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漆黒の鉄の卑劣な騎士

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●孤高の騎士
 光すら失った闇の世界。ダークセイヴァーのとある農村の広場にて、村人たちが集められていた。
「騎士様、お助けくだせぇ…!なにとぞご慈悲を…!」
 やせ細った人々の中から一人、懇願する男がいた。これ以上奪われてしまえば、飢えて死ぬしかないと。
「……なにいきなり話かけてきてるわけ?」
 漆黒の鎧を身に纏ったオブリビオンは、冷たくそう言い放った。
 配下であろう者達が男の身柄を拘束し地面に伏される。
「皮装備の貧弱な生き物が俺に反抗する浅はかさは愚かしい。
 同じようなのが二回連続で出るわけがないよな…?」
 男の蛮行によって徴税が更に重く課せられるが、反論するものは誰もいない。
「き、騎士様は素晴らしいのです!そのような者この村には存在しません!」
「ほうよくわかっているな。命だけは助けてやろう騎士は慈悲深い存在だからな」
 その命すら、長く持たないようなほど苦しい生活を課せられているにも関わらず。日常的ですらあるこんな光景は、人々から抵抗の意志を完全に奪い去っていた。

●闇を切り裂く光と成れ
「私はあの騎士を許すわけにはいかない。」
 力強い眼光と共にその言葉を放ったのはグリモア猟人のリリィ・オディビエントだ。
 白銀の鎧を身に纏った少女は、同じ騎士としてその存在を強く否定する。
「予知の話を纏めよう。ダークセイヴァー世界の山に隣接した農村が、オブリビオン達によって圧政を受けているようだ。
 生きていくことすら厳しい状況でありながらも、その支配を受け入れてしまっている。
 ただ食料がないとか、戯れに生活を脅かすだけでなく、オブリビオンは生きようとする人々の心すらも踏みにじっている…!」
 ふつふつと怒りの感情を露わにしながらも、リリィは地図を取り出し広げる。
 家や畑がまばらにあり周囲は起伏の緩い山々や川に囲まれているようだ。
 猟人が向かう時点では、人々は方々で仕事をしているだろう。
「畑仕事や川で魚を獲ったり、家畜の世話や肥料を集めている者。
 ほかにも家の中でわら細工や生活用具の職人もいる農村だ。
 人々が集まるのはオブリビオンが来てから、そうなってからでは遅い。」
 一人二人の手では足らない、と告げてから本題に移る。
「まずはこれらの村人たちに希望の火を灯してあげなくてはいけない。
 自分たちの立場を余計に危うくすると思い、戦いを止めようとしてくるからだ。
 このままでは邪魔をされ、何より状況を打破しただけでは後には繋がらない。」
 最優先にすべきはオブリビオンを倒すのではなく人々の未来を切り開くことだ、とリリィは強く主張した。
「言葉による鼓舞を行ってもいい。武勇を示せばその力に希望を見出すかもしれない。
 敵の偵察を察知したり、その技量の一端を見せるのもいい。
 言葉巧みに人心を掌握し、その知恵を持って勝利への道筋を示すことでも納得するだろう。
 君達の得意分野を考え、ユーベルコードを上手く扱えれば不可能ではないはずだ。」
 道は一つではない。未来という明るさを見せつけるのだ。
「私はあなた達を送ることしかできない。」
 村へやってくるあの騎士を倒し、支配からの解放を出来るのはあなた達だけだ。
 頼む、助けてやってくれ。」
 その言葉に、猟人達は強く頷いた。


汚い忍者
 ドーモ。猟人=サン。汚い忍者です。
 格好いい文章を目指して頑張っていこうと思います。

 今回は卑劣な騎士に支配された人々を鼓舞し、圧政から助ける依頼となります。
 心が折られると人は生きていけなくなります。
 あなたの助けたいという強い想いを言葉に乗せ、奮い立たせてあげてください。

 暗黒に堕ちるとか騎士はやっぱりダメでござるな!
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第1章 冒険 『恐怖支配からの解放』

POW   :    熱心に説得する、武勇を示す

SPD   :    敵の偵察を察知して対処する、卓越した技量を示す

WIZ   :    人心を掌握する、勝利への道筋を示す。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天星・暁音
酷い…ね。
こんなの俺も許せないよ。
あいつが騎士を名乗るのも不快だ…
必死に生きてる人たちを馬鹿にするようなのが騎士を名乗るなんて…

【癒やし歌】や【生まれながら光】で住民を癒やし【勇気】を奮い立たせ【歌唱】で歌い【鼓舞】し護ると【覚悟】を示します。

「絶対大丈夫だなんて言えないけれど俺の全力で護るから、だから立つことを辞めないで、進む為の勇気を忘れないで、ここで黙って従っても貴方達のな大切な人を、貴方自身の明日を脅かす者は消えないのだから、ほんの少しだけでいい、痛みに脅える心に、明日に脅える心に立ち向かって、弱い心を護る為の勇気なのだから」

アドリブ共闘可



そこにはただ絶望があった。
 体は生きたいと手を動かそうとするが、心が着いて来ない。一人の男の畑を耕す鍬が手から零れ落ちる。
「どうせ奪われるものをつくるのに何の意味があるんだ……!」
 嘆きの中、歌が響く。耳に届く心地の良い音色が、村人たちの止まっていた手を動かした。
 突如湧き出た胸のうちの何かを知りたくて、音の鳴る方を向く。
「そうだよ、上を向いて。」
 天星・暁音(貫く想い・f02508)が、手に持った鈴緒の祭器をしゃんしゃんと揺らしながら現れる。
 司祭様? 幼い… 歌?浮かんだ疑問を一蹴するように祭具を地面に突く。
「ユーベルコード……【生まれながらの光】。」
 淡い光が生まれる。苛酷な労働で傷ついた体が、光を浴びて癒されていく。
 まさしく奇跡だった。神の使いか?そう思った村人たちは気づく
「俺は猟兵、この世界に巣食う災魔から貴方達を救いにきたんだ。」
 少年の額から汗が伝う。光は奇跡であり、少年の奉仕でもあった。
 支配に埋め尽くされた心が少年の言葉を遮る。だが、それ以上に少年の姿は村人たちの心を惹きつけた。
「絶対大丈夫だなんて言えないけれど俺の全力で護るから…。」
 気づかないわけがない。小さな少年が振り絞っているその汗を。
「だから立つことを辞めないで、進む為の勇気を忘れないで。」
 湧き出た胸のなにかを、少年は勇気と呼んだ。
「も、もういい…!俺達のためにそんな必死になる必要なんてないだろう!?」
 村人が止めようとするが、暁音は光を止めようとしない。
「ここで俺がやめたら、証明できないんだ…!」
 頬を伝い顎から汗が垂れながらも笑みを浮かべる。
「黙って従っても貴方達の大切な人を、貴方自身の明日を脅かす者は消えないのだから。」
 その場の村人たちは覚悟を受け、ただ耳を傾ける。
「ほんの少しだけでいい、痛みに脅える心に、明日に脅える心に立ち向かって。」
 胸の内の炎が伝染していく。
「それが、弱い心を護る為の勇気なのだから。」
 光が弱まる。暁音の体が疲弊でぐらりと揺れる。一番近くにいた、鍬を落とした男がその体を支える。
「伝わったよ、お前の気持ち。俺達も力を貸すから、守ってくれこの村を……」
 村人たちの眼には、希望だけが映っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャレム・アルカード
民には行くべき先を導く光が必要なのだ。そう、この我のような!大公たるもの、民に道を示すは当然よ!

見よ!この我が誇る武装収容棺『ヘカトンケイル』の威容を!つよいぞすごいぞかっこいいぞー!フハハハ!

さらに!血統覚醒にて世界の支配者たるヴァンパイアの武威を示し!我の溢れ出るカリスマからなる後光を合わせれば、光と闇が備わり最強に見える!
これで民の心はわしづかみの激アツ間違いなしよ!
ふふ……フハハハ……フフハハハハハ!!



●すごいなー憧れちゃうなー!
 光があれば闇がある。
 畑の方で暁音が現れた頃。村の中央に舞い降りるは闇の使者。
「フハハハハ!!」
 凄い煩いのがいた。
「フハハハ、フフハハハハハハハ!!!」
 周りには誰もいなかった。
「なぜ誰も現れん!!?」
 シャレム・アルカード(ダンピールのガジェッティア・f09897)は世間の冷たさに絶望しそうだった。
 あまりの騒がしさに、なんだなんだと屋内の仕事をしていた村人たちが家の中から現れる。
「ふっ、ようやく来たか。我はシャレム・アルカード!高貴なるヴァンパイアの血を引く者なり!」
 決めポーズと共にユーベルコードを発動する。
 それは真紅の瞳に覚醒し、ヴァンパイアへと変身する【血統覚醒】。
 圧倒的な武威を示すことで溢れんばかりのカリスマをまき散らす!
「ひ、ひぇぇぇ!?」
「……ふむ」
 なんだか期待した反応と違ったが、ある意味心をわしづかみにしただろう。
 覚醒しているとなんだか疲れるので早々と元に戻りながら一目置かれる存在として注目される。
「よし!見るがいい貴様ら!この我が誇る武装収容棺『ヘカトンケイル』の威容を!
 すごいぞーかっこいいぞー!フハハハ!」
 用意しておいた寝床兼武器の棺を見せつける。
 棺が開かれると同時に何十もの武装が飛び出てくる男の子心をつかみ取る一品だ。
 これを作ってから心は豊かになり、武器の話を聞かれて、人気者になった。
「あひぇぇぇ……」
 住民達の心はへし折れそうだった。だがシャレムのバトルフェイズはまだ終わっていないぜ!
「民には行くべき先を導く光が必要なのだ。大広たり得る、民に道を示す救う輝きが!
 そう、この我のように闇と光が備わり最強に見える者が!!」
 マントを翻しその背に本当に後光が輝いた。この光が畑のあたりから来てる光だということに気づくものはいない。
「スク…スクウ…?」
 もはやゾンビのような状態でひっそりと幕を閉じそうな村人たちがその言葉に気づく。
「た、助けてくれるのか…?」
「そんなものは知らん!だが、貴様らが勝手に助かるのは自由だ。
 我がしてやるのは、貴様らの前に立ち光を示すことだけだ。
 そのついでに、この村を支配する生意気な騎士を叩き潰すこともあり得よう!」
 なんだかよくわからないが、凄まじい自信と説得力に押される村人たち。
 次第に自分たちの知る災魔との違いを感じ、希望を見出し始めた。
「しゃ、シャレム様…!」
「助けてくださいシャレム様!」
「「「シャレム!シャレム!シャレム!」」」
 村人たちの歓声に満足げに頷く。
「我に任せておけ!フハハハ…フフハハハハハー!!!」
 自然と信用されるのがカリスマという名言を知らないのか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

キア・レイス
とりあえず村人達から信頼を勝ち取るため、銃撃の腕前を見せる。

ユーベルコード【スカウトドローン】を呼び出し適当な獲物を探させる、全て呼び出すと村人が驚くかもしれないので別に全部出さなくてもいいだろう、9機でいい。
強力な魔獣でもいたらいいが、適当な獲物を見繕ったら証人にする村人を引き連れ獲物を狙撃。
撃ち殺すことで、強さを見せつける。
次いでスカウトドローンを全て呼び出しさらに合体させ巨大なドローンにして見せることで信頼度はさらに加速した。
「私は別に強さをアピールしているわけではない、いつもしていることの一端を見せただけ、それでも私を強いと感じてしまう者がいたら、そいつは本能的に長寿タイプだろうな」


ルトルファス・ルーテルガイト
……ダークセイヴァーの騎士というのは、口調も態度もやる事も…皆おかしな連中ばかりなのか?(冷淡な表情は変えないままで)

(POW型)
…村人に対する鼓舞を行う人がいるなら、早速生まれかけたその希望を
根こそぎ搾取しようとする奴らがいるかもしれない。
…俺は、そいつらを相手にしてやる。
…【精霊剣】で【光の精霊の加護】を受けた剣を使って、あの騎士の腰巾着共を、軽く痛めつける…軽く、な。

「…俺は、聖者の様に希望の火を奮い立たせられる事は出来ない。
…精霊の加護をもってしても、この土地を回復させる事は出来ない。
…今の俺にできるのは一つ、貴様らの様な連中を…『猟兵』として狩るだけだ。」



●裏世界でひっそりと幕を閉じる。
 光の暁音、闇のシャレム、二人の力が合わさり説得は大成功を治めた
 村の中では二人を称える二大宗教が成立しそうなほどであった。
 だからこそ、だ。上手くいってるときほど、迫りくる危機を警戒する者達がいた。
「…やはり現れたか。」
 ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は想定通り、と頷く。
 村の外れから人の成れ果てのような影が移動している。
 騎士の配下、偵察隊と呼ばれるそれは、村人に反抗の意志があればそれを挫く役目を持つ。
 侵攻から守るように、二人の猟兵が立ちふさがった。
「丁度いい獲物発見だな。証人もいる。」
 銃を構えたキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)の視線の先には、まばらに居る村人が短い悲鳴をあげながら震えている。
「…俺は、聖者の様に希望の火を奮い立たせられる事は出来ない。」
 不器用ながらも助けたい想いは、その身を守る盾となることを選んだ。
 柄だけの剣を構えながら、ルトルファスは呟き、キアが言葉を返す。
「私もだ。誰もが心を震わす言葉を紡げるわけではないだろう。それに、絶望の中にいるときは、半端な言葉よりも力を見せた方が響く。」
 互いに目を合わせることはなく、同調した思いだけが自然とこの場に居合わせた。
 偵察隊が、脅威となり得る二人の存在に気づき殺到してくる。
「…前衛は俺が受け持とう。…一匹たりとも通しはしない。」
「頼もしい、私はナイフ程度しか持ち歩かないからな。」
 ドローン展開完了、行け。続くその言葉と共にキアはドローンを9体召喚する。やろうと思えばその二倍以上を召喚することも可能なのだが9体でいい。なぜならば。
『oii、oii、oii!!』
 偵察隊は人間にとっては脅威の存在だ。その命すら容易に葬れる。
「…精霊の加護をもってしても、この土地を回復させる事は出来ない。
 …今の俺にできるのは一つ、貴様らの様な連中を…『猟兵』として狩るだけだ。」
 だが猟兵は常識を凌駕する存在だ。
 一閃。柄のない剣から伸びたのは、光の精霊の加護によって刀身が具現化する。その名を【精霊剣】。
 剣の間合いを遥かに凌駕する光属性の斬撃が、影をバラバラに引き裂いた。
「…軽く痛めつけるつもりだったが、騎士の腰巾着共ではこの程度か。」
 先行していた偵察隊は一瞬で壊滅した。残った部隊が脅威に身を翻すが。
「脚を止める、逃げるまでの時間、全てが遅いな。」
 銃声が一発、二発、三発。弾丸の数と同じだけの敵が倒れていく。
「私は別に強さをアピールしているわけではない、いつもしていることの一端を見せただけ。」
 強いと感じる前に逃げるべきだったな。そう言葉にする前に最後の影を撃ち抜いく。憐れにも偵察隊という役目を果たすことなく散っていった。
「……ダークセイヴァーの騎士というのは、配下までおかしな連中ばかりなのか」
 ルトルファスは淡々と、倒れる影を踏みつぶしながらその場を後にする。
 即席のコンビネーションは見事に場を制したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花盛・乙女
ふむ、騎士と名乗る癖に騎士道の風上にも置けぬ振る舞い。
同じ剣の道にある者として彼奴を騎士と呼ぶ事すらどちらかといえば大反対だ。
この花盛乙女がバラバラに引き裂いてやろう。

村人達はあの騎士に完全に心を折られてしまっている。
であるならば、私に出来るのはこの武勇を示すこと。
必要であればこの力で巨岩でも砕いて力を誇示しよう。
羅刹の力を持ってすれば造作もない事だが、謙虚にそれほどでもないと言っておこう。

この村に訪れる騎士に恐れることは仕方のないことだ。
しかし、この花盛乙女の武勇を信じる事が出来る者は本能的に長寿タイプだ。
必ずかの騎士をリアルな痛い目にあわせてやる。
なに、礼の言葉は9回でいい。



●おい、やめろ馬鹿
「やはりオブリビオンは唾棄すべき存在だな。今回のでそれが良くわかったよ。」
 花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)は怒りに震えていた。
 予知にて聞いたオブリビオンの振る舞いは、騎士道の風上にも置けぬと憤慨する。怒りとやる気の有頂天だ、とぷりぷりしている有様。
「と息巻いたはいいものの、この状況をどうすべきか。」
 感情的になってしまって、道に迷い、少し遅れて到着した農村の広場。
 既に村のなかには村人たちが集まりつつあり、絶望的な表情は薄れている。
 先に向かった猟兵たちが見事説得したのだろう。それはわかるがあまりに仕事が早すぎるでしょう?…と一人呟く。
「村から離れている者達の元へいくか?しかしそれで騎士を逃しては本末転倒…。」
 焦る気持ちが乙女に襲いかかる。このままではやることもなく一人敵を待つという地獄の宴を余儀なくされてしまうのだから。
「で、でもよぉ……。」
 だが、その時。村人たちから不安げな声が一つあがる。
「勝てるのかぁ…?そのシャレム様が凄い事や、光の使途様の献身もわかるけどよぉ……漆黒の鉄の騎士様は沢山の配下がいる上、最強の装備を持ってるってあんなに言ってたじゃねぇか……。」
 説得の場に居合わせず、村人同士の伝達のみで加担することに不満を持つ者達の声だ。
「もうあの騎士に敬意を払う必要はないんだよ!それに仲間がいるって言ってたから大丈夫だって…!不安になっちまうだろうが…ッ!」
 説得を受けた者達ですら、騎士の脅威を考え身震いしている。心に確かな勇気をもらった、でも勝てなければその未来さえ…。
 ならば、と。乙女は立ち上がる。
「……本当に強い者は強さを口では語らない。」
 その声は決して大きくなかったが、ざわめきつつあった村へ響き渡った。あんたは…?はそんな声を制して乙女は歩を進める。村の広場にある存在感があまりに大きすぎる巨岩の前へと。
「口で説明するのなら私は刃を抜くだろうな」
 腰に携えた鞘から刀を抜き取る。それは刀という美しさの対極にあるものだった。脆く醜い、誰が見ても劣悪な代物。
「【羅刹旋風】。」
 まさか、そんなはずは、村人がそう思うのも仕方はない。構えるのは身細の女性、構えられた刀は紙すら斬れそうにない物。
「花盛の名の前には…」
 舞うように刀を躍らせる。乙女は広場の全ての視線を惹きつけた。
 そして、ピタリと止まった瞬間、振り降ろした刃は。
「…紙も同然。」
 花開くかのように、巨岩を真っ二つに斬り"咲い"た。
「――――!!!」
 村人たちが一斉に驚愕を顔に表す。全員が口を開きあまりの衝撃に眼を剥く。
「……そ、その!」
 続くであろう賞賛の言葉に、乙女は謙虚にも答える。
「いや、それほどでもないさ。」
 乙女は知らないが、この岩は火山的なサムシングで突如降ってきた天地の災害。
「岩はうちの村で祭っていたご神体なんだが……。」
「なに、礼は9回で…………えっ!?」
 そしてこの村の守り神だった。
「あっ…えっ、その、そんな。」
「……いや、うん、腕を疑った者がいたせいなんだろう。
 その……素晴らしい腕前……だったよ?」
 ――乙女は走った。全力でとんずらこいた。だってそんな祭ってた感じ全くなかったしむしろ通行の邪魔感が凄かっただけでもうなんかほんとにごめんなさい黒騎士はやく来て!!
「……今は守ってくれぬ神より、手を差し伸べてくれた者達へ縋れということかもしれんな…。」
 羞恥と引き換えに、乙女は村人の信頼を勝ち取ったのだ。
 別の猟兵が乙女を連れ戻すにはあまり時間はかからなかったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

天星・零
『‥。(僕は、人よりオブリビオンの方が好きなんだけど‥あの人達は見捨てるのは違うかな‥。それに僕が好きなのはこんなことするやつじゃないし)』


【第六感・追跡】を状況に応じて使いつつ、偵察をユーベルコード【変幻自在の影の住人】を小動物に変身させて監視させることで偵察を察知したら知らせるようにしておく

余裕があれば村人達に話しかけ【鼓舞

『何もしないでいた方が楽かもしれません。けど、それは生きてると言えるのでしょうか?生きるとは欲望を持つこと‥人は欲望を満たそうと精進努力することで生きると言えるのですよ。貴方達は今生きていますか?‥もし、生きたいと思うなら手を貸します。もう一度立ち上がってみませんか?』


神月・瑞姫
…お野菜作るの大変なのに…
どうして何もしてないあの騎士って人たちが持ってっちゃうの…
おかしいの

皆かわいそう…元気だして
(生来の【優しさ1】に突き動かされ
【生まれながらの光】で傷ついた人々の体や心を癒したり
【みぃの手作りおむすび】を配ったり健気に【救助活動2】をする

お腹減ってたら…できる事もできないよ
大丈夫…みぃ達がついてるの(抱きしめ+【誘惑2】
みぃも怖いけど自分の力を信じる【勇気2】
皆も自分を信じて
力は蹴ったり、殴ったりだけじゃない
ここは立派な村…
美味しいごはんを作るのも力なの
あの騎士って人…きっとクワも振れないよ
自分のごはんも作れない人に負けちゃダメ…みぃと神様との約束…なの
(豊穣の狐神



●見事な仕事だと関心はするがどこも怪しくはない。
 チチチ、小動物の喉がなる。
 大地を駆け、木に登り、周囲を見渡す。
 その小動物の眼には、少なくとも脅威に映るものはなにもなかった。
「どうやら、偵察隊はもういないようですね。」
 ユーベルコードを用いた偵察によって、安全を確認したのは天星・零(多重人格者の探索者・f02413)と名乗る猟兵だ。
「それなら安心…。
 みんなに…みぃのつくったおむすび、食べてもらえるの。」
 零の言葉にホッと一息つく少女。自身をみぃと呼称する少女の名は神月・瑞姫(神月の狐巫女・f06739)。
 彼女もまた騎士の蛮行に怒りを抱えていた。作物を育てる大変さを知る彼女にとって、ただ奪うだけの騎士を許せはしない。
「話し合えるオブリビオンだったらよかったのに‥。あんなのがいるせいで‥。」
 反対に、悲しい表情を浮かべる零の呟きは誰にも届かず、村人へ駆け寄る瑞姫を見送った。
 広場には既にほとんどの村人が集結している。瑞姫はそんな中、あちこちでおむすびを配っていた。
「お腹減ってたら…できる事もできないよ。」
 瑞姫の配るお手製のおむすびは、短い時間で爆発的な人気を誇っていた。一見変哲のない握り飯だが、食べると心に温かいもの…勇気が満ちるのだ。断じて怪しいものは入っていないし証拠もないから実際安心。
「大丈夫…みぃ達がついてるの。」
 時には震える村人や子供達を小さな体で抱きしめる。自身も僅かに震えてるにも関わらず、勇気を振り絞っている。その献身的な姿もまた人気の秘訣だろう。
「猟兵と名乗るみなさまはなぜ、私達にそれほど力を貸してくださるのでしょうか。」
 達観している老いた村人が疑問を投げかける。虐げられたきた彼らにとって、献身や奉仕は疑問にもなる。
「ここは立派な村…。
 美味しいごはんを作るのも力なの。」
 ――本当の力は、蹴ったり殴ったりだけではない。その言葉に村人たちはハッと表情を変える。
「あの騎士って人…きっとクワも振れないよ。
 自分のごはんも作れない人に負けちゃダメ…みぃと神様との約束…なの。」
 それは村人たちにとって救いとなった。自分たちは決して虐げられる弱者である必要はないんだ、と気づかされる。
「‥本当に生きたいなら、欲望を持つことですよ。」
 ゆっくり近づきながら、天星・零は優しくも強い口調で語る。
「人は欲望を満たそうと精進努力することで生きると言えるのですよ。
 ここから貴方達は、立ち上がって人生を始めるんです。」
 零は村人たちに、支配を逃れた先の未来を示す。自由を意味する言葉に村人たちの眼に光が宿る。
 こうして、絶望に淀んだ村はこの瞬間から精神の支配を乗り越えたのだ。
 村人たちの笑顔を見て微笑む瑞姫。
「‥。ん‥これは‥!?」
 同じく笑みを浮かべていた零が、突如その表情を変えた。

●お前ら調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?
 村へ続く道。小さな森を蹂躙するかのように、大量の影が走る。
 命を刈り取る大群が、零の配置した小動物を数の暴力で飲み込んでいった。
 それを後方から見つめていた黒い騎士が叫ぶ。
「こっちが大人の対応で生かしてやってたのにつけあがりやがってよ…‥マジでかなぐり捨てンぞ?」
 怒りに震える主に呼応して、大量の不気味な叫び声が突き進んでいく。
 農村からそれを見届けた零はすかさず周囲の猟兵たちへ連絡を走らせ、弛緩した空気は消え去った。
 戦いが始まる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:トギー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


農村を取り囲むように、篝火を持った亡者達が侵攻する。
 先の偵察隊ではなく、本隊と称すべき数と練度を持った精鋭たちだ。
「やっと許しがでたか!」
 亡者のかすれた声が響く。
 その声に村人たちは震えながらも強い意志で睨み返している。猟兵たちは安心して前を向く。
「殺せ!バラバラにしてやれぇ!!」
 騎士の到着を待つまでもなく、亡者達は猟人達へ群がっていった。
天星・暁音
させない。ここから先は絶対通さない
あの人たちの立ち上がる勇気を、踏み潰させたりしない
俺達が彼等を立ち上がらせた。ならそれを護るのは俺達の役目だ

【覚悟】と【勇気】を持って進路を塞ぐ様に立ちふさがる

【全力魔法】【範囲攻撃】【高速詠唱】を駆使し【裂光流星】で近づかれる前に少しでも数を減らすように勤める

癒し手として自分が先に倒れてはならないと【戦闘知識】で理解している為、自身が危なくなれば仲間へ任せて一度退き【生まれながらの光】【癒しの歌】等で仲間への支援へとシフトする

村人たちへの【鼓舞】も忘れずに行い万一に村人に危険が及びそうなら自身を盾に仲間が支援する為の時間を稼ぐ

勿論倒せそうなら倒します


キャナリニア・カルコメラン
彼らは立ち向かう意思を見せたのであります。であれば、自分達は彼らの剣となり、力となりましょう。黄金のようなスクラップの塊でできている自分が遅れをとるはずがないであります。
自分はスクラップの剣を、操り駆動人形はスクラップの槍を手に、戦闘開始であります!

カカッとフェイントを織り交ぜ、人形との波状攻撃。亡者が篝火のはしっこから炎を出してくればしゃがみオペラツィオン・マカブルで回避、一歩間違えればカウンターで大ダメージを負ってしまうので一瞬の油断が命取りなのであります。【鎧砕き】【串刺し】時には【槍投げ】を用いて致命的な致命傷を確実に与えていくのであります。



●見事なカウンター
「ぐぼぁ!!」
 飛び込んだ亡者の頭が撃ち抜かれる。杖で空に描いた魔法陣から流星のように光が次々と亡者を塵へと変えていく。
「させない。ここから先は絶対通さない。」
 暁音は戦闘に備えて取り出した星杖をかざしながら叫ぶ。
 鍛え上げた杖によって広範囲の敵をすさまじい勢いで消し飛ばしていく。
 村人の羨望と期待の視線が背を押す。それに応えるように少年は覚悟を持って進路へ立ちふさがる。
「オオォオ!」
 だが。
「「オォオォオオオオ!」」
 亡者の群れは消えども消えども、イナゴの群れかのように次々と飛び込んでくる。
「守らなきゃ‥…俺が…!」」
 亡者達が松明の篝火を振るう。放たれた炎が波となって迫る。
「…【裂光流星】…!!」
 再度、杖から光の放流を放つ。炎の波とぶつかり相殺しあう。
 余波が村人まで届かなかったことに安堵する。だが、それが裏目に出た。相殺された炎の奥から亡者が手を伸ばして迫る。
 距離を取って魔法を使うという選択はなかった。立ち上がらせた自分が、約束した
 そんな想いは悲しくも、亡者の手によって―――
「一瞬の油断が命取りで、あります!」
 そのとき、ミレナリィドールと思われる猟兵が、人形と共に亡者の横っ腹へと突っ込んでいく。
「無茶は駄目でありますよ!」
 キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)は頑張りすぎな少年を見かねて亡者の群れへ突っ込んでいく。
 カカカッと駆動音を響かせながら剣を振り抜く。駆動人形は槍によって亡者を串刺しにしながら押し返していく。
 二つの小さな嵐となり、亡者と暁音の間に立ちふさがっていた。
「あ、ありがとう!」
 仲間の存在を感じ、暁音は冷静さを取り戻していく。
 …俺はなにを焦っていたんだ、一人で背負う必要はない、そうだ、自分がやれることをするんだ。
 原点に立ち返った少年は後衛へ下がり唄を歌う。戦場に響き渡る癒しの歌。
「いい歌であります!今の自分は黄金のようなスクラップの塊であります!」
 本人なりの自信にあふれた言葉を放ちながら、漲る力で亡者を薙ぎ払う。
 だが傍目で見てもかなり無理をしているのがわかる。
「…!炎が来るよ!!」
 前衛の亡者に手一杯なキャナリニアの耳に、暁音の声が届く。
「むむ、感謝であります!【オペラツィオン・マカブル】!!」
 全身を脱力させからくり人形と一体化する。流れような動きで人形で炎を無効化し、跳ね返す。
 完璧なタイミングでの回避行動、ユーベルコードによるカウンターを決めてキャナリニアはドヤ顔で決める。
 これは一歩間違えるとクロスカウンターで大ダメージを受ける隠し技なので背後の村人にも尊敬されたはず。
「下段ガードで構えた自分に隙はない、でありますよ!」」
 協力することで、お互いの隙を埋めていく。
「支援は任せて、俺たちは絶対に負けられないんだ!」
 村人達の不安を吹き飛ばすほどの見事な連携を紡ぎ出したのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ムイナ・ドラベルシア
あら、少し遅刻しちゃったかしら。でも、タイミング的には上々よね。だって、こんな素敵な瞬間にこられたんですもの。
――さて。

数が多いくらいで調子に乗ってもらっちゃ困るな。乱戦も得意だっていうのを見せてやらねぇと。
【範囲攻撃】【なぎ払い】で敵をまとめてふっとばしていくぜ。囲まれたときは【残像】【見切り】【野生の勘】で回避だ。難しかったら、【盾受け】【カウンター】を狙うのもいいな。
大きく暴れりゃ、他の猟兵も動きやすくなるだろ。



●悲しみに包まれた。
 戦闘が激化していく中、優雅に村へと到着する一人の女性の姿があった。ムイナ・ドラベルシア(狂乱の刀・f08528)は状況を見て戦況を察する。
 少し遅れちゃったかしら、と呑気な独り言を呟きながら戦場に紛れ込んだ。
「でも、タイミング的には上々ね。」
 一人孤立する彼女へ、群れから先行した亡者が迫る。
 餌だ。
 我らの同胞にせよ。
 然り然り然り!
「こんな素敵な瞬間にこられたんですもの。」
 ムイナの佇まいは少女のようなそれだったが、身に纏うのは鍛え抜かれた装備達。内に秘めた力を見抜くこともできない雑魚の身を何かが通り抜けていく。
 それは薄く。それは鋭く。それは只々切れ味のみを追求した刀だった。
 憐れ亡者は一刀両断。
「―――さて。数が多いぐらいで調子に乗ってんなぁ。オレは乱戦だって得意だぜ?」
 刀を振り抜いたムイナの姿は少女のそれではなく、剣豪そのものだった。
 スイッチが入ったかのように、その表情を荒々しいものに変化させ叫ぶ。
「さぁさぁさぁ!かかってこい!オレを楽しませてくれよぉ!!」
 亡者達は危険を感じ、排除しようと順々に飛び掛かってくる。
 それを薙ぎ払い、叩き潰し、時に迫る炎の放出を腕の装甲で受け止め。あえて大立ち回りを興じることで、一人の猟兵が場を支配した。
「いいのかよ、オレに接近戦を挑むたぁ…おっ?」
 亡者の中でも、一際篝火の槍を巧みに扱う猛者が眼前に迫る。
 強者同士の本能がそれの強さを真っ先に感じ取る。
「わくわくするねぇ…滾ってきたぜ!」
 体の内にある地獄の炎が、体温と共に燃え上っていくのがわかる。
 武器を構え無謀に飛び込まず、互いにギリギリの距離で睨み合う。僅かな時間にも関わらず永劫にも感じた時の中、強き亡者がおもむろに篝火を高く掲げた。

 ――何だ。罠か。炎か。

「……知らねぇ!!」
 迷いを振り切ってムジナが飛び込む。リーチの差を埋め、自身の間合いまで詰めた瞬間、刃を振り払う。
 ブッォン。斬れた音はなく、感触もない。間違いなく必中のタイミングだったはずだ。
 脳を駆け巡ったのは数瞬前の記憶。足元、亡者が掲げた篝火によって生まれた影が自身に触れていた。未来予知の如き回避の種は、敵のデータに乗っていたユーベルコードだった。
「がぁああああ!!!」
 返しの一撃。身を捻る。疑問を解き、強張る体を動かすのにかかった時間は0,09秒もない。
 頬を掠める槍、背負った黒い大剣を空いた片手で強引に振り抜く。
 鈍く斬り裂く音と共に、背後の亡者が崩れ落ちる。
「天晴れ……でござる……。」
 武士の如き一言を断末魔を残して。
「……強かったよ、あんた。」
 頬を拭う。満足感と共に強い想いも残る。亡者でなければな……。その言葉は胸に仕舞った。
 この世は結果だけが残る。勝者だけが立っていられるからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神月・瑞姫
村の人たちを傷つけちゃだめっ…
みぃが守るの
約束した…

(戦いは怖い…痛いのも嫌い
でも
それを知るからこそ
村人達を助けたい【優しさ】をもつみぃは【勇気】を振り絞り亡者達に挑む
【神月封縛符】で亡者達を捕縛
ユーベルコードを封じる

攻撃より封印を優先し
亡者達を動けなくしていく、みぃ
後ろには村人達がいるからだ
自分達の「力」に自信をもってくれたのは本当に嬉しい
でも、やはりオブリビオンに抵抗できるのは
みぃ達しかいないのだ

彼らが【新たなる亡者】にされてしまう事などみぃは耐えられない
故に寿命が削られようとも懸命にユーベルコードを封じ続ける

でも、大丈夫
ここに駆け付けた猟兵は1人ではないのだから
【他者との協力描写大歓迎】


花盛・乙女
私が先のような失態を犯すとはなんたる屈辱…私の寿命がストレスでマッハなんだが?
いや待て。神と崇められた岩、あれは黒騎士の謀略なのでは。信仰する対象として置いて人心を拐かしていたのでは?
汚いな流石黒騎士汚い。あいつら絶対男だろ。
男は私に恥辱をもたらす…この身に受けた先の恥辱、力に変えて怒りと汚名を同時に雪ぐ!

亡者の集団は本能的に雑魚だから私の強さを見抜けない。何いきなり話しかけてきてるわけ?
礼を欠く雑魚に払う敬意も情けもないから私は乙女と黒椿の二刀で破壊力バツ牛ンの剣舞をお見舞いしてやる。噛んだ。

恐ろしいか?
真の強者は言葉でアッピルなどしない自然と恐れられてしまうのが真の強者だ。
また噛んだ。



●本能的に女騎士タイプ
「ほ、ほら、戦いが始まったよ…?」
 瑞姫は、いまだショックから戻ってこれない乙女を慰めていた。
 しかし時間は延々と落ち込むことを許さない。亡者たちが村へと殺到していく。
「なんたる屈辱……これはあの黒騎士の謀略に違いあるまい!
 汚いなさすが黒騎士きたない!」
 やけっぱちになりながらも敵が出てきたことで、怒りと汚名を注ぐ八つ当たりへとやる気を奮わせる。
 幸いか否か、亡者達は雄叫びのようなものをあげて殺到している。乙女の視点では疑心暗鬼も相まって、群がるモテない男達にすら見えてくる。
 もうこれは実質男なのは確定的に明らか。
「くっ…剣士として生きるこの私に、女であるというだけで、辱めを与えようというのか!この汚らしい下衆共め!!」
 ユーベルコード【折れず曲がらず散らぬ誇りは花より強く】(ワタシニランボウスルキダロウ●ロドウジンミタイニ)
 殺到する男達(仮)の前であえて無防備な姿をさらす。それこそが発動条件、まさにうってつけのシチュエーションだった。
 ――決まった。もはやこの状況は亡者にとっては地獄の宴となるのだ。
「危ない…。【神月封縛符】!」
 無防備な乙女を見て、瑞姫はユーベルコードを発動する。
 大量の霊札を展開し、その一枚一枚が亡者達の動きを、止めてしまう。
「…なんという屈辱…だが私は絶対に負けない…!!まけ、まけな……」
 ちら。
 動けない亡者、動かない乙女。
 動いて欲しい乙女、動きたい亡者。
「はぁ…はぁ…!」
 一人だけ必死に食い止めている瑞姫。
「……。
 くっ、やめろー!わたしにふれるなぁー!」
 ずばぁ。乙女が斬り始めた。罪悪感に負けたのだ。
「体は自由にできても、心までは屈しない!」
 亡者は思った。何もしてないです。
「あやまって!はやくあやまって!!」
 二刀の刃、【乙女】と【黒椿】の剣舞によって亡者達がズタズタに引き裂かれていく。
 乙女は深い悲しみに包まれながら刀を振るっていた。亡者もかなり悲しかった。
「よかった。守れた…。」
 瑞姫は純粋だった。純粋の優しさだった。誰も悪くはなかったのだ。
 勇気を振り絞って恐ろしい亡者たちの前に立ち、仲間を救い出すその姿はまさに猟兵の鏡であり、村人達からも歓声があがる。
「乙女ちゃん、すごいの…。」
 最後の方はもう無言で淡々と斬り裂いていった。
 あっという間に敵をなぎ倒した彼女に瑞姫は純心な賞賛を送る、乙女は複雑な表情を返す。
「そ、それほどでもない。本当の強者は自然と恐れられてしまう、言葉であっぴるなどしないんだ!」
 噛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天星・零
『やっと‥敵のお出ましですか。散々村人達をおもちゃにするのは飽きたでしょう?僕達がお相手しますよ。』

微笑みつつ敵に対応、しかし心情はかなり怒っています。


冷静に戦況を見極め五感だけでなく、【第六感】で敵の急所や動きを感じ取る。

ユーベルコード【変幻自在の影の住人】の影の刃で攻撃。
更に、【ウェビル・ジョーカー・オブ・ウィスパー】に敵の邪魔や攻撃をして協力してもらう。

自分は、マフェットスレッドを使いワイヤー部位で敵を攻撃したり、【毒使い】の技能を生かして鉤爪で敵を切り裂いたりする。

また、言葉巧みに操り【騙し討ち】も試みる


ウェビルの喋り方‥語尾、一人称、二人称常に安定してないのでお任せ

アドリブお任せ



●召喚士
 警戒を村全体の猟兵たちに伝えた天星・零もまた、戦線へと参戦していた。
「数には数を、質も僕のが上ですよ。」
 再び召喚した分身体は攻撃に特化した影の住人。次々と散り散りになった亡者達を切り刻んでいく。
 もう一手、手札を増やす準備を始める。だが、それを見逃すほど敵も甘くはなく。
 篝火の炎を一斉に飛ばし、弾幕のように降り注ぐ。
「混沌を知る道化が囁くは戯言かはたまた汝の運命か。おいで、僕のお友達。」
 ユーベルコード【ウェビル・ジョーカー・オブ・ウィスパー】
 ――少し遅い。
 着弾の寸前"それ"は現れた。
「僕は、私は、俺は、零たちの『友達』」
 守護霊のように、零の背後へピエロ姿のオブリビオンが現れる。
 零の周囲を守るように漂うそれは、迫りくる炎の弾幕をまるで手品のように消し去った。
「ありがとうウェビル。さぁ、僕たちがお相手しますよ。」
 微笑みながら感謝を告げながら、次の瞬間には怒りの気配を漂わせる。散々村人たちをおもちゃにしてきた相手を許せるほど温厚ではない。
「この子みたいに歩み合えるオブリビオンだっているんですよ。」
 ウェビルが手近の亡者を掴み地面へと転がす、そこへ零は服に仕込まれたワイヤーを伸ばす。
「グォォァァ!!?」
 僅かに腕が切れただけにも関わらず、その場で急激に悶え苦しむ。ワイヤーに仕込まれた猛毒が呪詛と共に蝕んだのだ。
「苦しめた人たちの分だけ反省してください…!」
 怒りを集中力に代え、亡者達の動きを読んで、急所を突いていく。
 それはオブリビオンに普段から触れ合っている経験でもあり、鋭い第六感による技前だ。
 僅かな時間が過ぎ去る頃には亡者の群れは地に伏せていた。
「……お疲れウェビル」
「悲しまないで。君は、貴方は、御前は、正しいことをしているよ。」
 友人の慰めの言葉を聞き、零は微笑みながら頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『異端の騎士』

POW   :    ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:神手みろふ

👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●漆黒の鉄の塊で出来た騎士。
 俺は太古から存在する騎士だが粘着してくる猟兵とやらに絡まれていた。
 アワレにも亡者達が崩れそうになっている。どうやら敵が強いらしく早く来て早く来てと泣き叫んでいるようだ。
 俺はブラッキャバリアを使って普段ならまだ付かない時間で急遽参戦すると。
 ―――亡者達はアワレにも精鋭の役目を果たせず死んでいた。
「お前らハイスラでボコるわ…」
 仏の顔を三度までという名言を知らないのか?完全にキレた俺は猟兵とやらを冥土で土産食を食わせてやることに決めた。
 勝手に配下になった連中とはいえそれなりの愛着はあったのだろう。
「俺のブラッドソードはギザギザの部分が敵の肉を抉り秘められたダークパワーによって貴様らをズタズタに引き裂くだろうな。逃げようとしても時既に遅い」
 俺がそういうと猟兵達は固唾を飲んだ。多分かなりビビってる。
ギャリソン・ハイオクバーナー
馬に乗ってる、つまり速い!よし俺様の出番だな!速さ比べなら負けねえ!!!
【俺様究極超絶爆速モード】発動した上での「ダッシュ」で真っ向からスピード勝負だ!
熱の通りそうな鎧には剣の間合いの外からガンガン地獄の炎をぶちかましてやるぜ!
相手はでかい分器用な動きは難しいんじゃねえか?だとしたら周囲を走り回って撹乱してやりゃ、他の猟兵も隙を突いて攻撃できるかもな。



●時既に時間切れ
 亡者達を一掃した猟兵達の前に颯爽と現れたのは、軍馬に跨った漆黒の騎士だった。
「不意だまぁ!!」
 土煙をあげ、重厚感のある足音と共に戦場を駆けまわる軍馬。オブリビオンの使い、生半可な速度ではない。
 バラバラになっていた猟兵達が攪乱させる。
「くっ、これじゃ狙えないぞ…!」
「みんなを守らなきゃ」
 猟兵達が嘆きの声をあげ、瞬く間に動きを封じられていた。
 銃や魔法が飛び交うが狙いも定まらない。誰もがその速度に着いていけず、数の差を活かせず、羊を追い込む狼の構図を強制される。
「お前らは愚か。鬼の首取ったように騒いでも所詮は羽毛の衆。」
 馬の上でふんぞり返る黒騎士、必死に走る軍馬。馬の名前はチョボコ、9歳雄、黒い毛の艶で自慢で可愛い嫁と娘に恵まれ仕事が生きがいの――
「――おい、てめぇ」
 横から声が聞こえる。
「……なにいきなり話かけてるわけ?」
 咄嗟に振り返る。だがそこで気づく、この速度で真横から声が聞こえるとか意味不明。
 否、声だけではない足音に隠れて聞こえる、燃える音………タール状の黒い男が燃えながら並走していた。
「何様だよお前、見た目まで粘着質とかウザいな!」
「俺様が何様だってぇ…?」
 ――哲学的な質問だな。俺様はいったいなんだ?このタールの体、燃えたぎる炎、まじでなんなんだ一体……いや、答えなんて一つだろうが。
 思考の海に飛び込んだ黒い男へ、軍馬が体当たりを仕掛ける。
「世界一速い俺様だぁ―――――!!!」
 ギャリソン・ハイオクバーナー(爆走スタンドガソリン・f03629)は、鞭が奔るような音と共にその姿をかき消す。
「!?」
 タックルが空を切る。既にギャリソンの姿は反対側へ回っていた。
 並走していたのは手抜き、ギャリソンにとってこの速さは動き回れる程度なのだ。
「ウザイな御前…喧嘩売ってんのか?」
 速度で負けていることが、おちょくるような発言が、無駄に8枚も重ねたマフラーをしているところが騎士の怒りを最高潮に達させた。
「そうカッカッすんなよ、ほら頭冷やしてやるよ」
 距離を取って、地獄の炎を放出する。
「おっと、俺様としたことが間違えちまったこいつぁ炎だ!」
 炎は直撃し、騎士と軍馬の身を焼く。
「――――この怒りはしばらく収まることを知らないぞ。」
 爆炎が晴れると、ほぼ無傷の黒騎士が突撃してくる。
「おいおい固いってレベルじゃ」
 そこで気づく、やつが身に着けているのは黒炎の鎧。猟兵達の装備としても使える漆黒の炎を宿す鎧だ。
 攻撃の隙を突いて僅かに距離を詰め、騎士が剣を振りかぶる。だがその距離は届かな――
「【フォーリングローゼス】」
 振り抜かれた剣から、真っ赤な無数の薔薇が伸びる。
「これは剣のはしっこからなんか薔薇のような当たるとかなり痛いものが飛び出る。
 お前のようなヒュンヒュンと動き回る卑怯なやつを一網打尽にする技なんだが?」
 回避不能の薔薇はギャリソンの体を吹き飛ばす。黒騎士の勝利が確定的に明らかとなった。
 吹き飛ばされたギャリソンは―――ニヤリと口のタールを開き、満足げに笑みを浮かべる。
「だけどよぉ…俺様より遅いぜ、てめぇ」
 騎士は気づく。別のユーベルコードを使った為か馬の動きが完全に止まっている。
 与えたダメージは微々たるものだが、彼は大きな功績を立てた。誰もが追いつけなかった軍馬の動きを止めることができたのだ。
 ザッ。
 追い込まれていた猟兵達の反撃が始まる。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャレム・アルカード
ふっ、強い言葉を使えば我がビビるとでも思ったのだろうが、その浅はかさは愚かしいぞ。
唯一無二たる存在であるこの我が参戦したからには勝利は確実!
『ヘカトンケイル』破壊力抜群の武装の数々を操り、光と闇を兼ね備えた我と、ダークパワー頼りの貴様が勝負すれば、どちらが勝利するかなど確定的に明らかというものだ!


ヴィクティム・ウィンターミュート
横暴な振る舞いをするこのオブリビオンにおれの怒りが有頂天になった。
ハッ!ペラペラペラペラ自分の武器の性能をひけらかしやがる。
本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな
口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうな
おれユーベルコードで100とか普通に出すし

まあそんなこと言いながら使うのはサポート系ユーベルコードなんだけどな
味方の負傷具合、使える手段、諸々を把握して臨機応変に指示を出し続ける
特に気を付けたいのは【ブラックキャばりア】だ。馬と騎士が生命力を共有するなら、両方を巻き込む火力をタイミング合わせて叩き込めばいいダメージを出せそうだ

連携やアドリブは大歓迎だ。好きに料理してくれよな!


キャナリニア・カルコメラン
「口で語るひまがあるなら手を出すべきだったのでありますな」
雷属性を纏った騎士人形の左で威圧を行う黒騎士の顎を狙い撃ち。鎧を砕く程、ダイヤの結婚指輪のネックレスをはめたような鉄拳での先制パンチを試みるのであります。これまでの亡者共とは違い、この黒騎士は間違いなく強敵であるはず。速度を生かしたフェイントで体勢崩しからのカウンターや2連続槍突き、亡者戦同様他の猟兵と連携してダメージを与えていくのであります。騎士からのユーベルコードは、生半可なオブリビオンには真似できない光属性ミレナリオ・リフレクションで相殺してやるであります!見るであります、見事なカウンターで返したでありますよ!



● 実質詐欺師だろ…。
「いいぞ、作戦通りだ。つっても、あいつは話をつける前に爆速で行っちまったがな…クエイカーズかよ」
 やや離れた場所で、ギャソリンの活躍をミサイルのようだと称賛する男。名はヴィクティム・ウィンターミュート(ストリートランナー・f01172)。
 ――さて、次はどう動くかな?指をペロリと舐め、騎士を見つめる。
「寄ってたかって雑魚どもがウザイな……だが集中放火をしてると見せかけて実は一方向からしか攻撃が来てないので簡単に叩き落として論破可能 。」
 言葉の通り、軍馬の速さを警戒してか村人たちを守る陣形を崩せない猟兵達。
「お前たちはチョボコに恐れを成す貧弱さを見せるが、その点俺はどれだけ数がいようと漆黒の塊で出来た騎士が遅れをとるはずがない!」
 降り注ぐ攻撃を防戦一方ながら無傷で凌ぐ。その実力は本物だ。
「あの二人…いいな。」
 その中で一際目立つ、圧倒的な弾幕と、単身での連携を行う猟兵達に、ヴィクティムは注目した。
「ふっ、強い言葉を使えば我がビビるとでも思ったか?愚かしい!」
 百の武装を放つは闇のカリスマ、シャレム。
「口で語る暇があるなら手をだすべきであります!」
 駆動人形と共に巧みなコンビネーションを見せる、キャナリニア。
「生半可な武器が俺に効くと思ったか?ウザイ雑魚狩りは慣れている、次々と倒されていく仲間に絶望しながら消えていけ。」
「我の武装が生半可だとぉ!?」
「はわっ、であります!」
 だが、噛み合わない。動きは単一としての力しか発揮できず。
 武装は装甲に弾かれ、人形は馬に、キャナリニアの一撃は軽く剣でいなされ吹き飛ばされる。
「ペラペラ強さを口でいってるスクィッシーに、本当の強さってやつを見せてやるか。」
 ヴィクティムは、二人と話せる位置まで近づく。―――さぁ、世界は俺に騙される…ってな。

 斬撃。魔法。銃撃。
 切り払い。薙ぎ払い。受け流す。

 黒騎士はふと感じる。猟兵達の攻撃の数が減っていることに。
「俺を強いと感じてしまったやつは本能的に長寿タイプ。とんずらこいても後ろからばっさり斬り倒すだけだが。」
「な、なんてつよさだ!かてるわけがない!あのウマとのれんけい、もうじゃたちとはカクがちがう!」
「ほうよくわかっているな。このチョボコとは一心同体でエイチピーも共有する絆で結ばれた真の仲間。勝手に途中で離脱するあの雑魚亡者とは違う」
 親切に全て喋ってくれた。
 よし、とヴィクティムは確証が取れた所で作戦開始の指示を出すと、一時離脱していたシャレムが跳び込む。
「さぁ、私のために存分に踊れよ、ヴィクティムとやら。」
 ――俺が支援してあんたを活躍させてやるよ。ヴィクティムのその発言に乗ったシャレムは温存をやめた。
 【血統覚醒】のユーベルコードを使用し、夜の支配者と化したシャレムが言動と共に戦法まで変化させる。
「私の武装が、飛び道具だけと誰がいった?さぁ夜の支配者たり得る破壊的な力を知れ。」
 棺から放たれる小型ミサイル・ガトリングに加え、シャレム自身もパイルバンカーを手に猛攻を仕掛ける。
 少なくともこの瞬間、シャレムは誰よりも高い攻撃力を誇っていた。
「自分ごと撃つとか正気か!?死にたくないなら早く謝って!!」」
「なに構わん。全て計算づくだ……脳波コントールでな。」
「チートはやめろと言っているだろうが蝙蝠ぃ!!」
 叫ぶ黒騎士。他の誰もが手を出せぬ中、僅かに黒騎士を追い込む。だが、当然無尽蔵ではない。僅かな時間でシャレムの額から汗が零れおちる。
「更にブースト、私は加速する――――」
 極めつけに、加速装置を使用したシャレムが短時間だが黒騎士の捉えられない動きで攪乱する
「お前もヒュンヒュン飛び回りやがるか!?簡単に叩き落とされたやつをご存じないのかよ!」
 怒りに震えた黒騎士は、即座に対策をぶっぱする。
「それを待っていたぞ。」
 シャレムは推進力を反転させ、バックステップする。
「バックステッポォ!?だが時既に時間切れ、【フォーリングローゼス】!」
 ――無駄だ、届く。そのUCを既に一度見た猟兵達は思った。
 ただ三人を除いて。
「急転直下!!その技はもう――見たであります!!
 【ミレナリオ・リフレクション】!」
 跳び込んできたのは同じく離脱していたキャナリニア。
 その手から、黒騎士と同じような白い薔薇が放たれる。敵のUCを相殺できる、即席のUCを編み出したのだ。
「さらに、雷属性の追撃でダメージを稼ぐであります!」
 更に隙をついて、潜り込ませた人形の左手で軍馬の顎をカチ挙げる。人形に付与された雷属性が脳天を貫き、軍馬の脳を侵す。
「さぁ……答え合わせだ。一心同体のお前ら、片方がピヨッちまったらどうなる?」
 軍馬が膝を突く。背に跨っていた騎士もまた、フラリと倒れ込み、その背からずり落ちる。
「ワックド【ラリっちまう】、当然の結末だ。」
 ヴィクティムは全てが上手く行ったときの満面の笑みを浮かべる。
「これが俺の【Full Control Operating(全ては盤上の駒)】」
 最大火力を餌に、ギャリソンの時のように速度で攪乱し、怒りで同じ行動を吊り出す。
 それを相殺させ、その隙を二連行動が行えるキャナリニアで痛恨の一撃(クリティカルヒット)をくらわせる。
 ――痺れただろ?
「フフハハハハ!見事なり策略家よ。支援するといって何もしなかった非礼を許す。
 さぁいくぞお前達、ありったけの範囲攻撃を叩き込め!」
 シャレムが叫びながら、己もまた棺に納められた内蔵砲を構えて発射する。
 爆撃。爆撃。爆撃!
 範囲攻撃を持つ猟兵達が黒騎士達へ一斉攻撃した。
「………まぁそうするよな。」
 煙幕が晴れる。中からは傷のついた黒騎士だけが残っていた。
「…俺は苦汗の選択をした。想像を絶する悲しみが俺を襲った。」
「召喚物を消したか。当然だ、受けるダメージは半分にする、言動はバカだがお前はそこまでバカじゃねぇ。」
 互いに離れた距離だ。独り言が只紡がれる。。
「お前らに俺の悲しみの何がわかるってんだよ……。」
「前に居た二人は満身創痍だが、一番厄介なあの馬から引きずり出してやったぜ。」
 殺意を籠めながら、両者は中指を突き立てる。
「俺にも一撃を入れさせろ!!!」
「猟兵舐めんなよ、ドレック【糞野郎】!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァリアブル・タイプオメガ
【やはり騎士よりボクの方が頼りにされていた!】


異端の騎士との戦いで
ボクは集合時間に遅れてしまったんだけど、

もし猟兵が頼りないらしく「はやくきて~はやくきて~」と泣き叫んでいる村人メンバーがいるなら、とんずらするかの如く素早く普通なら着かない時間で急遽参戦するのさ!


そしたらおそらく
「もうついたのか!」「はやい!」「きた!猟兵きた!」「メイン猟兵きた!」「これで勝つる!」と大歓迎状態になる筈だから、
すばやくグッドナイス・プレイヴァーを使い皆の大歓迎状態を力に変えて、騎士に殴りかかるよ!

戦闘後
騎士が死に際で「勝ったと思うなよ・・・」ときたら
「もう勝負ついてるから」といって黙らせるね!
圧勝さ!ふふん!


ムイナ・ドラベルシア
「……ッ」

亡者を駆逐した直後に現れた騎士を見て、ゴクリと唾を飲み込む。
あぁ、なんせこいつは――

「随分と楽しめそうじゃねぇか……ッ」

――オレを楽しませてくれそうだからな。


騎士がごちゃごちゃと何かを言っていたが、そんなもんは無視だ。【ダッシュ】で一気に懐に潜り込み、【鎧無視攻撃】で【薄刃陽炎】を叩き込む。
その後は【カウンター】【残像】【見切り】【盾受け】で被弾を最小限に抑えて、【激痛耐性】【二回攻撃】で連打を決めてやる。
ようやく斬りごたえのある敵が出てきたんだ、簡単にくたばってくれるなよ!



●全力出しても良いぞ
 三人の猟兵の活躍で、黒騎士が軍馬から叩き落され、状況は次の戦況へと移っていった。
 黒騎士含め、誰もが一息をつき、状況の転換の一拍があった。
「やっと降りたな。さぁ、やり合おうぜ!!」
 そんな中、真っ先にダッシュで跳び込んだのはムイナだ。
 刀の代わりに大剣を手に、真っ向から斬りかかった。未だ麻痺する騎士に鎧に剣をぶちあてる。
「おい不意打ちは卑怯だろ。」
「……っかぁ!」
 ごちゃごちゃと何かを言う騎士を無視し、ムイナは笑みを浮かべて猛攻を続ける。恐ろしく固い鎧だ、だがそれがいい。現れた時から感じていた。
 ―――こいつは、随分と楽しめそうじゃねぇか……ッ。
「ふっ、狂戦士か。だがまぁ、我を除けばあやつぐらいだろう、真正面から止めれるのは」
 疲労を顔に滲ませ、代わるに後退しながらシャレムが呟く。馬から降り機動力は下がったが、その分あの騎士はその力を十全に振るえるようになったのだ。
「さぁあいつが止めてくれなきゃこの先には進めねぇぞ…」
 ヴィクティムが冷や汗をかきながらその激戦を見守る。
 一合、二合、鋼同士がぶつかり合う音が響く。
「お前調子に乗るなよさっきのスタンハメでしょ?俺の島じゃノーカンだから。」
「――――隙を見せたなぁ!」
 ペラペラと喋り、黒騎士が隙を見せた所へ、腰の刀へと手を伸ばす。
 ユーベルコード、【薄刃陽炎】。
「……おいぃ!?」
 黒騎士が咄嗟に身を捻り、初めての回避行動をとる。
 ムイナが放つは、只々刀を抜き放つだけのシンプルな技。大剣では使えず、尖鋭之太刀という刀でのみ使える限定的な一撃。
「……生まれて初めてほんの少しビビったぞ…!」
 ―――故に、黒騎士の強固な鎧さえ斬り裂く一撃となり得るのだ。鎧の腹部位に一閃の傷跡が刻まれる。。
「堅固な鎧、不動の防御、大いに結構。その分オレも、斬りごたえがあるってもんさ!」
 戦況は、ムイナがこのUCをいかに当てるか、騎士がムイナを叩き潰すか、それぞれ天秤にかけられている。
 そう誰もが思っていた。
「一人で戦わせるなんてひどいじゃないか!ボク、参戦!」
 ―――ボクはヴァリアブル・タイプオメガ(変幻自在の仮想人格・f00247)。
 どうやら異端の騎士との戦いで集合時間に遅れてしまったんだけど、猟兵が頼りないらしく普通なら着かない時間で急遽参戦したのさ!
「…おいぃ?」
 かこん、左腕を変化させたヴァリアブルの打撃は鎧に軽い音だけを響かせた。
「………邪魔だ、退いてろ!」
「あれぇー!?」
 ヴァリアブルの予想は外れる。大歓迎状態のはずが、完全に蚊帳の外だ。味方の猟兵たちも、まさかの援軍に唖然としている。ヴィクティムに至っては口から魂が出ている。
「また増えたか、だが俺の前で群れる浅はかさは愚か。」
 やばい、どうしよう。ヴァリアブルは慌てた。【グッドナイス・ブレイヴァー】によって中継を通して視聴者に見られている。
 このままでは、視聴者は減り、コメントが荒れ炎上の後に裏世界でひっそりと幕を閉じてしまう!
 テンションと世界観の違う二人が急遽タッグを組まされてんやわんやしていた。
「バックステッポォ!」
「させるかよぉ!」
 距離を取られれば広範囲攻撃を受ける、自分一人ならともかく…。ムイナは無呼吸による連続攻撃で黒騎士を押しとどめる。もはや薄刃陽炎を放つどころではない。
「あわわ…!」
 絶対的地位を失い、このままでは人工的に淘汰されるのが目に見えていた。これバグでしょ?はやく強化して!
 混乱してあわあわしているヴァリアブルの背後から声が届く。
「……おいクソガキ!てめぇも男ならよ、そこまで行ったなら腹くくりやがれ!!」
 軍馬を止めた最初の功績者、ギャリソンが笑みを浮かべながら叫ぶ。
 ――女ですけど!?ヴァリアブルはツッコミを入れたかったが、更に声があがる。
「そうであります!そんな所、自分じゃすぐスクラップでありますよ!」
 今急遽きただけの少女に、猟兵達から歓声があがる。
 言動はともかく黒騎士は強く、オーラも凄い。それに気迫で真っ向から闘うムイナ、誰も立ち入れぬ領域へ乱入できたのはヴァリアブルだけだった。
「なんだ……ボク、歓迎されてるじゃないか!!!」
 舌をペロ、調子を取り戻した。彼女はこう見えて古代高度文明のAI人格。今この瞬間さえ、その高性能さを発揮して、僅かな安全地帯へ身をゆだねていた。
「っがぁぁ!!!」
「オラァア!!!」
 見切り、カウンター。残像すら見える二人の斬撃の嵐。捌き切れずダメージを食らおうとムイナは一歩も下がらない。
 ヴァリアブルは身を揺らしながら凝視し、唯一の好機を見逃さなかった。黒騎士がムイナへ釘付けになり、自身の存在を忘れた瞬間を。
「おねーさん、刀を!!」
 短い言葉、ムイナは一瞬の躊躇い――すら捨て、賭ける。
「【フルバースト・マキシマム】!!」
 斬撃の嵐、唯一の空白にヴァリアブルは小さな体を滑り込ませ、左手を夥しい数の武装をごちゃ混ぜにしたキメラ武装にして突き付けた。一瞬で膨大な攻撃が騎士の剣を、鎧を、動きを制する。
「ちぃぃぃ!【フォーリングロー」
「遅い……」
 ――――【薄刃陽炎】。

 斬。

 ヴァリアブルの前髪を掠りながら、刀が僅かな空間を通り抜ける。
 鈍い音と共に、黒騎士の剣が真っ二つに引き裂かれた。
 ―――やったか!?誰かの声が響く。
「……勝ったと思うなよ。」
「もう勝負ついてるから!ふふん!」
 黒騎士は剣を一瞥し、そう呟くとヴァリアブルは満足げにドヤ顔を返した。
「何を勘違いしている……俺のブラッドソードはまだ終わってないんだが?」
 ……ひょ?
 ヴァリアブルは素っ頓狂な声をあげ、ムイナは眉を顰めた。
「封印が解けられた。」
 黒騎士の声が響く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルトルファス・ルーテルガイト
・・・言ってる事は意味分からんが、言いたい事が伝わるのはどうにも不思議なものだな。(淡々とした言葉で、剣を構える)

(WIZ型)
・・・【精霊剣】で、『光の精霊の加護』を集わせて、ブラッドソードとやらに対抗するとしよう。(『・・・すまないな、酷使させるような事をして。』(と、見えない光の精霊に誤りながら))
・・・そして、その剣で二度と血が吸えない様にしてやる。

・・・ところであの騎士、『魔法使いなのに剣が使えるとかずるい』とか『お前絶対チートしてるだろ?』など俺に喚いてるが、気にする事もない。
・・・俺は【剣士】とも【戦士】とも名乗った覚えはないからな。
・・・【精霊術師】か【猟兵】とは名乗ったがな。


花盛・乙女
えぇい!私のみならず幼き少女にまで苦痛を与えるとか、貴様に彼女の悲しみの何がわかるというのだ!?
なに?先の私の姿がアワレだったと?何を馬鹿な。
彼女の仕事が見事だったと関心するがなにもおかしいことはなかった。
そもそもハイスラ?何それ?ユーベルコード?歌?
訳のわからんことをごちゃごちゃと。母より賜った短刀でブン殴ってやろうか?

とはいえなめてかかるわけにはいかん。
ダークパワーとやらの得体が知れぬ以上無策では頭がおかしくなって死ぬかもしれん。一瞬の油断が命取りだ。
二振りの刀で攻撃はいなし、確実に斬撃を与える。
一撃が入れば二撃めが入るのは確定的に明らかだ。
追撃の拳骨で彼奴の命もかなぐり捨ててやろう。



●大罪の剣
「傲慢を意味するこの剣が真の力を解放したことによって、お前たちはどこにも逃げられないプレッシャーを背負うことになった。」
 黒騎士が使用したUC【ブラッドサッカー】の恐ろしさを、すぐに猟兵達は知る。
 突如、ムイナが膝を着く。
「なんだ…力が…!?」
「ズタズタに引き裂かれたやつの幕を閉じる圧倒的ダークパワー。一名脱落。」
 自身の流させた血を吸い武器の力を解放する能力。黒騎士の攻撃を受け、最も傷ついている彼女が真っ先に餌食となった。
 更にこの程度では終わらない。
「フンッ!!」
 折れた剣の根本から黒い、漆黒のオーラを纏った刀身が蘇る。
 漆黒の刀身が伸びる、実体を持たない黒の剣はリーチの概念を引き裂いた。
「ハイスラ。」
 横薙ぎ。ただの一振りが猟兵達のみならず、村人まで飲み込もうとしていた。
「…【精霊剣】。」
 寸前、闇の剣と光の剣が対抗し合う。
「おいぃ?こちらが必死こいて出したダークパワーみたいな魔法剣を使えるとかズルイなお前、絶対チートしてるだろ」
 黒騎士が喚くが、精霊の剣を扱うルトルファスに構う余裕はなかった。同様の力にも関わらず、出力の差が目に見えている。
「…すぐにあいつらを退避させろ。」
「あぁ、任せろ!」
 言葉に応えてムイナを助け出したのは乙女、あの乙女だ。
「…俺のこれは、剣や魔法ではない。精霊術士としての力だ。」
「精霊?なにそれ歌?外人?ほれこんなもん、頭お花畑ごとダークパワーで染めてやろう。」
 黒騎士が剣を振り払う。ルトルファスは出力をあげて対抗するが、徐々に押し込まれる。
「(…すまないな、酷使させるような事をして。)」
 だが、ここで止めなければならない。冷淡という印象を感じる彼だが、決して非情ではない。その胸の奥に滾る火が村人たちへの被害を許さなかった。
 あの伸びた漆黒の刀身を防げるのはルトルファスだけだ。
「だからといって、もう手をこまねいて見てるわけにはいかない…!」
 乙女もまた憤慨していた。それは黒騎士に、そして自分自身にもだ。今まで力が足りず、見てるしかできなかった。
 避難を終え、跳び込もうとした乙女の左右から声が聞こえる。
「あぁ、そうだ。お前さんがこの状況を変えるんだ。」
「ボクたちで止めてみせるよ!あいつの攻撃は単調だからすぐ読めるからね、フフン。」
 ヴィクティム、ヴァリアブル、二人の頭脳派が僅かな時間で作戦を組んだという。
「俺とこいつが、イケメンの兄ちゃんに力を貸してあの剣を封じる。そして剣の内側で戦えるのはお前だけだ。」
 ―――乙女は考えることが苦手だ。騙されようが、失敗しようが、只々愚直に進んできた。ならば。もう一度だけ信じよう。
「ならばこの命、三人に任せよう。」
 男は苦手だが、今この場において彼らは掛け替えのない戦友だ。

●モンクタイプ
「―――むっ」
 常識外のリーチを誇る剣をぶつけ合う戦い。最初は容易に叩き潰せると確信していた。だが徐々に、徐々に、一撃一撃が拮抗していく。
「…精霊以外の声を聴いて剣を振る日が来るとはな。」
 口元を僅かに綻ばせ、ルトルファスは背後の声に耳を傾ける。
「今までの傾向的に、次は振り下ろしが来るはずだよ!」
「押しつぶす気かぁ?チップ…いや、馬鹿正直で助かるぜ。斜めにして受け流せよ!」
 馴れ馴れしい指示が飛び交う。全く―――
「…だが、精霊たちも楽しそうだ。ならば、問題ない。」
 予想通りの斬撃を、指示通りに斬り払う。
 袈裟切り。薙ぎ払い。フェイントからの斬り上げ。
 問題ない、対処できる。この三人ならば。

「三本の矢とか俺の腕力なら一発なんだが!?」
 状況を察したが怒りに震えた黒騎士が、漆黒のオーラの出力をあげて押し切ろうと躍起になる。
「一瞬の油断が命取りだ。」
 姿勢を低く、剣撃を潜り抜けながら接近した乙女が手を握りしめる。斬撃を一発、片手に持った短刀が鋭い傷跡をつける。
「貴様はいろいろアワレだった女!」
 まさかの口撃に膝が折れそうになった。負けない。
「彼女の仕事が見事だっただけで感心するがどこもアワレではない!」
 斬撃から流れるような拳の一撃を放つ。
「どうやらお前は気づいていなかったようだがそれも仕方ない。俺の圧倒的な力で片手で握っていたはずなのに桁違いの能力差に両手で扱っていたという顔になる」
 全然そんなことはなく両手で剣を使う場面も多かったが今だけは片手で扱っていた。
 すなわち、左手が空いている。
「俺もまたモンクタイプでもある!!」
 拳同士がぶつかり合う。意外にもそれは拮抗していた。それは片方で剣を交えているからでもあり、そして。
「んぎぎぎー!」
 乙女はかなり乙女感のない踏ん張り方をしながらも、拳越しに感じていた。
 ――悲しい……なんて悲しい拳なんだろうか。まるで足りない何かの空虚さを埋めるような拳じゃないか。
「……はっ。」
 不意に気づく、それは拳を交え、そして志の近い乙女だからこその気づき。
 この戦いが始まってからの記憶を辿る。そうだ、目の前の黒騎士は只の一度も。
「―――貴様は"騎士"か?」
「……ッ!!」
 兜越しにその表情が歪むのがわかる。
「いや―――それ以前に貴様は一度たりとも――」
 自身を騎士だとは主張してはいなかった。
「黙れ。」
 黒騎士は初めて、ただ純粋な怒りの言葉を放った。再び拳が振り上げられる。
「俺の前でナイトという言葉を使ったな貴様。」
 否、乙女にはわからないが、真実は少し違う。他者の使う騎士という言葉が、彼にとって真の怒りを誘うものだったのだ。
「なぜだ、その見た目、剣捌き、騎士と呼ぶに相応しいはずだろう…!?」
「……そうだ。人間共は俺を騎士様と呼ぶ。あいつらに俺の悲しみはわからない。」
 拳を受け止めた乙女が投げかける。黒騎士はその言葉に初めてまともな対話を返した。
「ナイトという光を失い、ダークパワーに墜ちた俺は裏世界に生きるしかなかった。」
 剣の纏うオーラが強くなる。握る拳の力も強くなる。
「俺のほこりはもう失われた!!」
 ガッ。幾度にも続いた殴り合いは、ついに黒騎士に軍配があがった。
「誇りは失われるものではない!!!」
 だが、乙女もまた叫び殴り返す。
「貴様はただ捻くれているだけだ!道を間違え、悪道に身を費やし、その真実から逃げている。それは貴様が、己自身に誇りを持てず、掲げることすら否定しているまで!」
「正論で論破しようとしても無駄、時既に時間切れ。」
 拳は僅かに体を揺らし、言葉は心を大きく揺らせた。
 だが、力が足りない。足りない分を言葉で埋める。それでも足りないのなら。
「―――大丈夫、あとは俺達に任せて。」
 仲間という光に頼ろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
…ええと、この人?は何でそんなちょっとアレな説明を態々するの?

いやまあ、確かにギザギザしてるしダークパワーとやらも嘘じゃないんだろうけど…威嚇のつもり…なのかな?

まあいいや、相手がなんであれ、俺がやることは変わらない傷を癒して皆を護る

その為に俺の全力を尽くすだけ…

とはいえ…部下の為に怒る事も出来るんだね…少しだけ見直した…まあだからと言って許さないけど…

皆の小さな勇気の為に信じてくれた想いの為に負けるわけにはいかないと【祈り】【覚悟】を決めて戦いへ

味方【鼓舞】し士気を高め体力の限界まで【癒しの歌】【生まれながらの光】で味方を援護し続ける

村人に被害がでそうな時は攻撃や相殺も行う

共闘アドリブ可


天星・零
『やっと黒幕のご登場ですか?ふふ‥お会いできて光栄です。遊びましょうか?』
戦術は前の章と同じく冷静に戦況を見極め五感だけでなく、【第六感】で敵の急所や動きを感じ取り、【変幻自在の影の住人】【ウェビル・ジョーカー・オブ・ウィスパー】に敵の妨害や攻撃をしてもらう

狙う順は馬→本体の順で優先

『‥ああ、助けては聞きませんよ。同じことでしょう?貴方も皆さんの声を聞かなかったんだから』

常に微笑みは絶やさない


【首狩り女王の死刑執行】を使い敵の動きを封じつつ、対象を攻撃。

使える技能は全て使う

首狩り女王(ディミオス)の口調
私+貴様、お前、零のことは名前で+-だ、だよな、だろう?と女王様らしい喋り方

絡み合いはお任せ



●【光】
「本当に良いのかい?」
「うん。やったことは許せないけど、僕は可能性を捨てたくはないんだ。零こそいいの?」
「暁音がそうしたいと望むなら。
 もともと人間よりオブリビオンの方が好きだからね。」
 本音同士のぶつかり合い。二人の少年は頷き合いながら歩を進めた。彼らの間には、血の繋がりこそ不明慮だが、家族の絆と信頼があった。

「―――大丈夫、あとは俺達に任せて。」
 傷ついた乙女に癒しの力を与え、暁音は言葉を投げかける。
 彼女がいたからこその覚悟と決断だ。心の中で敬意と感謝を送る。
「…あぁ、頼む。救えとはいわない、だが解放してやってくれ…。」
 少女と入れ替わりに、二人の少年が黒騎士の前に立つ。
「おいぃ?俺は老若男女平等にぶっ飛ばせるんだがお前達のようなチビは一瞬でぺちゃんこ。」
「おっと、させないよ。おいで。ディミオス。」
 零が更なる召喚を行い、総勢でその動きを止めにかかる。
「…動きを止めた所で時間の問題。諸共吹き飛ばそうと所詮貴様らが召喚した程度のやつと俺とでは固さが違うんだが!?」
「そんなことはしないよ。あの馬さんには悪い事をしたと思うけど……そんなにまでショックだった?」
 暁音に黒騎士は言葉を返さず、ただ睨み返す。
「あなたは、部下の為に怒る事もできる。愛馬のために本気にもなれる。とっても人間みたいなオブリビオンなんだね。」
「同情はやめろといっているだろ小猿。」
 初めて聞いたが、この手の発言にはもう慣れてきた暁音は無視して言葉を紡ぐ。
「あなたの中にもしも本当に騎士としての想いが宿っているなら。」
「おいやめろ馬鹿、俺の前でナイトを知った口で叩くとか命知らずもいいとこだぞ。」
 祭器を振るい、浄化の歌を奏で、光を輝かせる。
「きっと何かが変わるはず。」
 ―――。
 全ては忠義の為だった。闇に墜ちようと必ず騎士の誇りが目覚めると信じていた。
 だが、気づいた時にはその手は血に染まっていた。
「俺は……ダークパワーに墜ちて頭がおかしくなった。」
 黒騎士の剣から漆黒のオーラがかき消える。
「あなたは、決して村人たちを手にかけなかった。もちろん、死にかけるほど追い込んで、生きる希望さえ奪った酷いやつだ。
 でも、それは取り戻せるから。止めてくれる誰かを待っていたんじゃないのかな?」
「……ポジティブにもほどがある。どう考えたらそんな結果になるのか意味不明。」
 つい今しがたまで殺し合いをしていたとは思えない会話。
 馬鹿にするように鼻で笑いながらも、黒騎士の目には輝きが戻っていた。
「だがお前のいうことにも僅かに一理ある。ナイトはジョブを選ばない。例え暗黒になろうと、ナイトの誇りは失われていなかったようだ。」
 そう発言したうえで、騎士は再び剣を掲げる。その様子に驚きはしない。
「俺にこいつらを斬らせるのはどちらかというと大反対。」
「零、ごめん。」
 いいよ、と微笑みを浮かべながら召喚による拘束を解く。
「助けてとでも言えば容赦なく殺してあげましたけど、わざわざ僕が手を下すまでもないですね。」
「ここからは報いを受ける番だよ。そして裁くのは俺達じゃない。」
 村人たちに勇気を宿し、自身に覚悟を宿し、最後には敵に決意を宿した。
 そうすることが、誰もが納得のできる道だと信じて。

「俺は名もないナイト。例え暗黒に堕ちようと、忠誠を誓った領主のためこの命に代えても貴様らを倒すんだが?」

 騎士の剣から再び刀身が湧き上がる。
 だがそれは、黄金の塊のような光だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神月・瑞姫
仏の顔も三度までなら、まだ怒っちゃダメなんじゃないかな
ごはんを持ってかないでって言った
お化けさんを倒した
今で三回目
怒るのは四回目…みぃ知ってるよ?

…村の人たちは三回なんてとっくに越えてる
許されないのは…あなたの方!

いくね神様
みぃに勇気を
(狐面を被り真の姿を現す
青白い月光で形作られた九尾の狐のオーラを纏い
体も3歳程成長
おどおどした雰囲気が消え
口調も変化する

巫覡載霊の舞…主はやり過ぎた
覚悟せい

衝撃波を放つ薙刀の乱舞
霊気を纏う連撃は騎士自慢の鎧を素通りする【鎧無視攻撃4】

騎士からの攻撃は【月影分身の術】に翻弄され
湖面の月を相手するかの如く当たらない

忍者?違うのう
我は神
勇ある少女の身に顕現せし月神じゃ


アリルティリア・アリルアノン
ブラッドすごいですね

でもアリルはこれでナイトが嫌いになったな
貧弱一般村人を一方的にボコるとかあもりにもひきょう過ぎるでしょう?
お前にむらびとの悲しみの何がわかるってんだよ

そう言うわけできょうきょ参戦
アリルにも一撃入れさせろです!

味方の攻撃がヒットしたときは「今のがアリルの攻撃だったら死んでたぞ」等と煽り
さらについげきの生半可なゲーマーには真似できないバトルキャラクターズを召喚、
ぜいいんフユージョンした破壊力ばつ牛ンの一撃でダメージは更に加速した!

ナイト最強のその時はもう過ぎ作ってしまった
地位と権力にしがみついてた結果がこれ
お前調子ぶっこきすぎてた結果だよ?



●さすがナイトは格が違った
「全く、あの場面から敵側の覚醒フェイズ入るか普通…?」
 呆れたように頭を抑えながらヴィクティムはため息を吐く。
「あぁ、いいじゃねぇか。俺様は嫌いじゃないぜ、ああいうのもよ。それにこうなってくるとこっからが熱い!」
 傑作そうに笑いながらギャリソンは炎を吹かす。
「しかしあの二人ズルイぞ!この決戦、光と闇が備わった我こそが相応しいのではないか!?」
 最後の戦いを飾れずに不満をたれるシャレムのような者もいれば。
「…あいつらに任せるしかあるまい。」
 ルトルファスのように満足げに見守る者もいた。

「ブラッドソードすごいですね!」
「…それほどでもない。」
 騎士に対峙するは二人の少女。片や住民を支え、猟兵を支え、ここまで戦い抜いた神月・瑞姫。
 そして、おもむろに声をかけたのは急遽参戦したアリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)。
「この剣が凄いのはもう周知の事実だがダークパワーに飲まれた俺はナイトの生命エネルギーを剣にすることで光と闇を備えた最強のナイトとなった。言っておくが先ほどまでの俺とは別次元に強いぞ。」
 他でもなく自分自身が、既に長くないことを騎士は悟っていた。そのうえで、燃え尽きるような煌めきを選ぶ。
「―――でも貧弱一般人をボコった事実は消えませんよね?これで私はナイト嫌いになりました。汚いです!」
「お前人の挙げ蛸足を取ることしかできないんですかねぇ!?どうやってそれが反省してない証拠だよ!あとナイトは無関係なのでこれ以上の討論は不要!」
 バーチャル口撃によって、悟りを開いても低い沸点で茶が沸く。
 不意だまで斬りかかろうとする騎士の前に、瑞姫が立ちふさがる
「反省はいいことだけど、許されないことも…あるの。」
 強い眼差し。最初の頃に震えていた少女の姿はもうなかった。
 ―――いくね神様、みぃに勇気を。
 瑞姫が狐のお面を被り、彼女もまたその真の力を発揮する。
「【巫覡載霊の舞】」
 騎士の剣が迫る。斬撃は少女の体を貫いた。
「……分身じゃよ。」
 が、貫かれた体は光が溶け込むように掻き消える。
「分身とかお前忍者かよ。今まで黙っていたが実は忍者はナイトの大敵、あいつらは汚いし卑怯だしすぐアドリブをかまして人を困らせるクズ。」
 本体は長刀を構えて突撃する。その姿は瞬く間に成長をし、神々しい雰囲気すら放っていた。
「忍者?違うのう……」
 霊気を纏った乱舞を放つ。一撃一撃に鎧ごと貫く衝撃波のおまけ付きだ。
「我は勇ある少女の身に顕現した月神。誰もがお主を裁けぬというのなら、我が裁いてやろう」
 対する騎士もまた剛剣を振るう。光の剣が衝撃波ごと受け止め、一合ごとに爆撃のような音が鳴り響く。
「ならば、神ですら俺を裁くことは不可能だと教えてやろう。」
 人智を超えた戦い。
 騎士の消耗し続ける生命力が尽きるのが先か、降神のために溜め込んだ霊力が尽きるのが先か。
「ハイスラァ!」
 騎士が攻撃に転じれば、湖面の月を相手するかの如く攻撃を回避され。
「まっこと頑丈じゃのう。もはや騎士という守りの概念そのものではないか。」
 月神が攻めても守りの技術に翻弄され、稀に衝撃波を与えても、びくともしない。
 千日手。決め手にかけたまま互いに消耗を続けていた。……そんな中、ぽかーんと眺める姿が一人。
「アリルなんだか場違いじゃありませんかー!?アリルにも一撃いれさせろー!」
 とはいったものの、お世辞にも接近戦に秀でた能力はない。
 瑞姫の一撃が見事に炸裂する。だが、騎士はまるで不死身かのように倒れない。
「今のがアリルの攻撃だったら死んでますね…!」
 適当に喋るぐらいしかやることがなかった。むしろ自分が死にそうだなってちょっと思った。
 だがそれで諦めるアリルではない!!
「まぁそんなアリルには、バーチャル魔法っていうそれはそれは見事で素晴らしい魔法があるんです!」
 それはなんかふわっとした不思議パワー。周りもダークパワーとか神さま呼んだりしてるから似たようなものだ。
 そして今回使うのはゲームキャラを呼び出すUCだ。
「えーっと、あ、なんか丁度いい感じのキャラが…あ、これとかどうですかね!
 生半可なゲーマーには真似できない【バトルキャラクターズ】!」
 デバイスから音楽が流れる。闇に包まれても、この声は未来に届く。そんな歌詞の曲だ。
「いろいろ合成させてドン!コピペで出しちゃうのです!」
 呼び出されたのは、とあるゲームのキャラクターだ。
 自分の意志は持たない、ただ戦うためにだけに召喚される存在。白銀の鎧と盾、ギザギザの黒い剣。長い耳に白い髪。なんてことはないよくあるデザイン。そのゲームでは、騎士を象徴する存在というだけだ。喋る言葉だって、それは元から決められている定型文でしかないのだ。

「………お前、それでいいのか?」
「――俺がどうやって後悔してるって証拠だよ。」

 キャラクターの投げかけに、騎士は自然に言葉をかわしてしまう。

「ナイト最強のその時はもう過ぎ作ってしまった。
 地位と権力にしがみついてた結果がこれ。」
「……。」

 騎士の動きが止まる。瞳はそのキャラクターを見つめていた。
 
「ナイトには仲間が必要不可欠。そうだろう?」
「そうか、俺には……。」

 斬ッ。薙刀が騎士の体を貫く。―――同時にその手の剣から光が失われていった。
「あ、あれぇー!?アリルのキャラクター攻撃もしないとかちょっとポンコツすぎではー!?」
 自分のことを棚にあげつつ、デバイスをガチャガチャしながらアリルは頭をひねる。
「……我もよくわからんが、十分すぎる働きであったとは思うぞ。」
 それに、戦いはもう終わったようじゃ―――その言葉を残して、瑞姫から月神の面影が隠れる。
「…みぃは、やれたの……かな?」
 騎士はその足で大地を踏みしめながら、もう動くことはなかった。

●深紅の空
 村人達から猟兵達へ感謝の言葉が送られる。帰ろうとする間にも色々とあった。
「けっきょく俺は、村の危険よりやりたいことを優先したんだ。大袈裟な称号なんて必要ない、一人の我儘な猟兵でいいよ。」
「それなら僕も同罪かな?オブリビオンの仲間みたいなものだし。ん?なんです……ふふ、僕の友達を褒めるなんて良い感性を持っていますね。」
 村人から賞賛を受ける者達。。
「お褒めに預かり光栄であります!あ、もしスクラップとかあったら自分が回収するでありますよ!」
「え、なに?ずっと外にいてみてなかった?よーしボクが語ってあげるよ、異端の騎士との戦いで ボクは集合時間に遅れてしまったんだけど――」
 それぞれの主張を自由に語る者。 
「ねぇ、瑞姫、私に最後の黒騎士と対面した感想教えてくれない?もうなんなら―――今からオレとやりあうってのもいいぜ!?」
「み、みぃはわからないし、困るの~…!」
 ムイナが戦意剥き出しで興奮しながら瑞姫を追いかけるのを、猟兵達が必死に止めたり。
「なっ、私を新たなご神体に!?なにがどうしてそんな話になったか意味がわからん!?」
 乙女の叫びが空まで高く響いたりした。
「アリルのおかげで万事解決、ですね!!でもアリルは謙虚なので、それほどでもないって言っておきます!」

 黒く染まった空から僅かに漏れた光が、深紅の空を描いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月29日


挿絵イラスト