『ふたりでひとり』

「なあ、ここあ。あのままばらばらに逃げ続ければ、アタシ達は生き残れたと思う」
「…………うん」
「でも、そんな事をしても何の意味もなくて……」
「わたしも、しなもんちゃんが側に居ないなら、生きる意味なんてないよ」
「……わかってる。アタシ達はそんな、当たり前の事を忘れてたんだ」
「わたし達は生前に沢山悪い事をして、今は存在自体が世界の敵。でも、もう離れたくない」
「ああ。アタシ達は『ふたりでひとり』。報いを受けて死ぬ日まで、それか……」
「ふたりで世界に勝つ日まで、ずっと一緒にいよう……!」