砂海のクラウドオベリスク
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グリモアベースへと入った猟兵たちを出迎えたのは、ポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)であった。
挨拶を終え、ポノは説明を始める。
「猟兵の皆さんには、たくさんの勇者の伝説を調べてもらってきたけれど、群竜大陸について進展よ。
群竜大陸が噂レベルで、未だ見つかっていない理由が明らかになったわ。
アックス&ウィザーズ世界の各地に存在する『クラウドオベリスク』と呼ばれる邪悪な柱が、群竜大陸の所在地を隠しているみたいなの」
その所在地の幾つかが明らかになった今、現地に赴き、クラウドオベリスクを破壊して欲しいのだとポノは言う。
「皆さんに向かってもらいたい場所は、砂漠よ」
地図を広げ、ポノが指差す。
砂の大海原ともいうべき一帯で、時は昼間。
「暑そうで熱そう」
猟兵が呟く。
「水分を忘れずに持って行ってね。
到着してしばらくすると、オベリスクの領域に近づくものを、強大なオブリビオンが始末しようとやってくるから、まずはその敵の対処をお願いしたいの。
敵は、崩竜・ヴァッフェントレーガーと呼ばれるドラゴンで、名の通り崩壊させる能力を持っているの」
それらは生物や非生物問わず、大気や大地、海洋といった世界を構成する要素なども対象に含まれる――。
「どらごん……ちなみに遮蔽物などは……」
「ごめん、無いわ」
あっても、砂丘くらいだろうか。頑張って倒してほしいとポノは言った。
「もちろん飛ぶよね?」
「……うん。
ドラゴンを倒すと、オベリスクを守るように造られたダンジョンも自動的に発見できるから――ええと……あの……ダンジョンは、砂漠の下なのよね」
崩竜を倒す事で流砂が起こり、そのまま猟兵は呑みこまれる仕様だ。
ダンジョンは地下帯水層――化石水を応用するように造られている。
そこには守護するモンスターの群れがいるらしい。
「敵はにゃんこ魔道師。見た目は可愛いのだけど、幻蝶魔法や、普通に攻撃魔法も使ってくるから油断はしないでね。
倒しながら進んでいくと、今度はオベリスクを守る強力なガーディアンとの戦いになるわ」
敵は、水の大蛇となる。蓄積された潤沢な地下水域をフィールドに攻撃を仕掛けてくるようだ。
無事に水の大蛇を倒したあとは、クラウドオベリスクの破壊、と。厳しい連戦となるだろう。
「けれど、群竜大陸の所在地が分かれば、また新たな一歩となる――どうか、皆さんよろしくお願いするわね」
そう言って、ポノは猟兵たちを送り出すのだった。
ねこあじ
ぜんぶ純戦だ!
ということで、よろしくお願いします。
ねこあじです。
今回はクラウドオベリスクを破壊すべく、砂漠と、砂漠の下のダンジョンへ行くシナリオです。
プレイング締め切りなどが決まりましたらマスターページの上部や、Twitterに記載します。
日程により、プレイング受付開始日が発生するかもしれません(なるべくないようにはしたいですが)、こちらは+リプレイ本文にも記載します。
お手数おかけしますが、ご確認の程、よろしくお願いします。
それでは、プレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『崩竜・ヴァッフェントレーガー』
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POW : ネーベルヴェルファー
【自身の周囲に生じた魔法陣】から【何もかもを“崩壊させる”火球】を放ち、【超遠距離からの面制圧爆撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : ヴィルベルヴィント
【顎】を向けた対象に、【消失や崩壊を与える速射のブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : ホルニッセ
【自身の“崩壊”すらも省みない状態】に変形し、自身の【射程距離】を代償に、自身の【巨体による攻撃力や機動力】を強化する。
イラスト:降矢 青
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
篝・倫太郎
マリス(f03202)と
ひたすら戦闘らしいんで
回復も支援も万全なマリスと共闘はありがてぇ
頼りにしてんぜ?
巫覡載霊の舞使用
華焔刀での先制攻撃からのなぎ払い
刃先を返して2回攻撃
戦闘知識を応用しつつ、死角から攻撃
死角を取れなくても
回り込もうとする俺に意識が向けば
その分、他の連中の攻撃が通り易くなる、ってな?
敵の攻撃はフェイントと見切りで回避
回避が難しい場合は敢えて懐に飛び込んで咄嗟の一撃
おぅ!悪ぃ……!助かった!
崩竜が飛行状態の場合は
巫覡載霊の舞の衝撃波でコントロールを崩して地上に落とす
補足
マリスはなんだか浮世離れしててししょーを思い出させる
ほっとけないけど信頼も確かに
あ!ちゃんと水分は持ってくぜ!
マリス・ステラ
倫太郎(f07291)と参加
【WIZ】他の猟兵とも共闘
「主よ、憐みたまえ」
『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯る
全身から放つ光の『存在感』で竜を『おびき寄せ』る
光は『オーラ防御』の星の輝きと星が煌めく『カウンター』
「そのくらいの傷なら大丈夫。我慢してください」
軽傷はスルー
重傷以上で【不思議な星】
緊急時は複数同時も実行
弓で『援護射撃』放つ矢は流星の如く
星の『属性攻撃』は重力の性質を帯びて竜から空を奪い去る
「倫太郎、あなたに加護を」
指先が瞬けば『破魔』の加護を与える
倫太郎の術は命を削る
あのような戦い方では命が幾つあっても足りません
せめて彼が志半ばで果てぬよう支えます
「倫太郎、水分補給を忘れずに」
榛・琴莉
砂漠は初めて来ましたが…寒いよりマシとはいえ、暑過ぎるのも考えものですねぇ。
「冷たい水が美味しいのは久しぶりです」
マグボトル様々ですね。
足場が悪いようであれば、翼を使い【空中戦】。
ブレス攻撃は喰らいたくありませんし…【第六感】に頼りつつ、斜線を【見切り】対処を。
避けられないならHaroldで【オーラ防御】しながら【武器受け】。
個でなく群れなので、崩壊しようが消失しようが、一匹でも残れば問題ありません。
ブレスを凌いだら【全力魔法】のUCで【カウンター】を仕掛けます。
顎か翼を狙い、Haroldを【武器改造】で杭型に変形させ【串刺し】に。
ブレスでも飛行能力でも、少しでも鈍ってくれれば良いんですけど。
泉宮・瑠碧
砂漠とは思ったが…
崩壊させたが故もあるのか…?
どちらにせよ、他の地域が崩壊するよりは良いか
…生まれに罪は無いが討たせて貰う、すまない
僕は主に弓で
翼の飛膜を破魔を乗せてスナイパーと援護射撃
攻守に第六感を用い、攻撃の動作や避ける瞬間を感じ取る
エレメンタル・ファンタジアは属性攻撃も追加し
仲間が非接敵状態か
相手の攻撃や行動に対して行う
炎球が生まれる魔法陣が出る際には氷の豪雨
陣は消せなくとも
続く炎の威力を削ぐ事と竜自体も巻き込めれば
飛んだ場合は氷の乱気流
気流と集中の乱れで墜落させる様に
ブレスは水の突風で
なるべく威力を削ぐか軌道を逸らす
被弾へは主に見切り
避け切れない時もオーラ防御を展開しつつ回避行動は継続
●
猟兵たちが降り立った世界には強い太陽の光。砂地を介して灼熱となり、彼らの肌を焼く。
「砂漠は初めて来ましたが……寒いよりマシとはいえ、暑過ぎるのも考えものですねぇ」
榛・琴莉(ブライニクル・f01205)が周囲を見回す。果てしなく続くは青の空と砂の大地。
敵がやってくる前に、と諸々の準備をする猟兵たち。
水分補給もその一種だ。
「倫太郎、水分補給を忘れずに」
と、マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)へと言う。
長丁場となるであろう戦いの前、補給を忘れてはいけない。猟兵は不死身ではないのだ。
「冷たい水が美味しいのは久しぶりです」
マグボトルを手に、琴莉。
熱風が猟兵たちを嬲り、泉宮・瑠碧(月白・f04280)の若緑衣が加護を働かせた。
視線を下へと落とす瑠碧。この砂漠の下にあるというダンジョンと、クラウドオベリスク。砂地での足捌きはやや重い。
崩竜・ヴァッフェントレーガーは一体どこから――そう思った猟兵たちは、飛行しこちらへと向かってくる敵影を見つける。
「主よ、憐れみたまえ」
マリスが手を組み祈りを捧げると、星辰の顕れている青の瞳――その片目に光が灯った。
「――頼りにしてんぜ?」
華焔刀を手に倫太郎の声に頷くマリス。
――オオオオオォォォォ!!
クラウドオベリスクの領域に近づく者を始末すべく「やってくる」オブリビオン。砂の大地に在る猟兵たちを視認している崩竜は飛行しつつ複数の魔法陣を展開した。
「あー……成程。わっざわざ降りてくる必要もねぇよな」
倫太郎がやや頬を引きつらせて呟くや否や、魔法陣から数多の火球が放たれ灼熱の大地と猟兵たちへ降り注ぐ。
咄嗟に動くは琴莉。コート内から展開するHaroldが攻撃を緩和し、それぞれのオーラ防御が働く。
爆撃に次いで砂の飛沫が猟兵たちに降りかかった。轟音が彼らの鼓膜を劈き、そして灼いた。
「っ」
「そのくらいの傷なら大丈夫。――我慢してください」
通る、マリスの声。
被った熱い砂を、頭を振りつつ払う倫太郎。周囲を見れば、一部の仲間たちは砂まみれだ。
崩竜にしてみれば空襲や砂を巻きこんだ体当たりで終わらせることもできる殲滅戦――だが、それは相手がただのヒトであったなら、の話だ。
マリスの周囲で光が輝く。星の輝きは彼女を守り、そして空へと流れた。
猟兵たちを過ぎ方向転換する崩竜へと至る流れ星。
琴莉の意を汲むのか水銀のような群れが散開するなか、瑠碧が精霊杖で砂地に突けば雫鈴の音が耳を打つ。
「……生まれに罪は無いが討たせて貰う、すまない」
呟いた瑠碧を中心に暴風が吹き荒れ、虚空へ向かって砂塵の軌跡。そこへ氷の力が入り、凍てつく乱気流となった。
仲間が非接敵であるからこそ放つことができる力。
『グルアァァァ!!』
崩竜の咆哮とともに突破せんと力強い翼のはためき。しかし縦横に吹く氷の乱気流が敵の動きを阻害し、滞空の力すらも阻もうとしていた。
吹き荒ぶ気流の中に煌きが宿る。
「その翼から、空を奪い去ってみせましょう」
マリスの星は重力の性質を帯び、崩竜へと纏わせると巨躯は明らかな降下を見せ始めた。
『オオオオォォ』
星を取り込む竜の身体が蠢く。
気流が解けようとする瞬間、琴莉が翼を広げ上空へと飛立ち、倫太郎が黒塗りの柄を振るう。
巫覡載霊の舞の一手は華焔刀から衝撃波を放った。解ける気流を断ち、乗じて冷気を纏う一閃が崩竜を襲う。
『グルォォォォ!!』
ガカッと崩竜の顎が鳴った。刹那、迫る琴莉へとブレスが放たれる。
目を見開き、体を捻り回避する琴莉。速射によるブレスは間断なく二撃三撃と続き、Haroldの銀が弾け、瑠碧の水の突風がブレスの軌道を阻害する。ほぼ第六感で動いた琴莉はその背に気化する水気を感じ取りながら、竜よりも高度を取った。
羽搏くもの、啄むもの、囀るもの――琴莉は呼ぶ。
「Harold」
拙い鳥たちは集結し、銀の杭となり敵翼を貫いた。
片翼。
だがそれで十分だ。続く地上の猟兵たちの攻撃が、重力が、竜の巨躯を大地へと落とす。
四肢を広げた崩竜は、攻撃力を強化していたのだろう。砂飛沫をあげ着陸するとともに、その身を旋回させた。
『オオオオオオオオオ!!!!』
尾が、翼が猟兵たちを叩く。
崩竜を一度地に繋げば、それは好機だ。
間合いを取り駆けた瑠碧の精霊杖は、涼やかな色の玉を起点に弓へと変化した。弦を引く彼女の指先には、次の瞬間には水の矢。
翼の皮膜を狙い、破魔の力宿る矢を放つ。
同時に対角から射貫くは、流星の如き矢。矢筒の矢羽を指先で掬い、大型の弓・星屑の弦を引くマリスの二の矢が続き放たれた。
崩竜がマリスの方を向いた。
全身から放つ光の存在感は、竜をおびき寄せる。
彼女の遠く視界に入るは、倫太郎の姿。薙刀の軌道は風刃を生む。
「倫太郎、あなたに加護を」
マリスの右手指先が瞬き、彼に与える破魔の加護。
(「倫太郎の術は命を削る――あのような戦い方では命が幾つあっても足りません」)
せめて彼が志半ばで果てぬよう支えよう、と、マリス。
「おぅ! 悪ぃ……! 助かった!」
倫太郎は声を張って礼を。注意が彼女へと向く――対角、その死角、竜の背後から華焔刀で斬り上げれば装甲を裂くその刃先から衝撃波が起こる。
崩竜を象る装甲を断ち、内部へ入り込んだ衝撃波が竜の肉を嬲った。刃先を返して上段からの斬撃を放つ。
『グルルルル……』
敵尾がぶんと振られ、咄嗟に身を屈めた倫太郎が長柄を盾に阻みつつすり抜けた。
そのまま薙刀を真横に構え突き刺す。ぐるんと振り返る崩竜の胴から首への斬撃半ば、飛び退いた崩竜の尾と翼が倫太郎と上空の琴莉を打った。
体勢を崩す琴莉を仲間の術が援護し、彼女は降下の最中、銀の杭を撃ち貫く。着地は竜の頭となったが――、直ぐにその身は傾いた。
『グウウウウッ』
虚空で巨躯を傾くと、竜の魔法陣が連なり現われる――今度は近く、多い。
間に合うか、否か。
判断ののち、素早く起こる上昇気流。瑠碧だ。上空の猟兵たちが飛び退くと同時、氷の豪雨が魔法陣から放たれた一部の火球を追い穿つ。
氷の豪雨は竜を叩き、地面へと再び落とす。
『ギャオゥッ』
たまらないとばかりに竜が鳴いた。
そして火球に直撃し、砂の大地に沈む猟兵たちに届くは、マリスから放たれる星の輝き。
「私のためではなく、あなたのためではなく、私たちのために――」
輝きが仲間の焼け爛れた部位を癒していく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
アルノルト・ブルーメ
護るもの、にしては些か凶悪だね……
尤も、大陸一つを隠匿するには
これくらいして然るべきなのかもしれないけれど……
とはいえ、その先が判っているのなら
踏破するだけだ
捜し物を見つけるのに必要なら退くなんて選択はないだろう?
これまでと同じように、ね
血統覚醒使用
Viperを放ち先制攻撃
手首の返しでなぎ払いの2回攻撃
敵が飛行状態ならば空中戦を挑もうか
敵の攻撃は見切りと残像を用いたり
Viperを利用して跳躍するなどして回避
回避出来ない状況の場合はオーラ防御でダメージ軽減
火球が邪魔だね……
破魔で魔法陣を砕こう
距離を詰めたなら、死角に回り込んでVictoriaとLienhardで攻撃
傷口をえぐり、生命力吸収で回復
アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と】
モンハン?やったことはないけど知識としては知っているとも
猫がかわいいゲームだネ
ドラゴン相手に舞い上がっているソヨゴをうれしそうに眺める
ドラゴン相手に剣で戦うのは定番だけど
遮蔽物がない場合の戦い方は遠距離射撃が定石
って
言い終わる前に戦闘始めたか
範囲攻撃を警戒してソヨゴとはやや距離を取る
Phantom Painで援護射撃しつつ
武器の持ち替えタイミングを計る
的が大きいので、弾丸が貫通しそうな関節部分を狙い撃ちするネ
ソヨゴの攻撃に耐えきれずに飛んだか
隙だらけだよ
UC使用
Silver Bulletを取り出し
触手で銃本体を支えながら上方へ向ける
仰角90度
敵の腹めがけて一発撃つ
城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と】
すごい…モンハンみたい!
ドラゴン退治ですよ、アヤネさん!
テンションが上がってる?まぁファンタジー冒険譚では竜退治というのは王道ですし
いやー、しかしでかいですね…
武器受けで攻撃を受け止めても吹っ飛ばされそう
ここは回避主体で戦っていきたいな
てか遮蔽物がないのが地味に辛い!
でも身体が大きいならそんなに小回りは利かないはず…
【ダッシュ】でちょこまか動き死角から攻撃していきます
【傷をえぐる】での追撃も忘れません
空を飛ばれたらUC死神の矢で遠距離攻撃
ドラゴンからの攻撃は【ダッシュ】と【残像】を駆使して回避
このドラゴン、倒したら爪とか牙とか高値で売れたりするんですかねー?
チガヤ・シフレット
いい感じのデカ物が相手っぽいなぁ!
竜退治とか燃えるよなぁ?
連戦ってことで色々と温存したくはなるが……気にすることはないか、最初っから飛ばしていこうか!
両手脚の兵装を起動。
まずは軽ーく撃ちまくってで相手の出方を見てみるか。
【二回攻撃】や【一斉発射】を使っての連射連射連射。他の猟兵たちを巻き込まないようにだけは気を付けて、ミサイルやらもかまして【衝撃波】で巨体をぶっ飛ばしてやろう。
空を飛ぶってんなら、空中戦も仕掛けてやろうか?
ワイヤー使って一気に接敵、ブレードとガンで一気攻撃を叩き込もう。
崩壊の力を喰らっても機械化してある手脚ならいくらでも使いつぶせるさ。替えの準備も万端だ
――オオオオオォォォォ!!
熱風の吹く砂の大地。
場へ降り立った猟兵たちを視認した崩竜・ヴァッフェントレーガーが咆哮を上げ、威嚇しながら近づいて来る。
「すごい……狩猟ゲームみたい! ドラゴン退治ですよ!」
故郷で大人気な、モンスターをハントするゲームそのものの光景に、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)の瞳はキラッキラと輝き、声もいつもより弾んでいる。
「テンションが上がってるのは仕方ないんです! ファンタジー冒険譚では竜退治というのは王道ですし」
「ああ、わかるぜ。竜退治とか燃えるよなぁ?」
同意するのは、チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)だ。「はい!」と思いっきり頷く冬青へ、ニッと笑む。
「やったことはないけど知識としては知っているよ。猫がかわいいゲームだよネ」
舞い上がっている冬青を嬉しそうに見つめるアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)――だが――ぐんっと詰まる彼我の距離にハッとする。
クラウドオベリスクの領域に近づく者を始末すべく、砂の大地に在る猟兵たちを視認している崩竜は飛行しつつ複数の魔法陣を展開した。
「伏せて!!」
アヤネが、冬青の腕を引っ張り叫ぶ。
突如、魔法陣から数多の火球が放たれ砂の大地と猟兵たちに降り注いだ。
ドドドド、ドンッ!!
――耳を劈く音は鈍く、そして重く。
通り過ぎ様に仕掛けた崩竜の空爆の衝撃を、仲間のユーベルコードが緩和するも次ぐ砂飛沫が猟兵たちに降りかかる。
「ふぎゃあっ!」
とんだ二次被害に冬青の思わずといった声。
『オオオオオオ!!』
ざらららと、オーラ防御で阻んだ身体から砂の流れ落ちる音にまざり、アルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)の耳に届く崩竜の声。
「護るもの、にしては些か凶悪だね……」
戻ってくる崩竜に、先に立った猟兵たちの攻撃が向かうのが視認できた。
「尤も、大陸一つを隠匿するには、これくらいして然るべきなのかもしれないけれど……」
「敵の殺意は高そうだネ」
と、アヤネ。
猟兵を焼き殺すなり砂に生き埋めにするなり、初手、崩竜は飛行状態からの攻撃を仕掛けてきた。
アヤネの言葉に頷くアルノルト。
「……とはいえ、この先が判っているのなら、踏破するだけだ。
捜し物を見つけるのに必要なら、退くなんて選択はないだろう?」
これまでと同じように、ね――と幾度となく顔を合わせてきた猟兵たちに、アルノルトは言った。その瞳は紅に染まっている。
猟兵たちの連携によって地に繋がれゆく崩竜めがけてViperが飛ぶ。
強制着陸となった崩竜に向かって冬青が駆けた。
「連戦ってことで色々と温存したくはなるが……気にすることはないか、最初っから飛ばしていこうか!」
「――とてもじゃないけど、手は抜けないよ」
掌に自らの拳を打ちつけ声を張ったチガヤ、中距離制圧用アサルトライフルを携えたアヤネが返しつつ駆けた。
●
両手脚の兵装を起動させ銃火器系を身体に備えたチガヤは、崩竜・ヴァッフェントレーガーに向かって撃ちまくる。
一斉発射から続けた連射。身体に掛かる負荷は相当なものであろうが、両脚の兵装が上手く砂地へと衝撃を逃がす。
『グルオオオオオ!!』
本人曰く「軽ーく」全体的に銃弾を撃ちこむチガヤと、関節部分を狙い撃ちするはアヤネだ。
Phantom Painを連射、単発射撃と適宜切り替えていく。
(「ドラゴン相手に剣で戦うのは定番だけど、遮蔽物がない場合の戦い方は遠距離射撃が定石」)
幸いにして、竜は周囲を駆けまわる猟兵たちに注目している。
チガヤの銃弾が下から上へと上がっていくのが、接敵する冬青には視認できた。
「いやー、しかしでかいですね……」
崩竜の挙動をよく見て、死角へと回った冬青が花髑髏を薙ぐ。敵装甲は硬く、被弾の痕を的確に狙い更に深く傷つけた。
常に振られている敵尾は、避ける。まともに武器で受けたら吹っ飛ばされるに違いないという彼女の判断は当たっている。
敵の下を抜けるように、跳び転がった。
VictoriaとLienhard、二剣を振るうはアルノルト。Lienhardの刃を常時変形させ、一刀の最中に敵の傷を抉っていく。
『グルウウウウウッ!』
ブンッ! と尾を振り返り様に噛みついてくる崩竜。その頭めがけて放ったチガヤのミサイルが着弾し、大きく敵の巨躯がぶれた。
『ギャウウ!』
砂地に倒れる崩竜。
即座に射撃位置を変えるべく駆けるチガヤ。アヤネは場に留まり、照準を動かした。上腕部へと狙いを定める。
「チャーンス!」
と、駆ける冬青が敵腹へと斬撃を放った。
「このドラゴン、倒したら爪とか牙とか高値で売れたりするんですかねー?」
「もし消失しなかったらの話だけれど、まあ……売れるかもしれないね」
冬青の言葉に、真面目に考え、真面目に返すアルノルト。
『グウウウ……』
その時、四肢をばたつかせた崩竜は翼を動かした。ざん! と砂地が大きく払われ、巨躯が浮く。
――オオオォォォ!
同時に周囲に生じる魔法陣の連なり。眼前のそれを起点にアルノルトがViperを放った。
破魔の力を宿らせた『毒蛇』が三つの魔法陣を砕いていく。
彼の近くにいた冬青が開けた道に花髑髏の切っ先を向け、
「切り裂け、疾風!!」
声と共に砂塵纏うカマイタチが空を駆け、敵胴を切り裂いていった。
仲間の術である氷の豪雨が再び起こり、放たれる火球を削ぐなか、チガヤが超硬度のワイヤーを射出した。
敵首へ絡んだそれは、さながら首輪の如し、だ。
一気に接敵するチガヤはその道程にも銃撃し、肉迫する刹那ブレードを突き立てた。
強い推進に任せ斬り上げる。
ゴッ! と敵の崩壊させる火球がチガヤの片腕に放たれ直撃するも、機械化してある手脚ならいくらでも使いつぶせる。
「替えの準備は万端だ――そら!」
無事な片腕で思いっきりワイヤーを引き、高度を取ったチガヤが敵首を蹴りつければぐるんと巨躯が方向転換した。
やや仰け反り腹を大地へと見せる体勢に。
作り出された好機。
「無防備で、隙だらけだネ」
アヤネの対UDCライフル『Silver Bullet』。
十キロを超える大型ライフルの銃口は影の触手で支えられ、上方へ向いている。仰角九十度。
敵内部から破壊へと導くUDC細胞炸裂弾を撃ちこんだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
クララ・リンドヴァル
クラウドオベリスク……わざわざ隠すのは、見つかれば都合の悪いものが実在すればこそ。
こうなると、私達猟兵としては、このまま予知の通りに世界中を冒険すれば良いのだと思います。
……それにしても、暑いですね……。
これが、竜……圧倒されてしまいそうです。崩壊の力って何でしょう。呪詛とも違いそうですし。早速ラスボスの貫禄ですね。
飛ばれると厄介ですが.不安定な体勢で着陸させられれば大ダメージを期待出来そうです。
《視力》で飛行中の竜を捕捉。《スナイパー》で移動先を読み、神経を研ぎ澄ましてタイミングを測ります。
敵の通過点と水の落下先がぶつかるように《全力魔法》カタラクトを発動。水圧で一気に地上に叩き落とします。
木元・杏
わたしが住んでる世界とは違う世界
見渡す限りの砂漠
この景色もまだ珍しいけど
群竜大陸にはナールかその子孫、いるかな……
この間知った龍を思い出して
対崩竜
【白銀の仲間】で巨鳥1羽召還
その背にわたしを乗せて
崩竜に突撃して
大気も感じとる竜には巨鳥もきっと見えてる
見切りと第六感で火球と爆撃を出来る限り避け
わたしも幅広の大剣にした灯る陽光で叩き落としオーラ防御
お願い、崩竜の近くまで持ちこたえて……!
頭に近付いたらジャンプで崩竜に飛び移り
剣で薙ぎ払い目潰し
振り落とされたら
オーラで包み込んでオーラ防御し
もう一度UC発動して巨鳥に拾ってもらい次のチャンスへ続ける
他の皆と積極的に声かけし、連携していく
シリン・カービン
【SPD】
ハンターマントを深く被り、砂漠の日射から身を守ります。
水は十分に用意して来ましたが、森の民には少々堪えます。
「炎の精霊は元気ですね…」
でも漸く見つかった私の世界に穿たれた楔。
放っておくわけにはいきません。
暴竜に相対したら【シルフィード・ダンス】を発動。
ステップを踏んで自在に飛びながら、
崩壊しかけた部位やブレスを吐こうとしている口を狙撃します。
「炎の精霊、風の精霊、力を貸して」
精霊の力で蜃気楼を生み出し、
残像を使ったフェイントで暴竜を幻惑。
命中率が高い攻撃でも、目標を絞れなければ
そうそう当たるものではありません。
倒した後は砂の精霊に挨拶を。
「地下までの案内、頼みます」
アドリブ・連携可。
砂漠の太陽。光は砂の大地を介してより強くなり猟兵の肌を焼く。
風は熱を持ち、呼吸をすれば肺に満ちる空気で自身の体温もまた上がる。
ハンター・マントを深く被り、刺すような陽射しから身を守るシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)。
「炎の精霊は元気ですね……」
陽炎にまぎれ踊る精霊たちを目に、シリンは呟いた。森の民である彼女には少々堪える環境のようだ。
ですが、とシリンは言葉を続けた。
「漸く見つかった、世界に穿たれた楔……放っておくわけにはいきません」
「クラウドオベリスク……わざわざ隠すのは、見つかれば都合の悪いものが実在すればこそ、だと思います」
同意するように頷き、静かに応じたのはクララ・リンドヴァル(本の魔女・f17817)であった。
「私達猟兵としては、このまま予知の通りに世界中を冒険すれば良いのだと思います」
群竜大陸の所在地を隠すクラウドオベリスクは、どれくらいあるのか――たくさんの猟兵たちが対処すべく、各地へと赴いている、今。
クララの声に、木元・杏(微睡み兎・f16565)は砂漠の地を見る。
(「わたしが住んでる世界とは違う世界――」)
続く青の空と砂の大地。珍しく感じる景色は、またひとつ、彼女の思い出となり。
「群竜大陸にはナールかその子孫、いるかな……」
少女の呟きに、シリンとクララは先日に出逢った白いトカゲたちの姿を脳裏に思い描いた。
――と、こうやって立っているだけでも、灼熱の大地は容赦なく猟兵たちを消耗させる。
「……それにしても、暑いですね……」
「……うん……」
影もない砂漠――否、一応はある――クララと杏は自身の影へと視線を落とした。
「ひとまず、水分補給をしましょう」
シリンが声を掛け、猟兵たちは直ぐに訪れるであろう戦いに備える。
●
崩竜・ヴァッフェントレーガーによる空襲。
第一波を凌ぎ、第二波が訪れる前に攻撃を仕掛ける猟兵たち。
四肢を広げた崩竜は、落下時に攻撃力を強化していたのだろう。砂飛沫をあげ着陸するとともに、その身を旋回させた。
『オオオオオオオオオ!!!!』
尾が、翼が猟兵たちを叩く。
だが、崩竜を一度地に繋げば、それは好機だ。
風に舞い、空に踊れ――シリンの踏みこみは砂の大地から、空へ。
まるで空にステップストーンがあるかのように飛ぶシリンは、一際大きく跳躍した最中に精霊猟銃を構えた。
『グルオオオオオ!!』
吼える崩竜の口が輝く――頭を振り上げる動作からのブレス攻撃だ。眼下めがけて狙撃したシリンはボルトハンドルを操りながら、反復に跳ぶ。
その際、杏の一閃を視認するとともに。
ザザアァッ!
崩竜が巨躯と翼を力強く振り、大きな砂飛沫を起こした。
「っ」
敵の牽制に飛び退くシリン。
同時に連なる敵の魔法陣が展開され、対応する猟兵たちの攻撃が飛ぶ。
氷の豪雨が再び起こり敵火球の威力を削ぐなか、火球と二次的に起こる熱波、砂を巻きこんだ攻撃を避け飛翔するは、杏だ。
正確には、杏を背に乗せ飛翔する白銀の巨鳥――視認できない姿ではあるが、崩竜はその存在を的確に捉えている。
叩き落とそうと尾を振り――大地にぐっと体を押し付けた瞬間、再度飛翔した。
空へ――杏と巨鳥へ向かって、魔法陣が形成されていく。
「杏!」
シリンの声は再びの空爆に掻き消えるも、
「炎の精霊、風の精霊、力を貸して」
告げれば、精霊たちは蜃気楼を生み出し崩竜の「世界」を覆っていく。
『オオオオオオ!!』
邪魔はさせぬと崩竜が吼えて暴れ回り、大地と空気が灼かれた。敵の四肢を、ボロボロな翼を狙い撃つシリン。
灯る陽光を幅広の大剣に変え、杏が避けきれない火球を叩き落とした。
負荷は大きく、巨鳥が一度旋回する。
(「お願い、崩竜の近くまで持ちこたえて……!」)
本格的な飛翔へと至ろうとする崩竜――それを捉えたのは、クララであった。
仲間の術でできた気流が空にはある。動く竜の先を読み、刹那の滞空の瞬間。
大気乱れる空中で、彼女の術は実に上手くそして密やかに形成されていく。
編まれゆく魔法の陣。
杏を振り切り、一度、翼を羽ばたかせ崩竜が空に乗る。否、少女は敢えて振り切らせた。
「クララ……!」
「はい……っ」
空中戦を仕掛けていた猟兵たちの姿は、無い。
次の瞬間、起こったのは瀑布だ。クララの放ったカタラクトにより四秒ともたず崩竜は地面へと叩きつけられた。
『……ッ――グウウウウッ!!』
水圧が崩竜の体を叩きのめす。
ずん! と砂漠の地が、クレーターを作った。ばちばちと砂が弾け飛び、消えた。時間差で大きく、二度。拡大する。
『……ッ!!』
ざざ、と中心に在る崩竜へと向かって砂が流れ始める。
ぐっと身体を伸ばす崩竜。しかし首は折れ、翼は動かず――撃破まであと一手。
飛翔する巨鳥から跳躍した杏が、敵の目めがけて大剣を薙いだ。
暖陽の彩が花弁の如く舞散り――そして次なる崩竜の咆哮により吹き飛ばされる。
――オオオオオオオオ!!!!
大気が震えた。
翼を広げた崩竜・ヴァッフェントレーガーの体が、瓦解する。
「クララ、杏、こちらへ」
ばさりとマントを広げ、大地へと降りたシリンが呼びながらもクララの傍へ駆け、巨鳥の背に乗った杏を目で促した。
世界を構成する要素をも崩壊させる力。
竜の組織に触れた砂が弾け、消失する。
骸の海へと還ろうとするオブリビオンはその地を巻き添えに。
ひらけた空間に砂が流れ込む。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『にゃんこ魔道師』
|
POW : 消失魔法~インヴィジブル~
自身と自身の装備、【幻蝶の群れが包み込む魔法攻撃を受けた】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : 混乱魔法~パニック・パウダー~
【幻覚を見せ互いを攻撃させる幻蝶の鱗粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 相殺魔法~キャンセル・コード~
対象のユーベルコードに対し【反属性の盾となる幻蝶の群れ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:熊木
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
――オオオオオオオオ!!!!
崩竜・ヴァッフェントレーガーの咆哮に大気が震えた。
世界を構成する要素をも崩壊させる力。崩竜の体が瓦解する。
触れた砂が弾け、消失した。
猟兵の攻撃で作られたクレーターがどんどんと深くなる。
骸の海へと還ろうとするオブリビオンはその地を巻き添えに。
ひらく空間に砂が流れ、猟兵たちも巻き込まれようとしている。
「地下までの案内、頼みます」
大地の精霊に挨拶をするシリンの声が耳に届く。
さらさらと砂が流れた。
ぐっと砂中に引き摺りこまれる猟兵たち。
けれど、流れは止まることなく、下へ下へ。十秒、あっただろうか?
半ば投げ出されるようにして、砂の山へと猟兵たちは着地した。
空気は一転して冷えたものに。
豊富な水気にやや塊となりつつある砂山を降り、砂漠の下のダンジョンに立つ。
砂漠の化石水である地下帯水域のダンジョンには上と床を繋ぐ柱が何本もあり、仄かな明かりが点在していた。天井は見えない。
上はまだ流砂が起きているのだろうか。
時折、砂が落ちてくる。砂時計の中にいるような気分だ。
と。
『にゃんにゃん』
『にゃんがにゃんが』
『侵入者にゃん……!』
声は聞こえるけれども、姿は見えない。
警戒する猟兵たち。
『『『にゃぁぁぁん!』』』
カッと青の魔法陣が浮かび、猟兵たちに向かって水球が放たれた。
『始末するにゃん』
一体目。
『コロスにゃぁぁん』
二体目。
『ヤキコロス? それともオボレさせてコロス~?』
――たくさんのにゃんこ魔道師が姿を現し、猟兵たちを囲んでいた。
篝・倫太郎
引き続きマリス(f03202)と
猫だなぁ
さっきまでドラゴンだったしなんかバリエーション豊富じゃね?
ま、コロコロされたかねぇんでさっさとやりますか
つーか、勇気とか意識したことねぇぞ、俺
エレクトロレギオン使用
召喚した機械兵器に蝶の対応と
死角を作らないようにしつつ俺とマリスのフォローを任せる
俺自身は華焔刀で魔道師を攻撃
先制攻撃からのなぎ払いで範囲攻撃
刃を返して2回攻撃
以降の攻撃にはフェイントや残像も取り入れて対応してくぜ
蝶もついでに巻き込めりゃラッキーってな
機械兵器をすり抜けて来る攻撃には
フェイントと見切りで対応
必要に応じて咄嗟の一撃で攻撃
気になんのそこかよ?!
色々とツッコミ追い付かねぇぞ、おい……
マリス・ステラ
倫太郎(f07291)と参加
【WIZ】他の猟兵とも共闘
「主よ、憐みたまえ」
『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯る
全身から放つ光の『存在感』で猫を『おびき寄せ』る
光は『オーラ防御』の星の輝きと星が煌めく『カウンター』
「災難は勇気を試す機会です」
軽傷は無視
重傷以上で【不思議な星】
緊急時は複数同時も実行
弓で『援護射撃』放つ矢は流星の如く
響く弦音は『破魔』の力を宿して猫の魔法を打ち砕く
倫太郎への攻撃は『かばう』
「地獄は地獄を呼ぶと言います」
星の『属性攻撃』は反射の性質を帯びて魔法を猫に跳ね返す
同士討ちは彼ら自身にして貰いましょう
「鱗粉よりも猫の愛らしさのほうが気になります」
にゃんという事実でしょうか
『『『にゃ~ん』』』
にゃんこ魔導士の鳴き声は、ダンジョン内に反響しているのか、それともあちこちにいるのか――。
「猫だなぁ――さっきまでドラゴンだったし、なんかバリエーション豊富じゃね?
ま、コロコロされたかねぇんでさっさとやりますか」
脇構えをとった倫太郎が華焔刀の柄を長く持つ。隣ではマリスが手を組みはじめ、
「災難は勇気を試す機会です」
「……つーか、勇気とか意識したことねぇぞ、俺」
「では、良い機会ですので意識してみましょう」
自身の心から勇気を発掘し始めた倫太郎へ言い置き、マリスは先んじて祈りを捧げ始めた。
「主よ、憐れみたまえ」
捧げられた祈りに呼応して星辰の片目に光が灯る。
同時にその身からは燦々とした光が放たれ、にゃんこ魔導士たちは瞳をキラキラとさせた。
『にゃぁ、キレイだにゃー!』
『美しいにゃぁ』
応じるように輝く幻蝶の群れを放つにゃんこ魔導士たち。
ぶわっと舞い踊る蝶たちを見て、倫太郎はユーベルコード・エレクトロレギオンを展開させた。小型の戦闘用機械兵器二百十体が散開する。
『にゃーん!』
幻蝶とは別に、水でできた蝶が機械兵器たちを迎え撃ち、相殺しあっていく。
虚空で水が弾けるなか、身体を前傾に駆けた倫太郎が華焔刀を振るった。
数体のにゃんこ魔導士をなぎ払った一刀は、更に遠心と膂力を駆使し刃を返しての一閃を繰り出す。
『にゃん!』
倫太郎を窺い跳躍する一体のにゃんこ魔導士。キラキラ輝く杖で殴打せんと振るうも、攻撃が空振った。
『……にゃん!?』
倫太郎の残像が掻き消えびっくりする敵へ、長柄を横にした倫太郎の打撃。真横からの一撃に、にゃんこ魔導士は吹っ飛んだ。
柄の持ち方を変えつつ次の敵へと向かう倫太郎。
小型の機械兵器と水の蝶が踊る最中、流星の輝きが駆ける――マリスの射る矢の軌跡だ。
流星の如き緩やかな曲線を描く一閃ではあるが、当たった時の衝撃は大きく、跳躍したにゃんこ魔導士を撃ち落とす。
二射、三射と続く矢に伴うは響く音。破魔の力宿る弦音は周囲の幻蝶を粉々に、そして矢音が届く範囲の敵魔法陣を砕いていく。
場に在るものを、ひとときのいと美しき星屑の宙へと誘った。
『にゃにゃにゃ! コロコロされるわけには、いかないにゃ~ん! ぱにっく・ぱうだー!』
杖を掲げ、いかにもといったポーズで混乱魔法を放つにゃんこ魔導士。
幻覚を見せ互いを攻撃させる幻蝶の鱗粉が舞い始め、元となる幻蝶へと攻撃を仕掛けるのは残数わずかな機械兵器たち。
『風よぉ、吹けにゃ!』
敵の風魔法に煽られ、猟兵狙い、より広範囲に散布されていく鱗粉――倫太郎に降りかかろうとするそれを阻むは光の輝き。
マリスの星が、にゃんこ魔導士の風の魔法を跳ね返す――散布されていた鱗粉と共に、だ。
「地獄は地獄を呼ぶと言います」
風が時を戻すように起こり、更に、風精霊へと願った猟兵の風が敵集団へと吹きつける。
『戻ってきたにゃ!?』
『鱗粉やばいにゃ!』
『なんでこれ無差別にゃの!?』
シャァァァッと毛を逆立て、にゃんこたちが叫ぶ。結果、起こったのはキャットファイトであった。
その攻撃方法は様々で、ガチのものから、魔法にゃんこあたっく、にゃんにゃんとじゃれつくような猫たちの戦いが繰り広げられる。
それを眺め、こくりと一つ、マリスは頷いた。やや満足そうだ。
「鱗粉よりも猫の愛らしさのほうが気になっていました」
「気になんのそこかよ?!」
倫太郎の思わずといった一言に、再びこくり。
にゃんという事実でしょうか――マリスは、確りと仲間の猟兵の手元に注がれていた。その手には猫じゃらし。
ふと、手にした弓・星屑の先端を振るマリス。
『にゃがっ!?』
猫じゃらしと認知したにゃんこ魔導士が四肢を地面に着き、ジャンプし、じゃれはじめる。真面目に猫であった。
「色々とツッコミ追い付かねぇぞ、おい……」
と、やや胡乱げな目になる倫太郎であったが、とりあえず倒していかねば。
幻覚魔法で混乱中の魔導士たちを、仲間と共に一体一体確実に撃破していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
榛・琴莉
随分と物騒なネコチャン…お邪魔してます。
数が多いですねぇ。
基本は掃射で【範囲攻撃】、見える見えないに関わらず、まとめていきます。
仲間は巻き込まないようにしなくては。
見えない敵の対処は…
掃射は継続したまま【聞き耳】をたて、着弾音や、彼らがたてた物音で大まかに位置を把握してそちらを狙います。
あとは敵の術が途切れるでも、【第六感】頼みでも、敵の正確な位置が掴めたら【全力魔法】のUC。
確実に当たるなら攻撃重視、少しでも不安が残るなら命中重視で。
敵の攻撃には【見切り】、避けられないならHaroldで【オーラ防御】【武器受け】をして対応します。
泉宮・瑠碧
可愛くとも、言動は物騒だな…
僕は杖を手に主に精霊祈眼
範囲攻撃と属性攻撃
攻守で第六感
相手の姿が在る内に
可能な限り広範囲の相手へ
水の精霊による水で濡らしておく
消失は
敵味方の位置は聞き耳で音や声を拾うか
滴る水や水溜りでも判断
相手の場所へは氷の精霊による冷気を撒く
濡れていれば耐えるのも厳しいだろうし
幻覚を引き起こす鱗粉は風で吹き飛ばすが
無差別なので相手の同士討ちもあるのでは…
風向きは相手が多くいる方向へ
相殺防止に
攻撃の行使は放つより、対象自身へ発生させる様に
氷の精霊による凍結や
援護射撃として仲間の攻撃を通す為に先に防がせたり、その逆も
被弾は見切り
オーラ防御はしても幻蝶との接触は極力避ける
終えれば、祈る
アルノルト・ブルーメ
……これはまた、随分と物騒な事を言う猫達だね?
大概にオブリビオンとはそう言うものだけれど
それに、なんだか可愛くない……(と思うが言わず)
この先に排除すべきものがある以上
それを守る君達も排除すべき対象だからね
影の堕とし仔使用
召喚した影達を囮と蝶達への牽制に
また、同道者達への敵の攻撃を阻害するよう立ち回らせる
僕自身はViperでの先制攻撃からのなぎ払い
手首を返して2回攻撃での範囲攻撃
フェイントを用いて距離を詰めたら
VictoriaとLienhardで
傷口をえぐるようにして攻撃し生命力吸収
敵の攻撃は残像と見切りで回避
回避し切れない場合はオーラ防御
足元には常に注意し行動
骸の海にお還り
大本命はすぐそこか
クララ・リンドヴァル
不思議な空間に出ました……
ダンジョン、なのでしょうか。天井が見えない辺り、広そうですが……
……わわっ!にゃんこ魔道師の襲撃です。
まずは【呪詛】と【精神攻撃】で、にゃんこ魔道士達と正面から戦います。【呪詛耐性】と【オーラ防御】で敵の攻撃を軽減。味方に行く攻撃を少しでも吸い取ります。
相殺魔法は【学習力】と【戦闘知識】を使い、どの属性からどの属性が帰って来るか覚えてみます。
消失魔法を受けてしまったら、こっそり【忍び足】で【目立たない】ように魔道士達の囲みを抜けてみます。
混乱魔法の範囲外に出る事に成功したら、柱などの遮蔽物に隠れ、リザレクト・オブリビオン展開。2体とも敵の後背へ嗾けます。
(「不思議な空間に出ました……」)
クララが上向けば、ザアッと砂が落ちてくる様が目に入った。
「ダンジョン、なのでしょうか。天井が見えない辺り、広そうですが……」
そう呟いたクララは天井を、そして瑠碧は床を見る。
「……水の精霊たちが多いな」
精霊杖を突けば、今にも湧き上がらんとする気配。地下にあるとされた化石水だろう。地上の戦いとは勝手も違ってくる。
にゃんこ魔導士たちが現われたのは、この時であった。
『にゃぁぁぁん!』
『侵入者にゃ!』
『排除するにゃ~』
彼らの問答無用の魔法攻撃に、三方へと散開する猟兵たち。
「……わわっ! にゃんこ魔道師の襲撃です」
「……これはまた、随分と物騒な事を言う猫達だね? 大概にオブリビオンとはそう言うものだけれど」
最初の数歩を勢い余ってよろけたクララを助けつつ、アルノルトが言った。
(「それに、なんだか可愛くない……」)
と思いながらも、口には出さなかったアルノルト。口にしていたら、にゃんこ魔導士は毛を逆立て反応したことだろう。
「随分と物騒なネコチャン……お邪魔してます」
初手、仲間が接敵する前にと琴莉が魔導士たちをMikhailで掃射していく――前方から右手がやや敵数は厚く、同時に彼女が被るガスマスクのレンズ部分に現在からなる演算結果が映し出されていった。
このまま扇状に戦場を展開していけば、制圧となるだろう。
「Harold」
呼べば、水銀の鳥が琴莉の元から飛び立ち、場を旋回し始めた。
『ヤキコロスにゃ~!』
カカッと場が光り、火炎の魔法が放たれる。
「可愛くとも、言動は物騒だな……」
精霊杖を繰り、瑠碧は呼びかける――。
(「どうか、力を貸して……この願いを聞き届けて」)
水気の満ちた場で、玲瓏たる「声」に応じ動くのは水精霊だ。敵の周囲にだけ発生した濃霧は広範囲、にゃんこ魔導士たちを濡らしていく。
『にゃ、びっちょりにゃぁ!』
乾きの風でも吹かせようとしたのか、浮上しゆくは緑の魔法陣。
「さ、させません……!」
Bibliae Magicaeを抱え、高速詠唱で魔法陣を展開したクララが先に発動する。
全身ずぶぬれなにゃんこ魔導士を呪詛で縛り上げ、さらなる精神攻撃。
アルノルトの外套の影から蝙蝠の形をした影が飛び立つ。
発動した影の堕とし仔が音なく、ひととき空中を闇に染め、散開した。クララが敵の攻撃を軽減させる魔法陣を作り、蝙蝠の影とともに厚い盾として動く。
阻まれる幻蝶の群れを見て、瑠碧は多方の敵へと水精霊を向けた。
彼女を中心に、吹き溜まっていた砂が波紋を描き、含水により砂質が変化する。
確りとした足場が構築され、猟兵たちが駆ける。
『きゃんせる・こーどっ、ひかりよ~』
光の盾となる幻蝶の群れを放つにゃんこ魔導士。
翼ある光と影が相殺しあうのを見たクララは、ふと、気付く。場に紛れて飛ぶは琴莉の銀鳥。
目をごしごしするにゃんこ魔導士めがけて急降下し、その鋭き爪で敵を裂いた。
『にゃぁぁぁ!』
ややキレ気味の声。
幻蝶が消失魔法を仕掛けるも、影の蝙蝠が蝶の進行をことごとく阻んでいく。
『にゃぁぁぁん』
今度は泣き声であった。地団駄をふみふみにゃんこ魔導士は負けじと攻撃魔法を放った。
にゃんこ魔導士たちをずぶ濡れにさせた瑠碧は戦場を見渡し、適宜、精霊の力を行使していた。
水濡れの彼らを一気に凍結させる氷の精霊。
風精霊は一方に散布されようとする鱗粉を、猟兵の対策に乗じ、にゃんこ魔導士の群れに向かって逆風を吹かせる。
この結果キャットファイトが起こり、混乱により本能が活性化したのか、猫じゃらし(もどき含む)に飛びつくにゃんこ魔導士が現われるという始末であった。
『しゃ、しゃむいにゃ!』
『カチカチにゃ!』
『にくきゅうつべたにゃ!』
にゃんこ魔導士に対して冬が訪れた様子。
毛がぱりぱりになっているところをアルノルトのViperがなぎ払っていった。打てば響く、手応えが程良い。
手首を返して二回目の範囲攻撃の終わり、先端が滞空する――最中に彼我の距離をつめるアルノルト。
真っ直ぐに向かってくる彼ににゃんこ魔導士が杖を振るうも――がくりと体勢を崩した。
『!?』
発生した氷の塊が重りとなり、杖の先端が地に着く。瑠碧の願いに応えた氷の精霊の力であった。
この時には既に、敵はVictoriaとLienhardの餌食となっている。抉るような攻撃から引く刃もまた敵内部で新たな傷を作り――血濡れとなった毛玉がばしゃりと地面に落ちた。
「骸の海にお還り」
そう言ったアルノルトの目は次なる標的へ。
一方、少し先。
ダンジョンの床が見える場所。
水浸しとなりつつある地面が静かな波紋を作る。幻蝶の群れに包まれて透明となったクララだ。
水が跳ねないように歩き、見つければ砂地を渡る。
混乱しキャットファイトを行うにゃんこ魔導士の陣地を抜け、ダンジョンの柱へと身を隠すように。
見つからなかったことに安堵の息を吐き――そして魔力を流し始めた。
扱うは死霊術。召喚するは死霊騎士と死霊蛇竜。
リザレクト・オブリビオンを展開すれば、朧から徐々にはっきりとした姿へ――蛇竜が水飛沫をあげながら敵陣へと突っ込み、騎士が追撃に駆ける。
『にゃ!? はさみうちにゃっ!』
「そこですね」
死霊たちとは別の場所、見えぬ敵の声に即座に反応するは琴莉だ。
見えずとも、猛射すれば当たる。
『にゃぎゃっ』
血飛沫があがり、姿を現したにゃんこ魔導士は息絶えた。
その身が沈む音を耳に、次。
氷れる魔力を込めた弾丸が掃射され、氷の陣が張られていく。
クララが見つかって攻撃を受けない限り、死霊たちは消失することがない。連携し暴れ回る二体と掃射を行う琴莉がこの場を制圧せんとばかりに次々と攻撃する。
「数が多いですねぇ」
排莢の凍てる風が琴莉の頬を掠めた。
「そのぶん、守りが堅いということなのでしょうが――」
姿勢を変え、次なる敵たちへとなぎ払うように続けて射撃する。
瑠碧と琴莉。二人の力が掛け合い、場は真冬の如く、猫らしく寒さに弱いにゃんこ魔導士たちの動きが鈍った。
恰好な的となった敵陣にMikhailが向けられた。
次いで起こる、ばりりりっと氷を割る音は死霊蛇竜の突撃によるものだ。その長き体躯のなぎ払いに弾き飛ばされたにゃんこ魔導士を、死霊騎士が長剣で斬り払っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
チガヤ・シフレット
さぁてお次はどんなのが……っと思ったら、猫かぁ、猫かぁ~。
可愛いよなぁ、猫ってさぁ?
だけど、まぁ、こっちに敵意を向けてこられちゃ、ぶっ飛ばすしかないな。
恨まないでくれよぉ?
ガジェットショータイムだ。
適当に撃ったり殴ったりできるガジェットが出てくるかねぇ。
敵からの攻撃はワイヤー使っての移動やら【逃げ足】で上手いこと躱して、隙を見つつ。
【フェイント】とか入れつつ【二回攻撃】とかで確実に攻撃を当てていこうか。
柱やらも利用して、こっちから【空中戦】仕掛けるものいいかもしれないなぁ?
他の猟兵への【援護射撃】やらも忘れずにきちんとこなしていこう。
しかし、一匹くらい持って帰っても……ダメか
木元・杏
シリン(f04146)と
他の皆とも連携してく
シリン、ねこにゃん
エモい依頼でシリンがねこになってたのを思い出して声を掛け
ん、あの時のシリンは強かった
だからにゃんこ魔道師もきっと強敵(こくん)
油断せず、勇気と気合い入れてがんばろうにゃん(頬横に手を当てにゃんのぽーず)
わたしは前に出て皆を庇ってく
第六感で攻撃方向を察知し庇うけど
見切りで直撃は避ける
小刀にした灯る陽光から噴出させたオーラを皆に纏わせオーラ防御
仕掛ける時はにゃんこの正面から
うさみみメイドさん、殴って?
フェイント交え目潰しを狙わせて。
そちらに注意を引き付ける隙に
にゃんこの後方に回り込み【華灯の舞】
幻蝶の群れを放つタイミングを悟らせない
シリン・カービン
【WIZ】
杏(f16565)と同行。
…?
杏が何か思い出しているようですが。
はい、頑張りましょう。
(クール顔のまま一緒ににゃんポーズ)
例え敵の姿が見えなくとも
素性が分かれば対策は出来ます。
(す、と服の裾から房付き棒を取り出し)
「それ」(パタパタ)
猫じゃらしでにゃんこ魔導士の集中を乱します。
ただの猫じゃ無いから引っかからない?
ふ、猟師の技を甘く見ないことです。
(技巧を駆使したパタパタ)
獲物の習性を見抜いて利用するのは狩猟の基本。
集中を欠いた獲物を狩るのは容易い。
匂いの精霊を宿した【スピリット・バインド】で捕獲。
マタタビの香りを嗅がせてあげましょう。
杏の背を頼もしげに見守ります。
アドリブ・連携可。
ざざっと砂山を滑るように降り立ったチガヤ。
クラウドオベリスクを守護するオブリビオンを探すように周囲を見、
「さぁてお次はどんなのが……」
――にゃんこ魔導士が現われたのはこの時であった。
『侵入者にゃ!』
『排除するにゃ~』
『ブッコロスにゃ~』
彼らの問答無用の魔法攻撃に、三方へと散開する猟兵たち。
「……っと思ったら、猫かぁ、猫かぁ~」
「ねこ」
「可愛いよなぁ、猫ってさぁ?」
一言呟いた杏に笑みを向けるチガヤ――とは言ってもやや物騒めいた笑みであった。
こくんと頷いた杏は次にくるっと振り向き、後ろにつくシリンへと声掛けた。
「シリン、ねこにゃん」
「……? ええ、ねこですね」
含みある杏の声(具体的には猫耳・猫グローブを装備したシリンの制服姿を思い出した声)であったが、シリンはキョトンとするばかりだ。
「ん、あの時のシリンは強かった。だからにゃんこ魔道師もきっと強敵」
杏のなかでは、猫=シリン=つよいの図式が出来上がっている。
「油断せず、勇気と気合い入れてがんばろうにゃん」
頬横に手を当てにゃんなポーズをする杏に、シリンも一緒ににゃんポーズ。けれど、いつもと特に変わらずクールな表情のままであった。
「はい、頑張りましょう」
「ほおほお、よく分からねぇが、敵意を向けてこられちゃ、ぶっ飛ばすしかないからな」
と、気が向いたらしきチガヤも真似してみれば、こちらはチェシャ猫のような感じに。
●
幻蝶舞う――光の蝶が猟兵のユーベルコードを相殺し、星の屑が振りまかれる戦場はやや幻想的ですらあった。
魔法陣から放たれる攻撃を、積極的に捌いていくのは杏であった。
小刀にした灯る陽光から噴出するオーラが近場の猟兵を包みこみ、にゃんこ魔導士の攻撃を軽減させる。
炎の力宿る鱗粉が当たっても、猟兵の体は熱を感じ取ることなく、そして消失する。
その力を体感したシリンは、駆ける杏へと頼もしげに目を向けた。
『にゃあああん!』
魔法弾を放つにゃんこ魔導士――かわすべく、チガヤは前方の柱に向かって超硬度のワイヤーを射出した。
跳躍すれば、上方に巻き付いたワイヤーがチガヤを引き寄せる。
加速する我が身を蒸気の排出で減速、方向を調節し、柱へと着地する――靴底にスパイクを備えた兵装がチガヤの身を刹那的に支えた。
『にゃ!?』
跳躍したチガヤは場を俯瞰するように掃射し、怯んだ敵をチガヤのガジェットが殴り飛ばす。
今度は真っ当にダンジョンの床へ着地したチガヤがトドメの一撃を放つ。
そして、そこに至ってから場が変化し始めていることに彼女は気付いた。
含水ある砂地から、冬が訪れたような冷気――見れば、凍結されるにゃんこ魔導士たちがいる。
硬くなっていく砂地を、再び駆けるチガヤのスパイクが削った。
「うさみみメイドさん、殴って?」
そう杏が言った時には、うさみみメイドさんが一体のにゃんこ魔導士へと迫っている。
下段からにゃんこ魔導士の胴を穿ち、くの字となったにゃんこ魔導士の目に蹴撃を放った。
『ふぎゃ!』
杖をぶん回す敵と、うさみみメイドさんの戦い。
派手に動くうさみみメイドさんに、にゃんこ魔導士たちが惹きつけられていく。
駆けた杏は一度柱を回りこみ、敵の群れに指先を向けた。
「射て」
桜の花弁を思わせる白銀の光が吹雪き、敵陣を攻撃していく。
一方。
見えない敵を探るべく、チガヤのガジェットは適当に撃ってみるのだが、これがまた難であった。
「猫はかくれんぼが得意だからなぁ」
「例え敵の姿が見えなくとも、素性が分かれば対策は出来ます」
「うん?」
応じた力強いシリンの声に、目を向けるチガヤ。
森の色を思わせるハンター・チュニック、その裾から太腿を伝うように取り出される房付き棒。
猫じゃらしであった。
「それ」
振れば、ぱしんと打たれる手応え。そして、
『ニャッ、ニャッ』
声。
「……みーっけ」
と、チガヤが即座に撃ち飛ばし、ガジェットもまた攻撃に加わっていく。
『みんにゃ、もうおとにゃでしょ!?』
『そんなモノにだまされにゃいで!!』
「ふ、猟師の技を甘く見ないことです」
シリンが告げる。ここからが本番であった。
残像から忍び足、早業といった技能が猫じゃらしに集結し、くるっくるっはたはたはた~と技巧が披露される。
『あっ、あっ、からだが勝手に~!』
成猫も引っ掛かってしまう手際。
(「獲物の習性を見抜いて利用するのは狩猟の基本。
集中を欠いた獲物を狩るのは容易い」)
そして、精霊猟銃から放たれる投網弾には精霊が宿っており――それはマタタビの香りが仕込まれている。
『……にゃにゃ……』
『なぉん』
酔っぱらう(?)にゃんこ魔導士たち。
くたんとなった魔導士を、つんつんと突くチガヤ。
「しかし、一匹くらい持って帰っても…………、……ダメか」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴf00669と】
砂時計の中には入りたくなかった
ざりざりして気持ち悪い
体についた砂を払い
ソヨゴ、足元悪いから注意してネ
やっぱり猫がかわいいゲームじゃないか!
でも裏腹に台詞が不穏だネ
「じゃあ撃ちコロス」
などとつい言い返しつつ
内心は
(UC使わずに一体一体ライフルで片付けるのが手っ取り早いな?)
本音だった
UCは敵への攻撃には使用しない
Phantom Painを構え
ソヨゴの後方に配置
電脳ゴーグルを装備して敵の位置を把握する
透明化した敵は体温で位置を割り出してソヨゴに伝える
ソヨゴから見えていない敵を優先して射撃
僕は猫に欠片も情けをかけないけど
ソヨゴが同情しているのを見ると少し暖かい気持ちになる
城島・冬青
アヤネさん(f00432)と
靴の中に砂が入って気が散りますね…うへぇ
おやおや〜^ ^猫ちゃんの魔法使いですよ、アヤネさん!可愛いですね
って…見た目は可愛いけど言ってる言葉はまっっったく可愛くない!
ギャップ萌え…?あぁ有りますよね
そういうの…
ええい!オブリビオンと猟兵は分かり合えない定めなんですっ><ごめんなさい!
アヤネさん、あまり苦しませず速攻で沈めましょう
まず【ダッシュ】で速攻
手近な猫ちゃんに斬りかかっていきます
相手の相殺魔法を警戒して
UCは猫の数が少なくなるまで禁止
負傷している猫ちゃんには【傷口をえぐる】
囲まれたら【衝撃波】で吹き飛ばす
猫の悲鳴が心に刺さる〜
そしてアヤネさんは容赦ないな…
ザァァと落ちてくる砂を避けながら、砂山を降りるアヤネ。
ふるふると頭を振り髪をかきあげるのだが、その感触に少し顔を顰めた。
「……砂時計の中には入りたくなかった」
ざりざりして気持ちが悪い――体についた砂を払い、後ろを振り返る。
「ソヨゴ、足元悪いから注意してネ」
「は、い……っ、と!」
駆け下りるようにしてきた冬青は、ちょっとだけジャンプして着地。――もっとも、そこも砂地が広がっているのだが。
「靴の中に砂が入って気が散りますね……うへぇ」
「はやく帰ってシャワーを浴びたいネ」
落ちてきた場所から離れれば、ダンジョンの床に着くことだろうと歩を進めようとする猟兵たち。
――その時、にゃんこ魔導士たちが現われる。
『侵入者にゃ!』
『ブッコロスにゃ~』
『コロコロだにゃ~』
彼らが問答無用に放ってきた魔法攻撃に、散開する。
現われたにゃんこ魔導士たちから目を離さずに飛び退く冬青とアヤネ。
「おやおや~」
冬青、目を輝かせてにっこり。
「猫ちゃんの魔法使いですよ、アヤネさん! 可愛いですね」
「やっぱり猫がかわいいゲームじゃないか!」
『お暑いところご苦労にゃーん。焦げ焦げにしてやるにゃ~ん』
焔の蝶がひらりひらりと飛ばされるのだが、仲間のユーベルコードが蝶たちを相殺し、冬青たちを守るオーラが放たれる。
「って……見た目は可愛いけど、言ってる言葉はまっっったく可愛くない!」
「ギャップ萌えというやつ、かな?」
冷静に分析するアヤネに、冬青はキョトンとした表情に。
「ギャップ萌え……? あぁ、有りますよね、そういうの……」
可愛い。まあ、うん、可愛い。ちょっと半眼になってにゃんこ魔導士たちを見つめる冬青。
アヤネはゴーグル越しに彼らを視る――電脳世界が展開され、緩く隆起した地と視認できる敵の点在する場へ。焔の蝶が煌々と輝き、明度を調整した。
Phantom Painを構えるや否や、届く声。
『にゃ~~ん。ブッコロスにゃーん』
見た目と言動があべこべな猫に応じ、アヤネも言葉を返す。
「じゃあ撃ちコロス」
(「――UC使わずに一体一体ライフルで片付けるのが手っ取り早いな?」)
猫たちとは違い、裏腹でなく本音と本音。
引き金を引き、銃撃すれば向かってきた猫が吹っ飛んだ。
冬青は駆け、低姿勢へと移行するとともに花髑髏を抜刀――瞬電の初太刀が放たれ、二の太刀がにゃんこ魔導士を斬り捨てる。
くうっと冬青が目を閉じたのも一瞬で、
「オブリビオンと猟兵は分かり合えない定めなんですっ! ごめんなさい!」
「そうだネ。猟兵だもの。仕方ないネ」
うわぁん! と同情めいた声の冬青に、うんうんと頷きながら応じるアヤネ。
アヤネ自身は、にゃんこ魔導士に欠片も情けをかけることなく弾を撃ちこんでいく。
「アヤネさん、あまり苦しませず速攻で沈めましょう」
「――ん」
冬青の言葉や様子に、少し暖かい気持ちになってはいるのだが――猫は猫、オブリビオンだ。それはそれ、これはこれだネ。
別方向では凍結されていく猫たちの悲鳴。
それを聞きながら、アヤネのゴーグルは、別陣のにゃんこ魔導士の体温を捉える。
「ソヨゴ、八時方向」
「はいっ」
即応する冬青が花髑髏を振れば、衝撃波が放たれ、何も無いと思われる場所から次々と悲鳴が上がった。
『にゃぎゃ!?』
『み、みつかったにゃ!』
『やばばばばにゃ!』
衝撃波にぶわあっと吹き飛ばされたにゃんこ魔導士たち――着地される前に、と、アヤネが一体一体を撃つ。
『ふみゃぁぁぁぁん……!』
(「猫の悲鳴が心に刺さる~」)
ドッ! と、刃から伝う手応え。思いながらも冬青が斬り払えば、毛だまは転がり赤に染まりゆく。
「ふぅ。アヤネさんは――っと、容赦ないな……」
振り向けば、冬青から見えない敵――位置変えに駆けつつ、アヤネが柱陰に潜むにゃんこ魔導士を撃った。
柱を回り、次の標的へ。銃口を向ける様は迷いなど無く。
敵の相殺魔法に対し、ユーベルコードを使わずに攻撃を重ねていくという二人の作戦は、とても理に適った戦法であった。撃破数は多い。
振り掛かろうとする混乱魔法は、風に払われ、それを追い風に敵たちを倒していく。
制圧まで、あと僅か。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『水の大蛇』
|
POW : 水の身体
【液体の身体により】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD : 口からの水弾
レベル×5本の【水】属性の【弾丸】を放つ。
WIZ : 身体の復元
【周囲の水を体内に取り込み】【自身の身体を再生】【肥大化を行うこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
イラスト:緒方ミカン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
転がる毛だまは赤く。
その鮮血を吸い込む砂地から、赤を薄めるダンジョンの床――薄く水が張られたエリアへ。
にゃんこ魔導士たちが出現する方向へ進み倒していくと、やがて、猫の鳴き声ひとつも立たない静寂に包まれた。
地下を流れる水の音。
清涼たる奏でに――瑠碧は先程まで対峙していた猫たちに、祈る。
歩めば、ぱしゃりと跳ねる水。
足首まで浸かる高さだ。
「大本命はすぐそこか」
アルノルトが呟いた。
耳をすませば――聞こえる。
猟兵たちの音とは別に、流れる水とは別に、大気そのものを震わす水の音。
遠く、抜ける数多の柱とは違う建造物――オベリスク。
禍々しき気を放つ柱を視認した時、水流が巻き起こった。
ザザアッと足元の水が引き寄せられていく。
周囲の水を取り込みながら、うねる水は大蛇の姿へ。
ふ。――と空気が震えた。
『――オオオオオオオ……』
大蛇から放たれた声は水の奔流そのものだ。
クラウドオベリスクを守るガーディアン。
行く手を阻むように、水は、大蛇を中心に流れ始めた。
水を自在に操る大蛇を倒さなければ、破壊の一撃が届くことは、無い。
城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と】
水の龍ですか
てかこれって斬れるんですかね…?
えーい!考えても仕方ない!!(刀を構え)…脳筋とか思って無いですよね?違いますからね
…ってアヤネさんも脳筋だった(小声)
【ダッシュ】を駆使して龍の周りを旋回、死角から斬りつけて攻撃していきます
んー、感覚があるような無いような…
てか傷って視認できるんだろうか…
アヤネさんはわかります?
龍が肥大化して攻撃力を上げたようならば一旦距離を取って【衝撃波】や【死神の矢】での攻撃に切り替えて戦います
龍の負傷が視認できるようならチャンス!【傷をえぐる】でそこを集中攻撃していきます
アヤネさんと合わせてガンガン攻撃しちゃいますよ!
アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴf00669と】
見えた
あれがクラウドオベリスクか
そして番人がお出ましだネ
僕らはこういう相手は苦手かも
慎重に相手をするよ
斬れるんじゃない? 何事もとりあえずやってみてから修正でいいネ
二人とも脳筋かもしれない
Phantom Painを構え
立ち位置はソヨゴのすぐ後
声が届く範囲で
電脳ゴーグルで敵のダメージを計測してみる
敵の状況変化も逐一報告しよう
まずは僕の武器が通用するか確認する
無理そうなら大鎌に持ち替える
UCで敵を拘束して動きを鈍らせる
弱点はおそらく頭部と予測し試してみる
弱点が見えたらソヨゴに伝えて集中攻撃しよう
ソヨゴ!
『ジャアアアッ!』
猟兵たちの存在を察知したガーディアンは、牽制とばかりに、堰を切ったかのような水を繰り出す。
迫るそれは水壁だ。
固まっていることは危険で、猟兵たちはそれぞれ別方向へと駆けだした。
「アヤネさん!」
「うん」
冬青の声に応じ、アヤネが駆ける。
電脳ゴーグルで電脳世界を展開すれば、今、この場に在る水の質量と体積の数字が弾き出されていく。不自然に流れる水を捉え、現状、敵体もしくは操るであろう量を算出した。
「水の龍ですか――てか、これって斬れるんですかね……?」
駆ける冬青は柱へと回りこみ、一時的な盾として迫る水壁を撒くと方向転換する。
「斬れるんじゃない?」
丁度、「えーい! 考えても仕方ない!」と判断し刀を構えた冬青の背を押す形となったアヤネの言葉。
その声色にチラッと目を向ける。
「……って、脳筋とか思って無いですよね? 違いますからね」
Phantom Painを備えながら聞こえた冬青の言葉に、ほんの僅かにアヤネは瞳だけを斜め上へと向けた。
「二人とも脳筋かもしれない。……何事も、とりあえずやってみてから修正していこう」
「――はいっ」
(「……アヤネさんも脳筋だった」)
もごもごと口の中で呟きつつ、冬青は改めて大蛇の死角をめざす。
疾風が如く駆ける冬青よりも三拍遅れて地の水が跳ねあがる。半ば跳躍し接敵した冬青が大蛇の体を払って走り抜けた。
花髑髏を翻し、半身を戻せば視界に映るは刹那の痕。
「んー、感覚があるような無いような……」
斬撃の痕は直ぐに塞がれていた――傷の視認は出来そうにない。
瞬間、敵から数多の水飛沫。アヤネの銃弾だ。
「アヤネさんはわかります?」
「電脳側では傷は残っているけれど――ああ、こちらも塞がったネ」
ゴーグルの半分を現実世界へと切り替えていたアヤネが見比べ、電脳世界の敵状態を説明する。
「でもちゃんとダメージは入っている」
猟兵たちの攻撃に数値が減少していく。
それならば、と。
「UDC形式名称・ウロボロス術式起動。かの者の自由を奪え」
二重螺旋のウロボロスがアヤネの影から放たれ、大蛇の体を捉えた。計三体の蛇が絡み合い、その芯となった水の大蛇が旋回する。
『ジャアアアッ……!』
ごおっと水飛沫があちこちで上がり、大蛇はそれらを取り込んでいく。
肥大化し、影を払うつもりのようだ。数値が変動する。
二つ、三つと上がった水飛沫は、仲間の力でやがて先回りするように凍結し、氷塊が転がった。
暴れ回る敵の動きに、距離をとった冬青が花髑髏を振るい衝撃波を放つ。
地の水が扇状に払われ、そのまま敵胴を弾くと同時、
「切り裂け、疾風!!」
カマイタチが水の大蛇を斬り払えば、出来上がる胴と胴の空間。
恐らくは好機。
再び水が練られる前に、いわば真っ二つとなった大蛇に猟兵たちの攻撃が仕掛けられていく。
その切り離された上部――頭。
「ソヨゴ!」
「アヤネさん!」
二人同時の声掛け、放った一撃は阿吽の呼吸であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルノルト・ブルーメ
なるほど、アレを倒さないとオベリスクは破壊できない、と……
では、最後の守護者には還って貰わないとね?
血統覚醒使用
摩擦抵抗を減らされるとViperでの攻撃は当てにくいか……
でも、これならどうだろうね?
Viperを囮に放ち、距離を詰めてVictoriaとLienhardで先制攻撃
そのまま2回攻撃を行い、串刺し
敵の攻撃は第六感を元に見切りで回避
回避不能時はオーラ防御で対応
出来るだけ死角に回り込む事を意識して行動
回り込めない場合は
他の仲間が攻撃を仕掛けやすいよう敵の意識を引き付ける
大蛇を骸の海へ還したらオベリスクを破壊
皆が居ればどうにかなるだろうしね?
さて、少しは状況に変化が見られると良いのだけれど
泉宮・瑠碧
ガーディアンである以上
倒さねばならないか
…すまない
水と親和があるのは、何も大蛇だけでは無い
水の精霊達…皆を守って
足場の水も、なるべく避けていて
僕は主に杖を手に精霊祈眼
属性攻撃と精神攻撃に破魔を乗せて
攻守で第六感
氷の精霊を中心に
相手は身体や周囲が液体だから強化出来たり動きが良いなら
固体にするまでだ
適宜、冷気や氷の矢を放って凍らせていく
水弾は
水の精霊に願い
飛んでくる水弾の水を散らしたり
水を吹き上げて下からの勢いに飲み込む
復元の気配には
全力魔法で大蛇の身体ごと、その周囲の水も纏めて
一気に凍らせる様に
被弾へは主に見切り
或いはオーラ防御
大蛇に祈った後
クラウドオベリスクは破壊しよう
部位破壊に破魔、弓で射撃
木元・杏
シリン(f04146)と
他の皆とも連携して
地下……暗いのは恐いけど
それに増す強敵と闘う高揚感
水の透に輝きうねる姿に
恐怖と、少しだけわくわく
ん、勇気出す
シリンに目を配せ、こくんと頷き
【絶望の福音】発動
水の飛沫、大蛇のうねりや動きを注視
動作の癖も把握すれば第六感も予知も精度が上がる
来る
水の弾丸はシリンが凍らせてくれるから避けない
その代わりうさみみメイドさんを動かして
氷に変わる瞬間、弾丸の端を掴み
砲丸投げの要領でぐるんと一回転
勢いつけ大蛇に向け弾丸をぶん投げてのカウンター攻撃
メイドさんが受け損ねた弾は小刀にした灯る陽光でオーラ防御
大蛇撃破後はクラウドオベリスクの破壊
壊す前に形状とかよく観察(こく
シリン・カービン
杏(f16565)と同行。
「……」
杏の背中に不安の精霊を見ますが、
その奥で凛と顔を上げる勇気の精霊。
子供などと侮れたものではありません。
頼もしく成長する姿に目を細め、頷きを返します。
さあ、狩りの時間。
強い魔力は精霊を歪めるため、
水の精霊を注視すれば自ずと敵は見えてきます。
まあ巨体と敏捷だけで十分脅威ではありますが。
【スピリット・バインド】を発動。
飛んでくる水弾を氷の精霊が宿る投網弾でキャッチ。
凍らせて落とした氷塊をうさみみメイドさんがぶん投げます。
当たった部位から凍りつかせ、動きが鈍ったら
氷の精霊弾を撃ち込みます。
「これが、楔…」
破壊前にクラウドオベリスクに働く精霊力の調査を。
アドリブ・連携可
(「地下……暗いのは恐いけど――」)
それは柱に備わった光源と光源の間へ差し掛かった時。
ひたすら続く水の気配に杏は怖気づきそうになる。
駆ける猟兵が立てる音と波紋。地に落ちた光が鈍くゆらゆらと拡散されていく。
されど、杏の歩は止まらない――その背を見るは、シリン。
少女の背中に不安の精霊を見て、それでも、その奥で凛と顔を上げる勇気の精霊。
(「子供などと、侮れたものではありません」)
ふ、と緑の瞳を柔くさせたシリンは、視線を先へと移した。
先には水の奔流が大蛇を象り、ぐるりと旋回している。その向こうにはクラウドオベリスク、そしてガーディアン。
柱の光を取り込み、まるで鱗がそこにあるかのように、光った。
(「ん、勇気出す」)
微かに弾みをつけた杏の一歩。恐怖を感じつつも、少しだけわくわくとしているようだ。
振り返った杏は、シリンへと頷き、シリンもまた少女に頷きを返した。
「さあ、狩りの時間」
そう呟いたシリンの声に応じるように、杏は絶望の福音を発動させた。
「なるほど、アレを倒さないとオベリスクは破壊できない、と。
……では、最後の守護者には還って貰わないとね?」
アルノルトが言えば、その瞳は赤へと染まる。
『ジャアアアッ!』
猟兵たちを見つけたガーディアンが威嚇し、大量の水を繰り出した。
迫るそれはまるで水壁のよう。
一塊となっているのは危険だ。ここまでの二戦、共に戦ってきた猟兵たちが散開する。
後方、瑠碧が立ち止まった。
(「ガーディアンである以上、倒さねばならないか」)
「……すまない」
水の精霊が変身した精霊杖を持ちそう言った瑠碧は、嵩を増す水壁を見据えながら心の中で精霊たちへ願う。
(「水の精霊達……皆を守って」)
水と親和あるのは、何も大蛇だけではないのだ。
ざん! と水がほどけ、落ちた。薄くなった水壁を切り開き、猟兵たちが接敵するなか、瑠碧が杖をゆるりと振れば絡みつくような水が払われていく。
駆けやすくなった地面に応じ、やや前傾したアルノルトがViperをその手から飛ばした。
シリンの視界にはまた別の光景が、在る。
瑠碧に呼応した水の精霊が、彼女の祈りに力を与えられたかのように滑らかに動き始めたのだ。
(「先程までは、委縮した様子でしたが――」)
とはいえ、精霊術士たちの瞳に映る精霊たちは、まだぎこちない。
猟兵の力に応じることが出来ないものたち。
強い魔力に取り込まれ歪む精霊の姿――例え、周囲が一面の水景色であろうとも、その蛇頭から尾まで、シリンは的確に見分けることができた。
●
「摩擦抵抗を減らされるとViperでの攻撃は当てにくいか……でも、これならどうだろうね?」
カッと柱へ打ち付け、更に音を連打させる。大蛇が頭を向けた。
アルノルトが『毒蛇』の異名を持つワイヤーを繰り波打たせれば、先端のフックが跳ねあがり鎌首をもたげる。
「来る」
十秒先の未来を見てきたかのように杏が告げた。少女が糸で繰るうさみみメイドさん。子供が抱っこするにふさわしい大きさの人形が動く。
『シャアアアッ』
水の大蛇がフックを追い旋回するとともに、水を吸い込み、そして高く伸びた先から水弾を吐き出した。
されど、射距離は長く、精密さが削がれやや乱れた状態だ。
だが、多い。数百の水弾が撃ち出され猟兵たちを襲う。
豪速ともいえるその弾を――水が阻んだ。
瑠碧の願いに応えた精霊たちが激しく水を噴出させ、威力を削いでいく。
そのなかで猟兵たちに迫る確実な水弾。青の瞳でじっと、瑠碧が見つめれば、彼女へと迫る水弾はたわみまるで水風船のように空中で弾けた。
「氷の精霊よ」
スピリッド・バインドを発動させたシリンは、精霊猟銃を撃ち放つ。
精霊たちが削げなかった、大きな水弾めがけて放たれた投網弾は、氷の精霊が宿るもの。
網が触れるとともに中で一気に氷塊と化し地に落ちる。
うさみみメイドさんが、はしっと投網の端を握った。
ぐっと腰を据えて(?)、ぐるんと一回転。遠心に乗った氷塊をオブリビオンへと投げつける。
『!?』
重量級がぶつかったため、大蛇から大きな水飛沫。
その間にもシリンの射撃で氷塊が地面にごろごろと出来上がっていくので、うさみみメイドさんは大忙しだ。
いわゆる砲丸投げの要領で飛ばす。潜り抜けた水弾は、杏が小刀と変じさせた灯る陽光で防御する。
氷攻撃を時に取りこみ、時に避け動く大蛇へ、再度『毒蛇』が駆る。
『ジャアアッ!』
鬱陶しいとばかりに目を向ける大蛇。飛んできた氷塊を削り方向転換したViperが鷹の如き急降下を見せた。
その対角。
死角から距離を詰めたアルノルトがVictoriaとLienhardを振るう。
斬り払う動作から下段からの突き上げ。水の体へLienhardを食いこませつつ、Victoriaを回し逆手へと持ち替えたアルノルトが刺し貫いた。
手応えは融けかかっている氷だ。剣を引き抜けば、ジャッと削る音。
再び黒剣で斬り払えば、今度は滑らかな刃の通り。
この最中にも敵の体へ変異しつつあるように感じた。
摩擦抵抗を減らそうと水を増す敵体。
そして、猟兵たちの氷結の力。――氷る冬がやってきたかのようだ。
「勝つのはどちらだろうね」
アルノルトが手首を返し、敵体の復元の気配に瑠碧が全力魔法を放つ。
跳ねたViperが敵胴を泳ぎ貫通する――瞬間、敵頭部が氷の矢で射貫かれた。
水から氷。精霊たちを纏うように。
瑠碧が精霊杖を横へと振れば、その軌道をなぞり氷矢が放たれていく。
「再生のちから、加速するかも」
杏がそう言った時、ごうっ! と水が激しく流れ、新たに地下から引きずり出される水精霊の悲鳴。
その動きを止めるべく、猟兵たちの攻撃が重ねられていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
チガヤ・シフレット
水の大蛇か!
そうだよな、そこなくちゃあなぁ?
厄介で面倒くさくてヤバ気なやつが出てきてこそだ。
さぁ、最後の戦いにしよう。出し惜しみなしで行くぞっ。
手足の兵装をフル稼働。脚部のブースターで機動力上げて、敵に捕まらないように、攻撃を受けないように動き回りつつ、まずは銃火器で牽制していこう。
【二回攻撃】や【一斉発射】でガンガン押していくぞ。
周囲の猟兵たちへの【援護射撃】も忘れず、うまいこと立ち回ろう。
そして、敵の隙をついて、一気に仕掛けよう。
爆砕華!
たとえ水の大蛇だろうと、全力で吹っ飛ばしてやれば耐えきれまい!
派手に大爆発と行こうじゃないか!!
榛・琴莉
※真の姿:背の翼が巨大化、腕のように扱う事も可能な構造になる。飛行能力は保持
ここまで来たら出し惜しみは無しで。
水に浸からぬよう【空中戦】を。
全ての攻撃に氷の魔力を乗せ【属性攻撃】。
一応は生き物の姿をしてますし、頭を狙い銃撃します。
動きが鈍るとは思えませんが、今は氷を取り込んでいってくれれば良いでしょう。
羽撃きに乗せた冷たい【衝撃波】と合わせ、周囲の水と一緒にガンガン冷やします。
「Ernest、水温を測定」
氷点下…は贅沢ですね。10度くらいまでなら行けるでしょうか?
蛇本体が充分に冷えたら、【全力魔法】のUCで【範囲攻撃】。
氷の津波で、周囲諸共一気に凍らせてやります。
クララ・リンドヴァル
あれが、クラウドオベリスク……。
長きに渡り群竜大陸を隠して来た、帝竜の遺物。
……つまり、群竜大陸へ続く鍵でもあります。
そして――私達は既に、あれを破壊出来るだけの力を持っている、筈です。(ぐっ
「――“不変”のリンドヴァル、参ります」
使用するのは【属性攻撃】魔法霜の矢。
【高速詠唱】と【2回攻撃】を併用して、
敵の体表を凍らせていきます。
持久戦の構えです。私が長く戦場に居て、この技を放ち続けるだけで、
相手は氷を体に取り込み、
水の長所の一つである柔軟性を無くしていく事でしょう。
口からの水弾に合わせて【スナイパー】で撃ち落としたり、
【オーラ防御】を行ったりして、【時間稼ぎ】を行います。
篝・倫太郎
マリス(f03202)と
……ハデだな?
マリスの真の姿にコメント一つ
外見変わったって、マリスはマリスだもんなー
オベリスクをぶっ壊すにしても
最後の守護者ぶちのめさねぇとなんねぇし?
やるこたぁ変わんねぇしな
んじゃ、いっちょ、片しますか
拘束術使用
摩擦減らしたって関係ねぇよ
俺自身は華焔刀で先制攻撃でなぎ払い
刃先返して2回攻撃
敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避し切れねぇ場合は咄嗟の一撃で攻撃相殺を狙う
寿命縮めるばっかじゃねぇって見直したか?
最後の守護者倒したらオベリスクの破壊
皆で一か所に攻撃集めりゃ、ぶっ壊せねぇ?
一応、なんか変な気配させてっから警戒しとくぜ
拘束術の攻撃と華焔刀での攻撃を同じ場所へ叩きこむ!
マリス・ステラ
倫太郎(f07291)と参加
【WIZ】真の姿で戦う
「主よ、憐みたまえ」
『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯る
全身から放たれる光の『存在感』で大蛇を『おびき寄せ』る
光は『オーラ防御』の星の輝きと星が煌めく『カウンター』
弓で『援護射撃』放つ矢は流星の如く
倫太郎への攻撃は『かばう』
「道がないなら作りましょう」
刹那、世界が花霞に染まる
頭に白桜の花冠
纏うは聖者の衣
背から聚楽第の白い翼がぎこちなく広がる
「灰は灰に、塵は塵に」
【神に愛されし者】を使用
飛翔して高速から星の『属性攻撃』は彗星の如き体当たり
『破魔』の力が全ての防護を打ち砕き、質量兵器と化した私は大蛇を吹き飛す
「倫太郎、オベリスクを!」
任務完了です
「あれが、クラウドオベリスク……。
長きに渡り群竜大陸を隠して来た、帝竜ヴァルギリオスの遺物でしょうか――」
世界各地に存在するとされた、邪悪な柱を目にしたクララの呟き。
「……つまり、群竜大陸へ続く鍵でもあります」
伝承を追う霧中の状況から、道を見出した。
千の竜が住まうという忌まわしき群竜大陸と共に蘇ったと噂される帝竜ヴァルギリオスへ、至るであろう道。
禍々しき気を放つ柱を猟兵たちが視認した時、水が意を持ったように動き出す。
「そして――私達は既に、あれを破壊出来るだけの力を持っている、筈です」
やや緊張めいたクララの声。
うねる水は大蛇の姿へ――クララの視界からクラウドオベリスクを隠すように、
『ジャアアアッ!』
猟兵たちの存在を察知したガーディアンは、牽制とばかりに、堰を切ったかのような水を繰り出す。
迫るそれは水壁だ。
固まっていることは危険で、猟兵たちはそれぞれ別方向へと駆けだした。
「水の大蛇か!」
チガヤが弾むように声を上げた。
「そうだよな、そこなくちゃあなぁ?
厄介で面倒くさくてヤバ気なやつが出てきてこそだ」
そう言うチガヤは駆動音とともに、駆けた。
ざん! と仲間の力によって水壁が薄くなる――そこに散弾を放てば一斉に水が弾け、瓦解したところをブースターで加速し駆け抜ける。
「さぁ、最後の戦いにしよう」
ガガガガガガガッ!!
耳を劈く銃弾の雨。水飛沫を上げながらチガヤは旋回する。
「オベリスクをぶっ壊すにしても、最後の守護者ぶちのめさねぇとなんねぇし?」
華焔刀を回し、撃ち崩された水壁を抜けた倫太郎が駆けながら下段の構え。
「やるこたぁ変わんねぇしな。――んじゃ、いっちょ、片しますか」
拘束術を発動させ、災いを縛る見えない鎖を敵へと放ち――倫太郎はハッとした。
「……でっかくね?」
視認できる水の大蛇と倫太郎から二十数メートル。
全方位に感じ取れた気配。倫太郎は目前の敵へと鎖を集中させた。
地を這うように、周囲の水ごと華焔刀斬り上げれば、確かな手応え。
「主よ、憐みたまえ」
祈りを捧げるとマリスの星辰の片目に光が灯り、彼女の全身から光が放たれた。マリスを護る星の輝き。
それらは白銀であり、時に青白く、時に赤く、様々な星の光を魅せる。
大弓の星屑から流星の如き矢が、地下の闇中を駆けた。
「ここまで来たら出し惜しみは無しです」
そう言った琴莉が足が僅かに浮く。――瞬間、彼女の体が旋回するとともに背の翼が巨大化し、続き空へと力強く羽ばたく。
空中で魔力を装填したMikhailを構えた琴莉が、絶え間なく動く大蛇の頭を狙い撃った。
攻撃すらも飲みこまんとする敵の水体に、氷属性が付加された弾丸が撃ちこまれていく。
仲間の攻撃に誘われるように、伸びてくる大蛇――比例し、彼女もまた更に上昇。真っ直ぐ地面に向かって貫く弾を撃ち放った。
「動きが鈍るとは思えませんが、今は氷を取り込んでいってくれれば良いでしょう」
空。
そして、地。
「――“不変”のリンドヴァル、参ります」
水の覆われた戦場がクララの魔力に反応し、霜の矢を形成していく。
ヒュオ、と凍れる風が放たれる矢とともに戦う猟兵たちの間を抜けていった。
●
計三百五十。
高速詠唱によりクララから二回放たれた霜の矢が、琴莉の氷れる弾丸が敵内部へと浸透し、氷の大蛇を作り上げていく。
されど敵もまた負けじと新たな水を呼び起こした。
駆けるチガヤが纏わりつく水を蹴り飛ばすように踵を返せば、跳ねあがった機動力が彼女の上半身に遠心をかける。
猟兵たちの情報により明らかになった、戦場全体へと広がっている敵の力。
足元への一発を起点に、蛇の胴めがけて対の銃が連なる水飛沫を上げていった――力場となる水源を断つように。
貫通する弾が大蛇内部に生成されゆく氷を砕き対岸へと排出されていく。
上空に在る琴莉の羽撃きが、刃の如き鋭く身を切る衝撃波を放った。広範に渡るそれは、水温を落としていく。
「Ernest、現在の水温を測定」
彼女の声が鳥笛を通じ、戦闘補助AIへと働きかける。
「氷点下……は、贅沢ですかね」
ざ、ざざざざ、と地下の水を引きずり出す大蛇――だが、猟兵たちの攻撃がそれを阻んでいく。
『ジャアアアアッ』
蛇そのものの威嚇音を上げながら、敵が水弾を放つも、新たに矢を形成させたクララが撃ち落としていく。
流し続ける魔力。
備わるは精密射撃をするための魔法陣。中心を貫いた矢は、水弾を水風船のように弾けさせた。
さあ、と猟兵たちに降りかかるそれはまるで霧雨。
(「持久戦の構えです」)
クララが長く、霜の矢を放ち続ければそのぶん敵は体へ取り込んでいくこととなる。
留まる氷と広がりゆく霜は、マリスの星の輝きに時折反射して大蛇の鱗にも見えた。
光の守りを受けながら、倫太郎もまた華焔刀を繰り飛んできた水弾を砕く。
『オオオオオオ……!!』
新たな水を纏い、肥大化する大蛇。
「道がないなら作りましょう」
マリスが告げた。
刹那、世界が花霞に染まった。
彼女の頭には白桜の花冠。
背から聚楽第の白い翼がぎこちなく広がり、羽ばたきは清廉な音色を場に落とす。
纏うは聖者の衣、明るく輝く星の青。
「あなたが感じなくとも、神はあなたを見ています」
マリスの身は空中に。星の音が、天の闇に広がっていった。
「……ハデだな?」
倫太郎の声を星が届けてきて、マリスはちらりと目をやった。
「灰は灰に、塵は塵に」
煌きは彗星の如く。
加速したマリスは破魔の力を伴い、大蛇へと体当たる。
その攻撃は、氷化の進んでいた大蛇を砕き真っ二つに。頭部と胴部が再度切り離される。
琴莉が氷の津波を発生させ、胴と頭を引き離した。
下部。
のたうつ胴を攻撃するは倫太郎だ。
「縛めをくれてやる」
災いを縛る見えない鎖を集中させ、くねる氷の体表が拘束される。
華焔刀のなぎ払い、刃先を返した一刀から、倫太郎が腰を据えての一歩。
敵胴を貫けば、一気に亀裂が広がり――砕けていく。
「寿命縮めるばっかじゃねぇって見直したか?」
長柄を振り、砕ける氷を払い飛び退いた倫太郎は降り立ったマリスへと言うのだった。
上部。
切り離され、氷の津波にさらわれる大蛇をチガヤが追う。
『――……ッ!』
新たな水が蛇胴として形成されようとしていた。
「派手に大爆発と行こうじゃないか!! ――爆砕華!」
大爆発の華を咲かせるアイテムを放てば――閃光。
轟音と暴風、そしてかなりの熱量が場に巻き起こった。
「たとえ水の大蛇だろうと、全力で吹っ飛ばしてやれば耐えきれまい!」
耳を劈く派手な音と、氷が砕け蒸発される音。その蒸気に紛れ、
『ジャアアアアアアッ!!!』
敵は断末魔の声を上げたのだった。
●
クラウドオベリスク。
破壊前に、一度調査を行うことにした猟兵たち。
「変な気配させてっから、一応、警戒しとくぜ」
と、倫太郎が調査に動く猟兵たちへと言った。彼らが作る死角を守るように、見回す。
オベリスクの形状。
見上げれば漆黒の尖塔が禍々しき気を放っていた。
「これが、楔……」
シリンが呟く。
杏が光をかざせば、黒曜の質感。少女の顔が映りこむ。
分かったのは、ダンジョン自体がクラウドオベリスクを守るように建造されたということ。
『これ』を中心に、柱が広がる砂漠下の建造物。
大蛇へと祈りを捧げ終えた瑠碧が合流する。
精霊術士たちが精霊の気配を探るのだが、感じ取ることは出来なかった。はたまた、取り込まれてしまっているのか……。
あらかたの調査を終え、猟兵たちが武器を構える。
「それでは、破壊しましょう」
マリスの声。
中心部めがけた猟兵たちの攻撃が集中し、黒曜の尖塔が亀裂と共に音を走らせた。
折れたのが先か、砕けたのが先か。
ガラガラと瓦解するクラウドオベリスク。破壊の音ののち訪れるは静寂――ではなかった。
ゴッ! と一際大きく揺れる。ダンジョンも崩れ落ちようとしている。
その時、猟兵たちを導く離脱の力。
「さて、少しは状況に変化が見られると良いのだけれど」
アルノルトの言葉を耳に、任務を完了した猟兵たちはダンジョンを脱出していくのだった。
成功
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