ピルグリムの群れ
〜ブルーアルカディア・ピルグリムネスト〜

 六大屍人帝国のうち天帝騎士団は、幻想武装を纏った多くの騎士達を、既に聖域へと送り込んでいた。
 しかし『天帝』冬のアスタルシャは、その誰からも、帰還の報を得る事は無かった。

 ……|巡礼者《ピルグリム》と呼ばれる、謎の怪物。
 意思疎通の不可能な白き侵略者の群れの実力は、騎士達に遥かに劣る。ピルグリムはただ群れで襲いかかり、オブリビオンである騎士達からすれば緩慢極まりない動作で、のろのろと尻尾の針を突き刺して来るだけのように見える。
 しかし、その針は『産卵管』であった。一度でも刺さり、肌に星型の痣が浮かべば、もう逃れる術はない。産み付けられたピルグリムの卵は、宿主が強ければ強い程、より高速で成長を遂げる。

 騎士達は、同胞の腹を食い破り増殖するピルグリムに恐慌状態となり、自身に星型の痣を見つけ発狂する。
 やがて静寂が訪れた後、そこには騎士達を喰らって数十倍にも膨れ上がった、ピルグリムの群れが存在していた。


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