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宇宙監獄要塞への侵攻

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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 スペースシップワールドにも監獄は存在する。それもそうだろう、人が社会を形成する以上、犯罪もまた無くなる事はない。犯した罪、囚人の凶悪性、政治的な理由などなど。様々な理由から、一般の船と隔離された収監施設が必要とされるのもまた然り。このヘイトボーン203はそういった背景で運用されている『監獄船』である。一般市民には縁遠く、好んで行きたい場所でもない。そんな宇宙船にひっそりと近づく黒い強襲艇の影があった。

「状況はどうなっている!」
「侵入者はセキュリティを奪ったようです!迎撃システムがコントロールを受け付けません!」
「バカな!?この船のセキュリティを、こうも容易く……」
 けたたましく鳴り響くアラーム。刻一刻と悪化していく状況。本来、侵入者を迎撃するはずだったセキュリティは敵の手に落ち、迎え撃った警備員を無力化している。監視カメラの映像がまた一つ沈黙した。奪われたセキュリティや交戦状況から敵の進路は分かっている。敵は、この船の中枢であるここ、制御区画を目指しているのだ。
「この船には極悪犯も収監されているんだぞ。万一、何かあれば……」

「皆さん、スペースシップワールドでオブリビオン……銀河帝国の襲撃を予知しました。」
 グリモアベースを行き交う猟兵たちに向け、アルトリンデ・エーデルシュタインが呼びかけた。足を止めた猟兵たちにアルトリンデは状況を説明していく。
「狙われたのは監獄型の宇宙船です。何でも、脱獄のしにくさとかの理由で一般の船とは独立して監獄だけの構造になっているのだとか。」
 とはいえ収監している囚人の数も多く、ちょっとした要塞のようになっているのだとか。無論、脱獄や襲撃など内外からのアクシデントに対しても高い保安性を持っている。通常のならず者程度ならば問題なく対処できるほどに。だが、それもオブリビオンである銀河帝国相手では通用しなかったようだ。
「銀河帝国の襲撃部隊の目的は不明ですが、囚人・監守ともに殺さず捕えているようです。もしかしたらバトルドロイドにする為なのかもしれません……」
 アルトリンデの顔に影が落ちる。戦闘に適した素材を確保するための行動なのかもしれない。そうであるならば、たとえ今生かされていたとしても……。それに襲撃部隊は殺しはしないが無力化する為の手段は選んでいない。脳神経が無事であればそれでいい、という事だろう。抵抗をしないものまで攻撃していないのがせめてもの救いか。
「襲撃部隊は帝国騎士一人に多数のバトルドロイドで構成されています。現在、帝国騎士は制御区画の中央管理室へ向けて進行しています。まだ制御区画のすべてが奪われたわけではないようですが、時間の問題です。」
 さらにセキュリティをハッキングしているらしく、侵攻した区画の迎撃システムは敵の手に落ちた。元々あったレーザーカッターや電磁ネット、神経ガスなどは強化され、持ち込まれたらしいレールキャノンなどの大型兵装も使われている。非常用の隔壁での遮断や、逆に足元の隔壁を落とし穴のように開くなども考えられる。
「皆さんにお願いしたいのは、このセキュリティ群を突破し、帝国騎士を撃破する事です。」
 監獄の構造上、区画同士が内部からは行き来できないようになっている。なので帝国騎士を叩くには、襲撃部隊の侵攻と同じく制御区画から行くルートしかない。多少派手に暴れても他の区画に影響が出にくいのはメリットとも言えるかもしれないが。
「迎撃システムは破壊しても構いません。監獄が無事に取り戻せれば修復もできるのですから。あ、ハッキングで奪われたものですから逆にハッキングして取り返すのもいいかもしれませんね。」
 元が元なだけに難しいかもしれませんがと付け加え、対処法はお任せしますと続けた。幸いというべきか、バトルドロイドは制圧の終わっていない所に集中的に配置されているのか最初の転送地点からしばらくはセキュリティ任せになっている。
「帝国騎士を倒せば騎士が指示を出しているバトルドロイドも無力化できるはずです。一刻も早く追いつき、そして倒してください。」
 よろしくお願いしますと言葉を結び、アルトリンデは猟兵たちを制御区画へ続く貨物ドックへと誘うのだった。


こげとら
 マスターを務めさせて頂きますこげとらです。今回もよろしくお願いします。

 捕捉になりますが、囚人も監守も部屋などに監禁されてるか閉じこもっているので特に何もしなくても死ぬことはありません。探して手当てする、などの行動は可能です。
 また、今回は制御区画以外へは行くことはできません。
 攻略方法は猟兵ごとの個性にお任せしたいと思います。セキュリティを力業で踏みつぶすもよし、躱すもよし、無効化するもよし、です。

 では、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『重要管理区画への侵入』

POW   :    セキュリティや敵の攻撃を力づくで排除し進む

SPD   :    セキュリティや敵の配置の穴をつき素早く進む

WIZ   :    セキュリティは解除し、敵を避けながら慎重に進む

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月守・咲凛
「一気に突撃、です!」
スラスターを起動させて、3Dシューティングゲームみたいな感じに、
センサー等はライフルやガトリング等射撃で破壊、隔壁等はミサイルで粉砕、攻撃はバレルロールしながら回避、など、一気に奥を目指して飛んで行きます。



転送された地点から、制御区画の中枢へとつながるゲートが開放される。その中へいち早く飛び込んだのは月守・咲凛。ゲートの先は元は貨物運搬用の通路か、それなりに広さのある通路だった。咲凛は背の翼からスラスターの噴射光を曳きながら速度を上げて飛翔した。

「一気に突撃、です!」

 ゲートの開放に伴い、セキュリティシステムは迎撃のために動き出している。標的を捉えるべくこちらを狙うレーザーサイトをガトリングの掃射で黙らせ、監視カメラを搭載したドローンをライフルで撃ち抜いていく。
『警戒レベル上昇……侵入者ノ迎撃ヲ優先シマス』
 機械的なアナウンスが響くと同時に、壁面からのみならず浮遊するドローンからも高出力のレーザーが一斉に放たれる。それを視認した咲凛は速度を落とすことなく突き進む。

「1ドット掠める所からが始まりです!」

四方八方から咲凛を撃ち抜かんとするレーザーを各部のスラスターを巧みに吹かして抜けていく。方向転換することなくバレルロールを駆使しながらレーザーを掠めるようにすり抜けていく様は、天から落ちる雨水を躱すかのようだった。やがて通路の終点にたどり着き、次の区画への道を閉ざしている隔壁をミサイルの一斉射で粉砕した。

「区画を封鎖していた隔壁を破壊しました。引き続き、奥へと向かいます!」

 スラスターを吹かせ、咲凛は次の区画へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メイスン・ドットハック
監獄用セキュリティとなれば、厳重じゃろーのー
じゃけど、餅は餅屋じゃけー

【WIZ】
まずは製造元の同型宇宙船の情報を集める(情報収集、ハッキング)
セキュリティシステムにハッキングを仕掛ける(ハッキング、鍵開け)
ハッキングが成功してやることは
・神経ガスの無毒化
・元々配備してあった攻撃施設のコントロール権の掌握
・隔壁など施設の操作権(罠使い、地形の利用、ハッキング)

全部が無理でも、一部だけでも奪取し、長くコントロール権を握る。仲間の進路が安全であるように最善を尽くす(時間稼ぎ、ハッキング)

ハッキングに専念するために、守りは設備の攻撃施設に任せるか、仲間に守って貰う
緊急の時は名前のない宝石で隠れる



「派手にやりよるよーじゃのー。」

 先ほど揺れたのはどこかで派手に爆破でもしたのか。メイスン・ドットハックは辺りを見回した。事前の調べが確かなら、このあたりにシステムの端末があるはず……あった。あたりに警備のドロイドなどもいない。先ほどの爆破騒ぎで行ってしまったか。ならばこの好機を逃す手はないとさっそくシステムへのアクセスを開始する。

「監獄用セキュリティとなれば、厳重じゃろーのー。じゃけど、餅は餅屋じゃけー。」

 元の厳重なセキュリティに、さらに銀河帝国のコードが混じっている。並のハッカーならば躊躇うような複雑怪奇なセキュリティシステムにメイスンはするりと侵入していった。大本のシステムは元の船のモノと同じようだ。これなら同型の宇宙船と同じ要領でも把握は出来そうだ。
 ハッキングしているこの端末が、いつ気付かれ、対処されるか分からない。メイスンは予め得てきた情報から判断し、まずは神経ガスの無力化から始めた。閉鎖空間での毒ガスは厄介だ。封鎖して充填する物だとしても、戦闘などで漏れれば猟兵だけでなく一般人も巻き込まれる可能性もある。次いで攻撃施設、隔壁操作などの掌握を進める。

「これでしばらくは大丈夫だろーて。」

 あとはどれだけの間、システムを掌握し続けられるか。メイスンの静かな戦いは続いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

枦山・涼香
混乱に乗じた囚人の反乱なども気にかかりますね。監禁されているのなら、あえて接触しないほうが良いでしょう。

こっそりと進むのはあまり得意ではありませんので、堂々と【存在感】を露わに制御区画へ侵入しましょう。
囮となって敵を【おびき寄せ】れば、皆さんの工作をしやすくなるでしょうしね。

敵と遭遇したら、【覚悟】を決めて大太刀を抜いて交戦します。
「無作法はお互い様でしょうから、大目に見てくださいね」
敵が少ないうちは【残像】で惑わせ、増えてきたら【なぎ払い】で怯ませましょう。
十分な数の敵をひきつけたら、狐炎疾走を放ち、業火で周囲の混乱を誘って強行突破を図ります。
セキュリティは【鎧無視攻撃】で切り裂きます。



そのころ、枦山・涼香は中枢へと続く幅の広い通路を歩いていた。こちらは貨物運搬用ではなく、人が通る為の通路だ。そのため幅はあるが高さは少し高い程度、障害物も少ないという身を隠しながら侵入するには向かない場所だった。混乱に乗じた反乱も気がかりだった涼香だが、時折見えるロックされた部屋には向かわずに先に進んでいく。

「監禁されているのなら、あえて接触しないほうが良いでしょう。」

 藪をつついて蛇を出すような事はしなくとも良い。そう判断し、堂々と進んでいけば当然ながらセキュリティシステムが捕捉し、迎撃のためのドローンを送り込んでくる。それを見やり、覚悟と共に大太刀を抜く。

「無作法はお互い様でしょうから、大目に見てくださいね。」

 言って踏み込んだ涼香の姿が消えた。ふっと現れた姿にレーザーが放たれるもその身体をすり抜け壁を穿っただけ……残像を残しながらドローンを惑わす涼香を強敵と判断したか、増援が次から次へと送り込まれる。太刀を一閃してなぎ払い、十分に敵の注意を引き付けた涼香から青白い炎が迸る。

「――蒼炎よ、我が妖気を糧として燃え上がり、彼奴らを黄泉路へと導きなさい。何一つ残さず、彼奴らの存在を焼き尽くしなさい。」

 狐炎疾走(フォックスファイア・オーバードライブ)により放たれた超高温の炎が通路一帯を焼き払う。センサーに支障をきたしたのか、動きが鈍ったドローンを瞬く間に斬り伏せながら涼香は奥へ奥へと駆け抜けていく。

「このまま敵を誘き寄せられれば、皆さんの工作もしやすくなるでしょうね。」

 状況を観察していたセンサーを断ち切り、次のセキュリティ群を相手取るべく涼香は歩を進めていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
システムを破壊しても構わないと?
それは有難い
用があるのはオブリビオンのみ
邪魔なものは排除させてもらいます

【行動】
ユーベルコード:殺意の炎
技能:範囲攻撃、怪力、なぎ払い、武器受け、二回攻撃
内部構造、セキュリティの情報を集める
情報をもとに敵配置、セキュリティの位置・種類を予測
情報が不十分であった場合は似たタイプの監獄や船を参考にする

効果範囲ギリギリまで近付く
焼いて無効化できる物は「殺意の炎」周辺諸共焼くか熱で溶解
炎よりも直接的な物理が有効なら「範囲攻撃」「なぎ払い」で破壊
近付く必要があれば「武器受け」で防ぐ
頑丈な物は「怪力」「二回攻撃」で破壊を試みる


タマ・ハンクス
WIZセキュリティを解除する。

大丈夫だってば、何を、心配してるの。
ボク、こう見えてパソコンは得意なんだよ。
よく、ネコ動画で、飼い主さんがパソコンで遊んでたらキーボードに手を出してくる愛猫のやつとかあるでしょ。
猫は昔からパソコンには慣れてるんだってば。
…ぁ。
大丈夫。まだ、大丈夫だから、うんうん。

複数あるコントロールパネルを同時に展開して、適当に肉球を叩きつけてるように見えて、その実、サイコキネシスまで使い、的確にセキュリティを解いていき、仲間に連絡する。

A地区はセキュリティは解いたよ、安心して進んで。
F地区、あと15秒待って、…はい、OK。
W地区の人、その先、待ち伏せがあるから、迂回して。


峰谷・恵
「時間を掛けたらそれだけこっちが不利になる。なら力技で押し通る!」

【POW】で挑戦。
セキュリティの迎撃システムをアームドフォートの砲撃で破壊してできる限り急いで襲撃部隊の後を追う(迎撃システムが密集している所はフルバースト・マキシマムでまとめて一気に破壊。迎撃システムからの攻撃はダークミストシールドで防ぎながら強引に突破)。
それだけ目立ってしまうがその分自分に敵の注意を集めて他のメンバーが先に進みやすいようにする(無論突破できる分は可能な限りすばやく突破する)

「帰る前にお詫びと修復の手伝いくらいはしないとかな。それも襲撃部隊片付けてからだけど」


四軒屋・綴
 ふむ…この状況では進むにも難しいか…。

 ならば頑張って進むまでだなッ!行動選択は【POW:セキュリティや敵の攻撃を力ずくで排除し進む。】ッ!まずは蒸騎構築を発動し防御力重視のヒーロー姿に変身ッ!周囲のカメラをハッキングして3カメ体制で変身シーンの全艦放送を試みるッ!
 準備が済んだら突撃だッ!砲台や小型ドローンが相手なら格闘戦への耐性は皆無ッ!【怪力】でその辺の物を引っぺがして盾にしたり投げつけたりしつつ強引に踏み込みチョップとかラリアットとかで物理的に解除するぞッ!支払いは帝国軍にツケといてくれッ!

…さて、囮役にはなれただろうか?

 「勇・蒸・連・結ッ!ジョウキングッ!!」(カッコイイポーズ)



「ふむ……この状況では進むにも難しいか……。」

 思案気に呟いたのは四軒屋・綴。すでに警戒レベルはMAXまで上がっており、迎撃の密度も上がっている。ずらりと並ぶレーザーカッター照射装置に戦闘用ドローン、さらに奥には大型のレールキャノンが見える。その周囲にも大小さまざまな火器が配置されている厳重さだ。だが、立ち向かうのは綴だけではない。

「用があるのはオブリビオンのみ。邪魔なものは排除させてもらいます。」
「時間を掛けたらそれだけこっちが不利になる。なら力技で押し通る!」

 西院鬼・織久と峰谷・恵も共に並び、仕掛けるタイミングを計っていた。システムを破壊しても先へ進むことを優先してほしい。そう伝えられている彼らは持てる力で以て押し通るつもりでいた。そんな彼らに通信が入る。

『大丈夫だってば、何を、心配してるの。ボク、こう見えてパソコンは得意なんだよ。』

 離れた場所からハッキングを仕掛けているタマ・ハンクスだ。通信越しにキーボードを軽快に叩く音が響……いてはいない。柔らかい物がテシテシと叩いている音が聞こえる。猫は昔からパソコンには慣れてるんだってば、というタマの言葉に過ぎる一抹の不安を綴が吹き飛ばした。

「支援してくれる仲間もいる……ならば頑張って進むまでだなッ!来たれマイボディッ!」

 防御力を重視した重厚な合体用ボディが具現化する。展開した接合部が綴と重なり、さらにその身体に蒸気機関車を思わせる武装が接続されていく。

「勇・蒸・連・結ッ!ジョウキングッ!!」

 尽きぬ勇気と心意気をその身に宿し、今ここに、ヒーローがその姿を現したのだった。その雄姿はハッキングされたカメラによって余すことなく全艦放送されていく。

『3カメ体制で流せって無茶言うよなぁ……はい、OK。』

 ハッキングを担当していたタマの助けもあり、戦況を統合していたシステムに予期せぬデータが差し込まれる。それを再調整する僅かな間、セキュリティの統率の綻びを突いて恵が吶喊した。

「このチャンスに、一気に突破する!」

 狙いをつけるのもそこそこに片っ端からアームドフォートでドローンを撃ち落とし、派手に攻め込んでいく。そうなれば復旧した迎撃システムが恵を狙うのは自然の流れだろう……そこに。

「事前の予測とほぼ同じ……これなら問題なく押し通れそうですね。」

 狙いが恵に集まったのを見計らい、織久の大鎌・闇焔がなぎ払う。彼は集中砲火を受けうる位置、そしてその時の死角を事前情報と実際の配置から予測していたのだ。さらに、一部の迎撃システムが止まっている。

『そこのセキュリティは解いたよ、安心して進んで。』

 タマがシステムから切り離して制御をさせなくした一角を恵が撃ち崩していき、その穴を埋めさせまいと織久が炎を放つ。

「我等が怨念尽きる事なし。」

 放たれた黒い殺意の炎は挟撃しようとしていたドローンを巻き込み、高温で溶解させていく。さらに付近の壁を伝い周囲へ広がり、壁面に設置されていたセンサー類を纏めて破壊した。タマが抑えているうちに奥のレールキャノンを破壊しようと3人が駆けだそうとしたその時。

『……ぁ。』

 ぁ、って何?何したの?誰かがそう思ったか。ダウンしていたシステムに光がともる――。

『大丈夫。まだ、大丈夫だから、うんうん。』

 再び聞こえるタマの声とキーボードをテシテシする音。ともっていた光が明滅し、警告音を出して止まった。危なっかしそうな声が多いタマだったが、その実、的確な肉球タッチに加えサイコキネシスを併用して複数のコントロールパネルを操作しているのだ。先ほどのも切り離した部分をクラッキングしようとしていたらしい。

「よしッ!突撃だッ!」

 気を取りなおすように綴が気合を入れ直し、壁の構造材を引っぺがして盾にしつつ手近なドローンを殴り倒していく。

「あとは奥の兵器群を抜ければ突破できそうですね。」

 言って自分の間合いに踏み込むや直ぐに黒い炎を放つ織久。それは地を這うように燃え広がり、前方に展開している重火器を燃え溶かしていく。されど数が多い。もはや出し惜しみはすまいとばかりに射程に踏み込んだ織久に弾丸やレーザーミサイルなどが雨あられと降り注ぐ。闇器で打ち払うもすべて防げるか……そう自問した眼前で爆発が広がった。綴がその重装甲を活かし囮になりながら前に出たのだ。

「しかしこの攻撃の中を進むのは……ッ!」
『あと15秒待って。』

 タマが告げてからきっかり15秒後、搬送用の隔壁が強制的に開放され、そこから飛び出した運搬用コンテナが火器群に突っ込む。だが、奥のレールキャノンがエネルギーを充填し始めた。宇宙船の装甲をすら吹き飛ばす威力の艦載砲であり、本来は船内につけるものではない。銀河帝国としても使うつもりがなかったであろうそれを使わざるを得なくなったのだ。だが、そうはさせまいと恵が散発的になった攻撃をダークミストシールドで防ぎつつ強引に突撃する。

「撃たれる前に周りの迎撃システムごと破壊するよ!」

 全武装の一斉射、フルバースト・マキシマムが降り注ぐ。その周囲を黒い炎が焼き払い、兵器を、迎撃のために配置されたセキュリティシステムを根こそぎ破壊していく。爆発と炎が過ぎ去った跡、綴はかろうじて繋がっているカメラを掴み上げた。

「支払いは帝国軍にツケといてくれッ!」

 その映像を最後にセキュリティは完全にダウンする。

「帰る前にお詫びと修復の手伝いくらいはしないとかな。それも襲撃部隊片付けてからだけど。」

 奥へいるであろう銀河帝国の部隊を追い、恵たちは制御区画の中枢部分へと急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「――……。」

 銀河帝国の武具に身を包んだ騎士が、中枢部のドアロックを解除する作業を中断して後方を見やる。思いのほか、セキュリティを突破されるのが早い。しかも、根幹システムがダウンさせられたときた。

「……――。」

 ならば、迎撃にも相応の戦力は必要か。帝国騎士は配下の全バトルドロイドに侵入者――猟兵の迎撃を命じた。

 その扉一枚挟んだ向こう。この監獄船の航行などほぼすべての制御をおこなう中枢システムのある部屋。
「くそっ!銀河帝国の奴ら、すぐそこまで来てる!」
「諦めるな、救助の部隊が着てるらしい。さっきも爆発らしい揺れがあっただろ。」
「解放軍が来てくれたってのか……?」
 この船を預かる艦長は、自分たちに出来る闘いを続ける決意を固めた。敵はこの制御区画の中枢を手に入れたいのだろう。ならば、ドアを破らせないよう時間を稼ぐのだ。
「帝国の野郎が念動力でドアロックをこじ開けようってんなら、こっちは開けた端からロックし直せばいい。ドアはちょっとやそっとじゃ破壊できないしな。何としても救助が来るまでもたせるぞ!」
四軒屋・綴
【改変絡み歓迎】
とりあえず一息着いたら3カメのお礼に土下座からだなッ!

さておき個人的に考えてみたが【バトルスイッチオン】は厄介そうだ…そこで味方の接近に先駆けて射撃武装の『ケムルシューター』と『アッツィーコウル』を【一斉発射】、速く動く弾丸を追いかけさせる事を目的とした【援護射撃】を展開するッ!無論敵の動き次第では【かばう】【グラップリング】等でダメージを肩代わりするぞッ!

同時に敵の動きが鈍るのを待ってユーベルコード、『修羅列車』を発動ッ!存分に溜めを作ってから【ダッシュ】と【怪力】での突撃と共に長大な光刃で叩き斬るッ!

「この度はお世話になりましたッ!」

「お捻りだ、全弾持ってけッ!」


峰谷・恵
「ドロイドも結局は時間稼ぎ、手こずって時間がかかったら帝国騎士に中枢掌握される!」

遮蔽伝いに身を隠しながらバトルドロイドの集団に接近、バトルドロイドが【超戦闘モード】に入る前にアームドフォートのフルバースト・マキシマムをドロイド密集部分に撃ち込んで一体でも多く【超戦闘モード】発動前に速攻撃破を図る。
その後は遮蔽物に身を隠して敵の熱線銃を防ぎながら砲撃で応戦、バトルドロイドを引きつけて他のメンバーがバトルドロイドに仕掛けやすい状況を作る。

「派手に吹き飛ばせばこっちを警戒して他のユーベルコードを相殺しにくいはず。まあ隙を見せてくれるならまたまとめて吹き飛ばすけど」


タマ・ハンクス
さて、ボクも直接戦闘に出てきたよ。

「速く動く物に反応してるみたいだね。ならば、こんな感じはどうかな。猫魔法『ポルターガイスト』!」
【サイコキネシス】で周りの工具やコンテナなどを浮かび上がらせ、高速で飛び回らせて囮にする
「さあ、好きなだけ撃ち落していいよ、でも、飛ぶ物はどんどん増えていくからね。ついてこれるかな」

本人は遮蔽物に隠れて敵に視認させない【地形の利用】
消火器をぶつけ、撃たせて目の前で爆発させ、視界を封じる【目潰し】
「残念でした。それはモップとバケツで作った案山子だよ」【罠使い】

ボクは、直接攻撃力はないけどね、戦場をプロデュースするのは、得意なんだよ。



帝国騎士の指令を受け、猟兵たちを迎え撃つべくバトルドロイドが集まってくる。元は自分たちも通ったルート。制御区画の中枢へ向かう侵攻ルートはわかっている。ならば、迎撃に最適な場所を選ぶのは当然だろう。多数のバトルドロイドが待ち構える区画へのゲートが開かれていく。そこへ飛び込んできたのは猟兵ではなかった。赤い円筒形の何かが多数飛び込んでくる。
「迎撃ヲ開始シマス。」
 この通路ごと爆破するつもりか。そう判断したドロイドが素早くその物体を撃ち落とした。赤い物体は爆ぜ、白煙が広がる……それはタマ・ハンクスがサイコキネシスで飛ばした消火器だったのだ。

「ボクは、直接攻撃力はないけどね、戦場をプロデュースするのは、得意なんだよ。」

 物陰に身を潜めながらタマはさらに周囲の物を浮かべていく。そして白煙を突っ切るように二つの影が飛び出した。

「ドロイドも結局は時間稼ぎ、手こずって時間がかかったら帝国騎士に中枢掌握される!」
「ならば回り道せず正面から突っ切るまでだッ!」

 消火剤を目くらましにし奇襲を仕掛けた峰谷・恵と四軒屋・綴だ。ドロイドへ接近すべく加速する恵を援護するべく綴は背部の機関車型ユニットを腕部に接続、ケルムシューターをドロイドに向ける。向けた煙突から黒煙の如き弾丸が、その上部から石炭型高熱弾アッツィーコウルが降り注ぐ。

「お捻りだ、全弾持ってけッ!」

 支援射撃によりドロイドの密集地を射程に捉えた恵がアームドフォートの砲身を展開する。これだけ群れていれば狙いを定める必要もない。

「派手に吹き飛ばせばこっちを警戒して他のユーベルコードを相殺しにくいはず。まあ隙を見せてくれるならまたまとめて吹き飛ばすけど。」

 言って放ったフルバースト・マキシマムが視界に入るドロイドを纏めて吹き飛ばす。元より戦闘を優先した機能しか持たないドロイドだ。機動力、火力に重きを置いた構造は必然的に装甲を薄くしていた。そのため対処する間も置かず速攻で撃ち込まれた攻撃になすすべもなくなぎ倒されたのだった。だが全て倒れたわけではなく、奥から次々に増援が来る。
「敵戦闘レベルニ合ワセ、超戦闘モードニ移行シマス」
 バトルドロイドのセンサーアイが赤く光る。強化されたセンサーは高機動の相手であっても正確に撃ち抜く事ができるのだ。縦横に飛び回る影をコンマ数秒で狙いをつけて熱線が撃ち抜いた。それはバケツとモップだった。

「残念でした。それはボクが作った案山子だよ。」

 ドロイドの動向を探り、バトルスイッチオンをしたタイミングでタマが囮として使った物だ。

「速く動く物に反応してるみたいだね。ならば、こんな感じはどうかな。猫魔法『ポルターガイスト』!」

 あたりにある物が次々に浮かび上がり、高速で飛び回る。すでに敵を撃つのではなく、速く動くモノを無差別に攻撃するルーチンに切り替わっているドロイドたちはその囮も撃ち落としていた。それは攻撃に動く恵や綴が狙われる事が減るという事だ。

「さあ、好きなだけ撃ち落していいよ、でも、飛ぶ物はどんどん増えていくからね。ついてこれるかな。」

 増援が続く中、戦況を有利に保っているのはタマの囮が多くのドロイドを引き付けているからだろう。その状況を活用し、恵はドロイドを一撃で撃破し、狙われる前に障害物へ移り次を狙っていた。

「強さはそれ程でもないけど、数が多い!」

 恵の殲滅力は高く、増援の数より撃破するスピードの方が早い。数はじりじりと減らしているが、先を急がなくてはならない現状、時間をかけるのは避けたいところだ。

「それなら俺に任せてくれッ!」

 敵陣の奥、増援が湧き出る先を睨みながら綴が蒸気機関型ユニットを前面に向ける。そこから延びる長大な光の刃が低く唸りながら振動を始めた。十分な攻撃力を得るには今しばらくかかる。だが全てのドロイドが見逃すはずもなくブラスターが狙いを定める。準備が整うまで己が身がもつか……綴が自問したその時、ドロイドが吹き飛ばされる。

「バトルドロイドはボクが引きつけるよ!」

 派手に動き回りながら恵が陽動をしていたのだ。加えて散発的になった銃撃を防ぐようにコンテナが飛び回る。

「時間稼ぎならボクにも任せて!」

 タマが飛び回らせていた物の一部を防御に回したのだ。皆の助けを得てついに列車が発進する。

「これで決めるぞッ!修・羅・列・車ッ!」

 この大技は動きが見切られやすくなるという欠点がある。が、2つの蒸気機関車型装備から通路いっぱいに広がる光刃から逃れる術などあろうか。両の壁を削りながら力任せに加速する綴が通路にひしめくバトルドロイドを切り裂いていく。そして通路の最奥で振り抜かれた長大な刃が壁の向こうの増援をも纏めて薙ぎ払った。

「この度はお世話になりましたッ!」

 後に続く仲間に礼を言う綴に恵が先を促す。三人は頷きあい、帝国騎士を追撃すべく奥へと急ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
よし、兵隊共が出てきたようじゃのー
それじゃ今までの仕事の結果といこうかのー

300の守護神兵を展開して、挟み撃ちなどを警戒しながら盾などで熱視銃を防ぐ(地形の利用)
さらにハッキングで掌握した電磁ネットで相手を捕縛、その後のレーザーカッターで敵に攻撃を試みる(ハッキング、破壊工作)
ダメージが足りなければ、300の守護神兵を前進させて槍や踏み潰しで敵を粉砕させる

さらに味方と連携するために、バトルドルイドの進路と予想される場所に地雷を設置(地形の利用、破壊工作、罠使い)
足止めを行い、敵の足止め、攻撃の機会を作りだす工作もしておく


月守・咲凛
「ドロイドですねー、大丈夫です、慣れてます」
SPDで戦闘、使用スキル【見切り2、残像9、零距離射撃2、なぎ払い7、鎧無視攻撃2、空中戦18、フェイント1、援護射撃3、一斉発射1、スナイパー1、範囲攻撃1】
敵の攻撃は見切りと残像で回避。二刀流チェーンソーのなぎ払いで斬り込んで、空中からの近接戦闘で敵の数を減らします。
味方が被弾した場合、援護射撃でそれ以上の追撃を阻止。
隙を見てコード・アクセラレーターを発動、一斉発射して出来るだけ多くの敵を殲滅します。


西院鬼・織久
【POW】
【心情】
動きに反応すると言うなら炎はどうでしょうか
ドロイドは苦痛の声も上げず血肉もない
怨念の糧とするには物足りない
早々に片付けてボスを狩りたいのです

【行動】
ユーベルコード:殺意の炎
主な技能:武器受け、敵を盾にする、怪力、先制攻撃、範囲攻撃、なぎ払い、二回攻撃、生命力吸収
敵の射線を遮れる場所を選び「殺意の炎」
敵が反応して狙ってくるなら「先制攻撃」を仕掛ける
「範囲攻撃」「なぎ払い」で牽制し、最も近い場所にいる一体を狙う
「怪力」で確保し「敵を盾にする」
確保が難しい、または確保した対象が沈静化しない場合
「怪力」で他の敵がいる所に放り投げてそちらに意識を逸らす



猟兵たちの攻勢により想定を上回る被害を受けた銀河帝国襲撃部隊はこれ以上の侵攻を阻止すべく宇宙船内の制圧を行っていたバトルドロイドをすべて対猟兵戦に集め出した。実際、宇宙船の制圧は制御区画の中枢部分を除いてほぼ終わっており、抵抗する者の監禁も済んでいた。よって、猟兵たちの撃退に全バトルドロイドを投入したのだった。

「よし、兵隊共が出てきたようじゃのー。」
「ドロイドですねー、大丈夫です、慣れてます。」

 行く手を塞ぐべく続々と集まってくるバトルドロイドを見てメイスン・ドットハックがバトルドロイドの進路を見てタイミングを計る。その横を突き抜けるように月守・咲凛が臆することなく斬り込んでいった。ドロイドの動き、射撃の際の狙い方を見切りながら身の丈を超える長さのチェーンソーを2刀流にしてなぎ払っていく。だがドロイドも数で押すべく一斉にブラスターで射撃を開始する。避けきれないかと思われた熱線を不意に現れた盾が弾く。メイスンが300の守護神兵(エルモピュライ・エノモーティア)で呼び出した電脳スパルタ兵が射線を遮るように守りを固めたのだ。

「これぞ筋肉の門じゃー!暑苦しいことこの上ないけど、強い。」

 確信をもって言うメイスンの言葉を背に咲凛がさらに斬り込んでいく。守りを任せられたからこそ、咲凛は攻撃を優先して攻め込んでいったのだ。邪魔をされたバトルドロイドが電脳スパルタ兵に撃ちかかる。両者拮抗するかと思ったその時、ドロイドの群れを黒い炎が焼き払った。

「動きに反応すると言うなら炎はどうでしょうか。」

 それはメイスンたちの後方から現れた西院鬼・織久の殺意の炎だった。ちらりと通路の一角を一瞥し、黒い炎を猛らせる。ドロイドたちは黒い炎と電脳スパルタ兵に挟まれ、咲凛に追い立てられる。陣形を立て直すべく密集したその瞬間。

「それじゃ今までの仕事の結果といこうかのー」

 メイスンが手元の端末を操作すると電磁ネットが密集していたドロイドを捕縛する。さらに追い打ちをかけるようにレーザーカッターが薙いでいった。それはメイスンが船内で掌握していたセキュリティシステムの一部によるものだ。そこへ織久の殺意の炎が襲い掛かる。立て直す間もなく先制攻撃を受けたドロイドが状況を打破するべく超戦闘モードへ移行していく。だが、それを黙ってみている織久ではない。バトルドロイドがブラスターを放った時には織久の手が掴んだ他のドロイドを盾にしていた。

「ドロイドは苦痛の声も上げず血肉もない。」

 追撃を防ぐべく咲凛がビームキャノンで撃ち抜いたのを見て、手元で暴れ始めたドロイドを持つ手に力を込める。

「怨念の糧とするには物足りない。」

 奥で射撃体勢を取るドロイドの群れに向かって力任せに投げつけた。飛んでくるドロイドに意識が向き、ブラスターの照準が変わる。味方のブラスターを受けてドロイドが爆散する中、電脳スパルタ兵が槍を構えて密集陣形を取りながら前進を始めた。ドロイドの視界いっぱいに広がるのはまさに筋肉の門。そこに意識を奪われた刹那、電脳スパルタ兵を飛び越え、咲凛が各装甲に内蔵された武装を展開する。

「武装ユニット全開放、撃ちます!」

 すべての武装がプログラムに従い超高速連続攻撃を放つ。轟音と閃光が暴威を振るい、電脳スパルタ兵に押し込められるドロイドを殲滅していく。回避行動をとりつつ射撃しようとするドロイドもいたが、足元が突如爆発し下半身が吹き飛ばされた。必勝を期すべくメイスンが電脳スパルタ兵で抑えきれない場所に地雷を設置していたのだ。上半身だけになりながらなおもブラスターを構えようとしたドロイドを黒い炎が飲み込む。

「早々に片付けてボスを狩りたいのです。」

 雑事の片づけとばかりに織久が放った炎が消える頃には、動くドロイドは残っていなかった。これで追撃を遮る物は無い。帝国騎士を追うべく三人は制御区画の中枢へと急ぐのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「――……。」

 時間をかけすぎたか。ドアロックを解除するのに手こずっている間に追撃を許したようだ。もはや今となっては先に猟兵を片付けなければなるまい。

「……いや、どのみち戦わねばならぬ相手か。」

 ならば順序が多少変わっただけの事。帝国騎士の念動力が収束し、赤い刃が手にする柄から延びる。制御区画の中枢、コントロールルームへ続く広いロビーでマントを翻し、帝国騎士は猟兵たちを迎え撃つべく戦闘態勢をとった。

 今、この監獄船をめぐる最後の戦いが始まろうとしていた。
メイスン・ドットハック
コントロールルームには間に合ったようじゃのー
それでは締めといくかのー

木を隠すなら森の中で自分そっくりの人型人形を創造
中身は攻撃されると水をまき散らす罠
ある程度床に水が蔓延したら、電撃スタン手榴弾を起動
水たまりに帝国騎士がいる瞬間を狙う

このトラップは撒き餌で、接近して斬りつけてくるタイミングで再び自分の分身に似たフェイクを創造
中身は可燃性オイルを撒く罠
あとは火炎系ユーベルコードを使う仲間に任せるか、自身のライターで火を付ける

決して自分から近づかず、効果的に罠を仕掛ける
仲間が巻き込まれないように気を配りながら戦う


峰谷・恵
「力の好き嫌いを言って勝てる相手でもないか…」

血統覚醒を発動、耽美趣味の吸血ゾンビと嫌悪しているヴァンパイアの力を引き出して戦う。
アームドフォートと熱線銃にヴァンパイアの力をこめて【一斉発射】【2回攻撃】で砲撃を叩き込む(最初の砲撃の爆煙で視界を奪って次弾を当てる小細工、と思わせて攻撃に対応させることで味方が仕掛ける隙を作るのがメイン目的)
帝国騎士がインペリアルフラッグで領土主張したら、帝国の旗にヴァンパイアの力を乗せたダークミストシールドを叩きつけて旗を破壊し領土主張に対抗する。

「領主ごっこか。耽美趣味の吸血ゾンビお得意のお遊びだ」


タマ・ハンクス
ついに出てきたね、帝国騎士。
騎士を名乗るも、騎士道もなく暴虐を繰り返す悪の権化。

「赤い瞳のケットシー・タマが、フォースの導きにより、キミ達の野望を打ち砕くよ!」

両手にサイキックブラストの電撃を構える。
「ボクの電撃とキミの電撃、どちらが強いか、勝負だよ」

両手の時間差電撃で目を眩ませる【目潰し】【2回攻撃】
「その眩んだ目で、正確に帝国の領土と認識できるかな?」

念動力の鎖で繋がれるくらいなら、こちらから手を掴む。体が小さいことを利用し超接近戦を挑み、飛ぶ斬撃の飛ぶ意味をなくす【手を繋ぐ】


さすがに強い…
小細工もなかなかに通じないね…
でも、ボクは一人で戦ってるわけじゃない。
だから、決してあきらめないよっ



「コントロールルームには間に合ったようじゃのー。」

 ついに追いついた帝国騎士を見て、メイスン・ドットハックは宇宙船はいまだ敵の手に落ちていないと知る。バトルドロイドの姿はすでになく、敵の首魁は眼前に。ならば、時間を稼いで他の味方が追いついてくる時間を稼ぐ手も取れる。

「ついに出てきたね、帝国騎士。」

 次いで追いついたタマ・ハンクスも赤い念動力の剣を構える騎士を睨む。騎士を名乗るも、騎士道もなく暴虐を繰り返す悪の権化。今ここで倒さなければどれだけの被害が出るのか分かったものではない。

「赤い瞳のケットシー・タマが、フォースの導きにより、キミ達の野望を打ち砕くよ!」

 タマが両手からサイキックブラストの電撃を投射する。飛びすさる騎士を追うように広がる電撃に、騎士はまずは攻めやすい所からと判断したか。その身に鮮血が如きオーラを纏い瞬時にメイスンの方へ間合いを詰めた。身を躱す間もなく振り抜かれる剣閃がメイスンの身体を切り裂いた。だが、吹きあがるのは血ではなく透明な水。そう、それは木を隠すなら森の中(ライアー・フェイク)で作られた自身に偽装したトラップだったのだ。

「ま、引っかかった方が間抜けという奴じゃけーのー。」

 水浸しになった帝国騎士をメイスンの電撃スタン手榴弾とタマの電撃が襲う。電撃により動きを封じられた騎士に後方から砲撃が撃ち込まれる。峰谷・恵が追いつき、アームドフォートを展開しながら攻撃を仕掛けたのだ。熱線銃も加えた一斉発射が立て続けに撃ち込まれる。爆炎がおさまった後、煙の中から姿を現した騎士はダメージは受けているものの致命傷は防ぎきったようだ。

「力の好き嫌いを言って勝てる相手でもないか……」

 初手で動きを封じた状況からの一斉発射でも仕留めきれないとなれば出し惜しみをしている場合ではない。血統覚醒した恵の瞳が真紅に染まる。恵を援護すべくタマが電撃を放つ。

「ボクの電撃とキミの電撃、どちらが強いか、勝負だよ。」

 タマの電撃を帝国騎士の投射する赤黒い電撃が迎え撃つ。せめぎ合う電撃に意識がそれた最中、ヴァンパイアの力を込めた恵の一斉発射が襲い掛かる。電撃をうねらせ直撃を防ぐ騎士を見てタマの表情が曇る。

「さすがに強い……小細工もなかなかに通じないね……」

 確実にダメージは与えている。だが、戦闘力を削ぐまでには至っていない。

「でも、ボクは一人で戦ってるわけじゃない。だから、決してあきらめないよっ」

 決意を新たに電撃を放つタマ。帝国騎士はこの連携を崩すには数を減らすべし、と何かを仕掛けるべく弾幕に紛れて近づいてきていたメイスンを斬り上げた。その手ごたえに既視感を覚えた時にはすでに遅し。切り裂いたメイスンの姿をしたトラップから大量の可燃性オイルが撒き散らされる。見ればメイスン本人は近づいてはいなかった。いや、『あの中』にメイスンは居るのか?そこには多数のメイスンの姿が見えていた。まさに木を隠すなら森の中、という事か。
 この連携、対抗するには自分も戦闘力の底上げをするしかないか。帝国騎士が念動力で作り上げた銀河帝国の旗を振り上げる。そこへタマの電撃が閃いた。強烈な光を放つかのような電撃が連続で騎士の視界を奪う。

「その眩んだ目で、正確に帝国の領土と認識できるかな?」

 効かぬ視界の中、帝国騎士は己が戦闘経験を頼りに旗を放った。だが万全の状況ではない攻撃は、この状況では悪手だろう。

「領主ごっこか。耽美趣味の吸血ゾンビお得意のお遊びだ。」

 恵が帝国の旗にヴァンパイアの力を乗せたダークミストシールドを叩きつけて旗を破壊したのだ。シールドを打ち付けた体勢を整える間を与えまいと騎士が念動力の斬撃を飛ばす。無理な体勢で斬撃を防いだ恵の体が傾いだ。今ならば、と帝国騎士が念動力の鎖を放つべく伸ばした手を猫の手が掴んだ。ケットシーの小さな体を活かし密着するような距離で騎士の手を逸らしたのだ。その間に体勢を立て直した恵を見て、メイスンは今が仕掛け時と判断した。

「それでは締めといくかのー」

 何を、と帝国騎士が思った時にはすでにメイスンのトラップは準備を終え、最後の仕上げに入っていた。見ればそこかしこにメイスンの姿が。ある物は水を撒き散らしてタマの電撃をより効果的にし、またある物は可燃性オイルを撒き散らして恵の攻撃と共に爆炎を上げる。互いの威力を減ずることなく逆により効果的に威力を上げ、さらに帝国騎士の逃げ場を奪っていくのだ。
 ついに防ぎきれなかった電撃がその身を封じ、そこに一斉発射が撃ち付ける。帝国騎士は何とか踏みとどまるも、全身の鎧はひび割れ、負ったダメージの多さを物語っていた。
「これが、銀河帝国に仇名す猟兵の力か。」
 帝国騎士の力をもってしても押されている。騎士はその力をまざまざと感じていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四軒屋・綴
そう言えば大型レールガンとかあったな……

こいつは使わない手はないなッ!

【怪力】【メカニック】【ハッキング】総動員で持ってきて撃つぞッ!こいつは素敵だッ!撃てなかったら素敵じゃないから投げつけるッ!

そのあとは近接戦闘をメインに立ち回ってラリアットとかチョップで攻撃ッ!隙を見てユーベルコードを発動ッ!

相手がユーベルコードを発動したら敢えて受けるッ!念動力の鎖で繋がれれば相手もそう飛び回ることはできないだろうッ!【グラップリング】と【生命力吸収】でチェーンデスマッチだッ!味方の攻撃が当たりやすいように相手の動きを止めるぞッ!

「借用電磁列車砲だッ!(思いつき)」

「中々情熱的だなッ!」


西院鬼・織久
【POW】
【心情】
漸く苦痛と血肉を持った敵と死合う事ができます
手負いと来れば尚の事
窮鼠となって向かってくるはず
互いの命を凌ぎ血肉を啜り合う戦いこそ我等の本望

【行動】
ユーベルコード:殺意の炎
攻撃:先制攻撃、二回攻撃、傷口を抉る、なぎ払い
その他:見切り、武器受け、怪力、各種耐性
反撃を予想しつつ攻撃の手数を優先し「先制攻撃」
逃げ場を無くすよう「殺意の炎」で周辺ごと焼く
致命的な攻撃のみ「見切り」で致命傷を避ける
武器などの直接攻撃は「怪力」で「武器受け」
鎧のひび割れを狙って「二回攻撃」
守りの薄くなった箇所に「傷口を抉る」「なぎ払い」
致命傷にならない攻撃は「オーラ防御」と各種耐性に任せ攻撃に専念


月守・咲凛
「行きますよ帝国の騎士、チェーンソーでバラバラです!」
SPDで戦闘、使用スキル 【零距離射撃3、なぎ払い7、鎧無視攻撃3、援護射撃4、範囲攻撃3、2回攻撃3、一斉発射2、空中戦25、見切り2、視力1、フェイント1、電撃耐性1、残像10】

空中からチェーンソーの鎧無視攻撃で斬りかかり、フェイントを織り交ぜながら敵の動きを見切りで躱します。
斬り合いながら様子を見て鍔迫り合いに持ち込んで腰のビーム砲を零距離射撃で撃ち込んで離脱、UCでアーマーをパージしながら天井を斬らない程度の長さのビームサーベルを振りかぶって、防ごうと攻撃して来たら「はずれです」と残像を残して、後ろからビームサーベルを振り下ろします



これまでの戦いで、帝国騎士は猟兵の力をまざまざと感じていた。この者たちは全力を以て当たる相手、そう改めて心に刻んだ騎士の前に西院鬼・織久が姿を現す。その眼はバトルドロイドを相手取った時とは違う色を帯びていた――漸く苦痛と血肉を持った敵と死合う事ができる、と。

「互いの命を凌ぎ血肉を啜り合う戦いこそ我等の本望。」

 張り詰めた空気が織久と騎士の間に満ちる。音さえ凪いだ一拍の後、振り下ろされた織久の大鎌・闇焔を騎士の紅刃が受け止めた。その速度を殺さず受けた刃を潜るように鎌の柄を打ち上げ、騎士を吹き飛ばした。否、今のは衝撃を抑える為に自ら跳んだか。しかし手負いと来れば尚の事、窮鼠となって向かってくるはず。そう予測した織久に赤光を曳いて斬撃が飛ばされる。打ち払った闇焔に念動力の鎖が絡みつこうと迫っていた。とった――そう帝国騎士が確信した、その時。織久の後方から一つの影が飛び掛かった。

「行きますよ帝国の騎士、チェーンソーでバラバラです!」

 後方から一気に距離を詰めた月守・咲凛が手にした2本のビームチェーンソーで斬りかかったのだ。念動力で鎖を放ったため咄嗟に下がる事もできず、片方は剣で直撃を防ぐももう一方は鎧を袈裟懸けに切り裂く。鎧の破損した部分を狙ったその一撃に苦悶を漏らしながら流れる血を纏うかの如く、紅きオーラをその身に纏った。
「さすがだな、猟兵。だが、私もこのままでは終われん。」
 神速で振われた念動力の刃を咲凛は紙一重で躱す。先ほどまでより数段は速度の増した連撃を躱し、或いはフェイントを混ぜて切り結びながら咲凛は騎士の動きを刹那で見切り紅刃にチェーンソーを打ち合わせた。力で押し込まんとする騎士に咲凛の腰から展開したビーム砲が放たれる。その隙に離脱した咲凛を追おうとした騎士の目に異様なものが映った。
「なんだ、あれは……まさか!」
 重い音を立てながらゆっくりと近づいてくるのは巨大な物体。それはセキュリティシステムに接続されていた巨大兵器の成れの果てだ。事はしばらく前にさかのぼる。中枢部へと進んでいた四軒屋・綴はふと思い出したのだ。

「そう言えば大型レールガンとかあったな……こいつは使わない手はないなッ!」

 通常、艦載用の巨大兵器は持ち運ぶようにはできていない。それを持ってくるなど誰が想像できようか。だが綴はそれを撃つのに必要な部分だけ持ってきていた。この素敵兵器を持ってくるのに時間がかかっていたのだ。ハッキングしたレールガンの制御システムを操作し、発射体制に入る。

「借用電磁列車砲だッ!」

 思い付きで叫んだ名に大型レールガンの放つ轟音が重なる。
「くっ、なんと非常識な!」
 思わず言葉を漏らしながら帝国騎士は全力で防御を固めた。閃光がおさまった後、騎士の目に飛び込んできたのは先ほどのレールガンだった。無理がたたったのか、一射でオーバーヒートを起こしたそれを綴が投げつけたのだ。

「撃てなかったら素敵じゃないからなッ!」

 急ぎ身を躱した騎士の逃げ道を塞ぐように黒い炎が襲い掛かる。織久が殺意の炎を放ちながら距離を詰め、闇焔を振りかぶっていた。咄嗟に騎士が放つ牽制の斬撃を意にも介さず咲凛が切り裂いた傷口に刃を突き立てる。傷口をえぐるように刃をねじ込みながら騎士の苦悶の声を聞く。

「存分に死合いましょう。その血肉を我等が糧に。」

 織久を力任せに突き放し距離をとった騎士は再度、念動力で刃を飛ばす。再び念動力の鎖で自由を奪うつもりだ。そうはさせまいと綴が前に出る。己に繋がれた鎖を逆に引き寄せる。だが騎士も綴を倒さんと斬りかかる。拳と剣の応酬の末、綴のラリアットが騎士をよろめかせる。この隙を逃すまいと綴は両腕に装着した蒸気機関車型ユニットで騎士を床ごと殴りつけた。

「中々情熱的だなッ!爆・圧・列・車ッッ!!」

 単純だが重いその一撃は騎士を打ち抜いたのみならず床の構造材をも砕いていた。足元を崩され腰までめり込む帝国騎士。身動きの取れない騎士を倒すなら今をおいて他にない。咲凛がその身を守っていたアーマーをパージし勝負に出る。

「アーマーフルパージ、シフト【テンペスト】!一気に決めます!」

 発動したユニット・シフト【テンペスト】(アラシトマウツルギ)によりパージされたアーマーが次々と直結し長大なビームサーベルを形成する。それを阻止すべく振り上げた騎士の腕を織久が刺し穿った。だが、四肢が動かずとも帝国騎士の戦意は衰えない。その身より放った赤黒い雷撃がビームサーベルを振り降ろさんとする咲凛の姿を貫く。が――

「はずれです。」

 それは咲凛の残した残像だった。瞬時に背後に回り込んでいた咲凛の言葉が届いた時には、ビームサーベルの一閃が帝国騎士の身体を切り裂いていた。

 激しい戦闘の末、ついに帝国騎士は倒された。その様子をモニター越しに見守っていた艦長たちが中枢部のドアを解放し、猟兵たちに駆け寄ってくる。
「ありがとう、貴方たちのおかげでこの船は救われた。」
「ああ……一時はどうなる事かと。助けに来てくれて本当にありがとう。」
 口々に感謝を伝える船員たち。戦闘の爪痕はそこかしこに見られるが、宇宙船の運航に必要な部分は無事に守られた。修理やメンテナンスはどこかでしなければならないが、それは帝国に侵入を許した時点で必要なものだ。
「あとの事は俺たちの仕事だ。猟兵の人たちの活躍を無駄にはしねぇよ。」

 こうして銀河帝国による監獄艦の奪取は防がれたのだった。これはいまだ続く帝国との戦いの一幕に過ぎない。だがこの勝利は確かに、監獄艦にいた人々に希望を与えたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月07日


挿絵イラスト