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バトル・オブ・独楽-回転大激突!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●動画タイトル「超!エキサイティン!!」
 ここはキマイラフューチャー。
 キマイラが毎日を自由気ままに楽しく暮らす、まさに楽園とも呼べる世界である。
 今、ここでは現地の住人が遊びに興じていた。
「よし、そこだ! 行け! 行け!!」
「まだだ! まだ終わるな! ……あぁーっ! くそー、負けたぁ!!」
 そして何故かその相手は怪人だった。……それもネコの頭をした。
「ムハハハ! オヌシ、なかなか悪くない勝負であったぞ!」
「始めたばっかりなのに、これってこんなにも熱中出来る物だったんスね! 旧人類の作った物ってスゲーなぁ……」
 勝負に勝って満足げに笑うネコ怪人。
 一方の負けたキマイラ住人も悔しそうではあるが、十分楽しんだと言う顔をしている。
 一体これはどう言う事なのか?それは少し前に遡る。

 ……それはおよそ三十分ほど前。
「そこの住人よ! 待たれい!!」
「えっ、オレ? 何か用で……ってうわぁ!? 怪人だ!」
「反応が遅い! ……オホン、それはどうでもよろしい。今すぐワガハイと勝負せよ!」
 有無を言わさぬ迫力で勝負を迫るネコ怪人。
 …何故かすぐ近くには撮影用のカメラが三脚で設置されていた。
 動画を撮るためである事は分かったが、何故自分が?と言うような顔をするキマイラ住人。
「え、えーと……オレと何をして勝負するので?」
「よくぞ聞いてくれた! 勝負する題材は……これだッ!」
 ババーン!と自ら効果音を口にして取り出したのは……何やら派手なパーツが付いたコマのようなおもちゃであった。
「これは旧人類が熱狂した伝説級のおもちゃ『バトル独楽』である! やり方は簡単! お互いが回した独楽をぶつけ合い、外に弾き出されるか先に回転を止めた方が負け! 簡単であろう?」
「回すのとか、難しくないんスかこれ?」
「ノー! ベリーイージー! 独楽を回すのもこのパーツのおかげで、ほらこの通り!」
 取り付けられたパーツをグイッと手前へ引っ張っただけで、派手なエフェクトに効果音が重なり勢いよく独楽が飛び出した。
 言われた通り、確かに簡単な遊びであるようだ。
「さあさあ、まずはやってみる! むしろやれば分かる面白さ!」
 気付けば何故か既にプレイエリアがセッティングされていた。
 話を聞いている間はそんな物なんて無かったはずだが……多分それは言ってはいけないような気がするので、あえて何も言わないでおく。
 まあ付き合うだけなら、とキマイラ住人はそんな気持ちでネコ怪人との勝負を受けるのであるが……。
 あとはこのまま冒頭へと繋がるのである。

●なお、動画はそこそこの伸びだった模様
 ……なんだこりゃ。
 グリモアベースの一室で先ほどの動画を見ていた猟兵達の中から、そんな素の感想が漏れる。
 そもそもの発端は『キマイラフューチャーの世界で怪人が住人に勝負を仕掛け、勝利する動画で人気を集めて旧人類の凄さを広める事件が発生している』と言うところからであった。
 それで件の動画を見て説明しようとしていたのだが……。

「うん、色々とツッコミたいところはあると思うの。でも、ホントにこういう内容の事件なの……」
 グリモア猟兵であるアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が頭を抱えつつ言う。
 戦闘以外の勝負を住人に仕掛け、そして勝つ。命は取らない辺り、比較的クリーンな気もするが……。
「でも! 実害が無さそうにも思えるかもだけど、旧人類が凄いと思うだけで結果的にオブリビオンの侵略を許してしまう事になるし、その影響でキマイラ住人が敵側に付いてしまうって事にもなりかねないの」
 そうなる前にこの事件を早々に止める必要があるとアヤカは言った。
「と言う訳で! みんなにはこの怪人の挑戦を受けて、それを退けて欲しいの」
 ただし、直接戦闘を行っては現地の住人やらを巻き込んでしまいかねない。ならばこちらも同じ土俵……バトル独楽で戦い、そして勝つしかないとの事だ。
 猟兵が相手であっても敵は勝負を積極的に挑んでくるので、探すまでもなく向こうからやってくるはずだ。
「相手が猟兵と言う事でギャラリーとして近くにいる住人を呼び出し、勝負を断れない空気にしてくる予知が見えたわ。いっその事、それを逆手に取ってキマイラ住人のみんなに猟兵の強さとかかっこよさ?そう言うのを見せて、場を盛り上げるのもいいかもしれないわね」
 なにしろキマイラフューチャーの世界において、猟兵は『怪人をやっつけるめちゃくちゃカッコいいヒーロー』と言う認識だ。
 それが近くに来ているとなれば、一目見ようと(あるいは動画や写真に収めるべく、あわよくばサインをもらおうと)殺到してくるのは確実であろう。
 そして『猟兵相手に戦って勝つ』、これほど単純かつ動画がバズる要素はない……ネコ怪人はそれを利用するつもりなのだ。
 バトル独楽についてはアヤカが詳しい資料などを用意してくれているので、出撃前にある程度予習しておくのもいいだろう。

「それで何度となく敗北を重ね、怪人の心が折れたら逃走するからそのまま追いかけて欲しいんだけど……逃げ切るためならどんな手段でも使ってくるみたい」
 遺失技術で造られた乗り物や煙幕、他色々な何かを用いる可能性は高い。
 それらの妨害などを乗り越え、怪人を追い詰めて欲しいとの事だ。
「怪人はおそらく自分の拠点まで逃げ帰ると思うから、そこまで行けばこの計画を指揮している怪人のボスと遭遇出来るかもしれないの。あとはそいつを倒せば、この事件も解決する……と思うわ。多分、きっと」
 やや歯切れが悪い言い方になるが、ボスを倒せば解決するのは間違いない。
 しかし拠点にいる怪人のボスはかなりの強さであろう。決して油断してはならない。
「正直小さな事件だと思うけど、ここから後に大変な事になる可能性だって否定は出来ないわ。だから今の内に対処しておく必要があるし……」
 なによりキマイラに猟兵の力を改めてアピールするにはいい機会かもしれない。
 そんな訳で怪人をバシッとやっつけてきちゃって!と締めくくった。


NS
 はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
 今年もよろしくお願いします。お正月なのでコマを回して遊びましょう(おもちゃですが)。

●場所
 キマイラフューチャー、その大都市の一角。

●目的
「怪人が住人に勝負を仕掛け、勝利する動画で人気を集めようとする」と言う(なんだかよくわからない)事件が発生しました。
 怪人は猟兵にも積極的に勝負を挑んで来るので、サクッと返り討ちにして逃げ帰る怪人を追跡。そのまま逃げ込んだ拠点に向かい、事件の元凶を叩きのめして下さい。

 補足として、バトル独楽についての説明を。
「旧人類が熱狂した伝説級のおもちゃであり、独楽をシュートすると派手なエフェクトと効果音が出て、独楽同士がぶつかり合う毎に火花が飛び散るエクストリームバトルギアと言う触れ込みで流行した(らしい)遊び。パーツの付け替えで独楽の性能が大きく変化するため、パーツ選択による戦略性も高い」です。
 ベイなんちゃらが凄く派手に超絶進化した物、とイメージをしていただければ分かりやすいかもしれません。
 どう戦うかと言うプレイングがあれば、それを入れてみるのもいいでしょう。
 ただしリプレイを書きやすい内容が望ましいです。

●ご注意
 今回は比較的ネタ方面に走っているため、リプレイ内容も全体的にコミカルになると思われます。
 その辺りをご理解した上でご参加いただければと思います。
 あ、はっちゃけるのはウエルカムですよ!(ただNSはネタテキストを書いた経験はほとんど無いので、ご期待に添えないかもしれませんがそこはご容赦を……)

 では、キマイラ世界で猟兵の凄さを見せ付けてあげて下さい。
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第1章 冒険 『ライバル怪人の挑戦!』

POW   :    勝負を正面から受けて立つ

SPD   :    ワザを編み出す、有利になる情報を掴む

WIZ   :    知恵や口車で勝負自体をうやむやにする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●「街を歩いていたら、怪人がこれから猟兵と戦うから見に来てねと呼び込みをしていた件」(いいね数2460)
 ここはキマイラフューチャー、そのとある大都市の一角。
 ネコ怪人は今日もバトル独楽の相手を探し、荷物一式を背負いつつ街を歩き回っていた。
 この計画はバトル独楽の楽しさを広めると言う意図もあるので、なるべくハマってくれそうな住人に声をかけるべきだろうか、などと悩んでいると。
「や、ややっ!? アレは……猟兵ではないか! 奴ら、何故こんなところに!?」
 遠くから猟兵達が歩いているのに気付いたネコ怪人。
 ふと『奴らを利用すれば計画も大きく前進出来るのでは?』と思い付き、駆け寄る。
「そこの者達よ、待たれえぇぇぇい!!」
 早速来たか、と猟兵達が反応する。
 話の通り、勝負を挑んできてくれたようだ。
「オヌシら猟兵であるな? そうであるな? 今すぐワガハイと勝負せよ!」
 それはバトル独楽でか?と聞くと……
「ほう、あの動画を見たか! ワガハイの事を知っているのならば話は早い! なら勝負を受けると言う事でよろしいか?」
 と、嬉しそうな顔で聞き返す。
 それに対して猟兵達は、受けて立とうと返答した。
「グーーーッド! では……よし、あの場所がいいな。今からあっちでセッティングするので少し待たれよ……」
 そう言うと猟兵達を連れて場所移動し、いそいそと荷物の中から撮影機材やバトル独楽のセットを用意する。
 ネコ怪人はわざわざこれらの物を常に持ち歩いているのだろうか?
 ……それからおよそ20分後、撮影・プレイ環境が整った。

「うむ、こんなところか。えー、カメラチェックよし、ギャラリー用の白線とプレイエリアもよし……。猟兵達もよし、と」
 変なところでマメな性格なのか、細かくチェックを怠らないネコ怪人。
 すると、今度は拡声器を取り出し……
「あー、あー、マイクテス、マイクテス……えー、今そこを通行中の皆さーん! これからワガハイと、たまたまそこにいた猟兵達がバトルしますよー! 対戦内容は旧人類が熱狂した伝説級のおもちゃ『バトル独楽』! これを機に、みんなもやってみませんかー!!」
 ……などと呼びかけた。
 猟兵と言うワードを聞きつけ、住人があっと言う間にどんどん集まってくる。
「マジかよ、この街に猟兵が来てるって!?」「うおお、スゲー! マジで猟兵だ! 本物だ!!」「これからあの怪人と戦うんだよね? キマイラッターで拡散しなきゃ!」「写真撮ったら動画も取らなきゃ! 絶対バズる奴だぞこれ!!」
 そんな感じのキマイラ住人が、興奮したような様子で次々と手持ちのスマートフォンのカメラを向けてくる。
 そして気付けば、あっと言う間にギャラリーで周囲を囲まれてしまっていた。
「ムハハハ! ここまで来たらオヌシらも勝負を受けない訳にはいくまいなあ! ……あ、危ないからこの白線の先には入らないようにねー!」
 策略通りと言う表情でネコ怪人が強気に笑い、更に(そこまでする必要があるか分からないが)ギャラリーへ注意を促す。
 これで後は猟兵相手に勝利すれば計画は完璧だ。……もっとも勝利すればの話だが。
「さあさあ、オヌシらの中で最初にワガハイに挑む勇気のある者は一歩前に出てくるがよいぞ!」
 果たして誰が最初にネコ怪人に挑むのか?
 そのファーストチャレンジャーは……!
テリブル・カトラリー
POW

「なら、私がやろう。」

そう宣言し、バトル独楽を手に怪人の前に立つ。
宣言以降、一言もしゃべらず怪人に向き合い、
高い背も利用して怪人を威圧。

心境(ああぁぁ!、なんでこんな、こんな目立つ事をやろうと…!
うぅ…恥ずかしい…マスクが無かったら絶対耐えられない!
動画もとってるし!!楽しそうだなーとか、
一時の気の迷いってホントコワい!)

怪人がうろたえようがどうしようがそのまま独楽を回す姿勢に入り
私のペースで勝負に入るよう促す。
技は難しい。私はただ、パーツを力強く引いて独楽を回すのみ。

勝負に勝ったら独楽を持つ手を高らかに上げギャラリーにアピール
(でも、こんな平和で楽しい事なら…またやってもいいかな…?)



●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第一戦:VSテリブル
「なら、私がやろう」
 そう宣言した一人の猟兵が、ザッと前に出る。
 最初のチャレンジャーはテリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)だ。
 一見して男性と間違われる風貌ではあるが、女性である。
「ほう、オヌシが相手か!よろしい、勇敢な戦士よ。名を聞こうか!」
「……」
 問いかけには何も答えないテリブル。
 彼女の意図を素早く察したか、ネコ怪人が続ける。
「……フッ、黙して語らずか。よかろう……バトル独楽を取るがよい!」
 静かに頷くと、テリブルは用意された独楽を手に取った。
 そして、その高い身長を生かしてネコ怪人を睨んで威圧する。
 彼女の寡黙ぶりに、ギャラリーから熱い視線が向けられる。
「すげえ……なんて言うかクールだ」「あの無口なところがシビれるわ……」「なんか影のある戦士って感じあるよな」「どんな戦いをするんだろう?」
 そんな話し声が周囲から聞こえる。
 バトルを前に平静を装っているテリブルではあったが……

(ああぁぁ!、なんでこんな、こんな目立つ事をやろうと…! うぅ…恥ずかしい…マスクが無かったら絶対耐えられない! 動画もとってるし!! 楽しそうだなーとか、一時の気の迷いってホントコワい!)
 …などと、内心は既に顔から火が出そうなくらいテンパっていた。
 そう、彼女は実は照れ屋だったのだ! 一時の気の迷いでこのバトルに名乗り出てしまった事を少しだけ後悔しているのだが、ここまで来て今更後に引ける訳もない。
(ううぅぅぅ……こうなったらなるようになれだ!)
 覚悟を決めて独楽を回す姿勢に入る。
 一方のネコ怪人は、彼女の威圧に少し気圧されている感じであった。
「で、では始めるぞ。準備はよろしいか?」
「……ああ」
 しかし、あくまでも冷静を装うテリブル。
 最低限の遊び方は出撃前に軽く予習はしてあるが、本当に最低限レベルだ。
 出来る事はパーツを力強く引いて独楽を回すのみ。
 パワーであれば、少なくともこちらの方が上回っているはずだ。
「3、2、1…シュート!」
 ネコ怪人の開始の掛け声と共に、二人が同時に独楽を射出する。
 ズッギュゥゥゥゥゥン!と言う派手な効果音が鳴り、独楽同士が激突!
 一回、二回、三回……激しく火花を散らし、ぶつかり合う独楽と独楽!
 しかし、射出パワーにおいては圧倒的に劣っているネコ怪人の独楽が勢いを失い、次第に回転力を失っていく。
「う、うぬぅぅぅぅッ!?ま、まだだ……まだ止まっては……!」
 ネコ怪人の必死の叫びも虚しく、先に自分の独楽が回転を止めてしまった。
「……勝負あったな」
 クールに言い放つと、独楽を持つ手を高らかに上げギャラリーにアピールするテリブル。
 その姿にギャラリーからは歓声が一斉に上がる!
「第一戦は猟兵の勝ちだァーッ!」「うおおぉぉぉーッ!!」「パワーで押し切った! こいつはワイルドだぜ!!」「カッキェーッ!」
 ギャラリーからはテリブルを称える声で埋め尽くされる。
 そんな中で、彼女は……
(あああぁぁぁ……やっぱり恥ずかしい! でも、こんな平和で楽しい事なら…またやってもいいかな…?)
 ……と、恥ずかしさのあまり爆発しそうではあったが、割と満更でもない様子であった。
 ただし、あくまで平静を装うのを忘れずにではあるが。

「くっ、さすがは猟兵!やってくれるではないか……だが、それでこそよ!」
 初戦を落としたネコ怪人はショックを隠し切れない様子ではあるが、まだまだ余裕そうな表情を見せている。
 まずは猟兵側の一勝目を飾る事に成功したテリブルは、次のチャレンジャーにタッチするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリーアン・ベル
【SPD】
おおっと、なんか面白そうなことやってるっスね!?その勝負、受けて立つっス!
いざ尋常に、GO!シューーートッ!っス!

パーツを極限まで軽量化したバトル独楽を使うっスよ!
超回転しながら浮き上がる軽量ボディが……えーっと、なんか上昇気流?みたいなのを巻き起こして、多分……小さな竜巻を発生させるんっス!そのまま怪人の独楽に突進して吹き飛ばすっスよ、うん!
効果音も暴風とか雷とかなんか災害系のヤバイ音っス!
「行っけえぇ~っス!ドラゴニック・サイクロン!!」(※技名らしい)

自分に目ェ付けたのがあんたの運の尽きっス!
圧倒的パワーの前にひれ伏すが良いっス!フゥハハハハハー!(カメラ目線で勝ち誇った笑い)



●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第二戦:VSリリーアン
「では気を取り直して第二戦と行こうか! チャレンジャー、出てこいや!!」
「その勝負、受けて立つっス!」
 テリブルとタッチして現れた次なる挑戦者は、リリーアン・ベル(ドラゴニアンのスクラップビルダー・f10817)であった。
「ふむ、次はオヌシか。では名を聞こう! 名乗るがよい!!」
「自分はリリーアン、リリーアン・ベルっス!」
「よろしい! ではリリーアンよ、独楽を取れい!」
 しかし、ネコ怪人の用意したテーブルの上に置いてある独楽を取らず、リリーアンはポケットから自分の使う独楽を取り出した。
 極限まで肉抜きを施した、軽量最重点のカスタム独楽である。
「おーっと、自分はコレで行くっスよ!」
「ぬうッ!? それはマイ・独楽!! ……オヌシ、もしやバトル独楽をやり込んでいるな!?」
「答える必要はないっスよ」
 ニヤリと答えるリリーアン。
 スクラップビルダーである彼女は、出撃前に仕入れた独楽を独自に改造した物を持参してきたのだ。
 この手の改造はお手の物と言う事なのだろう。
「自分で使う独楽を用意してきたのか……」「猟兵ってなんでも出来るんだなあ」「確かに凄いけど、あれだけ軽そうな独楽で大丈夫なのか?」「でも猟兵ならやってくれるって!」
 ギャラリーからは期待と不安が入り混じったような声が聞こえてくる。
 その一方でネコ怪人はリリーアンの持参した独楽を観察する。
「ふむ、壊れない程度にまでチューンをするとはオヌシの腕前、只者ではないな。……しかし、そこまで軽量化をしては、ワガハイの独楽に弾き飛ばされるだけでないかね?」
「んな事ぁやってみなきゃ分からないっス! さあ、さっさと始めるっスよ!!」
「フッ、それもそうか。では参るぞ!3、2、1……」
「シュート!」
 二人の独楽が射出される。
 軽量化済のリリーアンのカスタム独楽の方が射出速度は速い。
 しかしその軽さ故、衝突する度に大きく弾かれてしまっている。
 このままでは力負けしてしまうのでは? ギャラリーからはそんな不安が過ぎる。
 しかし……

「こ、独楽が浮いているだと……!?」
 真っ先に異変に気付いたのはネコ怪人だった。
 超回転しながら浮き上がる軽量ボディが少しずつ浮かび上がり、小規模の竜巻を発生させているではないか!そしてそれは衝突の度に少しずつ強化されていき、発せられる効果音も暴風と雷鳴が轟くと言う、それはまさに小さな暴風圏!プレイエリアを荒らし回る大災害!!
「行っけえぇ~っス!ドラゴニック・サイクロン!!」
 リリーアンの叫びに呼応するかのごとく、ネコ怪人の独楽を派手に巻き上げる!
「にゃ、にゃんとぉぉぉぉぉぉーーーーーッ!?」
 信じられない物を見たような表情となったネコ怪人が最後に見た物は、そのまま竜巻に吹き飛ばされ、大きく場外へと弾き飛ばされた自分の独楽であった。
 もはや言うまでもないが、決着は付いた。
「自分に目ェ付けたのがあんたの運の尽きっス! 圧倒的パワーの前にひれ伏すが良いっス! フゥハハハハハー!」
 圧倒的な勝利を見せたリリーアンが勝ち誇ったかのように撮影用カメラの前に立ち、高笑いする。
 そしてその勝利を目にしたギャラリーからは、再び歓声が巻き起こる。
「これで猟兵の二連勝だァーッ!」「おいおい、あんなのってアリなのかよ……!!」「おねえちゃんかっこいいー!!」「リリーアン! リリーアン!!」
 いつしかリリーアンコールまで巻き起こる始末。
 当の本人も誇らしげな顔でギャラリーに応えている。
「りょ、猟兵め……まさか、ここまでやるとは……」
 そしてネコ怪人は連敗のショックに加え、まさかあれだけの独楽チューン技術を持った者がいた事に驚愕せざるを得なかったようだ。
 これで猟兵側の二勝目……圧倒的勝利で勢いを付け、更にネコ怪人の心を折るべく次なるチャレンジャーと交代するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
【SPD】
わたしみずからがでる!

アヤカにもらった資料は読めないから5秒で破って捨てといたぜ!
その場で殴られた!痛かったぞ!
おのれ怪人!この痛みをすべてお前にぶつけてやる!(素敵ポーズビシッ!)



私のターン!

ここにかっこいいバイクを召喚!
ユーベルコード使用!戦闘モード!戦闘能力アップ!
これをさかさまにセット!アクセルフル回転!
最大戦速で空転するタイヤに独楽を引っかけるぜ!


すると最大戦速回転でコマが回っ…(独楽に手が巻き込まれる


ライフを犠牲に独楽に私ごとふりまわされて新技ジャイアントスイングツイスターあああああ!?(残像・吹き飛ばし・騎乗・恐怖を与える)
さああかかってこおおおい!
私が死ぬ前になああ!



●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第三戦:VSベルベナ
 ここまで猟兵側の二勝目と言う形で進んでいるバトル独楽対決。
 ギャラリーは既に大盛り上がりであるが、一方のネコ怪人は本来の計画を進められずに焦りを感じていた。
 戦闘以外の方法でなら勝てるとばかり思っていたのだが、まさか自分の得意なバトル独楽ですら勝てないとは……猟兵がここまで強いとは全く予想もしていなかったのだ。
「す、少し心が折れそうだがワガハイは負けておらぬぞ! 次の挑戦者よ、ワガハイの前に!」
「わたしみずからがでる!」
 リリーアンとタッチしてやってきたサードチャレンジャーはベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンの剣豪・f07708)、竜の頭が特徴のドラゴニアンである。
「次はオヌシか! よし、では名を聞こうぞ!!」
「私はベルベナ・ラウンドディー、いざ尋常に勝負!」
「うむッ! ではベルベナよ、独楽を取るのだ!」
 言われるがままに独楽を手に取るベルベナ。
 そんな中で、彼は出撃前の事を思い出していた……。

 出発前、みんなで回し読みするようにとバトル独楽の資料を最初にアヤカから渡されていたのだが……読めないからと言う理由で五秒で破って捨てたのである。
 資料の紙束はこれしかなかったため当然のごとくアヤカに怒られて、その場で斜め四十五度のチョップを叩き込まれてしまったのだ。
 サイボーグボディから繰り出された一撃は、割と痛かった。
 ……ところで、この扱いは色々な意味で大丈夫なんですかね?

「おのれ怪人! この痛みをすべてお前にぶつけてやる!」
 突然、素敵ポーズをビシッ!と決めてネコ怪人に宣言するベルベナ。
 要するに、単なる八つ当たりである。
「えっ!? い、いきなり何事!? ワガハイまだ何もしてないよ!?」
 いきなり謎の宣告を受けて戸惑うネコ怪人。そりゃそうだ。
「こっちの話だ。さあ、始めるとしようか」
「う、うむ。では……3、2、1」
「おっと忘れてた。カモン、V-RAXX!!」
 ベルベナが思い出したように、愛用の宇宙バイクを呼び出す。
 走破性能を重視したイカした青い強襲型宇宙バイクだ。
「おお、青いバイクだ!クール!!」「あれって猟兵が愛用してるバイクなんだよな?」「どこ行けば同じ物買えるのかなあ」「あの竜の頭の兄ちゃん、バイクでどうするつもりなんだ?」
 バイクに対する感想がギャラリーから集まる。
「えっ、バイク? ちょっと待って、それで何するの?」
 唐突にバイクを出した事に困惑するネコ怪人。そりゃそうだ(二度目)。
「私のターン! ここにかっこいいバイクを召喚! ユーベルコード使用! 戦闘モード! 戦闘能力アップ! これをさかさまにセット! アクセルフル回転! 最大戦速で空転するタイヤに独楽を引っかけるぜ!」
「「「「「え、えぇぇぇぇぇーーーッ!?」」」」」
 その一連の無茶苦茶な行為にネコ怪人はおろか、ギャラリーからも驚愕の声が上がる。
「すると最大戦速回転でコマが回っ……」
 独楽に手が巻き込まれる。あっ、これアカン奴だ。
「ライフを犠牲に独楽に私ごとふりまわされて新技ジャイアントスイングツイスターあああああ!? さああかかってこおおおい! 私が死ぬ前になああ!」
「そんなのアリかあぁぁぁぁーーー!?」
 残像、吹き飛ばし、騎乗、そして恐怖を与える四重奏の独楽がネコ怪人を襲う!
 恐怖の形相を浮かべたネコ怪人はそれに立ち向かうのであった!!

 ……まあ、結論から言うとネコ怪人の独楽は一瞬で粉砕されました。
 しかし、ジャイアントスイングツイスターは文字通りベルベナのライフを犠牲にしており、ようやく止まった彼自身も満身創痍と言う有様だったのです。
「ははは、まあ勝ったからいいじゃないの」
 彼はそんな事を満足げ(?)な顔で口にしていたのでした。
 ……いいのかなあ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

中村・裕美
●知恵や口車で勝負自体をうやむやにする

「……あら?…貴方も……あの動画で…始めたクチ?…バトル独楽」
それに怪人が自慢げにしたら
「…違う違う。……猟兵の配信した…この動画」
猟兵が配信していたバトル独楽の動画(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=884の一章の最後の方)を流す
どちらが先かは実際どうでもいいが、投稿日付などで不利な情報はハッキングで予め改ざん
目的としては、怪人も猟兵の広めたブームに乗っかっただけで、あまりすごい奴じゃないことをアピール
「…乗っかって広めただけだから……さぞ楽でしょう」
とパクリ呼ばわり
「…正しいと思うなら…実力で示しなさい」



●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第四戦…?:VS裕美
 第三戦の後、一時的にプレイエリアの仕切り直しが行われる事となった。
 ベルベナが文字通り巻き起こした嵐で、割とひどい事になってしまったためだ。
 ただ、ギャラリーにはケガ人が一人も出ていないのが奇跡だったとも言えよう。
 もしかしたら、彼はその辺りの事を考えていたのかもしれないが……。
「……と、とりあえずこんな物か。予備の独楽もいくつかあったし、これで再開出来るな」
 なんとかプレイエリアと撮影環境を元通りに修復し終えたネコ怪人が一息つく。
 そして拡声器を手に、ギャラリーへと呼びかける。
「皆さんお待たせしました、これより第四戦を再開したいと思います!」
 それを聞き、ギャラリーからは歓声が上がる。

「さあ、第四戦と行こうぞ! 次のチャレンジャーよ、ワガハイの前へッ!」
「……ちょっといいかしら?」
 ふと、一人の猟兵……中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が挙手する。
「む、次はオヌシか?」
「その前に聞きたい事があるわ。…貴方も……あの動画で…始めたクチ?…バトル独楽」
「おうともよ、ワガハイの……」
「…違う違う。……猟兵の配信した…この動画」
 そう言うと、裕美はとある動画を流す……猟兵が配信していたバトル独楽の動画だ。
 ご丁寧に、ギャラリーにもよく見えるように表示している。
『ボクが紹介するのはこの、バトル独楽!』
『バトル独楽!なんだか面白そうなのよさ!』
 動画に出演している猟兵二人が紹介している物であったが、確かにバトル独楽である。
 内容も分かりやすく説明されている辺り、動画としての出来もなかなかと言ったところか。
「え……? え?」
 まさか自分より先に動画のネタにしてる者がいた事に困惑するネコ怪人。
 ……あ、これメタな話なんですが、このリプ書いてる時に初めてそれに気付いてブッたまげました。マジかよ。

「…乗っかって広めただけだから……さぞ楽でしょう」
 ぼそりと裕美が呟く。
 怪人も猟兵の広めたブームに乗っかっただけで、あまりすごい奴じゃないことをアピールするのが彼女の目的である。
 まあ、どちらが先かは実際どうでもいいが、投稿日付などで不利な情報はハッキングで予め改ざん済と用意周到だ。
「え、バトル独楽って猟兵が元々広めてた奴だったのか?」「まさか流行に先んじているとは……さすが猟兵だな」「て言うか、あの怪人結局やってる事は丸パクリって事?」「うっわー、セコいなぁ……」
 ギャラリーの間からも、ネコ怪人に対する不信感が向けられる。
 動画と言う明確な証拠がある以上、弁明は難しいだろう。
「ちょ、ちょっと待て……ワガハイはそもそも……」
「…正しいと思うなら…実力で示しなさい」
「はぐあッ!?」
 裕美の鋭い一言がネコ怪人の心に突き刺さる!
 勝負自体は有耶無耶になってしまったが、これはある意味裕美の不戦勝である。

 ここまで来て、ネコ怪人の心は大分折れつつある。
 畳み掛けるなら今しかないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

常盤・はがね
★思考
また性懲りも無く旧人類がやってきたね
コテンパンにやっつけて世界から追い出してやる
そのために必要なのは強いバトル独楽と必殺技だね!

★行動
【SPD】で《情報収集》して
コンコンコンで強いバトル独楽探し
昔作られてた物なら探せばきっとあるはずだ
レジェンドのバトル独楽が!
それに加えて必殺技を準備しよう
【スカイステッパー】に《ジャンプ》で上空へ駆け上がる!
位置エネルギーを利用した射出によりパワーアップ!
天空からの強力な一撃だ!
これで勝つ!

アドリブなどなど大歓迎です


ネミ・ミミーニーズ
フフフ……。
無差別バトル独楽級で伝説と言われたネミさまを差し置いてバトルを始めるなどと。

説明しよう!
無差別バトル独楽級ではあらゆる追加パーツと道具が使用可能だぞ!
というわけでこのバトル独楽スイッチくん2号(という名のガジェット)を持ち込もう。

このガジェットの上に独楽をセットすると、独楽の重みでいろんなスイッチが動いて、少しづつ独楽がプレイエリアまで進んでくっていうすごく動画映えするガジェットなのだ!

まーその実態は回転数維持しつつすごく時間かけて独楽を到着させることで弱った相手の独楽を狙うずるい装置です。
でも独楽の動きが楽しいのでお子様に大人気間違いなし。



●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第五戦:VSはがね
 ここに来てネコ怪人の心は大分疲弊しつつあった。
 度重なる連敗、そして先ほど裕美から投げ付けられた痛烈な言葉……
 最初の頃の余裕はどこへやらである。
「つ、次の挑戦者……来るがいい!」
 もはや涙目ではあるが、それでも挑戦をやめない辺りはまだ心が折れていないようだ。
 結局は猟兵相手に一人でも勝てばいい、そうすれば計画は進められる。
 それだけが戦う原動力となっていた。
「それじゃあ、ボクが相手になるよ!」
「次はオヌシか。では、名を聞こうぞ!!」
「ボクは常盤はがね。コテンパンにやっつけて世界から追い出してやる!」
 続いてやってきたのは常盤・はがね(@生存中・f00829)であった。
「よし、では独楽を……」
 ネコ怪人が言うよりも早く、はがねはポケットから自身の使用する独楽を取り出した。
 彼女もまた、マイ・独楽を用意していたらしい。
 しかし、それを見たネコ怪人が真っ先に反応した。
「ゲエェェェーッ!? そ、それは幻のレジェンド級バトル独楽、『天下無双』ーーーッ!?」
 虹色に光り輝くボディの独楽……元々はプロモーション用として極少数が生産された独楽であり、その性能は『普通にやりあうならノーマル独楽はパーツを厳選をしなければ勝てない』ほどであったと言う。
 それ故に通常の対戦では禁止独楽に指定されていたとかなんとか。
 何故はがねがそれほどの物を持っていたのか、それはこの世界に転送された直後の事であった。

 相手をコテンパンにして勝つには、強い独楽と必殺技が必要不可欠と考えていた彼女はその足を生かしてあちこちをコンコンして回り、レジェンド級バトル独楽を探し回っていた。
 昔作られた物であれば、そう言う物があるはずだと踏んでいたのだろう。
 そしてネコ怪人と遭遇する直前、偶然にもそれを引き当てる事が出来たのだ!
 なんたる幸運か!!……しかし、それだけでは完璧とは言えない。
 そこへ更に必殺技も加えるつもりなのだ。
 その事を知らないネコ怪人はまさに不幸とも言えよう。

「レ、レジェンド独楽が相手でもワガハイが勝てばいいだけの事よ! では行くぞ……3、2、1」
「シュート!」
 その開戦の合図と共に、はがねが飛び上がる。
「猟兵が飛んだ!?」「な、何をするつもりなんだ!?」「空中からシュートをする気か!?」
 ギャラリーの目がはがねへ一斉に向けられる。
「レジェンド独楽の性能、そこへスカイステッパーの威力をかけて十七倍!……更にここから叩き込めば……」
 スカイステッパーで空中を計十七回蹴り、天空からの強力な一撃を叩き込む。
 位置エネルギーを利用した射出により、威力が強化されたそれはまるで流星のごとく落ちていく!
「これがボクの……天下無双だぁーーーッ!!」
 レジェンド級の独楽に必殺技が加わったそれは、その名の通り天下無双!!
 直撃と同時にプレイエリアへ衝撃波が走る!!
「ギニャーーーッ!?」
 そして独楽と共に(何故か)大きく吹き飛ばされるネコ怪人!
 結果は瞬殺であった。
「猟兵がまたまた勝ったァーッ!!」「こんなスゲー技を生で見る事が出来てよかったーッ!」「今の必殺技、上手く撮れてたかな? 急いでキマイラチューブに上げないと!」「やっぱり猟兵は無敵なんだね!!」
 はがねの必殺技にギャラリーは大興奮!
 今、この瞬間にその様子を撮影した動画がいくつか上げられ、物凄い勢いで再生数が伸びているであろう。

「く、くそぉ……あんな独楽出された上に必殺技とかワガハイ勝てる訳ないじゃん……!」
 そしてネコ怪人はもう泣きそうになっていた。

●迎撃!ネコ怪人の挑戦!-第六戦:VSネミ
「……ってよく考えたら後半戦、無差別級バトルになってるではないか! であればワガハイもそうさせてもらうぞ!!」
 今更気付いたのかこいつ。
 と言うかこれまでの流れを見ると無差別と言うより、もはやなんでもありな気もするが……
「フフフ……。無差別バトル独楽級で伝説と言われたネミさまを差し置いてバトルを始めるなどと」
 その言葉を聞き、ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)が前に出る。
「む? どこだ? 今どこから声が……」
「ここよ、ここ!!」
「どこだ? どこ……え、そこにいたの!?」
 言われてようやく気付いたネコ怪人。
 ネミはフェアリーであり、その身長は24センチ弱である。
「次の挑戦者はあの子なのか?」「小さい……可愛い……」「あの子も猟兵なんだ。色々な人がいるんだなあ」「でも、どうやって戦うんだ?」
 ギャラリーからは様々な声が聞こえる。
 しかしどうやって戦うのか、と言う事はネコ怪人も同じ事を思ったようだ。

「オヌシが次の相手と言うが……その、大丈夫なの? 出来るの?」
「バカにしないでよ! 無差別バトル独楽級、知ってるでしょ?」
「お、おうともよ! なかなか通なところを知っているではないか!」
 説明しよう!
 無差別バトル独楽級ではあらゆる追加パーツと道具が使用可能であり、ルールに抵触しない物であれば何でも使えるのだ。
 それ故に、一回辺りのバトルタイムが長引く事もよくあったらしい。
「と、言う訳で私はこのバトル独楽スイッチくん2号を使うわ」
 既に自分の使う独楽にセット済みのパーツだが、実際のところは彼女が用意したガジェットである。
 だが、ネコ怪人はそんな事を知るはずもない。
「ほう、未知のパーツのようだが……よろしい、ワガハイもセットしようぞ!」
 装着を許可したネコ怪人も、自らの独楽にとっておきのパーツをセッティングする。
 程なくして、双方の準備が完了したようだ。
「グフフ、無差別級ともなればワガハイの独壇場よ。ここで勝ちを拾って、計画を進めてやるわ!」
「無差別級で伝説と言われたネミさまに勝てるかしら? それじゃあ……3、2、1」
「シュート!」
 二つの独楽が射出される。
 ……しかし、ネミの放った独楽は実にスローな速度でゆっくりとプレイエリアの中央へと進んでいく。
 それはまるで牛歩とも言えるような速度である。
「……えっ、遅っ!?」
 激しくぶつかり合う事を期待していたであろうネコ怪人が、その遅さに驚く。
 バトル独楽スイッチくん2号(という名のガジェット)は、『これをセットした独楽の重みでいろんなスイッチが動いて、少しづつ独楽がプレイエリアまで進んでいく、すごく動画映えするガジェット』である。
 ……しかし、その本当の狙いは回転数維持しつつ、『すごく時間かけて独楽を到着させることで弱った相手の独楽を狙う』と言うあまりにもこすい装置でもあったのだ!
 まさに勝てばよかろうなのだ理論!
「ちょっとォー! 遅すぎてまだぶつかり合ってないじゃんー!! もっとこう、激しいバトルをさぁー!!」
 ネコ怪人が抗議の声を上げる。
「そもそもこれは無差別バトル独楽級よ? 今使ってるのは違法パーツでもないし、ルール上は問題ないと思うけど?」
「ぐ、ぐぬぬぬ……」
 ネミの発言に反論出来ないネコ怪人。
 既に勝負を受諾してしまった以上、今更取りやめる事は出来ない。
「わー、こまがのそのそうごいてるー!」「おもしろいなぁーん」「なぁーん!」「なぁーん!」
 その一方で、ネミの放った独楽の動きに魅了されているギャラリーの子供達。
 ある意味、彼らを味方に付けたとも言っていいのだろうか。
 ……やがて、回転力の落ち始めたネコ怪人のコマにようやくプレイエリア中央部に辿り着いたネミの独楽が二、三回ぶつかり、回転を止めさせた事でネミが勝利した。
「……はい、私の勝ち。これがネミさまの実力よ?」
 しれっと勝利宣言するネミ。
 猟兵側の全勝である。
「うおおぉぉ、これで猟兵の完勝だ!」「猟兵は小さくても強いんだ!スゲーぜ!!」「強くて可愛いとかもう最強じゃん!」「イェーガー!イェーガー!」
 再びギャラリーが沸く。
 何度となく猟兵の凄さを生で見る事が出来て、既に熱狂状態である。
 この場にいないキマイラ住民は、後で「全てを投げ捨ててでも見に行けばよかった」と言うであろう。

「……」
 そして猟兵の凄さを演出するダシにされたネコ怪人は完膚なきにまで完敗し、真っ白に燃え尽きていた。心も完全に折れてしまったようだ。
 かくしてネコ怪人の挑戦を完全に退ける事に成功した猟兵達であったのだが……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『怪人を追え!』

POW   :    とにかく全力で追いかける

SPD   :    ルートを読んで事前に罠を仕掛けておく

WIZ   :    話しかけて注意をひく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●33-4

 -前回のあらすじ-
 ネコ怪人は自らの計画のために得意のバトル独楽で猟兵に勝負を挑んだが、割とあっさり返り討ちに遭った。

 ちーん……。
 今のネコ怪人を表すのなら、こんな音であろうか。
 ネコ怪人は失意体前屈(文字で表現するならorz)の体勢のまま、燃え尽きていた。
 こんなはずではなかった……本来想定していた物としては、猟兵相手に華麗に(もしくは善戦を相手に演出させた上で)勝利。
 そしてギャラリー大沸きからの動画バズりまくり……と、こうなるはずだった。
 だが結果はどうだ? 気が付けば猟兵の完勝、ネコ怪人の大敗と来た。
 ギャラリーは大いに沸いたが、本来の目的が全くと言っていいほど達成すら出来ていないので、計画倒れもいいところだ。

「猟兵やっぱスゲーッ!」「すいませーん、カメラ目線くださーい!」「あ、握手いいですか!」「ツーショットお願いしたいです!!」
 キマイラ住人は生で見る猟兵の凄さに魅了されて、既にその場で撮影やら握手会の列が出来ている。
 そして猟兵達はその対応に追われていて、ネコ怪人は既に蚊帳の外であった。
 ……もはやこうなっては、やるべき事は一つしかない。
 ネコ怪人は静かに立ち上がると、撮影用のカメラとバトル独楽のプレイエリアの撤収を始める。
 そして10分ほどかけて片付けを終えると……
「聞けい猟兵共よ! オヌシらはこれで勝ったと思ったろうが、ワガハイはまだ負けておらぬ! よって今日のところは痛み分けだ!!」
 などと一方的に宣言し……
「また会おう、猟兵と住人の諸君!!」
 それだけ言うと脱兎のごとく逃げ出した。
 いや、ネコ怪人だけど! そしてネコなだけあって逃げ足だけはやたらと早い!!
「あっ、あの怪人逃げたぞ!」「みんな、猟兵の人達の邪魔しちゃいけないから一度解散して!」「ああっ、もう少しでオレの番だったのに!」「あたま、なでなでしてほしいのです」
 様々な声が入り混じる中で住人が自主的に列を解散させると、猟兵達に道を開ける。
 出撃前のブリーフィングでは、大敗して心が折れたネコ怪人は拠点へ逃げ帰るとの事なので、急ぎ追跡を行われなければならない。
 一行は後ろからの大歓声を背に受けつつ、第二ラウンドである追跡劇が始まった。

 別に魚は咥えてないネコ怪人を追いかけ、裸足じゃないけど街を駆ける愉快な猟兵の目的は、怪人の拠点を見つける事である!
ベルベナ・ラウンドディー
さっきの独楽試合で私を疲弊させるばかりでなく同時にバイクの燃料まで空にさせるなんて…!
…なんて策士だ!


SPD
かくなるうえは先回りをして罠にはめるべし
【追跡・見切り・地形の利用】…で経路を見極め、先回りして足止めする
心理戦を仕掛けて困惑させるくらいは出来るだろう…




1 ヘイ怪人!そこの突き当りのソバ屋が美味いって評判だぜ!
2 あーっと!こんなところにマタタビがあ!
3 そこのイケメン!…あーこっち向いた!自分イケメンだと思ってるんだー!だせー!
4 (柱の陰で)止めてアヤカさん!僕にはネコ怪人さんが……んっ……///
  (↑不在をいいことに調子に乗っている)


ふっ…戸惑うがいい…!
その一瞬が命取りだ!



●追跡!ネコ怪人を追え!-おちょくる者とおちょくられる者
「さっきの独楽試合で私を疲弊させるばかりでなく同時にバイクの燃料まで空にさせるなんて…! …なんて策士だ!」
 ネコ怪人が逃走したのを見たベルベナがそんな事を口にする。
 ……いや、疲弊とか燃料切れの原因はそもそもあんな無茶な戦い方をしたからなのではないだろうか?
 割とギャラリーも危ないところではあったが、スリルを求める者達もいたため(案の定)大盛り上がりではあったけども!
 しかしこのまま逃げられる訳にはいかないため、真面目に追跡を行う事にする。
 ベルベナは先回りして罠にはめるべく、追跡・見切り・地形の利用で経路を見極め、先回りして足止めに向かうつもりのようだ。

(心理戦を仕掛けて困惑させるくらいは出来るだろう…)
 そんな事を思いつつ、ルートを予測して先回りする。
 さすがにふざけてもいられない、と言う事なのだろうか。
「……ハァ、ハァ……さ、さすがにここまで来れば撒いたか?」
「ヘイ怪人! そこの突き当りのソバ屋が美味いって評判だぜ!」
「えっ、どこ!? どこ!?」
 先回りしたベルベナの呼びかけに反応して辺りを見渡すネコ怪人。
 そのままルートを変えてソバ屋を探しに走ってしまうではないか。
「……あれ、ない? ソバ屋どこ……?」
「あーっと! こんなところにマタタビがあ!」
「にゃにぃぃぃーーーッ!? どこだ!? どこだーーーッ!?」
 更に言葉による追撃を仕掛けるベルベナ。
 悲しいかな、ネコの遺伝子を持つ(?)怪人故に、マタタビと言うワードには反応せざるを得なかったらしい。
 ネコ怪人は必死に周囲を探し回る!
 ……逃げる事は既に頭から消えている辺り、この怪人大分バカである。
「そこのイケメン! …あーこっち向いた!自分イケメンだと思ってるんだー! だせー!」
「ぬがーーーッ!? オヌシ、さっきからワガハイをおちょくってるのかーーーッ!!」
「うわははははー! そ・う・だ・よー!!」
 ネコ怪人に挑発をかまして逃げるベルベナ。
 そして、ようやくおちょくられていた事に気付いたネコ怪人がキレる!
 もっとも、こいつがキレたところで戦闘力はその辺のザコ怪人よりも弱いため、まともにやりあって勝てる訳もないのだが。
 怒りで我を忘れたネコ怪人は、逃げる立場から追う立場に変わった。

「……ええい、あの竜頭の猟兵はどこへ消えた……!」
「……っ……」
「むむ!? そっちか!」
 うっすら声の聞こえる方へと足を向けるネコ怪人。
 すると柱の影から……
「止めてアヤカさん! 僕にはネコ怪人さんが……んっ……///」
「ファッ!?」
 何かいかがわしい声が聞こえてくるではないか!
 と言うかアヤカがいないのをいい事に、このドラゴニアンやりたい放題である!
 多分そんな状況になったらアヤカのサイバネティクスアームで(すごい痛い)ビンタされるのがオチだぞ、ベルベナ!!
「なななななナニをやっておるかーーーッ!!」
「ナニもしてないぞ! そしてまた騙されたな!!」
 開き直るベルベナ。
 そもそも真面目に追跡する気はどこへ行ったんだ。
「オ、オヌシはさっきからなんなんだーーーッ!」
「ふふふ、それは無駄に体力を消耗させるためさ! そもそもさっきまで逃げていたのに何故私を追いかけているんだい?」
「……し、しまったァーーーッ!?」
 すっかりベルベナのペースに乗せられていた事に気付いて踵を返す。
 無駄に体力を消耗したせいか、その足の速度はいくらか低下している!

 ……うん、やっぱりこの怪人バカだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネミ・ミミーニーズ
やーありがとうありがとう。
みんな応援ありがとう。
(キマイラの皆さんと握手して回る)

ハッ、怪人が逃げてる!
おのれ油断させておいて逃げるとは卑怯者め!
っていうのは建前で、
逃がしたふりしながら拠点まで案内してもらいましょう。

どんだけ頑張って逃げても猫よりライオンの方が速い!
『ライオンライド』ごー!
ライオンに乗りつつ適度に距離をあけて泳がせながら追跡。

たまにそれっぽい呼びかけしておかなきゃ。
「無駄な抵抗はやめろー!」
「止まれー!止まらないと撃つぞー!」

ん?撃つような武器持ってないわね。
ぁ、あった。バトル独楽を射出しよう。
「大人しく独楽を頂戴しろー!」



●追跡!ネコ怪人を追え!-「黄金のライオンに乗った妖精さん」(いいね数386312)
「やーありがとうありがとう。みんな応援ありがとう」
 バトル独楽対決の後、早速キマイラ達から握手攻めに笑顔で応えるネミ。
 身長24cm弱なので、握手と言うには少し違うような感じだかそこは気にしてはいけない。
 そんな中で、ネコ怪人が逃走した事に気付く。
「ハッ、怪人が逃げてる! おのれ油断させておいて逃げるとは卑怯者め!」
 大袈裟にリアクションするネミ。
 もちろんこれは建前であり、逃がしたふりしながら拠点まで案内してもらうつもりなのだ。
「どんだけ頑張って逃げても猫よりライオンの方が速い! 『ライオンライド』ごー!」
「がおーん!!」
 自身の身長の二倍……およそ48cm弱の黄金のライオンを召喚し、それにネミは飛び乗る。
 ミニサイズのライオンに乗るフェアリー……その光景は実にメルヘンであり、その場にいたキマイラ達からもその可愛さに歓声が上がる!
「か、可愛い!」「ちっちゃなライオンに乗った妖精さん! これは絵になる!」「ネミちゃーん、がんばってー!!」「あいつを捕まえて懲らしめてやってくれー!」
 無数のシャッター音の中、ライオンに乗ったネミはキマイラ達に手を振りながら応え、ネコ怪人を追いかけるのであった。

「く、くそーッ! 無駄に騙されたせいでワガハイちょっと疲れてきたぞ……」
 先ほどのベルベナとの一件で体力を消耗してしまったネコ怪人の足取りは少し鈍っている。
 それでも、足の速さはやはり侮れない。
 並の人間であれば、追いつく事は困難であろう。
 ……並の人間であれば、の話だが。
「待て待て待てー!」
「ぬなッ!? その声はあの小さい猟兵か!?」
 ネミの声を聞き、ネコ怪人が後ろを振り返ると……
「ゲ、ゲエェェェーーーッ!? ライオン!? ライオンナンデ!?」
 自分を追いかけていたのは黄金のライオンであった。
 ただしそのサイズは小さく、その上にネミが騎乗しているのだが。
 それでも自分より足が速いと言う事は野性の本能が理解しており、必死に逃げる!
「無駄な抵抗はやめろー!」
「ギニャー!? ワ、ワガハイは喰っても、美味しく、ないぞーーーッ!!」
 追いつかれたら喰われると言う恐怖を感じているのか、サイズが小さいにも関わらず逃げるネコ怪人。
 しかし、そもそも本気で追いかければあっと言う間に捕まってしまうため、敢えて適度に距離をあけて泳がせているのだ。
 当然、そんな思惑に気付く訳もなくネコ怪人は全力疾走である。

「止まれー! 止まらないと撃つぞー!」
「ア、アヒィィィィーーー!!」
 止まったら捕まって喰われる(と思い込んでいる)。
 しかし止まらないと撃たれる(と思い込んでいる)。
 混乱で頭の中がゴチャゴチャになっているネコ怪人に、それを追いかける黄金のライオン(ミニサイズ)に乗ったフェアリー。
 第三者からすれば、あまりにもシュールな光景であった。
「ん? 撃つような武器持ってないわね」
 それっぽく呼びかけたのはいいものの、使えそうな物が無かった事に気付くネミ。
 何かないかと鞄の中を探っていると……
「ぁ、あった。バトル独楽を射出しよう」
 いくつか用意していた独楽があったため、早速それを使ってみようと決めたようだ。
 そしてネコ怪人に狙いを定めると……
「大人しく独楽を頂戴しろー!」
 バッシュゥゥゥゥゥン!!と言う音と共に、ネコ怪人へ向けて独楽を射出!
「あだっ!? え、ちょっと、君何してるの!?」
 そして命中!安全性も考慮されているおもちゃであるため、万一ぶつかっても危険性は少ないが……ネコ怪人はただ困惑するばかりである!
 ただし逃げながら、だが。
「それそれー!」
「ぽげっ!? ほぎっ!? バ、バトル独楽はそんな事に使っちゃダメでしょ……のわッ!?」
 何発も独楽がネコ怪人にヒットする中で、その一発が足に直撃!
 そして盛大にすっ転ぶ!!
「独楽置いてけー、独楽置いてけー……」
 じりじりとコケたネコ怪人に近付くミニサイズのライオンとそれに乗ったフェアリー。
 ……なんなんだこの光景。
「うわあぁぁぁぁぁん! なんなのこの猟兵ーーー!!」
 謎の恐怖を感じ、素早く起き上がると逃走を再開するネコ怪人。
 色々な意味でダメージを与える事に成功したのは間違いないようだ。

 既に涙目になってるのは、まあ、その……うん。

成功 🔵​🔵​🔴​

テリブル・カトラリー
逃げたならばこれ幸い。追う。すぐに追う。
早く此処から離れよう。

ブースターを使い
情報を収集し地形を利用、ジャンプとダッシュで敵を追う。

しかし、皆凄いバトルばかりだった。
私の事はあまり覚えていないかもしれないが…
しかし、仮にも奴にとって初戦で戦い負けた相手、
それに多少だが気圧されてもいた。
少しは印象に残っているだろう

軽機関銃と砲台を手に背後から怪人に迫り、恐怖を与え、
また可能ならば地形を利用しフェイントを入れる。
相手が道を曲れば、壁にぶつかる、道を間違える、けつまずく、転倒等
近付けてもまたミスをして距離を開ける。を繰り返し
相手の意識を此方に向かせながら油断を誘う。
これで味方側の有利に働けば良いが。



●追跡!ネコ怪人を追え!-鋼の追跡者
 ネコ怪人が逃走した後、これまでの状況を冷静に確認しつつ追跡を行っている者もいた。
 そう、テリブルである。
 ブースターを使い情報を収集し地形を利用、ジャンプとダッシュで敵を追いかけている。
 ベルベナとネミが行動している最中も、テリブルは一定の距離を開けつつ常に情報を収集し、いかにして追い詰めるかを計算していたのだ。
(しかし、皆凄いバトルばかりだった。私の事はあまり覚えていないかもしれないが…)
 バトル独楽会場から離れる際、彼女はそんな事を思う。
 実際のところ、第一戦の挑戦者としてそのクールさとは裏腹に、パワフルな戦い方を見せたのはネコ怪人とギャラリーに強いインパクトを残せたのは事実だ。
 そして、バトル後の撮影会兼握手会でも大人気だったのは言うまでもない。
 実は照れ屋であるテリブルは、その時何度も気絶しそうになっていたのだ。
 追跡で会場を離れる際には、ギャラリーから名残惜しそうな視線を向けられていたのは記憶に残っている。
(今は追跡に集中しなければな……)
 ようやく普段の自分に戻れそうだ。
 そんな事を思いつつ……

「こ、このままでは拠点に逃げる前にワガハイが死ぬ……なんとかして奴らを撒いてしまわねば……」
 その一方、疲労と命の危機で消耗しつつあるネコ怪人が公園の物陰に隠れて一休みしている。
 拠点だ、とにかく拠点に逃げ帰る事さえ出来れば……そんな事を考えていると。
「……見つけたぞ」
「ウゲエェェェーーーッ!? あの時のデカい猟兵ーーーッ!?」
 軽機関銃とアームドフォートを構えたテリブルがブースターを吹かしつつ、ネコ怪人に迫る!
 バトル独楽での戦いとは違い、今回は武装をこちらに向けているではないか!
「ちくしょォーーーッ! 今日は厄日だァァァーーー!!」
 死にたくないと言う一心で、再び全力逃走するネコ怪人。
 そしてそれを追うテリブル。
 しかし道を曲れば、壁にぶつかる、または道を間違える、転倒する……
 近付けてもまたミスをし、距離を開けるを繰り返す。
 追いつかれそうで追いつけない……そんな状態と言うべきか。
「あ、あれ? あのデカい猟兵……もしかしてポンコツなのか?」
 ネコ怪人はそれがフェイントである事に全く気付かない。
 だが、依然として武器を向けられている事に変わりはないため追いつかれる=死である。
 もっともテリブル本人にそのつもりはないし、そもそもにして『相手の意識を此方に向かせながら油断を誘う』と言う手が追跡に一番効果的である、と言う結論を弾き出したのだ。
「……逃がさん、お前だけは」
「ギニャーーー! やっぱり怖いよこの猟兵ーーー!?」
 鋼の追跡者はネコ怪人からすれば、まさに恐怖の対象である!
 時折フェイントを織り交ぜ、それでも追跡してくると言う様子は更に恐怖を煽る!!
 そんな中で、ネコ怪人は(逃走の際に半ば強制的に寄り道をさせられつつも)拠点へ少しずつではあるが近付きつつあった。

 この逃走劇も中盤に差し掛かりつつあるようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美
SNSの目撃情報等で怪人の【情報を収集】しつつ事前に罠を張っておく

怪人を【だまし討ち】
裕美本体は槍を投げつけ(投げても竜になって戻ってくる)追いかける
「…にがさない」
逃走進路上にオルタナティブ・ダブルで呼び出した別人格を潜ませ
「こちらですわ」
路地裏へ手を引き逃走の手助けをする振り。別人格・シルヴァーナには服装を変えさせたりウサ耳つけるなど変装させとく
「それは辛かったでしょうに。これでも飲んで落ち着いてくださいませ」
と、優しい言葉をかけ飲み物を与え、向こうが安心して油断してる隙に発信機を荷物に仕込むなり機材に【ハッキング】するなりで位置情報を掌握できるようしとく
「無事帰れることを祈ってますわ」


常盤・はがね
だめだよ。逃がさない
ボクはずっと君を監視してるよ❤️

街に残る監視カメラや付近の住人のスマホやドローンを《ハッキング》
《情報収集》と合わせて怪人を遠隔地から監視しよう
優雅に(?)ピザやコーラを楽しみながらね!
先回りして街頭のディスプレイやスピーカーをハッキングして怪人に話しかけて
動揺させたりもしてみようか
ほらほらもう少しでゴールだよ!
頑張れ♪頑張れ♪

もしも……拠点が割り出せてモニターとかあれば
ゴールのお祝いしてあげようかな?
よく頑張ったね!偉いよ!それじゃあ今からみんなで行くから待っててね!
【アドリブ】【改変】【協力】大歓迎です



●追跡!ネコ怪人を追え!-追い詰められる獲物
 ……何故こんな事になってしまったのだろう。
 今日もいつものように街へ繰り出し、バトル独楽を広めてキマイラ達の支持を集める。
 そうして旧人類の侵略を進めるはずだったと言うのに……
 たまたま猟兵を見かけたので、計画遂行のために勝負を挑んでしまったらこのザマである。
「せ、先生に早くこの事を伝えて、猟兵共を蹴散らしてもらわねば……!」
 拠点には少しずつだが近付きつつある。
 とにかく逃げ帰れば何とかなるかもしれない、そんな事を考え逃走中のネコ怪人であったが……
「…にがさない」
 裕美の投擲したドラゴンランスがネコ怪人の進路に突き刺さる!
「おわあぁぁぁーーーッ!? あ、危ないではないか!!」
 あと数センチ前にいたら槍は確実にネコ怪人の脳天を貫通し、キマイラフューチャーのオブジェとなっていただろう。
 まさに間一髪である!
「……チッ、外した……」
「こ、こやつもワガハイを殺す気だー!?」
 手元に戻ったドラゴンランスを再度構える裕美。
 このままでは死ぬ、そう思った矢先に路地裏から何者かがネコ怪人の手を引く。
 それはウサ耳のキマイラ(?)の少女であった。
「こちらですわ」
「ぬお!? ……おお、これは地獄にホットケーキ! キマイラ住人を巻き込む事など出来まいなあ!!」
 唐突に助けてくれたキマイラに導かれるまま、路地裏へと消えていくネコ怪人。
 しかし、これも裕美の策略である事に当然気付く訳もなかった……。

「や、奴らはなんとか撒いたか?……今日は本当に生きた心地がせんわ……」
 何度か後ろを振り返り、追っ手の猟兵がいない事を確認すると一息つくネコ怪人。
「追われているようでしたけど、何があったのですか……?」
 ウサ耳の少女――シルヴァーナと名乗った彼女がネコ怪人に尋ねる。
 変装している上にネコ怪人はバカなので気付く訳もないが、彼女は裕美のユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』で生み出した分身である。
 見事に騙されているネコ怪人は、彼女が『たまたま助けてくれたキマイラ住人』であると認識している。
「うむ、よくぞ聞いてくれた。実はこれこれこう言う事がだな……」
 ネコ怪人はこれまでの事を包み隠さず全て話す。
「それは辛かったでしょうに。これでも飲んで落ち着いてくださいませ」
 優しい言葉と共に飲み物を差し出すシルヴァーナ。
 ここまで一時も心休まる状況でなかったネコ怪人にとって、目の前の彼女はまさに砂漠で見つけたオアシスのような存在にも思えた。
「おお、お嬢さんはなんと心の広いキマイラか! ワガハイ、感動したであるぞ!」
 そして何の疑いもなく、あっさり心を許すネコ怪人。
 差し出されたキマイラフューチャー天然水の口を開け、グイッと飲む。
 ……シルヴァーナはその隙を見逃す事なく、背負っている荷物に発信機をこっそり投げ入れた。
「……ふぅー、これで少しは体力も回復したと言う物よ。お嬢さん、この恩をワガハイは忘れないし我々の侵略が成功したあかつきには、オヌシを名誉旧人類として迎え入れる事を約束しようぞ!」
「うふふ、ありがとうございます。無事帰れることを祈ってますわ」
「うむ、本当に助かった。感謝するのであるぞ! では、また会おう!!」
 優しく笑顔を浮かべてネコ怪人を見送るシルヴァーナ。
 そしてネコ怪人は意気揚々と拠点方面へ向けて走り去っていった。
 罠にかかったとも知らずに、である。

「いやー、ホントに騙されてるねえ」
 ハッキングした監視カメラの映像を、コンコンして出したピザとコーラを楽しみながら
はがねが楽しそうに眺めている。
 仲間達の追跡劇も笑いながら楽しんでいたようだ。
 そんな事をしている内に、裕美が戻ってきた。
「あ、裕美。どうだった? 上手くいった?」
「……ええ、発信機は……仕掛けたわ。これでもう……袋の鼠ならぬ……猫……」
「あはは、いいねいいねー! それじゃどんどん追い込み、行ってみよー!」
 ネコ怪人が逃走を開始した直後、裕美がSNSに目撃情報収集を行った事と連携して徐々に逃走ルートを割り出しつつある。
 裕美の活躍により発信機を付ける事にも成功したため、もはやネコ怪人に逃げ場はどこにも無いと言ってもいいだろう。
 しかし、ただ追いかけるだけではつまらない……であれば、はがねのやる事は一つである。
「これをちょちょいの、ちょいと。よっし、準備完了ー!」
「私は……みんなにも……連絡してくるわ」
「おっけー、それじゃあっちでね!」
 裕美は発信機の事を仲間に伝えるべく、連絡に向かう。
 そして何やら悪い笑みを浮かべたはがねは、一足早く先回りするのであった。

「よし、あとちょっとだ……あとちょっとで……」
 逃走からそれなりの時間が経過した今、拠点まであと少し。
 そんなところで、街頭のスピーカーから突如ノイズが走った後……
「だめだよ。逃がさない。ボクはずっと君を監視してるよ」
「ニギャッ!?」
 はがねの声が聞こえてきて、ネコ怪人が飛び跳ねる。
「ど、どこだ! どこから……」
 すると今度は街頭の大型ディスプレイにはがねの姿が大きく写る。
「じゃじゃーん☆」
「ギャース!?」
 バトル独楽の勝負でトラウマを植え付けられたのか、はがねの姿を見て恐怖するネコ怪人。
 監視してると言うセリフを思い出し、もしや今までの行動が全て筒抜けだったのでは?と考えてしまう。
「君が何を考えてるのか当ててあげよう! 『今までの行動は全て筒抜けだったのでは?』だね!」
「そ、そそそそんな事を考えてる訳がなななななかろうが!」
 明らかに動揺している辺り、バレバレである。
「ほらほらもう少しでゴールだよ! 頑張れ♪頑張れ♪」
 手を叩きつつ挑発するはがね。
 この少女、間違いなくこの状況を楽しんでいる。
「え、えぇい! 言われなくとも!!」
 逃げ帰れば先生がなんとかしてくれる。
 とにかく今はそれしかないため、形振り構っている暇は無い。
 ネコ怪人は走り続けた。

 ……やがて、ネコ怪人はキマイラネイチャーパークと呼ばれる大型のテーマパークへやってきた。
 発信機の信号を追って、猟兵達は一斉に合流しパーク内へ足を踏み入れる。
 信号は立ち入り禁止のテープが貼られたエリアへ進んでいくのが分かった。
 一行が奥へと進むと、そこは採石場のような場所であった。
 ふと、上を見上げると高台にある採石場の洞窟のようなところへネコ怪人が逃げていく。
 どうやら、そこが奴の拠点のようだ。

「や、やっと帰れた……」
 ヘトヘトになりながらも、どうにか拠点へ逃げ帰る事が出来たが……突然、拠点内のモニターが点く。
 モニターに移った人物を見て、ネコ怪人が固まった。
「ゴールおめでとう! よく頑張ったね! 偉いよ! それじゃあ今からみんなで行くから待っててね!」
 はがねであった。
 まさかと思い、洞窟を出て下を見ると猟兵達がそこにいるではないか!
「ウ、ウギャーーーッ!? せ、先生ー! 先生ーーーッ!!」
 もはやこれまでか!
 ネコ怪人が藁にもすがる思いで叫ぶと……
「ええい、一体何事だ! 騒々しい!!」
 洞窟から現れた、その姿とは……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ティラノサウルス怪人』

POW   :    ザウルスモード
【巨大なティラノザウルス】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ティラノクロー
【鋭く長い爪】による素早い一撃を放つ。また、【装甲をパージする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    学説バリエーション
対象の攻撃を軽減する【羽毛モード】に変身しつつ、【体から生えた鋭く尖った針のような羽毛】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●巨悪推参

 -前回のあらすじ-
 猟兵達がネコ怪人との追跡の果てに辿り着いたのは、キマイラネイチャーパークにある採石場エリアであった。
 そして、そこが敵の拠点であると知った一行の前にボスである怪人が現れる!
 今、まさに決戦が始まるのだ!!

「ええい、一体何事だ! 騒々しい!!」
「ああっ、ティラノ先生! あ、あいつらです!! ワガハイの計画をことごとく邪魔してきたのは……」
 拠点の高台から現れたのは名前と見た目の通り、ティラノサウルス怪人であった。
 おそらくこいつが怪人の計画を指揮していたと思われるボスなのだろう。
「なんだと? ……ほう、その愚か者は誰かと思ったが……猟兵が相手ともなればそうもなるか。どうやら俺様の舎弟が世話になったようだな?」
「オヌシら、ティラノ先生を敵に回したのが最大の失敗だぞ! 先生はな、すごい強いんだぞー!!」
 まるで小学生並な賞賛の言葉であるが、実際のところ強敵に見えるのは確かだ。
 少なくともネコ怪人よりかは遥かに強者のオーラと風格が漂っている。
「旧人類の凄さを広めるための計画を邪魔するのであれば、この俺様が許さんぞ! グオォォォォオォォッ!!」
 凄みのある咆哮で猟兵達を威嚇するティラノ先生。
 なるほど、確かに強そうな相手ではあるようだ。
「……む、そうだ。一つ思い付いた。ネコ怪人、今から俺様と猟兵の戦いを録画するのだ」
「えっ、急になんでまた……あ、そうか! 先生が猟兵をやっつけるところを撮って、その動画を上げてバズらせる手段ですね!!」
「グハハハハ! 察しがいいではないか!! さすがは俺様の舎弟なだけはある!! 俺様の強さを見せ付ける事で旧人類の凄さを分からせる! それも相手が猟兵なら効果は倍!! まさに天才的発想!!」
 そもそも元々は戦い以外の方法で勝ってバズらせる作戦だったのでは?
 猟兵達はそんな事を思ったが、誰もそれを口にする事は無かった。
 だって色々こじれそうだし。
「……と言う訳でだ猟兵共よ! 今からネコ怪人が撮影を始めるので、貴様らもそれに合わせるのだ!」
 何故か敵から注文を付けられる猟兵達。
 面倒だが従わないといつまで経っても戦いが始まらないような気がするので、とりあえず合わせる事にする。

「では先生、始めます! ……3、2、1、キュー!!」
「グハハハハ!よぉくぞここまで辿り着いたな、猟兵共よ! だが、この俺様が相手となったのが貴様らの不運だと思うのだな!!」
 撮影機材を手にしたカメラマン、ネコ怪人の開始の合図と共に撮影が始まった。
 開始と同時にビシッと眼下の猟兵達に指差し、力強く宣言するティラノ先生。
 さながら特撮でよく見る怪人のノリである。
 しかも場所は怪人との戦いでよくある採石場……編集すれば、このシーンだけで特撮物が一本作れるような勢いだ。
「今から貴様らと同じフィールドに立ってやろう、行くぞ! とぉう!!」
 ティラノ先生はジャンプした……フリをし、ネコ怪人が録画を一時停止する。
 そして二匹は高台からいそいそとスロープ状になっている坂道を小走りで駆け下りていった。
 そこは本当に飛び降りるところじゃないのかよ……猟兵の一人がそんな事を口にする。
 少しして、猟兵のいるところまで降りてくると、軽い打ち合わせを行う二匹。
「再開はジャンプしたところから地上に飛び降りた体で、着地するところからだぞ」
「そこはお約束と言う奴ですな、先生! じゃあ、再開いきまーす! ……3、2、1、キュー!!」
「とぉう!!」
 撮影の再開は飛び降りた体で着地するところからであった。
 シュタッと着地したような音と共に、ポーズを決めてティラノ先生が叫ぶ。
「さあ、俺様と貴様ら……どちらが強いか、勝負だ!!」
 ……ここまでやたらと回りくどい事になったが、ようやく黒幕との決戦の時だ。
 撮影には付き合ってやるが、自分達がわざわざ負けてやる義理など一切無い。
 猟兵達は気合を入れ直し、最後の戦いに臨む……!
中村・裕美
「……特撮と言えば…爆発?」
ユーベルコードでいい感じに怪人達を爆破。もう、古い時代の特撮でもこんなにやらないぞってくらいに爆破。
「…そら…お逃げなさい」
電脳魔術で周囲の空間に【ハッキング】して爆弾を設置しているので、自分はほどんど動かずに爆破。だんだん楽しくなってきた。
また、自分の座標にも大量の爆弾を予めセットしておき、ティラノ怪人がこちらへ攻撃したときに回避して(もしくは直撃して吹っ飛んで)、自分のいた位置にティラノ怪人をおびき寄せたら起爆して【だまし討ち】
「…ふふふ……いい爆発でしょ?」
判定が大成功じゃなかったら、たぶん自分も余波でボロボロになってる



●とくさつの おやくそく
「さあ、行くぞ! グオォォォォオォォッ!!」
 ティラノ先生が咆哮し、猟兵達へと牙を剥く!
 しかし、それは突然の事であった!
(ドッゴォォォォォォン!!)
「ぬおぉぉぉぉぉぉ!?」
 ティラノ先生の足元が派手に爆発し、吹き飛ばしたのである!!
 そして近くにいたため、巻き添えを喰らうネコ怪人!
 例えるなら、まるで80年代末期の特撮を彷彿とさせる爆薬量だ!
「ワ、ワガハイも爆発するーッ!?」
 巻き込まれたネコ怪人だったが、カメラを構えたまま空中でくるり体勢を立て直して着地する。
 さすがにこの辺りはネコの遺伝子の力なのか。
 しかし、ティラノ先生は突然の爆発に対応出来ず、吹き飛ばされて派手に背中を打ち付けた!
「い、いきなり何があったと言うのだ……!?」
 背中をさすりつつ起き上がるティラノ先生。
 状況がまだ分かっていないようだ。
「……特撮と言えば…爆発?」
 仕掛けたのは裕美であった。
 ティラノ先生が出てくる前、自身のユーベルコード『ステルスボム』をあちこちに設置していたのである!
 見えない爆弾をあちこちに設置したと言う事は、敵はまさに地雷原の中にいるも同然!
「せ、先制攻撃とはやるではないか! しかぁしッ! 俺様の実力はまだ……」
「起爆……」
「もめらびッ!?」
 ステルスボムが爆発!
 また吹き飛ばされるティラノ先生。
 そして着地に失敗して全身打撲! これは痛い!!

「まだこんな物では……」
「……起爆」
「なばるめッ!?」
 ステルスボムが爆発!
 またまた吹き飛ばされるティラノ先生。
 そして着地に失敗して全身打撲! やはり痛い!!

「ない事を……」
「起爆」
「みそかつッ!?」
 ステルスボムが爆発!
 三度吹き飛ばされるティラノ先生。
 そして着地に失敗して全身打撲! 言うまでもなく痛い!!

「……セリフくらい全部言わせろォォォーッ!!」
 ティラノ先生は三度爆発で吹き飛ばされて、ついにキレたようだ。
 裕美はその場から動かず起爆しているだけだが、その表情は何やら楽しげにも見える。
「ここまで俺様をコケにするとは許さん! こうなったら……」
「…そら…お逃げなさい」
 裕美がそう言うと、今度はティラノ先生とネコ怪人の後ろを爆破する。
 しかも先ほどより強力なその爆発は、少しずつ前へと移動していき……
「せ、先生! このままだとまたデカいのに巻き込まれます!!」
「お、おのれェーーーッ!!」
 また巻き込まれてはかなわないとばかりに、二匹は全力疾走で爆発から逃れるべく全力で走る。
 しかし、その足は裕美へと向けられている!
「ええい、こうなれば貴様だけでも俺様のパワーの餌食にしてくれるわ!」
 鋭い爪を光らせて、ティラノ先生が迫る!
 いくら猟兵であろうとも、あの爪の一撃を喰らえばタダでは済まない!!
 しかし、爪が空間を切り裂くよりも若干素早く裕美が回避する。
「ぬぅ、かわしたか!だが……」
「ジャックポット……」
 少し離れた位置で、裕美が自分のいた足元に多く仕掛けたステルスボムを起爆!
 それはティラノ先生を上空へと吹き飛ばす!!
 量と爆発位置を事前に計算した、だまし討ちに最適な一発が見事にかかった。
 そして大きく空中へ打ち上げられたティラノ先生は、頭から地面に突き刺さる!スケキヨ状態!!
「…ふふふ……いい爆発でしょ?」
 狙いが的中し、ニヤリと笑う裕美。
 派手な先制攻撃で、初手から敵に痛手を与える事に成功したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
ネコ怪人!なぜ常盤さんの監視に気付かなかった!
(アヤカさんを玩具にして遊んでたのを猟兵全員にバレただろーが!)
もうビンタじゃすまされんぞ…!(私が


●戦術展開:戦線維持
後方火力に期待
彼等の邪魔はさせません

バイクによる騎兵戦
突撃して【吹き飛ばし】か
敵攻撃を【見切り・残像】で回避して【カウンター】による【串刺し】が主体

巨大化、形状変化…どのみち耐久戦は数の利に頼る他ない
しかし継戦能力外視の軽装化なら攻め手に転じ……


私のターン!
ゴッドスピードライド!
アクセル全開!
最大戦速到達!
そのままタイヤごとティラノ先生に引っ掛けて!


先生のライフを犠牲にジャイアントスイングツイスタああああ!


…こっちも必死なんですよ


ネミ・ミミーニーズ
撮影されてるですって!
撮影用にそれっぽい台詞などで盛り上げる方向で。
いいねを稼いで世界を平和にしよう!
具体的な台詞はMSさんにお任せ。

「ま、まさか黒幕がティラノサウルス怪人だったなんて!」
ティラノ先生はすごいんだぞ!
バトル独楽を右手で5つ、左手で5つ回して
10人同時に相手して勝ったことで伝説となったあのティラノ先生よ!

あとは敵が攻撃しようとしたら
「あ、あの構えは!」
とか言いつつ解説。

攻撃?
猟兵がピンチになったら何か投げて援護。
「みんなこれを使ってー!」バトル独楽勝負だったら一般には流通しなかった幻のパーツとか。
普通のバトルだったら爆発するガジェットで。背景でドカーンドカーンする奴。



●激闘!猟兵対ティラノ先生!!
 初手の痛烈な一撃が決まったものの、まだ戦いは始まったばかり。
 ティラノ先生は自ら頭を地面から引っ張り出し、仕切り直す。
「チィッ、いきなり俺様に一撃を喰らわせるとはやるなッ! だが、ここからよ! ここからが俺様のターンだ!!」
「ま、まさか黒幕がティラノサウルス怪人だったなんて!」
 狙い済ましたタイミングでネミが演技がかったセリフを口にする。
 このバトルが撮影されている事を知り、撮影用にそれっぽい台詞などで盛り上げる方向で
いいねを稼いで世界を平和にしよう!と言う思惑が彼女にはあるようだ。
 ……それで世界が平和になるのかどうかはともかく。
 しかし、ネミのセリフを聞き逃さなかったティラノ先生が真っ先に反応する。
「グハハハハッ! そうよ、この俺様こそが舎弟達に旧人類の凄さを広めるために指示を出していたのだ!!」
「くっ、なんていちいち回りくどい……もとい、卑劣なやり方をしているの!」
「フンッ、旧人類である俺様からすれば当然の事よ!」
 割とノリノリでネミのセリフに応えるティラノ先生。
 ……やっぱりこいつもバカだった(強いけど)。
「ティラノ先生はすごいんだぞ! バトル独楽を右手で5つ、左手で5つ回して10人同時に相手して勝ったことで伝説となったあのティラノ先生よ!」
 ネミが思いつきで発言した事で、怪人二匹が固まる。
(えっ、先生そんな凄かったんです!?)
(え……いや、俺様バトル独楽やった事ないぞ?)
(で、でもあの小さい猟兵、あんな事言ってますよ……?)
 何やらヒソヒソ話をしている二匹。
 予想外の事を言われて困惑しているようだ。
(……よし、そうだ! ならばその話も取り込もう! 強者たるもの、多少の誇張があってもいいだろうよ!!)
(おお、それでこそ先生! 細かい事を気にしない性格!!)
 どうやらそのでっち上げを受け入れるらしい。
 いいのかそれで。
「グァーッハッハッハッ! そうよ、俺様こそがキマイラフューチャー・バトル独楽グランドチャンピオンよ! どうやら俺様の名声は猟兵共にも伝わっているようだなァ!!」
「な、なんて強敵が相手なの! これは厳しい戦いになるわ!!」
 ネミもそれっぽいセリフで反応する。
 こんな内容でいいのかと言う気もするが、キマイラ的には何の問題もないだろう。
 ……だってキマイラだもの。

「いっそバトル独楽で俺様の力を見せてやろうと思ったが、既に貴様らからの攻撃を受けた以上は全力で迎え撃つのみ! さあ、覚悟するのだな!!」
「待てぇいッ!!」
 その時であった!採石場内に響く叫び声と共に何かが砂煙を上げてやってくる。
 それは青い強襲型宇宙バイクV-RAXXであった!そしてそれに乗るのは……
「ぬぅッ! 誰だッ!?」
「私だ!!」
 やってきたのはベルベナだ!
 どうやらバイクに燃料を入れてきたらしく、遅れてきたらしい。
「あ、いいタイミングで面白そうなのが来た。そーれっ☆」
 そしてネミがこれ幸いとばかりにガジェットを投げる。
 すると、ベルベナの背景でいくつもの爆発が起きる!
 このシーンだけ見ればまさに特撮のOPにも見えるではないか!!
 しかし、彼自身はこの爆発は予想外だったのかビビって微妙にハンドルがブレる。
 まあこれ打ち合わせ外の事だからね……仕方ないね……。
「待たせたな!」
「ぬぅぅぅーーーッ! 貴様、なんとおいしい登場の仕方か!! 俺様より目立っているではないか!!」
 ベルベナの登場に嫉妬するティラノ先生。
 いや、気にするところはそこかよ。
「ヒーローは遅れてやってくる物と言うだろう。そしてネコ怪人! なぜ常盤さんの監視に気付かなかった!(……アヤカさんを玩具にして遊んでたのを猟兵全員にバレただろーが!)」
 小声でボソボソ言っているようだが、やっぱりおもちゃにしてたんかい。
「もうビンタじゃすまされんぞ…!(主に私が)」
 ……まあバレたら土下座すればギリギリ許してくれるんじゃないかな!
 何もしなかったらアームロックされるだろうけど!!
「え、いきなりワガハイ!? ……いや、だって監視カメラがハッキングされてる事に気付く訳ないし……」
「……そんな事はともかく、ティラノ先生! 今度は私が相手だ!!」
 これ以上は撮影がグダグダになると判断したのか、ベルベナが強引に切り上げて展開を進める。
「お、おう、そうだった! ……俺様の爪を受けて、立っていられるか見物だなァ!!」
 そう言うと、鋭い爪を見せ付けるティラノ先生。
「あ、あの構えは! まさかティラノクロー!?」
 そしてネミが解説役ポジションに入る。
 どうやら徹底して撮影を盛り上げるつもりなのか。
「鋭く長い爪による素早い一撃! あんなのに切り裂かれたら、猟兵でも相当ヤバいわ!!」
「そう! そして更にィ!! この俺様の装甲服を脱ぎ捨てれば……」
「その攻撃は……更に加速する!!」
 装甲服を脱ぎ捨てたティラノ先生を見て、ノリノリで解説するネミ。
 実に楽しそうである。

「なるほど、継戦能力外視の軽装化ならこちらは攻め手に転じるまで……」
「さあ、行くぞッ!!」
「……来いッ!!」
 騎乗した状態でベルベナは愛用の武器である分厚い直刀を構え、ティラノ先生はその爪を出し……お互いが高速でぶつかり合う!
ガキィン!ガキィン!!と金属同士の激突音が採石場に響く!!
バイク突撃による吹き飛ばし攻撃をギリギリで避け、ティラノ先生の反撃を見切りと残像で回避する。
ベルベナはそこから更にカウンターで串刺しを狙うが、なかなかその一撃が決まらない!
「ほう、いい武器だ! 俺様でなければ細切れになっていたな!!」
「そっちこそ、その鋭い爪の威力は驚異的と見た! それに見かけによらず素早い奴だ!!」
 更に一撃、二撃と攻撃をそれぞれ受け止め、全力の勝負を演出する。
 このシーンだけ見れば、激しいバトルである事は間違いない。
「どちらもスピードと武器の威力はほぼ互角……これは私でないと見逃しちゃうわね!」
 そしてその様子をネミが品評する。
「……このままでは消耗戦になるな。であればッ! 私も本気で行くとしようか!!」
「ほう、来るか! ならば来い! 覆してやるわ!!」
「私のターン! ゴッドスピードライド!」
 叫びと共に、ベルベナのバイクが変形する!
「アクセル全開! 最大戦速到達!」
 それは自身の移動速度と戦闘力を増強する、まさに必殺技だ!
 加速したベルベナは彗星のごとく、ティラノ先生へ突撃する!!
「そのままタイヤごとティラノ先生に引っ掛けて!」
 あれ、このパターンどこかで……
「先生のライフを犠牲にジャイアントスイングツイスタああああ!」
「ぬ、ぬおぉぉぉぉぉぉぉッ!?」
 タイヤがティラノ先生に引っかかった事で、その巨体を振り回す!
 と言うかまたこれか!
 しかし今回ばかりはバトル独楽ではなく、相手がティラノ先生であるだけ理にかなっている……の、だろうか?
「これは……凄い回転だわ! あまりの速さに竜巻が発生してる!!」
 ベルベナの繰り出した必殺技に興奮の色を隠せないネミ。
 カメラを向けているネコ怪人も熱い視線を送っている。
「ちぇすとぉぉぉぉぉぉぉぉーーーッ!」
 そして十二分な回転が付いたと同時に、ティラノ先生を離して投げ飛ばす!
(ズッドォォォォォォォーーーン!!)
 轟音と共に砂煙が上がる……その威力は本物のようだ。
 しかし、少しした後で砂煙の中からティラノ先生が立ち上がる。
 なんたるタフネスか!
「や、やってくれるな……!」
「くっ、効いたと思ったが、こいつは予想以上にやるな……」
 お互いの力を認め合うベルベナとティラノ先生。
 その時であった!
「「う……オ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛……!」」
 凄まじい回転でお互い三半規管がやられたのか、その場でリバース!
 どちらも受けたダメージは少なくなかったようだ(少なくともティラノ先生の方がダメージは大きそうだが)。
「あちゃー……まあ、そうなるよねー」
 マイペースに状況を語るネミ。
 これでは撮影とバトルは一時中断せざるを得ないようだ。

 -しばらくお待ち下さい-

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

常盤・はがね
【心情】
先生っていったって所詮怪人だよね
みんなで協力してサクサクやっつけちゃうよ!

【行動】
【スカイステッパー】と【ジャンプ】を駆使して
【SPD】による機動戦をしかけよう
隙があれば【踏みつけ】で攻撃して
スカイステッパーの歩数制限をリセット
とにかく動き回ってヒットアンドアウェイで的を絞らせない様に戦うよ
相手がPOWで来るなら素早く動くボクが囮になることで他の猟兵達が動きやすくなるようにサポートしよう
SPDの攻撃もヒットアンドアウェイで射程外に逃れれば怖くない
倒せたら踏んづけてポーズ取って勝利宣言だ!
アドリブ&協力歓迎!


テリブル・カトラリー
撮影とか聞いてない。
いや、衆人観衆の中よりはマシか。でもあの怪人ついでに撃てないかなー

アームドフォートとライトマシンガンを撃ちまくる。一斉射撃だ。
(あのねこ怪人ついでに撃てないかなー!)
とはいえこれはフェイント、時間稼ぎ。

そのうちに片腕を、
(独楽、回転。回転、ならこれだろう)
攻撃力重視の大型ドリルに換装。

ブースターを吹かしライトマシンガンを撃ち尽くすと同時に
ティラノ先生に向かってダッシュ、ジャンプで突貫。
勢いそのままに怪力をもってしてドリルをティラノ先生にねじ込む。



●撮影再開
「先生、大丈夫ですか……? 撮影再開の方は……」
「ま、まだまだ戦えるぞ! 正直、戦闘のダメージよりもさっきの回転の方が応えたがな……」
 撮影中断よりおよそ十分後。
 先ほどの激戦による大回転の末、盛大にリバースしてしまったティラノ先生はネコ怪人の介抱(?)により、それなりに回復しつつあった。
 もう一方のベルベナは回復のため、一時的に後退したようである。
「えー、じゃあ再開と言う事で……いいんですね?」
「おうよ! ……と言う訳だ、猟兵共よ! 戦闘再開と行こうぞ!!」
 ティラノ先生が立ち上がり、ファイティングポーズを取る。
 ここはさすがのタフさと言うべきなのだろうか。
 しかしその一方で、この状況に困惑している猟兵もいた。

(撮影とか聞いてない)
 テリブルである。
 実は照れ屋な彼女は、どうやらこの手の撮影もダメなようであった。
(いや、衆人観衆の中よりはマシか。でもあの怪人ついでに撃てないかなー……)
 そして何気に物騒な事を考えていた。
 どうやらネコ怪人諸共撃ちたいつもりのようだが、さすがに戦闘中に余所見をしていては危険であろう。
 よって、まずは目の前の事を片付けるのが先決だと頭を切り替える。
 相変わらずクールな表情のまま、彼女は武装を構えた。

(先生っていったって所詮怪人だよね。みんなで協力してサクサクやっつけちゃうよ!)
 もう一方のはがねはと言うと、やる気を見せているようだ。
 現時点で動ける仲間はテリブルだけのようなので、彼女と連携して戦うつもりらしい。
 確かにこれだけの強敵は一人一人が個別に攻撃するよりも、協力して戦う方がずっと効果的だ。
「どう? 行けそう?」
「……ああ、問題ない。やろう」
 はがねの問いに短く答えるテリブル。
 即席的なコンビだが、どれだけやれるのかは正直未知数だ。
 しかし、今はやってみるしかない。
「えー、それでは撮影を再開しまーす! ……3、2、1、キュー!!」
「グハハハハハッ! なかなかやるな猟兵共よ!! だが、そうでなければ面白くない!!」
 ネコ怪人の再会の合図と共に、何事もなかったかのような素振りを見せるティラノ先生。
 変なところでプロ根性でもあるのか、この怪人は。
「さあ、ここからが俺様の本気だ! 受けきれるものなら、やってみるがいいわッ!!」
 そして咆哮……ついに戦闘は再開された。

●激突!ドリル&空を駆ける者VSティラノサウルス!!
「……行くぞ!」
 先手を取ったのはテリブルであった。
 ライトマシンガンとAMRアームドフォートを構え、一斉射撃を行う!
(あのネコ怪人ついでに撃てないかなー!)
 ……そんな物騒な事を考えてもいたが、無数の弾がティラノ先生に襲い掛かり、何発も着弾する。
 しかし元々皮膚も分厚いのか、決定打には程遠いようだ。
「グハハハハハッ! 豆鉄砲ごときが俺様に通じるものかよ!!」
「……そうかもしれないな。しかし、本命は……これだ」
 そう言う彼女の空いていた片腕には、なんと大型ドリルが装着されていた!
 もう一度言おう! ドリルである!!
(独楽、回転。回転、ならこれだろう)
 ティラノ先生の皮膚をも貫けそうな、この大型ドリルの威圧感!
 先ほどの射撃はフェイントであり、彼女のユーベルコード『換装・戦争腕(ウォーアーム)』を発動させるための時間稼ぎだったのだ!

「ぬぅぅぅぅッ! なんと漢のロマン溢れる武器か!!」
 装着された大型ドリルを見て、ティラノ先生が微妙に目を輝かせる!
 それでいいのか、それで。
「……吶喊する……!」
 テリブルはブースターを吹かし、ライトマシンガンを撃ち尽くすと投棄。
 それと同時にティラノ先生に向かってダッシュ、ジャンプで突貫!
 ウォーマシンの巨体に似合わない機動性だ。
「……貫く……!」
 そして勢いそのまま、怪力をもってしてドリルをティラノ先生にねじ込む!
 手応えは……ある!
「ぐ、ぐおぉぉぉぉぉぉーーーッ!!」
 反応が僅かに遅れたためか、ドリルの一撃を喰らうティラノ先生。
 効果は出ているようだ……だが、その時であった!!
「ティ、ティラノチェェェーーーンジッ!!」
 このままやられてなるものかとばかりに、ザウルスモードを発動!
 ティラノ先生は巨大なティラノザウルスに変化したではないか!!
 超耐久力を得たその体の皮膚は更に分厚くなり、ドリルの一撃を止めてしまう。
「……何……ッ!?」
「グオォォォォォォーーーッ!!」
 理性を失い、文字通りのティラノサウルスと化したティラノ先生は超攻撃力をもって反撃する!
 巨体から繰り出される一撃を寸前のところでガードするが、テリブルは大きく後ろへと弾き飛ばされた!!
 もしガードが間に合わなかったら大ダメージは確実であっただろう。
 だが、敵は追撃の手を緩めることなく突進してくる!
(なんてパワーと装甲だ。反撃は……ダメだ、有効的な武器が無い。しかし、ガードし続けては……)
 高速で迫るティラノ先生を前に、どうすべきか分析するテリブル。
 脳内で計算を繰り返すが打つ手もなく、最早手詰まりか……そう思った瞬間!

「おおっと、ボクがいる事を忘れてるよ……ねっ!」
 空中から聞こえてくる声に、一同が空を見上げる……はがねだ!
 その機動力とスカイステッパーを生かして、空中からティラノ先生を強襲するつもりなのか!
 しかし、はがねの狙いは見事に的中する事となる。
「グオォォォォォォーーーッ!!」
 素早く動くはがねを見るや否や、その狙いをテリブルから切り替える。
 ザウルスモードは『速く動く物を無差別攻撃し続ける』と言う特性を逆手に取ったのだ。
 そして、いくらパワーと耐久性に優れるティラノサウルスに変化したとしても、空中の敵を相手取るには……圧倒的に不利!
「そーれっ!」
 はがねがティラノ先生の頭を踏み付け、スカイステッパーの歩数制限をリセット!
 更に空中へと逃げる!!
「グオォォォォォォーーーッ!!」
 そしてそれを追うように、ティラノ先生も飛ぶが……そもそも届く訳がない!!
「ほらほら、遅い遅い!」
 はがねが更にティラノ先生の頭を踏み付け、スカイステッパーの歩数制限をリセット!
 再び空中へと逃げる!!
「グオォォォォォォーーーッ!!」
 そしてそれを追うように、ティラノ先生も飛ぶが……やはり届かない!!
 ……もし今、ティラノ先生に理性があればこう叫んでいたであろう。
「逃げずに俺様と戦え、卑怯者めェーーーッ!!」
 ……と。

 そして、はがねが時間を稼いでくれた事もあってか、ザウルスモードの有効時間が切れたらしく、ティラノ先生が元の怪人の姿へと戻っていく!
「ぬあッ、しまった!? 時間が……」
「そぉれ、よっこいしょーっ!」
 最後に一撃食らわせてやるとばかりに、はがねがティラノ先生の頭を思いっきり踏み付けた!
「ぷぎょッ!?」
 頭を踏まれ、情けない声を上げるティラノ先生。
 それとは対照的に、華麗に空中を回転しながらシュタッと着地を決めるはがね。
 テリブルのドリルと合わせ、敵に確実なダメージを与える事に成功したようだ。
「お、おのれェ……!」
 劣勢に立たされ、焦りの色を見せているティラノ先生。
 このまま押し切れば、猟兵達の勝利は見えてくるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネミ・ミミーニーズ
敵といろいろ言いながら他の猟兵さん待ちつつクライマックスを盛り上げる方向で。

ティラノ先生だいぶ追い詰められてるみたいね!
これはあれね!あれなのね!
「さあ、観念して大人しくお縄を頂戴するのよ!」
十手ちらちら。

しかしここは追い詰められた怪人が巨大化するに違いない!
巨大化しますか!スーパーザウルスモードいけますか!
あと謎空間とか発生しますか!
謎空間くらいこの辺コンコンしたら発生しませんか!

さて、お膳立てが整ったら味方の援護とかしなきゃ。

くっ!
敵は強大だけど必ず弱点があるはずよ!
一瞬のチャンスを逃すな!
必殺のユーベルコードを叩きこむのよ!


ウルフシャ・オーゲツ
 わかる、わかるぞ、これは最終決戦でなぞのライダ……仲間が急に登場しても大丈夫なやつじゃ!
 じゃあうちもそこの小高い丘からバイクで飛び出すから、三回ぐらいそのシーンカメラ位置を変えながら繰り返して登場をかっこよく演出……え、尺的に無理? そっかぁ……。
 というわけで宇宙バイク『ステラドラグーン』を駆って乱入、通りすがりのライ……ん?これ以上は良くない?
 と、いろいろとごちゃごちゃ言ってたけどやることは簡単、宇宙バイクの上に立って、そのままの勢いでジャンプ!必殺のゴッドスピードライドーキックで相手を吹っ飛ばすのじゃ。
「……な、なんじゃと、あの一撃でまだ立つとは!?」
 アドリブ何でもこいじゃな!


アレクシア・アークライト
 見えないのが私の武器(念動力)のいいところなんだけど、それじゃこの世界では駄目なのよね。
 仕方ない、こまだっ……独楽たちが躍動する私の戦いをみんなに見せてあげる!
 ティラノのくせに腕が大きい怪人なんかに負けたりしないわよ。

・念動力でたくさんのバトル独楽を浮かせ、回転させながらオールレンジ攻撃。(念動力、サイコキネシス)
 「光るのよ? 音が鳴るのよ? 暴れっぱなしなのよ!!」
・でも、所詮は独楽なので、最後は肉体言語でつかまつる。(グラップル、空中戦、捨て身の一撃、全力の一撃)

 「言いたい事は、いくつかあるのよ。ま、一つを挙げるなら……、“先生”って特撮じゃなくて、時代劇じゃない?」



●実況はネミちゃんでお送りします
 ここまで、猟兵対ティラノ先生との激しい戦いが続いていた。
 まあ、一部放送事故的な状況になったりもしたけれど、そこは編集マジックでなんとかしようと言う事で一つ!
 ……それはともかくとして、猟兵側の激しい攻撃とコンビネーションによりティラノ先生は追い詰められていた。
 先ほどのテリブルの大型ドリルとはがねの踏み付け攻撃は間違いなく効いたであろう。
 そんな中、ネミは思った。
(ティラノ先生だいぶ追い詰められてるみたいね! これはあれね! あれなのね!)
 何故か妙に楽しそうなのは気のせいではない。
 先ほどの実況もそんなノリだったし。
「さあ、観念して大人しくお縄を頂戴するのよ!」
 そう言うと、いつの間にか取り出していた一部で噂のスゴイ=エンパイア=ウェポンことネミの十手をちらつかせる。
 ……ってお縄?

「いや、ちょっと待て。俺様と貴様等はそもそも命をかけたやり取りをしてるのであろう! なんで急に俺様が捕まらねばならんのだ!?」
 もっともらしいツッコミをするティラノ先生。
 まあそりゃさっきまで激しいバトルしてたからねえ……。
「んー、カツ丼は用意するわよ?」
「そう言う問題ではないわッ!!」
「しかしここは追い詰められた怪人が巨大化するに違いない! 巨大化しますか! スーパーザウルスモードいけますか! あと謎空間とか発生しますか! 謎空間くらいこの辺コンコンしたら発生しませんか!」
 怒涛の畳みかけトークで攻めるネミ。
 まるでマシンガンである!
「えっ、いや、いくら俺様でも出来る事には限度があるぞ……? そりゃあまあ、見せ場を作るためにもそれくらいの事はしたいが……」
 ネミのマシンガントークを受け、急に素に戻るティラノ先生。
「えー、出来ないのー?」
「うぐ……ネ、ネコ怪人! そこは編集でどうにか出来ん部分か!?」
 そして唐突にネコ怪人に話を振るティラノ先生。
「えっ、ワガハイ!? ……あ、あー……まあ編集すればそれらしく出来なくもないですが……」
「ええい、じゃあそれで!」
 そんな適当でいいんかい。
「……と言う訳だ、猟兵共よ! 今から俺様の最後の力を振り絞って、貴様等を血祭りに上げてくれるわァ!!」
 また編集でカットされるであろうやり取りを挟み、ティラノ先生が吼える!
 その時である!

「待てぇいッ!」「そこまでよ!」
 採石場に響く、見知らぬ二人の声!
 まさかここに来て援軍がやってきたのか!?
「なッ!? 何奴だ!?」
「おおっ、ついに猟兵にも援軍が! どこだ!? どこにいるんだー!!」
 更なる追加の猟兵に驚くティラノ先生。
 正直、このピンチの状況で援軍が来たのは想定外だったのであろう。
 そしてネミはと言うと、ノリノリで実況を再開する。
 実のところ、彼女は密かにトークで場を繋いで援軍が来るまでの時間稼ぎをしていたのだ!
 なんと言う策士!
 援軍として現れた、その二人の姿とは……!

●TODOME
(わかる、わかるぞ、これは最終決戦でなぞのライダ……仲間が急に登場しても大丈夫なやつじゃ!)
 映画では割とよくありますよね、それ。
(じゃあうちもそこの小高い丘からバイクで飛び出すから、三回ぐらいそのシーンカメラ位置を変えながら繰り返して登場をかっこよく演出……え、尺的に無理? そっかぁ……)
 そもそも打ち合わせしてないからね、仕方ないね……。
 と、それはともかく採石場の高台から、一台の宇宙バイクが突然ジャンプで飛び出してくるではないか!
 『ステラドラグーン』を駆って乱入してきたのはウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)だ!

「なッ!? またバイクだとォ!?」
「おぉっ! あのバイクに乗った褐色の美少女は何者なんだー!?」
 この登場は二度目となるが、まさかまたこのケースでやってくるとは思いもしなかったのだろう。
 ここ一番と言うタイミングでの登場に、ティラノ先生が嫉妬の目を向ける。
 『ええい、またおいしい登場をしおって!!』と。
 あ、ネミはノリノリで実況続けてます。
「さあ、一気に行くぞぉ!」
 変形したステラドラグーンの上に立ち、ウルフシャが構える。
 そしてその勢いで飛び上がると、必殺のゴッドスピードライドーキックが流星のごとくティラノ先生へと襲い掛かる!
 その速度に反応しきれず、ゴッドスピードライドーキックが突き刺さる!!
「ぐッ、おおぉおぉぉぉーーーッ!!」
 ティラノ先生が盛大に吹き飛ばされ、採石場の小高い丘に直撃!
「き、決まったぁー! この一撃は強烈だわ!!」
 興奮するネミの実況!
「ふふん……うちは通りすがりのライ……ん? これ以上は良くない?」
 登場と同時に強烈な一撃を叩き込んだウルフシャが得意げに言う。
 けど、そのネタは色々な意味でギリギリなのでそれ以上いけない。
「な、なんと言う一撃だ……俺様でなければ、とうにやられていたぞ……」
 だが、ティラノ先生はそれでも立ち上がる!
 あれだけの一撃を受けても、まだ倒れない!!
「……な、なんじゃと、あの一撃でまだ立つとは!?」
「うわっ、なんて信じられないしぶとさ!? これはゴキブリ以上ね!」
 これで決まったと思っていたウルフシャだったが、まだ倒れていない事に驚愕する。
 さすがはティラノサウルス怪人と言うべきなのか。
 そしてネミは何気に言ってる事が辛辣だ!

「でも、敵は虫の息よ」
 ……そこへ現れたもう一人の影。
 それは二人目の援軍である、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)であった!
 彼女はオブリビオンの始末を専門とするUDCエージェント。
 オブリビオンであれば、例え怪人相手であろうと容赦は一切無いのだ。
「言いたい事は、いくつかあるのよ。ま、一つを挙げるなら……、“先生”って特撮じゃなくて、時代劇じゃない?」
「えっ!? いや、でも元々は先生と呼べって言ってたし……」
 ネコ怪人がアレクシアの疑問に答える。
 言わせてたのはお前か、ティラノ先生。
「よ、呼び方など別にどうでもよかろう! しかしまだ援軍が残っていたとは……」
「問答無用。既に虫の息であれば、トドメを刺させてもらうわ!」
 そう言うと、アレクシアはどこから用意したのか念動力でたくさんのバトル独楽を浮かせ、回転させる!
「えっ、なにこれすごい!? こんな超絶技能ワガハイ初めて見たぞ!?」
 その光景にネコ怪人が反応した。
 そしてサイコキネシスで回転させながらオールレンジ攻撃を行う!
「光るのよ? 音が鳴るのよ? 暴れっぱなしなのよ!!」
 凄まじい音があちこちから鳴り、一斉にティラノ先生へと襲い掛かる!
 見た目だけであれば強力な攻撃にも見える、が……。
「あだっ! あだだっ!! あだだだっ!!!」
 所詮はおもちゃであるため、大したダメージにはなっていないようだ。
 まあそりゃそうだ。
「お、俺様をおちょくっているのかァ!!」
 キレるティラノ先生。
 しかしその体力は風前の灯であり、立っているのがやっとと言ったところか。

「では、最後は肉体言語でつかまつる!」
 アレクシアが素早く接近戦の間合いに詰め寄る。
 グラップルを駆使してティラノ先生の関節を破壊しにかかると、ベキィ、バキィ、と凄まじい音がハッキリ聞こえてくる!
 そしてサイコキネシスで浮かび上がらせると同時に、自身も宙に浮く。
 そこから空中戦で捨て身の一撃とも言えるアレクシアのユーベルコード『全力の一撃』が発動!
 普段は『空間をも破砕する念動力を纏った脚や拳による超高速かつ大威力の一撃』だが、それをアレンジしたフィニッシュブローが放たれる!
 高度を十分に稼ぎ、空中でティラノ先生を掴むと危険な体勢からそのまま自由落下!
「ああーっ! こ、この技はーっ!?」
 これから放つ技を見て、ネミが叫ぶ。
 それから数瞬後……轟音と共に、地面から衝撃波が走るほどの一撃が決まった。
 この一撃でティラノ先生の脳天は破壊されたも同然である!コワイ!!
「なんかすごいドロップが決まったーっ!」
 いや、ネミちゃんその命名はどうなのさ。
 だがこの一撃がトドメとなったようだ。
「あ、がが……きゅ、旧人類……バン、ザイ……」
 それだけ言い残すと、ティラノ先生は盛大に爆発四散!
 そしてトドメを決めたアレクシアはビシッとポーズを決めてフィニッシュ!!
 ……何故怪人が爆発するのかを考えてはいけない。
 だってここはキマイラフューチャーだもの。
 こうしてこの長い戦いに、ようやく決着が付いたのである。

●戦い終わって~神々の黄昏
「う、うわあぁぁぁぁぁーーー!? ティ、ティラノ先生が負けたぁぁぁーーッ!?」
 ここまでの戦いを撮影していたネコ怪人が膝から崩れ落ちる。
 負けるとは元々思ってもいなかったのか、そのショックは計り知れないようだ。
「な、なんと言う事だ……これでは旧人類の侵略計画が……。くっ、ここは退いて計画の練り直しを……」
 そう言って、再び逃げようとするが……いつの間にかネコ怪人は猟兵達に囲まれていた。
 逃げ場は無い。
「……あ゛」
 そして、じりじりと近付いてくる猟兵達。
 いっそ包囲を突破出来れば良かったが、そもそもザコ怪人よりも弱い以上どうにかなる訳もない。
(……あ、これワガハイ終わったわ……)
 それがネコ怪人が最後に悟った事であった。
 合掌。

「いやー、今回は激しい戦いだったねー」
 ネコ怪人も退治した後で、ネミが戦いを振り返る。
 最後の辺りは実況しかしていなかったような気もするが、あまり深く考えてはいけない……事にする。
「おう、そう言えばこの怪人撮影してたんじゃったな」
 ウルフシャがネコ怪人の持っていた撮影機材を回収する。
 機材一式は無事だったのか、これまでの戦いの様子がしっかりと記録されていたようだ。
「どれどれ……ふむ、ちょっとグダグダになったところはあるけど、編集すれば十分使えそうな素材ね」
 撮影されていた映像に軽く目を通したアレクシアが率直な感想を口にする。
 バトル自体はなかなか迫力のある映像が取れていたのは間違いない。
「じゃあ、帰ったら早速編集してこの世界に流してみましょ! いいねを稼いで世界を平和にしよう!」
 ネミが思い出したように言う。……そう言えばそんな目的もあったね。
 確か仲間の一人は撮影されている事を快く思っていなかったかもしれないが、そこも編集でどうにかすれば多分大丈夫であろう。

 こうして旧人類の侵略計画はなんやかんやあって阻止された。
 ……なお、一行が帰還して素材を編集する事で仕上げた『猟兵対怪人のバトル動画』はその迫力さもあってかアップロードから一時間もしない内にミリオンを達成。
 現在も再生数はグングン伸びており、現地の動画サイト・キマイラチューブで殿堂入りを果たしたとかなんとか。
 結果的に、猟兵の凄さを改めてキマイラフューチャーに知らしめる事が出来たようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト