妖狐七星将『|貪狼《とんろう》』
しかし、猟兵とは不思議なものね。
妖狐にも何人か猟兵に覚醒する者は現れたけど、私や廉貞があれらに劣るとは思えない。
という事は、力以外の何らかの要素が、世界とやらに選ばれる条件という訳だわ。
ユーベルコードは羨ましいわね。力で私が劣ることは無いと思うけど、私の「|能力《アビリティ》」は、如何様に鍛錬を積んだとしても、あのように柔軟な運用ができるようにはなっていないもの。射程は勿論の事、あれだけの応用性があれば、金毛九尾様をお守りする事もより容易くなるでしょうに。
まあ仕方ないわ、見聞も鍛錬のひとつよね。
間近で猟兵の奮闘を拝見し、すこしでも秘訣を伝授して戴く事としましょう。
無論、私の居る戦場で猟兵達が負ける訳はないわ。
何故ならば、この私が居るのだから。
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