幻朧戦線将校『カルロス・グリード』
〜サクラミラージュ・秘密海賊船『カルロスの錨カルロス・アンカー』(飛翔中)〜


 六番目の猟兵達よ、幻朧桜の暴走が見えているか?
 これはすなわち、桜の下に埋められた『不死の帝』が、全ての準備を整えた証左である。

 ……お前達の中には、気付いていた者達も居るのだろう。
 この高度に発達した世界を、姿も見せぬ帝が統治できる訳が無い。
 この世界を治めているのは、他ならぬ民衆の力。
 そして悪魔ダイモンの首魁、通信を司る『ビームスプリッター』の力によるものだ。
 帝は統治者などではない。
 この事実は政府高官も、皇族さえも知らぬ。
 真実を知るは帝直属の傀儡と、かつて帝の完全殺害を企てたソウマコジロウのみ。
 そう、不死の帝こそが、幻朧桜に埋められた諸悪の根源なのだ。

 真の名を、『幻朧帝イティハーサ』という。

 六番目の猟兵達が獣人戦線の乱を完全制圧した事で、幻朧帝国はこれより始まる大戦おおいくさに介入できぬ。
 だがそれでも尚、イティハーサの力はお前達を凌駕する。
 我も引き続き無差別テロルを続行する。
 大戦によりサクラミラージュを引き剥がし……。
 世界滅びし後も咲き誇るであろう幻朧桜を、女神オーシャンに捧げてみせようぞ。