『ハビタント・フォーミュラ』&『アレックス・ライン』
〜シルバーレイン・どこかの廃校舎〜

(鋼の|嘴《くちばし》から、拡声された少女の声が響く)

「この時を待っていたう!
 アレックス・ライン、うーちゃんはお前の主、ジャック・マキシマムう!
 くれぐれも、ジャックの消滅によって生じた『歴史の空白』を侵略蔵書で改竄した偽物かもと疑うことなきよう、よろしくお願い奉るでう!」

「お前が誰でも構わない。お前が俺より優れているなら、俺はお前に従おう……」
「それは大丈夫う! だから君に使命を与えるう!
 うーちゃんの主……『書架の王』が、無限書架で君と|百目鬼・面影《どうめき・おもかげ》のふたりを待っているう!
 君達『壊し屋』の能力は、オブリビオンになってこそ真価を発揮するからう!」

「それは買い被りだ。俺達より優れた者など幾らでもいる。
 ……だが興味はある。どうすれば行ける?」

「君は『フリーダムモンスタークリスマスの再現』の為に生まれてきたう!
 だけどこの後、六番目の猟兵達が来るから、なんとか時間を稼ぐう!
 そしたらその間に、うーちゃんが君の侵略蔵書を書き上げてあげるう!
 でも気をつけて、あいつらは山田を確保しているう!」