『オウガ・オリジン』


〜アリスラビリンス・砕かれた書架牢獄〜

 おのれ……おのれ「猟書家」どもめ!
 このわたしを、「はじまりのアリス」にして「はじまりのオウガ」であるこのわたしを、このように巫山戯た牢獄に閉じ込め、あまつさえ、わたしのユーベルコードを奪い取るとは!

 わたしのユーベルコードを奪う理由など、ひとつしかない。
 猟書家どもの目的は、「フォーミュラなき世界の簒奪」
 わたしのユーベルコードならば、確かにそれが可能だろう。
 なにしろわたしが、その為に編み出したユーベルコードなのだからな!

 なにが、なにが猟書家だ!
 どこからきたかも分からぬ馬の骨どもが、この世界でもっとも尊いこのわたしを、ここまでコケにするとは、許せない、許せない……!
 嗚呼、嗚呼、怒りで腸が煮えくり返り、何故だか腹が減ってきた……!
 アリス、アリス達よ、わたしの元に集え!
 わたしが、この世界で最も尊いわたしが、腹を減らしているのだ。
 その柔らかい肉と熱い血で、このわたしの腹を満たすのだ……!