Mannerism? Royal road?
●promise
「あーんいけない遅刻遅刻~!もう、天候初日から目覚まし時計が壊れるなんて聞いてないよ~!」
もう既にGWも過ぎ、夏も近づくこの時期にこの子はとんだドジをやらかした。ぐちゃぐちゃの髪を振り回し、ベーコンと目玉焼きが乗ったトーストを咥え高校までの通学路を全力疾走している。あげく鞄は休日用、服装に至っては可愛いピンクのウサギパジャマときたものだ。
手櫛でガシガシと寝癖を整えて道を右に曲がる。次の瞬間、向こうから歩いてきた男子生徒とぶつかった。体格のいい彼に押し出されるように吹き飛び、思いっきり尻餅をつく。
「ぎゃん!?い、いたた……まったく、何なのよあんた!?歩きスマホなんかしてないでちゃんと前見て歩きなさいよ危ないでしょ!」
「ハァ……?お前からぶつかってきたんだろ。ていうかどこ行くつもりだったんだお前」
「そ、そんなのあなたには関係ないでしょ!?寝坊して今から学校行くところなの!悪い!?」
「……学校はそっちだけど?」
「ふぇ?」
彼女が振り返れば目の前に正門。何故かL字路で目前に学校だというのにこの子は。
自分の発言と行動を振り返った彼女は耳まで顔を赤くして叫びながら家の方向に帰っていくのだった。
「なんだったんだあいつ……」
――昼が過ぎ午後の授業、彼女は新しいクラスのみんなに挨拶をする。
「(朝は嫌なことがあったけど……、うん、やっていけそう!)」
笑顔で席に着いたところで先生から一言。
「そういえばもう一人転校生がいるんだ。入っといで」
彼女は目を見開いた。だって、だって、だって。
「あんた!今朝の!!!」
「いや昼の話だろ」
ちなみにこれ、遊園地でのイベントの話である。
●それは使い古された?
「みんなさ、マンネリってどう思う?」
グリモアベースの一角に持ち込まれた一冊の漫画。近年までに培われたおおよそすべての「王道展開」のみで構成したらしく、UDCアースで結構人気らしい。
この本の評価は見事に二分されている。間違いがなく、堅実に面白いという意見。もう一方は見飽きた、食傷の塊で展開が見えるというもの。
「俺は別に嫌いじゃないんだよな。確かに飽きることもあるけど、大作ゲームの新ナンバリングとかみんなも買うだろ?ってなわけで本題だ」
ささっと漫画を鞄にしまい込んで資料とグリモアを取り出す。 猟兵たちはプリントを回し見ながら話に耳を傾けた。
「今回行ってもらうのはUDCアース、とある有名な遊園地だな。そこでUDCが引き寄せる妖しい誘いの囮兼退治役って話さ」
ページをめくるとパンフレットのコピーが記載されていた。人気も広さもかなりなもので、カップルや家族連れが平日休日問わず訪れているらしい。
「んで、まずは好きに遊園地楽しんでもらってかまわねぇ。潜入も客でもスタッフでも着ぐるみでもいいさ。ジェットコースターとかコーヒーカップとかカートとか色々あるぜ?ただ一つだけ、誘いを引き出すための条件がある」
鑢状のグリモアで必死に転移の準備をしてるたむけの言葉に再度ページをめくれば首を傾げたくなるようなことが書いてある。
「その条件は、『王道展開』であること。すげー単純な話さ。例を挙げれば喫茶で話題を出そうと思ったときに相手と声がかぶったり、コーヒーカップで回しまくってたらバランス崩してつい抱き留めたり……とかさ。ちょっと恋人未満友達以上でついつい相手を意識しちゃうぐらいの雰囲気だとサイッコーだな!色恋だけじゃなくて熱血とか因縁の相手とか生き別れの親類とかもオッケーさ」
ふざけてるのかとつい白けた顔をする。仕方あるまい、まさか自分がそんなことするとは夢にも思わないだろう。
「いやマジなんだって。人数制限二人以上わざとでも天然でもオッケーで、そういう展開が起きちゃった人達がどういうわけかお化け屋敷に入場するんだって。今度はそこでグループの仲を引き裂くような事態が起きる。何が起こるかはわかんねぇけど、乗り越えながら楽しんでくれたら問題ないぜ」
「そんで最後に、呪詛をばらまいてるオブリビオン連中が出てくるからそいつら撃退すればオッケーだ!あ、ここは別に王道とかいらねぇから普通にやってくれて構わねぇよ。無意識なら別だけど」
最後のページの内容を話し終え、猟兵たちが顔を上げると転移の準備が整っていた。後は現地での行動を開始するのみ。
「パンピー連中は多いが被害が出る予知は出てねぇ。戦闘も封鎖したお化け屋敷の中だから気にせずやってくれよな!」
紫芋
どうも、紫芋です。昔修学旅行でいった遊園地はとても楽しいものでした。
今回のシナリオは遊園地に潜む悪意を引っ張り出すものです。その過程で恋人や仲のいい友達、その他もろもろ漫画のような展開を演出していただくことになります。
その際、フリーでご参加の方はこちらの裁量で合わせたり致しますのでご了承ください。
※環境の変化などで執筆の可否が変わるときは雑記にてお知らせいたします。行進がない日が長く続いた場合はご確認ください。
●一章について
遊園地で遊んでいただきます。大体のアトラクションは網羅しており、遊んだり巡ったりするには困らない広さです。いい感じの展開になりそうなプレイングをお待ちしております。
●二章について
遊園地の中のお化け屋敷の探索を行ってもらいます。普通の客、演出側、管理スタッフどれでもオーケーです。様々な不思議現象でうまくいかないことが起こりますがその障害を乗り越える様々な王道で覆してみてください。ドジもいいですね。
●三章について
お化け屋敷の中で『風魔衆・下忍』と戦います。いたって普通の戦闘です。今迄みたいに王道などを心掛ける必要はないですが、してもかまわないです。貴重でちょっと恥ずかしい経験を通して逆切れしてみても面白いかもしれませんね。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 日常
『遊園地へ行こう!』
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POW : 王道の絶叫マシーンに挑戦!
SPD : ついつい買っちゃうショップ巡り
WIZ : パレードやショーを見に行く
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●本日は晴天、暑すぎず、寒くもなく、最高のコンディション
平日の真昼間だというのになんという賑わいか。駐車場はほぼ満車、入園ゲートも混んでアトラクションも最低30分待ち。だが待てば待つほど楽しみが増えるというものだ。支給された優先パスで颯爽と乗り込むのも悪くない。
さぁ、思い思いのアトラクションにショップに散策しよう。楽しい時間はもう始まってる!
隣・人
「遊園地。隣人ちゃん遊園地大好きですよ。なのでほら先ずはコーヒーカップ乗りましょうよコーヒーカップ。え。ジェットコースター……甘いですね。砂糖に砂糖注いで砂糖齧るような甘さです。コーヒーカップこそが至高。只管に回転する遊具こそが我々を異界に連れていくのですよさあ回しましょう」
回します。
始まりから終わりまで回り続けます。もう容赦なく限界まで回り回って――【見せられない】事になります。
「アーハッハッハッハ、世界も隣人ちゃんも皆も顔色乱れるまで乱れても遊び尽くすのですよ。さあ。いってきます!!!」
ロバート・ブレイズ
【SPD】
「隣人を探しに召喚されたのだ。されど奴の奇行は視認せず、私は甘味巡りに忙しない故」
フードコートでアイスクリームやチョコレートを大人買い
バケツ三個分を爆々と貪り喰い、それでも足りぬと追加購入。勿論、列には並ぶ。
人気店舗を端から端まで食べ尽くす為に。
「私の舌と胃袋は甘味と称される楽園と成り、世界に溢れる正気と狂気を混ぜ捏ねる盲目。目が無いのだ――クカカッ。次は如何なる甘味を咀嚼すべきか。ああ。何だったか。『タピオカミルクティー』だと。最近の若者が何を好むのか。翁こそが知るべきと思考――誰が如何『視』ても蛙の卵!」
●鼠よ回せ。秒針を逆しまに、誕生を逆しまに、世界を逆しまに。
颯爽と入園し足取り迷わずアトラクションへ進むのは隣・人(六六六番外・f13161)である。多少変わった服装であるが遊園地であるならそういうコスプレらしいものも周囲の目からすれば普通である。もっとも、どんな格好だろうと気にはされないのだが。
「遊園地。隣人ちゃん遊園地好きです、遊園地大好きですよ。なのでまずはコーヒーカップ乗りましょうよコーヒーカップ素敵です……え?ジェットコースター?」
振り向いた彼女に目もくれず、六十近い年齢差も気にしないで堂々とカップルチケットで乗り込んだロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は悠々とフードコートに去っていく。
「私は甘味巡りに忙しない故」
「ツレないですね、甘いですね。砂糖に砂糖注いで砂糖齧るような甘さです。コーヒーカップこそが至高。只管に回転する遊具こそが我々を異界に連れて行くのですよさあ回しましょう」
てくてく歩いて列に並ぶこと十数分。係の人の案内に従いとうとう彼女の順番が来た。
「フフフ、回します。回しますよ。さあさあいってきます!」
妖しい笑みの彼女は宣言通りに初っ端からフルスロットル。というより乗った瞬間から回し始めていた。
ゆっくりとした動き出しが、なんか一人だけめっちゃ早い。天動説の惑星の動きぐらいぐっちゃぐっちゃ高速に回っている。
「アーッハッハッハッハ!世界も隣人ちゃんも皆も凄いスピードで巡り巡ってます!まだまだ回しましょう!」
一方その頃ロバートは。
「ふむ、中々宜しい。随分と値が張るとは思うが、質も悪くない」
ファンシーな外装のスイーツショップでファミリーサイズのアイスを買い、軒先のベンチで一人で喰らっていた。またその傍らにはバケツほどのサイズのチョコレートも控えていた。
それらをさほど時間もかけずぺろりと平らげれば次の店へ――勿論、正しく列に並んで。
十分後、様々な味のチュロスを両手に抱え、一つずつ平らげていく彼の姿が。両の指の数より多いそれらを齧りつつ次はポップコーン。LLサイズのキャラメル味、ヨーグルト味を注文してまた同じように。
「クカカッ。好い、実に善い。次はいかなる甘味を咀嚼すべきか。ああ、何だったか……。そう、『タピオカミルクティー』か。最近の若者が何を好むのか、翁こそが知るべきと思考すr何だあれは誰が如何視ても蛙の卵か!?」
偶然通りかかった女性が手に持っている近頃流行りのタピオカドリンク。横目で覗き見たらなんと面妖であろうか。だが人気であるならば――。
彼は向かう。タピオカの出店へ。女性というものは甘いものに目がないのだ、そしてそれが流行になる――マカロンも、パンケーキも、ティラミスもそうだ。きっとそれなりの理由があるはずなのだ。
道中三半規管が悲鳴を上げベンチでくたばって到底見せられない姿の隣人がいた気がしたがそんなことはどうでもよい。とにかく、あれの真実を知らねば――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『お化けかそれともホンモノか!?』
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POW : 来客者の一人として偵察してみる
SPD : イベントスタッフに混ざって調査してみる
WIZ : 裏口からUDC組織の動きを探る
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●冷えるのは体か関係か
各々が思う存分楽しむ遊園地。いつしか時間も過ぎ、気づけば猟兵たちはお化け屋敷の前に集まっていた。
彼らは順番に並び、またはキャストとして既に、スタッフとして裏口から、それぞれの手段で入場する。彼らが全員入場した時点で表には設備調整中の札が出され、人払いは完了した。
――やけに蒸し暑い室内、どうにも苛立つ心、やけに多発するトラブル。どれも仲を引き裂くような、そんな感情がにじみ出る。
耐え凌ぎここぞとばかりに見せつけてやるのだ、自分たちの間柄を。逆境でより熱く!
ロバート・ブレイズ
「正直に。私は既に老体だ。果たして誰が隣人との戯れを求む。重ねて。恐怖や狂気に関しては『岩』の如く。作り物でも本物でも、私を揺らす事は不可能だ。故に隣人を弄り倒して嗤えば好い。奴は一応『キャラクター』だ。勝手に設定を生やせば問題皆無。私は適当な椅子で奴の反応を待ち望もう。クカカッ! 戯れの時間だ」
脳髄の蛆で恐怖を与えるを選択
裏口から入り化け物として演技しよう
姿形は何でも良い
誰かが恐怖するならば
否。姿形は存在しない。総てが全て未知なる恐怖だ
さて。私の隣人は如何なる醜態を晒す
隣・人
「あー!!! お化け屋敷ですよお化け屋敷隣人ちゃんまだ戻しそうですが遊びますよ。ところでお化け屋敷と言えば何でしたっけ。げふん。隣人ちゃんはきっと大丈夫なので大丈夫……」
此処で性格が変わる。多重人格ではない
単純に、素に戻る
「……ええ。大丈夫。私は元々実験体なのよ。この程度の作り物なんかで……怖いなんてありえないわ。あいつ(ロバート)の性格だって。本質だって。何もかも」
※隣人の反応は任せます。気を失っても叫んでも泣き出しても、無反応だったとしても、好きなように料理してください。
●お化けよりも驚くもの
「あー!!! お化け屋敷ですよお化け屋敷おえっぷ隣人ちゃんまだ戻しそうですが遊びますよ。ところでうえええお化け屋敷と言えば何でしたっけ。げふん。隣人ちゃんはきっと大丈夫なので大丈夫……」
隣・人(六六六番外・f13161)は入場ゲートを潜り暗く蒸し暑い室内へ。先程までの楽しげな表情とは打って変わって落ち着いたような、震えているような。
「……ええ。大丈夫。私は元々実験体なのよ。この程度の作り物なんかで……怖いなんてありえないわ。あいつの性格だって。本質だって。何もかも」
暗闇の中を一歩進む。足場はしっかりとコンクリで固められ、踏み締めるの一つの不具合もない。
覆われた目をしきりに動かしながら辺りを見回して少しずつ、前に。前に。
そして彼女の頭上で動く警備カメラが一つ。それを通してロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)が彼女の動きを見ている。
翁は既に御老体、後もう数年もすれば八十の大台に乗る身だ。いくら食道は丈夫で健啖家とはいえ衰えは隠せない。ましてやそれが隣人という上げ底テンションならなおさらというものだ。そしてついでに言えば、彼にとって恐怖というものはもはや既知のもの。全米が泣く感動映画だろうと百万回観れば何の感慨もないように、老いれば驚きが消えるように、ロバートにとってお化け屋敷は「なんでもない」のだ。
彼は管理としてキャスト達の中に混ざり込む。猟兵たちの悲鳴と叫び声がマイクを通してモニター室まで届いていた。カメラ越しに一匹の蛆を流し込む。恐怖を、未知を載せて。
「怖くない、大丈夫。大丈夫。私は、大丈夫」
慎重に一歩ずつ、呼吸を整えて進む隣人。水たまりで濡れ解ける靴紐も、はしゃいで気持ち悪く酸っぱくなった口の中も我慢して前に。
そんな彼女は雷にでも打たれたように直立して立ち止まった。ロバートの差し向けた蛆の恐怖が彼女を貫いたのだ。
「(さて、どういう醜態を晒すのだ?)」
しかし驚いたことに隣人はそのまま歩き始めた。リアクションを抑えて、そのまま。
カメラ越しでは伝わらないが彼女の歯は震え響き、額には脂汗が浮かんでいた。それでも彼女は毅然として歩く。
殺すのは、怖がる自分なのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロバート・ブレイズ
「成程。此処からは認識し難いが、愛すべき隣人の『貌』は依頼の後に暴くのが最善。兎角。他の『輪郭』を呼び込むのも悦ばしい。故に――」
テケリリ以下略を招き入れる
再び『脳髄の蛆』を使用
対象が『最も恐ろしい』と思った事柄を仕掛ける
幻覚なのか現実なのか判断し難いほどの『おぞましさ』を
「観察は続けるべきだ。改めるべきだ。貴様自身、恐怖を怒りに変える類だと!」
テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア
テケリャア『爺に招かれた。この時点で嫌な予感がするのだが……まあ。私の主人の事だ。気合を入れて』テケリ・リ。
ロバート爺に招かれて、お化け屋敷の中へ
テケリリ以下略が最も恐れている事柄は『使役』される事。自らの思考が誰かに操られる事。怪物だと嘲りを受けて、苦痛を与えられる事――そして空腹
てゅけりゅあ『――』
※反応はMS様に任せます
●妖怪よりも怖いもの
「成程。此処からは認識し難いが、愛すべき隣人の『貌』は依頼の後に暴くのが最善。兎角。他の『輪郭』を呼び込むのも悦ばしい。故に――」
近くで視るべきだったか?いや、それはより警戒と疑惑を強くするだけだろう。ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は顎髭を撫でながら思案する。思考を切り替え次はどうするか。ふと思いついたように老体に見合わぬ端末を取り出し、次なる観察対象を招き入れる。
「爺に招かれた。この時点で嫌な予感がするのだが……まあ。私の主人の事だ。気合を入れて」
スタッフに案内されてゲートを潜り中に入ったのはテケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(ロード・ケテル・f16871)、人のようで人でないような、不穏と不明の生命体。
「ただではない、しかし入ってしまったには後に戻れず……」
怪訝な表情が剥がれないまま一歩踏み出し前へ、前へと進めば監視カメラ越しにロバートが覗き込む。
「来たか。なれば――」
先程と同じように蛆を飛ばす。警戒し、慎重に出口を目指すテケリリケテルリリも蛆を呑む。
――瞬間、動きが止まった。まるで時が止まったかのように彼女の動きは停止する。
「……ほう?」
ロバートは興味深そうにカメラを覗き込む。しかしその先では先程までと同じように歩く彼女がいる。
もう一度蛆を飛ばす。今度はその瞬間を逃さないように。
また、テケリリケテルリリは静止する。だが、また同じように歩き出した。
彼女はあらゆるものを溶かす者。支配を拒絶し、知性を固持する。はたして深淵を知るとして、彼女の魂にまで届きうるものがあるだろうか?また彼女がそれを近くできる理性と知性が働くのだろうか?多少の抑圧も、強い苛立ちで消えさるだろう。
「――感情が揺れるのみか。やはり電波越しでは視るに値せんな」
翁も席を立ち、カメラの前から離れる。まもなく予知の敵が現れる頃合いである。己が欲求もひとまず抑え、次なる仕事に備える。お楽しみはこれからだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『風魔衆・下忍』
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POW : クナイスコール
【ホーミングクナイ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【クナイ手裏剣の連射】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : サイバーアイ演算術
【バイザーで読み取った行動予測演算によって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 居合抜き
【忍者刀】が命中した対象を切断する。
イラスト:安子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロバート・ブレイズ
「遊戯は終いだ。貴様等の無貌(仮面)を纏めて粉砕するのみ」
暗黒神発動
対象は呪詛を撒き散らしたが、此れは我が身にとっての『正気』だ。狂気耐性で『正気』だと歪ませたならば『怪物』は浮上する
狂気を齎す怪物の行進だ
対象の脳天から足先までを暗黒の水溜まりで浸すのみ
恐怖と呼ばれる大波で貪り尽くすのだ
「行動予測だと。演算だと。クカカッ――随分と正気な『対応』だ。貴様等の呪詛は俺の心身に『当たり前』を植え付けたのだ。即ち、総ての存在は否定すべき『既知』で、冒涜の怪物(俺)が嘲笑う末路」
対象の正気を削り取り、狼狽えたならば鉄塊での撲殺を
地獄の炎で威力増幅
叩き潰すのだ
隣・人
「いやぁ。やってくれましたね畜生。帰ったら回転椅子に乗せますからね!!! 隣人ちゃんは正気に戻りましたよ!!!」
回転椅子から殺気を放ち、対象が怯んだところでぶん殴ります
執拗に頭部を狙って部位破壊しましょう
時間稼ぎの為に脳震盪を狙うのも素敵ですね
あ。折角なのでコーヒーカップでも撲りましょうか
相手がダウンしたら帯回ししましょう帯回し
ぐでんぐでんになるまで遊びますよ!!!
メカメカしいですが人間型なので効果的だと思います
「ところでロバートさん。暗黒の神ってWIZじゃありませんでした? え? メカじゃなくてメタ? 何の事ですか!!!」
テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア
ケテルリャア『腹が減った。苛々する。故に貴様等を破壊して貪る』
苦無が刺さっても関係ない。眼前の餌を喰らうだけだ
連射を受けても怯まず欲せ
SMWセイバーで利き腕を巨大な剣へ
隣人の撲殺とロバートの狂気付与に合わせて叩き斬る
飛び散った肉片は『大食い』する
そして再び叩き斬る
繰り返し
対象が避けたならばグルメツールを怪力で投げ、突き刺す
その後、ロード・ケテル『基本形態』の状態で接近し圧し潰す
テケリャア『貴様等の美味い部位は何処だ。脳か。腸か。腕か。脚か。魂か――全部だろう』
●導きとの差
『ああもう、なんでこいつ等しかないの……!こんな冒涜者ども供物にすらならない……!もう消すしかない!』
苛立った様子とともに何人もの風魔衆が影より飛び出してくる。彼女らの目的は良質な贄、だが猟兵たちの予想外により欠片も手に入ることない。ならばもう。あれでいい。あれがいい!
●集合知
猟兵らに飛び掛かる下忍集団。目前の標的に苦無を深く抉り込ませようとした瞬間真後ろから深淵のような声が響いた。
「遊戯は終いだ。貴様等の無貌を纏めて粉砕するのみ」
底冷えする彼女らは振り向いた。渦巻く面だけがニタニタと笑っている気がした。だが彼女たちも一般人ではない。人だろうが人でなかろうが、何かわけのわからないものだろうが切って捨てるのが仕事である。忍者刀を鋭く振るい一閃――!その事態にもロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は小動もせず。
「随分とまた、ご丁寧なマニュアル(正気)通りだな」
刃が仮面を叩き割る!が、何か妙な、ぬめぬめとした様な、妙な音。……恐る恐る刃に目を向ければ、有るはずの血糊はなく不穏だけが漂う。
『なッ!?』
声を上げたのが早いか、消えたのが早いか。蟻地獄に引きずり込まれるかの如く一瞬で消え去る。それを見た彼女らに僅かな不安と狂気的な憶測が迸るのもおかしくはない。漆黒の泥沼の中でうごめくそれにとっては効率的に、餌が増えるから。
「また好き勝手やってくれてますねあなたいやぁやってくれましたね畜生。帰ったら回転椅子に乗せますからねいやここでコーヒーカップの列待ちだってしてもらってもいいんですからね!!!正気に戻った隣人ちゃんですよ!!!」
『ハァ!?!?』
無意識に合わせるように、隣・人(六六六番外・f13161)が飛び出した。どこから運び込んだのか回転椅子に乗って派手な特攻をぶちかます!
彼女は異様なまでに殺気を放った回転椅子から飛び跳ね、そのまま風魔衆の頭を掴みまっすぐ突っ込んできた椅子に後頭部を叩きつけた!
「殺せばきっと楽しいですよ!ほらほら皆さんも一緒に!!!レッツ隣人ちゃんと!!!!!」
骨の砕ける音がする。肉の千切れる音がする。髪が絡まり絞まる音がする。泣き叫ばずとも、心と膝が震えている。
『う、うおおおおおおおおおッ!!!』
不安と不穏の中でも、せめて一人は――。あの赤髪の女ぐらいなら!
深々と、体を突き抜けるほど、小ぶりな苦無は突き刺さる。ぽたぽたと零れ落ちるのは……血ではなく涎……?
「ああ、腹が減った。苛々する。故に貴様等を破壊して貪る」
強く宣言したそれは片腕を振り上げ、蕩けた刀に変えて振り下ろす。真っ二つになった彼女は声を漏らす暇もなく絶命した。
テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(ロード・ケテル・f16871)は暴食の徒である。いたずらなまでに彼女は空腹に襲われる。どうしようもない苛立ち、ましてや今、先程と合わせて腹の中の虫が悪い。一心不乱に肉を食すのだ。刃を突き立て、己が身を溶かし纏わりつき、逃がさないように。彼女の前では、オブリビオンだろうと捕食される側に堕ちる。
「貴様ら旨い部位は何処だ?」
ここはお化け屋敷、とびっきりのホラーハウス。ミイラ取りこそがミイラになる。
大成功
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ロバート・ブレイズ
「充分だ。此処まで『我々』が為したならば貴様等の最期を『成す』のも我々だ。最も愉快な宴には異端(イレギュラー)が不可欠で、貴様等は常識に囚われた『愚か者』なのだ。此処に在るのは邪神でも人間でも物体(オブジェクト)でも在らず、冒涜の王だと理解せよ」
普遍的無意識の領域と同化し、不可知の『殴打』を繰り返す
一撃一撃に『未知からの恐怖』を籠めて
「問題なのは『此れ』が己視点での既知だと説ける現実だ」
敵が弱り始めたら『正気固定機』を取り出し触れさせる
鳴り響くアラームが狂気耐性を伝染させ、総ての下忍を【否定】する
存在も輪郭も、何もかもを嘲笑う
「骸は早々に海へと消え去るが好い。埋葬など生温い」
閉幕は翁だけで
●王道破り
「充分だ。此処まで『我々』が為したならば貴様等の最期を『成す』のも我々だ。最も愉快な宴には異端が不可欠で、貴様等は常識に囚われた『愚か者』なのだ。此処に在るのは邪神でも人間でも物体でも在らず、冒涜の王だと理解せよ」
狂気と恐慌が支配する世界、もはや風魔衆たちは統率を失い瓦解していた。ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は滲むように自らを思考の狭間に溶かし込む。――普遍的無意識、それは知性を持つ誰もが個人個人のコンプレックスより更に深く、文化や生活、古くは神話などにも影響された意識の圧迫と思考の同一性。
それをもし個人の意思で自由に支配できるのだとしたら、それはサブリミナル効果など目ではないほどの集団催眠が可能だということになる。
ロバートの『殴打』は風魔衆たちの精神を揺さぶる。殴打というほど物理的な行動ではないが、比喩ではなくガツンと頭を揺さぶり伝染する狂気。それはもはや殴打としか表現しようがなかった。
これは夢?そう、きっと夢。じゃなきゃ、ありえない。だって私とあの子は別なはずなのに、あの子の痛みを感じてる。私は私の痛みを感じてる。こんなことが、現実にある、わけが、
「問題なのは『此れ』が己視点での既知だと説ける現実だ」
深く響く声がやけに鮮明に自身の肩を叩いた。定まらない視界で振り返るとチープな電子画面に引き寄せられた。ダメ、いけない。それに触れちゃ――!
抵抗虚しくそれに触れてしまう彼女。ジリリリリリリと甲高く鳴り響くアラームは現実と精神を固定する。誰にも手の届かない深い場所で伝染した狂気は、取り返しがつかないほど簡単に『正気』になってしまった。その様子に翁は愉しげに高笑いを響かせる。
「嘲笑ってやろうとも常道の僕。さて、ようこそこちら側へと言い放ってやるのもかまわんが骸には不釣り合い。早々に海へと消え去るが好い。埋葬など、生温い」
振り返り、ジャケットをはためかせ歩き出す。本当のホラーハウス、若かりし普通には少しばかり刺激が強すぎたようだ。
大成功
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