召喚魔王『ゼルデギロス』


〜デビルキングワールド・水脈枯渇平原〜


「成程。つまり私は天寿を全うした後、あなたに乗っ取られたのですね」
『ククク、悔しかろう……生前のみならず、死後なお我に翻弄されるとはな!』

「少し安心しました。ゼルデギロス、あなたはまだ、何も学んでいないのですね」
『な……何だと!?』
「時は二度と戻らない。だから時は美しく、残酷に光輝くのです」
『ど……どういう意味だ!?』
「つまり、既に死んでいる私など何の価値も無いという事!
 乗り移る相手を見誤りましたね、ゼルデギロス」

『ぐっ……仮面マスカレイドを放出できぬ! 貴様、何をした!』
「あなたの仮面は、本当に恐るべき能力です。私達の世界は、あなたの為に深く傷つけられました。しかしあなた自身は……何度でもやりなおせる気楽さに甘え、愚にもつかぬ失態を繰り返す痴れ者。私が決死の覚悟でいる事も分かっている筈なのに、見ないふりをしていたのです」

『やめろ、言う事を聞いて戦え……六番目の猟兵に殺されてしまうぞ!』
「ふふふ、流石にあなたの支配を全て退ける事はできません。しかし、この程度の支配度なら、あの方達は容易く私を殺すでしょう。あの方達は、私のぼうや達に勝るとも劣らない、素晴らしき武士もののふでしょうから」