幻朧戦線将校『カルロス・グリード』 & |黯党《あんぐらとう》首魁『本田・英和』
〜サクラミラージュ・とある皇族御用邸〜
「コンキスタドールを統べる王に拝謁願えて光栄です、カルロス殿」
「良い。今の我は
幻朧戦線の将校。
|黯党《あんぐらとう》とは立場を同じくする者だ」
「……ハビタント・フォーミュラ出現の報は、私も聞き及んでおります」
「まあ、そうであろうな。帝都転覆を企む大罪人にして……」
「幻朧帝直属軍令暗殺部隊。それが私達、|黯党《あんぐらとう》で御座いますので」
「六番目の猟兵達は只者ではない。恐らくは既に、
『はじまりの猟兵の武具』を得た者も居るであろう。ならば彼らは今すぐにでも、|予知の力《グリモア》によって『はじまりの地』に辿り着いて不思議ではない」
「帝の真実にも、いずれ辿り着かれるという事ですな。とはいえ、まさに猟兵達の妨害により、未だ此処には忌まわしき幻朧桜が咲き乱れております。我ら
『帝国』が
『租界』の助力を戴けるならば、それに勝る喜びはありませぬ」
「我が望みは|予知の力《グリモア》であるが、或いはハビタント・フォーミュラの捕縛でも構わない。我らとの交渉はそれを以てのみ成立する。心得ておくがよい」