晩餐回廊~いぇーがーばーべきゅー
「うるせぇえええ萎びたインゲンなんぞ誰も食いたくねェんだよぉぉおおおお!!」
迷宮に、獣の雄叫びがこだまする。アルダワ魔法学園に所属する学生パーティの一組が、ダンジョンのフロアボスとの戦闘に入ったようだ。
「こわ……、先輩、コイツさっきから何言ってんですかね?」
「分からんが……どうやらインゲンってのはお前の事みたいだぞ?」
「ええ……?」
いかにも前衛職な装備の先輩格に隠れて、後輩が引きつった笑みを浮かべる。対する災魔は、ぎゃあぎゃあと喚きながら手にした調理器具らしきものを振り回していた。
「野菜に大事なのは鮮度と食感だろうが! 玄人ぶってねェでもうちょっと爽やかにしやがれよ! ぶっ潰すぞこの生ゴミ!!」
高らかに地を蹴って、跳びあがった災魔が断頭台のように巨大な刃を振り下ろす。萎びたインゲン扱いされた学生を狙ったそれに、しかし別の学生が素早く割り込んだ。
「させるか! 俺が立っている間は、こいつらに手は出させない!」
盾を両手に持ってそれを受け止める。金属製の盾がひしゃげ、当然その下の彼の腕も無事では済んでいないだろう。苦痛と、それでも折れてはならぬという使命感に、その学生は歯を食いしばる。
「はァ……上等じゃねェか」
それを見た災魔が、くは、と笑みを浮かべた。
「そこの小僧はインゲンとして失格も良いところだが、お前からは旨いステーキの気配がする……熱くて分厚くて素晴らしいじゃねェか……!!」
相変わらず何を言っているか分からない。分からない、が。何故か攻撃は止んでいる。
「よ、よし……!」
追撃が来ない内に下敷きにされていた後輩を引きずり出し、彼は即座に撤退を決めた。
「あっ、待てよオイ! ……ああ、でもあいつは良い肉だったからなー、仕方ねェかなー、かーっ」
まだぶつぶつと言っているボスに背を向けて、学生達は仲間に肩を貸しながら迷宮を脱出した。
「あー、今度はバーベキューが食いてえなァ」
●その災魔は空腹だった
「お集まりいただきありがとう、諸君。それでは仕事の話をしよう」
グリモアベースの一角にて、八津崎・くくり(虫食む心音・f13839)という名の少女が猟兵達に語り始める。何やら仕掛けでもあるのか、響く声音はまるで紳士のように低く、落ち着いたものだ。
「今回攻略に出向いて欲しいのは、アルダワ魔法学園にあるダンジョンの一つ……学生達からは『晩餐回廊』と呼ばれている場所だ」
他の迷宮同様、このダンジョンも時折形を変えているようだが、概ねの構造には変化がないらしい。ボス格の巣食う領域を中心とし、途中の道はそれを囲うように伸びている、そんな全体像から『回廊』の名が付けられたという。
「そこまで難しい迷宮ではなかったようなのだが、今回現れた災魔は、学生の手に負えないレベルの相手でね。幸いまだ犠牲者は出ていないようだが……悲惨な事になる前に、我々で片を付けてしまいたい、というわけさ」
そこまで言って、グリモア猟兵はそのダンジョンの資料を提示する。既に何組かの学生が挑み、撤退した後であるため、ある程度情報は得られているようだ。
「回廊には現在、上層から多量の水が流れ込んでいる。坂道がウォータースライダーになっていたり、広間がプールになっていたりと一筋縄ではいかないだろう」
少々厄介な事になっているようだが、やり方次第で突破は容易いだろう。蒸し暑いこの時期には丁度良いかもしれない、などと嘯いて、彼女はその先に待つ敵へと話を移した。
「回廊を抜けると、ボスの待つ中心区だ。まずは配下らしきドローンの群れと戦うことになるだろう。そしてそれを倒せば、フロアボスのお出ましだ」
マンティコア。それが今、このダンジョンを統べる者の名前である。人の上半身、獣の下半身を持つその災魔は、その名の通り『人を喰らう』のだという。
「既に交戦した学生から話を聞いておいたよ。実力の方は言うまでもないだろうが……」
それが、少々特殊な相手でもあるのだ、と彼女は言う。
「何でも、彼女は人間を食材として見ているようでね。戦う間も相手を『美味いかどうか』見極めようとしている節があるそうだ」
妙な話ではあるのだが。
戦う相手すらも食材として吟味しているこの災魔は、どうやら『上質な食材』と見做した相手に対してすこぶる甘い対応を取る傾向にあるらしい。
「この点を突ければ、戦闘をかなり有利に運べる……と、思われる。そんなうまくいくのかどうか確証は持てないが、留意しておいてくれたまえ」
準備していた話を一通り終えたのか、くくりはすっと目を閉じる。
「情報は以上だ。よろしく頼んだよ、諸君。大丈夫、君達は皆、とても美味しそうさ」
妖しい笑みを浮かべて、最後に、そして今日初めて、彼女は唇を開いた。
「それじゃ、行きましょ」
つじ
いらっしゃいませ、こちらはアルダワ魔法学園のダンジョンの一つ、『晩餐回廊』になります。
基本メニューは『バーベキュー』ですが、皆さんは食材の側です。そのつもりで挑んでください。
●第一章
要するにウォーターアクティビティです。滝とかスライダーとか逆流の道や、渦巻くプールの広場や高跳び込みできる場所など様々なギミックがあるでしょう。
自由に進んでください。遊んでいても良い感じに目的地に着いたりします。
なお、ここでたくさん水を浴びていると、第三章の特殊判定にちょっとボーナスが入ります。
食材はよく洗っておきたいですよね。
●第二章
スチームドローンとの集団戦です。
ここでたくさん攻撃を受けていると、第三章の特殊判定にちょっとボーナスが入ります。
食材にはよく火を通しておきたいですよね。
●第三章
マンティコアとのボス戦になります。
雑食ですが人間が好物。猟兵については無機物のあなたもバーチャルなあなたも等しく食材です。
特殊判定の結果、『上質な食材』だと見做されると、戦闘結果が一段階上がるような良い事があります。逆の場合は、一段階下がるくらい容赦のない攻撃が飛んできます。どちらとも言えない、判断がつかない場合は特に何も起きません。
●特殊判定『食材品評』
第三章のプレイングの頭に、あなたの【食材名】を明記していください。
あなたがその食材として相応しいか否か、マンティコアが独断で勝手に判定を行います。判定材料はステータスシートとプレイングでのアピールです。実際の判定の様子はオープニング冒頭をイメージしてください。
がっつりとした肉、海鮮系…POWの値、体格の良さ、熱い行動。
爽やかな野菜系…SPDの値、涼し気な見た目、スマートな行動。
甘いデザート、その他かわりもの系…WIZの値、可愛い外見、エモい行動。
求められる要素の例はこんな形になります。
また、上記以外にも、食材に応じて判定基準になりそうな点を思いついたら、それをアピールしてくださって構いません。
以上です。それではよろしくお願い致します。
第1章 冒険
『ウォータースライダー迷宮』
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POW : 水には流されない! 無理やり歩いて進む!
SPD : ウォータースライダーやサーフィン等を楽しみながら進む!
WIZ : 水を利用した画期的な方法で進む!
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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第1章のプレイングは、6/8(土)午前8:30からの受付とさせていただきます。
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ロカジ・ミナイ
【エレル】
わーいウォーターアクティビティだー!
ヨシュカ、きらちゃん、見てごらん、すごいよ!
一瞬仕事を忘れかけたけど忘れていい気がするねぇ
けども今日は保護者役だからちゃんとしようと思います
いいかい、二人とも
目的は目的地に辿り着くこと
でも道順が分からないんだから歩いてみなきゃ仕方ない
よい子のみんな!水に入る前は!準備運動をしっかりね!
しないと!?足がめっちゃ攣って痛い!
はい、イッチニーサンシー…
さぁ行こうじゃないの!かかって来いよ水!!
啖呵を切って挑むのはきらちゃんの描くスライダー
すっごいすごいよきらちゃん!ヒュー!
僕こんなの初めて
※ちびっ子に混じってちびっ子みたいに遊ぶ
※ヨシュカが沈んだら回収
ヨシュカ・グナイゼナウ
【エレル】
呼称
きらちゃんさま
ロカジさま
室内にこんなにも沢山の水があるというのは壮観ですね。あ、すごい。滝まであります。どうなっているんだろ?そういえばお仕事でしたね、うっかりうっかり
了解です、先生。あ、先生じゃなかった。なんだか遠足みたいだったので
水に入る前は準備運動が必要。成る程、勉強になります。足を曲げたり伸ばしたり…見よう見まねで。準備運動しないとどうなるか?まず泳いだことがないので…どうなるのでしょう?
よし、準備は万全。きらちゃんさま謹製ウォータースライダーへ、いざ行かん!
そういえば、人形って水に浮くんでしょうか?まあ、いいか
(初めての水遊び(?)に内心テンション上昇中)
キララ・キララ
【エレル】
ウォーター!!アクティビティーーー!!
すごいねえー!ねえねえ何やる!?どうやっておみずのなか渡る?何してあそぶ?
きららね、とっておきのアイデアがあるの!
【ブルーバード】でウォータースライダーのコースを描きます!
道のないとこにもどんどん描いちゃう!
ふつうのまっすぐでしょ、くるくる回るのもたのしいし、急カーブもするし…最後はやっぱり大ジャンプ!
すごい
はやくて
たのしい(ドップラー効果)
もちろんもちろん!はりきって体操するわね!
準備運動しないと、…しないとどうなるの?
ヨシュカは?準備運動ずるやすみしたこと、ある?ロカジはないの?どうなった?
きらちゃん、さぼったことないからわかんないや~
●ライブドローイングアクティビティ
ダンジョンの中を、恐らくは上層から来たのであろう水が流れていく。その様はせせらぎから急流、滝まで、多種の形を備えていた。流れ込んだ雨、そしてアルダワ特有の蒸気駆動の仕掛けなど、実はダンジョン内に水が生まれやすい仕組みになっているのかもしれない。
それが迷宮の構造変化に伴い、ある種の罠のように、迷宮を流れる事がある――とかそういう分析はまあ置いておこう。目の前に広がる光景は、一言で言うならば。
「「ウォーター!! アクティビティーーー!!」」
はい。
キララ・キララ(パレード・f14752)とロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)が揃って歓声を上げる。
「ヨシュカ、きらちゃん、見てごらん、すごいよ!」
「すごいねえー! ねえねえ何やる!? どうやっておみずのなか渡る? 何してあそぶ?」
全力ではしゃいでいる様子の二人に続いて、ヨシュカ・グナイゼナウ(渡鳥・f10678)もまた初めての水遊びを前に目を輝かせていた。
「室内にこんなにも沢山の水があるというのは壮観ですね。あ、すごい。滝まであります。どうなっているんだろ?」
うきうきと、そんな空気に場が浮つく中、一応年長者(26歳)であるロカジが我に返ったように咳ばらいを一つする。保護者役としての威厳をかき集めて、彼は二人に向き直った。
「いいかい、二人とも。ここでの大事なのは、まずは目的地に辿り着くことだよ」
「あ、そういえばこれお仕事でしたね」
ヨシュカの言葉に、そうだろうそうだろうとロカジが頷く。
「でも道順が分からないんだから、歩いてみなきゃ仕方ない。ここまでは良いね?」
はーい、と年下二人が揃って返事。
「よーし、それじゃよい子のみんな! 水に入る前は! 準備運動をしっかりね!」
「了解です、先生」
「もちろんもちろん! はりきって体操するわね!」
「よろしい! はい、イッチニーサンシー……」
半ば引率の先生と化しているロカジの言に従って、一同は手足を曲げたり伸ばしたり。
「こんな感じ良いでしょうか……成る程、勉強になります」
見よう見まねで関節をほぐしていたヨシュカの隣で、キララはふと思い付いたように小首を傾げる。
「そういえば、準備運動しないと……どうなるの? きらちゃん、さぼったことないからわかんないや~」
サボったりしたことある? との問いに、ロカジは具体的な感想で以って回答。恐怖に満ちた顔つきで二人に注意を促した。
「しないと!? 足がめっちゃ攣って痛い! でも君達二人はもう大丈夫だよ!」
「つまり準備は万全ということですね。ありがとうございます先生」
素直にヨシュカが礼を言って、一同は水路に視線を戻す。そこで――。
「きららね、とっておきのアイデアがあるの!」
進み出たキララが、しゃこしゃこと降っていたスプレー缶を構える。ユーベルコード、ブルーバード。熟練の腕によるライブドローイングの始まりである。
水辺らしく、涼し気な青色寄りの塗料が吹き出されて、ウォータースライダーのコース端が描き出される。始点はこちら、後は続きを御覧じろ。
「さ、二人共!」
「よーし行こうじゃないの! かかって来いよ水!!」
「きらちゃんさま謹製ウォータースライダーですね! いざ行かん!」
先頭を切ったキララに続いて、ロカジとヨシュカがコースに乗る。
「いっくよー!」
流れる水に身を任せ、キララは滑りながら、両手で先のコースを描いていく。まずは真っ直ぐ下り坂、左右にゆったり曲がりながら、具合を確かめる。
そのまましばし走っていき、スピードに乗ったところで錐揉み回転。
「ふふふふふすごーーーーーーーい!!!!」
多分定点で観測すると。
「はやーーーーーーーい!!!!!」
こんな感じでドップラー効果混じりの。
「たのしーーーーーーーーーーーーい!!!!!!」
歓声が聞こえた事だろう。
「すっごいすごいよきらちゃん! ヒュー!」
急カーブからの上下の波に揺られながらロカジとヨシュカもそれに続く。
「それじゃ最後の仕上げは――こう!!」
しゅぱ、と塗料が上向きの坂を描いたところで、途切れる。大ジャンプだ。
わああ、と歓声とも悲鳴ともつかない声を上げて宙を舞い、三人はその先のプールと化していた広間の中心に、順番に落下していった。
水柱が三つ上がって、水を蹴って浮上したロカジとキララが笑みを交わす。楽しかった、もう一回やる? などと割かし目的がどこかに飛んで行ってしまっているようだが。
そして、ああ、なるほどこれが泳ぐという事。
幸い準備運動をしていたおかげか、『足を攣る』という事態にはならなかった。それに心の内で感謝しつつ、ヨシュカは水泳という初めての感覚に遊ぶ。水の中に浸かるということは、全身をくまなく水に包まれるという事。大雨の中を歩くのとも違うそれを味わい、笑みを浮かべながら彼は沈んでいた。
「……あれえ、ヨシュカは?」
沈んだ。
「よ、ヨシュカー!?」
慌ててロカジが潜って行って、初めて水中に至ったミレナリィドールを回収する。溺れた、と言えないこともあるが、引き上げられた彼の表情は、どこか満足気だったという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
明石・真多子
【POW】
【芋煮艇】の皆で!
活きる食材のアタシ参上!
夏、バーベキュー、海、とくればもちろんタコ焼き!…焼きタコ?
ともかく素焼きはイカだけの特権じゃないんだからね!
明石のタコは激しい海流に揉まれて筋肉をつけるからプリプリコリコリに美味しくなるんだ~。
だからアタシもこの水流に負けずに堂々と力強く突き進むよ!
自慢の『吸盤ボディ』で水路の底に[グラップル]で張り付きながら歩けばへっちゃらだもんね~!
タコはもともと泳ぐより歩く方が得意なんだから!
それに水中呼吸だってお手の物!
手は余ってるし近くの人達の身体を触手腕で巻いてあげて、流されない様にしてあげよう。
水場はタコのアタシの独壇場だね!
暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!
びーびーきゅー!初めて聞いたけど楽しそうな感じね!
妖狐っぽい食材ってなんだろ…?きつね…きつねうどん!私はおうどんよ!
焼いたおうどん!美味しいよね!
そうと決まればこのうぉーたーすらいだー?ってのをやりましょう!
うどんに大事なものは3つ!小麦粉!お塩!お水!こねる!…あとなんだっけ?
まあいっか!ウォータースライダーならお水はたっぷり!こねるのも出来るわね!見てなさい!
高い所からくねくねこねこねして最後にドッパーン!こねりにこねられたわ!楽しい!
その後は流れに身を任せながら仲間の元に流れ着くといいわねー
尻尾を大きめに広げておけば激突はしないかも?
銀座・みよし
【芋煮艇】の皆様と!
さてバーベキューと言えば桃でございますね
本当です!
グリルド・ピーチってデザート系がございます…本当なんです信じて!
ともあれわたくしの体の色は桃色、そして15歳というもぎたての如きピチピチさ加減…
もはやこの身は桃と言っても差し支えないと思っております
さて折角ですのでここでいっぱい遊ぶのでございます!
ですが桃は触り過ぎると痛んでしまいますゆえ、何かしらの強い衝撃を受けぬようにしなくては…
…そうだ!
皆様が力強く水流を歩んでいる後ろをついて歩けば、強い水の流れとて穏やかになっているのでは…?
桃の産毛を洗い落とすようにゆっくりと丁寧に、水にたくさん浸かりましょう
(アドリブ歓迎です!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【芋煮艇】のみんなと一緒に参上さ。
まぁ、アタシはどこまで美味しく?なれるか分かんないけど……
彩りを添えるレタスやサンチュみたいな葉物野菜くらいにはなりたいね!
ウォータースライダーときたらこれしかないだろ。
『変装』の応用で水着に着替えて、
水が多めの所をなるべく『見切る』様に選んで滑り降りる!
他のヒトが分岐点とかでぶつかりそうになってたら、
アタシが『かばう』ように壁とのクッションになるよ。
ほとんど水の勢いに任せるからね、
多分出口へも一番乗りになるかな?
葉物は言ってみりゃ食べられる食材の受け皿。
続くみんなを優しくキャッチしようじゃないのさ!
●ごった煮
バーベキューと聞いて、宇宙船芋煮艇からは力強い精鋭食材達が駆けつけていた。
「活きる食材のアタシ参上!」
一番手は明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)、八本の手足を持つ彼女が何の食材を担うのかなど、言うまでもないだろう。
「夏、バーベキュー、海、とくればもちろんタコ焼き! ……焼きタコ? ともかく素焼きはイカだけの特権じゃないんだからね!」
海辺で人気の十本足に牽制をくれつつ、彼女は躊躇うことなく激流の水路へと飛び込んで行った。
流れを利用するといえば聞こえは良いが、ただただ水流に従うばかりの者と、彼女は一味も二味も違う。体に、腕に付いた吸盤が、激しい水の流れの中でも水底を『掴む』。そう、タコとはもともと泳ぐよりも歩く方が得意なのだ。水に沈んだ通路の底を、真多子は悠々と歩いて行った。
「ふふふ、アタシもこんな水流なんかに負けないからね~」
ここで説明しておこう。明石のタコがプリプリコリコリで美味しいのは、激しい海流に揉まれて筋肉をつけるからだ。こうしてダンジョン内の水流をものともしない真多子の味も、想像できるというもの。
「――そういえば、皆は大丈夫かな?」
そこで何かを察知したように、渦巻くプールの水底で、真多子は首をかしげた。
すると、早速上方から、もみくちゃの流しそうめんみたいになった何かが降ってくる――。
そんな光景のもうちょっと前に時間を戻そう。
「びーびーきゅー! 初めて聞いたけど楽しそうな感じね!」
迷宮に踏み込んだ暁・アカネ(アホの狐・f06756)は自らに問う。自分が何の食材に相応しいのか。自分らしい食材とは――?
答えは容易には出ない。だがしかし、暁アカネは妖狐である。ならば妖狐っぽい食材を考えれば自ずと解答は出るだろう。妖狐と言えばきつね、油揚げ、きつねうどん――。はっ、と彼女はそれに気付いた。
「そう、私はおうどんよ!!」
焼いたうどんは美味しい。世界の真理に到達したアカネは、早速そのための準備に取り掛かった。
使うのは、そう、この迷宮の奥へと続くウォータースライダーだ。
「うどんに大事なものは3つ! 小麦粉! お塩! お水! こねる! ……あとなんだっけ? まあいっか!!」
極めて強い発言と共にアカネは流れる水の上へと身を躍らせる。自らを小麦粉とし、大量の水の中へと飛び込めば、上下左右に曲がりくねった水の通路が彼女を自然と捏ねまわす!
「うおおお、こねりにこねられてやるわ! 楽しい!」
こうすることにより、先に挙げた大事な要素を全て満たした至高で最強で別格のうどんが誕生するのだ。塩? 塩はまあ水飛沫とかそれっぽいから良くないですか?
斜面を疾走した最後に大部屋に発射された彼女は、すっごいくねくねした動きでプールに突入していった。
「やった……これでこそ……うどん……」
やるべきことはやった、そんな表情で流れに身を任せた彼女を、力強い触手腕が絡め取る。
「ねえねえ大丈夫? 生きてる?」
アカネの様子を窺いながら、真多子は背伸びするようにして、揃って水上に顔を出した。
「さてバーベキューと言えば桃でございますね」
銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)はそう言い切る。うどんに引き続きトンチキなことを言う者が来たとか疑うことなかれ、焼き桃、グリルド・ピーチと言えばデザートの定番である。ほんとに?
とにかくピンク色の体色、そして15歳といううら若くもぎたての如きピチピチのみよしは、もはや桃そのものと言っても過言ではないだろう。
「とはいえ、桃は指でつついただけでそこから痛むほどに繊細……強い衝撃などもってのほかでございます」
どうしたものでしょう、とみよしは首を捻る。遊びたい年頃であるというのに、悩ましい――。
けれど、そんな彼女に天啓来たる。
ヒントとなったのは、水流をものともせず水中を進む真多子と、水流を一身にその身に受けるアカネの姿だ。
「……そうだ! 皆様が力強く水流を歩んでいる後ろをついて歩けば、強い水の流れとて穏やかになっているのでは……?」
そう、彼女等が水流を受け止めた後ろならば、緩やかな水の中を優雅に、桃の産毛を洗い落とすようにゆっくりと進んでいけるはず。
……だが、彼女は忘れていた。プールの底、濡れた床はよく滑る――。
「あっ」
こんな感じで特徴的な食材に続き、最後に登場したのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)だった。
「まぁ、アタシはどこまで美味しく? なれるか分かんないけど……」
前を行く仲間達を見つつ、呟く。彼女の目指すところは、彩りを添えるレタスやサンチュのような葉物野菜。単体での威力は目立たなくとも、他と組み合わせることで互いを輝かせる、料理においては重要な立ち位置だ。
「それじゃ、先に行っとこうか。ウォータースライダーといったら――」
これだ、と多喜は凄まじい早着替えで水着になり、滑り出す。水の勢いに身をまかせつつも、水量の多く、流れの速い場所を見切って急加速。スムーズに、そして誰よりも早く下流へ向かう。
悠々と、先行していた仲間達にも追いついて、追い抜こうとしたところで。
「あっ」
前方に見える桃色の影が転んだ。ゆるい悲鳴が聞こえる中で、多喜は方針を変更、一度みよしを追い抜いたところで抵抗を増やし、速度を緩める。
先に言ったように、彼女の目指すところは葉物野菜、言うなれば食べられる食材の受け皿だ。
「ちょっと力抜いてなよー……」
広げた五指を蠢かせ、念動力も駆使し、多喜は流れる桃が壁にぶつかる前に、やわらかく受け止めた。
「あ、ありがとうございます……危うく潰れるところでした」
「いや、潰れやしないと思うけどねぇ」
愉快気に笑って、二人はスライダーと化した通路を滑り落ちていく。途中でアカネをぶら下げた真多子と合流して、一行は共に迷宮の底、回廊の中心へと至る道へと辿り着いた。
ここまでの行動をマンティコアが見ていれば、間違いなく食材として太鼓判を押しただろう。とはいえ、そのターンはもう少しだけ先である。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジャック・スペード
万鬼(f18596)と
俺のクロークのチェネルも入れると4体連れか
海やプールは沈んだら最後、俺は二度と浮かべない気がして忌避感がある
……千破夜が居るなら安心か、頼りにしている
スライダーで一気に進むと効率良さそうだな
ゆっくり落ちれば底に沈む心配も無いだろう
念の為に言っておくが、押すなよ
慎重に行かないと俺が水底のオブジェになる
前振り? 何か良からぬ事を考えていないか、万鬼
もう一度言っておく、絶対に押すなよ
こういう物は慎重に、ーー!?
衝撃と共に水底へ豪快にダイブ
死 ぬ か と 思 っ た
千破夜の助けがあったから事無きを得たものの
お前は鬼か……だが意外と平気だったな
もう一度やるか、と負けず嫌いを発揮して
紗我楽・万鬼
ジャックの兄貴(f16475)も!
兄貴!プールですよ!
野郎一体と一匹で出会いも無いデュエットプールですよ!
嗚っこの後災魔とランデブーでしたね!
えっ兄貴、金属的な意味でカナヅチなんです?
大丈夫ですよ万一沈んでも千破夜が助けに行きますって
ねぇ御犬様!
ウォータースライダー好いですねあっし高い所大好きですよ
其処から転落してくんですよね!
嗚呼兄貴!そんな!
結末すら先に述べてからの前振りだなんてあっし感激しやした!
ええ勿論ですともあっしねこう見えても義理堅い鬼なんですよ
所で鬼って外道な奴にも呼んでますよね
まっさかあっしがそんな!やるなら兄貴と一緒に滑り落ちますよって事で
兄貴に突撃一連托生ー!!
ひゃっふー!
●鋼鉄と鬼
飽くまでこの場所はダンジョンなのだが、言うまでもなくこの水流やら何やらで満たされたこの場所はレジャー施設さながらである。実際猟兵の何人か、もとい大半はこの状態を存分に楽しんでいる。
そんなわけで、紗我楽・万鬼(楽園乃鬼・f18596)の抱いた印象は完全に合っている。
「兄貴! プールですよ! 野郎一体と一匹で出会いも無いデュエットプールですよ!」
「俺のクロークのチェネルも入れると4体連れだ」
同行するジャック・スペード(J♠・f16475)が、UDCとダークネスクロークをカウントに入れることで悲劇的状況を回避する。……多分回避できているだろう。
気にしているのかいないのか、鉄面皮のままジャックは眼下のプールへと視線を送る。
「しかし海やプールは沈んだら最後、俺は二度と浮かべない気がして忌避感があるな」
「えっ兄貴、金属的な意味でカナヅチなんです?」
それは大変だ、とこちらは逆に大げさすぎる反応を返す。
「でも大丈夫ですよ、万一沈んでも千破夜が助けに行きますって、ねぇ御犬様!」
「……千破夜が居るなら安心か、頼りにしている」
シャーマンである万鬼と共に在るUDC、千破夜はそれに応じるように一声吠えた。
納得するように頷いたジャックは、続く道のりの最適経路を吟味する。先程語った理由からも、手早く進んでいきたいところだ。
「スライダーで一気に進むと効率良さそうだな。ゆっくり落ちれば底に沈む心配も無いだろう」
「ウォータースライダー好いですねあっし高い所大好きですよ! 其処から転落してくんですよね!」
「スライダーでの移動は転落とは言わない。念の為に言っておくが、押すなよ? 慎重に行かないと俺が水底のオブジェになる」
何か引っかかるものを感じて、ジャックが釘を刺しにかかるが。
「嗚呼兄貴! そんな! 結末すら先に述べてからの前振りだなんてあっし感激しやした!」
これを逆効果という。
「前振り? 何か良からぬ事を考えていないか、万鬼。もう一度言っておく、絶対に押すなよ」
「ええ勿論ですともあっしねこう見えても義理堅い鬼なんですよ。所で鬼って外道な奴にも呼んでますよね、いやまっさかあっしがそんな! やるなら兄貴と一緒に滑り落ちますよって事で兄貴に突撃一連托生ー!!」
早い。口を挟む余地もなく、凄まじい論理展開で万鬼とジャックは目の前の水路へとダイブした。
「――!?」
一瞬の滑り落ちる感覚の後、二人は広間――つまりプールの上に放り出される。慎重に行けば避けられた事態。だが避けたところで何が面白いというのか。
「ひゃっふー!」
歓声を上げる万鬼と共に、ジャックは言葉もなく落下する。跳び込み、というよりそれは墜落と言う方が近い。
凄まじい水柱を上げて、ジャックは一息に水底まで沈んでいった。
「兄貴! 兄貴ー! 感心するほど重量級の跳び込みでしたね大丈夫ですか!?」
万鬼の呼び掛けに、ゆっくりと千破夜に引っ張り上げられてきたジャックが応じる。
「お前は鬼か……だが意外と平気だったな」
もう一回行くか? と不敵なセリフを吐く連れの様子に、万鬼
「いやー、兄貴ならそう言ってくれると思ってやした! 兄貴の食わず嫌いを一つ克服できて俺は嬉しいです! 次はもっと高いの行きやすからね!!」
「な、なに?」
万鬼の先導に従い、千破夜がそれを追っていく。当然、この状態のジャックに拒否権は無かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
チガヤ・シフレット
リィ(f13106)と組んでいくぞっ
楽しい妹分な感じで可愛がり
バーベキューかぁ、食べたいなぁ
肉がイイ、肉が
野菜とかはいらんなぁ?
……ふむ、そんなことを考えてると、リィもなかなかにおいしそうに見える気がしてくるよな……?
肉付き……?
あ、いや、そんなに私は太ってないぞ!?
【SPD】
まずは水場を抜けていくか!
手足は機械だが、防水もしてるし問題なし
まぁ、沈まない様にだけ注意だな
準備万端、飛び込むかぁ!
スライダーやらも堪能して、いい気持でざぶざぶっと行こうじゃないか。
たまにゃこういうのも悪くはないよなぁ?
ぷはっ!?
やってくれたなぁ、それ、仕返しだぁ!(ザブザブ水かけ
……い、いや、遊んでるわけじゃないぞ?
リィリィット・エニウェア
チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)と参加
チガねーさんと呼びます
あねごー!と懐いています
バーベキューだ!
肉だー!
爆発だー!(?)
え、こっちが食材なんだ
いやまああっちが食材でも嫌だけど
ヒッ、なんか目が怖い……
肉付き的にはチガねぇの方が美味しそうなんじゃ?
【SPD】で挑戦
ひゃっほー!
ちょっと早いプール開きだー!
完全に遊びの気持ちでちゃぷちゃぷばしゃーん!
チガ姉に水掛けるよ!
……え、ここはまだ遊びじゃなかったの?
●レジャー
バーベキューが食べたい、と言い出したのは今回のフロアボスだが、別にそれは敵の専売特許ではない。というか猟兵だってバーベキューを食べてもいいはず。
「バーベキューだ! 肉だー! 爆発だー!」
威勢が良いを通り越して若干謎の掛け声を上げながら、リィリィット・エニウェア(迷宮は爆発だ・f13106)はダンジョンへと挑む。
「うん、爆発はわかんないけどな。バーベキューは食べたいよなぁ」
共に行く姉貴分、チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)の様子は、妹分と違って落ち着いたもののようだが。
「肉がイイよな、肉が。野菜とかは要らんなぁ」
「でも今回はこっちが食材らしいよあねごー」
「そうなのか? だとすると、リィもなかなか美味しそうな気がしてくるよな……?」
そういうものだろうか。この先の展開を想像したチガヤの視線が、じっとリィリィットに注がれる。
「ヒッ、なんかチガねぇの目が怖い……」
なんとなーく身の危険を感じて、リィリィットは身を竦めた。
「別に取って食ったりしないけどな」
そんな彼女の様子に笑みを浮かべるチガヤに、今度は妹分が思い付きを口にする。
「でも肉付き的にはチガねぇの方が美味しそうなんじゃ?」
「肉付き……あ、いや、そんなに私は太ってないぞ!?」
そういう意味じゃないんだけどなぁ、と首を傾げるリィリィットを先導するように、チガヤはその領域に踏み込んだ。
「よし、まずは水場を抜けていくか!」
通路の先を見据えて伸びを一つ。機械化された手が、足が、零れおちる照明の光を反射する。普通ならば錆や回路の短絡などが気になるところだが、防水加工を施した彼女の手足に隙はない。
スライダーと化した坂道に滑り込み、ちょっとしたレジャー気分を堪能する。
普段は薄暗く、侵入者を飲み込むように不気味な迷宮も、こうなっては遊び場と似たようなもの。たまにはこういうのも悪くない、と笑う彼女の横を、リィリィットが追い抜いて行った。
「ひゃっほー! ちょっと早いプール開きだー!!」
水の流れのままにスピードを上げて、プールのようになった広間に飛び込む。盛大に水しぶきをあげてはしゃぐ彼女の様子を微笑ましく思って眺めていたそこに。「チガねーさん、こっちこっち!」
リィリィットが両手跳ね上げた水が命中した。
「ぷはっ!? やってくれたなぁ、それ、仕返しだぁ!」
こちらもプールに跳び込んで、ざぶざぶと水を掛け返していく。きゃあ、と楽しげな悲鳴を上げるリィリィットと二人で、チガヤは一時戦いを忘れるような一時を過ごした。
いや、実際に忘れていたわけではない。ひとしきり堪能したところで、ちゃんと思い出したのだから。
「チガねえ、次はあっちのスライダーで遊ぼう!」
「ああ……い、いや、これは遊びってわけじゃないんだぞ?」
「……え、違うの?」
「そう、仕事の一環だ。わかるだろ?」
さすがあねご! という素直な反応から目を逸らしつつ、チガヤはリィリィットを連れて奥へと進んでいった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
わぁ、ぷーる、だ!
僕は人魚、游ぐのは得意だし大好きだ
尾鰭揺らし近くのプールに飛び込む
嗚呼
心地よい!
ほら櫻もおいで、僕がついてるよ
そうだよ
君は人魚の戀人なんだから
そろそろ慣れて
大丈夫、櫻宵の手を離さないから
遊べばきっと楽しいよ
すらいだぁをやろう
手を引いて一気に滑り下りる
速い、速い!水に飛び込み満面の笑顔
櫻、次はあれにしよう!
ぐるぐるした水に飛び込むんだ
中はどうなっているんだろう
好奇心に瞳をきらり
しっかりつかまってて櫻!
ぴょんと飛び込めば
くうるりゆらり
天地が逆に
面白くて声を出して笑う
嗚呼こんなの初めてだ!
あ、着いてしまった
楽しかったね櫻宵
少しは水に親しんでくれたかな
誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎
キャーー!(ガチ悲鳴)
水よ!
泳げないのよあたし
けど
あんなに楽しそうなリィを見たのでは
ええい覚悟を決めよ誘名櫻宵!
あたしは、人魚の!戀人なのよ!
水くらいなんなのよ……!
びしょ濡れになってやるわ
やけだ
リルに手を引かれるままにスライダーを一気に滑りおりる
魂が抜けそうだわ
けどリィはとてもいい笑顔、可愛いわね
うんうん次は?
え?あの渦巻いてる所に飛び込む??
ええ
いいわいいわ
絶っっ対にあたしを離さないでねリィ
か細い人魚にしがみついたまま、ダイブ
あ、しんだわあたし
でもリィは声を出して笑ってる
OKOK
そうね!すごく楽しかったわ!
ここを水浸しにした奴の首を今すぐ刎ねたいくらいにね
●水中花
「わぁ、ぷーる、だ!」
ゆらりと、月光を映したような尾鰭を一つ揺らし、リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)は水の中へと跳び込んだ。跳ねる滴が迷宮の照明を映して輝く。ため息と共に、体をゆったりと伸ばすように、リラックスした様子を見せて、リルは共に歩む彼の方を窺った。
「み、水……水よ……」
案の定とは言わないまでも、リルの歓声とは逆にガチの悲鳴を上げていた誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)は、強張った表情でその部屋を見ていた。翼を使って何とかやり過ごせないかと考えているのが見え見えだが、その理由は明白。
「嗚呼、心地よい! ほら、櫻もおいでよ」
「ええ……泳げないのよあたし」
桜の下の表情が曇る。ああ、そう。ただ拒否しているわけではなく、櫻宵も困っているのだ。何しろ、人魚――半月闘魚のキマイラであるリルは、まさに水を得た、本当に楽しそうな振る舞いを見せている。
「心配しないで、僕がついてる」
水上に顔を出して、向けられた笑みは完全に手招きしているに等しい。
「ええい覚悟を決めよ誘名櫻宵! あたしは、人魚の! 戀人なのよ!」
これはもう、行くしかない。くわ、と目を開いて腹を決めた櫻宵は、リルの待つ水の中へと踏み入っていく。
「み、水くらいなんなのよ……!」
「そうだよ、君は人魚の戀人なんだから、そろそろ慣れてもらわないと」
くすくすと微笑んで、リルは硬い表情の櫻宵の手に優しく指先を伸ばした。
「大丈夫、櫻宵の手を離さないから。遊べばきっと楽しいよ」
「ほんとでしょうね……?」
「嘘なんか言わないよ、じゃあ、あのすらいだぁから」
「へ?」
繋いだ手を引いて、スライダーと化している坂道への流れに身を委ねる。スピードに乗るのはあっという間で、水流と風と、それらのぶつかることで生まれる飛沫の中を二人は行く。
「いやあああああああああ!!?」
「あはは、速い、速い!」
急坂を一息に滑り降りて、また次の広間、プールに着水。一度沈んで浮き上がって、満面の笑みを浮かべるリルの様子に、完全に魂の抜けた櫻宵の顔にも生気が戻った。
「楽しかったね櫻、次はあれにしよう!」
「うんうん次は? ……へえ……あそこに、跳び込むのね……?」
続けて指さされた先には、また別の仕掛けでもあるのか、元あった落とし穴が悪い方向に作用しているのか、大きな渦巻きができている部屋だった。
「いったい、中はどうなっているんだろう、気にならない?」
きらっきらした瞳がまぶしい。今日何度目かの覚悟を決めて、櫻宵はうなずいて返した。
「ええ、いいわいいわ。でも絶っっ対にあたしを離さないでね、リィ」
「うん、櫻もしっかりつかまってて!」
人ひとりを連れてなお軽やかに、リルは飛んだ。
翼を持っているのは櫻宵のはずなのだが、それを感じさせないほど、自由に。
「(あ、しんだわあたし)」
風を切って進む時間はすぐに終わる。風よりも重く纏わりつく水の中、その渦の中心にリルは飛び込んだ。
天地が逆に、右も左も意味を成さない、そんな中を落ちていく。水底に開いた穴、この渦巻きを作る原因となったそこを潜り抜けた――などというのは、本人達にはわからなかっただろうが。
渦巻きが滝となり、雨に変わるまで落ちて、着水。その先には、回廊の中心に到る道があった。
「あ、着いてしまった」
少しだけ残念そうな声を出して、リルは自分にしがみついたままのパートナーに笑いかけた。
「楽しかったね櫻宵」
少しは水に親しんでくれたかな、と問う彼に、櫻宵はため息とともに答えた。
「そうね! すごく楽しかったわ!」
とりあえず、ここを水浸しにした奴を見つけたら首を刎ねよう。そんな決意と共に、彼は前を向いた。
楽しい時間はお終い。ここからは、きっと戦いの時間だ。それでも、二人ならば。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャルロット・クリスティア
花雫(f00523)さんと。
……は、良いんですけど。
あの、花雫さん?
あれよあれよと来てしまいましたけど、私が水が苦手なの、知ってましたよね……?
いやその本当、泳げはするんですよ泳げる泳げないじゃなくて、あの体温奪われる感覚が、その、駄目なんですってば
(※一度凍死しかけてトラウマになっている)
克服しなければいけないのはわかりますけど、その、順序ってものがデスネ。
いやだから待ってください理屈はわからんでもないですけど心の準備が待って待ってぇぇぇぇ!?
(引っ張られて高速ウォータースライダーまでずるずる)
(ざぶーん)
(なんだかんだでぎゃーぎゃー悲鳴を上げながらも最後まで付き合ったのでした)
霄・花雫
【シャルちゃんと】
遊びがてら、克服に向けて練習してみない?
だいじょーぶ、あたしがいたら溺れることなんて有り得ないから。ね?
あはは、知ってるよぅ。そもそも冷水で凍死しかけたのはあたしもだし、あの時だって一緒にいたでしょ
だってこれから夏だよ?
水場での依頼いっぱい出ると思うなー
予知にもいきなり水中とかあるかもよ?
助けてくれるヒトがいる内に多少スパルタでも練習するの、大事だよ
あたし?水大好きだよー、だって熱帯魚だもん
ウォータースライダーに二人乗りして、シャルちゃんをぎゅーと抱えてれっつごー!
猛スピードにはしゃぎながら、すぽーんっと出口から放り出されてざぶーんっ!
あ、シャルちゃんの顔は水から出すよ大丈夫
●荒療治
「あの、花雫さん?」
目の前に迫るそれを見て、顎に手を遣って考えていたシャルロット・クリスティア(ファントム・バレット・f00330)が、同行者に向きなおって口を開く。
「あれよあれよと来てしまいましたけど、私が水が苦手なの、知ってましたよね……?」
言葉巧みに、というわけではないが、自然な流れで至ったここは、水没と言うほどではないがそれに近い迷宮だ。悩ましげに眉根を寄せる彼女に、霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)は悪戯っぽく笑って返した。
「それなんだけど。せっかくだし、遊びがてら、克服に向けて練習してみない?」
「えーっと……」
「だいじょーぶ、あたしがいたら溺れることなんて有り得ないから。ね?」
明らかな渋い顔に、花雫がそう付け加える。熱帯魚の要素を有したキマイラである彼女と一緒ならば、きっと水中でも不自由しないだろう。
けれども、そうではないとシャルロットは首を横に振る。
「いやその本当、泳げはするんですよ泳げる泳げないじゃなくて、あの体温奪われる感覚が、その、駄目なんですってば」
「あはは、知ってるよぅ。そもそも冷水で凍死しかけたのはあたしもだし、あの時だって一緒にいたでしょ?」
溺死ではなく凍死。仄暗い水に沈み、指先から順に凍えていく感覚はそうそう忘れられるものではない、が。
「だってこれから夏だよ? 水場での依頼いっぱい出ると思うなー」
「うっ」
何となく、花雫の言うその様子は思い浮かぶ。そもそも今回の仕事も、それに片足突っ込んでいると言えなくもない。
「シャルちゃん、グリモア猟兵でしょ? 予知したらいきなり水中とかあるかもよ?」
「ううっ」
シャルロットが徐々に追い詰められていく。予知では突然悪夢みたいな光景をぶち込まれる事もある。これもまた、無いとは言えない。
「助けてくれるヒトがいる内に多少スパルタでも練習するの、大事だよ」
こんな良い機会今だけかも。そんな煽りに転がされながら、シャルロットは抵抗を試みる。
「た、確かに克服しなければいけないのはわかりますけど、その、順序ってものがデスネ……大体、花雫さんだって凍死しかけたのに、平気なんですか?」
「あたし? あたしはそれでも水大好きだよー、だって熱帯魚だもん」
ふふ、と笑って返して、花雫がシャルロットの背に手を添える。身を寄せるような動きはその実背中を押すための前準備。きっとここまでもこんな風に来たのだろう、あれよあれよと言う内に、足元は既に通路の際。
「あっ、待ってください今のは質問が悪かったです。いやだから待ってください、聞いてます? いや理屈はわからんでもないですけど心の準備が待って待ってぇぇぇぇ!?」
「それじゃーれっつごー!」
シャルロットを後ろから抱えたまま、花雫はウォータースライダーへとその身を躍らせた。
「ああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」
割とシャレにならないスピードで滑って行った二人は、大部屋への出口ですぽんと空中に放り出される。
派手に水飛沫をあげて着水して、花雫はシャルロットと共に浮かび上がる。顔を出した第一声は。
「なんてことするんですかぁ!?」
「ふふふ、ごめんねぇ、それじゃ次のスライダー行ってみようかー」
とてもたのしい、と書かれたような顔で花雫はシャロットを離さぬままに水を蹴る。
「あっ、ちっとも悪いと思ってませんね!? 待ってもう覚悟は決めるから一息入れる暇くらいわあああぁぁぁぁ!」
そうして水流に乗った悲鳴が、尾を引いて迷宮の奥へと響いて行った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アイン・ローレンス
【WIZ】
人間を食材に見立てるだなんて面白い災魔もいるんですね
私は何になるんでしょうか…ふふ、楽しみです!
まあウォータースライダー!
中に水着を着てきましたしいくら濡れてもへっちゃらです
【属性攻撃】「水霊の戯れ」を足下に纏わせて魚の尾を作る
そう、さながら人魚のようでしょう
顔周りには風を纏わせ呼吸もバッチリです!
スライダーも滝も流れに沿ってスイスイと、
逆流の道だってぴょんぴょん乗り越えていきますよー
渦巻きは氷の道を作り、その上を歩きます
流石に渦巻きに逆らうのはちょっと厳しいですよね
ひゃーー!涼しく楽しいアクティビティ…最高です
インディゴ・クロワッサン
アドリブ連携大歓迎☆
はわ~…面倒そうな災魔…(紛れもない本音)
でもまぁ、食材判定が気になるから、水着に着替えてから行ってみよーっと
【SPD】
(長い髪は擦れて痛まないように大きいバレッタで留めている)
「どれだけ飛沫を上げずに居られるか…いざ!」(無意味でもダイス振りたい)
「流れる水流って楽だよねー…って渦はヤバイって!」(慌てて【水泳】)
「ひゃっはー!」(チューブ的なスライダーの出口から出てきてばしゃーんと着水)
「ここの滝壺…深いといいな!」(滝壺に向かってダイブ)
…あれ?(びしょ濡れの髪を絞りながら)
「え、もうおしまい? うわー もう少し遊びたかったなー」(※お仕事です)
サマー・ルー
oh! お水ネ!
流れルダンジョン画期的ネー! お肌に優しイ天然モノだヨー!
ダンジョンの悪いヤツが作っタ? 綺麗なオ水だかラOKヨ!
お魚いル? いナイ? oh……
スピードイッパイ出るヨー。陸上のイキモノには負けナイネ!
海ヨリ浅イだけド任せテネ! イルカよりツヨい最速出すヨー!
バリバリー! ザブーン! スライダーからダイブすルのはサイコーネー!
マタ上っテ滑るヨー。ココから上るト危なイ?
フーム、流れルとこブツカったら大ケガネー
デモもうチョットだけ泳ぐヨー。滝も制覇するネ!
滝の上からデモ深いトコロのお魚見逃さナイヨー!
いナイ? oh……
セツナ・クラルス
ふむ、何だかよく分からない敵だが
とにかく、奥に進まねばお目見えすることすら出来ないしねえ
事前に学生達から情報を確認
効率的に回廊を抜けてしまおう
ふふふ、暑い時期だし
水音を聞いているだけでも涼しい気持ちになるね
油断してたら水たまりに足を取られ
ウォータースライダーに踏み込んでしまう
おっと、気をつけねばならないね
…っ
バランスを取ろうとした場所に間が悪く小石があり、更に身体は傾く
く、私としたことが…、っ!?
水を吸ったローブは思いの外重く、
じたばたともかげども、手は敢え無く空を切る
そのままスライダーで流されていく
ふ、ふふふ…
少し動転してしまったが
ショートカットできたと思えば悪くないよ
(全身ずぶ濡れ)
九之矢・透
何か今回は変わった敵サンっぽいな…?
って!おおお!ナニコレおもしろそー!
【SPD】
どうせ突破しなきゃならないんだ、楽しまなくちゃな
落差がある所は助走付きで思いっきりジャーンプ!
へへへ、最近蒸す様になったしなあ、こりゃ気持ちいいな!
何なら三回転ひねりとか入れてみよっか
途中で「ライオンライド」
なんかライオンって実は水浴び好きって聞いたことあるしな
いっしょに遊ぼうぜ!
あ、襟を咥えて連れてってくれんの?アリガト
……ライオンって、犬かき上手なんだなあ……
●それぞれの道行き
「人間を食材に見立てるだなんて面白い災魔もいるんですね」
迷宮への入り口、アイン・ローレンス(気の向くままに・f01107)の言葉にインディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)が頷く。彼の視点からすると面白い、というより奇妙な、そして面倒くさい敵だというのが正直なところだろうが。
「面倒そうだけど、なんて言われるかは気になるよね」
「ええ、私は何になるんでしょうか……ふふ、楽しみです!」
その奇妙さも楽しめる、と言うようにアインは笑みを浮かべる、とはいえ、件の敵がいるのはこの迷宮の最奥部だ。
「何だかよく分からない敵だが、とにかく、奥に進まねばお目見えすることすら出来ないしねえ」
その辺りの検討は後回しに決めて、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)も迷宮の中へと踏み込んだ。
中に広がっているのは、迷宮の中を水が流れるある種壮大な光景だ。前情報の通り、通路はウォータースライダーさながら、広間は流れるプールと化している。
「まあウォータースライダー!」
「おおお! ナニコレおもしろそー!」
「oh! お水ネ! 流れルダンジョン画期的ネー! お肌に優しイ天然モノだヨー!」
アインに続いて、九之矢・透(赤鼠・f02203)とサマー・ルー(遠洋漁業・f00733)も歓声を上げる。完全に遊びに来ている勢いだが、今回は許されるだろう。
「綺麗なオ水ネー。お魚いル? いナイ? oh……」
眼下の水面をのぞき見て、サマーが尻尾を垂らす。さすがに生き物まではいないようだが、この水の透明さからすると、泳いでも問題ないだろう。猟兵達は各々に、迷宮攻略を開始した。
「さーて、どれだけスムーズにいけるかなっと」
長い髪をバレッタでまとめ、水着に着替えたインディゴがスライダーから広間のプールに、頭から跳び込んでいく。空中で姿勢を整え、音もなく――とはいかないまでも、最低限の飛沫で奇麗に着水を決め、そのまま次のスライダーへと水の流れを追っていく。
一方、セツナは持参した地図を手に進むルートを選び取っていた。
「ふふふ、暑い時期だし、水音を聞いているだけでも涼しい気持ちになるね」
そんな事を言いながら、手元に広げたのはここに挑んだという学生から聞き取った情報から作ったマップである。
これで効率的に突破を、と意気込んだ矢先に。
「おっと……?」
水たまりに足を取られ、バランスを崩す。気を付けなくては、とバランスを取るべく踏み込んだそこに、壁材の破片らしきものが落ちていた。踏み込んだ足がさらにバランスを崩す結果となり、運悪くセツナはウォータースライダーの方へと倒れ込んでいった。
「くっ、私としたことが……!?」
もがき手を伸ばすがそれも空を切り、セツナは水流のままに流されていく。
「おっ、君もかい? 流れる水流って楽だよねー」
行先に居たインディゴに勘違いされながらも、彼らは奥へ、下層へと進まなければならない。ある種順調な旅路ではあったが、そこで。
「うわ、楽って言ってもあれはヤバいって!」
インディゴがあわてて方向転換するのに合わせて、セツナもそちらに目を向けた。流れ行く先、広間の真ん中に大渦が。
「ふふ、シャレにならなくなってきたね……!」
セツナが慄く。彼は必死に抵抗しながらも、その水の中へと巻き込まれていった。
「さあ、冷たい水と踊りましょう」
発動するは水霊の戯れ。アインの呼び声に応え、彼女の足がその力を宿す。魚の尾を象ったそれによって、その姿はまるで人魚のよう。この魔法の尾鰭は水流を生み出し、これによって水を蹴る効果を何倍にも膨れ上がらせる。
「仕方ない、こっちも最後まで希望を捨てたくはないんだけどネ」
スピードイッパイ出るヨー。陸上のイキモノには負けナイネ! と結論付ける。
海ヨリ浅イだけド任せテネ! イルカよりツヨい最速出すヨー! 水の中を踊るようにしたサマーの動きに罅割れの生じた尾びれが続く。水面を蹴ったアインと、競うようにサマーも前に出た。
「ふふ、ワタシの方が速いヨー?」
「そうですか? そちらこそちゃんと付いてこれてます?」
「なーなー、どうせ突破しなきゃならないんだから、楽しくやらないかー?」
スピード比べを始めた二人に、スライダーの流れに乗った透が追い付いてみせる。この先の上下の落差を察した彼女は、無理に抵抗することなく勢いのままジャンプ、ただの人間ととは思えない動きを披露した。
「へへへ、最近蒸す様になったしなあ、こりゃ気持ちいいな!」
三回転捻り。思わぬ伏兵に驚きながらも、サマーとアインは共にスピードを上げていった。
「よーし、それじゃこっからは頼んだぜ!」
張り合う泳ぎ上手の様子もどこ吹く風、きゃっきゃとこの迷宮を堪能していた透は、続けて黄金のライオンを呼び出した。是非一緒に水浴びを、というあれだ。
「お、運んでくれんの? ……ライオンって犬かき上手いのな」
現れたライオンは水の中を転げるようにしたあと、主である透の首根っこを軽く噛んで、持ち上げていた。そのまま運ばれていく少女という微笑ましい様子を見ながらも。
「では、今度はあの滝を上ってみましょう」
「オーゥ、場所を変えテも私の勝ちハ揺らがナイヨー」
アインとサマーはエクストリームな競泳に力を入れていた。
「ああっ、ソレズルいヨー!」
「いえいえ、渦の中を泳ぐのはさすがに危ないでしょう?」
渦巻き地帯を渡るべく、アインが氷の橋をかけたようだ。
「それじゃあ、次ハ美味しソウな魚を取った方ノ勝チネー」
「魚一匹も居なくないですか?」
「oh……」
余程それが受け入れがたい現実なのか、サマーの方が落ちる。その後ろからよしよしというように透のライオンが鼻面を擦りつけていた。
そんなこんなで進む内に、一行は最下層への道に至る。
「え、もうおしまい? うわー もう少し遊びたかったなー」
「いや全く、ショートカットが成功して物足りなく感じていたところだよ」
髪の毛を絞りながらの、とても素直なインディゴの感想に、諸事情でびしょ濡れになったままのセツナが頷く。
こうして、一度バラけながらも合流したイェーガー達は、また共に、回廊の中心へと歩を進めていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
境・花世
【H&F】
あは、みんな相当やる気だね?
水の流れに堂々と立つ姿は
薄紅に白のボーダービキニ
そう、今日のわたしは
――本気の“海老”だよ
老若男女が愛する鉄板食材として
実力を見せつけていく
水鉄砲だって怖るるに足らず!
絲りんごとセロ玉ねぎの間をびちびちと跳ね
水飛沫をお見舞いしてしまおう
葉物も洗った方が瑞々しいからね、と
笑顔でアリサににじり寄れば
背後に感じる圧倒的なBBQ王者の気配
く、黒毛和牛さま!?
けど加工肉なんかに負けな、アッ、パレードそれはずるい
肉類の猛攻に成す術もなく膝を尽く――
わけがない、
海産物ジャンプで大きな水飛沫上げて
全員を容赦なく巻き込んでいくよ
自分も濡れるけど、必殺・捨て身の一撃だ!
アリサ・マーキュリー
H&Fのみんなと
バーベキュー…になるの?私達が?
なるほど…?よくわからないけど、肉だけじゃダメだと思う。
野菜取らないと栄養が偏るって、聞いた事あるし!
青い水着も着てるし、目も青いしこれなら立派な青物に見えるはず。
私がキャベツだ!
ふぅ…プールなんて久しぶり。
のんびりと水死体の様に浮いてy(顔面に水があぶぶ)
…絶対やり返す!
例え美味しいりんごだろうと贔屓はしない!くらえ!
む…海鮮の気配!(振り向きざまに発射)
なんか玉葱から凄く狙われてる!?
黒毛和牛強い…!ってか何その武器!?ずるい!
キャベツこそ至高という事を知らしめる為にも私は負けない…!
野菜も肉もない、私たちは同じ食材だ
皆、ソーセージを倒すよ!
四・さゆり
【H&F】
H&F提供、
最高のディナーへご招待しましょう。
ディナーと言えば、お肉、ね。
くろげわぎゅう。
ーー
くろげわぎゅうを濡らすの……(じとめ)
その心意気を買うわ、‥‥玉ねぎ
副社長権限よ。いちばん濡れた子が高飛び。
皆、本気で来なさい。
でもわたし髪が濡れるのは嫌な…、
の。‥‥りんご、
わたしの顔に‥‥。連帯責任ってご存知?
ソーセージ。アレを。
ええ。強靭なタンパク質に相応しい得物ね、
褒めてあげる。
…。ところでこれはここを押すと、あら、水が出るのね。
…。そんなところに立ってるからよ、パレード。
‥‥。
水も滴るいい男、ひゅー。
あら、水死体ならぬ水キャベツ、
ふふ、粋の良いエビも、
全部まとめて丸洗いしてあげる。
セロ・アルコイリス
【H&P】のみんなと
バーベキュー、バーベキュー……
じゃあおれはタマネギでしょうか
生ではからい、獣にゃ毒
でも熱して懐柔してくれるなら、
それなりに甘くなりますよ? たぶん
髪も白いし水着に羽織るパーカーも白に
よく洗わねーといけねーですからね!(水鉄砲両手に用意でやる気満々
寛ぎ切ってるキャベツは特に念入りに(狙い撃ち
ほらリンゴ、隙だらけですよ?
っと、海老……! やりますね、でも負けねーです、リンゴ、挟み撃ち──、
(ソーセージを見て)うわ。幼女への執着がすげぇ。退治しましょう優先的に早急に!
くろげわぎゅうは……ざぶざぶ洗って、良いのか(思案
えっちょっ、心意気を買うってそういう?!
結末お任せ!
赫・絲
【H&F】のみんなと!
よーっし、みんなで最高の食材になるよー!
BBQにはデザートも欠かせないからね
私は……じゃじゃーん、りんごだよ!
赤いビキニにパーカー姿でとりあえず見た目から
ふふーん、誰を水浸しにしちゃおっかなー
両手の水鉄砲ふりふり
むむっ、玉ねぎやる気だね、やられた分はやり返ーす!
キャベツ共々じゃんじゃん撃つよ、野菜はよーく洗いましょう!
はっ、尻尾によるびちびち攻撃!海老様か!
おっけー玉ねぎ、挟み撃ち任せて──ってソーセージ先輩それずるくない!?
よし、標的変更
あっ黒毛和牛様違うんです、今の一撃はソーセージを狙っ、ぎゃー!
高跳びは楽しそうだけど戦いには負けられない!
まだまだがんがんいくよー!
パレード・ペッパーポート
H&Fのかわいい社員たちと
牛肉は確かに大物
しかし忘れてもらっては困るな、準主役の存在を
肉汁たっぷり…中身がキュッと詰まったナイスガイ…
そうっ!俺こそは――
(バッと上着を脱ぎ捨ていい感じの細マッチョを晒す)
ソーセージ様だッ!!
(サユリの隣に侍る)
黒毛和牛様
こちら最新式ハイドロポンプウォーターガンでございます
どうぞお使いください
ふははは!
強い者に着くのが勝利の鉄則と知れ
肉類の圧倒的タンパク質に屈服し――ぎゃあ!!
お前ら!
広範囲攻撃と集中攻撃は卑怯だぞ!
そんな、和牛様まで!
ああああああ~~~~~!
(結末おまかせ)
●H&F提供
「バーベキュー……になるの? 私達が?」
「そういうこと、みんなで協力して最高の食材になるよー!」
首を傾げるアリサ・マーキュリー(God's in his heaven・f01846)に、赫・絲(赤い糸・f00433)が言う。一見わけのわからない発言だが、今回の迷宮はそういう場所だ。
「私は……じゃじゃーん、りんごだよ! BBQにはデザートも欠かせないからね!」
赤いビキニにパーカー姿、食材らしい色に身を包んだ彼女のように、見た目から入るのも一つの手と言って良い。
「じゃあおれはタマネギでしょうか。生ではからい、獣にゃ毒、でも熱して懐柔してくれるなら、それなりに甘く……」
「なる?」
「なりますよ? たぶん」
セロ・アルコイリス(花盗人・f06061)が、からかうような絲の問いに肩を竦める。こちらも着ているパーカーは食材に合わせた白。幸い髪色もそのままで十分だろう。
「なるほど……? よくわからないけど、野菜も摂らないといけないよね! 栄養が偏るって、聞いた事あるし!」
アリサが選んだのは、青い水着に瞳の色も合わせた、『青物』。
「私がキャベツだ!」
「あは、みんな相当やる気だね?」
そんな宣言を微笑ましく見ながら、堂々と立つ境・花世(*葬・f11024)。薄紅に白のボーダービキニが眩しい。
「そう、今日のわたしは――本気の“海老”だよ」
既に食材に対する心意気は万全か、その先の展開を視野に入れながら、彼等は迷宮内の水流へと踏み込んでいった。
まず越えるべきはこの水の流れる区域だ。特に戦闘もない平和な場所と言えなくもない。
「ふぅ……プールなんて久しぶり」
とりあえずはのんびりと、アリサは水にその身を浮かべた。ゆらゆらと水の揺れに合わせる静かな時間は、顔に直撃した水によって遮られる。
「ぷわっ、なに!?」
「寛ぎ切っている様子でしたので、つい。ほらリンゴも、隙だらけですよ?」
アリサの顔を向けた先では、セロが手にした水鉄砲を次の獲物へと向けていた。そうして標的にされた絲もまた、水鉄砲を手の内で揺らしている。
「むむっ、玉ねぎやる気だね」
「それはもう、よく洗わねーといけねーですからね!」
「……絶対やり返す!」
立ち上がったアリサも銃を手にし、三つ巴の戦いが始まる。
「さあ二人共、野菜はよーく洗いましょうね!」
「なんか玉葱、こっちばっかり狙ってない!?」
「葉物を洗うなら念入りに、ってやつじゃねーですか」
水の弾丸が行き交う中で、軽口があちらこちらへ飛び回る。そんな中、アリサはそれに気付いて咄嗟に後ろへと射撃を行う。
「む……海鮮の気配!」
「葉物も洗った方が瑞々しい、と思っただけよ」
撃たれたそれを危なげなく回避して、笑顔で背後ににじり寄っていた花世が方針転換、見事な跳躍を見せる。
「エビとは老若男女が愛する鉄板食材! 水鉄砲だって怖るるに足らず、だよ!」
空中で一回転して、三人の間に着水すれば、花のように広がる水飛沫が三人へと降りかかる。
「この尻尾によるびちびち攻撃! 海老様か!」
「やりますね、でも負けねーです、リンゴ、挟み撃ちを──!」
戦闘時さながらの連携を、はねる水と、飛沫に映る虹が彩る。各々に笑顔を浮かべながら、食材4人の攻防はしばし続いた。
「仕込みは順調のようね」
そんな食材達の戦いを、高みから見下ろす影が一つ。黄色のレインコートの下で豊かな黒髪を揺らす四・さゆり(夜探し・f00775)、彼女の担う食材は、そう、バーベキューの主役であるところの――。
「く、黒毛和牛さま!?」
圧倒的な王者の風格に、花世が戦慄する。人気食材、エビと言えど肉には一歩譲らざるを得ないのがバーベキューの常だ。そんな様を知ってか知らずか、当然のようにさゆりは進み出た。
「最高のディナーにしましょう」
圧を感じさせる言葉。気後れからか、どうしたものかと思案する食材達の中でセロが口を開く。
「その、くろげわぎゅうも……ざぶざぶ洗うべきなのか」
「なに、このくろげわぎゅうを濡らそうと言うの……」
そっと、と言うよりはじっとりした感じに、さゆりの眼が細められる。そして無駄に緊張感の増したそこに、現れる半裸の男。
「牛肉に手を出したい気持ちは分かる。しかし忘れてもらっては困るな、準主役の存在を」
不敵な笑みと共に現れた彼は、黒毛和牛の傍らで立ち止まる。
「肉汁たっぷり……中身がキュッと詰まったナイスガイ……そうっ! 俺こそがソーセージ様だッ!!」
脱ぎ捨てられた上着が宙を舞う。パレード・ペッパーポート(“初恋煩いの”・f04678)は細く締まった肉体を誇示しながら彼等の前に立ち塞がった。
「そうね、私の前にこのソーセージを……と言いたいところだけど、その心意気は買うわ……玉ねぎ」
加工肉を侍らせたまま、さゆりは宣告する。
「副社長権限よ。いちばん濡れた子が高飛び。皆、本気で来なさい」
「心意気を買うってそういう?!」
何か酷い副賞の付いた状況に、セロをはじめとした一同は、再度命を預ける得物を確認する。
「パレード、どういうこと!?」
「ふははは! 言葉通りの意味だ! 長い物に巻かれ強い者に着くのが勝利の鉄則と知れ!」
花世の問いにきっぱりと応えながらも、パレードはそれを迎え撃つべく準備。決戦の火蓋はすぐに切って落とされた。
「うわ。幼女への執着がすげぇ。まずはこいつを退治しましょう優先的に早急に!」
「ふん、その程度でこのソーセージ様をなどと――」
セロの撃つ水鉄砲を、鼻で笑うパレード。だがその射撃に呼応して、絲はその後背を突くことに成功している。
「おっけー玉ねぎ、もう一回行くよ!」
水鉄砲の引き金が引かれ、飛び出した水流は、見事顔面を撃ち抜いた。――ただし、さゆりの、だが。
「……りんご、わたしの顔に……」
「あっ黒毛和牛様違うんです、今の一撃はソーセージを狙って――」
髪が濡れるのは嫌なのに。殺気を増幅させるさゆりの様子に、絲は弁解を並べる、が。
「連帯責任ってご存知? ソーセージ、アレを」
「はっ!」
命じられるままに、パレードは準備してきたそれをさゆりへと差し出す。
「こちら最新式ハイドロポンプウォーターガンでございます。どうぞお使いください、黒毛和牛様」
「強靭なタンパク質に相応しい得物ね、褒めてあげる」
ごつくてでかくてカッコイイそれを両手で受け止め、さゆりはそれを身に付ける。
「って言うか何その武器!?」
「ソーセージ先輩それずるくない!?」
「自重とかしないのパレード?」
アリサ、絲、そして花世が口々に文句を言うが、当の本人には些かも動じた様子はない。
「言ったはずだ、強者ともに在る事こそ勝負の鉄則! 肉類の圧倒的タンパク質に屈服するが良い!」
と、高らかに宣言した彼の後頭部を一際強い水流が襲う。
「な、何をなさるのですか黒毛和牛様」
「……水も滴るいいおとこ?」
操作確認中の暴発だが、ひゅーとか口笛を流しているこの牛肉も大概悪びれない。むしろ発射される水圧的にも彼女はこれを気に入ったようで。
「水死体ならぬ水キャベツ、ふふ、粋の良いエビも、全部まとめて丸洗いしてあげる」
「黒毛和牛強い……!」
「くっ、これが肉類の力……!」
襲い来る水流を請けながら、アリサと花世が唸る。文字通りのプレッシャーに、二人はついに膝を付く――とは、いかなかった。
「キャベツこそ至高という事を知らしめる為にも私は負けない……!」
「面白い、かかってくるといいわ」
「それじゃ遠慮なく、行くよー!」
花世の捨て身の一撃、射撃ではなく跳び込みによって撒き散らされた水飛沫が一同をまとめて襲った。
そんなこんなでひとしきり戦ったところで、彼等には友情が生まれていた――ということで良いのだろうか、アリサが強引に路線を引き戻す。
「野菜も肉もない、私たちは同じ食材だ」
同じ皿に並ぶ食材同士、高め合うのは良いが、殺し合ってはならない。そして。
「よし皆、ソーセージを倒すよ!」
「えっ」
また、ひと際強い水流が彼を襲う。
「そんな、和牛様まで!?」
「そんなところに立ってるからよ、パレード」
「そういうことだから、覚悟すると良いですよ?」
セロをはじめ、一同の銃口がそちらを向く。
ああああー、みたいな悲鳴が響き渡り、晴れて正義は為された。
大成功
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レイニーア・ノックス
spd
連携アドリブ大歓迎
『ふむふむ……ある程度、マッピングするのには探っていかないと行けませんし、最近は暑かったですし水遊びも……(理論武装)』
『よほど変なとこに流されたりしなければ大丈夫でしょうし、最悪この子いれば建て直せるでしょう』召喚したドラゴンに乗せてもらったりするつもり(騎乗や空中戦があるので、わざわざ水に浸からなくても行けるだろうにというドラゴンの表情)
流されそうなひとがいれば支援などにも使えるのでユーベルコードは間違ってはないはずというスタンス。
ただ、普通の制服なので透けたりする可能性あるのを忘れているかもしれない
ヴィクトル・サリヴァン
食材…魚肉か獣肉かどっちの扱いになるのか。
それはともかくとして人食いの災魔なんてさっさと退治しないと。
道中も色々ありそうだけどまあ頑張って回廊乗り切ろう。
【SPD】
しかしここはいいね!
水が沢山あるのはいい事、滝下りどころか滝登りだってやれちゃいそうな気がするよ。
もう少し広い方が好みだけど、うん。
水泳得意なの活かして全力で遊…もとい迷宮攻略。
シャチは水の中でこそ。潜ったり加速して水中からジャンプしたり。
一応水深には注意、特に飛び込みで水底に頭ぶつけるとかは避けたいよねー。
逆流の道もなんのその。こういうのは力業で突破するのもロマンだし?
…しかしこれただの水?なんか味ついてない?
※アドリブ絡みお任せ
月舘・夜彦
なるほど、水に関係する物が沢山ある様ですね
滝もあるとは……修行していた時の頃を思い出します
髪を纏め、着物を襷掛けして滝行します
勢いのある冷たい滝に身を当てる勇気と覚悟は持ち合わせております
ただ水を受けるより、一つ経を唱えながらやりましょう
日々戦いの中、時には精神を統一する時間も必要です
己を見つめ直し、身を清める事でより集中力を得られる
我が居合の技も更に磨かれましょう
滝行に夢中になってしまいましたが、そろそろ目的地へ向かわねば
水の勢いはあるものの進むのに支障が出る程ではありません
春暁を呼び出し、現在地を確認して貰いながら先へ進むとしましょう
●滝
人を食材と見立てる、という前情報は得られた。ならばシャチとのキマイラである自分は、魚肉か獣肉かどっちの扱いになるのだろう。そんな事に思いを巡らせ――どっちにしろ人食いの災魔をのさばらせておく意味は無いと結論付けて、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は水の中へと飛び込んでいった。
人間という観点では縦にも横にも広い彼がプールに落ちると、花火のような音が上がって巨大な波紋が広がっていく。
「いやぁ……ここは良いね」
リラックスするように体を伸ばして、ヴィクトルは迷宮を進む。水がたくさんあるのは良い事だ、もう少し広かったりするとなお良いのだけど。ただの尾びれの一振りで、巨大な彼の身体は一気に前へと進んでいく。ウォータースライダーと化した坂道を逆走することすら、今の彼には容易いだろう。
「――なるほど、水に関係する物が沢山ある様ですね」
一方、別ルートを進んでいた月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)、迷宮を侵攻する中でそれを見つけた。
「まさか、滝もあるとは……」
上の階層の通路との境目、断崖のように切り立ったそこを、流れ落ちた水が滝を形作っていた。偶然ではあるが、その水量と落差は彼にとって懐かしく感じられるそれによく似ていた。
修行に明け暮れていた日々、勢いのある冷たい滝は宿敵であり、そして最適な相手だったから。
そんなかつてを思い出して、一度瞑目し、彼は前へと歩みを続けた。
そしてもう一人、この迷宮を進んでいるのがレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)である。
「ふむふむ……ある程度、マッピングするのには探っていかないと行けませんし、最近は暑かったですし水遊びも……」
地図を片手に、誰にともなく、主に自分に言い聞かせる風に語って、彼女は水の流れに身を預けた。
もしもの時のため、と召喚した彼女の紺色のドラゴンが、低空飛行で彼女を追う。「濡れないで済む方法がいくつもあるのに」、と竜が目で訴えているように見えるが、たぶん気のせいだろう。
流れが速い場所に来たらあのドラゴンを頼ろうかな、などと考えていたところで、少し離れた場所にそれが着弾した。
「!?」
パァン、という大きな破裂音と共に、レイニーアの浸かっていた水面が大きく波打つ。誰かが降ってきたのだと気付いた時には、彼女は咄嗟に自分の竜へと呼びかけていた。
「救助を!」
お願いします、と付け加え、ドラゴンがそこに飛んでいこうとしたところで、落ちてきた黒い巨体――ヴィクトルが水面に顔を出した。
「いや失礼、夢中になって跳び込みを試みたは良いが、途中でそんな水深は無いと気付いてね」
危ないところだったよ、と彼は笑う。
「あなたにお怪我がなくて何よりでした。どうかこの後もお気を付けて」
「ありがとう、キミも気を付けて」
そんな挨拶を交わしたところで、ヴィクトルは水の中へと潜っていった。
感じの良い猟兵だった、それにしてもこんな事もあるのか、と考えながらレイニーアは進む。今度はドラゴンに水中まで来てもらって、それに乗る形を取っている。先程のような不測の事態も、トラップにありそうな急流も、これで大丈夫だろう。
だが今度彼女の耳に聞こえてきたのは、何かの呪文だった。サムライエンパイアやUDCアースの一部でも聞けるそれは、所謂『お経』だった。
「大丈夫ですか――!?」
声の出所を追ったところ、滝壺に人影が見えて、レイニーアは竜を促してそちらに急行させる。
これが入水自殺というやつか、などと考えてしまったようだが。
「ああ、申し訳ありません。つい、修業時代を思い出してしまって」
滝壺から出てきたのは髪を纏め、着物を襷掛けしていた夜彦だった。
「確かに。今は滝行をしている時ではありませんでしたね」
「えっ」
「日々戦いの中、時には精神を統一する時間も必要です。己を見つめ直し、身を清める事でより集中力を得られる。……我が居合の技も更に磨かれましょう」
真面目、というよりはストイックな部分がそうさせるのだろうか、夜彦にとってはまだ修業は終わっていないのかも知れない。
「少々夢中になってしまいましたが、そろそろ目的地を目指した方が良いですね」
「私もそう思います……」
「来たれ、春暁」
轟音と共に滝の下から現れた黒い影が、凄まじい勢いで滝を泳ぎ上がっていった。
「え、今の……!?」
「いえ、春暁はこちらですが」
上からゆっくりと降りてきたイヌワシが夜彦の腕に止まる。周囲の偵察を行っていたのであろうそのイヌワシは、一声鳴いて、向かうべき先を指し示した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
勾月・ククリ
【土蜘蛛】
わーい、水遊びだー!
これならべりるちゃんも大喜びのはず!
ね、べりるちゃん!たのしい?たのしいよね?ね!
え、オブリビオン?人喰い?
やっぱり異世界って怖いところなんだなぁ。
でもでも、これもお仕事のうちなんだもんね!
おいしくなるぞー!(耀子ちゃんに合わせて復唱)
わたしはアスパラ!イドくんはどんな食材になるの?
ぎゃ!室長、遊ぶ気満々だね!
わたしもまけないぞ~!(水をかけ返す)
あ、飛び込み!高飛び込みして室長!
室長のちょっといいとこ見てみたい!
ウォータースライダー楽しいなぁ!
たくさん洗われて綺麗になっちゃうね!
ねぇ、もう一回乗っていい!?
わぁざんげちゃん!わたしもジュース、もらっていいかな?
蜂月・玻璃也
【土蜘蛛】
前々から思ってたんだけど……うちの開発室はアホなのか?
すまん、べりる
そういうわけだからちょっと付き合ってくれ
……俺の発案じゃないぞ?
(開発室から受け取った指令書を読む)
なあ、俺だけ役柄が指定されてるんだけど
……なんでピーマン?
……深く考えると自分を傷つけそうだ
……くそおおおおおおお!!
(ヤケになってウォーターガン型ガジェットを部下たちに向かって連射する)
(反撃を食らう)
ぶえっ!?げほっ!!強い!!痛い!?
みんなウォータースライダーなのになんで俺だけ飛び込み?
いや浅いから。死ぬから!!
え?残夏なんだって?耳に水が入って聴こえない。
(それとは知らず青汁を飲み干す)
~~~~~~~ッ!?!?
星鏡・べりる
【土蜘蛛】
誕生日祝いのバーベキューって聞いたのに!
だ、騙されたぁ!!
……まあいいや、切り替えてこ
仕事だってんなら仕方ないし、頑張ろ!
アルダワの迷宮って来るの初めてなんだけど
レジャーランドか何かなのかな
えっ、何の食材になるか考える必要があるの?
私は……わぶっ!(顔面に水がかかる)
……(手で水を掬い思い切り振りかぶり、室長に高威力な水礫をぶつける)食材は考えておくね、後で言うよ!
とにかくウォータースライダーに避難
進むのも楽だし、それに……結構楽しいねコレ
安全を考えて設計されてないから、スリルがあ、あ……ありすぎる
気を抜くと吹っ飛んじゃいそう
楽しんでしまった……
あっ、ざんげちゃんジュースありがと~!
花剣・耀子
【土蜘蛛】
開発室では実戦を元に技術力及び対策精度の向上を目指しているのだけれど、
敵を選べる機会なんて滅多にないのよ。
ヒトを喰うオブリビオンが出たという話をしたら、こう、食いつきが良くて。
本日は研修兼データ収集兼実戦兼べりるちゃんのお誕生日祝いの異世界旅行です。
おいしくなるぞー。おー。
そうね、下拵え。
イドくん、あたしにも頂戴。
ほら、室長も無駄に鬱々としないで――……っ!
(無言で室長に向けて水を跳ね散らかす)(強めに当てる)
ウォータースライダーでささっと移動。
余分な塩気や水分を飛ばして、流水を潜ったら引き締まるかしら。
ジュースもいただくわね。有り難う。
お祝いは方便でもないのよ。
楽しいなら良かった。
隠・イド
【土蜘蛛】
人喰いのオブリビオンなんて恐ろしい
食べられないように気を付けなくてはいけませんね
プールサイドにて入念にストレッチを行ない
身体にはアロマオイルや塩を塗り込んで肌のケア
下拵えは大切ですからね
耀子様もお使いになりますか?
まぁ、適当に遊んで進んで殴り倒してくれば良いのでしょう?
簡単なお仕事ではないですか
さ、べりる様も機嫌を直して
皆様、どのような食材になるのかは決められたのですか?
アスパラ!
くくり様にピッタリな可憐な食材でございますね
なるほど、体内から整えていくとは
流石は残夏様、目の付け所が違いますね
私ですか?
私は……いえ、まだ内緒にしておきましょう
本番までのお楽しみです
黒海堂・残夏
【土蜘蛛】
わあ〜、なんか変なヤツもいたんですね〜え
人なんて食っちまえば味なんて関係ないと思いますが〜あ
まあ、なんか面白いからいっか〜
べりるっちも諦めて楽しんじゃいましょ〜お
こーゆーアホは乗ったもん勝ちですう
水着はそのまま
白衣もそのまま
フルーツは瑞々しさが命ですからねえ
玉の肌に弾ける水滴のきらめきを求め
全力でウォータースライダーを滑りますよお
多少事故っても気にしませ〜ん
今にもかぶり付きたくなるスウィ〜トなスメルも大切ですよねえ
全力で水遊びした後はフレッシュフルーツジュースで体内からフレッシュに
あ、皆さんも飲みます〜う?
あ、室長は苦さが大事ですし〜い、別コースですよお
はいど〜ぞ、青汁で〜す
●はっぴーばーすでー
対UDC組織《土蜘蛛》より、派遣されてきたメンバーが迷宮の入り口を潜る。別段特別な事は無い、前情報通りの光景が広がっているはずだが。
「わーい、水遊びだー! これならべりるちゃんも大喜びだよね!」
「う、うん……」
たのしい? たのしいよね? ときらっきらした眼で聞いてくる勾月・ククリ(Eclipse・f12821)にぎこちない返事を返しつつ、星鏡・べりる(Astrograph・f12817)は助けを求めるように視線を彷徨わせる。
「あれー? 私誕生日祝いのバーベキューって聞いたんだけどナー?」
ダンジョンに踏み込んだ辺りで何となくわかってはいたのだ。そもそも今回の集合場所がグリモアベースだったし。若干棒読みになっている彼女から、蜂月・玻璃也(Bubblegum・f14366)はぎこちなく目を逸らした。
「どうしてこんなことになったんだ……?」
「ヒトを喰うオブリビオンが出たという話をしたら、こう、開発室の食いつきが良くて」
開発室では実戦を元に技術力及び対策精度の向上を目指している――と、花剣・耀子(Tempest・f12822)が解説を加える。まあ、平たく言うなら「珍しい相手だからデータサンプルのために戦ってこい」という指令が出たのだ。
「え、オブリビオン? 人喰い? やっぱり異世界って怖いところなんだねぇ」
「人なんて食っちまえば味なんて関係ないと思いますが~あ、まあ、なんか面白いからいっか~」
「やっぱり騙されたァ!」
感心するククリとどうでもよさそうな黒海堂・残夏(Atropos・f14673)、そしてその横でべりるの嘆きの声が上がる。哀れ、という感じの視線を向けたまま、玻璃也が呟く。
「前々から思ってたんだけど……うちの開発室はアホなのか?」
「怒られますよ?」
それに一つ釘を刺して、こほん、と耀子は咳ばらいを一つ。ちらりとべりるに視線を送って。
「別に祝う気持ちが無いわけではないのよ。
……というわけで、本日は研修兼データ収集兼実戦兼べりるちゃんのお誕生日祝いの異世界旅行です。おいしくなるぞー」
「おー!」
掛け声と共に、ククリ一人が右腕を突き上げる。
べりるはまだ現実が受け止めきれていないし、玻璃也は今更渡された指令所を読んで頭を抱えている。隠・イド(Hermit・f14583)に至っては既に脱いでストレッチを始めている。
「まぁ、適当に遊んで進んで殴り倒してくれば良いのでしょう? 簡単なお仕事ではないですか」
「べりるっちも諦めて楽しんじゃいましょ~お、こーゆーアホは乗ったもん勝ちですう」
「うん……切り替えていくね。仕事だってんなら仕方ないし、頑張ろ!」
イドと残夏の言葉に顔を上げたべりるは、向かう先の水路へと目を向けた。上層から流れる水は目の前の坂道の傾斜に従って横切っていく。
「アルダワの迷宮って来るの初めてなんだけど、レジャーランドか何かなのかな」
「どこもそう、というわけではありませんが、今回はそれに近いですね」
そう答えつつ、イドはアロマオイルと塩を身体に塗り込んでいく。
「イドくんさっきから何してるの?」
「ああ、これは下拵えですよ。今回のような事案では準備がものを言いますからね」
「そうね、下拵え。イドくん、あたしにも頂戴」
どうぞ、耀子へ下拵えセットを譲って、イドは仲間達を一通り見遣る。
「そうだ。皆様、どのような食材になるのかは決められたのですか?」
「えっ、何の食材になるか考える必要があるの?」
「なるほど、そこからね」
べりるに対して耀子が簡単な説明をしている横で、ククリが元気良く応じる。
「わたしはアスパラ!」
「アスパラ! くくり様にピッタリな可憐な食材でございますね」
「残夏ちゃんは何かフルーツにしましょうかねえ。この瑞々しさを活かさない手はないよ~お」
「なるほど、それでは、室長は?」
「お、俺は……」
問われて、玻璃也は肩を震わせる。その手には、先程受け取った指令書が。そこには何故か玻璃也の担う食材についてのみ、指定があった。
「ピーマン……何で俺がピーマンなんだ……? しかも俺だけ……?」
「室長、そんな無駄に鬱々としないで――……っ!」
ピーマンの何がそんなに不満なのか、もしくは開発室からの扱いに鬱屈とした何かがあるのか、玻璃也はストレスのあまりウォーターガン型のガジェットを取り出した。
「……くそおおおおおおお!!」
仲間に向かって乱れ撃ち。
「……わぶっ!」
「ぎゃ! 室長、遊ぶ気満々だね! わたしもまけないぞ~!」
飛んでいった水弾は「何の食材が良いかな」、などと考えていたべりるの顔を直撃し、ククリや耀子にもその被害を広げる。
「……」
「……ッ!」
ばしゃばしゃとプールから水をかけ返すククリに続いて、べりると耀子は黙々と掬った水をフルスイングで叩き付けていった。
「ぶえっ!? げほっ!! 強い!! 痛い!?」
順調に反撃されていく姿を笑顔のまま見送って、ククリはイドの方へと顔を向けた。
「そういえば、イドくんはどんな食材になるの?」
「私ですか? 私は……いえ、まだ内緒にしておきましょう」
「えー、ずるいなあ」
「本番まで、楽しみにしておいてください」
そう言って、彼は少女に微笑みかける。このダンジョンの攻略は、まだ始まったばかりである。
とりあえずは部屋から部屋へ、移動にはウォータースライダーと化している通路が選ばれることになった。何しろ手早く移動できるのだから、合理的な選択と言えるだろう。
「玉の肌に弾ける水滴のきらめき……やっぱりフルーツは瑞々しさですよ~お」
「余分な塩気や水分を飛ばして、流水を潜ったら引き締まるかしら……」
残夏と耀子もそれぞれ追加要素を求め、流水の中を滑り降りていく。曲がりくねった道も容赦ないスピードで駆け抜けて、プールと化した部屋に滑り出る。道中の流れと着水時の水飛沫で、水浸しになることは避けられないが。
「たくさん洗われて綺麗になっちゃうね!」
「うん、進むのも楽だし、それに……結構楽しいねコレ」
満面の笑みを浮かべて楽しんでいるククリに、若干複雑な表情でべりるが応じる。普通のレジャー施設と違い、安全性を考慮してないのが逆に良いのかも知れない。
例えば緩いカーブではなく直角に近い曲がり角が基本だったりとか、減速を一切考えていないだとか、油断すると大惨事になりかねないその辺りだ。
そんな感じの移動をいくらか続けていった先で、彼女等は下にぽっかりと開いた落とし穴を発見した。下の方には、プールと化した別の部屋が見える。
「あ、飛び込み! 高飛び込みして室長!」
「は? みんなウォータースライダーなのになんで俺だけ飛び込み?」
ククリの問いに、当然玻璃也は難色を示す。
「室長のちょっといいとこ見てみたい!」
「私も見てみたいなー」
「やらないんですか、室長」
「いや、だって浅いから。死ぬから!!」
穴の際から下の部屋の様子を探って、首を横に振る。要らないところで命を張りたくないのは当然の事だろう。が。
「あ、室長そこ危ないですよ~お?」
「え」
後ろから滑ってきた残夏がぶつかって、玻璃也は最後の一歩を踏み出した。
下の階層に向かって、悲鳴が一つ、尾を引いて落ちていく。
スライダーはやがて迷宮の深奥部に至る。細かな入り組んだ通路は終わり、大きな広間のようになったそこは、回廊の中心へと続いていた。
ざばぁ、と音を立てて、一同はそこに着水する。
「楽しかったね! ねぇ、もう一回乗っていい!?」
「ここから上るの大変そうよ、まずは先に進みましょう?」
歓声を上げてはしゃぐククリを耀子が窘める。そんな様子を横目に、一緒に滑ってきたべりるが嘆息する。少しだけ気まずい思いを味わっているのだろう、何しろ彼女も、はしゃぎ倒して降りてきてしまったのだから。
「楽しんでしまった……仕事だと割り切ったのに……」
「いや、楽しんでくれたのなら良かったわ」
うん、とそれを聞き逃さなかった耀子が頷く。幸い途中で誰かがはぐれるなどと言うこともなかった。後は奥へと進むだけだが。
「そうだ、皆さんもこれ飲みます~う?」
そんな一同に、残夏がそれを差し出す。
「美味しくてスウィ~トなスメルのフレッシュフルーツジュースですよ~お」
水流で体の表を磨いた後は、内側から、そんな狙いの一品だ。
「なるほど、体内から整えていくとは……流石は残夏様、目の付け所が違いますね」
感心した様子のイドに続いて、喉が渇く頃合いでもあり、皆それぞれに飲み物を受け取っていく。
「ざんげちゃんジュースありがと~!」
「わたしもジュース、もらっていいかな?」
「私もいただくわね。有り難う」
「お、なんだ、気が利くな残夏」
と、玻璃也が手を伸ばしたところで、残夏は他のメンバーとは別のものを手渡した。
「室長は苦さが大事ですし~い、別コースですよお」
「え? なんだって? すまん耳に水が入っててよく聞こえないんだ」
「はいど~ぞ、青汁で~す」
結局その言葉は届かぬまま、玻璃也はそれを一息に飲み干して、声にならない悲鳴を上げた。
大成功
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リュー・メトカーフ
赤鴉(f00221)イリスロッテ(f06216)と共に
プールで遊べるんだ、予め水着を着用していく
二人とも似合っているよ
水着コンテストがあれば同率1位だろう
無論普段着も忘れず
荷物はイリスロッテに任せよう
すまない、バーベキューの話は嘘だ
いや全部が嘘というワケじゃあないけれど
ここの主が悪いんだ
私を怒らないでくれ
さあ二人ともこれを(小型の水鉄砲を渡す)
ルールの説明をしよう!
ゴール迄に相手に水を当てた量で勝負だ
判定は天に任せよう
スタートだ(ドでかいバズーカ型の水鉄砲で乱射する)
二人とは火力が違うよ火力が
これなら非力な私でも関係ない
勝ちは約束されたようなものさ
何だかんだあってボロボロに負けてもいい
自由に
イリスロッテ・クラインヘルト
リューちゃん(f01051)、赤鴉ちゃん(f00221)と一緒
はわー、いっぱいのお水!イリス、プール初めてなのです!
(ご機嫌で虹色に光る)
ここは水着で挑むルールなのですね!
みんなのお着替えや荷物は【希望へと誘う虹の門】を使って収納なのです
これで濡れちゃわないのです!
これが…水鉄砲…!(目を輝かせて操作確認)
わーい、二人ともまてまてー、なのですよー!
(装填した水を聖者パワーで虹色にして、無邪気に撃ちまくる
なお光るだけで特殊な効果はない。虹がかかって綺麗だなー)
イリスはお二人と一緒に楽しめればおっけー、というやつなのです!
はぐれないようにだけ気をつけるのです
(ぴょんぴょん飛び跳ね位置調整)
陽灯乃・赤鴉
リューちゃん(f01051)、イリスちゃん(f06216)と参加。
へー、これがプール。
スペースシップワールドでは見たことがないわ
水がこんなにあるのね。凄いわ。
水着も初めてなんだけど……。
ありがとう、リューちゃんも似合ってるわ。
ところでリューちゃん、バーベキューは?
バーベキューが出来るって話を聞いて私は来たのだけど。
え…嘘…? そんな……。バーベキュー……。
リューちゃんの水鉄砲だけ大きくないかしら?
スカイステッパーを使用して空を飛ぶわ。
イリスちゃんの虹のお水を避けたりしながら容赦なく二人を上空から濡らしていく
美味しく食べるためには空腹が必須よね。
バーべキュー、ないんだったわ。
●虹と太陽
「はわー、いっぱいのお水! イリス、プール初めてなのです!」
「へー、これがプール。スペースシップワールドでは見たことがないわ」
眼下に広がる光景に、イリスロッテ・クラインヘルト(虹の聖女・f06216)と陽灯乃・赤鴉(ピカピカ光る。・f00221)が感嘆の声を上げて、ミレナリィドールの少女はご機嫌で七色に輝く。このレジャー施設さながらの状況に必要なのは、ほかでもない大量の真水である。世界事情次第では実現が難しいもの。
この二人はそういった世界の出身であり、ゆえに水着にもなじみが薄い。
「着方は間違っていないわよね……?」
「水着で挑むルールなのでしたら、お着替えや荷物はイリスがお預かりしておくのです!」
ユーベルコード、希望へと誘う虹の門。虹色の光の描く紋章に触れて、まとめて置かれた荷物が一式狭間の世界に送られた。
「ありがとうイリス。それから、二人とも似合っているよ。水着コンテストがあれば総合上位10%に……いや、いっそ同率1位も狙えるだろう」
そんなことを言いながら、リュー・メトカーフ(ヴィユーヴィス・f01051)がゆっくりとしたペースで歩いてくる。もちろん彼女も水着だ、進む準備は万全である。
「ありがとう、リューちゃんも似合ってるわ」
賞賛の言葉にリューが微笑むのを見てから、赤鴉はかつてからの疑問を口にした。思えば、違和感は転移してからも消えていなかった。
「ところでリューちゃん、バーベキューは? バーベキューが出来るって話を聞いて私は来たのだけど」
「すまない、バーベキューの話は嘘だ」
「え?」
こともなげに返された言葉に、赤鴉がフリーズする。
「いや全部が嘘というワケじゃあないけれど、ここの主が悪いんだ。私を怒らないでくれ」
リューがそう言い重ねるが、そもそもその言葉をリピートであるかの認識も出来ているか怪しい。それくらい、赤鴉の目は虚空へと向けられていた。
「そんな……。バーベキュー……」
「とはいえ、せっかくここまで来たのだ、攻略を手伝ってくれないだろうか?」
大丈夫かな、と赤鴉を窺いながら、二人に近くに寄るようにリューは言う。そして、さあこれを、と小さな拳銃型の水鉄砲を手渡した。
「わかるかい? これが水鉄砲だよ」
「これが……水鉄砲……!」
それもまた初めて手にするらしく、イリスロッテが目を輝かせる。そしてそんな彼女等へ、リューは開始の合図を投げた。
「ではルールの説明をしよう! ゴール迄に相手に水を当てた量で勝負だ!」
「わかりました!」
「え、ええ……」
「それでは、スタート!!」
宣言と同時に、よっこいしょ、とばかりにリューがバズーカ級の水鉄砲を担ぎ出した。
「わっ」
「えっ」
引き金が引かれる。馬鹿みたいな量の水が、凄まじい勢いで二人の方に発射された。
「きゃーっ!」
「ちょっと、リューちゃんの水鉄砲だけ大きくないかしら?」
直撃して、イリスロッテが楽しそうな悲鳴を上げる。一方の赤鴉は咄嗟に跳び上がり、スカイステッパーで空気の階段を上る事でそれを開始していた。
「気のせいだろう」
「そこ言い張るの?」
「言い張るとも。非力な私が勝つためにはハンデが必要だと思わないかい?」
「思わないけど」
言いつつ、リロードするリューに、ようやく調子を取り戻してきた赤鴉は斬り込む隙を窺う。けれどその二つが終わる前に、空に咲くのは水流の虹。
「今度はイリスの番なのですよー!」
イリスロッテが引き金を引けば、小さな水流が銃口から噴き出す。彼女の聖者としての力、特有の、虹色に染まる聖なる光が宿ったものか、その水は七色に輝いてさらなる虹を形作る。
「む、大きい分だけ再装填に時間が――」
などとやっている内にリューの周りが虹色に染まっていく。
「赤鴉ちゃんも、まてーなのです!」
「とりあえず、遠慮しておこうかしら?」
空中のこちらは余裕の様子で、イリスロッテの放つ虹色をひらりと避けて、反撃替わりに水鉄砲を上から乱射する。
「わあ、雨みたいなのですー」
「なるほど、涼しくて良い。けれどこれでは一方的になってしまうかな」
降り注ぐそれを嫌がるでもなく受け止めた二人を跳び越えて、赤鴉が着地、足元を流れる水が、ぱしゃ、と跳ねる。
「まあ、運動としては丁度良いわ。美味しく食べるためには空腹が必須だものね」
「……すまない、バーベキューは」
「……ないんだったわね」
ああ、という嘆きと共に赤鴉の方ががっくりと落ちた、そこにバズーカの一射が直撃した。勢いと水量に、赤鴉がバランスを崩してその場に倒れ込んだ。
「ふふふ、やはり、私の勝利は約束されたようなものだったね」
満足気なリューに対して、しりもちをついた姿勢でいた赤鴉が立ち上がる。
「ねえ、イリスちゃん、このまま負けるのはどうかと思うんだけど」
「うーん、イリスはお二人と一緒に楽しめればおっけー、というやつなのです!」
「それでも、ちょっと手を貸してもらえない?」
「おっけーなのです!」
拘りがない分、柔軟に。ハンデを補う役を快諾したイリスロッテと共に、赤鴉はリューに向かって、跳んだ。
戦いは徐々に水路の中へ。スライダーを滑り下りて、プールに飛び込んで。
そんな時間の末に、彼女等は最下層に至っていた。
「あら、あれは――もしかして、もう終わりなのです?」
「そうみたいね。まぁ、そろそろ可哀そうになってきたから丁度良いわ」
少し残念そうなイリスロッテの言葉に、赤鴉はそう返す。
「うん、み、見事だったよ」
こちらはこちらで、集中砲火で水びたしにされた様子のリューが溜息を吐いた。
さすがにかかった水量を比べるのは困難だけれど、しいて言うなら勝ったのは赤鴉だろう。とはいえ今の所特に賞品は無いし、バーベキューを食べられないのは変わらないのだけど。
「とにかく、次に進もうか」
濡れて顔にへばりつく前髪を払いながら、リューは二人と共に回廊の中心へと向かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
パウル・ブラフマン
【SPD】
職場の仲良しの先輩、スナさん(f03519)と参戦するよっ☆
てか今回のボスって…いやいや。
夢で見たその人はもっと紳士で淑女だったハズ!
ちょうどくくりちゃんみたいな…。
なんてお喋りしてるうちにスライダー付近へとうちゃーく☆
派手にキメるぜ、UC発動!
なんでプールでGlanzを呼び出してるかって?
それはオレがタコだけどカナヅチだからなのです!!
ウォーターバイク風にするのもイイけど…
行くよGlanz、アヒルさんモード♪
メタリックな足漕ぎボート風に変形したGlanzの
後部座席にスナさんをご案内しちゃうよ☆
オレ水飛沫はスキ!
テンションぶちあげでスライダーを滑走しちゃうぞ♪
※アドリブ&連携大歓迎!
スナッチ・ベット
【SPD】
職場の後輩パウルくん(f04694)と
新しいツアーの下見も兼ねて
やってまいりましたアルダワ迷宮がひとつ、晩餐回廊に
レポートは僕とタコくんでお送りします
探検ツアーだからしっかり実地体験しなきゃね
スワンボートならぬGlanzアヒルちゃんVerで
タコくんと一緒に前と後ろからえいさほいさとボートを漕ぐよ
タコダケドカナヅチダカラ
え、なに?何語??
なにか意味わからないこと言った気がするんですけどこのタコ
……
ま、いっか!
此処はアルダワ。深く考えたらたぶん死ぬところ!
アハハ、それいけタコくん突撃だー!
やっぱり探検ツアーはスリルないとね!
とりあえずレプリカクラフトで浮き輪の準備でもしとくかな!
●エイリアンツアーズ特別番組
「やってまいりましたアルダワ迷宮がひとつ、晩餐回廊に。レポートは僕とタコくんでお送りします」
「よろしくねー☆」
スナッチ・ベット(Vulpes et uva・f03519)とパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)がセットしてあるカメラに向かって手を振る。旅行会社エイリアンツアーズ所属のツアーコンダクターとドライバーによる、新ツアーの下見を兼ねた探索行だ。
「探検ツアーだからしっかり実地体験していきたいと思います。……おっと、早速タコくんが何か見つけたみたいですね」
「ウォータースライダーはっけーん♪ ついてるねスナさん、それじゃ早速――」
パウルの呼び声に応え、白銀の宇宙バイク、Glanzが現れる。そしてそのままの流れでUCを発動。
「ウォーターバイク風にするのもイイけど……行くよGlanz、アヒルさんモード♪」
こちらに現れるや否や変形を始めた宇宙バイクは、まさかのアヒルボート型に変貌を遂げた。普通のそれとは違い、メタリックな輝きが眩しい。
「さあスナさん、後部座席にどーぞ!」
「良い仕事、ドライバーの鑑ですねタコくん。ツアー担当がタコくんの場合、頼んでみたら今のが見れるかも知れませんよ」
お得情報みたいなものを映像に残しつつ、スナッチはかっこいい足漕ぎボートに乗り込んだ。
「そういえば、映像的にはありがたいですけど、なんでわざわざプールにこれ出したんですかねタコくん」
「なんでって? それはオレがタコだけどカナヅチだからなのです!!」
うん? スナッチはこめかみに指を当てる。
「……え、なに? 今の何語?? タコダケドカナズチ?」
てへ、みたいな顔をしているパウルに一撃入れて前を向かせ、スナッチはまぁ、とりあえず気にしないことにした。
「タコが何か言ったように聞こえたかも知れませんが、多分映像の乱れですね。此処はアルダワ。深く考えたらたぶん死ぬところ! アハハ、では行ってみましょうタコくん突撃だー!」
「いえっさー! それじゃ一気にスライダーを滑走しちゃうぞ♪」
がつんとペダルが踏み込まれ、メタリックなアヒルが急加速。下り坂になった水流も合わせて、二人は猛スピードで迷宮の中を駆け抜けていった。
「やっぱり探検ツアーはスリルないとね!」
大丈夫、スナッチのレプリカクラフトで、浮き輪の準備は万全だから。
「ご覧ください所謂ウォータースライダー! 加減を知らないこの水流はきっとお客様を未知のスピードに連れて行ってくれるでしょう」
サンプル動画として映像は続く。
「侵攻は早いですが、安全性に難があり、引き返すのも一苦労です、見た目の優雅さに注意してください」
「まぁオレみたいにバイクがあれば一飛びで戻れちゃうけどね♪」
軽妙、というか片側ゆるい調子での紹介は、滝、プール、渦巻と多岐にわたる。
「それじゃ渦巻の中心がどうなってるか! いってみよー!!」
「ハハハひっくり返ったら終わりの癖に無茶しやがりますねこのタコ」
「オレ水飛沫好きだし☆」
卓越した操舵技術を元に、進行も撮影も順調ではあった。
そして。
「ここが最下層のようですね、果たしてこの先、回廊の真ん中には一体何が待っているのか――」
ついにそこに辿り着いて、スナッチが一旦画像の〆に入る。
「真摯で淑女な、あんなボスなんじゃないかなぁ?」
「は? 急にどうしたんです?」
「この間、夢で見ちゃったんだよね、ここの事☆」
「あー、はいはい。寝言は寝ながら言いましょうね後輩」
「信じらんないかなぁ、丁度ほら、あのグリモア猟兵のコみたいな――」
やがて、ボートは岸に着くだろう。そこが、この水に洗われた迷宮の終着点だ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『スチームドローン』
|
POW : 機関暴走
【過熱状態での突進】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自爆】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : スチームブラスター
【機体下部に搭載された蒸気熱線銃】を向けた対象に、【精確な射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 戦闘データ送信
戦闘力のない【観測用スチームドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【次章のボスへとそれらの情報が送信される事】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
======
第2章のプレイングは、6/15(土)午前8:30からの受付とさせていただきます。
======
●全自動焼き目つけ機
水路は終わり、少しばかり湿った床の上。回廊の真ん中、恐らくはフロアボスの住処となっている中心建造物の足元に、猟兵達は辿り着く。
様々なルートでここに至った彼等を迎えたのは、しゅるしゅるという独特の駆動音だった。
「……なんだ?」
徐々に大きくなっているそれが、ある臨界を迎えたところで、中心建造物から一斉に広がり、飛び立ち始めた。
鳴っていたのは、蒸気機関とプロペラの音色。動力機関の影響で赤熱し、ブラスターまでも備えた『スチームドローン』の群れは、食材達を良い感じに加熱するべく、ここに踏み入った猟兵達に一斉に襲い掛かった。
――猟兵達は戦う内に気付くだろう、戦闘用のドローンの中に、監視用、映像記録用の個体が混じっていることに。
つまり、ここでの戦いを、ボスはどこかで見ている。
チガヤ・シフレット
リィ(f13106)とガンガン進んでいこう
楽しい妹分な感じで可愛がり
水遊びが終わったらいきなりの歓迎だなぁ?
ってか、熱いのやめろ。手足が過熱する……。
さてさて、高みの見物決め込んでるとかいい性格してるじゃないか。
さっさとドローン片付けて、ぶっ飛ばしに行くとするかぁ!
両腕の兵装を起動、銃器メインでガンガン撃ち込んでいこう。
【二回攻撃】や【一斉発射】で手数重視でドローンに弾丸を。
リィのサポートで狙いは万全だな。
多少の被弾は気にせず。
じわじわ焼けるのはたまらんな。
リィを【援護射撃】するのも忘れないぞ。
「リィ、派手に吹き飛ばしてもいいんじゃないか!!」
「うひぃ、あちっ! 私を巻き込むなぁ!?」
リィリィット・エニウェア
チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)と参加
チガねーさんと呼びます
あねごー!と懐いています
「チガねえ!アイツ爆発するよ!!自爆するよ!!POWで攻撃して!!」
と敵を見て本能的に爆発の気配を感じてテンション↑↑
とはいえ戦いは真面目にね
……前章が前章だったし
チガねえの援護を主にするよ
何て言うんだっけ?ポイントマン?
敵と敵の攻撃をしっかり見て狙いどころを伝える役!
その為にガジェットショーーータイム!!
相手の【戦闘データ送信】をまねっこだ
手動だけど
用が済んだらガジェットを突撃させて自爆!
派手にいくよっ!
汚れたら戻ってプールで洗おう!
……あ、そういえばPOWで攻撃してないや……
●芸術
「おーおー、水遊びが終わったらいきなりの歓迎だなぁ?」
水辺から歩いてきたところに、ドローンが飛来するのを見て、チガヤが目を細める。手足の内臓武器の準備をしている横で、一方のリィリィットの眼がくわ、と開いた。
「チガねえ! アイツ爆発するよ!! 自爆するよ!! POWで攻撃して!!」
「え? お、おう」
元々テンションは高かったが爆発となると食いつきが違う。目を輝かせる後輩に苦笑しつつ、チガヤは敵の様子を窺う。射撃武器の付いたものが大半だが、その中には撮影用らしきものも混ざっている。
「高みの見物決め込んでるとかいい性格してるじゃないか。さっさとドローン片付けて、ぶっ飛ばしに行くとするかぁ!」
「りょうかいあねごー!」
チガヤが前腕部から銃口を飛び出させ、リィリィットは巨大な物体……アンテナにも似たガジェットを取り出す。
「あァ? なんだそれ?」
「アレだよチガねえ、何て言うんだっけ、えーっと……ポイントマン?」
狙撃手のあれか、と意図は伝わったようで、頷き返しながら、チガヤは後方に跳ぶ。
一瞬前まで居た場所を射抜く熱線、共に後退したリィリィットが、ガジェットを敵の群れへと向けた。早く爆発しないかな、と眼が言っているが、抑える。先程まで遊んでいた手前、ここは真面目に行くと決めているらしい。
「行くよ、チガねえ!」
「ああ、任せな!」
敵の攻撃、移動パターンから傾向を掴み、狙いどころを割り出す。判明したそれをチガヤに送信、彼女の両手がそのコースをなぞる。
放たれた銃弾はドローンの熱線銃を射抜き、次々と暴発させていく。
「こりゃいい、面白いように当たるな!」
送信されてくる情報を元に射撃パターンを組み立て、迎え撃つ。反撃をものともせず、二人はスチームドローンを蹴散らしていくが。
「あー、数が多いな。手足が過熱する……」
時折落とし損ねた個体から飛んでくる熱線と、射撃の排熱でチガヤの腕が湯気を噴く。群れ成すドローンは、ここぞとばかりに赤熱して突っ込んできているが。
「大丈夫、チガねえ?」
「ああ、わかったわかった、派手に吹き飛ばしてやれ!」
後輩の意を汲んだ言葉に、リィリィットが笑みを浮かべる。
「やった! 派手にいくよっ!!」
アンテナ状だったガジェットが変形、槍の穂先のような形に変わり、後方に突き出たスラスターが火を噴く。
簡素なロケットと化したそれは敵陣に突っ込み、自爆体勢に入っていた戦闘の一機を突き破り、暴発させる。後続がそれに中てられ、次々と燃え上がっていく――。
「うひぃ、あちっ! 私を巻き込むなぁ!?」
余波を喰らいかけたチガヤが身を翻して訴えるが。
「やっぱり爆発は芸術だよね……」
こちらには聞こえてないようで。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!
あの機械から蒸気がいい感じに出てるわね…ここはあれね!蒸し風呂!
今の私はおうどん…焼く前の準備も大事ね!ちょうどよく蒸し風呂が有るし茹したおうどんとなるわよ!
ふっふっふ…敢えておうどんを茹でないで蒸すことで…なんだっけ…そう!お水が少なくなってコシ?とだ…だん…弾力?が出るんだって!
私もついさっき知ったわ!!後はベタベタしないんだって!凄いわね…!
という感じで蒸気を浴びて…熱い!!思ったよりも熱かった!!
やっぱり火力調節は人に任せちゃ駄目ね…焼くのは自分でやるわ!!
UCで【火行】の付与!お料理は火力が命!いい感じに火を出して焼いていくわ!!
数宮・多喜
続けて【芋煮艇】のみんなと!
お次は蒸気あふれる熱々ステージか……
温野菜てのもあるけれど、
葉物野菜を目指すなら直火は遠慮しておきたいところだね!
そこで使うは【弱点特攻作成】!
これで耐熱性能の高い鏡をクラフトして、
『念動力』で熱線銃との射線上に構えるよ。
そうすれば手も火傷せずに反射できるはず!
もしも焼き加減が強めに欲しいヒトがいたら、
そっちへ反射してもいいかもね。
……まあそれはあくまで最後の手段だけどね!
ただし、どうやっても輻射熱は受けるだろうさ。
それ位は『覚悟』しておくよ。
BBQをお望みなら、
程よく熱が通ってた方が美味しいだろうからさ。
撮影してるドローンにも
瑞々しさをアピールしようじゃないのさ!
明石・真多子
【POW】
【芋煮艇】の皆で!
活きの良いピチピチ感は出せたみたいだね!
今度は調理か~。
焼き加減って少し間違うと焦げついたり焼き過ぎで身がボロボロになっちゃうことあるよね?
それって食材に対してすっごく失礼だよ!
だからアタシは秘策を用意したんだ!
じゃじゃ~ん、誰でも良い感じの焼き目をキープできる、その名も【軟体忍法球体防御の術】!!
丸いフォルムが無駄なく全身に火を通して、尚且つ焦げつかない優れもの!
自爆の後に術を解除すれば、あら不思議。
加熱されて赤く締まったプリプリの身と、部屋を満たす磯の香りは思わず胃を刺激しちゃうはずだよ!
夏を先取りした日焼けカラーなアタシになって、さぁ次に進むぞ~!
銀座・みよし
【芋煮艇】の皆様と!
・SPD
さて、次なる工程はメインの焼きにございます
しかしここで肝心なのは手軽にぱぱっと焼くのではなく、程よく熱されること
炭一直線な程の火力はご遠慮願いたいのでございますれば!
ですので
『なぞなぞだ。バーベキューで焼く係をすると光りだす虫はなんだ?』
わたくしは生命力を共有したスフィンクスさんと一緒に戦うのでございますれば!
…なぞなぞは後でちゃんと答えますからねスフィンクスさん
わたくしは強烈な火力…もとい攻撃が皆様を必要以上に苛まないように敵の攻撃に割り込みます
これでも【救助活動】に心得がございます!
敵に隙がありましたらスフィンクスさんの爪でばしゅっと!ずばっと!
(アドリブ歓迎
●焼き工程
「これで、活きの良いピチピチ感は出せたみたいだね!」
ウォータースライダーからの流水プールを抜けて、真多子は堪能した、と言う表情で水から上がる。ひと泳ぎした、みたいな風情だが、休んでいる暇はないようで。
「さて、次なる工程はメインの焼きにございますね」
「なるほど、蒸気あふれる熱々ステージか……」
みよしと多喜の視線の先から聞こえる駆動音。見れば、蒸気機関を唸らせて、大量に現れたスチームドローンがこちらに向かってきていた。
「あの機械から蒸気がいい感じに出てるわね……ここはあれね! 蒸し風呂!」
「違うんじゃねぇかな……」
多喜の呟きも届いているだろうが、アカネがその程度で止まるはずもない。
「今の私はおうどん……焼く前の準備も大事ね! ちょうどよく蒸し風呂が有るし茹したおうどんとなるわよ!」
不敵な笑みを浮かべて跳躍、迫り来るドローンのいくつかを上から押さえ込むようにして、捕らえる。
ご存じだろうか、敢えてうどんを茹でず、蒸すことで、水分量が少なくなり、さらなるコシと弾力が得られるのだ。
「私もついさっき知ったわ!! それに表面もベタベタしないんだって!」
どこかの製麺会社のHPで得てきたような情報を元に、アカネはドローンから排出される蒸気を一身に浴びる。ちなみに、他にも高温による殺菌効果なんかも期待できるそうですよ。
そう、高温。
「熱っつぅ!!??」
噴出口近くの熱されたそれを受けてアカネが悲鳴を上げた。飛び退いた上でごろごろ転がって戻ってきた彼女に、真多子が慌てて水をかけていく。
「焼き加減って難しいよね……」
「葉物野菜としては、直火は遠慮しておきたいな」
「手軽にぱぱっと焼くのではなく、程よく熱されたいところでございます」
しみじみと言うタコの言葉に葉物野菜と桃が結論の一致をみる。
「やっぱり火力調節は人に任せちゃ駄目ね……」
しばらく転がっていたアカネも、日本刀を引き抜いてさらなる焼きを入れようとしてくるドローン達へと向き直る。発揮されるのは『五行の付与』、彼女得意の陰陽術により、引き抜いた刀が火行……炎を纏う。
「焼くのは自分でやるわ!!
迫る一体をなぎ払うようにして、彼女は迎撃を開始した。
先程はアカネを直接焼くことになったが、このドローンの主兵装は下部に備えた熱線銃である。ふわふわと飛び回るそれらがある間合いに至り、一斉にその銃口を猟兵達へと向け始める。
「ふうん、そういう感じか」
「炭一直線な程の火力はご遠慮願いたいのでございますれば!」
一時的に見に回った多喜の前に、みよしが進み出る。救助活動に覚えのある彼女とは言え、そのまま盾になればひとたまりもないが。
「おいでください、スフィンクスさん!」
ユーベルコード、『地平線上の知恵ある者』によって召喚されたスフィンクスが、その巨体を盾に、攻撃を阻んだ。
「なぞなぞだ。バーベキューで焼く係をすると光りだす虫はなんだ?」
「スフィンクスさん……!」
ドローンは何も答えてはくれないが、熱線は遠慮無く放ってきている。別に無念でも何でもないだろうが、スフィンクスの反撃の爪にはやるせない思いが乗っているように見えた。
「なぞなぞは後でちゃんと答えますからね……!」
四肢を躍動させ、スフィンクスが次なる敵へと飛び掛かる。巨大な前脚に捕まった一体は、そのまま地面へと叩き付けられ、その機能を停止した。
「それじゃ、そろそろあたしも働こうか」
今の合間で十分に対策は練られた。多喜の翳した掌の先に、薄く輝く鏡が生じる。『弱点特攻作成』、念動力によって距離を調節し、彼女はそれを盾として扱う。
「これなら手も火傷しなくて済むってね」
射撃の気配を察知し、射線上へと盾を動かす。耐熱性能の高い素材で構築されたその鏡は、即座に熱線を反射、撃ってきたドローンを逆に撃墜した。
「角度次第で自由に熱線を向けられるか……焼き加減が強めに欲しいヒトはいるかい?」
「熱いのはもうイヤかな!」
「ご遠慮させていただきます!」
「なんだ、それじゃ敵に向けようかねぇ」
アカネとみよしの様子を窺ってから、多喜は鏡を操って攻撃に備える。
「お料理は火力が命よ!」
炎を纏ったアカネの刀が、力強いスフィンクスの爪が、ドローン達を切り裂いて、操られた鏡が熱線を弾き返していく。
鏡による反射は今の所極めて有効に働いているが、輻射熱までは避けられない。あまり長引かせると辛いか。
そんな多喜の見立てを察したのか、それとも熱線反射やアカネの火刀による攻撃によるものか、ドローン達の表面が徐々に赤熱してきている。
「……何だか暑くなってきていませんか?」
「ほんとに蒸し風呂じみてきたねぇ」
などと言っている内に、ドローンの一体が鏡に向かって突進し、その場で爆発した。
「ちょっと、火力上げ過ぎじゃない!?」
攻勢をかけてきた敵に対し、待ってましたとばかりに真多子が前に出る。
「あんまり火力を上げると、焦げついたり焼き過ぎで身がボロボロになっちゃうでしょ? それって食材に対してすっごく失礼だよ!」
空撮型ドローンの先に居る誰かに訴えるような言葉と共に、彼女は持てる力――軟体忍法を発動する。
人よりも多い触腕を自らに絡みつかせ、形作るのは丸いフォルム。
「これがアタシの秘策! 軟体忍法球体防御の術!」
ゴムボールみたいになった身体をぽよんぽよんと跳ねさせて、真多子が敵の前に転がり出る。無防備に現れたように見える彼女に対し、赤熱したドローンが殺到、次々と連鎖爆発を起こし、激しい炎を煙が回廊に上がる。
「ま、真多子……!」
だがそれらの波が過ぎ去った頃、蒸気と煙の中に磯の香りを漂わせて、彼女は立ち上がった。その身体は完全に無傷……否、薄く日焼けした感じに染まっている!
丸いフォルムで全身に無駄なく火を通し、防御能力で焦げ付きを防ぐ! そしてタコは加熱されると身が引き締まり、赤く染まるのだ!
「逞しい事でございますね……」
「あの日焼け具合、いいなぁ……」
「さぁ次に進むぞ~!」
良い感じの仕上がりを見せながら、一行はさらにドローン達の殲滅を図る。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
紗我楽・万鬼
ジャックの兄貴(f16475)も!
えっ次はスチームです?
蒸し料理ですかね!
嗚呼ーパパラッチ大量ですねぇ
あっしら有名人ですね!
兄貴があっしを庇う?!やっさしい!
ねぇ御犬様見てご覧なさいよあっし庇われてますよ!
ほら見習って下さいよって御犬様何処ですかい御犬様ー?!
さて、冗談は其れ位で
兄貴が大立ち回りして下さってねぇ
慌てるあっしなんざ目もくれないで兄貴に集まってくれちゃって
でも動けないでしょ?
お前さん達の影に、千破夜が取り憑きましたからね
さぁ兄貴やっちまって!
撃ち漏らしはあっしが!
御犬様の火纏って振り回す槍から火球をぶん投げ!
あっし熱くないですけどね!
モニターの向こうは良く焼けてそうに見えますかね?
ジャック・スペード
万鬼(f18596)と
戦いに挑む前から何故か満身創痍なんだが……
アレは、パパラッチなのか?
ならば精々、カメラの前で格好つけるとするさ
画面の向こうで品定めする災魔が、思わず唸る位にな
敵の足止めをする万鬼をかばうよう立ち回り
此の身で攻撃を受けとめるほか
怪力とグラップルで敵を掴んで動きを止め
損傷は激痛耐性で凌いでみせよう
……然し如何なる時も賑やかだな、万鬼は
よくやってくれた、千破夜
其れではカメラに向けて、ヒーローショーを始めよう
召喚するガジェットは以前も用いた銀のカード
電気を纏う其れをドローン達へ投げて範囲攻撃
撃ち漏らしからの攻撃は火炎耐性で乗り切ろう
――強火で料理されたのは、お前達の方だったな
●ドローン達を踏み越えて
水没の恐れを二、三回乗り越えて、若干疲労しながらも自ら上がったジャックらの上に、ドローン達が姿を現す。射撃型に混じる空撮用の個体を見つけ、万鬼はこれまで通り明るく声を上げた。
「嗚呼ー見てください兄貴! パパラッチ大量ですねぇ、あっしら有名人ですねぇ!」
「アレは、パパラッチなのか?」
一概にそうとは言えないだろうが、その先に品定めする災魔が居るのは恐らく間違いないだろう。そうと分かればやる事は一つ、ジャックは迫り来るドローンの前に進み出る。
「ならば精々、カメラの前で格好つけるとするさ」
重い足音と共に踏み込んで、襲い来る熱線を漆黒の装甲で受け止める。敵の前に立ち塞がるその動きは当然後ろの彼を庇うもの。
「あっしを庇ってくれるんですかい? やっさしい!」
感激です! といった調子で相手を持ち上げる万鬼は、付き従えていた黒犬を肘でつつく。
「ねぇ御犬様見てご覧なさいよあっし庇われてますよ! ほら見習って下さいよってアレ?」
否、つつくはずだったその肘が空振りする。炎を纏う黒犬は、気が付いた時にはさっさといなくなっていた。
「御犬様! 何処ですかい御犬様ー?!」
「……然し如何なる時も賑やかだな、万鬼は」
騒がしい声を背中に聞きながら、ジャックはその手で目の前の一体を鷲掴みにし、脆いプロペラ部分を握り潰す。身動きの取れなくなったその個体を放り投げ、続けて脇を通り抜けようとした一体を拳で叩き落した。
千切っては投げの大立ち回り。しかし敵の熱線や体当たりで、ジャックにかかる負担も軽くはない。しかし。
「いやー、兄貴が大人気なようであっしも鼻が高いってなものです! さすが、ドローン達も慌てるあっしなんざ目もくれないみたいですよ、でも――」
賑やかに、愉快気に、そして滑らかな彼の語りが瞬間、粘りを増す。
「――もう、動けないでしょう?」
飛行するドローン達の落とした影に、姿を消していた黒犬――千破夜が取り憑いていた。いくら蒸気機関を吹かせてプロペラを回そうと、空中に縫い留められたそれらが動くことはない。
「さぁ兄貴、やっちまって!」
「よくやってくれた、千破夜。それでは――」
ヒーローショーを始めよう。カメラへと視線を遣って、ジャックは武骨な腕を死角に隠す。取り出したのは、この場を制圧するに足るガジェット――電気を纏う、銀のカードだ。
「大人しくしていろ」
投げ放たれたカードは秘めた電撃を撒き散らし、ドローン達を打ち据えまとめて麻痺させていく。
「お前も、そこで見ているだけで終わるとは思うなよ」
迸る紫電の中を悠然と立つジャックと入れ替わるように、赤い炎が前に出る。
「カッコイイっす兄貴! せっかくなんで撃ち漏らしはあっしが!」
万鬼の傍らに、姿を見せた千破夜が付き従う。黒犬が纏うその炎を槍へと這わせ、一頻り振り回したところで、万鬼は火球を敵へと向かってぶん投げた。
着弾したそれが爆ぜて、微妙な歓迎の花火が上がる。UCによる炎を纏ったところで本人にダメージはないだろうが……。
「モニターの向こうからなら、良く焼けてそうに見えましたかね?」
「見えているだろうさ。それに――」
おどけた調子の万鬼に、ジャックは不敵な笑みで応じる。
「――強火で料理されたのは、お前達の方だったな」
墜落したドローン達の機体を踏み越えて、二人は敵を蹴散らしながら奥へと向かっていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
インディゴ・クロワッサン
僕、そう言えば何になるんだろうね?
切り身とは思えないし、野菜ほど瑞々しくもないから(笑)此処は海鮮の貝類って事でいいか(【早着替え】で何時もの服に着替えながら)
【SPD】
さて、お仕事の時間だー
「空を飛べるって事が、キミ達だけの特権じゃない事、教えてあげるよ」
UC:限定覚醒・藍薔薇纏ウ吸血鬼 を使用して、空中で接近戦に持ち込むよ
まずは愛用の黒剣で僕の周囲を【なぎ払っ】た上で【衝撃波】を飛ばしたり、【鎧砕き】を重ねた【串刺し】で数を減らさないとね
敵の攻撃は【見切り】と【第六感】で致命傷になりそうなヤバイのだけ回避して、その他は【激痛耐性】や【オーラ防御】【気合い】なんかを発動して耐えてみようか
セツナ・クラルス
ふふ…初夏とはいえ、ずぶ濡れで歩くとさすがに寒いね…
進行方向に聞こえる駆動音と温かさに顔を上げ
…!神は私を見放さなかった…!
スチームドローンを見つけると
これ幸いとばかりに進み出て暖を取ろう
渡りに船とはこのことだね、ああ、ありがたい
…?
…いや、ちょっと待ってくれ…
さすがにこれは
熱すぎる!
咄嗟に放った灯火で敵のプロペラ部分を穿ち
背後に飛び退く
ああ、今日は何だかついてないね
普段の私ならこんな油断はしないのに
「いつものことだろ?」という声が聞こえた気がしたが、無視だ無視
八つ当たり気味に灯火を操り
普段よりも少しだけ荒々しく敵をなぎ払う
…今、気付いたのだが
最初から灯火で暖を取ればよかったのでは…?
●
「僕、そう言えば何になるんだろうね?」
そんな思案に暮れながら、インディゴは素早くいつもの服装に戻った。
肉の切り身とも思えないし、野菜というのも相応しくないように思える、ならば海鮮の貝類あたりが丁度良いか――。
この先の敵がどう見るかは、まったく別の話だろうけれど。
手際良く着替えた彼とは対照的に、セツナの方はローブをずぶ濡れにした状態で歩いていた。
「初夏とはいえ、ずぶ濡れで歩くとさすがに寒いね……」
武者震いとは別の感覚で小刻みに揺れながら歩む彼は、正面から聞こえる駆動音に顔を上げた。
「ああ、神は私を見放さなかった……!」
迫り来るスチームドローン、明らかな熱源に救われたような表情を浮かべ、彼はそれにしがみついた。
「ねえ、キミ、大丈夫なの?」
「んん? いやむしろ渡りに船というやつさ。冷えた身体にこれはありがたい……?」
インディゴの問いに手を振って応じて、セツナは暖を取ろうとするが、手元でじゅっと音が鳴ったところでさすがに飛び退いた。
「~~ッ!?」
熱すぎる。悲鳴の代わりに咄嗟に放った灯火が、赤熱するドローンを呑み込む。
まあそうなるだろうな、と苦笑するインディゴから隠すようにして、背中の方で火傷しかけた手をばたばたと振る。こうなると、思わずため息も出てしまうもので。
「ああ、今日は何だかついてないね。普段の私ならこんな油断はしないのに」
脳裏に居るもう一人が笑った気がするが、それはとにかく意識の隅に追いやって、セツナはもう一度、先程の炎を薙ぎ払うように操って、ドローン達を迎撃した。
それから逃れるように上昇していく機体達を、一対の翼が追う。
「空を飛べるって事が、キミ達だけの特権じゃない事、教えてあげるよ」
『限定覚醒・藍薔薇纏ウ吸血鬼』、一時的に空を舞う能力を得たインディゴが、ドローンのそれを遥かに超えるスピードで空へと舞い上がる。振るった黒剣からは衝撃波が生まれ、複数体を纏めてがらくたへと変えてしまう。
「遅い遅い、そんなものかい?」
反撃の射撃もオーラ防御で軽減させて、藍色の吸血鬼はさらに獲物を仕留めていく。
上方からは彼が、下方からはセツナの炎が、ドローン達を追い詰めていくが……。
「……うん?」
ふと、セツナが首を傾げる。
最初から、こうして操る炎で暖を取っていれば、妙な負傷をしなくても――。
いや、と、セツナはとりあえずそれを忘れることにした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サマー・ルー
アレで食材ヲ美味しクするノネ!
コゲコゲ、ならなイ? 火力強すギヨー!
生デ食べルの一番ネー!
機械飛んデル? ピョンピョンしたラ届くカナー?
尻尾チョット長いヨ。低いノなら叩キ落とせルネ!
難しイ? だったラドラゴニアンチェインネー!
鎖つけテ引っ張ったラ近くに来るヨ! そしたラ上出来ヨ!
届かなイのは誰かニ任せルヨ!
ダンジョンの悪いヒト、コレで美味しクしてル?
爆発は嫌ネー。レディの鱗大事にしテほしいヨ
デモ、ブラスターくらイなら当たっテもイイかしラ
ちっちゃイのなら何ともナイヨ! それにイッパイあるかラ避けらレないネー!
当たル前に進めバOKネ! ドンドン行くヨー!
九之矢・透
うわわわ、折角涼しくなったってのに、暑い、いや熱い!
【SPD】
『不羈への枷』使用
群がってる所を狙って範囲攻撃で一気に捕らえるよ
投網漁ってこんなカンジかね?
……いやアタシは食べたくないけどさ!
ドローンの抑えをしている事で、他のドローンに狙われたりしたら
捕らえたままダッシュしたり躱したり……熱ッッ!
オイオイ、帽子だけは焦がさないでくれよ!?
どっかで親玉サンが見てるんだって?
ならアタシ達がイキが良い所を見せてやんないとな
油断してると逆に食われるよって
……あー、あー……服が焦げ穴だらけだよ
コレ、後で繕えるかなァ…?
●漁兵
「うわわわ、折角涼しくなったってのに、暑い、いや熱い!」
「火力強すギヨー! 生デ食べルの一番ネー!」
熱線を発射しながら飛来するドローンの群れから、サマーと透が悲鳴を上げて逃げ回っていた。別段彼女等が猟兵として力不足というわけではないのだが、何事も相性の悪い相手は居る。
「熱ッ! オイコラ帽子は狙うな!」
「コンナ風に美味しクなるノは嫌ヨー!」
とはいえ、この開けた空間では逃げ隠れする場所が足りない。いずれにせよ反撃に転じたいところだが。
「どっかで親玉サンが見てるんだろ? ならアタシ達がイキが良い所を見せてやんないと……」
「ソウしたいケドー、尻尾届かナイヨー」
サマーの自慢の尻尾がぺちぺちと地面を叩く。ドローン程度なら一撃で粉砕してのけるそれも、届かなければ意味がない。
「えーと、それじゃ尻尾以外には?」
「……オーゥ」
そんな技もあったな、という表情に見えるがたぶん気のせいだろう。向き直ったサマーが放つのは、竜の持つ闘気、ドラゴンオーラだ。
命中した場所で起きた爆発が、群がるドローン達を吹き散らす。だが、それだけでは終わらない。ドラゴニアン・チェイン、命中した個体とサマーの間にオーラの鎖が生じ――。
「コレで引っ張ったラ近くに来るヨ!」
力ずくのそれに為す術もなく、引き寄せられたドローンはサマーの尻尾の一撃で沈黙した。
捕まえて、引き摺り下ろす。その方法ならば、と透も頷いて。
「よーし、それじゃこっちも!」
『不羈への枷』、敵の集まった範囲を狙って、投網を放った。ぱっと広がったそれは多くのドローンを巻き込み、地へと落とすことに成功する。
「ヤッタネ!」
歓声を上げてサマーが跳躍。空中で一回転して、尾を絡め捕られたドローン達の上に叩き付ける。複数体のドローンが砕けていくのを見て、透は得意げに笑う。
「投網漁ってこんなカンジかね?」
「食べるノ?」
「いやアタシは食べたくないけどさ!」
そんなやりとりが続く中で、透は異常に気付く。
「あれ、何か暑くね?」
急に気温が上がったような感覚。見れば、投網で捕まえたドローン達が、まとめて赤熱している。自爆体勢だ。
「えっ」
「爆発は嫌ネー。レディの鱗大事にしテほしいヨー」
サマーが早々に踵を返し、ちょっと迷った後で透も網の端を手放してその後を追った。
真後ろで起きる大爆発、ついでにそれを目印にでもしたのか、また新たなスチームドローン達がこちらに向かってくるのが見えた。
「避け切レないなら前に出ちゃっタ方が良いかもネー!」
もういっそ、ブラスター攻撃程度なら構わない。硬い鱗にものを言わせて敵陣に向かうサマーに、透が続く。
「ああもう、服が焦げ穴だらけになっちまう……!」
「ダンジョンの悪いヒト、コレで美味しクしてル? ソレナラアナタ、美味しソウヨー」
後で繕えるかなぁ、という声にフォローらしきものを入れて、二人は迎撃の一手をドローン達に見舞った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月舘・夜彦
なるほど、水の試練の次は火の試練という事なのですね
心頭滅却すれば火もまた涼し
これにも耐えてみせましょう
しかし、本体を燃やすわけにはいきません
頭の簪は懐に仕舞い、髪も束ねてから往きましょう
移動はダッシュ、目の前にドローンを確認しましたら先制攻撃
2回攻撃、敵の数が多ければなぎ払いより抜刀術『陣風』にて破壊
監視であれ記録であれ、近付く物は全て斬り払う
攻撃はあえて避けずに身で受け、カウンターによる斬り返し
痛みは激痛耐性にて耐えられましょう
先程の滝行で水は浴びたものの、此処の熱もかなりのものですね
しかし……水洗いされ、火で焼かれ
物としてでなく、食材として扱われるのは変なものですね
ヴィクトル・サリヴァン
さっぱりした次は敵のお出ましか。
見るからに熱そうだけどなんか受けないとダメな気がする…?
うん、頑張ろう。
可能なら他の猟兵と連携。邪魔しないように援護する形で戦闘。
観測用のスチームドローンを巻き込む形でUC発動、雷と竜巻を合成して纏めて吹き飛ばそう。
電気仕立ての…食わず嫌いはないけれど流石に金属はちょっと俺には無理かなー。
竜巻突っ切って光線とか自爆してくるのもいるだろうけど基本敵の攻撃は極力受ける感じ。
ただ連続で受けすぎるのだけはちょっと勘弁。ミディアムならまだしもウェルダンはね。
集中的に狙われるならこちらも逆にそっちに竜巻集中させて狙うどころじゃない位に攻めてあげよう。
※アドリブ絡み等お任せ
●火もまた涼し
ざばざばと陸に上がったヴィクトルは、名残惜しそうに一度振り返ってから、迫り来るドローン達を目にした。蒸気を吹き出し、時に赤熱したそれらの様子はもう見るからに熱そうだったが。
「なんか、受けないとダメな気がする……?」
そんな呟きと共に前に出る。その時、自ら身を晒した彼の前で、一陣の風が吹いた。
振るわれるは太刀の一閃。敵の群れを薙ぎ払う風が二度吹き荒れ、夜彦の手にした刃が、ドローンの一団をまとめて両断。
もしもの時のために器物である簪を懐に仕舞い、束ねられた髪が太刀風の余波に揺れる。
「無事ですか?」
「……ああ、お見事だね」
感嘆の声を上げる暇もあればこそ。追手の先頭を切り払い、安心したのも束の間、敵のドローンはまだまだ飛んできている。
「水の試練の次は火の試練――これにも耐えてみろという事でしょう」
「なるほど、焦げ臭いのはそのせいか」
「心頭滅却すれば火もまた涼しと言いますが」
「……さすが、滝行を終えてきた男は言うことが違うね」
ヴィクトルとそんな風に言葉を交わした夜彦は、宣言通り熱した体で突進してきたドローンをその身で受け止めて、それがオーバーヒートで爆発する前にカウンターで斬り捨てた。
「ふむ、先程の滝行で水は浴びたものの、此処の熱もかなりのものですね」
汗をぬぐう夜彦に頷き返していたヴィクトルは、彼を若干遠巻きにしながらも見つめている影に築く。
「おっと……あれは観測用かな?」
その辺りに目算を立てて、エレメンタル・ファンタジアを発動。荒れ狂う電と竜巻が、破壊の嵐を巻き起こす。がちゃんがちゃんと音を立てて落下するドローン達を横目に、ヴィクトルはそれを踏み超えていった。
「電気仕立ての……いや食わず嫌いはないけれど、流石に金属はちょっと俺には無理かなー」
思わず今回待ち受ける敵のような調子で、敵の品評をしてしまった彼に、夜彦が言う。
「しかし……水洗いされ、火で焼かれ、物としてでなく、食材として扱われるのは変なものですね」
「ほんとに。俺もミディアムならまだしも、ウェルダンは勘弁だね」
軽口を飛ばしながらも、二人はドローン達からの攻撃を、あえて受け止めていく。熱と痛み、それがある程度続いたところで、他の猟兵も含めた皆の反撃の準備が整っていくのを感じる。
「それじゃそろそろ、まとめて料理してあげよう
ならばこちらも、とヴィクトルがもう一度激しい竜巻を発生させる。自由な動きを奪われ、互いにぶつかり合いながら高度をさげてくるドローン達に、夜彦が迫った。
「食べやしませんよ、けれど……」
今は、全て斬り捨てるのみ。一瞬の前進と共に、鍔鳴りの音だけが響く。
抜刀術『陣風』、振るわれる刃の影さえ見せぬ一振りに、神をも切り裂くような鋭い剣閃が付いて回る。彼等の強力な攻撃により、ドローンはたまらずその数を減らしていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
霄・花雫
【シャルちゃんと】
あーあ、水場終わっちゃったー……楽しかったなー
散々潜って泳いで飛び込んでも、まだまだ遊び足りない
シャルちゃんと手を繋いで軽く揺らして歩くのは、パニックにならないように支えていた手の名残り
わっ!?何!?ちょ、あっつ!?やだーっ!
スチーム加熱した熱帯魚食べても美味しくないと思うんだけど!?
……あっ、でも違うものになるんだっけ……あたし何になるんだろ、野菜?だとしたら新鮮だし生で良くない?
シャルちゃんには近付けさせないんだから!
【誘惑、パフォーマンス、挑発】で引き付けて、【空中戦、全力魔法、毒使い】込みで蹴り込むよ!
だいじょーぶ、危なくなったら【野生の勘、見切り】で避けるから!
シャルロット・クリスティア
引き続き花雫(f00523)さんと
はー、やれやれ……戦闘前から疲れた感じです……休んでる暇はなさそうですけど。
……ところでいつまで手つないでるんです……?
っと、敵ですか。迎撃するしかなさそうですね。
何よりも自爆が怖いですし、接近される前に叩きたいところ。
【スナイパー】としての【早業】で命中重視の一発必中、近づかれる前に確実に有効打を入れて、仕留めて行きます。
肉は焼けすぎると固くなるんですよ、もう……!
花雫さんも、あまり無茶しないでくださいね!
……ところでこれ、この奥白い炎に包まれてたり旅団員8人そろえて行かなきゃダメだったりしませんよね……?
……いえ、根拠は無いです、なんでもありません……。
●ステップ
スライダーを楽しんで、散々潜って泳いで飛び込んで、花雫とシャルロットはようやく陸へと上がった。
「あーあ、水場終わっちゃったー……楽しかったなー」
「はー、やれやれ……戦闘前から疲れた感じです……」
まだまだ遊びたかったなーと口をとがらせる花雫に対し、シャルロットは溜息と共に肩を落とす。苦手なものを克服するのはいつだって大変だし、そもそも水泳は単純に体力を使う。
「あれ、つまらなかった?」
「いえ、そういうわけではないのですが……」
言い淀むシャルロットの手を笑顔で引いて、花雫は「それならよかった」と笑顔の花を咲かせる。
「……ところで、いつまで手つないでるんです……?」
「んー、いつまででもいいんだけど」
「そうもいかないでしょう……?」
泳いでいる間から、パニックにならぬようにと繋いでいた名残のそれを、シャルロットはするりと解く。
「えー、残念」
「敵が来てますよ。……迎撃するしかなさそうですね」
頭を切り替えるように、シャルロットがライフルを構える。その視線を追うようにして振り向いた花雫の鼻先を、発射された熱線が駆け抜けていった。
「ちょ、あっつ!? やだーっ!」
さらに連続発射されるそれから慌てて身を躱しつつ、花雫が悲鳴を上げる。迫り来るのはドエオーンの集団、蒸気を噴き散らかすその塊は、見た目に違わず熱源としても存在感を主張している。
「スチーム加熱した熱帯魚食べても美味しくないと思うんだけど!?」
「肉は焼けすぎると固くなるんですよ、もう……!」
素早く照準を合わせ、撃つ。シャルロットの手元で轟音が上がり、ルーンを刻み込んだ弾頭が先頭の一体に噛みつき、引き裂く。特に動じた様子もなく、シャルロットは素早く次弾の狙いを定める。
「でも単純に魚肉って話でもないらしいですよ、これ」
「……あっ、そうなんだ? それならあたし何になるんだろ、野菜? だとしたら新鮮だし生で良くない?」
「まあ、災魔の考える事ですから」
こちらの理屈に寄り添ってくれるかなどわからない。とはいえまずは目の前の敵だ。エンハンスドライフルで遠間から敵の数を減らしていくシャルロットのために、花雫は迫り来る敵に向けて踏み出す。
「残りはあたしの方で引き付けるね、シャルちゃんには近付けさせないんだから!」
レガリアスシューズが起動し、花雫の足元を鰭の形の光で飾る。水辺からの空気と正面からの熱気が混ざり合う、その合間の春風をつまさきで踏んで、花雫は空へと跳び上がった。
「花雫さんも、あまり無茶しないでくださいね!」
「だいじょーぶ、危なくなったら避けるから!」
その動きはダンスにも似て、空中で軽やかにステップを踏んだ花雫を、シャルロットは照星越しに見送る。
「そーれっ!」
何歩目かのステップで敵を踏み付け、花雫が空中からドローンを叩き落す。その背に迫る個体は、後方からシャルロットが狙撃し、沈黙させる。そんな連携体制で、二人はドローンの群れを捌いていった。
空薬莢を排出し、何度目かのリロードをしながら、シャルロットが独り言ちる。
「……ところでこれ、この奥白い炎に包まれてたり旅団員8人そろえて行かなきゃダメだったりしませんよね……?」
「シャルちゃん、何か言った?」
「……いえ、なんでもありません……」
夢の話はそれくらいに、彼女は次の獲物に手を伸ばす。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
櫻宵、なんか飛んできた――熱っ!!
わあーん、ちょ、熱いの吹きかけるのやめてってば!
僕は、人魚で、他の人より体温が低いから
熱はちょっと苦手で……つ、着いてこないで、尾鰭が!
咄嗟に櫻の後ろへ
あっ!!櫻宵の桜、少し焦げてる……僕の、櫻なのに!ゆるさない
【歌唱】を活かして歌うのは【鼓舞】をこめた『癒しの歌』
君が怪我してしまうのは、嫌なんだ
それから剣舞に合わせて『春の歌』を歌うよ
とうさつ?……熱いのも我慢、するけれど
僕の櫻が焼かれるのはやはり嫌
焼くなら、僕を焼くといい!
熱いのは苦手、だけど
櫻を庇うように受け止める
僕を、治療してくれるの?
けれど君の血が流れるのは、苦しいな…
誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎
あっつ、熱!!何、え、今度は熱いわ!
水に濡れて冷えたからちょうどいい……くもないわね、熱いわ!
あたし、木龍
桜が燃えちゃう!
リィ
あたしの後ろに隠れて
焼き魚になっちゃうわ
リィの歌に舞うように刀を振るい斬り裂くわ
……あらやだ、盗撮?
見られてる、ってことはある程度熱い攻撃を受けといたほうがいいのかもしれないわね
熱いのは嫌なのだけど
刀に纏わせる衝撃波に呪詛をこめて
複数なら範囲攻撃でなぎ払い
狙いを定めたならば【散華】放って斬り落とすわね
これを飛ばした奴が、水浸しの部屋を作ったのかもしれないじゃない?
おかげで服も乾いて、こんがりよ!
もし
リィが怪我をしていれば血華で治療するわ
●きみのため
泳げないなりにここまで切り抜けてきた櫻宵にも、少しばかり疲弊の色が見える。それを気遣うようにしていたリルが、上空から聞こえる低い振動に気付いた。
「櫻宵、なんか飛んできたよ?」
「え、何かしら――って、あっつ、熱!! 何、え、今度は熱いわ!」
飛び込んできたスチームドローンは、水に濡れて冷えた身体には心地良い……と言うには少し温度が高すぎるか。吐き出される蒸気も火傷しそうな熱を持っている。
「わあーん、ちょ、熱いの吹きかけるのやめてってば!」
標的にされたリルがそのプロペラ音から逃げ惑う。体組成の特徴上、ひとよりも体温が低いリルには、その排熱はなおさら脅威らしく。
「……つ、着いてこないで、尾鰭が!」
「リィ、あたしの後ろに隠れて! 焼き魚になっちゃうわ」
リルを背に庇い、迫り来るドローンを抑える。さらに温度を上げるその個体が爆発する前に、櫻宵は紅い太刀でその個体を両断した。
「大丈夫だった?」
「うん……あっ!! 櫻宵の桜、少し焦げてる……僕の、櫻なのに!」
木龍たる櫻宵の角、そこに咲いた花に顔を寄せて、リルが顔を顰める。
「リィ、ちょっと? あんまり近づかれると戦い辛いんだけど」
「すぐに癒やしてあげるからね!」
人魚の喉が『癒しの歌』を奏で始める。ふ、と溜息を吐いた櫻宵は、魅惑の音色に心を預けながら、手にした刀の切っ先をゆらりと巡らせた。
「まったく――我侭ねぇ」
ならば、一つも傷付かぬように。舞うように滑らかな動きで、櫻宵は太刀を振るう。ドローンの熱線も、体当たりも、彼の剣舞を捉えることは出来ず、逆に走る刃に断ち斬られていく。
「……あらやだ、盗撮?」
「とうさつ?」
残る敵を俯瞰したところで、櫻宵はこちらに向けられているレンズの光に気付いた。
「見られてる、ってことはある程度熱い攻撃を受けといたほうがいいのかもしれないわね」
「ええ……」
こちらを見ている『誰か』を意識し、方針を定めようとする櫻宵の横で、リルが不満げな声を上げる。
自分も熱いのは我慢しよう、と決めたが、彼が不満に思うのはそこではない。「僕の櫻が焼かれるのは、やはり嫌だ」と、そう彼は考える。
「焼くなら、僕を焼くといい!」
「ち、ちょっと、リィ?」
先程までとは打って変わって前へ。ドローンの群れからの攻撃を、リルがその身で押し留める。
「――もう!」
口を挟む暇もなかった。リルの作った隙を逃さぬよう、櫻宵は屠桜を手に踏み込む。赤い刃が二度薙ぎ払われ、リルを襲っていたドローンがまとめて二つに分かれて落ちる。
櫻宵の桜色の瞳はそのまま迫る敵群へ。俯瞰するように、狙いを定め――。
「舞い散る桜の如く美しく。さぁ、お退きなさい!」
その刃は不可視。斬り裂く音だけを残して斬撃が駆け抜け、次の瞬間、ドローン達の身体がバラバラに崩れていった。
散る華と呼ぶには、少々武骨に過ぎたか。
「面倒な敵だったけど……ま、おかげで服も乾いて、こんがりよ!」
服の埃を払うようにしながら、櫻宵はリルの方へと歩み寄る。手にした刃で自らの指先を傷つけ、零れる血を、傷付いた彼へと。
「僕を、治療してくれるの? けれど君の血が流れるのは、苦しいな……」
血の滲む指先を見て表情を曇らせるリルに、櫻宵は困ったように笑みを向けた。
「あのね、リィ。それはあたしも一緒よ」
「うん……」
そうだね、と彼は頷く。癒しの力が、リルの火傷の痛みを和らげていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アイン・ローレンス
【WIZ】
ウォーターアクティビティ楽しかったですねー
また遊びたいです!
まあ、折角涼しかったのに蒸し蒸しした所に出てしまいました
私暑いのはあまり得意ではないので、近づかないで下さい!
プロペラの音など【聞き耳】で敵の位置を把握
【第六感、見切り】、「生命の鞭」で【敵を盾に】熱から全力で逃れます
熱を出さないドローンも沢山あって助かりました
あれ?なんで攻撃してこないのもいるんでしょう?
んー、機械は難しくて分かりません
【属性攻撃、全力魔法、範囲攻撃】「エレメンタル・ファンタジア」
広範囲の「氷の津波」で動きを止め、
【2回攻撃】「雷の津波」で纏めて一網打尽です
機械を使うのは厳しいですが、壊すのは得意ですよー!
レイニーア・ノックス
アドリブ大歓迎
wiz
『暑いのは好きじゃありません!』空中戦で飛翔して、ドローンから距離をとる。
『形状なども違うし、いくつかの目的別?』見切りや学習力から察し。
『情報抜かれるのは好ましくありませんから、一撃で落とします!』属性攻撃、全力魔法、誘導弾、一斉発射、範囲攻撃をエンチャントした九匹の竜王のブレスが解き放たれる。それを放たれた後は何も残りはしないだろう……
●
ここまでのコースは堪能できたし、楽しかった。先程までの涼しく愉快な時間を、アインは思い返す。できることならまた遊びたい。何かこの蒸し蒸しした所から早く去りたい。
そんな願いも今は空しく響く。ここでの相手は蒸し暑さの化身、スチームドローンだ。
「暑いのは、好きじゃありません!」
一足早くここまで来ていたレイニーアが、きっぱりとそう宣言して翼を駆使、空を飛んでドローン達から距離を取る。
何体かそちらを追っていったが、大半は多少方向を修正しながら、後続のアインへと襲い掛かっていった。
「私も暑いのはあまり得意ではないので、近づかないで下さい!」
襲い来るプロペラ音の群れの中、アインは伸縮自在の鞭で集団を切り裂く。多数集まったそれらの合間を縫って、風を切る鞭の先が、他とは音の違うその個体を絡め捕った。
アイン本人にも何だか意味が分かっていないけれど、集団の中には温度のあまり上がっていないドローンも居る――。
「捕まえましたよ!」
その内一体を捕縛した彼女は、先端にドローンの付いた鞭をモーニングスターのように振り回して、敵集団の突進を無効化していく。
「熱を出さないドローンもあって助かりました。……あれ、でもなんでこの子は攻撃して来ないんでしょう?」
手元に引き寄せたそれをひっくり返したり、覗き込んだりしているアインに、降りてきたレイニーアも見解を告げる。
「形状なども違うし、目的が別なのでは?」
「なるほどー、すごいですね。機械は難しくて、私にはよく分かりません……」
ぺしぺしとボディを叩いているアインに苦笑を浮かべ、レイニーアは言葉を続けた。
「見たところ、撮影用みたいね」
「えっ……」
思いっ切り近くでレンズと向き合ってしまった。これを覗いている誰かからはどう見えたのか、ちょっとだけ悩んで、アインはとりあえず忘れることにした。
「まあ、倒してしまえば一緒ですよね」
『エレメンタル・ファンタジア』、彼女の指の一撫でに従って、氷の津波が巻き起こされる。周囲一帯を凍結させながら寒波が進み、ドローン達もろとも空間を白く染め上げた。
そこに。
「とはいえ情報抜かれるのは好ましくありませんから……、一撃で落とします!」
『ノイン・ドラッヘ・ゲブリュル』、レイニーアの魔杖剣が指し示したそこへ、展開した9つの魔方陣から九匹の竜王のブレスが解き放たれる。
さらには得意の二回行動でもう一度ユーベルコードを発動し、アインが雷の津波でその足元を蹂躙した。
「機械を使うのは厳しいですが、壊すのは得意ですよー!」
「褒めて良いのか迷いますね、それは」
文字通り付近の敵を一掃し、二人はボスの待つ奥へと歩んでいった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロカジ・ミナイ
【エレル】
サッパリしたけどびしょ濡れだ
やれやれ、こんなナリじゃ先へ進めやしない
外はカラッと、中はフワッと
いい感じに乾かさないとね
お二人さんとも、自分に合った乾き具合をご存知の様だ
僕も見習わないとねぇ
最初はあんまり火力が強くちゃいけない
弱火でチロチロよろしく頼むよ
ちょいと邪魔なドローンを壊して火力調節
ホカホカと体の芯があったまってきたら上出来だ
周囲のドローンに火をつけて
ボーボー燃やして僕は表面をカリッとさせておこうかな
熱いけど漢気で我慢
みんな美味しそうになったかな?いいね、とてもいいよ!
撮影用ドローンを見つけたらピースウインク投げキッス
美味しそうな姿を映しておいてもらおうじゃない
ヨシュカ・グナイゼナウ
【エレル】アドリブ連携歓迎
ロカジさま きらちゃんさま
ふふふ!水泳って楽しいですね(泳いでない)
それはそうと、このままでは動きづらいので乾かさなければ。
ついでに、アレをしましょう。食材のわたしに重要なこと
先ずは50℃を目指してスチームを。うう暑い…。それ以上にはならないように他のドローンは【見切り】避け
目標温度に達したら次は冷却。大体27〜29℃まで。躱した時の風で温度を下げ。
そして最後に再加熱。32℃になれば完成です。これをすることで口当たりが滑らかに
後はもうドローンは必要ありませんのでわたしも【針霜】で掃除しておきましょう
じっくり見て頂けました?
(二人を真似してピースなど)(無表情)
キララ・キララ
【エレル】
おみずで洗われるのは楽しいし、いいんだけど
ジカビヤキ? カネツ(※加熱)? はあついだけだもの。やーよう…
…ちょっとぬくぬくするだけじゃだめ?
それに、焼きすぎるとまっくろこげになっちゃうもの
きらちゃんはね~、ひょうめん(※表面)がとろ~んってとろけるくらいでいいのです!
多すぎるぶんはじゃまだから、先にけっとばしちゃいましょ。
きっときららがいちばんすぐ調理のおわる食材なのよね。
だからヨシュカとロカジのようすをみてます!
おわったらまとめて『シルバーレイン』でおかたづけ!
あっ!カメラだー!きららも!きららもうつる~!《存在感》あるでしょ~!
(めいっぱい跳びはねて活きのよさをアピール)
●それぞれの焼き方
「ふふふ! 水泳って楽しいですね」
先程までの初めての体験に、心弾む様子でヨシュカが言う。泳ぐというよりは沈んでいる時間が長かった気もするが、そにかく。
「喜んでくれてよかったよ。おかげで僕もサッパリできたけど……」
びしょ濡れになってしまったな、とロカジが首を横に振る。やれやれ。
「こんなナリじゃ先へ進めやしない。外はカラッと、中はフワッと、いい感じに乾かさないとね!」
「ええ、おみずで洗われるのは楽しいし、いいんだけどー」
それを聞いたキララが頬を膨らませる。これからの工程は少々厳しいものになる……はずだ。
「ジカビヤキ? カネツ? はあついだけだもの。やーよう……ちょっとぬくぬくするだけじゃだめ?」
「ふうん……きらちゃんにはきらちゃんなりの考えがあるのかな?」
その通りと彼女が頷くので、ロカジはその辺りに口を出さないことに決めた。
「だってね、焼きすぎるとまっくろこげになっちゃうもの」
などと言いながら、三人を包囲するように展開したドローンたちの一角へと彼女は足を進ませる。駆動用の蒸気機関を盛大に吹かし、無闇に熱くなる敵達を一瞥して――。
「きらちゃんはね~、ひょうめんがとろ~んってとろけるくらいでいいのです!」
ちょっと現状では数が多すぎる。目についた敵を間引くように、キララはそれを蹴っ飛ばして、何か良い感じの温度を保つように振舞う。
「ヨシュカとロカジも頑張って!」
キララ自身のやるべきことはとりあえずこれくらい、後は見守るモードに入った彼女に応えるべく、ヨシュカもスチームドローンと向かい合う。
「では、わたしもアレをしましょう。食材のわたしに重要なこと……」
敵の体当たりを一つ見切ってひらりと躱し、別の一体の吹き出す蒸気を浴びに向かう。非常に熱い、自傷行為に近いが、目指すのは50℃である。ここは耐えるべきだと彼は判断した。
そのまま、敢えて何発か攻撃を喰らって温度を上げて、そこから彼は回避重視の姿勢にシフト。悉く敵の攻撃をかわすことで風を浴び、ボディの温度を下げる。一定の値になったら後は再加熱。32℃に至れば工程は完了だ。
「これをすることで、口当たりが滑らかになるのです」
「そうなの!? いやお二人さんとも、自分に合った乾き具合をご存知の様だ。僕も見習わないとねぇ」
感心したように頷いていたロカジも、二人に負けじと行動を開始した。
「最初はあんまり火力が強くちゃいけない。弱火でチロチロよろしく頼むよ」
頼むよ、などと言われてもドローン側にそんな義理はない。ロカジの側もそれは分かっているため、彼もまたキララ同様、邪魔なドローンを破壊していく。
「なかなか難しいけど、火力調整はできてるからね」
そして、ホカホカと体の芯があったまってきた辺りで次の手順へ。
「そうだなぁ……今日の気分はこんな感じ?」
溜め込んだ怨念情念、あまり料理向けではないかもしれないが、どろっとしたそれがロカジの指先から滲み出る。
『手名椎』。滲む念は自然と火を纏い、ロカジの意思に従って、周囲のドローンに一斉に襲い掛かっていった。
「……暑いねぇ……」
ボーボー燃やして僕は表面をカリッと。そんな感じになるまで、とりあえず台なのは我慢だ。
三者三様、それぞれにドローンの相手をした所で、キララが問う。
「そろそろいーい?」
「ああ、僕の方はこれで、一旦は準備できたからね」
「ここからは、ドローンはもう必要ないかと思います」
「よーし、それなら……!」
伸びを一つして立ち上がり、カバンからスプレー缶を二つ取り出して、構える。
「行くよ! 晴れのち雨のち集中豪雨!」
『シルバーレイン』、そのスプレーが灰色の雨雲を描くことで、そこから豪雨が降り注ぐ。雨は雨で、だがその雨粒は銀の弾丸だ。空中。雨雲の存在から逃げられず、ドローンは為すすべなく貫かれていった。
そして、貫くという意味ではこちらも。
「負けていられませんね……」
ヨシュカが掌を地につける。指先から地面へ、広がった鋼糸は持ち主の意思にしたがってある場所に揃い始めた。
「穿て」
蛇が首を擡げ、飛び掛かるように、鋼糸は上方のドローンへと喰らいついていく。
動きの止まったそれらをロカジがまとめて焼き払い、彼は二人へと向き直った。
「みんな美味しそうになったかな? ……いいね、とてもいいよ!」
遅れて聞こえてきた仲間達の声に、称賛を返して――そこで、撮影型のドローンの存在に気付く。
「二人ともあれ見てごらんよ。……おーい、フロアボスさん見てるー?」
ピースウインク投げキッス、やたらとアピールを始めたロカジに、キララとヨシュカも続いた。
「あっ! カメラだー! きららも! きららもうつる~!」
「どうでしょう、じっくり見て頂けました?」
さすが撮影慣れしたキララは自分をくっきり見せるのに長けている。はしゃぎながらも存在感アピールに余念のない彼女の横で、ヨシュカも無表情のままピースを作ったりして二人に混じる。
「今からそっち行くからね、待っててよー!」
宣戦布告のように言い放ち、一通り撮影ドローンを玩具にしてから、三人は回廊の中心、ボスの待つ場所へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
隠・イド
【土蜘蛛】
火入れの工程ですか
敵からの本格的な調理を受ける前
自身を軽くバーナーで炙り、細かな産毛を処理する
取り出したのは桜の木片とザラメ糖
瞬時に敵との距離を詰めると、動力期間にそれらを挿入
発せられる蒸気には桜の木特有の香ばしさが加わり
燻されることで食材として更なる昇華を遂げる
ザラメによって色艶を帯びた肌
仄かに感じられる甘みが一層の旨味を引き出す
そして皆様、もうひとつ大事なお願いがございます
どうか私の事を罵ってはいただけないでしょうか?
どうしても必要なことなのです!
これも道具としての性分でしょうか
食材としても一流たれ
妥協は許されぬのです
ああ…!(歓喜に震える)
私の食材としての階位が、上昇していく…
勾月・ククリ
【土蜘蛛】
やだ、わたし焼かれちゃうの!?
でも今のわたしはアスパラ…
アスパラは…焼くとおいしい!!(覚悟を決めた顔)
でも肌が焼けちゃうのはやだからオイルを塗るよ
これで日焼け対策もバッチリ!
あれ、日焼けと加熱で焼かれるのって…別?
室長!さすが気が効く!
ドローンくんもいいね、いい火加減だね!
わーい!焼きマシュマロおいしい~!
イドくんを罵るなんてそんな!
でもイドくんが言うんだもん、きっと必要なことなんだよね…
わたし、頑張ってみるね!
イドくん!罵って欲しいだなんて、いいご身分だね!?
いったい誰に口を聞いているのかな!?
このアンポンタン!オタンコナス!クルクルパー!
…どうかな!?イドくん!(きらきら)
星鏡・べりる
【土蜘蛛】
スモークチップ挟み込んだり、焼きマシュマロ作ったり何してんの?
必要な事なのは分かるけど、もっと真面目に……
いや、真面目に行動するとこうなるの?
もうよく分かんないや……
ええいもう、熱い!
このドローンの蒸気 妙に避け辛いし、良い匂いするし
後半部分は身内のせいだし、余計にイライラする!
罵ってほしい!?
何考えてるのか知らないけど、さっさとドローン倒してよ!(イドくんの尻を蹴る)
優雅に蒸気浴びてる場合じゃないでしょ、妙に肌艶良いし燻製みたいな匂いするし、なんなの!?(イドくんの尻を蹴る)
あ、熱ッ!
イドくんを蹴ってる最中に狙うな!(ドローンの尻を蹴る)
ああ、もう……私まで匂い付いちゃったじゃない
蜂月・玻璃也
え、焼き工程?
アレに焼かれないといけないのか?
……嘘だろ?嘘って言ってくアッチィ!!!!
くそう、ピーマンは加熱するとビタミンが壊れるんだぞ!
あ、そうだ……任務が終わったら気分だけでもバーベキューしようと思って、マシュマロ持ってきたんだった。
焼かれるだけだと悔しいから俺も炙って食べてやろう。
……お前らも、食べるか?
え。おい待て、俺のマシュマロ……俺の……
(マシュマロを取り上げられて「苦い」思いをする)
イドがおかしくなっちまった……
俺の言うことは聞かないけど、
いつも最終的に任務に忠実で合理的なやつだったのに……
色々溜まってたのかも知れない。
気付いてやれなくて悪かったなあと思いながら涙を拭う。
花剣・耀子
【土蜘蛛】
確かに焼くのは重要だけれど、それは食材によりけりね。
あたしはレアくらいが好きなの。
焼かれる程度はほどほどに。
他にもフレッシュさが必要な子いればフォローしましょう。
オイルを塗ったら素揚げ的なものになるのかしら。
それはそれで美味しそう。
折々にマシュマロは焼きましょう。
室長は苦味を維持して頂戴。
チョコマシュマロやったー。おいしい。
イドくん……。
まあ、必要なら――……、なんて。
ククリちゃんは優しいわね。
必要かどうかの判断は、おまえではなくあたしがするのよ。
態々あたしの手を煩わせる程のことなのかしら。
食材の分際で進言するなら、まずは相応の誠意と力を見せなさい。
(見下す冷たい目)(放置プレイ)
黒海堂・残夏
【土蜘蛛】
食材に事前に火を通しておくことは確かに重要――
しか〜し、新鮮さと瑞々しさ命なフルーツにとってはその限りではありませ〜ん
もちろん炙っておいしいフルーツもありますがぁ
あまーい白桃に限ってはその限りではないでしょ〜とも
ということで異端と言われようが絶対に焼かれない意志を貫きますう
何かあったら仲間たちを壁に
あ、焼きマシュマロはもちろんいただきますよ〜お
甘さと可愛さ担当ですからね〜
でも室長はピーマン担当ですし〜、苦味に糖分は不要ですよねえ(奪う)
なんとここに都合よくチョコレートもありますよ〜お
やった〜 マシュマロおいし〜
わお、イドっち罵倒大会…
土蜘蛛…恐ろしいところですう
●組織の闇
「ここからは、『焼き』……食材に火を通す工程になるそうよ」
ウォーターアクティビティーで思うさま遊んだ【土蜘蛛】一行を、耀子の無慈悲な言葉が襲う。グリモア猟兵からの前情報をまとめたファイルによると、次なる相手はスチームドローンらしい。
「……いや待て、アレに焼かれないといけないのか?」
「やだ、わたし焼かれちゃうの!?」
玻璃也とククリが悲鳴にも似た声を上げる。何しろ遊んでいればよかったこれまでとの落差が大きい。べりるも本格的に「これが誕生日祝いとかやっぱり騙されているのでは」と疑い始めている。
そんな中、ククリは一人悟りを開いたように、くわ、と眼を見開いた。
「焼かれるのは嫌だけど、今のわたしはアスパラ……アスパラは……焼くとおいしい!!」
辿り着いたのは単純にして唯一の真実である。納得できるかはまた別の話だが。
「くそう、ピーマンは加熱するとビタミンが壊れるんだぞ……!」
ちょろい、もとい何だかんだ責任感の強い玻璃也がメンバーの決意に撃たれて折れる。
「食材に事前に火を通しておくことは確かに重要――しか~し、新鮮さと瑞々しさ命なフルーツにとってはその限りではありませ~ん」
一方で、残夏のようにそれを拒むのもまた自由だが。いい加減ドローンもすぐsどこまで迫ってきている。いつまでも悩んでいるわけにはいかないのだ。
「アッチィ!!! 待て残夏、俺を盾にするのはあ熱っちい!!!!」
「しかたないですよね~、もちろん炙っておいしいフルーツもありますがぁ、あまーい白桃に限ってはその限りではないでしょ~とも」
早々に玻璃也の陰に隠れながら残夏が言って、耀子も速やかにそれに続く。
「確かに焼くのは重要だけれど、それは食材によりけりね。あたしはレアくらいが好きなの」
ほどほどが大事なのだ、何事も。
「おいどうなってんだお前ら! ククリ! ククリさん! こうなったらお前だけが頼りだ!」
「肌が焼けちゃうのはやだからー、オイル塗ってるからちょっと待ってねー」
「何でビーチで日焼けみたいな話を――だああ熱い今近寄るなァ!!」
何か違ったかな? とククリが首を傾げるが、玻璃也が楽しそうだったので、彼女はそのままオイルを塗る事にした。
「オイルを塗ったら素揚げ的なものになるのかしら」
「うう、そういう言い方をされるとやっぱり熱そう……」
耀子の言葉に、ククリが眉根を寄せる。そして、そんなやりとりを聞いていた一人が、ふう、と優雅に溜息を吐いた。
「何を――動じていらっしゃるのですか、皆様方? こうなる事は出発する前から分かっていたはずでございましょう」
こちらはオイルだったら到着時点でもう塗ってある。持参したバーナーで自らを炙り、細かな産毛を処理しながらイドが言う。もはや出発時点とは肌の色艶が別物。そう、事前情報を有効に使えば、このレベルでの準備が可能なのだ――そう言わんばかりに、イドは寄ってきたドローンの一体に素早く接敵。半裸になる事でさらなるスピードを得た彼は、敵に反応すら許さず、瞬時にその右腕を振るう。
鋭い刃がドローンのボディの接合面を切り開き、体内に『それ』を叩き込む。また接合面が閉じられれば、何事もなかったかのようにスチームドローンの機関部は燃焼動作を開始する。しかし、そこには確かに、イドが押し込んだモノが含まれている。
「僭越ながら申し上げますが……準備とは、このように行うものでございます」
蒸気機関の中で燃え上がる『もの』、それは、桜の木片とザラメ糖だ。
「あ、良い匂い」
「すごーい、あのドローンから甘い匂いがするよ!」
「お分かりでしょうか、この香り高いスチームであれば、食材として一段上のステージに上ることが出来るのです」
耀子とククリの声に、ふ、と鼻を鳴らしてイドが語る。
「分かるような分からんような……まあ良い、俺もこんなこともあろうかと準備してきたモノがあるからな」
そう言って玻璃也がマシュマロを取り出す。単に終わった後にバーベキュー気分を味わえたらいいな、くらいのつもりだったのだろうが、物は言いようだ。
「焼かれるだけだと悔しいから俺も炙って食べてやろう。……お前らも、食べるか?」
「室長! さすが気が効く!」
「甘さと可愛さ担当ですからね~、残夏ちゃんももちろんいただきますよ~お」
ククリと残夏にマシュマロを分け与えて、玻璃也は自らもマシュマロを焼きにかかる。水路では散々な目に遭ったのだ、これくらい良い事があっても罰は当たるまい。しかし。
「でも室長はピーマン担当ですし~、苦味に糖分は不要ですよねえ」
「えっ」
良い感じに焼けてきたマシュマロが残夏によって取り上げられて。
「そうね、室長は苦味を維持して頂戴」
残りの袋は耀子の手に渡った。
「ドローンくんもいいね、いい火加減だね!」
「なんとここに都合よくチョコレートもありますよ~お」
「チョコマシュマロやったー。おいしい」
「わーい! 焼きマシュマロおいしい~!」
「おい待て、俺のマシュマロ……俺の……」
言葉少なな慟哭が、回廊の中心にこだました。
にわかに甘い匂いが漂う中、べりるが呟く。
「スモークチップ挟み込んだり、焼きマシュマロ作ったり、一体何してんの……?」
それはまぁ、今更ながらもっともな意見なのだが。
「必要な事なのは分かるけど、もっと真面目に……」
「お言葉ですが、べりる様……」
大真面目です、と半裸のイドが請け負う。
「う、うん……? なんかもうよく分かんなくなってきた……」
こめかみを押さえるベリルの横で、ぶしゅー、と芳しいアロマスチームが展開される。とても良い香り。だがそれが今回は、彼女の逆鱗に触れる事になる。
「ええいもう、熱い!」
考えるのはやめだ、と言わんばかりにべりるは声を上げた。
「このドローンの蒸気、妙に避け辛いし、良い匂いするし、後半部分は身内のせいだし、余計にイライラする!!」
むしゃくしゃした気持ちを吐き出す彼女の様に、イドははっとしたような表情を浮かべた。
「べりる様、それでございます――!」
「はァ、なにが!?」
「かねてより皆様にお願いしたいと思っていたのです。どうか、そのお怒りのままに、私の事を罵ってはいただけないでしょうか?」
「罵ってほしい!? 何考えてるの!?」
「そう! 正にその調子でございます!!」
さあ、とばかりにイドが両手を広げる。
「イド……?」
なんだ暑さでおかしくなっちまったのか? 玻璃也が困惑の表情を浮かべる。
「イドくんを罵るなんてそんな!」
「イドくん……」
ククリと耀子もまた同じような反応。だが。
「でも、まあ、必要なら――」
まじで? 続く耀子の言葉に、玻璃也の困惑がさらに一段階上がった。
「そうだね、イドくんが言うんだもん、きっと必要なことなんだよね……わたし、頑張ってみるね!」
「ククリ様! そう言ってくださると信じておりました!!」
「調子良い事ばっかり言ってないで、さっさとドローン倒してよ!」
ついにべりるから蹴りが飛んだ。尻を強打し、体勢を崩したイドが声にならない歓声を上げる。
「イドくん! 罵って欲しいだなんて、いいご身分だね!? いったい誰に口を聞いているのかな!?」
「優雅に蒸気浴びてる場合じゃないでしょ、妙に肌艶良いし燻製みたいな匂いするし、なんなの!?」
「このアンポンタン! オタンコナス! クルクルパー!」
べりるからもう一発、そして真似したククリからも蹴りが飛ぶ。
「ああ…!」
何だか感極まったような反応が上がっているが、こちらも反応に困ったように観測用のドローンがゆらゆらと揺れている。
「あ、熱ッ! イドくんを蹴ってる最中に狙うな!」
が、その排熱が癇に障ったのか、その機体はべりるによって蹴り転がされた。
「……どうだったかな!? イドくん!」
「素晴らしい! さすがククリ様は才能が豊かでいらっしゃいます!」
何故か目をきらっきらさせたククリをイドが褒め称える。そのままこちらも、と期待の眼が耀子を向くが。
「なに、あたしにも言えと?」
返ってきたのは、氷のように冷たい声音だ。
「態々あたしの手を煩わせる程のことなのかしら。食材の分際で、褒美をねだるなら、まずは相応の誠意と力を見せなさい」
「ああ、その目も良い……!」
身悶えするように、イドが言う。これも道具としての性分、といったところだろうか、高みを目指すのならば、妥協は許されない――。
「ああ、私の食材としての階位が、上昇していく……!!」
「土蜘蛛……恐ろしいところですう」
らしくもなく残夏が常識人のようなセリフを吐いてしまう。そして名目上このメンバーの長である玻璃也は至らぬ自分を顧みていた。
思い返すのは、今まで共に戦ってきたイドの姿。言うことは聞かないけど、いつも最終的に任務に忠実で合理的なやつだったのに。
見えないところで、色々溜まってたのだろうか。上司として、気付いてやれなくて悪かったなあ、そんな思考の中、玻璃也は目頭を押さえた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
リュー・メトカーフ
赤鴉(f00221)イリスロッテ(f06216)と
寄って集って虐められて全く災難だ
一人強い銃を使うのが悪い?
私が悪いワケじゃあないよ、キミ
鬱憤は次のアトラクションで晴らそう
ルールの説明をしよう!
勝ち負けは単純、一番沢山落とした者の勝ちさ
最下位は1位2位に焼肉を奢る
これでいこう
スタートは待たずに槍から放つ氷の魔術でドローンを氷漬けに
二人が狙う獲物を狙って私のカウントにしてみせよう
戦いは非情なのさ
後半にはユーベルコードも使用し本気だ
相手に虚の感情を与えて発動する発条仕掛の虚凍
ドローンたちよ、聞いてくれ
私はこう見えて、実は──(言葉が終わる前に集中砲火される)(燃える)
…これだから無機物は嫌いなんだ
イリスロッテ・クラインヘルト
リューちゃん(f01051)、赤鴉ちゃん(f00221)と一緒
お水遊び、とっても楽しかったのです!
次は撃墜数勝負なのですね?
イリスは頑張ります、焼肉ちゃんのためにっ!(えいえいおー!
【希望の虹翼】を発動
イリスの心は(焼肉ちゃんへの)希望に満ちていますのです
素敵に飛べることでしょう!
さあ、飛行勝負ですよー!
…え?当たると爆発する?
では、イリスは他のドローンちゃんたちも巻き込みに行きます!
ユーベルコードで防御面も上がってるはず!
「ドローンちゃんは、みーんなやっつけちゃうのですー!」
(スピードつけて勢い良く誘導して仲良くドーン!
みんなの怪我はあとでちゃんとイリスが治しますのです!
派手に行きましょう!
陽灯乃・赤鴉
リューちゃん(f01051)、イリスちゃん(f06216)と参加。
ふう、大分遊んだわね。
初めての水遊びではしゃいじゃったかしら。
……一人だけ強い銃を使うのは作為だと思うけど。
焼肉、奢り……。
あれをたくさん落とせばいいのね。
良いでしょう、やりましょう。
フードファイターが食事の為にどれだけ頑張れるか、というところ、教えて上げるわ。
カウントするわよ
さーん、にー あ、ズルい!
序盤から星の調理:下味
これを使うとお腹が減っちゃうんだけど……
防御力を強化、普通に攻撃しつつ
初撃が当たった場合自爆に耐えることでポイントを狙うわ。
お腹が空いても焼肉が食べれるなら、大丈夫よ。
●それぞれの攻略法
「お水遊び、とっても楽しかったのです!」
「ふう、大分遊んだわね。初めての水遊びではしゃいじゃったかしら」
濡れた髪を拭きながら陸に上がった二人、イリスロッテと赤鴉に、一際びたびたになったリューが続く。
「楽しめたかな? こちらは寄って集って虐められて全く災難だ」
肩を竦める彼女の言葉に、二人は振り返って。
「リューちゃんだけ装備が凄かったですし」
「当然よね?」
「一人強い銃を使うのが悪い? 私が悪いワケじゃあないよ、キミ」
「……一人だけ強い銃を使うのは作為だと思うけど」
その辺りの追及を続けても良いが、と赤鴉は視線を戻す。迫り来るいくつものプロペラ音、スチームドローン達がこちらに向かってきていた。
ふむ、と敵の群れを眺めて、リューが口を開いた。決して声は大きくないが、彼女の言葉は不思議とよく通る。
「ルールの説明をしよう! 勝ち負けは単純、一番沢山落とした者の勝ちさ」
今度はちゃんと賞品も明確化しておこう、と彼女は言葉を続ける。
「最下位は1位2位に焼肉を奢る、というのでどうだい?」
「焼肉、奢り……良いでしょう、やりましょう」
「次は撃墜数勝負なのですね? イリスは頑張ります、焼肉ちゃんのためにっ!」
食いつきは上々、フードファイターの意地を見せてやろうと意気込む赤鴉の横で、イリスロッテがえいえいおー、と拳を天に突き上げる。そういうルールならば、迫り来るドローン達も肉の一枚一枚に見えてくるというもの、やる気を露にした赤鴉が開始の合図を送る。
「それじゃ、カウントするわよ。さーん、にー……」
「ゼロ、だ」
それを自分のペースで上書きして、リューがいち早く、集団の真ん中に氷の魔術を撃ち込む。瞬間的に生まれた氷の柱が、付近のドローン達を巻き込んで聳え立った。
「あ、ズルい!」
「戦いとは非情なものさ、いつだってね」
ポイントを荒稼ぎしたリューは、そのまま悠々と、イリスロッテや赤鴉の向かう先の個体を優先して射抜いていく。
「仕方ないわね、これを使うとお腹が減っちゃうんだけど……」
それに対抗すべく、赤鴉は『星の調理:下味』を発動、カロリー消費、代謝を上げることで戦闘能力を向上させる。今回は、攻撃ではなく防御力を重視した。
リューの狙いが届かない位置に狙いを定め、赤鴉のクッキングツールが振るわれる。プロペラ、尾翼などの脆い場所を狙った斬撃で、彼女は敵を仕留めていく。さらには赤熱して突進してくる敵の攻撃をあえて受けることで。
「――ッ!」
敵の自爆を誘う。爆発に吹き飛ばされるのに逆らわず、衝撃を殺しながら、赤鴉は次の獲物へと意識を移した。うまくあの自爆に巻き込めば、大量得点を狙えるだろうか。痛みと空腹が、それぞれ別方向から彼女を苛むことになるが――。
「焼肉が食べれるなら、大丈夫よ」
きっぱりとそう結論付けて、彼女は叩きへと身を投じる。
一方で、イリスロッテは『希望の虹翼』を発動、輝く虹色の翼を纏い、ドローン達の待つ空へと飛び上がっていた。
「さあ、飛行勝負ですよー!」
その翼の輝きは、彼女の抱く希望の心に比例して強くなる。「焼き肉が待っている」、そんな彼女が持つ希望は、燦然と輝く虹のきらめきを形作っていた。
「ドローンちゃんは、みーんなやっつけちゃうのですー!」
戦い方は赤鴉と同様、防御力の上がった状態を利用し、自爆の範囲をうまく使うというものだ。空中で突進を仕掛けてくる一体をいなし、そのまま追ってくるのに合わせて自らは逃走を兼ねて飛び回る。
「ほーら、こっちですよー」
円を描く軌道に合わせて、他のドローン達も集まり始めたそこで、スピードを上げてその集団へと直進する。限界まで加速してついてくる自爆寸前ドローンを確認し、ポイントの前でイリスロッテは90度旋回、一気にそこから離脱する。
ドローン側がそれに即座に反応できず、急加速の勢いのまま、その個体は集団の真ん中に突っ込み、そこで爆ぜた。
「これは――」
勝ちましたね、と勝利を確信し、イリスロッテは改めて索敵を再開した。
「やはり、一筋縄ではいかないか」
出し抜いた、と感じていた二人にはとうに追い付かれてしまった。ならば自らも前に出ねばならないかと、リューがユーベルコードの準備をする。
「ならば、私の本気を見せてやろう」
発条仕掛の虚凍。虚の感情を与えた相手を氷礫で撃ち抜くという、口の回る彼女には、ある意味似合いの業だ。
「ドローンたちよ、聞いてくれ。私はこう見えて、実は──」
周囲のドローン達が集中砲火。言葉を聞くような機能も個性もないドローン達が、目の前の獲物に殺到した形だ。雨あられと降り注ぐ熱線を捌き切れず、リューはところどころ焦げた様を晒すことになった。
「……これだから無機物は嫌いなんだ」
憮然とした表情で言うリューを宥めて、イリスロッテは継続戦闘を促す。
「その怪我もあとでちゃんとイリスが治しますのです!」
派手に行きましょう! という明るい彼女の言葉に、リューはしぶしぶなから頷いた。
最終的には、空中を自在に舞うイリスロッテがトップとなり、リューも序盤に稼いだポイントで2位をキープすることに成功した。
「それでは、キミの奢りだ」
「わーい、焼肉さんですぅ」
「そんな……フードファイターのあたしが……」
世の中、どう転ぶか分からないものである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アリサ・マーキュリー
H&Fの皆と
焼かれるのか…熱いの苦手なんだけどなぁ…うう、我慢我慢。
…でも野菜は焦げ易いし、程々で逃げよ。
あちち、熱い!
トリニティエンハンスで防御力を上げてないと、ロクに触れないな。
ある程度倒したし、これで良いかな…って痛、熱っ!?(飛んできたドローンが当たる)
フレンドリーファイア!?林檎さん!?
玉ねぎもか!ソーセージは…、なんかお湯に浸かってるな、なんだアレ…なんか腹立つし焼け石入れとこ。(お湯にドローンを入れる)
ひぇ、お肉様…!
ぐぬぬ、それならもっと焼いてあげないと…!
ヘイエリンギパース。(飛んできたドローンをキャッチアンドリリース!皆にも投げつける。)
行こう、海老。私達が海鮮焼きそばだ!
赫・絲
【H&F】のみんなと!
次はしっかり焼かれるよー!
焼きリンゴはしっかり火が通ってた方が美味しいしね……っていや熱、ちょっとコレ熱っつ!
受け止めたドローンは思わずぶん投げ
いやー、素手はさすがに熱かったなー
玉ねぎにえへへと誤魔化し笑い
成程遠赤外線の力。海老様賢い!私もそれでいこ――って直火担当なんてそんな黒毛和牛様殺生な!
よーしそれならこっちも
鋼糸で捕まえたドローンを投げつけてプレゼント
ほらほらキャベツさんもニューカマーのりっぷるエリンギも焼かれた焼かれた!
よく焼かれてない子はだーれだー!
ソーセージ先輩ももう茹だったでしょ?今度は焼きの番だよー!
みんながよーく焼かれたら、雷縫で近くのお片付け
セロ・アルコイリス
【H&P】のみんなと
えええ焼かれんのやだなぁ……
でもま、美味しいバーベキューになるためですからね
観てろよー、あっぢ! だめですあっちぃ!
えっリンゴ直持ちはマズ、あぁ……言わんこっちゃねー……
確かにキャベツは焼き過ぎちゃマズイですが……スチームですよ?(にこ
ソーセージには、
でも直火でじりじりやるのもおれ好きですよ? そぉれ(プロペラ部分を『鍋』へ落とす
エビの質問には首捻り、んー、バーベキューならタレですかねぇ
って、あちちっ?! エリンギ落ち着けですよ被害が!
熱湯がくろげわぎゅうさまに掛かったらあんたの命が、あー!
焼かれんのは百譲っていいとしても、爆発しちゃマズイ
自爆する個体にゃ【暴風雨】で局所雨
星磨・璃歩留
【H&F】
H&F印のケータリングはいかがすっか~
新登場の焼いて美味しいきのこ枠、エリンギさんだよー♬
林檎姉、無慈悲です、あつっ!
キャベ姉も!持てないしっ!二人共ヘルシー枠の仲じゃないかあ!(両手にドローン)
ソーセージ社長!わたしも冷やさせて!(熱湯へどぼん)
ぎゃー!planet.fw!ひーっバリアの中に熱いプロペラが!だまねぎいぃっ!(バリアの中で蒸される)
バリア解除、ぎゃー熱湯!(暴れて熱湯が多量に飛び散りたぶん範囲攻撃
もういやだ…涼みたい…はっ、エビ姉の海鮮やきそばの輝き…回復ポイント!(飛びつき)
飛びついたのはプリンセス・黒毛和牛様でした
えっ貴女様に熱湯をかけた輩?ともに成敗しま(完)
境・花世
【H&F】
迫り来る敵はぎりぎりのところで躱していくよ
絲、遠赤外線の力を信じるんだ!
直接より遠火の方がふっくら旨味を閉じ込め云々と
真顔で黒毛和牛さまにお伝えしつつ
わらわら集まってくるドローンは
扇で巻き起こす風で軌道をずらして、
こんがりしてくタマネギも余さず撮影してもらおう
セロはタレ派? 塩派?
なんて呑気にひょいひょい戦場を駆けながら
BBQに鍋はありなのかなあと
パレード&リップル鍋を首を傾げて見守れば
な、茹でてから炭火で焦げ目を!? 匠の技だ!
汗だくの額を拭ってアリサと顔を見合わせ
わたしたちも負けられないときりり
キャベツと海老は半分は焼いてそのまま
残りは締めの海鮮焼きそばとして――輝いてみせる!
四・さゆり
【H&F】
焼かれるの?嫌よ。
‥‥いえ、そうね、花世。
素材によって料理方法も適したものを、
大事だわ。
良い心掛けね。
わたしは弱火でじんわりで結構よ。
みでぃあむれあ、と言うでしょ。
わたしの方に向かってくるドローンは全て、
すべて撃ち落としましょ。
直火担当はあちらよ。
えぇ、りんごもキャベツも玉ねぎも。
焼いた方が甘くなるわ。
海老は赤が際立ってきれい、ね。
‥‥そーせーじは、そうね。
熱湯で茹でましょ。
私の可愛い傘、そこよ。そう、落として。
‥‥これで火加減は良いでしょ、
あら、りっぷる待ってたわよ。
あなた、エリンギなのね、茹でて美味しいのかしら‥‥
‥‥。
エリンギ。
‥‥焼いた方がおいしいわよ。
並びなさい。
パレード・ペッパーポート
耐火性の携帯用ビニールプールを広げて、精霊術で水を張る。
ああ、ドローンくん。
すまないがちょっとこの水を沸かしてくれないか。
何って?ソーセージは焼く前に茹でておいたほうが美味いんだぞ?
ああ、いい湯加減だ。
あっちで野菜共が美味しそうに焼けているなあ。
リップルも入れ入れ。はっはっは。
あれ、ドローンが落ちてきて……お湯が沸騰して……あっちぃ!!
バッシャーン
たまらずプールから転がり出るが、
撒き散らされる熱湯からも逃げ惑う
しまった、こっちにも投げられたドローンが!
ギャー!!
せめて遠赤外線にっ!!
炭火でじっくり希望っ!!
蒸気を浴びせられながらごろごろ転がりながら仲間たちの元へ。
助けてくれっ
●焼きの入れ方
水ぶっかけ合い対決を切り抜けて、H&F社の面々が次に遭遇するのは、焼き目を付けようと迫ってくるドローンの集団だ。
「よーし、次はしっかり焼かれるよー!」
気合の入った絲の宣言が響くものの、残念ながらそれに頷く者は少ない。
「焼かれるの? 嫌よ」
「熱いの苦手なんだけど……」
「えええ焼かれんのやだなぁ……」
さゆりは当然ながら、アリサとセロも「できれば遠慮したい」というオーラを醸し出している。
「ノリが悪い……というか皆保守的ね。仕方ない、私が先陣を切るよー!」
焼きリンゴはしっかり火が通っていた方が美味しいもの、その真理をよりどころに、絲はその身でドローンを受け止めた。
「えっリンゴさすがに直持ちはマズ――」
「熱ッ、ちょっとコレ熱っつ!」
セロが声を上げるまでもなく、抱きとめたそれの熱量に負けて、絲はドローンを彼方にぶん投げていた。
「あぁ……言わんこっちゃねー……」
「いやー、素手はさすがに熱かったなー」
誤魔化すように笑う彼女に溜息を一つ。セロは明らかにいやいやながらも、彼女に並び立つ方を選ぶ。
「でもま、美味しいバーベキューになるためですからね……」
でもあれ絶対熱いよな、どうやって対策するかな、などと思考を巡らせながら、彼もまた次のドローンの突進に身を晒した。
「観てろよー……あっぢ! だめですあっちぃ!」
「がんばってタマネギ! ちゃんと火を通せば甘くなれるはず!」
ぶん投げられていくドローン達は、さすがにバランスを崩してしまうのか、すぐに戻ってくる気配はない。これも一応、敵を減らすことに貢献は出来ている……はずである。
一方、こちらもドローンを迎撃するべく進み出た花世は、敵の攻撃をすんでのところで躱していく。触れる事はなくとも、熱気と蒸気は傍らを駆け抜けていく。有体に言うならこれはこれで熱い。つまり。
「絲、遠赤外線の力を信じるんだ!」
「成程遠赤外線の力。海老様賢い! 私もそれでいこう!」
そう、別に熱するだけなら直に当たる必要はない――はずだ。炭火で焼くバーベキューを考えればその理屈は頷けなくもない。
「直接より遠火の方がふっくら旨味を閉じ込めることが可能なのです黒毛和牛さま! いかがでしょう?」
そんな花世の進言に、王たる黒毛和牛……さゆりはむむむと唸る。
「……いえ、そうね、花世。素材によって料理方法も適したものを、大事だわ」
当初完全に拒否状態だった彼女も進言を受け入れ、「良い心がけだ」とねぎらいの言葉を投げる。
「でも、わたしは弱火でじんわりで結構よ。みでぃあむれあ、と言うでしょ」
その言葉と共に、先の尖った赤い傘が、さゆりの周りにずらりと並んだ。一つ一つ、彼女の思う通りに動く傘は、その意思を反映するように迫るドローンを縫い留め、串刺しにしていく。
――ただし、彼女に向かってくる分だけ、だが
「直火担当はあちらよ」
「そんな殺生な! 私も遠赤外線が良い!」
「はいはい、焼いて美味しいきのこ枠、エリンギさんだよー♪」
指差されたのは絲と、それから今現れた磨・璃歩留(スターリーセイラー・f15306)。
「ひっでぇタイミングで合流しましたね……」
「えっもしかしてマズイ? 出直した方が良いかな?」
セロの呟きに何となく状況を察したようだが、恐らくもう遅い。
「えぇ、りんごもキャベツも玉ねぎも。焼いた方が甘くなるわ。エリンギだってきっと」
「ほんとに!?」
「大丈夫大丈夫、いっくよー!」
絲の放った鋼糸が素早く敵に絡みつき、ドローンの一体を行動不能に持ち込む。直接触れなければ十分に耐えられる範囲だという理解の元、絲はそれを思い切り振りまわして、投げた。
「あつっ、林檎姉、無慈悲です、あっつっ!」
飛んでいったドローンが命中し、早速エリンギが逃げ惑う。そんな中、できるだけ目立たぬようにしていたアリサは、ゆっくりと後方に移動していた。
「そうよね……野菜だって焦げやすいし、私も遠赤外線で……」
だがじりじりと後退する彼女の肩に、ぽんと手が置かれる。逃がさない、そんな笑顔を浮かべたセロだ。
「確かにキャベツは焼き過ぎちゃマズイですが……スチームですよ?」
「ほらほらキャベツさんも遠慮しないで、プレゼントー!」
「ああ、林檎さん当然のようにフレンドリーファイアを!?」
トリニティエンハンスを発動、防御力を強化した体でそれを受け止める。
「あちち、熱い! やっぱり直接は無茶だよ!」
などと言いつつも、コツを掴んできたのかアリサのドローン扱いは堂に入ってきている。ダメージを抑える方向での工夫が効いているのだろう、そして。
「ヘイエリンギパース!」
ついには彼女もそれに加担しはじめる。見事なキャッチアンドリリースで、狙われるのは言葉通り、エリンギだ。
「き、キャベ姉まで! 酷いよ二人共――」
すっ飛んできたそれに苛まれていた璃歩留だが、追い詰められて何かに火が付く。
「おなじヘルシー枠の仲間じゃないかあ!」
「えっ」
両手にドローンを掴み取って、璃歩留は絲とアリサに向かって走り出した。
「あっ、何かに目覚めたよこのコ……」
「あーっとこっちには来なくて良いわよー?」
あんまり微笑ましくもない、そんな追いかけっこが始まる。
そんな彼女等と一歩を距離を置いて、花世の側、こちらでは、迫り来るドローンを、扇から生じる突風で軌道をずらし、いなしていた。その合間を縫って撃墜することで敵の数を減らしつつ、彼女はセロの方へと視線を送る。ついでに、空撮ドローンもこんがりしていく彼の様子がよく見えるようにしてやった。
「セロはタレ派? 塩派?」
「んー、バーベキューならタレですかねぇ。それが何です?」
「参考までに、よ」
微笑む彼女はこの状況でもどこか飄々と、戦場を駆けていった。
こうしてドローンによる若干醜い争いが展開されるなか、パレードは携帯用ビニールプールを広げていた。
大人でも入れる大きなサイズのそれに精霊術で水を張り、自らそこに鎮座する。
「ああ、ドローンくん。すまないがちょっとこの水を沸かしてくれないか」
襲ってきたそれを水の中で受け止め、排熱をそのまま湯沸かし器に。まだまだ火力の上がってなかった個体らしく、良い塩梅に熱源かできている。
「えっ、お湯に浸かってるの? 何ソレ……」
「何って? ソーセージは焼く前に茹でておいたほうが美味いんだぞ?」
アリサの問いに、寝そべって脚を組んだ姿勢のパレードが応じる。
「ああ、いい湯加減だ。あっちで野菜共が美味しそうに焼けているなあ」
はっはっは、と鷹揚に頷く彼の様子は、余裕たっぷりに見えるが。
「‥‥そーせーじは、そうね。熱湯で茹でましょ」
「えっ、聞き間違いですか黒毛和牛様?」
「違うと思うわ。何か腹立つし」
アリスの手によってさらなるドローンが小さなプールに放り込まれ、さゆりの操る傘は、広げた身体に熱された水を湛えたまま空中を滑り、パレードに向かってぶちまけた。
「あっつ! ちょっと待てドローン追加とか聞いてな、お湯が、お湯が沸騰して――」
「直火でじりじりやるのもおれ好きですよ? そぉれ」
さらにセロがドローンの残骸を放り込む。あっという間に逃げ場が消えていったようだが。
「くっ、何て事を! こんな熱い中に居られるか!」
そんなこんなで逃走が遅れたパレードの元へ、さらに上空から迫る影。
「ソーセージ社長! わたしも冷やさせて!」
逃げ場を見つけて一休み、そんなつもりで飛び込んだ璃歩留だが、生憎そこは既に茹だった結果熱湯の海と化している。
「ぎゃーっ! でもこんなコトもあろうかと!」
咄嗟に全身を包むバリアを展開。だが既にすぐそばに来ていたドローンは締め出せない!
「ひーっバリアの中に熱いプロペラが! だまねぎいぃっ!」
密室の中で二人きり。避けようのない熱気に中てられて、どうしようもないとばかりにバリアを解除する。途端に流れ込む熱湯。
「ぎゃーーーーッ、助けて! もうこれどうすれば!?」
勝手にデッドロックにはまっている。そんな様子を見かねてセロが声を掛けるが。
「って、あちちっ?! エリンギ落ち着けですよ被害が!」
ばしゃばしゃと飛び散る飛沫が彼を阻む。それだけにはとどまらず、この飛沫は逃げ遅れたパレードにも直撃していた。
「うおおおおお!?」
ばしゃーん、と音を立ててパレードはビニールプールから脱走、次いで飛んでくるドローン……絲が放り投げてくるそれからも身を躱す。
「ソーセージ先輩ももう茹だったでしょ? 今度は焼きの番だよー!」
「助けてくれっ、せめて遠赤外線にっ!! 炭火でじっくりを希望だっ!!」
ごろごろと転がっていくパレードの姿に、花世は冠したように目を見開く。
「茹でてから炭火で焦げ目を? これが、 匠の技――!」
たぶんそんな大層なものでもないと思うけれど、汗だくの額を拭った花世は、表情を引き締めてアリサと頷き合った。
これに対抗するには、締めとしての海鮮焼きそばしかない――!
そんな謎のアイコンタクトが為される中、セロと絲は頃合いと見て、残りのドローン達を落としにかかっていた。
「よーく焼けたし、もう要らないよね?」
「ああ、焼かれんのは百譲っていいとしても、爆発されちゃマズイ」
オーバーヒート状態にあるドローンを優先的に、セロの『暴風雨』……嵐の矢が撃ち貫き、絲の『雷縫』……紫電を纏う鋼糸が、絡め取った機体を痺れさせ、一まとめに括っていく。
ようやく〆に向かっていく状況の中、パレードの後を追うように、こちらも既にふらふらな璃歩留が歩んでいた。
「もういやだ……涼みたい……」
疲弊した彼女にはもはや言葉もない。熱湯の余波に身を責め苛まれながらも、のろのろと回避を試みる。すがるような視線が見つけたのは、花世とアリサ、海鮮焼きそばの輝きだ。
「回復ポイントーッ!」
「焦るなエリンギ! 熱湯がくろげわぎゅうさまに掛かったらあんたの命が――」
セロの叫びが空しく響く。一体何をどう間違えたのか、熱湯でびたびたの璃歩留はさゆりの足元にしがみついていた。
「エリンギ」
えっ、あっ、あの、貴女様に熱湯をかけた輩が居ると伺いまして、是非ともに成敗を――」
「エリンギ」
「はい」
「並びなさい」
あ、これ死んだな。
その時、璃歩留を含めたこの場の誰もが、避け難い死を想像したという。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
パウル・ブラフマン
【WIZ】
引き続きスナさん(f03519)と参加するよ!
水路の終点で
アヒルさんGlanzを通常モードへ再変換。
二人で【騎乗】したままの状態でドローンと対峙を。
うわーブンブン飛んでるね!
持ち前の【運転】テクをフル動員しながら
蒸気熱線銃の射線をあえてギリギリで躱しておちょくりたい。
監視用ドローンに気付けば
全力スマイルでピースサイン。
もちバイクこかさない程度でね。
UC発動!
オレ作詞作曲の即興ソング『うきうき☆クッキング』を
陽気にカマしながらKrakeを展開。
特製のオイル入り誘導弾を
射出してドローンにぶっかけたい。
火加減はお任せしますよ、スナさん♪
オラこんがり上手に焼いてやんよ!
※絡み&アドリブ歓迎!
スナッチ・ベット
【WIZ】
パウルくん(f04694)と
これより主がいると思しき中心建造物に突入します
わあ、ずいぶん賑やかなお出迎えだねえ
まだ見ぬ晩餐回廊の主の歓待ぶりに胸が熱くなりそうだよ(物理的に)
Glanzの後部座席にて、襲いくるスチームドローンを迎撃
回避とか撹乱はタコくんにお任せして
僕は【オーラ防御】と【カウンター】で追い縋る敵に対応
【フォックスファイア】を周囲に展開し
彼の自作の歌に合わせて
用意された下拵えを焼き落としていくね
観測用の機体にはタコくんと一緒にダブルピースで
イェーイ、回廊主さん見てるー?v(^o^)v
(※表情筋が死滅しているのでウェイ感が顔に出ない)
誰かに覗き見られるって恥ずかしいね///
●作詞作曲:パウル・ブラフマン
それでは聞いてください、『うきうき☆クッキング』。
調子っぱずれの歌と共に、銀色に輝く宇宙バイクが迷宮を行く。運転するパウルの触腕に装備された砲塔から、オイル入りの誘導弾が四方に発射され、ドローン達が油塗れにされていく。
下拵えはこんなところで、そこに後部座席のスナッチが狐火を展開、彼等の駆け抜けた後には、眩しく燃え上がり、落下していくドローン達の姿があった。
……と、こんな光景になる前には、Glanzは愛らしいアヒル型ボートの形をしていた。
「では、これより主がいると思しき中心建造物に突入します」
会社の宣材にするための映像を取りつつ、スナッチは回廊の中心へと目を向ける。水場が終わるのに合わせて、Glanzは再度変形してバイクの形態に戻っていた。
「うわーブンブン飛んでるね!」
「これは確かに、ずいぶん賑やかなお出迎えだねえ」
単車の向かう先から『殺到』とでも呼ぶべき勢いでやってくるスチームドローン達を眺めて、それでも二人の緊張感のないやり取りは止まらない。
「まだ見ぬ晩餐回廊の主の歓待ぶりに胸が熱くなりそうだね……。タコくん、せっかくのアーチだから下を潜ってみようか」
「はいはい、舌噛まないでくださいよー」
「それは君の運転次第なんだけどね」
半ば慣性で走っていた車体がぐん、と加速する。射程に入ったのを感知したのか、ドローン達の下部に据え付けられた熱線銃の銃口が、カチャカチャと音を立ててパウル達に向けられる。
即座に発せられる赤い熱線。さらに加速したバイクがその合間を抜けて、射角調整の速度をさらに上回るスピードで駆け抜ける。
「熱い歓迎だねパウルくん、これやっぱりお返しした方がいいのかな?」
「じゃあ火加減はお任せしますよ、スナさん♪」
向けられた銃撃にカウンターを仕掛ける準備をしながらスナッチが問い掛け、パウルがKrakeを展開する。
――と、その結果が火の海である。盛大な歓迎にお応えしながら疾走する二人は、続けて別の集団の中に突っ込んでいく。
そんな中、敵に混じる監視用ドローンに気付いたパウルが、スナッチの方に注意を促す。
「スナさんスナさん、あっちにもカメラありますよ!」
「ほんとだね、後で映像回してもらおうか」
カメラに向かって全力笑顔のピースサインを送るパウルの後ろで、スナッチも手放しでダブルピース。イェーイ、回廊主さん見てるー?
ノリの軽い大学生みたいな勢いで自己主張をしながら、二人を乗せたバイクがカメラの視界を突っ切っていった。
「こういう仕事してるけど、誰かに覗き見られるって恥ずかしいね」
「んー、スナさんの真顔で言われても説得力がなぁ」
大きくカーブを描いて、二人はドローンの群れを突破していく。
ここの主が姿を見せるのは、もう間もなくだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『マンティコア』
|
POW : 暴飲暴食
自身の身体部位ひとつを【あらゆるものを噛み砕き、呑み込む口】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
SPD : 3秒間クッキング
【調理器具を打ち鳴らすことで】事で【高速調理モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おいしくなあれ
【尻尾の先の毒針】から【身体の自由を奪う呪毒】を放ち、【毒の効果と「おいしくなあれ」という念】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:龍烏こう
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠八津崎・くくり」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
======
第3章のプレイングは、6/25(月)午前8:30からの受付とさせていただきます。
また、特殊判定に時間がかかる都合上、プレイングの再送をお願いすることもあるかと思います。予めご承知おきください。
======
======
上記は6/25(火)午前8:30の間違いですね!!!
======
●ようこそ、オレの晩餐会へ
猟兵達の活躍により、スチームドローンはその大半が撃墜され、地に沈んだ。先程まで稼働していた蒸気機関の名残か、辺りには霧のように、漏れ出た湯気が漂っている。
その薄靄の向こうから、ついにそれは現れた。
「オイオイオイ、壊しすぎだろせっかくの調理器具をよォ」
重い足音と、粗野な言葉遣い。金色の毛並みを持つ半人半獣の災魔が、自らの住処からこの場に下りて来ていた。
自らが『調理器具』と評したドローンの残骸に目を遣って、フロアボスである災魔が言う。
「まぁ、でもこいつらの送ってきた映像からすると、お前達はバーベキューの食材として『美味そう』だからなァ、とりあえずは大目に見てやる」
けれど、「実際はどうかな」と、品定めをするようなその金の瞳が言っている。
最終的に見極めるのは、結局自らでしかないのだと。
「だからがっかりさせんなよ? オレも祈ってやるからさァ!」
巨大な包丁とフライパンが鈍く輝き、赤く、針を備えた尻尾が獲物を狙う蛇のように蠢く。
――言動、そして前情報からも明らかなように、このオブリビオンは人を喰らう。これから始まるのは、彼女にとっての調理と、食事なのだろう。
牙を剥くような凶暴な笑みで、マンティコアは猟兵達に襲い掛かった。
「それじゃあ行くぜ、『おいしくなあれ』ってなァ!!」
紗我楽・万鬼
ジャックの兄貴(f16475)と!
あっし【成型肉】なんて如何でしょ
屑肉捏ねて結着剤で固めて
賽の目切ったらステーキですって
細切れが厚切り肉に化けるんですよ!
面白いと思いません?
ジャックの兄貴格好良い!
あっし後ろで応援がてらくっちゃべりますね
まぁ兄貴の足引っ張らない程度
逃げ回り身体は回避に専念しましょ
そういや弱肉強食って喰われる方が肉なんですってね
成型肉もただ食われるのを待っちゃいませんよ
下剋上上等、最近の肉は喰い返すんですって!
あっしの『熱弁』楽しみました?
ならもう良いですよね
あっしの騙りを止められなかったんですからね
さぁお前さん上ですよ
牙連ねた口を開け、大きな肉の賽子達が敵を喰おうと降り注ぐ!
ジャック・スペード
万鬼(f18596)と
俺はブロック肉で行こう
当機は電気仕掛けのため、未だ晩餐の本質を理解して居ない
だから教えてくれ、――お前の云う食の歓びを
引き続き前に出て万鬼や仲間の盾となる
其の騙りこそ万鬼の武器なのだろう
ならば邪魔させる訳にはいかんな
攻撃を積極的に受け止め、庇うように立ち回る
見ての通り俺のボディは硬い、旨い肉を味わいたいならよく叩くと良い
此の身が火花を散らそうと激痛耐性で凌ぎ
決して膝などついて堪るかと強がってみせる
隙が出来れば粘液で身を覆い自己強化
目立たぬようチェネルに身を隠し敵へ接近
零距離射撃で炎の弾丸を其の身に撃ち込もう
俺よりお前の方が旨いステーキに成りそうだな
毒針は動き見切って回避を
●ステーキ二種食べ比べ
ずん、とマンティコアの四本足が床を蹴り、巨体が高く跳びあがる。獣のような下半身をフルに使ったその身体は、通常の人間よりも遥かに大きい。その上から繰り出される巨大な包丁は、さながら断頭台のように。
磨かれた黒鉄の刃と、黒い装甲がぶつかり合い、歪な音色と共に激しい火花を散らした。
「切れ味の悪い包丁だな」
「っはァ! 言うじゃねェか食材の分際で!!」
交差させた両腕でそれを受け止めたのは、マンティコアにも負けぬ巨体を誇るジャック・スペードだ。
「当機は電気仕掛けのため、未だ晩餐の本質を理解して居ない。だから教えてくれ、――お前の云う食の歓びを」
出力を上げ、真っ向からそれを押し返したジャックに、もう一度刃を掲げながらマンティコアが叫ぶ。
「メシ食わなくても良いからって甘ったれんなよブロック肉! 味が分かんねェなら眼で見ろ! 耳で聞け! 魂で感じろ!!」
繰り返し振り下ろされるそれを、時に受け止め、時に受け流し、ジャックは真正面からマンティコアを相手取っている。
「それで感動したなら、そいつは『旨い』ってことなんだよ!!」
「……そういうものか?」
「人肉好んで食ってるやつの言う事っすからね、参考にしちゃだめっすよ兄貴」
背中越しに問うジャックに、万鬼が答える。彼の位置はジャックの後方、庇われるような立ち位置だ。
「うるっせェなクチ挟んでんじゃねェ! 何なんだよテメェは!?」
「――っと、危ないっすねぇ!」
ジャックの身体を迂回するように伸びた尻尾を跳んで躱し、万鬼は「よくぞ聞いてくれた」と言わんばかりに口を開いた。
「何なんだ、と問われれば答えてしんぜやしょう! あっしの目指すは肉の類、ただジャックの兄貴にはとても及びませんで、さしずめ成型肉といったとこですかねえ!」
「うるせぇな! クズ肉に用はねェんだよ!!」
鞭のように、蛇のように、蠢く尻尾から逃れて、なおも万鬼は喋り続ける。
「ええ、ええ、そりゃそうでしょ、よくわかりますよ! でもその屑肉を捏ねて結着剤で固めて、賽の目切ったらステーキですって、細切れが厚切り肉に化けるんですよ! 面白いと思いません?」
「黙れって言ってんだよわかんねェ奴だな!」
がん、とマンティコアの獲物が打ち鳴らされる。途端、沈み込んだ敵の身体は巨体に見合わぬ瞬発力と小回りを見せて、万鬼の傍らへと滑り込んだ。
移動の勢いをそのまま乗せて、武骨な包丁が真横に振り抜かれる。
「邪魔させる訳にはいかんな」
だが、それすらも、刃を抱え込むようにしたジャックがその身で受け止めていた。万鬼の並べ立てるその言葉こそが、彼の武器なのだとジャックは判断した。ならば、そのために身体を張ろう。
痛み、ダメージによる警告情報を堪え、凌ぎ、膝を付きそうになる我が身を奮い立たせる。
「知っての通り、俺のボディは硬い。旨い肉を味わいたいならよく叩くと良い」
「ははァ、やっぱりな。お前は良いステーキになりそうだぜ」
その様を見たマンティコアが大きな口を弧の形に歪める。楽しそうに、そして美味しそうだと言うように、喜色を浮かべながら、左手のフライパンを掲げて見せる。魔術の類だろうか、瞬時に赤く熱を帯びたそれを、押し付けるように、突き出した。
「――ッ!!」
黒いボディの表面で、赤い鉄が蒸気を上げる。
「いやあジャックの兄貴は本当に格好良い! ところでお前さん、弱肉強食って喰われる方が肉なんですってね。成型肉もただ食われるのを待っちゃいませんよ、下剋上上等、最近の肉は喰い返すんですって!」
ジャックに気を取られ、足を止めた形のマンティコアに、万鬼はそう高らかに言い放つ。
「はッ、出鱈目並べやがって」
「いえいえ、それでもあっしの騙りを――『熱弁』を、しっかり聞いちまったじゃないですか?」
ならばもう遅い、いや、これで『万物語』は形と成った。
「さぁお前さん上ですよ!」
彼の騙った物語を実現するように、生まれた怪異――『牙を持つ巨大な肉の賽子』が群れをなして、マンティコアへと降り注ぐ。
「おお!?」
最初は呆気に取られていた災魔も、すぐさま包丁とフライパンでそれに応戦を開始する。まさか自分が噛み付かれるとは、だがそんなマンティコアはどこか嬉しそうにも見える。
「ああ、悪ィな見くびってたぜ成型肉! テメェも良いステーキに化けそうだなァ、ハハハ!!」
調理器具で賽子肉の相手をしつつ、伸ばした尻尾の一撃をフリーになりつつあったジャックに牽制で打ち込む。その先端の鋭い針が、漆黒の身体を貫いた。
「――あァ?」
だが、そんなおざなりな攻撃こそ、彼が待っていたもの。針に感じる手応えの無さに、マンティコアが疑問の声を上げる。
その針が貫いたのは、ダーク・ヴェンジャンスによって生じた漆黒の粘液のみだと、マンティコアは気付けただろうか。その時には既に零距離。これまでの負傷をも力に変えたジャックの弾丸が、災魔の身体を抉る。
「だああ、くそっ!!」
衝撃に負けるようにして、マンティコアが飛び退る。しかし反撃や仕切り直しを試みる前に、災魔はその表情を歪めた。
「ムカつく真似しやがって……ああ、でもよォ」
夢見るような、陶酔するようなその声音と対照的に、それは牙を剥いた獣の顔だ。
「お前等二人、まとめて食べ比べたら、絶対旨いよなァ……」
にやけながら不吉な事を言う敵に、ジャックと万鬼はそれぞれに武器を向ける。こんなあからさまな隙を、逃すわけにはいかない。
「なに、俺よりお前の方が旨いステーキに成るかも知れんぞ」
「いやー、あんなん食ったら腹壊すんじゃないっすかね」
牙を剥いて食らいつく賽子肉に紛れて、リボルバーから放たれる炎の弾丸がマンティコアを撃ち抜いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
インディゴ・クロワッサン
僕的には野菜でも貝でも何でも良いんだけどなー
「どう? 美味しそうに見える?」
まぁ どっちでも良いけどね!
【SPD】
同じ手を使うの好きじゃないんだけど…ま、仕方無いよね。
UC:限定覚醒・藍薔薇纏ウ吸血鬼 を使用して条件を五分にしてから【空中浮遊】【空中戦】を重複発動しつつ、空中からUC:紫薔薇の毒棘 を発動。
【目潰し】または目眩ましを狙って棘を発射しまくるよ!
で、僕自身は【目立たない】と【早業】で素早く死角に回り込んで、UC:絶える事無き血の渇望 でがぶりってね♪
「活きのいい食材に噛み付かれた気分は如何かな?」
獣臭さもあるけど、かなり美味しい血だねー
も少し飲ませて貰お(ごくごく)
●毒持つ棘
「同じ手を使うの好きじゃないんだけど……ま、仕方無いよね」
一対の翼がインディゴの背に現れて、その身を宙へと押し上げる。先程のドローン戦でも見せた姿ではあるが、今回の敵に高速戦闘を挑むのならば、避けては通れぬという判断だろう。
「どう? 美味しそうに見える?」
「いや、あんまり」
面白がるようなインディゴの問いに、災魔は短くそう返す。よく洗ってはあるようだが、何の食材として判断するかもはっきりしない以上、仕方のない事だろう。
強いて言うなら野菜かなぁ。そんな感じで首を傾げる敵に、インディゴは先制攻撃を仕掛けた。
「そう、まぁ どっちでも良いけどね!」
翼を打ち振るって空を舞い、纏った紫の薔薇から棘の雨を降らせる。
巨大な包丁の腹とフライパンを盾代わりにしたマンティコアは、それを防ぎながら攻撃に映るタイミングを窺う。とはいえ不完全な盾では全てを防ぎ切るのは不可能、受け損じて刺さった棘が、毒を以てその身を蝕む。
「……ちッ」
「どうかな、僕の棘の味は」
そして、盾代わりにと掲げた調理器具は、そのままマンティコアの死角となる。機を見て急降下したインディゴは、その早業で死角を縫い、マンティコアの背後に回り込んだ。
振り向こうとするその首に、牙を剥いて。
「獣臭さもあるけど、かなり美味しい血だねー」
「う、げ――」
吸血衝動のままに噛みつき、その血を啜る。振り払う動きを見切って後退したインディゴは、即座に次の噛み付きのタイミングを窺う。スピードでは圧倒している、少なくとも、ここまでは。
「活きのいい食材に噛み付かれた気分は如何かな?」
「――前言撤回だ、テメェ。棘も取れてねェし毒もあるし血まで吸うだと?」
がん、と調理器具が打ち鳴らされる。敵にとってはそれがお決まりの行動なのだろう。
「おっと、怒らせたかな?」
「食べ辛ぇんだよ、クソ野菜!!」
インディゴと同様にスピードを高めたマンティコアの一振り。包丁の腹を使った面での一撃がインディゴを打ち据え、大きく距離が離れるまでに吹き飛ばした。
苦戦
🔵🔴🔴
月舘・夜彦
【炙り侍~竜胆添え~】
流水にて汚れを落とすだけでなく、長く水を浴びた事で肉体は締まる
そして鮮度の高い肉は生でも食せるという
筋肉質な赤みの多い肉ならば更に肉の味を良く感じられる
ならば、肉への過熱はドローンによる炙る程度で十分
肉だけの色では物寂しい、そこに竜胆の簪を添える事で緑を与える
……まぁ、私はヤドリガミなので肉体は仮初ではあるのですが
食品さんぷる、というものも作り物であれ食欲をそそるのだとか
基礎は2回攻撃
攻撃は残像・見切りより躱してカウンター、毒は毒耐性にて対処
呑み込もうとした時には武器にて牙を受け止め、刀で閊える
敵への距離を詰められた所で早業による抜刀術『静風』
●炙り侍~竜胆添え~
「え、なんて?」
耳を疑う単語を聞いて、マンティコアが思わず聞き返す。「お前は何の食材だ」、とその程度の軽口を叩いただけのはずだった。
「ですから、『侍』以外ありえないと言っているのですよ」
平然と、夜彦は先程と同じ答えを返す。食材とは一体何だったか、マンティコアが完全に思考のデッドロックに嵌ったような表情を浮かべているが、今は気にしなくても良いだろう。
ここまでの工程を経てきた夜彦ならばこそ、誇れる領域があるのだ――。
「流水にて汚れを落とすだけでなく、長く水を浴びた事で肉体は締まる」
それは、水路での滝行。
「そして鮮度の高い肉は生でも食せるという……」
それは、ここまで倒れる事無く踏破した成果。
「筋肉質な赤みの多い肉ならば更に肉の味を良く感じられる――」
鍛え上げられた肉体を以てすればその条件は満たせる。
「ならば、肉への過熱はドローンによる炙る程度で十分。違いますか?」」
ドローンでその様子を見ていたのだろう、と夜彦が追及する。
「ううう、確かにその通りだが……!」
謎の圧力に押されたように、マンティコアが後退る。
人間の味を、それぞれの個性から食材に見立てるのがマンティコアの感性である。だが今回攻略に参加した猟兵の中にも混じっているが、たまに居るのだ、他に見立てるまでもなく、例えるまでもなく、そのまま肉の質で勝負してくる者が。
「肉だけの色では物寂しいでしょう、だからこそこれを加えることで――完成です」
ドローンとの戦いで仕舞っていた器物、竜胆の簪を添えれば、出来上がり。
「くう――こんなもの、耐えられるわけがないだろうがァ!!」
ただただ上質な肉の気配に負けたように叫び、マンティコアの腹部に、巨大な口が生じる。人間を頭から丸呑みできそうなそれで、災魔は夜彦へと飛び掛かった。
わかりやすく、見え見えの攻撃。見切る事に長けた彼が、予想で来ていたその攻撃を見落とすはずもない。
「熱い食欲は感じられますが……」
当然、食べられるわけにはいかない。鞘に収めた刀を牙の間に突き立て、つっかい棒の代わりに。自らも後ろに跳ぶことでマンティコアの突進の勢いを殺し、マンティコアの動きが止まったところで、夜彦はその刀を抜き放った。
「ッ――ガアァ!!」
口の両端を裂くように振るわれた斬撃に、マンティコアの腹の口が化け物じみた悲鳴を上げる。
「テメェ、大人しくしやがれよォ!!」
腹部の口が掻き消えて、代わり振り上げられた前脚が二つに割れる。至近距離、新たに生まれた口が夜彦に喰らいついたが、所詮それは残影に過ぎない。
本物の彼は既に瞑目し、刀を鞘に収めていた。
「――狙うは、刹那」
「くっそ、テメェ……!」
悪態を吐いたところで捕まえるにはもう遅い。
抜刀術『静風』。曇り無き刃が閃き、その場に赤い雨を降らせた。
「ふざけやがってェ――!!」
たまらず逃げるようにして、マンティコアが距離を取る。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
続けて【芋煮艇】のみんなと!
さぁてこれで調理人?食べる奴?とご対面か!
とは言っても、最初から目指してた通りアタシは葉物野菜。
他の食材、みんなの引き立て役さ。
だからって下ごしらえに手を抜いたつもりはないよ。
キッチリバッチリ水洗いされて、
直火は避けてほんのりいい感じさ!
だから、って切り刻もうとして来るのかよ!?
下に敷くやつを千切りにするのはどうなんだよ!?
え、何?タコとうどんと混ぜる?焼きうどん?
……納得しかけたけどダメだよバカー!?
ちゃんと食材ごとの調理のタイミングを考えろ!
料理は時間配分が命なんだぞ!
調理器具をかいくぐりながら【時縛る糸】を放ち、
その配分を狂わせる!
あとは皆、逆に調理しちまえ!
暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!
私のアピールはもちろんおうどんよ!おうどんの美味しさはやっぱり歯ごたえ!
麺のしなやかさと滑らかな喉越し…いわゆるコシが命ってヤツね!…どんな字だっけ?腰?
腰には自信アリよ!うぉーたーすらいだーでほぐした身体を見せつける時ね!
九尾の尻尾わさっと広げてしなやかさを表現!そのまま腰に捻りを入れて滑らかな感じに回転【ジャンプ】!決まった!
そして真多子さんのタコと多喜さんの葉物でこれは…海鮮焼きうどん!みよしの桃のデザート付きフルコースね!
皆の攻撃に合わせて【狐火】を放つ!これで何時でも熱々の焼き立て!貴方もこんがり焼き上がるといいわ!
明石・真多子
【POW】【焼きタコ】
【芋煮艇】の皆で!
え、美味しそう?いや~それほどでも(照れ)
なんたって、激流にも負けない筋肉が身を締めてるし、全身こんがりと良い感じに小麦色の日焼けになったもんね!
まさに夏を彩る名食材といってもいいんじゃないかな!
おっとと!!まだアタシを食べるのは早いよ!
アタシはまだ食材。アカネちゃんのおうどんと多喜ちゃんの野菜、そしてみよしちゃんのデザートが揃って料理として完成するんだから!
さぁ、多喜ちゃんが動きを止めてくれたらアタシの出番!
【軟体忍法骨抜きの術】でびったんびったん叩き付けて弱らせよう!
後はみよしちゃんとアカネちゃんに任せたよ!
アタシ達のフルコース、全身で味わえ~!!
銀座・みよし
【芋煮艇】の皆様と
・WIZ
そういうわけでわたくしは桃です
改めてアピールいたしますと、この全身ピンク色の体、桃のごとく丸い顔、15歳と言うぴちぴちさ…
そして決して痛むことなく丁寧に水で洗われ、じっくりと熱された事による甘みが増していると自負いたしております
そしてこれを皆様に贈ります
せーの…おいしくなあれっ、もえもえきゅんっ❤
これで皆様最高に美味なバーベキューになっているのでございます!
では観念してお召しになりませ!
スフィンクスさんの…えっ、先程のなぞなぞの答え?
あぁ…それならば答えは蚊です
つまり【蚊が焼きだす】…即ち【輝きだす】でございます
ご納得いただけました?
ではビームでございますー!
●芋煮艇式海鮮焼うどんデザート付き
巨大な包丁は、板状の鋼から磨き出したような独特の風合いを持っている。獣人の乱暴そうな見た目に反して、手入れはしっかりしているのだろう、その切れ味は人を食材として捌くに足るものとなっている。
「だから、って切り刻もうとして来るのかよ!?」
「当たり前だろ! 何のための調理器具だと思ってやがる!」
振り下ろされる刃の速度を念動力で鈍らせ、多喜は転がって身を躱す。床に突き立てられた包丁は、そこに真っ直ぐ深い痕を作り出した。
地面を抉ったそれが引き抜かれるのに合わせて、今度はマンティコアの前脚が巨大な爪と共に多喜を追う。しかしそれが獲物を引き裂く前に、マンティコアと張り合えるだけの膂力を誇る獣、みょしの召喚していたスフィンクスがそれを受け止める。
黄金に似た毛並みの両者が組み合いになるが、マンティコアには人としての『両腕』がある。包丁でさらなる一撃を狙ったその腕を、今度赤い触腕が絡め捕った。
「ちょっとだけ大人しくしててねー」
腕の四本を使って、真多子が敵の両腕を拘束、一時的な『好機』を作り出す。そこへ。
「おうどんの美味しさは、やっぱり歯ごたえだよね!!」
アホの狐が乗り込んでいった。
「……今やるのかそれ?」
「むしろ、今しかないのでございます」
「そうそう、お腹空いてるんじゃないの?」
みよしとアカネの言葉に、それもそうかと渋々災魔は抵抗を緩める。
「で、何だっけ、おうどん? おうどんは麺のしなやかさと滑らかな喉越し……いわゆるコシが命ってヤツでしょ?」
「まぁ、それはそうだろうな」
うどん、うどんかあ、何うどんが良いかな……と、そんな風に思考を巡らせる災魔にアカネは畳みかける方向に走った。
「コシというのは生き物の『腰』と書くんだよ! とりあえず今そう決まったから!!」
そしてこのアカネは、腰に少し自信がある女だ。ウォータースライダーの後に散々流され、水の中を水死体よろしく漂った彼女にならば至れる結論――それが、これだ!
「よーく見なさい、このうどんの滑らかボディ! 美味しそうでしょ?」
妖狐の証とも言える九尾の尻尾をわさっと広げて、ゆらゆら揺らす。少しの間大人しく、アカネの様子を見ていたマンティコアは、ここで再度暴れ出し、真多子の拘束を振り解いた。
「調子に乗るなようどん! だったら滑らかなだけでは終わらぬその粘りを、ここで証明してみせろォ!!」
咆哮と共に横薙ぎに振るわれる巨大包丁。胴体を真っ二つにしかねないそれを、アカネは腰に捻りを加えての回転ジャンプで華麗に躱してみせた。
「決まった! 10.0!」
「て、てめェ――!!」
華麗に着地を決めたアカネの様子に、マンティコアが歯噛みする。ちくしょう、美味しそうじゃねェか、とそんな声が漏れてきているような気もする。
「それじゃあ次はアタシだね!」
振り切られた包丁を持つ手を伝い上るように、赤い腕が絡みつく。そのまま自らをマンティコアの眼前まで引き上げた真多子は、触腕を含めた拳を一度に敵へと叩き込む。
「くァ――ッ!?」
そして眼を白黒させる敵に、高らかに宣言した。
「激流にも負けない筋肉に、こんがり良い感じに焼いた身体! これはまさに夏を彩る名食材といってもいいんじゃないかな!」
「うるっせェ! 大体てめェはズルいんだよ、タコとか見たまんまじゃねェか!」
叫び返したその口が大きく開かれ、牙の並んだそれで真多子に喰らいつく。
「おっとと!! まだアタシを食べるのは早いよ!」
迫り来る顔を押し返すように両手を使って、真多子はその一撃を回避し、距離を取る様に跳ぶ。
「アタシはまだ食材でしょ? みんなと一緒に料理になるんだから、お預けだよ」
後退した彼女が着地したのは、スフィンクスの背の上。そこには、このスフィンクスを呼び出したみよしの姿もあった。
「そういうわけで、わたくしは桃です」
「くそッ、この流れまだ続くのかよ!」
食材の通り桃色の身体に、まるい顔、そして15歳と言う年齢。それはぴちぴちで新鮮な桃だと断言しても差し支えないのではないだろうか。
「そして、この身体。決して痛むことなく丁寧に水で洗われ、じっくりと熱された事で甘みが増していると自負いたしております」
ここまでの道中を鑑みれば、負傷らしい負傷もなく、ドローンの熱もほどほどにしか浴びていない身体は求められた品質に合致するはず。そして――。
「最後に、これを皆様に贈ります。せーの……おいしくなあれっ、もえもえきゅんっ❤」
メイドという立場を最大限に利用したそれに、マンティコアが地団駄を踏む。
「認めない! オレは認めないぞ! おいしくなあれっていうのはもっとこう……!」
「ったく、ワガママなやつだねぇ」
四本足で強く床を蹴り、突進していくマンティコアに、多喜が側面から跳び蹴りを加える。体勢を崩しながらも歯、フライパン、包丁による刺突と次々に繰り出されるマンティコアの反撃をぎりぎりでいなして、彼女は敵を睨みつける。出方を窺い、念動力の矛先を探すその動き、だが。
「さっきから聞いてれば、口にしてんのは文句ばっかじゃないのさ。食べたいのか食べたくないのかどっちなんだい」
「くっ、うるせえなァ……!」
多喜が担うのはこれまでと同じ葉物野菜、つまりは仲間の引き立て役だ。だからこその問いに、痛いところを突かれたようで、マンティコアはばりばりと頭を掻いた。
「テメェらは工程が丁寧すぎて今更言うことがねェんだよ! それぞれきっちり食材に合った方法まで取りやがって! 加減とかしろ! ばか!!」
「あ、やっぱり? いや~それほどでも」
「ああ……だからってこっちに責任転嫁されてもな」
照れ笑いを浮かべた真多子が後ろ頭を掻いて、多喜が呆れたように目を細める。一方のアカネは、まあ何かよく分からないけど、とりあえず胸を張ってみせた。
「真多子さんのタコと多喜さんの葉物でこれは……海鮮焼きうどん! みよしの桃のデザート付きフルコースね!」
「おのれ……あまつさえ料理の体裁まで整えてくるとは……!」
悔し気に震えるマンティコアの手に、強く包丁が握られる。言い負かした……ような気もするが。あ、と何かに気付いたように、多喜が隣のアカリに問う。
「――あれ、納得しかけたけどさ、マズくないか?」
「え、美味しいと思うよ海鮮焼うどん」
「いやそうじゃなくて。あたしほら、料理の下に皿みたいに敷かれるやつじゃない? 刻んで混ぜたらダメだと……思うんだよね……?」
言ってる傍から、マンティコアが包丁を高く高く掲げている姿を、多喜は仲間と共に揃って見上げた。
「だったらお望み通り、調理してやらァ!!!」
「っと!」
足元を狙うように地を這う赤い尾を、二人は別方向に跳んで躱す。一方のマンティコアもスフィンクスの頭を素早く踏みつけて、アカネの振るう日本刀を包丁の腹で受けていた。
「下に敷く葉物野菜を千切りにするのはどうなんだよ!?」
「皿は別に用意してやる! 混ざれ!!」
無茶苦茶な理屈と共に多喜を追う尻尾、それをこちらも踏み台にして真多子が懐へと跳ぶ。振り上げられた拳は、しかし。
「そう何発も喰らうかよ!!」
フライパンを手放し、受け止めるように掲げられた左腕が上下に裂ける。現れたのは、巨大な口だ。
「あー! 腕が!」
がぶり、と牙同士が噛み合う寸前に、多喜はどうにかそれを間に合わせた。
『時縛る糸』、彼女の思念派の作用により、正常な時間間隔を失ったマンティコアの口がだらんと開いて、真多子が腕を引き抜くのに成功する。
「ちゃんと食材ごとの調理のタイミングを考えろよ、料理は時間配分が命なんだぞ」
そんな多喜の言葉に、マンティコアの眼だけがそちらを睨む。……けれど、道中含めて仲間のための礎となろうとするその姿勢に、食材として他と合わせた時の質、そんな判断材料から、災魔はそれに逆らうのをやめた。
「あー……それじゃあとは皆、逆に調理しちまえ!」
その言葉に従って、スフィンクスが爪を一閃し、アカネの『送火狐松明』による炎が敵を包む。
「これで何時でも熱々の焼き立て!貴方もこんがり焼き上がるといいわ!」
「それから、行くよ! 軟体忍法、骨抜きの術!」
さらに真多子が敵の腕部を吸盤付きの触手で掴んで、振り回し、繰り返し地面に叩き付ける。びったんびったんされたマンティコアは、一度ぐったりと地面に倒れ込んだ。
……とことこと、そこにスフィンクスに乗ったみよしが近づく。するとスフィンクスの口が、おもむろに開かれた。
「……時は来た。汝、我が問いに答えよ」
「あっ、先程のなぞなぞの答えを言えってことですよ」
そんなみよしの補足を聞きながら、マンティコアは目を逸らした。
「……何のことだかわかんねェなァ」
「またまた、ドローンでこちらのこと見てらっしゃいましたよね?」
みよしの追及に、うっとマンティコアが言葉に詰まる。図星。
「……ほ、ホタル」
「残念、ハズレでございます。正解は、輝き出す……つまり蚊が焼き出す、ということで『蚊』なのです」
「な、なるほどな……」
「納得いただけました? ではビームでございますー!」
納得の感情に反応したスフィンクスが言葉通り、ビームを発射。マンティコアの力無い悲鳴が辺りにこだました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
チガヤ・シフレット
リィ(f13106)とボスを撃破だ!
楽しい妹分な感じで可愛がり
【トマト】
さながら私は瑞々しいトマト、というところだろうか
焼いても美味いしな
食われる気は毛頭ないが!
リィは飴ちゃん……これはつまりぺろぺろしていいってことか?
(おっさん臭いと言われたら崩れ落ちかける)
さて、油断せずにぶちかましていくとしよう
兵装を起動して【二回攻撃】や【一斉発射】を使っての銃弾叩き込みで一気に押していくとしようか!
リィを【援護射撃】するのも忘れず、息を合わせていくぞ!
敵の攻撃は脚部のブースターも使って一気に加速して回避
食材やらに気になって隙ができたところに、爆砕華を叩き込み一気に吹き飛ばしてやろう
派手な爆発は好きか?
リィリィット・エニウェア
チガヤ・シフレット(f04538)と参加
チガねーさんと呼びます
あねごー!と懐いています
チガねーさんは肉じゃないの?
何処がとは言わないけど!!
「チガねー、目つきと台詞がおっさん臭い……」
あたしは【飴】!
きらきらカラフル!あまーい飴ちゃんだよー
(目をきらきらさせて精一杯可愛いアピール。思い描くのは素敵な爆破!わくわくするよね?)
可愛い外見は絵師さん頼み☆
上手くいったら攻撃はガジェットショータイム
実際に爆破してやるぞー
想像してるときを上回るきらきらを見せてやる!
……まあ攻撃される側になってるし、見てられないだろうけど
基本はチガねーを支援するスタイルだよ
●キャンディボム
兵装起動。チガヤの前腕部に現れたブレードが二度白銀の軌跡を描き、フライパンの裏面にV字の傷を作る。金属同士の擦れ合う耳障りな音色が響く中、その余韻を置き去りにするように、チガヤの脚部の噴射孔が火を吹いた。
「ぶちかましてやるよ!」
再度の急接近と共に両手のブレードを振り下ろす。フライパンの代わりにチガヤの前に立ち塞がったのは、巨大な鋼の板――そう見える、包丁の側面だった。突然壁にぶつかったようなもので、体勢を崩した彼女はリィリィットの援護射撃に助けられながら一旦距離を置く。
「チガねー、大丈夫?」
「ああ、これくらいどうってことないぜ」
言いつつ、前腕部の武装を切り替える。ブレードが通じないのなら、銃撃を試してみるべきか。地面を伝う蛇のように這いまわる赤い尾を、早速の銃撃で牽制、敵の出方を窺う。
「素早い、っつうか活きの良い食材だなァ」
すると、警戒を露にしながらも、マンティコアがその口を開いた。
……そういえば、今回の敵はそういう存在だったな、と思い直し、チガヤがそれに頷く。
「さながら私は瑞々しいトマト、というところだろうか」
「えっ、チガねーさんは肉じゃないの?」
何が、とまでは言わないけれど。そんな調子でリィリィットが問う。
「ま、適性を考えた結果だな」
身体自慢で行く肉よりは、と見越した上での選択ではあるが。
「確かに新鮮さは感じるけどよォ、それじゃちょっと物足りねぇなァ」
マンティコアにとってはそこまで心動かされるものではなかったらしい、代わりに、と目を向けられたのはリィリィットの方だった。
「あたしはほら、きらきらカラフル! あまーい飴ちゃんだよー!」
そのアピールにも、最初に食いついたのはチガヤの方で。
「それはつまりぺろぺろしていいってことか?」
「チガねー、目つきと台詞がおっさん臭い……」
「お、おっさ……!?」
余りの評価に愕然とするチガヤをとりあえず置いて、リィリィットは自分の精一杯の可愛いアピールに努める。出来る事なら、自分が一番輝いていると感じる表情を。作り笑いは作り笑いだが、可能な限り真に近付けよう、そのために出来ることは、彼女自身が一番よく分かっていた。
「(今回のガジェットはどんな素敵な爆発をするのかな……!?)」
そう、爆破の事を考えれば彼女の心は躍るのだから。
「なるほど、飴玉に向いてそうな見た目だが……オイ、なんかこいつの笑い方危なくねェ?」
「いやいや、よく見ろよこんなに輝いてるだろ?」
野生の勘的なもので顔を引き攣らせている災魔に、チガヤがすっとぼけて答える。戦闘面ではこの妹分に援護を任せる事が多いが、今回のようなケースなら逆もありか。
そう判断した彼女は、もっと彼女の笑みを輝かせてやる事にする。
「なぁ、派手な爆発は好きか?」
「はァ?」
脚部のブースターに点火。チガヤは一息に距離を取り、回り込むようにして再度マンティコアに迫る。単純な動きだが、そう。
「――ははァ、なるほどきらっきらしてやがるな」
派手な爆発、しかもどうやらチガヤの手伝いで一際大きなものになりそうなそれを予測して、リィリィットの目がめちゃめちゃ輝いている。そちらに目を奪われたマンティコアは、チガヤの方から意識が逸れる。
『爆砕華』。チガヤは側面から急接近し、その爆弾を敵へと叩き付ける。そして。
「よーし、実際に爆破してやるぞー!」
生み出されたガジェット、衛星のように回る爆弾群が、リィリィットの手で投げ入れられる。
「……うげ」
敵が我に返った時には既に遅い。組み合わさった二人の爆弾は回廊に派手な花火を上げた。
「だあァ、もう、熱ィじゃねェかこのやろう!!」
爆炎の後の煙の向こうから、マンティコアの怒声が聞こえてくる。ダメージこそ与えたものの、敵は未だ健在。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロカジ・ミナイ
【エレル】
アレ調理器具だったんだ
頭大丈夫かこの姐さん
僕の食材(しょうたい)は苺マーブルクッキーだょ🍓
グルメな姐さんにはもう分かっちゃったかな!?
僕ら3人で出来る料理と言えば
そう!超オシャレBBQスイーツ・スモア🍪🍫☁️だよ
はぁ〜女子力上がる🍓
26才男性
ボソボソ固そう?
うるさいなぁクッキーだっつってんだろ
さっきの調理器具wで
中フワ外カリに仕上がってるんだから
きらちゃんにヨシュカだって、この通り
ヨイショと二人まとめて担げばスモアの完成だ
美味しそうだろう?おっとまだ食べちゃダメー
これ一瞬しか出来ないからちゃんと見て
早く
無理
腰からしぬ
隙あらば
姐さんを刀で微塵切りにする
えっ、ここ料理教室でしょ?
ヨシュカ・グナイゼナウ
【エレル】
先程の映像でご理解頂けたと思いますが、そう、食材(わたし)はチョコレート。種類はミルク(褐色)とホワイト(白髪)
貴女の『調理器具』で丁寧にテンパリングさせて頂きましたので、口当たりの良さと艶やかさに自信あり
さっくり焼けたクッキー(ロカジさま)、ふかふかでとろけるマシュマロ(きらちゃんさま)
ピンクに水色、これは間違いなくバエる
そしてわたしを合わせ
こうロカジさまがわたしたちを持ち上げ…重くは、そこまで重くはない…はず…
スモアの完成です!!(ポーズ)(ヤケ)
食後のデザートは格別ですよね、わかります。でもダメ
残念そちらは【残像】です。開闢をキチリと鳴らして
随分物騒な料理教室ですね?
キララ・キララ
【エレル】
じゃじゃーん!
デザートはエレルきんせー(謹製)スモアでーす!
食材(きらちゃん)はマシュマロ!
うすーいブルーのふかふかしたマシュマロ、かわいいでしょ。
ちょっととろけるくらいの温度であぶっておきました!
クッキーのロカジはこんがりだし、チョコのヨシュカはちゃんとテンパリングしてあるのよ。すごいねえー!
こーやってね、ロカジに「よいしょおー!」って抱っこしてもらうとね!
スモアに見える!たぶん!
あっちょっと!ちゃんと見ないと!ロカジのほねが!おれちゃうから!こっちみて!
…みた?みるだけでーす!食べちゃだめ!(きゃっきゃ)
?? 料理教室だったの?
きららね、スモアの作り方はきょうおぼえた!
●ス🍪モ🍫ア☁
「アレ調理器具だったんだ……頭大丈夫かこの姐さん」
「うっせえなァ、全自動でたくさんの相手を一気に捌けるんだぜ? すげェ便利だろうがよ」
ロカジの呟きを耳聡く捕らえながら、他の猟兵達との戦っていたマンティコアが接近する。新たに相対したロカジ、ヨシュカ、キララの三名を新たな敵と定め、でたらめなサイズの調理器具を突き付けた。
「さあ今度はてめぇ等だ、覚悟はできてんだろうな?」
「えー、かくごってなんの?」
「何のってお前……美味しく食べられる覚悟だよ」
「それは構いませんが、わたし達が『何』か、知らない内に食べてしまって良いんですか?」
それは確かに、そうだけれども。先程までがんがん殴り合っていたマンティコアも、キララとヨシュカの様子を見て包丁を下げる。こういうのを調子が狂うと言うのだろうか。とにかく。
「先程の映像でご理解頂けたと思いますが、そう、食材(わたし)はチョコレートです」
前に進み出たヨシュカがそう名乗る。ミルクチョコレートのような褐色の肌に、ホワイトチョコのような白い髪。わざわざ温度を見切ってまでテンパリングに拘った彼の口当たりと艶やかさはきっと素晴らしいものだろう。
「きらちゃんはマシュマロ! うすーいブルーのふかふかしたマシュマロ、かわいいでしょ!」
キララはドローン戦での動きは控えめに、ちょっととろけるくらいにあぶった程度。水色の髪は言うまでもなく、パステルカラーは彼女に似合う。
「そして僕の食材(しょうたい)は苺マーブルクッキーだょ🍓」
ロカジ・ミナイ、ピンクに染めた黒髪で、外はこんがりカリっと強めに焼いた26歳男性。
「ふざけてんのか?」
「うるさいなぁクッキーだっつってんだろ」
身の程を知れ、と言わんばかりのマンティコアの視線を。彼は堂々と撥ね退ける。
ほんの少し厳しい戦いのような気もするが、しかし三人揃えれば配色と配役は綺麗にハマるもので。
「なるほどなァ、それぞれのカラーに合わせて、焼き方も変えてきたってことか」
感心感心、とマンティコアが頷く。何しろ見た目でも分かりやすい。しかし。
「確かにテメェらの華やかさはその手の菓子としちゃ向いてるぜ、でもよォ、それだけか?」
少しばかり物足りないなとケチをつけるマンティコアの様子に、ロカジとヨシュカは含みを持たせた笑みを交わした。
「もちろん、それだけでは終わりませんよ」
「姐さん、意外と勘が悪いんだねぇ」
「えっ、な、何だよ?」
戸惑う災魔に対して、完全に勿体付けて二人は続ける。
「さっくり焼けたクッキー、ふかふかでとろけるマシュマロ、そしてやわらかくしたわたしこと、チョコレート……ここから何か連想できませんか?」
「グルメな姐さんならすぐに分かると思ったんだけどなぁ?」
「はい、スモアになります!」
「言っちゃったね!? まあいいやとにかくそう、超オシャレBBQスイーツ・スモアだよ!」
回答を待たず挙手したキララの言うように、彼等三人の食材を組み合わせることでスモアが完成するのだ。ようやく合点がいったと言うように、マンティコアが口の端を吊り上げる。
個の主張としてもまずまずだったが、『一緒に食べれば美味い』というのももちろん点数が高い。
「ははァ、組み合わせまで想定済みとは大したもんじゃねェか。それじゃあ――」
「じゃあスモアになるからちょっと待ってね!」
「な、何?」
「ロカジさまのピンクにキラちゃんさまの水色、これはバエること間違いなしですよ」
「姐さんちょっとそっちに立ってね!」
「このカメラも持ってねー」
「あァ……?」
なにこれどうすれば良いの。そんな風に戸惑っている間に、ロカジの脇に二人が回る。スモアの土台と言えばクッキーの仕事だ。つまり。
「よいしょおー!」
ロカジが、ヨシュカとキララの二人を纏めて抱え上げて、上の二人がポーズを取れば……。
「じゃじゃーん!」
「スモアの完成です!!」
半ば自棄になったようなヨシュカの叫びが響く。なにこれどうすれば良いの。
「あっちょっと! カメラもいいけどちゃんとみて!」
「これ一瞬しか出来ないから! はやく!」
「ロカジのほねが! おれちゃうから!」
「無理無理むりもうしぬ腰からしぬ」
「ロカジさま! もうちょっとです頑張って! ロカジさまーっ!」
「いや……ああ、大丈夫、お前達が美味そうなのはよくわかったからよォ」
「よし、じゃあここからは、料理教室の時間だ……」
ぜえはあと息を吐いて、腰を押さえながらロカジが立ち上がる。杖代わりにしていた刀を構え直し――。
「お、おう」
「少し物騒な料理教室になりますが、構いませんね?」
ヨシュカもまた、手にした短刀をキチリと鳴らす。何やら敵は気まずそうな顔をしているが、勝負は非情なもの、それが隙であるのなら、きっちりと突いていくべきだろう。……それが、苦労の末に勝ち取ったものであるのなら、なおさら。
「それじゃあ、みじん切りのやり方からだ」
「よ、よーし、かかってこいやー」
閃く刃が二条、連携してマンティコアへと喰らいついていった。
「これ、料理教室だったんだ……。あ、きららね、スモアの作り方はきょうおぼえた!」
うんうん、よかったねえ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
星磨・璃歩留
【H&F】
アレ、です?ああ、コレですねー♬
りんご姉の見よう見まねでポーズ!(失敗!ヘンなポーズに)
えっソーセージ社長謹製、焼肉のたれ(ヨダレだらー)
あのっ、さっきはご無礼を…プリンセス・黒毛和牛様
炒め玉ねぎさんとのタッグをたれで美味しく頂かせて頂きたく…!
…また逆鱗に触れたりしないよね、えへへ
ふー無事だったらヘルシー枠ぱわーを見せよう♬
わたしは引き立て役でぷりぷり華やかな海老姉の舞と甘く水々しいキャベツ姉に続き、
歯ごたえとコクあるけど縦に裂くのは簡単なエリンギいくよー!
裂けるのはマンティ、キミだけどね(UCで斬る)
さあ、ラストはプリンセス・黒毛和牛様っ…!
経費で食べる祝勝会、待ってましたー!
赫・絲
【H&F】のみんなと!
アレね、おっけー!
すちゃっと岩塩と香油を手に、海老やエリンギと決めポーズ
事前にアイドルの動画でポーズ研究はバッチリ
しっかり決めるよ!
お肉にソーセージに海老、それをより美味しくする玉ねぎにキャベツにエリンギ
豪華なBBQのお味はいかが?
私からはお口直しを提供するよー
甘ーくて、でもさっぱりもしてる焼き林檎は料理の合間に食べればあら不思議!
口がさっぱりして、その後も沢山楽しめちゃうんだよー
ついでにこれもプレゼント
鋼糸でマンティコアをぐるぐる巻きに、糸に全力で電流を流す
電流ってなんか治療とかにも使うし、消化も促進してくれたりするんじゃないかなー
さあ、後は黒毛和牛様、やっちゃってー!
境・花世
【H&F】
りんごと一緒にしゃきーんと両手にタレを掲げるポーズ
任せてパレード、H&F謹製のタレのPRも兼ねて
食べ飽きない完璧な布陣で決めてみせる!
だいじょうぶだよ、セロ
最初は塩でシンプルにいきたいもんね
――後半の味変えにしようか❤️
BBQの主役は肉類だけど、
だからこそ輝くアクセントのわたし達
おっとキャベツ、海鮮との取合せも忘れないで
華麗に翻す扇は香ばしい尾
薄紅の花は焼きたて熱々の海老色
口いっぱいに詰め込んでやったなら、
エリンギに流れるようなバトンタッチ
ナイス!箸休めは頼んだよ
ここに至るまで完璧なBBQコース
最後はやっぱり黒毛和牛さまの贅沢な一撃で
ご馳走様も言えないくらいに、満足させてあげようか
セロ・アルコイリス
【H&P】のみんなと
アレ、の掛け声に並んでみつつ
花世との会話思い出してちょっとどきどき
おれ、た、タレ掛けられたりしねーですよね?
──後半掛けられんの?!
おっとぉおれそんなポジションじゃねーけど
くろげわぎゅうさまが言うなら精一杯のイケメン顔で
よっしやりますよ、ソーセージ社長
肉とタマネギ合わせて食えば最高でしょ?
……なにそれ。
エビのインパクトもキャベツの汎用性の高さも
タマネギ支援できますよ、お任せください
斬ったら涙が出ちゃうんじゃねーですか?(ダガーメインで支援を中心に容赦なく)
エリンギの言う通り、斬られんのはアンタですが
最初に言ったでしょ?
獣にゃ毒だって
さあリンゴ、さっぱり刺激をお願いしますよ
アリサ・マーキュリー
H&Fの皆と
狩られる側がどちらか、教えてあげないと。
アレ…(隣を見る。並んでる。ポーズ決めてる。並んで見様見真似でポーズを決める)
あぁ、アレね。アレ。(わからん)
キャベツはタレにつけても美味しいし、味付けで変化出来るの。
何とでも合うし、何にでもなる。だから、私も色んな攻撃で楽しませてあげる。
キャベツは付け合わせでも美味しいからね!
林檎と一緒にさっぱりさせてあげるし、玉葱と一緒に甘みを出すよ。
わ、ごめん海老!そうだった、海鮮と絡んだ淡白でヘルシーな美味しさを喰らえ。
更にエリンギと一緒に歯応えを味わって!
毒だけじゃ無くて、獣は火も苦手でしょ?
バーベキューになるのは、そっち。
最後は任せたよ、お肉達。
パレード・ペッパーポート
【H&F】
俺たちの仕上がりに我慢できなくなってのこのこ現れたか、馬鹿め
皆、仕上げだ!アレは持ったな!
ここに取り出したるはダークセイヴァー産の幻の岩塩、クリスタルロック!
さらにアックス&ウィザーズ産、銀鈴蘭の香油!
どちらも我が社が特別に入手した最高の調味料、そして!
H&F謹製、企業秘密の焼き肉のタレだぁー!
だが、本命はあくまでも食材
肉、野菜、海鮮…バランスも完璧なチームワーク!
残念だったな、貴様は俺たちを口にすることはできない
何故なら俺達は食われる側ではない…食う側だからだ!
タマネギ、あれをやるぞ!
BLACK…”WAGYU”シュート!
(腕を組みサユリの足場を作って射出する)
祝勝会は焼き肉だぞ!
四・さゆり
【H &F】
宣伝してあげる。
アレ。の掛け声で並んであげましょう。(ぴしり)
なあに、エリンギ。
…可愛らしいから許してあげる。
次はないわよ。
さて、切り替えなさい。
仕事の時間よ。
キャベツも海老も、エリンギも。
流れるよう、コース料理のよな連携ね。
…皆の働き振りに、お腹が空いてきたわ。
あら、痺れた?
りんごったら、上手に仕上げたわね。
…わたしたちも負けてられないわよ。
準備なさい。タマネギ、
あなたの甘いマスクが旨味を引き立てるの。
さて、ソーセージ。
あなたも最後くらい良い顔をしてみなさい。
…なあにそれ。
(組んだ腕に乗せられる)
……。悪くないわね。(跳ぶ)
H &F の謹製よ、味わいなさい。
おまえに屈辱をあげる。
●アレ
「俺たちの仕上がりに我慢できなくなってのこのこ現れたか、馬鹿め! 皆、仕上げだ!アレは持ったな!」
「アレね、おっけー!」
「あぁ、アレね。アレ」
「アレ、です? ああ、コレですねー♬」
社長であるパレードの掛け声で、彼等は一ヶ所に集う。絲と花世を中央に据えて、セロやさゆりがとりあえず並んで、アリサと璃歩留がさっぱり分からないまでも見様見真似でポーズを決めた。
「ここに取り出したるはダークセイヴァー産の幻の岩塩、クリスタルロック! さらにアックス&ウィザーズ産、銀鈴蘭の香油! どちらも我が社が特別に入手した最高の調味料、そして! H&F謹製、企業秘密の焼き肉のタレだぁー!」
中央の二人が塩と香油、タレをそれぞれ両手に掲げる。多分この辺りはH&F社の提供でお送りするのだろう、ありがたい話である。
「おれ、た、タレ掛けられたりしねーですよね?」
タレ派だとは言ったけれども。実際に出てきたタレを目にしてセロが問う。決めポーズの都合で両手にタレを持ったまま、花世はにっこりと微笑んだ。
「だいじょうぶだよ、セロ。最初は塩でシンプルにいきたいもんね」
そういう問題だろうか。
「――後半の味変えにしようか❤」
「後半掛けられんの?!」
とりあえず玉ねぎにタレがかかるのが確定。そして一方、先程ちょっとやらかしたエリンギこと璃歩留の方は、焼肉のたれを見てよだれを垂らしていた。
「あのっ、さっきはご無礼を……プリンセス・黒毛和牛様。つきましては、炒め玉ねぎさんとのタッグをたれで美味しく頂かせて頂きたく……!」
「……可愛らしいから許してあげる」
謝罪と共に何か許可を勝ち得ていた。とりあえず事前に棲ませておくべきはこれくらいだろうか、一同の様子を確認して、さゆりは頃合いだと声を掛けた。
「さて、切り替えなさい。仕事の時間よ」
「いや、社としては今のも仕事で」
「切り替えなさい」
はい、と大人しくそれに従い、パレードは迫る敵の方へと向き直った。
「残念だったな、貴様は俺たちを口にすることはできない! 何故なら俺達は食われる側ではない……食う側だからだ!」
人喰いの災魔、マンティコアに対して高らかにそう宣言。戦いの火蓋は切って落とされた。
「キャベツはタレにつけても美味しいし、味付けで変化出来るの。何とでも合うし、何にでもなる――こんな風に!」
閃く絲の鋼糸に合わせて、アリサの刀が抜き放たれる。絡みつく糸が敵の包丁を引くのに合わせて、踏み込んで一太刀。さらには側面から敵を狙うセロの動きに合わせて、彼とは逆方向に回り込む。
「はいはい支援はお任せください、斬ったら涙が出ちゃうんじゃねーですか?」
セロのダガーに続けてアリサの刃が奔り、敵の両前脚に同時に傷を生じさせた。
「おっと、海鮮との取合せも忘れないで」
「わ、ごめん海老!」
花世の声に応えて、アリサは敵の顔に向けて『フォックスファイア』を発動、解き放たれた狐火を目くらまし代わりに、セロと共に離脱する。
「……チッ」
赤い炎のカーテンをマンティコアが振り払った頃には、海老の尾のように翻った花世の扇が、、海老の色――薄紅牡丹の花弁へと変わっていた。
「BBQの主役は肉類だけど、だからこそわたし達のアクセントが輝くのよ――口いっぱいに詰め込んであげる!」
『花葬』、花世の操る花の嵐が、敵の姿を呑み込んでいく。
「ははは、言うだけの事はあるじゃねェか!」
そんな赤い風の中、巻き上がった炎がそれを食い破り、そこからマンティコアが姿を現した。火炎の根元は災魔の手にしたフライパン。何やら魔術的な仕組みがあるようだが。
「炎、苦手じゃないの?」
「料理の基本は火力だろォ? ビビってられるかよ」
進み出たそのオブリビオンを、迎え撃つのは空舞うエリンギ、璃歩留だ。
「それじゃ、こっちもヘルシー枠ぱわーを見せてあげよう♬」
流れ星が空にアーチを描き、月の形の錨を降ろす。
「縦に裂くのは簡単なエリンギだけど、今回裂けるのはキミ!」
鋭い刃と化した錨は、避け損ねたマンティコアの右足をざっくりと斬り裂く。さらに迫るアリサの姿を、マンティコアはそのまま抵抗せず受け入れた。
「葉物に海産物か、今日はどうも、その辺りに当たりが多いなァ」
「キャベツは付け合わせでも美味しいからね!」
斬撃が描く赤と共に、災魔が哄笑する。それが反撃に転じようとしたそのタイミングで、鋼糸が彼女の周りを包んでいた。
「さあリンゴ、さっぱり刺激をお願いしますよ」
「そうね、ついでにこれもプレゼント!」
セロの声に応え、絲の操るそれは急激に円を狭め、マンティコアをぐるぐる巻きにする。そこからは属性攻撃、電撃の出番だ。
「――ガァッ!?」
スパークと共にマンティコアの傷口から煙が上がる。
「電流ってなんか治療とかにも使うし、消化も促進してくれたりするんじゃないかなー……お口直しくらいにはなった?」
「なるかそんなもん!!」
ぎゃーぎゃー喚きながら拘束を解くマンティコアの様子を見て、花世とアリサ、そして璃歩留は今回主役であるはずの『肉』達に視線を送った。
「ここに至るまで完璧なBBQコースね」
「バーベキューになるのは、やっぱりそっちだったね」
「さあ、ラストはプリンセス・黒毛和牛様っ……!」
「りんごったら、上手に仕上げたわね。皆の働き振りに、お腹が空いてきたわ……」
そんな彼女等の戦いぶりを見て、さゆりが傍らに来ていた男二人に声を掛ける。
「……わたしたちも負けてられないわよ。準備なさい。タマネギ、あなたの甘いマスクが旨味を引き立てるの」
「おっとぉ、おれそんなポジションじゃねーけど」
それでもくろげわぎゅうさまが言うのなら、とキメ顔を作りながらセロが応じる。
「さて、ソーセージ。あなたも最後くらい良い顔をしてみなさい」
「良いだろう……タマネギ、あれをやるぞ!」
「よっしやりますよ、ソーセージ社長。肉とタマネギ合わせて食えば最高でしょ?」
二人が互いに腕を組み、彼女のための射出台ができあがった。
「なあにそれ……まぁ、でも、悪くないわね」
二人の腕の上に乗せられ、さゆりは閉じた赤い傘を構える。姿勢を落とし、そして――。
「BLACK……”WAGYU”シュート!」
「これそんな名前なの!?」
彼等の声に押し出され、高く跳んださゆりは空中でそれに狙いを定める。
「H&Fの謹製よ、味わいなさい」
落下の勢いを乗せて、マンティコアの頭へ。
「おまえに屈辱をあげる」
振り返った災魔は、目の前に迫る赤い傘の先端を見た。
「――ッ、く、そがァ!!」
超高速かつ大威力、そんな『篠突く雨』を躱すことは出来ず、マンティコアは左の眼と、角を失う。これを、屈辱と言わずして何とする。
「大した上物でもねえ食材が、調子に乗りやがってェ!!」
空っぽになった左の眼窩に歯が生え、舌が生じ、流れ落ちる血を舐め取って、マンティコアが二つの口で咆哮する。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
生クリーム
うう、熱かった
ぷーる、は楽しかった
けれど櫻が一緒だから大丈夫
水も炎も君のもてなしなのか
それとも料理の準備かな
僕の櫻を食材になんて、させないよ
僕は生クリームか
それはとっても美味しそう
櫻宵は甘いお砂糖の桜――僕の櫻
他の人には食べさせない
2人揃えばケーキのようかな?
ダメだよ
櫻は僕のだから君にはあげられない
歌唱に添えるのは心からの鼓舞
君の刃をもっと鋭くする為
櫻宵の為の凱旋の歌を歌うよ
僕を守る君ごと、オーラ防御の水泡で守るからね
「魅惑の歌」歌って、動きを止めて君の刃を届かせるよ
綺麗に斬って
君の剣舞をみせてくれ
それより美味しいケーキが食べたい
帰りに、買って帰ろうよ
誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎
桜の砂糖漬け
死にかけたり燃やされかけたと思ったら
あなたの仕業だったのね!
特に水のやつ死ぬかと思ったじゃない!許さないんだから!
食材?
ならあたしは、メインディッシュ後のデザートってとこね
乙女だもの
リィは甘くて蕩ける絶品ふわふわクリームよ
あたしのもの
あなたになんて食べさせない
最高の歌をよろしくね!
リルを庇うように前へ
攻撃は見切り躱していきましょ
大丈夫よリル
あなたはあたしが守ってみせる
呪詛込めた刀抜き、衝撃派そえてなぎ払う
生命力吸収を斬撃に込めて攻撃し
怪力で押し切り『絶華』を
2人揃えば美味しい桜のケーキになれちゃいそう!
うふふ、いいわね
美味しいケーキでお茶しましょ!
●桜と生クリーム
「うう、熱かった……」
傷の治療も一通り終えて、リルと櫻宵はフロアボスと相対する。
ダンジョンへの突入からしばし、ようやく出会う事の出来たフロアボスに、櫻宵はその指を突き付けた。
「死にかけたり燃やされかけたり、散々な目に遭ったと思ったら……あなたの仕業だったのね!」 言うまでもなく、櫻宵にとってはひたすら相性の悪いダンジョンだった。当然の意見だと言わざるを得ないだろう。
「特に水のやつ死ぬかと思ったじゃない! 許さないんだから!」
「言いがかりはやめろよ、ダンジョンの作りまでオレが関与してるわけねェだろ?」
マンティコアはそれを平然と受け流す。実際に、それは嘘ではないのだろう。
「でも、ぷーる、は楽しかった」
「そりゃよかった。勝手に食材が洗えるからオレとしても楽しいダンジョンだぜ?」
水辺に強いリルの言葉に肩を竦めて、マンティコアは二人を睥睨する。それは、獲物を見る肉食獣の眼。
「食材、か。ならあたしは、メインディッシュ後のデザートってとこね、乙女だもの」
「ねえ、僕は?」
「リィは甘くて蕩ける絶品ふわふわクリームよ」
「ふふ、それはとっても美味しそう。なら櫻宵は、甘いお砂糖の桜かな」
僕の櫻だ、と言い添えて、リルもまた櫻宵をそう評する。互いに甘味を知るからこそ、交わせる会話なのかも知れない。しかし。
「二人の世界に入ってくのは勝手だけどよォ、それじゃオレには伝わらねーんだよなァ」
首を傾げたままにマンティコアが言う。食材としての質の見極めに、恋人の互いの評価など当てにもできない。
「あら……伝わる必要、あるかしら?」
「あァ?」
櫻宵の平然とした返しに、マンティコアが訝し気に眉根を寄せた。
「リィはあたしのものよ、あなたになんて食べさせない」
「そうだね、櫻宵は僕のだ。食材になんて、させないよ」
「……何だよ、全く相容れねェな」
二人の答えに、人喰いの災魔は軽薄な笑みを浮かべる。じゃあ仕方ないよな、とでも言うように。
包丁の切っ先が、獣の視線が、真っ直ぐに二人に向けられる。それに応じてやるべく、櫻宵は刀を手に前へと踏み出した。
「行きましょう、リル。あなたはあたしが守ってみせる。だから、最高の歌をよろしくね!」
刻む足音を人魚の歌声が追って、凱旋の歌、心からの鼓舞が櫻宵の背を押す。君の刃が、もっと鋭くなりますよう。
抜き放たれるは深紅の刃。血の色を映したようなその刀身が、黒鋼の包丁とぶつかり火花を散らす。力任せの斬撃こそが敵の流儀と一合で悟り、櫻宵は断頭台のように振り下ろされるそれに、身を晒す。
後退は無い。リルを守ると決めたのだから。ゆえに前へと踏み込んで、身を捩る。降り注ぐそれに従うように身を踊らせ、刃とすれ違うようにそれを交わす。颶風に着物の裾が千切れ飛び、頭の花弁がいくつか持って行かれる。
けれどすれ違いざまに振るった赤刃は、呪詛と衝撃波を放ってマンティコアの胴に縦の傷を刻んだ。
前進する足は止めず、さらなる一太刀。マンティコアの肩口、首元から線が走り、『二つに割れる』。
「調子に乗んなよ?」
それは刃が到達するよりも早く。体表に生じた巨大な『口』が、その中の歯を噛み合わせて屠桜を受け止めた。
「はッ――」
マンティコアの哄笑。それを上書きするように、澄み切った歌声が後方から響く。
それは魂を惹き付け、陶酔させる『魅惑の歌』。それはきっと甘い音色で、甘味を期待するマンティコアには覿面に効果を見せる。
「リィ……」
敵の動きが止まったことを、櫻宵も悟る。
綺麗に斬ってみせてくれと、そんな歌声に応えて、櫻宵は握った柄に力を加える。
「さぁ、桜のように潔く……散りなさい!」
絶華。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
勾月・ククリ
【土蜘蛛】
室長の掛け声に合わせてなんとなくキメポーズ
ついに来たね……このときが!
シャキシャキ新鮮!「アスパラ」だよ!
伸び盛りの成長期!すくすく育ったアスパラ!
髪も目も光合成してる!わかる!?わかるよね!?
しかもなんと今回は!
軽く炙って香ばしさもプラスされてるの!
これ以上ないくらい美味しいアスパラだよ!
わ、イドくん!?
わたしたちが「アスパラベーコン」……!?
ふふふ、なるほどね
アスパラとベーコンは、一緒に食べると美味しい……!
(お姫様抱っこされながらここでポーズ)
さぁ覚悟してね、マンティコアさん!
お友達を食べちゃう悪い子には、わたしたちがおしおきしてあげる!
(戦闘はお友達を召喚してがんばります)
蜂月・玻璃也
【土蜘蛛】
土蜘蛛バーベキューフォーメーション!
…一応リーダーらしく号令をかけてみたものの
ククリ以外ノッてきてくれるやつがいなくて目から塩分が…
残夏にセンスを褒められても困るけど…
ダンジョンの茶番にはちゃんと合わせるくせに…
がっかりさせるなだと?
がっかりなのは俺の方だよ
なんでピーマンなのか教えてやろうか?
「中身スカスカなくせにいつも苦み走った顔してるから」だそうだよ!
文句あんのか!?
俺の苦味はポリフェノールなんだよ!
栄養素が高いんだよ!
好き嫌いなんてさせねぇぞ、今日の俺は苛ついてるからな!
機動力を削ぐ!脚狙いだ!
俺の毒は痛いじゃ済まんぞ
本当の苦さってやつを教えてやる!
マシュマロ返せーーーー!!
星鏡・べりる
【土蜘蛛】
上司の訳わかんないフォーメーション指示は無視して棒立ち
何が『おいしくなあれ』よ
なんで私が喰われなきゃなんないのよ
えっ、結局私は何の食材なのかって?
……えーっと、あー、あれよ
よく洗って、蒸されたから、……あっ、お米
ライスよ、ライス
目を凝らして私を見てみなさい、この均衡のとれた能力値
私の汎用性の高さ、多くの食材とマッチする米そのものでしょ
下拵えもバッチリ、網の上の飯盒炊飯状態よ
イドくんの分霊核を拷問鋸に使うよ
禍々しい巨大鋸……名付けて拷問鋸《オロチ》
そしてある意味で白米をベーコンで巻いた物
こいつでアンタを喰い散らかしてやる
さぁ、私達と派手に喰い合いましょう
日本のバーベキューを教えてあげる
隠・イド
【土蜘蛛】
ククリ品評前に介入
おっと、その前に
私のアピールも聞いていただきましょう
私は豚です
ブヒブヒ鳴くしか脳のない卑しい豚
毛色からも察していただけるように
国産の黒豚
それを先のガジェットにて燻した事により
我が身はベーコンへと昇華
網の上で香ばしく焼かれた厚切りベーコン
齧り付けば肉汁滴り落ちる絶品
しかしそれではまだ芸が浅い
この場はバーベキュー会場
もっと遊び心があって然るべき
故に
私の導き出した答えは―これです!
(ククリ様をお姫様抱っこ)
ふふ、流石に気が付いたようですね
そう
これは【アスパラベーコン】!
食材と食材が織り成すハーモニー
これこそバーベキューの真髄
参りましょうククリ様
これが、真の美食というものだ
黒海堂・残夏
【土蜘蛛】
ハア? そのフォーメーションとか言う奴、ナンセンスにも程がありませんかあ?
気を取り直して参りましょう
香ばしく焼かれ、個性豊かな食材をお口にした後は、甘〜いデザートでリフレッシュしたくなるもの
そう……ざんげちゃんこそが土蜘蛛バーベキューの癒し担当、桃ですう(キメポーズ)
目に見よ、鼻にも聞け
カラダの内外から甘く仄かに香る果物のスメル
冷たい水に晒し、引き締められたこの白くフレッシュな肌ざわり
あえて火を通さないことで瑞々しさを保ちましたあ
そしてなんと言ってもこのハイセンスなファッション…かわいい!(力強くキメポーズ)
甘くてかわいい桃を存分に味わってくださ〜い
リボンやユベコで動きを阻害しますう
花剣・耀子
【土蜘蛛】
室長のフォーメーションはちょっと憶えがないわね。
なあに、直前までひんやりさと苦味を高めているの。そう……。
あたしは肉。のびのび育った牛肉よ。
下処理はていねいに、火の通しは焦げる前にサッと。
甘味すら感じる赤く滴るレアなの。
気になるなら重ねて焼いて頂戴。
牛肉は主力だけれど、その真価は他の食材と一緒に食べてこそ。
野菜と食べればさっぱりと幾らでも、
おこめと食べればそれこそ無限に。
目先を変えて一品料理に行っても良いし、
〆のデザートを食べても良いわ。
互いに補い合い円滑に回るのが組織、……否、バーベキューの真骨頂でしょう?
――なあんて。
簡単に食べさせてはあげないけれど。
刻まれるのは、おまえの方よ。
●土蜘蛛B.B.Q
「土蜘蛛バーベキューフォーメーション!」
玻璃也の号令に従い、ククリが何かそんな感じのポーズを取る! そして!
「何それ訳わかんない」
「ちょっと憶えがないわね」
「ハア? ナンセンスにも程がありませんかあ?」
「いや、ノってくれても良いだろ……?」
耀子とべりると残夏からにべもない言葉を当てられ、室長の玻璃也は眼に涙を滲ませた。
「あー、今のはお前が悪ィんじゃねえかな」
いやなタイミングでカチあったな、と気まずげな表情を浮かべてマンティコアが言う。
「お前に言われる筋合いは無い!」
「オレもそう思うけどよォ……ま、しょうがねェよピーマンだもんな」
何で知ってる。苛立ちを吐き出しかけた玻璃也は、すぐにドローンの存在に思い至る。いつからかは定かでないが、観察はされていたという事か。
「だったら、なんでピーマンなのか教えてやろうか? 「中身スカスカなくせにいつも苦み走った顔してるから」だそうだよ!」
「丁度今そんな感じじゃねェの。やったなオイ?」
「やってねえよ! 馬鹿にしてんのか!?」
フォローだか何だか分からない雑な言及に、玻璃也が反発する。マンティコアがそれに対してゆるい反応を返しているのは、これはこれで高評価……ということだろう、多分。
「俺の苦味はポリフェノールなんだよ! 栄養価が高いんだよ! 分かるか!?」
「ああ、そうだよなー、ピーマンってそういう扱いだよなー。大丈夫、テメェも料理したらきっと美味しくなるからよォ」
ついにピーマンと自分を混同した発言を始めた彼をあしらって、マンティコアは次のメンバーに目線を向ける。
「何が『美味しくなるから』よ、なんで私が喰われなきゃなんないのよ……!」
そこには、べりるがいかにも機嫌の悪そうな様子で居た。誕生日の慰労の〆がこれなのだから、不満の一つも言いたくはなるだろう。
「まぁそう言うなよ。案外悪くないかも知れねェぜ?
「悪くないわけないでしょ……」
で、結局のところ何の食材なのか、と問う災魔に、べりるはえーっと、と考えながら続ける。
「あー、あれよ。よく洗って、蒸されたから、……あっ、お米! ライスよ、ライス!」
いきあたりばったりと言うか先程思い付いたそれで、べりるはここを切り抜けることに決めた。「目を凝らして私を見てみなさい、この均衡のとれた能力を。この汎用性の高さ、多くの食材とマッチする米そのものでしょ」
下拵えももちろんバッチリだ、彼女は自らをそう売り込んだ。
「ははァ、なるほどな。均等にとはいえ、ここまで揃えるのは一苦労だったろうに」
一方のマンティコアも、何かを感じ取ったように答えている。
「ま、ほんとに他とマッチするかは後で見ることになりそうだけどなァ」
そう結論付けて、マンティコアは次の獲物へ視線を移した。
「ついに来たね……このときが!」
待ち受けていたのは緑の髪の持ち主、ククリだ。
「わたしはシャキシャキ新鮮! 「アスパラ」だよ!」
一転こちらは堂々と、今日一番を競えるレベルでしっかりと、彼女は答えた。
「見てこの伸び盛りの成長期! すくすく育ったアスパラ! 髪も目も光合成してるんだよ! わかる!? わかるよね!?」
「お、おう」
緑に輝く髪と瞳、葉緑素とか含まれているか定かでないが、彼女はぐいぐいと押していく。
「しかもなんと今回は! 軽く炙って香ばしさもプラスされてるの!」
ドローン戦での調理工程も考慮に入れれば、さらに無敵。詰め寄る勢いのククリに、マンティコアは冷静さを取り戻すようにしながら、応える。
「勢いで誤魔化せると思ってないかテメェ、確かに見た目は鮮やかな緑だが――」
「お待ちください」
と、そこでもう一人、イドが傍らへと進み出た。
「その結論を出す前に、私のアピールも聞いていただきましょう」
「何だテメェ、オレの話を遮っておいて、くだらない内容だったら容赦しねェぞ?」
ありきたりな脅し文句をすました顔でやり過ごし、イドは彼自身のアピールへと移った。見せつけるべきものは決まっている。ここまでしっかりと整えてきた、その肉体だ。
「私は豚です」
「は?」
「ブヒブヒ鳴くしか脳のない卑しい生き物……毛色からも察していただけるように、国産の黒豚でございます」
オイなんだこいつ、という表情でマンティコアが周りを見るが、そんなに変わった様子でもないのか、土蜘蛛メンバーの反応は薄い。というか、そもそもドローン戦の時点で酷かった。
「それを先程の戦闘で燻した事により、我が身はベーコンへと昇華いたしました」
網の上で香ばしく焼かれた厚切りベーコン。齧り付けば肉汁滴り落ちる絶品。わかりますか? と噛んで含めるように彼は言う。
「そうか……ベーコンになっちまったかァ……」
「しかし、それではまだ芸が浅い。この場はバーベキュー会場、もっと遊び心があって然るべき――つまり、私の導き出した答えは、これです!!」
「わ、イドくん!?」
おもむろに、イドがククリを抱き上げる。その様子に、半分呆然としていたマンティコアが我に返った。
「何だと!? ベーコンがアスパラを、これは……!」
「ふふ、流石に気が付いたようですね、これこそが――アスパラベーコン!!」
「やるじゃねェか、まさかその組み合わせを出してくるとはな……!」
説明しよう。アスパラとベーコンは、一緒に食べると美味しい。
「アスパラベーコン……! ふふふ、なるほどね」
状況を察し、ククリがお姫様抱っこされた状態で何か良い感じのポーズを決める。
「食材と食材が織り成すハーモニー、これこそがバーベキューの真髄でしょう」
「よくわかっているじゃねェか! 良いだろう、今更文句は言わねぇよ!」
イドの言を肯定し、災魔が次に目を向けたのは、肉を担う耀子の方だった。
「あたしは肉。のびのび育った牛肉よ」
丁寧な下処理と控えめで素早い火通し、レアに抑えた焼き加減と言うべきだろうか。
「気になるなら重ねて焼いて頂戴」
「しょうがねえなァ」
耀子の付け足した言葉に頷いて、マンティコアの左手に握られたフライパンが赤熱する。どうやら、よく焼けているのが好みらしい。
「それと、牛肉は主力だけれど、その真価は他の食材と一緒に食べてこそよ」
「あァ? じゃあテメェもああなるのかよ?」
指差されたのはさっきのアスパラベーコンだ。視線が移ってしまって暇なのか、ククリの指令に合わせてイドがぐるぐる回っている。
「……そうね」
あそこまではならないかも知れない。何となく冷静に判断した耀子から、マンティコアは視線を切った。
「分かりにくいんだよなァ……じゃ、次」
最後に目を向けられたのは、ピンク色、桃の残夏だ。
「香ばしく焼かれ、個性豊かな食材をお口にした後は、甘~いデザートでリフレッシュしたくなるもの。そう……ざんげちゃんこそが土蜘蛛バーベキューの癒し担当、桃ですう」
名乗りと共にポーズが決まる。アピールとしては良いタイミングなのだが。
「ポーズ用意してるんだったら、俺の時にもさぁ……」
「室長はちょっと黙っててもらえますう?」
玻璃也が隅っこに追いやられたようだが、とにかく。
「カラダの内外から甘く仄かに香る果物のスメル。冷たい水に晒し、引き締められたこの白くフレッシュな肌ざわり……!」
あえて火を通さないことで保った身体と共に、主張するのは、その衣装だ!
「そしてなんと言ってもこのハイセンスなファッション……かわいい!」
とても力の強い決めポーズ。水着に白衣にピンクのリボンと一回見たら忘れないようなファッションが光る。
「ハイ……センス……?」
判断に困る。これは流行の先を行く衣装なのか、ただのとんちきなのか。だがどちらにせよ。
「独特の味はしそうだな! それはそれで楽しみだから良しとしておく! いいな!!」
こうして一通りの食材を見終え、マンティコアはその武器をもう一度、構え直した。
「判断つかねェ部分もあるが、概ね良い感じだ。後はオレがオレ流に調理してやるよォ!」
「イドくん……キミの力を借りるよ、本人そこに居るけど」
「あ、はい」
分け与えられていた分霊核を、べりるは自らの鋸へと宿らせる。それは八俣大蛇たる彼の一片、ゆえに名付けるのならば、一首のオロチ――もしくは、ベーコン巻おにぎりか。
「こいつでアンタを喰い散らかしてやる!」
「おォ、ようやく他との連携を見せる気になったか? かかってこいよ白米ィ!」
削り取るようなぎざぎざの刃と、斬り落とすための真っ直ぐな刃、それらがぶつかり、喰らい合う。
「ではこちらも参りましょうククリ様」
「さぁ覚悟してね、マンティコアさん! お友達を食べちゃう悪い子には、わたしたちがおしおきしてあげる!」
イドに運ばれた状態のまま、ククリの『友達』、UDCがその姿を露にする。
「俺の毒は痛いじゃ済まんぞ、本当の苦さってやつを教えてやる!」
「はーい、それじゃいい子にしててね、かわいこちゃん」
機動力を削ぐために、そしてマシュマロの八つ当たりをするために玻璃也が毒を込めた銃弾を撃ち出し、残夏のリボンがべりるに向かう寸前の尾針を縛り付けた。
ククリの友達が飛び掛かり、爪で、牙で、その両腕を引き付ける。
「簡単に食べられると思った? 刻まれるのは、おまえの方よ」
その間に、間合いギリギリまで踏み込んでいた耀子の刃が敵の前脚に深手を追わせた。
「くァ……この野郎」
やりやがったな、と災魔が牙を剥く。互いに補い合い円滑に回るのが組織だというのなら、この連携が牛肉や米の価値と言う事になるか。
――でもそれ、品評としてはズルくねェ? そんな風に、このオブリビオンは笑った。
「さぁ、日本のバーベキューを教えてあげる」
動きの止まった敵の前で、べりるがそれを振りかぶる。大口を開けた蛇のような、禍々しい刃。さあ、食べる側は結局どちらか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
九之矢・透
【SPD/エダマメ】
うわーこりゃイカニモ大喰らいって感じのヤツだな
へっ?マメ??アタシの事???
……何でマメ認定されたかは気にしない事にしようか、うん
…ええい、そう易々と食べられてたまるかってんだ!
『不羈への枷』
パワーアップはさせたくないな
「先制攻撃」で先の先をとり、
「スナイパー」で狙い澄まして確実に当てる!
投網は腕を、投げ縄は尻尾を
虎ばさみはそのデカい腹の口を狙うぜ
どうぞ沢山召し上がれ、ってね
胃もたれしても知らないからな!
攻撃はしっかり「見切って」「ダッシュ」で避けるよ
イキが良ければ良い程、生け捕りは難しいモンだろ
マメ粒はそう簡単には捕まらないよ
き、気にしてるワケじゃないからな
サマー・ルー
アナタのツノとってモ素敵ネ!
お魚上手ニ捕れそウヨ!
ワタシはアレヨ。アー、エビチャン!
硬イ殻と力強いシッポ。プリプリのボディが溜まらナイでショ?
泳ぐノモとってモ得意ネー! 海ノ天然モノヨー!
ケドそれダケじゃナイヨ。ちいちゃいエビチャン、もっとツルツルネ
ウカツに触るト怪我すルトゲトゲ。コノ殻をゴ存ジ?
ブラックタイガーよりモ一回リモ二回リモ上ノ強靭なボディ……
ソウ、ワタシこそガ! ISE☆EBIヨー!
マダ信じられナイならメチャツヨイシッポ食らっテみるネー!
美味しイと危なイは紙一重。海の常識ヨ!
エビチャン齧ろうトしテ跳ねらレてモ知らなイヨー!
●海老とエダマメ
「うわーこりゃイカニモ大喰らいって感じのヤツだな」
「アナタのツノとってモ素敵ネ! お魚上手ニ捕れそウヨ! ……片方無くなっちゃっテルけド」「うるっせえなァ、ほっとけよ」
透とサマーが遭遇したのは、まさに手負いの獣と言った風情の敵だった。片目も片角も失って、脚の怪我によるものか動きは鈍い。
「腹減ってんだよなァ……テメェらも食ったら美味いかなァ?」
では何の食材か、そんな問いに、サマーはエビと答えた。
「硬イ殻と力強いシッポ。プリプリのボディが溜まらナイでショ? 泳ぐノモとってモ得意ネー! 海ノ天然モノヨー!」
鱗、そして甲殻で包まれた竜の身体は、彼女の言葉通りしなやかな作りをしている。
しかもそれだけではないのだ、彼女の甲殻は迂闊にさわれば怪我をするような代物、小さな海老のようなツルツルしたものとは違うのだから。
「ブラックタイガーよりモ一回リモ二回リモ上ノ強靭なボディ……ソウ、ワタシこそガ! ISE☆EBIヨー!」
高級食材! 自称ではあるがその響きは興味を引くものだったようで、マンティコアがそちらへと目を光らせる。
「なるほどな、体格も悪くなさそうだし……割って確かめてみるかァ?」
「エッ」
「ち、ちょっと待てよ、ちなみにアタシは――」
「エダマメって感じだな」
名乗るまでもなく、災魔は透に対してそう断言した。
「……へっ? マメ??」
一瞬理解が遅れてしまったようだが、大丈夫、彼女に動揺はない。きっとこの敵は怪我を負い過ぎて色々と雑になっているのだろう、そうに違いない。
雑にマメ認定されるのはそれはそれで問題なのだけど。
「皮剥いたらイキの良いのが出てこねェかな……」
少しだけぼーっとした様子で、マンティコアが呟く。追い詰められているのか、自分から質の確認を行おうとしているようだが。
透とサマーが顔を見合わせる。
「……皮を剥ぐって言ってんのかこいつ?」
「言ッてるネー」
これ危ないやつでは? そういう結論に、二人はすぐに達した。
「一旦距離置キまショー」
「……ええい、そう易々と食べられてたまるかってんだ!」
回れ右。敵とは反対方向に二人は駆け出す。そしてマンティコアも、すぐさまその後を追った。
「オイオイオイ待てよ、逃げなくても良いだろォ!?」
「いや逃げるだろこんなの!」
撓る鞭のように、毒針を持つ尻尾が透を狙い、ぎりぎりでそれを見切った彼女は前方に跳び込むことでそれを躱した。
けれど、一度地面に倒れ込んでしまえば、即座にそれは窮地となる。
「ちっこいくせに良く逃げるな、イキが良いようで何よりだぜ」
きっとお前は美味いだろう、その言葉からは、そんな感想が見え隠れしていた。
「ええい、そんなに腹が減ってるなら――」
振り向きざま、透が懐から取り出したそれを次々と投擲する。
「どうぞこれでも召し上がれってな!」
投網は迫る敵の両腕を、投げ縄はその尾を絡め取り、一時的にその動きを縛る。そして最後の虎挟は、腹部に開いた大きな口を。
「あァ、しょうがねえなァ、いただきます」
「へっ?」
否。大きな口の中に落ちていった。巨大な口が閉じられて、バリバリと金属を咀嚼する音が聞こえて、もう一度それが大きく開く。透を丸呑みしてしまえるようなそれに。
「BOOOOOOOM!!!」
側面から、凄まじい勢いで尻尾が叩き込まれた。
「美味しイと危なイは紙一重。海の常識ヨ!」
「あ、あぶねー、助かった……」
サマーの『一番容赦ないやつ』、強烈な一撃に、マンティコアがふらふらと身体を揺らす。
「ぐォ……なるほどこれが伊勢海老の……!」
「じゃあな、マメ粒はそう簡単には捕まらないよ!」
何か納得している様子の敵にそう言い置いて、二人はまた距離を取るために走る。
「ちなみに、アタシは、マメとか気にしてないから」
「オーウ……」
まだ何も言ってないですけど。
敵の体力を確実に削りつつ、猟兵達はフロアボスを追い詰めていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セツナ・クラルス
…そりゃ、こーなるよな
(セツナは病欠です)
早いとこ休ませねぇとマジで風邪引くし
さくっと終わらせちゃろ
そうだなぁ
アボカドのディップとかどうだろ
おっと、焼いてねぇじゃんとかつまんねぇこと言うなよ
バーベキューだからって炭臭いのばっか食べてんのは素人なんだよ
玄人のオレが推すのは
敢えてのアボカドなんだよ
想像してみ?
味の濃いのばっか食べて、味覚も雰囲気もぐだぐだになってきた頃に
クーラーで冷やしといたアボカドのオアシス感!
んで、舌をリセットしたらまたバーベキューを再開したらいいさ
無限だぞ、エンドレスだぞ、やべぇだろ
首尾よく攻撃ができれば容赦なく
攻撃もエンドレスに喰らっとく?
遠慮しなくてもいいんだぜー
●食休み
「……そりゃ、こーなるよな」
「いや、すまないねぇ、ゼロ」
ユーベルコードで現れたセツナの別人格、『ゼロ』が、座り込んだセツナを見下ろす。流水のダンジョンをそのまま抜けてきたのが効いたのか、どうも調子が悪いらしい。
「とりあえずオレに任せて、そこで休んでろよ」
何しろ、この身体は一人のものではない。風邪を引かれるとお互いに困る。そう言い置いて、ゼロはセツナに代わって敵と相対した。
「で、テメェは何の食材だよ?」
包丁の先端を突き付けて問い掛けてくるマンティコアに、ゼロは自分の答えを告げる。
「そうだなぁ、アボカドのディップとかどうだろ」
「……あァ?」
「おっと、焼いてねぇじゃんとかつまんねぇこと言うなよ」
予想された反論に先回りしておいて、彼は続ける。炭臭いのばっか食べてるのは結局素人に過ぎない、と。
「玄人のオレが推すのは敢えてのアボカドなんだよ。想像してみ? 味の濃いのばっか食べて、味覚も雰囲気もぐだぐだになってきた頃に、クーラーで冷やしといたアボカドのオアシス感!」
ああ、きっとそれはさっぱりした気分に浸れるだろう。そうしてリセットして、また別の食材に向き合えば良いという事か。
「これなら無限に食えるだろ、エンドレスだぞ、やべぇだろ」
「……ああ、そりゃ確かに魅力的な話だな。でもよォ」
アボカドのディップの素晴らしさについては理解が得られたようだが、この戦いで重要になるのはまた別の話。主題は、相対した者がその食材として上質か否か、だ。
「見た目も行動も、別段テメェがアボカドに向いてるようには思えねえな」
「はあ!? 何だよお前も素人かよ……」
素人はこれだから、と嘆きつつもロッドを構えたゼロは、普通に襲ってくるマンティコアを迎え撃った。
ボス格の敵に一撃を加える代償はそれなりに重い。とはいえ、分身の体が掻き消えたところで、セツナには大した影響はなかった。
苦戦
🔵🔴🔴
リュー・メトカーフ
赤鴉f00221
イリスロッテf06216と
予め緑のベレー帽を被っておこう
私は獅子唐
ベレー帽はそのヘタを表す
獅子唐は辛いもの、辛くないものがある
食べてびっくり、驚き、しまったやられた。騙された
相手にそんな気持ちを抱かせる食材は私にぴったりなのさ
さあ是非ともご賞味あれ
無防備に前に出て
彼女が近寄るのを見て地面へ氷の魔術を放ち、ツルツルの床に
滑って転べば一番。バランスを崩すくらいでもいいだろう
おっとすまない。びっくりさせてしまったね
今度こそ無防備に前へ
だがそれは魔導蒸気によって熱した氷の槍から生まれた幻影
本物はこっちさ
今のは全部嘘だ
しまったやられた、騙された。そんな気持ちに少しでもなってもらえたかな?
イリスロッテ・クラインヘルト
【フルーツタルト】
リューちゃん(f01051)、赤鴉ちゃん(f00221)と一緒
イリスは…美味しそうな…食材…(首を捻り考える)
きっとカラフルで甘い、フルーツタルトの様な感じだとイリスは思うのです!
【虹色の愛】を展開してカラフル感とデザート感を出すのです。
お肉とお野菜の後には、甘いものはいかが!(可愛く跳ねて主張)
まあ、おいしそうには見えてほしいのですが、
食べられてはあげないのですよ。
…この花びらなら、食べてもいいのです
(防御も兼ねつつ、敵に花びらを飛ばす)
もし狙って貰えなければ、他のみんなを花びらで守るのです
食材判定貰えなくたって…
「…イリスおいしそうなのに」
…ちょっと残念とか、ないですもん
陽灯乃・赤鴉
【スペアリブ】
リューちゃん(f01051)、イリスちゃん(f06216)と参加。
しょうがないわね……。貴方を倒して焼肉代になってもらうとしましょうか。
私はそうね……スペアリブと言うところかしら。
見える? この肋のあたり。
程よく油がのってよーく調味料に漬け込んだスペアリブ。
しっかり下処理をして火が通ったスペアリブに噛みついたら美味しいでしょうねぇ。
リューちゃんの獅子唐で口の中をリセットした後にどうぞ
星の調理:下味を使用
塩分、糖分、脂質。つまり……タレね。
これを消費して攻撃力、つまり旨味を上げるわ。
スパイシーなお肉にかぶりつくのがバーベキューの持ち味でしょう?
さ、次はデザートよ
●スペアリブに獅子唐とデザート
「キミのやり方は効率が悪いな」
緑のベレー帽を頭に乗せて、リューは向き合ったフロアボスに語り掛ける。内容としては、そう、食材の品評についてだ。その場限りの外見や行動からそれを読み解くのは、時間がかかるし、限界だってある。
「料理には味見がつきものじゃないかい? 一口齧ってみれば良いんだよ」
「いやお前……それが簡単に出来たら苦労はしねェよ」
問答無用で撃ってくるドローンとは状況が違う事を実感する。やはり言葉が通じる相手は良いなと思いつつ、リューは返事を返した。
「少なくとも私は手間を駆けさせるつもりはないからね。この獅子唐、是非ともひとつご賞味あれ、といったところだよ」
そう言って、彼女は特に気負った様子もなく敵の前へと歩み出した。
「……変なやつだなァ、お前」
災魔はそれを訝しみながらも、そちらへと歩み寄る。すると。
「おっと、すまない」
リュウを中心に氷の魔術が発動、床面を平らな氷が覆い尽くす。つる、と滑ったマンティコアが、獣の四肢を前後に投げ出すような姿勢で氷の上に倒れる。慣性で、少しばかり前に滑りながら。
「……おい」
「いや、本当にすまない。びっくりさせてしまったね」
全く悪びれた様子もなくそう言って、リューは今度こそ無防備に、倒れたままのマンティコアへと歩み寄った。
災魔の腹部に線が引かれ、それがすぐに唇と化す。そうして開いた巨大な口は、リューを丸かじりにするように大きく裂けた。
「それじゃあ、一口いただくぜェ――」
がちん、と歯と歯がぶつかった時の音が鳴る。そして、齧られたリュー……否、熱した氷の槍から放った幻影が、その姿を消した。
「……オイコラテメェ獅子唐」
「ああ、すまない。今のは全部嘘だ」
凍った地面の向こうから、リューが声を掛ける。こちらこそ本物であると言うように、傍らには赤鴉とイリスロッテも立っていた。
「ほんと良い性格してるわよね」
「これが頭脳プレー……ですよね?」
「そういうことさ」
しれっと言いながらも、リューはそのユーベルコードを発動させる。
『発条仕掛の虚凍』、だまされた、と相手が思えば、氷の礫が降り注ぐ、
「ああ、良いだろうさ、甘んじて受けてやる」
獅子唐と言えば、見た目は変わらないまま、辛い物が混ざっているもの。相手の虚を突くことに長けたものなら、上質な獅子唐になり得ると言って良いだろう。
「でも、テメェ、あれだぞ。――覚えてろよ?」
巨大な氷の塊が一度、マンティコアに叩き付けられた。
「今度は私ね……食材はスペアリブと言うところかしら」
「イリスはきっとカラフルで甘い、フルーツタルトの様な感じだと思うのです!」
続けてアピールに入る赤鴉とイリスロッテだったが――。
「見える? この肋のあたり。程よく油がのってよーく調味料に漬け込んだ……って、ねぇ。聞いてる?」
「ああ、聞いてる聞いてる。でもよォ、テメェらの話は信用できねえからなァ」
赤鴉の問いに、半目でマンティコアが答える。調理器具を打ち鳴らしている当たり、とりあえず攻撃しようという意識があるのは明らかだ。
「……イリスおいしそうなのに」
「リューちゃん、ちょっと」
「いや、これは私は悪くないだろう、キミ?」
とはいえ、そう遊んでいられる状態ではない。赤鴉は手にメリケンサックをはめながら、『星の調理:下味』を発動、自らの戦闘力を増加させる。一方のイリスロッテは『虹色の愛』を発動、舞い踊る虹色の薔薇の花弁を自らの周囲に展開させた。
「どちらにせよ、食べられてはあげないのですよ」
「知らねえよ、食う食わないを決めるのは、オレだ!!」
床を素早く這い、赤鴉の前で急上昇する尾針を、イリスロッテの虹色の花弁群が捕まえ、勢いを殺す。リューの氷槍からの冷気がそこを突き、そして赤鴉は敵を追うように、至近距離で殴り掛かった。
「ええい、邪魔をするな!!」
毒針に頼らない、力任せの尻尾の一撃が赤鴉に届く。しかしそれはまた直前で、虹色の壁を展開したイリスロッテによって無効化された。
「お腹空いてるのですね? でしたら、この花弁なら、食べてもいいのです」
「何――!?」
早速マンティコアの第三の口が大きく開いて、それに喰らいつき始めた。
「親切な申し出だ、いっそ『甘い』と評しても良い」
そんな様子を見ながら、マンティコアが呟く。
「色に満ちた鮮やかな外見に、その甘味……良いデザートになりそうだな」
そして、先程はスルーされた赤鴉。ユーベルコードによって、彼女は運動神経の引き上げを行っているのだが、それよりも、真に注目すべきはその身体だろう。
塩分、糖分、脂質……動きが激しくなるのに合わせて、挟み込まれたそれらが彼女の身体から消えていく。つまり、マンティコアから見れば、徐々に味が上がっているのだ。
「スパイシーなお肉にかぶりつくのがバーベキューの持ち味でしょう?」
視線を察した赤鴉が挑発するのに対して、マンティコアは押し切られる形でそれに納得した。
「どうやら、テメェはテメェで良い肉になりそうだな……」
ふ、と動きと注意が緩んだところに、赤鴉の拳とイリスロッテの翼が襲い掛かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウィノン・ニタドリ
【SSFMα】
【メープルシロップ】
(兄三人に甘やかされた末っ子の甘えんぼ。きっとコクのある甘さでしょう)
遅れてしまいましたが間に合ったかな?
え?うん、はなちゃんの友達だけど…
やる?えっ、あっやれる!やれるもん!
皆と遊びにいきたいし!がんばる!
メープルシロップ?
甘いの好きだけど…甘ったれって絶対思ってる…むう
【WIZ】
マンティコアも桜吹雪の中であまーくなっちゃえ!
技能【先制攻撃・2回攻撃】舞い散る桜でマンティコアの視界を覆って攻撃の邪魔が出来るように射程に気をつけ、【見切り・残像】で攻撃を躱しつつサムライブレード【翠鳥】で斬撃攻撃
霄・花雫
【SSFMα】
【林檎】
(華やかな甘さ。一皮剥けば瑞々しい白さと潤い!)
ふふー、灯くんナイスタイミング!
わー!ウィノンちゃんまで!
やったー、シャルちゃんこれ終わったら4人で遊びに行こ!
鰭は全部しまっておくよ
魚っぽさは減らしといた方がきっと良いもんね
必要ない部位だーって切り落とされちゃうかもしれないし!
水の姫ねぇさまに頼んでウォーターカッターで尻尾切り落としちゃお!
みんなが攻撃しやすいよう【誘惑、挑発、パフォーマンス】で敵を惹き付けて【ダンス、野生の勘、見切り】で避けるよ
へ?林檎?
いやまあ水洗いされたし程よく焼かれはしたけど……
林檎は焼くと甘くなるってそんなの知らないよ!
シャルロット・クリスティア
【SSFMα】
【ミント】
(果物にそっと添えて。主役を引き立てる爽やかな援護射撃)
灯さん!?
それに、そちらの方は……花雫さんのお知合いですか。
すいません、助かります!確かにちょーっと厳しめな相手のようですので!
隠れ身の外套で姿を消し、【目立たない】よう、【地形を利用】し狙撃ポイントの確保を。
【視力】を凝らし、仲間や敵の攻撃に合わせ【早業】の【スナイプ】で【援護射撃】。
敵の隙を作り、仲間が攻め入りやすいようにします。
撃ちこんだらこちらを捉えられないよう、再び振出しに戻って再移動。
……しかし、オレンジと言いリンゴと言い、バーベキューと言うより食後のデザートみたいになってきましたね……。
皐月・灯
【SSFMα】
【オレンジ】
(つれない酸っぱさ、だけれど甘みを含んだ言動といったところでしょうか)
……ったく、余計な仕事増やしやがって。
前衛無しでヤツの相手とか、お前ら食われてーのかよ。
……おい、そこの女。アンタ花雫の知り合いか?
やれねーなら下がってろ。
……やれるんなら、付き合え。
ヤツの毒針が肌に触れる寸前を【見切り】、
《轟ク雷眼》の術式を走らせた手で掴み取るぞ。
動きが止まれば、攻め立てるにゃ十分だろ?
――あ? オレンジ?
ああ、オレ達を食材扱いしてんだっけか、てめーは。
あいにくだな二口女、こちとら洗ってねーし火も通ってねー。
ついでに言やあ……そうだな。
てめーに食わせてやるもんは、ひとつもねーよ!
●シロップ浸けフルーツのミント添え
ああ、敵は手負いだ。
足音に息遣い、そしてその動く様からそれを実感しながら、シャルロットは視界の中心に照星を置く。迫り来るのはフロアボスであるマンティコア、この間合いと速度なら一発は撃ち込めるだろう。だがそれで仕留め切れるか? 花雫が盾になってくれたとしても、ドローン相手のようにはいかない――。
けれど、銃口が揺らぎかねないその逡巡を遮るように、『盾』がマンティコアを迎え撃つ。彼のガントレットに塗られた魔導塗料がその力を発揮し、光が広がり、壁と成る。衝突の勢いを殺し切るのは難しく、彼自身は大きく弾き飛ばされるが、マンティコアの側もバランスを崩して突進を止めていた。
「……ったく、余計な仕事増やしやがって」
「灯さん!?」
弾き飛ばされながらも、倒れることなく着地した彼――皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)の姿に、シャルロットが声を上げる。
「ふふー、灯くんナイスタイミング!」
続けて花雫も同様に。けれど、どこか嬉しそうなその声に、灯は溜息を一つ。
「前衛無しでヤツの相手とか、お前ら食われてーのかよ」
相手は見ての通りの猛獣だ。彼の言うように、至近距離で相手取れる者が居るか居ないかで、状況は大きく変わるだろう。
「遅れてしまいましたけど、間に合ったかな?」
そんな中、ウィノン・ニタドリ(真贋モルダバイト・f00932)もまた、彼等の元に駆けつける。
「わー! ウィノンちゃんまで!」
歓声を上げる花雫。その声質から関係性の予想はつくが。
「……おい、そこの女。アンタ花雫の知り合いか?」
「え? うん、はなちゃんの友達だけど……」
灯とウィノンがそう言葉を交わす。はじめまして、とかご紹介を、等とやっている暇は、残念ながらない。
「やれねーなら下がってろ……やれるんなら、付き合え」
「やるって……えっ、あっやれる! やれるもん! 皆と遊びにいきたいし! がんばる!」
素っ気ない言葉に、ウィノンが何度も頷いて返す。その理由はともかく、決意は固いもののようだ。
「二人共すいません、助かります! 確かにちょーっと厳しめな相手のようですので!」
体勢を立て直してこちらを睨む敵の様子を、シャルロットは見て取る。あまり悠長に喋っている時間はないようだ。
「やったー、シャルちゃんこれ終わったら4人で遊びに行こ!」
「無事に終わったら、ですよ。良いですね……?」
飽くまで軽いノリの花雫の言葉を聞きながら、外套を羽織り、シャルロットはその場から姿を消した。
「あー、テメェらここまで『居なかった』奴だな?」
現れた二人の様子を確認しながら、マンティコアが言う。ドローン越しに猟兵達の姿を見ていたが故に、その辺りの動向には敏いらしい。
「まァいいさ、食い物が増える分にはオレは歓迎だからなァ」
「食い物? ああ、オレ達を食材扱いしてんだっけか、てめーは」
両腕に施した術式に火を入れながら、灯は宣言通り前に出る。進み出るマンティコアと、相対する形。
「あいにくだな二口女、こちとら洗ってねーし火も通ってねー」
「あァ? カッコつけて誇る所じゃねェんだよそれは」
敵が踏み出すのに合わせて、ちゃ、と突き出た爪が床に当たる。
「邪魔してしまってごめんなさい、だ。謝るトコからやり直せ」
踏み込みは一瞬。互いに前に出た両者は急接近し、瞬く間にそこは魔拳士の間合いだ。
けれど、巨大で重いはずの武骨な包丁を、マンティコアは手首に乗せて遊ぶように、くるりと回す。馬鹿でかい刃が高速で一回転、刃の颶風が灯を襲う。
がん、と音を立てたのは旋回する包丁の先端部分。シャルロットの狙い澄ました銃撃が、突き立てられるはずの刃に側面から辺り、軌道を逸らす。さらに灯が左腕に展開した盾でそれを押しやり、踵に仕込んだ術式を発動させて宙を踊る。移動先は、マンティコアが目を失った側だ。
「――痛ってェな!」
死角から放たれた一撃に呻き声を上げて、代わりに尻尾を鞭のように振るう。おそらくはあてずっぽうのそれが、灯の身体を空中で撥ね飛ばした。追撃にかかろうとする、そこに。
「桜吹雪の中であまーくなっちゃえ!」
『桜闇』。ウィノンのユーベルコードによって転がっていたドローンの破片が桜の花びらへと変じ、桜吹雪となってマンティコアの行く手を阻む。
「今度はテメェか! 鬱陶しい!」
またも邪魔された形で、災魔が喚く。けれど、視界を埋めるそれを見る目は、どこか満足気だ。
目くらましの中で敵の動きを見切り、距離を詰めたウィノンは、緑の拵えの刀を抜く。刃の一閃、だがそれが命中したのはフライパンの表面だけだ。
「テメェからはちっと甘い匂いがする程度だったが、こうして全体を覆う気概もあるらしい。まあぎりぎり認めてやっても良いぜシロップ」
「し、シロップ? 甘い匂い……?」
突然訳の分からないことを言い出した敵に、ウィノンが目を白黒させる。
「あ、甘いのは好きだけど……」
「言動が甘ったれのそれだって言ってんだよ、分かるか?」
「……むう」
兄三人が居る末っ子のウィノンにはそういう面もあるのかも知れないが、とにかく。状況が戦闘中なのは変わらない。戸惑いながらも振るわれた刃は、今度は止める者もなく、すんなりとマンティコアへと太刀傷を与えた。
「しょうがねえよなぁ、良い食材だもんなァ……んで、そっちの林檎もちったあマシなやつなんだろうな?」
掲げた包丁の柄が、花雫の輝く薄翅を弾き返す。
「へ? 林檎? いやまあ水洗いされたし程よく焼かれはしたけど……」
鰭を仕舞って魚らしさを減らして、花雫はあえて自らを見せつけるように振舞う。
「林檎は焼くと甘くなるって言うけど、どうかなー?」
「何だよ、確かめてやろうかァ!?」
それに対し、猫のように上空に飛び上がったマンティコアは、腹部に巨大な口を生じさせて花雫を襲う。
――銃声。こちらも野生の勘だろうか、音よりも早く飛んできた弾丸に、マンティコアが首を傾げるようにして直撃を避ける。頭部を狙ったそれに、豊かな髪の束とこめかみの肉を持って行かれ、災魔は顔を顰めた。
視線を向けたところで、透明化する外套をかぶり直し、移動したシャルロットを見つける事はできない。
「ああ、クソ、だからミントは苦手なんだよ!」
とはいえそれでも、攻撃は止まらない。飛び掛かりから逃れた花雫を、蛇のように尻尾が追う。が、それを読んでいた者が一人。
「アザレア・プロトコル3番――《轟ク雷眼》!!」
右腕に走る術式が、雷撃に形を変えて紫電を上げる。その腕で、灯はマンティコアの尻尾を掴み取った。
「てめーに食わせてやるもんは、ひとつもねーよ!」
「――!!」
尻尾から体に駆け抜ける電撃に、マンティコアが身を震わせる。その間に、ウィノンの刀が、花雫の『水の姫ねぇさま』による水流が、ダメージを重ねた。
「……ああ、刺激的なもんだなァ、オレンジ」
そんなことを口にしながら、視線ではそれを探してしまう。苛立たし気に、災魔は吠えた。
「どこに居るのかわかんねェのにこれだけ存在を主張してくるとは……ふざけやがって良いミントだな!! でも好きじゃねェからなオレは!!!」
そしてもう一度、銃声がこだまする。
大成功
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レイニーア・ノックス
wiz
連携アドリブ大歓迎
食材的には厚目の柔らかなステーキ
『嘗めないでください!料理されるつもりなんてありませんよ!』そう叫ぶと空へと飛び、攻撃を構える。【高速詠唱】で矢継ぎ早に詠唱を唱えるや、誓約から召喚されるワイバーンの様々な【属性攻撃】の【誘導弾】が展開され【一斉発射】される。
しかし、あくまでこれは様子見であり、本命は【二回攻撃】の第二波で更に力を込めた【全力魔法】コードが今か今かと待ち構えている。
『食べきれなくても知りませんよ!』【空中戦】の技能で空を飛び、【残像】で翻弄。
危なそうであっても【見切り】で回避を狙い、避けれなければ【オーラ防御】が展開される。
ヴィクトル・サリヴァン
【肉】
さえずり…うね…魚肉ではないと思いたい。
でもマンティコアの認識が大事そうだからなー。
いずれにせよここにいるのはただの食材、けれど食べた者を返り討ちにする猛毒でもある。
しっかり洗って臭みを取り熱も通し。ここにあるのは十分に下拵えは済んでいる。
魚に見えて魚に非ず。…珍味に見えるけどさて、お味はいかがかな?
…いやどう返されても反応に困るんだけど。
向こうは何が何でも喰いたいんだろう。
だったら一口位は齧らせてやる意気込みで。
その代わり口にした分のお代は払って貰う。
何処かの部位で噛みついた直後に銛を至近距離から投げUC発動。
今度はキミが食べられる番だ。巨大な水の鯱でぱっくりと。
※アドリブ絡み等お任せ
●何肉?
「当ててやろう、テメェらは肉だな!?」
「そりゃまぁ、肉は肉だけどね」
食材として考えなくても、肉であることに変わりはあるまい。マンティコアの言葉にヴィクトルが苦笑する。一点問題があるとするなら、そう、さえずりとかうねとか言われないかというだけだ。ちなみに尾のくびれの辺りが高級食材になるらしい。
「質はともかく、少なくとも食い甲斐はありそうじゃねぇか! はっはァ!」
これまでの戦いで傷を負いながらも、災魔は愉快気に笑う。ああ、でも、そっちがどうかは知らないけれど、と視線を投げられたのは、翼を広げたレイニーアだ。
「嘗めないでください! 私は料理されるつもりなんてありませんよ!」
「いや、オレもそんな気はないんだけどね」
空中へと舞い上がる彼女の下でヴィクトルが三叉の銛を構える。上方から聞こえるのは高速の詠唱。それで展開された術によるものだろう、レイニーアの声に応え、現れた翼竜達が翼を打ち鳴らす。
「おーおー、急に派手になったなァ」
上空から降り注ぐ様々な色のブレスを、ぶん回した食器で受けながら、災魔はその眼をヴィクトルへと集中させている。
見られている、という妙な実感を味わいながら、ヴィクトルは考える。
しっかり洗って臭みを取り熱も通し、下拵えは済んでいると言って良いだろう。
「この身は魚に見えて魚に非ず。珍味に見えるだろうけど……君はどう評するかな?」
「そう緊張すんなよ、一口齧ってみれば話は早いだろォ?」
レイニーアの指示により、ワイバーン達が誘導性の攻撃を一斉に放つ。火球だったり魔力弾だったりするそれの間へ、マンティコアは溜めた力を放出するように走り出した。
広い弾幕はマンティコアを何度か捉えるが、本命であるべき攻撃は包丁の一閃で、巨大な口の一呑みで、次々と打ち消されていく。
「とりあえずよォ、邪魔はすんなよな!!」
だん、と床に轍を刻んで、マンティコアが猫のようにしなやかに、跳ぶ。
「――!?」
咄嗟に、レイニーアは防御態勢に入る。先程の一斉発射は様子見に過ぎず、本命の第二波はここからのはずだった。
大口開けたまま突っ込んでくる巨体を躱し、包丁は見切る。しかし見切りそこねた最後の一手、背中側に回されていた尻尾の一撃がオーラ防御を抜けて突き刺さった。
「さあ、おいしくなあれ」
毒が、呪詛が、流れ込んで、身体の動きを奪われた彼女は地へと落ちる。その後を追うように、実質ただただ重力に引かれて、マンティコアは彼女の上から襲い掛かった。
「はっはァ! テメェの味見をしてやるよォ!!」
「――何が何でも喰いたいようだね」
そこに、ヴィクトルが立ち塞がる。巨体を生かして壁となり、レイニーアに向けた巨大な口へ、自らを晒す形。胴と頭部を守るように出した腕に、災魔が喰らい付いた。
「ハハハ、中々楽しめそうな味してやがる」
「はいはい、でもその前に、口にした分のお代は払って貰うよ……!」
突き出された三叉銛は、間違いなくマンティコアに突き刺さる。そしてそれを合図に、ユーベルコードが発動。『大海より来たれり』、銛が傷を刻んだ場所に、『それ』が狙いを定めた。
「今度は、キミが食べられる番だ」
回廊の外、広がる水場から一つ、飛沫が上がる。巨体に似合わず静かに、飛び出した『水の鯱』は逆にマンティコアへと喰らい付いた。
「うおおッ!? ははは、やってくれるじゃねえか! 肉として十分美味いぜテメェはよォ!!」
噛み付いたそれは、濁流で押し流すように敵の体勢を崩させる。あとは、そこに、呪毒の影響を脱したレイニーアが自らの得物を向けた。
「もう、食べきれなくても知りませんよ!」
『ノイン・ドラッヘ・ゲブリュル』、九つの魔法陣が宙に描かれ、そのそれぞれが、ドラゴンブレスを吐き出した。炎が、氷が、確実に敵を疲弊させていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アイン・ローレンス
【WIZ】
【食材:炭酸水】
口に入れば何でも食材です!
透き通るように輝く氷、冷たくひえた水、しゅわしゅわとした刺激……
氷水雷と属性魔法を使いこなす私にピッタリでしょう!
ジュースに混ぜても、ご飯を炊いても、お肉を漬けても
何とでも相性の良い炭酸水
私も皆さんが動きやすい様に精一杯サポートします!
尻尾の動きを注視して毒針を【第六感で見切り】避ける
味方に向かう毒は【属性攻撃】風の魔法で【吹き飛ばし】
【範囲攻撃、全力魔法】
「這子の雷鳴」で敵の動きを封じる
効果が切れそうになったら【2回攻撃】で再度動きを封じる
大人しくしていて下さい
食材にボコボコにされるだなんて滑稽ですね
パウル・ブラフマン
【SPD】
引き続きスナさん(f03519)と!
オレは生鮮野菜…新米の運転手、そう『お米』!
抜群の【コミュ力】でどんな組み合わせとも相性抜群。
腹を満たす優しさとほのかな甘さが持ち味なんだよ。
行くよGlanz!UC発動!!
スナさんも振り落とされないでくださいね♪
【地形の利用】を念頭に
全力で【運転】テクを駆使してマンティコアを翻弄したいな。
距離を保ちつつKrakeで狙撃。
調理器具を狙って撃ち落とせないか試してみるね。
『醤油』のスナさんと合体し炎を放つ時!
Glanzごと燃え上がるオレ達は
団結し真の『焼きおにぎり』となるのだ!
特攻も任せて下さいスナさん!ヤツの腹に飛び込んじゃうゾ♪
※絡み&アドリブ歓迎!
スナッチ・ベット
【WIZ】
パウルくん(f04694)と
さて、ついに回廊主とのご対面です
人間を食材に見立てて食らう災魔に
僕ら『焼きおにぎり』が挑みます
醤油先輩の僕は新米後輩タコくんを引き立てカバーする味付け役
故に、狐火を駆使してタコくんの攻撃を援護しつつ
【オーラ防御】+【かばう】で敵の攻撃からGlanzごと彼を守るね
おいしくなあれは、念の方は許容できるけど
毒なんて別の味付けを加えたら
せっかくの焼きおにぎりが台無しだよ
と【言いくるめ】で未然防止
ラストは、狐火でGlanzごと炎を纏ってマンティコアさんにブッ込んでいこう!
君ならイケるよね、タコくん
焼き立てをたらふくどうぞ!
僕たちを丸ごと受け止めてー💕(ちゅどーん)
●炭酸水で炊いた感じの焼きおにぎり
パウルとスナッチ、エイリアンツアーズの二人組を乗せたバイクが、ゆっくりと最奥部へと向かっていく。今回の宣伝動画も、そろそろ佳境である。
「さて、ついに回廊主とのご対面です。人間を食材に見立てて食らう災魔……それは一体どんな顔をしているのでしょうか」
「おっ、見てよスナさん、あれって……」
「おっと、タコくんが先に見つけてくれましたね、先客がいるようです」
カメラが、そちらのマンティコアと、それに相対する一人へとピントを合わせた。
「あァ、何の食材だって? もう一回言ってみろよテメェ!」
「ですから、『炭酸水』です! 口に入れば何だって食材でしょう!?」
脅しにかかるようなマンティコアに、パウル達の前に接触していた猟兵――アインは、逆に反骨心を露に叫んでいた。
「うんうん、何かとんちきな会話をしているねえ、ちょっと様子見ようかタコくん?」
「了解でーす」
宇宙バイクが、勢いを緩めていく。
「透き通るように輝く氷、冷たくひえた水、しゅわしゅわとした刺激……属性魔法を使いこなす私にピッタリでしょう!?」
そんな言葉の通り、アインは操った水流を一定の形で凍らせ、氷の壁としてマンティコアの行く手を阻む。
それを包丁で砕き、踏み越えて、災魔は彼女に向かって叫んだ。
「うるっせえな! それでも単品ゼロカロリーじゃ喰ってる意味がねえだろうが!!」
「それは単品だからでしょう!? ジュースに混ぜても、ご飯を炊いても、お肉を漬けても
何とでも相性の良いのが炭酸水ですよっ!」
「だったらそれを連れて来いよ! どこに居るんだか知らねえけどな!!」
冷気を伴う風で体力を奪いにかかるアインだが、それでも構わないのか、マンティコアは逆風の中素早く距離を詰めてきている。
攻め来る迫力、プレッシャーは見せかけだ、とアインの第六感が囁く。毒針を伴う尻尾が来るぞ。だが、どっちからだ?
「そんなアナタにお米をお届け、エイリアンツアーズのバイク便サービスだよー♪」
ぐしゃーっ。
「痛ってえええええ!!?」
アインの背後に回り込んでいた尻尾を、突っ込んできたGlanz――パウルとスナッチを乗せた宇宙バイクが轢き飛ばしていったのだ。
「おォイ、テメェ! 突然出てきて何様だよ!!」
ぎゃあぎゃあと喚く敵に向かって、二人は揃って名乗りを上げる。
「新米運転手こと『お米』と!」
「新米の後輩タコくんを引き立てカバーする味付け役、『醤油』だよ」
「せっかくだから援護しちゃうね☆」
「是非とも! こちらも精一杯サポートします!」
レベル高いコミュ力を発揮し、軽い調子で親指を立てたパウルにアインが応じる。けれどそんなもの、災魔としては喜んでいるわけにもいかない。
「だあァ! 生意気な口利きやがって、どうやら焼き目が足りねえようだなァ!!?」
魔力でフライパンを赤熱させ、炎をも纏ったそれが振り下ろされる。そこに立ちはだかったのは、オーラ防御の障壁を纏ったスナッチだった。
フライパンを受け止めた腕に、障壁越しの激しい熱が伝わってじゅうじゅうと音を立てる、そこに。
「それでは、お願いします!」
アインの起こした突風が、フライパンの纏う炎を一時的に吹き飛ばす。
「りょうかーい!」
露になったフライパンを、パウルの触腕に装備された砲塔が狙撃、敵の装備を引き剥がした。
連携は思いのほかうまく行っている、ならばやる事は一つだ、とスナッチは平然と次の選択肢を選び取った。
「よーし、良い感じだからこのままブッ込んでいこう! 君ならイケるよね、タコくん」
「任せて下さいスナさん! ヤツの腹に飛び込んじゃうゾ♪」
『狐火』、スナッチの操る炎がいくつかの塊に分かれて、ランクアップ演出のようにパウルとバイクを飾り立てる。炎上しているように見えなくもないが。
……と言うか、この二人は何を言っているのか。理解したアインが「この人達どうかしてるな」って顔をして、理解が追い付かない様子のマンティコアが首を傾げる。
「――あァ?」
「焼き立てをたらふくどうぞ!」
エンジンが思いっ切り吹かされるのを聞いて、状況を悟ったマンティコアがその場を離れようと動く、が。
「大人しくしていて下さい、相手は食材なんでしょう?」
『這子の雷鳴』、アインが杖で突いた床の一点から電撃が走り、災魔を打ち据えて、その場に釘付けにしてしまう。
「う、おォ……!?」
逃げられる前にもう一撃、電撃を流したアインの横を、Glanzの銀のボディが炎を反射しながら、走り抜けていく。
「は? ちくしょう良い連携じゃねェか、炭酸水で炊くと米は旨くなるっていうけど本当だな! ところでそれはそれとしてテメェら本気で――!?」
「僕たちを丸ごと受け止めてーー!!!!!」
スナッチの叫びがこだまして、炎に包まれたまま疾走した二人――熱く燃える焼きおにぎりは、そのままジャンプしてマンティコアの開けた大口へと突っ込んでいく。
ちゅどーん。
何だかよく分からないけれど、上がった煙はハートの形をしていた。
●ばーべきゅーの終わりに
「くう……どうにも、やはり数が多いな」
猟兵達とのここまでの戦いを経て、かなり疲弊した――満身創痍の状態でマンティコアが笑う。呼吸に合わせて肩が上下している。限界は近そうだ。
「さあ、そろそろ観念してお召しになりませ!」
スフィンクスに仲間達と共に騎乗して、追い付いたみよしが災魔にそう迫る。
「好き放題いってくれるなァ桃め。喰ってやりたいのはやまやまなんだぞ、オレとしても」
スフィンクスの上に居るのは海鮮焼きそばだろうか? 他の食材も集まってきているのが見える。既に空になった左手も添えて、マンティコアは両手でその包丁を握った。
「全く……とんだ豪華料理になりそうだなァ」
「アタシ達のフルコース、全身で味わえ~!!」
スフィンクスの動きから勢いを付けて、いち早く飛び出した真多子の触腕を使ったラッシュが、手数で敵を圧倒する。たまらず下がったそこで、マンティコアは周囲に張り巡らされた鋼糸に気付いた。
逃げ場はない、と言うように、糸の根元であるグローブを弄りながら、絲が告げる。
「お肉にソーセージに海老、それをより美味しくする玉ねぎにキャベツにエリンギ……それだけじゃないけど、豪華なBBQのお味はいかが?」
「うるせえな、ちょっと食休みが要るだけだ。すぐに、全員まとめて平らげてやるからなァ……!」
「大変ね。味とか変えたい頃じゃない? うちのタレ使う?」
「そうだね、じゃあセロ」
「今そういう空気じゃねーですよね!?」
花世とセロも逃がさぬようにと距離を詰めている。それとは別に包囲を狭めていく糸。絡みつけばまた電撃が流れるのだろうか。流れるだろう。
「さあ、ご馳走様も言えないくらいに、満足させてあげようか」
花世の言葉を皮切りにマンティコアも動く。巨大な包丁を力ずくで投擲し、糸に触れぬまま脱出する道を作る。持ち前の俊敏な動きで一跳びに、一時包囲を脱する。が。
「ちょっと焼肉代が要り様なの。倒されてもらうわよ」
身体強化の効果をそのままに、正面から赤鴉がそちらに駆け出している。
「なるほど、とどめボーナス狙いだね」
「そんなのあるんです!?」
「あったらいいね、という話さ」
イリスロッテにそう返して、リューが氷槍を地面に立てる。それと同時に地から突き出した氷の柱が、雑な階段を作って赤鴉を運ぶ。
「そっちからくるなら遠慮はしねェぞ、スペアリブ!!」
『暴飲暴食』。大きく広げたマンティコアの両腕に、胸元を通して牙の列が生じる。両腕は大顎に、抱擁はそのまま咬撃に、咀嚼になる。彼女の放つユーベルコード。
「さあ、『いただきます』ってなァ!!」
「――でも、食べさせてはあげられないのです」
先程も言いましたけど、とイリスロッテが呟く。
彼女の舞わせる無数の花弁が赤鴉を追い抜き、敵の眼を晦まし、『大顎』が閉じないよう力を加える。赤鴉は落ち着いて、そこに片手を添えて、最後の拳を叩き付けた。
地に落ちた獣は、無念そうな悪態と共に力尽き、骸の海へと還っていった。
「……しかし、オレンジと言いリンゴと言い、バーベキューと言うより食後のデザートみたいなメニューも大量でしたね……」
人のことは言えませんけど、と呟いて、シャルロットは引き金から指を外して、外套を脱いだ。風を感じて、張り詰めていた空気を肺から吐き出す。
「シャルちゃん!」
ようやく見つけた、と声がして、花雫が灯とウィノンを連れてこちらに向かっているのが見える。ああ、この後は遊びにいくのだっけ。頭の中を切り替えて、彼女はそちらに手を振った。
「祝勝会は焼き肉だぞ!」
「経費で食べる祝勝会、待ってましたー!」
社員慰労的なアレだろう、パレードの宣言に璃歩留が歓声を上げる。そんな気配を感じ取って、べりるは鋸を収めながら、自分たちの上司に目を向けた。
一応ほら、誕生日と言う名目があったはずで。
「ねぇ室長、うちは?」
「……なんだよ、もうマシュマロ食べたろ? 俺のマシュマロを」
「ふーん……」
彼女だけでなく、一同の視線が、刺さる。
「ふう……今回は大変だったわねぇ、リィ」
「そう? 僕は櫻宵の色んな顔が見れて楽しかったけど……そんなに疲れたなら、帰りに美味しいケーキでも買っていく?」
「うふふ、いいわね。美味しいケーキでお茶しましょ!」
そう言って、リルと櫻宵は連れ立って歩き始めた。……その内に、状況を察したグリモア猟兵が地上への道を開くだろう。
「僕はあの水路を戻っても良いんだけど」
「あたしは……さすがにちょっと……」
冗談だよ、とリルが笑う。
猟兵達の活躍により、晩餐回廊と呼ばれるこのダンジョンに、一時の平和が齎された。
大成功
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