『トゥルダク』の群れ
「るー、るー」
「るー、るーるー……るー……」
下半身が白骨化した少女達の群れが、地面をスコップで掘り続けている。
|銀色の雨の時代《シルバーレイン》を戦った能力者達は、その行為に覚えがあるかもしれない。
「るーるー」としか喋らない彼女達は、地面を掘る事で「かつて滅びたゴースト」を蘇生させる。
今にして思えば、それは紛れもなくユーベルコードであり、掘り起こされた者はオブリビオンであった。
「るーるー」
「るー、るー、るー……」
少女達は周囲に気を払う事もなく地面を掘り続け、その陣容は日に日に強大化してゆく。
しかし、|銀色の雨の時代《シルバーレイン》を戦った能力者達が恐れるのは、その凄まじい能力ではない。
彼女達を現世に召喚した、『ある存在』の顕現を恐れているのだ。
「るー、るー、るーるーるー……」