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屍山血河の向こうに

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 ヴァンパイアであるウォルム・サマーヘイズは、暴君であった。しかし、逆らう者はいない。いや、逆らえる者はいないと言った方が正解か。

「文句があるのならば、我が屋敷に来るがいい。歓迎しよう」

 ウォルムの言葉に、嘘はなかった。微かな希望に懸けて、ウォルムの元へ向かう者は最初はいたのだ。
 しかし、誰一人として帰って来なかった。ウォルムは嘘をつかない、手厚く歓迎したその結果だった。しかし、彼らの末路だけは皆が知っている。言葉で語るよりも雄弁に、結果を思い知らせるモノがあったからだ。
 それは、串刺しにされた屍の山だ。村から見える小高い丘には、これみよがしの百舌の早贄のように刺し貫かれた死体が、並んでいた。

 ヴァンパイアであるウォルム・サマーヘイズは、暴君であった。その圧政を支えるだけの暴力を、ウォルムは持っていたのだ。
 そして、今日もウォルムの屋敷がある丘にはうめき声が響き渡る。それは死の安息さえ許されない、怪物となった骸達の嘆きの声であった……。

「おぞましい怪物というのはどこにでもおるものじゃな」
 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう吐き捨てると説明を続けた。
「ダークセイヴァー世界のヴァンパイア、ウォルム・サマーヘイズを討って欲しいのじゃ」
 ウォルムは自身の屋敷がある丘に近い、いくつかの少村を支配し、圧政を敷いている。幾度となく抵抗を試みたようだが、結果として誰一人として帰ってくる者はいなかったという。
「まず最初の、屋敷に向かうために昇る丘からして、悪趣味極まりない」
 自身に逆らった者を串刺ししに、見せしめに晒しているのだ。加えて、ウォレムの手によって化物となった骸達は、侵入者を襲ってくる。ウォルム流に言えば、歓迎していると言うべきか。
「屋敷の中にウォルムのヤツがおるのは、間違いない。ただ、屋敷の中は誰も踏み入って帰って来た者がおらん。おぬしらの目で確かめてもらうしかあるまい」
 ガングランは髭を撫でつつ、目を細めて吐き捨てた。
「このようなオブビリオンに、好き勝手はさせられぬ。それが、わしら猟兵の役目じゃ。頼んだぞ」


波多野志郎
どうしようもないダークさはいいですよね。どうも、波多野志郎にございます。
今回は圧政を敷くヴァンパイアを討っていただきます。

まずは、骸達の手厚い歓迎を超えていく必要があります。

POWで再び動き出さないよう、ひたすら破壊を試みる。SPDで最奥にいる元凶を倒すべき、駆け上がる。WIZで再生の仕組みを解明し、化物を破壊する手段を模索する、などがあります。

二章目以降に関しては、ぜひ、皆様の目でご確認くださいませ。

それでは、闇深き幻想の世界でお待ち致しております。
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第1章 冒険 『屍血流路』

POW   :    再び動き出さないよう、ひたすら破壊し燃やせばいいだろう。。

SPD   :    最奥にいる元凶を倒せばあるいはすべて解決できるだろう。

WIZ   :    再生の仕組みを解明すれば怪物を生み出せなくできるだろう

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルノルト・ブルーメ
やれやれ、悪趣味な事だ
いや、だからこそ……のヴァンパイアか

再び動く事がないよう、咎力封じとフック付きワイヤーを使い
骸達を確実に破壊しつつ屋敷に向かう

君達も被害者なのは判っているけれどね
新たな犠牲を出すのであれば排除させて貰うよ

破壊の際の状況や再生する際の状況は常に確認し
特有の反応や症状、現象があるならば、皆と情報共有を

何かしらの媒介……例えば、
体内に埋め込まれた何か、身体に刻み込まれた術式、等があるのならば
それを的確に破壊して再生を止める

再生阻止に成功し、彼らに終焉が訪れるのであれば

君の悪夢、村の人たちの悪夢、それはもう終わるから
おやすみ?勇気ある人だったもの


ヴォルガーレ・マリノ
POWで再び動き出す事のないよう、骸達を破壊します。【2回攻撃】を用い、徹底的に壊します。劣勢に陥っても【捨て身の一撃】をもって仕留めます。惨い仕打ちをされた方にする事ではないかもしれません…ですが、魂がこの地に縛られたままよりかは…そう、思うんです。

ごめんなさい…ごめんナサイ…侵入者を阻もうとワタシに向かってくるその姿…とても…ドキドキしマス…!貴方達と戦う事…とても胸が躍りマス…!サァ、いらシテ…!粉々に砕いて差し上げマス…!酷いデスカ?でも貴方達は解放され、ワタシの欲望は満たされる…とても合理的デショウ…?ネェ、だから一人残らず…何時間でもお相手しマスカラ!


ヴィゼア・パズル
大多数の訓練には丁度良い。多くの犠牲が出ているならば安らかに眠らせてやるのが人情ならぬ猫の情、だろう。
【WIZ】使用
ゴーストリボーンの起点となる物を探索しよう。死体があるなら大量のネズミや鴉、猫が居る筈だ。【動物と話す】事で屋敷や周囲の建築構造等を聞き取り【地形を利用】して分かる範囲の情報収集を行おう
動物達には戦闘中決して私の前に立たない様、言い含める。

向かい来る者は【二回・マヒ・属性攻撃】の【全力魔法・爆轟】にて撃ち抜こう。
さて、どこまで分かるだろうか。


蛇崩・京次郎
「はァン……串刺しにして晒し上げる、ネェ。ギャハハ! 趣味悪ィ」
「死んだやつを化物に変えて襲わせるたァ拍車を掛けて趣味悪ィなァ? オレサマは神父でも司祭でもねェから、死後の安寧を説くなんて真似はしねェガ──」
「やり方が気に食わネェ。ブッ壊させてもらうゼェ!?」

丘に行けば化物どもが襲ってくるンだロ?
だったらオレサマはこの斧を、『ヨナルデパズトーリ』を振るってブッ壊すだけダ
「生きてるンだったら死ぬことができル。冥府にイっちまいナァ!」
使う技能は<2回攻撃><なぎ払い><属性攻撃><怪力><ジャンプ>ダ! 上に飛び上がってから地面に斧を叩きつけるゼ

「ギャハ!『冥府(ミクトラン)』を出すまでもねェゼ」


逢坂・宵
再生の仕組み、ですか
こういうところには、得てしてそれらを保つための供給の源があるはずです
そう、たとえば―――魔法陣とかね
さしずめ、彼らはマリオネットの人形。それを動かす黒子や糸は、魔法陣といったところでしょうか

それは、敵側にあるのは確実ですが
屋敷など、あまり現場から離れたところにあるとも考えにくい
とすれば、ここのどこかにあるはずです
魔術の匂いを感じるところ、
あるいは僕ならここに作るなど……
見つかりにくいような場所などを重点的に探していきましょうか


ミハル・バルジライ
死して尚安息が得られぬとは如何許りの苦しみか。
せめて此れより其の手を穢すことのないよう、確と眠らせてやろう。

【WIZ】
首魁のユーベルコードに因るものか、其々に核の様なものが与えられているのか。
後者ならば遺骸の損傷を抑えて対処する方法も見出せるだろう、
骸達の身体や動作を観察し不自然な箇所や共通するものが存在しないか確認を。
また特定のユーベルコードや呼び掛けへの過剰反応等、違和感を覚えることがあれば都度試し乍ら、
骸達を使役せしめるものの正体を突き止め暴く。
核の様なものが存在するならば咎力封じを以て収束を試みる。

得られる情報は他の猟兵達へ伝達、共有し、一刻も早く此の地獄を治められるよう、努めて。


寺内・美月
最善 WIZ 『串刺しに使っている柱の破壊により、再生を阻止できるか確認する』
次善 POW 『丘ごと骸を吹き飛ばして、復活しないように破壊し尽くす』
1、『準備砲撃『地獄雨』発動』にて、丘にある串刺し群を破壊する。
※先に阻止方法を試す方がいたら、そちらの後に実行。
2、砲撃終了後に『前衛部隊召還』にて骸と串刺しの柱を確実に破壊しつつ前進。
※この時に再生機能が破壊されない場合は、大隊に骸の対処を任せて屋敷まで突破。
3、屋敷に接近したら扉を破壊して突入する。
武器はAPS拳銃『改』とACR小銃を装備する。


カイル・アルガスト
見ていてあまり気分が良いものではないですが、こうなってしまった以上、せめて私たちの手で楽にしてあげましょう。

とは言ったものの、炎を扱うのはあまり得意ではないんですが……まぁ、仕方ないですね。
風も混ぜ込めばよく燃えそうですし、エレメンタル・ファンタジアで一気に薙ぎ払いましょう。
もちろん、周りの方々を巻き込まないよう注意しましょう。すみませんね……まだまだ未熟者でして。
一応治療の心得はありますので、巻き込まれた方はこちらへどうぞ。
巻き込むことが前提なのかって?いや、そんなつもりはないんですよ。
確率的には万が一……いや、百が一ぐらいだと思います。


星噛・式
SPDで対応

多くのスケルトンの前に式は立ち尽くしていた

「おぉ、ここまで並ぶと絶景かな……いや、流石にそれはないか。キモいだけだな」

固まった動きをして居るようだが個体別に動いて居るわけではなさそうだ。

「どうも、あの奥にある目が青いのが指揮官ってとこか」

一番後ろに一回り大きいスケルトンが指示を出して居るように見える

式は手首を切り流血させ悪鬼を憑依させ身体能力を高める

「勝負は一瞬。一撃離脱ってね」

その言葉通りスケルトンの軍勢の中を右へ左へ目にも留まらぬ速さで駆け抜け一瞬で指揮官の元へ駆け抜け最速の一撃をお見舞いしそのまま離脱

「やったか?……て分かりやすいフラグ立てたくないなぁ」


結城・蓮
暴力と恐怖による支配政治か。人心なんて無視した独裁政治だね。唾棄すべき存在だ。
そのような社会で子供たちが幸せに笑えるはずがない。
止めさせてもらうよ。全力を以って。

まずは骸達を弔おう。君達も元はボク達と同じ、体制への反逆者だったんだよね。
敬意を表する。でも、死んでしまっては終わりなんだ。
炎熱の手札で全て燃やしていくよ。せめて安らかに眠って欲しい。

理由もなく亡者が動くわけがない。何かトリックがあるはずだ。
骸を燃やし、捌きながら奥へ。その原因を探ろう。そう、例えば屍人使いのような──繰り手がいるとか。
そして恐らくそれは、この亡者達の最奥にいるはずだから。
手品は手が割れたら終わりだ。終幕としようか。


フラウロス・ハウレス
くくっ……これは良い。妾の存在意義たる、叛逆すべき体制の君主にこうも早く巡り会えようとは!
良いぞ、ウォレムとやら。妾が貴様の歓迎を存分に受けてやる。心して待つが良い!

して。貴様ら亡者どもは、何故我が覇道を妨げるか。
君主に刃を向けるその心意気は認めようが、こうして立ち塞がるのであれば容赦はせぬ。
貴様らの望んだ反逆の糧となれることを光栄に思え!
一片残らず塵に返してくれようぞ!さあ、血を喰らえ、我が剣よ!!
妾こそは血の反逆者なるぞ!!!


セリオス・アリス
胸くそ悪い光景だ。それに趣味も悪い。領主とやらの程度が知れるな。
こんな光景は…早く終わらせるに限る。
串刺しをみて眉を寄せ、剣を構える。
「歌声に応えろ、力を貸せ。俺の望みのままに」
向かって来る骸、来る前の骸。全部全部燃やして眠らせてやる、それが俺の望みだ。さあ叶えろと炎のチャントを歌い
炎の【属性攻撃】をのせた斬撃で目の前にある槍、骸を斬り燃やす。
中々燃えないなら【二回攻撃】数を当て。不意打ちを狙ってくるやつがいないか【第六感】を働かせる。

なるべく早くこの酷い状況から解放して炎の歌で送ってやろう。それがせめてもの手向けだ。


クレア・ベルディモード
ウォルム・サマーヘイズなんて非道な……!
高貴なる者の務めというものがあるでしょう、こんなの一人の貴族としても絶対に認められないわ!

そう、意気込んで来たものの……1体1体はそんなに強くなさそうだけどど、数で押されるとかなりまずそう。
何とかして数を減らさないと……それに、このまま化け物の姿で晒して……何とかして解放してあげないと。
一体、なんとか倒してみてどう再生するのか観察するわ。
うぅ……ちょっとグロテスクな光景になりそうだけど我慢しないと……。
魔法的な何かで再生してると予想はしてるんだけど、なんとかその源を探し出して破壊できないかしら。


クリスティアーネ・アステローペ
ああ、まったくいい景色ね
敵対することは覆らないし思うところもないではないのですけど、趣味だけは近いのかしら
そう、折角用意してくれたこういったのを崩していくのが面白いのよね

この手の定番は脳や心臓みたいな部位の破壊よね
操る術も頑丈なそこに仕込むことが多いはずですし
再生にしたってどこかに大本がある筈ね
この丘でそういった力の媒介、術の要となりそうなのと言えば――
やっぱりこの杭かしら?

戦闘は人に任せて杭の検分へ
踏み荒らされる地面よりも何かを施すのならこっちでしょう

「使役・再生手段の把握は完了。解放の手順もこれでいいでしょう」
「断罪者たる我より名も知らぬ勇敢だった者共へ。その魂に永き安寧のあらんことを」


ウェンディ・ロックビル
文句があるなら、君の屋敷に行けばいい……。その慢心が命取り、だねー?
パパ譲りの脚で、きっと君の元にたどり着いて見せるよぉ。

宙を蹴って骸骨兵たちを避けて、ボスの所に向かってショートカットで進むよー。
10回やそこらのジャンプじゃ一番奥まではたどり着けないだろうし、時々、骸骨さんの少ない所や、仲間の猟兵さんが戦ってる所に着地するねぇ。
戦闘に巻き込まれたら、蹴り飛ばして距離を取ったり、踏み台にしてジャンプしたりでなるべく戦闘は避けるよー。時間が勿体ないもんね。

上手くボスの所までたどり着けたら、飛び降り際にきっく!自慢の脚で蹴っ飛ばしちゃうよー。

まだまだ先は長いもん。こんな所でコケてられないもんねー!



●暴虐の丘
小高い丘を埋め尽くすのは、死の群れであった。串刺しにされた骸が、杭を引き抜き動き出す。かつて憎んだ、恨んだ、己の命を奪った者を守るために――。
「ああ、まったくいい景色ね」
 クリスティアーネ・アステローペ(ダンピールの咎人殺し・f04288)は、地獄の釜の蓋が開いたような光景にそう言い捨てる。
「敵対することは覆らないし思うところもないではないのですけど、趣味だけは近いのかしら――そう、折角用意してくれたこういったのを崩していくのが面白いのよね」
 クリスティアーネは言い切り、セリオス・アリス(ダンピールのシンフォニア・f09573)も動き出すスケルトンの群れに眉をひそめた。
「胸くそ悪い光景だ。それに趣味も悪い。領主とやらの程度が知れるな。こんな光景は……早く終わらせるに限る」
「見ていてあまり気分が良いものではないですが、こうなってしまった以上、せめて私たちの手で楽にしてあげましょう」
 痛ましげに死者の群れを見つめ、カイル・アルガスト(ドラゴニアンの精霊術士・f05742)は呟く。これは死への、引いては命への冒涜だ。生ある者、心ある者であるならば、決して許してはならない暴虐だ。
「くくっ……これは良い。妾の存在意義たる、叛逆すべき体制の君主にこうも早く巡り会えようとは!」
 フラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)が笑う。そこに込められた感情は、あまりにも獰猛で情け容赦ないものだった。
「良いぞ、ウォレムとやら。妾が貴様の歓迎を存分に受けてやる。心して待つが良い!」 フラウロスは、高らかに宣言する。迫るスケルトンの群れを一瞥すると、フラウロスは黒爪を伸ばした。
「して。貴様ら亡者どもは、何故我が覇道を妨げるか。君主に刃を向けるその心意気は認めようが、こうして立ち塞がるのであれば容赦はせぬ」
 フラウロスが、黒爪を掲げる。その瞬間、ぞぶりとフラウロスの血を吸った爪が殺戮捕食態へと変化した。
「貴様らの望んだ反逆の糧となれることを光栄に思え! 一片残らず塵に返してくれようぞ! さあ、血を喰らえ、我が剣よ!! 妾こそは血の反逆者なるぞ!!!」
 フラウロスの小さな体が、飛ぶような勢いで前に出る。ヒュオ! と振り払ったフラウロスの黒爪の一閃がスカルトン達を粉砕した。

●屍を超えていけ
 それは、離れて見ればまるで白い波が丘の根本に向かって殺到するように見えただろう。
「ごめんなさい……ごめんナサイ……」
 その波、スケルトンの群れを前にヴォルガーレ・マリノ(天真なるパッツォ・f03135)は熱にうなされたように呟いた。
「……侵入者を阻もうとワタシに向かってくるその姿……とても……ドキドキしマス…! 貴方達と戦う事……とても胸が躍りマス……! サァ、いらシテ……! 粉々に砕いて差し上げマス……!」
 ヴォルガーレが武骨な戦斧を振りかぶる。真っ直ぐに、すがりつくように伸ばされた白骨の腕、腕、腕――その指先がヴォルガーレに触れる直前、轟音が鳴り響いた。ヴォルガーレが無造作に振り下ろしたリベラツィオーネ・イスティントの一撃に、スケルトン達が粉砕されたのだ。
「酷いデスカ? でも貴方達は解放され、ワタシの欲望は満たされる……とても合理的デショウ……? ネェ、だから一人残らず……何時間でもお相手しマスカラ!」
 戦斧から伝わる、無数の骨が砕ける感触を手に感じながらヴォルガーレは上気した顔で告げた。頬が熱い、口元が引きつる、背筋を駆け抜ける快感に押されるまま、ヴォルガーレはスケルトンの群れへと身を躍らせた。
「はァン……串刺しにして晒し上げる、ネェ。ギャハハ! 趣味悪ィ」
 同じく、スケルトンを前にして笑ったのは蛇崩・京次郎(トシュカトル・f05525)だ。「死んだやつを化物に変えて襲わせるたァ拍車を掛けて趣味悪ィなァ? オレサマは神父でも司祭でもねェから、死後の安寧を説くなんて真似はしねェガ──」
 京次郎が振るった右腕に、ヴン! と黒い光が集う。そのサイキックエナジーでできた黒い光が形取る両刃斧こそが夜の斧――ヨナルデパズトーリだ。
「やり方が気に食わネェ。ブッ壊させてもらうゼェ!?」
 邪神テスカトリポカの化身と謳われる冥府の悪魔の名を持つ斧が、先頭のスケルトンを頭上から両断する。だが、踏み砕きながらすぐさま後ろのスケルトンが京次郎へ迫った。「生きてるンだったら死ぬことができル。冥府にイっちまいナァ!」
 返す刃で、京次郎がヨナルデパズトーリを薙ぎ払う! ガゴン! と腰から両断されたスケルトンの上半身が宙を舞い、京次郎へと降り注ぎ――京次郎は、その中を跳躍して突き抜けた。
「ギャハ!『冥府(ミクトラン)』を出すまでもねェゼ。そォラ!! 冥府へご招待ってナァ!!」
 着地と同時、集まっていたスケルトン達へ夜斧の一撃(ヨワルテポストリ)の一撃を京次郎が叩き込む。スケルトンごと大地を穿つ一撃が、無残に骨を破砕していった。
「君達も元はボク達と同じ、体制への反逆者だったんだよね。敬意を表する。でも、死んでしまっては終わりなんだ」
 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は、トランプを両手に構える。今、こちらに向かって来る者に罪はない。死してなお、利用されているのだ。
「暴力と恐怖による支配政治か。人心なんて無視した独裁政治だね。唾棄すべき存在だ」 蓮は、嫌悪を隠さない。そんな世界に、子供の笑顔があるはずがない――蓮にとってそれは、決して許してはいけない悪だ。
「止めさせてもらうよ。全力を以って」
 蓮がトランプをばらまいた瞬間、ゴォ! とトランプが燃え盛る。それを見たカイルが、背の翼を広げた。
「炎を扱うのはあまり得意ではないんですが……まぁ、仕方ないですね」
 直後、蓮の炎熱の手札(ブレイジングカード)が自由自在に踊り狂い、カイルのエレメンタル・ファンタジアが炎の風を巻き起こす! 炎が、スケルトン達を燃やしていく。ガラガラ、と骨が、地面へと倒れ伏し――。
「アァ……!」
「おイおイおイ!」
 ヴォルガーレが感極まったように笑みをこぼし、京次郎が眉根を寄せる。目の前で確かに砕いた、そのはずのスケルトンが再生して立ち上がったのだ。ただの手段で、駆逐できない――そう思った時だ。
「いや、炎はそうでもないようだよ」
 蓮は、立ち上がる事が出来ず、炎に燃え尽きるスケルトンがいる事に気付いた。それを見て、京次郎が吐き捨てる。
「まさか、燃やさなきャダメとか言わねェだろうな?」
「その可能性もありますが……」
 炎に燃やされても再生したスケルトンも、少なからずいる。その差は何のか? カイルはそれを暴かなくては意味がない、そう思った。
「無策で対抗できる脅威では、なさそうですね……」


●楔という名の呪い
 館へ向かおうとする猟兵達と、スケルトン達の戦いの最中。
「魔法的な何かで再生してると思うんだけど……」
「この丘でそういった力の媒介、術の要となりそうなのと言えば――やっぱりこの杭かしら?」
 クレア・ベルディモード(ダンピールのマジックナイト・f05060)の言葉に、クリスティアーネは目の前の杭へと触れる。その金属製の杭は、外見からはおかしな物は見て取れない――不意に、寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)が言った。
「すみません、少し離れていてください」
 美月の言葉に、クレアとクリスティアーネは杭から離れる。それを確認した直後、美月は告げた。
「コード地獄雨発動、火力で敵を蹴散らせ」
 直後、準備砲撃『地獄雨』が発動。無数の砲弾が、そこにあった無数の杭と地面ごと破壊した。
「……駄目ですか」
 美月は戦いが続く戦場を見るが、杭の破壊によってスカルトン達の動きが止まった様子は見られなかった。だとすれば、次は――そう美月が思考を切り替えようとした、その時だ。
「待って」
 クレアが何かに気づき、壊れた杭へと近づいた。砕けた杭の中身には、意外にも空洞がある。その空洞の中にあったモノに、クレアは目を見張った。
「これは……」
「血、ね」
 クリスティアーネは、忌々しげに呟く。その血が、何の血なのかすぐに気がついたからだ。
「ヴァンパイア、おそらくはウォルム・サマーヘイズの血よ」
 吸血鬼の血、これが杭の中に入っている事が無関係とはとても思えない。
「おそらく、カラクリはこうよ」
 この杭は、ただ死体を晒すためだけのものではないのだ。いつしか朽ち、骸となった時に自分の手駒として使えるように杭に細工をした。己の血が、骸へと染み込むような仕掛けがあったのだ。
「なら、炎が効いたのは……」
「血が蒸発したんだわ、そう考えれば理解できる……けど……」
 クレアの疑問に答えたクリスティアーネは、だからこそ思う。本当に、それだけなのだろうか? それだけで、このスケルトンの群れがこれほど動くものなのか……まだ、要素が一つか二つ、ありそうな気がしてならないのだ。
「だとすれば、私も一つ疑問があります」
 美月は、口にする。謎を解くための、最後の1ピースを。

「そもそも、ここに杭を立てて屍を並べたのは何者なのでしょうか?」

 ウォルム自らが、これほどの数を一つ一つ並べていったのだろうか? その疑問に、猟兵の仲間達は、口を揃えて「否」と答えた。暴君が、そんな勤勉な事をするとは思えない――それが、皆の共通認識だった。
 だからこそ、その答えを探していたヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)は、一人でしきりにうなずいていた。
「ふむ、なるほど。なかなかに興味深い」
 その視線の先にいるのは、鴉だ。カァカァとしか鳴いているように聞こえないが、その言葉の意味をヴィゼアは理解していた。
「何か、情報は掴めたか?」
「ああ、面白い話が聞けたよ」
 ミハル・バルジライ(柩・f07027)の問いに、ヴィゼアはうなずく。
「あの杭と屍を植ていたのは、あそこで暴れているモノより一回りは大きいスケルトンのようだね」
「なら、それがこの状況を生み出している張本人か」
「その可能性はある」
 ヴィゼアもミハルも、そんなスケルトンは目撃していない。だとすれば、いるはずだ。あのスケルトンの群れの向こうに。
「ならば、行こうか」
「そうしよう」
 ミハルとヴィゼアが、動き出す。この情報が猟兵達に伝わり、暴虐の丘での戦いは最終幕へと至った。

●呪詛は歌う
「歌声に応えろ、力を貸せ。俺の望みのままに」
 セリオスは光を纏った純白の剣を構えた。迫るスケルトンに切っ先を向け、セリオスは言い放つ。
「向かって来る骸、来る前の骸。全部全部燃やして眠らせてやる、それが俺の望みだ。さあ叶えろ」
 セリオスの望みを叶える呪い歌(アズ・アイ・ウィッシュ)によって、剣が炎の力を宿した。赤く揺らめく輝きを宿した星の瞬きを手に、セリオスは疾走。横一文字に振り払った燃える衝撃波が、スケルトン達を薙ぎ払っていく!
「なるべく早くこの酷い状況から解放して炎の歌で送ってやろう。それがせめてもの手向けだ」
 止まる事なく、セリオスは真っ直ぐに丘を駆け上がっていく。その前に立ち塞がろうとするスケルトン達に、アルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)が動く。
「やれやれ、悪趣味な事だ。いや、だからこそ……のヴァンパイアか」
 ヒュオン、とフック付きワイヤーを巧みに操り、アルノルトはスケルトン達をひとまとめに拘束すると、そのまま引いた。スケルトン達は踏ん張ろうにも、一体が体勢を崩せばそれに巻き込まれて体勢を崩すのみだ。
「君達も被害者なのは判っているけれどね。新たな犠牲を出すのであれば排除させて貰うよ」
 アルノルトは倒れて砕け散ったスケルトン達を、振り返らない。そのまま、仲間の後を追って駆け出した。
「あまり現場から離れたところにあるとも考えにくいです。ならば、このスケルトン達が密集しているところに――」
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)が、スケルトン達を振り切るように走っていく。
「あれは――!」
 宵が、気付く。複数の杭が突き刺さった場所、そこを背にするようにスケルトンの群れが壁を作っている事に。そして、そこに転がる骨は――明らかに、通常の人間のそれより大きい。
「そこですか!」
 ――宵は、見る。ガシャガシャガシャガシャ! と瞬く間に骨が組み上がり、体長三メートル近い巨体のスケルトンが立ち上がるのを。
「あれです! 間違いありません!」
「はーい!」
 宵の言葉に答えたのは、ウェンディ・ロックビル(能ある馴鹿は脚を隠す・f02706)だ。スケルトンを足場に跳躍したウェンディに、スケルトン達は手を伸ばす。その骨の指が届く寸前、ゴォ! とスケルトン達が、粉微塵に砕け散った――フラウロスの黒爪による一閃だ。
「行くが良い!」
 そして、横から吹き荒れる炎。蓮とカイルだ。
「ここはボク達に任せて!」
「スケルトンはこちらで引き受けます」
「うん、よろしくねー」
 ウェンディは仲間達にスケルトンを任せ、駆け出した。その横に、星噛・式(赤水晶・f10488)が並んだ。
「勝負は一瞬。一撃離脱ってね」
 ウェンディと式が、加速する。振り返らない、迷わず惑わず、加速する。そのための道を、仲間が切り開いてくれるからだ。
「おらァ! 邪魔すんなァ!」
「名残惜しいデスガ、眠る時間デスヨ……」
 右から京次郎が、左からヴォルガーレが、まるで小石でも吹き飛ばすように斧によってスケルトン達を蹂躙する。降り注ぐ骨は、美月の砲撃が更に砕いていく――戦場のごとく爆音が鳴り響く中、四本の杭を構え巨体スケルトンが猟兵達を迎え撃った。
 ヴォン! と人間一人を軽く串刺しにする杭が、投擲される。一本目の杭をクリスティアーネが慈悲深きエヴェリーナで断ち切り、二本目の杭をセリオスの星の瞬きによる斬撃が燃やし尽くす。
「行って」
「終わらせて来い」
 だが、巨体スケルトンの投擲は終わらない。すぐさま、三本目と四本目を投げ放つ!
「させるとでも?」
 その二本の杭を、アルノルトの放った枷が拘束。二本まとまった瞬間――!
「傘すら貫く雨を与えん」
 ヴィゼアが放った鎌鼬属性の高気圧弾、爆轟(バクゴウ)がまとめて切り刻んだ。
 ウェンディと式が、跳躍する。それに、巨体スケルトンは傍らの杭に手を伸ばし――バシュ! とロープによって拘束される。ミハルの咎力封じだ、
「もう、静かに眠れ」
 ミハルの言葉が、巨体スケルトンに届いただろうか? 降魔化身法で強化した式とウェンディの跳び蹴りが、巨体スケルトンを捉え粉砕した。

●そして、館へと
 巨体スケルトンが倒れたのと同時、スケルトンの群れが崩れていく。
「君達の悪夢、村の人たちの悪夢、それはもう終わるから、おやすみ? 勇気ある人だったもの」
「断罪者たる我より名も知らぬ勇敢だった者共へ。その魂に永き安寧のあらんことを」
 アルノルトは誓い、クリスティアーネは祈った。これは、ただの第一歩――この悲劇を繰り返さぬために、猟兵達は先へと急ぐのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暴虐の館
 丘を登れば、そこには古びた屋敷があった。その鋼鉄の門へと至ると、狂ったような笑い声が猟兵達を出迎えた。

『ギャハハハハハハハハハハハハハ! ここにたどり着いたヤツは何匹かいたが、初めてだ! 全部駆逐して来たヤツはなァ!』

 姿は見えない。しかし、声は屋敷からするのは確かだ。

『歓迎するぞ。我が名はウォルム・サマーヘイズ、ヴァンパイアである。私は屋敷の部屋にいる、用があるのならここまで来るが良い。ただし――』

 ニヤリ、と顔が見えなくても笑ったのがわかる声色で、ウォルムは告げる。

『――屋敷内には、我が従者たる亡者達がいる。連中に案内するような知能はない。お前達を殺しにかかったとしても、笑って許すがよい。殺されず、私の元へ来る事を期待しているぞ』

 ギ、イ……と、屋敷の門が開く。それは、歓迎の意志だ。この先に踏み入るのならば、相応の覚悟が必要だ。
アルノルト・ブルーメ
誓ったからね、彼らに……
此処を抜けて、奴を倒さなければ嘘になってしまう

屋敷内を物陰を利用しながら慎重に移動
敵と遭遇したらフック付きワイヤーで攪乱しつつ攻撃
可能ならば足元を狙って動きを止める
また、亡者を生み出されないよう対策として
四肢を引き裂くように攻撃

篝火の炎もワイヤーで自身の身に当たらないように叩き落とし
咎力封じで回避もさせないよう行動する

悪いけれど、君達に用はない
僕達が用があるのはウォルム・サマーヘイズ、ただ一人
案内は不要だよ
一足先に逝って、彼を待つと良い……

屋敷の奥、亡者の数が多い方向に奴が居ると想定してそちらに向かう。
尚、単独行動は避けて移動と戦闘を行う


フラウロス・ハウレス
くくっ。尊大な物言いといい、こちらを歓迎するそぶりといい、如何にもヴァンパイアらしいヴァンパイアよ。
良いぞ、いつまでその威勢が保たれるか、非常に楽しみだ。

しかし、尖兵はやはり亡者どもなのだな。
表の雑兵とは違い自ら火を用いるようだが、動物ではない妾にとって炎なぞ恐るるものではない。
来い、亡者ども。妾にすり潰される栄誉をくれてやろう!

何、至って簡単だ。
力一杯殴りつける。ただ、それだけだ。
耐えられるものなら耐えてみせよ!
簡単に潰れてもらってはつまらないがな!!

彼奴が居るのはこの奥か。
さあ、ご対面と行こうか、ヴァンパイア!
貴様が招いたものが、貴様を蝕み殺す猛毒であったと思い知らせてくれようぞ!!


結城・蓮
やれやれ、火に弱い亡者の後は火を操る亡者たちか。
ウォレムとやらは、本当に一筋縄ではいかない相手のようだね。

ま、だからと言って臆する訳にもいかない。
臆するつもりもないしね。
流石に敵が強いほど喜ぶような気質は持ち合わせてはいないけれど。

まずは手始めに炎熱の手札をばら撒いてみようか。
こいつらも亡者なら、火で焼いて沈静化されればそれに越したことはない。
先の亡者みたいに血で操ってるなら熱し飛ばせばいい。

とはいえ、逆に火をばら撒かれ続けたらたまったものじゃないからね。
無明の絃でその動き、絡め取らせてもらおう。
炎で倒れないようであらば、倒すのは味方に任せて、ボクはひたすら阻害し続けよう。


クレア・ベルディモード
(未熟者っぽく描写してくださると嬉しいです)

何処までも傲慢な……!聖女が助走つけて殴るれべ……コホン!
聖女様すらお怒りになるわ!!

それにしても亡者か……彼らも犠牲者なのかしら…………。
ううん、ダメね、考えすぎても良くないわ。
どちらにせよ倒さない事には前には進めないんだから……。
覚悟を決めて、いくわ。

相手の数が多いなら、この魔法はどうかしら?
《来れ我が忠実なる剣の騎士よ》呼び出した剣の掃射で敵を仕留めるわ!
ふふっ、私だってやれば出来る…………えっ、倒したはずの敵が起き上がってくる!?
な、ならもう一度倒すまでよ!!


ミハル・バルジライ
亡き者は悼まれるべき存在だが、生者の領域を侵すならば容赦はしない。
手引きはしてやろう、粛々と土へ還るが良い。

他の猟兵達と連携を心懸け、不意を打たれないよう扉や調度品等の物陰へも気を配る。
戦況への警戒も怠らず、不利に傾くことのないよう敵の布陣や戦法に応じて味方のフォローを。

戦闘時は篝火の影に触れぬよう敵の手を見切り乍ら。
亡者の姿に架けるならば、拷問具も何らの違和感を呼ぶものではないな。
未練の消える迄、微かな傷口も抉り穿ち、咎力封じを以て現世に磔にしてやろう。

灰となるも塵となるも、暴虐に支え穢れを重ね続けるよりは良かろう。
冥途で主を待っていろ、案じずとも然程の時間は掛かるまい。


セレニィ・ヴィルギニス
「力で無理矢理押さえつけるなんて……そんなの、統治なんて言わない。皆が幸せになるようにするのが、上に立つ人の仕事でしょ!
そのためにも、私が突破口を開いて見せるわ!」

出来るなら他の人と一緒に、敏捷性を生かして前線に突撃。「空中戦」を利用しながら縦横無尽に動き回って、敵陣の撹乱に努めるね。
熱線銃の有効射程範囲内に敵がいたら、「零距離射撃」を乗せた「クイックドロウ」で攻撃。どれだけ攻撃が予想されてても、避けきれない位の速さで撃てば当たるはず。
奥への道が開いても、残敵がいれば掃討に、いなくても警戒のため、その場に残るわ。

「さぁ、ここは私達に任せて!あんな奴、絶対にぶっ飛ばしてきてね!」


星噛・式
SPDで対応

屋敷の中にはいたるところに亡者がひしめいていた

「これだけの亡者がいるなら吸血鬼の城というより亡者のさあなってとこだな」

インビジブルキングダムステップを発動し華麗に篝火の作り出す影を回避しながら一体一体確実に仕留めて行く

「吸血鬼って奴は亡者やスケルトンが外敵から守ってくれる安心できる場所にしか住めないのかねぇ。高貴な存在が聞いて呆れる」

「今は声だけだが顔を拝むのが楽しみになってきた。さぞ高貴が溢れ出る様な顔なんだろうな」

そう考えるとこの仕事が当たりにすら思えてくる彼女だった


ヴォルガーレ・マリノ
屋敷の主の部屋ともなれば…私は上の階を中心に探してみます
違っていたとしても
その道すがら亡者達の数を減らせれば
他の方達の探索の助けになるかと…
…やはり
この亡者達も外にいた方々と同じなのでしょうか…

柱等の陰に身を潜めながら慎重に探索します
出来たら手分けして少人数で動けると良いですね
亡者に見つかったら撒いたりせず戦います

【POW】使用
【深紅の返礼】(命中率重視)にて【先制攻撃】を仕掛け
その勢いのまま【二回攻撃】や【鎧砕き】で威力を稼ぎます
避けにくい攻撃は無理に回避しようとせず【捨て身の一撃】を行います

刻んであげマス…黒ずんだその体に…真っ赤な印ヲ…
ワタシに走るこの切ない熱…アナタも感じてくだサイ…!


セリオス・アリス
想像以上に品がないヤツだな
礼儀も…まあなっていたらあんなモノを飾ったりしないか

屋敷に入り亡者を見つけたら腰を屈めて『ダッシュ』
さぁ!『先制攻撃』といくとしようか…!
「お前らに用はない。さあ道を開けろ!」
チャントを歌い剣に水の魔力を強く込め攻撃力重視で斬りつける

炎を篝火から飛ばすなら、その篝火…持てなくしてやるよ
踏み込んだ勢いを蹴りに乗せて
腕狙いだ
『武器を落とさせる』

お前らも元は村人だったのかどうか…確かめるすべはもうないが
眠りだけは平等だ
安らかに逝け

アドリブ歓迎


カイル・アルガスト
手荒い歓迎は特に望んではいないんですけどね。
出来ればささやかな宴程度であればありがたいのですが。

さて、それにしてもまた数が多い。
篝火ということであれば、今度は水攻めと行きましょうか。
一気に流してしまえば、他を操る個体も残らないでしょう。
内部の掃除にもなって一石二鳥でしょう。
今回も制御できるように善処はしますが、皆さん、巻き込まれないようにご留意を。

後々の売却を考えるのであれば、ハウスクリーニングも大事ですよ。
もっとも、後片付けは城主にお任せしますけどね。
そもそも私は清掃業者ではないですから。


逢坂・宵
亡者、ですか
彼らはどこまでも悪趣味ですねえ
ですが、命のないはずのものが動いていると考えると
僕たちヤドリガミに近いものは感じますね
……悪い意味で

篝火の作るに触れない、踏まないよう
みなさまに注意を喚起しつつ
僕も細心の注意を払って、戦場の様子をじっくりとみていきましょう

特に、敵に接近することが多い前衛の面々の
動きのサポートになるよう、
不意打ちや背後からの攻撃等の対策を行い、
援護に回ります
属性攻撃、全力魔法を乗せて
天撃アストロフィジックスで応戦しましょう



●冒涜の館
 ウォルム・サマーヘイズの笑い声が、風にかき消えていく。姿の見えない吸血鬼へ、セレニィ・ヴィルギニス(イグニッション・チェイサー・f10684)は言い放った。
「力で無理矢理押さえつけるなんて……そんなの、統治なんて言わない。皆が幸せになるようにするのが、上に立つ人の仕事でしょ! そのためにも、私が突破口を開いて見せるわ!」
 声が届かないのはわかっている、それでもセレニィは言わずにはいられなかった。オブビリオンの手によって、理不尽に苦しむ人々を救う――セレニィは、そう誓ったのだから。
「くくっ。尊大な物言いといい、こちらを歓迎するそぶりといい、如何にもヴァンパイアらしいヴァンパイアよ。良いぞ、いつまでその威勢が保たれるか、非常に楽しみだ」
 一方、笑みを浮かべるのはフラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)だ。余裕とはまた違う、あまりにも憎むべきヴァンパイアの典型であるウォルムに対して、歓喜に近い殺意を抱くからこその笑みだった。
「手荒い歓迎は特に望んではいないんですけどね。出来ればささやかな宴程度であればありがたいのですが――」
 カイル・アルガスト(ドラゴニアンの精霊術士・f05742)の目の前で、巨大な扉が勝手に開いていく。館の主は、嘘をつかない――これから訪れる者を、歓迎しているのだ。
 そこは、非現実的な美しさの屋敷だった。入ってまずあるのは、エントランスホールだ。真正面には階段があり、踊り場からは左右に階段が伸びている。左右対称、わずかな狂いさえない、病的なまでに計算された構造がそこにはあった。
 そして、非現実的な美しさを際立たせるのは天井と床だ。豪奢なステンドグラスの天窓と床に描かれた円は、天と地が描写されていた。ただ、一般的な天と地とは違い、踏みしめる地上に天使が杭で貫かれた血まみれの天が描かれ、天窓のステンドグラスに地獄の光景が描かれていた事だろう。
「想像以上に品がないヤツだな。礼儀も……まあなっていたらあんなモノを飾ったりしないか」
 セリオス・アリス(ダンピールのシンフォニア・f09573)は、迷わず床の絵を踏みつけた。
「何処までも傲慢な……!聖女が助走つけて殴るれべ……コホン! 聖女様すらお怒りになるわ!!」
 クレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)が我慢ならない、と階段の方へと歩き出した、その時だ。
「――!」
 セリオスが、既に動いていた。階段の踊り場へと降り立った薄汚れたローブをまとう影――篝火を持つ亡者が炎を掲げるよりも早く、セリオスがダッシュで踊り場へと一気に駆け上がっていた。
「お前らに用はない。さあ道を開けろ!」
 チャントを歌い、星の瞬きへと水の魔力をまとわせてセリオスが振り抜いた。

●迫り来る亡者の炎
 セリオスの斬撃を、紙一重で篝火を持つ亡者が受け止める。しかし、篝火の杖が半ばから断ち切られ、亡者は深々と切り裂かれた。
 即座に、篝火を持つ亡者は赤々と燃える炎を撃ち返す。セリオスがそれを横にステップしてかわすと、クレアの足元へと炎が着弾した。
「わわ!?」
 クレアが驚き、一歩二歩と後退する。それを見て、結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)が呟いた。
「やれやれ、火に弱い亡者の後は火を操る亡者たちか。ウォレムとやらは、本当に一筋縄ではいかない相手のようだね」
 炎熱の手札をばら撒き、蓮は左右の手を振るう。手の動きに呼応するように舞う燃えるトランプが、篝火を持つ亡者へと突き刺さっていった。
「――――」
 それでも、亡者は怯まない。そんな感情も本能もないのだ、亡者はただ生命を奪うために動く――だが、頭上からの声にその動きが不意に止まった。
「誓ったからね、彼らに……此処を抜けて、奴を倒さなければ嘘になってしまう」
 亡者の頭上、ワイヤーによって宙を跳んだアルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)が言い捨てる。ヒュオン――! とアルノルトが操るワイヤーがローブの下の亡者の四肢に絡みつき、切り飛ばした。
「悪いけれど、君達に用はない。僕達が用があるのはウォルム・サマーヘイズ、ただ一人……案内は不要だよ。一足先に逝って、彼を待つと良い……」
 アルノルトが踊り場に降り立った瞬間、カイルが生み出したエレメンタル・ファンタジアの津波が亡者の体を押し流し、押し潰した。
「後々の売却を考えるのであれば、ハウスクリーニングも大事ですよ。内部の掃除にもなって一石二鳥でしょう」
 カイルは言い捨て、視線を上げる。踏み抜けになった二階の手すりの向こう、左右から篝火を持つ亡者達が現れたからだ。
「もっとも、後片付けは城主にお任せしますけどね。そもそも私は清掃業者ではないですから」
 その言葉の意味がわかった訳ではないだろう、しかし、侮辱と受け取ったのかカイルへと炎が集中した。その炎を防いだのは、フラウロスの振るわれた黒爪とミハル・バルジライ(柩・f07027)の拷問具だ。
 目の前で散る火の粉越しに亡者を見上げ、ミハルは静かに告げた。
「亡き者は悼まれるべき存在だが、生者の領域を侵すならば容赦はしない。手引きはしてやろう、粛々と土へ還るが良い」
「表の雑兵とは違い自ら火を用いるようだが、動物ではない妾にとって炎なぞ恐るるものではない。来い、亡者ども。妾にすり潰される栄誉をくれてやろう!」
 フラウロスが高らかとそう言い放つと、屋敷中から殺意が殺到してくる。こちらの戦闘音を聞いたのだろう、集まったとしても捜す手間が省けたとしか思わない――。
 ――それは、まさに葬列だ。薄暗い屋敷を照らす篝火を手に、亡者達が集う。亡者が集まる姿に、星噛・式(赤水晶・f10488)が言った。
「これだけの亡者がいるなら吸血鬼の城というより亡者の巣穴ってとこだな」
 その感想への返礼は、無数の炎だ。式は、その炎をインビジブル・ステップの跳躍によって回避していく。二階の高さ、自身へ篝火を向ける亡者達を式は一瞥した。
「吸血鬼って奴は亡者やスケルトンが外敵から守ってくれる安心できる場所にしか住めないのかねぇ。高貴な存在が聞いて呆れる。今は声だけだが顔を拝むのが楽しみになってきた。さぞ高貴が溢れ出る様な顔なんだろうな」
 そう思えば、この仕事が当たりにすら思えてくる――悪を断罪するために、式は己の赤水晶の体を炎の揺らめきで輝かせ、亡者達へと迫った。

●生命の炎はそこに無く
 手厚い歓迎、確かにそこに嘘はなかった。異常なまでに熱心に、篝火を持つ亡者達は猟兵達へと襲いかかった。
(「それにしても亡者か……彼らも犠牲者なのかしら…………ううん、ダメね、考えすぎても良くないわ。どちらにせよ倒さない事には前には進めないんだから……」)
 クレアは自身に向かってくる亡者に、思いを馳せる。あのウォレムの手にかかった者だとしたら、この亡者も犠牲者なのではないか? その考えを、今はクレアは頭を左右に振って払った。
「覚悟を決めて、いくわ」
 無銘の魔法剣の切っ先を亡者へと向け、クレアは言い放つ!
「来たれ我が騎士、影の剣! ……総員、突撃せよ!!」
 ヒュガガガガガガガガガガガガガガッ! と、クレアの号令に従い、背後に召喚された魔法剣が亡者へと降り注いだ。クレアの来たれ我が忠実なる剣の騎士よ(ナイトソード・ファランクス)に串刺しにされ、亡者の動きが床へと縫い止められた。
「ふふっ、私だってやれば出来る…………えっ」
 安堵の笑みを浮かべた直後、クレアが驚きの声を上げる。串刺しになったはずの亡者が倒れ、新たなる亡者を生み出したのだ。
「な、ならもう一度倒すまでよ!!」
「おっと」
 クレアが身構えた瞬間、新たな亡者の背後に降り立つ者がいた――セレニィだ。セレニィは熱線銃を亡者の後頭部へと突きつけて、迷わず引き金を引く。ドン! と頭部を失い、砂細工のように亡者が消え去った。
「あ、ありがとう……」
「気にしないで」
 礼を言うクレアに、セレニティは笑みで返す。実際、エントランスホールは乱戦になっているのだ。襲いかかってくる亡者に、猟兵達は手当たり次第に反撃、粉砕していた。
「亡者、ですか。彼らはどこまでも悪趣味ですねえ。ですが、命のないはずのものが動いていると考えると僕たちヤドリガミに近いものは感じますね」
 ……悪い意味で、と言い捨てたのは逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)だ。
「耐えられるものなら耐えてみせよ! 簡単に潰れてもらってはつまらないがな!!」
 フラウロスのアースシェイカーの一撃が、屋敷の床ごと亡者達を吹き飛ばしていく。倒しきれず立ち上がる者、倒れた亡者から新たに生み出された者、その動きを見極め、宵が動いた。
「太陽は地を照らし、月は宙に輝き、星は天を廻る。そして時には、彼らは我々に牙を剥くのです。さあ、宵の口とまいりましょう」
 ヒュオン! と宵が射放った星属性の流星の矢が、すかさず亡者達を撃ち砕いていく!「お前らも元は村人だったのかどうか……確かめるすべはもうないが、眠りだけは平等だ――」
 セリオスが炎を放とうとした亡者の篝火を蹴り上げると、すかさず水の魔力を込めたエールスーリエから魔導蒸気機械を作動させ、踵を落した。
「――安らかに逝け」
 亡者を踏み砕き、セリオスは次の亡者へと視線を向ける。襲いかかろうとしていた亡者は、蓮の操る非常に細い強固な糸に絡み取られ、体の動きを封じられた。
「これは本業じゃないんだけど……これが見えるかな!」
 更に見えない糸、無明の絃(ブラインドコード)で亡者を蓮が縛り上げ――ミハルの咎力封じによって磔にされた。
「灰となるも塵となるも、暴虐に支え穢れを重ね続けるよりは良かろう。冥途で主を待っていろ、案じずとも然程の時間は掛かるまい」
 灰になっていく亡者へ、ミハルは視線を向けずに告げる。アルノルトはワイヤーを操り、ミハルの横へ降り立った。
「……向こうはどうかな?」
「問題ないわ」
 アルノルトの疑問に、セレニィは確信を込めてうなずいた。

●冒涜の扉

 ――さぁ、ここは私達に任せて!

 セレニィの言葉が、耳にまだ残っている。ヴォルガーレ・マリノ(天真なるパッツォ・f03135)は、一人仲間に亡者達を任せて進んでいた。
 物陰に隠れ、ヴォルガーレが目指すのは上だ。
「刻んであげマス……黒ずんだその体に……真っ赤な印ヲ……ワタシに走るこの切ない熱……アナタも感じてくだサイ……!」
 立ち塞がる亡者を、ヴォルガーレが獣がごとき鉤爪で引きちぎっていく。悲鳴はない、手応えさえ薄い――だから、思わずにはいられない。
(「……ヤハリ、この亡者達も外にいた方々と同じなのデショウカ……」)
 戦いで身を焦がす歓喜、亡者へと感じる切なさ、それらが複雑な感情となってヴォルガーレの胸をかきむしる。唯一の救いは、目指していた先に亡者が少なかった事か。
 やがて、ヴォルガーレは一つの扉へとたどり着く。あまりも大きい、二階分はありそうな扉――その先に、この切ない熱の元凶がいる。理屈ではなく本能が、ヴォルガーレへとそう告げていた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●冒涜の主
 扉は、猟兵達が望めば重い音と共に、開いていった。
 そこにあったのは、玉座だ。しかし、そこに臣下はいない。称える者など必要ない――何故なら、他者の追認など必要なく、己が絶対の支配者である事を知っているからだ。

「よく来た。いい座興であった」

 玉座から、立ち上がる者がいた。ウォルム・サマーヘイズ――絶対支配者の、吸血鬼だ。その振る舞いに、傲慢な笑顔に、そして心身に、自負が満ちていた。そして、そうするに足る『力』を彼は持っているのだ。
「二言はない、歓迎しよう。さぁ、せいぜい楽しめ――そして、楽しませろ。もはら我が無聊を慰めるのは、悲鳴と絶望だけなのだ!」
 ウォルムが牙を剥いて笑い、猟兵達も元へと真紅の絨毯を歩き始めた……。
アルノルト・ブルーメ
座興、ね……
傲慢で不遜で、どうしようもないね
けれど、それも今日ここでおしまいだよ?
僕達はね、酷く醜いお前の支配を終わらせる為に来たのだから

血統覚醒を使用して戦闘
先制攻撃で一撃
出鼻を挫けるのであれば僥倖

契約書もブレイドもフック付きワイヤーで引き裂いてあげよう
蝙蝠も切り裂いてあげるよ
フック付きワイヤーを多用して行動し
皆の攻撃が通り易いように可能な限りウォルムを撹乱


まぁ、皆怒っているからね……?
己の傲慢さに慢心していると足元を掬われるよ
今、この時のようにね?

補足
血統覚醒使用時は深紅の瞳のヴァンパイア
また、真の姿もほぼ同様

ルールに関しては威力の高低不問で無視する構え


星噛・式
SPDで対応

吸血鬼を前にして張り詰めた空気が流れて一触即発の状態

流石に式も余裕をかまける相手ではないことはわかっているため手首から流血させ悪鬼を憑依させ始めから全力でかかる

「あんたを舐めてるわけでもないし下に見てるわけでもないが、この戦いの結果は俺の勝利で変わらない」

飛んでくる剣を手裏剣で撃ち落とし牽制しながらタイミングを計り好機を狙う

「悪の華が栄えた試し無しってね。無実の人を殺した罪、あの世で償いな」

相手の隙を狙い一瞬で距離を詰め一撃で仕留めにかかる

「吸血鬼が偉いかどうかは知らんが、少なくともあんたが悪い吸血鬼なのはわかる」


ミハル・バルジライ
強者たる自負を抱くのは良いが、其の驕りが弱者へ矛先を向けさせるのならば断たぬわけにはいくまい。

如何に華麗に武器を操るとて、全て見切り躱せば問題は無い。
大道芸を見せる心算はないのだろう、と煽る言葉に呪詛を込め、余裕に満ちた其の顔を枷に見合う面構えに変えてやろう。

攻撃の際はフェイントを交え咎力封じを以て。
上に立つ者の誇りや自負を否定する気は更々無い。
だが其の振る舞いが地に堕ちたならば、獄に繋がれ処刑台を仰ぐ覚悟を持たねばならない。
己が館を墓標と成すだけ幸いに思うが良い。


逢坂・宵
お初にお目にかかります
このたびの座興、お気に召していただけたようで嬉しく思います
―――ですが、我々は貴方を楽しませるためにやってきたのではありません
あなたを打ち倒すために来たのです
楽しませて差し上げましょう
しかし、最後に立ち、笑うのはどちらか―――
しかと、その目で見届けていただくのが良いかと存じます

「属性攻撃」、「全力魔法」を用いて戦います
もし可能であれば「2回攻撃」、「破魔」なども狙っていきましょう
真の姿をあらわしまして、
天撃アストロフィジックスで攻撃を行います

人に希望を、空に陽を、夜に星を
貴方の居場所は、ここにはありません


フラウロス・ハウレス
くくく……待ち焦がれたぞ、ウォルム・サマーヘイズ!
その立ち居振る舞い全てが癪に触る……!
良いぞ、貴様こそ我が獲物に相応しい!全力で喰らってくれよう!!

わかるぞ、このものは紛う事なき強敵だ。
故に、手抜きはして居られぬな!
血脈覚醒し忌々しき吸血鬼の姿に戻りつつ、真の姿を解放し黒風鎧装で黒き風を纏う。
ここからは全て【捨て身の一撃】だ。攻撃ごとに【吸血】【生命力吸収】し体力を補いながら、流れる血潮は全て≪ブラッド・ガイスト≫で黒爪に喰らわせる!
妾にこの姿を取らせた事、光栄に思え!
我が命を喰らえ黒爪!彼奴に死の恐怖をくれてやれ!!

我が名はフラウロス・ハウレス!吸血鬼を狩る者、そして運命の反逆者である!


ヴォルガーレ・マリノ
残酷非道の暴君、ウォルム・サマーヘイズ
アナタを討つ事がワタシ達に課せられた使命
悲しみの連鎖を断ち切る為にもお命、頂戴しマス…
(…でもごめんなサイ…
ワタシの胸は今とても高鳴ってルノ…
この昂りを静められるのは最早アナタだけなんデス…!)

【ブラッド・ガイスト】を早い段階で使いマス
流れる血潮の熱さに…どうにかなってしまいそうだカラ…!
【見切り】を使い回避が成功したら【二回攻撃】や【鎧砕き】を
繰り出しマス
アア…この感触…やっぱりこうでなくチャ…!
回避し辛い攻撃は【武器受け】で受け止めるか【激痛耐性】で耐え
【捨て身の一撃】で返しマス
そう…戦いとはこの痛みの応酬にこそ…意味がある…!
凄く気持ちイイでスヨ…!


カイル・アルガスト
さて、元締めとのご対面というわけですが、ずいぶんと自信家のようですね。もう少し謙虚さがあるといいと思いますよ。

だいぶ派手にやってしまった感もありますし、今回はヒーラーに徹しましょう。


クレア・ベルディモード
ウォルム・サマーヘイズ!あなたの圧政もここまでよ!!

とうとう親玉……これ以上の犠牲者を出さないためにも、頑張らないと!!
剣を構えて突撃するわ!
相手の方が強いのは分かり切ってる……でも、私にも意地がある!
たとえ攻撃が届かないとしても、前にでて囮として攻撃を引き付けるだけでも皆の約に立てるはず……【武器受け】【フェイント】【時間稼ぎ】……出来ることはなんだってやるわ!
少しでもみんなの約に立たないと……!

(未熟者らしい描写歓迎。誰かに助けられたり、仲間の凄さに驚いたり、敵の強さを示すやられ役等)


結城・蓮
お待たせしたね、唾棄すべき冒涜の主。それとも似非串刺し公とでも呼べばいいかな?
まあいいや。我々猟兵は、キミのような恐怖の王は歓迎しない。
子供達の笑顔のため、ここで朽ちて頂こう。

真の姿を開放し、目の色を反転させた鏡像を生み出そう。
一切の出し惜しみの余地もないからね。
「「さぁ、ショウタイムだ!」」

使える手札はなんでも使う。
二人同時の炎熱の手札であったり、片方が無明の絃で拘束しているところに透明化からの【だまし討ち】であったり。
なんなら二人で拘束して味方に強打を入れてもらっても良い。

悪いけど、キミの無聊を慰めようとは誰も思っちゃ居ない。
無聊を託つくらいなら未練なくこの世を去ってくれないかな!


寺内・美月
『マサクゥルブレイド』を相殺するために『完全管制制圧射撃』を発動。複製した【ACR小銃】にて【豪奢な刀剣】を防ぐ。
※この時『SSW式治療レーザー』にて、味方を回復させつつ剣を迎撃する。
『クルーエルオーダー』の発動を確認したら、あえて身代わりとなる。その後すぐにルールを破って『真鋭なる双刀の魂』を発動する。


セリオス・アリス
俺は、もう二度と、お前らを楽しませる気はねえ…!
「勝手に自分の悲鳴を楽しんでろッ!」
素早く呪い歌を歌い『ダッシュ』と加速で『先制攻撃』
横に薙いだ剣を返して『2回攻撃』する
相手の攻撃は『第六感』を最大限に使って『見切り』当たらない様に
『カウンター』を狙って斬撃派を叩き込む
しかし…小雨みたいな剣でもチラチラされちゃあ煩わしいな
「その動き止めてやる…!」
氷の『属性攻撃』で斬撃を飛ばし剣を狙う

相手に余裕が無くなってきたら
『挑発』してやる
「ははっ、どうだ。楽しめてるか―…?」
怒りで単調な攻撃ほど『カウンター』をぶち込みやすいからな


クリスティアーネ・アステローペ
無駄と贅沢は貴族の嗜みで義務だなんて言うことですし
別の種族をどう扱おうと戯れでしかないのは確かよね
…とはいえ、家畜を潰すことのみが趣味、というのは少なからず恰好が悪いのではなくって?領主様
もう少し取り繕ってくださればよかったのに


それなりに面白い玩具でしたけどもう十分
過去は過去へ。骸の海へと還しましょう

高速詠唱からのウィザードミサイルを牽制に距離を詰めて
慈悲深きエヴェリーナによる白兵戦

相手の体勢を崩したところで
《咎を穿て、赫き杭》を起動

ああ、そうだわ元領主様?
貴方の血、頂いてもいいかしら?
頂けるのなら最期、介錯して差し上げるけれど
そう――
(答えに関わらず微笑んで。首筋に口付けるようにして《吸血》



●冒涜の戦い
 歩を進めるウォルム・サマーヘイズに、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は柔らかな笑みで一礼した。
「お初にお目にかかります。このたびの座興、お気に召していただけたようで嬉しく思います」
「ほう、少しは礼儀を知る者がいるか」
 ウォルムは、口の端を持ち上げる。その笑みには、嘲りしかない。
「―――ですが、我々は貴方を楽しませるためにやってきたのではありません。あなたを打ち倒すために来たのです。楽しませて差し上げましょう。しかし、最後に立ち、笑うのはどちらか―――しかと、その目で見届けていただくのが良いかと存じます」
「そうか、許す――」
 ウォルムは豪奢な刀剣を大量の複製、己の背後へと並べる。それはまさに、王が率いる軍勢のごとき威風を放っていた。

「さぁ、我を楽しませろ!」

 ヒュガガガガガガガガガガ! と降り注ぐマサクゥルブレイドの軍勢。それを迎え撃ったのは、星噛・式(赤水晶・f10488)が手首から流血させ悪鬼を憑依させ放った手裏剣だ。
「あんたを舐めてるわけでもないし下に見てるわけでもないが、この戦いの結果は俺の勝利で変わらない」
 ギィン! とウォルムと猟兵達の間で、火花が散った。剣が、手裏剣が、空中で砕け散る――その中で、血統覚醒により深紅の瞳を輝かせ吸血鬼化したアルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)がViperを振るった。
「座興、ね……傲慢で不遜で、どうしようもないね。けれど、それも今日ここでおしまいだよ? 僕達はね、酷く醜いお前の支配を終わらせる為に来たのだから」
 ウォルムの右腕に、Viperが巻き付く。ウォルムはそれを一瞥すると、ワイヤーを掴みただ引っ張った。
「――ッ!」
 引っ張る、それだけでアルノルトの体が宙を舞う。成人男性としても背の高い方のウォルムだが、この腕力は異常なのだ。これがヴァンパイア、ダークセイヴァー世界を完全に支配下においた種族の能力、その一端だ。
「くくく……待ち焦がれたぞ、ウォルム・サマーヘイズ! その立ち居振る舞い全てが癪に触る……! 良いぞ、貴様こそ我が獲物に相応しい!全力で喰らってくれよう!!」
 フラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)が笑い、黒爪を構えた。
「わかるぞ、このものは紛う事なき強敵だ。故に、手抜きはして居られぬな!」
 フラウロスが黒き風をとなって、一気にウォルムへと迫る。下から切り上げる黒爪を、ウォルムは踏みつけるように足で受け止めた。
「まったく、飽き飽きだ。お前らのような輩は、どこにでも湧いてくる」
 ウォルムの拳が、フラウロスへ振り下ろされる。しかし、フラウロスは黒爪を床に突き立て、そこを起点に横滑り。ウォルムの砲弾のような拳を掻い潜った。
「お待たせしたね、唾棄すべき冒涜の主。それとも似非串刺し公とでも呼べばいいかな? まあいいや。我々猟兵は、キミのような恐怖の王は歓迎しない。子供達の笑顔のため、ここで朽ちて頂こう」
 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は、トランプを両手に構える。そして、高らかに叫んだ。
「「「さぁ、ショウタイムだ!」」
 そこには右手にトランプを構えた青い瞳の蓮と左手にトランプを構えたオレンジの瞳の蓮が現れ、同時に炎に包まれたトランプを投げ放った。その炎の札を、ウォルムは無数の剣舞で迎え撃った。
「座興は終わったぞ、もっと盛り上げろ!」
 笑いを含んで吼え、ウォルムは猟兵達へと駆け出した。

●吸血鬼と呼ばれるモノ
 戦場――その謁見の間は、そう呼ぶにふさわしかった。
「ウォルム・サマーヘイズ!あなたの圧政もここまでよ!!」
 クレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)が、無銘の魔法剣を構えて走り出す。
(「相手の方が強いのは分かり切ってる……でも、私にも意地がある!」)
 袈裟懸けの斬撃、クレアの渾身の一撃が空を切る。僅かなステップで紙一重で避けきったウォルムは、すかさずクレアの喉元を掴んだ。
「ぐ、う!?」
「――温い。最初から時間稼ぎを考えた攻撃など、眠くなるだけだ」
 ウォルムは、もう片方の手で血で書いた誓約書を指に挟み、構える。そこに書かれた文字は簡潔で、そしてこの状況では恐ろしい文言だった。

 ――動くな。

 簡単に守れるルールほど威力が高いクルーエルオーダーだが、動かないというのは簡単に果たす事ができるルールだ――ここが、戦場でなければだが。
 ヒュ……! とクレアの胸にウォルムが誓約書ごと手刀を突き立てようとする。しかし、それを寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)が間に割り込み、自らがクルーエルオーダーを受けた。
 迷わず、美月が一歩前に出る。それに、ウォルムが歯を剥いて笑った。
「馬鹿が――ッ!?」
 ドォ! と美月の体を衝撃が駆け抜ける。膝から崩れ落ちる美月は、しかし、即座にウォルムは反射的に床を蹴っていた。
「双刀よ、……力を貸してほしい」
 真鋭なる双刀の魂(シンエイナルソウトウノタマシイ)、白鞘能多知の魂と黑鞘能多知の魂が召喚され、同時にウォルムへ襲いかかる。それをウォルムは、引き抜いた豪奢な刀剣で受け止めた。
「チッ! 奇っ怪な真似を!」
「私だって……!」
 そこにクレアが加わり、ウォルムを圧していく。不意に、ウォルムの視界が陰る――頭上を、ヴォルガーレ・マリノ(天真なるパッツォ・f03135)が取ったのだ。
「アア……この感触……やっぱりこうでなくチャ……!」
 サングエ・ルナ・ピエーナをブラッド・ガイストによって殺戮捕食態させて、ヴォルガーレはウォルムの脇腹を切り裂く。振り抜いた勢いで駆け抜け、ヴォルガーレは壁際で振り向いた。
「残酷非道の暴君、ウォルム・サマーヘイズ。アナタを討つ事がワタシ達に課せられた使命、悲しみの連鎖を断ち切る為にもお命、頂戴しマス……」
「は! 嘘をつけ」
 ウォルムは、ヴォルガーレの言葉を否定する。その根拠を、楽しげに歌うように言った。
「課せられた使命? 悲しみの連鎖を断ち切る? 止めよ、くだらぬおためごかしはいらん――そんな目的の者が、血と暴力に酔うものか」
 ウォルムの指摘に、ヴォルガーレは答えない。ただ、斬りかかるという行為で応えた。
(「そうネ、ごめんなサイ……ワタシの胸は今とても高鳴ってルノ……この昂りを静められるのは最早アナタだけなんデス……!」)
 ギギン! と互いの息遣いが聞こえるほどの至近距離で、二人は斬り合う。そこへ、セリオス・アリス(ダンピールのシンフォニア・f09573)が駆け込んだ。
「俺は、もう二度と、お前らを楽しませる気はねえ……! 勝手に自分の悲鳴を楽しんでろッ!」
 踏み込みと共に、一気に加速。セリオスは、素早く望みを叶える呪い歌(アズ・アイ・ウィッシュ)を歌った。
「歌声に応えろ、力を貸せ。俺の望みのままに」
 己の寿命を対価に、高速移動と属性魔法をのせた斬撃による衝撃波を可能とする望みを叶える呪い歌(アズ・アイ・ウィッシュ)を発動、セリオスは星の瞬きを横薙ぎに振り払う。その衝撃波をウォルムは断ち切り――刹那の隙に、エールスーリエでさらなる加速を得て、セリオスは斬りかかった。
「あれがヴァンパイアですか」
「ああ、あれこそがヴァンパイアのようだ」
 カイル・アルガスト(ドラゴニアンの精霊術士・f05742)の呟きに答えたのは、ミハル・バルジライ(柩・f07027)だ。世界の支配者、絶対強者――そう名乗るのにふさわしい強さを、確かにウォルムは秘めていた。
 だが、だからこそミハルは言う。
「強者たる自負を抱くのは良いが、其の驕りが弱者へ矛先を向けさせるのならば断たぬわけにはいくまい」
「ええ、そうですね」
 カイルは、同意する。これは、違う。ただの生物ならば、弱肉強食という逃げ口上もあったかもしれない。だが、ヴァンパイアはオブビリオン、過去に終わった存在だ。
 例え過去が膨大と言えど、現在が食いつぶされていい理由にはならない。だからこその猟兵、だからこその自分達なのだから。

●冒涜の果てに
ガギン! とフラウロスとウォルムが互いの黒爪と剣を打ち付け合い、間合いを開けた。
「ハハハ! 良いな、これほど血が滾るのは久しいぞ! まさか、我がヴァンパイア以外にもここまで楽しめる者がおるとはな!」
「無駄と贅沢は貴族の嗜みで義務だなんて言うことですし、別の種族をどう扱おうと戯れでしかないのは確かよね……とはいえ、家畜を潰すことのみが趣味、というのは少なからず恰好が悪いのではなくって? 領主様」
 もう少し取り繕ってくださればよかったのに、というクリスティアーネ・アステローペ(ダンピールの咎人殺し・f04288)に、ウォルムは肩をすくめる。
「浪費というのも高貴なる者の義務よ。貴様らには、理解できぬであろうがな。そうだな、貴様らとて本を読む時に、どれだけの木々が使われているかなど考えぬであろうよ。娯楽など、そういうものだ」
 趣味で殺しただけだ、と言外に言い切ったウォルムに、クリスティアーネは小さく首を左右に振った。
「あなたは、それなりに面白い玩具でしたけどもう十分。過去は過去へ。骸の海へと還しましょう」
 クリスティアーネは、高速詠唱からの無数の魔法の矢を放った。しかし、ウォルムは片手を振り払っただけで、その魔法の矢を撃ち落とす。
「ほう?」
 ウォルムが目を細めた先には、クリスティアーネが踏み込んでいた。魔法の矢の牽制から間合いを詰め、慈悲深きエヴェリーナを薙ぎ払う。ウォルムはそれを剣で受け止めるも――零距離で、クリスティアーネは呟いた。
『生者は止まれ。己が過去を枷として』『過去ならば瓦解せよ。骸の海へと立ち返れ』『汝を裁くは顕世の法理』『贖え、己が血潮と痛苦を以て』
「ぬう――!?」
 ゴォ! とウォルムの足元から大量の血と呪詛と祈りで作られた杭が生み出されていく。クリスティアーネの咎を穿て、赫き杭(カズィクル・ベグザーディー)だ。
 ウォルムは跳んで逃げようとするも、鉄球付きの足枷がそれを阻む。ミハルの咎力封じだ。
「上に立つ者の誇りや自負を否定する気は更々無い。だが、其の振る舞いが地に堕ちたならば、獄に繋がれ処刑台を仰ぐ覚悟を持たねばならない。己が館を墓標と成すだけ幸いに思うが良い」
「まぁ、皆怒っているからね……? 己の傲慢さに慢心していると足元を掬われるよ。今、この時のようにね?」
 そして、アルノルトのワイヤーが更にウォルムの動きを封じる。ザクリ、と深々と杭に貫かれながら、だがウォルムは止まらなかった。
「返礼だ、受け取れ!」
 放たれるマサクゥルブレイドの豪雨、それを白鞘能多知の魂と黑鞘能多知の魂が、弾いていく。それでも足りない分は、クレアも前に立って補った。
「少しでもみんなの約に立たないと……!」
「ご無理はなさらないでくださいね」
 そんなクレアを、カイルは聖なる光で癒やしていく。決して仲間を倒れさせない、その決意がカイルにはあった。
「悪の華が栄えた試し無しってね。無実の人を殺した罪、あの世で償いな」
 式が弾かれた剣の雨を飛び越え、結晶塊を紅く輝かせ振り下ろす!
「吸血鬼が偉いかどうかは知らんが、少なくともあんたが悪い吸血鬼なのはわかる」
「良いも悪いも、あるものかよ!」
 ウォルムは、剣で紙一重で受け止め――仕込みピアノ線で、蓮がその動きを止めさせた。
「「悪いけど、キミの無聊を慰めようとは誰も思っちゃ居ない。無聊を託つくらいなら未練なくこの世を去ってくれないかな!」」
「人に希望を、空に陽を、夜に星を――貴方の居場所は、ここにはありません」
 宵が射放った天撃アストロフィジックス、無数の流星の矢が、ウォルムへと降り注ぐ。体中を貫かれながら、なお笑いウォルムがマサクゥルブレイドを放った刹那。
「そう……戦いとはこの痛みの応酬にこそ……意味がある……! 凄く気持ちイイでスヨ……!」
 剣を我が身で受け止めながら、ヴォルガーレは笑う。振り下ろしたリベラツィオーネ・イスティントの刃が、ウォルムの片腕を断った。
「ははっ、どうだ。楽しめてるか―……?」
 セリオスの挑発に、ウォルムは残った腕で剣を掴み振るった。
「ハハハ、悪くない!」
 ウォルムの刃が空を切り、カウンター気味のセリオスの星の瞬きがウォルムの胴を薙ぐ! そして、フラウロスが黒爪を振りかぶった。
「我が名はフラウロス・ハウレス! 吸血鬼を狩る者、そして運命の反逆者である!」
 ゾム! とウォルムの心の臓をフラウロスの黒爪が突き刺す。ウォルムは血を吐くと、ゆらりと後退した。
「ああ、そうだわ元領主様? 貴方の血、頂いてもいいかしら? 頂けるのなら最期、介錯して差し上げるけれど」
「情けはいらぬ……くだらぬ前置き、など、いらぬから……欲しければ、啜るがよい」
「そう――」
 クリスティアーネの牙が、ウォルムの首筋に突き立てられる。それが最期となり、ウォルムは、笑みと共に朽ち果てていった。

●冒涜の結末
 ――その後、領主を失った小村がどうなったかは、歴史書には残されていない。
 ただ、その村に生きる者達は知っている。誰か勇気と力を正しく持つ者が、吸血鬼を滅したのだ、と。
 膨大な過去から来訪した者を、今を生きる者が討つ。そして、有限の未来へどう繋げていくのか――その答えを知る者は、まだいない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月05日


挿絵イラスト