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トラップ・メイズ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●罠と迷宮と
 究極とも称される地下迷宮は広大で、かつその姿を変えることから未踏の区域、未開の領域が突然上階層へと浮上してくることもある。
 今回見つけられた領域も、そんな形で見つけられた未踏区域であった。
 学生達が沸き立つ。未知の領域の踏破、知られざる財宝の発見は彼らにとってもやはり心躍るものであるがゆえに。
 だが同時に、それは誰も見たことのない災魔の巣窟へ足を運ぶという可能性も秘めてもいる。
 それを知っているからこそ、迷宮へとアタックを仕掛けた彼らは確かに慎重であった。未踏領域であるがゆえに地図もなく、罠は健在、災魔も不明と言う状況から大胆に迷宮に挑むのは馬鹿か、あるいは己の命が惜しくないものがやることだろう。
 少なくとも彼らは自身の命を粗末に扱うつもりは全くなく、災魔を相手取る際も無理だと悟ればすぐに引き上げれるようにと準備も万端に整えていたのだ。

 だから思う。どうしてこうなった、と。

 未踏区域に踏み入り最初の角を曲がった瞬間戻り道を閉ざすよう壁が降り、振り返れば大鉄球。大慌てで逃げる最中に口を開けて待つ落とし穴、初めから開かれてる罠に誰がかかるのかと回避すた先に落とし穴。
 初めから口を開けていた場所に存在する透明の板を駆け抜ければかちりとなって火矢が飛ぶ。とっさに水を被って事なきを得たと思えばおおっと電撃床。
 効果は抜群だじゃねぇよ。あと大鉄球未だ追っかけてくるんだけど。

 いい感じの傾斜のおかけで転がる鉄球はその勢いを止めることなく、脇道を見つければそこから災魔が顔を……顔ねぇや……鎧を出して、駆け抜ければ大鉄球が鎧をつぶす。災魔さん一瞬でぺちゃんこになったんですけど。
 ようやく見つけた安全そうなわき道に飛び込んだ矢先、スロープコースターのお迎えである。滑りやすいように油が敷かれていれば見事に足を滑らせ、いやな予感の通りに後ろで点火炎が追っかけてくる。なんだこのトラップの山。
 もはや油を救いと必死に滑り落ちた先、たどり着いたのは妙に大きなフロア。ようやく一息つけると安どの息を吐いたところで、学生達は己達を覆う陰に気付いて――。

●その罠に挑む者達へ
「紳士淑女の諸姉諸兄、どうか我が声に耳を傾けては頂けないだろうか」
 グリモアベースに響くテノールの声に、手持無沙汰となっていた猟兵達が声を発したもののもとへと向かう。
 いつもの口上でもって猟兵へと呼びかけたルクス・ミレニアム(空言騙り・f09317)は、ある程度の人数が集まるのを待ってから再度口を開いた。
「我が言葉を聞き届けてくれたことに感謝を。しかし、私は貴君等に悲劇を伝えねばならぬ。これもグリモアの導き故に」
 芝居がかったような口調も、口元に履く微笑にも見慣れ始めた猟兵もいるだろうか。それが彼のスタイルであると知っていれば、そこに何の感慨も抱かず猟兵達は先を促す。
「世界はアルダワ魔法学園。かの世界におけるオブリビオン、すなわち災魔が迷宮の罠にかかって潰された」
 ……それ悲劇?
「……すまない、告げる順序を誤った。地下迷宮にて発見された新たな未踏区域へと踏み入った学生が、多量の危険度の高い罠に追われたが故に不用意にボスエリアに踏み入ってしまう事となった。そこに巣食うは災魔なれば、その果てはもはや言の葉に乗せるべくもない」
 ただでさえ、災魔の凶暴化が危惧されている状況である。そんな中で、ろくな準備も出来ないままにボスクラスの災魔と遭遇したならば、生き残ることがどれほど困難かなど火を見るよりも明らかというものだろう。
「幸い、予知であれば未だ来たらぬ時の事であれば、先んずることは容易い。貴君等には学生達より先に迷宮を踏破し、ボスエリアに巣食うオブリビオンを撃破を願う」
 それこそが猟兵の為すべきことであれば、是非もない。猟兵達はルクスをしかと見据え、一つ頷いた。

 で。告げる順序を誤ったって話だけどさっきのは? そんなことを猟兵の一人が問いかけ、ルクスは片手で顔を覆う。
「……あれも予知だけに、偽りでも何でもないとは思うのだが。なんだ、迷宮に仕掛けられている罠がこう、殺意マシマシでな。さすがにボスクラスには通じないと思うんだが、なんか雑魚災魔くらいなら普通に巻き込んでいた。そしてそれでも数が減った様子はなかった」
 言ってる本人も処理しきれていないらしく、いつもの芝居がかった調子が崩れている。マジか、マジだ、なんで軽くやり取りしてしまう程である。
「とりあえず、アルダワ魔法学園にテレポート後、件の殺意チョモランマ雑魚マシマシボスアリの区画までは私が案内するが、踏み込んで後は貴君等に完全に任せることとなる。ある意味でいつも通りと言えばそうではあるのだが……何度でも言うが、迷宮の罠はかなり殺意が高い。気を付けて欲しい」
 とはいえ、予知で見た限りでは気を付ける程度でどうにかなるものでもないだろうと察するルクスである。まぁおそらくはどう足掻いても相応の目にあうことになるだろう。猟兵であれば、そう不味い事にまではならないだろうが。
「罠迷宮を進んでいれば、先も告げた雑魚災魔と遭遇することになる。……ただそこも迷宮に変わりはない、やはり罠は満載されていることだろう」
 災魔という明確な敵がいれば、逆に罠を利用して相手を嵌めることができるかもしれない。そこはもう猟兵達の発想と機転の勝負となる。
「ボスエリアに辿り着けば、そこにはボス災魔が……おそらくは巨大な何者かが存在する」
 予知の中でその姿までは見れなかったが、しかしそれが学生たちを覆うような影を落としたことは確かであれば少なくとも人間サイズ、ということはないだろう。
 また、ボスエリアともなれば罠はさすがに数を減らしているだろうが、それでも全く無いとも限らない。もしかすれば良くも悪くも影響を及ぼすものがあるかもしれない。
「簡単な事ではないだろう。だが、それでも私は貴君等に掛かれば容易い仕事であろうと信じている」
 言葉と共にルクスが掌の上に呼びだしたグリモアが輝きを灯した。迫る刻限を認識し、彼は最後に口を開く。
「それでは、かの地へと向かう準備を。どうか、この予知を空言へと落とし、笑ってくれ」


天瀬
 ディープゾーン+アンチスペル、ダークゾーン+回転床、テレポートで壁の中にいる! ※ ああっと ※、刻命館。
 以上の言葉に何か言い知れないわくわくとしたものを感じることはないでしょうか。天瀬です。三つ目のオープニングとなります。
 今回は殺意マシマシなトラップ迷宮を駆け抜け、雑魚災魔を倒してボス災魔に挑むという展開となりますが、下記の点にご注意ください。

●第一章
 かなり描写がギャグに寄った形となります。また、判定は成功でも割と酷い目に合う可能性があります。折角のトラップダンジョンなので回避しても解除しても何らかの罠にかかる描写をさせていただきたいと思います、御容赦ください。

●第二章・第三章
 普通に行動すれば普通に戦闘を描くことになりますが、
 こういうトラップがあるのでは?
 こういうトラップが流用できるのでは?
 戦闘中にこういう罠にかかりそう!
 等頂けましたらできるだけ汲み取らせて頂きたいと思います。さすがにボスを瞬殺できるトラップなどはスルーさせて頂くことになるでしょうけれど。

 それでは皆様、どうかトラップダンジョンを思い切り楽しんでいただければ幸いです。
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第1章 冒険 『あれトラップダンジョン』

POW   :    壁はぶち破るもの、床は掘り抜くもの。筋肉は全てを解決する。

SPD   :    罠回避!罠外し!当らなければどうということはない!

WIZ   :    仕掛けを見破れ、魔力を感じろ。頭脳の力で乗り越えろ。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

河南・聖
【wiz】
ははぁ、罠ですかー。
ありますよねー。
落とし穴をジャンプして飛び越えようとしたら頭上に隠しブロックとか。
飛び越えてる最中に穴の底から真上目掛けて岩が飛んでくるとか。
飛び越えた着地地点辺りの床が出っ張ってて、うっかり踏んづけると矢が飛んできて即死するとか!

でも大丈夫!私にはこの運と、閃きと、直感があります!
……うん、何とかなる気が全くしません!!
まぁあれです。アルダワの迷宮なら魔力で動く罠もあるはずなので
魔力感知をこまめにしつつ、余計な所を触らず、不自然な所は無いかよーく観察しながら慎重に進みましょう。
後は気合いでカバーです。



●運がよかった場合
 何が功を奏したのか。そう問われたら、きっと誰も答えられない。予知能力のあるグリモア猟兵に回答ができなければ、それは彼女にも回答は難しいというものだろう。
 過去の記憶がない河南・聖(始まりの白き翼・f00831)がどこで得た知識なのかは不明であるが、彼女はこの手のトラップについて相応の知識は持っていた。
 例えば、落とし穴を飛び越えようとしたら頭上の隠しブロックとか。落とし穴の前に置かず、端ぎりぎりにも置かず、普通に飛び越えようとした場合の放物線を遮るように置くのがポイントである。
 あるいは、飛び越えてる最中に穴の底から真上目がけて岩が飛んでくるとか。放物線の頂上を辺りを狙うと嫌らしさがでる。あるいは着地前当りだと、方向転換で戻ることもできず高得点。
 飛び越えた着地地点辺りに踏みつけ式の矢の罠が存在し、着地直後の姿勢次第ではなすすべもなく射抜かれるとか。矢に毒でも塗られていれば即死トラップの出来上がりである。
 そういった知識が存在していた。対抗する為に自分が持っている武器は、閃きと、直感と、運である。

 何とかなる気が全くしねぇ。

 かくして彼女が若干の諦観と共に、しかしそれでも諦めることなく慎重に、こまめな魔力感知と観察をもってじりじりと迷宮を歩み始めることとしたのである。
 果たしてトラップは、多かった。ただひたすらに多かった。一歩歩く前からあちこちに引っかかる魔力の感触。さらに床に足を滑らせればかすかに感じる微妙な床の凹凸。目を凝らせば薄く張り巡らされるトラップワイヤー。
「……でも、なーんか妙ですねー……?」
 解除するスキルもない、この全てを回避するのは無理と踏み出した際に飛んできた火球を片手の剣で斬り捨て、追うように飛んできた矢を別の手の刀で斬り捨てる。
 次いで飛んできた小鉄球は斬り返すに十分なだけの間が開いており、どうにもそこまでの殺意を感じる程ではない。
「こんなにぬるいものなんですかね?」
 警戒しながらも順調に歩みを進められている事実に首を傾げる聖。彼女が自認する、トラップ対策のための武器は閃きと、直感と、運である。

 トラップ対策として運は最強の武器であったようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロ・ネコノ
聞いてる限り災魔ごとやる迷宮がやばい感じだけど、案外巻き込まれた災魔がマヌケだったりしてね、まぁ注意していこうか。(災魔が罠でやられてくれるなら楽でいいね、他の迷宮もこうならないかなぁ)

行動 【SPD】【ゴム体質】[地形の利用1]
<軽口を叩いている所を鉄球の罠に潰されます!(注意とはなんだったのか)
【ゴム体質】の為体が柔らかく、幸か不幸か鉄球にへばりついてしまい、そのまま鉄球に伸ばされながら迷宮の奥へ奥へ。>
<ギャグ大好きです!アドリブ・他PCとの絡み歓迎!>


キャナリニア・カルコメラン
聞いただけで製作者の殺意しか感じられないダンジョンでありますなー。

とは言っても、基本にして王道。魔法学園の大人気アイテム10フィート棒の敵ではないのであります!今回は代わりに槍を騎士人形に持たせ先行、床をトントン。さらにユーベルコード「屑鉄の傭兵部隊」周囲に展開、罠探索の偵察に出すであります。見つけたら起動させないよう、合図を出してからゆっくり帰ってくるでありますよ。

もし仮に起動させてしまっても、スクラップ召還で即席の壁、床を急造して回避行動を取るであります。

それすらも無理であれば
勇気と覚悟を胸に抱いて階段まで本気ダッシュするしかないでありますなー。



●クロとキャナリニアの場合
 クロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)は決して迷宮を舐めていたわけではない……はず、である。
 いやまぁ、案外とトラップに巻き込まれた災魔が間抜けなだけだったんじゃないかなぁ、とか思ったりもしたけど。
 だが、それでも別段このトラップ山盛りの迷宮に対し、甘い判断を下していたわけではない、はずである。
「でも、災魔が罠でやられてくれるなら楽でいいね」
「それはそうでありますなー」
 何処か気の抜けたような調子の言葉に、キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)は応じながら。しかし、彼女の方はクロよりは周囲に対し警戒を密にしていたと言えるだろう。
 二人の前を歩くのはキャナリニアが召喚した騎士人形。その手に槍を逆さに持ち、トラップを発動させないよう気を付けながら床をトントンと叩いて歩みを進めている。
 また、罠探索の為の偵察に出ている騎士人形たちもいた。居た、である。
 過去形なのは、そう――。
「正直罠だらけでやる意味がないでありますな」
「ほんと罠ばっかりだよね」
 罠を見つけたら起動させないよう、合図を出してから帰ってこさせることにしたら1歩も歩けなかったのだ。どれだけ罠があるんだという話である。
 ただ、幸いともいうべきか。彼女達が歩んでいる通路のトラップは主に魔力反応型が多いらしく、普通に歩いている限りでは床周りに気をつけておけば大半は回避が容易いものであったようだ。
 まぁ、槍の柄先が糸に引っかかって目の前でドラゴンのブレスもかくやという炎が上がったり、かと思えば床を叩いただけで通路が氷結したり、迂回した先の通路は槍を突き出した瞬間柄がサクッと半減したりもしたのだが、あくまでも犠牲になったのは突き出している槍であったのである。スイッチ式で起動しなかったものは足場を作って上を通って回避していた。
 さすが10フィート棒代理。魔法学園の大人気アイテムにして対トラップの王道的対策。

 だがこの時、彼女達は失念していたことが一つだけあった。
 そう、魔法学園において大人気であり王道であるということは。当然、『それを前提にした』罠だって仕掛けられているのである。

 見つけた四つ角において、とりあえず直進しようと前に出るのは槍の柄を突き出す騎士人形。その後ろをキャナリニアが追い、さらに後ろを気楽な調子でクロが歩む。その槍の柄の先端が何かに引っかかった。
 警戒を促す様に振り返る騎士人形。何がこようがすぐに対策してみせると構えるキャナリニア。その背後で横合いから超高速で転がってきた鉄球に轢かれるクロ。
「にゃぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「なんであります!?」
 振り返ったときにはすでに彼女の姿はなかった。使っていたのは10フィート棒ではなく槍であった、しかも切断されて短くなっていたが故の悲劇というべきか。10フィート棒を突き出しているとその持ち主はちょうど四つ角に居ることになったらしく、そこを大鉄球が襲ったのである。
「く、クロ様? クロ様!?」
 大鉄球に轢かれた道連れの名を呼ぶが返事はない、というか悲鳴は遠ざかっていく。それもそのはず、そのクロは現在ゴム状化したからだが大鉄球に張り付いて高速で通路を進んでいたのである。
「く、不覚であります! かくなる上は――おや?」
 悔恨の表情を浮かべたのち、しかしそれでもと前を向いたキャナリアの耳に届く悲鳴が変わった。遠ざかり小さくなっていたそれが、なぜか徐々に大きく聞こえるような……。
「――ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!?」
「何でありますーー!?」
 クロを張り付けた大鉄球がどう転がったのか自分たちの方へと通路を進んでくる光景に、キャナリアと騎士人形はそろって猛ダッシュを始めることになったのである。

 なお、とっさに召喚したスクラップの壁は見事にクロを直撃しつつも破壊されたようである。大質量の鉄球転がし恐るべし。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バル・マスケレード
ヒハハッ!
トラップだろうが何だろうが関係ねェさ。
迷宮は複雑な地形してっからな。
伸縮自在のイバラ『久遠の《棘》』を用いた【ロープワーク】で
【地形を利用】して縦横無尽に移動すりゃ回避もしやすいってモンよ。
それに俺には、俺の宿主には未来視の力があるのさ。
危機を事前に察知すりゃ回避なんてお茶の子さいさ……。

……え、一つ視えたと思ったらまた……え、さらに?
え、あっちからも?
いや待てトラップ多すぎ……ちょっ。
……酔う酔う酔う酔う!!
未来視連続で発動しすぎて酔う!!
あっやめろ宿主テメエ、俺をかぶった状態でえづきそうになるな!
我慢しろ!
どっかで休憩して俺を外すまで我慢しろアアアァァァまた視えたァァァァ!!!!


アルファ・ユニ
ユニ文化系女子として育ってきてるから避けるのは自信が無さすぎるんだけど…わかってしまえばある程度の対策が立てられる。大丈夫な、はず!!

クラハライツに超音波を録り溜めて出発しよう。ダンジョン内をエコー検査。音の反響の仕方の違いを聞き分けて壁や床に隠れてるトラップを探す。もし必要なら妖精達に先回りさせてその行く末を見守って、安全を確認してから進もう。
やばくなったら戻ってきていいから、USBに引きこもらないで妖精さん。敵とかがいたらそんなに威力はないけどその場にある音を使って後ろから援護射撃してあげるから、お願いね!



●バルとアルファの場合
 バル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)はそこまで危機感を抱いてはいなかった。彼がヒーローマスクであるから、ではない。
 彼が魔力で編み上げる茨をもってすれば三次元起動を行うことも難しくはなく、また、三次元起動を前提とした罠などそう多くはないだろうという見通しがあったからだ。ところでこの茨戦闘不能者の蘇生に使えたりしませんか。あ、他意はありません、はい。
 さておき。茨が使える上に、彼を身に着ける宿主の女性が持つ異能の力は、こういった罠に対してとても有効であるということを知っていたのだ。危機を事前に察知する未来視の能力。当然罠というものは初見殺しが基本であり、事前に分かってしまえばその効果を十全に発揮するのは難しい。
 この二つの組み合わせさえあればたかがトラップが多いだけのダンジョンなどお茶の子さいさい、そう踏んでいたのだ。

 アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)はそこそこ危機感を抱いてはいた。文化系女子として育って来た身という自覚があれば避けることに自信はなく、だから自身が持つ音の録音が可能な……その音によって威力や性質が変わる……銃に超音波を録音しておいたのだ。この銃から超音波を放ち、ダンジョン内をエコー検査すればその反響を聞き分けてトラップを見つけることも楽になるだろう。
 そうして後は必要ならば、自身に従ってくれる妖精達に頼んで先回りしてもらえばいい。それで大分安全は確保できると、そう信じていた。

 そう、二人はそう認識していたのだ。

「ヒハハッ、トラップ如きで俺達を」
 未来視は語る。このまま歩みだせばアロートラップに引っかかると。
「俺達を」
 未来視は語る。回避し壁に茨を打ち込めば天井の岩が落ちてくると。
「俺達を……」
 未来視は語る。天井に茨を打ち込めばしたから火炎が吹き上げてくると。
「俺、達……」
 未来視は語る。先の床に茨を打ち込めばここは超えれるが勢い殺し損ねたら床が食いついてくると。
「……」
 未来視は語る。素早く茨を連打したら魔力反応式トラップにより茨を分解されて落とし穴にご案内と。
「いや待てトラップ多すぎだろ!?」
 未来視は語る――。
「もういいストップ一旦待った!? 発動しすぎで酔う!? 発動するたび飛んだり跳ねたり転がったりで酔う!?」
 未来視は……。
「ちょ、ま、おまどれだけ仕掛けあぁマテ宿主!? 俺を被ったままえづきそうになるな!? やめろ我慢しろ休憩して俺を外すまで我慢を」
 未来視は語る。……ぁ、虹。
「ガマンしろアアアアアァァァァァ!?」

 エコーの反響はひどいことになっていた。なんかもうそれ専用の対策かトラップでも仕掛けられたのではないか、とアルファが本気で疑う程度には酷いことになっていた。なんせ床、壁、天井、さらにはなぜか目の前の見えない空間からすら何らかの反響が帰ってきていたのだ。反響がさらに反響するレベルのトラップ密度である。
「ちょ、ちょっと待って……妖精さんお願い! 危なくなったら戻ってきていいから! USBに引きこもらないでー!?」
 妖精さん渾身のボイコットである。だって妖精さんもこのエコー状況を察知しているのである、そりゃ行きたくない。そう簡単に死ぬことはないとしても行きたくはないのである。
 だがまぁ、頼まれたならば仕方ないとUSBから出てきた妖精達は、エコーの結果に従いちゃんと先回りをして、道順を確保し安全を確認した。トラップに引っかかり吹っ飛ばされた妖精もいたりはしたが、みな何とか戻ってきたのだ。
「ありがとう、妖精さん。それじゃ、ユニも……」
 そうして踏み出した彼女がすっかり忘れていたことが一つある。彼女はミレナリィドールであり、妖精ではない。物理的側面は、当然彼女の方が強い。故に、妖精がかからない罠に彼女がかかることはあり得てしまうのである。
「……さ、さっきは妖精さん無事だったのにー!?」
 噴出する謎の霧状の何かに追われて走るアルファ。私達悪くありません、って面で妖精達は彼女に先行するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

煌天宮・サリエス
「学生が大変な目に合う前にボスを討滅しないといけませんが……」
遠い目をしながらトラップがたくさんあるであろう通路を眺めます。
「私は、トラップの心得とかあまりないですが……無事攻略できることを祈りましょう。」
トラップの解除とか感知とか、私にはいまいちわからないので【祈り】ます。きっと心から祈れば、トラップの場所が感じることができるはず……はずです。
トラップの居場所がわかったら『秘跡奪取』(ハッキングツール)を使用して、トラップが解除されることを祈りながら攻略します。
そう、きっと安全にトラップを突破できるはずなのです。祈り力があればね。


雨乃宮・いづな
罠かー。掛けるのは好きでも掛けられるのは好きじゃないんだよね。
とは言え突破しないわけにも行かないし。程々に頑張るよー!

使用能力はSPDを選択するね。
「目立たない」ように注意しつつ、「忍び足」で慎重に周囲を探りつつ進んで行くんだよ。
怪しそうな場所は極力避けるけれど、罠に掛かった時は「見切り」と「武器受け」で回避努力するね。
床に罠が有りそうだったり、ショートカットを試みる事が出来そうな場合はユーベルコード『天駆翔』で連続ジャンプしつつ進んでいくよ。

何と言うかトラップへの対応を学ぶ迷宮としては受けが良いんじゃないかな、この迷宮。
って、言ってる場合じゃないかな。罠の物量多すぎるでしょっ……!?



●サリエスといづなの場合
「学生が大変な目に合う前に、ボスを討滅しないといけませんが……」
 迷宮の通路に、何処かうつろに声が響く。同様に、何処か何かを諦めたような眼が迷宮の通路を眺めている。
 煌天宮・サリエス(聖邪天司・f00836)の周囲は既に惨憺たるありさまだ。矢が落ちている。槍が落ちている。投げられるサイズの岩が落ちている。なんか刀も落ちている。
「私は、トラップの心得とかあまりないんですよね……」
 惨憺たる有様だが、しかし、そのすべては彼を避けて落ちていた。これは運がいいが故か? 否、そんなものではありえないほどの状況だろう。これを招いたのは、そう。
「無事攻略できることを祈りましょう」
 そう零して、祈りながら前へと歩みを進める。かちりと何かを踏んだ音がして、横合いから矢が飛び出してくるが床に突き立った槍にぶつかって軌道を変え、彼の鼻先をかすめる程度で済んだ。
「……」
 何とはなしに感覚的にこの辺にトラップがあるんじゃないかなぁ。そんな感じで伸ばした手に持っているのは『秘跡奪取』、機械やそれに関するものの支配権を奪うことができるツールである。なんだか不思議な音がして、何もないはずの空間に唐突に表れた四角い箱はそのまま床に落下した。
 これが祈りの力である。そう、祈り力があればトラップの突破だって不可能ではないのだ。安全に迷宮を踏破することもできるのだ。そう思い踏み出そうとした足がワイヤーに引っかかり、前に駆けていた体重の移動に身体がついて行かずにつんのめった。
 それが、機械的な罠ならば何かしら対応ができたかもしれない。落下物等、合間に運が影響するのであれば祈りが介入する余地があったのかもしれない。
 だが、古典的な、古典的すぎるトラップにはそのどちらも動いてくれなかったようで、彼はそのまま見事に顔から床に突撃し……
 がちり、と嫌な音がした。

「罠かー。掛けるのは好きでも掛けられるのは好きじゃないんだよね」
 迷宮内を駆け抜けながら雨乃宮・いづな(水縛鎖・f00339)が零す。性格的にも二刀のほかに暗器を使うことを好む彼女からすれば、罠には落とすものであって自分が落ちるものではない。
 しかし、迷宮を突破しなければ猟兵としての目的は達成できない。ならばほどほどに頑張るしかないと、目立たぬよう気配を殺しながら、体重を感じさせぬ忍び足で通路を駆け抜けていく。
 足運びが功を奏しているのか、あるいは仕掛ける側の勘によるものか。大半の仕掛式の罠は発動を防げており、ところどころに存在する古典的トラップワイヤーや草結びはとっさに斬り払ったり、【天駆翔】により空を跳ねることで回避していく。
 ところどころに仕掛けられていた接近感知による火矢、毒矢、火炎球も大太刀で受けて斬り払うことに成功していた。
「……トラップへの対応を学ぶ迷宮としては、受けがいいんじゃないかなこの迷宮」
 実際、しっかりと対策を練って行動すればある程度のトラップは無効化できるし、またある程度のトラップに対しては反応して対処できるのである。物量さえどうにかなるのならば学びの場とするのも十分にありなのだろう。
 その物量が問題なのであるが。
「って、言ってる場合じゃないかな。あたしもちょっとやばいしね」
 矢を斬り払った直後、勘が叫ぶままに頭をずらせば何かが欠けていく音。影矢を仕込んでるとかどれだけ殺意高いんだここのトラップ、と思いながら下した足が空を切った。
「……え?」
 床が、ない。
「え、な、っとぉ!!」
 落下しかかるのを咄嗟に空を蹴る。【天駆翔】でもって空を一度蹴りつけるもそこにあったはずの足場が見事に消失していた。彼女にすら気付かせることなく唐突に消失していたのである。

 空を蹴ること十を数えたところでようやく床が見え着地をして吐息を一つ。
「一体何が……」
「……あの、大丈夫ですか?」
 思わず床が焼失した通路を眺めて何が起きたのかと確認していたいづなに駆けられる声。振り返れば、サリエスが心配そうに彼女の方を見ていた。
「大丈夫だよ、でも急に床が抜けてびっくりした」
「……すみません、そのトラップを発動させたのはおそらく私です」
 先ほどこけた結果、発動したトラップが彼の前方の床を消失させるというものだったのである。こいつはやべぇと思っていたら前から人が来たという状況という訳だった。
 ぇー、といづなが言葉に迷うものの、別に彼とて狙って発動させたわけではない。こういう他人が発動させたトラップに巻き込まれ、対処をするのも学生にとってはいい経験になるかな、などと思って吐息を一つ。
「回り込もうか」
 とりあえず、先に進むための提案をしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
「ねぇ、瑠璃。いっその事、ダンジョンごと全部まとめて爆破しちゃえば良いんじゃないかな?」
「その方が面倒とか無くて良さそうかもね…」

【ダブル】で分身。二人がかりで連携して進む。
本体:瑠璃、分身:緋瑪

【見切り】を活用して、事前に罠を見破り、ジェノサイドボム(以下ボム)で罠を潰していくという方法で突破という半ば脳筋…というか爆破プレイ。
※落とし穴は近くの壁爆破して埋め立て。発射口は爆破して塞ぐ、等

・道中の流れ
とりあえず時限式ボムを放り込んで爆破→何も起きないのを確認したら【見切り】で周囲確認→罠見つけたら再度爆破→進む(以降繰り返し)

「わたし達なら問題ないね、瑠璃♪」
「(あ、これフラグ…)」



●そして、運がよかった場合
「ねぇ、瑠璃。いっその事、ダンジョンごと全部まとめて爆破しちゃえば良いんじゃないかな?」
「そのほうが面倒とか無くて良さそうかもね……」
 既に迷宮にアタックしている猟兵も多いはずなのに、本来であればストッパーである四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)は緋瑪の言葉にあいまいにだが同意を示していた。
 【オルタナティブ・ダブル】により呼び出された妹……あるいは姉である緋瑪と共に迷宮へのアタックを行っていた瑠璃だが、振り返れば通路に広がる爆破の後。
 槍やら火炎やらの発射口を見切って爆破し、落とし穴は近くの壁を爆破して埋め立て、放電床も同じように壁を爆破して足場を作った。そうして爆破に爆破を重ねて迷宮を歩いてきたのだが、いくら魔力で無限生成できると言っても使用したボムの数はもはや数えたくない、というより数えられない。
 罠の数がちょっと頭おかしいんじゃないかなぁ、などと思いながら瑠璃が手の中に生成した時限式のジェノサイドボムを適当に投擲する。床につく前に矢に射抜かれ爆発したそれを見ることなく緋瑪が矢の発射口を見切って接着式ボムを投げつけ爆破して塞ぎ、新たに投げた時限式ボムは今度は上から吹き下ろす火によって誘爆させられた。天井に接着式ボムを投げて噴射口を塞ぐ。
 いくら何でもトラップの数多すぎないかなぁ、などと瑠璃は思いつつ淡々と仕事をこなす様に進めていく中。それでも被害らしき被害を受けていないが故に、緋瑪が零した。
「わたし達なら問題ないね、瑠璃♪」
 それ、フラグ。そう瑠璃が思ったのが先だったか、どうか。槍の発射口をつぶそうと張り付けた爆弾が爆ぜた次の瞬間。

 発射口から先の壁一面が爆炎を上げて端から吹き飛んだ。

 さらに途中から被害は天井を巻き込み誘爆し、先の方まで爆炎が満たす。
 それに伴い先の方でなんだか爆発音やら何かが燃える音やら炎と電撃が踊り狂う光やら色々見えたが、総て収まるまで待って、一息。
「なんかすごいことになっちゃったね♪」
「……他の人たち、無事だといいなぁ……」
 どうやら壁と壁の隙間に引火性の有毒ガスでも仕込まれていたのだろう。それに引火して大爆発を招き、さらにそれが先の別のトラップに引火して……という大惨事が発生してしまったようだ。
 ほかの猟兵や、あるいはもう侵入してしまっていたのだとしたら学生が巻き込まれてなければいいなぁ、なんて考えつつ。トラップがあらかた吹っ飛ばされてしまった通路……であった道を歩く二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『首無しの熟練騎士』

POW   :    雷鳴刀
【迸る魔法刀の剣筋】が命中した対象を切断する。
SPD   :    疾風迅雷
【「炎」と「氷」を無効化する強化魔法】【脚力を上昇させる強化魔法】【物理的防御力を上昇させる強化魔法】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    怒髪天
【掌を天高く掲げて】から【全方位に向けて高威力・広範囲の雷】を放ち、【電気や雷に対策のないものは感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●迷子の迷子の鎧さん、貴方のお家は壁の中
 かくして猟兵達は、あるいは途中で合流し、あるいは途中で大鉄球に追いかけられ、されど確実に迷宮を歩みその区画へとたどり着いた。
 災魔。首のない鎧の姿をしたそれは、元は熟練騎士であったものの成れの果てのオブリビオンである。
 ゆえに、彼らもまた猟兵が討滅するべき対象でしかない。
 たとえそれが、壁に槍で張り付けられてぢたばた足掻いていても。
 たとえそれが、落とし穴の中で必死に壁に両手両足をついて耐えていたとしても。
 たとえそれが、爆炎であぶられた上に感電したかのようにすすけて帯電していたとしても。

 実は一番の被害者なの彼らじゃなかろうか。猟兵達にそんな思考が過ったかどうか。
 まぁ、無事な連中のほうが多く、それらは明確に殺意と敵意をもって君たちに襲い掛か……ぁ、なんか一体壁に呑まれた……襲い掛かってくる!
クロ・ネコノ
<この区画まで鉄球が来れるなら、第一章の鉄球に張り付いた状態のままでボーリングみたいに災魔を跳ね飛ばし、潰しながら転がっていきます!>
<鉄球がここまで来れない場合は普通に区画に入り、その場を動かずに弓矢で数を減らしていきます。>
<アドリブ・他PCとの絡み歓迎!>



●先制大鉄球
 ゆらり、と。首無しの騎士達はその知覚範囲に入った猟兵を己達の敵、脅威とみなした。
 明確な体を持たぬ彼らであれば、たとえ槍で貫かれようが落とし穴の底で穴だらけにされようが致命的なことになるとも限らない。トラップに呑まれてはいるものの、その数は減ることはなく猟兵へと迫ってくる。
 対し、この区画まで到達した猟兵達は、通路の出口が開けていることに気付いてさっと即座に両脇に退避した。それはもう、とりあえず襲い掛かってこようとしたオブリビオンを後回しにするレベルの判断である。
 何事? と警戒する様子を見せて思わず動きを止める首無しの騎士。
 その、彼らの前の通路から。

「にゃぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 貴女まだ張り付いてたんですか。
 ……クロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)が張り付いた大鉄球が転がり出てくる。ゴム体質状態ゆえになんかいい感じにぺらっこくなった彼女は、鉄球と共に転がって首無しの騎士に襲い掛かる!
 ああ、阿鼻叫喚とはこのことか。騎士に声を出す器官はないけど。なんか唸り声のような妙な音が困惑と怨嗟を纏うくらいだけど。とかく、大鉄球の進路上にいた首無しの騎士達は咄嗟に回避行動をとったもの以外、圧し潰されてへしゃげ、跳ね飛ばされて砕ける。
 納得いかねー! って空気を彼らが纏っていたかどうか。壁に衝突してようやく止まった大鉄球の方をしばし首無しの騎士は振り返り……
「ぐ、ぐぅ……」
 大鉄球から外れ、ようやく形を取り戻し始めたクロから猟兵達のほうに視線を戻す。

 とりあえず後にしよう。彼らはそう判断したようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

煌天宮・サリエス
「……罠に気を付けつつ戦う……まだ、罠があるのですか」
目の前の罠に引っかかってる(?)敵を見ながらどう処理するか考えながら呟きます。
敵の武器の射程よりも遠くにいるように心がけながら槍で攻撃します。
(……雷が高度から降ってくるなら、花びらを高く舞い上げれば雷は花びらに吸収されるのではないだろうか)
そんなことを考え、相手が、雷を放つ攻撃をするタイミングで【救済式:嵐花守人】を発動して攻撃の相殺を図ります。
そして、相手を倒せると判断できる状態まで来たら攻撃に【救済式:嵐花守人】を使います。


雨乃宮・いづな
おーおー、凄い事になってるねえ。
上手く罠を利用出来れば入れ食いかもだけど高望みかな。一体づつ倒して行くよ。

ユーベルコード『紅霞』を発動、幻術で「目立たない」様にしつつ「忍び足」で相手に近づくね。
可能なら背後を取った上で奇襲して、「鎧無視攻撃」で一体づつ確実に「暗殺」していくよ。
倒しきれなかったら「2回攻撃」で追撃してから再度『紅霞』を発動。チャンスを伺いつつ同じ手順を繰り返すよ。
罠は可能な範囲「見切り」で避けるよ。戦闘中だし多少の被害は覚悟するしかないかな。

うーん、こいつらどこが急所なのかな?
首級を挙げるにしても首が無いから……まあ、動けない程度に切り刻めば死んでくれるかな!


キャナリニア・カルコメラン
敵はここに至るまでの罠を潜り抜けた、言わば選りすぐりの騎士集団。今も罠で数を減らしているとはいえ一筋縄ではいかなそうであります…!

おおっと、こんなところに人畜無害のぬるぬるスライムが床一面に拡がってしまうトラップがぁ!

ふふん、しかし自分にはこの騎士人形があるのであります!必ずしも人形が地に足つける必要は無く、操作は手の動きのみ。圧倒的にこちらの有利でありますな!

【ダッシュ】の如く速度で近寄り、まずは厄介な魔法刀を【武器落とし】させて貰うであります。手を翳す素振りを見せれば【電撃耐性】がある盾で【盾受け】、UCで相殺しつつリーチを生かした【串刺し】で攻めるであります!
※但し滑らなかった場合に限る



●戦線展開
 いかなこの迷宮に居付く首無しの騎士と言えど、先制大鉄球は予想の外だったのだろうか。あるいは、このような迷宮に居付くだけあってお約束に思わず反応してしまったのか。
 どう考えても隙だらけの状況を逃すような雨乃宮・いづな(水縛鎖・f00339)ではない。
 視線を戻した首無しの騎士を両断する斬閃一つ。何が起きたのかの理解すら能わぬままに鎧は別たれ戻ることはなく。
 その姿を認識した首無しの騎士達が、己へと強化魔法をかける間に追撃の斬閃が走る。二体目の鎧を叩き斬ったところで周囲の騎士が彼女へと振り下ろし、それは確かに彼女を切り裂いて――その姿が霞のように散り消えた。
 幻術による自身の隠匿。【紅霞】によりいづなは騎士達の知覚の隙間を駆け抜ける。ほんの僅か、隙を見せた者がいればその背後を取って斬殺する。罠の利用も考えはしたが、それを為すよりは自身の剣によって斬り捨てるほうが確実と判断し、剣士と称するよりは暗殺者と称されるべき挙動でもって彼女は確実に首無しの騎士の数を減らしていく。

 他方、煌天宮・サリエス(聖邪天司・f00836)は部屋の惨状に思わずつぶやきを漏らしていた。
「……罠に気を付けつつ戦う……まだ、罠があるのですか」
「まぁ、罠迷宮でありますからな。それに敵もここに至るまでの罠を潜り抜けた、いわばえりすぐりの騎士集団。一筋縄ではいかなそうであります!」
 キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)がその呟きに応じながら一歩足を踏み出すと、カチリとなんか音が鳴った。
「……おや?」
「……おや」
 二人は顔を見合わせ、そのまま視線を足元の方に向ける。なんかすいっちふんだ。
 次の瞬間、頭上から何かが二人の前に落下し、前面へと広がっていく。
「おおっと、こんなところに人畜無害のぬるぬるスライムが床に拡がってしまうトラップがぁ!」
「なぜそのような罠があるのでしょうか」
「罠迷宮でありますから」
「あたしも巻き込まれそうになったんだけど!?」
「罠迷宮でありますから」
 首無しの騎士の間を駆け抜けていたいづなは落下物の被害範囲内に踏み込んでしまっていたのだが、とっさに気付いて回避行動に移り、人畜無害のぬるぬるスライムを浴びずに済んでいた。

 ……狐耳和服ゴスロリ少女のぬるぬるまみれが……なぜ浴びてくれなかったのか。惜しい。

「今何か邪念を感じた」
「さておき! このようなトラップの中でも、自分にはこの騎士人形があるのであります!」
 ぼそりと呟いたいづなを遮るように声を上げるキャナリア。彼女の手が翻れば、騎士人形はその足を床より浮かせて動き始める。
 そして彼女自身が騎士人形を動かすのに必要とするのは手の動きのみで、足を動かす必要は基本ない。。地に足をつけて戦闘を行う首無し騎士にとってはかなりの痛手だろう。
 その様を見たサリエスは槍を手に取る。こちらも長柄の武器で不要に動かずに対処する選択を取ったのだ。本来であれば相手の射程外からの攻撃を意図したものであったが、結果的に有効となれば問題はないだろう。
 ぬるぬるのスライムに足を取られ、思うように動けない首無しの騎士がサリエスの、そしてキャナリアの操る騎士人形の槍で手に持つ魔法刀を叩き落され、鎧を貫かれる。じたばたと動くようであれば動けなくなるまでざくざく突くという行動を繰り返す。
 そんな彼女達の様子に、首無しの騎士達は掌を高く掲げる構えをとる。ぱちりと、ばちりと、ガントレットの上に生じた雷が周囲にほとばしる、その瞬間に。
「救済式起動……花桐草の花びらが大事なあなたを救う」
 サリエスの詠唱が響く。彼が手に携えた槍が色とりどりの花桐草の花びらへと姿を変えて舞い上がり、放たれた雷撃は花びらに吸われ、散らされてその威力を大きく減衰されていた。
 それでもと僅かに二人の方へ飛んできた雷撃は、キャナリアは電撃に耐性を持った盾で受け止めて弾く。いづなの方へと飛んできた雷撃は、減衰されていれば見切って太刀で斬り払うだけで掻き消えた。
 舞い上がった花びらは、サリエスの手の動きに従って彼らの槍で貫かれ、太刀で切り裂かれて尚動いていた鎧を切り刻んでその動きを完全に停止させ、彼の手元で槍の姿へと戻った。
「ふむ……このまま数を減らしていけそうでありますな!」
「ええ。油断なくまいりましょう」
 言葉を交わして頷きあい、サリエスは改めて槍を構え、キャナリアは騎士人形を操作するために手を大きく振るい、その勢いに引っ張られて一歩踏み出す。
「あっ」
 ぬるぬるまみれのスクラップドールが誕生した。

「……そういえば。こいつら首がないけどどこが急所なのかな?」
 キャナリアの惨状から目を逸らしながら零したいづなは、背後を取った首無し騎士の胴を両断し、その鎧に太刀を突き立てた。
 それが何か核になるものを貫いたのか、あるいは生存出来ないほどの損壊となったのか。動きを止めた鎧の様子を眺めてから、一息。
「まあ、動けない程度に切り刻めば死んでくれるかな!」
 解らないなら死ぬまで斬ればいい。実に明快な理念のもとにいづなは再び駆け出す。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身。
緋瑪:本体、瑠璃:分身

硬くて正面から戦うと面倒そうなので【範囲攻撃】【2回攻撃】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】ジェノサイドボム(以下ボム)をばら撒きまくって爆破。爆砕すると同時に爆風の方向を無事なトラップの方に向け、爆発の中心から離れてた敵をトラップに吹き飛ばしてそのままピタゴラスイッチの如くトラップに片づけて貰う。
また、接近戦に備えて地面に感知式ボムを地雷代わりに設置。
後は鎧の首の穴の部分から【見切り】で爆弾投げ入れて鎧の中で爆破して爆殺するとか…。

「無機物系の範囲爆破はわたし達の得意技だしね♪」
「逆に銃撃とか毒とか麻痺とか、他の攻撃手段は利き難そうだから爆殺止む無しだね…」


アルファ・ユニ
なるほど、これは駄目だ。
動かないべき。

彼等がトラップで勝手に自滅してくれるのを祈ろう。いやその手助けをしよう。大量の小型機械兵をその場で操り超音波で把握したトラップに誘導。このトラップの中勇敢に戦う頭がイッてる猟兵がいるなら囮としてその支援を。もし潜り抜けて襲ってくるなら護身用の高圧電流が流れるトンファーで迎撃。

トラップを把握しつつ敵がそこに上手くハマるように、もしくは囮としての利用も考えてクローネでそれぞれの機械兵の動きをプログラミングする訳だから半端なく集中する。
いつもの明るいユニが維持できる気がしないからみんな話しかけたりしないでね。邪魔されたら塩対応どころか悪口飛び出すかもしれない。


バル・マスケレード
もういい、わかった。未来視じゃトラップは避けきれねェ。
こうなりゃスピード勝負だ。
シーブズ・ギャンビットを用いりゃ、いつも以上に素早く動けるハズ。
【2回攻撃】も活かしてチマチマ攻めて挑発しつつ、敵を罠へ誘導だ。
……ああ、身は軽くなってるんで、普通より更に速く動けるはずだぜ?
何せ誰かさんが虹を吐いたおかげでいくらか服を脱ぐハメになったからな!!

ここまで罠はいくらか身を以て体験してきた。
自分であえてアロートラップだの落石だのを起動させて、【敵を盾にする】ぜ。
接近したとこをユーベルコードの速度に任せて飛びのくもよし
回り込んで罠に蹴飛ばすもよし。手段は選ばねェ。
罠に嵌めたら腹いせに指差して笑ってやらァ。



●罠を活かす
 ぬるぬるスライムによる二次被害が出ている他方、より罠を積極的に用いる猟兵もいる。
 自己強化により物理防御力をも上げた鎧は確かにその硬度を増している。下手に真正面から挑んでも手間がかかるだけだろう。
 故に、本体の身体の制御を緋瑪に任せ【オルタナティブ・ダブル】により生じた分身に意識を宿す四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)は、迷うことなく生じさせたジェノサイドボムをばらまいて首無し騎士を吹き飛ばす。
 鎧無視が付与された爆弾の中心地ではまともに受けた首無し騎士が爆散し、爆風に吹き飛ばされた騎士を待つのは迷宮自体が持つ罠。スリップトラップに吹き飛ばされ壁に衝突した瞬間、せり出した壁によって挟まれて砕け散る首無し騎士達の最期を見届けて緋瑪と瑠璃は軽くて手を叩き合わせる。
「こういう無機物系の範囲爆破はわたし達の得意技だしね♪」
「まぁ、逆に銃撃とか毒とか麻痺とか、他の攻撃手段は利き難そうだから爆殺止む無しだね…」
 軽く言葉を交わして次へと目を向ける彼女達の視界の端で、小型機械兵がポイントを示す様に彼女達に軽く合図を送る。受け取った彼女達は近くにいた首無し騎士の、その頭部のない首元へと爆弾を投げ込んで素早くその場を離脱する。爆破によって内側から爆ぜ飛ばされた騎士の残骸が周囲の騎士を傷つけてその意識を彼女に向けさせることとなり、爆風からの罠起動の連携の餌食となっていく。
 罠の場所、大体の内容を共有後に小型機械兵は次の指定された罠の方へと向かい、その罠を確認して指示されたプログラム命令に従ってカメラアイを同様に罠を利用する者の方へと向けた。

 未来視に見切りをつけたバル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)は、その手にダガーを構えて素早く駆ける。【シーブズ・ギャンビット】により自身の行動を加速させ、首無しの騎士へと刺突を、斬撃を繰り出しては反撃を受ける前に引く。
 彼等の動作は自己強化を行った騎士が反撃に移るよりも速く、それはその服装にも起因している。明らかに迷宮へと侵入したときに比べて軽装となっており、そうして身軽になった分だけ彼らの動作が機敏になっているのだ。
 なぜ軽装になったのかについては、彼の宿主の名誉のために黙秘するべきだろうか。端的に言えば虹がきらきらかがやいたのが理由である。
 さておき。彼等の動作は的確に、さらに首無し騎士の鎧の隙間、関節部を狙ってダガーが繰り出されるが、しかし、与えられる損害は防御力の強化まで行った騎士達にとって致命傷には程遠いものとなっていた。それでも攻撃を繰り返されれば対処優先度は上がり、彼らを追い立てるように首無し騎士の数体が取り囲み始める。
「よぅし、来たな。てめぇらにプレゼントだ!」
 小型機械兵から場所は既に受け取っていた。また、ここに来るまでに体験していれば、大体罠の内容の予測もできる。彼等は躊躇なく床を踏み抜き、そこにあるスイッチを起動して罠を発動せる。
 落石……ただし、落ちてくるのは石ではなく岩と称されるもの、それらが一つではなく雪崩れる様に降り注ぐ。中心にいた彼等はそれが自身に降りかかるより早く、騎士達の包囲の隙間をすり抜けて安全圏へと非難している。
 あとに残るのはとっさに防ごうと、あるいは断ち切ろうと持ち上げた魔法刀を叩き落され、岩に打ち据えられ、へしゃげ潰される鎧達。完全に岩の下敷きとなれば、いかに防御力を上げていようとも生存は叶わぬことだろう。
「ヒハハハハ! 良いザマだぜぇ!」
 元々ものを言うことはなかったが、動くことすら無くなった首無し騎士を指さして笑ってから彼らは次へと取り掛かる。次の罠の場所は小型機械兵から既に受け取っていた。

 彼等が罠を利用する、その場所を示し行動しやすくするための機械兵はアルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)が召喚し操るモノ。囮になって雷撃に打たれた機械兵の代わりを近くの機械兵が行うようにプログラムを書き換えながら彼女は小さく吐息をつく。
 ある程度踏み込むことを選択する他の猟兵達と異なり、アルファは自身の身体能力や特性を考えて早々に戦線に踏み込むことを放棄した。代わりに罠を超音波によるソナーを用いて把握し、【エレクトロレギオン】でもって召喚した小型の機械兵を用いてそこへ騎士を誘導するなり、罠の位置を知らせて連携するなり、場合によっては他の猟兵の行動支援のための囮とすることを選択したのだ。
 その選択により罠の利用を考えた猟兵達の行動は有機的につながることとなり、ただ偶発的に罠にかかる程度ではそうそう致命傷にはならなかった首無しの騎士達が、罠にかかることで致命傷を受けてその動きを止めて行く事となっていた。
 だが、それを実現するためには彼女にかかる負荷は軽いものではない。収集された状況に応じるように即座にプログラムを書き換え続ける彼女の表情からは普段の明るさが消えており、余裕の無さが伺える。
 ただひたすらにPCに向かい続ける彼女に対し、声をかける余裕と暇がある者が居なかったのはおそらく両者にとって幸いな事だったのだろう。
 時に罠の場所を示し、時に己が罠へと誘導する小型機械兵を介し、彼らは彼らの戦術でもって首無しの騎士達を追い詰め、数を減らしていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

河南・聖
spd
うーん、これ放っておいても勝手に自滅していくんじゃ……(落とし穴の中で耐えてる鎧さん見つつ)
あ、でもルクスさんは『それでも数が減った様子はなかった』って言ってましたっけ
じゃあやっぱりきっちりトドメ刺さないとですね

あ、そういえばさっき出会ったドラゴンさん
……いつまでもドラゴンさんじゃアレですよね。
今日からあなたの名前は……うーん……ヒカリ、で。
ヒカリ、もしかして槍になれたりします?

あ、やっぱり
あなたドラゴンランスだったんですね。初めて見ました。

よし、これで突っつけば……えいっ、えいっ

うんうん、この調子で行きましょう。
あ、ヒカリはトラップに引っかかるといけないので基本はドラゴンのままで、ね?


星乃・爐璃
遅れてきた人

爐璃:「ちょっと、この道中酷いんだけど!ねぇこの姿を見てよ!
…あぁ、君たち顔がないの…。
良かったね、君たちのほうが酷い姿してるよ…。」

罠を見つけられる目がないことが不幸なの?
この有様を見ないで済むことが幸なの?

憐れみながらもつれるように戦闘開始
最近ドラゴンを飼い始めたんだ、槍形態にして「属性攻撃」を…
って、氷属性無効化されるのぉ!?

じゃぁ、人形遣いにお願いして蛇骨を召喚して…って、むしろ電撃食らうじゃん!?

しかたがない、ダブルでシーフを呼んで、だまし討を…

つーんとしたシーフ「何でもかんでも俺らに頼ろうとするなよな」

ちょ、まさかのスパルタ教育ですかっ
一番のトラップて身内じゃない!?



●そしてどこかマイペース
 放っておいても自滅するんじゃないかなぁ、等と落とし穴の中で頑張って踏ん張ってる首無し騎士を眺めた河南・聖(始まりの白き翼・f00831)は思ったわけだが、しかし、グリモア猟兵が数に言及していたことを思い出す。
 先も述べた通りこの首無し騎士たちの身体が鎧によるものであったならば、ただ偶発的なトラップ程度では致命傷まで至ることなく、そのままオブリビオンとして自己修復で済むことも多いのだろう。
「やっぱり、きっちりトドメ刺さないとですね」
 よし、と気合を入れる聖の横で、ぎゃ、と同意するように小型のドラゴンが声を上げた。彼、あるいは彼女は胡乱げな眼差しで数を減らされゆく首無し騎士達を眺めている。
 迷宮へと赴いた時にはいなかったはずのこのドラゴンは、聖が迷宮内を歩んでいる最中に出会い、懐かれたのでそのまま連れてきたものだ。
 一体誰がこんな罠だらけの迷宮内にドラゴンを放逐したのか。迷宮内のペットや環境問題は深刻なのかもしれない。
「そういえば、ドラゴンさん……いつまでもドラゴンさんじゃアレですよね」
 何かしらドラゴンに声をかけようとした聖がハタと止まり、声をかけられたドラゴンは不思議そうに聖を見上げた。しばし見つめ合う一人と一匹。
「今日からあなたの名前は……ヒカリ、で」
 つけられた名前に、ちょっと嬉しそうにパタパタと翼を動かすドラゴン……ヒカリ。とても和む光景である。背景を気にしなければ。
 さておき。
「ヒカリ、もしかして槍になれたりします?」
 鳴き声や動作で諾を示すより手っ取り早いと判断したのか、問いかけられたヒカリはその身を槍へと変じさせ、聖の手の中に納まった。「竜騎士の槍」へと変身するドラゴンランス。それがこの小さなドラゴンの正体であったのだ。
「やっぱり、貴方ドラゴンランスだったんですね。初めて見ました」
 それは変身する光景をか、あるいは彼女の周りに使い手が居なかっただけか。軽く振るってみれば、ヒカリが変じたその槍は驚くほどに手に馴染むようで。
「よし、これで突っつけば」
 え、まって。本気? そう言いたげに見上げて……見上げて? くる首無し騎士に対し、彼女が向けた表情は笑顔だったかどうか。
 ざすざすと貫かれて鎧が落下、しばらく後に砕けた音が落とし穴から響くのを聞いて、聖はよしとドラゴンランスをヒカリの姿に戻す。
「それでは、この調子でいきましょう」
 ぎゃ、と応援するようにヒカリが声を上げた。

 一方その頃。
「ちょっと、この道中酷いんだけど!ねぇこの姿を見てよ!」
 この罠迷宮は罠の内容が内容だけにいったいどんな目にあったのやら。どこか焦げていたり、何処か煤けていたり、危うく矢人間になりかけたりした星乃・爐璃(旅人・f00738)が首無し騎士に食って掛かる。
 だが見ろと言われても彼らに顔はない。視線らしきものは感じるのだが、しかし見る器官はないのである。
「……あぁ、君たち顔がないの……。良かったね、君たちの方がひどい姿してるよ……」
 いや良くねぇよ。首無し騎士がそう言いたそうにしていたかは不明だが、取り合えず絡まれている首無し騎士はしばしどうしようかと逡巡するような様子を見せた後、当たり前のことを思い出した。
 自分はオブリビオンである。相手は人間である。敵だね。敵だ。
 なんだか目がないことを不幸か幸福かと哀れまれてる気がしながら首無し騎士は手に持っていた魔法刀を構えなおし、応じる様に爐璃も最近飼い始めたドラゴンランス、ブライニクルを槍形態にして構える。
 あらゆるものを凍てつかせる属性を持つその槍でもって、首無しの騎士も凍らせんと槍を繰り出し。
「……って氷属性無効化されるのぉ!?」
 自己強化の付随効果で炎と氷を無効化するのがこの首無し騎士である。槍の一撃自体は無効化できないが、単発であればその防御力でもって耐えることもできていた。
「ここは人形遣いにお願いして蛇骨を召喚……」
 そうつぶやいた彼の後ろで輝く雷光。他の猟兵と戦う騎士の誰かが放った雷撃を見て彼は考え直した。太く長い大蛇の蛇骨を出せば、それは雷撃のいい的ではないだろうか。
「……仕方ない」
 【オルタナティブ・ダブル】で呼びだすのは自身の人格のうち、シーフの力をつかさどる人格。騙し討ちを行うためであればその名を呼ぶこともなく、爐璃の槍と刀をかみ合わせる騎士の後ろに彼がその身を現す。
 さぁ、今こそ不意打ちを。そう思った爐璃へと向けてシーフ君曰く。
「何でもかんでも俺らに頼ろうとするなよな」
「ちょ、ここでまさかのスパルタ教育ですかっ」
 えー? とかなんとか言いたそうな首無し騎士。つーんとそっぽを向くシーフ。ぐだぐだである。
「一番のトラップって身内じゃない!?」
 元気出せよとでもいうように首無し騎士は軽く肩を竦め、やっぱり斬りかかってきたので必死で応戦する爐璃であった。
 
 なお、無事に何とか対処できたようである。

●かくして
 己の武と智を用い、あるいは罠を用い、あるいはなんかグダグダになりながら。それでも首無しの騎士の数は減っていく。
 猟兵達は奮闘を続け、罠をかいくぐり、罠を利用し。首無しの騎士たちの全滅はもう間もなくであり。

 そして、この区画の向こうには予知にあったボス部屋がある。歩みを進める彼らに迷いは多分なかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ストーンゴーレム』

POW   :    ゴーレムガード
全身を【硬質化して超防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    ゴーレム巨大化
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【岩石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●迷宮の奥に聳えるもの
 迷宮の奥、ボス部屋に君臨したのは巨大な石の塊。魔力によりかりそめの命を与えられた岩人形。
 魔像……ゴーレム。
 なるほど、この巨体であれば並みの罠などものともしないだろう。
 なるほど、この巨体であれば大半の罠など踏みつぶせてしまうだろう。
 このような迷宮に棲みつくモノとしては、確かに納得ができる姿である。

 このオブリビオンが、迷い込んだ生徒の命を絶つオブリビオンだというのなら。
 これを仕留める事こそが、猟兵の為すべきこと。
 咆哮を上げる口もなく、されど明確な敵意を持って。鈍重なそのストーンゴーレムが、地響きを立てて猟兵達へと足を踏み出した。
星乃・爐璃
首無を串刺ししたあと、シーフにお灸を据える

シーフ「おい、後ろっ」
爐璃「その手には……」

ってガチだ
ガチだよね?

よし今度は氷を使えそうだ
ブライニクルで自分とゴーレム一体の床を凍らせて素早くスライディングでパンチを掻い潜り、股を潜った後は頭をなぎ払いでぶん殴って重心を崩して転ばせる

さぁ氷の上でじたばたするがいい
その隙に今度こそシーフとダブルで攻撃する

尚、ゴーレムが動かないを選択するなら僕もオペラツィオンで寝る準備をするよ

動かない(動けない)と完全脱力とどちらが楽か火を見るより明らかだよね
ブライニクルをモフモフして癒されていよう

シーフ「今度はおめぇがストかよっ!?」


バル・マスケレード
ゴーレム……確か岩石と合体するオブリビオンって聞いたことがある。
落石……っつーか落岩か。
あの罠だけは起動させないよう細心の注意を払いつつ、味方にもそれを伝えとくぜ。

チンケな罠は通じないし、あのパワー、真正面からやりあうには厄介だ。
落とし穴でも食いつき床でも何でもいい。
アイツの気を一瞬でも逸らすことができる罠に誘導だ。
上手くいったなら……

「ようデカブツ、ちィとばかしオハナシしようぜェ!?」

【投擲】でもって、俺自身を、ゴーレムにブン投げて貰うのさ。
心を通わせなくても、ほんの数秒なら動きを止められる。
その隙に他の味方に大技叩き込んでもらおうじゃねェか。
奴さんが怯んだ隙に、宿主に俺を回収してもらわァ。


煌天宮・サリエス
「…………トラップ迷宮のボスがトラップガン無視だなんて……なんて冒涜的な石なんでしょうか」
最初に、『救済式:聖天福音』を使用します。「この迷宮を攻略することで溜まった鬱憤をすべてこの石にぶつけてしまえ」という福音(?)を与えます。まあ、さっさとこの石塊を石ころに加工してあげましょうということです。
その後は、前衛に立ち【盾受け】【見切り】【オーラ防御】【激痛耐性】の技能を使い攻撃を盾で受け、【鎧砕き】【カウンター】の技能を使い地道に剣で攻撃を当てていきます。
堅実に味方を強化して殴っていきます……私も、鬱憤が溜まっていますから剣を持つ手が痛くならない程度にボコします。


四季乃・瑠璃
【ダブル】の上、第3人格の翡翠を宿した切り札、シスターズ起動。
緋瑪:本体、瑠璃:分身、翡翠:人形

3人掛かりで敵を包囲、連携して【鎧無視】【鎧砕き】【範囲攻撃】【2回攻撃】の接触式ジェノサイドボム(以下ボム)で連続爆破。特に関節部や顔面等、少しでも装甲の薄そうな部分を狙う。
また、感知式ボムを地面に地雷代わりにばら撒き、接近して来た際に爆破。
敵の攻撃は見切りで回避するが、回避し切れない場合は攻撃をボムの爆破で逸らす様に回避。
ガードは動けないのを良い事に敵や周囲に遠隔式ボムを一斉に貼りつけてガード解いた瞬間爆破。

「これは倒すの大変そう…」
「翡翠、連携お願いね」
「こういう時ばっかり呼ばれるんだから…」


クロ・ネコノ
酷い目に遭ったよ…こいつがボスだよね、さっさと倒して帰ろう!
…と言いたい所だけど、こいつに私の矢が通るイメージが湧かないね、ダメージよりは相手の妨害をする方向で動こう。

行動 【ゴム体質】[ジャンプ][地形の利用][時間稼ぎ]
仲間から距離をとってから矢で攻撃、こちらに注目させて攻撃を誘うよ、攻撃してきたら避けて、その部位から相手の身体に上ろう。
目のある位置まで上ったら【ゴム体質】で身体を伸ばして目元を覆って目隠しになるよ、…さすがに、実は目は飾りでしたとかないよね?

<アドリブ・他PCとの絡み歓迎!>


河南・聖
なるほど、ボスはストーンゴーレムでしたか。
うーん相手は石ですから、対するは……水?そしてそこから……
……とわぁ!駄目です!トラップが邪魔で集中できません!
いっそ大鉄球とか転がってきて、それをうっかり踏んづけてすっころんだりしてくれませんかね、ゴーレム!

ひとまずペガサスに乗って空中へ!
空中にトラップが無いとは断言できませんが、少なくとも地上よりはマシなはず!
その後はどうしますか。
とりあえずゴーレム系相手では殆どの箇所がただの物理では効果は薄そうですけど、効きそうな場所とかないですかね。
うーん……目?他とちょっと違いますし。
とりあえずやってみますかね、レギオススピアとヒカリによる武器攻撃で。


アルファ・ユニ
罠が効かないから誘導ではなく散開させた妖精達の視界をクローネに纏めたものによる戦況把握と指示に変更。
ただ周囲に使えそうな音がないから援護射撃はできない。無指向性のスピーカーだと仲間にも被害が出るかもしれない。
隙を見て敵の側まで走り頭をトンファーで攻撃。そのまま内蔵のスピーカーから【壊感音波】を放ち敵の行動を封じよう。耳がなかったりしたらトンファーを体の岩に密着させ振動で脳まで届かす。

罠は発動済で動かなくなった物があるし、ずっと解析してたから残りの罠の場所は覚えてる。ユニでも無理なくかわせると思う。

零距離、必要最低限の音量で流すけど皆は聞こえたら大変だからこの瞬間は離れて、耳を塞いで。絶対だよ。


雨乃宮・いづな
さてと、随分大きいし倒しにくそうな相手だねえ。
けどこれが学生を襲うって言うなら、ちょっと位本気で倒さないとね?

真の姿を開放するよ、とは言っても見た目は殆ど変わらないんだけどね。『無銘』の刀身が青いオーラを纏う位かな。
同時にユーベルコード『水狐覚醒』も発動。
相手の攻撃は周囲ごと破壊してくるみたいだし、「残像」と「見切り」で大きめの回避行動を心掛けるよ。
「目立たない」よう死角に移動しつつ、「鎧無視攻撃」を載せた衝撃波で相手を削っていくね。
スキを見せたら「2回攻撃」からの「暗殺」で一気に攻勢を掛けるよ。

……アルダワには知り合いも居るんだよ。君みたいなのが暴れてるのは迷惑、かなっ!



●その巨体に恐れる事無く
 【オルタナティブ・ダブル】で召喚した自身の別人格……先ほど見事にストってくれたシーフを追いかけてきた星乃・爐璃(旅人・f00738)だったが、追い詰めてブライクニルを構えたところでシーフが必死に背後を示していることに気付く。
「おい、後ろっ」
「その手にはのら……」
 ズン、と。芯に響くような振動と音が言葉を途切れさせる。振り返った先にいるのは仰ぎ見るような岩巨人。ぇ、これガチ? と首を傾げる爐璃に、ガチ、と頷くシーフ。
 慌てて槍を構えなおし岩人形へと向ける爐璃と、手に持つ獲物を握りなおすシーフという二人の横で空を翼が打つ音が大きく鳴る。
「救済式起動」
 人間など軽く叩き潰せるであろう岩巨人の巨体を見上げながら、恐れる事無くそこに在る姿はまるで試練に挑む聖者のように。
「聖者にして天使は告げる」
 広げられた黒き翼は、黒という色を持ちながらも気高さをもって聖き光を纏う。その様は、それこそまさしく天使のように。
「我々は世界を、人々を救えると」
 響いた詠唱が空間にしみわたり、世界に変革を齎す。ユーベルコード【救済式:聖天福音】、福音は確かに猟兵達へと響き届きて、皆を支え強める力となる。
 そう、彼らは共感する。煌天宮・サリエス(聖邪天司・f00836)のもたらした福音に。それは。
「トラップ迷宮のボスがトラップガン無視だなんて。この迷宮を攻略することで溜まった鬱憤は全てこの冒涜的な石にぶつけてしまえ」
 ……猟兵達は共感する。この頭おかしいんじゃないかってくらい罠を設置しまくった迷宮内で受けた被害やたまったストレスをぶつける先が出てきてくれたことに歓喜するかのように。その怒りはストーンゴーレムに届いたのかどうか。
 岩巨人がさらに一歩、迷宮の床を踏みしめた。

「おい、落石トラップだけは起動させんな!」
「場所はこちらで抑えてるよ。共有するからみんな気を付けて!」
 バル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)が掛ける警告に、アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)が応じる。アルファの前に展開されるクローネを介して各員にトラップの位置が展開され、それを前提とした位置取りへと走りゆく。
 前衛へと走るのは盾と剣を構えるサリエスと、大太刀と小太刀を構える雨乃宮・いづな(水縛鎖・f00339)。だが、いづなの様相は普段のそれとは大きく異なっている。その手に握る黒刀は、いづなまでを青いオーラで覆っている。
 真の姿を開放したいづなが、さらに鬼札である【水狐覚醒】まで切った姿。駆け抜ける姿は残像を生み、己の射程圏内へと入った外的へ振り下ろされる拳はいづなに届くことはない。
 叩き付けられた拳が床にひびを入れ、その周囲にあったはずの罠を強引に起動させる。吹き上がる火炎放射とせり出した槍衾は岩人形に影響を与えられず、その範囲にいた筈のいづなは罠の影響範囲までを見切って退避済み。
 その外れた間合いから刀を振るえば刀身に宿る青い光が水を生み、生み出された水は空を流れる水流となり、水流はその勢いと質量でもって岩人形へと打撃を与える力となる。それは液体であるがゆえに石の身体に潜り込むように。岩の身体の防壁を無効化し、岩人形を動かす力をそぎ落とす。
 ……確かに、岩人形の頑丈な身には普段の彼女の斬撃は効果が薄いだろう。だがそれでも、今ここで鬼札を切ってまで全力を賭すのはただ自身の普段のスタイルでは倒しにくいからというだけではない。
「……アルダワには、知り合いもいるんだよ」
 こいつが、学生を襲うというのなら。それは、ちょっと本気を出そうという気になるくらいには。
「君みたいなのが暴れてるのは迷惑、かなっ!」
 水流の質量による衝撃が襲い、その隙を逃さず前衛で張り付くように剣を振るうサリエス。岩人形は確かにその身を削られていた。

●轟音爆砕
 いづなの放つ水流の一撃により削れた岩肌に爆炎が上がる。さらに左肘、膝から同様に上がる爆炎。己の身から、己の構造物である石の欠片を散らしながらも岩人形はその衝撃を嫌がるように剛腕を振るった。
 空振りはするものの、それでもその質量が通り過ぎるだけで空気が持っていかれ、引き寄せられそうになる身体を踏ん張って耐えて距離を取る四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)。本体を緋瑪に任せ、【オルタナティブ・ダブル】により召喚した分身を用いる瑠璃は不意に手に生み出した爆弾を軽く投擲する。ゴーレムの動作で起動したらしき矢を爆風で吹き飛ばし、ついでに己の身体の推進力にして叩き付けの一撃を回避。砕かれた床の破片までは防ぎきれぬものの、その程度は無視を選択した。
「これは倒すの大変そう……」
 動きそのものは鈍重ゆえ、関節や顔面、あるいは岩肌が削れた場所への接触式ボムによる爆破自体は容易に行える。だが、いづなやサリエスの攻撃に合わせ爆破を幾度も試みては見るものの、痛痒を与えている様子はない。
 そもそも、この岩人形には痛覚というもの自体がないのだろう。そう思わせる程度には攻撃に対して碌な反応を見せなかった。破片が削れていることから、少なくともダメージがないということはないだろうが。
「解らないのは面倒だね」
「本当だね」
 ぼやくような言葉に応じたクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)は、自身の放った矢が予想通りその肌に刺さることがないのを確認して小さく舌打ちを零す。他の猟兵の攻撃により生じた隙魔や関節へも射かけてみたものの、たとえ刺さっても関節部までも岩でできていれば関節駆動の阻害も効果は薄く、なればと機会を狙うばかり。
「タイミングを狙って、相手の視界を奪う手立てはあるんだけど」
「その隙をどうやって生むか、だね。翡翠、連携お願いね」
「こういうときばっかり呼ばれるんだから……」
 岩人形は、その質量と膂力から只腕を振り回すだけでも脅威となる。目を覆えば何かしらの手はあるかもしれない、などとは思うもののそこまで近づき、さらにはあれの身体を上るだけの隙をどうやって作るか。
 そう考える二人の前で、岩人形の膝辺りにボムを投げつけ爆破させたのは瑠璃の三人目の姉妹、翡翠。自立人形に意識を宿した奥の手となる三人目の人格は、しかし厄介事の場面でばかり呼ばれるのに仕方なさそうに零す。
 煩わしそうな岩人形の視線が翡翠を捕らえた時、その後頭部に降ってくる雷の槍。百を数えるそれらに打たれれば岩人形とても無視できずにその視線は翡翠から空へと移し、天馬騎士の突撃を片腕で受け止めた。
 岩人形が動き回る空間確保の為か、広いボス部屋にて空を駆ける天馬にまたがる河南・聖(ペガサスナイト・f00831)が槍を構えて行った突撃は岩人形の腕をきしませ、しかしその腕をはじくまでには至らず。押し返される前に馬首を返して天に駆け戻る。
「さすがは石、という事でしょうか。うん、実に硬いですね……」
 アルファから送られてくる空中に仕掛けられたトラップを天馬を操り回避しながら、さてどうしたものかと聖は眼下の状況を見据える。
 彼女が離れたことで再び瑠璃による爆破といづなの水流撃が岩人形に襲い掛かり、クロが権勢を放つ。振るわれるゴーレムの腕は回避するかサリエルが受け止め、カウンターで削っていく。
 今一つ足りない。かといって、空から水なりを叩き込もうにも空中にも存在する罠がそのための集中の時間を与えてくれない。
 立ち止まれば、無作為に暴れる岩人形が起動した罠の洗礼を浴びることになるだろう。何とも迷宮に向いたボス敵というべきか。
「もういっそ、大鉄球とか転がってきてうっかり踏んづけてすっ転んだりしてくれませんかね!」
 ないだろうと思いながらそんな言葉を叫び、再び自分の周囲に【レギオススピア】による雷の邪槍を浮かべて突撃姿勢に入る。意識をどこかに集中させる隙を与えず、確実にその身を削るために。

「……手はなくはないけど、コケるかな」
 ブライニクル、氷の属性の槍を持つ爐璃は耳に届いた声に、やってみようかと手に力を込める。幸いいづなの攻撃により床はかなり水毛があり、砕かれた床の隙間に吸われてるとはいえ凍結させるに足りぬことはない。
 それに、ただの石床よりは水を含んでいる方が滑りやすいだろう。問題はそのタイミングである。前衛が張り付いている状態で、足場となる場所を凍結させてしまうのは猟兵にも危機が及ぶ。シーフの方を向いてみたが、彼に特攻して隙を生み出せと言っても聞いてくれるかどうか。
 何となく爐璃が上を見上げれば、突撃からまた空に駆けあがった聖と目があった。成程、と小さく零す。
「さーん!」
 立てた指は三本。その手に持つ槍が冷気を帯びているのを確認、その意図を理解したアルファがクローネ越しに指示をだし、バルが狙いを果たすために行動を開始する。
「にー!」
 指を一本折る。ここぞとばかりに放たれる水流に、爆撃。また、目の位置を狙った矢が岩人形の意識を下に向けさせ、煩わしそうに腕を上げさせ。
「いーち!」
 不意にその顔面に叩き込まれる雷の槍の乱射。振り上げた腕を空を払うのに用いねばならず、さらに幾度となく繰り返された突撃を警戒するようにゴーレムの視線は空へ。注意から逸れた前衛は素早く岩人形の周囲から距離を取る。
「ぜーろ、っと!」
 ブライニクルを床に突き立てる。石床と、その上の水が一瞬で凍り付いていく。そのまま、前へ。床を凍結させ、凍結した上をすべるように前へ。頭上へと意識を向けていた岩人形がその視線を下に落としたちょうどその時、足元に辿りついた爐璃は周囲の床を凍結させて岩人形の股を潜り抜けていた。
 ついてきていたシーフと共に、潜り抜けた先で岩人形の足へと強打を叩き込む。だが、重量により強引に己の姿勢を保った岩人形の重心を崩すには至らず。されど確かにほんの一瞬、バランスを揺らし。
「よし、ここでもらい!」
 生じた隙に、クロが一跳びで凍結した床を飛び越えて岩人形の身体を駆けあがる。【ゴム体質】により得た軟体の体質でもって岩人形の目隠しとなる。同時、足へと叩き込まれる爆撃と水流の衝撃波。視界を奪われた状態では踏ん張り切ることもできず、岩人形の身体が大きく倒れ行く。
 だが、それでも。たとえ倒れたとしても、そこでじたばたするだけでも床を崩し、罠を起動し、質量の暴力が周囲を護るだろう。あと一手。身動きを封じるあと一手。

「退けぇ!!」

 叫び声に目を覆うように巻き付いていたクロが素早く身を離し、ゴーレムの顔に張り付いたのは一つの仮面。宿主が岩人形へと投擲したそれは、ヒーローマスクと呼ばれる仮面の姿をした一個の意志であり、命であり。本来であれば心を通わせたモノが相手でなければ、かぶせたとしても意味はないもの。
 だが。終焉を齎す者は、バルは、少し事情が異なる。操ることはできずとも。
「ようデカブツ、ちィとばかしオハナシしようぜェ!?」
 【死の舞踏を、共に】と。仮面の意志が、動くなという意思が暴れ用とした岩人形の動きを封じる。生じた空白の期間に、同様にこの隙を狙っていたアルファが駆けよる。罠の位置は把握している。そして、味方が一時的に離れているこのタイミングこそが最大の好機だろう。
「回収、お願い!」
 ただ一人岩人形の顔を覆っていたバルを、アルファと一緒に駆けつけた宿主が回収し。それが遠ざかる足音を耳にしながら、アルファが手に持つトンファーを岩人形へと叩き付け、
「失え、全てを」
 零距離、必要最小限であれば離れた猟兵には届かなかったろうか。生じた轟音、その衝撃が岩人形の前身の接続を一時的に狂わせる。
 停止命令と、振動による不調。二重の行動不能を科せられたならば、それはもはや身動きの一つすらも起こせぬただの岩塊となれはて。

 水流が、爆撃が、雷槍が、光剣が。防御を考えず叩き込まれた総攻撃は岩人形の巨体をすら視認が困難になるほどに。
 だが、それでも。ひび割れ、砕け、巨体にいくつもの死と崩壊の気配を刻み込まれ、質量の脅威を感じさせた影を大きく薄れさせながらも。

 岩人形が手を伸ばし、身を起こす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

雨乃宮・いづな
ココまでやってまだ倒れないんだ?
なら良いよ、君の最後まで付き合ってあげる……!

真の姿の開放継続。
相手の攻撃を「見切り」、「武器受け」で流しつつ接近するよ。
皆の攻撃でボロボロとはいえ、油断せずに行かないとね。
距離を詰めたら「鎧無視攻撃」で全力のユーベルコード『極星・禍津雷槌』を叩き込んであげる。
それでもまだ動く気配が有るなら「2回攻撃」で即座に追撃だよ。

……お利口な停止方法なんて知らないから、全部纏めて吹き飛ばすけど良いよね。
奥の手まで使ったんだから、確実に君を落としきらないと大赤字も良い所なんだよ!


キャナリニア・カルコメラン
幾ら罠に掛かっても知らんぷり、ちょっぴり、かなりズルいでありますな…?
とはいえ、一度に大打撃を受ければさすがに無傷とはいかないご様子。
この機を逃すつもりはないのでありますよ!

とはいえ、無暗に接近すれば拳と罠の餌食。大ぶりの攻撃を回避後に【カウンター】、巨体のひび割れ目掛けて騎士人形の【槍投げ】攻撃であります。【串刺し】にする槍に纏う属性は草、刺さった部分から石の体の内深くに根を伸ばせば流石に動きも鈍くなるでありますか…?
投げた槍は召喚したスクラップで再構築、再投擲。【かばう】【盾受け】で凌ぎつつ他の猟兵様との連携しながら確実にダメージを蓄積させ、チャンスが生まれた瞬間UCを叩きこむであります!


アルファ・ユニ
…しぶといな。あと少し、押し切れれば。でも攻撃手段はユニにはあまりないし…
…こういう敵にも心臓みたいな核があるかもしれない。敵の急所、岩のひびから装甲を砕ける場所を見つけてそこにうまくトラップを当てれば。ポイントを示して攻撃して貰えれば。

ユニは続けて情報収集戦かな…エコー検査再開。今度はダンジョンのじゃなくて、敵の体を分析。小さな歪みも絶対見逃さない。急所を、穴を見つけて他の猟兵に報告する。あとは皆の行動に合わせて罠誘導でも、指揮官でも手伝わせてもらうよ。

…今日だけで頭使いすぎた。終わったらチョコミントが食べたいなぁ。


星乃・爐璃
常時:【ダブル】と真の姿を開放

シーフ:赤毛で長髪、長身のお兄さん
「爐璃が大活躍なのは嬉しいぜ。さて、俺ももうちっと叩き込んでやりてぇんだよなっ!」
盗殺の刃に「風属性」をまとわせ更に加速
「盗み攻撃」や「だまし討ち」で敵を翻弄「2回攻撃」も狙っていく

爐璃:見た目変わらない
「シーフってツンデレな気がする…さて、僕らも行くよ、ブライニクルよろしくね」
ゴーレムに水気があるならそこを凍らせて体積を膨張させることによる岩石の破壊を試みる
というか、岩に切り込むより、破壊力ありそう
どんどん水浸しにしちゃってよ

まずは地形をも破壊するという腕を落としたいな



●我ら猟兵、石兵砕く衝角とならん
 もはや崩壊寸前のその岩人形。手を伸ばし、身を起こす様を見て飛び出した影は四つ。
 青いオーラを纏ったままのいづな、【オルタナティブ・ダブル】を使用しシーフと共に行動する爐璃。そして、キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)が操作する騎士人形。
 ダンジョンのトラップに相応にひどい目にあわされたキャナリアとしても、この戦闘中だけでも岩人形が見せたトラップ無効の巨体はずるいものだと思ったものではあったのだが。
 だがしかしそれも今はさておくべきこと。目の前にいるのはもはやひび割れた岩人形。
「この機を逃すつもりはないのでありますよ!」
 ひび割れた、しかしそれでも当たればただではすまぬと知れる質量をもった腕が振るわれる。受け流すもの、とっさに回避するもの、それぞれで一撃を捌き、攻撃後の隙を狙って隙間を槍で貫く騎士人形、その攻撃を隠れ蓑に短剣で斬撃を加えるシーフ。今までであれば岩の外皮に弾かれていたはずのそれらは確かに岩を削り罅を増やしてその効果を発揮する。
 その間に踏み込んだいづなの大太刀に紫電が宿る振るわんと踏み込もうとした動きは、しかし急制動をかけて咄嗟に退く動きへと取って代わり。いづなが踏み込もうとした空間に振りおろされるのは岩人形の拳。
 その一撃を喰らう訳にはいかぬと、岩人形が咄嗟に取った防衛行動。そして周囲全てを薙ぎ払うように拳が振るわれれば踏み込んでいた猟兵達も一度下がるを得ず。
 確かに効いている。このまま削り切ることも不可能ではないだろう。だが痛覚のない岩人形はもともと鈍重ではあれどその動きが衰えることはなく、削り切るまでに幾度綱渡りをすることとなるか。

 その様を見据えアルファは思考を巡らせる。攻撃を得意とせず、ゆえに岩人形への有効打を見いだせない彼女の選択はやはり調べ、知ること。道中やこのボス部屋内でトラップ探知に用いたエコーを用いて今度はゴーレム自体を調べ上げていく。
 痛覚のない岩人形。だが、それでも何かしらの弱点の一つ、急所、装甲を砕ける場所を……あるいは、核を。そういったものが何か一つでも見つけることができればとエコーの波に、それがもたらす情報に意識を没頭させていく。
 どこかないか。どこか、何処か。クローネの上で指が踊り、詳細に挙げられてくる情報からさらにどこを精密に調査するのかを選択し、音波と妖精による多方観測からデータを洗い出してさらに解析する。
 ――ふと、その可能性が見えた。腕や足、胴の罅に差し込まれる槍や短剣により削られることは厭う様子は見せど受け入れており、その攻撃自体をつぶそうとする様子は見えない。
 だが。その鈍重な体で、何処か鈍い動作で。必ずみぞおちの一角だけは守るように、狙われないようにと立ち回っている、様に見える。
 誘いか、あるいは。逡巡は一瞬。
「……皆、今からユニの言う通りに動いてくれないかな」

 クローネによって繋がれ、共有された情報。その手順に猟兵達は一瞬だけ視線を交わし、頷きあう。
 策がある。おそらくそれが正しいのだろうと皆が信じた。だから。

「さて。もうちっと叩き込んでやりてぇんだよな、付き合ってもらうぜ!」
 駆け出したのは長身の赤毛の青年、爐璃が召喚した己の別人格、シーフ。先ほどまでと同じように踏み込み、拳を振るわせるのを誘発し、その一撃を危なげなく回避する。振るう短剣は風を纏って弧を描きゴーレムの岩肌を削るがそこまで。下がるシーフを追うようにゴーレムが手を伸ばし、その伸びた肘に差し込まれるのは本体である爐璃が持つ槍。それは……。
「ブライニクル、よろしくね」
 かけられた声にドラゴンランスは結果でもって応じる。ひび割れた岩人形のその隙間に入り込んでいるのは、いづなが放っていた水流の水。そして、そこに差し込まれたのはすべてを凍結させる槍。
 水は氷となって膨張し、肘の各所に生じていた罅を急速に広げて繋げる。繋がった罅はさらにその内部にまで影響を及ぼし、そして。
 轟音を立てて、岩で構成された前腕部が床に落ちる。
「よし、腕はもらったよ」
「おぉ、爐璃が大活躍なのは嬉しいぜ」
 シーフの口からこぼれた言葉に、シーフってツンデレな気がする、などとこぼす爐璃。そんな二人の横を駆け抜けた騎士人形が岩人形の膝の罅へと持っていた槍を投げつけ、生じるのは一瞬の硬直。
 だが。騎士人形を操るのがキャナリニアであれば、その隙もまた知っていたタイミング。故に。
「集めて繋げてくっつけて」
 その手に持つのは槍、らしきもの。【廃品改修重撃斬】として召喚されたスクラップをつなげ、紡ぎ、くっつけ合わせて積み上げられたその武器は質量において岩人形の拳に勝るとも劣らぬものを持ち。
 そして、でかいは強い。それは基本であるがゆえに。
「究極の一撃、とくと味わうであります!」
 騎士人形と同じように、同じフォームで投擲される重量の一撃。とっさに残った腕で鳩尾をかばう岩人形は、そうしたがゆえにその一撃の迎撃は行えずに。狙い過つことなく岩人形の足に衝突し、爆発するような衝撃と共に粉みじんに砕く。
 態勢を崩されながらも護ろうとする腕が雷撃を伴った打ち上げにはね上げられる。それは小太刀であっても岩人形の拳を打ち払うほどの破壊力を有する技。先ほど岩人形ですら喰らうことを厭い潰しに来た一撃。【極星・禍津雷槌】。

 そして。いづなが手に持つ太刀は二振り。

「お利口な停止方法なんて知らないから。まとめて吹き飛ばすけどいいよね」
 雷撃が音を立てる。握りしめられた大太刀、その太刀に纏わりつく雷撃はその内に秘めた破壊力を示す様に浩々と輝き。その輝きを目にした岩人形に何をもたらしたのか。
 横振りの一撃が岩人形の鳩尾、その奥に眠る核を捕らえ、確かに砕き――。
「奥の手まで使ったんだから、君を落とし切らないと大赤字もいいところなんだよ!」
 ――叫び声に応ずるように雷光がさらに輝きを増す。破壊の為の、破壊だけの力が込められた一振りを振りぬいた跡。
 残っていたのは、大きく腹を抉りぬかれて機能を停止した岩人形の残骸のみ。

 しばしその残骸をつつき、それが動かないことを確認して喝さいを上げる猟兵達。彼らを眺めて、アルファは疲れたように吐息を零す。その顔に、笑みを刻みながら。
「…今日だけで頭使いすぎたよ。チョコミントが食べたいなぁ」
 零した言葉は誰かに届いたのか。猟兵達の輪に、彼女もすぐに加わっていく……。

●それから
 かくして迷宮に救っていた災魔は討滅され、少なくともオブリビオンによる被害はこの迷宮ではしばらくでないことだろう。
 ボス部屋にあったトラップはそのほぼすべてがもう使えないものとなっていたが、しかし、道中のトラップならばまだ使えるもの、未稼働のものがそこかしこに残っている。

 ……猟兵達が帰還して後に開放されたこの区画は、罠対策を学ぶ者達に載って良い教本となったのかどうか。
 少なくとも悲鳴がしょっちゅう響いたらしいとは、学園で噂になったそうである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月26日


挿絵イラスト