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みずいろ観覧車

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 カタカタ、コトコト。
 水車が回る。
 蒸気と魔法でできた水車は観覧車のよう。
 絶えず水を生み出して、水路に水を運んでく。

 カタカタ、ふよふよ。
 楽しいね。
 ボクらもお水とおなじ色だもの。
 絶えず回る観覧車、乗客はお水と、ボクたち。

 ――でも、どうして?

 ギギ……、ぴちょん。
 回らない。
 止まってしまった魔法の水車は、お水を運んでくれないの。
 ああ……どうしよう。あいつが来るよ……。

 ――迷宮の奥から、怒った赤オニがやってくるよ……。


 「ちゅうもーく! ご注目よろしくお願いしマス!」
 その身長、実に34cm。だぼだぼのローブにつばありのとんがり帽子という出で立ちで、ベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)はテーブルの上に立つ。
 ちょっとお行儀が悪いのはご勘弁願います。こうでもしないと、たとえ小さい人間の子とだって目線が合わせられないテレビウムボディなので。

 「アルダワ魔法学園で事件だ。地下迷宮に設置されてた水車が止まっちまった」
 詳しく説明しようと、ベッジは続ける。
 その水車というのは、上層近くの拓けたフロアにあり、蒸気と魔法の力で周囲の水を管理しているものらしい。
「正確には、水車のカタチをした浄水器機関ってトコだな。くっついてる小屋の部分で空気中の水分を集めてろ過するだとか、作り出すだとか。センセや生徒らが持ち込む水を浄化するだとか……詳しい事は分からんが、問題なのはそこじゃない。水車のカタチをしてたって、トコなんだよなぁ」
 なんてこったいと頭を抱えるように、ベッジは帽子を両手で抑える。
 「その水車をオモチャにして遊び始めちまった災魔・オブリビオンがいるんだよ。くらげみたいに宙を漂ってるやつでな。見慣れたやつもいるんじゃねぇか? こいつらが水車に群れて遊んだせいで、水車のあっちこっちに詰まっちまったんだ!」
 まーったく、世話のやけるオブリビオンだぜ! とベッジは憤っている。

 「んで、その水路の先にな、番人付きの果物園があんだよ」
 話はそこで終わらない。
「果物園も魔法の管理下だからな。何でもあるぞ。イチゴでもメロンでもリンゴでも」
 ちなみにベッジさんはチョコが好きだ! カカオ豆も生るが、それはいらねぇぞ。
 もはや果物ではないが、ようはあるかも、と思ったものはだいたいあるだろうということを伝えたかったらしい。
 「……だがな、その番人ってのも災魔なんだよ。」
 こいつを倒してほしいってのが、今回最大のミッションだ。
「一言でいうと赤オニだな。その果物園自体は無人で、最近フロアごと移動してきたんだろう。鎧武者の武士っぽいやつだが、中身は魔導蒸気人形。命令を受けたカカシのつもりだか、フロアを自分の領土と勘違いしてんだか。とにかく、水が流れて来なくなったことに腹を立ててやがる。話の通じるやつじゃねぇから、ガツンとやっちまってくれ!」

 そしてその後はお楽しみ。
「こいつはすげぇぞ。即席で水を氷にしてくれる、魔導蒸気かき氷機だ!」
 災魔討伐後の慰労の為に、学園に頼んで貸してもらったのだ、とベッジはここ一番胸を張った。
 なぜかき氷なのか。それはせっかくたわわに実った果物園へ行くのだから、好きなだけもぎ取って来いというベッジの密かな『GOサイン』だった。
 取り戻した水車から水を汲んで、あるいは果物そのものを凍らせて。
 少し早い夏の訪れの話しをしよう。
 「ベッジさんは心配なんぞしないからな!」
 オレが登場すれば、ちょちょいのちょいってなもんだ! と、できもしないことを高らかに宣言し、胸を張る。
「じゃ、行ってきな。……大ケガすんなよ」
 そして、どこかそわそわした様子で見送るのだった。


サヤエンドウ
 サヤエンドウです。
 お目にとめて頂きありがとうございます。
 初の舞台はアルダワ魔法学園です。

●概要
 第一章…集団戦:水車で遊ぶくらげたちの討伐。
 第二章…ボス戦:果物園の赤オニの討伐。
 第三章…日常:真夏の奇跡を作ろう!

●シナリオの傾向
 戦闘判定ゆるめのほのぼのシナリオです。
 猟兵を見つけると自ら近寄ってきますので、
 水車や果物園を守る行動は必須ではありません。
 が、キャラクターの個性・信条としては大歓迎です。


 1章公開後から受付ております。
 諸々の傾向に関してはマスターページをご参照ください。
 ※緊急のお知らせを記載する場合もあります。

 ・アドリブ(A)・絡み(K)はNGの場合のみ。
  【A×、K×、AK×】【絡みNG】など、ご記入ください。
 ・お相手がいらっしゃる場合。
  【相手のお名前(呼称や愛称)と、ID】または、
  【グループ名(【】付きだとより確実です)】を必ず入れてください。
  迷子防止にご協力お願いいたします。
 ・お誘いにより、第三章にベッジ(f18666)がご一緒できる事になっています。

 皆様の冒険譚をより引き立てられるように頑張ります。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『ふよふよくらげ』

POW   :    ふよふよ、とうめいになる
全身を【うっすら透明っぽい姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ふよふよ、ぴゅーっとする
【空中をふよふよすること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【口から噴き出した水】で攻撃する。
WIZ   :    ふよふよ、しびしびする
【ふよふよした全身】から【高圧電流】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:Miyu

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイブル・クライツァ
アルダワは本当に、可愛いのがちょっと困った状況を作っちゃう事が日常茶飯事よね…
水車を遊び心に入れちゃうのは、お茶目が過ぎちゃったから仕方ないけれど

少し戯れを見てからでも、良いわよね?(ちょっと隠れた所でくらげを見)
…何かこう、ヴェールをふわりとさせたフォルムに似てて親近感を覚えるというか
かわいい…あっでも、倒さないといけないのは判ってるわ。
除けても、水車にまた集まってきたら止まってしまうし
此処は心を鬼にして、…いや、奥に居る鬼程ではないわよ?
姿を晒したら、先ずは水車からある程度離れた所まで誘導して
巫覡載霊の舞で薙ぎ払うわ。
数を減らせたら、水車にいるくらげも薙刀で突っついて詰まりを解消させるわね


ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動を行う

■心情
水車が止まってしまうとは、水は貴重な資源ですので大変な事態ですわね。
必ず水車を動かす様に、頑張りましょう。

■行動
夕暮れ時に薔薇は踊り咲くで、くらげを纏めて攻撃していきますわね。
範囲攻撃で、広範囲のくらげを狙って攻撃。
マヒ攻撃、気絶攻撃、鎧無視攻撃も使って攻撃しますわ。

戦闘中はダッシュやスライディングで動き回りつつ戦い
第六感や野生の勘で、敵に囲まれない様に注意しつつ戦いますわ。
また、敵を盾にするなどして、敵の同士討ちを狙ってみますわね。

高圧電流に対しては、できるだけ避ける様に努めますけど
回避しきれない時は、電撃耐性で耐える様にしますわね。




 迷宮区に並び降り立ったレイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)とローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は、それぞれ対称ともいえるモノトーンと夕焼け色に染まるドレスを空中に躍らせた。
「アルダワは本当に、可愛いのがちょっと困った状況を作っちゃう事が日常茶飯事よね……。水車を遊び心に入れちゃうのは、お茶目が過ぎちゃったから仕方ないけれど」
 表情の変化に乏しいレイブルだが、その声音には小さな子供に対するような微笑ましさが滲んでいた。呟きを受けたローズは頷く。
「楽しませてくださるなら良いのですが、水車が止まってしまうとは。水は貴重な資源ですので大変な事態ですわね。必ず水車を動かす様に、頑張りましょう」
 言葉を交わし、二人は前方の水車小屋に目を向ける。
 水車小屋自体はそれほど大きな建物ではない。田舎の田園風景に立つ水車小屋を見たことのある者なら、それらとだいたい変わりない様に見えるだろう。六畳一間ほどの大きさの建物の脇に半透明のくらげたちと、水を受ける桶という桶に彼らをみっちりと乗せた水車。
 多少違って見えるのは、水車へ水を落とす半円状の樋が、建物の内部から伸びていることだろうか。そこにもくらげたちがふよふよと漂い、群がっているのだが。
 まだ猟兵の出現に気づいていない彼らは、積み重なるように桶の中へ飛び込んでみたり、ぽにょんぽにょんと水車の上で跳ねてみたりと忙しい。
(「少し戯れを見てからでも、いいわよね?」)
こみ上げてくるトキメキと言葉を呑み込み、まずはとレイブルは物陰に姿を隠し水車とふよふよくらげたちの様子を覗う。
 ――ひらひら、ふよふよ。
 ――ゆらゆら、ふわふわ。
 絹の様な髪を包むお気に入りのヴェール。その端をちょいと摘まみ、似ている……。と思う。

 「いきますわね」
 先にダッシュで飛び出したのはローズ。目を付けたのは、われもわれもと水車の周りを漂っていたくらげたち。
「さぁ、数多に咲き誇りなさい!」
 詠唱と共に発動する『夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(ローズ・ワルツ)』。
 ダンスへ誘うかの如く、優雅に差し出された手指の先へ、ざっと風が突き抜ける。
 彼女の身に着けていた、薔薇園へ誘うゴーグルが、風に巻き上がった図録のページが、宙に溶けて無数の薔薇の花びらへと変わる。すべてを夕焼けに染め上げるかのようなオレンジの花びらは、ローズに気づいたくらげたちを瞬く間に包み込んだ。
 その花の与えるマヒに身体を震わせ、あるいは一瞬にして何もわからぬうちに、くらげたちは消滅していく。
『――!』
 薄れていく花影の合間に、難を逃れローズを見つけたくらげたちがふよふよ、しびしびと漂いはじめる。
 電流を纏い、服の端っこをちょっとだけ焦してくる彼らに触れぬよう、漂う動きの先を読む。獲物を狙う獣のように、感覚を研ぎ澄ませてその先へ。
 迫る包囲網をスライディングで突破し、回り込んだくらげの裏に身体を滑り込ませて躱し続ける。囲まれる前に一体でも多く殲滅せんと、ローズは戦場を駆け抜けた。
 
 かわいい……素敵。胸を打つ、ヒトの鼓動に似た感覚は、レイブル本人にしかわからない。動かぬ表情のまま、されどいつまでもここに隠れているわけにはいかないと、手足は動く。
「倒さないといけないのは判ってるわ」
 誘導せんと姿を見せ、なぎなたを構えたレイブルのもとにもすぐさまふよふよ、くらげは近づいてくる。放電された電流が、肌を焼きチリチリと痛む。
 仮にもし見逃したとして。水車がある限りまた集まってきてしまうかもしれない。そうすれば水車は止まってしまう。この先の未来を脅かしてしまう。此処は心を鬼にして。
「此処は心を鬼にして、……いや、奥に居るらしい鬼ほどではないわよ?」
 刃は滑らかに、集まったくらげを寄せ付けず、なぎ払う。巫覡載霊の舞を受けて消える際、くらげの小さな目が少しだけ残念そうに揺れた。
(「数を減らせたら、水車に詰まっているほうも詰まりを解消させるわ」)
 鬼にした彼女の心に浮かぶのは、遠くない未来のこと。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

一駒・丈一
クラゲ退治に鬼退治か。引受けよう。

アルダワの地下迷宮には初めて足を踏み入れるが……
まさか、この世界である種の水道整備のようなことをするとはな。

さておき、仕事の時間だ。

戦闘はSPD重視。

あまり勢いよく攻撃を仕掛けた場合
水車に被害が及ぶ可能性もある。
これらの設備に可能な限り被害が及ばぬよう留意しよう

俺は主に、空中を漂うクラゲに対して
『早業』にてUC『罪業罰下』を放つことで掃討していこう。

季節柄、水遊びと洒落込みたい気持ちは分らんでもないが、
如何せん場所が悪かったな。此処は素直に場所を空けて頂こうか。




 「クラゲ退治に鬼退治か。引き受けよう」
 話を聞き終えて。アルダワ魔法学園、その迷宮区フロアに降り立った一駒・丈一(金眼の・f01005)は、場面が切り替わるかの様に装いを変えた周囲にも動じず、腕を組んだまま応じた。
 金の眼を細めるように前方を見遣り、まず思うのはこの場所のこと。というのも、数多の戦場を猟兵として渡ってきた丈一だったが、アルダワに来たのは初めてなのだ。
(「アルダワの地下迷宮には初めて足を踏み入れるが……。まさか、この世界である種の水道整備のようなことをするとはな」)
 此度の事件を要約すれば、詰まった水路の大掃除だ。ただし、詰まったのはオブリビオンで、掃除とは主に武力を以て、なのだが。それにしてもこれまでとは毛色の違う話なのだ。
 変わらぬものがある中で知らず変わってゆくものもある。この戦場を選んだ丈一の心情は、果たして。
「さておき、仕事の時間だ」
 思考に耽る時間はそう長くない。次に男が目に映したのは、紛うことなき斬るべきものの姿た。

 ひとフロア内の広さはそこそこあるものの、丈一の有する間合いを凌ぐほどではない。中でも、ふよふよくらげたちが群れているのは水車の周辺だけのようだった。
 先の猟兵らが退けてくれたおかげもあるのだろう。
 丈一に気づいたくらげたちがふよふよ、ぴゅーっ。警戒かあるいは興味を示し、水車を離れて寄ってくる。
(「あまりに勢いよく攻撃を仕掛ければ、水車に被害が及ぶ可能性もあるだろう。空中に漂っているクラゲを狙えるのは、好都合だな」)
 設備の位置と己の間合いとを測り、丈一は介錯刀を握る手に力を込めた。
「季節柄、水遊びと洒落込みたい気持ちは分らんでもないが、如何せん場所が悪かったな。此処は素直に場所を空けて頂こうか」
 言うが早いか、鋭い剣閃が寄ってきたくらげを切り伏せた。僅かに服を濡らした冷や水など、彼にすれば水遊び。
「罪業罰下――。これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ」
 静かな声音に添い、キン――と鍔に触れた鞘が鳴った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユキ・スノーバー
観覧車にしちゃうとか、楽しそうな事思いつくのが上手いねっ?
だけど、皆が日常的に使う大事な水車だから、壊れちゃうのは凄く困る!
勝手に近づいてきてくれるみたいだから、現場に急行ーっ!

わっ、思ってたより多いんだけど
こっちにおいでーっ(ぴょんぴょん飛ぶ)
居心地良く感じる位に、お水が綺麗だったのもあるからだろうけど
くらげ、つんつんしても良いかな?何か涼しそうで気持ち良さそうなんだよー。
水車と違って、ぼくの攻撃だと涼しくなり過ぎちゃうけど……華吹雪でさくっと退治退治っ。
Σあっ見えなくなっちゃ困るんだよー?!ええと、どの辺だったかな?(きょろきょろ)
隠れんぼまで得意とか、遊びの達人過ぎだけど負けないぞーっ!




「観覧車にしちゃうとか、楽しそうな事思いつくのが上手いねっ?」
 そこへ、ぴょこんと元気に飛び込んで来たのは、ユキ・スノーバー(しろくま・f062101)だ。
 くらげたちは人懐っこい。仲間が攻撃を受けていても、気になって様子を見に出てきちゃうほどなのだ。勝手に近づいてきてくれるみたいだから、とユキは現場に急行してきた。
「わっ、思ってたより多いんだけど!」
 そしてその数の多さに驚いた。まだ、水車に群がっているふよふよくらげの数は判然としないが、ちょっと一度に振り払えないのは分かる。
 近くで続いた大きな音に、なんだろう? と顔を覗かせて。次々とふよふよふわふわ……空中へと漂い出てくるのだった。
「こっちにおいでーっ」
 漂ってきたくらげたちに向かい、ぴょんぴょんと跳ねてアピールすれば、興味を惹かれてふわりふわり。楽しそうにまねっこする。
(「くらげ、つんつんしても良いかな? 何か涼しそうで気持ち良さそうなんだよー」)
 つつくとぷるんと震える彼らが居心地良く感じる位に、お水が綺麗だったのもあるからだろうか。満席の観覧車は止まっている。ユキの小さなマロ眉に、キッと力が入った。
「あのね、水車は皆が日常的に使う大事な水車だから、壊れちゃうのはすごく困る!」
 ぴくん、と跳ねたくらげたちには叱られたのが伝わったのだろう。すすいーっと離れていくくらげたちの姿がふよふよ、とうめいになる。
「あっ、見えなくなっちゃうのは困るんだよー?! ええと、どの辺だったかな?」
 姿を探してきょろきょろと視線を巡らせば、少し離れたところでまたすぐに見えるようになり、ユキは駆け寄った。かくれんぼまで得意、とはどうやらいかなかったようだ。
 数は減ってしまったが、「負けないぞー! 覚悟-っ!」と、アイスピックを振り上げる。放つのは『華吹雪(ハナサクユキニカクレルキョウキ)』。
 瞬間、ユキの周囲に訪れた猛吹雪に凍てついて、冷え冷えアイスピックにつつかれて、イタズラ子たちは砕けて消えた。
「涼しくなりすぎちゃったかな」
 でも、ごめんなさいってするのは大事! ユキは胸を張るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネムネ・ロムネ
【ライラック】で参加

タンクトップにショートパンツ姿

なるほど、くらげとビーチバレーですね
ネムに任せるのです
ビーチバレー?(スマホで検索)
え?素手でやるのです?(手元の火器を呆然と見て)

ビーチバレーは初めてなので感覚が摑めないのです
ボールに振り回されて転んだり、あちこち追い掛けたりして中々うまくいきません
隣では華麗に連携を決める音海さんとアテナさん
ん、ヴィサラさんも初めての筈なのに上手なのです
そーこーしてる間にネムの相手のクラゲに水まで掛けられてネムは我慢の限界です

もう怒ったです
もう許さねーです

UCを発動
服がパワードスーツの様な形状に変化するのです
ブシューと蒸気を噴きあげながら反撃開始です


アテナ・アイリス
【ライラック】
ふよふよくらげと、ビーチバレーで勝負するわよ。
くらげ達は、口から噴き出した水でボールを打ち返すから、水色のフレアトップの水着を着て戦うわよ。
最初は、普通に手で打ち返したり、リバウンドでボールを上げますわ。
勝負どころでは、UCを使って、「楯の乙女のスパイク」を全力で打ち込むわ。
最後は、フェイントをつかって、くらげの隙を作りますわ。

「さあ、もっと面白いことしてあげるからこっちにきなさい。」
「コートの準備、お願いね。」
「全身で感じ、頭で考え、心で判断するのよ。」
「私達の力を合わせれば、無敵よ!」
「これが勝利をもたらすスパイクよ!」
「みゆ、あれをつかうわよ!」

アドリブ・連携好きです。


ヴィサラ・ヴァイン
【ライラック】で参加
今日は新しいお友達と初めて依頼に来たから楽しみ…!
くらげさんとビーチバレーで戦うみたいだし、私は【ゴルゴンの傑作】でネットを…石製だからほぼフェンスだけど…を創り出してバレーボールっぽさを演出するね
直接こっちに近付いて来れない様にする障害物としての役割も大きいけど
フェンスの設置後は【第六感】で返ってくるボールの位置を予想、柔らかくレシーブ!
とどめは任せたよみんな…!
実はビーチバレーとか初めてだけど、きっと何とかなるなる
くらげさんのUCで水浸しだろうけど、対策はバッチリ…何故なら水着だからね
フリル付きのセパレートのやつだけど…決してお胸の小ささを誤魔化してる訳じゃないよ


音海・心結
【ライラック】で参加なのです

みゆはスク水の上にTシャツを着るのです
わぁわぁ
かわいいくらげさんがいっぱい
これは遊ばずにはいられませんよね?ねっ?

みゆたちはくらげさんとビーチバレーをするのです 
ヴィサラは準備ありがとなのですっ
準備ばっちりっ(きらきら)

……ぁっ!今の見たのですか?
くらげさんがお口からお水をぴゅーってしてたのですっ!
すごく可愛いですねぇ
もっともっと遊びたいのですっ!
って、ネムネ?
それ、どこから出したのですか?

でも、遊ぶ時間はもう終わりですねぇ
ゆきますよっ!アテナっ!
【先制攻撃】【スナイパー】を使って
UC『Sucked Heart』を発動するのです 
みゆのハートを召し上がれ、なのです♪




 彼らはまだまだ遊び足りない。
 突然動かなくなってしまったオモチャ代わりの水車に、しょんぼりと肩(?)を落として座り込んでいる。
 ふにゃんと水車の桶の中で蕩けている様は、まるで水車に水が滴るようだ。
 ひんやりとした空気はすぐに消え、気を落とすくらげたちの前に、【ライラック】の夏色の乙女たちが現れた!
まずは一人目。琥珀色の瞳に長い銀の髪。タンクトップにショートパンツという姿で白い肌をさらす、ネムネ・ロムネ(ホワイトワンダラー・f04456)。
 二人目は、水色のフレアトップの水着を着て、とがった耳と一つにまとめた金髪をゆらして戦う意欲を見せる、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)。
 三人目も、同じく水着。こちらは可愛らしいフリル付きのセパレートをまとう。緑の髪を帽子に隠し、もじもじと赤い瞳をふせる、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)。
 そして四人目は、スクール水着の上にTシャツを着た金の瞳に茶色い髪の少女、音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)。

 くらげたちを見て、わぁっと声をあげた心結。
「かわいいくらげさんがいっぱいです。これは遊ばずにはいられませんよね? ねっ?」
 飛び跳ねんばかりのわくわくを伝えると、ヴィサラも頷いて答える。
「今日は新しいお友達と初めて依頼に来たから、楽しみ……!」
「でもどうやって誘き寄せるです?」
 水車で遊ぶくらげたち。どうやったら一緒に遊べて、退治もできるだろうかとネムネは首をかしげる。
「考えがあるわよ。さあ、もっと面白いことしてあげるからこっちにきなさい」
 手にはボール。夏に水辺に、乙女たちときたらこれしかない!
「ふよふよくらげと、ビーチバレーで勝負するわよ!」
「そうです! みゆたちはくらげさんとビーチバレーをするのです」
 その為の準備はバッチリだ。いまいち、どこまで言葉を理解しているのか分からないくらげたちだが、一見敵意のない彼女らに興味を示し、水車を離れてふわりふわり漂いはじめる。
「なるほど、くらげとビーチバレーですね。ネムに任せるのです」
 ビーチバレー? そんな戦術は聞いたことがない。聞いたことがないので、密かにスマホで検索するネムネだが、ページを開いて驚いた。
「え?素手でやるのです?」
さて困った。行き場のない手元の火器は、どうしよう……。幸いフロアは広いので、隅においておけば問題ない!
 「コートの準備、お願いね」
アテネに期待の眼差しを送られ、ヴィサラは『ゴルゴンの傑作(ゴルゴニア)』を発動する。
「上手くいくか、分かりませんよ」
 得意とするのは石の芸術だ。足場は問題ないとして、ネットはどうか?
 かくして出来上がったのは、ほぼフェンスといった代物だ。そのまま再現することは叶わなかったが、全面を縦の格子にしたのでくらげたちの姿は見えるし、バレーボールっぽさを演出するには十分だ。漂うくらげたちも近づいてきた。
「ヴィサラ、準備ありがとなのですっ」
 コートの準備もばっちりっ! とみゆが瞳をきらきらさせる。
「何とかなるなる、だね。次はどうしたらいいのかな?」
「全身で感じ、頭で考え、心で判断するのよ」
 片手に持ったボールを掲げるアテネ。はい、コーチ!
「私達の力を合わせれば、無敵よ!」
 空に打ち上がるボールがフェンスを越えていく。ビーチバレー対決の始まりだ。

「心で、分かりました。とどめは任せたよみんな……!」
 返ってくるボールの位置を予想して、ヴィサラがレシーブの構えをする。
 くらげたちは、口から噴き出した水でボールを打ち返す。そう思ってアテネも構えるが、一頭目のボールを見事、顔で受け止めたくらげなのだった。
『――!?』
 ぽてりと地面に落ち、その周囲に他のくらげが集まってくる。
「お手本がいりますかね?」
「くらげさん、こうするのですよ!」
 こうやって、と心結やヴィサラは二人でトスやレシーブを見せてみた。そしてふわりとトスにも近いボールをフェンス越しに入れてやると、真似したくらげが頭で打ち返してきた。
 歓声が上がる。思っていたのとは違うかもしれないが、何とか形にはなりそうだ。
 最初はやんわりと、徐々にボールの速度も増していった。
 今度はネムネがよたよたとしながらもサーブを打ち込んで、それはあっさりと受け止められる。
「くらげさん上手ですよっ」
 アテネがリバウンドでボールを上げ、負けじと心結がアタックで打ち返す。
 当たるのは痛いと思ったのだろうか、ボールはぴゅーっと吐き出した水と止められた。
 それをレシーブし、ヴィサラはボールの真下にいたネムネに合図する。
「ネムネ、アタックチャンスだよ」
「分かっているのです」
 あわわ、と二の足を踏みながらもジャンプして、ぺちん。初めてのビーチバレーに、なかなか感覚が摑めないネムネはむすっと唇を尖らせる。
 ボールに振り回されて転んだり、あちこち追い掛けたり……うまくプレーできないのだ。隣では華麗に連携を決める音海さんとアテナさん。
(「ヴィサラさんも初めての筈なのに上手なのです」)
 同じコートのみんなを思い、視線を向けた、その時。
『――っ』
 ふよふよ、ぴゅーっと水しぶきが飛んだ。ボールを弾こうとして、うっかり外すくらげもいる。
「……ぁっ! 今の見たのですか?」
 くらげさんがお口からお水をぴゅーってしてたのですっ! と心結はご満悦。しかし、フェンス近くのくらげがみずてっぽうを外せば、それは当然近くにいる者にも影響する。
「すごく可愛いですねぇ。もっともっと遊びたいのですっ! ……ネムネ?」
「もう怒ったです!」
 上手くいかないだけならまだしも、くらげに水まで掛けられては、さすがのネムネも黙っていない。

 ネムネは『鋼のコルセット』を発動する。
 水に濡れたタンクトップとショートパンツが変化したパワードスートを装着。ブシューッと蒸気を噴き上げて、くらげたちをロックオン。
「もう許さねーです!!」
 反撃の開始だった。打ち出されるボールは的確にくらげを捉え、ボールごとコートに落ちて弾けて消える。
 ふんっ、本気を出せばネムの方が強いです! と次のボールを掴み、べしべしと投げ込む。
 攻撃された、と気付いたくらげたちがピリリと警戒し、お返しーっ! とばかりに数本のみずてっぽうが飛び交った。
 しかし、みんなそれぞれに対策をしている。水浸しになったのはヴィサラもだが、水着で対策しているのでバッチリ。フリル付きのセパレートを選んだのは可愛いからだ。……決してお胸の小ささを誤魔化してる訳じゃないよ。
「それ、どこから出したのですか?」
 いきなり現れたパワードスーツを見て心結は言うが、薄々分かっている。
「しょうがないわね。みゆ、あれをつかうわよ!」
 続くアテネは『ラグナロク・ワルキューレ』で楯の乙女に姿を変える。
「遊ぶ時間はもう終わりですねぇ。ゆきますよっ! アテネっ!」
 並び立って、心結は発動した『Sucked Heart(サークドゥハート)』で、ボールの代りに作り出したハートを掲げた。
「みゆのハートを召し上がれ、なのです♪」
「これが勝利をもたらすスパイクよ!」 
 バレーボールと思わせていたのは実はフェイントだったのかもしれない。あるくらげは縦の乙女の全力投球のスパイクを体いっぱいで受け止めて。またあるくらげは、今日を楽しんだ心結の想いを心いっぱいで受け止めて。消滅していく。
 そう、これはドッジボールだったのかもしれない。
「これがビーチバレー。みんなすごいよ! お疲れさま!」
 実はヴィサラも初体験だったのだ。くらげを含め、ちゃんと知っているのは二人だけ。
 勝ち負けくらい些細な事実は、くらげもみんなも楽しそうだったから、いいのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
【ソラ(f05892)】と一緒

ふーむ……倒せない、ですか
……学園の大事な水車だから、問題
ソラ。私が代わりの水車、つくるので。そちらに移して、あげます、か?

ソラが躊躇しているので『レプリカクラフト』
水車の隣にもう一つ水車を
造りは荒い偽物ですが、頑丈に作り
くらげさんをそちらに移してもらい
水車に、ソラの死角へとくらげさんを運んでもらって……

いくら可愛くても、オブリビオン
倒さないといけない、ですから

【覚悟】を決めて
ソラに気付かれないよう、くらげさん達を【暗殺】

……せめて、苦しまないように

手で触れ【生命力吸収】
眠らせるように、命を奪います

過去が今で、もう遊ばないように

くらげさん達は、旅立ちました。ソラ


ソラスティベル・グラスラン
【ナイくん(f05727)】と一緒!

無邪気で平和そうなお顔のクラゲさんたち……
ど、どうしましょうナイくん
可愛いくて、倒せませんっ!

ナイくんが代わりの水車を作ってくれたので、そちらに移ってもらいましょう!
【電撃耐性】と状態異常力の【勇者理論】
そして【気合】で完全防備!
詰まったクラゲさんを手で一匹一匹救出して
そっとナイくんの作った水車に乗せてあげて
もうこの水車で遊んではいけませんよ?皆さんが困ってしまいますっ

にこにこしながら楽しく作業をこなし、水車が綺麗になりました!
おや?ナイくん、クラゲさんたちはどこへ…?
ふふふ、猟兵としては間違っているのでしょうが、またどこかで会えたらよいですねっ!




 先程の騒ぎで、多くのふよふよくらげが水車から引きはがされた。
 まだ巣くっているのは、よっぽど水車がお気に入りになったくらげたちなのだろう。
 樋の筒からひょっこりと顔を出し、プルプルと身体を震わせて縮めていたあちこちを伸ばしてみたり、占領されていた場所が空いたのをいいことに「待ってました」とわが物顔で桶の上に乗っかってみたり。そしてやっぱり動かないと分かると、どこか物足りなさげにくてんと垂れ下がるのだ。
(「無邪気で平和そうなお顔のクラゲさんたち……」)
 あわあわと相棒と彼らを見比べるソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)、愛称はソラ。と、となりで一緒にじっとくらげを見つめるナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)がいた。
「ど、どうしましょうナイくん。可愛くて、倒せませんっ!」
 わあっと溢れる感情のまま告げるソラスティベルに、ナイは考える顔をして答える。
「ふーむ……倒せない、ですか」
 可愛くても、敵意がなくても、彼らが遊び場にしてしまった場所が悪かった。学園の大事な水車だから、いるだけで問題になってしまうのだ。
 でもできるなら、パートナーに悲しい顔はしてほしくない。
「ソラ。私が代わりの水車、つくるので。そちらに移して、あげます、か?」
 考えた末にナイが提案する。うーん、うーん唸っていたソラスティベルの丸い瞳が輝いた。

 ナイは『レプリカクラフト』を使用する。
 水の流れていない水路に沿って、本来の水車の隣にもう一つの水車を作り上げる。所々の造りは荒く、水を流し込む樋はないし、小屋の部分はハリボテの偽物なのだが、頑丈に。
「すごいです! 代わりの水車です!」
 ソラスティベルはナイの水車が出来上がったのを見て、くらげたちを移動させるべく『勇者理論(ブレイブルール)』を発動する。驚いたくらげたちは放電するかもしれないが、あれでなら遊ばせてあげられる! だから移ってもらうのだと気合を入れて、そろりと近づく。
「クラゲさん、あっちの水車で遊びませんか?」
『――??』
 ソラスティベルと、一匹のくらげの目が合う。突然間近に現れた彼女にはやはり、驚いたようだ。言葉を聞かずふよふよと透けて、とうめいになってしまう。
「あ、怖くないですよ」
 隙間に入っていきそうになるくらげにそっと触れた。すると意外にも、蕩けたゼリーみたいな状態のまま身動きせず、そのまま簡単に掬い上げることができた。
「ナイくん!」
「ソラ、こっちに」
 救出したくらげを両手に持って掲げて見せたソラスティベルに、ナイは水車の影から桶の一つを指し示す。新たな水車に移されたくらげは不思議そうな顔のまま、覗き込む二人を見上げた。
 ナイが、グッと力を込めて水車を押す。すると――。
『――!』
「くらげさんが遊ぶことのできるように」そう願われて作られた水車は、軋みながらも緩やかに回転を始めるのだった。

 偽物の水車が回りだすと、残ったくらげたちはわらわらと移動してきた。
 ――ふよふよ、ギギ……。
 ――カタカタ、ぽてん。ふよふよ。
 ぎこちないながら動く観覧車を揺りかご代わりに、彼らは再び遊び始める。水のない水路に落っこちては乗り、落っこちては乗り。
 無理に運び出さなくてはならないようなものもおらず、その様子をゆっくりと眺めることができた。
「もうこの水車で遊んではいけませんよ? 皆さんが困ってしまいますっ」
 詰まってぷるぷるしていた一匹を助け出して、ソラスティベルはにこにこと告げる。
 綺麗になった水車を眺め、そしてふと気づいた。
「おや? ナイくん、クラゲさんたちはどこへ……?」
 いつの間にか、たくさんいたはずの彼らの姿が消えていた。
 水車の傍に立つナイは、普段通りの少し大人びた笑顔を見せる。
 いくら可愛くても、オブリビオン。気付かれないように、でも倒さないといけないと覚悟していた。
「くらげさん達は、旅立ちました。ソラ」
 せめて苦しまないように、手で触れて。
 瞼を閉じて眠らせるように、さよならをした。
 過去が今で、もう遊ばないように。
 たくさん遊んだくらげたちは、夢に微睡むようにへにゃんと緩んだ表情のまま、ナイの手に見送られていった。それが満足のいくものだったなら、もうここには現れないかもしれない。その方がいいのだろうけど……。
「ふふふ、猟兵としては間違っているのでしょうが、またどこかで会えたらよいですねっ!」
 ソラスティベルは笑顔でそう思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九十九音・みたま
リュカくん(f04228)と参加します。

わぁ、クラゲ可愛いね。
きっと、純粋に遊んでいるだけかも、しれないけど……ごめんね?


リュカくんの援護で、水車に気をつけながら【千里眼射ち】で1匹ずつ落とすよ。

(リュカくんの問に考えながら)
出来れば、遊ばしてあげたいよね。
この子達に悪意は無さそうだし。
……けどそれで困ってるのも、事実だからね。
また、詰まったりしたらおちおち動かせないから。
腹を決めるしか、ないよね。


リュカ・ラス
みたま殿(f04232)と参加です

くらげ…色がきれいでかわいいですね
でもオブリビオンなら倒さないといけません

こちらに寄ってくるそうなので、水車から離れたところを1匹ずつ【剣刃一閃】で切って行きます
水車は傷付けないように気を付けます
学園にとって大事なものなのだと思いますので

(しばらく戦って観察してから

くらげは本当に遊んでるだけなのではないでしょうか?
水車がまたちゃんと回るようになったらすべり台みたいになって楽しいのかも…?
水車をちゃんと動かしたまま、遊ばせてあげることは出来ないのでしょうか?
どうしたらいいでしょうか、みたま殿?




 閉館した遊園地から、急に音が無くなるように。偽の水車に群がったふよふよくらげがみんな消えてしまうと、辺りには束の間の静けさが訪れた。
 残るくらげの数は少ない。
 取り残されたことに不安になったのか、どこからかするりと抜け出し、戸惑うようにふよふよ……。行ったりきたりと空中を彷徨い始めた。
 その先、姿を現した二人の猟兵のところへとたどり着くのだ。
「わぁ、クラゲ可愛いね」
 すり寄るように、何かに誘いたがっているような仕草をするくらげを、赤い瞳が覗き込んだ。花柄ピンクの着物を着たミレナリィドール、九十九音・みたま(九十九の魂宿す業・f04232)が言った。
「くらげ……色がきれいでかわいいですね。でも」
 思わずといった調子で、軽くつついたリュカ・ラス(ドラゴニアンの剣豪・f04228)は、ぷるると震えて離れたくらげに思わず苦笑する。
 幼さを感じさせない喋り方は、歴史ある剣術士の家柄のためか。
 漂うくらげたちはそのままフワフワと浮かび、やがては残りが群れるように集まって体を揺らす。だがそれが、ただのクラゲではないとリュカは知っている。
「オブリビオンなら倒さないといけません」
「きっと、純粋に遊んでいるだけかも、知れないけど……ごめんね?」
 もちろん、こくりと頷くみたまも同じだ。
 リュカはサムライブレイドを、みたまはロングボウを手に戦闘へと意識を切り替える。

 ちらりと水車の方へ視線を送り、その位置を測った。
「こちらに寄ってくると聞きました」
「うん、水車に気をつけて。援護するから」
 距離があり、くらげたちがそちらへ向かう様子がないと分かると、リュカは間合いを縮めるために地面を蹴った。
 くらげはというとその場にふよふよ、半分くらいとうめいになりかけていたが、構わず勢いのまま刀を振り下ろす。
 空中に留まっていた一匹を『剣刃一閃』の下に切り伏せた。
(「水車を傷付けてはいないでしょうか。学園にとって大事なものなのだと思いますので」)
 だから大ぶりの攻撃ではなく、一匹ずつ。
「リュカくん!」
 物思いに耽りそうになったリュカの横を、細い影が掠ったのと同時。叱咤するみたまの声が響いた。
 影の正体はみたまの放った『千里眼射ち』の矢による攻撃。
 集中する時間は十分に取れた。ふよふよ、ぴゅーっとしてきたみずてっぽうを浴びながらも、続く二本目の矢を受けたくらげがまた一匹、消滅する。
「油断大敵だよ」
「みたま殿、くらげは本当に遊んでるだけなのではないでしょうか?」
 みたまは油断と言った。けれどリュカは、クラゲから敵意を感じられないと思うのだ。
「水車がまたちゃんと回るようになったら、すべり台みたいになって楽しいのかも……? 水車をちゃんと動かしたまま、遊ばせてあげることは出来ないのでしょうか?」
 闘って、観察しながらリュカは思ったのだ。リュカの問いに、みたまは考える。
「出来れば、遊ばしてあげたいよね」
 この子たちに悪意はなさそうだしと、みたまも思う。その優しさには同意するのだけれど、その後にきっぱり首を振る。
「……けどそれで困ってるのも、事実だからね。また、詰まったりしたらおちおち動かせないから」
 今回は、予知を見た者がいた。
 今回は、自分たちがここに来られた。
 でも次は? そうじゃないかもしれない。
「どうしたらいいでしょうか、みたま殿?」
 再び問うリュカも本当はわかっている。
 相手が何かも、どうしないとけないのかも。
 それでも聞きたくなるのは、剣だけが、心無き正しさだけが、少年の追うものではないからなのではないだろうか。
「ありのままに、あるがままに。が一番だよ」
 そっと目を伏せるのは、ほんの一瞬だけ。自分の存在を見つめ、少女は揺るがぬ瞳で最後の矢を番える。
「腹を決めるしか、ないよね」
 どうかこれからのゆく道に、幸多からんことを。
 弾かれた弦の音が、災魔を祓った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『殺刃人形・剛剣の轟郎丸』

POW   :    "遍ク断チ斬ル、火ノ構エ"
【防御ごと断ち斬る上段斬り】が命中した対象を切断する。
SPD   :    "柄当スラモ、殺撃ニ至ル"
【衝撃が防御を突き抜ける、大太刀の柄】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    "剛ノ受ケ、鎧当タリ"
対象のユーベルコードに対し【鎧を叩きつけるような体当たり】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:イガラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠土斬・戎兵衛です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ふよふよ、ふるる……。
 また、遊ぼうね――。

 多くの猟兵に見送られて、遊び好きの災魔は帰された。
 水車に水の流れが戻るまでには、もう少しばかり時間がかかるだろう。
 流れのない水路を辿れば、広がる視界の先に果物園がある。

 個々ノ数ハ少ナイ。
 サレド魔導ノ技術ヲ注ガレタ実ハ皆、
 ドレモタワワニ実リ輝カシイ。

 欲スル者ハ、手ニスルガイイ。
 我ハ貴様ノ命ヲ欲スル。
 久方振リノ戦ジャ

 ――存分ニ、ヤリ合オウゾ。

 蒸気を吐き出す殺戮の武士が、仁王立ちにて待っている。
レイブル・クライツァ
…あらあら、果樹園の番人といった所なのかしら?
見た目はサムライエンパイアのようだけれども、作りは私みたいなモノよね
なら、脆くするのも壊すのも容易いわ。
スイーツタイムの為にも、早めに退場して貰うわ

存分に試合(やり)合いたいとなると、一人では物足りないでしょうから
護人達が相手をさせてもらおうかしら?彷徨の螺旋で二人を呼ぶわ。
私?何もしてないと想わせるかもしれないけれども、司令塔なのでごめんあそばせ
死神には敵に移動させるのを優先に、果樹園に被害が出ない所まで誘導してから暴れて頂戴?
剣聖には私の護衛は余力で、死神のフォローを優先に死角を狙って攻撃を指示

水が滞っても、これだけ豊富に実っていて良かったわ…




 その果実園がいつからあるのか。
 その鬼が真に求めることは何か。
「……あらあら、果樹園の番人といった所なのかしら?」
 真っ先にフロアを渡ったのは、レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)。
 相手の力量を気にする様子もなく正面まで歩み寄ると、全身で唯一色を灯す金の瞳が、機械仕掛けの殺刃人形を見上げる。
『主ハ、此ノ地ニ害ヲナス者カ』
「そうね。そうかもしれないわ」
 対する武士も仁王立ちもまま動かず。静かに腰の太刀へと手を添える。
 見れば、見た目はサムライエンパイアのよう。けれども作りは、ミレナリィドールのレイブルと同じと言って差し支えない。
 鎧兜のように、厚く重ねられた装甲の下、蒸気を吹き出す排出官が腕のあちこちに突き出ている。顔の代わりに張りついた赤オニに似た面の他には皮膚らしいものはなく、動けば蒸気を吹き出しながら騒々しい音を立てる。
 精巧に偽られた人の肌の質感、滑らかに動く表情。
 その双眼を僅かばかり上げて、「ならば……」とレイブルは思う。
「脆くするのも壊すのも容易いわ。スイーツタイムの為にも、早めに退場して貰うわ」
『応! 存分ニヤリ合オウゾ!』
 地を蹴る武士が迫る。

 しかし、レイブルは動かない。
「護人よ、来て頂戴?」
 『彷徨の螺旋(イマハナキゲンソウ)』を告げる声に呼び出されたのは、夕焼色の死神と、片眼鏡の剣聖。
 夕焼色の死神は鎧の巨躯を軽々といなし、嘲笑うように身を翻す。
「存分に、試合たいとなると、一人では物足りないでしょうから、護人達が相手をさせて貰おかしら?」
 涼やかに礼を取ってみせたレイブルの脇に、剣聖が立つ。
 エスコートでもしてみせようかという余裕さえあるようでいて、その片手は剣柄から離れない。
『成程三人カ。ナレド術士ハ、オ前ノミヨ!』
 抜いた刀を大振りにひと薙ぎし、死神の脇を抜けて武士が吠える。
 刹那、剣聖は武士の眼前にまで跳躍した。夕焼けのマントと閃く剣筋が交互に入り乱れ、武士の自由を許さない。
「私? その二人の司令塔だもの。ごめんあそばせ」
 レイブルは一歩も動いていない。だが何もしていないのではない。
 広く戦場を把握し、視線を持って指示を出す。
 果樹園に被害が出ない位置取りを。暴れるであろう死神のフォローを。
「それにしても」
 ――ガギン!!
 嫌な音がして、巨躯がどうと地面に落ちる。
「水が滞っても、これだけ豊富に実っていて良かったわ……」
 吹き抜けた風にそっと瞼を伏せるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一駒・丈一
残念ながら、実は欲してないな。
厳つい鬼面の男からの果実狩りのお誘いは、なるべく断るようにしているのでね。

SPD重視。
敵の懐に入りすぎると、柄による手痛い竹箆返しを食らいそうだが……
間合いを取りすぎても決定打を与えるのは難しい。

さてどうするか……

先ずは、装備の『贖罪の道標』を相手に『投擲』しよう。
中れば重畳だが……真の目的は、敵がこれを弾く為に大太刀を振る事だ。
要は太刀を振った後に生じる隙を狙う。

敵が大太刀を振った直後に、
『早業』にて間合いを詰め、『咄嗟の一撃』でUC『無常なる処断』を放つ。

打ち込んだら即座にバックステップで後退だ。
柄で反撃されそうならば、後退中に『見切り』を付け回避を試みよう。




 消えた護人と入れ替わり、武士に対峙したのは一駒・丈一(金眼の・f01005)だ。
 地に伏した者相手に、いきなり斬りかかるようなことはしない。
 それは武士道に反する行いであり、更に、手負いの輩は何をしでかすか分からない。そんな思いが脳裏をよぎった。
「お相手願おう」
『貴様モ、我ガ領地ノ実リヲ欲スルカ』
 身を起こし、抜身の刀の切っ先を向けて、武士は赤い鬼面の奥に嬉々とした光を灯した。
 刀持つ相手との邂逅に、明確なる敵への殺意が溢れ出る。
 ガシャンと鳴らした戦装束と形は違えど、同じ戦人の気配を感じ取ったのだ。
「残念ながら、実は欲してないな。厳つい鬼面の男からの果実狩りのお誘いは、なるべく断るようにしているのでね」
 肩を竦めるようにしれっと言ってのけ、「さてどうするか……」どう戦うかと思考を巡らせる。
 初手では後れを取っていたようだが、まだ体力は有り余ってるとみえる。

 『ハッハッハ! ナラバ望ミハ、我ガ首級カ。行クゾ!』
 大太刀を振り上げた武士に、先ずはとすかさず『贖罪の道標』を投擲した。
 敵の懐に入りすぎるのは悪手のような気がした。
 太刀にばかり気を取られれば、柄による手痛い竹箆返しを食らいそうだが……かと言って。間合いを取りすぎても、決定打を与えるのは難しい。
 中れば重畳。そう思っての一投だった。
 あの大得物を持つ者がこれを弾く為に太刀を振るい、生じた隙を狙い討たんと考えた。
 概ね予想通り。鬼面の男は大太刀を振り上げ……。
 そして贖罪の為の磔に用いられたとされる杭は、殺刃人形の罪を暴き出す。
『ギャァァ?!』
 狙い違わず正確に、杭は爛々と光る眼を射止めたのだ。
 丈一は一瞬の早業で間合いを詰め、この上ない好機に咄嗟の一撃で『無常なる処断』を下す。
 超高速の連続攻撃が、無数の刀傷を鎧の上に刻んでいく。
 この果実園が誰のものだったのか。
 なぜ今は無人で、番人ばかりが出迎えたのか。
 真相は分からない。分かるのは、その身に重ねた罪の数ばかり。
 即座に後退し下がった胴体の横を、我武者羅に振り回された太刀の柄が素通りする。
 見切り、回避に専念した丈一に、届く刃は一振りもなく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
武士の人形ですか、なかなか手強そうですわね。
しかし、ここで退くわけには行きませんわ。

夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(UC)を使って戦う。
相殺されない様に、様々な角度から狙っていきますわね。
マヒ攻撃や気絶攻撃でUCでの攻撃を行い、敵の動きを鈍らせますわ。

鎧当タリには、鎧無視攻撃や、鎧砕きなどを使用して戦い、
鎧を破壊する様に攻撃しますわね。

ダッシュで敵の周りを回るように常に移動しながら戦い、
敵の隙を狙いますわね。
敵からの攻撃が来たら、武器受けや盾受けで防御しつつ
チャンスがあればカウンターを狙ってみますわね。




 戦場に舞い込む薫風が、木々の葉を抜けて楽を奏でる。
 腰を超す長髪をなびかせて、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は高々と、手にした薔薇を掲げた。
 相対するのは武士を模した殺刃人形。背の丈は、伸ばした腕の先を優に上回り、胴体は軽く彼女二人分はあるかというほど。笑みを象られた鬼面に浮かぶ感情の機微などありはせず、未だ底は知れない。
 なかなかに手強そうだとローズは身構える。
「しかし、ここで退くわけには行きませんわ」
 くらげたちを包み込んだ夕焼け色の薔薇の嵐が、蒸気を上げて猛る鎧武者をも染める。
 風と共に舞う無数の花びら。
 浅からぬ刀傷を幾つも負った鎧兜が大太刀を振り回し払おうとするたび、躱しきれずに攻撃を受けるたび、軋みを上げて嘶きのようにくぐもった音を立てる。
『グゥ……貴様ハ』
「ご機嫌よう。ローズと申します」
 夕暮れ時に薔薇は踊り咲く。闇夜に沈みゆくは夕陽のみにあらず。見惚れるほど美しい花弁と共に誘うのは、彼の死霊の魂。
その花の一つとなり舞い踊る薔薇の騎士。
赤いドレスの裾を摘まむ優雅な一礼から、付かず離れずの距離を保つ。
 更なる敵の隙をつかんと。それは同時に鎧の、巨躯を打ち付けるような反撃を受けぬ為でもある。
「異国の騎士、私を楽しませて下さる技量はお持ちですの? そうでないのであれば……」
 その備えが、ローズには十分あった。
「お見知り頂かなくても結構ですわ」
 迫り来れば、剛を以てして鎧を打ち砕く術を。
 刃を振るわば、柔を以てして太刀をいなす技を。
 幾重にも思考を重ね、何時如何なる事態にも動じず気高く咲き誇る薔薇の一輪を手折るには、無骨な武士には彼女を捉える手段が足りなかった。
 捨て身とばかりに、囲む花びらに見え隠れするローズへ体当たりを行うも、掠ることすらなく徒労に終わる。
 嵩むダメージに、仕込まれたマヒによる束縛。
 やがて意識を狩り取られた鎧武者が再び地を舐めるまでに、大した時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキ・スノーバー
かき氷に沢山色んなフルーツ使えるように、バッチリ頑張るんだよー!
水車に悪さしてたのぼく達じゃないんだけど、その方向から来たら疑われるのは仕方ないよね…
その怒りぷんぷんを、華吹雪できゅーっと冷やしちゃうぞー。
…植物達に元気なさそうだったら、吹雪強くかけ過ぎない程度に吹かせて果物美味しい状態に保てたら良いなぁ。
直撃するの怖いから、攻撃が定まり辛い様に動き続けつつ自身を吹雪に隠して近づくね。
獲物が大きい相手は、距離さえ詰め切れば怖くないもんねーっ!
植物に影響しない範囲で戦えるなら、床をつるっつるにして転ばせるべく動いたりもしてみるっ

…番人の鬼さん、果物を守るだけだったのかな?良い事他にあったのかな?




 倒れた鎧武者に、てててと駆け寄る小さな影があった。
 テレビウムであるユキ・スノーバー(しろくま・f06201)の小さな体は、殺刃人形の頭部よりやや大きいほどしかない。その鼻先で大きく手を広げ、あのねあのねと訴えかける。
「番人の鬼さん、水車に悪さしてたのぼく達じゃないんだよー」
 その方向から来たら、疑われるのは仕方ないよね……でもねー?
 言い募ろうとしたユキだったが、片目となった鬼面の目がビカーン、と光ったのを見て咄嗟に飛びのいた。
『五月蝿イ』
「あわわ?!」
 掴むように迫った掌をひらりと避けて、立ち上がる鎧武者から距離を取る。
『我ガ領土ヘノ侵入、其レガ即チ開戦ノ狼煙! 何ヨリモマズ、貴様ラヲ斬ル事ガ先決ヨ』
 振り下ろされた太刀が空間を切断するが、狙いは僅かに外れる。
「そんなのむちゃくちゃだよ。その怒りぷんぷんを、華吹雪できゅーっと冷やしちゃうぞー」
 花の嵐から、雪と氷の乱舞へ。
 ユキを中心に猛吹雪が起きる。
 あっという間に広がっていき、互いの視界から色が消える。
 それはユキの好きな、極寒の地の景色なのかもしれない。
 お山の頂上まで登って達成感を楽しめば、ふもとには様々な色がこんにちはってしてる。
 このフロアに実る、果物のように。
「かき氷に沢山いろんなフルーツ使えるように、バッチリ頑張るんだよー!」
 俄然、力が入るユキなのだった。
 蒸気に熱せられていた鎧武者の駆動部が、熱気と冷気に疲労して、いよいよもって罅割れる。

 ちらりとフロアの奥を見た。
 猟兵と鎧武者が戦っていても果実園には影響しないほど広いフロア。
 特に高い壁や建物などで仕切られているでもなく、緑の合間に赤や黄色の実が覗いている。
 ……植物達は元気かな?
 強くなり過ぎないように吹雪の冷気を分けてあげられたら、美味しい状態に保てる?
 ユキはアイスピックをそちらにも向け、自身は吹雪で凍らせた床をつる~っと滑って移動しつつ、鎧武者のすぐ傍に寄る。
 得物が大きい相手は、距離さえ詰め切れば怖くないもんねーっ!
 漂うように優しく届いた雪の結晶が、果実園に施された魔導技術で姿を変える。
 キラキラと輝く光の粒と、水滴のシャワーが注がれて……。
 きれいなきれいな虹のアーチを描いたのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネムネ・ロムネ
【ライラック】で参加
※真面目な戦闘時は殆ど喋りません

心情
これが赤オニですか
異世界文明を参考にして作られたよーな蒸気人形ですね
技師の趣味です?
たわわに実って輝かしい事が売りみたいですし、赤オニさんの許しも出てるので遠慮無く頂くとするのです
交渉開始です

相手の得物は
片刃のロングソードですかね
なら近寄らせる訳にはいかねーです
今回は仲間も一緒です
出来るだけサポートをしながら距離を保って戦うのです
凶刃にはネムの狙撃でその軌道をずらして味方を守るのです
逆にもしネムが接近されるようなら、敵が味方に背中を晒すように迂回しながら回避を試みるのです
隙を見せれば遠慮無く鎧に守られていない関節部に銃弾を御見舞するのです


音海・心結
【ライラック】で参加するのです

ついに戦闘らしい戦闘なのですかっ
みゆ、頑張っちゃうのですよーっ!
アテナと前線は任せて欲しいのです

みゆはアタックしまくるのですよ
みんなが気を引いてくれているみたいなので、みんなを信じて
ゆける!と思ったら、ゴーなのです
危ないと思ったら【第六感】で避けるのです

今回みゆが使う武器は『Angel of your play』
【スナイパー】【鎧無視攻撃】【属性攻撃】を使って、確実に当てたいのです

そのあとはお楽しみこちらのターンですねぇ♪
UC『血統覚醒』を使って、
【傷口をえぐる】【2回攻撃】で相手をぶっつぶしにゆくのです♪
ぁはっ☆
自慢のロングソードが使えない気分はどうなのですか?


ヴィサラ・ヴァイン
【ライラック】で参加
ん? まさか次の敵は非生物?
困った…毒が効かない敵は苦手なんだけど…
でも、今の私には頼りになる友達がいるからね、攻撃は任せたよ

あの鬼さんは自分の力に自信があるタイプと見た
あえて水着のまま挑むよ
自慢の防御無視攻撃を馬鹿にして挑発し防御の薄い私へと目を向けさせる
へいへい鬼さんこちら、手の鳴る方へ
[第六巻]で攻撃を予測し回避に専念…とは言え全回避は困難か
でも残念【死霊化】で互いに物理的攻撃は無効化
私は視界の邪魔するし、味方は私を巻き込む事無しに鬼さん攻撃するけど
味方の攻撃時は死霊化を解除し頭の蛇髪を巻き付け拘束
死霊化と解除を繰り返し[だまし討ち/フェイント]で翻弄するよ


アテナ・アイリス
【ライラック】
私が前線に立って、赤オニと戦うしかなさそうね。
【武器受け】【盾受け】などを使い、赤オニの攻撃を受け止めるようにするわ。
「アーパスブレード」で【2回攻撃】【属性攻撃】を使いながら、攻撃するわ。
赤オニが後ろを向くなど大きな隙を作ったら、UC【神槍ケラウノス】を使って、切断攻撃を行いますわ。
これで、大ダメージを負うはずですわ。

「私が盾になるわ。」
「攻撃が思っていたより重たいわね。苦労しそうね。」
「雷の槍よ。ここに現れて、わが友を救いたまえ。」
「私達の勝利ですわね。」

アドリブ・連携好きです




 フロアの境界を踏み越えて、【ライラック】の四枚の花びらはそれぞれにまた色を変える。
 楽しい時を共有する彼女らの、行く手に待っていた鋼色の影。
 敵意を剥き出す殺刃人形を前に、中でも一番気色を変えたのはネムネ・ロムネ(ホワイトワンダラー・f04456)。
(「これが赤オニですか」)
 くらげ戦では残念ながら使う機会のなかった銃器をしっかりと抱え、減った口数と、値踏みするように向ける赤オニへの視線。
 それは確かに、異世界文明を参考にでもしなければ作られないような蒸気人形だった。武士を模した鎧兜と、赤オニの所以たる朱色の鬼面。
(「技師の趣味です?」)
 内心、ネムネは首を傾げるのだった。
「ついに戦闘らしい戦闘なのですかっ。みゆ、頑張っちゃうのですよーっ!」
 張り切る音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)は、彼女に反応し、鎧武者が次の標的と定めて噴き上げる蒸気にはしゃぐ。
 上がる蒸気に、怪訝そうな顔をしたのはヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)。
「ん? まさか次の敵は非生物? 毒が効かない敵は苦手なんだけど……」
 初めてのビーチボールと違い、戦闘なら慣れたもの。
 肩の力も抜けてこれからという時なのに、困ってしまう。
 ヴィサラに、任せて頂戴と進み出るアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)。
 彼女の凛々しさは、どんな状況でも変わらない。
「私が盾になるわ」
「みゆもいるのですっ。アテナと前線は任せて欲しいのです!」
 なにも困ることなどなかった。
「そうだね。今の私には頼りになる友達がいるからね、攻撃は任せたよ」
 それぞれの得意分野から攻めればいいのだ。
 特にアテナの装備は、相手の武器を受け止め、防御を掻い潜って接敵することに長けている。
 ここは私が前線に立って、赤オニと戦うしかない。そんな決意に溢れていた。
『実リ欲シクバ我ト武器ヲ交エヨ! 何人デアロウト構ワンゾ』
「そう、私達が相手よ!」
 心結に続き声を発する。
「……あの鬼さんは自分の力に自信があるタイプと見た」
 ヴィサラもまた配置を探り、動き出した戦場を眺め、頷き交わすに止めてネムネは改めて銃器を担ぎ直す。
(「たわわに実って輝かしい事が売りみたいですし、赤オニさんの許しも出てるので遠慮無く頂くとするのです」)
 交渉が、交渉開始する。

 可愛らしくデコレーションされた拷問具を手に駆ける心結の足は軽い。
 みんなが気を引いてくれるから、みんなを信じてゆける! と思ったら、ゴーなのです。
 ヴィサラはというと、あえて水着のまま挑むと決める。目を向ける方法は考えてあった。
 さてと口を開きかけた時、視界の端に殺刃人形の影を捉える。
 大太刀を抜き、その柄を逆の手に握った超高速の瞬歩。
 咄嗟に身を引いたヴィサラ。
 僅かなその隙間に、突進もかくやという勢いでアテナが代わりに柄を受け、楯で上方に撥ね上げる。
『邪魔ダァ!』
「攻撃が、思っていたより重たいわ。苦労しそうね」
 既に満身創痍のようにも見えたけれど、体力と筋肉代わりの導線繊維だけはあると見た。
 同様に、彼女らより距離を置いてネムネも察する。
 相手の得物は大太刀。彼女たちにも分かりやすく言い換えるなら、片刃のロングソード。接近戦に適した武器だ。
「なら近寄らせる訳にはいかねーです」
 落ちた言葉は静かに戦場に溶け入る。
 アテナへと、次の攻撃が迫っていた。
 巨躯を活かし防御ごと断ち斬る上段斬りは、接近戦をする者にはこの上なく厄介だ。
 正確な狙撃で刀身を押し返し、凶刃の軌道をずらして助けとなり、味方を守る。
 『ストームダンサー』と化した彼女は、制圧射撃を間違わない。
「防がれたら自慢の鎧無視攻撃も意味ないよね」
『何ヲ言ウカ!』
 へいへい鬼さんこちら、手の鳴る方へ――。
 ヴィサラは嘲笑うように挑発し、鬼の目が向いたと分かると『死霊化(ミュオソティス)』する。
 幽体となった彼女に、物理的干渉は不可能で、振り下ろされた刃が肉体を素通りしていく。
『ヌゥ?!』
 その上ですぐさま死霊化を解除し、頭の蛇髪を巻き付ければ、拘束した武士が呻く。
 拷問具『Angel of your play』をふりふり、機会を伺っていた心結を呼んだ。
「みゆ、いいよ」
「はいなのですっ」
 狙い澄ました一撃が鎧の胸部を穿つ。
 確実に。二度、三度と……。
 ネムネが発砲し、アテナもまた、撃たれて傷んだ四肢の関節部を狙って水の如き『アーパスブレード』の刀身で斬りつける。
 一つ、また一つと裂傷と弾痕を増やす武士だが、やられてばかりもいない。
 やがてヴィサラの術が緩むころ、心結めがけて悪あがきのような上段からの一閃を奔らせ……。
「当たりませんよぉ? お楽しみ、こちらのターンですねぇ♪」
 心結の瞳は、いつの間にか真紅に染まっていた。
 『血統覚醒』による、ヴァンパイアの降臨だ。
 ぁはっ☆
 人であれば健にあたる筋であろう導線を深々と抉り取ると同時、心結の高笑が木霊した。
 赤オニは膝を折り、剛剣が手から零れ落ち、それは大きな隙となる。
 常に状況把握を怠らぬよう努めるアテナがその隙を許すはずがなかった。
「雷の槍よ。ここに現れて、わが友を救いたまえ」
 召喚び声も高らかに。
 詠唱と共に投擲された『神槍ケラウノス』が、利き腕を引きちぎるように切断した。
「私達の勝利ですわね」
 彼女らの勝利を、否定する者のいようはずもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
【ソラ(f05892)】と一緒

命が欲しい……あげられない、ので
どうしましょう?ソラ
……なるほど。私達の力で、満足して貰いましょうか

【地形の利用】地縛鎖を周辺の魔導機関等につなげ【ハッキング】
魔力を吸い上げ【力溜め】
チャージした『生命力吸収光線』放つ構えをとって

まずは、私から、です。潰せるものなら、潰してみろ、です!

【激痛耐性】耐えて返すと、相殺しようと迫るタックルを【覚悟】込めた目でみつめ

私が気を引いたとこで、ソラが【かばう】
ソラへとタゲ移り、上段斬り、放とうと構えた瞬間を【第六感】で狙い
【念動力】も込めた光線放って【吹き飛ばし】
【生命力吸収】されて動きが鈍ったとこへ

ソラ、全力で、どうぞ……!


ソラスティベル・グラスラン
【ナイくん(f05727)】と一緒です!

なるほど……彼は迷宮の試練というわけですね?
数多の果実を手に入れる為、力を示せと!
ふふふ、お望み通り見せてあげましょうナイくん!我ら勇者パーティの力を!

先手はナイくんに!わたしは一歩引き【力溜め】を
ナイくんに"鎧当タリ"が迫る時こそ好機です!
ナイくんを【かばう】、【盾受け・オーラ防御】で受け止め
【気合】の【怪力】で、一気呵成に弾き返します!
防御ごと断つ上段斬りは分が悪い……ナイくん、任せました!

そして、吹き飛んだ鎧武者さんにトドメを!
これは竜の見えざる手…障害を砕き、甘美なる宝を得る為の力です!
以上全ての行動を全力の【勇気】で補いますっ!!




 『グオォァァ! オノレ! 血肉ト臓腑ヲ我ガ前ニ曝セ!!』
 ギシギシと罅割れた鋼どうしが擦れ合い、破片が剥がれ落ちていく。しかし、尚も衰えぬ殺刃衝動に突き動かされ、狂った武士は咆哮を上げる。
『欲スルモノハ貴様ガ命ト引キ換エトセン!!』
 荒れ狂う武者を前に、思案に揺れる瞳でナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が立つ。
「命が欲しい……上げられない、ので」
 ポツリと口にすると、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)を見やる。
「どうしましょう? ソラ」
 対するソラスティベルは、なるほどと訳知り顔で頷く。
「彼は迷宮の試練というわけですね?」
「試練、ですか」
 ナイは首を傾げて問う。
「数多の果実を手に入れる為、力を示せと! ふふふ、お望み通り見せてあげましょうナイくん! 我ら勇者パーティの力を!」
「……なるほど。私達の力で、満足してもらいましょうか」
「行きましょうっ!」

 ソラスティベルは『サンダラー』という雷の竜の名を冠する、蒼空色の巨大斧を手に力を籠める。
 息を合わせ、まずはと飛び出したのはナイだ。
 地縛鎖が音もなく周囲の魔導機関へと伸び、ハッキングする。
 果実園には建物も、隔たりもない。植わっている根の下には土もなかった。
 石のタイルに直接、果物の樹木や果菜の草本が生えている光景はよくよく見れば少し不思議な光景だった。
 その不思議を可能としているのは、アルダワの魔法そのもの。
 ならばその魔導の源は地下に。
 魔力を吸い上げ、チャージが完了するまでの時を数えながら、
「まずは、私から、です。潰せるものなら、潰してみろ、です!」
 ナイは声を張り上げる。
『ソコカァ!』
 即座に敵を認識した武者は、気迫を増して猛然と突進する。
 だが想定内だ。居場所を明かし気を引けば、相手は必ず自分へと向かってくると踏んていたナイは、あえて宣言をしたのだ。
 痛みに耐える覚悟は、出来ていた。そして、
「今こそ、好機です!」
 割り込んだソラスティベルは持てる力のほぼ全てを乗せて、ナイを庇う。
 必ずそうしてくれる。してみせる! と、二人で示し合わせた、通りに。
 ―― 一気呵成。
 気合と共に投げ飛ばされた鋼の身体が弾かれ、文字通り吹き飛んだ!
 相手は彼女の倍はあろうかという巨躯だが、ソラスティベルの勇気と根性の前には些細なことだ。
 次はきっと、その防御をごと断ち斬りにくる。
 それでは分が悪いと覚悟していたが、衝撃でフロアの壁にめり込んだ鎧はまだ沈黙している。
 ならばと真っ直ぐに鎧武者へ照準を合わせ、放たれるのは『生命力吸収光線(ウマレナガラノヒカリ)』の聖なる光。
 無数に発せられた光の奔流は念動力により、荒れ狂う力を吸収し無に帰していく。
「ソラ、全力で、どうぞ……!」
 頷き、ソラスティベルは拳を構える。
「これは竜の見えざる手……障害を砕き、甘美なる宝を得る為の力です!」
 見えない竜の巨腕、『竜の剛勇なる魂(ドラゴニックレゾン)』は過たず剛剣をも打ち砕き、猛き猟兵たちの前に番人は消滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『真夏の奇跡』

POW   :    氷を細かく削って食べる

SPD   :    砕いた氷を飲み物に入れる

WIZ   :    大きな氷を器に冷菓子を作る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 ……ゴトン、コトン。

 ギギ……、ザ……ザー……。


 身勝手な番人のいなくなった果実園に、収穫の時を告げる風が吹くころ。
 乗客のいなくなった水車にも再び水の流れが戻ってきた。
 閉ざされていた、小屋の扉を開けてみて?

 そこは古い魔法のかけられた、氷を生み出す魔法の氷室。
 星の輝きの宿ったが如く、澄み切った氷たちはキラキラと瞬く。

 
 さあ、ここからは、新たな季節の訪れに遊ぶ時間。


 フロアは貸切、手に手を取って。
 取り出したるは冬の精霊に力を借りる為の魔法。

 凍てつく満天の星の輝く夜を、思い浮かべて。
 鼻頭を赤くした初雪のあの日を、思い出して。
 手のひらに収まるだけの小さな冬の日を、あなたに。


 そこにどんな色を足そう?
 どんな風にして食べちゃおうか?
 訪れる夏の話、待ち遠しい冬の話。

 真夏の奇跡を楽しみましょう!


 ー ー ー ー ー ー ー ー ー

■ 補足・連絡事項 ■

選択肢は一例ですので、楽しみ方は皆様にお任せです。
ただし、他者に迷惑をかける行為にはお気をつけ下さい。

シロップや飲み物、食べ物の持ち込みも自由です。
かき氷に絡めた品々ですと、幸せ度が増すかもしれません。

行き来できるフロアは、
・水車小屋フロア(氷室)
・果実園フロア(果物狩り)

グリモア猟兵が借りてきた魔導蒸気かき氷機は、
両フロアで使用でき、果物を凍らせて削る加工もできます。
が、フロアはどちらかに絞った内容ですと密度が増します。
フロア及び機器使用の明記は必須ではありません。


 ー ー ー ー ー ー ー ー ー

※ 重要 ※

ほぼ間違いなく【 再送必須 】となります。

筆が遅く、力量不足によりご負担おかけしてしまう旨、
先にお詫び申し上げます。申し訳ありません。
それでもと思われる方は是非、ご参加ください。

皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
ソラスティベル・グラスラン
【ナイくん(f05727)】と一緒です!

林檎に葡萄に苺、マンゴーまで!
芳醇な香りと見事な輝きを宿す果実がこんなにも…武士さん、感謝しますっ
おや!大きな西瓜ですねナイくんっ、お宝ですよ!

果樹園の水路には水も戻っているでしょうか?
清流に気持ちよく足をつけ、採った果物も水で冷やしておきましょう!

そして…お待ちかねのお楽しみですよナイくん!
持ってきたかき氷機で、かき氷です!
きめ細かな粉雪氷に切った果実を乗せたり、凍らせ削った果肉氷をそのまま食べたり!
うふー!これまでの苦労が報われますねっ

うふふ、ここからだと果樹園に生るカラフルな果実が目を楽しませてくれますっ
次はどれを食べましょうか?ねっ、ナイくん!


ナイ・デス
【ソラ(f05892)】と一緒

フルーツ、色々ありますね……!
……むぅ。ソラは飛べますが、私は飛べない。高いとこになる果物は、手が届かない……ので、私は低いところの……
ソラ、スイカみつけました!冷やして、食べましょう!

水路で西瓜、冷やしながら

かき氷タイム、です!
おお……どんどん器に、ふわふわ氷が、つもっていきます……!
手回しはしない、かき氷が出来上がっていくのみてるだけも、楽しい、ですね
美味しそう……あ。シロップに、蜜ぷにさん、呼びましょう、か
ちょっと、遊ばせてあげて。そしたら、蜜になってもらって
冷たくて、甘くて、美味しい、です!幸せー、です。にゃーん♪

次は……
あ、西瓜割り、しませんか?ソラ!




 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)とソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)の眼前には、まるで宝物庫のような輝かんばかりの景色が広がっていた。
「フルーツ、色々ありますね……!」
 果物たちに季節の垣根は存在せず、秋を代表するブドウの生った蔓が伸び、木の葉を広げたリンゴは赤い実で枝をしならせている。その樹木の根元に見えるのはイチゴ。同じ赤い果実でもこちらは春の代表だ。
 中でもソラスティベルの目を引いたのは、
「マンゴーまで! 武士さん、感謝しますっ」
 もしやと香りを辿り、視線を上へ。一際大きなそれは、マンゴーの樹。いかにも食べごろと言わんばかりに熟れた実が、甘やかな香りを放っていた。
 芳醇な香りと見事な輝きを宿す果実がこんなにも! 思わず番人に感謝するソラスティベルだったが、まあ武士が育てた果実園ではなかったりする。しかし他の災魔に荒らされず今日の発見に至ったのは、あるいは彼が守っていたからなのかもしれない。
 さて置き。翼を広げ、さっそく木の上の果物の収穫を始めるソラスティベルを、ナイが見送る。
「……むぅ。ソラは飛べますが、私は飛べない」
 手が届かない……。低い場所にある実を取ることもできるが、せっかくなら別々に、とナイは下草を掻きわける。
 それぞれの視点だからこそ見つかる果実を求めて。
 たくさんあったのはイチゴ。そのひと群を越えて、葉っぱばかりの藪のその先にナイが見つけたのは、
「ソラ、スイカみつけました! 冷やして、食べましょう!」
「おや! 大きなスイカですねナイくんっ、お宝ですよ!」
 両手に抱えるほどもある、大きな大きなスイカ! 果たして二人で食べきれるのだろうか。

 同じく両手に収穫した果実を持って、降りてきたソラスティベルとナイが合流する。脇を通る水路に水が戻ったのを満足気に見やり、「冷やしておきましょうか!」と提案する。
 と、ここで一休み。ソラスティベルは清流に足をつけて腰を下ろした。
「あ。蜜ぷにさん、呼びましょう、か。ぷにぷにタイム、です」
 休憩タイムは蜜ぷにタイム。ナイに呼ばれた蜜ぷにたちはすぐさま、ぴょんぴょんと跳ねて遊び始める。
 ころころと転がり、重なって、崩れて、またころころ。
 とぷん、と水に飛び込んでは蕩けた顔をしてそのまま流れて行った。
「きっとシロップに、最適ですよ」
「それでは、……お待ちかねのお楽しみですよナイくんっ!」
 顔を見合わせた二人の前には魔導蒸気かき氷機。
「かき氷です!」「かき氷タイム、です!」
 弾んだ声が重なった。
 そのきめ細かな仕上がりは高い山に降る、初雪のような白。
「おお……どんどん器に、ふわふわ氷が、つもっていきます……!」
 手を触れていないナイの目の前で、あっという間に二つの小山が完成した。それは少し不思議な感覚がして、出来あがりを見ているだけでも楽しい。
 自動で送り出された器を手に取ると、また次の器が差し入れられ、今度は黄金色の雪が積もり始めた。
 おや? と見ていれば、その色は変わり、赤色に。赤から紫に、そして薄い黄色みがかった透明な雪に。
「ソラだったんですね」
 次々と変わるふわふわ氷から視線を逸らせば、そこにはソラスティベルがいて、氷塊の代わりに採ったばかりの果物を入れていた。
「ふふふ、ナイくん! このままでもとても美味しそうですよ」
 そう言って、ナイの手にした白い雪山の周りに、冷やして切った生の果物をずらりと並べていく。
 仕上げは蜜ぷに。遊び疲れたぷにたちはナイの手の中で体を揺らし、ぷるんと弾けて蜜になる。
 蜜ぷにの甘い蜜色かき氷、二人で手にしたお宝たっぷりかき氷。
 どうぞ、召し上がれ?
「冷たくて、甘くて、美味しい、です! 幸せー、です。にゃーん♪」
「うふー! これまでの苦労が報われますねっ」
 並んで食べるかき氷のお味は、幸せいっぱい。カラフルな果実の生る樹木を楽しみながら、
「次はどれを食べましょうか? ねっ、ナイくん!」
 ソラスティベルが思いを馳せ、
「次は……。あ、スイカ割り、しませんか? ソラ!」
 ナイが返す。
 二人の冒険と、夏の先取りかき氷タイムは、続く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

一駒・丈一
レイブル(f04529)と。
何かの縁と思ってのお誘いだ

果実園フロアの静かな場所で日常話をしつつ過そう

果実を使い
「桃とミルク」や「レモン蜂蜜」かき氷を試す

レイブルから匙を口元に差し出されれば
(もしや、今俺は試されてるのだろうか)
と一瞬固まるも、結局は頂くことにする。
女性に恥を掻かせないのが信条故に。

その後
「…キミって箱入りだとかってよく言われないかね」とツッコミを入れるも
「いや、不快ではなくだな、こういうのは仲の良い男女の慣わしで…気恥ずかしいというか…実際にやられてみないと分らんか」
と言い、反撃として匙を相手の口元に差し出す

一つ分かったのは
やられる方は当然だが、反撃側も気恥ずかしいという事だな


レイブル・クライツァ
一駒(f01005)さんと。誘って頂いたので一緒に

かき氷は、苺と蜜柑を食べやすい様に整えて
馴染みがありそうな蜜柑なら大丈夫かしらとスプーンに掬って一駒さんへ差し出し
…固まっておられるので、苦手な味だったかとしょんぼり(僅かに伏目気味に視線が下がる程度)
苺の方が良かったのかなと思った所で動いたスプーンの感触に緩く笑んで
一般的には妥当な指摘に(判っていないので)小首を傾け
大きめに瞬きして、男女の慣わしと聞いて反対へ緩く傾き直し
仲の良さそうな女の子達が、楽しそうに食べている時に良く見かけるからと返答
気恥ずかしくなると聞いて成程、と思いながらも差し出されたスプーンに嬉しくなって「ありがとう」と微笑んで




 何かの縁だと思ってのこと。
 発したのは、一駒・丈一(金眼の・f01005)。
 では一緒にと頷いたのは、レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)。
 元より知らない間柄ではなく、果実園エリアの静かな場所で会話でも楽しみながらかき氷を食うか。と丈一は考えていた。
 収穫中の二人の口頭に上がったのは「どんなかき氷を作ろう」とか、「果物は何が好き」とかそんなものだったのだろう。
 そして今、二人の前にはできたばかりのかき氷が、涼やかに甘やかに彩りを現した。
 削った氷に、丈一はキンと冷やした瑞々しい桃の実を添えてミルク味のシロップをかける。もう一品、蜂蜜に浸したレモンは、入れるとすぐに皮の芯に至るまで澄んだ蜂蜜を含んだ。レモンの果汁が染み出した薄い琥珀色のシロップと、輪切りにした果実を乗せて完成。
 レイブルはイチゴとミカンを食べやすく整える。シロップや氷とのバランスも考えて層を作れば白から赤へ橙へ、器の中でグラデーションが描かれる。冷凍みかんがあるくらいだから、氷との相性もいい。皮を剥き一房ずつ凍らせたミカンは、そのまま削っても良かったが、触感も残す為に荒く砕くことにして。
「完成か」
 どれも勝るとも劣らない。出来栄えに満更でもない様子の丈一を、レイブルがじっと見た。どうしたと声に出すよりも早く、
「馴染みがありそうなミカンなら大丈夫かしら」
 そう言って自身のかき氷を掬って乗せたスプーンを、レイブルは丈一に差し出した。
 束の間の、沈黙。
 その無言は一瞬のはずだが、丈一にとっては鎧の鬼面武者戦よりもずっと長く感じられた、かもしれない。
(「もしや、今俺は試されてるのだろうか」)
 男女のあれそれとか、その心情を、意識しないわけではない。美しい。と思っている女性が相手なのだ。はじめの一口……ならば母性か、自分は幼く見えている? 単にかわいいアピールということもあるが、露骨にそういったことをするタイプにも思えない。
「……苦手な味だったかしら」
 固まってしまった丈一に、レイブルはしょんぼりとする。実際は僅かに、伏し目気味に視線が下がっただけ。とはいえ悲しんだ、と分かる程度の変化だった。
 イチゴの方が良かったのだろうかと思う。食べたいと思っている果実は真っ先に手にしているはずだし、ならば同じ物を選んでも仕方がない。そう思って少しでも違うバリエーションでかき氷を楽しめるように、してみたつもりだったのだが。
 自分の配慮が足りなかった、謝ろうとした視線の先で、手にしたスプーンの揺れた感触が伝わった。途端に緩む、レイブルの頬。
 丈一は考えることをやめ、頂くことにした。女性に、恥をかかせないのが信条、故に。 
「……キミって、箱入りだとかってよく言われないかね」
 たぶん自分の懸念など全く分かっていないだろうと察して、丈一がツッコミを入れる。案の定レイブルは小首を傾げた。
「いや、不快ではなくだな、こういうのは仲の良い男女の習わしで……気恥ずかしいというか……」
 言い訳染みているようにも思うが、要は何故その行動に至ったのかレイブルに直接問いたかったのだ。気恥ずかしく思うものなのだ、ということに普段比大きめに瞬きをしたレイブルは、今度は反対側に首を傾ける。
「仲の良さそうな女の子達が、楽しそうに食べている時にもよく見かけるのよ?」
 『仲の良い』の指す意味が違う場合もある。それをどう伝えるべきか。悩んだ末に擡げたのは少しの対抗心。
「実際にやられてみないと分らんか」
 反撃として口元に差し出したスプーン。匙の上には丈一のかき氷が乗っている。
 丈一とかき氷を見比べて、成程。気恥ずかしくなるというのは本当だとレイブルは思う。その感情は、映ったのか、芽生えたのか。差し出されるままに口に含み、溶けて飲み下すと嬉しくなった。 
「ありがとう」
 感情は微笑みを伴い、素直な言葉として昇華する。
「……ああ」
 一つ分かったことが丈一にはある。やられる方は当然だが、反撃側も気恥ずかしさは変わらないということだ。
 ささりと音を立てて掬った氷が、季節の訪れにほんの少しずつ溶け出していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
POW判定の行動
アドリブ、他猟兵との絡み歓迎

■心情
かき氷ですか、この暑い季節には丁度いいですわね。
折角ですので、私もありがたく頂く事にしますわ。

■行動
水車小屋フロアでかき氷を食べますわね。
氷を砕いて、イチゴのシロップをかけて
後は練乳とかをトッピングして頂きますわ。
「んー、とても冷たくて美味しいですわ♪」

身体を冷やさない様に、【氷結耐性】で寒さ対策をしておき
【大食い】で沢山のかき氷を食べてみますわね。
他の猟兵たちの食べている様子も、見て回りたいですわね。
「皆さん、美味しそうに食べていらっしゃいますわね。
ここまで頑張った甲斐がありましたわ」


須辿・臨
【エイリアンツアーズ】
ユキさんはじめ皆さんの見事なお仕事に感謝、感謝っす(しみじみ)

果実園で果実を選んで、かき氷作るっすよ。
メロン、イチゴ、レモンとかも爽やかっすかね!
フルーツ丸ごとのかき氷ってこれ以上無く幸せじゃないっすかね。
折角なんでみんなで交換して、豪華なのを贅沢に楽しみたいっす。
トッピングも重要っすよね!
ついでに凍らせてないサクランボとか載っけるとかどうっすか?
ともかく、カラフルなかき氷ができたっす。
後で炭酸水もいただいて、楽しみ二倍っすね!
個性が出るっていうか賑やかっすね。
シェア歓迎っす!オレのもどーぞ!

本格的な夏はこれからっすけど、楽しい最初の思い出っすね。
あ、頭がキーンっと……。


ユキ・スノーバー
【エイリアンツアーズ】の皆を招待!

ご褒美タイムーっ♪
果実園フロアの広い所を場所取り&案内するね。
皆こっちだよーっ!(パウルさんにハイタッチ)魔導蒸気かき氷機さんよろしく(撫で)
わー…本当に何でも生ってたんだ(目移りしつつ)ぼくバナナ凍らせて削るー♪
笹塚さんの果物選び講座、成程なんだよ(メモ)
チョコレートシロップを回してちょっとつけ、輪切りのバナナ飾って完成っ!
飲み物の持参とかも充実してて、予想出来なかった品揃えにわくわくが止まらないんだよーっ!
え?少しずつ貰っても良いの?わーい!
ニオクさんの果物の器、お洒落で良いなぁ…
慌てて食べると頭キーンってなっちゃうけど、溶けちゃうから悩みどころなんだよー


パウル・ブラフマン
【エイリアンツアーズ】の皆と参加するよ☆

待合せは果樹園。
我らがしろくまさんを見掛けたら
両手を振って駆け寄ろう。

ユキくーん!お仕事お疲れさまなんだよっ♪
屈んでイェーイ☆ってハイタッチしたいな。
お誘い嬉しい!マジサンキュ!

魔導蒸気かき氷機にも興味津々。
やっべ超カッケェ…!
姿見さんも炭酸水あざーす!
オレはこのメロンを凍らせて削っちゃおう。
うっわ削れてるやばいすげー!!(キャッキャ)

みんなのもめっちゃカラフル~♪
せっかくだしシェアしちゃおうよっ☆
ガラスの器によりどりみどり、集まった個性豊かな果実氷。
弾ける炭酸で煌く様を見て
ちょっぴり、オレ達エイツアみたいだなんて思ってみたりして。

※絡み&アドリブ歓迎!


笹塚・彦星
【エイリアンツアーズ】の皆と。

果実凍らせてかき氷、なんてまじテンション上がる。

甘党にはたまらんね。

果樹園から白い粉吹いてそうで、かつ艶々したマンゴーを何個か手に取ってみる。

これうまい証拠なんだよな。葡萄とかにもついてるやつ。

皮をめくって凍らせてもらって、削ってもらう。

おー…なんかいいなぁ。涼やかでもううまそう。

姿見の旦那から炭酸水ちょっと貰ってしゅわしゅわかき氷さね。

ある程度自分のかき氷味わったら他の皆のかき氷も気になる。

シェアしようぜ、俺のもやるからさ。

まだまだこれからが夏本番だけど、涼やかで甘味な思い出ってことで。

一人称:俺
二人称:年上(男には)名前+旦那呼び。後は呼び捨て。


三条・姿見
アドリブ可/【エイリアンツアーズ】の一員として行動

誘いを受けて足を運んだが、氷菓子とは風流なものだ。
一面の実りは圧巻の光景。これも猟兵の働きと感謝し、
涼に舌鼓を打つとしよう。

実は、こんなものを用意した。…炭酸水だ。
貰い物だが、一人では到底飲みきれん。
ここでかき氷を楽しんだ後、少し注げば違う味わいになるだろう。

果樹園を散策し、よく色づいたオレンジをいくつか収穫する。
切って添えるもよし、冷やして削るもよし。
瑞々しい甘さはかき氷によく合いそうだ。
無論、大量に作って分け合うというのも悪くない。俺の分も快く提供しよう。

二人称:名前(時々苗字。短く呼びやすい方)+氏


ヨシュカ・グナイゼナウ
【エイリアンツアーズ】呼称:名前前半+さま 深冬さま

ユキさまお仕事お疲れ様でした。お誘いありがとうございます

見渡すと一面の果樹園。沢山の果物が一同に実をつけている光景に圧巻されつつ
このどれもをフルーツ氷にしても良いという
どれにしようか迷ってしまいます

選んだのはぴかぴかの苺と綺麗な紫をしたブルーベリー。これらを魔導かき氷機に
氷が削られて出てくる様は見ていて飽きないものですね
良ければ他の方とちょっとずつ作った氷を交換したり

半分食べたら、三条さまが持ってきた炭酸水を少し拝借。ありがとうございます
残りに注いでその上に苺とブルーベリーをそのまま乗せて
見た目も綺麗な新感覚ドリンクの完成?

少し早い夏の思い出


榛名・深冬
【エイリアンツアーズ】
絡み・アドリブ歓迎

スノーバー先輩はお仕事お疲れさまです
最近暑くなってきましたし、冷たくて甘いものを楽しめるなんて最高です

果物どれにするか目移りしますが…
りんごを凍らせて削ります
生クリームと少し皮を残した状態で切ったりんごを添えて完成
出来栄えに満足して電脳眼鏡型ゴーグルで写真を撮ってから
燈にひと口先に食べてもらいます
おいしそうにキュイっと鳴く燈をひと撫でして
あとで三条さんから炭酸も頂きましょうか
皆さんとシェアしながら食べるかき氷
色んな味がおいしくて
なにより賑やかなこの時間が楽しくて
またひとつ増えた思い出が、嬉しい

呼び方
感情が先輩=苗字+先輩
感情が同僚=苗字+さん
ヨシュカくん


ニオク・イグズヴィ
【エイリアンツアーズ】の皆と
そろそろ暑い日も続いてきているからな
氷菓つーか、かき氷みたいな冷たくて甘いモノは嬉しい限りだ

色んな果物があって目移りしちまうが、俺はスイカを主体にしようかな
なるべく種を取り除いて、果肉を凍らせてスプーンで小さな球状にくりぬいてっと
ついでに、半分にしたスイカの実をそのまんま器にしちまうか
姿見の炭酸水分けてもらっていいかな?
器に炭酸水注いでスイカ氷浮かべるのもいいかも

皆のも美味そうだな! 良かったらシェアしようぜ!

(アドリブ、絡み歓迎)




 戦いの気配が遠ざかれば、途端に色濃く感じるようになる香りと日和の暖かさ。
「ご褒美タイムーっ♪ ここからはぼくがエイリアンツアーズのみんなを案内するんだよ!」
 果実園フロア、一歩踏み出せば木々が生い茂る園への入口という所で場所取りをすませ、ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)は仲間の到着を待っていた。
 その傍らでローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が首を傾げ、ユキに声をかけた。
「本当に私もご一緒させて頂いてよろしいんですの?」
 かき氷はこれからの暑い季節には丁度いい催しだとローズは思った。折角なので、ありがたく頂いて行こうと細やかな楽しみを胸に移動しようとしたローズを、ユキが引き留めたのだ。
「大丈夫だよ、ひとりよりたくさん! みんなノリノリなんだよ!」
 元より楽しむ猟兵の様子を見て回りたいと思っていたローズは、普段より少し長い瞬きの後、笑顔を浮かべて頷いた。

 待ち合わせ場所は果実園。【エイリアンツアーズ】の面々が到着したのは、それからさほど時間を置かずしてのこと。
 両手をぶんぶんと振りながら、駆け寄ったのはパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)。
 めっちゃプリチーな我らがしろくまさんを見かけたら、まず真っ先にそうしようと決めていたのだ。
「イェーイ☆ユキくーん! お仕事お疲れさまなんだよっ♪」
「パウルさーん! みんなもーっ!」
 とっとと、と直前で減速。屈んで両手を顔の前で広げたパウルと、ぴょこぴょこと前へ出て、めいっぱい両手を伸ばしたユキとでハイタッチ! 合流の喜びを、体いっぱいで表現する二人。
「お誘い嬉しい! マジサンキュ!」
「ぼくも嬉しい! それでね、パウルさん」
 言いかけたユキの視線の先に、パウルも顔を向けた。
「初めましてローズです。私も同行しますが、よろしくて?」
 ローズが一つ会釈をし、パウルの顔色が一瞬にして赤くなったのは見間違いか否か。
「おお女の子だー?! 初めまして!! 旅は道連れ、楽しまないとね」
 どうかと問う様子に、面々はそれぞれ承諾の意を示して集まった。
「ローズさん、ユキさんはじめ皆さんの見事なお仕事に感謝、感謝っす」
 しみじみと噛み締めるように、そう声をかけた須辿・臨(風見鶏・f12047)。
「ユキさまお仕事お疲れ様でした。お誘いありがとうございます」
「スノーバー先輩はお仕事お疲れさまです。最近暑くなってきましたし、冷たくて甘いものを楽しめるなんて最高です」
 抑揚の乏しい声で、ヨシュカ・グナイゼナウ(渡鳥・f10678)が労いの言葉を紡げば、その横から榛名・深冬(冬眠る隠者・f14238)も言葉を揃える。馳せる思いは、もぎ立て取れ立ての夏色甘味。
「果実凍らせてかき氷、なんてまじテンション上がる。甘党にはたまらんね」
 深冬に同意する笹塚・彦星(人間の剣豪・f00884)と、
「そろそろ暑い日も続いてきてるからな。氷菓つーか、かき氷みたいな冷たくて甘いモノは嬉しい限りだ」
 ニオク・イグズヴィ(コインの裏面・f00312)もまた、言いながら思い浮かべるのは瑞々しい夏のお楽しみ。鋭い眼光はなりを潜め、ニヤリと口角を釣り上げる。
 ああ、と深く頷いて見せた三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)がユキらに短く片手を上げて挨拶した後、見渡す限りの実りに感慨を抱く。
「誘いを受けて足を運んだが、氷菓子とは風流なものだ。……一面の実りは圧巻の光景。これも猟兵の働きと感謝し、涼に舌鼓を打つとしよう」
「行くよみんな、こっちなんだよー!」
 ユキが駆け出し、エイリアンツアーズの果実狩りが始まった。

 姿見につられて見渡したヨシュカ。
 あちらには桃に琵琶、アマナツ。ブドウなどは秋の代表格だ。パイナップルにパパイヤに……あれはまさか、ドリアン?
 たくさんの果物が季節を問わず一同に実を付けている光景は、まさに宝の山という他なく、ヨシュカを圧倒した。
「わー……、本当に何でも生ってたんだ」
 傍らのユキも茫然と見回す。先ほどは、ほんの少し外から覗いただけ。背丈ほどの藪を越えるたび、目に飛び込んでくる果実に目移りする。
 これらがすべて取り放題。このどれもをフルーツ氷にしても良いという。そんな事実にヨシュカは知らず奮える拳を握る。
「どれにしようか迷ってしまいます」
「選ぶっていっても、これだけあると迷うっすよね」
 悩める時はまだ続きそうだ。臨もすぐには決めきれずにいた。かき氷にすることを考えれば、絞り込むこともできるだろうか? しかし、メロン、イチゴ、レモン……とか、定番ひとつとっても爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。
「てか、フルーツ丸ごとのかき氷ってこれ以上無く幸せじゃないっすかね」
 それを更にみんなで交換して、豪華なかき氷を贅沢に楽しみたいと臨は思う。ここはやっぱ、好きなものを選ぶしかないっす!
「好きなもの」
 呟きヨシュカは考える。
「おー、どれにするか決まったか?」
「バッチリっす! 採るのはこれからっすけど」
 勢いで走り込もうとしていた臨とすれ違い、ニオクが大きなスイカを肩に担いで戻ってきた。その後ろにはオレンジを手にした姿見が続く。
「どれも色がいい。皆がまだなら、俺も暫し散策を続けるとしよう」
「二人は決めるの早かったんだね!」
「目移りはしちまったがな」
 ニオクがひと叩きしたスイカからは、ベンっと楽器の弦を弾いたようないい音がしたし、姿見のオレンジはどれも色付きが良く、見た目にもひと玉ひと玉がズシリと重い。
 冷やしてくると言う二人と別れ、それぞれの目的を探して別行動となった。
 奥まった一角にも、悩める影が一つ。深冬がいた。
 眼鏡の奥の黒い瞳が、実りの色を求めてくるくると動く。
「どれにしましょうか」
 そっと寄り添う燈に問えば、顔を上げ、鼻をふんふんと鳴らした小竜は宙を滑るように飛んだ。
 深冬の歩く速度で先導する燈を追えば、そこにあったのは一本のリンゴの樹。赤々と輝く実りを示すように、くるりと回る。
「目移りしますが……燈、採ってくれますか?」
 柔く笑む深冬に、燈は『キュイっ』とひと鳴きする。

 ところ変わり彦星はというと、これまた別の意味で悩んでいた。
「あ、笹塚さん!」
「ユキか、どうしたんだ?」
 そこへ現れたユキ。
「ぼくバナナを探してるんだけど、見つからなくてー……」
 一際背の低いユキは、なかなかお目当ての果実を見つけられずにいたのだ。つるつるピカピカのバナナを探しているうち、彦星を先に見つけたらしかった。
「それなら目の前だ」
「! ありがとー!」
 難なく一方を指さした彦星に驚きながら礼を言うユキだが、黄色い果実は見当たらない。不思議に首を傾げると彦星は笑って、しなる大きな葉を退けた。見慣れた姿が顔を出した。のだが、
「これだ! ……でも、まだ緑なんだね」
「バナナは採ってすぐには食べごろにならないぜ」
 聞けば、バナナやキウイは収穫から、熟すのを待って食べるのがいいと教えてくれた。
「俺はマンゴー探してたんだ。白い粉吹いてて、かつツヤツヤしたのをな」
 けどありすぎて悩んでいた、とのこと。傍のマンゴーに手を伸ばし、うんと頷いて決定とする。
「笹塚さんの果物選び講座、なるほどなんだよ」
「これうまい証拠なんだよな。ブドウとかにもついてるやつ」
 しっかりメモを取ったユキは、それじゃ別のがいいかなーとちょっとだけ残念な表情になる。
「まあ、土産にすればいいだろ」
 一房もいだその時。
 驚いたことに、茎から離れた実があっという間に黄色く色付いた。そういえば、此処は魔法で育った果実園。心配ご無用なのであった。
 喜んで受け取ったバナナをお耳の間に乗せて、いよいよお待ちかねの実食だ。


 魔導蒸気かき氷機。お手頃サイズで急冷、急凍はもちろん。荒削りからふわふわまで、お好みに合わせたかき氷を提供してくれるナイスなヤツ!
 ローズが氷室から持ってきた氷塊をセッティングすれば、準備はOKだ。
「やっべ超カッケェ……!」
 目を輝かせて子供のように興味津々で、あちこち覗き込むパウルにのもとに、果実園からみんなが帰還する。
「お帰りー☆」
「ただいまっす。パウルさんもう削ってみたんっすか?」
「まだだよ、これから!」
「果物はちゃんと採って来ました?」
「そ・れ・は、ぬかりなーし♪」
 臨から深冬からの投げかけに応えるパウルは、台に収穫したてのメロンをでんと置く。
「ローズは採って来なかったんだな」
「私にはイチゴシロップがありますわ」
 ニオクが手荷物の少ないローズを見て言い、ローズはシロップのボトルを置く。市販のビニール袋なのだが、明らかにボトルが一本や二本ではない。
「そっちの、水路で冷やしてあるものは何ですか?」
「それは俺の持ち込みだ」
 ヨシュカの問いには姿見が答える。
 実は、こんなものを用意した。と水を滴らせて揚げられたのは、中に気泡を幾つもくっつけたボトルがこれまたたくさん。
「炭酸水だ。貰い物だが、一人では到底飲みきれん」
 氷の触感を楽しんだ後、少し注げばパチパチと口の中で弾けて、違う味わいになるだろう。それはいっぱいの楽しみをまた違ったものにできる魔法のようで……。
「姿見さん炭酸水あざーす!」
 すかさずパウルが飛びついた。
「魔導蒸気かき氷機さんよろしく」
 お世話になる頼もしい職人をユキも撫でる。がってん! と言わんばかりに、かき氷機は蒸気を上げた。

 「んじゃま、初っ端頂くぜ」
 まずは彦星が。マンゴーの皮をめくると、プリンのように蕩ける果肉を投入する。
 さりさりと器に降る氷はきめ細やかな黄金色で、冷やされて尚も甘く芳醇な香りを漂わせる。
「おー……なんかいいなぁ。涼やかで、もううまそう」
 口に含めば冷たくて。まだまだこれからが夏の本番だけど、その暑さの訪れもまあいいか、と思えてくる。先取りした夏を丸ごと食べられる、そんな一杯だ。
「瑞々しい甘さはかき氷によく合うだろう」
 姿見の器に降り積もるのは、オレンジ色の氷あられ。ザクザクとした氷の触感を残した粒状のかき氷は、甘酸っぱいオレンジの一粒一粒そのもの。噛みしめれば弾けるように熱で溶けて喉を滑り落ちる。
 手ずから櫛切りにし、半分まで実と皮を分けた一切れを器の縁に差し込めば、爽やかな夏の一杯。
 無論、大量に作って分け合うというのも悪くない。姿見はいそいそと次のひと玉を冷やしにかかる。
「うっわ削れてるやばいすげー!!」
 パウルはメロンを凍らせて削っちゃおう。と丸ごと入れた。当然のことながら皮はそのまま。種も、そのまま。さて、どうなるかと見つめる中、魔法の機器は見事パウルの期待に応えた。
 二・三人前の器に盛られたのは異なる緑、二色のかき氷。透き通ったザクザク氷は果汁で作られた氷の層を。ふわふわに仕上げられた薄緑の雪の層は、果肉を含んだ小山を作った。グッジョブ! と左右ダブルで親指を立てる。

 「見ていて飽きないものですね」
 果実園で悩みに悩んだヨシュカが選んだのは、ぴかぴかのイチゴと綺麗な紫をしたブルーベリー。一つには絞り切れなかったけど、組み合わせたものがどんな仕上がりになるのか、それを見守るのもとても楽しい。
 二つのベリーは器の中にそれぞれの色を残し、交互に積み上がっては細く、太く、複雑な波模様を描き出す。
「良ければ他の方と、ちょっとずつ作った氷を交換したり……」
 出来たらですけど。と言ったヨシュカに、いいねぇと返したのはニオクだ。
「なら、でっかい作品作るぜ!」
 ニオクのかき氷はスイカが主体。大きな果実はまず半分に割り、凍らせるだけに止めた。
 水分を多く含むスイカの果肉は、シャリシャリのシャーベット状アイスに! それを手早くスプーンで、小さな球状にくり抜いてっと。なるべく食べやすいようにと種を取り除いていく。球状のスイカ氷は、あっという間にお皿の上に山となった。赤い海ガラスのようなスイカ氷の乗り切らない分は、まだ魔法の機械の中で眠らせておく。
 ついでとばかりの最後の仕上げ。半球状のスイカの皮をそのまんま器として活躍させて、皿の山を移し替え渾身の一鉢の出来上がり。
「ニオクさんの果物の器、お洒落で良いなぁ……」
「ユキのはどんなのだ?」
「ボクのはこれを削るー♪」
 弾んだ調子でユキが投入したバナナは、クリーム色の如何にも柔らかそうな氷に変わってふんわりと器に積もっていく。お山の形に整えて、そこにチョコレートシロップをうずまき模様に回してちょっとのお洒落を取り入れて。
 斜めに切った輪切りのバナナも飾ったら、トロピカルなビーチに似合いそうなシェイク風かき氷になった。
「試食は任せますからね、燈」
 深冬と燈が見守る中、シャッシャと軽快な音を立てて凍ったリンゴが削られていく。薄い黄色みを帯びた氷は透明感があり涼しげで、それでいて含む蜜のように爽やかな甘さを届けてくれるだろう。
 生クリームと、少し皮を残した状態で切ったリンゴを添えて完成。
 くるりと器を一回転させれば、紅いワンポイントにフリルもまぶしい水着のような、甘く可愛らしい一杯である。
 うん。と出来栄えに満足して、電脳眼鏡型ゴーグルで写真をパシャリ。
 燈が勝手に一口食べっちゃったところもパシャリ。
「燈……」
 窘める声に『キュイっ』と鳴いた灯火をひと撫で。じゃあ改めてと、いただきます。

 初めに言い出したのは誰だったか。
「皆のも美味そうだな! 良かったらシェアしようぜ!」
「え? 少しずつ貰っても良いの? わーい!」
 ニオクが掬ったかき氷を器に乗せれば、ユキがお返しでスプーンを伸ばし。
「みんなのもめっちゃカラフル~♪ せっかくだしシェアしちゃおうよっ☆」
「俺の分も提供しよう」
「わたしも、交換できたらと思っていました。三条さま、炭酸水を少し拝借します」
「ああ、構わんぞ」
 パウルが、姿見が器を差し出して、ヨシュカがそれぞれへと取り分けて感謝の意を伝える。
 残りが半分になったところに炭酸水を注いで、その上に冷やしておいた生のイチゴと、ブルーベリーを乗せて。かき氷は見た目も綺麗な新感覚ドリンクに、変身。
「こっちのにも入れるぞ」
 姿見に分けてもらっていいかな? と声をかけ、ニオクもスイカの器に炭酸水を注ぐ。新たにスイカ氷を浮かべ、見た者の目を楽しませる。
「すごい、綺麗ー! 飲み物も充実してて、予想できなかった品ぞろえにわくわくが止まらないんだよーっ!」
 少し早い夏の思い出。
「深冬もシェアしようぜ、俺のもやるからさ」
「どうぞ。あとで三条さんから炭酸もいただきましょうか」
「しゅわしゅわかき氷さね」
 姿見の旦那は味な仕事をする。
「……賑やかで、この時間が楽しいです」
「まだまだこれからが夏本番だけどな」
 かき氷を渡しながら深冬が言えば、同意した彦星が笑って返す。
 涼やかで甘味な夏の思い出、一つずつ増える思い出は、嬉しいもの。

 「皆さん、美味しそうに食べていらっしゃいますわね。ここまで頑張った甲斐がありましたわ」
 各々がかき氷を手に食べ始めたのを見届けて、ローズはスイカの器に勝るとも劣らない特大の器に氷塊を砕いていく。
 身体を冷やさないように、寒さ対策は完璧だ。氷結の耐性や大食いであれば、ローズの望むところである。持参したイチゴシロップ、丸ごと一本を使用した、特製特大かき氷である。
 後は練乳をトッピングして、「いただきます」とスプーンを握る。
 と、そこへ誰かの手が伸びてきて、器のすみっこに生のサクランボが可愛らしく乗せられた。
「トッピングも重要っすよね!」
 パッと笑顔を輝かせたのは臨だった。手にはカラフルなかき氷。もちろんサクランボも乗っている。イチゴの赤み、ブドウの紫と薄い緑はマスカットだろうか。とすると一見透明な氷はレモンだとローズは直感する。
 臨のかき氷はともかくカラフル。食べるごとに変わる味や香りは、最後のひと匙まで飽きることはないだろう。
 個性あふれるかき氷、そこに集まる猟兵たち。これからの本格的な夏を思わせる賑やかで楽しい最初の思い出ができた。
「シェア歓迎っす! 俺のもどうぞ!」
「素敵ですわ、ありがとうございます。んー、とても冷たくて美味しいですわ♪」
「後で炭酸水もいただいて、楽しみ二倍っすね! あ、頭がキーンっと……」
 みなそれぞれ、思い思いに楽しむ個性的なかき氷。調子よくがぶりと頬張った臨がふいに頭を押さえる。
「あわわ、慌てて食べると頭キーンってなっちゃう」
 けど溶けちゃうから悩みどころなんだよー、とユキも頭を押さえて、一緒にギュッと目を閉じて耐える。

 黄金色、オレンジ色、緑色、赤と紫の波模様、赤い硝子色、クリーム色、透き通る薄黄色、添えられるサクランボ。そして飛び入りの参加者さん。
 弾けた炭酸が器の中で煌めいて、よりどりみどり、集まった個性豊かな果実氷は……。
 ――オレ達エイツアみたいだ、なんてちょっぴり思ってみたりして。
 頭の後ろで手を組んで眺めていれば、吹き抜ける風に誰かがパウルを呼ぶ声がする。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アテナ・アイリス
【ライラック】で参加
さあ、いっぱい運動したし、氷室で体を冷やしましょうか。
「アーパスブレード」でちょうどいい大きさの氷の塊を作って持ってきます。
まずは、魔導蒸気かき氷機を使って人数分のかき氷を用意しましょうか。
前に作った、蜜ぷにをつかったシロップもちゃんと持ってきたわよ。
さあ、準備できたから食べましょうか。
あ、つめた!ちょっと、どこに氷を入れてるのよ?もう、ヴィサラ待ちなさい!
今度は、何よ?怖いのは苦手なんだから。
ヴ、ィ、サ、ラ まだイタズラするのね。
もう、シロップ上げるのやめよっかな~♪
しょうがない、ゆるしてあげるわ。
最後は、みんなでシロップを交換しながら一緒にかき氷を食べるわ。


ネムネ・ロムネ
【ライラック】のみんなと水車小屋フロアへ

交渉はネムたちの勝利です
かき氷を楽しませてもらうのですよ

どうやらアテナさんが氷を削ってくれたみたいです
楽しみなのですよ
アテナさんの蜜ぷにシロップ
あれは良い物です
とても甘くて美味しかったのですよ
ん、音海さんのはレインボーかき氷
そういうのもあるのですか
いったいどんな味がするんですかね
ちょっと分けてほしいのです
ヴィサラさんは―――ぴっ
冷たいのです
ネムの背中に氷を入れるのはやめるのです
ネム自作の電気イチゴのシロップわけてあげねーですよ
え?いらないのです?
ひどいのです

みんなのシロップを交換した後はかき氷をパシャリと撮影
SNSに投稿してから静かにいただくのですよ


ヴィサラ・ヴァイン
【ライラック】で参加
ふぅ、くらげさんも鬼さんも強敵だった…
いい運動をした後は、体を冷やしたいよね
かき氷ももちろん楽しみだけど、氷の欠片を服に入れたらひんやりするんじゃないかな…冷たっ!
…ちょっと悪戯心が湧いて来た
[目立たない]よう気配を殺してライラックの友人達の背後に忍び寄り…氷の欠片を背中にひょいっと入れて回ろ
【死霊化】して[恐怖を与える]事で、夏の肝試し感を演出するよ
「うーらーめーしーやー」
「幽霊だと思った? 私だよ!」
「えへへ、驚いた? 驚いた?」
怒られたらめっちゃ平謝りするよ(弱い)
だから私にもかき氷を恵んでください…!


音海・心結
【ライラック】で参加なのです

頑張って戦った後はお待ちかねのかき氷ですねぇ
みゆ、色んな味のかき氷が食べたいのですっ
作ってほしいのですっ!

あれ、ヴィサラがいないのです
どこに行ったのでしょうか?

(辺りを見渡すがヴィサラの姿は確認できず、背後から氷のかけらを入れられる)

ん……っ!つ、冷たいのですっ
こんなイタズラをするのは……ヴィサラしかいませんねぇ

もう、驚いたじゃないのですよっ!
幽霊なんてみゆが怖がると思うのですか?
みゆに怖い物なんてないのですっ

こんなイタズラをしたヴィサラにはかき氷無しですねぇ
みゆはレインボーかき氷を作って食べるのです

しゃりしゃり
んん~~
甘くて美味しいのです♪




 交渉という名の戦闘は【ライラック】の勝利で決着し、頑張った後はお待ちかねのかき氷タイムだ。
 水車小屋フロアへ向かう前に、ネムネ・ロムネ(ホワイトワンダラー・f04456)と音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)は果実の幾つかを収穫する。
「みゆ、いろんな味のかき氷が食べたいのですっ」
 その仕上がりを想像し、レインボーかき氷ですと元気に心結は実を採っていく。ブドウにメロン、レモン、パパイヤに、マンゴー、ラズベリー……。バラエティに富んだ果実園の実りは、それは素敵で楽しいかき氷になってくれるだろう。
「ん、そういうのもあるんですか。いったいどんな味がするんですかね」
 イチゴを摘み終えてともに歩くネムネも興味が尽きない。
 カゴをいっぱいにした二人は果実園を後にする。
 先に水車小屋エリアに移動していたヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)とアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)は機器の準備を済ませ、氷塊を運び出すべく氷室に足を運んでいた。
「ふぅ、くらげさんも鬼さんも強敵だった……」
「さあ、いっぱい運動したし、氷室で体を冷やしましょうか」
 強敵だったがいい運動にもなった。開け放した扉を通り過ぎる冷気が心地よく二人の身体を冷やしてくれる。
 扉に身体を預けて眺めるヴィサラの目に、差し込んだ光が氷塊の気泡を浮かび上がらせ、また空気中に舞う細かな氷の粒に反射してキラキラと瞬く。
 その大きな氷塊を、アテナはアーパスブレードでちょうどいい大きさに切り分けていく。水を固めたような刃だが、その硬度と切れ味は氷のそれを軽く凌駕し、作業は難なく進む。
 切り終えた材料を運び出し、まずはと魔導蒸気かき氷機に入れれば後はみんなの合流を待って削りだすばかりだ。
「アテナさん」
「アテナっ、お待たせです」
 ほどなく。期待に弾んだ声に呼ばれてアテナが振り返れば、カゴを抱えたネムネと心結がいた。手を振って応えたアテナは、じゃーん! と効果音を付けながら、七色のとろりとした液体の入った瓶を取り出して見せた。
「前に作った、蜜ぷにをつかったシロップを持ってきたわよ。私のかき氷にはこれを使うからね」
 多様な果物の隣に並べられた、虹色の蜜。
「蜜ぷにシロップ」
 ほう、と息をつくようにネムネが復唱する。蜜ぷにのシロップはネムネも知るものだった。あれはいいものですと相槌し甘く美味しかった記憶がよみがえる。
「準備万端ね、食べましょうか」
「楽しみなのですよ」
 後はすべてかき氷機に任せるだけだ。
「みゆはレインボーかき氷をっ。……あれ、ヴィサラがいないのです」
 どこに行ったのでしょうか? と心結は辺りを見渡すが、ヴィサラの姿は確認できない。
「ヴィサラさん――?」
 不思議に思い、心結に続いて辺りを見渡そうとしたネムネとアテナ。
 と次の瞬間、
「ぴっ! 冷たいのです」
「ん……っ! つ、冷たいのですっ」
「あ、つめた! ちょっと、どこに氷を入れてるのよ? ヴィサラ?!」
 背中に冷たい氷の感触がして三人は飛び上がって驚いた。
「ネムの背中に氷を入れるのはやめるのです!」
 待ちなさい! とアテナが振り返るが、イタズラの犯人はもういなかった。パタパタと背を払えば、つるりと小さな氷の欠片が滑り落ちる。
「こんなイタズラをするのは……ヴィサラしかいませんねぇ」
 じっとりとした視線で氷を見やり、心結もむぅと唇を尖らせる。
 しかし、氷を取り除いたはずなのに再び、ゾ……っと背中に走る悪寒。
「今度は、何よ? 恐いのは苦手なんだから」
『うーらーめーしーやー……』
「きゃぁ?!」 
 アテナの視界の端に映った、半透明に透けた長い髪。低く憎々し気に響いた女の、声。悪寒と共に訪れた恐怖に身をすくめて目を閉じる。なぜこんなところに、幽霊が……?
 霊体の透けた影を追いかけて、武器に伸ばしかけたネムネの手にポンっ、と温かな手が重なった。
「幽霊だと思った? 私だよ!」
 そこには、『死霊化(ミュオソティス)』を解いたヴィサラがいて、ひょっこりと肩越しに顔を覗かせた。
「もう! ヴィサラさん、どうしてこんなことするですか」
「夏の肝試し感を演出しようと思って」
 氷室の氷を見ていたヴィサラは思ったのだ。氷の欠片を服に入れたらひんやりしていいんじゃないかと。そして密かに実行した結果……冷たっ!
ひんやりするというか、冷たかった。
「それでちょっと、悪戯心が湧いてきてね。えへへ、驚いた? 驚いた?」
「もう、驚いたじゃないのですよっ! 幽霊なんてみゆが怖がると思うのですか?」
「ごめん、みゆ。かき氷ももちろん楽しみだったんだけど」
 みゆに怖いものなんてないのですっと、ぽかぽか振り上げられる拳を避けてヴィサラは数歩の距離を取る。
 次は何をしようか、更なるイタズラを考えている気配をアテナは敏感に察知。
「ヴ、ィ、サ、ラ。まだイタズラするのね……」
 不穏な気配を、ヴィサラもまた察知。
 追うのをやめ、プイっとそっぽを向いてアテナはかき氷機のスイッチを入れた。
「みゆのも作ってほしいのですっ!」
 アテナに続いて心結がかき氷機の元へ行き、順々に果物を投入していく。
 途端あふれ出すのは瑞々しい果汁とその香り。削られた氷が積み重なって、豊かな虹色のかき氷となる。
 出来上がったかき氷にスプーンを落とし、これ見よがしに掬い上げて心結は呆然とするヴィサラに視線だけを投げた。
「もう、シロップあげるのやめよっかな~♪」
「こんなイタズラをしたヴィサラには、かき氷無しですねぇ」
「え、えぇ?!」
 心結はぱくりとスプーンを含み、舌鼓を打つ。しゃりしゃりと味わうごとに溶けていき、ひと匙ごとに変わる果物の爽やかな甘みが口いっぱいに広がっていく。
「んん~~。甘くておいしいのです♪」
「音海さん、ねむにもちょっと分けてほしいのです」
「いいですよ~♪」
 分け合って食べる心結とネムネ。自らの氷に蜜ぷにシロップをかけてアテナもにこにことその様子を見守る。
「ごめん! ごめんねっ。驚かせた私が悪かったから~っ!」
 先程までの強気な悪戯心はどこへやら。ひたすら頭を下げて両手を合わせ、ヴィサラは必至に許しを請う。
「だらか、私にもかき氷を恵んでください……!」
「しょうがない、許してあげるわ」
 菩薩の一言。パッと顔を上げれば、ちゃんとヴィサラのかき氷も用意してあった。差し出されたかき氷を掲げるように持てば、光に浮かび上がる虹色の蜜と、輝く氷の粒。
「アテナさんに感謝するです。あんまりイタズラするとネム自作の電気イチゴのシロップわけてあげねーですよ」
「うん。いやでも、それはいらないかな」
 電気イチゴのシロップ……おそらくネムネの猟兵としての力をなんやかんやして、イチゴ本来のモチベーションアップさせることにより帯電能力を持たせることに成功した究極に刺激的な渾身の一杯であろう。が、ヴィサラは刺激的過ぎると判断して秒で断わりを入れた。
「ひどいのです」
 ヴィサラの評価にはやや納得できないネムネだが、そのかき氷の出来は満足のゆくもの。
「シロップ交換は一度ストップです。みなさんこっちを向いてくださいです」
 自作のスマートフォンを構えて、ライラックのメンバーとかき氷。楽しんでいる夏色の一日が画面に映り込んだのを確認して。
 ――パシャリ。
 撮った写真をSNSに投稿する。
「ネムネー、ヴィサラのシロップはみんなで作らない?」
「面白そうな果物もありましたですよ」
「ほんと、イタズラしたのはごめんてばっ」
 さてとかき氷を食べようとして、すぐに賑やかな声に呼ばれた。どうやら思い通り静かにかき氷を食べるという訳にはいかない模様。
 また一つ増える、夏の思い出――。


 淀みなく流れ落ちる清水が水車を回し、
 一定の速度で刻まれる水音は耳に心地よく。
 来る夏を祝福する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月24日
宿敵 『殺刃人形・剛剣の轟郎丸』 を撃破!


挿絵イラスト