4
森に浮かぶは怨霊と狐火の灯火

#サムライエンパイア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア


0




「よぅ、来たな猟兵」
 エコリアチ・ヤエ(多重人格者の戦場傭兵・f00287)はグリモアベースを訪れた猟兵たちへお決まり文句のような挨拶をする。
「今回はサムライエンパイアで事件だ」
 とある村の近くに位置する森に、人ではない何かが蔓延っているとのことだ。これといって戦える者もおらず、民家以外には旅人のための小さな宿と畑ぐらいしかない小さな農村だ。村を囲う柵すらない。ただただ不気味だと思っていた村人たちだが、ついに森に蔓延る者たちが夜な夜な村まで赴き、畑を荒らし村を破壊しようとしてきている状態になってしまったことがグリモア猟兵の予知で発見されたのだ。
「どうやらこの森を抜けた先にはかつて合戦場があったそうでな。村人たちはそこで果てた怨霊が森に住み着いたと考えている。そのためこの森のことを魑魅魍魎の森、などと呼んでいるそうだ」
 現代社会ならそんなバカな話と言われるかもしれない話だが、実は村人の考えは当たっていた。その合戦場で死を遂げた女性兵の怨霊が集まってきてしまっているのだ。無論いままでは平和だったのに突如そのような状態に陥ったことには理由がある。裏で怨霊を手引きする何者かがいるのだ。
「さて、まず猟兵諸君にやってもらわねばならんのは森の探索、あるいは村の防衛を厚くすることだ」
 なんといっても怨霊の数が多い。また手引きする何者かによって本来なら烏合の衆であるはずの怨霊の動きに統制が見て取れる。そのためただ敵を蹴散らせば良いという事ではなくなってしまっているのだ。
 森の探索に関しては軽い露払いもよし、怨霊を操っている何者かを探るもよし。あるいは村が襲われても耐えられるよう柵をこさえたり家の修繕を行ったり。この後の連戦に向けての準備などでもいいかもしれない。
「まぁ現地でどうするかは猟兵たちに任せるが、ひとつだけ。かつてこの森は村人たちの狩場だったそうだ。そのため極力森自体に被害を出さないようにして欲しい。むろん柵などをこさえるのに木を切り倒したりは構わんぞ」
 後々平穏を取り戻したときにはまた狩場として使えるようにして欲しいとの要望を伝え、エコリアチは猟兵たちを現地へと送り出した。


鬼騎
 今回はサムライエンパイアにて村人たちを助けて欲しいという依頼になります。

 第1章、探索や防衛、事前準備。
 第2章、集団戦。
 第3章、ボス戦。
 上記流れの依頼になります。章をまたいでのご参加はもちろん、各章だけのご参加でも全く問題ありません。
 猟兵の皆様のご活躍お待ちしております!
78




第1章 冒険 『魑魅魍魎の森』

POW   :    危機的状況での食いしばり、体力を問われるモノ等

SPD   :    連続戦闘や森への迅速な侵入、他速度を問われる行動

WIZ   :    多数の敵を避ける、罠を仕掛けて防備を厚くする等

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

麻生・大地
「少しでも皆さんの不安を和らげるために頑張ってみましょうか」

【怪力】

ユーベルコード【レグルス・タイタンフォーム】にて【機械の巨人】に変形

防護柵の材料の切り出し、運搬、設営のお手伝いをします
あとは、トラップの設置でしょうか

ただ僕はそのへんの知識はありませんので、知識技能のある方が
設置する際のお手伝いをします

あとは、村の方々に、機械の巨人が頼もしく映るという心理的影響を
期待してみましょう

…村の子供たちが、肩に乗せてほしいとお願いして来たならば、サービスいたしましょうか

この鉄の巨人が少しでも皆さんの心の安寧になるのなら頑張りますよ


四軒屋・綴
ふむ……村人達もそうだが怨霊もまた哀れ、成仏させてやりたいものだが……

まぁとりあえずはここをしのいでからだなッ!選択する行動は【POW:体力を問われるもの】ッ!まずは村人達の前で『蒸騎構築』をカッコいいポーズ付きで発動して防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身ッ!【鼓舞】のオマケ付きで勇気つけて村の防衛に回るぞッ!

敵の襲撃までは可能なら【怪力】で力仕事を手伝ったりしながら村人と交流、戦闘が始まったら【一斉発射】と【援護射撃】で他の猟兵との連携を重視しつつ弾幕で敵を近づけさせない戦法をとるぞッ!

「勇蒸連結ッ!ジョウキングッ!」

「俺に出来ることはあるだろうかッ!」

「ないか……」


蜂蜜院・紫髪
心情:亡霊は森から来る…と、では森と村の間に掘でも作ろうかの。
狐火で直接爆発させるだけの簡単な物じゃがないよりはいいじゃろう。
柵は…どうするかの。最悪人形で建てるが、誰ぞ力仕事が得意なやつはおらんかの。

行動:狐火で掘りを作って防衛しやすくします。
完全に一直線に掘るのではなく間に通れる道を残して、後で使いやすくかつ敵をそこへ誘導できるように掘ります。
できる限り掘りの数を増やし渡れる場所はちぐはぐにします。
掘りの内側には柵を建てようと考えており、他の猟兵が作る気であればこちらに立ててほしいと依頼します。
猟人が居なければ掘り作り終わったあとに森側から人形で建てさせていきます。


ニコ・ベルクシュタイン
怨霊、か。
ヤドリガミたる俺も、ある種似たようなものなのだろうか。
…まあ、俺は決して人を害したりはせぬが。

【WIZ】
敵の襲撃にいち早く気付けるように、森の出口か、可能なら村の近くにも鳴子を仕掛ける
また、森の中に落とし穴の罠を複数仕掛けようか
どちらも事件解決後の復旧が比較的容易いかと思うが、如何かな。
また、柵を作ったり家を修繕する仲間が居るならば積極的に手伝おう

前述の鳴子については、極力発見されないように張り巡らせるよう指導し
音が鳴ったら即ち敵襲である、距離は音の大きさで測るようにと説明も添えておく

月並みな手段かも知れないが、古来からの知恵でもある。
一助となれば幸いだが…。



「少しでも皆さんの不安を和らげるために頑張ってみましょうか」
 ここは魑魅魍魎が住まう森に悩める小さな村付近。
 麻生・大地(スチームハート・f05083)はユーベルコード、レグルス・タイタンフォームを使用し、機械の巨人に変形した姿でその森から切り倒した木を森と村の中間地点に運んでいた。森の中に足を踏み入れなければ今のところ怨霊と呼ばれているオブリビオンとは遭遇せずにすみそうだ。
 木が運び込まれている傍ら、蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)は狐火のユーベルコードを利用し地面を発破し堀を作っていた。それは渡れる道と穴がちぐはぐな形で作られ、おのずと敵が一か所に誘導されるように計算されている。すなわち塹壕と呼ばれるものだ。
「貴殿らが居てくれて助かったのう。力仕事はまかせたのじゃ」
「えぇ、お任せください」
 大地は自身に防護柵やトラップ設置などの知識があまりないということで、そのような知識のある猟兵たちの手伝いを積極的に申し出ていた。
 紫髪も力仕事はあまり得意ではなかったため願ってもない申し出であり、手分けをすることで作業の効率も上がっている。
 その塹壕より少し森に近い位置にニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は鳴子を仕掛けていた。後ほど可能ならば村と塹壕の間にある畑の周りにも鳴子を仕掛けようとも考えている。ニコは月並みな手段かもしれないと謙遜するが、古来からの用いられてきた鳴子ならば村人にも馴染みがあり、使い方もわかりやすい。鳴子の警告、そして塹壕での足止めはとても良い連携を発揮することは間違いないだろう。
 そんな作業をしている後方から突如ワァア、と歓声が沸く。
「勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!」
 村を守りに来たという猟兵たちが何をするのかと様子を見に来ていた村人たちに対し、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)がユーベルコード、蒸騎構築を披露していた。
 村人にとって馴染みのない蒸気機関車を彷彿させる姿ではあるが、蒸気や煙を吹き出し変身しポーズを決めているさまはサムライエンパイアの住人にとっても格好良いと思えるのか。あるいは大道芸のような見世物の感覚で受け入れられているのかもしれないが、拍手などもされている様子から大変受けているようだ。
 自分の防御力アップに加え、綴はカッコいいポーズなどにより村人を鼓舞し、勇気付けることで村人自体の気力を上げる算段だ。
 最初のうちは怨霊に対して物理的な塹壕や鳴子なんて、と訝しげな様子だった村人たちだったが、天下自在符を与えられている者達が真剣な様子で対応策を講じ、そして村人達のことを気遣い話しかけてくれる様子を見て、一人、また一人と自ら手伝いを申し出てくれた。
 戦えないものばかりとはいえ、農村ということもあり、男たちは力仕事自体は問題なく対応でき、また女たちは茶や握り飯などを作り差し入れてくれ、猟兵たちは村人の優しさに感謝する。
「さて、次は運んでもらった木で柵を作っていくのじゃ」
 作業は進み、次は堀の内側にさらに柵を立ててもらうために紫髪は手伝っている皆に作る手順などを伝える。ここに柵を立てておけば飛び越えることもできなくなり、より確実な防衛手段となることだろう。
 木を適当な長さに切ったり、地面に突き立てたりすること自体は他の者達に任せつつ、木と木を紐でくくったりなど紫髪自身も柵の作成を積極的にこなしていた。
「だいたいこのぐらいでしょうか。でしたら次は……」
 村人たちの協力もあり、予定よりずっと素早く防護柵の設置が終わる。まだ時間の余裕がある。次の作業を、と移動しようとしたところ、大地に対し声がかかった。
「おにい、ちゃん? あのね、あの……肩車! してほしいの!」
 頬を紅潮させながら駆け寄ってきた子供達は大地に対して肩車をねだる。機械の巨人に変形している今の大地は裕に3メートルを超えており、木登りでは景色は動かず、かといって竹馬ではこの高さはでない。見晴らしの良さそうな背丈に興味津々なのである。
 4人で相談した結果、大地は子供たちの相手をしつつ村の内部の修繕などを行うということになり、紫髪、綴、ニコの3人はさらにトラップを仕掛けるべく森へと向かうことになった。
 いくらか森の中へと進むと、何者かが猟兵たちへと向かってくる気配を感じる。魑魅魍魎の森に蔓延る怨霊だ。しかしこのような事態になる事は猟兵達にはお見通しである。
「さあこの魑魅魍魎供は俺に任せろッ!」
 綴は武器を構え、迫り来る怨霊に攻撃の弾幕を浴びせる。その背後では紫髪が狐火で穴を一気に掘り上げ、ニコが用意してきた網をかぶせ、葉を手際よくかけて穴を隠すことで落とし穴が完成していく。今はまだ本格的に交戦する時ではない。
 3人は敵の妨害を排除しつつ、数カ所にわたり手際よく落とし穴を設置し終わる。
 あとは敵の偵察へ向かった猟兵たちの情報を村で待つだけだ。森に蔓延る怨霊を蹴散らしつつ猟兵たちは一旦森を抜け出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋翠・華乃音
……さて、村の防衛は他の猟兵達に任せるとして、俺は森の偵察に行こうか。

森に侵入してからは基本的に隠密行動を心掛ける。(目立たない・迷彩・忍び足・情報収集)
身軽さと速度を生かし木々の間を縫うように素早く移動。状況によっては地面ではなく木の枝から枝へと移動。(ダッシュ・地形の利用・クライミング・見切り)
怨霊を見付けたら優れた視力を生かし、遠距離から狙撃を行って敵の出方を窺う。(スナイパー・先制攻撃・聞き耳・視力・暗視・戦闘知識・第六感)
深追いはせず一定の成果を上げたら帰還し、味方の猟兵と情報共有。

その他状況によって最適と思える行動(技能)を行う。



「派手にやってるな」
 緋翠・華乃音(ambiguous・f03169)は森の入り口付近で交戦してる気配を感じつつ、歩みを進めていく。村の防衛などに関しては他に来ていた猟兵たちに任せてきており、華乃音ともう一人の猟兵が森や敵の偵察をすることになっているのだ。今回華乃音は敵の偵察を担当する。
 華乃音は身軽さと素早さを駆使し木々の間を縫うように素早く移動する。森の中で目立たぬよう現地で製作した簡易的なギリースーツも着用し、徹底的な隠密行動を行う。それにより森に蔓延る女性兵の怨霊の姿をしているオブリビオンに気づかれることなく森の奥へと向かっていた。
 華乃音は道中でその優れた視力を生かし木の上から怨霊を狙撃、攻撃を食らった時の敵の出方などの情報収集も行っていく。
 確かに森には数多くの怨霊が居るのだが、そのどれらも直接手を下さない限りさして積極的な活動は見られず、たいして知能も高くないようだ。そのような怨霊らが自ら森を出て村を襲いに行くというのは想像しがたい。
 奥へ進むごとに怨霊の数が増してきており、このまま地面を行くのは難しいと判断した華乃音は見つからないよう木の上へと登る。
「やはり問題は怨霊を手引きしている何者か、だな」
 この怨霊を森へと引きこみ、そして村を襲撃させている何者かの存在を確かめるべく華乃音は木々の上を渡り、より怨霊の密度が高い方向へと足を向ける。
「あれか……」
 それは森の中腹あたり。森の中にぽかりと空いた空間が見えた。その周辺には狐火が浮かび、怨霊がその下で空間を囲う。この空間で一人だけ異様な雰囲気を出し、中央に座していたのは妖狐の姿をしたオブリビオンだ。
 ここまでに進む間に敵の数や親玉の存在を確認することができた。華乃音はこれ以上留まったり踏み込むのは危険だと判断する。
 森自体の偵察をしている猟兵もそろそろ引き上げている頃合いだろう。村で他の猟兵たちと合流し情報の共有を行うべく華乃音は村へと引き返すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

坂上・半
【SPD】
さーて、お仕事お仕事
おぜぜのためにひとがんばり、と

とりあえず、ざっくり森を回って地形把握してくるわ

【忍び足】と【第六感】を働かせて駆け回る
【見切り】と【残像】に、非常時には【八艘跳び】も使って機動力で切り抜けるぜ
呪詛の類のヤバいのは【呪詛耐性】と【オーラ防御】もあるし踏みつぶす
ただどこにどういう風にヤバい呪詛が集まってるかといった情報は集めておくわ

中途半端な力量の怨霊が来るなら【呪詛】と【殺気】と【恫喝】でひと睨みして追い払おう
気迫で負ける方が悪いんだよ
根性見せたなら斬るけどな

情報を集めたら戻って一度戻って情報を整理して出直そう



「おぜぜのためにひとがんばり、と」
 坂上・半(羅刹の妖剣士・f06254)は一人そう呟く。二手に分かれた森の探索において他の猟兵は敵の偵察に努めてくれることになっており、半は森の地形や全体の敵の位置や流れなどの把握に勤めることとなった。
 その小さな体からは到底想像できぬほどの瞬発力と脚力で木へ空へと自由自在に移動する。詳細すぎる情報はいらないと判断してはいるものの、おおまかな森の形、効率よく敵を排除していけそうな道筋、呪詛や怨霊が濃く集まっている場所、また森の入り口では村の防衛担当の猟兵たちが仕掛けた罠の位置の把握などなど、必要な情報は数え切れないほどだ。それらをすべて頭の中に叩き込みながら半は駆け回る。
「かなり広いんだな、この森」
 半は木々の上を飛び移りながら森の周辺を回るだけでは確認できなかった箇所へと向かう。
 どうやら森のやや奥、村よりも森の奥にある合戦場跡に近い位置に木が生えていない空間が存在していることが遠目から確認できているのだが、その周辺でチラチラと何か灯のような物が見え隠れしているのだ。
 その存在を確かめるべく近づいていくと、どうやらその灯は狐火だと判断することができた。森の下、地面のほうは怨霊がいるからなのか、この狐火は木々の上方を漂い警戒にあたっているようだった。
 この空間の中がどうなっているのか見ようと半が狐火が漂う周辺へと侵入すると、それは突如半めがけ襲いかかってきた。
「ハッ!!」
 半は襲いかかってきた狐火に冷静に対処し、気迫でそれらを掻き消す。それ以上半が進まなければ狐火も襲いかかって来ず、狐火の周辺に何かが近づいてきたら自動で襲いかかるように命令されているだけの物のようだ。対して強くもない物だが、狐火が数多く発動すればただ事ではないと敵に伝わってしまうことは必須だろう。
 目の前にはかなりの数の狐火が漂っており、これらを避けながら空間を覗き見るのは難しそうであった。
「まぁ、いいか。これなら敵の大将はここだぜって宣言してるようなもんだ」
 他の場所から見てここだけ厳重な警戒が敷かれていることから、ここが敵の本陣であると確信を得る。
 森の入り口で罠を仕掛けるべく交戦していた音が止んでいる。おそらく罠をすべて仕掛け終わり、森から一時撤退を完了しているのだろう。そろそろ潮時だ。半は漂う狐火に背を向け森を後にした。

 猟兵たちは必要な情報をすべて手に入れ、村の防衛も完了した。残るは敵と交戦あるのみだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『怨霊女武者』

POW   :    局流薙刀術
【薙刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    局流早射ち
レベル分の1秒で【矢】を発射できる。
WIZ   :    落武者呼び
【鎧武者】の霊を召喚する。これは【槍】や【弓】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


時は夜半。猟兵たちが森に仕掛けた罠、また村と森の間に仕込んだ塹壕や防護柵、それらにより村へ襲撃をかけようとした女性兵の怨霊は随分戦力が削がれていた。
 しかしすべての敵を排除するには至らず猟兵たちの力が必要となるだろう。
 猟兵たちのおかげで勇気付けられた村人たちは鎌や鍬を手に防護柵を越えてこようとする怨霊と戦おうと決死の覚悟を見せる。
 防護柵を越えたあたりには日中のうちに松明などが設置され、戦うことに苦労はないだろう。
 森の中で戦うのならば暗がりに乗じ殲滅を、あるいは敢えて明かりを灯し敵を引きつけても良いだろう。
 敵一体一体の力はさほど大したこともない。森の奥に位置する親玉の元にたどり着くべく、数多の怨霊を撃破して欲しい。
ナナ・モーリオン
この気配……ボクと同じ?
いや、ちょっと違う……アレは、止めなきゃいけないやつ。

この子たちは、ただ言われるがままに動いているだけ。
それじゃあ救えない。救われない。
だから、ボクがやる。

怨霊なら、その念さえ吐き出しきってしまえば無力化できると思う。
ボクに任せて。ボクに呪詛は効かない。専門分野だから。
この子たちの悪意は、ボクが全部、受け止める。

我はモーリオン。呪詛を喰らい、浄化する黒水晶。
逝き場のない過去の亡霊たちよ……憎しみを吐き出すがいい。
その魂に、今一度安らぎあれ。



「この気配……ボクと同じ?」
 ナナ・モーリオン(スケープドール的なモノ(本人談)・f05812)はそう呟いたが、しばらくして首を横に振る。
 ここは森の入り口付近、村の方を見れば防護柵の奥に明かりが灯っているのが見える。森に蔓延る魑魅魍魎、女性兵の怨霊怨霊達はその明かりを求めるかのように一心不乱に村の方角へと進んでいく。
 ナナはこの怨霊達を観察したが、あの怨霊達はただ言われるがままに動いている抜け殻のようなもの。それはナナとは似て非なるものであった。
 しかしこの状態では救えない。救われない。ナナはこの哀れな怨霊たちを救うべく、覚悟を決める。
「我はモーリオン。呪詛を喰らい、浄化する黒水晶」
 ナナは詠唱を始める。彼女を中心とし風が渦巻き、核が鼓動を始める。
「逝き場のない過去の亡霊たちよ……憎しみを吐き出すがいい」
 怨霊ならばその念さえ吐き出しきってしまえば無力化できるだろう。その念を、悪意を全て受け止める。
「その魂に、今一度安らぎあれ」
 呪詛・呪いの類を誰かの代わりに身に受けるため、藁人形として製造された機械人形であるナナはそれが自分の務めだという。
 ナナのユーベルコードにより発生した闇より深い暗黒の色をした球は怨霊を引き寄せ、球へと吸収されていく。それはただ球に封じ込めるだけではなく、吸収し、浄化し、安らぎを得た怨霊はホタルのような光となり宙へと浮き出ていく。
 その光は魑魅魍魎が蔓延る森を美しく照らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

麻生・大地
【暗視】【忍び足】【先制攻撃】【だまし討ち】【情報収集】

森の方から湧いてくるものは流石に村人たちも対処が遅れそうですので
そちらのほうに回りましょう

【ハイドクローク】で隠密不可視モード起動
高周波ブレードで確実に一体ずつ切り裂いていきましょう
被害をいたずらに広げるわけにはいきませんからね

効率だけ見れば良くないですが、そこは仲間たちに任せましょう

念のため、森の上空あたりにドローンを飛ばして監視し、情報共有
しておきます

打ち漏らしが出た場合は外部で戦ってる仲間にすぐに情報が行くように
しておきます

「さあ、鬼さんこちら、手のなる方へ。一匹残らず成敗して差し上げましょう」



「……おにさんこちら……」
 暗闇が支配する魑魅魍魎の中漂うのは狐火と怨霊。その闇がわずかに震えたと思えば一体、また一体と怨霊が闇にのまれ掻き消えていく。
 それは闇夜に同化し姿を消している麻生・大地(スチームハート・f05083)の仕業だ。ユーベルコード、ハイドクロークにより大地の体はステルスモードとなる。怨霊たちは攻撃を受けていることに気づけど姿が見えず、狼狽えるばかりの敵を大地は確実に仕留め、戦力を削っていた。
「さあ、鬼さんこちら、手のなる方へ」
 姿は見えずとも音が、声がする。怨霊たちはあたりを見渡し、そして背後から高周波ブレードにより音もなく切り裂かれる。肘部より伸長する、内蔵式のブレード、ゲブラーは斬り味がよく、また体と直結していることで手を煩わせることなく敵を切り裂くことができる代物だ。
「一匹残らず成敗して差し上げましょう」
 一体ずつ倒す方法は決して効率が良いとは言えないが確実性があり、また姿を消していることで声や足音などで敵を撹乱させていく。
 むろん大地がとった策はこれだけではない。空中には‪事前にドローンのネツァクを放ち、リアルタイムで戦況を把握できる手筈を整えていた。
 ドローンの情報を元に猟兵たちにも情報の共有を行い、打ち漏らしを極力防いでいく方針だ。
 村人がやる気なのは良いことだが、村人の手を煩わせるのは本意ではない。戦のための猟兵だ。敵を残すことなく撃破すべく、大地は闇に紛れ確実に敵を仕留めていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

坂上・半
あー……まずはざっくり減らしてやらねーと村に厳しいな
ここで数を相手するなんて向いてねーし、【忍び足】で森まで行って乱戦上等で仕掛けるべきだろ

敵と遭遇時は気づいていないなら【忍び足】から位置取って【縮地】
敵にも気づかれているなら早撃ちを【第六感】【見切り】【残像】【オーラ防御】で第一射を凌いだうえで【縮地】

縮地で近接距離に入った後は敵が複数なら乱戦
【敵を盾にする】事も含めていいようにやるぜ
単独なら距離を詰めた際に弓を斬り確実に始末

近接戦は【恫喝】【殺気】によって行動予測をずらすフェイント、小柄な体躯を活かし【第六感】【見切り】【残像】【忍び足】によって引っ掻き回し、【カウンター】で仕留めていく



「まだまだざっくりは減らしてやらねーとダメか」
 森全体の戦力を自らの目で確認していた坂上・半(羅刹の妖剣士・f06254)は塹壕や罠により削減された数を考えながらそう結論付ける。
 防衛を担当した猟兵たちの力作によりかなりの数が罠により排除されてはいるのだが、森は広く、それを上回る数が蔓延っていたため、まだ森の中腹から奥のほうにはかなりの数が残ってしまっているのは明白なのだ。
 ちまちまと相手取るのは性に合わない。乱戦上等、まだ森中腹に多く蔓延る怨霊を排除するべく半は一気に森を駆け抜ける。
「ほらよ」
 その技は道理も摂理も踏み越える。木々の隙間に視認した怨霊目掛け、刀を振るうと斬撃が飛び数メートル先に居た敵を真っ二つに切り裂いた。敵に矢を射る隙など与えない。
 半は小柄な体を生かし木々を縫うように駆け抜け、次々と敵を葬っていく。
 森の中腹へ到着するとあたりは敵だらけになるが、それでも半の勢いは止まらない。
 怨霊に囲まれつつも半は冷静に敵の攻撃を避け、刀を突きつける。
 そこへ襲い掛かってくる敵は強烈な殺気で動きを止め、また別方向から襲い掛かる敵の盾とした。そうこうしてるうちに接近した二体はまとめて半が振るう刀の餌食となり、その存在は塵となり霧散していった。
 元より烏合の衆であった怨霊だ。あちらこちらで戦闘がおこっている今、これだけ大量にいるすべての怨霊に逐一指示を出すなど不可能である。
 半の快進撃はまだまだ続いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

四軒屋・綴
 さて一段落、お次はヒロインの登場かッ!盛大に迎えるとしようッ!

 続けて【一斉発射】による【援護射撃】を密に、味方の展開にあわせてなるべく村から距離を取るように後方から戦線を押し上げるぞッ!【吹き飛ばし】もフル活用で敵が体制を整えるまでの【時間稼ぎ】だッ!

 無理やり突破して村へ向かおうとする怨霊には【ダッシュ】で近づいて【グラップル】を駆使しつつ左手で【手を繋ぐ】、【怪力】で動きをキッチリ止めてからユーベルコードで排除……出来れば発動するところは見られたくないな。

「やれやれッ!美人のアタックは嬉しいんだがなッ!」

「……どうか、安らかに。」

アドリブ、改変歓迎ッ!

 



「さて防衛策が一段楽したお次はヒロインの登場かッ!」
 盛大に迎えるとしよう! 体から蒸気を上げそう気合をいれるのは四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)だ。
 彼が攻撃を展開するのは森の入り口から少し進んだ、落とし穴を仕掛けた付近。森の奥、そして森の入り口はすでに他の猟兵が敵を迎え撃っており、ここが味方の隙間を埋めるのに良さそうな位置だったのだ。
 事前の情報から敵の黒幕は森の奥地だと判明しているが、まだ村へ押しかけてくる怨霊は後を絶たない。落とし穴も隠していた網と草木が剥がれ落ちてしまえばただの穴。怨霊たちは森の奥から村へ向け穴を避けならが行進していた。
「さてここから更に前線を押し上げるぞッ!」
 綴は自身に搭載している武器という武器を展開、装填。一斉に怨霊めがけ弾幕を浴びせかける。薙刀で応戦しようとする怨霊に対しこの攻撃はとても有効な手段ではあるのだが、一斉に射撃を行っている関係上、やや精度にはかけるものがあった。弾幕の合間をすり抜け一体の怨霊が綴へと迫る。
「やれやれッ! 美人のアタックは嬉しいんだがなッ!」
 綴は軽口を叩きつつも迫り来る怨霊の攻撃をいなし左手で薙刀の柄を掴む。怨霊は咄嗟に薙刀を引こうとするもののそれ以上の力で引き寄せ、右手を当てがった。
 辺りに他の猟兵がいないことを幸いとし、遠慮なくユーベルコード銀弾白杭を発動させる。ごく近距離にしか射程範囲のない攻撃だが、威力は絶大だ。
「……どうか、安らかに」
 怨霊はオブリビオンとはいえ、合戦場で死した兵たちの記憶から生まれ出たものであることは間違いない。目の前で消しとばした怨霊に対し、弔辞を述べる。
 森で戦っていた猟兵たちの動きもだんだんと落ち着きが見えてくる。あともう少しだ。綴は再び武器を展開した。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋翠・華乃音
……さて、前線を抜けて来た怨霊でも始末していこうか。

戦闘が始まる前に防護柵周辺の状況を確認した後、
「他と比較して守りの薄い箇所」
「敵の前線突破が予想される箇所」
「戦場を広く見渡せ、狙撃に適した箇所」等の条件から狙撃を行う位置を決定しておく。
戦闘時には「スナイパー・視力・暗視」を始めとした技能で視野を広く保ち、敵の迂回等に気を付けつつ正確な狙撃を行う。

確認した通り怨霊は弓を携えてるか。
まあ、確かに遠距離戦に於いて弓は優秀な武器だろうな。
射手の技量や弓の性能にもよるが、100mや200m先を射程距離に収める事も珍しくはない。
けどな、俺の狙撃銃の射程距離はその倍だ。
……相手にならない。出直して来な。



「ォォォォォ」
 それは合戦場さながらの怒号である。怨霊と、怨霊により呼び出された鎧武者が武器を手に森から村へと襲いくる様子を見て村人たちは狼狽する。今まで少数が森から出てきて畑や村を襲ってくることはあってもこのような大群、しかも鎧武者は初めて見たと。
 ここは塹壕の防護柵のさらに奥。そこに簡易的に組んだ矢倉の上に緋翠・華乃音(ambiguous・f03169)は居た。
 敵が迂回などで防護柵を越えていくものが出るかと危惧してしたため、視界が広くなるよう用意した矢倉だ。しかし敵は律儀にも森と村の最短距離であり塹壕を仕掛けてあるルート上をまっすぐ進行してきている。
 華乃音は敵の居る場所がわかれば容易いものだという。灯りが届かない暗闇も見通す暗視技術に加え、Nil admirariと名付けられた狙撃銃と華乃音の腕が合わされば怖いものなど何もない。
 防護柵付近は別の猟兵たちが守りを固めているためているため、華乃音は森から出てきたばかりの怨霊たちに狙いを済ます。華乃音が引き金を引けば一体、また一体と怨霊の額銃弾が撃ち込まれ、その存在が消失していく。怨霊が消えると同時に怨霊が召喚していた鎧武者も同じく消失していき、たちまち敵の数が現象していった。
「弓や槍も確かに優秀な武器だが……」
 射手の技量や弓の性能にもよるが、100mや200m先を射程距離に収める事も珍しくはない。しかし華乃音の狙撃銃の射程距離はその倍以上を誇るのだ。
「……相手にならない。出直して来な」
 華乃音は鎧武者は相手にせず、粛々と怨霊の額に銃弾を浴びせ続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蜂蜜院・紫髪
心情:さぁて来なすったの。しかし坂上殿(f06254)が森で狐火を見たと言っておったな…邪妖扱いされとった頃を思い出すのぅ。まぁ、森に入る猟兵達が勘違いしてもいかん。【儂は森には入らず塹壕で戦う】としよう。一応話を通しておくかの。
あ、こりゃ村人衆あまりこちらへ来るでない!矢玉一つで致命傷じゃぞ!

行動:事前に心情で書いた内容を森突入組に伝えます。

戦闘:塹壕の通り道を護衛人形で塞ぎ、狐火で武者の矢や槍を焼き払いながら戦います。
敵の排除よりは他の猟兵へのカバーを中心に、狙える時は弓持ちから優先して倒していきます。

後顧に憂いなし存分に暴れられるが良い!



「よう来なすったのう! さぁこっちじゃ!」
 防護柵付近の守りを固めるのは蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)だ。森の中で狐火を見たとの情報があったため、面倒ごとになるのを避けるため森の中ではなく塹壕付近で戦うことを選んだ。紫髪は昔、邪妖扱いされていた時のことを少し思い出すが今は感傷に浸っている場合ではない。
 前もって自分は森に入らず、防護柵、ひいては村の護衛に努めることを他の猟兵たちには伝えてある。これで森の中で戦う者たちも後顧に憂いなし。存分に暴れられることだろう。
「村人衆は下がっとれ、矢玉一つで致命傷じゃぞ!」
 自分たちの村を守るべく防護柵を見守る村人たちだが、ここには彼らを守るための猟兵たちが集っているのだ。危険な防護柵付近から村人に下がるよう指示をし、紫髪はその腕を振るう。
 塹壕により一箇所に誘導されてきた怨霊たちを紫髪の護衛人形で防護柵を越えぬよう塞ぎ、そして怨霊は紫髪の狐火で撃破していく。
 森から出てすぐの怨霊が他の猟兵により撃ち抜かれ鎧武者ともども消滅するのを見ているため、向かってくる敵で紫髪が狙うのは怨霊のみ。また塹壕の穴に落ちたものは怨霊だろうが鎧武者だろうが盛大に点火した狐火の餌食だ。
 護衛人形もいくらか破損し修繕の後が見て取れるが、現状全く問題なく、怨霊や鎧武者の攻撃を防ぎいともたやすく振り払っている。
 森の中、そして森から出てきた怨霊たちが次々と撃破されていることもあり、防護柵までたどり着いた怨霊など一握り。塹壕の作りも効いて効率よく撃破された怨霊たちはその数を激減させていった。
 残る敵を全て撃破し、森の奥へと向かう時は近い。そう紫髪は確信をした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
…事前の準備は入念に行ったつもりではあったが、其れを上回ってくるとは。
村人達に何かあってはいけない、何としても食い止めねば。

「地形の利用」を駆使して自分達が仕掛けた罠を有効活用しつつ接近、
怨霊女武者達に対しては対集団戦のUC【花冠の幻】を使用
「全力魔法」や「高速詠唱」が有効なら併用しつつ発動する
可能な限り多くの敵を巻き込む為に敢えて踏み込んでいくが
片道切符にならないよう、退路も横目で確保しておこう
(発動に使用する武器はお任せ致します)

【落武者呼び】の反撃が少々怖い所だが
此れまた「地形の利用」を有効活用して、
槍や弓の攻撃を何とかしのぎきりたい
物陰に身を隠してやり過ごすのが得策だろうか



「……事前の準備をかなり入念に行ったつもりだったが、其れを上回る数がいたとは」
 そう言うものの、森に蔓延っていた怨霊はずいぶんとその数を減らしていた。森で戦っていた者たちの戦の音もほぼ聞こえなくなり、怨霊を殲滅し、敵の親玉への道を確保するのも時間の問題だろう。
 猟兵たちが親玉の元へ殴り込みに行くには第一に村の安全が担保されなければならない。ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は今目の前にいる怨霊たちに集中する。
 場所は塹壕の防護柵付近。防護柵に集まってきた敵は人形により行く手を遮られ、塹壕の穴に落ちた怨霊などは火で炙られ消滅している。また森から出てきたすぐの怨霊は防護柵奥からスナイプされてその数を減らす。そのため今一番敵への攻撃が手薄なのは塹壕と森の中間地点。ちょうど塹壕の開始地点といった場所だ。
 ニコはそこを突くべく、敵が向かってくるスピードと距離を目算し、ちょうど良い塩梅で塹壕正面へと躍り出た。
「夢は虹色、現は鈍色、奇跡の花を此処に紡がん」
 ニコが展開するユーベルコドーは花冠の幻。装備武器を無数の虹色をした薔薇の花びらに変化させ、怨霊たちに向かい舞い散らす。
 ニコが変化させた武器は時刻みの双剣だ。時計の長針と短針をそれぞれ模し、炎と氷のルーンを宿した剣は花びらにもその属性を宿し、花びらは意思をもち怨霊へと襲いかかる。時にひらひらと舞い、時に鋭く切り裂いてゆく。
 主に狙うは女兵士の怨霊。鎧武者はこちらに攻撃が向かわない程度に翻弄し、怨霊が消滅すればそれに召喚されていた鎧武者も同様に消滅していく。
 ニコの背後、塹壕に向かう怨霊たちは攻撃さえしかけなければ振り向いてくることはない。敵の親玉に指示が与えられているとはいえ所詮は烏合の衆、自発的な思考などほぼ持ち合わせていないのだ。
 全ての花びらが舞い落ちる頃にはニコの眼前には敵の姿はなく、振り返り見れば塹壕に向かっていた怨霊たちも全て討伐され尽くしていた。

 怨霊たちのざわめきは消え、あたりには明かりに灯していた火が弾ける音だけが響く。残るは敵の親玉だ。
 猟兵たちは一向に姿を現さない親玉の元へカチ込むため森の奥へと向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


――森の中腹より奥。そこは突如現る草も生えぬ空間。あたりには狐火が漂い、空間の中央には不服そうな表情をした妖狐が座する。
 猟兵がその空間に足を踏み入れると可愛らしい顔とは似つかない鋭い歯を見せ威嚇してきた。
「怨霊どもが帰ってこないと思ったら君らのせいねっ?!」
 畑を荒らして美味しいもの取ってこい、また村人が狼狽える姿が楽しいから村も襲ってこい、そのような指示を出していたのに一体も怨霊が帰ってこず、おかしいと思っていたと次々と自らの狼藉を暴露する。
「まぁいいや。ちょうど良い獲物が自ら飛び込んできたんだもの。君らを食べてやるから」
 妖狐は鋏を手にし、嬉しそうな表情をする。
 可愛らしい見た目に騙されてはいけない。この妖狐の見た目をしたオブリビオンを退治し、村の平穏を取り戻そう。
蜂蜜院・紫髪
心情:本命が動いたか…こちらはもう敵は残っておらぬか?
森の中は狐火が使いづらくて面倒じゃが向かうかの。
とりあえず麻生殿の使っていたド…ド…ドコーン?の位置を目指して進むとしよう。
野の掟を知らぬ狐に灸をすえてやらねばの。

行動:一応塹壕に向かってくる敵が残っていないか確認します
接敵前に陽炎の術を使い奇襲を仕掛けられるか試します
通じるようであれば危機的状況や力を貯めたい他の猟兵にかけて補助します

戦闘:護衛人形を盾に【フォックスファイア】と【妖狐の炎】の相殺を狙います
鋏は相殺できるか分かりませんが、可能ならこちらも狙います
主戦闘を他の猟兵に任せ、支援と【かばう】での被弾の軽減を主軸に戦います


四軒屋・綴
子供に手を上げてはいけないと教えられたんだがな……

美味しいものか、それはそうだろう、村人達が汗水垂らして作ったものなんだぞッ!


【妖狐の炎】は操作可能な遠距離攻撃、逆に言えば操作に意識が割かれるわけだ、【ダッシュ】と【スライディング】で引っ掻き回しつつ【一斉発射】で回避を強要、集中力が途切れたところでユーベルコードを発動、炎を合体させて防がれるかも知れないが【オーラ防御】【怪力】【吹き飛ばし】で突っ切るッ!

味方が居れば【援護射撃】を絡めていこう。

「哀れなものだな、叱る者すらいないと言うのは。」



「塹壕からここまでの間、他に怨霊もおらんかったし村はもう大丈夫じゃろう。ド……ド……ドコーン? じゃったか、あれのおかげで迷わずここまで来ることもできたし、これで目の前の敵に集中できそうじゃ」
 蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)は戦っていた塹壕付近から他猟兵のドローンの情報を頼りに森を一気に駆け抜け敵の親玉の元へと真っ先にたどり着いていた。
「ふん、君らのせいでせっかく呼び起こした怨霊どもは全滅よ! ただ殺すだけじゃ済まさないからね」
 妖狐のオブリビオンはいくつもの狐火と鋏を宙に浮かし、迎撃体制を取る。
「哀れなものだな、叱る者すらいないと言うのは」
 キマイラフューチャーにて現地住民に協力や教えを受け、人と関わる大事さというものを学んできている四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)は一人好き勝手する妖狐を見てそういった感想を持つ。
「はぁ〜!? ほんとムカつくヤツらね! これでもくらえっ!」
 オブリビオンが腕を上げ、そして振り下ろすと、左右から猟兵二人めがけ狐火と鋏が勢いよく飛んでくるが、そのいくらかが猟兵に届く前に空中で止まる。その空間に徐々に姿を現したのは紫髪が操る護衛人形だった。陽炎の術により姿を消し攻撃を防ぐために待機していたのだ。
「なにそれずるっ!」
「戦にずるも何もないじゃろ、こんなに見晴らしの良い場所じゃなければ奇襲だって仕掛けてやるぐらいじゃ」
 紫髪は護衛人形で防ぎきれなかった狐火と鋏を自らの狐火であるユーベルコード、フォックスファイアで相殺し攻撃を防ぎきった。妖狐たい妖狐の対決のようだがこちらにはまだ他にも猟兵が居ることを忘れてはいけない。
「狐火に加え鋏の操作に意識を持ってかれているようだが、俺のことを忘れてもらっては困るなッ!」
 綴は紫髪のおかげで敵の攻撃を陽動する必要もなく攻撃に意識をもっていかれ隙だらけであったオブリビオンに向けまっすぐ走り込み、至近距離から正々堂々と一斉射撃を食らわせた。
「まだまだァ! いくぞ! 爆・圧・列・車ッッ!!」
 綴は走り込んだ勢いをそのまま乗せ、蒸気機関車型ユニットを装着した両腕からの一撃をオブリビオンに喰わらせることに成功する。そのあまりの力により、攻撃を受けたオブリビオンの足元が凹み、土煙が舞う。
「ちっ! 虫けらのくせにっ!」
 攻撃に全ての力を注ぎ込んでいたオブリビオンは綴の攻撃を防ぐことができず、続けざまの連続攻撃を喰らいよろめく。
 二人の連携によりダメージを与えられたオブリビオンだが、その目からはまだ戦う意思、そしてこちらを甘く見ている様子が見て取れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナナ・モーリオン
あなただね。みんなをあんな風に使ってたのは。
みんなにも、やりたかったこと、やれなかったことは、いっぱいあったんだよ。
あなたは、たまたまそこに在った魂を使っただけのつもりなんだろうけど……。
……ボクは、怒ってる。
おいで、みんな。身体はボクが用意してあげる。

我はモーリオン。呑邪の黒水晶にして、眠れる魂の代弁者也。
死して後も使役を強いられる魂の怨恨……その火の強さを知るがいい。
往くがいい、小さな怨嗟の獣たち。
正当なる怒りを以て、彼の者に報いを。


……あ、ボク自身は隠れて呪詛だけ飛ばしてます。発動中は戦えないからね。



 森の中に広がる空間で他の猟兵たちが戦っている中、あえて戦闘に混じらず空間と森の境目にえる木の陰にナナ・モーリオン(スケープドール的なモノ(本人談)・f05812)は居た。
「たまたま__あなたはたまたまそこに在った魂を使っただけのつもりなんだろうけど」
 ナナは怨霊たちを使い捨てのようにした妖狐のオブリビオンに心の底から怒っていた。怨霊の元になった人たちは好きで死んでしまったわけではないのだ。それはやりたいこと、やれなかったこと、たくさんあった無念の念があるからこそ怨霊という形をとる。
「おいで、みんな。身体はボクが用意してあげる」
 ――我はモーリオン。呑邪の黒水晶にして、眠れる魂の代弁者也。
 それはナナの詠唱。
 ――死して後も使役を強いられる魂の怨恨……その火の強さを知るがいい。
 ユーベルコード小さな怨嗟の獣たちを発動する。
 ――往くがいい、小さな怨嗟の獣たち。
 現れたのは小犬の姿をかたどった黒炎と子猫の姿をかたどった黒炎。
 ――正当なる怒りを以て、彼の者に報いを。
 二体の黒炎は時折混じり、炎を散らしながらオブリビオン目掛け疾走した。
「っ?! ギャッ!」
 それはナナと、そして使い捨てにされた怨霊たちの怒りが篭った一撃だ。
 オブリビオンは目の前の見えている猟兵にばかり気を取られ、思いがけない方向から現れた二体の黒炎に対し完全に反応が遅れる。二体の黒炎による攻撃は直撃した。
 猟兵たちはうまい具合に遠近別れ、オブリビオンと対峙している。反撃の隙も許さず猟兵たちの攻撃は続いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋翠・華乃音
オブリビオンだろうが少女の姿をしたものを攻撃するのは気が引けるけど……まあ、それも仕方の無い事か。

「地形の利用」を行使し、敵の居る空間を把握出来る位置の木の上や枝に潜伏。そして森から狙撃を行う体勢を素早く整える。
優れた「視力」を生かして「スナイパー」として後衛から「援護射撃」をメインに戦列に参加。
敵の動きを「見切り」つつリロードは「早業」で行う。
射線が見切られそうになる、若しくは敵が此方へ攻撃をしてくるのなら狙撃を止め、コードを発動。
以降は前線にて、ナイフや二挺拳銃などの多彩な武器を状況に応じ使い分けて近接戦闘を行う。

……さて、少しは本気でいこうか。
スナイパーが近接戦闘出来ないなんて思うなよ?



「少女の姿をしているオブリビオンか、姿形のせいで攻撃するのは少し気が引けるけど……」
 緋翠・華乃音(ambiguous・f03169)は妖狐のオブリビオンが座していた空間から少しばかり離れた位置にある木の上にいた。この地形を利用し、敵に発見されにくく、かつこちらから攻撃ができるポイントを探り当て、戦闘が始まるのを潜伏し待っていた。
「隙有り、というより隙だらけだな」
 戦闘が始まり他の猟兵との戦いが始まる。オブリビオンの攻撃手段は狐火や鋏を飛ばす方法で行われ、オブリビオン本人の立ち位置が変わることはほぼ無かった。戦闘において敵から丸見えの位置で一箇所に留まり続けるなど愚行とも言える行為である。
 華乃音は不安定な木の上からでもその優れた視力とスナイパーとしての経験を生かし素早く安定した狙撃が可能だ。他の猟兵が不意を打った所で、今度は華乃音から別の方向からの不意打ちだ。素早く狙いをつけ、1射撃目で足を貫く。
「痛い! またなの?! いい加減にしなさいよぉ!」
 オブリビオンは九尾の狐の姿に変化し攻撃が飛んできた方向を向き警戒するが、華乃音にとってその動作は遅く、お見通しといったところだ。すでにリロードを済ませ2射撃目の攻撃がオブリビオン目がけ飛び、お次は肩を貫いた。
「ギィイ」
 それでもオブリビオンは位置を変えるなり森に逃げ込むなりしないところを見て華乃音は猟兵たちの勝利を確信する。
「本気を出すまでもないな」
 未だ射線に見え続けるオブリビオンを攻撃すべく華乃音は再び銃を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蜂蜜院・紫髪
心情:ふむ相殺は問題なさそうじゃの。であればあとは時間の問題よ。
他の者も来ておる、人形がもつ限り抑え込ませて貰うからの!

戦闘:前衛で戦える猟兵が居れば中距離から狐火での支援をします。
前衛が居ないようであれば人形を操り盾になるように努めます。
他の猟兵に注意が向くようであれば狐火で隙を突きます。
人形は壊れても構わない前提で戦っています。


*もし使う事があれば用*
真の姿:【人形が壊れた場合】に【前衛】で戦うために使います。
括弧の条件二つを満たさない場合は使わないようにします。
狐の耳や尻尾が出て毛深くなり爪が短刀ほどに伸る。半獣化状態です。
【経路は紫】【瞳は瞳孔が犬種独特の鋭い縦長になります】



 蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)はここまでの感触で敵の攻撃と相性が悪くないことを実感する。
 現在戦況はこの広がる空間で戦う者もいれば、空間の外側、敵に悟られない位置からの狙撃など全方位からオブリビオンへの攻撃が飛んでくる状態が出来上がっていた。すでに猟兵たちの度重なる攻撃によりオブリビオンの体力をかなり削っている。
 そうとなればあとは時間との戦い。護衛人形が持ち堪える限りオブリビオンからの攻撃を抑え、その隙にダメージを与えるのみだ。
 紫髪は護衛人形を操りオブリビオンの眼前へと躍り出る。
「悪さをする野狐には灸をすえてやらねばの」
「ガァア!」
 オブリビオンは九尾の狐の姿のまま吠え、鋏を操り紫髪に向け攻撃を仕掛けるものの、その攻撃はほぼ護衛人形に刺さり、外れた鋏は紫髪の狐火により軌道を逸らされ弾かれた。
「なんでっ!」
 なんでそんなに突っ込んでくるのか。そう言いたかったオブリビオンだが紫髪は
お喋りする暇も与えずオブリビオンに狐火を焚きつけた。
「ふん、そのための護衛人形じゃ」
 壊れることを気にしていない、というよりは人形は壊れる前提の上で操っているため遠慮なく護衛人形で攻撃を引き受ける。二度にわたる攻撃で人形の片腕が大きくひび割れるが操ることに支障は出ていない。これならもう1、2度は大きな攻撃を耐えるだろう。
 まだ真の姿を晒す必要もないと判断した紫髪はオブリビオンを攻撃すべく、再び狐火を燃え上がらせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
 あれ? 貴方、“明日香”よね?
 貴方に会うのは2回目だけど、そっちはこっちのことを憶えていないのね。
 骸の海から染み出してきて、同じことを繰り返すだけの存在ってことかしら?
 さっき私達のことを虫けら呼ばわりしていたけど、よっぽど自分の方がそうだと思わない?

・落ちている鋏を投げつける。(念動力)
・鋏での攻撃に、見えない攻撃を混ぜる。(2回攻撃、サイコキネシス)
・遠距離戦に応じようとしたら距離を詰め、接近戦に持ち込む。(グラップル、捨て身の一撃、全力の一撃)
・接近戦に応じようとしたら、また遠距離戦に戻る。

 この前と同じ戦い方よ?
 貴方がただのデッドコピーじゃなければ、防げたと思うんだけどね?



「貴方、明日香って名前よね?」
 アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)はいきなりそう妖狐のオブリビオンに語り掛ける。
「ハ? いきなり何様のつもり……第一わたし、君たちに名乗ってないんだけど?」
 オブリビオンの姿はヒト型のものに戻っており、猟兵たちと向きあっているが、その姿はだいぶん傷つき、疲労が見える。
 まだまだ猟兵たちが確実に勝てるというほどの追い込みではないものの、 確実に体力を削り、あともう少しで押し切れるといった具合だろう。しかしオブリビオンはアレクシアの発言、態度でより怒りが募り、尻尾の毛は逆立っている。
「貴方に合うのは二回目だけど、憶えていないのね」
 骸の海から染み出してきて、同じことを繰り返すだけの存在ってことかとアレクシアは考察する。そう考えると先ほど猟兵たちのことを虫けら呼ばわりしていたこの存在は自分自身のほうがよほど虫けらという表現があるのではないかと思わざるを得ない。
「まぁそんなこと関係ないわね。粛々と邪神は殺すべし、慈悲はないわよ」
 ひとりそう結論付けるとアレクシアは念動力を使いオブリビオンが攻撃手段として使っていた鋏を操りオブリビオン目掛け投げつける。
「はっ、こんな攻撃っ」
 オブリビオンは向かい来る鋏を狐火で迎撃するも、目に見えない何かが数度体にあたり、攻撃を真向から受ける。
「ぐぅうっ」
 それはアレクシアが鋏を投げつけるときそれらに混ぜ込んだサイコキネシスの攻撃であった。
「やはりこの前と同じ戦い方よ?」
 アレクシアは以前も戦った妖狐のオブリビオンと目の前に居るオブリビオンを比べる。所詮デッドコピーということか。簡単にオブリビオンに攻撃を与えたアレクシアは再び戦うために構えたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナナ・モーリオン
あくまでも、自分本位なんだね、あなたは。
……良いよ。それなら、ボクが……我自らの手で、誅する。

自身に大狼の魂を憑依。
物陰から飛び出して、自身の右手……狼爪で、引き裂く。
野生の勘を総動員して相手の動きを読み取って、怪力と、呪詛のこもったこの一撃……。
鎧無視攻撃の技能もあるから、止められるものではない。

我はモーリオン。呑邪の黒水晶にして、眠れる魂の代弁者
……そして、魂の眠りを乱す輩に、鉄槌を下す者。
心せよ、咎人よ。
汝が使い捨てた者たち……
黒き森の王、死者の国の守護者が、其等に代わり汝を討つ。



「あくまでも、自分本位なんだね、あなたは」
 ナナ・モーリオン(スケープドール的なモノ(本人談)・f05812)は落胆にも似た感情を感じつつ、妖狐のオブリビオンを倒す決意を新たにすると、老狼の銀飾りがかすかに揺れた。
 そう、眠る魂を悪用するようなオブリビオンを許すわけにはいかないのだ。
――我はモーリオン。呑邪の黒水晶にして、眠れる魂の代弁者。
 木陰で詠唱をすればナナの体はみるみるうちに何者かの魂に覆われていく。
 ……そして、魂の眠りを乱す輩に、鉄槌を下す者。
 心せよ、咎人よ。
 汝が使い捨てた者たち……
――黒き森の王、死者の国の守護者が、其等に代わり汝を討つ。
 そこに立つのはナナに憑依した死する魂の守護者たる大狼の守護霊だ。
「ガァアアアアアアア!!」
「ォォオオオオオオオ!!」
 だがオブリビオンは同じ獣としてその気配をめざとく察知したのか、九尾の狐の姿に再び変化し向かってくる脅威に対し身構えた。
 しかしナナの体に憑依した大狼はそのようなことは御構いなしに木陰から飛び出し、木々に囲まれた空間を駆ける。
 牙と牙、爪と爪と。狐と狼の戦いが勃発する。組み合い、離れ、また組み合う。両者睨み合いが続いたが、先に攻撃と通したのはオブリビオンだった。
「グォオ!」
 大狼がその爪で攻撃しようと腕を上げた隙を見計らい、オブリビオンが腕へと噛みついたのだ。むろん大狼はすぐさま反撃にでる。腕を噛み付かれたままもう片腕を上げ、無防備となったオブリビオンの背中から首にかけてをその鋭い爪で引き裂いたのだ。
「ギャアア!」
 思わず大狼の腕から口が離れる。その隙にオブリビオンから一気に距離をあけ後退する。ナナの体からは維持することができなくなった大狼の魂が剥がれ落ちてしまったのだ。
 しかし先の攻撃でかなり傷ついているオブリビオンを追い込むのはあと少しだ。
 負傷した腕を庇いつつ、ナナは穿つ怨恨の黒炎槍を手にし、まだオブリビオンに対し闘志を見せつけた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蜂蜜院・紫髪
心情:なかなかにしぶといのぅ。こりゃ決め手が必要そうじゃな。
そうなると準備が必要になるの…まぁほとんど動きは【見切り】きっておる。
一手間かかるが仕方あるまい…では厄払いといこうかの。

行動:UC【呪詛返し】の準備のためUC【厄受人形】の条件を満たします。

戦闘:人形の損傷具合を少し気にしつつ、狐火で攻撃します。
UCの準備が終わったら人形が壊れないよう受けるのを控えめにします。

【メタ】他の猟兵の方が挑戦して終わりそうなら放つ、終わらなそうなら温存で次に回します。


フロッシュ・フェローチェス
お前の言い分なんざどうでも良い。過去に消えろ、ヒトモドキ。
喰らわれるモノも残さず――ね。

「加速式」起動、自信ある【ダッシュ】を起点に【残像】で攪乱、
……追って来たなら【逃げ足】合わせ、兎に角走り回ってチャンスをうかがおう。
【先制攻撃】と【早業】を活かし、攻撃の起こりを潰しながら
【二回攻撃】できれば最良ってところかな。
無理なら【スライディング】等の変則移動から、射撃だ。

万が一の場合にはブーツからの【衝撃波】で【カウンター】出来れば……
【野生の勘】が冴えていれば……チャンスかな。

大きな一撃を打ち込むチャンスを【見切り】、また【ダッシュ】。
【選択したUC】で砲弾にしてやるよ。衝突でもして砕け散れ。



「まったくもってしぶといのぅ」
「ッフー……ッフー……」
 蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)は幾度目かわからない狐火を操り、デタラメに飛ばされてきた鋏を対処する。周りを猟兵に囲まれ、負傷と疲労が重なる妖狐のオブリビオンだが九尾の姿のまま未だしぶとくこの地に立っていた。
「お前の言い分なんざどうでも良いしな。過去に消えろ、ヒトモドキ」
 残像が見えるほどの速度で多角的に詰め寄り、攻撃をしかけるのはフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)だ。一見は人のように見える体だが、実のところその体は異形そのもの。人智を越えたスピードを求め魔改造を続けた結果の肉体だ。
 フロッシュは敵を撹乱しつつただの人ではあり得ぬ速度で素早く死角に潜り込むと、刻天炉を抜きオブリビオンに至近距離より散弾を撃ち込んだ。
「こうなると動きは単調、攻撃は見切ってしまうからよいが……」
 九尾の姿を維持しているだけでもかなり肉体的負担になっている。確実に敵を追い込んでいるのは確かなのだが、このままでは埒が明かないと考えた紫髪は動く。
 それはとある行動をするための事前準備。護衛人形を操りフロッシュとは逆側からオブリビオン目掛け攻撃を仕掛けに行く。
「邪魔邪魔邪魔ァァアアア」
 それは死直前の悪あがきか。血眼になりながらがむしゃらに反撃を繰り出すオブリビオンに対し、紫髪は護衛人形が破壊されない程度の攻撃を引き受け、すぐさま手元へ手繰り寄せ何やら詠唱を始めた。
「護り給え 清め給え」
 フロッシュはそれまでと違う紫髪の動きにすぐに気づき、アイコンタクトを取る。ついさきほどまでは護衛人形が壊れることもいとわない姿勢で敵の攻撃を受けていたところでこの行動だ。幾重にも渡る戦闘経験に加わりフロッシュの勘が冴えわたる。
「どうやらこれで終いだ。目視すらさせやしない、飛べ」
 フロッシュはブーツを可変させたかと思えば、凄まじい瞬発力でオブリビオンに肉薄し、刹砲『トリニダード・スコーピオン』を放つ。その蹴撃はオブリビオンをまるで弾丸のように弾き飛ばした。
「グゥウウ!」
 受け身を取る間も無く勢いよく宙に弾き飛ばされたオブリビオンは態勢を整え着地しようとした視界の端に何かを見た。それはまるで水鏡を見ているような感覚に陥る。
「最後はお主の力そのものに喰われるが良い」
 水鏡のようにオブリビオンの姿を写したそれ。それは紫髪のユーベルコード、厄受人形により護衛人形が受けたオブリビオンの力を借用し、発動させたものであった。
「……ッヒ?!」
 その力は宙に浮いたオブリビオンへ飛び込み、九尾の姿を写したそれはその大きな口をパカリと開ける。そして妖狐のオブリビオンを丸ごと、その文字通り、喰ろうた。

「さて、これにてようやく一件落着。厄払いといったところじゃのう」
 森に巣食う怨霊も排除した。狼藉を働いた妖狐も倒した。これにて猟兵たちの仕事は終わりだ。それぞれ受けた傷などを癒しつつ村へと足取りを向ける。もうこの森は安全なのだということを伝えるために。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト