIZ   :    ムーディーに演技。魔法で裏方など。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


見事、邪神を打ち破った猟兵達。
しかし戦いの余波は大きく、事後処理や流言対策に奔走する事となる。
一般人に邪神との戦いを知らせる訳には行かず、何より邪神の存在が周知される事で第二の狂信者集団が現れる事も考えられる。
出来る限り速やかに此度の戦いのカバーストーリーを用意する必要が有る。
戦いを終えた猟兵達に、鼎から雑な要請が出された。
「なんか上手い事やってください!」
斉藤・彩矢
連携・アドリブ大歓迎です!
【SPD】を使用、後処理は得意です!

なんかの撮影らしいねー、と一般人に紛れて情報を流す。
情報を公開するわけにはいきませんので【コミュ力】や【言いくるめ】、【催眠術】で何とかでっち上げて強引に納得していただきましょう。

無理っぽかったら最終手段として記憶消去銃でUDC関連の記憶を消去してあとは一般エージェントさんにお任せします!
勿論使う際はパニックにならないよう、記憶消去効果に支障が出ない程度に威力を絞り、他者から見えないように(心の中で謝りつつ)やります!

(…こういう手段はあまり使いたくないんですけどね)(心中で)



戦いの後、静けさを取り戻した港の入り口に俄に人が集まり始めていた。
 爆発みたいな音が聴こえた、テロか何か、火柱上がってた、と言った憶測や事実の入り混じった話が飛び交っている。
 その集団に紛れ、斉藤・彩矢はさりげなく話を誘導していた。
「なんかの撮影らしいねー。ほら、ついこないだやってた映画の続編。うん、そうそう。あのラストで卵映ってたやつ。今はもう撮影終わってスタッフや倉庫の会社の人達が後片付けしてるって」
 適当にそれっぽい事を話しつつ、持ち前のコミュ力を駆使して言い包める。
 大抵は「そーなのかー」と納得して解散したり、片付けの様子を遠巻きに見守っている。
 だが、中には疑り深く何かしらの事件が有ったと騒ぐものもいる。
 相手が野次馬な一般市民であれば簡易の催眠術を仕掛け何事も無かったと思い込ませ、家に帰るよう促す彩矢。
 そうして沈静化を図る彼女の元へ、野次馬を掻き分けてUDCの一般エージェントがやってきた。
 どうやら、過激な記事を書いてやたらと炎上させたがる性質の週刊誌記者がこの場に来ているらしい。
 すぐに向かう彩矢の耳に件の記者のダミ声が届いてきた。
「だからこそマスメディアを入れて事実を見せるんでしょう?それとも、見せられない様な何かがあるから頑なに拒んでるんですかぁ?」
「うわっ」
 思わず顔を顰める。
 何と言うか、特撮の世界で悪い意味でレジェンドになっていそうな記者が居た。
 余り清潔そうには見えない服装、人を小馬鹿にしたようなニヤケ顔、いかにも何か仕込んでいますよと主張する胸ポケットの膨らみ。
 その場に居るだけで不快感をばら撒いていそうな記者は彩矢を見付けると、その汚らしい口の端をニイッと吊り上げた。
「そこのお嬢さん!此処で何か見たりスマホで撮影してりしてないかな?色々聞かせて欲しいんだけど良いよね?早速なんだけどスマホ見せてもらえる?若いんだしSNSにアップする写真とか撮ってんでしょ?」
「ていっ」
 やたらと馴れ馴れしく近寄ってきた記者へ、反射的に記憶消去銃を撃った。
 普段は至って普通の心優しい女子高生で通っている彼女だが、今回ばかりは生理的に無理とばかりに本能が防御体勢を取っていた。
 つい撃ってしまった事に気付き、心の中で謝罪をしておく。
 目と口を半開きにして動きを止める記者をなるべく視線から外して、一般エージェントへ声を掛ける。
「胸ポケット、多分カメラで録画回してます」
「確認、停止しました。回収しますか?」
「んー……メモリを抜いて新品のものと入れ替えで。本体はそのまま電源落とした状態で戻して置きましょう」
「解りました」
 ささっと処理をしてからもう一度光線を浴びせる。
 白昼夢を見ていたかの様に周囲を不思議そうにきょろきょろと見回す記者に背を向けて、彩矢は歩き出す。
(……こういう手段はあまり使いたくないんですけどね)
 儘ならないなぁ、と小さく苦笑を漏らして、彼女は再び喧騒に紛れて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空雷・闘真
「最近流行りの自爆テロという奴だ。この日本にも、そのような輩が紛れ込んでいたらしい。全く。グローバル化というのも、いいことばかりではないな」

騒ぎを聞き付けた人々に、闘真はそう説明する。

「だが心配するな。死傷者は一人も出ていない。そしてテロリスト共は全員捕縛した。この俺がな」

その言葉に疑いの視線を向ける市民達。
その反応を待っていたかのように、闘真は己の右腕を高く上げる。

「俺の言葉を信じるか信じないかは、こいつを見てから決めな」

【怪力】【力溜め】で凄まじい力を蓄えたその拳を【武器】とし、【捨て身の一撃】からの【グラウンドクラッシャー】を地面へと放つ。

「この俺がいる限り…この国を戦場にはさせないぜ」



「一体何が起きたんだ……?」
「爆発音みたいなものも聞こえて来たぞ」
「事故でも起きたのかしら……」
 港に近い公園では帰宅途中のサラリーマンや塾帰りの学生、買い物を終えたばかりの主婦達が集まっていた。
 日中は子供達の元気な声が響き渡る公園だが、今は住民の不安そうな声に溢れている。
 そこへやってきたのは空雷・闘真。
 ゴーレムを蹴散らし粗方掃除を終えた彼は、近隣を回り住民達の動揺を鎮めに回っていたのだった。
「最近流行りの自爆テロという奴だ。この日本にも、そのような輩が紛れ込んでいたらしい。全く。グローバル化というのも、いいことばかりではないな」
「うわっと!?」
「あぁ、驚かせてしまったか。すまん」
「いえいえ、こちらも失礼を……」
「あらぁ、立派な体格。レスラーさんかしら」
 意外に敏感なリアクションを取ったサラリーマンに会釈をしつつ、闘真は再度繰り返した。
「今言った通り、あれは自爆テロを目論んだ奴が暴れ回った影響だな」
「自爆テロ……」
「怖いわねぇ、テロなんてテレビの向こうの出来事だと思ってたわぁ……」
 告げた言葉に皆一様に沈んだ反応をする。
 さもありなん、事件は数有れどテロと言う行為自体は彼等住人が子供の時に一度報道されたきり。
 以来地震や台風には悩まされても、人の悪意そのものに晒される事件は数える程しか無かったのだ。
 鬱屈した雰囲気に陥り掛けた所で再度闘真が空気を変える。
「だが心配するな。死傷者は一人も出ていない。そしてテロリスト共は全員捕縛した。この俺がな」
「えっ!?」
「貴方がですか……!?」
「あらやだ」
 唐突過ぎる宣言に皆戸惑いを隠せない。
 急に現れた男が事件を解決したと言っても、大半の人は信じないだろう。
 事実、この場に居る住民達も訝しげな視線を向けている。
 だが闘真はその反応を待っていたと言わんばかりに、高く右腕を掲げた。
「俺の言葉を信じるか信じないかは、こいつを見てから決めな」
 一歩下がり周囲の安全を確保した上で、闘真は右腕に力を込める。
「おぉっ!?」
「うわっ、凄い!」
「きゃーっ、太ぉい!」
 一人マッスル好きなご婦人が居る様だが、その他の住民は驚きの声を上げた。
 はち切れんばかりに太く膨張した右腕。
 その表面には力強く脈動する血管が浮き出ており、ボディービルダーもかくやと言う逞しい筋肉が盛り上がっている。
 ニヤっと笑い、闘真は右腕を足元の石畳へと打ち付けた。
 太鼓よりも力強い打音が響き渡り、拳の下から放射状に亀裂が走って行く。
 圧倒的なパワーで打たれた地面は沈み込み、ちょっとしたクレーターの様になっていた。
「この俺がいる限り…この国を戦場にはさせないぜ」
 しん、と静まり返る公園。
 その静寂が、徐々に打ち破られていく。
「……こ、このパワーは……」
「本当に、テロリストを倒したのでは……」
「きゃーっ、格好良いわー!」
「……すごい漢だ」
 まばらだった拍手が歓声へと変わり、皆口々に闘真へ賞賛を浴びせる。
 文字通りの力技だったが見事住民の不安を一掃する事に成功した。
 巻き上がる歓声の最中、ふと誰かが呟いた声が、闘真の耳に届いた。
「あ、でも公園の石畳壊したら拙いんじゃ……」
 闘真は聴こえなかった事にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
UDC?事件?関係ねえ!俺の歌を聴けー!!

パイプオルガンを持ち込んでゲリラライブ。
【パフォーマンス】【楽器演奏】で集まった奴等の注目を集める。
俺のいる場所こそが大劇場!
野次馬も! 記者も! 狂信者も !俺の前ではオーディエンスだ!
ついでに【ガジェットショータイム】でなんかライブに役立ちそうなガジェットを召喚しておく。

注1:鍵盤の横には金色に輝く蜂蜜酒が置いてあります。
注2:パイプオルガンをどうやって持ち運んでるのかは不明。



「煮え滾ってるかオーディエェーェンスッ!!」
『ウオォォォーッ!!』
「飛び入り参加も歓迎だ!まだまだ行くぞォーッ!!」
『ワァァァァアア!!』
 戦いの有った倉庫から程近い広場では、野次馬と化した人々が集まっていた。
 普段は様々な野外イベントが催されているこの場所は、港の様子を遠くから眺める事が出来る為ちょっとした集会場となっていた。
 エージェント達の働きにより詳細までは双眼鏡でも使わないと解らないだろうが、それでも放置しておくには拙い。
 なのでいっそゲリラライブを開催して視線を此方に釘付けにしようと、ウィルトス・ユビキタスは画策した。
 結果として、その策は見事に嵌った。
 元々この場所を知っている人々は、音楽イベント等で此処を訪れた事が有る。
 つまり、お祭り騒ぎが大好きな気質の人々だ。
「おっと、此処で飛び入り参加だ!エレキギターの兄ちゃんとキーボードの姉ちゃん、良く来てくれた!一緒に盛り上がって行こうぜぇー!」
『イエェェェェア!!』
 マイクパフォーマンスで会場を盛り上げていくウィルトス。
 UC【ガジェットショータイム】で召喚された音響装置、舞台、特大ビジョン、照明器具を駆使してロックフェスさながらの様相を呈する。
「時間なんて関係ねえ!俺の歌を聴けー!!」
 日も暮れていると言うのに異常なまでの盛り上がり。
 間違いなく、パフォーマーとオーディエンスは一体になっていた。
「それじゃあ次だ!この曲は皆も知っているだろうから一緒に歌ってくれ!いくぜ、1,2,3!」
 特徴的なエレキギターとドラムスが織り成すイントロダクションに、ウィルトスが奏でるパイプオルガンの音色が見事なハーモニーを響き渡らせる。
 ライブ版と評せる程の華麗なアレンジと聴き慣れたメロディに会場は熱気を増していく。
 そこへキーボード、ベースギター、リードギター等飛び入り参加者が手にした楽器の音色が重ねられていく。
 そして、会場の声が歌詞を刻んでいく。
 野次馬も記者も、この場に居る全ての者がオーディエンスとなる。
 迎えたサビでは全員が腕を振り上げての大合唱。
 ウィルトスが流れる汗をライトに煌かせながら、歌を紡いでいく。
「俺のいる場所こそが!!」
『大劇場!!』
 嘗て無い熱気に包まれたまま、彼等は次の曲を奏で始める。
 鍵盤の傍らに置かれた金色に輝く蜂蜜酒のボトルが、微笑むようにきらりと瞬いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琥珀川・れに
【言いくるめ】技能が役に立つと聞いて誰かに呼ばれたよ

知り合いではないけれど、一人目の斉藤・彩矢の誤魔化し方が有効そうなので便乗してみよう。
「外国で有名な映画スターが居るらしいよ」

でも疑い深い者がいるのは仕方ないね。
何か反論する者がいるなら口説いてしまおう。
壁ドンして「僕の事を信じてくれないのか?」
女性はもちろん男性も口説けるだろうか。
【礼儀作法】【コミュ力】があるから大丈夫かな。

あとは…そうだ、僕が目立てばいいんだ。
「外国で有名な映画スターは僕の事だよ」
あとは特撮チックなシーンを披露してあげよう
UC【血統覚醒】
凄いと思われるか怖がられるかどうかは成功次第…?


※アドリブ大好き。省略・変更大歓迎。



 人々が集い賑わいを見せる商店街。
 港から離れたこの場所でも、戦いの音は届いており住民は口々に不安の声を上げていた。
 しかし、今は何やら声の質が違っている様だ。
『外国で有名な映画スターが来ているらしい』
 平和に染まり切ったこの国で話題を攫うのはいつだって、血腥さを孕んだ事件よりも大衆的な娯楽に関する出来事。
 大衆心理を巧みに突いた話術で事の沈静化を図るのは琥珀川・れに。
 子供の頃に読んだ絵本から飛び出してきた様な、気品に満ち溢れる王子様然とした立ち振る舞い。
 何ならキラキラとした粒子まで幻視出来そうですらある。
 そんなれに――此処では彼女の希望に沿って、レニーと呼称しよう――は、持ち前の美麗さと数々の技能を駆使して周囲の人々を口説き落としていた。
「確かに何かしらのトラブルは有ったみたいだ。でも、サイレンが響かず規制も敷かれて居ないとなればそう大事じゃないさ。そう思わないかい?」
「は、はい……そうですね……!」
 レニーに見詰められている少女は目を潤ませうっとりした表情でそう返事をする。
 その場面だけを切り取れば少女漫画雑誌の巻頭カラーと思えるかもしれない。
 この場に、港での騒ぎを覚えているものは居なかった。
 ふふっ、と軽く微笑んでレニーは更に印象付けようとマントを翻した。
「此処で一つ、皆に告白しなくてはいけない事がある……」
 背を向けて静かに歩き出すレニー。
 誰かの喉がごくりと鳴り、皆静かに言葉を待っている。
「外国から来ていると言う有名なスター……それはね。僕の事だよ」
 振り向いたレニーの目は紫から真紅に変わり、妖しげな光を湛えて皆を捉える。
 悲鳴が上がった。
 その感情は次々に伝播し、最早誰にも止められない。
 この日、琥珀川れにファンクラブがUDCアースの地方都市で誕生した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
※十六夜様と連携
「後始末はきっちり致しましょう」
周囲の電子機器を【ハッキング】して画像、動画データの消去を試る
完了するまでの時間稼ぎと偽装もかねて十六夜様と空中アクロバットを繰り広げます。当機ではなく人形のネロが、ですが。
鋼糸を空中に張り巡らせ十六夜様の足場を構築。
当機は自前のギターを【楽器演奏】しついでに【歌唱】しながら人形を操作します。
十六夜様とネロには追いかけっこでもしていただきましょう。
南瓜頭の案山子と一緒に空を駆け回れば注目もバッチリのはず。
「れっつぱーりぃです」


月代・十六夜
「情報隠滅ねー。電子機器の記録は消えねぇからなぁ。そんじゃお仕事と行きますか、アマータ嬢に丸投げだけど。」

※アマータ嬢と協力。彼女がハッキングするまでの間、彼女の人形と音楽に合わせて糸の上を飛び回って追いかけっこをする。大道芸らしさを増すためにピエロに扮して、時々わざと足を踏み外して落ちるのを、見えない糸を踏んで戻るようにスカイステッパーを使用する。



「お集まり頂きました皆様へ、この場を借りて厚くお礼申し上げます。短い時間では御座いますが、どうぞお楽しみください」
 落ち着いた透き通る声が、会場となった広場の人々に届けられる。
 フォークギターの甘い音色が続き、艶を乗せた歌声が重なっていく。
 今アマータ・プリムスがやっているのは該当エリアの電子機器へのハッキング。
 戦いの痕跡を消す為に、此度の戦闘に関連するあらゆる画像・動画データの抹消を行っていた。
 無論、ただやっていたのでは工作に気付く者も出て来るだろう。
 そこでアマータは一計を案じる。
 自身の繰る人形ネロと、月代・十六夜に大道芸の真似事をしてもらい衆目を集めるようにした。
 結果として、その試みは成功を収める。
 丁度外食帰りと見られる親子連れや若いカップルが目を輝かせながら、或いはスマホでその様子を撮影しながら、空中を飛び跳ねる二人の動きに見入っている。
(しかしまぁ、随分と集まったもんだ)
 予想していたよりも多くの人が集まっている事に十六夜は内心驚いていた。
 耳にする事は有っても見る事は殆ど無いであろう大道芸。
 しかも自身がピエロに扮して出る側に回るとは思ってもみなかったが、向けられる視線と歓声は、そう悪くは無い。
 玩具のリンゴを巡って繰り広げられる、南瓜頭の案山子とピエロの追い駆けっこ。
 アマータが歌いながらストーリーを説明し、時折ジョークやシュールなギャグを交えて勧めていく。
 特に『美しい姫を巡る二人の男の物語、しかし人数が足りないのでリンゴがお姫様の代わり』と説明され、ネロと動きを止めてアマータへと振り返ったくだりはチビっこ達に大ウケだった。
「れっつぱーりぃです」
 その声と共に追い駆けっこの舞台は空中へ。
 アクロバティックな演出に、観客は一気に沸いた。
 ぴょんぴょん飛びながら空を飛ぶ所では歓声が、アマータが張り巡らせた鋼糸から足を踏み外す所では悲鳴が、リンゴそっちのけでネロとファイト一発ごっこをする所では笑い声が。
(後は今撮影されている分だけですね)
 すっかり魅了された観客をながめながら、アマータは最後の仕上げに入る。
 ほぼ全てのデータは消去した。
 残りは自分達に関わるデータのみ。
 猟兵に関わる情報を残しておく事は看過出来ない。
(後始末はきっちり致しましょう)
 ギターを掻き鳴らし、ムードは愈々クライマックスへ。
 即興で組み上げた為か、捨て置かれたリンゴを尻目に十六夜とネロが友情を深め合いがっしりと抱き合った場面で幕は閉じた。
 万雷の拍手を受けつつ謎のストーリーを演じ切った十六夜に一つ頷いて、閉幕の挨拶へと移る。
 既にSNSに上げられた画像や動画は消去してある。
 後はエージェントの方で、宇宙フレアの影響で一部の通信データがどうのこうのとそれっぽい理由を付けて誤魔化してくれるだろう。
 残るのはそれぞれの猟兵に出会った人達が『こんな人があの時居た』と言う噂話だけ。
 証拠も無いそれはやがて風化し忘れ去られていく。
「みっしょんこんぷりーと、です」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト