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縁を結ぶ、初詣

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●縁結びの神様を祀る社で
 年の瀬を迎え、町の人々も慌ただしく新年を迎える準備に走り回る頃、もちろん神社も例外ではない。
 神社の煤を払い、お清めを行い、そして新年を迎えた後の初詣にくる参拝客を迎える準備に奔走していた。

 ――チリン、チリン。

 風鈴のような涼やかな音色に耳を止めた神主の一人が怪訝そうな顔で境内を箒で掃く手を止める。
(「おや、風鈴とは季節外れな」)
 聞き間違いかとも思ったが、気のせいではない。
 もう一度、今度は先程よりも大きく鈴の音が聞こえた。

 ――チリン、チリリン。

 なぜ? と鈴の音がする方へと顔を向けると、その視線の先には大量の黒い兜を纏った風鈴の群れが押し寄せている。
 彼らが目指している先は、この神社の本堂。そこにあるのは……。
「大変だ、ご神体をお守りせねば……!」
 神主は箒を投げ捨て、急ぎご神体が祀られている本堂へと駆け込むのだった。

●季節外れの風鈴
「こんにちわーっ! みんな集まってくれてどうもありがとうなのねーっ!」
 ユニ・エクスマキナは金色の髪をふわりと揺らし、グリモアベースに集まった猟兵たちをぐるりと見回し、ゆっくりと口を開く。
「あのね、サムライエンパイアのある神社にオブリビオンたちが迫っているみたいなの」

 神社へ迫っているというオブリビオンは黒い兜をかぶった風鈴――兜風鈴と呼ばれる魑魅魍魎の類だ。
 兜風鈴の群れは黄泉の国から亡霊を呼び出す死者蘇生の願いに呼応し現れるといい、亡霊を呼び出し生者を襲わせる性質を持つという。
 個体それぞれは強くはないのだが、その数が多いのが厄介だとユニは口を尖らせた。

「困ったことに、神社にはまだ神主さんや巫女さんたちがいるみたいなのね……」
 ユニはふぅと小さくため息をついて眉根を寄せる。
 新年を迎えれば初詣へとやってくる参拝客で賑わう神社だ。
 年の瀬を迎えた今は準備のため一番忙しい時期であることは想像に難くない。
 しかも、この兜風鈴は生者は無差別に襲う習性を持っているようなので、このままでは神社の関係者たちも巻き込まれてしまう恐れがあるという。
 だから、出来ることなら彼らのことも助けてほしいとユニは言った。

「兜風鈴たちを倒せば、彼らを使役しているボスが姿を見せるのねー!」
 手下が誰一人戻ってこないことを不思議に思ったボスが様子を見に来るらしい。
 戦いやすい場所で戦闘を仕掛けることが出来れば猟兵たちにも有利だし、何よりも神社への被害を最小限に抑えることができる。
 幸い、この神社には長く見通しの良い参道があるという。
 そのため、戦うのならばそこが良いのではないか、というのがユニからの提案だ。

 ざっくりと説明を終えたユニはそれでね、と嬉しそうに口を開く。
「オブリビオンの襲撃から守ることが出来たら、みんなも神社にお参りしてみたら?」
 この神社は縁結びの神様を祀った神社だという。
 縁結びといっても恋愛関係だけでなく、仕事や人間関係等の縁結び、その他悪縁を切るというご利益もあるそうだ。
 もちろん、縁結びに関係のないことをお願いしても全く問題ない。
 祈祷の他にもおみくじをひいたり、絵馬に願いことを書いたり。
 お守りなどの縁起物を買ってみるのもよいだろう。
「せっかくだから、ユニもお参りしてみたいのねー!」
 神様に何をお願いしようかな、なんて気の早いことを考えていたユニだったが、はたと気づいてくるりと猟兵たちの方へと向き直る。
「みんなだったら兜風鈴の集団なんてなんとかできるはずだよ。神社を助けるためにも、みんなだけが頼りなのねー!」
 よろしくお願いしまーす、と彼女はペコリと頭を下げると猟兵たちを送り出す準備に入るのだった。

 ――さぁ、いざ行かん。サムライエンパイアの世界へ!


春風わかな
 はじめまして、またはこんにちは。春風わかなと申します。
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 今回は、襲い来るオブリビオンたちから神社を守っていただきたいと思います。

●シナリオの流れ
 第1章:兜風鈴との戦い(集団戦)
 第2章:ボスとの戦い(ボス戦)
 第3章:神社での参拝(オブリビオンを全て撃破した場合)

●第3章について
 全ての敵を倒し、神社を守ることができた場合、第3章は神社の参拝シーンを予定しています。
 神社での祈祷のほか、おみくじをひいたり、絵馬に願いごとを書いたり、縁起物を買ったり等、自由にお過ごしください。
 POW/SPD/WIZの行動・判定例は気にしないで大丈夫です。
 判定が必要になった場合は一番高い能力値を使用しますので、プレイング内での宣言も不要です。
 お誘いいただけましたらNPCのユニ・エクスマキナもご一緒させていただきますのでどうぞお気軽にお声がけください。

●共同プレイングについて
 お友達や旅団仲間との合わせプレイング(共同プレイング)は大歓迎です。
 その際は、ご一緒される方のID(3人以上で参加される場合はグループ名でも可)と呼び方を記載ください。

 以上、皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『彼岸の兜風鈴』

POW   :    風鈴の音が響き渡る
予め【風鈴の音を響かせ続ける 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    風鈴の音が共鳴する
【共鳴振動となる甲高い風鈴の音 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    風鈴の音が死者を呼ぶ
【黄泉の国 】の霊を召喚する。これは【悲鳴】や【武器】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

阿紫花・スミコ
「おお!ここがサムライの国か!?」
はじめて訪れるサムライエンパイヤは見るものすべてが新鮮。
「おっと、観光に来たんじゃないんだよね。」
問題の神社へと向かう。
「なるほど・・・世界は違えど、やることは同じか。」
腰のワイヤーギアに手をかけると、地面や鳥居、屋根などにワイヤーをかけ、巻き取りとヒートロッドから発する蒸気の力で飛翔。機動力で一体一体、ヒートロッドによる熱攻撃で風鈴を打倒していく。
(ダッシュ、ジャンプ、空中戦、フェイント、属性攻撃、先制攻撃)


浮世・綾華
風鈴なんて風流な…と思ったけど
フツーにめっちゃ季節外れなのな
ま、それもある意味趣があるのかもしんねーけどさ
ヒトに悪さをするのはダーメでしょ

誘い出しに地形の利用が使えるなら使用しつつ
参道で待ち伏せてあの人への想いでも馳せよーか

(あの鳥籠から連れ出して自由の翼を与えたかった
外でしか感じることのできない幸福を与えてやりたかった
俺は彼女に何もしてやることができなかった
だから――生き返ってほしい)

……で。こんな叶わない願いでお前ら何がしてーの?と自嘲する

せめて、綺麗に逝かせてやるよ
菊花の舞で、範囲攻撃を繰り出して敵を掃除する
花びら舞う中でうすぼんやりと光る敵を見送って

敵の攻撃はなぎ払いで相殺



神社の入口に鎮座する大きな朱塗りの鳥居が無言で猟兵たちを出迎えた。
 荘厳な鳥居を一歩くぐって境内へと足を踏み入れれば、どこか空気が神聖なものになったように感じられる。
 清らかな空気に心が洗われると思ったのも束の間、季節外れの風鈴の音色が静かな境内に響き渡った。

 ――チリン、チリン

 風鈴の音色は聞こえるが、敵の姿は見えず。

「敵が見えないのなら、見える場所に行けばいいよね」
 阿紫花・スミコは腰に下げたワイヤーギアに手を掛けると慣れた手付きで鳥居にワイヤーを引っ掛ける。
 すぐさまポンと軽く地面を蹴り、巻取りの力を利用してひょいっと鳥居に登ると、神社内をぐるりと見渡した。
(「おお! ここがサムライの国か!?」)
 木造の背の低い建物を中心に、ぽつり、ぽつりと建物が点在している。
 神社の周りを囲むように深い緑色の森が広がり、近くには川も流れているようだ。
 スミコにとって馴染みの深い世界とは全く異なる世界を前に、彼女は興味深そうにきょろきょろと視線を動かすが、参道を漂う兜風鈴の姿を見つけると、スミコは任務を思い出して我に返る。
「おっと、観光に来たんじゃないんだよね」
 ふよふよと宙を漂い、本殿へと向かっている兜風鈴たちに狙いを定め、スミコはワイヤーを握り締め勢いよく鳥居を蹴り空へと駆けだした。

 風鈴なんて風流な……と思ったが。よく考えれば今は冬。年の瀬も押し迫ったこの時期においては季節外れ以外の何物でもない。
「ま、それでもある意味趣があるのかもしんねーけどさ」
 徐々に近づく風鈴の音色に耳を澄まし、浮世・綾華は独り呟きを漏らす。
 彼の頭の中にあるのは大切な『あの人』のこと。
(「俺は彼女に何もしてやることができなかった……」)
 あの鳥籠から解放して『自由』を与えることが出来れば。
 『外』でしか感じることのできない幸福を与えることが出来れば。
 叶わぬ願いと知りつつも願わずにはいられない。
(「今度、会えた時には、きっと――」)
 想いを馳せる綾華の目の前に黄泉の国からやってきた兜風鈴たちが次々と押し寄せてくる。
 綾華が薙刀を振るおうと構えた時、突然、空から黒髪の少女――スミコが勢いよく降ってきた。スミコはヒートロッドの蒸気を利用して兜風鈴に近づくと、その背後から攻撃を仕掛ける。
 突然の出来事に綾華はあっけにとられるが、チャンスとばかりに薙刀を菊の花びらへと変えた。
「――菊花よ舞え。美しく、狂おしく」
 スミコの攻撃に気を取られていた兜風鈴たちが菊花の舞に巻き込まれ、黄色い菊の花びらと共に散っていく。
 自らに攻撃を繰り出すスミコと綾華を敵とみなし、兜風鈴たちは反撃せんと彼らに向かって一斉に襲い掛かった。
 だが、スミコは焦る様子もなく巻き取ったワイヤーフックを本殿の屋根へと手早く掛けると再び宙を舞う。
「さぁ、ボクを捕まえられるかな?」
 ひらりひらりと軽やかな動きでスミコが兜風鈴を翻弄する隙をついて、綾華は菊の花弁を散らして敵を一掃。運よく綾華の攻撃を交わした敵はスミコがヒートロッドで確実に打ち倒していった。敵はあっという間に数を減らしてゆく。
 そして、綾華は最後に残った一体に向けて菊の花びらを飛ばした。
「ヒトに悪さをするのはダーメでしょ」
 菊の花びらが舞う中でぼんやりと淡い光を放つ兜風鈴を見つめ、綾華はそっと薙刀を下す。チリンと小さく風鈴を鳴らし、兜風鈴はゆっくりと空に消えていった。

 ――チリーン、チリーン

 目の前にいた兜風鈴は全て倒したが、まだ風鈴の音が聞こえるということは近くに敵がいるということ。
「さーて、もう一働きすっかな」
 ぐっと大きく伸びを一つして、綾華はスミコと共に兜風鈴の群れを探して走り出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヤパ・トラジマ
風鈴ねぇ…夏には良えもんやけど、この時期には寒々しなぁ
まぁ、オブリビオンは季節問わず遠慮したいが
新年の初詣、となりゃ神社的には稼ぎ時やろ
商売の邪魔する不届きもんは、きっちりばっちり倒したろ!

攻撃には音が不可欠なんやね
音を響かせ続けたり、共鳴させたりされたら面倒や
音が聞こえりゃ、鳴らした固体を狙って攻撃を

神社内ではお静かに!
マナーモードでお願いしまーっす!!
…ん?
俺さんの声のんが煩いて?
はは、こりゃ失礼!

しかし、耳澄ませとるとこへ悲鳴で攻撃されちゃ堪らんな
耳だけやなく、目でもしっかり警戒しとかんと
召喚の前兆を見付けて事前に阻止出来りゃベストやけど
もし召喚させてもうたら…最優先で燃やしとくべきかね


法悦堂・慈衛
あかんでぇ、年明けのめでたい行事を邪魔しちゃあ。
それも縁結び。人の世は張り巡らされた縁で出来とる。
こらなんとしてもお邪魔虫を叩いとかんとなぁ。

一先ず面倒なんは増援を呼びよる能力やろな。
【七星七縛符】でもってその動きは封じたろか。
でもこれ使うのほんましんどいねん。他の猟兵さん、よろしく頼むで~。

対策は一先ずこれでええとして、直接攻撃は煩悩切と偏愛真言符で。
煩悩切は間尺があるから露払い。
偏愛真言符は俺のアツーイ念をこめたるからきっとよー燃えるで。
邪悪な連中やからなぁ。破魔の効果もあるとええねんけどな。

さて、豆腐の角に頭をぶつける前に、くされ巫女のありがたいお祓いや。
あんじょう気ぃよく受け取ってや。


オルハ・オランシュ
サムライエンパイアは何となく神聖な雰囲気が漂ってるよね
私の世界とは正反対
一口に『縁』と言っても色々あるんだなー……
買い物もできるみたいだし、早く行ってみたい!
でも、浮かれる前に憂いは払わないと

綺麗な音だけど、なんだか嫌な感じ
攻撃対象が多い分うまく見切れたらいいんだけど
【目立たない】ようにこっそり【力溜め】しておいて
【範囲攻撃】で一体でも多くの敵を撒き込んじゃおうかな

攻撃が当たった時の感触で兜が堅いと思ったら
【鎧砕き】の【なぎ払い】でいっそ兜を狙いたいね
守備が脆くなったらあとは私達のもの
他の猟兵が畳み掛けてくれると信じてるよ



兜風鈴を蹴散らす猟兵たちだったが、敵は数に物を言わせて攻め込んでくる。
 わらわらと集まった兜風鈴たちは、チリンチリンと涼を呼ぶ音色を響かせ合って攻撃を仕掛けてきた。
「まったく……神社内ではお静かに!」
 騒がしい風鈴たちの音色に負けぬよう大きな声を張り上げてヤパ・トラジマが音を鳴らした個体を狙って炎を放つ。
 赤い炎に包まれた兜風鈴はそのまま燃え尽き、瞬く間に墨と化した。
「はい、そこ、煩いで! マナーモードでお願いしまーっす!!」
 振り返りざま背後から襲い掛かろうとした風鈴に向かって炎を放つヤパを見ながら、オルハ・オランシュはくすりと笑みを零す。
「君の声も風鈴の音色に負けないくらいに煩いけどね」
 愛用のスピア、ウェイカトリアイナで風鈴たちを範囲攻撃で纏めて薙ぎ払うオルハにヤパは笑いながら手を合わせた。
「はは、こりゃ失礼!」
「ウソ、冗談だよ。大丈夫、気にしてないよ」
 ごめんね、とペロっと舌を出すオルハだったが、すぐに眼前に立ち塞がる兜風鈴たちをスピアで纏めて蹴散らしていく。
 ふっ、と漆黒の兜を持つ風鈴たちとの戦いを終えた後のご褒美のことがオルハの頭を過った。買い物にも早く行ってみたいが、その前にはまず目の前の憂いを払わねば。
 オルハは鎧すらも砕く槍の一撃で風鈴の兜を突き、敵の護りを崩していく。

 チリリーン、チリリーン……。

「あっ……」
 先程までとは違う風鈴の音色をとらえ、オルハの耳がピクリと動いた。
(「綺麗な音だけど、なんだか嫌な感じ」)
 顔をしかめるオルハの目の前で風鈴の音が呼び出した黄泉の国の霊が現れる。
 それはもやのようで、はっきりとした姿をもたぬ霊たちだったが、猟兵を見つけるや否や敵と認識して手にした武器で襲い掛かってきた。
 ぐっと力を籠めて三叉槍を構えたオルハの前に、薙刀を持った金髪の青年が割って入ってくる。彼の名前は法悦堂・慈衛。
「あかんでぇ、可愛らしいお嬢ちゃんを攻撃するなんて」
 慈衛は煩悩切で襲い掛かった亡霊たちを一薙ぎすると、偏愛真言符を構えた。そして、兜風鈴に向かって慈衛が護符を投げつけると風鈴の音色がピタリと止まる。
「増援を呼びよる能力、封じたるわ」
 慈衛が自らの寿命と引き換えに風鈴の攻撃を抑えている隙にヤパの肌に刻まれた虎縞模様から炎が噴き出した。深紅の炎が兜風鈴を包み込む。
「燃え尽きるまで、逃がさんよ」
 血を思わせる紅い炎に包まれた兜風鈴は最期の声をあげることもなく燃え尽きた。
「ええなぁ、さっきのやつ、めっちゃ便利な能力やなぁ~」
 慈衛の攻撃を羨ましそうに見つめるヤパだったが、当の慈衛は気怠そうに首を横に振る。
「でもこれ使うのほんましんどいねん。悪いけど、ちょっと頼むで~」
 弱弱しく片手をあげて頼む慈衛にヤパは任せろと得意気にドンと胸を叩いた。
「おぅ! 新年の初詣、となりゃ神社的には稼ぎ時やろ。商売の邪魔する不届きもんは、きっちりばっちり倒したろ!」
 きっちりばっちり敵を倒すというヤパの言葉にオルハも異論はない。
「見切れるなんて、思わないでくれる?」
 オルハは周りに近寄ってきた風鈴たちに向かって溜めていた力を一気に開放してウェイカトリアイナで素早い一撃を放った。
 ――その技の名は、フィロ・ガスタ。
 風鈴の兜を狙って放たれた一撃を受け、ひるんだ風鈴たちをヤパが放った深紅の炎が包み込む。
 なんとかヤパの炎を免れた敵も慈衛が投げた偏愛真言符に込められたアツーイ念とともに一気に燃え上がった。
「大丈夫? 無理しないでね」
 オルハの気遣いの言葉に慈衛は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「おおきに。その言葉だけで元気になれんで」
 そして、煩悩切を杖代わりに立ち上がると、兜風鈴たちに厳しい視線を向ける。
「さて、豆腐の角に頭をぶつける前に、くされ巫女のありがたいお祓いや。あんじょう気ぃよく受け取ってや」
 再び慈衛が偏愛真言符を構えるのを見るや否や、兜風鈴たちは燃やされてたまるかとばかりにふよふよと向きを変えて散り散りに飛び回る。
「ちょ、待ってや! 逃げるなんて聞いてへんで!?」
「急いで追いかけなきゃ!」
 兜風鈴たちを追いかけて慌てて駆け出すヤパとオルハ。
「ほんまにしんどいねんけどなぁ……あ――もう」
 しゃーないなぁ、と覚悟を決めて慈衛もまた彼らを追いかけて行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

玖篠・迅
ボスってのはどんな理由でご神体を狙ってるんだろな?

とりあえず、神社の人たちを守るためにエレクトロレギオンで数の差をカバー!
まずは兜風鈴が本堂に行くのを邪魔させる。
生者を無差別に襲う習性って話だから機械兵は無視されるかもだけど、そん時は遠慮なく攻撃で数減らしだ。
上は兜で堅そうだし、下から攻撃すればいい感じにあたんないかな。
あとは「聞き耳」で甲高い風鈴の音が鳴った時にすぐ気づけるようにする。
範囲攻撃で機械兵が減ったのを再召喚で補充できるようにな。

俺も朱夏や霊符を使って「破魔」で攻撃してく
「範囲攻撃」「2回攻撃」「なぎ払い」でまとめて手早く倒していきたいな。


サラ・ノアール
縁結びの神様って鎖神の事かしらー?
私(鎖)を大事にしてくれた人は鎖は繋ぐものって言ってたし!

この神社は絶対に守らなきゃいけないわ
クサリメガミで鎖を増やし風鈴共を拘束して一般人から引き離そう
数が多いし誘惑と存在感でも囮になれないかしら
そこを鎖とメイスで叩き壊していく感じでいきましょ
その場のコミュ力で他の猟兵と協力するのはとても大事だと思うわ

皆で守るわよ!


木槻・莉奈
縁結びの神様は、嫌な縁は切ってくれる神様でもあるんでしょう?
だったら、無理矢理黄泉に引き込むような余計な縁は切ってくれるよう、手を貸してくれるはずよ

ライオンライド使用(※ライオンの呼び名はリオン
生者は無差別に襲うんなら、2人でいた方が寄ってきそうだしね
リオン、蹴散らすわよ!

逃がしてなんてあげないわ…あんたたちを放っておいたら、人だけじゃない
ここの動物達だって巻き込まれるんだから

リオンにも攻撃してもらいつつ、近場の敵は剣で切り伏せて
あまり動きは早くなさそうだし、風の属性攻撃を放って確実に当てていければよさそう

後は、余裕があれば楽器演奏で敵の音を多少でも緩和できるのか試せたらと思ってるわ


緋翠・華乃音
……ったく、風鈴の音は好きだが、そういうのは勘弁してくれよな。
神の御座で事を起こすなんて、不敬だとは思わないか?

先ずは狙撃手(「スナイパー」)らしく「地形の利用」を考えて、本殿か拝殿の屋根の上にでも陣取らせて貰おう。
優れた「視力」に物を言わせて遠距離から味方の猟兵の「援護射撃」に徹する。
敵の行動パターンを「見切り」つつ、至近まで敵の接近を許してしまった場合には近接戦闘に切り替え。拳銃、ナイフ、鋼糸等の多彩な武器を使いこなし、パワーよりもスピードやテクニックで翻弄。



猟兵たちの攻撃をかいくぐり、オブリビオンたちも本殿を目指して神社の中を突き進む。
 当初に比べると大きく数を減らした兜風鈴たちではあったが、生きている者の気配を頼りに奥へ奥へと進んでいった。

 ――チリーーン、チリーーン

(「――来た!」)
 耳を澄ましていた玖篠・迅は風鈴の音色を聴くと同時に小型の戦闘用機械兵器を召喚する。その数、ざっと80体。
「――行けっ!」
 兜風鈴の行く手を阻むように機械兵たちは立ちはだかると同時に攻撃を始めた。
 機械兵の間を擦り抜けて兜風鈴たちは本殿へと近づこうとするが、機械兵たちが無差別に攻撃を行い、その歩みの邪魔をする。
 迅が危惧していたとおり、生身の身体を持たぬ機械兵たちに兜風鈴は反応を示さない。しかし、それは同時に攻撃をされないので機械兵たちの数がなかなか減らないというメリットもあった。
 機械兵たちに足止めされて思うように進むことが出来ない兜風鈴たちの前に、ザッと一人と一匹が躍り出る。それは、木槻・莉奈と、大きな黄金のライオン。
 縁結びの神様は、嫌な縁は切ってくれる神様でもあると聞いた。
 ならば、無理矢理黄泉に引き込むような余計な縁は切ってくれるよう、手を貸してくれるはず。
 大きく息を吸い込むと、莉奈は相棒の首元を軽く叩いて合図を一つ。
「リオン、蹴散らすわよ!」
 莉奈の言葉に応えるように、リオンは一声あげると兜風鈴たちの群れへと飛び込んだ。
 風鈴たちは甲高い音を鳴らしてリオンと莉奈をターゲットに定めると攻撃を開始する。
 リオンが風鈴に噛みつき、攻撃の音を止めると、すぐさま莉奈が近づき剣で切り伏せてとどめを刺していった。
(「逃がしてなんてあげないわ……あんたたちを放っておいたら、人だけじゃない。ここの動物達だって巻き込まれるんだから」)
 莉奈とリオンの息の合った連携攻撃で風鈴たちが一匹、また一匹と姿を消していく。
 迅もまた朱夏で近くに寄ってきた兜風鈴を纏めて薙ぎ払い、と、同時に耳にも意識を集中して敵の範囲攻撃で減った機械兵をすぐさま再召喚して補充できるように準備をしていた。
 だが、二人と一匹の攻撃を交わしながら兜風鈴たちはなおも本殿への進行を止めようとしない。
「――あっ!? しまった……!!」
 迅の脇を擦り抜けた兜風鈴が奥へと進んでいく。その先には、逃げ遅れていたのか、神主の姿があった。
(「間に合ってくれ……!!」)
 慌てて機械兵を向かわせようとする迅の目の前で、兜風鈴に十を超える鎖がジャラリと纏わりつく。そして、ぐいっと神主から引き離されるように後ろへ引っ張られたと思ったところを頭上から無数の散弾の雨が降り注いだ。
「間一髪ってところね」
 間に合ってよかった、と鎖を操りながらほっと胸を撫で下ろしたのはサラ・ノアール。
 サラは本殿の屋根に視線を向けると、そこには見知った顔――flexibleを構えた緋翠・華乃音が厳しい面持ちで敵を見つめていた。
「……ったく、風鈴の音は好きだが、神の御座で事を起こすなんて、不敬だとは思わないか?」
 迷惑そうに肩をすくめ、華乃音は再び兜風鈴たちへと意識を向ける。
「避けられるものなら ――」
 避けてみろ、と言わんばかりに再び虚空から無数の散弾の雨が降り注いだ。
 何とか離束銃雨(スティルラータ)を避けようとおたおたと逃げ回る兜風鈴たちをサラの鎖が見逃さない。
「我が神の畏れ、とくと味わいなさい」
 サラが自由に操るのはヤドリガミである己の本来の姿でもある鎖たち。鎖は逃げ惑う兜風鈴たちを逃さずどこまでも追いかけ絡めとり、ダメージを与えるとともにその動きを封じ込めていった。
 莉奈や迅も加勢して散弾の雨を避け、鎖から逃れようともがく兜風鈴たちを一匹ずつ確実に倒していく。
 ねぇ、とサラは屋根から降りて漆黒の拳銃で敵を打ち抜く華乃音の背に問いかけた。
「縁結びの神様って鎖神の事かしらー?」
 さぁね、とクールに肩をすくめて華乃音はサラを狙う風鈴の兜を打ち抜く。パァーンという大きな音とともに、兜が割れて風鈴の姿は消えていった。
(「きっと、きっとそうだわ」)
 華乃音は何も言わなかったが、鎖を操る手を休めることなく、サラは自信たっぷりに頷く。
 だって、鎖だったサラを大事にしてくれた人は言っていたから。
 鎖は繋ぐものだって――!
「さぁ、敵の数はあと少し。皆でこの神社は絶対に守るわよ!」
 サラの言葉はその場の皆が抱く想いと同じだった。
 九尾扇で纏めて敵を薙ぎ払い、怯んだところを剣で切り捨て、メイスが兜を打ち壊せば息つく間もなくナイフが止めを刺す。

――リ、リン。

 最後の一体を華乃音がchaser sharpで屠ると同時に兜風鈴は最期に微かな音色を響かせながらゆっくりと姿を消していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『美形な山賊頭領』

POW   :    行けっ!
【従わせた部下の山賊達】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    死ねっ!
【両手の鉄爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    皆殺しだっ!
【我を忘れる程の怒りに満ちた状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


兜風鈴の群れが全滅したことを確認し、猟兵たちはほっと胸を撫で下ろす。
 オブリビオンの群れから神社を守ることが出来た。
 だが、これで戦いが終わりではないことを彼らは知っている。

「――ったく、使えねぇヤツばっかりだなぁ」
 
 誰もいなかったはずの鳥居の下に若い男が立っていた。
 あの男が、この神社のご神体を狙い、兜風鈴たちを操って神社を襲わせた張本人。
 応戦するつもりで武器を構える猟兵たちをちらりと見遣り、ふふんと山賊頭領は鼻で笑う。

「邪魔するヤツは皆殺しだっ! 死ねっっ!!」

 黒い角を持つ鬼は両手の鉄爪を振りかざし、猟兵たちへと襲い掛かってきた――。
木槻・莉奈
有能な上司の元には有能な部下が集まるものよ
無能な部下しかいないなら…これ以上は可哀想かしら
残念な人

ふ~ん…?違うと言うなら証明してみせてよ
まさか風鈴達しか部下いないの?
ってことは、やっぱり、ねぇ?

あえて煽る事で敵の部下も全員戦闘の場に引き摺り出せるように
残したら後が困るでしょうしね

トリニティ・エンハンスで水の魔力で防御力底上げ
防戦に見せて惹き付けつつ隙が大きい山賊は切り伏せて
攻撃には合わせて水の属性攻撃をのせて
不浄なものは洗い流さないとね
女だからって侮る奴には特に厳しく対応させてもらうわよ

引き摺りだした以上出来る限りこっちで引き受けるわ
その残念な人追い込むのは任せるわね


浮世・綾華
おいおい、いきなし攻撃かよ
頭に血ィのぼっちゃってるけどさぁ
部下が使えねぇのはあんたのせーっしょ

敵の攻撃はなぎ払いとかフェイントで交わす
そんなのぜんっぜん効かねーから

なんかキレやすい奴みてぇだし
誘惑で煽ってやれば動きに隙もできるだろ
怒りのまま向かってきたらカウンターで跳ね返して
咎力封じで動きを封じてやるよ

どーした?さっきまでの威勢は
傷口を抉ってやれば漏れる呻きに渇いた笑みを

蘇生の、人の祈り利用しようなんて奴に
お前みたいなやつに、慈悲なんて欠片もくれてやるかよ

俺と戦うことになって、カワイソーに


阿紫花・スミコ
「いよいよボスの登場かな?」
ヒートロッドを構え、ワイヤーを飛ばし、空中へ。
「あの鍵爪はやっかいそうだ。まずは、攻撃よりも回避を優先かな。」
ワイヤーと蒸気の力で、戦場を駆けまわり、敵の攻撃をかわす。部下の山賊たちが出てくるようなら、ヒートロッドで熱攻撃、撃破していく。
(ダッシュ、ジャンプ、空中戦、属性攻撃、フェイント、視力)


オルハ・オランシュ
その『使えないヤツ』に少しでも頼っていたのはどこの誰なのかなー?
もっとも、頭に血が上った君に何を言っても通用しないかもしれないけど
高みの見物はもうおしまいなんだね
いいよ、相手してあげる
返り討ちに遭っても悪く思わないでよね!

守備寄りの立ち回りだと、戦闘が長引いちゃうかも……
なるべく早く片を付けた方がいいかもしれないね
トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化しておこう
その上で【力溜め】、【2回攻撃】を繰り出すんだ

敵からの攻撃はよく引き付けてから【見切り】を狙いたいけど
見切れないと思ったら【武器受け】からの【カウンター】!
攻めの手は常に緩めないよ

猟兵同士で声を掛け合って連携で勝ちたいね


サラ・ノアール
随分な事をやった割に一人で出てきたわね。
相当な自信家かそれに見合うだけの実力者か。
どちらにせよ油断はできないわ。
この神社を狙ったのか、大勢集まる参拝者を狙ったのかはわからないけど
既にこの神社の神様はちゃんと仕事をしていたのは実証されているのよ?
私達猟兵が来たことで悪縁は断ち切られる!

私の天邪鬼の鎖は貴方の死角から襲いかかる技。
気を抜いていると痛い目を見る事になる!
私のダッシュのスピードと衝撃波でかく乱しながら追い詰めてタコ殴りよ
厄介な鉄爪を絡め取らないと危なそうだし
その場にいる猟兵のアシストしながら頭勝ち割って気絶攻撃よ!


玖篠・迅
神主さんも本殿も無事でよかったー。
あの兄さんがボスなんだよな。
……なあ、なんで縁結びの神社なんか狙ったんだ?

錬成カミヤドリで器物の複製。
「目立たない」ように足元に転がして踏ませて転ばすの狙ったり、下から顎下めがけておもいっきりぶつけたりして、他の猟兵が攻撃できる「時間稼ぎ」をしていくな
必要なら「フェイント」もまぜたり、「野生の勘」で仕掛け時を感じたら一気にいく。

狙われたら複製の手鞠で「武器受け」したり、「第六感」に感じることがあったらそれにしたがって動くな。
早さに反応するなら、手鞠を囮にできないかな



山賊頭領の鉄爪による攻撃をウェイカトリアイナで薙ぎ払い、オルハ・オランシュは敵と距離をとって体制を整える。
「頭に血が上った君に何を言っても通用しないかもしれないけど」
 オルハの言う通り、対峙するなり攻撃を仕掛けてくるとは、敵は大分頭に血が上っていると見受けられた。
「「その『使えないヤツ』に少しでも頼っていたのはどこの誰なのかなー?」」
 オルハの呟きに山賊頭領が反応するよりも早く「そうよ」と応じたのは漆黒の髪の少女――木槻・莉奈。
「有能な上司の元には有能な部下が集まるものよ。無能な部下しかいないなら……」
 莉奈はちらりと山賊頭領に視線を向けると気の毒と言わんばかりに肩をすくめて大袈裟に視線を外す。
「これ以上言うのは可哀想かしら。……残念な人」
 哀れみの視線を向けられた山賊頭領はチッと舌打ちをすると莉奈たちを鋭く睨む。
「黙れ、小娘どもが。調子乗ってんじゃねーぞ」
 山賊頭領が素早く振り下ろした鉄爪を莉奈は水の魔力を纏った剣で受け流し、なおも挑発を続ける。
「あら、違うの? 違うと言うなら証明してみせてよ」
 わざと見下す莉奈を真正面から睨み付けるとそのまま攻め込んでくる……と見せかけてバックステップで距離をとり、鉄爪を天にかざした。
「お前ら、行けっ!」
 山賊頭領の言葉を合図に、ドドドッという大勢の足音と共にどこからともなくやってきた部下の山賊たちが神社へと乱入してくる。
「ふん、俺に刃を向けたことをあの世で後悔するといい」
 襲い掛かる部下たちを見つめ、三叉槍を握り締めるオルハの前に莉奈はすっと前に出ると剣を構えた。
「引き摺りだした以上出来る限りこっちで引き受けるわ」
 莉奈は身を屈めて素早く前に躍り出ると山賊たちを切り込んでいく。
 水による守りの加護を受けた彼女は、あわせて水の魔力を纏った剣で敵を切り伏せていった。
 部下たちの攻撃力は高いとはいえないものの、数が多い。敵を惹き付けながら倒す莉奈だったが、徐々にその数に押されつつあった……が。
「ボクも手伝うよ」
 ヒートロッドを構えた阿紫花・スミコが空中から部下たちの背後を狙って熱攻撃を仕掛ける。ワイヤーを使って素早く宙を駆けるスミコの援護も受け、莉奈は次々と部下を撃破していった。
「チッ、小娘のくせに、小癪な……っ!」
 鉄爪を構え、悔しそうに猟兵たちを睨みつける頭領を前に、莉奈はオルハに声をかける。
「その残念な人を追い込むのは任せるわね」
「いいよ、任せて」
 こくりと頷くとオルハは山賊頭領に向かって口を開いた。
「私が相手してあげる。返り討ちに遭っても悪く思わないでよね!」
「うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ!! 皆殺しだッ!!」
 我を忘れ、怒りに満ちた山賊頭領は鉄爪を振り回しながらオルハへと襲い掛かる。
 山賊頭領の攻撃をウェイカトリアイナで受け止めカウンターでの反撃を繰り返しつつ、オルハは激昂している敵とは対照的に冷静に観察していた。
 感情に任せて闇雲に攻撃を繰り出しているため隙は大きい。
 しかし、先程よりも攻撃力が上がっているのか一撃によるダメージが重いし、怒りのせいか耐久力も上がっているようだ。
 ――防戦では、不利になる。
 攻めに転じたいオルハだったが、なかなか敵も思うようには攻撃をさせてくれない。
「どうした、小娘。でかい口を叩いた割にはたいしたことねぇじゃねーか」
「――じゃぁ、ボクもお相手しようか」
 攻撃の手を緩めることなく攻め込む山賊頭領の前に、ふっと宙からスミコが降りてきた。
 鳥居にフックをかけ、スミコはスリーディメンジョンモビリティを発動させるとワイヤーと蒸気の力を使って空中を駆ける。
「ボクを捕まえられるかな?」
「貴様……っ!」
 素早く戦場を動くスミコを捕らえようと山賊頭領は鉄爪を振り回した。だが、彼女はひょいひょいっと器用に攻撃を交わしながら宙を自在に駆け回る。
 怒りに満ちた状態での山賊頭領は速く動く物を無差別攻撃し続ける特性を持つため、いつしか攻撃対象がオルハからスミコへと変わっていた。だが、冷静さを失っている山賊頭領の頭の中にオルハのことはすっぽりと抜け落ちている。
 このチャンスを逃すまい、とオルハはぐっと溜めていた力を一気に開放してウェイカトリアイナを素早く左右に2回薙ぎ払った。
 ザッという音とともに、山賊頭領の右腕の服が破れ、ポタポタと血が滴り落ちる。
「……っっ!」
 傷ついた右腕を押さえ、山賊頭領はオルハたちを睨みつけた。
「俺を本気にさせたな……生きて帰れると思うなよっ!」

 ――死ねっ、死ねっ、死ねっ!!!
 山賊頭領は猟兵たちへと鉄爪による攻撃を息付く暇もなくがむしゃらに繰り出す。
「っと、おいおい、あぶねぇじゃねーの」
 黒色の薙刀――黒鍵刀で山賊頭領の攻撃を薙ぎ払いながら浮世・綾華は不適な笑みを浮かべた。
「そんなのぜんっぜん効かねーから」
「ふん、デカい口を叩いていられるのも今のうち……だッ!?」
 ――唐突に、山賊頭領がすてんと転んだのを見て応戦していた綾華も一体何事かと目を見開く。コロコロとゆっくりと転がってきたのは白っぽい革製の球体。
「何……っ、鞠だとっ!?」
「うーん、惜しい。毬じゃなくて、蹴鞠なんだなー、これ」
 人好きのする笑みを浮かべ、首を横に振るのは玖篠・迅だったが、山賊頭領はイライラしながら立ち上がると吐き捨てるように呟いた。
「うるせぇ、関係ねぇ! そんなもん同じだろっ」
「あんた失礼な人だなー」
 蹴鞠のヤドリガミである迅に対する暴言ともいえる発言に、迅は苦笑しながら再び複製した蹴鞠を操る。操られた蹴鞠たちは飛んだり、跳ねたり、まるで自らの意思を持っているかのように滑らかな動きで山賊頭領へと襲い掛かった。
「いてっ、いてて、貴様……っっ!!」
 再び怒りに満ちた山賊頭領は鉄爪を振り上げ迅に向かって物凄い速さで突っ込んでくる。
(「何でこの神社のご神体を狙ったのか聞いてみたかったんだけどなー」)
 頭に血が上った様子の山賊頭領とはまともに話が出来るとは思えない。迅としては残念ではあったが、今は蹴鞠でその攻撃を受け止めようとするので精一杯というのが正直なところ。
「殺す、殺す、殺す、ブッ殺すっっっ!!」
(「うわっ、これは……っ!」)
 だが、怒りにまみれた鉄爪の一撃が迅に向かって振り下ろされることはなかった。なぜならば……。
 ――ジャラリ。
 いつの間にか、山賊頭領の鉄爪には鎖が絡みついている。動かそうにも鎖に絡めとられて思うように武器を動かくことが出来ない。
 山賊頭領へ向けてピシリと指先を突きつけ、サラ・ノアールはゆっくりと口を開いた。
「戦いの最中に気を抜いているからよ。ほら、もっと痛い目を見る事になるわよ!」
「ち……っ! 死ねやっ、クソがっっ!! 」
 怒りに我を忘れて鎖をぶち切り、山賊頭領は猟兵たちへと鉄爪を振るい襲い掛かる。
 相手は綾華でも、迅でも、サラでも、誰でもよかった。ただ、憎らしい猟兵たちをその鋭い鉄の爪で斬り裂くことができれば、悲鳴を聞くことができれば何でもよかった。
 頭に血が上った山賊頭領とは対照的に、猟兵たちは冷静だった。
 迅の操る蹴鞠は山賊頭領の何度も足元を狙って転ばせ、拡散するように動いて時間を稼ぐとともに敵に隙を作らせる。
 サラは猛ダッシュで素早く動いて山賊頭領の死角へと回ると天邪鬼の鎖を飛ばし、鉄爪を絡めとりその攻撃を封じながらダメージを与え続けた。
「ほらほら、少しでも気を逸らせば襲いかかるわよ?」
「…………っ」
 憎々し気にサラを見遣る山賊頭領の右腕の傷を綾華の鉄屑ノ鳥籠が抉り取る。
「どーした? さっきまでの威勢は」
 乾いた笑みを浮かべ、綾華はポツリと小さく呟いた。
「……俺と戦うことになって、カワイソーに」
 あぁ? とキレ気味に聞き返す山賊頭領に綾華は何も答えない。
(「蘇生の、人の祈りを利用しようなんて奴に。慈悲なんて欠片もくれてやるかよ」)
 綾華の気持ちを代弁するかの如く鉄製の小さな鳥籠は無慈悲に敵の腕を、身体を締め付けた。
「ぐっ……あ……ぁ……」
 力なく覚束ない足取りでよろめく山賊頭領に向かって、サラがアサルトメイスを振りかぶって渾身の一撃をお見舞いする。
「どうしてこの神社を狙ったのかはわからないけど、でも、この神社の神様はね、ちゃんと仕事をしていたのは実証されているのよ? 私達猟兵が来たことでね!」
 サラが振り下ろしたメイスは山賊頭領の脳天を直撃し、山賊頭領はドサリとその場に倒れこんだ。

 神社も、その関係者も、みんな無事だったことを確認し、猟兵たちの顔に笑みが浮かぶ。
 猟兵たちは、見事、山賊たちと神社との悪縁を断ち切ることが出来たのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『神社仏閣での祈祷』

POW   :    情熱をこめて祈願する。

SPD   :    礼節を重んじて祈祷する。

WIZ   :    心のそこから祈願する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「皆様、どうもありがとうございました。おかげで無事に新年を迎えることが出来ました」
 山賊頭領たちを倒した後、平和を取り戻した神社で改めて神主は猟兵たちに向かって深々と頭を下げた。
 神社やその関係者たちはもちろんのこと、新年の祈祷をしたり、おみくじをひいたり、お守りなどの縁起物を買ったりと、初詣へと訪れる人々たちの楽しそうな笑顔も守ることが出来たことに猟兵たちも心から安堵する。

「ねぇねぇ、みんなもお参りしてくでしょ?」
 お疲れ様、と労いながらユニもまたにっこりと笑顔を浮かべて口を開いた。
「縁結びの神様だから、やっぱり縁……恋愛とか、人と人との縁とか、お仕事の縁とかに関するお願いをするのがいいのかな? でも、悪縁を切ってくれるっていうのも聞いたし、そもそも神様の心は広いはずだから、縁に関係ないことでも平気なはずだと思うのねー!」
 他にもね、とユニは指を折りながら嬉しそうに話を続けた。
 おみくじを引いて一年の運試しをするのもいいし、せっかくだから絵馬を書いて奉納するのも良い。お守りをはじめとする縁起物を買って帰るのも記念になりそうだ。
 参道では出店も並んでいるので食べ歩きを楽しんだり、雑貨などの買い物をしたりすることも可能なようだ。
 
 ――さぁ、何をしよう?
サラ・ノアール
5円 『ご縁がありますように』~♪
15円 『十分にご縁がありますように』~♪
25円 『二重にご縁がありますように』~♪
45円 『始終ご縁がありますように』~♪
55円 『午後にご縁がありますように』~♪
85円 『矢継ぎ早にご縁がありますように』~♪
105円『盛り沢山のご縁がありますように』~♪
と歌いながらお賽銭を投げ込んで皆に教えるようにお参りするよ!

私も縁結びの神様に会いたいなぁ~。今回頑張ったよね!
縁起物って縁結びの糸とかかな?鎖にしない?ね?ね?
ちょっと神主さんに聞いてみようかしら!


メリー・メメリ
えん?むすぶ?
えへへ、よくわからないけどお願いする!

今年もととさまとかかさまといっしょに、たーくさん遊べますように!
それからそれから、お友達もたーくさんできますように!
ぱんぱんって手を叩いて大きな音を鳴らすよ
大きな音を出せばお願いも叶う気がする!

お守り、お守りもね、買う!
ととさまとかかさまの分も一緒に買って、家族みーんなが
面白おかしく過ごせるようにお願いする!

どのお守りが良いかなー?
おそろいのお守り?色違い?
一杯あってなやむねー。
なにがいいのか聞いてみようかな!
ととさまとかかさまと一緒のお守りください!


オルハ・オランシュ
もしかして、お参りって何か作法が決まってるの?
周囲の人を見よう見まねで、それっぽくできるように頑張ってみようか……

願い事はもちろん店の繁盛!
ジャム屋も何でも屋も、両方ね
でもそれはお金の問題だけじゃなくて
店を通じていい出会いがあったら嬉しいなと思うの
最近、猟兵のお客さんが何人か顔を出してくれてありがたくって
みんなと仲良くなれますようにって願ってもいいかな

あっ、まだ時間ありそう
戦う機会も増えてきたことだしお守りを買って行こう

わー素敵!何ていうか、奥ゆかしいデザインだね
私の世界ではまず手に入らないよ
決めた、この赤いお守りにするんだ

(色で決めたため何のお守りなかは解っていない。
アドリブ可、ご自由に!)



初詣といえば、まずはお参り。
 神様への願い事もばっちり準備して拝殿へと進んだオルハ・オランシュだったが、お参りをしている人々の様子を見てはたと気づく。
(「もしかして、お参りって何か作法が決まってるの?」)
 オルハが慌てて周囲の様子を伺うと、皆、賽銭箱にお金を入れて、お辞儀をして、拍手……みたいだが、回数は1回ではなく、2回?
 見よう見まねでやってみようと心密かに決めるオルハの耳に初めて聞く歌が飛び込んできた。
「ご縁がありますように~♪」
 チャリンという音とともに賽銭箱に投げ込まれたのは5円玉。
(「なるほど、5円玉とご縁の語呂合わせだ」)
 感心しながら見つめるオルハの視線には気づかず、サラ・ノアールは小さな声で歌いながら次々とお賽銭を投げ入れていく。
「十分にご縁がありますように~♪ 二重にご縁がありますように~♪ 始終ご縁がありますように~♪」
 15円、25円、45円。
 お賽銭箱にチャリン、チャリンと小銭を入れるサラの歌はまだ止まらない。
「午後にご縁がありますように~♪ 矢継ぎ早にご縁がありますように~♪」
 55円に85円。そして、語呂合わせのお賽銭の最後は――。
「盛り沢山のご縁がありますように~♪」
 105円をお賽銭箱に入れて二礼二拍手。
 両手を合わせて静かに神様に祈るサラの姿をじっと見ていたオルハだったが、慌ててお賽銭を入れるとぴょこぴょこっと二回お辞儀をしてパンパンと柏手を二つ打つ。
(「お店が――ええと、ジャム屋も何でも屋も両方が繁盛しますように」)
 最近、同じ猟兵のお客さんが顔を出してくれるようになったことがオルハは本当に嬉しいし、ありがたかった。
 お金の面でも繁盛するのもありがたいが、店に来てくれる皆ともっと仲良くなれれば、と彼女は願う。
 両手を合わせて神様にお願いするオルハだったが、パンパンという大きな拍手にビックリして慌てて目を開けた。
 拍手の主は傍らに立っていた少女――メリー・メメリのようだ。
 メリーもまた、周りの人々を真似て両手を合わせると目を閉じて願い事を言う。
「今年もととさまとかかさまといっしょに、たーくさん遊べますように! それからそれから、お友達もたーくさんできますように!」
 さっき、周りの誰よりも大きな音で拍手したからきっと神様にもお願いは届くはずに違いない。
『えん』とか、『むすぶ』とか、メリーにはまだよくわからなかったが、願い事が出来たことに彼女は満足してゆっくりと目を開けるのだった。

 お参りが出来たので、次はお守りを買いたい。
「ねーねー、お守り、どこで買えるかなー?」
 突然、メリーに尋ねられたオルハは「お守り?」と聞き返す。
「えーっと、どこかな……?」
 社務所を探すオルハたちに気づいたサラが「あそこじゃない?」と人だかりができている建物を指さした。
「ありがとう。まだ時間ありそうだから、一緒に行ってみようか」
「うん、行くー!」
「面白そう、私も行ってみよう」
 三人は連れ立って社務所へと向かうとお守りを眺める。
「わー素敵! 何ていうか、奥ゆかしいデザインだね」
 お守りを手に取ったオルハは感嘆の声をあげた。シンプルだが細部まで凝られたデザイン。彼女の世界ではまず手に入ることはないであろう品を前にしてオルハの心も弾む。
「どのお守りが良いかなー?」
 ととさまとかかさまの分も一緒に買う! とはりきっていたメリーだったが、様々なお守りを前に悩んでいた。
 お揃い? 色違い? いっぱいあってなかなか決められない。
 メリーと一緒にお守りを選ぶオルハの隣で破魔矢等の縁起物を見ていたサラだったが、唐突にアイディアが閃いた。
「ね? ね? 縁結びの鎖とかも縁起物として売ったらどうかしら?」
 鎖も物や人を『繋ぐ』ものだから縁結びと関係ないわけではないとサラは通りかかった神主に力説する。
「小さな鎖をお守りの中に入れるとか、お守りの組紐を鎖にするとか……」
 なるほど、と頷く神主の反応を見てサラは嬉しそうに手首にはめた鎖をそっと撫でた。

「ね、決まった?」
 一目惚れした金色の鈴がついた赤いお守りを手にオルハはメリーに尋ねる。
「うん! ととさまとかかさまと一緒のお守りにするの!」
 嬉しそうにメリーが差し出したのは家内安全のお守り。
『家族みんなが面白おかしく過ごせるように』というメリーの願いを聞いた巫女さんが選んでくれたお守りだった。
「ととさまは水色。かかさまは桃色。あたしは赤色だよ」
 三人お揃いも捨てがたかったが色違いにしたという。
「あら、髪の色と同じ赤なのね」
 素敵じゃない、とサラに言われてメリーは得意気に頷く。
「私も同じ赤いお守りにしたんだ。デザインは違うけどね」
 オルハの赤いお守りはイチゴジャムを連想させるお守りだった。
 チリンと鈴を鳴らして見せるオルハにメリーも「かわいいねー」とぱっと顔を綻ばせて笑みを浮かべる。
「ねー、それは何のお守り?」
「えっと、これは……」
 見た目だけで選んでしまったから何のお守りかは見ていなかった。オルハがお守りの文字を見ると『縁結び』と書いてある。
「ここ、縁結びの神社だっていうし、いいんじゃない。やっぱり私も記念にお守り買おうかな~」
 今回頑張ったし! というサラの言葉にオルハもにこりと笑みを浮かべて頷いた。
(「縁結びか……店を通じていい出会いがあるといいな」)
 縁結びの神様にお願いします、と願いを込めて。
 オルハはもう一度お守りの鈴をチリンと鳴らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

馬駒・つの
おつみざわなあやちん隊員(f01194)に初詣誘ってもらった👏✨🎍
つのはファンのひとが恋人だからなあ~…
願うなら♥️とフォロワーさんとのご縁だー!💞🌏
あやちんはつのの自転車の鍵とかとお見合いしてみる?🔑💝🔑

おみくじおごりー!?ありがとエグゼクティブ!😂💖
せーのっ!つの選手「末吉」ー!🎉
んんんびみょー…?
あやちんのと合体させたらすごい吉になるかも😎💡
一緒に結んでおく~!🙆

つのはみんなに楽しくなってもらうためにいるんだから当然だぞー👌
今年もいっぱいよろしく遊んでくれたまえ😤🌼
あ!そだ、あやちんが鍵ってことは差し込む方もあるんだよね?
今度その人も一緒に遊ぼーよお🥂


浮世・綾華
此処、縁結びの神様なんだってさ
つのちゃん(f00249)は彼氏とかいねぇの?
あー成る程。みんなのつのちゃんなのな
俺もヤドリガミだしモノはヒトに恋とかしねーからなぁ
つのちゃんの紹介か…
美人なら吝かじゃねぇケド
なんて笑ってのっかる

おねーさん、はい二人分
せーので開ける?
俺のは吉~
あはは、んじゃそーしよ
がったーい

俺はつのちゃんがたくさん遊んでくれたら
それだけで良い年になる気がするんで
今年もよろしく頼むぜ、たいちょー

あ~彼奴はいらね
多分つのちゃんとは気が合う気がするけど
俺は気が合わないので?
まあでも今度紹介はするわ



あやちん隊員もとい浮世・綾華に初詣に誘ってもらった👏✨🎍馬駒・つのはご機嫌に境内を歩く。
「つのちゃん、おみくじひいてみる?」
 綾華の誘いにもちろんつのは異論なし。まるっと頭上に両手で丸を作ってOKの意を示した🙆❤️👌
 綾華はおみくじの筒を持つ巫女さんに二人分の代金を支払うと、つのから順番にガシャガシャとみくじ棒の入った筒を振り、出てきた番号のみくじ箋を受け取る。
「あやちん、ひけた?」
「ひいたよ。せーので一緒に開ける?」
「いーよっ! せーのっ!!!」
 つのと綾華は二人同時におみくじを開いて結果を見せ合った。
「つの選手、末吉―!🎉 あやちんは?」
「俺のは吉~」
 ひらひらとみくじ箋を振る綾華につのはむぅっと小さく口を尖らせる。
「んんんびみょー……?」
 しかし、つのはすぐさまぱっと顔を輝かせるとピッと指を立てて嬉しそうに口を開いた。
「あやちんのと合体させたらすごい吉になるかも😎💡 一緒に結ぼ~!🙆」
 そんなつのの言葉に綾華は「いいよ」と笑いながら頷く。
「んじゃそーしよ。がったーい」
「がったーい!」
 嬉しそうにおみくじを結ぶつのに「そういえば」と綾華が話しかけた。
「此処、縁結びの神様なんだってさ。つのちゃんは彼氏とかいねぇの?」
 ん? とおみくじを結ぶ手を止めてつのは暫し考え込む。
「つのはファンのひとが恋人だからなあ~……」
 願うなら♥️とフォロワーさんとのご縁だー!💞🌏
 八重歯をちょこんと覗かせて笑うつのに「あー成る程」と綾華は頷いた。
 つのは『みんなの可愛いつのちゃん』なのだ。特定の誰かのものではない。
 あやちんは? とつのに問われた綾華もまた首を横に振る。
「俺もヤドリガミだしモノはヒトに恋とかしねーからなぁ」
「そっかー……じゃぁ、あやちんはつのの自転車の鍵とかとお見合いしてみる?🔑💝🔑」
「つのちゃんの紹介か……美人なら吝かじゃねぇケド」
 くすりと笑ってつのの話に乗っかる綾華だったが、ふっと真面目な顔つきでつのを見つめた。
「俺はつのちゃんがたくさん遊んでくれたら、それだけで良い年になる気がするんで」
 ――今年もよろしく頼むぜ、たいちょー。
 綾華の言葉につのはうむうむと頷き、可愛らしくパチッとウィンクを一つ。
「つのはみんなに楽しくなってもらうためにいるんだから当然だぞー👌 今年もいっぱいよろしく遊んでくれたまえ😤🌼」
 そして、おみくじを結び終えたつのは綾華にもおみくじを結ぶように促す。
 つののおみくじに重ねるように自分のおみくじを結ぶ綾華につのはふと思ったことを口にした。
「あ! そだ、あやちんが鍵ってことは差し込む方もあるんだよね? 今度その人も一緒に遊ぼーよお🥂」
「あ~彼奴はいらね」
 笑顔のつのとは反対に綾華は吐き捨てるように言い放つ。
 綾華とは気が合わないアイツの生き方に口出しはしないと決めているが肯定もしていない……が、つのとはちょっと気が合う気がした。
「まあ……今度紹介はするわ」
「わーいわーい、ありがと楽しみー!😂💖」
 いぇーい! と笑顔で右手を掲げるつのに綾華も右手を挙げる。パチンと二人が手を合わせる音が境内に響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シエン・イロハ
【Adv】で参加

初詣ねぇ…まともに行った記憶がねぇわ
けどまぁ、御神酒だっけか…日本酒もらえんなら行くのも悪くねぇわなぁ
しかし縁結びな…腐った縁なんぞ触りたくなくて切らねぇだろうし別にいいわ

恋愛運一番気にしてんのお前じゃねぇかシノ
相変わらずさらっと流されてやがるし

おみくじの結果ねぇ…お、大吉…
あ?酒や色に溺れると禍いを招くだぁ?ほっとけ

あん?財布の紐ねぇ…
ほら、頼られてんぞセンパイ、よかったな
緩んだついでにこっちにも何か寄越してくれよ(にやにや笑って見つつ
ロジロも手伝ってやってもいいんだぜ?

(ちらりと視線向け)そこのちっこいの、欲しいのあるなら主張しとけ、遠慮なんざ必要ねぇよ


木槻・莉奈
【Adv】で参加

縁結びの神様だって言うから、皆と来たかったの
去年は皆と会えて嬉しかったから、そのお礼とこれからもいい縁として繋いでいけるように
恋愛?んー…今は別にいいかなぁ
皆と過ごす方が楽しいもの、その時間が減っちゃうのは嫌だし

末吉…あ、でも願い事はやがて叶うだからよかった

お参りを済ませたら折角だし買い物とかもしたいよね
この世界のお菓子ってどんなのがあるんだろ

…ねぇ、先輩方?私頑張って疲れたから甘い物が食べたいなぁ~?
こ~んなに可愛いメイちゃんに美人のニナと一緒に初詣よ?
ちょっとくらい財布の紐緩むわよね?ね?

私が食べたいの?
んん…お団子も捨てがたいし…あ、飴細工あるなら飴かな
綺麗なのありそう!


シノ・グラジオラス
【Adv】の皆と

POWで情熱を込めまくって祈願する

初詣か
昔は真面目に年始に行ってたんだが、気が付いたら行きそびれてたりするんだよな

えー、皆恋愛運とか気になっちゃう感じ?(裏声)
女の子達はやっぱり女の子だなぁ。お兄さん微笑ましくなっちゃう
ん?俺?リナの恋愛運とか死ぬほど気になりますけど何か?

よっし。野郎共もおみくじを引いたか?
一番悪い結果のヤツが皆に何か奢るで行こうや
(『凶』の結果を見て)…大が着いてないだけマシだと思う。うん

あー緩むわー
こんなに可愛い子らに囲まれちゃ財布の紐すげー緩むわー
男に奢る物何もないわーってシエンの方が先輩だろうが
え?ロジロも手伝ってくれるのか?優しいなぁ?


ニナ・グラジオラス
【Adv】の皆と

縁結びは別に恋愛でなくてもいいんだな。よかった
そう、だな。
シノとの縁はもういらんが、皆と出逢えた事には感謝しないとだから、
この縁を続けていけるのを見守ってもらえるように祈願しないとだな
私もリナやメイ、旅団の皆と過ごす方が楽しいよ
…シエン先輩。あれはもう病気だから放っておけ

おみくじ引くのか?
私は吉か。可もなく不可もなくだ
失せ物が見つかりそうなのはよかった。これも縁なのかな?
皆はどうだった?

可愛いリナもいるから財布なんて緩みっぱなしだろ。と言うか緩めろ
さて、メイは何が食べたい?小さなレディに決定権はお譲りするよ

飴細工か、いいな
皆違う形を頼もうか…ああでも、お揃いも捨てがたい


辰神・明
【Adv】のみなさん、と

WIZで心からのお祈り、頑張ります、です
逸れない、ように……リナさんと、手を繋ぎます、ね

縁結びの神様、は
みなさんとの縁を、繋げてくれる神様、なんです、ね
メイもいっぱい、いっぱい、ありがとうします、です……!
これからも、たくさん、友達が出来たら……嬉しい、な

おみくじ、初めて、です……!
小吉……大きい、病気はない、って
メイ、これからも元気で、いられるね、です……!(ばんざーい!

(ぴっ!?と慌てて、ニナさんの背に隠れつつ)
あ、その……いっぱい頑張ったから、だから
リナおねえちゃんが、食べたいのが……メイも食べてみたいの、です
あめ、ざいく……?キレイって聞いた、です、楽しみ……!


ロジロ・ワイズクリー
【Adv】の皆と
「お誘いありがとうございます」
初詣などというものは初めてなので、皆に倣ってお参りしたりおみくじを引いたりします。
悪い運が出ても神社に結んで置いて行けばいいんだったか?
ともあれこうして共に出かけられる仲間との縁への感謝と、来年も続くようにと心の底から祈願します(WIZ)

何だ、シノ。俺の手伝えることなら何でも手伝うぞ。
和気あいあいと物珍しいのに色々見ながら歩き回り。
ニナやリナ、メイが危ないコトになったり迷子にならないように気を付けるよ。俺が殿を受け持とう。



木槻・莉奈の誘いで初詣へとやってきた【Art de vivre】の面々は、お参りをするために行列へと並んで順番を待つ。
「しかし、初詣か。昔は真面目に年始に行ってたんだが、気が付いたら行きそびれてたりするんだよな」
 シノ・グラジオラスの言葉にシエン・イロハは面倒くさそうに返事を返す。
「そうかぁ? 俺まともに行った記憶がねぇわ」
 そんなシエンが今回初詣へとやってきたのは、実は御神酒が目的だった。酒が好きだと豪語している彼らしい動機だ。
「ロジロは?」
「俺は初めてですね。……縁のない場所ですし、新鮮です」
 物珍しいのかキョロキョロと辺りを見回すロジロ・ワイズクリーだが、莉奈たち女子が危ない目にあったりはぐれたりしないか見守ることも忘れていない。
 そんな莉奈ははぐれないようにと辰神・明とぎゅっと手を握り、親友のニナ・グラジオラスとの会話に花を咲かせていた。
「この神社、縁結びの神様を祀ってるって言うから、皆と来たかったの」
 にこにこと嬉しそうに語る莉奈に明が「縁結びの神様?」と小首を傾げて問い返す。
 去年は【Art de vivre】の皆と会えて嬉しかったから、そのお礼とこれからもいい縁として繋いでいけるように。そう、神様にお願いするのだと莉奈が説明すると、明の顔がぱっと輝いた。
「縁結びの神様、は、みなさんとの縁を、繋げてくれる神様、なんです、ね」
「そう、か。縁結びは別に恋愛でなくてもいいんだな」
 明の発言にハッと気づかされたのか、ニナは良かったと小さく胸を撫で下ろす。
 そんな彼女の『恋愛』というワードに食い付いてきた男が一名。ニナの兄、シノだ。
「皆、恋愛運とか気になっちゃう感じ?」
 裏声で会話に参戦してきた兄をニナは一瞬冷たい視線をちらりと向けるもすぐに他人の振りをする。だが、妹の塩対応にはシノも慣れたもので気にする素振りもなく莉奈に問いかけた。
「ねぇ、リナは? 恋愛運とかやっぱり気になる?」
 シノの問いかけに莉奈は「恋愛?」とぱちぱちと瞬きをして暫し考え込む。
「んー……今は別にいいかなぁ」
 さらりと流す莉奈を見て、シエンははぁ、と溜息をついた。
「恋愛運一番気にしてんのお前じゃねぇかシノ」
「……シエン先輩。あれはもう病気だから放っておけ」
 吐き捨てるように呟くニナにシエンもお手上げのポーズで頷くが、当のシノはまだ諦めていない様子で食い下がる。
「えー、リナそうなの? ちなみに俺、リナの恋愛運とか死ぬほど気になってますけど?」
「だって皆と過ごす方が楽しいもの、その時間が減っちゃうのは嫌だし」
 莉奈はシノの心を知ってか知らずか再びさらっと打ち返した。シノ、撃沈。
「私もリナやメイ、旅団の皆と過ごす方が楽しいよ」
「ニナ……っ!」
 嬉しそうにぎゅっと抱き着く莉奈の髪を撫でながら、ニナは勝者の余裕の笑みを浮かべちらりとシノを見遣る。
「シノとの縁はもういらんが、皆と出逢えた事には感謝しないとだから、この縁を続けていけるのを見守ってもらえるように祈願しないとだな」
「メイも……! メイもいっぱい、いっぱい、神様にありがとうします、です……! だから、これからも、たくさん、友達が出来たら……嬉しい、な」
 最後の方は小さな声で呟く明だったが、シエンは屈んで彼女と目線を合わせると、大丈夫と励ますように明の肩をポンと叩く。
「おぅ、きっと神様もお願い聞いてくれると思うぜ」
 どこにいても普段のノリと同じ仲間たちを微笑ましそうに見つめ、ロジロは皆に前へ進むように促した。
「そろそろ俺たちのお参りの番ですね。皆、お参りの作法は知っていますか?」
「当然だろ、お辞儀をしてから、こう胸の前で手を打って……あれ? 最初のお辞儀って1回? 2回?」
「俺に聞くなよ。初詣なんて来ねえって言っただろ」
「最初が2回で、終わってから1回じゃなかったっけ?」
「ほら、鈴を鳴らして神様にお参りに来たことを伝えるんだ。メイ、一緒に鳴らそう」
「はい……! あ、お賽銭も、いれなくちゃ、です……!」
 ロジロも皆に倣ってパンパンと2回柏手を打つと、手を合わせて静かに目を瞑る。
 いつでもどこでも賑やかで楽しい仲間たちだから、きっと神様にもお願いが届くはず。
 こうして共に出かけられる大切な仲間との縁への感謝と、来年も、再来年も、ずっとこの縁が続くようにと心の底から願うのだった。

 お参りの後はおみくじを引こうと言い出したのは誰だったか。
「吉か。可もなく不可もなくだ」
 ふむ、とニナはおみくじに書かれた内容に目を通す。
『失せ物:見つかる。焦るべからず』の文字に良かったと安堵しつつ、これも縁ゆえかと思いを巡らせた。
「リナやメイはどうだった?」
「私は末吉……あ、でも『願い事:やがて叶う』だって。よかった」
「小吉……大きい、病気はない、って。メイ、これからも元気で、いられるね、です……!」
 おみくじの結果に安堵の笑みを浮かべる莉奈の隣で初めてひいたおみくじにドキドキしていた明も、バンザーイ! と嬉しそうに両手をあげる。
 おみくじに一喜一憂する女子たちを微笑ましそうに見守っていたシノだったが、シエンとロジロもおみくじを引いたことを確認するとニヤッと不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「よっし。野郎共もおみくじを引いたか? 一番悪い結果のヤツが皆に何か奢るで行こうや」
 せーのっ! というシノの掛け声でぱっとシエンがおみくじを開くとそこには『大吉』の文字が。
「おー大吉……、あ? 『酒や色に溺れると禍いを招く』だぁ?」
 ほっとけ、とおみくじをぴらぴら振るシエン。大吉なのに、悪いことが書いてある気がして何だか解せない。
「シノは……結果を聞くまでもなさそうだな」
 吉のおみくじを折り畳みながらロジロは凶と書かれたおみくじを握り締めてずぅぅんと落ち込んでいるシノを見遣る。
「……大が着いてないだけマシだと思う。うん」
「悪い運が出ても神社に結んで置いて行けばいいんだったか?」
 ロジロの言葉に、シノは慌てておみくじを結びに走った。
 おみくじを結ぶことで『神様と縁を結ぶ』という意味もあるという。そして、この神社は縁結びの神様を祀った神社。神様と縁を結んでおいて損はないはずだ。
 とりあえず奢る役目はシノに決定したわけだが、男性陣がそんな話をしていたとは露知らず。サムライエンパイアの世界のお菓子の話で盛り上がっていた女子もおみくじを結んでやってきた。
「……ねぇ、先輩方? 私、頑張って疲れたから甘い物が食べたいなぁ~?」
 おねだりをする莉奈の声にピクっと反応したシノが早々にポケットの中の財布に手をかける。
「こ~んなに可愛いメイちゃんに美人のニナと一緒に初詣よ? ちょっとくらい財布の紐緩むわよね?」
「可愛いリナもいるから財布なんて緩みっぱなしだろ。と言うか緩めろ」
 明かに個人を限定したニナの物言いに反論しようとするシノだったが、「ね?」と莉奈に甘え声で追い打ちをかけられるといそいそと嬉しそうに財布を取り出した。
「こんなに可愛い子らに囲まれちゃ財布の紐すげー緩むわー」
 デレデレと嬉しそうな様子のシノを面白そうに見ながらシエンもニヤニヤ笑っている。
「ほら、頼られてんぞセンパイ、よかったな。緩んだついでにこっちにも何か寄越してくれよ」
「男に奢る物何もないわーってシエンの方が先輩だろうが」
 シノに軽く肘で小突かれたシエンは興味深そうに出店の屋台を見ているロジロに声を掛けた。
「おい、ロジロ。ロジロも手伝ってやってもいいんだぜ?」
「え? ロジロも手伝ってくれるのか? 優しいなぁ?」
 突然名前を呼ばれたロジロはシエンたちに視線を向けると、「何だ?」と問いかける。
「俺の手伝えることなら何でも手伝うぞ」
「だってよ。……ほら、そこのちっこいの」
「え!? メイ、です……?」
 唐突にシエンに声を掛けられた明はびっくりしてぴっ!? と慌ててニナの背に隠れた。そして、そろりそろりとゆっくり顔を出す。
「そうだ。欲しいのあるなら主張しとけ、遠慮なんざ必要ねぇよ」
「メイは何が食べたい? 小さなレディに決定権はお譲りするよ」
 シエンの言葉に頷きながらニナも優しく促すように明の背をポンポンと叩いた。
 二人に問われ、明は莉奈を見上げながらそろそろと口を開く。
「あ、その……いっぱい頑張ったから、だから。リナおねえちゃんが、食べたいのが……メイも食べてみたいの、です」
「え? 私が食べたいの?」
 何だろう、と莉奈は唇に手をあてて考える仕草を見せた。
 お団子も捨てがたいが……飴細工の飴というのもこの世界ならではのお菓子だといえそうだ。
「ねぇ、飴細工とかないかな?」
 莉奈の提案に明もニナも諸手を挙げて賛成する。
「あめ、ざいく……? キレイって聞いた、です、楽しみ……!」
「そう、だな。皆違う形を頼もうか……ああでも、お揃いも捨てがたい」
 どんな細工を頼もうか。
 ウサギ? 鶴? 白鳥? ドラゴンなんかも正月らしくて良いかもしれない。
 精巧に煌めく飴細工に心躍らせる女子たちは人混みをものともせずに足取り軽く駆けていく。
「こら、おめぇら走るなって。……ったく、迷子になるぞ」
 慌てて女子たちを追いかけるシエン。その一方でシノはこっそり財布の中身を確認していた。
「飴細工って高いんだろうか……金、足りるかな?」
 心配そうに計算をするシノの肩にポンと手を置き、ロジロは大丈夫、と笑う。
「足りないなら、金は貸すよ。それよりも……」
 心なしか先程よりも青白い顔でもたれかかってくるロジロをわたわたと慌てふためく。
「ロジロったらまた貧血? 血? 俺の血が欲しいの? ちょっと待って、帰るまで待って! 耐えて! 皆も! 俺たちを置いていかないで……っ!」
 ぎゃーっ! と叫ぶシノの声が屋台で買い物をする客で賑わう参道に響き渡っていた。

 今まで結んだ縁も大切に、これから新たに結ぶ縁もまた良きものでありますようにと想いを馳せ、縁結びの神様に良縁を願う。
 本年が、誰もにとって良い『縁』に恵まれた一年となりますように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月07日


挿絵イラスト