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犯人指名デスゲーム~悲劇の同窓会

#UDCアース

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●懐かしい顔ぶれ
 山奥にある上品な邸宅は、今は貸別荘として利用されている。
 現在そこでは、K大OBによる、ちょっとした同窓会が開かれていた。
「ご招待ありがとう、藤子」
 草色・みどりが同窓会幹事である淡紅・藤子に話しかけた。
「こちらこそ! 来てくれてありがとう!」
 振り向いた藤子は、みどりをはじめ、今日この会場に集まってくれた者に声をかけた。
「藤子さんに誘われたら、こんな人里離れた山奥でも飛んできますよ! なんて言っても、藤子さんはK大の誇り! 新しい作品集も、ネットですごく評判良いですよ!」
 藤黄・やまぶきが瞳を輝かせて返事をする。
「こらこら、人里離れた山奥とか言わないこと! この静かな雰囲気が良いだろう? 藤子と相談して決めたんだぞ」
「確かに。我々の同窓会をするにはぴったりの雰囲気だ。まあ、ちょっとばかり交通の便は悪い気がするけど」
 黒檀・修二郎の言葉に、浅葱・蒼汰がいたずらっぽく付け足した。
「皆様、お飲み物をどうぞ」
「あら、ありがとう。こぼさないように注意しなくちゃ。この別荘、凄くお洒落じゃない?」
 貸別荘の管理人、枯茶・次郎が人数分の飲み物を運んできた。
 それを最初に受け取った本紫・薫子が皆に注意を促す。
 気心の知れた仲間たちの、和やかな同窓会だった。

 はず、だった――。

●犯人指名デスゲーム~悲劇の同窓会
 同総会出席者たちが思い出話に花を咲かせてから数時間、貸別荘二階の個室フロアから修二郎の悲痛な叫び声が響いた。
「大変だ! 藤子が……藤子が……みんな!! 来てくれっ」
 何事かと、皆が集まる。
「ひっ……」
 誰かの息を呑む音。
 可愛らしい雰囲気でまとめられた別荘の個室で、胸に何かを突き立てられた藤子が床に倒れ息絶えていた。
「藤子!! 藤子!!」
 藤子にふらふらと近寄る修二郎。
 その時、薫子が何かを見つけ声を上げる。
「ちょっと……あの壁……なに、あれ」
 薫子の指さした壁に視線が集中した。

 『邪神様の復活を願う者より』
 恐怖が最高潮に達した者の魂こそ、邪神様への最高の供物。
 この度、6名の死を以って、邪神様復活の儀式とすることと決定いたしました。
 明日早朝、この度の殺人犯人を指名していただきます。
 その際、犯人を指名できなければ、順に命をいただくことと致します。
 皆様の命が邪神様の復活の礎になりますよう。
 なお、別荘には人ならざるものを潜ませております。
 逃げ出した方の命は、即座に刈り取らせていただく所存です。

 壁には、そんな文言が書かれた布が張り付けてあったのだ。
「なんだよ、これ……何なんだよ!!」
 蒼汰が叫び、皆が顔を見合わせた。

「と、言うわけで、UDCアースでの事件だよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が猟兵たちに呼びかけた。
 山奥にある貸別荘で、邪神復活の儀式が行われようとしていると言うのだ。
「その別荘で殺人事件が起こったの。被害者は淡紅・藤子さん。貸別荘で行われていた同窓会の幹事さんだよ」
 和やかに始まった同窓会だが、やがて個室で殺されている藤子が発見されたのだ。
「問題はその後。壁に、邪神復活を示唆するような言葉が提示されていたんだよ」
 それによれば、犯人を指名できなければ皆が順に命を落とすと言うことだ。
「これ以上の詳しいことは今は分からないの。でも、現場を調べたり、当事者に話を聞いたりすれば、犯人が誰か見えて来るんじゃないかな。もしかしたら、邪神復活を掲げた狂信者も分かるかも! それに、狂信者の思惑に乗るようで嫌な気もするけど、殺人の犯人が分かれば、無駄に人を死なせることはないし、儀式を弱体化できるかもしれないよね」
 ルビナは難しい顔をして集まった猟兵たちを見る。
「まずは捜査だよね。皆を、貸別荘へ転送するから、誰が淡紅・藤子さんを殺したのか……、捜査してみてね」
 こう締めくくり、説明を終えた。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。
 犯人は誰なのか。はたまた狂信者は?
 まずは館内の捜査からです。事件解決までよろしくお願いします。

●1章捜査ルール
 オープニングが公開されてから、先着順で3名様だけお先にリプレイをお返しします。
 初動の情報を参考に捜査をすることも一つの手かもしれません。
 3名様分のリプレイをお返しした時点で、次のプレイング締め切りを提示します。

 貸別荘は2階建てです。一階は厨房、ダイニング、娯楽室、管理人室があります。二階は寝泊まりのできる個室です。
 聞き込みは、以下の六人から選択可能です。
 枯茶・次郎(からちゃ・じろう):貸別荘の住み込み管理人。
 藤黄・やまぶき(とうおう・やまぶき):K大OB。
 草色・みどり(くさいろ・みどり):K大OB。
 浅葱・蒼汰(あさぎ・そうた):K大OB。
 本紫・薫子(ほんむらさき・かおるこ):K大OB。
 黒檀・修二郎(こくたん・しゅうじろう):K大OB。

 1プレイング3つまで行動を指定できます。

 【捜査】何階のどんな場所を見るのか指定してください。
 一度の行動で、一か所調べることができます。

 【聞き込み】誰に何を聞くのか指定してください。
 一度の行動で、一人に聞き込みができます。

 【捜査】【捜査】【聞き込み】など、3つまでなら捜査と聞き込み両方も可能です。
 ただし、一度の行動で複数個所を指定したり、複数人を指定しても、正確な情報を得ることはできません。ご注意ください。

 あくまでも予定ですが、2章は犯人指名後集団戦、3章ではボス戦を予定しております。
 各章のみの参戦もお気軽にどうぞ♪

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『クローズド・サークル』

POW   :    宅内をしらみつぶしに調べまわる

SPD   :    使用されたトリックを看破する

WIZ   :    容疑者たちと話をする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
これ以上人が殺されない為にも、犯人も狂信者も特定せねば
現場保存や捜査しやすくする為にも
取り乱している皆、特に修二郎さんを落ち着かせないと
「殺人犯もオレ達が追っている犯罪者も捕まえてみせる、信じてくれ」

修二郎さんや皆が落ち着いたら聞き込みだ
修二郎さんに【どのような経緯で藤子さんの異変を発見することになったのか】、
現場発見時の状況をまず把握せねば

次にやまぶきさんに【藤子さんが人から恨まれることに心あたりがないか】、
新しい作品集やネットの評判も知っている彼女なら何か情報持っているかもと思い聞き込むぞ

説得で一つ行動しちゃったかもしれないが
もし間に合えば修二郎さんに【藤子さんと恋人同士なのか】も聞きたい



●初動捜査
 捜査のため最初に別荘に訪れたのはァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)だった。
「殺人犯もオレ達が追っている犯罪者も捕まえてみせる、信じてくれ」
 グァーネッツォはそう言って、二階の個室に集まっている者たちを落ち着かせた。
 これ以上人が殺されないためにも、犯人も狂信者も特定しなければと強く思う。
 それぞれ思うところはあるだろうが、同窓会参加者たちは思い思いの場所へ散っていった。
 しかし修二郎だけは藤子の部屋を離れない。
 グァーネッツォは、肩を震わせる修二郎に近づいた。
 しばらく落ち着くのを待って話しかける。
「藤子さんとは恋人同士だったのか?」
「……ああ、その通りだ。大学を卒業してからの付き合いになる。大学では別サークルだったからな。互いに仕事も順調で……この同窓会も、藤子はどんなに楽しみにしていたことか。それなのに……なぜ……」
 今はただ、呆然とした様子の修二郎。
「どんな経緯で藤子さんの異変を発見することになったのか、聞かせてもらえるか?」
「経緯……。同窓会の乾杯をしてからは、各々好きなように時間を過ごしていたな。俺は一階を順に見て回っていたよ。幹事は藤子ってことになっているが、皆が楽しめるようサポートするのは俺の役目だと思ってな。そろそろ夕食の打ち合わせをと思って藤子を探したんだが、一階に姿が無かったから、二階の藤子の部屋に行ったんだ。鍵は……かかっていなかったな。ノックをして返事がなかったから、入ってみた」
 修二郎は一気にそれだけ喋り、よろよろと椅子に座り込んだ。
 今はこれ以上話を聞くのは難しいと判断し、グァーネッツォは次にやまぶきの姿を探す。
 やまぶきは娯楽室でぼんやり座っていた。
「藤子さんが人から恨まれることって、何か思い当たらないか?」
 グァーネッツォはやまぶきに切り出す。
 作品集のことやネットの評判を知っている風な彼女なら、何か情報があるかもしれないと期待したのだ。
「ううーん。恨まれると言うか、藤子さんは詩とイラストを形にする作家さんなんですね。とにかく華があるの。文芸部時代も、よく表紙を飾っていて……でも、自分も表紙になりたいって人もたくさんいたし。そういう人からはちょっと嫌がられていたかな。まあ、私は文芸部のころから読み専門だったから、ただ凄いなーって思ってました。卒業後も、K大のパンフレットの表紙を手掛けたりね。もしかしたら、同じようなお仕事をされている方の方が詳しいかも」
「同じような職業?」
 グァーネッツォが聞き返す。
「ええと、薫子さんは作家さんです。ネットでの評判とかは……あんまり聞かないですけども。何冊か本を出しているはずですよ。絵で言うなら蒼汰さんかな。藤子さんのお仕事について、詳しいのはみどりさんと修二郎さん? あ、修二郎さんは恋人だから、詳しくて当たり前ですよね♪ みどりさんは、文芸部時代は小説も書いていましたけど、作家とかにはならなかったようですね」
 ひとまず聞き出せたのはこのくらいだ。
 グァーネッツォはやまぶきに礼を言い、娯楽室を出た。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユリウス・リウィウス
「変装」でこの世界の私服刑事らしく偽装。

まずはこのたびの一件、お悔やみ申し上げる。
だが、状況は今も進行中だ。協力をお願いしたい。

【捜査】
被害者を殺害するのに用いられた凶器を確認したい。
扱いやすさや入手の容易さから、犯人像に迫れるだろう。

【聞き込み】
枯茶管理人に対して。
この貸別荘の利用頻度及び今回の同窓会のための利用申請がなされた時機を知りたい。

【聞き込み】
黒檀に対して。
この同窓会の企画を出席者に知らせたのはいつのことだ?
他の出席者より早くに伝達した人物はいるか?

諸氏の安全は我々が保証する。よって、勝手に個人の部屋へ逃げ込んだりして、次なる殺人の機会を殺人者に与えないようお願いしたい。



●凶器
「まずはこのたびの一件、お悔やみ申し上げる」
 私服刑事らしく変装してきたユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)は、そう言って貸別荘に入り、捜査を開始した。
 まず向かったのは藤子の個室だ。
 藤子の死体には凶器と思われるものが突き立ててあった。
「これは……包丁か?」
 刃の部分は体に食い込んでいるが、一般的な包丁のように見える。ユリウスは更に包丁の刺さっている部分を確認した。
「何度も刺した後があるな」
 見るからに、何か所にもある刺し傷。特に、胸や腹などいかにも急所と言う部分に集中している。もしかしたら、藤子が息絶えた後も何度か刺したのかもしれない。
「この包丁、見覚えはあるか?」
「いや、分からない」
 ユリウスは話のとっかかりにそう言うと、部屋の隅で呆けている修二郎に体を向けた。
 次に、聞きたかったことを質問する。
「この同窓会の企画を出席者に知らせたのはいつのことだ?」
「二か月くらい前だったかな。藤子と相談して日取りを決めて……、ああ、みどり君に案内状の発送を頼んだんだ」
「草色に?」
 何故? と、視線を投げかける。
「俺はイベント企画の会社を持っている。みどり君はうちの社員でね。まあ、少々公私混同になってしまったんだが、事務仕事のついでにと頼んだんだ」
 話を聞き終えたユリウスは、次に別荘の管理人である枯茶・次郎の姿を探した。
 一階に降り、厨房でソワソワとしている次郎を見つける。
「何か言いたそうだな?」
 すぐにその様子に気づくユリウス。
 次郎は青い顔をして頷いた。
「実は……、厨房の包丁が足りないのです。ああ、もしや、もしや……あれが厨房の包丁……」
 藤子の死体を見て気づいたのだろう。
 しかしユリウスは、ひとまず否定も肯定もせず、別の質問を投げかけてみた。
「ところで、今回の同窓会のための利用申請がなされた時期を知りたいんだが」
「利用申請……。どうでしょうか。私は雇われの管理人です。毎月一度この別荘に赴き、整備を任されております。今回のように貸し出される場合もありまして、その場合は利用日の二か月前にシフトの確認が来ますね」
 利用申請の日など、詳しいことは分からないようだ。
「ははは。K大を定年退職してから、この仕事を見つけましてね。まあ、給料はずいぶん落ちましたが、楽な仕事だと思っていたんですよ。一月ごとのメンテナンスと、たまのイベントのお手伝いですからね。それが、こんなことになるなんて……。ああ、どうしましょう。まだ危険なんでしょうか?」
 怯える次郎をなだめるようにユリウスが声をかけた。
「諸氏の安全は我々が保証する。よって、勝手に個人の部屋へ逃げ込んだりして、次なる殺人の機会を殺人者に与えないようお願いしたい」
 次郎はその言葉を聞いて、神妙に頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロース・ウェスペルティリオ
へぇ、貸別荘ってこんな感じになってるんだねぇ
ん、お話は皆さんが聞いてくれてるみたいだし、ウチは間取りの確認でもしておこうかなぁ

せっかくだから管理人さんをお借りしても良いかい?
ついでに、他にも何か無くなってないか確認してもらいたいし、
管理人さんから見た同窓会メンバーの関係性とかも、教えて貰えたらありがたいねぇ
出来れば藤子さん発見時までの、皆さんの行動とか
昔務めてたなら、K大時代のご様子とか知らないかな?

んー、ウチなら天井裏や床下、棚の裏とかでも見ようと思えば見れるけど……さて、何かあるかなぁ

可能であれば、こっそり蔦を管理人さんの足の小指辺りへ
花が咲けばそれで良し、嘘をついたら棚の角にぶつかるかも



●間取り、そして――
「へぇ、貸別荘ってこんな感じになってるんだねぇ」
 別荘に到着したフロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は、さっそく間取りの確認を始めた。
 管理人の次郎を伴い、一階から順に確認していく。
「他に無くなったものはないかい?」
「さあ……、厨房では包丁くらいしか気づきませんでしたが……。何か気づきましたら都度お知らせします」
 まず玄関から入って右手にトイレ、その奥が管理人室になっている。左手には広いダイニングと厨房。廊下を真っすぐ進むと娯楽室がある。二階に上がれば、個室が8部屋。
「管理人さんはK大に勤めていたそうだけど、藤子さんたちの在学中の様子とか知らないかな?」
 歩きながら、何気なく話題を振ってみる。
「そうですねえ。淡紅さんたちの文芸部は有名でしたよ。文芸部の会誌、あれは学園祭でも良く売れていたと聞きます。黒檀さんの美術部とかね、他の文化系のサークルの会誌は、全然売れなかったのにね。淡紅さんの他にも、草色さんや本紫さんの小説も面白かったですよ。藤黄さんのはちょっと分かりませんが、浅葱さんの絵も良かったですし」
 二人は話しながら二階のフロアを歩いた。
「藤子さん発見時までの、皆さんの行動とか、もし覚えていたら聞かせて欲しいんだよねぇ」
「皆さんの行動ですか」
 次郎はしばらく考えたうえで、こう答えた。
「私は飲み物などを片づけた後は管理人室に居ました。途中で浅葱さんが枕を、本紫さんがヘッドホンを借りに来られましたね。その後は……黒檀さんも顔を見せてくれたので、夕食の時間を確認しました。娯楽室は、何人か出入りしたようです。黒檀さんの叫び声がするまで、かなりの時間がありましたからね。皆さん、いろんな場所を移動したんじゃないでしょうか」
 フロースが確認したところ、次郎の言葉に嘘は無いようだ。
 二階は個室が向かい合わせで配置されている。
 建物南側は空き部屋、藤子、みどり、やまぶき、薫子。北側は階段、修二郎、蒼汰、空き部屋と言う配置になっているようだ。
 蒼汰の個室隣の空き部屋を見ると、テレビ、ベッド、入り口に備え付けのクローゼットがある、ごく普通の小さな部屋だった。フロースは天井へ続く通気口を見る。
「……さて、何かあるかなぁ」
 そう言いながら、天井裏を探り始め……すぐに一枚の紙を見つけた。
 クローゼットの上部の通気口に、隠すように置かれていたものだ。
「おや、これは」
 紙を手に取り、書かれている文字をじっくりと読む。

『邪神様の復活を願う者より』
 皆さんの中に紛れた凶悪犯を指名することについて。
 もし皆様が凶悪犯をズバリ指名した際には、凶悪犯の命のみを供物に致します。
 もし皆様が凶悪犯の指名を間違うことがあれば、凶悪犯を生かし皆様の命をいただきます。
 順番に、一人ずつ、ゆっくりと捻り殺させていただきますこと、ご了承ください。
 皆様の命が邪神様の復活の礎になりますよう。

「ひ、ひぃ……。狂ってる……どうして、こんな……」
 その文面を見て青ざめる次郎。
「狂信者からの次なるメッセージだよねぇ? もしかして、これ、お披露目する前に見つけちゃったのかなあ?」
 一方、フロースは何の変哲もない紙を見つめ、小首を傾げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 徐々に事件の輪郭が見えてきたようだ。
 邪神様の復活を願う者よりと言う文字からはじまる紙も発見された。
 だがまだすべてが見えたわけではない。はたして犯人は誰なのか。狂信者は?
 猟兵たちは、さらに捜査を進めた。

●捜査ルール
 ただいまからプレイングの受付を開始します。
 プレイング締切:2019/06/07 8:29(予定)

 1プレイング3つまで行動指定可能です。

 【捜査】何階のどんな場所を見るのか指定してください。
 【聞き込み】誰に何を聞くのか指定してください。

 一度の行動で、一か所捜査、または一人に聞き込みができます。【捜査】【捜査】【聞き込み】など、3つまでなら捜査と聞き込み両方も可能です。
 ただし、一度の行動で複数個所を指定したり、複数人を指定しても、正確な情報を得ることはできません。ご注意ください。
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
殺人現場も狂信者のゲーム指示の布と紙の2階で起きたり置いてある以上、
犯人でも狂信者でも2階に移動した人に絞れないだろうか?

という訳でまだ話を聞けてないみどりさん、薫子さん、蒼汰さんの三人にそれぞれ、
【別荘に着いてからオレが質問しに来るまでの自身や他の人の行動】を聞き込みしに行ってみるぜ
犯人や狂信者が嘘をついたり隠し事をするかもしれないが、証言が多ければ多いほど証言同士の矛盾が見つかるはずだ

三人とそれぞれ話す時は威圧的にならない様にしつつも
真剣な眼で相手の眼をまっすぐ見ながら会話し、
僅かな視線の動きや表情の変化にも注意するぜ
目や顔は口よりも物を言うからな


ユリウス・リウィウス
第二の犯行予告状か。偶然に見つけられてしまったようだが。
大体の目星は付いてきた。後は詰めていくだけだな。

【捜査】
厨房から被害者の個室へ向かうまでの動線を把握したい。
誰かに目撃される可能性があるかどうか。
可能なら、厨房の方で物音を聞かなかったか、全員に尋ねる。(ルールに反するなら、この聴取はないものとする)

【聞き込み】
藤黄に、草色がどれだけ作家になりたがっていたかを尋ねる。
併せて、その人となりについても。

【聞き込み】
黒檀に、草色の勤務態度や被害者の作品に接した時の態度などを尋ねる。
また、彼女を事務員として採用することになった経緯についても知りたい。
草色は望んで黒檀の会社の社員になったのかどうか。



●さらに深く探る
「第二の犯行予告状か」
 仲間が発見した紙の内容を確認してユリウスが呟く。
 あれは偶然に見つけられてしまったようだが、事件の大体の目星はついてきたと思う。後は詰めていくだけだと考え、さっそく厨房へと向かった。
 厨房と繋がっているダイニングを抜けて玄関へ。ダイニングにはテーブルの他、本棚や小物の展示棚などもある。今はみどりと薫子が静かに待機している。玄関近くの階段を昇れば二階だ。階段昇って正面にあるのが空き部屋。その隣が被害者である藤子の部屋だった。
 もう一度階段を下りて一階へ戻る。
「娯楽室からダイニングの様子は分からないだろうな」
 ユリウスの言葉通り、娯楽室とダイニングは直接の様子をうかがうことはできない。厨房から二階へ行く様子を見ることができるのは、玄関前の廊下かダイニングだろう。トイレや管理人室からも、注意すれば見えるかもしれない。
 次にやまぶきを探し、みどりについて質問した。
「草色はどれだけ作家になりたがっていたんだろうか」
「みどりさんですか」
 やまぶきはちょっと考えてこのように返事をする。
「みどりさんの作品はロジックとかを駆使したミステリーでしたよ! すごく綿密に計算されているっていうか。文芸部の会誌でも、ひそかにファンは多かったです。でも、卒業と同時に何も書かなくなったって言ってました。就職した会社は忙しそうでしたし。黒檀さんの会社に引き抜かれて自分の時間取れるようになったみたいですけどね」
「黒檀の会社に引き抜かれたのか?」
「ええ。みどりさんは事務とか経理とか、とにかく資料や書類を整えるのも上手なんです。数字に強いのかなあ。羨ましいですねえ。K大文芸部時代も、会計とかしてくれていましたし!」
 ひとまず話を切り上げ、ユリウスは次に修二郎の元へと向かった。
「草色を引き抜いたようだが、本当か? 勤務態度はどうだったんだ?」
「みどり君か。みどり君は就職した会社がいわゆるブラック企業と言うやつでね。自分の時間が全く取れない様子だった。俺は俺で、あの当時は会社を興したはいいが事務や経理が疎かになっていたんだ。そこで、俺から声をかけさせてもらった。二人の利害が一致した感じだったと思う。こちらの会社に来てもらって、本当に助かったよ。勤務態度も真面目だし、他の社員とのもめごともない。会社もうまく回り始めたんだ」
「淡紅の作品を見る機会もあっただろうな」
「藤子の作品。ああ、たしかに、藤子は俺の会社によく出入りしていたからな。まあ、ほら、俺に会いに来ていたんだが……。その時に、藤子の作品を一緒に見たこともあるよ。藤子の作品はみどり君には不思議に映るようだった。感性だけで仕上げるのかとよく感心していたな。みどり君も昔は小説を書いていたようだが、藤子とは方向性が全く違ったらしい。そう言えば……みどり君はそのたびに、勤務時間だとよく怒っていたが……、あれも、会社の規律を思ってのことだな。ああ……藤子……」
 被害者のことを思い出したのか、修二郎が言葉を詰まらせる。
 よほど辛いのだろう。ユリウスは話を終え、部屋を出た。

●それぞれの証言
 グァーネッツォは犯人でも狂信者でも二階に移動した人に絞れないだろうかと考えていた。
 殺人現場も二階、ゲームの指示の布や紙も二階に置いてあったからである。
 それを踏まえたうえで、グァーネッツォはみどりに会いに行った。
「今まで何をしていたか、他の人の行動も覚えていたら教えてほしいぜ」
 ダイニングで本を読んでいたみどりは、本を閉じ返事をする。
「別荘に着いてから、それぞれ自分の部屋に荷物を置いたわね。その後ダイニングに集合。乾杯をして、各自自由に過ごしたはずだわ。私はそのままダイニングに残って今回の会計の確認をしていたわね。主催の藤子にはご招待ありがとうと言ったのだけれど、結局事務的なことは私に流れて来るんだから。……薫子と蒼汰も、最初はここに居たわ。でも、ちょっと一悶着あってね。居辛くなって娯楽室へ行ってみたの。やまぶきと修二郎がカードゲームをしていたかな。二人にはダイニングでの事を話しをして……先に娯楽室を出たのはやまぶきだったわ。修二郎もしばらくして出て行った。ダイニングの様子を見るようなことを言っていたわね」
「ここで何かあったのか?」
「ええ、まあ」
 これまでハキハキと答えていたみどりが初めて言葉を濁し薫子を見た。
 その視線に気づいた薫子が経緯を話す。
「藤子に相談があることをぽろっとこぼしてしまったのね。それに蒼汰君が難癖をつけてきて」
「難癖?」
「……、私の小説の表紙を、藤子に手掛けて欲しかったの。もちろん、私があまり有名な作家ではないことは十分承知しているつもりよ。でも、藤子とはK大のころから仲間だし、ちょっとくらい助けてくれてもねって思って。前回は断られたけれど、次の新刊にはぜひお願いしたいと思っていたの。それを……蒼汰君が、技術もないくせに名前だけ売れている藤子にばかり依頼するのはおかしいって……」
 言い辛い内容だが、嘘は言っていないとグァーネッツォは感じた。
「蒼汰君はそれからすぐにここを出たわね。次にみどりがダイニングを出て行って、……しばらくして修二郎君が様子を見に来てくれたわね。その後私も二階へ上がったわ。ああ、その前に、管理人さんの部屋でヘッドホンを借りたの。音楽を聴いて気分転換しようと思って」
 続けて娯楽室で待機していた蒼汰にも話を聞く。
「確かに、薫子と口論になっちまったな。世間では持て囃されているが、藤子の絵にはデッサン力が足りない。名前は出ずとも、地道に実績を重ねているやつの方が、能力が高いことなんてざらにあるはずだ」
「それは、自分もそうだと言いたい?」
「……。いや、まあ。まあ言い合いと言ってもそんな激しいものじゃないぞ。お互い飲み物も準備したりしてだな。あ、えっと。そうだったな、ここについてからの行動な」
 目を泳がせる蒼汰は、それでも次のように語った。
「ダイニングで薫子と言いあってから、昼寝をしようと二階に上がったんだ。ええと、だがベッドの枕が気に入らなくて、管理人に枕をもう一つもらいに行ったぜ」
「その後は?」
「まあ、昼寝だな。修二郎の叫ぶ声が聞こえて、急いで藤子の部屋に向かった」
 犯人や狂信者が嘘をついたり隠し事をするかもしれないが、証言が多ければ多いほど証言同士の矛盾が見つかるはず。グァーネッツォはそう思い、それぞれの言葉を吟味した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●現れた異形
 さて、猟兵たちが別荘の捜査を始めて少し経った頃。
 コンクリート部分に潜んでいたロッジ・ゴーレムたちが別荘内に姿を現した。
 それはあまりにも突然な異形の訪れ。
「何なの!?」
「ひぃ」
 同窓会メンバーと管理人は驚きと恐怖の声を上げる。
 だが、まだゴーレムたちは動かない。狂信者の通告通り、明日早朝の犯人指名を待っているかのようだった。
 犯人指名の時は、刻一刻と迫っている。
 犯人を指名することはできるのだろうか。やり残した捜査は無いか。そして、狂信者の正体とは。
 猟兵たちは最後の捜査の時間を感じていた。

※ルール説明~必ずお読みください。
 今から2019/06/10 08:29まで、最後の捜査・聞き込みを受け付けます。リプレイはできるだけいただいた順番にお返ししたいと思っています。
 🔵の関係で、採用できるのは3名様のみになります。2019/06/10 08:29までの間、捜査・聞き込み以外のプレイングをいただいても採用できません。くれぐれも、ご注意ください。
 1プレイング1つまで行動指定可能です。

 【捜査】何階のどんな場所を見るのか指定してください。
 一度の行動で、一か所を調べることができます。

 【聞き込み】誰に何を聞くのか指定してください。
 一度の行動で、一人に聞き込みができます。

 一度の行動で複数個所を指定したり、複数人を指定しても、正確な情報を得ることはできません。また、『あなたが犯人ですか』などの質問は、きっと意味を成しません。ご注意ください。
 捜査・聞き込みプレイングに対するリプレイを返却し終えると、情報を提示し、犯人指名に入ります。指名のルールはその時お知らせいたします。
 捜査・聞き込みプレイングが無ければ、2019/06/10に情報を提示し、犯人指名に入る予定です。指名のルールはその時お知らせいたします。
 以下、ご参考までに。
 凶器→十分特定可能です。
 動機→推測可能かもしれません。犯人か狂信者にある種の質問をすれば、あるいはもっと詳しく推測できるかも。
 犯人→捜査で証拠が見つかるかもしれません。
 狂信者→現時点では特定は難しそうです。犯人にある種の質問をすれば、あるいは推測できるかもしれません。
ユリウス・リウィウス
いよいよ異形が舞台に上がってきたか。まあいい。俺は俺の役割を全うするだけだ。

【聞き込み】
草色みどりに対して。

これまであんたの事は色々聞かせてもらった。
K大文芸部を卒業して筆を置いたそうだが、望んでだったのか?
黒檀の会社に移ってからなら、執筆時間もとれたんじゃないか?

この状況を切り抜けた後はどうする?
淡紅に代わって彼女の後釜に座るか? 文壇でも、黒檀の恋人としても?

あんたは、淡紅が成功したのを納得していないんじゃないか?
緻密で計算され尽くした構成を至高とするあんたは、感性だけで書いた淡紅の作品が人気を博すのは許せないんじゃないか?

そういえば、もう一人書き手がいたな。
本紫。彼女とは交遊はあるのか?



●質問を重ねて
 いよいよ異形が舞台に上がってきた。
「まあいい。俺は俺の役割を全うするだけだ」
 そう言うユリウスはみどりに問いかける。
「これまであんたの事は色々聞かせてもらった」
「あら、そうなの?」
 読んでいた本を机の上に置き、みどりが顔を上げた。
「K大文芸部を卒業して筆を置いたそうだが、望んでだったのか?」
「ええ、そうね。趣味程度に書いていたのだけれど、就職を期に書くのはやめたわね。就職したのがそんな時間もないような会社だったし、ね」
「黒檀の会社に移ってからなら、執筆時間もとれたんじゃないか?」
 ユリウスは更に尋ねた。
「自分の時間を持つことはできるようになったわ。修二郎には感謝しているわね。でも、小説を書くのは、私はもういいかな。文芸部で書いて満足したからね」
 肩をすくめるみどりを見て、嘘は言っていないと言う印象を受ける。
 それでもユリウスは畳みかけるように質問を重ねた。
「この状況を切り抜けた後はどうする?」
「ええと、どういう事かしら?」
「淡紅に代わって彼女の後釜に座るか? 文壇でも、黒檀の恋人としても?」
「は?」
 一つ間を置いて、みどりは首を横に振る。
「修二郎はあくまでも仕事上の付き合いよ。男としては、正直見れないわね。公私混同して恋人を会社に呼んだり、今回のような同窓会の事務を私に投げたり、そう言うところは好きになれないわ。もちろん、会社では仕事はきちんとさせてもらっているわよ」
「……」
「誰に何を聞いたかは分からないけれど、みどりの作品は詩とイラストなのね。私が書いていたような長文の小説とは全く違うんじゃないかしら? それに私はもう小説を書くことには興味がないし。やっぱり小説は読むのが一番だわ」
「だが淡紅が成功したのを納得していないんじゃないか?」
「うーん。藤子の作品には不思議な魅力があって、私は好きだわ。蒼汰なんかは、藤子のイラストをあまり褒めないけれど、やっぱり理屈じゃない光があるのよ。恋人だからって修二郎の会社に堂々と出入りするところは褒められないことだけど、それでも藤子の作品が良いものだと言うことに変わりはないと思う」
 感性だけで書いた淡紅の作品が人気を博すのは許せないんじゃないか、と質問を投げかけようと考えていたユリウスは口をつぐんだ。ここまで話してみたが、人気を博した藤子の作品に、みどりが作り手として嫉妬しているようには見受けられない。
「そういえば、もう一人書き手がいたな。本紫。彼女とは交遊はあるのか?」
 代わりに、このように聞く。
「ええ、頻繁に会うわけじゃ無いけれど、メールのやり取りくらいはするわよ」
 ユリウスは話を終えて考えをまとめに入った。
 どうも、聞いていた印象とずいぶん食い違う気がする。
 藤子の作品を許せないと、藤子の成功が妬ましいと、そのような人物を探すと言うことは、事件の解決につながるように思える。他にも条件に当てはまる人物はいるのだろうか。
 そして、みどりに対する評価の違和感。みどりについて饒舌に語ったのは誰だったか。もう一度検討をする必要がありそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
経理や会計等大事な仕事をしっかりこなしているみどりさんが
蒼汰さんに薫子さんの藤子さんへの相談をばらしたのが彼女らしく感じない
気分を害した蒼汰さん・薫子さんの犯行と思わせる工作なのか?
という推測は口や顔に出さない様にしてみどりさんに聴きこむ

聴くのは【修二郎さんは怪しくないか】
自ら会社を興し幹事補佐もする行動力の持ち主が
恋人を殺した犯人探ししないのはおかしくないか?
それに恋人の死をゲームにする狂信者の犯行予告にも無関心
オレが知らないだけで修二郎さんの人格について何か知らないか?と
修二郎さんが狂信者の可能性がないか捜査するぜ

それと修二郎さんが会社で狂信者らしいお金の怪しい動きもしてないかも知りたいぞ



●修二郎について
 グァーネッツォもみどりに聞き込みを行った。
「修二郎さんについてだが、自ら会社を興し幹事補佐もする行動力の持ち主が恋人を殺した犯人探しをしないのはおかしくないか?」
「つまり、修二郎が怪しいってこと?」
 みどりは少し考えるように首を傾げる。
 グァーネッツォにも思うところはあったが、推測などはおくびにも出さずにみどりの返事を待った。
「どうかしら……。修二郎は蒼汰と薫子が言い合いをしたときは、娯楽室に居たのよね。やまぶきと一緒に居たようだから、一人きりの時間はなかったはず。その後ダイニングで薫子と話したのよね。こんな言い方は何だけれど、修二郎には藤子をどうにかする時間は無かったんじゃないかしら」
「蒼汰さんと薫子さんは、言い合いをしたのか?」
「ええ。さっきも話したけれど、三人でダイニングに居たのね。私は会計の確認をしていたわ。ちょうど蒼汰が飲み物を用意してくれて……。薫子は飲み物を受け取った時に、ポロリと藤子について言ってしまったみたいなの。ああ、蒼汰が昔の会誌を持ち出してきたから、それで薫子も何となく口にしてしまったんじゃないかしら」
 薫子が藤子に相談したいことがあった件などを、蒼汰にバラしたのはてっきりみどりだと思っていた。しかし、話をよく聞くと、どうやら薫子本人が直接言ってしまったようだ。
「そういえば、修二郎さんは恋人の死をゲームにする狂信者の犯行予告にも無関心だよな。このことについて何か思い当たることは無いか?」
 グァーネッツォが聞き出したいのは、修二郎が狂信者であると言う可能性だ。皆が知らないだけで、修二郎さんの人格には裏があるのかもしれないと探りを入れる。
「そういえば修二郎はずっと藤子の部屋にこもっているわね。でも、それは無理もないんじゃないかしら。あの二人は本当に仲が良かったから……。すぐには動くこともできないと思うわ。少なくとも、私は今は修二郎に何て言ってあげたらいいのか分からないもの」
「修二郎さんは、会社ではどうなんだ? 必要以上にお金を使っていたりしないか?」
「それは、藤子にプレゼントするためのって意味?」
 特にそうでは無いのだが、話を聞き出すためにグァーネッツォは口をつぐんだ。
「それは無理だと思うわ。修二郎は事務的なことは苦手なの。ざっくりのどんぶり勘定で済ませちゃうところがあるから。その分、私がかっちりと会計を預かっているからね。会社で不正なお金の動きは無いわよ」
 修二郎が狂信者であるかもしれないと捜査してみたが、どうやらその可能性は限りなく低いようだ。逆に言えば、可能性を潰せたことは大きい。
 同窓会の出席者たちは、平静を装い質問に答えてくれた。
 だが、屋敷に現れたゴーレムたちに、恐怖を感じずにはいられないだろう。
 いつ暴れ出すともわからないゴーレムたちを見ながら、それぞれ憔悴しているようにも見受けられた。

成功 🔵​🔵​🔴​


●投票の始まり
 別荘に……やがて朝が訪れる。
 時間が近づくと、ゴーレムたちは同窓会参加者を取り囲んだ。同窓会参加者たちはダイニングに追いやられ、ただただ震えてゴーレムたちを見上げた。
 一体のゴーレムが言葉を発する。
「ハンニン……ダレ、だ?」
 あっと驚く同窓会参加者たち。
「ハンニン、言え」
「イチバン、名前の、多い者から、順番に潰す」
 ゴーレムは順番に犯人を言えと言っている。そこで指名された数が多い順番に殺していくと言っているのだ。
 同窓会参加者たちの助けを求める声が響いた。

 ※ルール説明~必ずお読みください。
 今から14日(金)22:00までにいただいたプレイングに投票権が与えられます。1プレイングにつき1投票権です。
 なお、投票権は同窓会参加者たちも有しています。
 投票を集計し、指名された数を確認します。
 指名された数が多い順番に犯人か判断します。指名された人物が犯人なら、ゴーレムはその場で犯人を殺し行動を終えます。
 指名した人物が犯人ではないなら、ゴーレムたちは指名された人物を殺して次に得票数が多い人物が犯人か判断します。
 同窓会参加者たちは、猟兵の推理を聞いて誰に投票するか判断します。彼らの票も集めたいと思われましたら、推理を披露し皆の心を動かしてください。正しく犯人を指名することができれば、ゴーレムは犯人に集中するので、戦いが有利になります。

 ※プレイングの選択肢。
 【1】一人に投票し、推理を披露する。
  →推理を披露し、戦いは他の猟兵さんに任せます。
  →リプレイ描写は推理披露になります。良い推理は容疑者の心を動かし投票をコントロールできます。
 【2】一人に投票し、戦いに備える。
  →推理はしませんが、多数決に影響を与えます。戦いにも参加します。
  →リプレイ描写は主に戦闘シーン描写になります。
 【3】指名を行わず、戦いに全力を傾ける。
  →推理も投票も行いません。多数決に影響を与えません。戦いに全力を注ぐことができます。
  →リプレイ描写は、戦闘準備や戦闘シーンになります。
  →この選択肢を選ばれた方が多い場合は、推理前に同窓会参加者の安全を確保できます。

 ・同時に狂信者の指名も受け付けます。
 ・一番多く狂信者と指名された者が本当に狂信者だった場合、3章での戦いが有利になります。
 ・投票権は他の人に譲渡できません。
 ・犯人の名前が記述されていなければ、【3】を選択したものとみなします。
 ・ゴーレムを倒せば章はクリアとなります。
ユリウス・リウィウス
【1】
犯人は浅葱・蒼汰。
ダイニングから出ていった後、厨房で包丁を調達し犯行に及んだのだろう。

動機は嫉妬。
感性でイラストを描いて人気を博す淡紅に我慢が出来なくなった。それが動機。
殺害の際に枕で淡紅の顔を枕で覆って、悲鳴が漏れないようにした。
さすがにその枕を引き続き使う気にはなれなかったので、管理人から枕を借りたのだろう。
淡紅を何度も包丁で刺したのは、怨恨による殺人事件の特徴だ。殺しきれたかどうか分からないというのもあるだろうがな。
ここで告白しろ。お前も俺たちが守る。

そして、狂信者は黄籐・やまぶき。
この状況に至っても楽しんでいないか? それは自分が殺されないからこその余裕じゃないのか、なあ、おい?


セシル・バーナード
【3】
人手が足りないって話だから来てみたけど、本当に手数が足りてないね。
それなら、一肌脱ぐとしようか。

「全力攻撃」「範囲攻撃」の空間裁断でゴーレムを切り刻む。言っとくけど、防御力無視するから。
反撃されたら、瞬間的に次元装甲を展開。
次元装甲のオンオフに留意しながら、空間裁断や空間断裂で反撃の一撃を入れていくよ。

切れ味がよすぎて、足止めには有効じゃないのが、ぼくの技の難点ではあるんだよね。目標は、斬られたことにすら気付かない。
まあいいさ。ゴーレムの脚を主に狙って前進できなくしてやれば、いくら何でも圧迫してくることはないでしょ。
冷静沈着に数を減らそう。

さあ、一体残らず塵に帰してあげるよ、土人形ども!


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
【3】
ユリウス(f00045)の推理を信じてオレは戦闘に集中せねば

ダイニングや台所からフォークやナイフをくすねて
『溢れ出る戦士の猛り』発動の為に食器に闘争心をこれでもかと気合を入れて込めておく

投票が終わってゴーレムが動き出したらゴーレム全員に食器を投擲し、同窓会参加者よりもオレを殺したい様に闘争心を植えつけてやる
効き目が薄かったら斧と槍でなぎ払い、引き続き闘争心をぶつけるぜ

「ここはオレに任せて、出来るだけゴーレムから離れろ!」
同窓会参加者が避難できる様に力強く鼓舞しつつ、
攻撃に巻きこませない為にコンクリートの拳を直撃が食らわない様に武器でいなし、ゴーレム同士が相討ちになるよう仕掛けてみるぞ



●戦場に猟兵たち
「ひ、ぃ、た、助けて……!」
「何だよ、これ、何だよ……」
 青ざめる同窓会参加者たちと、彼らを取り囲むゴーレムたち。
 今まさに、ゴーレムたちが参加者を捉えようとしたその時、セシル・バーナード(セイレーン・f01207)とグァーネッツォがその間に割って入った。
 突然の乱入者にゴーレムたちは一歩下がり、参加者たちが安堵の溜息を漏らす。
 ざっとダイニングの状況を確認したセシルが言った。
「人手が足りないって話だから来てみたけど、本当に手数が足りてないね」
 同窓会参加者たちを背にかばいながらグァーネッツォが頷く。
「ああ、だがここで犯人を指名できれば戦いは有利になる。ユリウス、頼んだぜ」
 二人はユリウスを見た。
 ユリウスは同窓会参加者の様子を見ながらそこに控えている。
 同窓会参加者たちを捉え損ねたゴーレムたちは、先ほどと同じ言葉を発した。
 すなわち――。
「ハンニン……ダレ、だ?」

●事件の真実
「そんなこと、こんな短期間で分かるわけないじゃない」
 か細い声で薫子がつぶやく。
 他の参加者たちも同様に頷いた。誰かがこの事件を説明しなければ、この参加者たちは混乱したまま投票を行い、結果として戦いに巻き込まれるかもしれない。
 これまで捜査を重ねてきたユリウスが一歩前に出る。
 そして、最初に宣言した。
「犯人は浅葱・蒼汰、お前だ。ダイニングから出ていった後、厨房で包丁を調達し犯行に及んだのだろう」
 その言葉を聞いて、同窓会参加者たちは一斉に蒼汰を見る。
 蒼汰は指摘を受けて肩をびくりと震わせた。
「蒼汰君……まさか……藤子の絵が気に入らないって、言ってたけど、まさか理由は……」
 ただならぬ雰囲気の中、薫子が震える声を絞り出す。
「その通り、動機は嫉妬だな。感性でイラストを描いて人気を博す淡紅に我慢が出来なくなった。それが動機だ」
 ユリウスにズバリ指摘され、蒼汰が皆から視線を逸らした。その動作だけで察したのか、今まで屍のようになっていた修二郎が蒼汰につかみかかる。
「お前……、お前、まさかそんなことで!! 藤子を、お前が!!」
「……そんなこと? そんなことだと?」
 蒼汰は鬱陶しそうにその腕を払いのけた。その言動を見ていたみどりが冷たい声を蒼汰に向けた。
「それじゃあ、やっぱり蒼汰が?」
「……」
 はっと、口をつぐむ蒼汰。
 ユリウスは黙り込んでしまった蒼汰に追い打ちをかけるように語った。
「何度も包丁で刺したのは、怨恨による殺人事件の特徴だ。殺害の際に枕で淡紅の顔を枕で覆って、悲鳴が漏れないようにしたんだろう」
「ねえ、どうしてK大の誇りだった藤子さんを殺しちゃったんですか?」
 やまぶきが蒼汰に歩み寄る。
「……」
 それでも黙り込む蒼汰を見て、ユリウスは諭すように声をかけた。
「ここで告白しろ。お前も俺たちが守る」
「話して蒼汰君、どうしてこんな化け物のようなものまで引っ張り出して……何がしたかったのよ!」
 ゴーレムを指さす薫子の言葉。
「違う! こんな、こんな奴らは知らない」
 蒼汰は真っ青な顔でかぶりを振った。
「おれは、ただ藤子を……。だって、だって、おかしいだろ!! あんな絵が、ちょっとネットで話題になったからって、K大の誇りだと?! 絵なら俺の方が何倍も練習してきた。仕事だって、名前が出ていないだけで、多くを手掛けて来たんだ!! なのに、藤子ばかりが評価される!!」
 しかし彼の叫びを受け入れる者はいなかった。
「そういう世界で、藤子もあなたも勝負してるんじゃない。もちろん、私もね。浮き沈みがあるのは当たり前でしょ」
 ぴしゃりと薫子。その言葉を聞いて、蒼汰は流石に口をつぐんだ。

●ゴーレムとの戦い
 一時静まり返ったダイニングルーム。
「ハンニン、言え」
 そこに再びゴーレムの問いかけの声が響く。
 その場に居た者たちが一斉に蒼汰を指名した。
 もはや疑う余地はない。ゴーレムたちも承知していたのか、蒼汰に向かって突進してきた。
 頭をかばうようにしゃがみ込む蒼汰。
 他の参加者たちも悲鳴を上げて立ちすくんだ。
 その時、声を上げたのはセシルだった。
「砕け散れ」
 短い言葉で空間裁断を発動させ、無数の空間断裂を放つ。一見ゴーレムたちは堅い守りに覆われているようにも見える。
 だが、
「言っとくけど、防御力無視するから」
 セシルの言葉通り、全力を乗せた空間断裂は次々にゴーレムたちを斬り刻んでいった。
 ゴーレムたちは何をされたかもわからないと言ったように、ただ前を見て崩れて行く。
 それでも数体のゴーレムは、セシルの技を掻い潜って蒼汰に狙いをつけ、攻撃の体勢を取った。瞬間、そのゴーレムたちにフォークやナイフが突き刺さる。
 グァーネッツォの投げた食器たちだ。たっぷりと闘争心を込めておいたフォークやナイフは、ゴーレムたちに命中すると、その場で爆発を起こした。
「一般人に手出しなんてさせてたまるか! 戦士であるこのオレが相手だ!!」
 これはグァーネッツォの溢れ出る戦士の猛り。
 あくまでも蒼汰しか見ていないゴーレムたちの目を強引に自分に向けさせるユーベルコードだ。
「オオォ、ハンニン、潰す邪魔、ユルサナイ」
 そして、初めてゴーレムたちの注意が猟兵に移った。
「邪魔モノ、ハイジョする」
 ゴーレムがグァーネッツォに向かってゴーレムパンチを繰り出す。コンクリートの拳は、それだけで高威力だと見て取れた。
 グァーネッツォは武器でその攻撃をいなし、直撃を避ける。受け流すだけで衝撃が伝わってきた。だが、命中しなければ何と言うことはない。
「ここはオレに任せて、出来るだけゴーレムから離れろ!」
 背後で震える参加者たちに、グァーネッツォが声をかけた。
「これ以上圧迫することはできないと思うけど、離れていた方が安全だよ」
 ゴーレムの脚を斬り刻みながらセシルも言う。
 セシルのそれは、足止めと言うよりももはや破壊。
 事実、一体のゴーレムが斬り刻まれて崩れ消えた。
「さあ、急げ」
 グァーネッツォに避難の先を示され、参加者たちは肩を寄せ合い、比較的安全な場所まで後退する。
「あの……ありがとう」
「頑張って」
 薫子とみどりが戦う猟兵たちに声をかけた。
 グァーネッツォは小さく頷き斧を振るってゴーレムをなぎ払う。
 少しでも敵の闘争心をあおり、自身に注意を引き付ける心づもりだ。
「オォ、オオオッ」
 その思惑通り、ゴーレムはコンクリートの拳を振り上げグァーネッツォに襲い掛かって来る。
 その動きを阻害するようにセシルは空間裁断を放った。
「おっと、好きにはさせないよ。ぼくに背を向けていいと思っているのかな?」
 グァーネッツォだけに意識を傾けていたゴーレムは、セシルの攻撃に抗う手段などなくあっさりとその足を失う。
 続けて空間断裂が走り、その場から動けなくなったゴーレムの全てを斬って捨てた。
「最高のタイミングだぜ」
 グァーネッツォはそう言って、次に槍を振り回す。
 再び敵の闘争心に火がつき、敵がグァーネッツォに意識を集中させた。
 そのタイミングでセシルがゴーレムを斬り刻む。
 見事な連携で、戦いは二人の思惑通りに進んだ。
「よそ見をするなよ、オレはこっちだ!」
 グァーネッツォが注意を引き付けるように大きく武器を振り回す。
「さあ、一体残らず塵に帰してあげるよ、土人形ども!」
 セシルは冷静に戦況を見て、崩せるゴーレムから次々に斬って捨てた。
 同窓会参加者を囲むほどの数だったゴーレムが、気づけば一体残るのみ。
「残るはあいつだけだぜ」
「見えてるよ」
 グァーネッツォとセシル。二人は息を合わせて最後の一体を滅ぼした。

●叫び声
 ガラガラとゴーレムの崩れる音がダイニングに響く。
「私たち、助かったの?」
「ああ、あの人たちのおかげのようだ」
 みどりと修二郎が頷き合う。だが、修二郎の手は蒼汰の襟をつかんだままだ。絶対に離さない、逃がさないと言う決意がうかがえる。
「あの……、本当にありがとうございます」
 薫子は猟兵たちに向かって頭を下げた。
 もし猟兵たちが居なければ、自分たちは嬲り殺されていたかもしれない。
「あーあ」
 その時、とてもつまらなさそうな声を発する人物がいた。
「これじゃあ、希望があるみたいじゃないですか。もっと恐怖してくれないと面白くないや」
 やまぶきだ。
 何かを手にしたやまぶきが、ため息をついて参加者たちを見た。
「ねえ、皆さんエンターテイナーでしょ? だったら、もっと私を楽しませてください。ほら、次はこれで……」
 と、その手に持ったものを、背後からユリウスが取り上げる。
「分かっていた。お前が狂信者だな、黄籐・やまぶき」
 ユリウスは静かに告げた。
「この状況に至っても楽しんでいないか? それは自分が殺されないからこその余裕じゃないのか、なあ、おい?」
「……っ」
 今度こそ、本当にやまぶきの顔が歪む。
「それって、鈴だよな?」
 グァーネッツォがユリウスの手を覗き込んだ。
「邪神の関連アイテムかな?」
 セシルが言うと、やまぶきが悔しそうに声を張り上げた。
「う、うるさい! うるさい!! ああ、邪神様ッ。生贄は、一人だけでしたが、それでも復活はかなうはずですッ。残りの生贄は、ぜひ自らの手で!!」
 それは紛れもなく、邪神復活を乞う狂信者の叫び声だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『人型邪神降臨儀式『ドゥドゥガレウ』』

POW   :    邪神よ、我が慟哭に来たれ(デウスエクスマキナ)
【邪神の依り代】に覚醒して【蛇は血にまみれたような大蛇】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    …俺は生きたい……たとえ他の命を喰らっても……!
戦闘中に食べた【血の味を感じさせる、生物の魂】の量と質に応じて【生命力と】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    『寄生卑竜ニーズヘッグ・封印の呪詛』
【体中を裂いて現れる、魂喰らいの無数の蛇】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マックス・アーキボルトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●人型邪神降臨儀式『ドゥドゥガレウ』
「俺を……呼ぶのは、誰だ」
 やまぶきの叫び声に応じるように、現れたのは人型邪神降臨儀式『ドゥドゥガレウ』だった。
「お願いです! どうか、邪神様復活の悲願を果たしてください!」
「……邪神……、俺は人型邪神降臨儀式。邪神を呼んでみせる……」
 ドゥドゥガレウが構える。
 このままでは、この人里離れた別荘に邪神が降臨してしまう。
 ダイニングに再び緊張が走った。
 恐ろしい蛇の見え隠れするドゥドゥガレウを見て、再び悲鳴を上げる参加者たち。そして、醜く笑うやまぶき。
 ドゥドゥガレウをここで自由にさせるわけにはいかない。
 猟兵たちはドゥドゥガレウとの戦いを覚悟した。
ユリウス・リウィウス
独自に動く邪神降臨儀式か。また妙なものが出てきたな。

血統覚醒した上で、真の姿解放。
甲冑とも装甲板とも見えるプレートで全身を覆い、各所に棘。
兜の眉庇から赤い眼光が漏れる。
続けて黒風鎧装。戦闘準備完了だ。

まずは死霊の霧でダイニングを満たす。一般人を敵の攻撃対象にさせない為もあるが、俺の戦い方も一般人にはあまりみせたくないんでな。
起き上がれ、亡霊騎士団。
呼び出したアンデッドを速やかに全部合体させて、量より質で敵に向かわせる。

俺自身も「生命力吸収」「呪詛」を乗せた斬撃を放ち、霧に紛れての一撃離脱を繰り返す。
攻撃されたら、「武器受け」「盾受け」「見切り」で対処し「カウンター」を仕掛ける。
これで終わりだ。


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
「もうこれ以上、人を死なせてたまるか!」
と見栄を張ったものの敵に対抗できるUCが見当たらない
今のオレに出来るのは敵を思いきり挑発し存在感を表し
一般人よりも目立って囮になるしかないか
「オレ程度を殺せなきゃ邪神を呼ぶなんて夢のまた夢だぞ!」

一般人が攻撃に巻き込まれないように位置取りしながら
瀕死になっても激痛耐性と覚悟で気絶だけは免れてみせる
「さすがにまずいが、命果てるまで諦めない!」

『その意気だぜオレ!』
もう体が限界だと思った瞬間、何故かオレがもう一人いて
大蛇を輪切りにしてくれている!?
敵への攻撃はもう一人のオレに任せて、
真の姿(手足が竜鱗に覆われる)を解放して回復しながら
一般人の守りに専念するぜ


リリスフィア・スターライト
推理は既に終わったようだし、加勢させてもらうね。
蛇は少し苦手だし捕まらないよう私自身は回避と剣による迎撃重視で
呼び出したエレクトロレギオンが代わりに邪神や蛇を
攻撃してもらうようにだね。
他の猟兵達とも積極的に連携して窮地に陥っているなら
助け出すようにも動きたいかな。
絡みもOKだよ。

「もう誰も生贄にはさせないよ」
「機械が相手なら血も吸われることはないだろうね」


セシル・バーナード
儀式という概念の具象化かな、これ?
せっかくここまで来たんだ。ついでにぶっ潰す。

空間断裂と空間裁断で、蛇の封殺を狙うよ。
血まみれの大蛇は空間断裂で、魂喰らいの無数の蛇は空間裁断で、それぞれ頭を潰し、本体にも攻撃の余波を飛ばす。

防御は、空間裁断の平面展開。空間の断裂で網を作る感じ。突破しようとしたら細切れだ。
それでも向かってくる敵がいたら、次元装甲を発動して防御。短時間で解除して、空間断裂でカウンターを仕掛けるよ。

ぼくが無理をする必要がなければ、「歌唱」でサウンド・オブ・パワーを歌って、仲間を鼓舞しよう。
ぼく一人で戦うわけじゃないからね。

とにかく、蛇はぼくが出来る限り潰していくから、皆は本体を。



●対峙する者
「独自に動く邪神降臨儀式か。また妙なものが出てきたな」
 ユリウスが蛇を従える敵を見て言った。
「儀式という概念の具象化かな、これ?」
 そう言いながら、前に出たのはセシルだ。揺れ動く蛇たちを見据え、狙いをつける。
 その隣にはリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)の姿もあった。
「推理は既に終わったようだし、加勢させてもらうね」
 構えるのは剣。
 蛇は少し苦手だけれど、戦い方はある。
 守るべき一般人との位置を頭に置き、敵の前に立つのはグァーネッツォだ。
「もうこれ以上、人を死なせてたまるか!」
 仲間を、そして自分を鼓舞するように叫ぶ。
 リリスフィアが頷いた。
「もう誰も生贄にはさせないよ」
「だよね。せっかくここまで来たんだ。ついでにぶっ潰す」
 セシルも同意する。
「敵は一体。そこそこ力もありそうだが、やるべきことをやるまでだ」
 ユリウスの言葉を皮切りに、猟兵たちは敵へと向かって行った。

●蛇の群れ
「俺の邪魔をするのか……ならば」
 ドゥドゥガレウの体を裂き、無数の蛇が猟兵たちに襲い掛かってきた。
 その蛇たちの間を縫って走るリリスフィア。腕を足を狙ってくる蛇を、寸でのところで回避して動き続ける。
 それでも、蛇の頭の一つがリリスフィアの腕を掠めた。
 リリスフィアは剣を振るい、蛇の頭を弾き返す。蛇の動きを見極め対処すれば、容易に囚われることなどないのだと、直感した。弾かれた蛇が体を反らしうねる。
 その瞬間を、セシルが見た。
「そこだね、砕け散れ」
 そう言うと空間裁断を発動させ、無数の空間断裂に蛇の頭を襲わせる。蛇の頭が真っ二つに引き裂かれ、残った体は行き場を失ったようにその場で暴れた。
 断裂はさらに進み、残った体も斬り刻んでいく。
 本体であるドゥドゥガレウにまで届く不可視無音の断裂。
「だが、蛇は……まだッ」
 それを辛うじて避けた敵が、その場でたたらを踏む。蛇たちの動きが乱れ、リリスフィアから注意が逸れた。その瞬間、リリスフィアはエレクトロレギオンを発動させた。
「機械が相手なら血も吸われることはないだろうね」
 召喚した100を超える機械兵器が、一斉に蛇めがけて攻撃を仕掛ける。蛇たちもこれに応戦し、機械兵器と蛇が次々とぶつかり合った。
 セシルも重ねて空間断裂を繰り出し、荒れ狂う蛇たちを確実に落としていく。
 魂喰らいの蛇は無数。しかし、決して抑えきれないほどではない。リリスフィアとセシルはタイミングを合わせ、互いを補いながら一つまた一つと蛇を消していく。
「とにかく、蛇はぼくたちが出来る限り潰していくから、二人は本体を」
 そう言って、セシルはユリウスとグァーネッツォを見た。

●邪神の依り代
 頷いたユリウスが真紅の瞳に覚醒し、ヴァンパイアへと変身する。
「ああ、ここで終わらせる」
 そう言うと、真の姿を解放した。
 全身を覆うのは各所に棘のある甲冑とも装甲板とも見えるプレート。兜の眉庇からは赤い眼光が漏れて見えた。
 猟兵たちの連携を見て、ドゥドゥガレウが吼える。
「たかが、蛇を、抑えたくらいで……! 邪神よ、我が慟哭に来たれッ」
 対する敵は、邪神の依り代に覚醒。蛇は血にまみれたような大蛇に変貌し、爆発的に戦闘力を上げてきた。
「ひぃっ」
「嫌よ、私たち、どうなるの?!」
 ダイニングの隅で肩を寄せ合っていた同窓会参加者たちから悲鳴が上がる。
 当然、敵がチラリと一般人たちを見た。
 その視線を遮るようにグァーネッツォが体を滑り込ませる。
 これ以上人を死なせてなるものかと見栄を張った。だが、今の自分には敵に対抗できるユーベルコードが思いつかない。となれば、体を張って囮になり、一般人から敵の目を引き離す。
 グァーネッツォは敵を挑発するように見上げ、高らかに宣言した。
「オレ程度を殺せなきゃ邪神を呼ぶなんて夢のまた夢だぞ!」
「言ってくれる……」
 邪神の依り代となったドゥドゥガレウは、禍々しい表情を浮かべなぎ払う。その一振りで、グァーネッツォの体が横薙ぎにされ吹き飛んだ。
 流石に、一撃が重い。
 壁に打ちつけられたグァーネッツォは、それでも、一般人との位置を確認して身を起こした。激痛耐性で以て痛みを抑え込み、何とか意識を保って見せる。敵はその姿を目で追い、他の者から興味を外した。
 それはユリウスに対しても同じこと。ユリウスはその間に黒風鎧装を発動させた。
「よし、戦闘準備完了だ」
 誰にも聞こえない声でつぶやいたかと思うと、死霊の霧を放って周辺を冷たい霧で満たす。
 これで敵は一般人を襲うことは無いだろう。
「俺の戦い方も一般人にはあまりみせたくないんでな」
 ユリウスはそう言うと、次の行動に移った。

●大蛇襲いて
「おおおっ、邪神よ、我に力を――」
 ドゥドゥガレウは、体を震わせ叫ぶ。爆発的に増大した戦闘力と引き換えに、毎秒命を削っているのだ。
 血にまみれたような大蛇が戦場を駆け、グァーネッツォを飲み込まんと大きく口を開く。
「これしきのこと、耐えてみせるぜ!」
 グァーネッツォは痛む体を奮い立たせて、防御の構えを取った。
「大丈夫、やらせないから」
 その大蛇に向かってリリスフィアが機械兵器を飛ばす。
「防御なら、これかな」
 続けてセシルが空間裁断を平面展開させた。空間の断裂で網を作り、敵の動きを待ち構える。この網を突破しようとするなら、たちまち空間の断裂が敵の体を斬り刻むだろう。
 それでも大蛇は押し通ろうと迫ってきた。
 機械兵器が体当たりを仕掛け、その勢いを殺す。
 それでも大蛇はグァーネッツォのもとにたどり着き、その足に食らいついた。
「ぐ、ぁ」
 激しい痛みが襲ってくる。
「しっかり!!」
 リリスフィアの声を聞いて、グァーネッツォは何度首をふった。
「さすがにまずいが、命果てるまで諦めない!」
 と、その時、聞きなれた声が降ってくる。
「その意気だぜオレ!」
 時空を超えし奇跡。
 グァーネッツォのユーベルコードが発動する。未来の自分が召喚され、足に食いついた大蛇を斬り刻んだのだ。
「なんだと?!」
 思うように攻撃できず、ドゥドゥガレウが歯ぎしりする。
 そして、ユリウスの声が響いた。
「起き上がれ、亡霊騎士団」
 手のひらに『1』と刻印されたゾンビやスケルトンが次々と起き上がる。そしてユリウスの命令のもと、一気に合体し始めた。
 量より質で敵に向かわせる。
 合体し数字が増えたゾンビがドゥドゥガレウに攻撃を仕掛けた。その強さは数字で表されている通り。最初の一撃で、敵の腕を取った。
 霧に紛れユリウスもさらに追撃する。
 ここが、攻め込むタイミングだ。
 猟兵たちは即座に判断した。
「ぼく一人で戦うわけじゃないからね。ぼくにはぼくのやり方があるんだよ」
 そう言うと、セシルは歌唱の力を乗せ戦場に響く歌を歌い始める。
 それはサウンド・オブ・パワー。
 一瞬、仲間たちが振り向きセシルの歌声に耳を傾けた。ダイニングの隅っこからも、一般人のため息が聞こえてくる。その歌声は仲間を鼓舞し、戦う力を一層高めた。
「未来のオレ、攻撃は任せたぜ」
 グァーネッツォは未来の自分に攻撃を委ね、自身は真の姿を解放してその身を癒す。さらに竜鱗に覆われた手足を大きく広げ、一般人たちの守りに専念する。
「ああ、任せろオレ!」
 未来のグァーネッツォが敵の懐に踏み込んでいき、武器を振るった。
「おのれ、俺は……人型邪神降臨儀式……、こんな、ところで……」
 徐々に傷の増えたドゥドゥガレウが、それでも一撃を繰り出す。
 近くに居たユリウスが、敵の一撃を武器で受け止め、上手く流した。敵の体が傾ぐ。
 その瞬間を見切り、敵の急所にカウンターを繰り出すユリウス。
「これで終わりだ」
「――ぁ、――」
 ドゥドゥガレウの体に大きな穴が開いた。
「うん。もうここで邪神は呼ばせないよ」
 動きの止まった敵を見て、リリスフィアは残っている機械兵器を全て投入し総攻撃を仕掛ける。
 機械兵器に打たれ、貫かれ、敵の体が崩れ始める。
「ああ、邪神よ、我が――」
 最後に残った敵の腕が伸びた。
 が、そこまで。
 人型邪神降臨儀式ドゥドゥガレウは、欠片も残らず崩れて消えた。

●尊敬のまなざし
「本当にありがとうございました」
「私たちが生きているのは、皆さんのおかげです」
 みどりと薫子が丁寧に礼を述べ頭を下げる。
「お待たせいたしました。ふもとの警察と連絡が取れました」
 汗を流しながら次郎が皆に伝えた。
 戦いが終わり、同窓会参加者たちが帰っていく。
 もちろん、殺人犯はしかるべき機関へ。
 狂信者はUDC組織へと引き渡される。
「あんな少ない時間に、犯人まで当ててしまうなんて。鮮やかでした」
 ふと、みどりが振り返り尊敬のまなざしを猟兵たちに向けた。
 ともあれ彼らには日常が戻り、デスゲームの幕は下りた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月20日


挿絵イラスト