#アルダワ魔法学園
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
●もふもふの
その日、アルダワ魔法学園はなんだかいいにおいが漂っていた。
「なあ、なんか甘い匂いしない?」
「なんだろ? どっかのクラスが調理実習でもやってんのかな?」
ふんふんと鼻を鳴らしながら、学園の生徒は廊下を歩く――と。
「ホ~」
「!?」
目の前に、愛らしいもふもふのフクロウが現れたのである。
「か、かわっ……」
かわいい、そういおうとした刹那。彼女の顔面にフクロウが突っ込んでくる。
「わぷっ」
「おい! そいつ災魔わっぷ」
「ホホゥ~」
傍らにいた男子にも、もう一羽フクロウがもふり。
もふもふん。もふり。いつの間にやら増殖したフクロウが彼らを包んでいく――。
「ああぁぁ気持ちいい~」
「はぁ~、かわいい~~~」
恍惚とした表情で生徒はフクロウに埋もれる。
――毎秒、その命が削られているとも気づかずに。
●ほのぼのしてる場合ではなかった。
「とね、まあ、もふもふのフクロウがかわいいんだけど、これが厄介な相手で」
穂積・竜胆(妖狐の聖者・f09947)はうーんと頭を抱える。
「ふわふわしたものって気持ちいいんだけどさ、そのフクロウ、普通に人をだめにしちゃうんだよね。命的な意味で」
自分の尾を前に持ってきて撫でながら、竜胆は眉を寄せた。
「みんなには、魔法学園の生徒たちと協力して学園のそこかしこに現れるこのフクロウを討伐してほしいんだ。フクロウを倒し切れば、元凶になってるものも明らかになるはず」
甘いにおいがするっていうのも、なんか気になるよね、と付け加え。
「生徒さんはこの事態に動揺しちゃってるみたいだから、うまく誘導してあげてね。それなりに戦力にはなってくれると思うよ。……っていうか、フクロウにおぼれるのをまず何とかしてあげないとだ」
かわいいからと言って油断はできないね。竜胆は苦笑すると、猟兵を送り出すのだった。
狐路ユッカ
お世話になっております、狐路です。
もふもふのフクロウさん、実は寿命を削ってきます。こわや。
第一章では、フクロウ討伐です。学園の生徒は、指示をだせばそれなりに戦います。
第二章は、第一章を無事クリアした場合敵の居場所が明らかになるのでそれと戦います。
多分いいにおいがします。
第三章では、災魔のボスと戦闘です。なんかいいにおいがします。たぶん。
ボスは強いので、生徒さんは戦いません。猟兵だけで撃破してください。
人をだめにするもふもふと甘いにおいをどうぞよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『モリフクさま』
|
POW : 翼びんた
単純で重い【翼】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 人をダメにするもふもふ
【胸部のモフモフ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うぉーみんぐあっぷ
予め【羽ばたく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リヴェンティア・モーヴェマーレ
ジノーヴィーさん(f17484)と一緒
※ジノさん呼び
▼アドリブ大歓迎
▼【WIZ】
(行く前)
大ジョブです!ふわふわだろうともこもこだろうと屈したりはしませン!
(到着後)
ふ…ふわふわ…もふもふのフクロウ…さん…
(動物好きなモノにとってふわもこは甘い蜜のような存在。行く前に言った事など今は遠い彼方へ旅立ちましタ。ふらぁっと誘われるように敵の元へ)
しかもとっても甘い匂いを添えて…
(ダメだこれはと必死に止めようとする、森の動物達。しかし進める足は止まらない!)
終わったらもふもふ…でス?
(ジノさんに首根っこを掴まれつつ訊ね)
わかりました!がんばりマス!
(頬をぺちっと叩いて気合注入!全力攻撃でUC発射!)
ジノーヴィー・マルス
リヴェンティア(f00299)と一緒に。
呼び方:センパイ
アドリブ歓迎
(行く前)
何かもふもふに屈しないとは言ってたけど……本当かねぇ。
まぁ危ない時は何としてでも引き戻すか。
(現地)
えーと、確かにこれは敵っぽくはねぇよなぁ。けど相当えげつないらしいし……センパイ、気をつけて……
………行きましょって言おうとした矢先にもふろうとしてるよ。
何か甘ったるい匂いまでするしやばいって。ほらセンパイの動物たちも止めようとしてるけど…駄目だ、こりゃ俺が何とかしないと。
ほらセンパイ、屈しないんでしょ?ちゃんとできたらご褒美にもふもふのぬいぐるみ買うから!
何とか説得できたところでこっちもVendettaで攻撃開始だ。
●
「大ジョブです! ふわふわだろうともこもこだろうと屈したりはしませン!」
などと豪語していたのは誰だったろうか。
(「何かもふもふに屈しないとは言ってたけど……」)
大丈夫だろうか。ジノーヴィー・マルス(Ennui blues・f17484)は、ともに依頼に出かけるリヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)のことを案じていた。
「ホ……」
フクロウさんが現れて、予感は確信に変わった。
「えーと、確かにこれは敵っぽくはねぇよなぁ。けど相当えげつないらしいし……センパイ、気をつけて……」
行きましょ……言いかけたその傍らで、リヴェンティアは目の前に現れたフクロウを見つめ、目を輝かせている。
「ふ……ふわふわ……もふもふのフクロウ……さん……」
はふぅ、と甘いため息をつき、手をワキワキさせながらフクロウさんのもとへ吸い寄せられるように歩いていく。
(「あ、だめだこれ」)
動物好きなモノにとってふわもこは甘い蜜のような存在だ。吸い寄せられるなというのが無理なのだ。行く前に言った事など今は遠い彼方へ旅立ってしまった。グッバイ決意、ハロー煩悩。
「ホウホォ……」
ふわん。甘く優しい香りを漂わせるモリフクさま。おいでなさいとその翼を広げる。ばさばさっ、と羽ばたいてみせれば、その羽があたりを舞った。リヴェンティアの足元では、動物たちが必死に制止している。行ってはダメ、戻ってきて、と足をくいくい引っ張ってくれているけれど、もうリヴェンティアは止まらない。
(「……駄目だ、こりゃ俺が何とかしないと」)
あんなに必死に止めてるのに全く聞いちゃいないよ。完全に魅了されてる……。ジノーヴィーは、これ以上はまずいと判断した。リヴェンティアの首根っこをひょいとつかむ。
「ほらセンパイ、屈しないんでしょ?」
「ああっ、もふもふとの邂逅を邪魔しないデくださいィ……」
ちたぱたと足をばたつかせながらリヴェンティアはモリフクさまのもとへ向かおうとする。
「ちゃんとできたらご褒美にもふもふのぬいぐるみ買うから!」
ぴたり。
「終わったらもふもふ……でス?」
首根っこをつかまれたまま、問う。ジノーヴィーは一つ頷いた。
「そ、約束するから。あのフクロウは駄目だって……」
「わかりました! がんばりマス!」
しゃきっ、と彼女の目に意思が宿った。ようやく――! ぺちんっ、と頬を叩く。心を鬼にして、210体の機械兵器を展開し、一気にモリフクさまに突撃させた。
「ホホホァー!」
ジノーヴァ―も、Vendettaを構えると一気にその弾を放つ。
「ふわもふに撃ち込むのは憚られるが……まあ、仕方ないよな?」
これ以上センパイが誘惑されてはたまったもんではない。羽を散らし、モリフクさまは断末魔と共に消え去っていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「もふもふになんて負けないぞー☆」
モリフクさまに簡単に埋もれちゃいそうなちっちゃな身体、だけど元気一杯でオブリビオン退治に出発だー!
【ライオンライド】で呼び出した体長40cmほどの子ライオンくんに【騎乗】して戦うよ!
ライオンくんが獲物を狙うようにがぶりと噛み付いちゃうよ!
ふふーん、もふもふで誘惑してきたってボクには効かないよ!
だって、ボクのライオンくんだってすごくもふもふなんだから!
学生さんもライオンくんもふもふしてくれてもいいんだよ♪
【動物と話す】でライオンくんにはもふもふさせてあげるようにお願いしておくね!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
ルーシー・ブルーベル
もふもふは、たしかにとってもステキ
でも、もふもふは人をいやすモノじゃなきゃ、ダメ
【WIZ】
「ふわふわなおともだち」
もふもふには、ふわふわで対抗するわ
羽ばたきで強くなるなら羽のあたりをグルグルと
生徒さんがくっついてるフクロウさんなら、
生徒さんを巻き込まないように注意するわね
動きを止めている間にフクロウさんから生徒さんははなれてもらいましょう
もふもふから逃れられれば、
フクロウさんが災魔だって思い出してもらえるかしら
見た目もかわいいけれど、災魔は災魔……だもの、ね
ルーシーが止めてる間に攻撃をおねがいしてもいい?
ルーシーは行ったことないけど、ガッコウで習っているのでしょう?
お勉強の成果、ぜひ見せてね
●
「もふもふになんて負けないぞー☆」
威勢よくモリフクさまのもとへ駆けつけたティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、20cmに満たない小さな体の持ち主であった。ライオンライドで呼び出した、これまた40cmほどの子ライオンの背にひょいと乗る。
「いっけぇ~! ライオンくん!」
たかたかっ、とライオンはモリフクさまめがけて走る。
「ホホワァ」
モリフクさまはというと、その胸部のもふもふに空気をためるようにもっふらと胸を膨らませる。
「わわっ……」
胸部に突っ込むように、ライオンはティエルと共にモリフクさまのもとに。
「ぅわぷっ……」
「ホワ」
モリフクさまのお胸……あったかい……。なんてことには、ならない!
「ふふーん、もふもふで誘惑してきたってボクには効かないよ!」
がぶり。ライオンの牙がモリフクさまに食い込む。
「フフワフ!?」
目を白黒させるモリフクさま。
「もふもふは、たしかにとってもステキ。でも、もふもふは人をいやすモノじゃなきゃ、ダメ」
ルーシー・ブルーベル(ダンピールの人形遣い・f11656)は、まだモリフクさまに近づこうとうっとりしている学園の生徒を見て、ぽつりと呟く。羽ばたきで強くなってしまうのを阻止せねば、とルーシーは抱えたぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
「おねがい、止めて」
しゅるり、と綿が放出される。それに、モリフクさまの翼がからめとられたのを確認すると、生徒たちに呼びかける。
「ダメよ、そのフクロウさんは災魔なの。よく見て。かわいいけれど……思い出して」
一度離れるように、と。
「えっ……」
ぴた、と女生徒の動きが止まった。
「もう一度言うわ。それは災魔よ」
そんなにもふもふが好きなら~、とティエルが生徒の近くに駆け寄る。
「学生さんもライオンくんもふもふしてくれてもいいんだよ♪」
がぅ、とライオンが小さく頷いた。前もって、もふもふさせてあげてね、とティエルが頼んでいたのだ。主の言うことならば、と快諾してくれたのだろう。ライオンは、黙ってその頭を女生徒の手にぐりぐりと擦り付けた。
「ふ、ふわふわだぁぁ」
「か、かわいいぃぃ」
人気を奪われて、モリフクさまはちょっと寂しそうだ。
「見た目もかわいいけれど、災魔は災魔……だもの、ね」
ルーシーの言葉に、ティエルもうん、と頷く。生徒たちも、モリフクさまの誘惑からだいぶ離れられたようだ。
「ルーシーが止めてる間に攻撃をおねがいしてもいい?」
【ふわふわなお友だち】で抱き込むように止めたモリフクさま。今ならチャンスだとルーシーは生徒たちに指示を出す。
「あ……」
「ルーシーは行ったことないけど、ガッコウで習っているのでしょう?」
「は、はい!」
頼りにされたことがうれしかったのか、生徒たちは懸命にそれぞれ詠唱を始めた。
「……お勉強の成果、ぜひ見せてね」
わかりました、と元気に答えてくれた生徒たち。あっという間に、モリフクさまは掃討されたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ひよこーん』
|
POW : ひよひよあたっく
【弾けたひよこーん】が命中した対象を燃やす。放たれた【不可視】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ひよー、ひよひよー!
【鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ : ぱちぱちぽんぽん
【体内の熱】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:Miyu
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リヴェンティア・モーヴェマーレ
ジノーヴィーさん(f17484)と一緒
※ジノさん呼び
▼アドリブ大歓迎
▼【W】
なかなか強敵でしタ…
特にメンタルが…
気を取り直して!
ジノさん、次どんな強敵が待ち受けているかわからないので気を付けていきまショ!(真剣
では…とつげ…
(次なる可愛らしい敵を見
き…
(目を丸くする
……
(目を手で覆う
これはいけません…
(岩陰に隠れ
ジノさん…私はもうダメでス…
この子達と共に……戦って下さ…(目隠ししながら、UCで出したハムスターとチンチラを渡して、目立たないように場所を移動、情報収集をしながらジノさんと2匹に戦闘を担う
(うちのマスターがポンコツでスミマセンと言う顔の2匹。そして全力で攻撃する2匹。そこに容赦はない
ジノーヴィー・マルス
リヴェンティア(f00299)と
呼び方:センパイ
アドリブ歓迎
手ごわい敵……まぁそうだったね。
まさかああまで誘惑されるとは思わなかったよ。
うん、こっちも気をつけるけど俺はセンパイの事が心配です。凄く。大真面目に。
で、次は何?ポップコーンな訳?
……でもこれも正直センパイ駄目そう。
ってやっぱ駄目だったか!
あ、あー……そんな今際の際感出さなくて良いから。
動物さん達もそんな謝らなくて良いから。
まぁ、こっちはこっちでハムスターくんとチンチラくんと一緒に戦うか。
Vendettaを使って【範囲攻撃】だ。数が多いならこれに限るってね。
こんな感じのポップコーン、もしどっかで売ってたらセンパイに教えてあげよう。
●
「なかなか強敵でしタ……特にメンタルが……」
はぁぁぁ、と深くため息をつき、リヴェンティアは顔を上げる。
「手ごわい敵……まぁそうだったね。まさかああまで誘惑されるとは思わなかったよ」
ジノーヴィーは目の色を変えてモリフクさまに吸い込まれていくリヴェンティアを思い出してこめかみを抑える。
「気を取り直して!」
ぽんぽんっ、と服のほこりをはらうと、リヴェンティアはきりっとした顔つきで言い放った。
「ジノさん、次どんな強敵が待ち受けているかわからないので気を付けていきまショ!」
至極真面目に言っているのだが、フラグに思えてならない。
「うん、こっちも気をつけるけど俺はセンパイの事が心配です。凄く。大真面目に」
大ジョブ、任せてくださイ! なんて言っているリヴェンティアの背についていくジノーヴィー。
「むむ、良い匂いがしまス。きっとこっちデスね」
すん、と鼻を鳴らしたリヴェンティアが、曲がり角を曲がった。
「では……! とつげ……」
曲がった先に見えたのは、ふわふわとしたひよこーん達。ぽぽんっ、という音と共にはじけながらこちらに向かってくる。
「き……」
ふわっ、ぴよっ……。その様子に、リヴェンティアは目を丸くして口をパクパクさせている。
「……」
「で、次は何? ポップコーンな訳?」
ジノーヴィーは次から次へと現れるひよこーんに、小さくため息をつく。これ一体当たりの戦闘力は大したことはなさそうだから特に問題ない、問題ないけれど……。
(「……でもこれも正直センパイ駄目そう」)
「センパイ?」
リヴェンティアはよろよろと後ろ歩きでジノーヴィーの胸部にぼすん、と己の後頭部をぶつけてしまう。その目を手で覆って、ふるふると首を横に振った。
「これはいけません……」
(「ってやっぱ駄目だったか!」)
すっ、と柱の陰に隠れると、リヴェンティアは震えながらこう言った。
「ジノさん……私はもうダメでス……」
「あ、あー……そんな今際の際感出さなくて良いから」
「この子達と共に……戦って下さ……」
Buona Avanti Vaiで呼び出したチンチラとハムスターを、ジノーヴィーに託す。ひょこひょことジノーヴィーのもとへ駆け寄ったチンチラ&ハムスターは、うちのマスターがポンコツですみません、というように何度も頭を下げてぷひゅぷひゅと鼻を鳴らした。
「動物さん達もそんな謝らなくて良いから」
なんだかいたたまれなくてジノーヴィーは謝罪する動物たちを制止する。
スパパポーンッ、とひよこーんが弾けた。まけるか、とばかりにチンチラとハムスターはひよこーんに喰らいかかる。確かに、迷いがあるリヴェンティアが戦うよりよほど良いかもしれない。ハムスターとしてはポップコーンならかじりやすくて歓迎なのだ。へけ。
「出血大サービスってね!」
数が多いならこれに限る、とばかりにジノーヴァーはVendettaから弾幕攻撃を張る。熱をもって真っ赤になったひよこーんが何体かジノーヴァ―の体を打ったが、、相打つようにして撃ち落としていく。
「だいぶ減ったか?」
肩で息をする動物たちとジノーヴァ―、そして柱の陰で震えながら動物を使役するリヴェンティアの姿がそこにあった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「わわっ、なんだか甘いいい匂いがする敵だよ!?」
甘い匂いに涎が垂れて誘惑されそうになりながらも相手はオブリビオン。きっちりやっつけるよ!
背中の翅で飛び回る「空中戦」でひよひよ鳴いて襲い掛かってくるひよこーんを「見切り」で回避♪
飛び込んできたひよこーんに対して、「カウンター」でレイピアをぷすっと刺しちゃうよ!
最後は【妖精の一刺し】で連続してぷすぷすぷすーって刺して回っちゃうよ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
ルーシー・ブルーベル
なんだかとっても、甘い香り……?
この子たちもかわいいのね
油断しないように、しなくちゃ
これがオブリビオンじゃなくて、ぬいぐるみとかだったら良かったのに
【WIZ】
なんとなく、だけれど
近づいたら危険そうな気がするわ
だから「妖精花の舞」で「ひよこーん」を近づく前に倒してしまいましょう
出来れば熱くなる前に、先に倒しておきたいけれど
先に弾かれてしまったら飛んでいく先をよく見て落とすわ
アツアツで、もう弾けるよ、ってコは要注意ね
学生さんの方に向かうコも気を付けるわ
みなさん、ケガはしていない?
何故かしら…少しおなかが空いてきたわ
帰ったらオヤツにしましょう
*アドリブ歓迎
「わわっ、なんだか甘いいい匂いがする敵だよ!?」
ティエルは、ふんふんと鼻を鳴らす。前方からキャラメルポップコーンのにおいがする……。甘い香りに誘惑されてよだれが垂れてしまいそうだ。
「なんだかとっても、甘い香り……?」
ルーシーは前方を確認する。目の前でぽぽんっ、と何かが弾けた。
「! この子たちもかわいいのね」
「ひよっ」
ひよこーんが、こちらを見つめてふわふわしている。
「油断しないように、しなくちゃ……これがオブリビオンじゃなくて、ぬいぐるみとかだったら良かったのに」
緊張感のない顔にふわふわぽよぽよの甘い香りのひよこたち……。されど、相手はオブリビオン。ふるふると首を軽く横に振ると、ティエルはぐっとこぶしを握りなおした。
「きっちりやっつけるよ!」
ティエルは、その背の翅でひらりと飛び上がった。
「ひよっ、ひよひよー」
ひよこーんはティエルと同じ高度まで上がり、ひよこーんの群れの戦闘力を増幅させる。そして、一斉にティエルに飛び掛ってきた。
「そうはいかないよ~!」
ひら、ひらり。軽やかに身をひるがえし、散弾銃よろしく突撃してくるひよこーんを躱す。そして、振り向きざまにぶすっ、とレイピアで刺してやった。
「ひ、ひよぉおおおおお!」
「ぴぃい!」
断末魔がなんとなくかわいそうだ。しかし、忘れるな。これはオブリビオン……オブリビオン……。
(「……なんとなく、だけれど、近づいたら危険そうな気がするわ」)
ルーシーは熱々に熱されて弾けるポップコーンよろしく弾けまわっているひよこーんを見て、距離を取る。
「さあ、いっしょにおどって?」
近づけないのならば、と、無数の釣り鐘水仙の花びらに変えた武器をひよこーんへ飛ばす。
「ぴ、ぴよっ」
ばちばちっ……ぽぽんっ、ぽんっ! と、負けずにひよこーんも弾ける。
「ッ! 危ないわね……」
これ以上増える前に、と、まだ弾けていないひよこーんを注視する。
(「あのあたりそろそろ弾けるかしら……」)
赤くなっていくひよこーんを指さし、学生たちに注意を促す。
「そろそろ弾けるわ、距離を取って!」
「は、はい!」
もう一度、と、学生を庇うように妖精花の舞をひよこーんへ向かわせる。
「みなさん、ケガはしていない?」
「大丈夫です、微力ですが、勢いの落ちたのは私たちが片付けますよ!」
弾けてへろへろりと落ちてきたひよこーんを、学生の魔法弾が捕らえる。
「さて、これで最後だよ!」
ティエルがレイピアを構えた。既に防御の構えは捨てた。あとは、突っ込むだけだ。
「いっくぞーーー!! これがボクの全力全開だよ☆」
全速力で、ひよこーんの塊に突っ込んでいく。
「ぴぴよーっ!!」
ばふっ、と爆ぜるようにして、ひよこーんはキャラメルの芳香を残し消え去るのだった。
「よーしっ、片付いたね!」
それにしても、おいしそうだったなぁ……ティエルはもったいなぁいとばかりに眉尻を下げる。
「何故かしら……少しおなかが空いてきたわ」
心なしか、更にカラメルのにおいがするような……気のせいか……? いや……。
「……帰ったらオヤツにしましょう」
ルーシーは、そのためにもはやく片付けちゃいましょう、とつぶやいた。
多分、帰宅後のおやつはキャラメル系……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『マダム・プディング』
|
POW : ア・ラ・モード!
【焼きプリンの魅力】【生クリームの魅力】【新鮮フルーツの魅力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : おやつの時間よ!
【巨大なフルーツやプリンの塊】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ほぅら、いい香りね?
【勢いよく開いた日傘】から【抗えぬバニラの芳香】を放ち、【香りに陶酔させること】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:オペラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「サヴァー・リェス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リヴェンティア・モーヴェマーレ
ジノーヴィーさん(f17484)と一緒
※ジノさん呼び
▼アドリブ大歓迎
▼【W】
……こ、今回は頑張りたい気持ち!!(ぐっ)ジノさん、そんな目で見ないでくださーい!(動物達はご主人が今回はやる気だ!良かった!良かった!って喜んでいる)
美味しそうですが、もふもふよりは戦いやすいデス!
香りが漂ってきたら、U Cで風を起こしマダム側に風が流れるように仕向けマス
これで香りからは多少逃げられるハズです!
少し、すこーしだけ美味しい香りにやられてしまいそうですガ、ここは耐え時!(鼻をつまんでくれるハムスター)
ジノさん!ゴーゴーな気持ちー!食べ物を粗末にする子はお仕置きしてあげてくださイ!
ジノーヴィー・マルス
リヴェンティア(f00299)と
呼び方:センパイ
アドリブ歓迎
えーっと今回こそは頑張ってくれるんスよね、信じますからね俺(じとー)
まぁ確かに不味くはないんだろうけど、こういうのはあんまり食わないタチなもんで。
風を起こして香りを吹き飛ばしてくれるセンパイに感謝しつつ傍からなるべく離れずにVendettaで弾幕を張る。
こっちだって弾撃ってんだし、硝煙の匂いで上書きされたらそりゃラッキーって事で。
こっちも誘惑には全力で抗うとすっか。
…いやしかし、このマダムは先輩が言うように食い物を粗末にしてんのかね?まぁ、ここで倒れて頂く事に変わりねぇからいいけども…。
●
ずしん……ずしん。前方から、甘い甘いカスタードの香りがほんのりと……する、ような……。
「ぷ、……プリン、デス!」
リヴェンティアがごくりとのどを鳴らす。
「えーっと今回こそは頑張ってくれるんスよね」
ほんのりジト目でジノーヴィーはリヴェンティアを見つめる。
「……こ、今回は頑張りたい気持ち!!」
ぐっ、とこぶしを握りこみ、リヴェンティアはジノーヴィーを振り返る。
「信じますからね俺」
じとー。なおもジト目のままのジノーヴィーに、リヴェンティアはふるふると首を横に振る。
「ジノさん、そんな目で見ないでくださーい!」
大丈夫、先刻よりは戦いやすい。だってかわいいもふもふ動物相手じゃないから! リヴェンティアだってやる気満々だ。美味しそうだけど、大丈夫。そのやる気に、リヴェンティアの連れている動物たちはよかった! よかった! と喜んでいる。やっとご主人の本領発揮だ、と。
「おほほほほ、強がらなくてよくてよ。ほうら……いい香りね?」
口もないのに一体どこからしゃべっているのか、マダム・プディングは甘く囁く。そして、日傘をばさりと開いた。ぶわぁ、とあたりにバニラの香りが充満する。
「うわ、これは……」
むせかえるほどの甘い香りに、ジノーヴィーは、ごほ、と一つせき込んだ。
(「まぁ確かに不味くはないんだろうけど、こういうのはあんまり食わないタチなもんで……」)
「良い香りデスが……!」
嗅ぐわけにはいかないのですよ! とリヴェンティアはPhainomenon・Archeanで風を起こす。マダム側に風が流れるように……しかし、やはり甘い香りを完全に防ぐことはできない。
「くっ……」
ひょこひょこ、とリヴェンティアの肩に上ったハムスターが、彼女の顔面にぺたりとくっついて鼻を両手で挟むようにつまんでくれた。小さな小さなおててで、いじらしい。
「は! はひはほうごふぁいまふ!」
ここが耐え時だ、とばかりに踏ん張る。幸い、芳香はジノーヴィー側には流れて行っていない。
「ジノさん! ゴーゴーな気持ちー! 食べ物を粗末にする子はお仕置きしてあげてくださイ!」
「センパイ、どーも……!」
ガトリングガン――Vendettaから、無数の弾丸をマダムに向かってぶっ放す。
「……こっちも誘惑には全力で抗うとすっか」
硝煙のにおいで上書きされればラッキーなんだけど、とばかりに、プリンの魅力で強化されたマダムのボディを狙って撃つ。生クリームやらフルーツやらがあたりに吹っ飛んでいくのが見えた。
(「……いやしかし、このマダムは先輩が言うように食い物を粗末にしてんのかね? まぁ、ここで倒れて頂く事に変わりねぇからいいけども……」)
むしろフルーツぶっ飛ばした俺らのほうが悪いんじゃ……。ほんのりよぎったが、オブリビオン相手に悪いも何もない。どう考えてもイケナイのはあっちだ。猛攻を止めることは、しない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルディス・コンスタンツィア
「わぁ、主様。プディングの御婦人だよ……。僕は食に興味はないけれど、一般的には美味しそうの部類に入るのかな……?」
ガスマスクなので匂いはわからないし、食べ物に興味もない
SPDで勝負
降り注ぐ菓子類を無防備にぼうっと眺め、オペラツィオン・マカブル発動
女教皇を思わせる巨腕鉤爪の2mのからくり人形『主様』で無効化
排出成功すれば反撃できるかな……?
「おもしろい攻撃をするね、御婦人……。でも衛生的にいかがなものかと思うから、ちっとも食べたいとは思わない、かな。丁重にお返しするね……」
途中でやってきたので配下の災魔は知らない
「面白いけれど、やっぱり厄災と思うと、ぞっとしないね……ねぇ主様」
●
目の前ではじけ飛ぶフルーツやら生クリームを見つめ、アルディス・コンスタンツィア(母殺し・f05208)はガスマスク越しに傍らのからくり人形に語る。
「わぁ、主様。プディングの御婦人だよ……」
おほほ、と高笑いするマダム・プディングに視線をやり、小さく首をかしげた。
僕は食に興味はないけれど、一般的には美味しそうの部類に入るのかな……?」
ガスマスク越しに、匂いはわからない。さして食に興味もないアルディスにとってはそれも些末なことだが。
「あら、ボウヤ! おやつの時間よ……!」
マダム・プディングはアルディスに気づくと、そちらにもサービスとばかりにフルーツやらプリンの塊やらを飛ばしてくる。降り注ぐスイーツの雨を、アルディスはぼうっと眺めていた。完全に無防備に、脱力した状態で、ただ眺めている。まともにひっかぶればひとたまりもないだろう、が。
「おもしろい攻撃をするね、御婦人……」
瞬間、オペラツィオン・マカブルが発動する。2mと、アルディスよりも大きく、女教皇を思わせる姿のからくり人形は、その巨大な腕、鉤爪でマダム・プディングの攻撃を抱きとめるように無効化した。
「でも衛生的にいかがなものかと思うから、ちっとも食べたいとは思わない、かな」
「まあ、なんてこと。とても美味しいのに」
マダムはそんな風に言うが、サイズ的にも衛生的にも無理がありすぎる。
「丁重にお返しするね……」
からくり人形『主様』は、すっとその腕をマダムに向けて伸ばす。広げた手の平から、勢いよく生クリームやら巨大なサクランボやらが飛び出していった。
「ぎゃっ、ぎゃああああ!」
マダムの悲鳴が響く。悲鳴と共に、マダムの上にのっていたフルーツが飛び散る。肩で息をするマダム・プディングを見つめ、ぽつり、アルディスは『主様』を見上げ呟いた。
「面白いけれど、やっぱり厄災と思うと、ぞっとしないね……ねぇ主様」
大成功
🔵🔵🔵
アルディス・コンスタンツィア
マダムの被害を見て、「あまり優雅とは言えない悲鳴だね……」と肩をすくめる
SPDで勝負
生徒さんはみんな戦場から避難してくれていると思うけれど、他の猟兵さんもいるかもしれないし、皆に危ないから離れているように伝えてから
「さて、そろそろお帰りのお時間だよ、御婦人。最後の余興に一緒に踊ってみる……? まぁ……お相手は僕じゃなくって、主様だけれど」
Kochaj mnie(コハイ・ムニェ)使用
「さあ、主様。お仕事です。愛無き者に鉄槌を」
からくり人形『主様』の巨腕鉤爪で横殴りに殴りつける
「やっぱり主様は強いや……頼りにしているよ、僕の『主様』」と愛しげに戻ってきた人形を撫でる
ルーシー・ブルーベル
とっても甘いバニラのかおり。
ううん、プリンも良い……けれど。
でも、もう。おやつはキャラメルクッキーって、決めているの。
だからあなたは、このコに食べてもらうわ
『かっこいいお友だち』
攻撃回数を重視
「範囲攻撃」を使って何べんも、たくさん召し上がれ
焼きプリンも、生クリームもフルーツも
ミリョクテキならなお、このオオカミさん達が食べてくれるでしょう
どう?お腹いっぱいになった?
…あら、まだ食べたりない?
なら、帰って一緒にクッキーを食べましょうね
*アドリブ歓迎
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
「お前がこの騒動の元凶だなー!ふふーん、さっさと倒しておやつの時間だよ!」
バニラの芳香に惑わされそうになるけど、さっきから甘い匂いをいっぱい嗅いでちょっと慣れちゃってるよ!
それにみんなにもうボコボコにされちゃってるから美味しくもなさそうだよね♪
「今日はプリンじゃなくて蜂蜜いっぱいのホットケーキの気分だ♪」と
終わった後のおやつを思い浮かべてテンションアップ!【お姫様ビーム】でどかーんと風穴開けちゃうよ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
●
「あまり優雅とは言えない悲鳴だね……」
マダムの酷い叫び声に、アルディスは肩を竦める。
「とっても甘いバニラのかおり……」
あたりに広がるマダム・プディングの香りに、ルーシーは目を細める。そして、小さく首を横に振った。
「ううん、プリンも良い……けれど。でも、もう。おやつはキャラメルクッキーって、決めているの」
だから……、とルーシーがけしかけたのはオオカミのぬいぐるみだ。
「あなたは、このコに食べてもらうわ」
負けなくてよ、とマダムは日傘を勢いよくルーシーに向けて開く。瞬間、焼きプリンやら生クリームやらが飛び散ってきた。魔法で動くオオカミは、それを一つ残らず追いかけて、頬張る。
「まあ、まあ! よく食べること」
「ミリョクテキならなお、このオオカミさん達が食べてくれるでしょう」
おいしいのね? とオオカミたちに問うと、オオカミは遠吠えひとつで肯定した。
「お前がこの騒動の元凶だなー! ふふーん、さっさと倒しておやつの時間だよ!」
ティエルはびしりと指を突き付けると、胸を逸らして、ねっ、とルーシーに笑いかける。
「そうね、マダムのは食べる気がしないもの」
少しバニラの芳香に惑わされそうになるけれど、猟兵たちは先刻から甘い匂いを嫌というほど嗅いでいる――。もう慣れてきているかもしれない。
「うん。それにみんなにもうボコボコにされちゃってるから美味しくもなさそうだよね♪」
「確かに……原型とどめてないね……」
アルディスもひとつ、頷いた。んきぃっ、とマダムが金切り声をあげて悔しがる。
「ボク、今日はプリンじゃなくて蜂蜜いっぱいのホットケーキの気分だ♪」
ティエルは帰宅後のほかほかのホットケーキにはちみつがとろーりとかかっている様子を想像して、テンションを上げる。決まり! 今日のおやつはもうこれしかない! すっ、とレイピアをおもむろにマダムに向けた。
「うーー……」
「な、なに、何をしていますの!?」
息も絶え絶えのマダムは、なんとか抵抗すべく芳香を放つ、が、遅かったか。
「どっかーん!」
見事にティエルのお姫様ビームがそのプリンど真ん中を突き通していった。風穴をあけられてなお、息も絶え絶えのマダムはフルーツを無差別に飛ばして抗う。
「っと、危ないな……」
己の頭上をかすめたフルーツに眉を潜め、アルディスは仲間たちに少し離れるよう伝えた。向こうが無差別で来るなら、こちらも……。
「さて、そろそろお帰りのお時間だよ、御婦人」
「は、はぁ……、あたくしの舞台はまだ……」
舞台、ね。とアルディスは頷いた。お望みならば……。
「最後の余興に一緒に踊ってみる……?」
「え……?」
「まぁ……お相手は僕じゃなくって、主様だけれど」
言葉尻と同時に、からくり人形『主様』がマダムの眼前に躍り出る。
「さあ、主様。お仕事です。愛無き者に鉄槌を」
「ヒッ……」
マダムが怯えを孕んだ悲鳴を晒すが早いか、『主様』はその巨腕鉤爪を勢いよく振るった。横殴りに殴りつけられたマダムは、蓄積したダメージもあって、そのまま粉々に砕け散る。
まるで何事もなかったかのように、『主様』は優雅に踵を返し、アルディスのもとへと戻ってくるのだった。
「やっぱり主様は強いや……頼りにしているよ、僕の『主様』」
アルディスは、『主様』の頬を愛おし気に撫で、帰ろう、と戦場を背にする。
「どう? お腹いっぱいになった?」
ルーシーがオオカミたちに問うた。
「……あら、まだ食べたりない? なら、帰って一緒にクッキーを食べましょうね」
そのうちの一体を抱え上げると、ルーシーはキャラメルクッキーを楽しみに帰路に着くのであった。
「よっし、ホットケーキ~!!!」
勝ち戦にティエルは拳を突き上げた。家に帰れば、ふかふかのホットケーキを食べられる。
――学園の中はまだ甘い香りが充満しており、しばらくの間生徒たちは甘いお菓子の誘惑と戦い続ける羽目になったとか、ならなかったとか……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵